(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】ドライブトレインを動作させるための方法および制御ユニット
(51)【国際特許分類】
H02P 1/54 20060101AFI20240213BHJP
F04B 49/20 20060101ALI20240213BHJP
B60L 7/16 20060101ALI20240213BHJP
B60L 50/00 20190101ALI20240213BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20240213BHJP
H02P 3/00 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H02P1/54
F04B49/20
B60L7/16
B60L50/00
B60L15/20 K
H02P3/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020017963
(22)【出願日】2020-02-05
【審査請求日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】10 2019 102 881.7
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598113922
【氏名又は名称】レンク・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・パウラ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・シュヴァイガー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ケーンライン
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102014225738(DE,A1)
【文献】特開昭62-230389(JP,A)
【文献】特開平08-205389(JP,A)
【文献】特開平08-140380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 1/00-1/58
H02P 3/00-3/26
B60L 15/20
F04B 49/20
B60L 7/16
B60L 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動機械(10)を有するドライブトレインを動作させるため、すなわち前記ドライブトレインを始動するため、かつ前記
作動機械(10)を規定される設定回転速度にけん引するための方法であって、前記ドライブトレインが、一定の回転速度で動作することができる電気機械として設計される主駆動部(11)と、可変回転速度で動作することができる電気機械として設計される補助駆動部(12)と、前記
主駆動部(11)及び前記補助駆動部(12)の2つの駆動
部と前記
作動機械(10)との間に接続される、固定の機械的変速比を有する速度変調ギアボックス(13)と、を有し、
前記主駆動部(11)が、供給ネットワーク(15)に直接結合して直入れ始動によって始動され、
前記補助駆動部(12)が、コンバータ(14)の中間接続を受けて、前記供給ネットワーク(15)へ間接結合して、
最初に、前記作動機械(10)をけん引し、もっぱら前記補助駆動部(12)がモータ的に正転モードで動作され、前記主駆動部(11)が最初は静止しているように、前記主駆動部(11)より前の時点
で始動され、
その後、前記補助駆動部(12)の回転速度についての規定される閾値に到達すると、前記主駆動部(11)がモータ的に正転モードで動作され、これと平行して前記補助駆動部(12)が、最初にモータ的に正転モードで動作され、これに続けてモータ的に逆転モードで動作され、
前記
作動機械(10)を、前記
作動機械(10)の定格回転速度の規定される百分率に対応する、前記規定される設定回転速度にけん引するため、前記主駆動部(11)が、モータ的に正転モードで少なくとも時々は動作されて、その定格回転速度に加速され、これと平行して、前記補助駆動部(12)が、モータ的に逆転モードで少なくとも時々は動作される、方法。
【請求項2】
前記
作動機械(10)上で前記規定される設定回転速度に到達すると、かつ/または前記主駆動部(11)上で前記定格回転速度に到達すると、前記補助駆動部(12)が、その後、少なくとも時々、発電機的に逆転モードで動作されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記
作動機械(10)上で前記規定される設定回転速度に到達すると、または前記主駆動部(11)上で前記定格回転速度に到達すると、前記ドライブトレインの前記始動が完了することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記
作動機械(10)上で前記規定される設定回転速度に到達すると、かつ/または前記主駆動部(11)上で前記定格回転速度に到達すると、前記補助駆動部(12)の前記動作を、モータ的に逆転モードから発電機的に逆転モードでの動作に変えるために前記コンバータ(14)が作動されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記補助駆動部(12)の最高回転速度に到達すると、前記主駆動部(11)がモータ的に正転モードで動作され、これと平行して前記補助駆動部(12)が、最初にモータ的に正転モードで動作され、これに続けてモータ的に逆転モードで動作されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記主駆動部(11)が、その静止状態の間、その慣性質量またはブレーキによってゼロの回転速度に保持されることを特徴とする、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
作動機械(10)を有するドライブトレインを動作させるための制御ユニットであって、前記ドライブトレインが、一定の回転速度で動作することができる電気機械として設計される主駆動部(11)と、可変回転速度で動作することができる電気機械として設計される補助駆動部(12)と、前記
主駆動部(11)及び前記補助駆動部(12)の2つの駆動
部と前記
作動機械(10)との間に接続される、固定の機械的変速比を有する速度変調ギアボックス(13)と、を有し、
前記ドライブトレインを始動するため、かつ規定される設定回転速度に前記
作動機械(10)をけん引するため、前記制御ユニットが、
供給ネットワーク(15)と直接結合して直入れ始動によって、前記主駆動部(11)を始動するステップと、
コンバータ(14)の中間接続を受けて、前記供給ネットワーク(15)へ間接結合して
、前記主駆動部(11)より前の時点
で前記補助駆動部(12)を始動するステップと、
前記
作動機械(10)の定格回転速度の規定される百分率に対応する、前記規定される設定回転速度に前記
作動機械(10)をけん引するため、
最初に、前記作動機械(10)をけん引し、もっぱら前記補助駆動部(12)がモータ的に正転モードで動作され、前記主駆動部(11)が最初は静止しているように前記主駆動部(11)および補助駆動部(12)を動作させるステップであって、その後、前記補助駆動部(12)の回転速度についての規定される閾値に到達すると、前記主駆動部(11)がモータ的に正転モードで動作され、これと平行して前記補助駆動部(12)が、最初にモータ的に正転モードで動作され、これに続けてモータ的に逆転モードで動作され、前記制御ユニットが、前記主駆動部(11)をモータ的に正転モードで少なくとも時々は動作させ、前記主駆動部(11)をその定格回転速度に加速し、前記制御ユニットが、これと平行して、前記補助駆動部(12)をモータ的に逆転モードで少なくとも時々は動作させる、ステップと、
を制御側で実行する、制御ユニット。
【請求項8】
前記制御側で請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法を実行するために装備されることを特徴とする、請求項
7に記載の制御ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にポンプまたはコンプレッサとして設計される作動機械を有するドライブトレインを動作させるため、すなわちドライブトレインを始動するため、かつ作動機械を規定される設定回転速度にけん引するための方法であって、ドライブトレインが、一定の回転速度で動作することができる電気機械として設計される主駆動部と、可変回転速度で動作することができる電気機械として設計される補助駆動部と、2つの駆動部と作動機械との間に接続される、固定の機械的変速比を有する速度変調ギアボックスと、を有する方法に関する。さらに、本発明は、制御ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特に、作動機械をけん引するためにたとえばポンプまたはコンプレッサとして設計される作動機械とともにドライブトレインが始動されるとき、電気機械として設計される駆動部を始動することが慣例から基本的に既に知られており、電気機械は、供給ネットワークへ直接結合して、いわゆる直入れ始動(DOL始動)によって、一定の回転速度で動作することができる。そのような直入れ始動では、電気機械として設計される駆動部は、その定格電流を複数回供給ネットワークから引き込み、このために、供給ネットワークの幹線電圧が一時低下する。このために、供給ネットワークは、かなりの負荷を受け、それによって、供給ネットワークに接続される他の消費者の動作が悪影響を受ける場合がある。今日まで、この問題を考慮するため、供給ネットワークまたは駆動部は、結果として、ドライブトレインのために好適に設計されなければならず、この結果として、ドライブトレインのいわゆる定格動作と比較して過剰な寸法決定がなされている。このことによって、高い投資費用、また定格動作における悪い効率の両方がもたらされている。
【0003】
特許文献1および2から、それぞれ速度変調ギアボックスを有する例示的なドライブトレインが知られている。速度変調ギアボックスは、固定の機械的変速比を有し、作動機械を駆動するために、2つの駆動ユニットと作動機械との間に接続される。
【0004】
特許文献3から、ドライブトレインを動作させるための方法が知られており、そこでは、一定の回転速度で動作することができる電気主モータ、および可変回転速度で動作することができる電気調整機械が、静止状態から起動され、すなわち回転速度依存制御を利用して、静止状態から起動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許出願公開第102015006084号明細書
【文献】独国特許出願公開第102017101650号明細書
【文献】独国特許出願公開第102014225738号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのようなドライブトレインを始動するための、すなわち主駆動部のための直入れ始動を利用する、新しいタイプの方法が必要であり、その方法では、供給ネットワークまたは主駆動部のいずれかで過剰な寸法決定をする必要がなくなる。この点から開始して、本発明は、ドライブトレインを動作させるための新しいタイプの方法および制御ユニットを作る目的に基づいている。この目的は、請求項1に従ってドライブトレインを動作させるための方法を介して解決される。本発明にしたがった方法は、主駆動部が、供給ネットワークに直接結合して直入れ始動によって始動されるステップを含む。供給ネットワークに直接結合したコンバータの中間接続を受けて、主駆動部と同時に、または主駆動部より前の時点で、または主駆動部より後の時点で補助駆動部が始動される。作動機械の定格回転速度の規定される百分率に対応する、規定される設定回転速度に作動機械をけん引するため、主駆動部は、モータ的に正転モードで少なくとも時々は動作されて、その定格回転速度に加速され、これと平行して、補助駆動部は、モータ的に逆転モードで少なくとも時々は動作される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にしたがった方法によれば、ドライブトレインの安全な始動、および、作動機械の定格回転速度よりも規定される百分率だけ小さい、作動機械の規定される設定回転速度への作動機械のけん引を行うことができる。この間、主駆動部は、モータ的に正転モードで少なくとも時々は動作され、補助駆動部は、それと時間的に平行してモータ的に逆転モードで少なくとも時々は動作される。そのため、この動作によって、固定される速度変調ギアボックスの機械的変速比は、可変回転速度で動作することができる補助駆動部の対応する動作を介して、電気的に影響を受ける場合があり、その結果、主駆動部の定格回転速度に到達すると、作動機械は、作動機械の定格回転速度よりも低い回転速度を有する。これが、次いで、作動機械のトルクの減少をもたらす。この場合、次いで、主駆動部は、単にその定格トルクより低いトルクを生成する必要がある。次いで、主駆動部および供給ネットワークをより小さく寸法決定することができる。したがって、固定の機械的変速比を有する速度変調ギアボックスを有するドライブトレイン中の主駆動部のための直入れ始動をサポートするために、補助駆動部が能動的に利用されており、供給ネットワークに許されないほど高い負荷を加えることなくドライブトレインを始動する。
【0008】
優先的に、作動機械上で規定される設定回転速度に到達すると、または主駆動部上で定格回転速度に到達すると、補助駆動部が、その後、少なくとも時々、発電機的に逆転して動作され、作動機械上で規定される設定回転速度に到達すると、または主駆動部上で定格回転速度に到達すると、補助駆動部をモータ的に逆転動作から発電機的に逆転動作に変えるためにコンバータが作動される。作動機械がその規定される設定回転速度までけん引始動される、または主駆動部がその定格回転速度に到達するとすぐに、始動動作が終了され、供給ネットワークの幹線電圧が開始レベルとなる。次いで、補助駆動部が、モータ的から発電機的モードに、すなわちコンバータの好適な作動によって変化する。
【0009】
特に好ましいのは、補助駆動部が、主駆動部と同時に、または主駆動部より後の時点で始動される本発明のバージョンである。特に、補助駆動部が主駆動部より後の時点で始動されるとき、最初に、作動機械をけん引して、もっぱら主駆動部がモータ的に正転モードで動作され、補助駆動部が最初は静止しており、その後、規定された時間期間が経過した後、または作動機械の回転速度について規定された閾値に到達したら、補助駆動部が、これと平行して、モータ的に逆転モードで動作されるように、上記のバージョンはなされる。補助駆動部が主駆動部より後の時点で始動される本発明のバージョンは、いずれにしても作動機械の逆回転の可能性を排除するため有利である。これは、ドライブトレインにおいて、たとえば、作動機械として、いずれにしても逆回転を防止しなければならない、ポンプまたはコンプレッサが利用されるときに特に重要である。主駆動部と補助駆動部を同時に始動すること、または主駆動部より後の時点で補助駆動部を始動することが好ましいが、主駆動部を補助駆動部より後の時点で始動することも基本的に可能である。
【0010】
本発明にしたがった制御ユニットは、請求項11に規定される。
【0011】
本発明の好ましいさらなる発展形は、下位の請求項および以下の記載から得られる。本発明の例示的な実施形態は、図面によって、これに限定されることなく、より詳細に説明される。図面は以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明で動作されるドライブトレインのブロック図である。
【
図2】本発明の第1のバージョンを図示するための時図表である。
【
図3】本発明の第1のバージョンのさらなる詳細を図示するための信号フロー図である。
【
図4】本発明の第2のバージョンを図示するための時図表である。
【
図5】本発明の第2のバージョンのさらなる詳細を図示するための信号フロー図である。
【
図6】本発明の第3のバージョンを図示するための時図表である。
【
図7】本発明の第3のバージョンのさらなる詳細を図示するための信号フロー図である。
【
図8】本発明の第4のバージョンを図示するための時図表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本明細書で呈示する本発明で動作することができるドライブトレインの可能な構築物のブロック図を示す。
【0014】
したがって、ドライブトレインは作動機械10を備え、作動機械10は、特に、ポンプまたはコンプレッサである。作動機械10は、主駆動部11および補助駆動部12から生じる力によって駆動することができ、2つの駆動部11、12と作動機械10との間に速度変調ギアボックス13が接続される。
【0015】
主駆動部11は、一定の回転速度で動作することができる電気機械である。特に、この主駆動部11がオンに切り換えられてその定格回転速度に加速されると、主駆動部11は、一定の回転速度で運転する。補助駆動部12は、可変回転速度で動作することができる、同様の電気機械である。供給ネットワーク15と補助駆動部12との間に接続されるコンバータ14は、この目的のために働く。ここで、
図1によれば、供給ネットワーク15とコンバータ14との間に、変圧器16を接続することができる。
【0016】
図1は、ドライブトレインの可能な任意選択の組立体として、主駆動部11と速度変調ギアボックス13との間に接続される第1のクラッチ17、および速度変調ギアボックス13と
作動機械10との間に接続される第2のクラッチ18を示す。さらなる任意選択の組立体として、
図1は、速度変調ギアボックス13上で作用するブレーキ19を示す。
【0017】
速度変調ギアボックス13は、固定の機械的変速比を有する速度変調ギアボックスである。速度変調ギアボックス13は、たとえば、特許文献1および2から知られているように設計することができる。しかし、固定の機械的変速比を有する速度変調ギアボックス13の他の設計も可能である。
【0018】
図1によれば、回路遮断器20が供給ネットワーク15と主駆動部11との間に接続される。回路遮断器20は、たとえば、切換信号22にしたがって制御ユニット21によって、オンとオフとを切り換えることができる。この制御ユニット21は、さらなる制御ユニット24と両矢印23にしたがって通信し、さらなる制御ユニット24は、切換信号25にしたがって、コンバータ14を作動するために働く。
【0019】
特に、制御ユニット21が省略されるとき、回路遮断器20が、切換信号26にしたがって、制御ユニット24によって、代替的にオンとオフとを切り換えることもできる。したがって、制御ユニット21は任意選択である。
【0020】
ドライブトレインを始動するため、かつ規定される設定回転速度に作動機械10をけん引するための、ドライブトレインの動作では、制御ユニット24に、対応する設定回転速度デフォルト値27が提供され、すなわち制御ユニット24上の直接的で好適な入力によって、または代替的に、制御ユニット21から生じることによってのいずれかによって、対応する設定回転速度デフォルト値27が提供される。
【0021】
優先的に、制御ユニット24は、さらなる入力変数28、特に、測定によって検出される、作動機械10および/または主駆動部11および/または補助駆動部12の回転速度を受け取る。回転速度は、作動機械10、主駆動部11、および補助駆動部12上に好適に設置される回転速度センサによる測定によって検出することができる。
【0022】
そのようなドライブトレインを始動して、静止状態から規定される設定回転速度へと作動機械10をけん引始動するために、一定の回転速度で動作することができる主駆動部11が、供給ネットワークへ直接結合して直入れ始動によって始動され、すなわち、制御ユニット21から生じる切換信号22にしたがって、または制御ユニット24から生じる切換信号26にしたがってのいずれかで、回路遮断器20がオンに切り換えられる。
【0023】
さらに、可変回転速度で動作することができる補助駆動部12は、供給ネットワーク15へ直接結合するコンバータ14の中間接続を受けて、すなわち主駆動部11と同時に、または主駆動部11より前の時点で、または主駆動部11より後の時点で始動される。
【0024】
作動機械10を、作動機械10の定格回転速度のたとえば70%または80%といった規定される百分率に対応する、その規定される設定回転速度にけん引するため、主駆動部11は、モータ的に正転モードで少なくとも時々は動作されて、その定格回転速度に加速され、これと平行して、補助駆動部12は、モータ的に逆転モードで少なくとも時々は動作される。補助駆動部12の能動的で制御されたまたは調整された利用によって、主駆動部11の直入れ始動をサポートすることができ、すなわち供給ネットワーク15が許されないほど高い負荷を受けることなく、主駆動部11の直入れ始動をサポートすることができる。
【0025】
本発明のさらなる詳細およびバージョンは、
図2~
図8を参照して以下で記載される。
【0026】
図2では、ドライブトレインを始動するため、かつ
作動機械10をけん引するため、補助駆動部12および主駆動部11が同時に始動される、本発明の構成が示される。
図2では、時間tにわたって、複数の信号曲線、すなわち信号曲線29で
作動機械10についての定格回転速度n10-RATED、信号曲線30で
作動機械10に本発明を利用して形成された回転速度、信号曲線31で主駆動部11の回転速度、信号曲線32で補助駆動部12の回転速度が示される。
【0027】
時間t0で始動すると、ドライブトレインは
図2で始動され、
作動機械10は設定回転速度n10-SETにけん引始動される。ここで、
図2における信号曲線31および32にしたがった主駆動部11および補助駆動部12は、同時に始動され、すなわち、ここで、信号曲線30にしたがって、
作動機械10の回転速度は、連続的に増加し、すなわち信号曲線30によれば時間t1で
作動機械10が到達する、設定回転速度n10-SETまで連続的に増加する。
作動機械10の回転速度の増加は、絶対に直線的である必要はない。
作動機械10がけん引始動されるべきこの設定回転速度n10-SETは、
作動機械10の定格回転速度29 n10-RATEDよりも小さく、たとえば、定格回転速度29の70%または80%といった、定格回転速度29の規定される百分率に対応する。
【0028】
作動機械10を設定回転速度n10-SETにけん引するため、主駆動部11は、時間t1における規定される設定回転速度の到達まで、すなわち、時間t0とt1の間、信号曲線31にしたがってモータ的に正転モードで動作され、補助駆動部12は、時間的にこれと平行して、モータ的に逆転モードで動作される。主駆動部11は、その定格回転速度n11-RATEDに、時間まで加速される。
【0029】
可変回転速度で動作することができる補助駆動部12は、
図2に信号曲線30によって示される
作動機械10の回転速度の、連続的だが必須ではない直線的な増加を行うように、すなわち
作動機械10が規定される設定回転速度n10-SETまでけん引始動される時間t1まで、コンバータ14を好適に作動することによって、制御されたまたは調整された様態で動作される。
【0030】
したがって、時間t1において、主駆動部11が次いでその定格回転速度n11-RATEDに到達する。ここで、時間t1において、コンバータ14の好適な作動を通して、補助駆動部12が、モータ的な逆回転動作から発電機的な逆回転動作に変わる。時間t1、すなわち、作動機械10上で規定される設定回転速度n10-SETに到達し、主駆動部11上で定格回転速度n11-RATEDに到達すると、ドライブトレインの実際の始動動作が完了する。
【0031】
ここで、可変回転速度で動作することができる補助駆動部12は、四象限モード、すなわち、モータ的な逆回転と発電機的な逆回転との両方、ならびにモータ的な正回転および発電機的な正回転で動作することができる電気機械として優先的に設計されることが指摘される。
【0032】
本発明の第1のバージョンのさらなる詳細は、
図3の信号フロー図を参照して以下で記載され、第1のバージョンによれば、
作動機械10をけん引するために主駆動部11および補助駆動部12が同時に始動される。
【0033】
図3では、ブロック33は、本発明にしたがった方法の開始を視覚化する。ブロック34では、ドライブトレインについての始動条件が満たされているかが検査される。これは、ブロック35に提供される特性変数を確認することによって行われることができる。
【0034】
ブロック35では、ドライブトレインが静止状態であるか、主駆動部11が準備できているか、存在する場合があるブレーキ19が開いているかなどについての情報は、ブロック35の中の特性変数として提供することができる。ドライブトレインについての始動条件が満たされていないとブロック34で決定される場合、図は、ブロック34から出て、ORブロック36を介し、ループの意味でブロック34に戻る分岐をする。一方、特に、ドライブトレインについての始動条件が満たされているとブロック34で決定されるとき、ブロック34からブロック37に図が分岐する。ブロック37では、始動リリースが生成され、制御ユニット24、および適用可能な場合には制御ユニット21に送信される。ORブロック36は、論理和である。
【0035】
続くブロック38では、ブロック39で提供される始動コマンドが存在するか存在しないかが検査される。始動コマンドが存在しない場合、図は、ブロック38から出て、ループの意味でブロック38に戻る分岐をする。対照的に、始動コマンドが存在する場合、図は、ブロック38から出て、ブロック40に分岐する。ここで、ブロック40で、次いでコンバータ14のための始動コマンドが生成される。そこで、ブロック40において、補助駆動部12は、磁化され、ゼロの回転速度で最初は保持される。
【0036】
続くブロック41では、コンバータ14が準備できているかが検査され、コンバータ14からの対応する準備信号がブロック42で提供される。コンバータ14がまだ準備できていないとブロック41で決定される場合、図は、ブロック41から出て、ループの意味でブロック41に戻る分岐をする。一方、特に、コンバータ14が準備できているとブロック41で決定される場合、図は、ブロック41から出て、ブロック43に分岐する。ブロック43では、主駆動部11についてのリリース信号が次いで生成され、ここで、主駆動部11は、次いでオンに切り換えられ、または始動され、すなわち回路遮断器20を閉じることによって供給ネットワーク15を介して直接的に直入れ始動によって、次いでオンに切り換えられる、または始動される。コンバータ14も、ブロック43でオンに切り換えられる。
【0037】
以下では、ブロック44で主駆動部11が回転しているかが検査され、ここで、主駆動部11の対応する回転速度信号がブロック45で提供される。さらに、図は、ブロック43から出て、ブロック46に分岐し、ブロック46で、作動機械10が回転しているかが検査され、作動機械10の対応する回転速度信号がブロック47で提供される。
【0038】
ブロック44で主駆動部11が回転していないと決定される場合、図は、ブロック44から出て、ループの意味でブロック44に戻る分岐をする。一方、特に、主駆動部11が回転しているとブロック44で決定されるとき、図は、ブロック44から出て、ブロック48に分岐する。ブロック48では、補助駆動部12が、制御されたかつ/または調整された様態で、すなわちモータ的に逆転モードで動作され、その結果、作動機械10上で、設定回転速度まで、回転速度の恒常的な増加が発生する。本プロセスでは、補助駆動部12は、その最大許容される回転速度に、モータ的に逆転モードで加速されることになる。
【0039】
既に説明したように、作動機械10が回転しているかをブロック46で検査される。作動機械10が回転していない場合、図は、ブロック46から出て、ORブロック36に分岐する。対照的に、ブロック46で作動機械10が回転していると決定される場合、図は、ブロック46から出て、ANDブロック49に分岐する。ANDブロック49は、論理積である。したがって、ブロック49において、ブロック46から出る一方の側で、作動機械10が回転していると決定され、さらに、ブロック48から出る側で、補助駆動部12が加速されることが保証されるとき、図は、ブロック49から出てブロック50に分岐する。ここで、ブロック50で、補助駆動部12がその最大許容される回転速度に到達した、したがって作動機械10がその規定される設定回転速度に到達したかが検査される。到達していないとブロック50で決定される場合、図は、ブロック50から出て、ブロック48に分岐し、補助駆動部12の回転速度が、コンバータによって制御されたまたは調整された様態でさらに増加される。対照的に、ブロック50で、補助駆動部12がその最大許容される回転速度に到達した、したがって作動機械10がその規定される設定回転速度に到達したと決定される場合、図は、ブロック50から出て、ブロック51に分岐し、方法が、ブロック51で完了する。
【0040】
作動機械10をその規定される設定回転速度にけん引するため、主駆動部11および補助駆動部12は、
図2および
図3の実施形態では同時に始動される。これと対照的に、
図4および
図5は、始動動作期間の
作動機械の逆回転を確実にまたは安全に除外するために、
作動機械10をけん引するため、補助駆動部12が主駆動部11より後の時点で始動される、本発明の構成を示す。
【0041】
図4では、ドライブトレインの始動動作または
作動機械10のけん引は、やはり時間t0で開始される。ここでは、最初に、
作動機械10(曲線プロファイル30を参照)をけん引し、もっぱら主駆動部11(曲線プロファイル31を参照)が、モータ的に正転モードで動作され、一方、補助駆動部12(信号曲線32参照)は、最初は静止している。時間t1で始動すると、補助駆動部12もその後、信号曲線32にしたがって始動され、すなわち時間t0での主駆動部11の始動後に規定される時間期間が満了した後、または
作動機械10の回転速度についての規定される閾値Sに到達した際に、信号曲線32にしたがって始動される。
【0042】
図4では、曲線プロファイル30にしたがった
作動機械10の回転速度が、時間t1で対応する閾値Sに到達する。その結果、主駆動部11の始動後の時間の時間t1に、補助駆動部12も始動される。時間t1で始動すると、主駆動部11は、曲線プロファイル31にしたがって、依然としてモータ的に正転モードで動作され、さらに時間的にこれと平行して、補助駆動部12は、曲線プロファイル32にしたがって、モータ的に逆転モードで動作され、すなわち
作動機械10がその規定される設定回転速度n10-SETにけん引始動される、または主駆動部11がその定格回転速度n11-RATEDに到達する、時間t2までの間、モータ的に逆転モードで動作される。
【0043】
図4では、したがって、主駆動部11は、最初に時間t0とt1の間で始動され、最初に
作動機械10をけん引始動するために、モータ的に正転モードで動作される。時間t0とt1の間では、主駆動部11はモータ的に正転モードで動作され、補助駆動部12は静止している。ここで、補助駆動部12の静止状態は、コンバータ14を作動すること、または代わりに、ブレーキによっても実現することができる。時間t1において、次いで補助駆動部12も、時間制御したまたは回転速度制御した様態で始動され、モータ的に逆転モードで動作されて、主駆動部11の、さらなるモータ的な正転動作と時間的に平行して動作される。これは、時間t1とt2の間に、時間t2に
作動機械10がその規定される設定回転速度n10-SETに到達する、または主駆動部11がその定格回転速度n11-RATEDに到達するまで、
作動機械10の回転速度の連続的な増加が実現するように、再び行われる。時間t1に補助駆動部12が始動されてモータ的に逆転モードで動作されるという事実のために、時間t1における
作動機械10についての回転速度曲線30の勾配はより平坦になる。
【0044】
時間t2に、主駆動部がその定格回転速度n11-RATEDに到達する、または作動機械10がその規定される設定回転速度n10-SETにけん引始動されるとすぐに、ドライブトレインについての実際の始動動作が再び完了し、補助駆動部12が、コンバータ14の好適な作動によって、発電機的な逆回転動作に変わる。
【0045】
図4の方法のバージョンについてのブロック図が
図5によって示され、
図5では、
図3のブロックに対応するブロックまたはステップについて、同じ参照番号が使用される。以下では、これらのブロックに関する参照が、
図3に関する説明に対して行われ、
図5の信号フロー図について、
図5の信号フロー図が
図3の信号フロー図と異なる、そのような詳細だけが以下で議論される。
【0046】
図3の信号フロー図では、
作動機械10が回転しているかがブロック46で検査される一方、
作動機械10の回転速度が閾値より大きいかが、
図5のブロック46’で検査される。
作動機械10の回転速度が閾値より大きい場合、図は、ブロック46’から出て、ブロック48へ、また一方ではANDブロック49へと分岐する。したがって、補助駆動部12は、単に始動され、その後、
作動機械10の回転速度が閾値より大きいとき、または閾値に到達すると、モータ的に逆転モードで駆動される。
【0047】
さらに、
図5は、主駆動部11の始動と補助駆動部12の始動との間に時間遅延が提供されるブロック52を有するバージョンを示す。特に、ブロック52が存在するとき、図は、ブロック46’から出て、ANDブロック49に分岐するがブロック48には分岐しない。ブロック52が存在しないとき、図は、ブロック46’から出て、ブロック48およびANDブロック49に分岐する。
【0048】
本発明のさらなる実施形態が
図6によって示され、
図6では、曲線プロファイル29、30、31、および32が時間t上で示される。ドライブトレインを始動するため、したがって
作動機械10をけん引するため、補助駆動部12が時間的に主駆動部11より前に始動される、すなわち最初に、
作動機械10をけん引し、もっぱら補助駆動部12がモータ的に正転モードで動作され、主駆動部11が最初は静止している様態という点で、
図6の実施形態は、上で記載された実施形態とは異なる。ここで、その後、補助駆動部12の回転速度についての規定される閾値S’に達すると、主駆動部11がモータ的に正転モードで動作され、これと平行して、補助駆動部12が、最初はモータ的に正転モードで、その後モータ的に逆転モードで動作される。
【0049】
したがって、
図6は、時間t0にドライブトレインが始動され、
作動機械10が、静止状態から設定回転速度n10-SETにけん引始動され、ひいては設定回転速度n10-SETが、次いで、
作動機械10の定格回転速度29の百分率に対応することを示す。
【0050】
最初は、すなわち時間t1までは、もっぱら補助駆動部12(曲線プロファイル32参照)がモータ的に正転モードで駆動され、ここで、これによって、曲線プロファイル30にしたがって作動機械10がけん引始動される。主駆動部11は停止している。ここで、主駆動部11の停止は、その慣性質量だけによって、または代わりにブレーキもしくは他のデバイスによって行われることができる。特に、時間t1において、補助駆動部12の回転速度が規定される閾値S’、特にその最大回転速度に到達し、主駆動部11は、曲線プロファイル31にしたがって時間t1に始動し、DOL始動によって始動され、その後、モータ的に正転モードで動作される。作動機械10のトルクおよび慣性質量に基づいて、補助駆動部12の回転速度は、主駆動部11のモータ的正転動作と平行して、次いで、出力における回転速度と同期して下げられる。ここで、時間t2において、補助駆動部12上で、モータ的正転動作からモータ的逆転動作への変化が起こる。
【0051】
時間t3において、補助駆動部12は、その最大回転速度で逆に回転する。ここで、曲線プロファイル30にしたがって、作動機械10上にゼロの回転速度が現れる。時間t3で始動すると、信号曲線30にしたがう作動機械10は、ここでさらにけん引始動され、モータ的に正転モードで動作される主駆動部(信号曲線31を参照)によって、作動機械10が再びその設定回転速度に到達するとすぐに、すなわち時間t4まで、加速される。
【0052】
時間t4に作動機械10がその設定回転速度に到達する、または主駆動部11がその定格回転速度に到達するとすぐに、始動動作が終了され、補助駆動部12では、モータ的逆転動作から発電機的逆転動作への、すなわちコンバータ14の作動による変化が再び起こる。
【0053】
図6の方法のバージョンについての信号フロー図が
図7に示される。
【0054】
図7のブロック33は、再び、本発明にしたがった方法の開始を視覚化する。ここで、本発明にしたがった方法の開始後、ドライブトレインについての始動条件が満たされているかがブロック34で再び検査され、これはブロック35で提供される。そのような始動条件が満たされる場合、図は、ブロック34から出て、再びブロック37に分岐し、制御ユニット21、24に、または制御ユニット21、24の各々に始動リリースとして送信される。これに続き、ブロック39で提供される始動コマンドが存在するかがブロック38で再び検査される。ここで、特に、そのような始動コマンドが存在するとブロック38で決定されると、図は、ブロック38から出て、再びブロック40に分岐する。ここで、ブロック40において、始動コマンドがコンバータ14に送信されるが、オンに切り換えられて磁化された補助駆動部12は、最初は、ゼロの回転速度に保持される。特に、ブロック42においてコンバータ14が準備信号を送信していることがブロック41で決定されると、それによってコンバータ14が準備ができているとブロック41で決定され、図は、ブロック41から出て、ブロック53に分岐する。ここで、ブロック53において、主駆動部11は、たとえば、ブレーキの作動によって、ゼロの回転速度に保持される。
【0055】
ブロック53から出て、図は、一方でブロック54に、他方でブロック55に分岐する。ブロック54において、主駆動部11をロックして、補助駆動部12の回転速度が、規定される閾値に到達している、またはその最大回転速度に到達しているかが検査される。ここで、ブロック56において、補助駆動部12に関する回転速度信号が、特に、コンバータ14から提供される。補助駆動部12の回転速度が、その閾値またはその最大回転速度にまだ到達していないとブロック54で決定される場合、図は、ブロック54から出て、ループの意味でブロック54に戻る分岐をする。一方、特に、補助駆動部12の回転速度が、規定される閾値または最大回転速度に到達しているとブロック54で決定される場合、図は、ブロック54から出て、ブロック57に分岐する。
【0056】
既に説明したように、図は、ブロック53から出て、ブロック54だけでなくブロック55に分岐する。ここで、ブロック55で、作動機械の回転速度がゼロより大きいかが、すなわち作動機械10が回転しているかが検査され、作動機械10の対応する回転速度がブロック58で提供される。
【0057】
作動機械10が回転していないとブロック55で決定される場合、図は、ブロック55から出て、ブロック36に分岐する。一方、特に、作動機械10の回転速度が、ゼロより大きいとブロック55で決定されるとき、図は、ブロック57に分岐する。
【0058】
ブロック57において、次いで、主駆動部11は、始動され、すなわち回路遮断器20の好適な作動によって、直入れ始動によって始動される。ここで、以前に作動された可能性があるブレーキが解除される。図は、ブロック57から出て、次いで、ブロック59、60、および61に分岐する。
【0059】
ブロック59において、補助駆動部12が、ここでは反対方向の回転、すなわち、逆転動作で、その最大回転速度に到達したかが検査される。最大回転速度に到達した場合、図は、ブロック59から出て、ANDブロック62に分岐する。最大回転速度に到達していない場合、図は、ループの意味でブロック59に戻る分岐をする。
【0060】
ブロック60において、主駆動部11がその定格回転速度に到達したかが検査される。特に、定格回転速度に到達したと決定されるとき、図は、ブロック60から出て、再びANDブロック62に分岐する。一方、特に、主駆動部11がその定格回転速度にまだ到達していないとブロック60で決定されるとき、図は、ループの意味でブロック60に戻る分岐をする。ここで、ブロック59および60について、対応する回転速度信号、すなわちブロック63では補助駆動部12の回転速度、ブロック64では主駆動部11の回転速度がブロック63および64で提供される。
【0061】
ブロック61において、作動機械10が回転しているかが検査される。ここで、特に、作動機械10が回転していない場合、図は、ORブロック36に分岐する。一方で、特に、ブロック61で作動機械10が回転していると決定されるとき、図は、ANDブロック62に分岐する。作動機械10の回転速度が、ブロック62でブロック61のために提供される。
【0062】
特に、ブロック59、60、および61で検査されるすべての条件が満たされるとき、図は、ANDブロック62を介してブロック51に分岐し、方法が完了する。
【0063】
本発明のさらなるバージョンが、
図8を参照して記載される。したがって、
図8は、本発明のバージョンに関する。ここでは、補助駆動部12は、主駆動部11より前の時点で始動され、すなわち、今回は、最初は
作動機械10が静止しており、もっぱら補助駆動部12がモータ的に逆転モードで動作され、主駆動部11が、最初はもっぱら補助駆動部12によって加速されるような態様で、始動される。補助駆動部12の回転速度についての規定される閾値S”に達したときにのみ、主駆動部11も始動され、モータ的に正転モードで動作される。ここで、補助駆動部12は、これと平行して動作される。
【0064】
さらなる詳細は、
図8を参照して記載される。したがって、
図8では、補助駆動部12は、時間t0において、再びドライブトレインの始動と一緒に、信号曲線32にしたがって時間t0に初めて、最初に始動されて、モータ的に逆転モードで動作される。信号曲線30にしたがって、
作動機械10は、最初は静止している。ここで、このことは、
作動機械10の慣性質量によって、またはブレーキもしくは別のデバイスによって行われることができる。主駆動部11は、信号曲線31にしたがって補助駆動部12によって加速される。
【0065】
特に、時間t1において、補助駆動部12の回転速度が、閾値S”に、特にその最大回転速度に到達したとき、規定される回転速度が、同様に主駆動部11上で実現される。これは、速度変調ギアボックスの変速比および補助駆動部12の最大回転速度から得られる。
【0066】
時間t1で初めて、主駆動部11も次いで始動され、すなわち直入れ始動によって、始動される。ここで、時間t1において、ロックされた作動機械10が必要に応じて解除される。時間t1に初めて、曲線プロファイル30にしたがった作動機械10の回転速度は、こうして、連続的に、すなわち主駆動部11がその定格回転速度n11-RATEDに到達する時間t2まで増加する。このときに、作動機械10は、作動機械10の定格回転速度29の規定される百分率に対応するその規定される設定回転速度に加速されており、その結果、時間t2に、実際の始動動作が終了される。
【0067】
時間t2で、補助駆動部12についてのモータ的逆転動作が、再び発電機的逆転動作へと変えられ、すなわちコンバータ14を作動することによって、再び発電機的逆転動作へと変えられる。
【0068】
本発明は、さらに、特にポンプまたはコンプレッサとして設計される作動機械10を有するドライブトレインを動作させるための制御ユニットであって、ドライブトレインが、一定の回転速度で動作することができる電気機械として設計される主駆動部11と、可変回転速度で動作することができる電気機械として設計される補助駆動部12と、2つの駆動部11、12と作動機械10との間に接続される、固定の機械的変速比を有する速度変調ギアボックス13と、を有する、制御ユニットに関する。
【0069】
ドライブトレインを始動するため、かつ規定される設定回転速度に作動機械10をけん引するため、制御ユニットは、以下のステップを制御側で実行する。
【0070】
供給ネットワーク15と直接結合して直入れ始動によって、主駆動部11を始動するステップ。
【0071】
コンバータ14の中間接続を受けて、供給ネットワーク15に間接結合して、主駆動部11と同時に、または主駆動部11より前の時点で、または主駆動部11より後の時点で補助駆動部12を始動するステップ。
【0072】
作動機械10の定格回転速度の規定される百分率に対応する、規定される設定回転速度に作動機械10をけん引するため、主駆動部11および補助駆動部12を動作させるステップ。ここで、制御ユニットは、主駆動部11をモータ的に正転モードで少なくとも時々は動作させ、主駆動部11をその定格回転速度に加速する。制御ユニットは、これと平行して、補助駆動部12をモータ的に逆転モードで少なくとも時々は動作させる。
【符号の説明】
【0073】
10 作動機械
11 主駆動部
12 補助駆動部
13 速度変調ギアボックス
14 コンバータ
15 供給ネットワーク
16 変圧器
17 クラッチ
18 クラッチ
19 ブレーキ
20 回路遮断器
21 制御ユニット
22 切換信号
23 データ交換
24 制御ユニット
25 切換信号
26 切換信号
27 設定回転速度デフォルト値
28 入力変数
29 作動機械の定格回転速度
30 作動機械の回転速度
31 主駆動部の回転速度
32 補助駆動部の回転速度
33 ブロック
34 ブロック
35 ブロック
36 ブロック
37 ブロック
38 ブロック
39 ブロック
40 ブロック
41 ブロック
42 ブロック
43 ブロック
44 ブロック
45 ブロック
46、46’ ブロック
47 ブロック
48 ブロック
49 ブロック
50 ブロック
51 ブロック
52 ブロック
53 ブロック
54 ブロック
55 ブロック
56 ブロック
57 ブロック
58 ブロック
59 ブロック
60 ブロック
61 ブロック
62 ブロック
63 ブロック
64 ブロック