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特許7434040料金所機器、情報処理装置、料金収受方法、料金収受プログラム及び料金収受システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】料金所機器、情報処理装置、料金収受方法、料金収受プログラム及び料金収受システム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240213BHJP
   G06Q 50/26 20240101ALI20240213BHJP
【FI】
G07B15/00 M
G07B15/00 510
G06Q50/26
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020070252
(22)【出願日】2020-04-09
(65)【公開番号】P2021167998
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】弓倉 陽介
(72)【発明者】
【氏名】飯田 康隆
(72)【発明者】
【氏名】松山 拓紀
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-216993(JP,A)
【文献】特開2004-013208(JP,A)
【文献】特開2004-220083(JP,A)
【文献】特開2010-044552(JP,A)
【文献】特開2003-067214(JP,A)
【文献】特開2005-085046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
G08G 1/00
G06Q 50/26
G06F 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置に接続された料金所機器において、
前記複数の情報処理装置とデータを送受信する通信部と、
車両の車載器と無線でデータを送受信する車両通信部と、
前記車両通信部を通じて前記車載器からIDを取得し、
前記通信部を通じて、前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを前記複数の情報処理装置に送信し、
前記複数の情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信し、
前記複数の情報処理装置の内、最も早く受信した情報処理装置の前記通行料金によって、前記車両の通行料金を収受する、
プロセッサと、
を備える料金所機器。
【請求項2】
複数の情報処理装置に接続された料金所機器において、
前記複数の情報処理装置とデータを送受信する通信部と、
車両の車載器と無線でデータを送受信する車両通信部と、
前記車両通信部を通じて前記車載器からIDを取得し、
前記通信部を通じて、前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを前記複数の情報処理装置に送信し、
前記複数の情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信し、
前記車載器から前記IDを受信してから所定の制限時間が経過する前に受信された前記通行料金に基づいて、前記車両の通行料金を収受する、
プロセッサと、
を備える料金所機器
【請求項3】
複数の情報処理装置に接続された料金所機器において、
前記複数の情報処理装置とデータを送受信する通信部と、
車両の車載器と無線でデータを送受信する車両通信部と、
前記車両通信部を通じて前記車載器からIDを取得し、
前記通信部を通じて、前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを前記複数の情報処理装置に送信し、
前記複数の情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信し、
前記車載器から前記IDを受信してから所定の制限時間が経過するまで前記通行料金を待機し、
前記制限時間内に受信された前記通行料金の1つを選択し、
選択された前記通行料金を収受する、
プロセッサと、
を備える料金所機器
【請求項4】
前記プロセッサは、
最も受信された個数が多い前記通行料金を選択する、
請求項に記載の料金所機器。
【請求項5】
前記IDは、決済用カードのID及び前記車載器のIDである、
請求項1乃至の何れか1項に記載の料金所機器。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記車両通信部を通じて収受する前記通行料金を示す情報を前記車載器に送信する、
請求項1乃至の何れか1項に記載の料金所機器。
【請求項7】
複数の情報処理装置に接続された料金所機器のプロセッサによって実行される料金収受方法であって、
車両の車載器から無線でIDを取得し、
前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを前記複数の情報処理装置に送信し、
前記複数の情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信し、
最も早く情報処理装置から受信された通行料金に基づいて、前記車両の通行料金を収受する、
料金収受方法。
【請求項8】
複数の情報処理装置に接続された料金所機器のプロセッサによって実行される料金収受方法であって、
車両の車載器から無線でIDを取得し、
前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを前記複数の情報処理装置に送信し、
前記複数の情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信し、
前記車載器から前記IDを受信してから所定の制限時間が経過する前に受信された前記通行料金に基づいて、前記車両の通行料金を収受する、
料金収受方法。
【請求項9】
複数の情報処理装置に接続された料金所機器のプロセッサによって実行される料金収受方法であって、
車両の車載器から無線でIDを取得し、
前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを前記複数の情報処理装置に送信し、
前記複数の情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信し、
前記車載器から前記IDを受信してから所定の制限時間が経過するまで前記通行料金を待機し、
前記制限時間内に受信された前記通行料金の1つを選択し、
選択された前記通行料金を収受する、
料金収受方法。
【請求項10】
複数の情報処理装置に接続された料金所機器のプロセッサによって実行される料金収受プログラムであって、
前記プロセッサに、
車両の車載器から無線でIDを取得する機能と、
前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを前記複数の情報処理装置に送信する機能と、
前記複数の情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信する機能と、
前記複数の情報処理装置の内、最も早く受信した情報処理装置の前記通行料金によって、前記車両の通行料金を収受する機能と、
を実現させる料金収受プログラム。
【請求項11】
複数の情報処理装置に接続された料金所機器のプロセッサによって実行される料金収受プログラムであって、
前記プロセッサに、
車両の車載器から無線でIDを取得する機能と、
前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを前記複数の情報処理装置に送信する機能と、
前記複数の情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信する機能と、
前記車載器から前記IDを受信してから所定の制限時間が経過する前に受信された前記通行料金に基づいて、前記車両の通行料金を収受する機能と、
を実現させる料金収受プログラム。
【請求項12】
複数の情報処理装置に接続された料金所機器のプロセッサによって実行される料金収受プログラムであって、
前記プロセッサに、
車両の車載器から無線でIDを取得する機能と、
前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを前記複数の情報処理装置に送信する機能と、
前記複数の情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信する機能と、
前記車載器から前記IDを受信してから所定の制限時間が経過するまで前記通行料金を待機し、
前記制限時間内に受信された前記通行料金の1つを選択し、
選択された前記通行料金を収受する機能と、
を実現させる料金収受プログラム。
【請求項13】
情報処理装置に複数の料金所機器が接続された情報処理装置において、
前記複数の料金所機器とデータを送受信する通信部と、
前記各料金所機器に対して設定した優先度を格納する記憶部と、
前記通信部を通じて、前記複数の料金所機器から通行料金を要求するリクエストを受信し、
前記優先度に基づいて、前記リクエストの1つを選択し、
選択された前記リクエストに基づいて前記通行料金を計算し、
前記通信部を通じて、選択された前記リクエストを送信した料金所機器に前記通行料金を送信
前記通行料金を計算している間に前記リクエストを受信した料金所機器よりも優先度が高い料金所機器から第2のリクエストを受信した場合、前記通行料金の計算を中断し、前記第2のリクエストに従った通行料金の計算を開始する、
プロセッサと、
を備える情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置のプロセッサによって実行される方法であって、
複数の料金所機器から通行料金を要求するリクエストを受信し、
前記各料金所機器に対して設定した優先度に基づいて、前記リクエストの1つを選択し、
選択された前記リクエストに基づいて前記通行料金を計算し、
選択された前記リクエストを送信した料金所機器に前記通行料金を送信し、
前記通行料金を計算している間に前記リクエストを受信した料金所機器よりも優先度が高い料金所機器から第2のリクエストを受信した場合、前記通行料金の計算を中断し、前記第2のリクエストに従った通行料金の計算を開始する、
料金収受方法。
【請求項15】
情報処理装置のプロセッサによって実行される料金収受プログラムであって、
複数の料金所機器から通行料金を要求するリクエストを受信する機能と、
前記各料金所機器に対して設定した優先度に基づいて、前記リクエストの1つを選択する機能と、
選択された前記リクエストに基づいて前記通行料金を計算する機能と、
選択された前記リクエストを送信した料金所機器に前記通行料金を送信する機能と、
前記通行料金を計算している間に前記リクエストを受信した料金所機器よりも優先度が高い料金所機器から第2のリクエストを受信した場合、前記通行料金の計算を中断し、前記第2のリクエストに従った通行料金の計算を開始する機能と、
を実現させる料金収受プログラム。
【請求項16】
複数の情報処理装置と料金所機器とを備える料金収受システムであって、
前記情報処理装置は、
前記料金所機器とデータを送受信する第1の通信部と、
前記第1の通信部を通じて、前記料金所機器から通行料金を要求するリクエストを受信し、
前記リクエストに基づいて前記通行料金を計算し、
前記第1の通信部を通じて、前記料金所機器に前記通行料金を送信する、
第1のプロセッサと、
を備え、
前記料金所機器は、
複数の情報処理装置とデータを送受信する第2の通信部と、
車両の車載器と無線でデータを送受信する車両通信部と、
前記車両通信部を通じて前記車載器からIDを取得し、
前記第2の通信部を通じて、前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを前記複数の情報処理装置に送信し、
前記複数の情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信し、
前記複数の情報処理装置の内、最も早く受信した情報処理装置の前記通行料金によって、前記車両の通行料金を収受する、
第2のプロセッサと、
を備える、
料金収受システム。
【請求項17】
複数の情報処理装置と料金所機器とを備える料金収受システムであって、
前記情報処理装置は、
前記料金所機器とデータを送受信する第1の通信部と、
前記第1の通信部を通じて、前記料金所機器から通行料金を要求するリクエストを受信し、
前記リクエストに基づいて前記通行料金を計算し、
前記第1の通信部を通じて、前記料金所機器に前記通行料金を送信する、
第1のプロセッサと、
を備え、
前記料金所機器は、
複数の情報処理装置とデータを送受信する第2の通信部と、
車両の車載器と無線でデータを送受信する車両通信部と、
前記車両通信部を通じて前記車載器からIDを取得し、
前記第2の通信部を通じて、前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを前記複数の情報処理装置に送信し、
前記複数の情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信し、
前記車載器から前記IDを受信してから所定の制限時間が経過する前に受信された前記通行料金に基づいて、前記車両の通行料金を収受する、
第2のプロセッサと、
を備える、
料金収受システム。
【請求項18】
複数の情報処理装置と料金所機器とを備える料金収受システムであって、
前記情報処理装置は、
前記料金所機器とデータを送受信する第1の通信部と、
前記第1の通信部を通じて、前記料金所機器から通行料金を要求するリクエストを受信し、
前記リクエストに基づいて前記通行料金を計算し、
前記第1の通信部を通じて、前記料金所機器に前記通行料金を送信する、
第1のプロセッサと、
を備え、
前記料金所機器は、
複数の情報処理装置とデータを送受信する第2の通信部と、
車両の車載器と無線でデータを送受信する車両通信部と、
前記車両通信部を通じて前記車載器からIDを取得し、
前記第2の通信部を通じて、前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを前記複数の情報処理装置に送信し、
前記複数の情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信し、
前記車載器から前記IDを受信してから所定の制限時間が経過するまで前記通行料金を待機し、
前記制限時間内に受信された前記通行料金の1つを選択し、
選択された前記通行料金を収受する、
第2のプロセッサと、
を備える、
料金収受システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、料金所機器、情報処理装置、料金収受方法、料金収受プログラム及び料金収受システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路などの有料道路で車両の車載器との無線通信により料金を収受するシステムが提供されている。そのようなシステムにおいて、出口などにおいて出場する車両の通行料金を中央装置(情報処理装置)から取得する料金所機器が提供されている。
【0003】
中央装置の冗長化のため複数の中央装置が設置されることがある。この場合、料金所機器は、同時に複数の通行料金を受信する。
【0004】
複数の中央装置が存在する場合、適切に料金を収受するシステムが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-43928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するため、通行料金を送信する情報処理装置が複数存在する場合、適切に通行料金を収受する料金所機器、情報処理装置、料金収受方法、料金収受プログラム及び料金収受システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、料金所機器は、通信部と、車両通信部と、プロセッサと、を備える。通信部は、複数の情報処理装置とデータを送受信する。車両通信部は、車両の車載器と無線でデータを送受信する。プロセッサは、前記車両通信部を通じて前記車載器からIDを取得し、前記通信部を通じて、前記IDに対応する通行料金を要求するリクエストを複数の前記情報処理装置に送信し、複数の前記情報処理装置の少なくとも1つから前記通行料金を受信し、受信された前記通行料金を収受する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る料金所システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る中央装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る入口料金所機器の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る経路機器の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る出口料金所機器の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る料金所システムの動作例を示すシーケンス図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る料金所システムの動作例を示すシーケンス図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る料金所システムの動作例を示すシーケンス図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る料金所システムの動作例を示すシーケンス図である。
図10図10は、第2の実施形態に係る料金所システムの動作例を示すシーケンス図である。
図11図11は、第2の実施形態に係る料金所システムの動作例を示すシーケンス図である。
図12図12は、第3の実施形態に係る中央装置が保持する優先度テーブルの構成例を示す図である。
図13図13は、第3の実施形態に係る中央装置が保持する優先度テーブルの構成例を示す図である。
図14図14は、第3の実施形態に係る料金所システムの動作例を示すシーケンス図である。
図15図15は、第3の実施形態に係る中央装置が保持する優先度テーブルの構成例を示す図である。
図16図16は、第3の実施形態に係る料金所システムの動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
実施形態に係る料金所システムは、高速道路などの有料道路を通行する車両から通行料金を収受する。料金所システムは、有料道路の入口及び経由地点などにおいて無線で車両に積載されている車載器と無線通信を行う。料金所システムは、車両が通過した経路などに基づいて有料道路から出場する車両の車載器との無線通信により料金を収受する。
【0010】
図1は、実施形態に係る料金所システム1の構成例を示す。図1が示すように、料金所システム1は、中央装置10、入口料金所機器20、経路機器30、出口料金所機器40及びネットワーク50などを備える。中央装置10、入口料金所機器20、経路機器30及び出口料金所機器40は、ネットワーク50に接続する。
【0011】
なお、料金所システム1は、図1が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、料金所システム1から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0012】
料金所システム1は、有料道路Rを走行する車両Cから料金を収受する。
有料道路Rは、車両の通行に料金が掛かる道路である。たとえば、有料道路Rは、高速道路などである。
【0013】
車両Cは、有料道路Rを走行する。車両Cは、入口料金所機器20が設置されている入口から有料道路Rに入場する。車両Cは、経路機器30が設置されている経由地点などを経て出口料金所機器40が設置されている出口から出場する。
【0014】
車両Cは、車載器Eを備える。車載器Eは、入口料金所機器20、経路機器30及び出口料金所機器40と無線通信を行う。車載器Eは、ETCカードなど、料金を支払うための決済用カードをセットする。車載器Eは、無線通信により、自身のID及び決済用カードのIDなどを入口料金所機器20、経路機器30及び出口料金所機器40に送信する。なお、車載器Eは、ETCカードなどの決済用カードなどをセットせずに単体で決済のための情報通信を行う機器であってもよい。
【0015】
中央装置10(情報処理装置)は、車両Cの経路などに基づいて車両Cの通行料金を決定する。中央装置10は、決定した通行料金を出口料金所機器40に送信する。中央装置10については、後に詳述する。
【0016】
ここでは、料金所システム1は、中央装置10として、第1の中央装置10a、第2の中央装置10b及び第3の中央装置10cを備える。なお、料金所システム1は、2つ以上の中央装置10を備えればよく、中央装置10の個数は、特定の個数に限定されるものではない。
【0017】
第1の中央装置10a、第2の中央装置10b及び第3の中央装置10cは、それぞれ料金所システムを管理する管理事務所などに設置されている。また、第1の中央装置10a、第2の中央装置10b及び第3の中央装置10cは、異なる場所に設置されてもよい。
【0018】
入口料金所機器20は、有料道路Rに入場するための各入口に設置される。入口料金所機器20は、車両が通過可能なガントリなどから構成される。入口料金所機器20については、後に詳述する。
【0019】
経路機器30は、車両が通行した経路を検出するために有料道路Rの各所に設置される。経路機器30は、車両が通過可能なガントリなどから構成される。経路機器30については、後に詳述する。
【0020】
出口料金所機器40は、有料道路Rから出場するための各出口に設置される。出口料金所機器40は、車両が通過可能なガントリなどから構成される。出口料金所機器40については、後に詳述する。
【0021】
ネットワーク50は、中央装置10、入口料金所機器20、経路機器30及び出口料金所機器40間のデータ通信を中継する。ネットワーク50は、独自のネットワークであってもよいし、インターネットなどであってもよい。
【0022】
次に、中央装置10について説明する。第1の中央装置10a、第2の中央装置10b及び第3の中央装置10cは、同様の構成であるため、中央装置10として説明する。
【0023】
図2は、中央装置10の構成例を示す。図2が示すように、中央装置10は、プロセッサ11、メモリ12及び通信部13などを備える。プロセッサ11は、データバス又は所定のインターフェースなどを通じてメモリ12及び通信部13に接続する。
【0024】
なお、中央装置10は、図2が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、中央装置10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0025】
プロセッサ11(第1のプロセッサ)は、中央装置10全体の動作を制御する。たとえば、プロセッサ11は、入口料金所機器20、経路機器30及び出口料金所機器40からのデータに基づいて車両Cの通行料金を決定する。
【0026】
たとえば、プロセッサ11は、CPUなどから構成される。また、プロセッサ11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などから構成されるものであってもよい。また、プロセッサ11は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などから構成されるものであってもよい。
【0027】
メモリ12(記憶部)は、種々のデータを格納する。たとえば、メモリ12は、ROM、RAM及びNVMとして機能する。
たとえば、メモリ12は、制御プログラム及び制御データなどを記憶する。制御プログラム及び制御データは、中央装置10の仕様に応じて予め組み込まれる。たとえば、制御プログラムは、中央装置10で実現する機能をサポートするプログラムなどである。
【0028】
また、メモリ12は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、メモリ12は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0029】
通信部13(第1の通信部)は、ネットワーク50と通信するためのインターフェースである。即ち、通信部13は、ネットワーク50を通じて入口料金所機器20、経路機器30及び出口料金所機器40などとデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信部13は、LAN(Local Area Network)接続をサポートするインターフェースである。
【0030】
ここでは、第1の中央装置10aは、プロセッサ11a、メモリ12a及び通信部13aなどを備える。また、第2の中央装置10bは、プロセッサ11b、メモリ12b及び通信部13bなどを備える。また、第3の中央装置10cは、プロセッサ11c、メモリ12c及び通信部13cなどを備える。
【0031】
次に、入口料金所機器20について説明する。
図3は、入口料金所機器20の構成例を示す。図3が示すように、入口料金所機器20は、プロセッサ21、メモリ22、通信部23、車両通信部24、発進制御器25及び路側表示器26などを備える。プロセッサ21は、データバス又は所定のインターフェースなどを通じてメモリ22、通信部23、車両通信部24、発進制御器25及び路側表示器26に接続する。
【0032】
なお、入口料金所機器20は、図3が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、入口料金所機器20から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0033】
プロセッサ21は、入口料金所機器20全体の動作を制御する。たとえば、プロセッサ21は、車載器Eから取得したデータを中央装置10に送信する。
【0034】
たとえば、プロセッサ21は、CPUなどから構成される。また、プロセッサ21は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などから構成されるものであってもよい。また、プロセッサ21は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などから構成されるものであってもよい。
【0035】
メモリ22は、種々のデータを格納する。たとえば、メモリ22は、ROM、RAM及びNVMとして機能する。
たとえば、メモリ22は、制御プログラム及び制御データなどを記憶する。制御プログラム及び制御データは、入口料金所機器20の仕様に応じて予め組み込まれる。たとえば、制御プログラムは、入口料金所機器20で実現する機能をサポートするプログラムなどである。
【0036】
また、メモリ22は、プロセッサ21の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、メモリ22は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0037】
通信部23は、ネットワーク50と通信するためのインターフェースである。即ち、通信部23は、ネットワーク50を通じて中央装置10などとデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信部23は、LAN接続をサポートするインターフェースである。
【0038】
車両通信部24は、車両Cに搭載されている車載器Eと無線通信するインターフェースである。車両通信部24は、入口において入口料金所機器20に接近する車両(入場しようとする車両)に搭載されている車載器と無線通信する。車両通信部24は、無線通信する車載器から決済用カードのカードID及び車載器のIDなどを取得する。また、車両通信部24は、車両の車種を示す車種情報などを取得してもよい。車両通信部24は、取得したデータをプロセッサ21に送信する。
【0039】
発進制御器25は、プロセッサ21の制御に従って、入口料金所において車両の有料道路Rへの入場を制御する。発進制御器25は、入口料金所のレーンに設けた発進制御バーの開閉を制御する。例えば、発進制御器25は、車両を一旦停止させる場合又は車両の通行(入場)を不可とする場合、発進制御バーを閉じて車両の通行を阻止する。また、発進制御器25は、車両の通行(入場)を許可する場合、発進制御バーを開放して車両の通過を許可する。
【0040】
路側表示器26は、プロセッサ21の制御に従って、入口料金所を通行する車両に乗車する利用者に対して案内などを表示する。路側表示器26は、入口料金所のレーンを通行する車両に向けて設置される。
【0041】
プロセッサ21は、車両通信部24を通じて、有料道路Rへ入場しようとする車両Cの車載器Eに決済用カードのID及び車載器EのIDを取得するためのコマンドを送信する。プロセッサ21は、車両通信部24を通じて、決済用カードのID及び車載器EのIDを含むレスポンスを車載器Eから受信する。
【0042】
レスポンスを受信すると、プロセッサ21は、決済用カードのID及び車載器EのIDなどに基づいて車両Cが入場可能であるかを判定する。車両Cが入場可能であると判定すると、プロセッサ21は、発進制御器25を制御して発進制御バーを開放する。
【0043】
車両Cが有料道路Rに入場すると、プロセッサ21は、通信部23を通じて、自身を示すID、決済用カードのID及び車載器EのIDなどを中央装置10(第1の中央装置10a、第2の中央装置10b及び第3の中央装置10c)に送信する。
【0044】
次に、経路機器30について説明する。
図4は、経路機器30の構成例を示す。図4が示すように、経路機器30は、プロセッサ31、メモリ32、通信部33及び車両通信部34などを備える。プロセッサ31は、データバス又は所定のインターフェースなどを通じてメモリ32、通信部33及び車両通信部34に接続する。
【0045】
なお、経路機器30は、図4が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、経路機器30から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0046】
プロセッサ31は、経路機器30全体の動作を制御する。たとえば、プロセッサ31は、車載器Eから取得したデータを中央装置10に送信する。
【0047】
たとえば、プロセッサ31は、CPUなどから構成される。また、プロセッサ31は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などから構成されるものであってもよい。また、プロセッサ31は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などから構成されるものであってもよい。
【0048】
メモリ32は、種々のデータを格納する。たとえば、メモリ32は、ROM、RAM及びNVMとして機能する。
たとえば、メモリ32は、制御プログラム及び制御データなどを記憶する。制御プログラム及び制御データは、経路機器30の仕様に応じて予め組み込まれる。たとえば、制御プログラムは、経路機器30で実現する機能をサポートするプログラムなどである。
【0049】
また、メモリ32は、プロセッサ31の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、メモリ32は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0050】
通信部33は、ネットワーク50と通信するためのインターフェースである。即ち、通信部33は、ネットワーク50を通じて中央装置10などとデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信部33は、LAN接続をサポートするインターフェースである。
【0051】
車両通信部34は、車両Cに搭載されている車載器Eと無線通信するインターフェースである。車両通信部34は、自身が設置されている経由地点において経路機器30に接近する車両(経由地点を通過しようとする車両)に搭載されている車載器と無線通信する。車両通信部34は、無線通信する車載器から決済用カードのカードID及び車載器のIDなどを取得する。また、車両通信部34は、車両の車種を示す車種情報などを取得してもよい。車両通信部34は、取得したデータをプロセッサ31に送信する。
たとえば、経路機器30は、フリーフロー機器であってもよい。
【0052】
プロセッサ31は、車両通信部34を通じて、経由地点を通過しようとする車両Cの車載器Eに決済用カードのID及び車載器EのIDを取得するためのコマンドを送信する。プロセッサ31は、車両通信部34を通じて、決済用カードのID及び車載器EのIDを含むレスポンスを車載器Eから受信する。
【0053】
レスポンスを受信すると、プロセッサ31は、通信部33を通じて、自身を示すID、決済用カードのID及び車載器EのIDなどを中央装置10(第1の中央装置10a、第2の中央装置10b及び第3の中央装置10c)に送信する。
【0054】
次に、出口料金所機器40について説明する。
図5は、出口料金所機器40の構成例を示す。図5が示すように、出口料金所機器40は、プロセッサ41、メモリ42、通信部43、車両通信部44、発進制御器45及び路側表示器46などを備える。プロセッサ41は、データバス又は所定のインターフェースなどを通じてメモリ42、通信部43、車両通信部44、発進制御器45及び路側表示器46に接続する。
【0055】
なお、出口料金所機器40は、図5が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、出口料金所機器40から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0056】
プロセッサ41(第2のプロセッサ)は、出口料金所機器40全体の動作を制御する。たとえば、プロセッサ41は、車載器Eから取得したデータを中央装置10に送信する。
【0057】
たとえば、プロセッサ41は、CPUなどから構成される。また、プロセッサ41は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などから構成されるものであってもよい。また、プロセッサ41は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などから構成されるものであってもよい。
【0058】
メモリ42は、種々のデータを格納する。たとえば、メモリ42は、ROM、RAM及びNVMとして機能する。
たとえば、メモリ42は、制御プログラム及び制御データなどを記憶する。制御プログラム及び制御データは、出口料金所機器40の仕様に応じて予め組み込まれる。たとえば、制御プログラムは、出口料金所機器40で実現する機能をサポートするプログラムなどである。
【0059】
また、メモリ42は、プロセッサ41の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、メモリ42は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0060】
通信部43(第2の通信部)は、ネットワーク50と通信するためのインターフェースである。即ち、通信部43は、ネットワーク50を通じて中央装置10などに接続するためのインターフェースである。たとえば、通信部43は、LAN接続をサポートするインターフェースである。
【0061】
車両通信部44は、車両Cに搭載されている車載器Eと無線通信するインターフェースである。車両通信部44は、出口において出口料金所機器40に接近する車両(出場しようとする車両)に搭載されている車載器と無線通信する。車両通信部44は、無線通信する車載器から決済用カードのカードID及び車載器のIDなどを取得する。また、車両通信部44は、車両の車種を示す車種情報などを取得してもよい。車両通信部44は、取得したデータをプロセッサ41に送信する。
【0062】
発進制御器45は、プロセッサ41の制御に従って、出口料金所において車両の有料道路Rからの出場を制御する。発進制御器45は、出口料金所のレーンに設けた発進制御バーの開閉を制御する。例えば、発進制御器45は、車両を一旦停止させる場合又は車両の通行(出場)を不可とする場合、発進制御バーを閉じて車両の通行を阻止する。また、発進制御器45は、車両の通行(出場)を許可する場合、発進制御バーを開放して車両の通過を許可する。
【0063】
路側表示器46は、プロセッサ41の制御に従って、出口料金所を通行する車両に乗車する利用者に対して案内などを表示する。路側表示器46は、出口料金所のレーンを通行する車両に向けて設置される。
【0064】
次に、中央装置10が実現する機能について説明する。プロセッサ11が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ又はメモリ12などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0065】
プロセッサ11は、出口料金所機器40に対して車両Cの通行料金を送信する機能を有する。
【0066】
プロセッサ11は、通信部13を通じて、入口料金所機器20から、入口料金所機器20のID、決済用カードのID及び車載器EのIDなどを予め受信する。また、プロセッサ11は、通信部13を通じて、経路機器30から、経路機器30のID、決済用カードのID及び車載器EのIDなどを予め受信してもよい。
【0067】
プロセッサ11は、通信部13を通じて、車両Cの通行料金を要求するリクエストを出口料金所機器40から受信する。リクエストは、出口料金所機器40のID、決済用カードのID及び車載器EのIDなどを含む。
【0068】
リクエストを受信すると、プロセッサ11は、リクエストに基づいて車両Cの経路を特定する。たとえば、プロセッサ11は、リクエストが示す決済用カードのID及び車載器EのIDなどをキーに入口料金所機器20のID及び経路機器30のIDを検索する。入口料金所機器20のID及び経路機器30のIDを検索すると、プロセッサ11は、検索された入口料金所機器20のID並びに経路機器30のID、及び、出口料金所機器40のIDなどに基づいて経路を特定する。なお、プロセッサ11は、予め入口料金所機器20から受信している情報と予め経路機器30から受信している情報と車両Cが出場可能な出口料金所とに基づいて予想される経路を事前に特定してもよい。
【0069】
経路を特定すると、プロセッサ11は、メモリ12などが予め格納する料金テーブルなどを参照して、経路に対応する料金を車両Cの通行料金として取得(計算)する。料金を取得すると、プロセッサ11は、通信部13を通じて、車両Cの通行料金として取得された通行料金を含むレスポンスを出口料金所機器40に送信する。
【0070】
なお、プロセッサ11は、通行料金の計算に失敗した場合、通信部13を通じてエラーを示すレスポンスを出口料金所機器40に送信する。
【0071】
次に、出口料金所機器40が実現する機能について説明する。プロセッサ41が実現する機能は、プロセッサ41が内部メモリ又はメモリ42などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0072】
まず、プロセッサ41は、出場しようとする車両Cの通行料金を要求するリクエストを中央装置10に送信する機能を有する。
【0073】
プロセッサ41は、車両通信部44を通じて、出口料金所機器40の出口から出場しようとする車両Cの車載器Eに決済用カードのID及び車載器EのIDを取得するためのコマンドを送信する。プロセッサ41は、車両通信部44を通じて、決済用カードのID及び車載器EのIDを含むレスポンスを車載器Eから受信する。
【0074】
レスポンスを受信すると、プロセッサ31は、通信部33を通じて、車両Cの通行料金(決済用カードのID又は車載器EのIDに対応する通行料金)を要求するリクエストを各中央装置10に送信する。リクエストは、自身を示すID、決済用カードのID及び車載器EのIDなどを含む。
【0075】
また、プロセッサ41は、最も早く受信した通行料金に基づいて、ユーザから車両Cの通行料金を収受する機能を有する。
【0076】
プロセッサ41は、車載器Eからレスポンスを受信してから所定の制限時間(たとえば、135ms)が経過するまで中央装置10からのレスポンスを待機する。
【0077】
たとえば、プロセッサ41は、制限時間内に中央装置10の何れか1つからレスポンスを受信すると、レスポンスが車両Cの通行料金を含むかを判定する。レスポンスが車両Cの通行料金を含むと判定すると、プロセッサ41は、決済用カードのIDなどに基づいて当該通行料金を収受する。ここでは、プロセッサ41は、通信部43を通じて、中央装置10及び車載器Eとの通信結果として、決済用カードのID、車載器EのID及び通行料金を示す情報を各中央装置10に送信する。
【0078】
また、プロセッサ41は、車両通信部44を通じて、当該通行料金を示す情報を車載器Eに送信する。
【0079】
レスポンスが車両Cの通行料金を含まない(レスポンスがエラーを示す)と判定すると、プロセッサ41は、再び中央装置10からのレスポンスを待機する。
【0080】
中央装置10の何れか1つからレスポンスを受信すると、プロセッサ41は、上記と同様にレスポンスが車両Cの通行料金を含むかを判定する。
【0081】
中央装置10からのレスポンスがいずれも車両Cの通行料金を含まない場合、又は、通行料金を含むレスポンスを受信せずに制限時間が経過した場合、プロセッサ41は、車両通信部44を通じて、エラーを車載器Eに送信する。
【0082】
この場合、プロセッサ41は、オペレータが事前に設定した暫定的な通行料金を取得する。たとえば、プロセッサ41は、メモリ42などが予め格納するテーブルなどを参照して通行料金を取得してもよい。プロセッサ41は、決済用カードのIDなどに基づいて当該通行料金を収受する。プロセッサ41は、通信部43を通じて、中央装置10及び車載器Eとの通信結果として、決済用カードのID、車載器EのID、暫定的な通行料金及び中央装置10からの通行料金の取得に失敗したことを示す情報を各中央装置10に送信する。
【0083】
次に、料金所システム1の動作例について説明する。
まず、出口料金所機器40が制限時間内に通行料金を含むレスポンスを受信する場合における動作例について説明する。
図6は、出口料金所機器40が制限時間内に通行料金を含むレスポンスを受信する場合における動作例について説明するためのシーケンス図である。
【0084】
ここでは、車両Cは、出口料金所機器40が設置されている出口から出場しようとするものである。
【0085】
まず、車載器Eは、決済用カードのID及び車載器EのIDを出口料金所機器40に送信する(S11)。
【0086】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、車両通信部44を通じて、決済用カードのID及び車載器EのIDを車載器Eから受信する。決済用カードのID及び車載器EのIDを受信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通行料金を要求するリクエストを第1の中央装置10aに送信する(S12)。ここで、リクエストは、決済用カードのID及び車載器EのIDを含む。
【0087】
通行料金を要求するリクエストを第1の中央装置10aに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通行料金を要求するリクエストを第2の中央装置10bに送信する(S13)。通行料金を要求するリクエストを第2の中央装置10bに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通行料金を要求するリクエストを第3の中央装置10cに送信する(S14)。なお、S12乃至S14は、異なる順序で実行されてもよい。
【0088】
ここでは、第2の中央装置10bのプロセッサ11bは、通信部13bを通じてエラーを示すレスポンスを出口料金所機器40に送信するものとする(S15)。
【0089】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、当該レスポンスを受信する。当該レスポンスが通行料金を含まないため、プロセッサ41は、レスポンスを待機する。
【0090】
また、ここでは、第1の中央装置10aのプロセッサ11aは、通信部13aを通じて通行料金を含むレスポンスを出口料金所機器40に送信するものとする(S16)。
【0091】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、当該レスポンスを受信する。当該レスポンスを受信すると、プロセッサ41は、車両通信部44を通じて、レスポンスが示す通行料金を示す情報を車載器Eに送信する(S17)。
【0092】
また、ここでは、第3の中央装置10cのプロセッサ11cは、通信部13cを通じて通行料金を含むレスポンスを出口料金所機器40に送信するものとする(S18)。
【0093】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、当該レスポンスを受信する。プロセッサ41は、当該レスポンスを収受処理に用いない。
【0094】
レスポンスが示す通行料金を示す情報を車載器Eに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信する(S19)。
【0095】
通信部43を通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信する(S20)。通信部43を通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第3の中央装置10cに送信する(S21)。
【0096】
プロセッサ41が通信結果を第3の中央装置10cに送信すると、料金所システム1は、動作を終了する。
【0097】
なお、出口料金所機器40のプロセッサ41は、最初に中央装置10の何れかから通行料金を含むレスポンスを受信すると、S17に進む。
【0098】
次に、出口料金所機器40が制限時間内に各中央装置10からエラーを示すレスポンスを受信する場合における動作例について説明する。
図7は、出口料金所機器40が制限時間内に各中央装置10からエラーを示すレスポンスを受信する場合における動作例について説明するためのシーケンス図である。
【0099】
S11乃至S15は、前述の通りであるため説明を省略する。
【0100】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、第2の中央装置10bからエラーを示すレスポンスを受信した後、レスポンスを待機する。
【0101】
ここでは、第1の中央装置10aのプロセッサ11aは、通信部13aを通じてエラーを示すレスポンスを出口料金所機器40に送信するものとする(S31)。
【0102】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、当該レスポンスを受信する。当該レスポンスが通行料金を含まないため、プロセッサ41は、レスポンスを待機する。
【0103】
また、ここでは、第3の中央装置10cのプロセッサ11cは、通信部13cを通じてエラーを示すレスポンスを出口料金所機器40に送信するものとする(S32)。
【0104】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、当該レスポンスを受信する。当該レスポンスを受信すると、プロセッサ41は、車両通信部44を通じてエラーを示す情報を車載器Eに送信する(S33)。
【0105】
ここで、出口料金所機器40のプロセッサ41は、オペレータからの操作などに基づいて通行料金を決定する。
【0106】
通行料金を決定すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信する(S19)。
【0107】
通信部43を通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信する(S20)。通信部43を通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第3の中央装置10cに送信する(S21)。
【0108】
プロセッサ41が通信結果を第3の中央装置10cに送信すると、料金所システム1は、動作を終了する。
【0109】
次に、出口料金所機器40が制限時間内に通行料金を含むレスポンスを受信しない場合における動作例について説明する。
図8は、出口料金所機器40が制限時間内に通行料金を含むレスポンスを受信しない場合における動作例について説明するためのシーケンス図である。
【0110】
S11乃至S15及びS31は、前述の通りであるため説明を省略する。
【0111】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、第1の中央装置10aからエラーを示すレスポンスを受信した後、レスポンスを待機する。ここで、プロセッサ41が第3の中央装置10cからレスポンスを受信する前に制限時間が経過したものとする。
【0112】
制限時間が経過すると、プロセッサ41は、車両通信部44を通じてエラーを示す情報を車載器Eに送信する(S41)。
【0113】
ここで、出口料金所機器40のプロセッサ41は、オペレータからの操作などに基づいて通行料金を決定する。
【0114】
通行料金を決定すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信する(S19)。
【0115】
また、ここで、第3の中央装置10cのプロセッサ11cは、通信部13cを通じて通行料金を含むレスポンスを出口料金所機器40に送信するものとする(S41)。
【0116】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、当該レスポンスを受信する。プロセッサ41は、当該レスポンスを収受処理に用いない。
【0117】
通信部43を通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信する(S20)。通信部43を通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第3の中央装置10cに送信する(S21)。
【0118】
プロセッサ41が通信結果を第3の中央装置10cに送信すると、料金所システム1は、動作を終了する。
【0119】
なお、出口料金所機器40のプロセッサ41は、制限時間内に中央装置10の何れからもレスポンスを受信しない場合、S41に進む。
【0120】
また、車載器Eは、決済用カードのID又は車載器EのIDの何れかを入口料金所機器20、経路機器30及び出口料金所機器40に送信してもよい。
【0121】
また、出口料金所機器40のプロセッサ41は、中央装置10にいくつかに車両Cの通行料金を要求するリクエストを送信してもよい。たとえば、プロセッサ41は、出口料金所機器40から所定の距離に設置されている中央装置10にリクエストを送信する。
【0122】
以上のように構成された料金所システムは、複数の中央装置10に車両の通行料金を要求するリクエストを送信する。料金所システムは、最も早く受信された通行料金に基づいて通行料金をユーザから収受する。その結果、料金所システムは、中央装置を冗長化しつつ、ユーザから適切に通行料金を収受することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る料金所システムは、出口料金所機器40が所定の制限時間において中央装置10からのレスポンスを待機する点で第1の実施形態に係るそれと異なる。従って、その他の点については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0123】
第2の実施形態に係る料金所システム1の構成例は、第1の実施形態に係るそれと同様であるため説明を省略する。
【0124】
次に、出口料金所機器40が実現する機能について説明する。プロセッサ41が実現する機能は、プロセッサ41が内部メモリ又はメモリ42などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0125】
プロセッサ41は、第1の実施形態に係るプロセッサ41が実現する機能に加えて以下の機能を実現する。
【0126】
まず、プロセッサ41は、所定の制限時間が経過するまで、中央装置10からのレスポンスを受信する機能を有する。
【0127】
前述の通り、プロセッサ41は、通信部43を通じて車両Cの通行料金を要求するリクエストを中央装置10(第1の中央装置10a、第2の中央装置10b及び第3の中央装置10c)に送信する。
【0128】
プロセッサ41は、車載器Eからレスポンスを受信してから所定の制限時間(たとえば、135ms)が経過するまで中央装置10からのレスポンスを待機する。プロセッサ41は、制限時間内において通行料金を含むレスポンスを受信しても、レスポンスの待機を継続する。
【0129】
また、プロセッサ41は、レスポンスの1つが示す通行料金をユーザから収受する機能を有する。
【0130】
制限時間内において通行料金を含むレスポンスを複数個受信した場合、プロセッサ41は、複数のレスポンスが示す通行料金から1つの通行料金を選択する。各通行料金が同一である場合、プロセッサ41は、当該通行料金を選択する。
【0131】
各通行料金が同一でない場合、プロセッサ41は、多数決で通行料金を選択する。即ち、プロセッサ41は、最も個数が多い通行料金を選択する。なお、同一の通行料金の個数が同数である場合、プロセッサ41は、その中から最も早く受信された通行料金を選択してもよい。
【0132】
また、各通行料金が同一でない場合、プロセッサ41は、最も金額が大きい通行料金を選択してもよい。また、プロセッサ41は、最も金額が小さい通行料金を選択してもよい。
【0133】
また、制限時間内において通行料金を含むレスポンスを1つ受信した場合、プロセッサ41は、当該レスポンスが示す通行料金を選択する。
なお、プロセッサ41が通行料金を選択する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0134】
通行料金を選択すると、プロセッサ41は、選択された通行料金をユーザから収受する。プロセッサ41が通行料金を収受する方法は、第1の実施形態に係るそれと同様であるため説明を省略する。
【0135】
次に、料金所システム1の動作例について説明する。
まず、出口料金所機器40が制限時間内に通行料金を含むレスポンスを複数個受信する場合における動作例について説明する。
図9は、出口料金所機器40が制限時間内に通行料金を含むレスポンスを複数個受信する場合における動作例について説明するためのシーケンス図である。
【0136】
S11乃至S14は、前述の通りであるため説明を省略する。
【0137】
ここでは、出口料金所機器40のプロセッサ41が通信部43を通じてリクエストを第3の中央装置10cに送信した(S14)後、第2の中央装置10bのプロセッサ11bは、通信部13bを通じて通行料金を含むレスポンスを出口料金所機器40に送信する(S51)。
【0138】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、通信部43を通じて当該レスポンスを受信する。当該レスポンスを受信した後も、プロセッサ41は、レスポンスを待機する。
【0139】
また、ここで、第1の中央装置10aのプロセッサ11aは、通信部13aを通じて通行料金を含むレスポンスを出口料金所機器40に送信する(S52)。出口料金所機器40のプロセッサ41は、通信部43を通じて当該レスポンスを受信する。
【0140】
また、第3の中央装置10cのプロセッサ11cは、通信部13cを通じて通行料金を含むレスポンスを出口料金所機器40に送信する(S53)。出口料金所機器40のプロセッサ41は、通信部43を通じて当該レスポンスを受信する。
【0141】
当該レスポンスを受信すると、プロセッサ41は、S51、S52及びS53で受信されたレスポンスが示す通行料金から1つを選択する(S54)。通行料金の1つを選択すると、プロセッサ41は、車両通信部44を通じて、選択された通行料金を示す情報を車載器Eに送信する(S55)。
【0142】
通行料金を示す情報を車載器Eに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信する(S19)。
【0143】
通信部43を通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信する(S20)。通信部43を通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第3の中央装置10cに送信する(S21)。
【0144】
プロセッサ41が通信結果を第3の中央装置10cに送信すると、料金所システム1は、動作を終了する。
【0145】
なお、プロセッサ41は、制限時間が経過した後に、中央装置10の何れかから通行料金を含むレスポンスを受信しても、当該通行料金を収受処理に用いない。
【0146】
次に、出口料金所機器40が制限時間内に通行料金を含むレスポンスとエラーを示すレスポンスとを受信する場合における動作例について説明する。
図10は、出口料金所機器40が制限時間内に通行料金を含むレスポンスとエラーを示すレスポンスとを受信する場合における動作例について説明するためのシーケンス図である。
【0147】
S11乃至S14は、前述の通りであるため説明を省略する。
ここでは、出口料金所機器40のプロセッサ41が通信部43を通じてリクエストを第3の中央装置10cに送信した後(S14)、第2の中央装置10bのプロセッサ11bは、通信部13bを通じてエラーを示すレスポンスを出口料金所機器40に送信する(S61)。
【0148】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、通信部43を通じて当該レスポンスを受信する。当該レスポンスを受信した後も、プロセッサ41は、レスポンスを待機する。
【0149】
また、ここで、第1の中央装置10aのプロセッサ11aは、通信部13aを通じて通行料金を含むレスポンスを出口料金所機器40に送信する(S52)。出口料金所機器40のプロセッサ41は、通信部43を通じて当該レスポンスを受信する。
【0150】
また、第3の中央装置10cのプロセッサ11cは、通信部13cを通じて通行料金を含むレスポンスを出口料金所機器40に送信する(S53)。出口料金所機器40のプロセッサ41は、通信部43を通じて当該レスポンスを受信する。
【0151】
当該レスポンスを受信すると、プロセッサ41は、S52及びS53で受信されたレスポンスが示す通行料金から1つを選択する(S62)。通行料金の1つを選択すると、プロセッサ41は、車両通信部44を通じて、選択された通行料金を示す情報を車載器Eに送信する(S63)。
【0152】
通行料金を示す情報を車載器Eに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信する(S19)。
【0153】
通信部43を通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信する(S20)。通信部43を通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第3の中央装置10cに送信する(S21)。
【0154】
プロセッサ41が通信結果を第3の中央装置10cに送信すると、料金所システム1は、動作を終了する。
【0155】
次に、出口料金所機器40が制限時間内に通行料金を含むレスポンスを受信できない場合における動作例について説明する。
図11は、出口料金所機器40が制限時間内に通行料金を含むレスポンスを受信できない場合における動作例について説明するためのシーケンス図である。
【0156】
S11乃至S14及びS61は、前述の通りであるため説明を省略する。
出口料金所機器40のプロセッサ41は、第2の中央装置10bからエラーを示すレスポンスを受信した後、レスポンスを待機する。
【0157】
ここでは、第1の中央装置10aのプロセッサ11aは、通信部13aを通じてエラーを示すレスポンスを出口料金所機器40に送信するものとする(S71)。
【0158】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、通信部43を通じて当該レスポンスを受信する。当該レスポンスを受信した後も、プロセッサ41は、レスポンスを待機する。ここで、プロセッサ41が第3の中央装置10cからレスポンスを受信する前に制限時間が経過したものとする。
【0159】
制限時間が経過すると、プロセッサ41は、車両通信部44を通じてエラーを示す情報を車載器Eに送信する(S72)。
【0160】
また、第3の中央装置10cのプロセッサ11cは、通信部13cを通じて通行料金を含むレスポンスを出口料金所機器40に送信するものとする(S73)。
【0161】
出口料金所機器40のプロセッサ41は、当該レスポンスを受信する。プロセッサ41は、当該レスポンスが示す通行料金を収受処理に用いない。
【0162】
車両通信部44を通じてエラーを示す情報を車載器Eに送信する、出口料金所機器40のプロセッサ41は、オペレータからの操作などに基づいて通行料金を決定する。
【0163】
通行料金を決定すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信する(S19)。
【0164】
通信部43を通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信する(S20)。通信部43を通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信すると、プロセッサ41は、通信部43を通じて、通信結果を第3の中央装置10cに送信する(S21)。
【0165】
プロセッサ41が通信結果を第3の中央装置10cに送信すると、料金所システム1は、動作を終了する。
【0166】
なお、プロセッサ41は、通信部43を通じて制限時間内にエラーを示すレスポンスを第3の中央装置10cから受信した場合、S72に進む。また、プロセッサ41は、通信部43を通じて制限時間内に中央装置10の何れかからもレスポンスを受信しない場合、S72に進む。
【0167】
また、プロセッサ41は、通行料金を含むレスポンスを所定の個数受信した場合、当該レスポンスが示す通行料金の1つを選択してもよい。
【0168】
以上のように構成された料金所システムは、所定の制限時間において中央装置からのレスポンスを待機する。料金所システムは、各レスポンスが示す通行料金から1つを選択する。その結果、料金所システムは、各通行料金が一致しない場合であっても適切な通行料金を収受することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態に係る料金所システムは、中央装置10が出口料金所機器40に対して優先度を設定する点で第1の実施形態に係るそれと異なる。従って、その他の点については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0169】
第3の実施形態において、料金所システム1は、出口料金所機器40として、第1の出口料金所機器40a、第2の出口料金所機器40b及び第3の出口料金所機器40cを備える。
【0170】
第1の出口料金所機器40a、第2の出口料金所機器40b及び第3の出口料金所機器40cの構成は、前述した出口料金所機器40の構成と同様であるため説明を省略する。
【0171】
ここでは、第1の出口料金所機器40aは、プロセッサ41a、メモリ42a、通信部43a、車両通信部44a、発進制御器45a及び路側表示器46aなどを備える。また、第2の出口料金所機器40bは、プロセッサ41b、メモリ42b、通信部43b、車両通信部44b、発進制御器45b及び路側表示器46bなどを備える。また、第3の出口料金所機器40cは、プロセッサ41c、メモリ42c、通信部43c、車両通信部44c、発進制御器45c及び路側表示器46cなどを備える。
【0172】
中央装置10のメモリ12は、各出口料金所機器40の優先度を示す優先度テーブルを格納する。
【0173】
優先度は、出口料金所機器40へのレスポンスの有無及びレスポンスの順序を示す。
【0174】
ここでは、優先度は、0乃至3を示す。「0」は、対応する出口料金所機器40へのレスポンスの送信を行わないことを示す。即ち、プロセッサ11は、優先度として「0」が設定されている出口料金所機器40から通行料金を要求するリクエストを受信しても当該出口料金所機器40へレスポンスを送信しない。
【0175】
また、「1」乃至「3」は、レスポンスを送信する順序を示す。ここでは、「3」は、対応する出口料金所機器40へのレスポンスを最も優先することを示す。「2」は、対応する出口料金所機器40へのレスポンスを次に優先することを示す。「1」は、対応する出口料金所機器40へのレスポンスを最後に行うことを示す。
【0176】
プロセッサ11は、出口料金所機器40からリクエストを受信し通行料金の計算を開始した場合には、計算中に他の出口料金所機器40からリクエストを受信しても当該通行料金の計算を継続する。プロセッサ11は、計算が完了すると、出口料金所機器40に当該通行料金を含むレスポンスを送信する。
【0177】
同時に又は通行料金の計算中に、複数のリクエストを受信すると、プロセッサ11は、優先度に従って複数のリクエストから1つのリクエストを選択する。即ち、プロセッサ11は、優先度としてより大きい数値が設定されている出口料金所機器40からのリクエストを選択する。なお、プロセッサ11は、優先度が同一である場合には、先に受信したリクエストを選択する。
【0178】
1つのリクエストを選択すると、プロセッサ11は、選択されたリクエストに従って通行料金を算出する。プロセッサ11は、計算が完了すると、選択されたリクエストを送信した出口料金所機器40に当該通行料金を含むレスポンスを送信する。
【0179】
レスポンスを送信すると、プロセッサ11は、同様に他のリクエストの通行料金を算出する。
【0180】
優先度テーブルは、オペレータからの操作などに基づいてメモリ12に予め格納される。優先度テーブルは、適宜更新されるものであってもよい。
【0181】
たとえば、優先度テーブルは、各出口料金所機器40の混雑具合、出口料金所機器40と中央装置10との距離、及び/又は、出口料金所機器40と中央装置10との間のネットワークの強度などに基づいて設定される。
【0182】
次に、料金所システム1の動作例について説明する。
ここでは、第1の中央装置10aのメモリ12a、第2の中央装置10bのメモリ12b及び第3の中央装置10cのメモリ12cは、それぞれ優先度テーブルを格納する。
【0183】
図12は、第1の中央装置10aのメモリ12a及び第2の中央装置10bのメモリ12bが格納する優先度テーブルを示す。
図12が示すように、優先度テーブルは、「第1の出口料金所機器」に対応する優先度として「1」、「第2の出口料金所機器」に対応する優先度として「0」、及び、「第3の出口料金所機器」に対応する優先度として「0」を示す。
【0184】
図13は、第3の中央装置10cのメモリ12cが格納する優先度テーブルを示す。
図13が示すように、優先度テーブルは、「第1の出口料金所機器」に対応する優先度として「0」、「第2の出口料金所機器」に対応する優先度として「1」、及び、「第3の出口料金所機器」に対応する優先度として「0」を示す。
【0185】
図14は、料金所システム1の動作例について説明するためのシーケンス図である。
ここでは、車両Cは、第1の出口料金所機器40aが設置されている出口から出場しようとするものである。
【0186】
まず、車載器Eは、決済用カードのID及び車載器EのIDを第1の出口料金所機器40aに送信する(S81)。
【0187】
第1の出口料金所機器40aのプロセッサ41aは、車両通信部44aを通じて、決済用カードのID及び車載器EのIDを車載器Eから受信する。決済用カードのID及び車載器EのIDを受信すると、プロセッサ41aは、通信部43aを通じて、通行料金を要求するリクエストを第1の中央装置10aに送信する(S82)。
【0188】
通行料金を要求するリクエストを第1の中央装置10aに送信すると、プロセッサ41aは、通信部43aを通じて、通行料金を要求するリクエストを第2の中央装置10bに送信する(S83)。通行料金を要求するリクエストを第2の中央装置10bに送信すると、プロセッサ41aは、通信部43aを通じて、通行料金を要求するリクエストを第3の中央装置10cに送信する(S84)。
【0189】
第2の中央装置10bのプロセッサ11bは、第1の出口料金所機器40aの優先度として「1」を設定している。そのため、プロセッサ11bは、リクエストに基づいて通行料金を計算し、通信部13bを通じて通行料金を含むレスポンスを第1の出口料金所機器40aに送信する(S85)。
【0190】
第1の出口料金所機器40aのプロセッサ41aは、当該レスポンスを受信する。当該レスポンスを受信すると、プロセッサ41aは、車両通信部44aを通じて、レスポンスが示す通行料金を示す情報を車載器Eに送信する(S86)。
【0191】
第2の中央装置10bのプロセッサ11bと同様に、第1の中央装置10aのプロセッサ11aは、第1の出口料金所機器40aの優先度として「1」を設定している。そのため、プロセッサ11aは、リクエストに基づいて通行料金を計算する。ここでは、プロセッサ11aは、S86の後に、通信部13aを通じて通行料金を含むレスポンスを第1の出口料金所機器40aに送信するものとする(S87)。
【0192】
第1の出口料金所機器40aのプロセッサ41aは、当該レスポンスを受信する。プロセッサ41aは、当該レスポンスを収受処理に用いない。
【0193】
レスポンスが示す通行料金を示す情報を車載器Eに送信すると、プロセッサ41aは、通信部43aを通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信する(S88)。
【0194】
通信部43aを通じて、通信結果を第1の中央装置10aに送信すると、プロセッサ41aは、通信部43aを通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信する(S89)。通信部43aを通じて、通信結果を第2の中央装置10bに送信すると、プロセッサ41aは、通信部43aを通じて、通信結果を第3の中央装置10cに送信する(S90)。
【0195】
プロセッサ41aが通信結果を第3の中央装置10cに送信すると、料金所システム1は、動作を終了する。
【0196】
ここでは、第3の中央装置10cのプロセッサ11cは、第1の出口料金所機器40aの優先度として「0」を設定している。そのため、プロセッサ11cは、レスポンスを第1の出口料金所機器40aに送信しない。
【0197】
次に、料金所システム1の他の動作例について説明する。
第1の中央装置10aのメモリ12aは、優先度テーブルを格納する。
【0198】
図16は、第1の中央装置10aのメモリ12aが格納する優先度テーブルを示す。
図16が示すように、優先度テーブルは、「第1の出口料金所機器」に対応する優先度として「1」、「第2の出口料金所機器」に対応する優先度として「2」、及び、「第3の出口料金所機器」に対応する優先度として「3」を示す。
【0199】
ここでは、各車両Cは、それぞれ第1の出口料金所機器40a、第2の出口料金所機器40b及び第3の出口料金所機器40cが設置されている出口から出場しようとするものである。
【0200】
また、図16が示す例では、各出口料金所機器40が第1の中央装置10aにリクエストを送信する動作例について説明する。
【0201】
まず、所定の車両Cの車載器Eは、決済用カードのID及び車載器EのIDを第1の出口料金所機器40aに送信する(S91)。
【0202】
第1の出口料金所機器40aのプロセッサ41aは、車両通信部44aを通じて、決済用カードのID及び車載器EのIDを車載器Eから受信する。決済用カードのID及び車載器EのIDを受信すると、プロセッサ41aは、通信部43aを通じて、通行料金を要求する第1のリクエストを第1の中央装置10aに送信する(S92)。
【0203】
第1の中央装置10aのプロセッサ11aは、通信部13aを通じて第1のリクエストを受信する。プロセッサ11aは、第1のリクエストに従って通行料金の計算を開始する。
【0204】
また、他の車両Cの車載器Eは、決済用カードのID及び車載器EのIDを第2の出口料金所機器40bに送信する(S93)。
【0205】
第2の出口料金所機器40bのプロセッサ41bは、車両通信部44bを通じて、決済用カードのID及び車載器EのIDを車載器Eから受信する。決済用カードのID及び車載器EのIDを受信すると、プロセッサ41bは、通信部43bを通じて、通行料金を要求する第2のリクエストを第1の中央装置10aに送信する(S94)。
【0206】
第1の中央装置10aのプロセッサ11aは、第1のリクエストに基づいて通行料金を計算している間に、通信部13aを通じて第2のリクエストを受信する。
【0207】
また、さらに他の車両Cの車載器Eは、決済用カードのID及び車載器EのIDを第3の出口料金所機器40cに送信する(S95)。
【0208】
第3の出口料金所機器40cのプロセッサ41cは、車両通信部44cを通じて、決済用カードのID及び車載器EのIDを車載器Eから受信する。決済用カードのID及び車載器EのIDを受信すると、プロセッサ41cは、通信部43cを通じて、通行料金を要求する第3のリクエストを第1の中央装置10aに送信する(S96)。
【0209】
第1の中央装置10aのプロセッサ11aは、第1のリクエストに基づいて通行料金を計算している間に、通信部13aを通じて第3のリクエストを受信する。
【0210】
ここで、プロセッサ11aは、第1のリクエストに基づく通行料金の計算を完了する。通行料金の計算を完了すると、プロセッサ11aは、通信部13aを通じて通行料金を含むレスポンスを第1の出口料金所機器40aに送信する(S97)。
【0211】
第1の出口料金所機器40aのプロセッサ41aは、当該レスポンスを受信する。当該レスポンスを受信すると、プロセッサ41aは、車両通信部44aを通じて、レスポンスが示す通行料金を示す情報を車載器Eに送信する(S98)。
【0212】
第1の中央装置10aのプロセッサ11aは、レスポンスを第1の出口料金所機器40aに送信すると、第3のリクエストに従って通行料金の計算を開始する。ここでは、プロセッサ11aは、第2のリクエストを第3のリクエストより前に受信している。しがしながら、第3の出口料金所機器40cの優先度の値が第2の出口料金所機器40bのそれよりも高いため、プロセッサ11aは、第3のリクエストに従って通行料金の計算を開始する。
【0213】
通行料金の計算を完了すると、プロセッサ11aは、通信部13aを通じて通行料金を含むレスポンスを第3の出口料金所機器40cに送信する(S99)。
【0214】
第3の出口料金所機器40cのプロセッサ41cは、当該レスポンスを受信する。当該レスポンスを受信すると、プロセッサ41cは、車両通信部44cを通じて、レスポンスが示す通行料金を示す情報を車載器Eに送信する(S100)。
【0215】
第1の中央装置10aのプロセッサ11aは、レスポンスを第3の出口料金所機器40cに送信すると、第2のリクエストに従って通行料金の計算を開始する。
【0216】
通行料金の計算を完了すると、プロセッサ11aは、通信部13aを通じて通行料金を含むレスポンスを第2の出口料金所機器40bに送信する(S101)。
【0217】
第2の出口料金所機器40bのプロセッサ41bは、当該レスポンスを受信する。当該レスポンスを受信すると、プロセッサ41bは、車両通信部44bを通じて、レスポンスが示す通行料金を示す情報を車載器Eに送信する(S102)。
【0218】
なお、第1の中央装置10aのプロセッサ11aは、通行料金の計算中により高い優先度が設定されている出口料金所機器40からリクエストを受信した場合、計算を中断して当該リクエストに従った通行料金の計算を開始してもよい。
【0219】
また、第3の実施形態における中央装置10の特徴は、第2の実施形態に係る中央装置10に付加されるものであってもよい。
【0220】
以上のように構成された料金所システムは、各出口料金所機器に対して優先度を設定する。そのため、料金所システムは、中央装置の負荷を分散することができる。また、料金所システムは、各出口料金所機器に対して効率的に通行料金を通知することができる。
【0221】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0222】
1…料金所システム、10…中央装置、10a…第1の中央装置、10b…第2の中央装置、10c…第3の中央装置、11(11a乃至11c)…プロセッサ、12(12a乃至12c)…メモリ、13(13a乃至13c)…通信部、20…入口料金所機器、21…プロセッサ、22…メモリ、23…通信部、24…車両通信部、25…発進制御器、26…路側表示器、30…経路機器、31…プロセッサ、32…メモリ、33…通信部、34…車両通信部、40()…出口料金所機器、40a…第1の出口料金所機器、40b…第2の出口料金所機器、40c…第3の出口料金所機器、40cb…第3の出口料金所機器、41(41a乃至41c)…プロセッサ、42(42a乃至42c)…メモリ、43(43a乃至43c)…通信部、44(44a乃至44c)…車両通信部、45(45a乃至45c)…発進制御器、46(46a乃至46c)…路側表示器、50…ネットワーク、C…車両、E…車載器、R…有料道路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16