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特許7434000物品処理管理装置、物品処理制御システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】物品処理管理装置、物品処理制御システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20240213BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020043896
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021144568
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 雅也
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10360531(US,B1)
【文献】特開2006-124048(JP,A)
【文献】特開2020-151780(JP,A)
【文献】特開2019-150904(JP,A)
【文献】特開2019-188561(JP,A)
【文献】特開2019-199335(JP,A)
【文献】特開2020-196121(JP,A)
【文献】特開2020-033154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の物品の特徴に関する情報を含む物品データ、物品処理性能の異なる複数種類のロボットシステムの性能に関する情報を含む装置データ、及び1又は複数種類の処理対象物品に関する情報を含むオーダを取得する第1の取得部と、
前記物品データ、前記装置データ、及び前記オーダに基づき、前記複数種類のロボットシステムから、処理対象物品を処理する所定のロボットシステムを選択する第1の制御部と、
前記所定のロボットシステムに対して、前記オーダを含む第1の制御信号を出力する第1の出力部と、
を備える物品処理管理装置。
【請求項2】
前記物品データは、各物品の重量、サイズ、及び材質のうちの少なくとも一つに関する情報を含む、請求項1の物品処理管理装置。
【請求項3】
前記装置データは、各ロボットシステムの物品の可搬性能に関する情報を含む、請求項1又は2の物品処理管理装置。
【請求項4】
前記装置データは、各ロボットシステムの物品可搬最大重量に関する情報を含む、請求項1乃至3の何れか一つの物品処理管理装置。
【請求項5】
前記装置データは、各ロボットシステムの把持方式に関する情報を含む、請求項1乃至4の何れか一つの物品処理管理装置。
【請求項6】
前記装置データは、各ロボットシステムの物品をピックアップするパッドの数、サイズ、1パッドあたりの可搬最大重量、及び適合物品の材質のうちの少なくとも一つに関する情報を含む、請求項1乃至5の何れか一つの物品処理管理装置。
【請求項7】
前記オーダは、処理対象物品の識別情報及び個数に関する情報を含む、請求項1乃至6の何れか一つの物品処理管理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一つの物品処理管理装置と、
前記所定のロボットシステムによる物品処理を制御する物品処理制御装置と、を備え、
前記物品処理制御装置は、
前記物品処理管理装置からの前記第1の制御信号を取得する第2の取得部と、
前記第1の制御信号に基づき処理対象物品の処理を計画する第2の制御部と、
前記所定のロボットシステムに対して、処理対象物品の処理計画を含む第2の制御信号を出力する第2の出力部と、
を備える物品処理制御システム。
【請求項9】
前記第2の制御部は、前記物品データ及び前記オーダに基づき、1回のピッキングで1個の処理対象物品をピッキングする単数ピッキング、又は1回のピッキングで複数個の処理対象物品をピッキングする複数ピッキングを選択し、選択した前記単数ピッキング又は前記複数ピッキングに基づき処理対象物品の処理を計画する、請求項8の物品処理制御システム。
【請求項10】
前記第2の取得部は、複数の処理対象物品を撮影した画像情報を取得し、
前記第2の制御部は、前記画像情報に基づき、前記単数ピッキング又は前記複数ピッキングを選択する、請求項9の物品処理制御システム。
【請求項11】
前記第2の制御部は、前記画像情報から得られる把持面情報に基づき、前記単数ピッキング又は前記複数ピッキングを選択する、請求項10の物品処理制御システム。
【請求項12】
コンピュータに、
複数種類の物品の特徴に関する情報を含む物品データ、物品処理性能の異なる複数種類のロボットシステムの性能に関する情報を含む装置データ、及び1又は複数の処理対象物品に関する情報を含むオーダを取得する手順と、
前記物品データ、前記装置データ、及び前記オーダに基づき、前記複数種類のロボットシステムから、処理対象物品を処理する所定のロボットシステムを選択する手順と、
前記所定のロボットシステムに対して、前記オーダを含む第1の制御信号を出力する手順と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、物品処理管理装置、物品処理制御システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流の配送拠点等では、荷物又は紙葉類等の物品の取扱量が増加しており、物品処理に関する様々な効率化が図られている。その一つとして、物品をピッキングするピッキングロボットの導入が進められている。例えば、物品の特徴に応じたピッキングロボットを設置することにより、その物品を適切にピッキングすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2018-513822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特徴の異なる多様な物品を取り扱う場合、これら多様な物品に応じた多種のピッキングロボットを設置することにより、多様な物品への対応が可能となる。
【0005】
一方で、多様な物品を多種のピッキングロボットで処理する場合に、物品とピッキングロボットの組み合わせ判断を自動化し、さらなる効率化を図りたいという要望がある。
【0006】
本発明の目的は、物品処理の効率化を図ることができる物品処理管理装置、物品処理制御システム、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る物品処理管理装置は、第1の取得部、第1の制御部、及び第1の出力部を備える。前記第1の取得部は、複数種類の物品に関する情報を含む物品データ、物品処理性能の異なる複数種類の物品処理装置に関する情報を含む装置データ、及び1又は複数種類の処理対象物品に関する情報を含むオーダを取得する。前記第1の制御部は、前記物品データ、前記装置データ、及び前記オーダに基づき、前記複数種類の物品処理装置から、処理対象物品を処理する所定の物品処理装置を選択する。前記第1の出力部は、前記所定の物品処理装置に対して、前記オーダを含む第1の制御信号を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る物品処理制御システムの概略構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るTWCSの概略構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るロボットシステムの計画制御装置の概略構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る物品処理制御システムで適用される装置データの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る物品処理制御システムで適用される物品データの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る物品処理制御システムにおける単数又は複数ピッキングの判定例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る物品処理制御システムにおける単数又は複数ピッキングの判定例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る物品処理制御システムのロボットシステムの把持部の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る物品処理制御システムにより処理される物品の配置例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る物品処理制御システムにより処理される物品の撮影画像の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る物品処理制御システムのロボットシステムによる複数ピッキングの一例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る物品処理制御システムによる物品処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る物品処理制御システムの概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、物品処理制御システムSは、WMS(warehouse management system)1、TWCS(total warehouse control system)2、複数のロボットシステム3(R1、R2、R3…)、自動倉庫4、及びコンベアシステム5を備える。物品処理制御システムSは、荷物又は紙葉類などの様々な物品の搬送、ピッキング、及びプレース等を制御するシステムである。本実施形態では、主に、物品のピッキングについて説明するが、これに限定されるものではない。
【0010】
WMS1は、1台のコンピュータ又は複数台のコンピュータを組み合わせて実現することができる。WMS1は、TWCS2、自動倉庫4、及びコンベアシステム5内の各機器、並びに上位サーバ等の外部機器と有線又は無線で通信し、各機器並びに外部機器からの情報を受信し記憶する。また、WMS1は、自動倉庫4及びコンベアシステム5内の各機器へ制御信号等を送信し、各機器を制御する。例えば、WMS1は、1又は複数の処理対象物品に関する情報を含むオーダをTWCS2へ送信する。
【0011】
TWCS2は、物品処理管理装置であり、1台のコンピュータ又は複数台のコンピュータを組み合わせて実現することができる。TWCS2は、WMS1及びロボットシステム3内の各機器、並びに上位サーバ等の外部機器と有線又は無線で通信し、各機器並びに外部機器からの情報を受信し記憶する。また、TWCS2は、ロボットシステム3内の各機器へ制御信号等を送信し、各機器を制御する。例えば、TWCS2は、WMS1からオーダを受信し、ロボットシステム3に対してオーダを含む第1の制御信号を送信する。
【0012】
ロボットシステム3は、物品処理装置に相当し、処理性能の異なる複数種類のロボットシステム3により、特徴の異なる複数種類の物品処理を可能にする。複数のロボットシステム3は、少なくとも二種類のロボットシステム3を含み、同一種類のロボットシステム3を複数含んでもよい。各ロボットシステム3は、計画制御装置31、ロボットコントローラ32、アーム33、ハンド34、認識装置35、及びカメラ36、37を備える。
【0013】
計画制御装置31は、物品処理制御装置であり、1台のコンピュータ又は複数台のコンピュータを組み合わせて実現することができる。計画制御装置31は、TWCS2及びロボットコントローラ32等の各機器、並びに上位サーバ等の外部装置と有線又は無線で通信し、各機器並びに外部機器からの情報を受信し記憶し、また、各機器へ制御信号等を送信し、各機器を制御する。例えば、計画制御装置31は、TWCS2から第1の制御信号を受信し、処理対象物品の処理計画を含む第2の制御信号をロボットコントローラ32へ送信する。
【0014】
ロボットコントローラ32は、1台のコンピュータ又は複数台のコンピュータを組み合わせて実現することができる。ロボットコントローラ32は、計画制御装置31、アーム33、及びハンド34等の各機器と有線又は無線で通信し、各機器からの情報、並びに各種センサーからのセンシング信号を受信し記憶する。また、ロボットコントローラ32は、アーム33及びハンド34等へ制御信号を送信し、これら機器を制御する。例えば、ロボットコントローラ32は、計画制御装置31から第2の制御信号を受信し、第2の制御信号及び各種センサーからのセンシング信号に基づき、アーム33及びハンド34に対して駆動信号を送信し、ピッキング側のコンテナ内から物品をピッキングし、プレース側のコンテナ内へ物品をプレースする動作を制御する。
【0015】
アーム33は、その一端にハンド34を備え、ハンド34は、その一端に1又は複数の吸着パッド(以下、パッド)を備える。アーム33は、自在(左右、上下、及び前後)に移動し、アーム33の移動に対応してハンド34も移動する。アーム33が移動し、物品の把持面に対してパッドが圧接され、パッドの吸気機構により空気が抜かれて物品とパッドの間が減圧されると、パッドは物品の把持面に圧着される。この状態で、アーム33が移動することにより、物品がピックアップされる。
【0016】
また、認識装置35は、1台のコンピュータ又は複数台のコンピュータを組み合わせて実現することができる。認識装置35、計画制御装置31と有線又は無線で通信し、計画制御装置31からの情報を受信し記憶する。また、認識装置35は、カメラ36からの撮影画像を受け取り、物品のピッキングエリア、ピッキング対象の物品、及び物品の把持面等を認識し、計画制御装置31に対してその認識結果を通知する。また、認識装置35は、カメラ37からの撮影画像を受け取り、物品のプレースエリア、プレースされた物品等を認識し、計画制御装置31に対してその認識結果を通知する。
【0017】
カメラ36は、自動倉庫4のコンテナ付近であるピッキングエリアを撮影し、撮影画像を出力する。ピッキングエリアの撮影画像には、ピッキングの対象となる複数の物品が含まれる。カメラ37は、コンベアシステム5のコンテナ付近であるプレースエリアを撮影し、撮影画像を出力する。プレースエリアの撮影画像には、プレースされた物品が含まれる。
【0018】
図2は、実施形態に係るTWCSの概略構成の一例を示す図である。
図2に示すように、TWCS2は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、補助記憶デバイス24、通信インタフェース25、及び入出力部26を備える。
【0019】
プロセッサ21は、第1の制御部として機能し、どの性能のロボットシステム3にどの種別の物品を処理させるか等の判定を含む物品処理に関する演算を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、ROM22又は補助記憶デバイス24などに記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、物品処理を実現するべく制御を実行する。プロセッサ21は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、又はDSP(digital signal processor)である。あるいは、プロセッサ21は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。
【0020】
ROM22は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、プロセッサ21を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。ROM22は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM22は、上記のプログラムを記憶する。また、ROM22は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0021】
RAM23は、プロセッサ21を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。RAM23は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0022】
補助記憶デバイス24は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、プロセッサ21を中枢とするコンピュータの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス24は、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス24は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ21での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
【0023】
ROM22又は補助記憶デバイス24に記憶されるプログラムは、どの性能のロボットシステム3にどの種別の物品を処理させるか等の判定を含む物品処理に関する演算を行うためのプログラムを含む。例えば、TWCS2は、当該プログラムがROM22又は補助記憶デバイス24に記憶された状態で事業者へ譲渡される。或いは、TWCS2は、当該プログラムがROM22又は補助記憶デバイス24に記憶されない状態で事業者へ譲渡され、その後、別途に当該事業者へ譲渡される当該プログラムが補助記憶デバイス24へ書き込まれても良い。このときの当該プログラムの譲渡は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはネットワークなどを介したダウンロードにより実現できる。
【0024】
通信インタフェース25は、第1の取得部及び第1の出力部として機能し、ネットワークなどを介してWMS1及びロボットシステム3等の各機器と有線又は無線で通信し、各機器から送信される各種情報を受信し、また、各機器に各種情報を送信するためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース25は、複数種類の物品に関する情報を含む物品データ、複数のロボットシステム3に関する情報を含む装置データ、及び1又は複数の処理対象物品に関する情報を含むオーダを受信し、また、各ロボットシステム3に対して物品データを送信し、選択される所定のロボットシステム3へ第1の制御信号を送信する。
【0025】
入出力部26は、第1の取得部として機能し、キーボード、テンキー、マウス、及びタッチパネルディスプレイ等を備える。入出力部26は、オペレータからの指示入力を受け付けプロセッサ21へ通知する。また、タッチパネルディスプレイは、オペレータに対して各種情報を表示する。
【0026】
図3は、実施形態に係るロボットシステムの計画制御装置の概略構成の一例を示す図である。
図3に示すように、計画制御装置31は、プロセッサ311、ROM312、RAM313、補助記憶デバイス314、通信インタフェース315、及び入出力部316を備える。
【0027】
プロセッサ311は、第2の制御部として機能し、1回のピッキングで1個の処理対象物品をピッキングする単数ピッキング、及び1回のピッキングで複数個(パッド数以下の個数)の処理対象物品をピッキングする複数ピッキングのうちのどちらを選択するかの判定等を含む物品処理に関する演算を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ311は、ROM312又は補助記憶デバイス314などに記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、物品処理を実現するべく制御を実行する。プロセッサ311は、例えば、CPU、MPU、又はDSPである。あるいは、プロセッサ311は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。
【0028】
ROM312は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、プロセッサ311を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。ROM312は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM312は、上記のプログラムを記憶する。また、ROM312は、プロセッサ311が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0029】
RAM313は、プロセッサ311を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。RAM313は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM313は、プロセッサ311が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0030】
補助記憶デバイス314は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、プロセッサ311を中枢とするコンピュータの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス314は、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス314は、プロセッサ311が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ311での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。また、補助記憶デバイス314は、自己の性能情報(物品可搬最大重量、パッド構成、パッド直径、1パッド可搬最大重量、及び適合物品の材質等)を記憶する。
【0031】
ROM312又は補助記憶デバイス314に記憶されるプログラムは、1回のピッキングで1個の処理対象物品をピッキングする単数ピッキング、及び1回のピッキングで複数個の処理対象物品をピッキングする複数ピッキングのうちのどちらを選択するかの判定等を含む物品処理に関する演算を行うためのプログラムを含む。例えば、計画制御装置31は、当該プログラムがROM312又は補助記憶デバイス314に記憶された状態で事業者へ譲渡される。或いは、計画制御装置31は、当該プログラムがROM312又は補助記憶デバイス314に記憶されない状態で事業者へ譲渡され、その後、別途に当該事業者へ譲渡される当該プログラムが補助記憶デバイス314へ書き込まれても良い。このときの当該プログラムの譲渡は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはネットワークなどを介したダウンロードにより実現できる。
【0032】
通信インタフェース315は、第2の取得部及び第2の出力部として機能し、ネットワークなどを介してTWCS2及びロボットコントローラ32等の各機器と有線又は無線で通信し、各機器から送信される各種情報を受信し、また、各機器に各種情報を送信するためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース315は、TWCS2から1又は複数の処理対象物品に関する情報を含むオーダを受信し、また、ロボットコントローラ32へ制御信号を送信する。
【0033】
入出力部316は、キーボード、テンキー、マウス、及びタッチパネルディスプレイ等を備える。入出力部316は、オペレータからの指示入力を受け付けプロセッサ311へ通知する。また、タッチパネルディスプレイは、オペレータに対して各種情報を表示する。
【0034】
図4は、実施形態に係る物品処理制御システムで適用される装置データの一例を示す図である。
装置データは、各ロボットシステム3(複数種類の物品処理装置)の物品の可搬性能に関する情報を含む。図4に示すように、例えば、装置データは、ロボットシステムナンバー、アーム制限重量、ハンド重量、物品可搬最大重量、パッド構成、パッド直径、1パッド可搬最大重量、及び適合物品の材質を含む。なお、装置データは、少なくとも物品可搬最大重量に関する情報を含み、さらに、オプションとして、パッド構成、パッド直径、1パッド可搬最大重量、及び適合物品の材質のうちの少なくとも一つを含むことができる。各ロボットシステム3の補助記憶デバイス314は、自己の可搬性能に関する情報を記憶する。例えば、ロボットシステム3(R1)は、装置データに含まれるロボットシステムナンバーR1の可搬性能に関する情報(少なくとも物品可搬最大重量を含む)を記憶する。
【0035】
なお、本実施形態では、吸着パッドにより物品を把持する方式のロボットシステム3について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、物品処理制御システムSが、把持方式の異なる複数種類のロボットシステム3を備えても良い。例えば、吸着パッドにより物品を把持する方式、挟持グリップで物品を把持する方式、及び吸着パッドと挟持グリップの併用で物品を把持する方式のロボットシステム3を採用することができる。この場合、装置データは、上記に加えて、把持方式に関する情報を含む。
【0036】
図5は、実施形態に係る物品処理制御システムで適用される物品データの一例を示す図である。
図5に示すように、例えば、物品データは、各物品に関する情報、例えば、物品ナンバー、物品名、縦(X)、横(Y)、高さ(Z)のサイズ、重量、及び材質に関する情報を含む。なお、物品データは、少なくとも重量に関する情報を含み、さらに、オプションとして、縦(X)、横(Y)、高さ(Z)のサイズ、及び材質に関する情報のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0037】
TWCS2のプロセッサ21は、物品データ、装置データ、及び処理対象物品に関する情報を含むオーダに基づき、複数のロボットシステム3から処理対象物品を処理する所定のロボットシステム3を選択する。
【0038】
例えば、TWCS2のプロセッサ21は、パッド直径に基づき取り扱える物品の最小サイズを決定する。物品(把持面)の検知位置誤差、及びアーム33とハンド34の位置制御誤差等を考慮し、パッド直径よりも所定値以上大きいサイズを取り扱える物品の最小サイズとしてもよい。或いは、1パッドで1物品をピックアップする場合にはパッド直径よりも第1所定値以上大きいサイズを取り扱える物品の最小サイズとし、複数パッドで1物品をピックアップする場合にはパッド直径よりも第2所定値(第2所定値<第1所定値)以上大きいサイズを取り扱える物品の最小サイズとしてもよい。プロセッサ21は、物品データの縦(X)及び横(Y)から物品のサイズを判定する。また、プロセッサ21は、商品可搬最大重量及び1パッド可搬最大重量に基づき、取り扱える物品の最大重量を決定する。
【0039】
例えば、ロボットシステム3(R1)と3(R2)は、共に、物品可搬最大重量が3.0kgであるが、ロボットシステム3(R1)のパッド数が単数(1個)であるのに対して、ロボットシステム3(R2)のパッド数は複数(4個)である。ロボットシステム3(R1)は、1回の処理で1個の物品をピッキングする単数ピッキングにより物品をピッキングすることができるが、1回の処理で複数個の物品をピッキングする複数ピッキングにより物品をピッキングすることはできない。一方、ロボットシステム3(R2)は、単数ピッキング及び複数ピッキングを選択的に実行することができる。同様に、ロボットシステム3(R3、R5、R7)は、単数ピッキングにより物品をピッキングすることができる。ロボットシステム3(R4、R6、R8)は、単数ピッキング及び複数ピッキングを選択的に実行することができる。
【0040】
なお、ピッキングの際、1物品あたりのパット数が多いほどピッキングの安定性は高まる。また、1パッド可搬最大重量が大きいほど1パッドあたりの吸引力も大きくなり、ピッキングの際に物品又は物品梱包材への影響が大きくなる。例えば、1パッド可搬最大重量が3.0kg以下であれば1パッドあたりの吸引力は小さく、1パッド可搬最大重量のパッドによるピックアップであれば、物品又は物品梱包材の材質強度(把持面の強度)が低くても(薄いポリ塩化ビニリデンなど)、それを破損させるリスクは極めて低い。つまり、ロボットシステム3(R1、R2、R4)は、物品材質強度又は物品梱包材の材質強度が低い(L)場合、又は高い(H)場合の何れにも対応可能である。一方、ロボットシステム3(R3、R5~R8)は、1パッド可搬最大重量が3.0kgより大きく、物品又は物品梱包材の材質強度が高い場合(ポリ塩化ビニル又は段ボール材など)に対応可能とする。
【0041】
図6及び図7は、実施形態に係る物品処理制御システムにおける単数又は複数ピッキングの判定例を示す図である。
例えば、図6に示すように、物品ナンバー0001から0004の物品については、その重量とサイズから、ロボットシステム3(R1及びR2)による単数ピッキング、又はロボットシステム3(R2)による複数ピッキングが適切であると判定される。物品ナンバー0005の物品については、その重量とサイズから、ロボットシステム3(R3及びR4)による単数ピッキング、又はロボットシステム3(R6)による複数ピッキングが適切であると判定される。
【0042】
例えば、物品の重量よりも物品可搬最大重量が大きいロボットシステム3のうちの、最も物品可搬最大重量が小さいロボットシステム3が選択される。物品可搬最大重量が大きくなるにつれ、パッドの吸引力が高まる。そのため、過剰な能力のロボットシステム3を選択しないようにして、物品又は物品梱包材の破損を防ぐとともに、他の物品のピックアップ用に待機させる。
【0043】
或いは、複数ピッキングを採用した場合、1物品あたりのパット数が減少し、ピックアップの際に物品が不安定になる可能性があるため、図7に示すように、1ランク上の物品可搬最大重量のロボットシステム3を選択するようにしてもよい。つまり、図7に示すように、物品ナンバー0001から0004の物品については、その重量とサイズから、ロボットシステム3(R4)による複数ピッキングが適切であると判定される。物品ナンバー0005の物品については、その重量とサイズから、ロボットシステム3(R8)による複数ピッキングが適切であると判定される。
【0044】
図8は、実施形態に係る物品処理制御システムのロボットシステムの把持部の一例を示す図である。
ロボットシステム3のハンド34の一端には把持部が形成され、把持部は1又は複数のパッドを備える。例えば、図8に示すように、ロボットシステム3(R6)は、4つのパッドを備え、1パッドの直径は4cmである。
【0045】
図9は、実施形態に係る物品処理制御システムにより処理される物品の配置例を示す図である。また、図10は、実施形態に係る物品処理制御システムにより処理される物品の撮影画像の一例を示す図である。
例えば、図9に示すように、コンテナ中に6個の物品が配置されており、図10に示すように、認識装置35は、カメラ36からの撮影画像に基づき各物品の把持面を検出する。
【0046】
図11は、実施形態に係る物品処理制御システムのロボットシステムによる複数ピッキングの一例を示す図である。
図11に示すように、ロボットシステムの物品可搬最大重量等に基づき、認識装置35により検出された6物品のうち2物品に対して複数ピッキングを適用するケースについて説明する。認識装置35により認識された一つ目の物品の把持面と二つ目の物品の把持面のそれぞれに1パッドを圧着し、各パッドの吸気機構により空気が抜かれて物品とパッドの間が減圧され(吸気ON)、一つ目と二つ目の物品のそれぞれを吸着し、ピックアップする。
【0047】
図12は、実施形態に係る物品処理制御システムによる物品処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
TWCS2は、装置データ、物品データ、及びオーダを取得し、取得した情報に基づき、オーダに含まれる処理対象物品の特徴に応じたロボットシステムを選択し、選択したロボットシステムにより処理対象物品を処理させる。本実施形態では、例えば、処理対象物品の処理として、ピッキングについて説明する。
【0049】
例えば、TWCS2の通信インタフェース25は、外部のサーバ等と通信して、装置データ(図4)を取得する(ST101)。或いは、入出力部26は、オペレータ等により入力される装置データ(図4)を取得する(ST101)。補助記憶デバイス24は、取得された装置データを登録する(ST101)。プロセッサ21は、登録された装置データに基づき、各種ロボットシステムの処理性能を検出することができる。
【0050】
また、TWCS2の通信インタフェース25は、外部のサーバ等と通信して、物品データ(図5)を取得する(ST102)。或いは、入出力部26は、オペレータ等により入力される物品データ(図5)を取得する(ST102)。補助記憶デバイス24は、取得された物品データを登録する(ST102)。プロセッサ21は、登録された物品データに基づき、各種物品の特徴を検出することができる。また、通信インタフェース25は、各ロボットシステム3(計画制御装置31)に対して、物品データを送付する。通信インタフェース315は、物品データを受信し、補助記憶デバイス314は、物品データを登録する。プロセッサ311は、物品データを参照し、処理対象物品の特徴を検出し、物品処理を計画する。
【0051】
例えば、ロボットシステム3のが、物品処理制御システムSのネットワークに接続されると、TWCS2と接続されたロボットシステム3とが通信し、通信インタフェース25は、接続されたロボットシステム3の処理性能に関する情報を受信し、補助記憶デバイス24は、登録済みの装置データ中に、受信された処理性能に関する情報を登録する。
【0052】
また、TWCS2は、定期的にロボットシステム3と通信し、プロセッサ21は、ロボットシステム3との通信結果に基づきロボットシステム3の動作状態(起動中又は停止中)を検出し、検出結果に基づき、起動中のロボットシステムを優先的に選択するようにしてもよい。
【0053】
TWCS2は、各データを登録し、各ロボットシステム3の動作状態を監視し、WMS1からのオーダを待つ。WMS1は、外部のサーバ等と通信しオーダを受信する、或いは、オペレータから入力されるオーダを受け付け、受信又は受け付けたオーダを送信する(ST105)。オーダは、1又は複数種類の処理対象物品に関する情報を含む。例えば、オーダは、物品ナンバー(識別情報)、物品名、及び個数を含む。TWCS2の通信インタフェース25は、オーダを受信し、補助記憶デバイス24は、オーダを登録する(ST106)。
【0054】
プロセッサ21は、装置データ、物品データ、及びオーダに基づき、オーダに含まれる処理対象物品の特徴に応じたロボットシステム3を選択する(ST107)。通信インタフェース25は、WMS1に対して、ロボットシステム3の選択結果を通知する(ST108)。WMS1は、選択結果を受信し、自動倉庫4及びコンベアシステム5に対してオーダ及び選択結果を通知する。
【0055】
自動倉庫4は、オーダ及び選択結果に基づき、選択されたロボットシステム3に対して、処理対象物品を格納したコンテナを提供し、処理対象物品を格納したコンテナの準備が完了すると、準備完了を通知する。コンベアシステム5は、選択されたロボットシステム3に対して、処理対象物品をプレースするためのコンテナを提供し、コンテナ提供の準備が完了すると、準備完了を通知する。
【0056】
TWCS2は、WMS1を介して、自動倉庫4からの準備完了、及びコンベアシステム5からの準備完了を受信し(ST109)、選択されたロボットシステム3に対して、オーダを含む第1の制御信号を出力する(ST110)。
【0057】
選択されたロボットシステム3は、第1の制御信号に基づき動作する。即ち、計画制御装置31の通信インタフェース315は、第1の制御信号を受信し、プロセッサ311は、第1の制御信号に基づき、処理対象物品の把持面の検出結果、及び処理対象物品のプレース位置の検出結果等を要求する(ST111)。認識装置35は、カメラ36で撮影されたコンテナの撮影画像(図10)から、コンテナ内に配置された処理対象物品の把持面を検出し(ST112)、把持面の検出結果を送信する(ST113)。また、認識装置35は、カメラ37で撮影されたコンテナの撮影画像から処理対象物品のプレース位置を検出し(ST112)、プレース位置の検出結果を送信する(ST113)。
【0058】
プロセッサ311は、自己の性能情報、物品データ、オーダ、処理対象物品の把持面の検出結果、及び処理対象物品のプレース位置の検出結果に基づき、複数ピッキングの可否を判定し、複数ピッキング又は単数ピッキングによる物品の処理を計画する(ST114)。通信インタフェース315は、ロボットコントローラ32に対して、複数ピッキング又は単数ピッキングによる物品の処理計画を含む第2の制御信号を出力する(ST115)。ロボットコントローラ32は、第2の制御信号に基づき、アーム33及びハンド34の動作を制御し、複数ピッキング又は単数ピッキングを実行する(ST116)。
【0059】
ここで、プロセッサ311による複数ピッキングの可否判定について説明する。説明を分かり易くするために、二つの物品のそれぞれを1パッドで同時にピッキングする複数ピッキングの可否判定について説明する。
【0060】
プロセッサ311は、以下の全ての条件を満たすロボットシステム3が選択でき、且つ複数ピッキングの対象となる二つの物品の把持面のそれぞれに対して1パッドを同時に圧接可能な場合(例えば図7のケース)に、複数ピッキング可能と判定する。なお、複数ピッキング可能な場合は、単数ピッキングも可能である。
<条件>
・複数ピッキングの対象となる各物品の重量が1パッド可搬最大重量以下
・複数ピッキングの対象となる複数物品の総重量が物品可搬最大重量以下
・複数ピッキングの対象となる各物品の把持面サイズがパッド直径より大きい
・複数ピッキングの対象となる物品の材質に適合するパッドを有する
プロセッサ311は、オーダで指定された個数の物品のピッキングが完了したか否かを監視し、ピッキングが完了した場合には、通信インタフェース315は、TWCS2を介して、WMS1に対して完了通知を送信する。例えば、プロセッサ311は、カメラ36からの撮影画像(コンテナ(ピックアップ側))と、カメラ37からの撮影画像(コンテナ(プレース側))とを比較し、ピッキング数を検出することができ、オーダで指定された個数と検出されるピッキング数とが一致すれば、ピッキング完了と判定する。
【0061】
なお、プロセッサ21は、オーダに基づく処理対象の物品が複数種類の場合には、複数のロボットシステム3を選択し、各ロボットシステム3に各種類の物品処理を指示する制御信号を出力するようにしてもよい。
【0062】
また、プロセッサ311は、複数ピッキングを指示するにあたり、処理可能な最大個数のピッキングを指示するようにしてもよい。これにより、ピッキング処理時間の短縮を図ることができる。
【0063】
或いは、プロセッサ311は、補助記憶デバイス314に、ピッキング処理のログを記録し、ログに基づき1回のピッキングで処理可能な個数を動的に変化させてもよい。例えば、プロセッサ311は、ログから判明するピッキングミスの発生頻度が高い場合は、1回のピッキングで処理可能な個数を減らし、逆に、ログから判明するピッキングミスの発生頻度が低い又はピッキングミスが無い場合は、1回のピッキングで処理可能な個数を増やす。これにより、ピッキング処理時間とその精度の両立を図ることができる。
【0064】
本実施形態によれば、以下(1)~(3)のように、物品処理の効率化を図ることができるTWCS2、物品処理制御システムS、及びプログラムを提供することができる。
【0065】
(1)TWCS2のプロセッサ21は、装置データ、物品データ、及びオーダに基づき、オーダに含まれる処理対象物品の特徴に応じた所定のロボットシステム3を選択し、選択した所定のロボットシステム3の計画制御装置31に対して、物品処理計画を含む第1の制御信号を出力する。例えば、プロセッサ21は、装置データに含まれるパッドの数、サイズ、1パッド可搬最大重量、及び適合物品の材質のうちの少なくとも一つに関する情報、物品データに含まれる各物品の重量、サイズ、及び材質のうちの少なくとも一つに関する情報、及びオーダに基づき、所定のロボットシステム3を選択する。また、装置データが、把持方式に関する情報を含む場合は、この情報も加えて、プロセッサ21は、処理対象物品の特徴に応じた所定のロボットシステム3を選択する。このように、処理能力の異なる複数種類のロボットシステム3を設け、さらに、複数種類のロボットシステム3の中から、処理対象物品の特徴に応じたロボットシステム3を選択して、選択されたロボットシステム3に処理対象物品を処理させることにより、物品処理の最適化を図ることができる。
【0066】
(2)計画制御装置31は、自己の性能情報、物品データ、処理対象物品に関する情報を含むオーダ、処理対象物品の把持面の検出結果、及び処理対象物品のプレース位置の検出結果に基づき、複数ピッキングの可否を判定し、複数ピッキング又は単数ピッキングによる物品の処理を計画し、複数ピッキング又は単数ピッキングによる物品の処理計画を含む第2の制御信号を出力する。このように、上位側ではなく、ロボットシステム3側で、複数ピッキング又は単数ピッキングの判定を受け持つことにより、実際のコンテナ内の物品配置等を考慮した正確な判定が可能となる。
【0067】
(3)ロボットシステム3側の計画制御装置31は、撮影画像等に基づき、オーダで指定された物品が指定された個数だけピッキングしたか否かを判定する。上位側ではなく、ロボットシステム3側で、ピッキング処理の個数管理を受け持つことにより、実体に即した正確な個数管理が可能となる。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載の発明を付記する。
[C1]
複数種類の物品に関する情報を含む物品データ、物品処理性能の異なる複数種類の物品処理装置に関する情報を含む装置データ、及び1又は複数種類の処理対象物品に関する情報を含むオーダを取得する第1の取得部と、
前記物品データ、前記装置データ、及び前記オーダに基づき、前記複数種類の物品処理装置から、処理対象物品を処理する所定の物品処理装置を選択する第1の制御部と、
前記所定の物品処理装置に対して、前記オーダを含む第1の制御信号を出力する第1の出力部と、
を備える物品処理管理装置。
[C2]
前記物品データは、各物品の重量、サイズ、及び材質のうちの少なくとも一つに関する情報を含む、C1の物品処理管理装置。
[C3]
前記装置データは、各物品処理装置の物品の可搬性能に関する情報を含む、C1又はC2の物品処理管理装置。
[C4]
前記装置データは、各物品処理装置の物品可搬最大重量に関する情報を含む、C1乃至C3の何れか一つの物品処理管理装置。
[C5]
前記装置データは、各物品処理装置の把持方式に関する情報を含む、C1乃至C4の何れか一つの物品処理管理装置。
[C6]
前記装置データは、各物品処理装置の物品をピックアップするパッドの数、サイズ、1パッドあたりの可搬最大重量、及び適合物品の材質のうちの少なくとも一つに関する情報を含む、C1乃至C5の何れか一つの物品処理管理装置。
[C7]
前記オーダは、処理対象物品の識別情報及び個数に関する情報を含む、C1乃至C6の何れか一つの物品処理管理装置。
[C8]
C1乃至C7の何れか一つの物品処理管理装置と、
前記所定の物品処理装置による物品処理を制御する物品処理制御装置と、を備え、
前記物品処理制御装置は、
前記物品処理管理装置からの前記第1の制御信号を取得する第2の取得部と、
前記第1の制御信号に基づき処理対象物品の処理を計画する第2の制御部と、
前記所定の物品処理装置に対して、処理対象物品の処理計画を含む第2の制御信号を出力する第2の出力部と、
を備える物品処理制御システム。
[C9]
前記第2の制御部は、前記物品データ及び前記オーダに基づき、1回のピッキングで1個の処理対象物品をピッキングする単数ピッキング、又は1回のピッキングで複数個の処理対象物品をピッキングする複数ピッキングを選択し、選択した前記単数ピッキング又は前記複数ピッキングに基づき処理対象物品の処理を計画する、C8の物品処理制御システム。
[C10]
前記第2の取得部は、複数の処理対象物品を撮影した画像情報を取得し、
前記第2の制御部は、前記画像情報に基づき、前記単数ピッキング又は前記複数ピッキングを選択する、C9の物品処理制御システム。
[C11]
前記第2の制御部は、前記画像情報から得られる把持面情報に基づき、前記単数ピッキング又は前記複数ピッキングを選択する、C10の物品処理制御システム。
[C12]
コンピュータに、
複数種類の物品に関する情報を含む物品データ、物品処理性能の異なる複数種類の物品処理装置に関する情報を含む装置データ、及び1又は複数の処理対象物品に関する情報を含むオーダを取得する手順と、
前記物品データ、前記装置データ、及び前記オーダに基づき、前記複数種類の物品処理装置から、処理対象物品を処理する所定の物品処理装置を選択する手順と、
前記所定の物品処理装置に対して、前記オーダを含む第1の制御信号を出力する手順と、
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0069】
S…物品処理制御システム
1…WMS
2…TWCS
3…ロボットシステム
4…自動倉庫
5…コンベアシステム
21…プロセッサ
22…ROM
23…RAM
24…補助記憶デバイス
25…通信インタフェース
26…入出力部
31…計画制御装置
32…ロボットコントローラ
33…アーム
34…ハンド
35…認識装置
36、37…カメラ
311…プロセッサ
312…ROM
313…RAM
314…補助記憶デバイス
315…通信インタフェース
316…入出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12