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特許7433854撮像制御装置、撮像制御方法、プログラム、記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】撮像制御装置、撮像制御方法、プログラム、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20240213BHJP
   G02B 7/28 20210101ALI20240213BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20240213BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20240213BHJP
   G03B 13/36 20210101ALI20240213BHJP
【FI】
H04N23/63 100
H04N23/63 300
G02B7/28 N
G03B17/02
G03B17/18
G03B13/36
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019211452
(22)【出願日】2019-11-22
(65)【公開番号】P2021083041
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩史
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-129765(JP,A)
【文献】特開2007-088655(JP,A)
【文献】特開2007-248508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/63
G02B 7/28
G03B 13/36
G03B 17/02
G03B 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段に表示された、焦点検出位置または測光基準位置を示すインジケーターを移動する移動指示を受け付ける第1の操作部と、
前記インジケーターの位置に基づく焦点検出または測光の指示を受け付ける第2の操作部と、
前記第2の操作部によって前記焦点検出または前記測光の指示を受け付けていない第1の状態で、前記第1の操作部に対する前記移動指示のための所定の操作が継続されている間、前記インジケーターの移動を繰り返し実行するように制御し
前記第2の操作部によって前記焦点検出または前記測光の指示を受け付けた第2の状態で、前記第1の操作部に対する前記所定の操作が継続されても、前記インジケーターの移動を繰り返し実行しないように制御する制御手段と
を有することを特徴とする撮像制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2の操作部によって前記焦点検出または前記測光の指示を受け付けた第2の状態で、前記第1の操作部に対する前記所定の操作が1回行われたことに応じて、前記インジケーターの移動を1回実行するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記第1の状態では、1)前記第1の操作部に対する前記所定の操作が1回行われたことに応じて、前記インジケーターを第1の移動量だけ移動させ、2)前記第1の操作部に対する前記所定の操作が所定時間以上継続されている間、特定の時間経過毎に、前記インジケーターを前記第1の移動量ずつ移動させ、
前記第2の状態では、1)前記第1の操作部に対する前記所定の操作が1回行われたことに応じて、前記インジケーターを第2の移動量だけ移動させ、2)前記第1の操作部に対する前記所定の操作が前記所定時間以上継続されたことに応じた前記インジケーターの移動の繰り返しは行わない、
ように制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像制御装置。
【請求項4】
前記第2の移動量は、前記第1の移動量よりも小さい、
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1の状態では、前記第1の操作部に対する前記所定の操作が前記所定時間以上継続されている間、前記所定時間経過毎に、前記インジケーターを前記第1の移動量ずつ移動させる、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の撮像制御装置。
【請求項6】
前記第2の操作部により前記焦点検出または前記測光の指示を受け付けたことに応じて、前記インジケーターの位置に基づく焦点検出または測光処理を実行する処理手段を有し、
前記制御手段は、
前記第2の状態において、前記第1の操作部に対する前記所定の操作が1回行われたことに応じて、前記処理手段による前記焦点検出または測光処理を停止させ、
その後、前記第1の操作部に対する前記所定の操作が終了したときに、前記第2の操作部により前記焦点検出または前記測光の指示を受け付けている場合には、前記処理手段により前記焦点検出または測光処理を実行させる、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項7】
前記第1の操作部は、方向キーの押下を前記所定の操作として受け付ける
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項8】
前記第1の操作部は、ジョイスティックのレバーを傾ける操作を前記所定の操作として受け付ける
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項9】
前記第1の状態は、特定の操作部材が押下されていない状態であり、
前記特定の操作部材は、第1の段階の押下と、前記第1の段階よりも押し込んだ第2の段階の押下とを少なくとも含む複数段階の押下が可能であり、
前記第2の状態は、前記特定の操作部材が前記第1の段階で押下されている状態であり、
前記制御手段は、前記特定の操作部材に対する前記第2の段階の押下に応じて撮像手段による撮影動作を行うように制御する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記第1の状態と前記第2の状態とで、前記インジケーターの表示を異ならせる
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項11】
表示手段に表示された、焦点検出位置または測光基準位置を示すインジケーターを移動する移動指示を受け付ける第1の操作ステップと、
前記インジケーターの位置に基づく焦点検出または測光の指示を受け付ける第2の操作ステップと、
前記第2の操作ステップで前記焦点検出または前記測光の指示を受け付けていない第1の状態で、前記第1の操作ステップで前記移動指示のための所定の操作が継続されている間、前記インジケーターの移動を繰り返し実行するように制御し
前記第2の操作ステップで前記焦点検出または前記測光の指示を受け付けた第2の状態で、前記第1の操作ステップで前記所定の操作が継続されても、前記インジケーターの移動を繰り返し実行しないように制御する制御ステップと
を有することを特徴とする撮像制御方法。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された撮像制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された撮像制御装置の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像制御装置、撮像制御方法、プログラム、記憶媒体に関する。

【背景技術】
【0002】
従来、電子機器には、タッチ操作を受け付ける部材(タッチ操作部材)を搭載しており、タッチ操作がされたことに応じて実行する機能を変更できる機器が存在する。特許文献1では、タッチ圧力を検知するタッチ操作部材について、タッチがされている状態か否かの検知感度を変更できる技術が提案されている。
【0003】
また、表示されているインジケーターを移動させる際に、タッチ操作部材に対する同じ操作でも、長い距離の移動と短い距離の移動との2つがユーザーの意思によって切り替えできると、インジケーターの位置の調整におけるユーザーの操作性が高い。特許文献2では、インジケーターの移動距離を調整するためのスイッチを設け、スイッチが押されているか否かでタッチ操作部材に対する操作量に応じたインジケーターの移動距離を変更する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-197960号公報
【文献】特開平1-255027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、撮影を行う場合に、ユーザーは、撮影のために用いるシャッターボタンや測光ボタンを押下する必要があり、測距点枠などのインジケーターを移動させるためにタッチ操作部材を操作することもある。しかしながら、特許文献2の技術では、タッチ操作部材に対する操作量に応じたインジケーターの移動距離を調整したい場合には、ユーザーは、シャッターボタンや測光ボタン、タッチ操作部材とは異なるスイッチを操作する必要がある。このため、撮影を行うためにユーザーが操作すべき部材が増えてしまい、撮影の操作性が阻害されていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、撮影を行う場合に、撮影操作を阻害することなく、インジケーターの移動を操作性よく実現する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様は、
表示手段に表示された、焦点検出位置または測光基準位置を示すインジケーターを移動する移動指示を受け付ける第1の操作部と、
前記インジケーターの位置に基づく焦点検出または測光の指示を受け付ける第2の操作部と、
前記第2の操作部によって前記焦点検出または前記測光の指示を受け付けていない第1の状態で、前記第1の操作部に対する前記移動指示のための所定の操作が継続されている間、前記インジケーターの移動を繰り返し実行するように制御し
前記第2の操作部によって前記焦点検出または前記測光の指示を受け付けた第2の状態で、前記第1の操作部に対する前記所定の操作が継続されても、前記インジケーターの移動を繰り返し実行しないように制御する制御手段と
を有することを特徴とする撮像制御装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮影を行う場合に、撮影操作を阻害することなく、インジケーターの移動を操作性よく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るカメラの外観を示す図である。
図2】本実施形態に係るカメラの構成を示す図である。
図3】本実施形態に係るカメラの持ち方および解決課題を説明する図である。
図4】本実施形態に係る測距点枠の移動処理を示すフローチャートである。
図5】本実施形態に係る測距点枠の移動処理における手を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1(a)、図1(b)は、本発明を適用可能な撮像制御装置(撮像装置、電子機器)の一例としての一眼レフカメラ(以降、カメラと称する)100本体の外観図である。具体的には、図1(a)はカメラ100を第1面(前面)側から見た図であり、撮影レンズユニットを外した状態を示す。図1(b)は、カメラ100を第2面(背面)側から見た図である。第1面はカメラ前面であり、被写体側の面(撮像方向側の面)である。第2面はカメラの背面であって、第1の面の裏側(反対側)の面であり、ファインダー16を覗く撮影者側の面である。
【0011】
図1(a)に示すように、カメラ100には、横持ちでの撮影時にカメラ100を使用するユーザーがカメラ100を安定して握り、操作できるよう、前方に突出した第1グリップ部101が設けられている。またカメラ100には、縦持ちでの撮影時にカメラ100を使用するユーザーがカメラ100を安定して握り、操作できるよう、前方に突出した第2グリップ部102が設けられている。第1グリップ部101は、カメラ100の前面の第1の辺(図1(a)の左右にある2つの縦辺のうち左側の辺)に沿っている。第2グリップ部102は、前面のうち第1の辺と隣り合う第2の辺(図1(a)の上下にある2つの横辺のうち下側の辺)に沿っている。シャッターボタン103,105は、撮影指示を行うための操作部材である。メイン電子ダイヤル104,106は回転操作部材であり、メイン電子ダイヤル104,106を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値の変更等が行える。多機能ボタン107は、ユーザーが任意に機能を割り当てることが可能なボタンであり、例えば、撮影モードや機能の変更を指示することができる。シャッターボタン103,105、メイン電子ダイヤル104,106、および多機能ボタン107は、操作部70に含まれる。シャッターボタン103とメイン電子ダイヤル104は横持ち撮影用、シャッターボタン105とメイン電子ダイヤル106は縦持ち撮影用として主に使用することができる。
【0012】
図1(b)において、表示部28は画像や各種情報を表示する。表示部28はタッチ操作を受け付け可能(タッチ検出可能)なタッチパネル70aと重畳、もしくは一体となって設けられる。AF-ONボタン1,2は、焦点調節位置を設定したり、AFを開始したりするための操作部材であり、操作部70に含まれる。本実施形態では、AF-ONボタン1,2は、タッチ操作や押し込み操作を受け付けることが可能なタッチ操作部材(本実施形態では、赤外線式センサー)である。このような光学式の操作部材を、光学トラッキングポインター(OTP)と称するものとする。ユーザーは、横持ちで(カメラ100を横位置で構えた状態で)、ファインダー16を覗いたまま、AF-ONボタン1に対して、第1グリップ部101を握った右手の親指で、タッチ操作や、任意の2次元方向へのスライド操作を行うことができる。また、ユーザーは、縦持ちで、ファインダー16を覗い
たまま、AF-ONボタン2に対して、第2グリップ部102を握った右手の親指で、タッチ操作や、任意の2次元方向へのスライド操作を行うことができる。縦持ちとは、カメラ100を横位置と90度異なる縦位置で構えた状態である。カメラ100を操作するユーザーは、AF-ONボタン1、またはAF-ONボタン2へのスライド操作で、表示部28に表示された測距点枠(AFに用いるAF枠の位置、焦点調節位置、焦点検出位置)を移動させることができる。また、ユーザーは、AF-ONボタン1、またはAF-ONボタン2への押し込み操作で、測距点枠の位置に基づくAFを即座に開始させることができる。AF-ONボタン1は横持ち撮影用、AF-ONボタン2は縦持ち撮影用として主に使用することができる。
【0013】
AF-ONボタン1,2の配置について説明する。図1(b)に示すように、AF-ONボタン1,2はカメラ100の背面に配置されている。そして、AF-ONボタン2は、カメラ100の背面のうち、他の頂点よりも、第1グリップ部101に沿った辺(第1の辺)と第2グリップ部102に沿った辺(第2の辺)との成す頂点に近い位置に配置されている。また、AF-ONボタン2の方が、AF-ONボタン1よりも、第1グリップ部101に沿った辺と第2グリップ部102に沿った辺との成す上記頂点に近い位置に配置されている。カメラ100の背面のうち第1グリップ部101に沿った辺(第1の辺)とは、図1(b)における左右にある2つの縦辺のうち右側の辺である。カメラ100の背面のうち第2グリップ部102に沿った辺(第2の辺)とは、図1(b)における上下にある2つの横辺のうち下側の辺である。ここで、上述した頂点は、カメラ100の背面を多角形とみなした場合の当該多角形の頂点(仮想的な頂点)である。カメラ100の背面が完全な多角形であれば、上述した頂点は、当該多角形の頂点(カメラ100の実際の頂点)であってもよい。第1の辺は、図1(b)における左右方向の右側の辺(縦辺)であり、第2の辺は図1(b)における上下方向の下側の辺(横辺)であり、第1の辺と第2の辺との成す上述の頂点は、図1(b)における右下の頂点である。さらに、AF-ONボタン2は、第1グリップ部101に沿った辺(第1の辺)のうち、AF-ONボタン1がある側の端部(すなわち上端部)よりも、反対側の端部(下端部)に近い位置に配置されている。また、上述したシャッターボタン103は、第1グリップ部101を握った右手の人差し指で操作可能(押下可能)な位置に配置されており、シャッターボタン105は、第2グリップ部102を握った右手の人差し指で操作可能な位置に配置されている。そして、AF-ONボタン1の方が、AF-ONボタン2よりも、シャッターボタン103に近い位置に配置されており、AF-ONボタン2の方が、AF-ONボタン1よりも、シャッターボタン105に近い位置に配置されている。
【0014】
なお、AF-ONボタン1,2は、タッチパネル70aとは異なる操作部材であり、表示機能は備えていない。また、後述する例では、AF-ONボタン1,2への操作で選択された測距位置を示すインジケーター(AF枠)を移動させる例を説明するが、AF-ONボタン1,2への操作に応じて実行される機能は特に限定されない。例えば、表示部28に表示され、かつ移動させることができるものであれば、AF-ONボタン1,2へのスライド操作で移動させるインジケーターはいかなるものでもよい。例えば、マウスカーソルのような、ポインティングカーソルであってもよいし、複数の選択肢(メニュー画面に表示された複数の項目など)のうち選択された選択肢を示すカーソルであってもよい。AF-ONボタン1へのスライド操作と、AF-ONボタン2へのスライド操作とで異なるインジケーターが移動してもよい。AF-ONボタン1,2への押し込み操作で実行される機能は、AF-ONボタン1,2へのスライド操作で実行される機能に関する他の機能であってもよい。
【0015】
モード切り替えスイッチ60は、各種モードを切り替えるための操作部材である。電源スイッチ72は、カメラ100の電源のONとOFFを切り替える操作部材である。サブ電子ダイヤル73は選択枠の移動や画像送りなどを行う回転操作部材である。8方向キー
74a,74bは、上、下、左、右、左上、左下、右上、右下方向にそれぞれ押し倒し可能な操作部材であり、8方向キー74a,74bの押し倒された方向に応じた処理が可能である。8方向キー74aは横持ち撮影用、8方向キー74bは縦持ち撮影用として主に使用することができる。SETボタン75は、主に選択項目の決定などに用いられる操作部材である。静止画/動画切り替えスイッチ77は、静止画撮影モードと動画撮影モードを切り替える操作部材である。LVボタン78は、ライブビュー(以下、LV)のONとOFFを切り替える操作部材である。LVがONとなると後述するミラー12が光軸から退避した退避位置に移動(ミラーアップ)して被写体光が後述する撮像部22に導かれ、LV画像の撮像が行われるLVモードとなる。LVモードでは、LV画像で被写体像を確認できる。LVがOFFとなるとミラー12が光軸上に移動(ミラーダウン)して被写体光が反射され、被写体光がファインダー16に導かれ、被写体の光学像(光学の被写体像)がファインダー16から視認可能なOVFモードとなる。再生ボタン79は、撮影モード(撮影画面)と再生モード(再生画面)とを切り替える操作部材である。撮影モード中に再生ボタン79を押下することで再生モードに移行し、記録媒体200(図2で後述する)に記録された画像のうち最新の画像を表示部28に表示させることができる。Qボタン76はクイック設定をするための操作部材であり、撮影画面においてQボタン76を押下すると設定値の一覧として表示されていた設定項目を選択可能になり、さらに設定項目を選択すると各設定項目の設定画面へと遷移することができるようになる。モード切り替えスイッチ60、電源スイッチ72、サブ電子ダイヤル73、8方向キー74a,74b、SETボタン75、Qボタン76、静止画/動画切り替えスイッチ77、LVボタン78、再生ボタン79は、操作部70に含まれる。メニューボタン81は、操作部70に含まれ、カメラ100の各種設定を行うための操作部材である。メニューボタン81が押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。ユーザーは、表示部28に表示されたメニュー画面と、サブ電子ダイヤル73、8方向キー74a,74b、SETボタン75、メイン電子ダイヤル104,106を用いて直感的に各種設定を行うことができる。ファインダー16はレンズユニットを通して得た被写体の光学像の焦点や構図の確認を行うための覗き込み型(接眼式)のファインダーである。INFOボタン82は操作部70に含まれ、カメラ100の各種情報を表示部28に表示することができる。
【0016】
図2は、カメラ100の構成例を示すブロック図である。
【0017】
レンズユニット150は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットである。レンズ155は通常、フォーカスレンズ群、ズームレンズ群などの複数枚のレンズから構成されるが、図2では簡略して一枚のレンズのみで示している。通信端子6はレンズユニット150がカメラ100側と通信を行うための通信端子であり、通信端子10はカメラ100がレンズユニット150側と通信を行うための通信端子である。レンズユニット150は、これら通信端子6,10を介してシステム制御部50と通信する。そして、レンズユニット150は、内部のレンズシステム制御回路154によって、絞り駆動回路152を介して絞り151の制御を行い、AF駆動回路153を介してレンズ155の位置を変位させることで焦点を合わせる。レンズユニット150を装着可能な装着部を介してレンズユニット150は表示部28のある本体側に装着される。レンズユニット150として単焦点レンズやズームレンズなどの様々な種類のものを装着することができる。
【0018】
AEセンサー17は、レンズユニット150、クイックリターンミラー12を通ってフォーカシングスクリーン13上に結像した被写体(被写体光)の輝度を測光する。
【0019】
焦点検出部11は、クイックリターンミラー12を介して入射する像(被写体光)を撮像し、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する位相差検出方式のAFセンサーである。システム制御部50はデフォーカス量情報に基づいてレンズユニット150を制御し、位相差AFを行う。AFの方法は、位相差AFでなくてもよく、コントラストA
Fでもよい。また、位相差AFは、焦点検出部11を用いずに、撮像部22の撮像面で検出されたデフォーカス量に基づいて行ってもよい(撮像面位相差AF)。
【0020】
クイックリターンミラー12(以下、ミラー12)は、露光、ライブビュー撮影、動画撮影の際にシステム制御部50から指示されて、不図示のアクチュエータによりアップダウンされる。ミラー12は、レンズ155から入射した光束をファインダー16側と撮像部22側とに切り替えるためのミラーである。ミラー12は通常時はファインダー16へと光束を導く(反射させる)ように配されているが(ミラーダウン)、撮影やライブビュー表示が行われる場合には、撮像部22へと光束を導くように上方に跳ね上がり光束中から待避する(ミラーアップ)。またミラー12はその中央部が光の一部を透過できるようにハーフミラーとなっており、光束の一部を、焦点検出を行うための焦点検出部11に入射するように透過させる。
【0021】
ユーザーは、ペンタプリズム14とファインダー16を介して、フォーカシングスクリーン13上に結像した像を観察することで、レンズユニット150を通して得た被写体の光学像の焦点状態や構図の確認が可能となる。なお、ファインダー16には、撮像部22で得られた画像信号を表示する電子ビューファインダー(EVF)を使用してもよく、その場合にはフォーカシングスクリーン13およびペンタプリズム14は不要である。
【0022】
フォーカルプレーンシャッター21(シャッター21)は、システム制御部50の制御で撮像部22の露光時間を制御するためのものである。
【0023】
撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子(撮像センサー)である。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。
【0024】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の処理(画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理)を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24ではさらに、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行われる。
【0025】
メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。メモリ32は、メモリカードなどの着脱可能な記録媒体であっても、内蔵メモリであってもよい。
【0026】
表示部28は画像を表示するための背面モニタであり、図1(b)に示すようにカメラ100の背面に設けられている。D/A変換器19は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。表示部28は、画像を表示するディスプレイであれば、液晶方式のディスプレイであっても、有機ELなど他の方式のディスプレイであってもよい。
【0027】
ファインダー内表示部41には、ファインダー内表示部駆動回路42を介して、現在オートフォーカスが行われている測距点を示す枠(AF枠)や、カメラの設定状態を表すアイコンなどが表示される。ファインダー外表示部43には、ファインダー外表示部駆動回
路44を介して、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラ100の様々な設定値が表示される。
【0028】
姿勢検知部55は、カメラ100の角度による姿勢を検出するためのセンサーである。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、カメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像であるかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録したりすることが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。姿勢検知部55である、加速度センサーやジャイロセンサーを用いて、カメラ100の動き(パン、チルト、持ち上げ、静止しているか否か等)を検知することも可能である。
【0029】
不揮発性メモリ56は、システム制御部50によって電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0030】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサー(回路を含む)を内蔵し、カメラ100全体を制御する。システム制御部50は、前記の不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52では、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部50はメモリ32、D/A変換器19、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
【0031】
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。モード切り替えスイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード等のいずれかに切り替える。静止画撮影モードには、Pモード(プログラムAE)、Mモード(マニュアル)等が含まれる。あるいは、モード切り替えスイッチ60でメニュー画面に一旦切り換えた後に、メニュー画面に含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。Mモードでは、絞り値、シャッター速度、ISO感度をユーザーが設定でき、ユーザー目的の露出で撮影を行うことができる。
【0032】
第1シャッタースイッチ62は、カメラ100に設けられたシャッターボタン103,105の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。またAEセンサー17による測光も行う。
【0033】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン103,105の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像ファイルとして画像を記録するまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0034】
電源制御部83は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を
行う。また、電源制御部83は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。電源スイッチ72はカメラ100の電源のONとOFFを切り替えるためのスイッチである。
【0035】
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0036】
上述したように、カメラ100は、操作部70の一つとして、表示部28(タッチパネル70a)に対する接触を検知可能なタッチパネル70aを有する。タッチパネル70aと表示部28とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル70aを光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成し、表示部28の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネル70aにおける入力座標と、表示部28上の表示座標とを対応付ける。これにより、恰もユーザーが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を構成することができる。システム制御部50はタッチパネル70aへの以下のタッチ操作、あるいは状態を検知できる。
・タッチパネル70aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル70aにタッチしたこと。すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch-On)と称する)。
・指やペンがタッチパネル70aをタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)と称する)。
・タッチパネル70aへタッチしていた指やペンをタッチパネル70aから離したこと。すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)と称する)。
・タッチパネル70aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch-Off)と称する)。
【0037】
タッチダウンが検知されると、同時にタッチオンも検知される。タッチダウンの後、タッチアップが検知されない限りは、通常はタッチオンが検知され続ける。タッチムーブが検知されるのもタッチオンが検知されている状態である。タッチオンが検知されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検知されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検知された後は、タッチオフとなる。
【0038】
これらの操作・状態や、タッチパネル70a上に指やペンがタッチしている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部50に通知され、システム制御部50は通知された情報に基づいてタッチパネル70a上にどのような操作が行われたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル70a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル70a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。またタッチパネル70a上をタッチダウンから一定のタッチムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたこととする。素早くストロークを描く操作をフリックと呼ぶ。フリックは、タッチパネル70a上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル70a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検知され、そのままタッチアップが検知されるとフリックが行われたと判定できる。また、所定距離以上を、所定速度未満でタッチムーブしたことが検知された場合はドラッグ
が行われたと判定するものとする。タッチパネル70aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサー方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いてもよい。タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検知する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検知する方式があるが、いずれの方式でもよい。
【0039】
システム制御部50は、AF-ONボタン1,2からの通知(出力情報)により、AF-ONボタン1,2へのタッチ操作や押し込み操作を検知できる。システム制御部50は、AF-ONボタン1,2の出力情報に基づいて、AF-ONボタン1,2上における指などの動きの方向(以降、移動方向と称する)を、上、下、左、右、左上、左下、右上、右下の8方向で決定する。さらに、システム制御部50は、AF-ONボタン1,2の出力情報に基づいて、x軸方向、y軸方向の2次元方向でAF-ONボタン1,2上における指などの動きの量(以降、移動量(x,y)と称する)を決定する。システム制御部50は、さらにAF-ONボタン1,2への以下の操作、あるいは状態を検知できる。システム制御部50は、AF-ONボタン1とAF-ONボタン2のそれぞれについて個別に、移動方向や移動量(x,y)を決定したり、以下の操作・状態を検知したりする。
・AF-ONボタン1、またはAF-ONボタン2にタッチしていなかった指などが新たにAF-ONボタン1、またはAF-ONボタン2にタッチしたこと。すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)と称する)。
・AF-ONボタン1、またはAF-ONボタン2を指などでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch-On)と称する)。
・指などがAF-ONボタン1、またはAF-ONボタン2をタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)と称する)。
・AF-ONボタン1、またはAF-ONボタン2へタッチしていた指をAF-ONボタン1、またはAF-ONボタン2から離したこと。すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)と称する)。
・AF-ONボタン1、またはAF-ONボタン2に何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch-Off)と称する)。
【0040】
タッチダウンが検知されると、同時にタッチオンも検知される。タッチダウンの後、タッチアップが検知されない限りは、通常はタッチオンが検知され続ける。タッチムーブが検知されるのもタッチオンが検知されている状態である。タッチオンが検知されていても、移動量(x,y)が0であれば、タッチムーブは検知されない。タッチしていた全ての指などがタッチアップしたことが検知された後は、タッチオフとなる。
【0041】
システム制御部50は、これらの操作・状態や移動方向、移動量(x,y)に基づいてAF-ONボタン1,2上にどのような操作(タッチ操作)が行われたかを判定する。タッチムーブについては、AF-ONボタン1,2上での指などの移動として、上、下、左、右、左上、左下、右上、右下の8方向、またはx軸方向、y軸方向の2次元方向の移動を検知する。システム制御部50は、8方向のいずれかの方向への移動、またはx軸方向、y軸方向の2次元方向の片方もしくは両方への移動が検知された場合は、スライド操作が行われたと判定するものとする。本実施形態では、AF-ONボタン1,2は、赤外線方式のタッチセンサーであるものとする。ただし、抵抗膜方式、表面弾性波方式、静電容量方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサー方式等、別の方式のタッチセンサーであってもよい。
【0042】
<課題について>
以下では、図3を用いて、カメラ100の一般的な持ち方と操作例を説明し、本実施形態において解決する課題について説明する。
【0043】
手301は、第1グリップ部101を持つユーザーの手である。手301では、親指によってAF-ONボタン1を操作し、人差し指によってシャッターボタン103を操作することができる。
【0044】
矢印303は、システム制御部50がAF-ONボタン1に対するタッチムーブを検知した方向である。矢印303は、AF-ONボタン1を操作する手301の親指を用い、ユーザーが意図してスライド操作した方向でもある。なお、図示した矢印303の方向は一例であり、タッチムーブ可能な方向であれば、いかなる方向でもよい。
【0045】
測距点枠305は、表示部28に表示されており、焦点検出位置を示すインジケーターである。システム制御部50は、AF-ONボタン1に対するタッチムーブの移動量(x,y)や移動方向を算出して、測距点枠305の位置を移動させる。ここで、測距点枠305が移動する方向308は、矢印303と同一方向である。位置307は、タッチムーブによって、被写体306の位置に移動させられた後の測距点枠の位置を示している。
【0046】
このようなAF-ONボタン1による測距点枠305の移動において、操作を好適に行うための制御として、タッチムーブの移動量(x,y)に対する測距点枠305の移動量を変更する方法がある。例えば、多機能ボタン107が押されたとき、もしくは押下されている間、AF-ONボタン1に行われたタッチムーブの移動量(x,y)に対する測距点枠305の移動量を、大きく、または小さくするように変更するという制御がある。
【0047】
しかしながら、多機能ボタン107を人差し指により操作している間には、同じく人差し指において撮影指示を行うシャッターボタン103の操作ができず、撮影操作を阻害する。また、親指で操作するボタンなどに対して測距点枠305の移動量を変更する機能を割り当てた場合には、AF-ONボタン1による測距点枠305の移動操作を阻害してしまう。従って、撮影操作を阻害することなく、インジケーターの移動の操作性を向上させることを本実施形態では実現する。
【0048】
<測距点枠の移動処理>
以下では、本実施形態に係るカメラ100が実行する、AF-ONボタン1に対して接触した状態で接触位置を移動させるタッチムーブ(移動指示を行う操作)に応じた測距点枠305の移動処理について説明する。図4は、測距点枠305の移動処理を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおける各処理は、システム制御部50が、不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行し、各機能ブロックを制御することにより実現される。図5(a)~図5(c)は、本フローチャートの処理におけるユーザーの手の状態(位置)や表示部28に表示される測距点枠305を示す。
【0049】
S401では、システム制御部50は、AF-ONボタン1に対してタッチダウンされたか否か(あるいはタッチオンの状態であるか否か)を判定する。タッチダウンされた場合(あるいはタッチオンであると判定した場合)はS402に遷移し、そうでなければS413に遷移する。
【0050】
このとき、AF-ONボタン1のタッチオン/タッチオフ状態の検出には、実際の制御を行うタイミングに対してヒステリシスもしくはタイマーが設けられるとよい。つまり、システム制御部50は、所定の時間以上継続してAF-ONボタン1に指が触れていることを検知すると、タッチオン状態であると判定するとよい。このことで、カメラ100のAF-ONボタン1以外の操作部材を操作している場合にユーザーが意図せずにAF-ONボタン1に触れてしまった場合の、意図しないAF-ONボタン1へのタッチオンの検出を低減させることができる。つまり、AF-ONボタン1を操作するユーザーの意志を
より反映することができる。
【0051】
S402では、システム制御部50は、シャッターボタン103が半押しされて第1シャッタースイッチ62がオンとなっているか(第1シャッタースイッチ信号SW1がオンであるか)否かを判定する。ここで、第1シャッタースイッチ62がオンである状態とは、ユーザーからAF実行が指示されている状態である。また、第1シャッタースイッチ62がオンである状態とは、複数段階押下することができるシャッターボタン103が1段階押下されている状態(半押しされている状態)である。第1シャッタースイッチ62がオンである場合にはS407に遷移し、そうでない場合にはS403に遷移する。
【0052】
S403では、システム制御部50は、AF-ONボタン1の敏感度を大きな値である第1の値S1に設定する。ここで、AF-ONボタン1の敏感度が大きい(粗い)ほど、タッチムーブの所定の操作量(移動量)に対する測距点枠305の移動量が大きい。一方、AF-ONボタン1の敏感度が小さい(細かい)ほど、タッチムーブの同じ所定の操作量(移動量)に対する測距点枠305の移動量が小さい。
【0053】
このように敏感度を大きな値にするのは、S403への遷移時点では、第1シャッタースイッチ信号SW1がOFFで、かつ、AF-ONボタン1がタッチされている状態であり、タッチムーブにユーザーが専念しているためである。なお、既に、AF-ONボタン1の敏感度が第1の値S1に設定されている場合には、S403の処理は行われなくてよい。
【0054】
S404では、システム制御部50は、AF-ONボタン1に対してタッチムーブがされたか(タッチムーブが検出されたか)否かを判定する。タッチムーブがされている場合にはS405に遷移し、そうでなければS406に遷移する。
【0055】
S405では、システム制御部50は、検出したタッチムーブの移動量(x,y)に応じて、第1シャッタースイッチ62がオンである場合(S402 YESの場合)よりも大きい移動量で測距点枠305を移動させる。例えば、検出したタッチムーブの移動量(x,y)、すなわち操作量に、係数A1(>A2)を乗算した移動量で測距点枠305を移動させる。これは、S403において敏感度が大きな値である第1の値S1に設定されているためである。このことで、指(接触位置)の移動量に対する測距点枠305の移動量が大きくなり、測距点枠305の移動を迅速に行うことができる。
【0056】
S404,S405においてタッチムーブをしている手301の状態を図5(a)に示す。ユーザーが第1グリップ部101を握り、親指でAF-ONボタン1を操作することによって、被写体306のある位置307へ測距点枠305を移動させようとしている。ここでは、測距点枠305を移動する必要のある距離が長いため、測距点枠305が迅速に移動できることが望ましい。そこで、システム制御部50は、指(接触位置)の移動量に対する測距点枠305の移動量を大きくして、測距点枠305が迅速に移動できるようにする。
【0057】
S406では、システム制御部50は、AF-ONボタン1からのタッチアップがあったか否かを判定する。タッチアップがあった場合はS413に遷移し、そうでなければS402に遷移する。
【0058】
S407では、システム制御部50は、AF-ONボタン1の敏感度を第1の値S1よりも小さい第2の値S2に設定する。ここで、S407に遷移するため、つまりAF-ONボタン1の敏感度の変更を行うためには、第1シャッタースイッチ信号SW1がONで、かつ、AF-ONボタン1がタッチされている状態である必要がある。この状態にする
ためにはユーザーが意図してカメラ100を操作する必要があるので、S407への遷移時点では、AF-ONボタン1の敏感度の変更を行うユーザー意志があると推定できる。なお、既に、AF-ONボタン1の敏感度が第2の値S2に設定されている場合には、S407の処理は行われなくてよい。また、このとき、システム制御部50は、敏感度が第2の値S2に設定されていること(指(接触位置)の移動量に対する測距点枠305の移動量が小さいこと)を示すために、敏感度が第1の値S1の場合から測距点枠305の表示を変更してもよい。具体的には、測距点枠305の色や形状、模様などの変更が行われてもよい。
【0059】
S408では、システム制御部50は、第2シャッタースイッチ64がオンである(第2シャッタースイッチ信号SW2がONである)か否かを判定する。また、第2シャッタースイッチ64がオンである状態とは、シャッターボタン103が全押し(2段階目の押下)されている状態である。第2シャッタースイッチ64がオンである場合にはS409に遷移して、そうでなければS410に遷移する。
【0060】
S409では、システム制御部50は、撮像部22を制御して撮影処理を実行する。ここで、撮影処理とは、露光を行って撮像を行い、撮像された画像の画像ファイルを生成し、当該画像ファイルを記録媒体200に記録する処理である。
【0061】
S410では、システム制御部50は、AF-ONボタン1に対してタッチムーブがされたか否かを判定する。タッチムーブがされている場合にはS411に遷移し、そうでなければS412に遷移する。
【0062】
S411では、システム制御部50は、検出したタッチムーブの移動量(x,y)に応じて、第1シャッタースイッチ62がオンでない場合(S402 NOの場合)よりも小さい移動量で測距点枠305を移動させる。例えば、検出したタッチムーブの移動量(x,y)、すなわち操作量に、係数A2(<A1)を乗算した移動量で測距点枠305を移動させる。これは、S407にて敏感度を第2の値S2に設定する制御がされているためである。ここで、従来のカメラにおいては、第1シャッタースイッチ62の押下により、AF(オートフォーカス)処理を行う。一方、本実施形態に係るカメラ100では、ユーザーが測距点枠305を移動している最中にはAF(オートフォーカス)処理を行わず、シャッターボタン103の半押しにより、AF-ONボタン1の敏感度を小さく(細かく)する。このことで、指(接触位置)の移動量に対する測距点枠305の移動量が小さくなり、測距点枠305の位置の微調整をユーザーは好適に行うことができる。なお、ユーザーが測距点枠305を移動している最中(タッチオン中)であっても、シャッターボタン103の半押しに応じてAFを実行するとともに、AF-ONボタン1の敏感度を小さく(細かく)するようにしてもよい。
【0063】
S410,S411においてタッチムーブをしている手301の状態を図5(b)に示す。図5(b)に示すように、被写体306のある位置307に測距点枠305が近い場合には、測距点枠305を位置307に的確に合わせるために、測距点枠305が微細に移動することが望ましい。本実施形態では、第1シャッタースイッチ62がオンであれば(シャッターボタン103が半押しされていれば)、システム制御部50は、AF-ONボタン1の敏感度を小さく設定して、指(接触位置)の移動量に対する測距点枠305の移動量を小さくする。シャッターボタン103の半押しにより測距点枠305の移動量を調整できることで、撮影動作を阻害せずに、ユーザーは親指でAF-ONボタン1に対してタッチムーブをして、測距点枠305を被写体306の位置に合わせる微細な位置調整を好適に行える。
【0064】
S412では、システム制御部50は、AF-ONボタン1からのタッチアップがあっ
たか否かを判定する。タッチアップがあった場合はS413に遷移し、そうでなければS402に遷移する。
【0065】
S413では、システム制御部50は、シャッターボタン103が半押しされて第1シャッタースイッチ62がオンとなった(第1シャッタースイッチ信号SW1がONとなった)か否かを判定する。第1シャッタースイッチ62がオンとなった場合にはS414に遷移し、そうでない場合にはS401に遷移する。
【0066】
S414では、システム制御部50は、測距点枠305の位置に対して、AF(オートフォーカス)処理を行う。これは、AF-ONボタン1にタッチされていない状態において、SW1がONにされたためである。なお、AF処理に限らず、測光処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われてもよい。従って、測距点枠305は、測光基準位置を示すインジケーターであってもよい。このため、本実施形態に係るシャッターボタン103の代わりに、測光を指示するための不図示の測光ボタンを用いてもよい。
【0067】
S413,S414において第1シャッタースイッチ62を押下している手301の状態を図5(c)に示す。ユーザーはAF-ONボタン1の操作により測距点枠305の位置調整を完了すると、すぐに第1シャッタースイッチ62を押下することによって迅速にAF(オートフォーカス)を行うことができる。なお、AF(オートフォーカス)の結果、被写体306に対して合焦した場合には、システム制御部50は、図5(c)に示すように測距点枠305を非合焦時(図5(b))から変化させてもよい。このことで、合焦したことをユーザーに認識させることができる。なお、測距点枠305を非合焦時から変化させる場合における、測距点枠305の色、線幅、線種を変更する方法は限定されない。
【0068】
S415では、システム制御部50は、AF-ONボタン1に対してタッチダウンがあったか否か否かを判定する。タッチダウンがあった場合にはS416に遷移し、そうでなければS417に遷移する。
【0069】
S416では、システム制御部50は、AFの処理を終了する。S416の処理が終了すると、S407に遷移する。このような遷移により、ユーザーは、いつでも、AF-ONボタン1にタッチダウンすることによって測距点枠305の位置調整を再開することができる。なお、AFを継続して実施する設定(コンティニュアスAFの設定)がされている場合には、S416においてシステム制御部50はAFの処理を終了せずに、S407に遷移しても測距点枠305の位置にてAFを実行し続ける。
【0070】
S416に続いて、前述のS407に進み、システム制御部50は、AF-ONボタン1の敏感度を第1の値S1よりも小さい第2の値S2に設定する。このケースは、ユーザーがシャッターボタン103を半押しして一度AFを行ったが、シャッターボタン103の半押しを解除せずに、測距点枠305の位置を移動させようとした場合である。シャッターボタン103の半押しを解除していない状態とは、すぐにシャッターボタン103を全押しして撮影ができるように構えている状態である。すなわち、撮影したい被写体や構図がほぼ決まっており、測距点枠305の移動は微調整する段階であると考えられる。また、このケースは、ユーザーが、測距点枠305の位置が概ね目的の被写体の位置にある状態でAFの指示を行ったが、意図した通りのAF結果でなかったために、測距点枠305の位置を調整しようとしている状態であると想定される。さらに、AF実行指示を行うシャッターボタンの半押しを解除していないことから、AFの実行結果に大きな不満はなかった状態であるとも想定できる。この状態ではユーザーに測距点枠305を大きく移動させる意思はなく、微調整したい段階であると想定される。例えば、目的の顔の位置に測
距点枠305を合わせてシャッターボタン103を半押してAFした結果、顔の中の前髪にピントが合ってしまったが、顔の中の目の位置に厳密にピントを合わせたい場合などが想定される。そのため、AF-ONボタン1の敏感度を小さくすることで、測距点枠305の微調整が容易となり、ユーザーの使用場面に合わせた好適な操作感を提供することができる。
【0071】
S417では、システム制御部50は、第2シャッタースイッチ64がオンである(第2シャッタースイッチ信号SW2がONである)か否かを判定する。第2シャッタースイッチ64がオンである場合(シャッターボタン103が全押しされた場合)にはS418に遷移して、そうでなければS413に遷移する。
【0072】
S418では、システム制御部50は、撮像部22を制御して前述の撮影処理を実行する。つまり、図5(c)に示すような、AF-ONボタン1にタッチされておらず、シャッターボタン103が半押しされた状態から、シャッターボタン103が全押しされると、システム制御部50は撮影処理の動作を開始する。なお、S418の処理が終了するとS417に遷移するため、第2シャッタースイッチ64が継続してオンである場合には、その期間、システム制御部50は撮影の処理動作を継続する(すなわち、連写を行う)。
【0073】
このように、本実施形態によれば、親指によるAF-ONボタン1の操作と、人差し指によるAF-ONボタン1の敏感度を変更する操作、AF(オートフォーカス)や撮影処理の動作を、2つの操作部材によって好適に実施することができる。このため、撮影を行う場合に、撮影操作を阻害することなく、タッチ操作に伴うインジケーターの移動を操作性よく実現することができる。
【0074】
なお、本実施形態では、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62が押下されていない場合に、AF-ONボタン1の敏感度を大きくし、押下されている場合に敏感度を小さくしたが逆であってもよい。つまり、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62が押下されていない場合に、AF-ONボタン1の敏感度を小さくし、押下されている場合に敏感度を大きくしてもよい。
【0075】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。図4を用いて説明したAF-ONボタン1に関する各種制御は、この操作部材に限られるものではなく、他の操作部材にも適用可能である。例えば、タッチ操作を受け付け(タッチ検出;受付)可能なタッチパネル70a、部材(レバー)を傾けて方向指示をするジョイスティック、回転ダイヤル、物理ボタン等にも適用可能である。また、AF-ONボタン1の敏感度に限らず、例えば、AF(オートフォーカス)、AE(自動露出)、WB(ホワイトバランス)等、電子機器により設定可能な他の機能にも適用可能である。
【0076】
(方向キーへの適用)
例えば、AF-ONボタン1に対するタッチムーブに代わり、8方向キー74a,74bに対する各方向への押下の操作を、移動指示を行う操作として適用させることが可能である。例えば、以下の2つのケースのように測距点枠305を移動させることが考えられる。
【0077】
(ケース1)システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62がオンでなければ(S402 NO)、8方向キー74a,74bが1回押下されるごとに、第1の量、測距点枠305を移動させる。一方、第1シャッタースイッチ62がオンであれば(S402 YES)、システム制御部50は、8方向キー74a,74bが1回押下されるごとに、第2の量(<第1の量)、測距点枠305を移動させる。
【0078】
(ケース2)システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62がオンでなければ、8方向キー74a,74bが1回押下されるごとに、第1の量、測距点枠305を移動させる。さらに、システム制御部50は、8方向キー74a,74bの押下が所定時間以上継続すると、キーリピート状態に遷移して、当該押下がされている時間が所定時間経過するごとに特定の量、測距点枠305を移動させる。つまり、第1シャッタースイッチ62がオンでなければ、1回の押下の操作で長い距離、測距点枠305を移動できる。
【0079】
一方、第1シャッタースイッチ62がオンであれば、システム制御部50は、8方向キー74a,74bが1回押下されるごとに、第1の量または第2の量(<第1の量)、測距点枠305を移動させる。ここで、8方向キー74a,74bの押下が所定時間以上継続してもキーリピート状態には遷移せず、いったん押下を解除しない限りそれ以上は測距点枠305が移動しない。つまり、1回の押下の操作では第1の量または第2の量しか測距点枠305が移動しない。従って、長い距離、測距点枠305を移動させるには何回も押下の操作を繰り返す必要がある。
【0080】
(ジョイスティックへの適用)
また、例えば、AF-ONボタン1に対するタッチムーブに代わり、不図示のジョイスティックのレバーを傾ける操作を、移動指示を行う操作として適用させることが可能である。例えば、以下の2つのケースのように測距点枠305を移動させることが考えられる。
【0081】
(ケース1)システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62がオンでなければ、ジョイスティックのレバーを移動方向に傾けていれば単位時間あたり第1の量、測距点枠305を移動させる(第1の速度で移動させる)。一方、第1シャッタースイッチ62がオンであれば、システム制御部50は、レバーを同じ移動方向に傾けていれば単位時間あたり第2の量(<第1の量)、測距点枠305を移動させる(第2の速度(<第1の速度)で移動させる)。
【0082】
(ケース2)システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62がオンでなければ、ジョイスティックのレバーを移動方向に1回傾けるごとに、第1の量、測距点枠305を移動させる。さらに、レバーを所定時間以上同じ方向に傾けた状態が継続すると、キーリピート状態に遷移し、システム制御部50は、レバーを移動方向に傾けている状態において単位時間あたり第1の量、測距点枠305を移動させる。つまり、第1シャッタースイッチ62がオンでなければ、1回の操作で長い距離、測距点枠305を移動できる。
【0083】
一方、第1シャッタースイッチ62がオンであれば、システム制御部50は、ジョイスティックのレバーを移動方向に1回傾けるごとに、第1の量または第2の量(<第1の量)、測距点枠305を移動させる。所定時間以上同じ方向に傾けた状態を継続しても、キーリピート状態には遷移せず、いったん傾けた状態を解除しない限りそれ以上は測距点枠305が移動しない。つまり1回の操作では第1の量または第2の量しか移動しない。このため、長い距離移動させるには、ジョイスティックのレバーを傾けて戻す操作を何回も繰り返す必要がある。
【0084】
(ダイヤルへの適用)
また、例えば、AF-ONボタン1に対するタッチムーブに代わり、回転ダイヤルであるメイン電子ダイヤル104,106やサブ電子ダイヤル73の回転操作を、移動指示を行う操作として適用させることが可能である。例えば、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62がオンでなければ、回転ダイヤルに対する回転量1パルス(所定の回転量)の操作ごとに第1の量、測距点枠305を移動させる。一方、第1シャッタースイ
ッチ62がオンであれば、システム制御部50は、回転量1パルス(所定の回転量)の操作ごとに第2の量(<第1の量)、測距点枠305を移動させる。
【0085】
なお、システム制御部50が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0086】
さらに、上述の実施形態では、AFの実行指示操作、測光(AE)の実行指示操作の例としてシャッターボタン103の半押し(第1シャッタースイッチ62がオンである場合)を例に挙げたが、これに限るものではない。例えば、シャッターボタン103の半押しとは別に、AF-ONボタン1の押込みでもAFの実行指示が行える。従って、シャッターボタン103の半押しが無くとも、AF―ONボタン1が押下されていることを検知した場合にS402,S413でYesと判定するようにしてもよい。この場合には、例えば、AF-ONボタン1を押し込まずにスライド操作すれば測距点枠305を大きく素早く移動させることができ、AF-ONボタン1を押し込んだ状態でスライド操作すれば測距点枠305を小さく微調整することができる。同様に、操作部70に含まれる、測光開始指示ボタンが押下されている場合に、S402,S413でYesと判定するようにしてもよい。ボタンカスタマイズ機能によって、ユーザーにて予めAF-ONの機能が割り当てられた他の操作部材が操作されている場合に、S402,S413でYesと判定するようにしてもよい。
【0087】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0088】
また、上述した実施形態においては、本発明をカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、操作量に応じたインジケーターの移動を制御することのできる撮像制御装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。
【0089】
また、撮像装置本体に限らず、有線または無線通信を介して撮像装置(ネットワークカメラを含む)と通信し、撮像装置を遠隔で制御する制御装置にも本発明を適用可能である。撮像装置を遠隔で制御する装置としては、例えば、スマートフォンやタブレットPC、デスクトップPCなどの装置がある。制御装置側で行われた操作や制御装置側で行われた処理に基づいて、制御装置側から撮像装置に各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、撮像装置を遠隔から制御可能である。また、撮像装置で撮影したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して制御装置側で表示できるようにしてもよい。
【0090】
なお、上記の各実施形態の各機能部は、個別のハードウェアであってもよいし、そうでなくてもよい。2つ以上の機能部の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の複数の機能のそれぞれが、個別のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の2つ以上の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。また、各機能部は、ASIC、FPGA、DSPなどのハードウェアによって実現されてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、装置が、プロセッサと、制御プログラムが格納されたメモリ(記憶媒体)とを有していてもよい。そして、装置が有する少なくとも一部の機能部の機能が、プロセッサがメモリから制御プログラムを読み出して実行すること
により実現されてもよい。
【0091】
(その他の実施形態)
本発明は、上記の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0092】
100:カメラ、1:AF-ONボタン、28:表示部、103:シャッターボタン、
50:システム制御部
図1
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図3
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図5