(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】弾性波共振器、フィルタ、及びマルチプレクサ
(51)【国際特許分類】
H03H 9/25 20060101AFI20240213BHJP
H03H 9/145 20060101ALI20240213BHJP
H10N 30/088 20230101ALI20240213BHJP
H10N 30/20 20230101ALI20240213BHJP
H10N 30/80 20230101ALI20240213BHJP
H10N 30/853 20230101ALI20240213BHJP
H10N 30/87 20230101ALI20240213BHJP
H10N 30/88 20230101ALI20240213BHJP
【FI】
H03H9/25 C
H03H9/145 C
H03H9/145 Z
H10N30/088
H10N30/20
H10N30/80
H10N30/853
H10N30/87
H10N30/88
(21)【出願番号】P 2019221476
(22)【出願日】2019-12-06
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 凌平
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-013576(JP,A)
【文献】特開2019-201345(JP,A)
【文献】国際公開第2020/184621(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 9/25
H03H 9/145
H10N 30/088
H10N 30/20
H10N 30/80
H10N 30/853
H10N 30/87
H10N 30/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板と、
前記支持基板上に設けられ、カット角が
70°以上90°以下の範囲にある回転YカットX伝搬タンタル酸リチウムである圧電層と、
前記支持基板と前記圧電層との間に設けられ、酸化シリコンを含み、前記圧電層の弾性定数の温度係数の符号とは反対の符号である弾性定数の温度係数を有する絶縁層と、
前記圧電層上に設けられ、各々複数の電極指を有し、一方の櫛型電極の電極指の平均ピッチが前記圧電層の
上面と前記絶縁層の下面の間隔の1/2以上である一対の櫛型電極と、を備え
、
前記絶縁層の厚さは、前記一対の櫛型電極のうちの一方の櫛型電極の電極指の平均ピッチの0.3倍以上0.7倍以下であり、
前記圧電層の厚さは、前記一対の櫛型電極のうちの一方の櫛型電極の電極指の平均ピッチの0.3倍以上0.5倍以下である、弾性波共振器。
【請求項2】
前記圧電層は、カット角が
80°以上90°以下の範囲にある回転YカットX伝搬タンタル酸リチウムである、請求項
1に記載の弾性波共振器。
【請求項3】
前記絶縁層は、二酸化シリコン層である、請求項
1または2に記載の弾性波共振器。
【請求項4】
前記一対の櫛型電極のうちの一方の櫛型電極の電極指の平均ピッチは、前記複数の電極指の配列方向における前記一対の櫛型電極のうちの一方の櫛型電極の長さを前記複数の電極指の本数で除した数である、請求項1から
3のいずれか一項に記載の弾性波共振器。
【請求項5】
前記支持基板は、サファイア基板、アルミナ基板、シリコン基板、スピネル基板、水晶基板、石英基板、又は炭化シリコン基板である、請求項1から
4のいずれか一項に記載の弾性波共振器。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか一項に記載の弾性波共振器を含むフィルタ。
【請求項7】
請求項
6に記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波共振器、フィルタ、及びマルチプレクサに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の通信機器に用いられる弾性波共振器として、弾性表面波共振器が知られている。弾性表面波共振器を形成する圧電層を支持基板に接合し、圧電層の厚さを弾性表面波の波長以下にすることが知られている(例えば、特許文献1)。支持基板と圧電層との間に酸化シリコン層を設けることが知られている(例えば、特許文献2)。また、弾性表面波共振器において、共振周波数と反共振周波数とで周波数温度係数が異なることが知られている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-34363号公報
【文献】特開2015-73331号公報
【文献】特開2017-152868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
弾性波共振器で構成したフィルタを所望の特性とするために、弾性波共振器において共振周波数と反共振周波数の周波数温度係数の差を小さくすることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、共振周波数と反共振周波数の周波数温度係数の差を小さくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、支持基板と、前記支持基板上に設けられ、カット角が70°以上90°以下の範囲にある回転YカットX伝搬タンタル酸リチウムである圧電層と、前記支持基板と前記圧電層との間に設けられ、酸化シリコンを含み、前記圧電層の弾性定数の温度係数の符号とは反対の符号である弾性定数の温度係数を有する絶縁層と、前記圧電層上に設けられ、各々複数の電極指を有し、一方の櫛型電極の電極指の平均ピッチが前記圧電層の上面と前記絶縁層の下面の間隔の1/2以上である一対の櫛型電極と、を備え、前記絶縁層の厚さは、前記一対の櫛型電極のうちの一方の櫛型電極の電極指の平均ピッチの0.3倍以上0.7倍以下であり、前記圧電層の厚さは、前記一対の櫛型電極のうちの一方の櫛型電極の電極指の平均ピッチの0.3倍以上0.5倍以下である、弾性波共振器である。
【0009】
上記構成において、前記圧電層は、カット角が80°以上90°以下の範囲にある回転YカットX伝搬タンタル酸リチウムである構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記絶縁層は、二酸化シリコン層である構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記一対の櫛型電極のうちの一方の櫛型電極の電極指の平均ピッチは、前記複数の電極指の配列方向における前記一対の櫛型電極のうちの一方の櫛型電極の長さを前記複数の電極指の本数で除した数である構成とすることができる。
【0014】
上記構成において、前記支持基板は、サファイア基板、アルミナ基板、シリコン基板、スピネル基板、水晶基板、石英基板、又は炭化シリコン基板である構成とすることができる。
【0015】
本発明は、上記記載の弾性波共振器を含むフィルタである。
【0016】
本発明は、上記記載のフィルタを含むマルチプレクサである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、共振周波数と反共振周波数の周波数温度係数の差を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1(a)は、実施例1に係る弾性波共振器の平面図、
図1(b)は、
図1(a)のA-A断面図である。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は、シミュレーションA及びBにおける弾性波共振器の断面図である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、シミュレーションA及びBにおける位置Zに対する総変位分布を示す図である。
【
図5】
図5(a)から
図5(c)は、バルク波を説明する断面図である。
【
図6】
図6は、圧電層のカット角に対する周波数温度係数を示す図である。
【
図7】
図7は、圧電層のカット角に対する共振周波数と反共振周波数との周波数温度係数の差及び電気機械結合係数を示す図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、圧電層のカット角に対する共振周波数と反共振周波数との周波数温度係数の差及び電気機械結合係数を絶縁層の有り無しで比較した図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は、絶縁層の厚さを変えた場合での、圧電層のカット角に対する共振周波数と反共振周波数との周波数温度係数の差を示す図である。
【
図10】
図10(a)及び
図10(b)は、絶縁層の厚さを変えた場合での、圧電層のカット角に対する電気機械結合係数を示す図である。
【
図11】
図11は、実施例2に係る弾性波共振器の断面図である。
【
図12】
図12は、実施例3に係る弾性波共振器の断面図である。
【
図13】
図13(a)から
図13(c)は、実施例4から実施例4の変形例2に係る弾性波共振器の断面図である。
【
図15】
図15は、実施例6に係るデュプレクサの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照し本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0020】
図1(a)は、実施例1に係る弾性波共振器の平面図、
図1(b)は、
図1(a)のA-A断面図である。電極指の配列方向をX方向、電極指の延伸方向をY方向、支持基板及び圧電層の積層方向をZ方向とする。X方向、Y方向、及びZ方向は、圧電層の結晶方位のX軸方向及びY軸方向とは必ずしも対応しない。圧電層が回転YカットX伝搬の場合、X方向は結晶方位のX軸方向となる。
【0021】
図1(a)及び
図1(b)のように、実施例1の弾性波共振器100では、支持基板10上に絶縁層11が接合されている。絶縁層11上に圧電層12が接合されている。絶縁層11は支持基板10上に直接接合されていてもよいし、接合層等を介し間接的に接合されていてもよい。圧電層12は絶縁層11上に直接接合されていてもよいし、接合層等を介し間接的に接合されていてもよい。圧電層12上に弾性波素子20が設けられている。弾性波素子20はIDT(Interdigital Transducer)22と反射器24を有する。反射器24はIDT22のX方向の両側に設けられている。IDT22及び反射器24は、圧電層12上の金属膜14により形成される。
【0022】
IDT22は、対向する一対の櫛型電極18を備える。櫛型電極18は、複数の電極指15と、複数の電極指15が接続されたバスバー16と、を備える。一対の櫛型電極18の電極指15が交差する領域が交差領域25である。交差領域25の長さが開口長である。一対の櫛型電極18は、交差領域25の少なくとも一部において電極指15がほぼ互い違いとなるように対向して設けられている。交差領域25において複数の電極指15が励振する弾性波は、主にX方向に伝搬する。一対の櫛型電極18のうち一方の櫛型電極18の電極指15のピッチがほぼ弾性波の波長λとなる。すなわち、弾性波の波長λは、一対の櫛型電極18の電極指15のピッチの2倍にほぼ等しい。反射器24は、IDT22の電極指15が励振した弾性波(弾性表面波)を反射する。これにより弾性波はIDT22の交差領域25内に閉じ込められる。
【0023】
圧電層12は、単結晶タンタル酸リチウム(LiTaO3)層であり、回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム層である。絶縁層11は、酸化シリコン(SiO)を含む絶縁層である。絶縁層11は、二酸化シリコン(SiO2)層でもよいし、酸化シリコンを主成分とし弗素又は窒素等の不純物を含んでいてもよい(例えばSiOF層又はSiON層)。絶縁層11の弾性定数の温度係数の符号は圧電層12の弾性定数の温度係数の符号と反対である。絶縁層11と圧電層12の弾性定数の温度係数の正負の符号を反対とすることで、弾性波共振器の周波数温度係数(TCF:Temperature Coefficient of Frequency)を小さくできる。
【0024】
支持基板10は、圧電層12のX方向の線膨張係数より小さな線膨張係数を有する。支持基板10として圧電層12より線膨張係数の小さい材料を用いると、温度変化による電極指15のピッチの変化が小さくなり、弾性波共振器の周波数温度係数を小さくできる。支持基板10は、例えばサファイア基板、アルミナ基板、シリコン基板、スピネル基板、水晶基板、石英基板、又は炭化シリコン基板である。サファイア基板は単結晶のAl2O3を主成分とする基板である。アルミナ基板は多結晶のAl2O3を主成分とする基板である。シリコン基板は単結晶又は多結晶のSiを主成分とする基板である。スピネル基板は単結晶又は多結晶のMgAl2O4を主成分とする基板である。水晶基板は単結晶のSiO2を主成分とする基板である。石英基板はアモルファスのSiO2を主成分とする基板である。炭化シリコン基板は単結晶又は多結晶のSiCを主成分とする基板である。主成分とするとは、各基板に記載した原子の合計が50原子%以上である場合でもよいし、80原子%以上である場合でもよい。
【0025】
金属膜14は、例えばアルミニウム、銅、又はモリブデンを主成分とする膜であり、例えばアルミニウム膜、銅膜、又はモリブデン膜である。電極指15と圧電層12との間にチタン膜又はクロム膜等の密着膜が設けられていてもよい。密着膜は電極指15より薄い。電極指15を覆うように絶縁膜が設けられていてもよい。絶縁膜は保護膜又は温度補償膜として機能してもよい。
【0026】
支持基板10の厚さは例えば50μmから500μmである。絶縁層11の厚さT1は、例えば0.1μmから10μmであり、例えば弾性波の波長λ以下である。圧電層12の厚さT2は、例えば0.1μmから10μmであり、例えば弾性波の波長λ以下である。弾性波の波長λは例えば1μmから6μmである。2本の電極指15を1対としたときの対数は20対から300対である。IDT22のデュティ比は、電極指15の太さ/電極指15のピッチであり、例えば30%から80%である。IDT22の開口長は例えば10λから50λである。
【0027】
[製造方法]
弾性波共振器100の製造方法について説明する。支持基板10上に絶縁層11をCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて成膜する。絶縁層11上に圧電基板を表面活性化法を用いて接合させた後、圧電基板をCMP(Chemical Mechanical Polishing)を用いて薄膜化させて圧電層12を形成する。圧電層12上にIDT22及び反射器24を形成する。
【0028】
[絶縁層11と圧電層12の厚さの説明]
絶縁層11の厚さT1と圧電層12の厚さT2について説明する。
図2は、弾性波を説明する断面図である。
図2のように、IDT22の電極指15は弾性波50を励振する。なお、図中の弾性波50は変位のイメージを示しており実際の弾性波の変位とは異なる。圧電層12が回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム層である場合、IDT22は主にSH(Shear Horizontal)波を励振する。SH波は圧電層12の表面に平行で且つSH波の伝搬方向に直交方向に変位する波である。弾性波共振器の周波数温度係数を小さくするには、絶縁層11内に弾性表面波の変位が分布していることが求められる。
【0029】
そこで、共振周波数における総変位分布をシミュレーションした。
図3(a)及び
図3(b)は、シミュレーションA及びBにおける弾性波共振器の断面図である。
図3(a)のように、シミュレーションAでは、42°回転YカットX伝搬タンタル酸リチウムからなる圧電基板12´を用いた。
図3(b)のように、シミュレーションBでは、サファイアからなる支持基板10上に42°回転YカットX伝搬タンタル酸リチウムからなる圧電層12が設けられた基板を用いた。圧電層12の厚さT1は約0.7λとした。シミュレーションA及びBともに電極指15が接する圧電基板12´及び圧電層12の表面を0とし、基板の深さ方向を位置Zとした。
【0030】
図4(a)及び
図4(b)は、シミュレーションA及びBにおける位置Zに対する総変位分布を示す図である。
図4(a)及び
図4(b)の上に圧電基板12´、支持基板10、及び圧電層12の範囲を示す矢印を図示している。
図4(a)のように、シミュレーションAでは、Z/λが2以下にほとんどの変位が収まる。特に、Z/λが1.5以下にほとんどの変位が収まる。これは、弾性表面波は圧電基板12´の表面から2λ(特に1.5λ)までの範囲を伝搬することを示している。
図4(b)のように、シミュレーションBでは、Z/λが1以下にほとんどの変位が収まる。とくに支持基板10内にはほとんど変位が分布しない。これは、支持基板10の位相速度が大きいためである。
【0031】
以上のシミュレーション結果のように、弾性表面波は、圧電基板12´の表面から2λ(特に1.5λ)以内を伝搬する。このことから、実施例1において、絶縁層11に周波数温度係数を小さくする機能を発揮させるには、絶縁層11は圧電層12の上面から2λ(特に1.5λ)以内に存在することが求められる。
【0032】
次に、バルク波について説明する。
図5(a)から
図5(c)は、バルク波を説明する断面図である。
図5(a)のように、圧電基板12´を用いる場合、IDT22が圧電基板12´の表面にSH波等の弾性表面波52を励振する。弾性表面波52の変位が存在する厚さT4は2λ程度である。IDT22が弾性表面波52を励振するとき、IDT22は圧電基板12´内にバルク波54を放出する。バルク波54は主モードの弾性表面波52に比べて1/10程度の大きさである。バルク波54が存在する厚さT5は10λ程度である。バルク波54が圧電基板12´内を伝搬すると弾性表面波52のエネルギーがバルク波54として失われる。よって、弾性波共振器の損失が大きくなる。
【0033】
図5(b)のように、支持基板10上に弾性定数の温度係数の符号が圧電層12と反対の絶縁層11を設け、絶縁層11上に圧電層12を設ける。圧電層12の厚さT1は厚さT4より小さい。これにより、弾性表面波52の変位は圧電層12と絶縁層11の両方に分布する。よって、周波数温度係数を小さくできる。絶縁層11の厚さT2が大きいと、絶縁層11内をバルク波54が伝搬する。これにより、弾性表面波52のエネルギーがバルク波54として失われる。よって、弾性波共振器の損失が大きくなる。矢印56のように、支持基板10内にはバルク波は伝搬しない。
【0034】
図5(c)のように、実施例1では、絶縁層11を薄くし、厚さT1とT2の合計の厚さ(すなわち、圧電層12の上面と絶縁層11の下面との間の間隔)をT4以下に小さくする。支持基板10は、絶縁層11及び圧電層12の位相速度(音速)より大きい位相速度を有する。例えば、タンタル酸リチウム、二酸化シリコン、及びサファイアの速い横波の位相速度は、約4211m/秒、約5840m/秒、及び約6761m/秒である。このため、矢印56のように、支持基板10内にバルク波は伝搬し難い。弾性表面波52及びバルク波54ともに圧電層12及び絶縁層11内に閉じ込められる。よって、弾性波共振器の損失を抑制できる。また、バルク波に起因したスプリアスを抑制できる。
【0035】
[圧電層12のカット角の説明]
圧電層12のカット角を変え、共振周波数fr及び反共振周波数faの周波数温度係数(TCF)と電気機械結合係数(k2)を計算したシミュレーションについて説明する。シミュレーションは
図1(a)及び
図1(b)に示した構造を用いて以下の条件にて行った。
支持基板10:サファイア基板
絶縁層11:厚さ600nm(0.4λ)の二酸化シリコン層
圧電層12:厚さ600nm(0.4λ)の回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム層
金属膜14:厚さ150nmのアルミニウム膜
電極指15のピッチ×2:1500nm(弾性波の波長λ)
電極指15の幅:375nm
【0036】
図6は、圧電層のカット角に対する周波数温度係数を示す図である。横軸は圧電層12のカット角であり、縦軸は周波数温度係数である。ドットはシミュレーション点であり、曲線は近似曲線である(以下の同様な図においても同様である)。共振周波数frのシミュレーション結果を太線で図示し、反共振周波数faのシミュレーション結果を細線で図示している。周波数温度係数は、弾性波共振器の温度が25℃のときと85℃のときとの周波数差から求めた。
【0037】
図6のように、圧電層12のカット角が0°から80°までは、反共振周波数faの周波数温度係数は共振周波数frの周波数温度係数よりもマイナス側に位置する。共振周波数frの周波数温度係数と反共振周波数faの周波数温度係数との差は圧電層12のカット角が0°から大きくなるに従い小さくなり、80°で差がほぼなくなる。圧電層12のカット角が80°から120°の間では、共振周波数frの周波数温度係数と反共振周波数faの周波数温度係数とは、差がほぼない状態を維持しながら同様な軌跡をたどる。圧電層12のカット角が120°より大きくなると、共振周波数frの周波数温度係数と反共振周波数faの周波数温度係数との差が開きだし、反共振周波数faの周波数温度係数は共振周波数frの周波数温度係数よりもマイナス側に位置する。
【0038】
図7は、圧電層のカット角に対する共振周波数と反共振周波数との周波数温度係数の差及び電気機械結合係数を示す図である。横軸は圧電層12のカット角であり、左縦軸は共振周波数frと反共振周波数faとの周波数温度係数の差(fr-fa)、右縦軸は電気機械結合係数である。周波数温度係数の差を太線で図示し、電気機械結合係数を細線で図示している。
【0039】
図7のように、圧電層12のカット角が50°より大きく150°より小さい範囲では、共振周波数frと反共振周波数faとの周波数温度係数の差の絶対値は10ppm/K以下に低く抑えられている。特に、圧電層12のカット角が80°以上120°以下の範囲では、共振周波数frと反共振周波数faとの周波数温度係数の差はほぼゼロとなっている。一方、電気機械結合係数は、圧電層12のカット角が20°のときに極大となり、カット角が120°のときにほぼゼロとなり、その間ではカット角が大きくなるに従い減少している。
【0040】
このように、絶縁層11と圧電層12の合計厚さが0.8λのような2λ以下の場合(すなわち、圧電層12の上面と絶縁層11の下面との間の間隔が2λ以下の場合)では、圧電層12のカット角を50°より大きく150°より小さくすることで周波数温度係数の差の絶対値を10ppm/K以下に低く抑えられる。特に、圧電層12のカット角を80°以上120°以下にすることで周波数温度係数の差がほぼゼロとなる。
【0041】
次に、圧電層12のカット角に対する共振周波数frと反共振周波数faとの周波数温度係数の差及び電気機械結合係数を絶縁層11の有り無しで比較した。絶縁層11が有るときのシミュレーションは
図6及び
図7のときと同じ条件で行った。絶縁層11が無いときのシミュレーションは絶縁層11が無いこと以外は
図6及び
図7のときと同じ条件で行った。
【0042】
図8(a)は、圧電層のカット角に対する共振周波数と反共振周波数との周波数温度係数の差を絶縁層の有り無しで比較した図、
図8(b)は、圧電層のカット角に対する電気機械結合係数を絶縁層の有り無しで比較した図である。
図8(a)及び
図8(b)の横軸は圧電層12のカット角である。
図8(a)の縦軸は共振周波数frと反共振周波数faとの周波数温度係数の差(fr-fa)であり、
図8(b)の縦軸は電気機械結合係数である。絶縁層11が有る場合を太線で図示し、絶縁層11が無い場合を細線で図示している。
【0043】
図8(a)のように、絶縁層11が設けられている場合は、絶縁層11が設けられていない場合に比べて、圧電層12のカット角全域にわたって周波数温度係数の差の絶対値が小さくなる。圧電層12のカット角が80°以上120°以下の範囲では、絶縁層11が設けられている場合では周波数温度係数の差がほぼゼロになるのに対し、絶縁層11が設けられていない場合では周波数温度係数の差がゼロにはならずに2~5ppm/K程度となっている。
【0044】
図8(b)のように、絶縁層11が設けられている場合は、絶縁層11が設けられていない場合に比べて、圧電層12のカット角全域にわたって電気機械結合係数が小さくなるが、圧電層12のカット角が30°以上90°以下の範囲では電気機械結合係数の差は小さい。
【0045】
以上のように、実施例1によれば、周波数温度係数を小さくし且つ損失及びスプリアスを抑制するために、圧電層12の上面と絶縁層11の下面との間の間隔を2λ以下にする。言い換えると、一方の櫛型電極18の電極指15の平均ピッチを圧電層12の上面と絶縁層11の下面との間の間隔の1/2以上とする。一方の櫛型電極18の電極指15の平均ピッチは、一方の櫛型電極18のX方向の長さを一方の櫛型電極18の電極指15の本数で除することにより算出できる。また、IDT22のX方向の長さを電極指15の対数(電極指15の本数の1/2)で除することで一方の櫛型電極18の電極指15の平均ピッチとしてもよい。このような場合に、
図7のように、圧電層12のカット角を50°より大きく150°より小さい範囲内にする。これにより、弾性波共振器の共振周波数frと反共振周波数faとの周波数温度係数の差の絶対値を小さくできる。また、
図8(a)のように、絶縁層11を設けることで、絶縁層11を設けない場合に比べて、周波数温度係数の差の絶対値を小さくできる。弾性表面波を圧電層12及び絶縁層11内に伝搬させるため、一方の櫛型電極18の電極指15の平均ピッチは、絶縁層11と圧電層12の合計厚さの1/0.1倍以下が好ましく、1/0.5倍以下がより好ましく、1倍以下が更に好ましい。
【0046】
圧電層12のカット角はオイラー角の表示で表すと(φ、θ、ψ)=(0°、140°~240°、0°)であり、製造上の誤差を含めると(φ、θ、ψ)=(0°±5°、140°~240°、0°±10°)の範囲であってもよい。
【0047】
図7のように、電気機械結合係数の確保と周波数温度係数の差の低減との両立の点から、圧電層12のカット角は50°より大きく90°以下の場合が好ましく、55°以上90°以下がより好ましく、50°より大きく70°以下の場合が更に好ましく、55°以上70°以下の場合がより更に好ましい。また、電気機械結合係数を確保しつつ周波数温度係数の差を良好に低減する点から、圧電層12のカット角は60°以上90°以下の場合でもよく、60°以上80°以下の場合でもよく、70°以上90°以下の場合でもよい。
【0048】
図9(a)及び
図9(b)は、絶縁層の厚さを変えた場合での、圧電層のカット角に対する共振周波数と反共振周波数との周波数温度係数の差を示す図である。横軸は圧電層12のカット角であり、縦軸は共振周波数frと反共振周波数faとの周波数温度係数の差(fr-fa)である。
図9(a)は、圧電層12の厚さを0.3λに固定し、絶縁層11の厚さを0.3λ、0.5λ、0.7λ、0.9λと変えた点以外は
図6及び
図7のときと同じ条件で行ったシミュレーション結果である。
図9(b)は、圧電層12の厚さを0.5λに固定し、絶縁層11の厚さを0.3λ、0.5λ、0.7λ、0.9λと変えた点以外は
図6及び
図7のときと同じ条件で行ったシミュレーション結果である。
【0049】
図9(a)及び
図9(b)のように、絶縁層11の厚さが大きくても又は小さくても周波数温度係数の差の絶対値が大きくなり、周波数温度係数の差の絶対値が小さくなる絶縁層11の厚さの適切な範囲があることが分かる。圧電層12のカット角が50°より大きい場合における周波数温度係数の差の絶対値を小さくするには、絶縁層11の厚さは、0.1λ以上0.7λ以下が好ましく、0.3λ以上0.7λ以下がより好ましく、0.5λ以上0.7λ以下が更に好ましい。また、
図9(a)は圧電層12の厚さが0.3λのシミュレーション結果であり、
図9(b)は圧電層12の厚さが0.5λのシミュレーション結果であることから、圧電層12の厚さは、0.2λ以上0.6λ以下が好ましく、0.3λ以上0.5λ以下がより好ましい。
【0050】
図10(a)及び
図10(b)は、絶縁層の厚さを変えた場合での、圧電層のカット角に対する電気機械結合係数を示す図である。横軸は圧電層12のカット角であり、縦軸は電気機械結合係数である。
図10(a)は、圧電層12の厚さを0.3λに固定し、絶縁層11の厚さを0.3λ、0.5λ、0.7λ、0.9λと変えた点以外は
図6及び
図7のときと同じ条件で行ったシミュレーション結果である。
図10(b)は、圧電層12の厚さを0.5λに固定し、絶縁層11の厚さを0.3λ、0.5λ、0.7λ、0.9λと変えた点以外は
図6及び
図7のときと同じ条件で行ったシミュレーション結果である。
【0051】
図10(a)及び
図10(b)のように、絶縁層11の厚さが大きくなるほど電気機械結合係数は小さくなることが分かる。したがって、電気機械結合係数の低下を抑制する点から、絶縁層11の厚さは、0.7λ以下の場合が好ましく、0.5λ以下の場合がより好ましく、0.4λ以下の場合が更に好ましい。
【0052】
図6から
図10(b)のシミュレーション結果から、電気機械結合係数の確保と周波数温度係数の差の低減との両立のために、絶縁層11の厚さは0.1λ以上0.7λ以下が好ましく、圧電層12の厚さは0.2λ以上0.6λ以下が好ましい。絶縁層11の厚さは0.3λ以上0.7λ以下がより好ましく、圧電層12の厚さは0.3λ以上0.5λ以下がより好ましい。言い換えると、絶縁層11の厚さは一方の櫛型電極18の電極指15の平均ピッチの0.1倍以上0.7倍以下が好ましく、圧電層12の厚さは一方の櫛型電極18の電極指15の平均ピッチの0.2倍以上0.6倍以下が好ましい。絶縁層11の厚さは一方の櫛型電極18の電極指15の平均ピッチの0.3倍以上0.7倍以下がより好ましく、圧電層12の厚さは一方の櫛型電極18の電極指15の平均ピッチの0.3倍以上0.5倍以下がより好ましい。
【0053】
電気機械結合係数の確保及び周波数温度係数の差の低減のために、絶縁層11の厚さは0.3λ以上0.5λ以下の場合でもよく、0.4λ以上0.7λ以下の場合でもよく、0.5λ以上0.7λ以下の場合でもよい。圧電層12の厚さは0.3λ以上0.4λ以下の場合でもよい。
【0054】
図6から
図10(b)に示したシミュレーション結果は、絶縁層11が二酸化シリコン(SiO
2)層である場合であるが、弗素添加酸化シリコン(SiOF)層又は窒素添加酸化シリコン(SiON)層等のように酸化シリコン(SiO)を含んでいれば同様の結果が得られると考えられる。したがって、絶縁層11は、二酸化シリコン層である場合に限られず、酸化シリコンを含む絶縁層であればよい。酸化シリコンを含むとは、SiとOが合わせて50原子%以上含まれる場合であり、80原子%以上含まれる場合が好ましい。
【実施例2】
【0055】
図11は、実施例2に係る弾性波共振器の断面図である。
図11のように、実施例2に係る弾性波共振器200では、絶縁層11が設けられてなく、支持基板10上に圧電層12が接合されている。圧電層12は支持基板10上に直接接合されていてもよいし、接合層等を介し間接的に接合されていてもよい。その他の構成は、実施例1と同じであるため説明を省略する。実施例2の弾性波共振器200は、支持基板10上に圧電基板を表面活性化法を用いて接合させる点以外は、実施例1の弾性波共振器100と同じ方法で形成される。
【0056】
実施例1に記載したように、弾性表面波は圧電層12の表面から2λ以内を伝搬する。すなわち、圧電層12の厚さが2λより大きい場合、圧電層12の表面から2λよりも大きく離れた領域は弾性表面波が伝搬しない領域である。したがって、支持基板10と圧電層12の間に絶縁層11が設けられていない場合では、弾性波共振器の小型化の点から、圧電層12の厚さを2λ以下にする。言い換えると、一方の櫛型電極18の電極指15の平均ピッチを圧電層12の厚さの1/2以上とする。このような場合に、
図8(a)のように、圧電層12のカット角を50°より大きく150°より小さい範囲にすることで、弾性波共振器の共振周波数frと反共振周波数faとの周波数温度係数の差の絶対値を小さくできる。
【0057】
絶縁層11が設けられていない場合でも、実施例1と同様に、電気機械結合係数の確保と周波数温度係数の差の低減との両立の点から、圧電層12のカット角は50°より大きく90°以下の場合が好ましく、55°以上90°以下がより好ましく、50°より大きく70°以下が更に好ましく、55°以上70°以下がより更に好ましい。また、電気機械結合係数を確保しつつ周波数温度係数の差を良好に低減する点から、圧電層12のカット角は60°以上90°以下の場合でもよく、60°以上80°以下の場合でもよく、70°以上90°以下の場合でもよい。
【0058】
圧電層12の厚さは、弾性波共振器の小型化の点から、1.8λ以下の場合でもよく、1.5λ以下の場合でもよく、1.0λ以下の場合でもよい。
【実施例3】
【0059】
図12は、実施例3に係る弾性波共振器の断面図である。
図12のように、実施例3に係る弾性波共振器300では、絶縁層11と圧電層12の間に接合層26が設けられている。接合層26は、例えばアルミナ、シリコン、又は窒化アルミニウムで形成され、厚さが例えば1nm~100nmである。支持基板10と絶縁層11の界面60に凹凸が形成されている。凹凸は規則的に形成されていてもよいし、不規則であってもよい。界面60の算術平均粗さRaは例えば10nm以上1000nm以下であり、50nm以上500nm以下が好ましく、100nm以上300nm以下が更に好ましい。界面60の凹凸は、例えば支持基板10上に形成したマスク層をマスクに支持基板10の上部をエッチング法又はサンドブラスト法で除去した後に支持基板10上に絶縁層11を成膜することで形成される。例えば、支持基板10がサファイア基板の場合、支持基板10の上部の除去には塩素系ガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。支持基板10の材料によりエッチング液及びエッチングガスを適宜選択する。その他の構成は、実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0060】
実施例3のように、絶縁層11と圧電層12の間に接合層26が設けられることで、絶縁層11と圧電層12の接合強度を強くすることができる。支持基板10と絶縁層11の界面60に凹凸が形成されることで、IDT22で励振された弾性波が圧電層12及び絶縁層11内に閉じ込められ易くなる。また、バルク波に起因したスプリアスも抑制される。
【実施例4】
【0061】
図13(a)から
図13(c)は、実施例4から実施例4の変形例2に係る弾性波共振器の断面図である。
図13(a)のように、実施例4に係る弾性波共振器400では、絶縁層11と圧電層12の間に接合層26が設けられ、支持基板10と絶縁層11の間に境界層27が設けられている。境界層27は、圧電層12及び絶縁層11を伝搬する弾性表面波よりも境界層27中のバルク波の音速が速い層であり、例えばアルミナ、窒化アルミニウム、シリコン、窒化シリコン、又は炭化シリコンで形成されている。境界層27の厚さは、例えば0.5λ以上であり、1.5λ以上が更に好ましい。その他の構成は、実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0062】
実施例4のように、支持基板10と絶縁層11の間に高音速層である境界層27が設けられることで、IDT22で励振された弾性波が圧電層12及び絶縁層11内に閉じ込められ易くなる。
【0063】
図13(b)のように、実施例4の変形例1に係る弾性波共振器410では、支持基板10と境界層27の界面62に凹凸が形成されている。凹凸は規則的に形成されていてもよいし、不規則であってもよい。界面62の算術平均粗さRaは例えば10nm以上1000nm以下であり、50nm以上500nm以下が好ましく、100nm以上300nm以下が更に好ましい。その他の構成は、実施例4と同じであるため説明を省略する。このように、支持基板10と境界層27の界面62に凹凸が形成されることでバルク波に起因したスプリアスを低減できる。
【0064】
図13(c)のように、実施例4の変形例2に係る弾性波共振器420では、支持基板10と境界層27の界面62に凹凸が形成され、境界層27と絶縁層11の界面64に凹凸が形成されている。凹凸は規則的に形成されていてもよいし、不規則であってもよい。界面62、64の算術平均粗さRaは例えば10nm以上1000nm以下であり、50nm以上500nm以下が好ましく、100nm以上300nm以下が更に好ましい。その他の構成は、実施例4と同じであるため説明を省略する。このように、境界層27と絶縁層11の界面64に凹凸が形成されることで、IDT22で励振された弾性波が圧電層12及び絶縁層11内に閉じ込められ易くなる。また、バルク波に起因したスプリアスも抑制される。
【実施例5】
【0065】
図14は、実施例5に係るフィルタの回路図である。
図14のように、実施例5のフィルタ500は、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に1又は複数の直列共振器S1からS3が直列に接続されている。入力端子Tinと出力端子Toutとの間に1又は複数の並列共振器P1及びP2が並列に接続されている。1又は複数の直列共振器S1からS3並びに1又は複数の並列共振器P1及びP2の少なくとも1つに実施例1から実施例4の変形例2の弾性波共振器を用いることができる。ラダー型フィルタの共振器の個数等は適宜設定できる。
【実施例6】
【0066】
図15は、実施例6に係るデュプレクサの回路図である。
図15のように、実施例6のデュプレクサ600は、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ70が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ72が接続されている。送信フィルタ70は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ72は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信帯域Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ70及び受信フィルタ72の少なくとも一方を実施例5のフィルタとすることができる。なお、マルチプレクサとしてデュプレクサの場合を例に示したがトリプレクサ又はクワッドプレクサでもよい。
【0067】
以上、本願発明の実施形態について詳述したが、本願発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本願発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
10 支持基板
11 絶縁層
12 圧電層
12´ 圧電基板
14 金属膜
15 電極指
16 バスバー
18 櫛型電極
20 弾性波素子
22 IDT
24 反射器
25 交差領域
26 接合層
27 境界層
50 弾性波
52 弾性表面波
54 バルク波
60、62、64 界面
70 送信フィルタ
72 受信フィルタ
100、200、300、400、410、420 弾性波共振器
500 フィルタ
600 デュプレクサ