(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】コイル部品及びコイル部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20240213BHJP
H01F 41/10 20060101ALI20240213BHJP
H01F 41/04 20060101ALI20240213BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H01F27/29 123
H01F41/10 C
H01F41/04 B
H01F17/04 Z
H01F27/29 X
(21)【出願番号】P 2020015306
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】若林 博孝
【審査官】古河 雅輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-146431(JP,A)
【文献】特開2018-006501(JP,A)
【文献】特開2006-100498(JP,A)
【文献】特開平10-074661(JP,A)
【文献】特開平10-154633(JP,A)
【文献】特開2007-234330(JP,A)
【文献】特開2014-209550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 5/00 - 5/06
H01F 17/00 -21/12
H01F 27/00
H01F 27/02
H01F 27/06
H01F 27/08
H01F 27/23
H01F 27/26 -27/30
H01F 27/32
H01F 27/36
H01F 27/42
H01F 38/42 -41/04
H01F 41/08
H01F 41/10
H01G 4/00 - 4/224
H01G 4/255- 4/40
H01G 13/00 -17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
コイル軸の周りに巻回されている導体と、
前記基体の表面に設けられ、前記導体の端部と電気的に接続される外部電極と、を備え、
前記外部電極は、複数の第1のフィラー、複数の第2のフィラー、及び樹脂を含む電極層を有し、
前記複数の第2のフィラーの少なくとも一部は、前記第1のフィラー及び/又は他の前記第2のフィラーと金属結合によって結合し、
前記複数の第2のフィラーのそれぞれは扁平形状であり、
前記外部電極は、前記電極層と前記導体の端部との間に設けられた金属膜を有し、
前記金属膜は、高密度スパッタリング堆積法により形成されたスパッタ膜であり、
前記金属膜は、前記第2のフィラーと金属結合している、
コイル部品。
【請求項2】
前記第2のフィラーのアスペクト比は3以上である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記電極層の厚さ方向の断面において、前記第2のフィラーの最大
粒径の平均は、前記第1のフィラーの最大粒径の平均より大きい、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記複数の第1のフィラーのそれぞれは球形状であり、前記第1のフィラーのアスペクト比は2以下である、請求項1~3の何れか一項に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記金属膜は、前記導体の端部と金属結合している、請求項1~4の何れか一項に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記外部電極は、前記電極層上に設けられためっき層を有し、
前記めっき層は、前記第2のフィラーと金属結合している、請求項1~5の何れか一項に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第2のフィラーの長軸方向は、前記電極層の厚さ方向と垂直な方向に対して略平行である、請求項1~6の何れか一項に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第2のフィラー同士は、当該第2のフィラーの長軸同士が互いに平行な状態で金属結合している、請求項1~7の何れか一項に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記電極層における前記樹脂の割合は、60vol%以下である、請求項1~7の何れか一項に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記電極層は、前記第1のフィラーとなる第1の金属粒子と、前記第2のフィラーとなる第2の金属粒子と、を含む導電性ペーストから形成され、
前記第2の金属粒子の最小曲率半径の平均は、前記第1の金属粒子の最小曲率半径の平均より小さい、請求項1~9の何れか一項に記載のコイル部品。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載のコイル部品を備える、回路基板。
【請求項12】
請求項11に記載の回路基板を備える、電子機器。
【請求項13】
基体と、コイル軸の周りに巻回された導体とを備えるコイル部品の製造方法であって、
複数の第1の金属粒子と、それぞれが扁平形状を有する複数の第2の金属粒子と、を含む導電性ペーストを準備する工程と、
前記導体の端部に高密度スパッタリング堆積法により金属膜を形成する工程と、
前記金属膜の表面に前記導電性ペーストの層を形成する工程と、
前記導電性ペーストを熱処理することで、前記複数の第1の金属粒子と前記複数の第2の金属粒子とを金属結合させ、また、前記複数の第2の金属粒子のうちの一部と前記金属膜とを金属結合させる工程と、を含む、コイル部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、コイル部品及びコイル部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインダクタ等のコイル部品は、典型的に、磁性材料からなる磁性基体と、当該磁性基体内に設けられ、コイル軸の周りに巻回されている導体と、当該導体の端部に接続された外部電極と、を備える。このコイル部品は、例えばはんだを用いて外部電極と基板とを電気的に接続することによって実装され、様々な電子機器の部品として用いられる。従来のコイル部品は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1のコイル部品の外部電極は、金属フィラー及び樹脂を含む導電性ペーストを熱処理することによって形成されており、当該導電性ペーストに含まれる金属フィラーは焼結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属フィラー及び樹脂を含む導電性ペーストを用いて外部電極を形成する場合、樹脂を熱硬化する過程で、金属フィラー同士が凝集する。その結果、金属フィラーが偏在し、当該金属フィラーが密集した密集部と、当該金属フィラーがほとんど含まれない樹脂部と、が外部電極内に形成される。このような樹脂部は、外部電極の構造欠陥となる。また、金属フィラーの密集部と樹脂部とでは線膨張係数が異なるので、環境変化によって構造欠陥が拡大する可能性がある。したがって、金属フィラーの凝集は、外部電極の強度低下の原因となり得る。
【0005】
本発明の目的の一つは、外部電極に含まれる金属フィラーの凝集を抑制することが可能なコイル部品及びコイル部品の製造方法を提供することである。本発明のこれ以外の目的は、明細書全体の記載を通じて明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るコイル部品は、基体と、コイル軸の周りに巻回されている導体と、基体の表面に設けられ、導体の端部と電気的に接続される外部電極と、を備え、外部電極は、複数の第1のフィラー、複数の第2のフィラー、及び樹脂を含む電極層を有し、複数の第2のフィラーの少なくとも一部は、第1のフィラー及び/又は他の第2のフィラーと金属結合によって結合し、複数の第2のフィラーのそれぞれは扁平形状である。
【0007】
本発明の一実施形態において、第2のフィラーのアスペクト比は3以上であってもよい。
【0008】
本発明の一実施形態では、電極層の厚さ方向の断面において、第2のフィラーの最大粒径粒径の平均は、第1のフィラーの最大粒径の平均より大きくてもよい。
【0009】
本発明の一実施形態において、複数の第1のフィラーのそれぞれは球形状であり、第1のフィラーのアスペクト比は2以下であってもよい。
【0010】
本発明の一実施形態において、外部電極は、電極層と導体の端部との間に設けられた金属膜を有し、金属膜は、第2のフィラーと金属結合していてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態において、外部電極は、電極層上に設けられためっき層を有し、めっき層は、第2のフィラーと金属結合していてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態において、第2のフィラーの長軸方向は、電極層の厚さ方向と垂直な方向に対して略平行であってもよい。
【0013】
本発明の一実施形態において、第2のフィラー同士は、当該第2のフィラーの長軸同士が互いに平行な状態で金属結合していてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態において、電極層における樹脂の割合は、60vol%以下であってもよい。
【0015】
本発明の一実施形態において、電極層は、第1のフィラーとなる第1の金属粒子と、第2のフィラーとなる第2の金属粒子と、を含む導電性ペーストから形成され、第2の金属粒子の最小曲率半径の平均は、第1の金属粒子の最小曲率半径より小さくてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態は、上記の何れかの電子部品を備える回路基板に関する。また、本発明の一実施形態は、上記の回路基板を備える電子機器に関する。
【0017】
本発明の一実施形態に係るコイル部品の製造方法は、基体と、コイル軸の周りに巻回された導体とを備えるコイル部品の製造方法であって、複数の第1の金属粒子と、最小曲率半径の平均が第1の金属粒子の最小曲率半径の平均より小さい複数の第2の金属粒子と、を含む導電性ペーストを準備する工程と、導体の端部と電気的に接続される導電性ペーストの層を形成する工程と、導電性ペーストに含まれる複数の第1の金属粒子及び複数の第2の金属粒子を熱処理することで金属結合させる工程と、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、外部電極に含まれる金属フィラーの凝集を抑制することが可能なコイル部品及びコイル部品の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係るコイル部品を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図1のコイル部品の磁性基体の断面を拡大して模式的に示す拡大断面図である。
【
図3】
図1のコイル部品の導体の一方の端部と外部電極との接合部分の周辺の断面を拡大して示す拡大断面図である。
【
図4】
図1のコイル部品の外部電極の断面の電子顕微鏡像の模式図である。
【
図5】本発明の別の実施形態に係るコイル部品を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、複数の図面において共通する構成要素には、当該複数の図面を通して同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0021】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係るコイル部品1の概要を説明する。
図1は、コイル部品1を模式的に示す斜視図である。
図1に示されるように、コイル部品1は、基体10と、基体10の内部に設けられたコイル導体(導体)25と、基体10の表面に設けられた外部電極21と、基体10の表面において外部電極21から離間した位置に設けられた外部電極22と、を備える。
【0022】
本明細書においては、文脈上別と解される場合を除き、コイル部品1の「長さ」方向、「幅」方向及び「高さ」方向はそれぞれ、
図1の「L軸」方向、「W軸」方向及び「T軸」方向とする。
【0023】
コイル部品1は、不図示の回路基板に実装される。この回路基板には、2つのランド部が設けられている。コイル部品1は、外部電極21,22と、当該外部電極21,22に対応するランド部とをそれぞれ接合することで回路基板に実装され得る。この回路基板が搭載され得る電子機器には、スマートフォン、タブレット、ゲームコンソール、及びこれら以外の様々な電子機器が含まれる。この回路基板は、電子機器の一種である自動車の電装品に搭載されてもよい。
【0024】
コイル部品1は、基体10の表面に外部電極21,22を有するインダクタ、トランス、フィルタ、リアクトル、及びこれら以外の様々なコイル部品に適用され得る。コイル部品1は、カップルドインダクタ、チョークコイル、及びこれら以外の様々な磁気結合型コイル部品にも適用することができる。コイル部品1の用途は、本明細書で明示されるものに限定されない。
【0025】
基体10は、絶縁材料で構成される。一実施形態において、基体10は主に磁性材料で構成され、直方体形状に形成されている。本発明の一実施形態に係るコイル部品1の基体10は、長さ寸法(L軸方向の寸法)が1.0mm~4.5mm、幅寸法(W軸方向の寸法)が0.5mm~3.2mm、高さ寸法(T軸方向の寸法)が0.5mm~5.0mmとなるように形成されている。基体10の寸法は、本明細書で具体的に説明される寸法には限定されない。本明細書において「直方体」又は「直方体形状」という場合には、数学的に厳密な意味での「直方体」のみを意味するものではない。
【0026】
基体10は、第1の主面10a、第2の主面10b、第1の端面10c、第2の端面10d、第1の側面10e、及び第2の側面10fを有する。基体10の外面は、これらの6つの面によって画定されている。第1の主面10aと第2の主面10bとはそれぞれ高さ方向両端の面を成し、第1の端面10cと第2の端面10dとはそれぞれ長さ方向両端の面を成し、第1の側面10eと第2の側面10fとはそれぞれ幅方向両端の面を成している。
【0027】
図1に示されるように、第1の主面10aは基体10の上側にあるため、第1の主面10aを「上面」と呼ぶことがある。同様に、第2の主面10bを「下面」と呼ぶことがある。コイル部品1は、第1の主面10aが回路基板と対向するように配置されるので、第1の主面10aを「実装面」と呼ぶこともある。コイル部品1の上下方向に言及する際には、
図1の上下方向を基準とする。
【0028】
次に、
図2を参照して磁性を持つ基体10について更に説明する。
図2は、基体10の断面を拡大して模式的に示す拡大断面図である。図示のように、基体10は、複数の第1金属磁性粒子11、複数の第2金属磁性粒子12、及び結着材13を含む。結着材13は、複数の第1金属磁性粒子11及び複数の第2金属磁性粒子12を互いに結着させている。言い換えると、基体10は、結着材13並びに結着材13により結着されている複数の第1金属磁性粒子11及び複数の第2金属磁性粒子12によって構成されている。基体10は、磁性材料、または非磁性材料、または非磁性材料として誘電材料を含んでもよい。
【0029】
複数の第1金属磁性粒子11は、複数の第2金属磁性粒子12よりも大きな平均粒径を有する。すなわち、複数の第1金属磁性粒子11の平均粒径(以下、第1平均粒径と呼ぶ。)と、複数の第2金属磁性粒子12の平均粒径(以下、第2平均粒径と呼ぶ。)とは、異なっている。第1平均粒径は例えば30μmであり、第2平均粒径は例えば2μmであるが、それぞれ、これらと異なる平均粒径であってもよい。本発明の一の実施形態において、基体10は、第1平均粒径及び第2平均粒径と異なる平均粒径を有する不図示の複数の第3金属磁性粒子(以下、第3金属磁性粒子の平均粒径を第3平均粒径と呼ぶ。)を更に含んでもよい。第3平均粒径は第1平均粒径よりも小さく第2平均粒径より大きくても、第2平均粒径より小さくてもよい。以下の説明では、本明細書においては、第1金属磁性粒子11、第2金属磁性粒子12及び第3金属磁性粒子を互いに区別する必要がない場合には、磁性基体10に含まれる第1金属磁性粒子11、第2金属磁性粒子12及び第3金属磁性粒子を「金属磁性粒子」と総称することがある。
【0030】
第1金属磁性粒子11及び第2金属磁性粒子12は、様々な軟磁性材料から成る。第1金属磁性粒子11は、例えば、Feを主成分とする。具体的には、1金属磁性粒子11は、(1)Fe、Ni等の金属粒子、(2)Fe、Si、Crを含む合金、Fe、Si、Alを含む合金、Fe、Niを含む合金等の結晶合金粒子、(3)Fe、Si、Cr、B、Cを含む合金、Fe、Si、Cr、Bを含む合金等の非晶質合金粒子、又は(4)これらが混合された混合粒子である。磁性基体10に含まれる金属磁性粒子の組成は、前記のものに限られない。第1金属磁性粒子11は、例えば、Feを85wt%以上含む。これにより、優れた透磁率を有する磁性基体10を得ることができる。第2金属磁性粒子12の組成は、第1金属磁性粒子11の組成と同じであってもよいし異なっていてもよい。磁性基体10が不図示の複数の第3金属磁性粒子を含む場合、第3金属磁性粒子の組成は、第2金属磁性粒子12の組成と同様に、第1金属磁性粒子11の組成と同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0031】
金属磁性粒子は、その表面を不図示の絶縁膜で被覆されていてもよい。例えば、この絶縁膜は、ガラス、樹脂又はこれら以外の絶縁性に優れた材料から形成されている。この絶縁膜は、例えば、第1金属磁性粒子11とガラス材料の粉末とを不図示の摩擦混合機内で混合することにより第1金属磁性粒子11の表面に形成される。ガラス材料から形成される絶縁膜は、摩擦混合機内において圧縮摩擦作用により第1金属磁性粒子11の表面に固着している。ガラス材料は、ZnO及びP2O5を含んでもよい。この絶縁膜は、様々なガラス材料から形成され得る。絶縁膜14は、ガラス粉に代えて又はガラス粉に加えて、アルミナ粉、ジルコニア粉又はこれら以外の絶縁性に優れた酸化物の粉末から形成されてもよい。絶縁膜の厚さは、例えば100nm以下とされる。
【0032】
第2金属磁性粒子12は、第1金属磁性粒子11の絶縁膜と異なる絶縁膜で被覆されていてもよい。この絶縁膜は、第2金属磁性粒子12が酸化してできる酸化膜であってもよい。この絶縁膜の厚さは、例えば20nm以下とされる。この絶縁膜は、大気中雰囲気にて第2金属磁性粒子12を熱処理することで、第2金属磁性粒子12の表面に形成される酸化膜であってもよい。この絶縁膜は、Fe及びこれ以外の第2金属磁性粒子12に含有される元素の酸化物を含む酸化膜であってもよい。この絶縁膜は、第2金属磁性粒子12をリン酸へ投入して攪拌することにより、第2金属磁性粒子12の表面に形成されるリン酸鉄膜であってもよい。第1金属磁性粒子11の絶縁膜は第1金属磁性粒子11が酸化してできる酸化膜であってもよく、第2金属磁性粒子12の絶縁膜は第2金属磁性粒子12の酸化によらず、別途設けられる被覆膜としてもよい。
【0033】
結着材13は、例えば、絶縁性に優れた熱硬化性樹脂である。結着材13には、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリフッ化ビニルデン(PVDF)樹脂、フェノール(Phenolic)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、又はポリベンゾオキサゾール(PBO)樹脂が用いられ得る。また、結合材13としてガラス等を用いてもよく、結合剤13は絶縁フィラー等を含んでもよい。
【0034】
導体25は、所定のパターンを有するように形成されている。図示の実施形態では、導体25は、コイル軸Axの周りに巻回されている(
図1参照)。導体25は、例えば、平面視において、楕円形状、ミアンダ形状、直線形状、又はこれらを組み合わせた形状を有する。導体25は、任意の形状を有していて良く、例えばスパイラル形状であってもよい。
【0035】
導体25は、Cu、Ag、又はこれら以外の導電性材料からめっき法により形成されている。導体25は、端面25a2及び端面25b2以外の表面の全域が絶縁膜に覆われていてもよい。図示のように導体25がコイル軸Axの周りに複数ターン巻回されている場合には、導体25の各ターンは、隣接する他のターンと離間していてもよい。この場合、隣接するターン同士の間には基体10が介在している。
【0036】
導体25は、その一方の端部に引出導体25a1を有し、その他方の端部に引出導体25b1を有する。引出導体25a1の端部には端面25a2が形成され、引出導体25b1の端部には端面25b2が形成されている。導体25の一方の端部である引出導体25a1は外部電極21と電気的に接続され、導体25の他方の端部である引出導体25b1は外部電極22と電気的に接続されている。
【0037】
本発明の一実施形態において、外部電極21は、基体10の第1の主面10a、第2の主面10b、第2の端面10c、第1の側面10e、及び第2の側面10fの一部に設けられている。外部電極22は、基体10の第1の主面10a、第2の主面10b、第2の端面10d、第1の側面10e、及び第2の側面10fの一部に設けられている。外部電極21と外部電極22とは、互いに離間して配置されている。各外部電極21、22の形状及び配置は、図示された例には限定されない。引出導体25a1及び引出導体25b1は、それぞれ基体10の第1の主面(すなわち、実装面)10aに引き出されており、引出導体25a1の端面25a2及び引出導体25b1の端面25b2は第1の主面10aにおいて基体10から露出する。すなわち、引出導体25a1の端面25a2及び引出導体25b1の端面25b2は、同一の面において基体10から露出する。引出導体25a1の端面25a2及び引出導体25b1の端面25b2は、互いに異なる面において基体10から露出していてもよい。
【0038】
次に、
図3及び
図4を参照して、本発明の一実施形態に係るコイル部品1の外部電極について詳細に説明する。
図3は、
図1のコイル部品1の導体25の一方の端部と外部電極21との接合部分の周辺の断面を拡大して示す拡大断面図である。
図4は、
図1のコイル部品の外部電極の断面の電子顕微鏡像の模式図である。以下の説明では、外部電極21について説明するが、特段の事情がない限り外部電極21の説明は外部電極22にも援用される。また、
図3及び
図4は外部電極21を説明する図であるが、外部電極22についても援用される。
図3及び
図4に示されるように、外部電極21は、金属膜23と、電極層24と、めっき層26と、を有する。
【0039】
金属膜23は、例えばスパッタ膜であり、金属膜23と導体25の一方の端部(すなわち、端面25a2)との少なくとも一部は、金属結合によって接続されている。ここで、「少なくとも一部」とは、端面25a2の何れかの領域を意味する。例えば、金属膜23と端部25a1とは、端面25a2の周縁PP(
図3参照)において金属結合によって接続されていてもよい。
図3は、端面25a2の全面において、金属膜23と導体25の端部25a1とが金属結合により接続されている例を示している。
図3の例では、金属膜23と端部25a1とは、端面25a2の周縁PPにおいても金属結合している。
【0040】
金属膜23の材料は、例えば、Ag、Au、Pd、Pt、Cu、Ni、Ti、Ta等の金属、又はこれらの合金である。金属膜23に用いられる金属は、酸化しにくい金属、又は酸化しても容易に還元可能な金属が好ましい。また、金属膜23には、体積抵抗率が低い材料が用いられることが好ましい。金属膜23の厚みは特に限定されないが、例えば1μm以上5μm以下とすることができる。金属膜23に含まれる金属の主成分のイオン化傾向は、導体25を構成する金属のイオン化傾向よりも小さいことが好ましい。ここで、「金属膜23に含まれる金属の主成分」とは、金属膜23を構成する金属のうち重量%で金属種の過半を占める金属の成分をいう。金属膜23に含まれる金属の種類が一種類であれば、主成分とはその金属の成分をいう。一例として、導体25を構成する材料がCuである場合、金属膜23に含まれる金属はAgとすることができる。
【0041】
金属膜23に含まれる金属粒子のアスペクト比の平均は、0.8以上1.5以下である。ここで、金属粒子のアスペクト比とは、境界面BIに水平な方向における金属膜23に含まれる一の金属粒子の寸法をa、境界面BIに垂直な方向における当該一の金属粒子の寸法をbとした場合のb/aの値のことをいう。金属粒子のアスペクト比の平均は、例えば、5個、10個等の複数個の金属粒子の各アスペクト比の平均値とすることができる。金属膜23に含まれる金属粒子同士は、金属結合している。
【0042】
電極層24は、金属膜23の上に設けられており、導体25の一方の端部と電気的に接続されている。電極層24の厚さは、例えば20μm~50μm程度である。電極層24は、複数の第1のフィラー24A、複数の第2のフィラー24B、及び樹脂24Cを含む。複数の第1のフィラー24Aのそれぞれは球形状であり、そのアスペクト比は2以下である。複数の第2のフィラー24Bのそれぞれは扁平形状であり、そのアスペクト比は3以上である。本明細書中において、アスペクト比とは、電極層24の厚さ方向の断面における長軸方向の寸法に対する短軸方向の寸法の比(すなわち、最大粒径を最小粒径で除算した値)をいう。電極層24の厚さ方向の断面において、第2のフィラーの最大粒径の平均は、第1のフィラー24Aの最大粒径の平均より大きくなっている。第1のフィラー24Aの最大粒径の平均は、例えば1μm~10μmであり、第2のフィラー24Bの最大粒径の平均は、例えば0.1μm~10μmである。電極層24に含まれる第1のフィラー24Aと第2のフィラー24Bとの体積比は、例えば3:7~7:3である。第1のフィラー24A及び第2のフィラー24Bは、例えばAg、又はCu、Au、Pd、又はNi等の導電性に優れた金属によって構成される。また、第1のフィラー24A及び第2のフィラー24Bは、同じ成分の金属を含んでいる。図示の実施形態では、第1のフィラー24A及び第2のフィラー24Bは、共にAgによって構成されている。第1のフィラー24Aと第2のフィラー24Bとは、互いに異なる金属を含んでいてもよく、互いに異なる金属のみによって構成されていてもよい。第1のフィラー24Aと第2のフィラー24Bとが互いに異なる金属を含む場合においても第1のフィラー24Aと第2のフィラー24とは金属結合し、第1のフィラー24Aと第2のフィラー24との結合部は合金化する。この場合、第1のフィラー24Aに含まれる金属と第2のフィラー24Bに含まれる金属との組み合わせは、同種の金属間における金属結合よりも結合強度が強くなる組み合わせを選択することが好ましい。異なる金属の組み合わせによる合金の結合強度については、公知の文献をもっても明らかに出来る。
【0043】
電極層24の第1のフィラー24A及び第2のフィラー24Bは、コイル部品1の製造過程おける熱処理されている。これにより、第1のフィラー24A及び第2のフィラー24Bは、互いに金属結合している。また、電極層24は、第2のフィラー24B同士が、当該第2のフィラー24Bの長軸同士が互いに平行な状態で金属結合している部分を含んでいてもよい。電極層24は、第1のフィラー24A同士が金属結合している部分を含んでいてもよい。電極層24と金属膜23との界面において、第2のフィラー24Bは金属膜23と金属結合している。これにより、電極層24と金属膜23とは電気的に接続されている。また、電極層24とめっき層26との界面において、第2のフィラー24Bはめっき層26と金属結合している。第2のフィラー24Bの長軸方向は、電極層24の厚さ方向と垂直な方向に対して略平行である。これにより、電極層24とめっき層26とは電気的に接続されている。同様に、第1のフィラー24Aは金属膜23と金属結合していてもよい。第1のフィラー24Aはめっき層26と金属結合していてもよい。
【0044】
電極層24に含まれる樹脂24Cは、例えば熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。電極層24における樹脂24Cの割合は、65vol%以下である。電極層24における樹脂24Cの割合は30vol%~65vol%であることが好ましい。さらに、電極層24における樹脂24Cの割合は30vol%より小さいことがより好ましい。
【0045】
電極層24は、第1のフィラー24Aとなる第1の金属粒子と、第2のフィラー24Bとなる第2の金属粒子と、未硬化の樹脂とを含む導電性ペーストから形成される。第1の金属粒子及び第2の金属粒子は、それぞれ、コイル部品1の製造過程における熱処理によって金属結合される前の第1のフィラー24A及び第2のフィラー24Bである。第2の金属粒子のそれぞれは扁平形状であり、当該第2の金属粒子の長軸方向の両端部Eにおいて、第2の金属粒子の外形の曲率は最小となる。第2の金属粒子の最小曲率半径(すなわち、第2の金属粒子の長軸方向の端部の曲率)の平均は、第1の金属粒子の0.5μm以下である。一例として、第2の金属粒子の最小曲率半径は、0.1μm以下である。
図4においては、熱処理によって金属結合された第2のフィラー24Bの端部を第2の金属粒子の端部Eとして示している。
図4では金属結合された第2のフィラー24Bの端部の境界を模式的に示している。第2のフィラー24Bの端部の境界は、例えば、第2のフィラー24Bを含む電極層24の断面を電子顕微鏡を用いて50000倍で観察することで確認できる。実際の観察においては第2のフィラー24Bの端部の境界を明確に観察できない場合もある。例えば、第2のフィラー24Bの端部が他の第1のフィラー24Aもしくは第2のフィラー24Bと結合している場合、境界を明確に観察できないことがある。この場合、電子顕微鏡で観察される第2のフィラー24Bの内部の結晶粒子の境界を、第2のフィラー24Bの境界としてもよい。第2のフィラー24Bの内部の結晶粒子の境界を明確に観察できない場合には、明確に観察できない第2のフィラー24Bの端部以外の部分の形状から、任意の公知の推定方法によって推定される曲線を第2のフィラー24Bの端部の境界としてもよい。
【0046】
めっき層26は、電極層24の上に設けられている。図示の実施形態では、めっき層26は多層構造を有しており、電極層24と接触する第1のめっき層26Aと、第1のめっき層26Aの上に設けられた第2のめっき層26Bとを有している。第1のめっき層26Aの厚さは、例えば5μm~7μmであり、第2のめっき層26Bの厚さは、例えば5μm~10μmである。第1のめっき層26AはNiから構成されており、第2のめっき層26BはSnから構成されている。めっき層26は、Ni又はSnからなる単層のめっき層であってもよい。
【0047】
次に、本発明の一実施形態に係るコイル部品1の製造方法について説明する。まず、金属材料等によってコイル状に形成された導体25と、第1金属磁性粒子11及び第2金属磁性粒子12を含む粒子群と樹脂等からなる結着剤13とを混練して作製された混合樹脂組成物と、を成形金型に入れて、導体25の引出導体25a1の端面25a2、及び、引出導体25b1の端面25b2が、表面に露出するように圧縮成形する。コイル状に形成された導体25は、例えば、導線をスパイラル状に巻線して形成されたものを用いるが、巻線以外には、平面コイルとしてもよく、特にコイル形状を制限するものではない。導体25は絶縁被覆を有することもできる。成形体中の樹脂を硬化することで、導体25が埋め込まれた基体10が得られる。
【0048】
次に、導体25の引出導体25a1の端面25a2、及び、引出導体25b1の端面25b2が露出した磁性基体10の表面を平滑化し、酸化物を取り除く。ここでは、研磨剤を用いて研磨してから、プラズマエッチングを行った。この研磨剤の粒径としては、第1金属磁性粒子11より小さい粒径のものを用いることが好ましい。例えば、第1金属粒子11の平均粒径が30μmであれば、25μmの粒径が選ばれる。エッチングは、例えばプラズマエッチングなど、磁性基体の表面の酸化物を除去することができる方法であればよい。
【0049】
次に、金属膜23を形成する。金属膜23を形成する方法としては、例えば、スパッタリング堆積法、特には高密度スパッタリング堆積法がある。高密度スパッタリング堆積法とは、大電力を短時間のみかけることで、スパッタ膜が高温になることを防止しながら、緻密な膜を得る方法である。スパッタ時に試料を冷却することにより、さらに大電力をかけることができるようになりさらに緻密なスパッタ膜を得ることができる。この方法により上記の金属を用いれば、スパッタリング収率が高く、金属膜23を効率よく形成することができる。本明細書では、スパッタリング堆積法により形成された金属膜をスパッタ膜という。金属膜23の形成方法は、導体25の端面25a2と金属膜23とを金属結合させることができれば、スパッタリング堆積法以外の方法により金属膜23を形成してもよい。
【0050】
次に、金属膜23の上に電極層24を形成する。電極層24を形成には、まず、第1のフィラー24Aとなる第1の金属粒子と、第2のフィラー24Bとなる第2の金属粒子とを含む導電性ペーストを準備する。次に、印刷法等により導電性ペーストの層を形成する。次に、熱処理等により、導電性ペーストの層に含まれる第1の金属粒子及び第2の金属粒子を金属結合させる。一例として、熱処理は、170℃~250℃、30分~60分の条件で行われる。また、第1のフィラー24A及び第2のフィラー24Bの材質によっては、低酸素又は還元雰囲気で熱処理を行う。この工程により、金属膜23を介して導体25の端部と電気的に接続される電極層24が形成される。
【0051】
最後に、めっき法により、第1のめっき層26A及び第2のめっき層26Bを形成する。以上の工程により、外部電極21、22が形成され、コイル部品1が製造される。製造されたコイル部品1は、外部電極21、22がそれぞれ回路基板のランド部にはんだ接合されることで、回路基板に実装される。
【0052】
以上説明したように、コイル部品1の外部電極21,22は、複数の第1のフィラー24A、複数の第2のフィラー24B、及び樹脂24Cを含む電極層24を有し、複数の第2のフィラー24Bのそれぞれは扁平形状であり、電極層24の厚さ方向の断面において、第2のフィラー24Bの最大粒径の平均は、第1のフィラー24Aの最大粒径の平均より大きい。このように、相対的に大きな粒径を有する第2のフィラー24Bを含んでいることにより、熱処理を行うことによる金属結合に伴う第2のフィラーの凝集が起こりにくくなる。また、第2のフィラー24Bのそれぞれが扁平形状であることにより、第2のフィラー24Bの長軸方向の両端部Eにおける曲率は小さく、長軸方向の中央部における曲率は大きくなっている。このため、第2のフィラーの長軸方向の両端部Eにおいては熱処理を行うことによる金属結合に必要なエネルギーが小さく、第2のフィラーの長軸方向の中央部においては熱処理を行うことによる金属結合に必要なエネルギーが大きい。したがって、第2のフィラーの長軸方向の両端部Eにおいては金属結合による結合が進行しやすく、第2のフィラーの長軸方向の中央部においては金属結合による結合が進行しにくい。よって、第2のフィラーの長軸方向の両端部Eによって電気的な接続を確保しつつ、熱処理を行うことによる金属結合に伴う第1のフィラー24A及び第2のフィラー24Bの凝集を抑制することができる。その結果、電極層24内において第1のフィラー24A及び第2のフィラー24Bが偏在することが抑制され、外部電極21、22の強度低下を抑制することができる。
【0053】
外部電極21,22は、電極層24と導体25の端部との間に設けられた金属膜23を有し、金属膜23は、第2のフィラー24Aと金属結合していてもよい。これにより、金属膜23と電極層24との間における電気抵抗の低下を図ることができる。
【0054】
外部電極21,22は、電極層24上に設けられためっき層26を有し、めっき層26は、第2のフィラー24Bと金属結合していてもよい。これにより、めっき層26と電極層24との間における電気抵抗の低下を図ることができる。
【0055】
第2のフィラー24Bの長軸方向は、電極層24の厚さ方向と垂直な方向に対して略平行であってもよい。これにより、第2のフィラー24Bとめっき層26との接触面積、及び第2のフィラー24Bと金属膜23との接触面積が大きくなるので、めっき層26と電極層24との間、及び、金属膜23と電極層24との間における電気抵抗の更なる低下を図ることができる。
【0056】
第2のフィラー24B同士は、当該第2のフィラー24Bの長軸同士が互いに平行な状態で金属結合していてもよい。これにより、第2のフィラー24B同士の接触面積が大きくなるので、電極層24における電気抵抗の低下を図ることができる。
【0057】
次に、
図5を参照して本発明の別の実施形態のコイル部品100について説明する。
図5は、コイル部品100を模式的に示す斜視図である。図示のように、コイル部品100は、コイル部品1と同様に、基体10内にコイル導体25と、基体10の表面に設けられた外部電極21と、基体10の表面において外部電極21から離間した位置に設けられた外部電極22と、を備える。コイル部品100は、基体10内に設けられた絶縁板50を備え、導体25が絶縁板50の上面及び下面に設けられている点でコイル部品1と相違している。
【0058】
コイル部品100の外部電極21,22も、コイル部品1と同様に、複数の第1のフィラー24A、複数の第2のフィラー24B、及び樹脂24Cを含む電極層24を有し、複数の第2のフィラー24Bのそれぞれは扁平形状であり、電極層24の厚さ方向の断面において、第2のフィラー24Bの最大粒径の平均は、第1のフィラー24Aの最大粒径の平均より大きい。したがって、コイル部品1と同様の理由により、第2のフィラーの長軸方向の両端部によって電気的な接続を確保しつつ、熱処理を行うことによる金属結合に伴う第1のフィラー24A及び第2のフィラー24Bの凝集を抑制することができる。その結果、電極層24内において第1のフィラー24A及び第2のフィラー24Bが偏在することが抑制され、外部電極21、22の強度低下を抑制することができる。
【0059】
前述の様々な実施形態で説明された各構成要素の寸法、材料及び配置は、それぞれ、各実施形態で明示的に説明されたものに限定されず、当該各構成要素は、本発明の範囲に含まれ得る任意の寸法、材料及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、上述の各実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【0060】
例えば、コイル部品1及びコイル部品100の外部電極21、22は、金属膜23を有していなくてもよい。この場合、電極層24と導体25の端部とは直接接続されていてもよい。また、外部電極21、22は、めっき層26を有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1,100…コイル部品、10…磁性基体、21…外部電極、22…外部電極、23…金属膜、24…電極層、24A…第1のフィラー、24B…第2のフィラー、24C…樹脂、25…導体、26…めっき層、26A…第1のめっき層、26B…第2のめっき層。