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特許7433926情報処理装置、プログラム、及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0833 20230101AFI20240213BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240213BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
G06Q10/0833
G06Q50/30
B65G61/00 510
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020007722
(22)【出願日】2020-01-21
(65)【公開番号】P2021114256
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】301063496
【氏名又は名称】東芝デジタルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀田 智之
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-040410(JP,A)
【文献】特開2019-117513(JP,A)
【文献】特開2019-021149(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1968148(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を識別するための第1識別情報と、前記第1識別情報により識別される荷物の所有者を識別するための第2識別情報とが対応付けられた対応情報を取得する対応情報取得部と、
前記対応情報に含まれる前記第1識別情報により識別される荷物である対象荷物の位置情報を取得する第1位置情報取得部と、
前記対象荷物の所有者である対象所有者の位置情報を、前記対象所有者が所持する携帯端末から取得する第2位置情報取得部と、
前記対象荷物の位置情報に基づく情報を、前記対応情報において前記対象荷物に係る前記第1識別情報と対応づけられている前記第2識別情報により識別される荷物の所有者である前記対象所有者が所持する前記携帯端末に出力させる出力制御部と
を備え、
前記出力制御部は、前記対象所有者の位置情報が示す位置と、前記対象荷物の位置情報が示す位置との距離が所定距離以内である場合、前記対象荷物の位置情報に基づく情報を、前記対象所有者が所持する前記携帯端末に出力させる
情報処理装置。
【請求項2】
前記対象所有者の位置情報及び前記対象荷物の位置情報は、二次元座標を用いて位置座標を一意に特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1位置情報取得部は、前記対応情報取得部により取得された前記対応情報から1つの組を抽出し、前記対象荷物を識別する識別情報に、取得された前記対象荷物の位置情報を付加して荷物情報を生成し、生成された前記荷物情報を前記出力制御部に出力し、
前記第2位置情報取得部は、前記対応情報取得部により取得された前記対応情報から1つの組を抽出し、前記対象所有者を識別する識別情報に、取得された前記対象所有者の位置情報を付加して所有者情報を生成し、生成された前記所有者情報を前記出力制御部に出力し、
前記出力制御部は、前記対象所有者の位置情報が示す位置と、前記対象荷物の位置情報が示す位置との距離が所定距離以内である場合、前記対象荷物の位置情報に基づく情報を、前記対象所有者が所持する前記携帯端末に出力させる、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力制御部は、前記対象所有者の位置情報により示される位置が、荷物の引き取り場所から所定距離以内である場合、前記対象荷物の位置情報に基づく情報を、前記対象所有者が所持する前記携帯端末に出力させる、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2識別情報は、前記所有者によって保持される携帯端末を識別するための情報である
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対象荷物を前記対象所有者が受け取ったことを示す受取情報を取得する受取情報取得部と、
前記受取情報取得部が取得した受取情報に基づいて、前記対応情報を更新する対応情報更新部を更に備える
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記対象荷物と前記対象荷物を受け取った前記対象所有者とが、前記対応情報により対応付けられる情報と一致するか否かを判定する受取判定部と、
前記受取判定部が一致しないと判定する場合、警告装置に警告をさせる警告部とを更に備える
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記携帯端末により送信される問題発生情報を取得する問題発生情報取得部と、
前記問題発生情報取得部が前記問題発生情報を取得した場合に所定の制御装置に通知を行う通知部を更に備える
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第2識別情報は、複数の前記第1識別情報に対応づけられる場合がある、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
搬送物を識別するための第1識別情報と、前記第1識別情報により識別される搬送物を受け取る作業者を識別するための第2識別情報とが対応付けられた対応情報を取得する対応情報取得部と、
前記対応情報に含まれる前記第1識別情報により識別される搬送物である対象搬送物の位置情報を取得する第1位置情報取得部と、
前記対象搬送物を受け取る作業者である対象作業者の位置情報を、前記対象作業者が着用するスマートグラスから取得する第2位置情報取得部と、
前記対象搬送物の位置情報に基づく情報を、前記対応情報において前記対象搬送物に係る前記第1識別情報と対応づけられている前記第2識別情報により識別される搬送物を受け取る作業者である前記対象作業者が着用する前記スマートグラスに出力させる出力制御部と
を備え、
前記出力制御部は、前記対象作業者の位置情報が示す位置と、前記対象搬送物の位置情報が示す位置との距離が所定距離以内である場合、前記対象搬送物の位置情報に基づく情報を、前記対象作業者が着用する前記スマートグラスに出力させる
情報処理装置。
【請求項11】
前記対応情報において、前記第1識別情報は、複数の前記第2識別情報に対応づけられている場合がある、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータに、
荷物を識別する第1識別情報と、前記第1識別情報に示される荷物の所有者を識別する第2識別情報とが対応付けられた対応情報を取得する対応情報取得ステップと、
前記第1識別情報により識別される荷物の位置情報を取得する第1位置情報取得ステップと、
前記対応情報に含まれる前記第1識別情報により識別される荷物である対象荷物の所有者である対象所有者の位置情報を、前記対象所有者が所持する携帯端末から取得する第2位置情報取得ステップと、
前記第1位置情報取得ステップにより取得された荷物の位置を、前記対応情報により対応付けられる荷物の所有者である前記対象所有者が所持する前記携帯端末に出力する出力ステップと
を実行させるプログラムであって、
前記出力ステップは、前記対象所有者の位置情報が示す位置と、前記対象荷物の位置情報が示す位置との距離が所定距離以内である場合、前記対象荷物の位置情報に基づく情報を、前記対象所有者が所持する前記携帯端末に出力する
プログラム。
【請求項13】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記対象所有者が所持する前記携帯端末と
を備える情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、プログラム、及び情報処理システに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送される複数の荷物のうち、荷物の所有者が自己の荷物を受け取るシステムにおいて、自己の荷物と他人の荷物とを取り間違えるといった問題があった。このような問題を解決するため、荷物と、荷物の所有者とを識別し、搬送される荷物にプロジェクタを用いて映像を投影することにより、所有者に自己の荷物の搬送状況を通知する技術があった。
【0003】
このような技術を用いる場合、荷物の所有者が荷物に近づくまで、自分の荷物であることを示す映像が投影されない。また、搬送される荷物の付近に大勢の人がいる場合、多数の荷物に対して映像が投影されるため、識別性が悪くなるといった問題がある。すなわち、従来技術によれば、大勢の人が荷物を探す場合に識別性がよくないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-117513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、搬送される荷物の中から自己の荷物を受け取るのを支援することが可能な情報処理装置、プログラム、情報処理システム、及び携帯端末装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、対応情報取得部と、第1位置情報取得部と、第2位置情報取得部と、出力制御部とを持つ。対応情報取得部は、荷物を識別するための第1識別情報と、前記第1識別情報により識別される荷物の所有者を識別するための第2識別情報とが対応付けられた対応情報を取得する。第1位置情報取得部は、前記対応情報に含まれる前記第1識別情報により識別される荷物である対象荷物の位置情報を取得する。第2位置情報取得部は、前記対象荷物の所有者である対象所有者の位置情報を、前記対象所有者が所持する携帯端末から取得する。出力制御部は、前記対象荷物の位置情報に基づく情報を、前記対応情報において前記対象荷物に係る前記第1識別情報と対応づけられている前記第2識別情報により識別される荷物の所有者である前記対象所有者が所持する前記携帯端末に出力させる。前記出力制御部は、前記対象所有者の位置情報が示す位置と、前記対象荷物の位置情報が示す位置との距離が所定距離以内である場合、前記対象荷物の位置情報に基づく情報を、前記対象所有者が所持する前記携帯端末に出力させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図。
図2】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図。
図3】本実施形態に係る対応情報の一例を示す図。
図4】本実施形態に係る携帯端末の機能構成の一例を示す図。
図5】本実施形態に係る対応情報取得の処理の流れを示す図。
図6】本実施形態に係る情報処理装置の処理の流れの一例を示す図。
図7】第2の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図。
図8】第2の実施形態に係る情報処理装置の処理の流れの一例を示す図。
図9】第3の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図。
図10】第3の実施形態に係る情報処理装置の処理の流れの一例を示す図。
図11】第4の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図。
図12】第4の実施形態に係る情報処理装置の処理の流れの一例を示す図。
図13】本実施形態に係る対応情報の変形例を示す図。
図14】本実施形態に係る携帯端末が表示する画面構成の一例を示す図。
図15】本実施形態に係る携帯端末の一例を示す図。
図16】本実施形態に係る情報処理システムを流通業などのベルトコンベア作業用途へ適用した場合の一例を示す図。
図17】本実施形態に係る対応情報の第2の変形例を示す図。
図18】本実施形態に係る情報処理システムの車両における使用の一例を示す図。
図19】本実施形態に係る情報処理システムのクロークにおける使用の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の情報処理装置、プログラム、情報処理システム、及び携帯端末装置を、図面を参照して説明する。
【0009】
[情報処理システム1の構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成と使用環境の一例を示す図である。情報処理システム1は、例えば、情報処理装置10と、携帯端末20とを含む。情報処理システム1は、荷物の所有者が、複数の荷物の中から自己の荷物を探し出し、探し出した自己の荷物を受け取る場面において使用される。複数の荷物は搬送装置により搬送されていてもよいし、所定の場所に置かれていてもよい。情報処理システム1は、例えば、空港の手荷物受け取り所において使用される。空港の手荷物受け取り所には、荷物搬送装置40が設置される。
【0010】
荷物搬送装置40は、荷物搬送ベルト41を備える。荷物搬送ベルト41は、複数の荷物30を所定の搬送速度で搬送する。荷物30の所有者(以下、所有者Pと記載する。)は、荷物搬送ベルト41により搬送される複数の荷物の中から自己の荷物を探し出し、探し出した自己の荷物を受け取る。図1に示す一例においては、荷物搬送装置40が備える荷物搬送ベルト41は、荷物30Aと、荷物30Bと、荷物30Cとを搬送している。荷物搬送装置40の周囲には、複数の所有者P1~P4が、それぞれの荷物30を探し出すべく、集まっている。荷物搬送装置40は、識別情報読取装置42を備えていてもよい。
【0011】
識別情報読取装置42は、例えば荷物搬送装置40の固定部に取り付けられる。荷物30には固有の荷物識別情報が付与されており、識別情報読取装置42は、自身の周囲を通過する荷物30に付与された荷物識別情報を取得する。荷物30に付与された荷物識別情報は、例えば、RFID(Radio Frequency Identifier)タグに記憶され、或いはバーコード又は2次元コード等(以下、RFIDタグ等とも記載する。)の形式で表示されている。従って、識別情報読取装置42は、RFIDリーダ等の読取装置、或いはバーコードリーダ等の光学式読取装置であってもよい。
【0012】
また、荷物搬送装置40は荷物30の位置を検知し、検知した荷物30の位置情報を位置情報IB1として情報処理装置10に送信する。例えば、荷物30の位置情報IB1は、識別情報読取装置42が荷物30に付与された荷物識別情報を読み取った時刻と、現在の(算出時点の)時刻と、荷物搬送ベルト41の搬送速度とにより算出される。なお、荷物30の位置情報IB1は、荷物搬送装置40が備える不図示の撮像装置により撮像された画像を、画像解析することにより取得されてもよい。
【0013】
情報処理装置10は、上記のようにして荷物搬送装置40により搬送される荷物30の位置情報IB1を取得し、以下に説明する処理を行う。
【0014】
情報処理装置10は、携帯端末20の位置情報IO1を取得する。携帯端末20は、GPS等により自身の位置情報を取得し、取得した位置情報IO1を、情報処理装置10に送信する。
【0015】
情報処理装置10は、取得した荷物の位置情報IB1と所有者の位置情報IO1とに基づく情報である指示情報IMを、携帯端末20に送信する。指示情報IMは、所有者Pが所有する荷物30の位置を携帯端末20に表示させるための情報である。所有者Pが所有する荷物30の位置を携帯端末20に表示させるための情報とは、空間座標であってもよいし、ウェブページであってもよい。
【0016】
携帯端末20は、所有者Pにより所持される端末である。携帯端末20は、表示部21を備える。表示部21は、所有者Pの荷物30の位置を表示する。
【0017】
携帯端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット端末である。例えば、携帯端末20が撮像部を備える場合には、表示部21は、携帯端末20が撮像する画像に重ねて、指示情報IMに示される空間座標に基づき、荷物30の位置を表示してもよい。携帯端末20は、自身の姿勢情報をGセンサやGPSなどにより取得し、自身の光軸が向いている空間方向を検知する。携帯端末20は、情報処理装置10から取得した空間座標が自身の光軸に対してどの位置にあるのかを計算し、カメラ画像空間における位置に変換してAR表示を行う。なお、携帯端末20がブラウザやウェブアプリを起動させる場合、携帯端末20は、ウェブページにより荷物30の位置を表示してもよい。
【0018】
図1の例では、携帯端末20が備える撮像部は、画角Aで荷物搬送装置40を撮像し、荷物搬送装置40を撮像した画像に重ねて、所有者P1の所有する荷物30の位置を、指示情報Mとして表示している。
【0019】
[情報処理装置10の機能構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、情報処理装置10の機能構成の一例について説明する。情報処理装置10は、例えば、対応情報取得部11と、荷物位置情報取得部(第1位置情報取得部)12と、所有者位置情報取得部(第2位置情報取得部)13と、画像情報取得部14と、出力制御部15とを備える。
【0020】
これらの構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。」
【0021】
対応情報取得部11は、記憶部50から対応情報ICを取得する。対応情報ICは、荷物30を識別するための荷物識別情報(第1識別情報)と、荷物識別情報により識別される荷物30の所有者Pを識別するための所有者識別情報(第2識別情報)とが対応付けられた情報である。記憶部50に記憶される対応情報ICは、例えば、空港の手荷物預かり所に設置された手荷物預かり装置により更新される。記憶部50は、例えば、手荷物預かり装置により内蔵され、或いはネットワークを介してアクセスされる記憶装置(NAS(Network Attached Storage))により実現される。対応情報取得部11は、NASである記憶部50に直接アクセスしてもよいし、記憶部50を管理する装置に要求することで対応情報ICを取得してもよいし、記憶部50を管理する装置からプッシュ通知、電子メールなどの形態で対応情報ICを取得してもよい。
【0022】
図3は、本実施形態に係る対応情報ICの一例を示す図である。同図に示すように、対応情報ICは、荷物識別情報と、所有者識別情報とが、互いに対応付けられた情報である。同図の一例では、荷物識別情報“B0001”と所有者識別情報“P0001”とが、荷物識別情報“B0002”と所有者識別情報“P0002”とが、荷物識別情報“B0003”と所有者識別情報“P0003”とが、荷物識別情報“B0004”と所有者識別情報“P0004”とが互いに対応付けられている。
【0023】
荷物識別情報は、例えば、搭乗する空港において、利用者が手荷物預かり所に荷物30を預けたときに付与される。このとき、荷物識別情報が記憶されたRFIDタグ等が、荷物30にシールなどで取り付けられる。荷物識別情報は、撮像された荷物30の画像を画像解析することにより取得してもよい。
【0024】
荷物30の所有者Pに関しては、荷物30を預ける際に、所有者識別情報を提供することにより、荷物30と所有者Pとの対応付けがなされる。所有者識別情報は、荷物30の所有者Pを識別するための情報である。例えば、所有者識別情報は、荷物30の所有者Pが所持する携帯端末20を識別する端末識別情報である。以下の説明では、所有者識別情報が、端末識別情報である場合について説明する。携帯端末20において、情報処理システム1のサービスを受けるためのアプリが起動しており、アプリが端末識別情報を読み取らせるためのQRコード(登録商標)などのコードを表示部21に表示させる。手荷物預かり所にはリーダ装置が設置されており、リーダ装置が読み取った端末識別情報が、所有者識別情報として荷物識別情報と対応付けられる。なお、所有者識別情報と荷物識別情報との対応付けは、この一例に限定されず、この他の方法で行われてもよい。
【0025】
図2に戻り、対応情報取得部11は、取得した対応情報ICを、荷物位置情報取得部12及び所有者位置情報取得部13に提供する。
【0026】
荷物位置情報取得部12は、まず、対応情報ICから一つのレコードを抽出する。抽出したレコードに含まれる荷物識別情報により識別される荷物を、対象荷物と称する。荷物位置情報取得部12は、対象荷物の荷物識別情報に対して、荷物搬送装置40から取得した対象荷物の位置情報IB1を付加して荷物情報IB2を生成する。この結果、荷物情報IB2は、対応情報ICに含まれる対象荷物の位置情報IB1が含まれる情報となる。荷物位置情報取得部12は、生成した荷物情報IB2を、出力制御部15に提供する。
【0027】
所有者位置情報取得部13は、まず、対応情報ICから荷物位置情報取得部12と同じ一つのレコードを抽出する。抽出したレコードに含まれる所有者識別情報により識別される所有者を対象所有者と称する。所有者位置情報取得部13は、対象所有者の所有者識別情報に対して、携帯端末20から取得した対象所有者の位置情報IO1を付加して所有者情報IO2を生成する。この結果、所有者情報IO2は、対応情報ICに含まれる対象所有者の位置情報IO1が含まれる情報となる。所有者位置情報取得部13は、生成した所有者情報IO2を、荷物位置情報取得部12が行った処理結果と対応づけて出力制御部15に提供する。
【0028】
画像情報取得部14は、携帯端末20の撮像部が撮像した画像の情報を画像情報IPとして取得する。画像情報取得部14は、取得した画像情報IPを、出力制御部15に提供する。
【0029】
出力制御部15は、指示情報IMを、対象所有者が所持する携帯端末20に出力させる。例えば、出力制御部15は、指示情報IMを携帯端末20が備える表示部21に表示させる。指示情報IMとは、対象所有者の所有する対象荷物の位置を示す情報である。
【0030】
具体的には、出力制御部15は、対象所有者の位置情報IO1が所定条件を満たす場合、対象荷物の位置情報IB1に基づく情報を、対象所有者が所持する携帯端末20に出力させる。例えば、出力制御部15は、対象荷物の位置情報IB1に基づく画像情報、或いは対象荷物の位置情報IB1に基づく画像情報を生成するために用いられる情報を携帯端末20に送信する。携帯端末20は、出力制御部15から取得した画像情報、或いは画像情報を生成するために用いられる情報を表示する。出力制御部15は、所定条件を満たす場合に画像情報、或いは画像情報を生成するために用いられる情報を携帯端末20に送信してもよい。出力制御部15は、画像情報、或いは画像情報を生成するために用いられる情報を携帯端末20にリアルタイムに送信し、所定条件を満たす場合に携帯端末20に表示開始信号を送信してもよい。
【0031】
ここで所定条件とは、例えば、対象所有者が荷物30の位置に基づく条件である。具体的には、所定条件とは、対象所有者の位置情報により示される位置が、荷物の引き取り場所から所定距離以内であることを含んでいてもよい。なお、出力制御部15は、携帯端末20が所有者Pにより操作されたことを所定条件として、対象荷物の位置情報に基づく情報を、対象所有者が所持する携帯端末20に出力させてもよい。
【0032】
[携帯端末20の機能構成]
図4は、本実施形態に係る携帯端末20の機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら携帯端末20の機能構成の一例について説明する。携帯端末20は、表示部21と、荷物位置情報取得部22と、自位置情報取得部23と、識別情報記憶部24と、撮像部25と、制御部26とを備える。
【0033】
荷物位置情報取得部22は、荷物30の位置情報を取得する。情報処理システム1が空港の手荷物受け取り所において使用される場合の一例において、荷物位置情報取得部22は、荷物搬送装置40が備える識別情報読取装置42から、荷物30の位置情報を取得する。自位置情報取得部23は、自装置(すなわち、携帯端末20)の位置情報を取得する。自位置情報取得部23は、例えば、GPS受信機である。自位置情報取得部23がGPS受信機である場合、自位置情報取得部23は、GPS衛星から自装置の位置情報を取得する。
【0034】
表示部21は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイであってもよい。表示部21は、荷物位置情報取得部22が取得する荷物30の位置情報に示される荷物30の位置と、自位置情報取得部23が取得する自装置の位置情報に示される自装置の位置とが所定の範囲内にある場合、荷物30の位置情報に示される荷物30の位置を表示する。
【0035】
識別情報記憶部24は、所有者識別情報を記憶する。識別情報記憶部24は、例えば不揮発性メモリであってもよい。撮像部25は、撮像を行う。撮像部25は、例えば、光学系、撮像素子及び撮像素子から出力される撮像信号を処理する画像処理基板を備え、撮像信号に基づいた所定の形式の画像データを生成し、出力する。携帯端末20は、出力した画像データを表示部21に表示するよう構成されていてもよい。制御部26は、携帯端末20が備える種々の機能を制御する。以降、携帯端末20を携帯端末装置とも記載する。
【0036】
[手荷物預かり所での処理の流れ]
図5は、本実施形態に係る対応情報ICを取得するための処理の流れを示す図である。情報処理システム1が空港の手荷物受け取り所において使用される場合、対応情報ICは、空港の手荷物預かり所にておいて取得される。
【0037】
(ステップS11)まず、不図示の手荷物預かり装置が、所有者Pから荷物30を受け取る。手荷物預かり装置は、荷物30を受け取る際に、荷物30に付された荷物識別情報を取得する。荷物識別情報は、荷物30の画像情報に基づき、荷物30を識別する情報であってもよい。その場合、手荷物預かり装置は、不図示の撮像装置により荷物30を撮像することにより、荷物識別情報を取得する。荷物識別情報がRFIDタグ等により記憶される場合、手荷物預かり所において荷物30にRFIDタグが付されたシールが貼り付けされることで、荷物識別情報が荷物30に付与される。手荷物預かり装置は、荷物に付されたRFIDタグ等から荷物識別情報を取得する。
【0038】
(ステップS13)手荷物預かり装置は、所有者Pから荷物30を受け取る際に、荷物30の所有者Pの所有者識別情報を取得する。所有者識別情報は、所有者Pによって保持される携帯端末20を識別するための情報であってもよい。所有者識別情報が所有者Pによって保持される携帯端末20を識別するための情報である場合、所有者Pは、手荷物預かり所にて荷物30を預ける際、所有者Pによって保持される携帯端末20に表示されたバーコード又は2次元コード等から取得されてもよい。
【0039】
なお、所有者識別情報は、所有者Pの生体情報に基づく情報であってもよい。所有者識別情報は、例えば、所有者Pの画像情報に基づく顔認識により識別する情報であってもよい。その場合、手荷物預かり装置は、撮像装置により所有者Pを撮像することにより、所有者識別情報を取得する。
【0040】
(ステップS15)手荷物預かり装置は、取得した所有者識別情報と、荷物識別情報とを対応付けて、対応情報ICとして記憶部50に記憶させ、処理を終了する。
【0041】
[手荷物受け取り所での処理の流れ]
図6は、本実施形態に係る情報処理装置10の処理の流れの一例を示す図である。同図を参照しながら、情報処理システム1が空港の手荷物受け取り所において使用される場合の、処理の流れについて説明する。
【0042】
(ステップS21)対応情報取得部11は、対応情報ICから、一つのレコードを抽出する。
(ステップS23)荷物位置情報取得部12は、抽出されたレコードに示される対象荷物の位置情報IB1を取得する。所有者位置情報取得部13は、抽出されたレコードに示される対象所有者の位置情報IO1を取得する。
【0043】
(ステップS25)出力制御部15は、対象所有者の位置と、対象荷物の位置とを、携帯端末20の表示部21に表示させる。出力制御部15は、空港の手荷物受け取り所の地図を表示部21に表示し、対象所有者の位置と、対象荷物の位置とを表示させてもよい。なお、出力制御部15は、対象所有者の位置と、対象荷物の位置とから算出される距離情報を表示させてもよい。
【0044】
(ステップS27)出力制御部15は、対象所有者の位置と、対象荷物の位置とが、所定の範囲内にあるか否かを判定する。出力制御部15は、対象所有者の位置と、対象荷物の位置とが、所定の範囲内にある場合には、処理をステップS29に進める。出力制御部15は、対象所有者の位置と、対象荷物の位置とが、所定の範囲内にない場合には、処理をステップS25に進める。
【0045】
(ステップS29)出力制御部15は、対象荷物の位置を、携帯端末20の表示部21に表示させる。携帯端末20は、撮像部25により撮像した像(スルー画像)に重ねて、対象荷物の位置をAR表示するようにしてもよい。
【0046】
[第1の実施形態の効果]
以上説明した第1の実施形態によれば、情報処理装置10は、荷物識別情報と、所有者識別情報とが対応付けられた情報である対応情報ICを取得し、対応情報ICによって対応付けられる所有者Pの位置情報と、荷物30の位置情報とを取得し、所有者Pが所持する携帯端末20に指示情報IMを表示させる。これによって、所有者Pは、自己の荷物を容易に探し出すことができる。また、所有者Pは自己の荷物を容易に探し出すことができる。この結果、情報処理システム1は、所有者Pが間違って他人の荷物30を受け取ることを抑止することができる。
【0047】
また、第1の実施形態によれば、出力制御部15が、所有者Pと荷物30との距離が所定条件を満たす場合に、対象荷物の位置情報に基づく情報を、対象所有者Pが所持する携帯端末20に出力させるため、荷物30の所有者Pは、荷物30が所有者Pの近くに搬送され、受け取ろうとした場合に、自己の荷物30の位置を知ることができる。
【0048】
また、第1の実施形態によれば、所有者識別情報は、所有者Pによって保持される携帯端末20から取得される。つまり、情報処理システム1は、顔認証等の生体認証を要せず、所有者Pを容易に識別することができる。また、所有者識別情報は、所有者Pによって保持される携帯端末20から取得される場合、所有者Pに代えて、家族等の代わりの者が荷物30を受け取ることができる。
【0049】
[第2の実施形態]
図7は、第2の実施形態に係る情報処理装置10Aの機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、情報処理装置10Aの機能構成について説明する。情報処理装置10Aは、受取情報取得部61と、受取制御部62と、通知部63と、対応情報更新部64とを備える点において、情報処理装置10とは異なる。情報処理装置10と同一の構成については、図2と同一の符号を付すことで説明を省略する場合がある。
【0050】
受取情報取得部61は、携帯端末20から受取情報IRを取得する。受取情報IRは、所有者Pが、荷物30を受け取ったことを示す情報である。携帯端末20は、例えば、所有者Pにより操作されることにより所有者Pが荷物30を受け取ったことを検知すると、情報処理装置10Aに対し受取情報IRを出力する。受取情報取得部61は、取得した受取情報IRを、受取制御部62に提供する。
【0051】
受取制御部62は、受取情報取得部61から受取情報IRを取得する。受取制御部62は、受取情報IRを取得することにより、所有者Pが荷物30を受け取った場合、記憶部50を更新する情報を含む更新情報IUを出力する。対応情報更新部64は、受取情報取得部61が取得した受取情報IRに基づいて、対応情報ICが記憶される記憶部50を更新する。対応情報更新部64は、更新情報IUを取得することにより、記憶部50を更新する。具体的には、対応情報更新部64は、記憶部50に記憶される対応情報ICのうち、更新情報IUに示される荷物識別情報及び所有者識別情報を、受け取り済みにする。なお、対応情報更新部64は、更新情報IUに示される荷物識別情報及び所有者識別情報を、記憶部50から削除してもよい。
【0052】
受取制御部62は、荷物位置情報取得部12から荷物情報IBを取得し、所有者位置情報取得部13から所有者情報IOを取得する。受取制御部62は、所有者Pによる荷物30の受け取りが所定時間以上行われていない荷物30がある場合、通知部63に通知情報IIを出力する。通知部63は、受取制御部62から通知情報IIを取得すると、制御装置70に通知情報IIを通知する。制御装置70は、通知情報IIを取得すると、係員に通知する等の所定の処置を行う。なお、受取制御部62は、対応情報取得部11から対応情報ICを取得することにより、受取が行われたか否かを判定してもよい。
【0053】
図8は、第2の実施形態に係る情報処理装置10Aの処理の流れの一例を示す図である。同図を参照しながら、情報処理装置10Aの処理の流れの一例について説明する。既に図6で説明した動作については、図6と同一の符号を付すことで説明を省略する場合がある。
(ステップS31)受取制御部62は、荷物30の受け取りが発生したか否かを判定する。受取制御部62は、受取情報取得部61から受取情報IRを取得した場合には、荷物30の受け取りが発生したと判定し、処理をステップS33に進める。受取制御部62は、荷物情報IB又は所有者情報IOを取得してから所定期間内に、携帯端末20から受取情報IRを取得しない場合には、荷物30の受け取りが行われていないと判定し、処理をステップS35に進める。
【0054】
(ステップS33)対応情報更新部64は、受け取りが行われた荷物30を示す荷物識別情報と、当該荷物の所有者Pを示す所有者識別情報とに基づき、記憶部50を更新する。
(ステップS35)通知部63は、受け取りが行われていない荷物30を示す荷物識別情報と、当該荷物の所有者Pを示す所有者識別情報とが含まれる情報を、通知情報IIとして制御装置70に通知する。制御装置70は、当該情報を係員に通知する等の所定の処置を行う。
【0055】
[第2の実施形態の効果]
以上説明した第2の実施形態によれば、情報処理装置10Aは、受取情報取得部61と、対応情報更新部64とを更に備える。情報処理装置10Aは、受取情報取得部61が取得する受取情報IRに基づき、記憶部50に記憶された対応情報ICを更新する。すなわち、情報処理装置10Aは、受け取り済みであるか否かの情報を得ることができる。情報処理装置10Aは、受け取りがされていない荷物の情報を通知することができる。
【0056】
[第3の実施形態]
図9は、第3の実施形態に係る情報処理装置10Bの機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、情報処理装置10Bの機能構成について説明する。情報処理装置10Bは、受取判定部65と、警告部66とを備える点において、情報処理装置10とは異なる。情報処理装置10と同一の構成については、図2と同一の符号を付すことで説明を省略する場合がある。
【0057】
受取判定部65は、荷物位置情報取得部12から荷物情報IBを取得し、所有者位置情報取得部13から所有者情報IOを取得する。受取判定部65は、荷物情報IBに示される対象荷物と、所有者情報IOに示される対象荷物を受け取った対象所有者とが、対応情報ICにより対応付けられる情報と一致するか否かを判定する。受取判定部65は、対象荷物と対象所有者とが、対応情報ICにより対応付けられる情報と一致しない場合は、警告部66に警告情報IAを出力する。
【0058】
警告部66は、警告装置75に警告情報IAを出力する。つまり、警告部66は、受取判定部65が、対象荷物と対象所有者とが、対応情報ICにより対応付けられる情報と一致しないと判定する場合、警告装置75に警告をさせる。警告装置75は、例えば、空港の手荷物受け取り所に取り付けられる。警告装置75は、警報を鳴らす等の所定の方法により、特定の荷物30が他人により受け取られたことを警告する。
【0059】
図10は、第3の実施形態に係る情報処理装置10Bの処理の流れの一例を示す図である。同図を参照しながら、情報処理装置10Bの処理の流れの一例について説明する。既に図6で説明した動作については、図6と同一の符号を付すことで説明を省略する場合がある。
(ステップS41)受取判定部65は、荷物30と荷物30を受け取った人物との組み合わせが、対象荷物と対応情報ICにより対象荷物に対応付けられる対象所有者との組み合わせと、一致するか否かを判定する。受取判定部65は、対象所有者と対象荷物の組み合わせが一致する場合には、処理を終了する。受取判定部65は、対象所有者と対象荷物の組み合わせが一致しない場合には、処理をステップS42に進める。
(ステップS42)対象所有者と対象荷物の組み合わせが一致しない場合、警告部66は、警告装置75に警告させる。警告部66は、警告装置75に警告をさせた後、処理をステップS41に進める。
【0060】
[第3の実施形態の効果]
また、以上説明した実施形態によれば、情報処理装置10Bは、受取判定部65を更に備えることにより、対応情報ICにより対応づけられる所有者Pと荷物30とが一致するか否かを判定する。情報処理装置10Bは、対応情報ICにより対応づけられる所有者Pと荷物30とが一致しない場合には、警告を行う。すなわち、情報処理装置10Bによれば、荷物の取り違いを抑止することができる。
【0061】
[第4の実施形態]
図11は、第4の実施形態に係る情報処理装置10Cの機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、情報処理装置10Cの機能構成について説明する。情報処理装置10Cは、問題発生情報取得部67と、問題発生情報通知部68とを備える点において、情報処理装置10とは異なる。情報処理装置10と同一の構成については、図2と同一の符号を付すことで説明を省略する場合がある。
【0062】
問題発生情報取得部67は、携帯端末20により送信される問題発生情報ITを取得する。問題発生情報ITは、所有者Pが荷物30を受け取る際に、何らかの問題が発生したことを示す情報である。
【0063】
携帯端末20は、例えば、所有者Pにより操作されることにより何らかの問題が発生したことを検知すると、情報処理装置10Cに対し問題発生情報ITを出力する。
【0064】
問題発生情報通知部68は、問題発生情報取得部67が問題発生情報ITを取得した場合に、制御装置70に通知を行う。
【0065】
図12は、第4の実施形態に係る情報処理装置10Cの処理の流れの一例を示す図である。同図を参照しながら、情報処理装置10Cの処理の流れの一例について説明する。既に図6で説明した動作については、図6と同一の符号を付すことで説明を省略する場合がある。
(ステップS51)問題発生情報取得部67は、問題発生情報ITを取得することにより、携帯端末20を所有する所有者Pに何らかの問題が発生したことを検知する。例えば、携帯端末20は、不図示の問題発生連絡ボタンを備えることにより、情報処理装置10Cに対し、問題の発生を通知してもよい。問題発生情報取得部67は、問題発生情報ITを取得した場合には、処理をステップS52に進める。問題発生情報取得部67は、問題発生情報ITを取得しない場合には、処理を終了する。
(ステップS52)問題発生情報取得部67は、問題発生情報ITを取得した場合、係員へ通知を行う。具体的には、問題発生情報通知部68が、制御装置70に対して問題発生情報ITを出力することにより、問題の発生を通知してもよい。制御装置70は、当該情報を係員に通知する等の所定の処置を行う。
【0066】
[第4の実施形態の効果]
また、以上説明した実施形態によれば、情報処理装置10Cは、問題発生情報取得部67を更に備える。情報処理装置10Cは、問題発生情報取得部67が取得する問題発生情報ITに基づき、問題が発生した場合に、制御装置70を通じて係員等に通知する。すなわち、情報処理装置10Cは、所有者Pに生じた種々の問題を係員等に通知することができる。
【0067】
[複数の荷物30が所有者Pに対応付けられる場合の一例]
図13は、本実施形態に係る対応情報IC1を示す図である。同図を参照しながら、複数の荷物30が所有者Pに対応付けられる場合の一例について説明する。対応情報IC1は、対応情報ICの変形例である。対応情報IC1は、一の所有者識別情報に複数の荷物識別情報が対応付けられる点において、対応情報ICと異なる。
【0068】
具体的には、同図に示す一例では、荷物識別情報“B0002-1”と荷物識別情報“B0002-2”とが、所有者識別情報“P0002”に対応付けられる。すなわち、所有者識別情報“P0002”に示される対象所有者には、荷物識別情報“B0002-1”に示される対象荷物と、荷物識別情報“B0002-2”に示される対象荷物とが対応付けられる。つまり、この一例において、所有者識別情報は、複数の荷物識別情報に対応づけられる。
【0069】
一の所有者識別情報に複数の荷物識別情報が対応付けられることにより、所有者Pは、複数の荷物30を預けることができ、情報処理装置10は、複数の荷物30が一人の所有者Pの所有する荷物であることを示すことができる。すなわち、情報処理装置10は、所有者Pにより複数の荷物30が預けられた場合であっても、荷物30の位置を示すことができる。
【0070】
図14は、本実施形態に係る携帯端末20が表示する画面構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、携帯端末20が表示する画面構成の一例について説明する。携帯端末20が備える表示部21は、現在位置表示部D10と、荷物情報表示部D20とを、画面の構成要素として備える。現在位置表示部D10は、所有者Pの現在位置を表示する。荷物情報表示部D20は、所有者Pの荷物30の位置を表示する。例えば、表示部21は、撮像部25により画角Aで撮像された画像を表示し、所有者Pに対応付けられる荷物30の位置を重ねて表示する。
【0071】
同図に示す一例では、荷物30A及び荷物30Bが、所有者Pに対応付けられる場合について説明する。この一例において、表示部21は、所有荷物表示部D21及び所有荷物表示部D22に、所有者Pが所有する荷物であることを示す情報が表示されてもよい。なお、表示部21は、荷物30と所有者Pとの距離情報や、荷物30が荷物搬送ベルト41により所有者Pの付近に搬送されるまでの時間等の情報を表示させてもよい。
【0072】
[携帯端末20の一例]
図15は、本実施形態に係る携帯端末20の一例を示す図である。図15(A)は、携帯端末20が、スマートフォン20Aである場合の一例について示す図である。図15(B)は、携帯端末20が、スマートグラス20Bである場合の一例について示す図である。図15(A)に示すように、スマートフォン20Aは、所有者Pにより所持され、使用される。図15(B)に示すように、スマートグラス20Bは、所有者Pにより着用され、使用される。
【0073】
携帯端末20の一例としてスマートグラス20Bを用いる場合において、例えば情報処理システム1を流通業などのベルトコンベア作業用途へも適用することができる。この場合、第1識別情報は、荷物30に代えて搬送物を識別するための搬送物識別情報である。第2識別情報は、搬送物識別情報により識別される搬送物を受け取る作業者を識別するための作業者識別情報である。対応情報には、搬送物識別情報と作業者識別情報とが対応付けられる。第1位置情報取得部は、対応情報に含まれる搬送物識別情報により識別される搬送物である対象搬送物の位置情報を取得する。出力制御部は、対象搬送物の位置情報に基づく情報を、対応情報において対象搬送物に係る搬送物識別情報と対応づけられている作業者識別情報により識別される搬送物を受け取る作業者である対象作業者が着用するスマートグラスに出力させる。
【0074】
情報処理システム1を流通業等のベルトコンベア作業用途へも適用した場合、作業者の支援をすることができる。従来、ベルトコンベアで搬送される搬送物を作業者が受け取る場合において、作業者は目的の荷物を取り違えることがあった。このような場合において、情報処理システム1を用いて作業を支援することにより、作業者が目的の搬送物を取り違えることを抑止することができる。
【0075】
[複数の作業者Wが搬送物Oに対応付けられる場合の一例]
図16は、本実施形態に係る情報処理システム1を流通業などのベルトコンベア作業用途へ適用した場合の一例を示す図である。図16(A)は、荷物搬送装置40を流通業などのベルトコンベア作業用途へ適用した場合の一例を示す図である。
【0076】
搬送物搬送装置40Aは、荷物搬送装置40の変形例である。搬送物搬送装置40Aは、搬送物搬送ベルト41Aと、識別情報読取装置42Aとを備える。搬送物搬送ベルト41Aは荷物搬送ベルト41の変形例であり、識別情報読取装置42Aは識別情報読取装置42の変形例である。搬送物搬送ベルト41Aは、搬送物O(搬送物O1からO3)を搬送し、識別情報読取装置42Aは搬送物Oに付された識別情報を取得する。搬送物Oは、荷物30の一例である。
【0077】
図16(B)は、複数の作業者Wが搬送物Oを受け取る場合の一例について説明する図である。同図に示す一例では、作業者W1から作業者W4までの作業者Wが荷物を受け取っている。ここで、流通業等のベルトコンベア作業用途において、作業者Wは、複数の作業者Wから1つのグループを形成し、グループ単位で作業を行う場合がある。複数の作業者Wから1つのグループを形成してグループ単位で作業を行う場合、対象とする搬送物Oを受け取る輪業者Wも複数である場合がある。
【0078】
図17は、本実施形態に係る対応情報ICの第2の変形例を示す図である。対応情報IC2は、複数の作業者Wから1つのグループを形成して作業を行う場合における対応情報ICの変形例である。同図に示す一例では、搬送物識別情報“B0002”は、作業者識別情報“P0002”と作業者識別情報“P0002-2”とに対応付けられる。すなわち、搬送物識別情報“B0002”に示される搬送物Oには、作業者識別情報“P0002-1”に示される作業者と、作業者識別情報“P0002-2”に示される作業者とが対応付けられる。つまり、この一例において、作業者識別情報は、複数の搬送物識別情報に対応づけられる。なお、対応情報IC2は、搬送物Oに関するその他の情報を対応付けられていてもよい。例えば、搬送物Oに関するその他の情報とは、搬送物Oを用いた作業内容に関する情報等である。
【0079】
図16に戻り、図16(C)は、スマートグラス20Bの表示の一例について説明する図である。画面構成D1は、スマートグラス20Bに表示される画面構成の一例を示す図である。スマートグラス20Bは、搬送物搬送ベルト41Aにより搬送される複数の搬送物Oのうち、対応情報IC2によりスマートグラス20Bと対応付けられる対象の搬送物Oを特定し表示する。例えば、画面構成D1では、対象の搬送物OをマーカD11により特定し、対象の搬送物Oであることを強調して表示する。さらに、スマートグラス20Bは、対応情報IC2に対応付けられる作業内容に関する情報を、作業内容表示部D12に表示してもよい。作業内容に関する情報とは、開梱、梱包物確認、梱包等である。
【0080】
なお、スマートフォン20A及びスマートグラス20Bには、情報処理システム1の機能を構成するアプリケーションプログラムがインストールされていてもよく、所定のインターネットブラウザを経由することにより、同様の機能を構成してもよい。
【0081】
[情報処理システム1の使用の一例]
図18及び図19は、本実施形態に係る情報処理システム1の使用の一例を示す図である。情報処理システム1は、荷物30の所有者Pが、複数の荷物の中から自己の荷物を探し出し、探し出した自己の荷物を受け取る場合において使用される。図18及び図19を参照しながら、情報処理システム1が使用される場合の一例について説明する。
【0082】
図18は、本実施形態に係る情報処理システム1Dが、車両において使用される場合の一例を示す図である。情報処理システム1Dは、情報処理システム1の一例である。ここで、所有者Pは、荷物30を車両Vに預ける場合がある。車両Vとは、例えば、高速路線バス、リムジンバス、長距離バス、観光バス、夜行バス等である。このような場合において、所有者Pは、車両Vが備える荷物収容スペースRに、荷物30を預ける。この一例において、情報処理システム1Dは、荷物収容スペースRに、撮像部81及びプロジェクタ82を備える。
【0083】
所有者Pが荷物30を預ける際に、撮像部81は、所有者Pと荷物30との画像を撮像し、荷物識別情報及び所有者識別情報を取得する。撮像部81は、取得した荷物識別情報及び第2識別情報所有者識別情報を対応情報ICとして記憶部50に記憶させる。所有者Pが荷物30を受け取る際に、撮像部81は、所有者Pの画像を撮像し、所有者識別情報を取得する。プロジェクタ82は、対応情報ICにより対応付けられる荷物に映像を投影する。所有者Pは、映像が投影された荷物を受け取る。なお、車両Vは、電車等であってもよい。
【0084】
図19は、本実施形態に係る情報処理システム1Eが、クロークにおいて使用される場合の一例を示す図である。情報処理システム1Eは、情報処理システム1の一例である。ここで、所有者Pは、荷物30を種々のサービスカウンターCに預ける場合がある。サービスカウンターCとは、例えばホテルのクローク等である。なお、サービスカウンターCがホテルのクロークである場合、荷物30は衣服等であってもよい。この一例において、情報処理システム1Eは、サービスカウンターCに、撮像部81B及びプロジェクタ82Bを備える。
【0085】
所有者Pが荷物30を預ける際に、撮像部81Bは、所有者Pと荷物30との画像を撮像し、荷物識別情報及び所有者識別情報を取得する。撮像部81Bは、取得した荷物識別情報及び所有者識別情報を対応情報ICとして記憶部50に記憶させる。所有者Pが荷物30を受け取る際に、撮像部81Bは、所有者Pの画像を撮像し、所有者識別情報を取得する。プロジェクタ82Bは、対応情報ICにより対応付けられる荷物に映像を投影する。所有者Pは、映像が投影された荷物を受け取る。なお、この一例において、サービスカウンターCがホテルのクロークである場合について説明したが、情報処理システム1Eは、飲食店等の種々のサービスを提供する施設において広く使用されてもよい。
【0086】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、対応情報取得部と、第1位置情報取得部と、出力制御部とを持つことにより、搬送される荷物の中から自己の荷物を受け取るのを支援することができる。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0088】
1…情報処理システム、10…情報処理装置、11…対応情報取得部、12…荷物位置情報取得部、13…所有者位置情報取得部、14…画像情報取得部、15…出力制御部、20…携帯端末、21…表示部、22…荷物位置情報取得部、23…自位置情報取得部、24…識別情報記憶部、25…撮像部、26…制御部、50…記憶部、30…荷物、61…受取情報取得部、62…受取制御部、63…通知部、64…対応情報更新部、65…受取判定部、66…警告部、67…問題発生情報取得部、68…問題発生情報通知部、70…制御装置、75…警告装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19