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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
G03G15/08 347
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019207220
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021081513
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 宰
(72)【発明者】
【氏名】山谷 文彦
(72)【発明者】
【氏名】荒川 満吉
(72)【発明者】
【氏名】桑田 隆
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-249866(JP,A)
【文献】特開2008-058339(JP,A)
【文献】特開2003-173118(JP,A)
【文献】特開2008-304846(JP,A)
【文献】特開2005-121856(JP,A)
【文献】特開2013-088636(JP,A)
【文献】特開2015-230408(JP,A)
【文献】特開2008-151997(JP,A)
【文献】特開2017-040725(JP,A)
【文献】特開2014-157350(JP,A)
【文献】特開2012-230358(JP,A)
【文献】特開2005-275021(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0072592(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0056772(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0145105(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/08
13/095
15/08
15/095
21/00
21/04
21/10-21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容するトナーカートリッジと、
前記トナーカートリッジが着脱可能な装置本体であって、現像ローラを有し前記現像ローラに担持させるトナーを収容するように構成された現像ユニットであって重力方向において前記トナーカートリッジの上方に配置された現像ユニット、前記トナーカートリッジから受け取ったトナーを前記現像ユニットへ搬送するように構成されたトナー搬送機構と、を有する装置本体と、
を備える画像形成装置において、
前記トナー搬送機構は、
ナーを搬送するように構成された第1搬送部であって、第1回転軸及び第1羽根部を有し且つ回転可能な第1スクリューと、前記第1スクリューが内部に設けられた第1搬送空間を形成し、前記トナーカートリッジから前記第1搬送空間へトナーを受け入れるための受入口が設けられた第1搬送路形成部材と、を有する第1搬送部と、
記第1搬送部によって搬送されたトナーを前記現像ユニットへ搬送するように構成された第2搬送部であって、第2回転軸及び第2羽根部を有し且つ回転可能な第2スクリューと、前記第2スクリューが内部に設けられた第2搬送空間を形成し、前記第1搬送路形成部材接続された接続部を有する第2搬送路形成部材と、を有する第2搬送部と、
を備え、
前記第2スクリューは、前記第1回転軸の回転軸線方向に見た場合に、前記第2回転軸が前記第1スクリューの前記第1回転軸とオーバラップするように配置され、
前記第1搬送部の前記第1搬送空間は、前記第1スクリューによるトナーの搬送方向において、第1領域と、前記第1領域よりも下流側にあって且つ前記第1領域よりも前記接続部に近い第2領域と、を有し、
前記第2領域における前記第1搬送空間の前記回転軸線方向に直交する断面積は、前記第1領域における前記第1搬送空間の前記回転軸線方向に直交する断面積よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2回転軸の回転軸線は、前記重力方向に延びていることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記接続部は、前記搬送方向において、前記第1羽根部の下流側の端よりも下流に配置されていることを特徴とする請求項またはに記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1羽根部は、前記第1回転軸の外周に螺旋状に設けられており、
前記第1羽根部のピッチは、前記第1回転軸の前記回転軸線方向における前記第2領域の長さよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
重力方向における前記第2領域の高さが、前記重力方向における前記第1領域の高さよりも低いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
重力方向と前記回転軸線方向の両方に直交する幅方向における前記第2領域の幅が、前記幅方向における前記第1領域の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記受入口は、前記第1領域に対応する前記第1搬送路形成部材の部分に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記受入口は、前記第1スクリューの上方に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1搬送空間の前記第2領域は、前記接続部のみを介して前記第2搬送空間と連通していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記接続部が、前記回転軸線方向に開口していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーを搬送するトナー搬送装置、およびトナー搬送装置を有する電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置においては、初期にトナーを貯めておくトナー収容部と、トナーを搬送する粉体搬送手段と、その下流に配置された画像形成部の3つで構成される。トナーの搬送構成として、中心に回転軸を有する螺旋状のスクリューを、搬送路内に配置し、回転させることで、トナーを搬送路の上流から下流へ搬送する構成がある。
特許文献1には、トナー収容部の鉛直方向上側に配置されたトナーボトルから、トナー搬送路を介して、トナー供給口から現像装置へトナーを、落下・搬送する構成が示されている。特許文献1の図9及び図11に示す構成では、複数の搬送路を相互に連結したトナー搬送路内に配置した複数のスクリューによって、トナーの搬送方向や高さを変化させ、所望のトナー供給口へトナーを搬送する。
例えば、特許文献1の図10に示す構成では、2つのスクリューを鉛直方向で交差するように配置し、上流から下流へトナーを受け渡す構成になっている。トナーの受け渡し部では、上流側スクリューの下流側端部と、下流側スクリューの上流側端部が、鉛直方向に重なるように交差して配置されている。上流側スクリューによって搬送されてきたトナーは、上流側スクリューの下流側端部に到達すると、重力の補助も得て、下流側スクリューへと導かれる。トナーは下流側スクリューによって、さらに下流へ搬送される。
また、特許文献2でも、同様に、2つのスクリューを鉛直方向で交差するように配置し、上流側のスクリューから下流側のスクリューへトナーを受け渡して、トナーを搬送する構成が示されている。特許文献2の図8に示されるように、上流側スクリューと下流側スクリューが鉛直方向で交差し、トナーが搬送方向下流へ搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-157350号公報
【文献】特開2012-230358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これら従来の技術では、上流側スクリューから下流側スクリューへの受け渡し部において、トナーには、スクリューの搬送力に加えて、重力が加わる。スクリューの搬送力と重力の和によって、上流側スクリューが配置された搬送路からトナーが押し出され、下流側スクリューが配置された搬送路(トナー搬送路の下流側)にトナーが流入する。トナー搬送路の下流側のトナー搬送効率を向上することが求められている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、トナー搬送装置の下流側のトナー搬送効率を向上することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
トナーを収容するトナーカートリッジと、
前記トナーカートリッジが着脱可能な装置本体であって、現像ローラを有し前記現像ローラに担持させるトナーを収容するように構成された現像ユニットであって重力方向において前記トナーカートリッジの上方に配置された現像ユニット、前記トナーカートリッジから受け取ったトナーを前記現像ユニットへ搬送するように構成されたトナー搬送機構と、を有する装置本体と、
を備える画像形成装置において、
前記トナー搬送機構は、
ナーを搬送するように構成された第1搬送部であって、第1回転軸及び第1羽根部
を有し且つ回転可能な第1スクリューと、前記第1スクリューが内部に設けられた第1搬送空間を形成し、前記トナーカートリッジから前記第1搬送空間へトナーを受け入れるための受入口が設けられた第1搬送路形成部材と、を有する第1搬送部と、
記第1搬送部によって搬送されたトナーを前記現像ユニットへ搬送するように構成された第2搬送部であって、第2回転軸及び第2羽根部を有し且つ回転可能な第2スクリューと、前記第2スクリューが内部に設けられた第2搬送空間を形成し、前記第1搬送路形成部材接続された接続部を有する第2搬送路形成部材と、を有する第2搬送部と、
を備え、
前記第2スクリューは、前記第1回転軸の回転軸線方向に見た場合に、前記第2回転軸が前記第1スクリューの前記第1回転軸とオーバラップするように配置され、
前記第1搬送部の前記第1搬送空間は、前記第1スクリューによるトナーの搬送方向において、第1領域と、前記第1領域よりも下流側にあって且つ前記第1領域よりも前記接続部に近い第2領域と、を有し、
前記第2領域における前記第1搬送空間の前記回転軸線方向に直交する断面積は、前記第1領域における前記第1搬送空間の前記回転軸線方向に直交する断面積よりも小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、トナー搬送装置の下流側のトナー搬送効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1に係るトナー搬送装置の斜視図
図2】本発明の実施例1に係るトナー搬送装置の断面図
図3】本発明の実施例1に係るトナー搬送性を示すグラフ
図4】本発明の実施例1に係る画像形成装置の模式的断面図
図5】本発明の実施例2に係るトナー搬送装置の断面図
図6】本発明の実施例3に係るトナー搬送装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0010】
(実施例1)
図4を参照して、本発明の実施例1に係る画像形成装置1について説明する。図4は、画像形成装置1の全体構成を示す概略断面図であり、画像形成装置1を正面側から見たときの断面図である。図4は、画像形成装置1が水平な設置面に載置される通常の設置状態における画像形成装置1の構成を示しており、紙面左右方向が水平方向、紙面上下方向が装置上下方向にそれぞれ対応する。
【0011】
画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー(現像剤)に対応する画像形成ステーション6Y、6M、6C、6Kを、横一列に並設してなる画像形成手段としての画像形成部6を備えている。画像形成部6には、像担持体である感光ドラム7Y、7M、7C、7K(以下、感光ドラム7と表記する)、感光ドラム7の表面を均一に帯電する帯電装置8Y、8M、8C、8K(帯電装置8)が内設されている。また、画像形成部6には、静電潜像にトナーを付着させてトナー像(現像剤像)として現像する現像装置9Y、9M、9C、9K(現像装置9)が内設されている。さらに、画像形成部6には、感光ドラム7に残っている残留トナーを除去する感
光体クリーニングブレード10Y、10M、10C、10K(感光体クリーニングブレード10)が内設されている。現像装置9には、各色に対応した現像ローラ11Y、11M、11C、11K(現像ローラ11)が各感光ドラム7に対して当接離間可能な構成で設けられている。静電潜像された画像に合わせて、すなわち現像の必要の有無に応じて、現像ローラ11の当接及び離間を行うことで、現像ローラ11の寿命を向上させている。そして、画像情報に基づいてレーザービームを照射して感光ドラム7上に静電潜像を形成するスキャナユニット12が画像形成部6の下部に設けられている。画像形成ステーション6Y、6M、6C、6Kは、プロセスカートリッジとして、画像形成装置1の装置本体に対して着脱可能に構成されている。プロセスカートリッジは、現像ローラ11を備えた現像装置9と、感光ドラム7、帯電装置8、感光体クリーニングブレード10を備えた感光体ユニットと、をそれぞれ個別に、または両者を一体に、装置本体に対して着脱可能に構成されている。本実施例では、現像装置9は独自のトナー収容室を有しているが、収容部としての補給トナー容器(トナーカートリッジ)13から供給されるトナーがトナー収容室に補充される構成となっている。ここで、画像形成装置1の装置本体とは、上述のプロセスカートリッジや補給トナー容器13などのように、画像形成装置1に対して着脱自在な構成を除いた構成部分のことを指す。
【0012】
一方、画像形成装置1の下部には、カセット2が引き出し可能に収納されている。カセット2内には、紙やシート等の記録材4が収納されている。記録材4の先端部付近に配置されたカセット給紙部3が回転することによって記録材4は一枚ずつ分離給送される。その後、レジストローラ5によって下流に搬送される。
【0013】
現像装置9の上部には中間転写ユニット16が設けられている。中間転写ユニット16は、各画像形成ステーション(画像形成部)6と対向する側(一次転写部20側)を下方にして略水平に配置されている。各感光ドラム7に対向する中間転写ベルト18は、回転可能な無端状のベルトであり、複数の張架ローラに張架されている。中間転写ベルト18の内面側には、一次転写部材として一次転写ローラ19Y、19M、19C、19K(一次転写ローラ19)が配置されている。各一次転写ローラ19は、中間転写ベルト18を介して各感光ドラム7と一次転写部20Y、20M、20C、20K(一次転写部20)を形成する位置にそれぞれ配置されている。各一次転写部20で、電圧が印加される一次転写ローラ19によって、各感光ドラム7から中間転写ベルト18にトナー像が転写される。本実施例では、中間転写ベルト18、中間転写ベルト18を張架する複数の張架ローラ、各一次転写ローラ19を備えるユニットを中間転写ユニット16として装置本体に着脱可能な構成にしている。
各画像形成ステーションで現像されたトナー像は、一次転写部20で中間転写ベルト18へ転写され、各色を連続的に転写していくことで、中間転写ベルト18の表面に、4色からなるトナー画像が形成され、二次転写部17に搬送させる。
【0014】
画像形成部6の下部であって、スキャナユニット12とカセット2との間に、各画像形成ステーション(画像形成部)6にトナーを補給するための補給トナー容器13Y、13M、13C、13K(補給トナー容器13)が略水平に、着脱可能に配設されている。補給トナー容器13は、トナー補給カートリッジとも呼ばれ、トナーを収容する。補給トナー容器13の内部には、各色に対応した補給用トナーが充填されている。トナー搬送装置14Y、14M、14C、14K(トナー搬送装置14)は、画像形成部6内のトナー消費にあわせて、補給トナー容器13から受け取ったトナーを上方に搬送し、現像装置9にトナーを供給する。トナー搬送装置14は、画像形成に用いられるトナーを搬送する。トナー搬送部としてのトナー搬送装置14は、トナー搬送装置14の下部に配設された駆動手段としてのトナー搬送駆動装置15Y、15M、15C、15K(トナー搬送駆動装置15)によって駆動される。トナー搬送駆動装置15は、トナー搬送装置14の各スクリューを駆動する駆動力を、後述の上流側駆動ギア1030、下流側駆動ギア1120等を
介してトナー搬送装置14に提供するための動力源としてのモータや、駆動伝達手段としてのギア等を備える。
【0015】
二次転写部材である二次転写ローラ21は、中間転写ベルト18に接触し、中間転写ベルト18を介して対向側のローラと二次転写部17を形成している。二次転写部17で、中間転写ベルト18上に転写されたトナー像は記録材4に二次転写される。二次転写で記録材4に転写されず、中間転写ベルト18上に残留するトナーがクリーニングユニット22により除去される。クリーニングユニット22で除去されたトナーは、トナー搬送部23を経由してトナー回収容器24へ搬送され、トナー回収容器24内にトナーが蓄積される。
【0016】
未定着のトナー画像が転写された記録材4は、更に下流に搬送され、定着装置25の加熱ユニット25aと加圧ローラ25bによって加圧及び加熱され、トナーが溶融することでトナー画像が記録材4に定着される。その後、記録材4は排出ローラ対26へ搬送され、排紙トレイ27に排出される。これら一連の動作により、記録材4の表面に対する画像形成が行われる。
【0017】
(トナー搬送装置)
図1は、本実施例の画像形成装置1に搭載されたトナー搬送装置14の概要構成を示す模式的斜視図である。なお、図1では、トナー搬送装置14の内部構成を示すために一部形状を取り除いて図示している。
トナー搬送装置14は、大きく分けて、第1搬送部としての上流側搬送部1000と、第2搬送部としての下流側搬送部1100と、によって構成されている。上流側搬送部1000及び下流側搬送部1100は、画像形成部6による画像形成に用いられるトナーを搬送する。下流側搬送部1100は、上流側搬送部1000によって搬送されたトナーを鉛直上方向に搬送する。
【0018】
上流側搬送部1000の上面には、上流側搬送部1000にトナーを供給するための供給口(開口)101が配置されている。図4に図示する補給トナー容器13から供給されるトナーが、供給口1010を通って、上流側搬送部1000の上流側壁部1040によって形成される第1トナー搬送路の内部に供給される。供給されたトナーは、上流側搬送部1000の上流側壁部1040によって覆われるように配置された第1スクリューとしての上流側スクリュー1050が回転することで搬送される。上流側スクリュー1050は、上流側駆動ギア1030にトナー搬送駆動装置15から回転駆動力が伝達されることによって、回転駆動される。上流側スクリュー1050は下流側搬送部1100が配置されている方向へトナーを搬送する。
【0019】
下流側搬送部1100の内部には、下流側スクリュー1140が下流側搬送部1100の下流側壁部1130に覆われるように配置される。下流側搬送部1100の最上流部は、上流側搬送部1000の最下流部に接続されている。上流側搬送部1000の上流側スクリュー1050によって搬送されてきたトナーが、下流側搬送部1100の下流側壁部1130によって形成される第2トナー搬送路の内部に供給される。第2スクリューとしての下流側スクリュー1140が回転することによって下流側搬送部1100内のトナーが搬送される。下流側スクリュー1140は、下流側駆動ギア1120にトナー搬送駆動装置15から回転駆動力が伝達されることによって、回転駆動され、下流側スクリュー1140は、重力方向に対して逆方向(鉛直方向の上方)にトナーを搬送する。下流側スクリュー1140によって重力方向に対して逆方向に搬送されたトナーは、第3スクリューとしての排出スクリュー1160によってさらに搬送され、排出口1110を介して下流側搬送部1100から排出される。排出スクリュー1160は、回転軸を有し、回転可能である。排出スクリュー1160の上流側端部が、下流側スクリュー1140の下流側端
部と駆動連結するように当接しており、回転する下流側スクリュー1140から受ける駆動力によって、排出スクリュー1160が回転する。排出スクリュー1160によって排出口1110から排出されたトナーは、4に図示する現像装置9に供給(補給)される。
【0020】
従来の構成では、特許文献1の図9に示された配置のように、水平に配置されたスクリューの軸方向断面から見て、スクリューの上方に空間が形成されていても、トナーは、空間に侵入せず、スクリューの軸方向に搬送される。このような場合、上流のスクリューから下流のスクリューへトナーを受け渡すときにトナーに働く搬送力は、スクリューが発生するラジアル方向の搬送力と重力の合算値である。
従って、下記の(1)や(2)のような構成の場合、スクリューのラジアル方向の搬送力だけでは不足し、トナーをスムーズに搬送できないことがある。
(1)下流側のスクリューが上流側のスクリューに対して鉛直方向上側に位置する構成
(2)下流側のスクリューの端部が搬送路の下流に近づくにしたがって高くなるように搬送路が傾斜している構成、
上記(1)や(2)のような構成の場合、上流側スクリューと下流側スクリューの受け渡し部がボトルネックとなって搬送効率が低下する。そのため、スクリュー各々が有する最大搬送力に対して、システム全体の最大搬送力が低下してしまう。
このため、従来の画像形成装置では、プロセスカートリッジが必要とするトナー量が設定されており、設定されたトナー量を満たすために、スクリューの回転数を上げてトナー搬送量を満たしている。
しかしながら、要求されるトナー搬送量が達成される一方で、スクリューの回転数増大によって動作音が増大してしまう。また、画像形成装置の製品寿命内で、粉体搬送装置内のスクリューの累計回転数が増えるので、装置寿命が低下してしまう。
また、スクリューの回転数を上げると、トナーが搬送中に受ける、圧力や摺擦によるトナーへのダメージが増大してトナーが溶融し、最悪の場合、スクリューの回転を妨げて、搬送路が詰まってしまうことがある。
【0021】
図2は、下流側搬送部1100の上流側搬送部1000と接続される接続部(連通口)1200の詳細構成を説明する図である。図2(A)はトナー搬送装置14の上面図、図2(B)は図2(A)のA1-A2断面図、図2(C)は図2(A)のB1-B2断面図である。下流側搬送部1100の接続部1200は、下流側搬送部1100に設けられた開口であり、上流側搬送部1000に設けられた開口と接続される。下流側搬送部1100の接続部1200が配置されている方向に向かって、上流側搬送部1000内のトナーが上流側スクリュー1050によって搬送される。下流側搬送部1100の接続部1200は、上流側スクリュー1050のトナーの搬送方向の下流側に配置されている。下流側搬送部1100の接続部1200を介して、上流側搬送部1000内のトナーが下流側搬送部1100内に流入する。
【0022】
図2(B)に示すように、上流側搬送部1000の上面には脱気部材1020が配置されている。脱気部材1020は、不織布で構成され、トナーを通さずに、空気が通るような材料を採用している。この脱気部材1020がない場合、図4に図示する補給トナー容器13からトナーが供給されると上流側搬送部1000の空気圧が増大する。この空気圧が増大すると補給トナー容器13との圧力差が生じ、補給トナー容器13から上流側搬送部1000内部にトナーが供給されなくなってしまう。
【0023】
上流側搬送部1000は、上流側スクリュー1050と、上流側スクリュー1050を囲う第1搬送空間1080を形成するように上流側スクリュー1050を囲む上流側壁部(第1搬送路形成部材)1040とを有する。上流側壁部1040は、上流側スクリュー1050の回転方向において上流側スクリュー1050及び第1搬送空間1080を囲む。第1搬送空間1080は、上流側スクリュー1050の回転方向において上流側スクリ
ュー1050を囲む。第1搬送空間1080は、第1領域1060と、上流側スクリュー1050のトナーの搬送方向において第1領域1060よりも下流側搬送部1100の接続部1200に近い第2領域1070とを有する。上流側壁部1040は、第1領域1060を囲む第1壁部1040Aと、第2領域1070を囲む第2壁部1040Bとを有する。第1壁部1040Aは、上流側スクリュー1050を囲う第1領域1060を形成する。第2壁部1040Bは、上流側スクリュー1050を囲う第2領域1070を形成する。
【0024】
上流側スクリュー1050は、第1回転軸としての回転軸1050Aと、回転軸1050Aの外周に螺旋状に巻き付けて設けられた第1羽根部としての羽根部1050Bと、を有している。羽根部1050Bは、羽根形状を有する。上流側スクリュー1050は、略水平方向に延びる上流側搬送部1000内に、略水平方向に延びる配置で回転可能に設けられている。上流側搬送部1000の第1搬送空間1080の第1領域1060内に上流側スクリュー1050の第1部分が配置され、上流側搬送部1000の第1搬送空間1080の第2領域1070内に上流側スクリュー1050の第2部分が配置されている。上流側スクリュー1050の第1部分は、回転軸1050Aの上流端1050A1を有する。上流側スクリュー1050の第2部分は、上流側スクリュー1050の第1部分と異なる部分であり、回転軸1050Aの下流端1050A2を有する。回転軸1050Aの上流端1050A1は、上流側搬送部1000の第1搬送空間1080の第1領域1060内に配置され、回転軸1050Aの下流端1050A2は、上流側搬送部1000の第1搬送空間1080の第2領域1070内に配置されている。回転軸1050Aの上流端1050A1を上流側搬送部1000の第1搬送空間1080の第1領域1060内に配置せずに、回転軸1050Aの上流端1050A1を上流側搬送部1000の外側領域に配置してもよい。
【0025】
下流側搬送部1100は、下流側スクリュー1140と、下流側スクリュー1140を囲う第2搬送空間1150を形成する下流側壁部(第2搬送路形成部材)1130とを有する。下流側壁部1130は、下流側スクリュー1140の回転方向において下流側スクリュー1140及び第2搬送空間1150を囲む。第2搬送空間1150は、下流側スクリュー1140の回転方向において下流側スクリュー1140を囲む。下流側壁部1130は、接続部1200を有する。下流側壁部1130の接続部1200は、上流側壁部1040と接続される。上流側搬送部1000の第1搬送空間の第2領域1070が、接続部1200を介して下流側搬送部1100の内部に形成された第2搬送空間1150に繋がっている。接続部1200は、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に配置されている。この構成に限らず、下流側搬送部1100の接続部1200は、水平方向、かつ、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に直交する直交方向に配置されてもよい。下流側スクリュー1140は、第2回転軸としての回転軸1140Aと、回転軸1140Aの外周に螺旋状に巻き付けて設けられた第2羽根部としての羽根部1140Bと、を有している。羽根部1140Bは、羽根形状を有する。下流側スクリュー1140は、略鉛直平方向に延びる下流側搬送部1100内に、略鉛直方向に延びる配置で回転可能に設けられている。下流側スクリュー1140のトナーの搬送方向は、例えば、回転軸1140Aの軸線方向であって、鉛直上方向である。
【0026】
第1壁部1040Aは、第1搬送空間1080の第1領域1060にトナーを供給するための供給口1010を有する。補給トナー容器13から供給口1010を介して、上流側搬送部1000の内部にトナーが供給される。供給口1010が第1壁部1040Aに設けられているため、供給口1010を通るトナーは、第1搬送空間1080の第1領域1060内に供給される。供給口1010は、鉛直方向における上流側スクリュー1050の上方に配置されている。第1搬送空間1080の第1領域1060は、第1搬送空間1080の第2領域1070よりも広い。すなわち、第1搬送空間1080は、第2領域
1070よりも広い第1領域1060を有する。その理由として、補給トナー容器13から上流側搬送部1000の内部に過剰にトナーが供給された場合においても、上流側搬送部1000の内部から外部にトナーが溢れ出ないようにしている。
【0027】
第1領域1060は、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に垂直な断面において、第1領域1060の高さH1と第1領域1060の幅W1を積算した断面積を有している。第1領域1060の高さH1は、鉛直方向における第1領域1060の高さである。第1領域1060の幅W1は、水平方向、かつ、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に直交する直交方向における第1領域1060の幅である。上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に垂直な断面から見て、第1壁部1040Aによって形成されるトナー搬送路の高さと幅を積算することにより、第1領域1060の断面積を算出してもよい。一方、第2領域1070は、第1領域1060に比べて狭くなっている。第2領域1070は、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に垂直な断面において、第2領域1070の高さH2と第2領域1070の幅W2を積算した断面積を有している。第2領域1070の高さH2は、鉛直方向における第2領域1070の高さである。第2領域1070の幅W2は、水平方向、かつ、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に直交する直交方向における第2領域1070の幅である。上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に垂直な断面から見て、第2壁部1040Bによって形成されるトナー搬送路の高さと幅を積算することにより、第2領域1070の断面積を算出してもよい。
【0028】
第2領域1070の高さH2が、第1領域1060の高さH1よりも低い。第1領域1060の幅W1と第2領域1070の幅W2が同一である。このように、第2領域1070の断面積、すなわち下流側搬送部1100の接続部1200の断面積は、第1領域1060の断面積よりも小さい。従って、上流側スクリュー1050によってトナーを搬送して、下流側搬送部1100の下流側スクリュー1140にトナーを受け渡す際、第1搬送空間1080の第2領域1070内の圧力が第1搬送空間1080の第1領域1060内の圧力よりも大きくなる。なお、第2領域1070の断面積が第1領域1060の断面積よりも小さい場合、第2領域1070の高さH2が第1領域1060の高さH1よりも低く、かつ、第2領域1070の幅W2が第1領域1060の幅W1よりも小さくてもよい。また、第2領域1070の断面積が第1領域1060の断面積よりも小さい場合、第2領域1070の高さH2が第1領域1060の高さH1よりも低く、かつ、第2領域1070の幅W2が第1領域1060の幅W1よりも大きくてもよい。
【0029】
第1搬送空間1080の第2領域1070内の圧力が低いと、下流側スクリュー1140によって重力方向に対して逆方向にトナーを搬送することができない場合がある。第1搬送空間1080の第2領域1070内の圧力を第1搬送空間1080の第1領域1060内の圧力よりも大きくするために、第1搬送空間1080の第2領域1070を第1搬送空間1080の第1領域1060よりも狭くしている。すなわち、上流側壁部1040で囲われた内部空間の断面積は、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向において、第1搬送空間1080の第2領域1070の方が第1搬送空間1080の第1領域1060よりも小さい。上流側壁部1040で囲われた内部空間の断面積は、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に垂直な断面積である。このように第2領域1070を第1領域1060よりも狭くすることで、下流側搬送部1100の接続部1200に効率的に圧力を付与することができる。その結果、上流側搬送部1000から下流側搬送部1100へのトナーの搬送効率を向上することができる。また、下流側スクリュー1140によって重力方向に対して逆方向にトナーを搬送することが容易になる。
【0030】
図3は、図2に図示する第1搬送空間1080の第2領域1070の空間距離Lと重力
方向に対して逆方向における下流側スクリュー1140のトナー搬送量の関係を示す図である。図3の横軸に第2領域1070の空間距離Lを示し、図3の縦軸に重力方向に対して逆方向における下流側スクリュー1140のトナー搬送量を示している。第2領域1070の空間距離Lは、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向における第2領域1070の長さである。換言すれば、空間距離Lは、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向における第2壁部1040Bの長さである。図3の縦軸のトナー搬送量は、最大搬送量に対する比率(%)で定義する。
【0031】
また、上流側スクリュー1050について、異なるピッチの羽根部1050Bを用いて、図3のデータを測定している。羽根部1050Bのピッチは、例えば、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に直交する直交方向から見て、羽根部1050Bの隣接する2つの突起部の間の距離である。図3の実線は、10mmのピッチの羽根部1050Bを有する上流側スクリュー1050の測定結果を示している。図3の点線は、20mmのピッチの羽根部1050Bを有する上流側スクリュー1050の測定結果を示している。10mmのピッチの羽根部1050Bを有する上流側スクリュー1050については、空間距離Lが10mm以上である場合、トナー搬送量が100%以上である。20mmのピッチの羽根部1050Bを有する上流側スクリュー1050については、空間距離Lが20mm以上である場合、トナー搬送量が100%以上である。図3の測定結果から、第2領域1070において、空間距離Lが上流側スクリュー1050の羽根部1050Bの1ピッチ以上である場合、重力方向に対して逆方向における下流側スクリュー1140のトナー搬送量を最大化できる。本実施例では、上流側スクリュー1050の羽根部1050Bのピッチの大きさが、空間距離Lよりも小さくなるように、羽根部1050Bが回転軸1050Aに設けられている。従って、第2領域1070において、上流側スクリュー1050の羽根部1050Bが回転軸1050Aの周りを少なくとも一周している。
【0032】
(実施例2)
以下に、本発明に係る実施例2について説明する。実施例1と同一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
図5は、実施例2に係る下流側搬送部1100の上流側搬送部1000と接続される接続部(連通口)1200の詳細構成を説明する図である。図5(A)はトナー搬送装置14の上面図、図5(B)は図5(A)のA1-A2断面図、図5(C)は図5(A)のB1-B2断面図である。
【0033】
図5は実施例2に係る下流側搬送部1100の接続部1200の詳細構成を示している。実施例2は実施例1と異なり、トナー搬送装置14の幅方向を制御することで、第1搬送空間1080の第1領域1060と第2領域1070との間に差を設ける構成である。
【0034】
第1壁部1040Aは、第1搬送空間1080の第1領域1060にトナーを供給するための供給口1010を有する。補給トナー容器13から供給口1010を介して、上流側搬送部1000の内部にトナーが供給される。供給口1010が第1壁部1040Aに設けられているため、供給口1010を通るトナーは、第1搬送空間1080の第1領域1060内に供給される。供給口1010は、上流側スクリュー1050の鉛直方向上方に配置されている。第1搬送空間1080の第1領域1060は、第1搬送空間1080の第2領域1070よりも広い。すなわち、第1搬送空間1080は、第2領域1070よりも広い第1領域1060を有する。第1領域1060は、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に垂直な断面において、第1領域1060の高さH1と第1領域1060の幅W1を積算した断面積を有している。一方、第2領域1070は、第1領域1060に比べて狭くなっている。第2領域1070は、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に垂直な断面において、第2領域1070の高さH2と
第2領域1070の幅W2を積算した断面積を有している。
【0035】
第1領域1060の高さH1と第2領域1070の高さH2とが同一である。第2領域1070の幅W2が、第1領域1060の幅W1よりも小さい。このように、第2領域1070の断面積、すなわち下流側搬送部1100の接続部1200の断面積は、第1領域1060の断面積よりも小さい。従って、上流側スクリュー1050によってトナーを搬送して、下流側搬送部1100の下流側スクリュー1140にトナーを受け渡す際、第1搬送空間1080の第2領域1070内の圧力が第1搬送空間1080の第1領域1060内の圧力よりも大きくなる。なお、第2領域1070の断面積が第1領域1060の断面積よりも小さい場合、第2領域1070の幅W2が第1領域1060の幅W1よりも小さく、かつ、第2領域1070の高さH2が第1領域1060の高さH1よりも低くてもよい。また、第2領域1070の断面積が第1領域1060の断面積よりも小さい場合、第2領域1070の幅W2が第1領域1060の幅W1よりも小さく、かつ、第2領域1070の高さH2が第1領域1060の高さH1よりも高くてもよい。
【0036】
第1搬送空間1080の第2領域1070内の圧力が低いと、下流側スクリュー1140によって重力方向に対して逆方向にトナーを搬送することができない場合がある。第1搬送空間1080の第2領域1070内の圧力を第1搬送空間1080の第1領域1060内の圧力よりも大きくするために、第1搬送空間1080の第2領域1070を第1搬送空間1080の第1領域1060よりも狭くしている。すなわち、上流側壁部1040で囲われた内部空間の断面積は、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向において、第1搬送空間1080の第2領域1070の方が第1搬送空間1080の第1領域1060よりも小さい。上流側壁部1040で囲われた内部空間の断面積は、上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向に垂直な断面積である。このように第2領域1070を第1領域1060よりも狭くすることで、下流側搬送部1100の接続部1200に効率的に圧力を付与することができる。その結果、上流側搬送部1000から下流側搬送部1100へのトナーの搬送効率を向上することができる。また、下流側スクリュー1140によって重力方向に対して逆方向にトナーを搬送することが容易になる。実施例2の構成によれば、第1領域1060の高さH1を低くすることができるため、トナー搬送装置14の上流側搬送部1000の高さを低くすることができる。
【0037】
(実施例3)
以下に、本発明に係る実施例3について説明する。実施例1と同一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。図6は、実施例3に係る下流側搬送部1100の上流側搬送部1000と接続される接続部(連通口)1200の詳細構成を説明する図である。
第1搬送空間1080の第2領域1070の高さH2が、下流側スクリュー1140の羽根部1140BのピッチPの大きさよりも大きい。羽根部1140BのピッチPは、例えば、下流側スクリュー1140の回転軸1140Aの軸線方向に直交する直交方向から見て、羽根部1050Bの隣接する2つの突起部の間の距離である。下流側スクリュー1140の羽根部1140BのピッチPの大きさよりも、第1搬送空間1080の第2領域1070の高さH2を大きくすることで、下流側スクリュー1140に対してより多くのトナーを受け渡すことができる。従って、下流側搬送部1100の接続部1200に効率的に圧力を付与できる。これにより、重力方向に対して逆方向における下流側スクリュー1140のトナー搬送量をより増大することができる。
【0038】
各実施例では、下流側搬送部1100を鉛直方向に沿って配置している構成、即ち、下流側搬送部1100の長手方向(下流側スクリュー1140の回転軸1140Aの軸線方向)が鉛直方向と一致する構成を採用しているが、この構成に限定されない。下流側搬送部1100の長手方向が鉛直方向と異なる構成を採用してもよい。例えば、水平方向又は
上流側搬送部1000の長手方向(上流側スクリュー1050の回転軸1050Aの軸線方向)に対する下流側搬送部1100の長手方向の傾斜角度が45度以上90度以下であってもよい。
【0039】
本発明のトナー搬送装置は、各実施例のような新品のトナー搬送以外にも、転写残トナーなどの廃トナーの搬送にも用いることができる。その場合、搬送対象となる粉体には、廃トナーだけでなく、記録材などから発生する紙粉などの粉体も含まれる場合があるが、主となる搬送対象は廃トナーである。従って、各実施例と同様の構成により、各実施例と同様、粉体の搬送効率を向上することができる。
【符号の説明】
【0040】
1…画像形成装置、14…トナー搬送装置、1000…上流側搬送部、1040…上流側壁部、1050…上流側スクリュー、1050A…回転軸、1050B…羽根部、1060…第1領域、1070…第2領域、1080…第1搬送空間、1100…下流側搬送部、1130…下流側壁部、1140…下流側スクリュー、1140A…回転軸、1140B…羽根部、1150…第2搬送空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6