(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240213BHJP
B25J 9/02 20060101ALI20240213BHJP
B65G 49/06 20060101ALI20240213BHJP
B65G 59/02 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/02 A
B65G49/06 A
B65G59/02 Z
(21)【出願番号】P 2020079939
(22)【出願日】2020-04-30
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 史朗
(72)【発明者】
【氏名】荒井 正
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-127332(JP,A)
【文献】特開2012-222051(JP,A)
【文献】特開2003-324138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 9/02
B65G 49/06
B65G 59/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークが収容された第1トレイを複数同時に搬送する第1搬送機構と、
前記第1トレイを第1位置から第2位置に搬送すると同時に、前記第2位置で前記第1トレイからワークが取り出された第2トレイを前記第2位置から第3位置に搬送する第2搬送機構と、
前記第2搬送機構によって前記第3位置に搬送された前記第2トレイを複数同時に搬送する第3搬送機構と、
前記第1搬送機構によって搬送されてきた前記第1トレイを前記第1位置において前記第1搬送機構から前記第2搬送機構に渡す第1ロボットと、
前記第2位置において前記第2搬送機構によって搬送されてきた前記第1トレイから前記ワークを取り出す第2ロボットと、
前記第2搬送機構によって搬送されてきた前記第2トレイを前記第3位置において前記第2搬送機構から前記第3搬送機構に渡す第3ロボットと、
を備えることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記第1搬送機構は、複数の前記第1トレイを段積状態で搬送し、
前記第3搬送機構は、複数の前記第2トレイを段積状態で搬送することを特徴とする搬送システム。
【請求項3】
請求項1また2に記載の搬送システムにおいて、
前記第2搬送機構は、前記第1位置、前記第2位置および前記第3位置において、搬送方向と直交する方向に切り欠かかれた開口部をそれぞれ備えた載置部と、前記第2搬送機構の上流側に設けられるとともに、前記搬送方向と直交する方向に前記載置部の外方から内方に突出する第1支持部と、前記第3搬送機構の下流に設けられるとともに、前記搬送方向と直交する方向に前記載置部の外方から内方に突出する第2支持部と、前記第1支持部および前記第2支持部を上下方向および水平方向に移動させる駆動機構と、を備え、
前記第1支持部は、前記駆動機構によって、前記載置部の下方から前記第1位置の前記開口部を通過することで、前記第1位置に載置された前記第1トレイを持ち上げるとともに、前記載置部の上方から前記第2位置の前記開口部を通過することで、前記第2位置に前記第1トレイを載置し、
前記第2支持部は、前記駆動機構によって、前記載置部の下方から前記第2位置の前記開口部を貫通することで、前記第2位置に載置された前記第2トレイを持ち上げるとともに、前記載置部の上方から前記第3位置の前記開口部を貫通することで、前記第3位置に前記第2トレイを載置することを特徴とする搬送システム。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の搬送システムにおいて、
前記第1ロボットは、前記第1位置にある前記第1トレイが前記第2位置に搬送された際に、前記第1位置に前記第1トレイを載置し、
前記第2ロボットは、前記第2位置に前記第1トレイが搬送された際に、前記第1トレイから前記ワークを取り出し、
前記第3ロボットは、前記第3位置に前記第2トレイが搬送された際に、前記第3位置から前記第2トレイを取り出すことを特徴とする搬送システム。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の搬送システムにおいて、
前記第1搬送機構の搬送方向を第1方向とし、前記第3搬送機構の搬送方向を第2方向とすると、
前記第2方向は、前記第1方向の反対方向であることを特徴とする搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネル等の表示パネルを搬送する搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯機器等で使用される液晶表示装置の組立ラインに組み込まれる搬送システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の搬送システムは、表示パネルが収容されたトレイを積み重ねた状態で搬入する搬入コンベアと、トレイが載置される第1トレイステージおよび第2トレイステージと、第1トレイステージおよび第2トレイステージに載置されたトレイから表示パネルを取り出す第1ロボットと、空になったトレイを積み重ねた状態で排出する排出コンベアと、搬入コンベアから第1トレイステージおよび第2トレイステージにトレイを渡すとともに、第1トレイステージおよび第2トレイステージから排出コンベアにトレイを渡す第2ロボットとを備える。
【0003】
特許文献1に記載の搬送システムにおいて、第2ロボットは、搬入コンベアから一方のトレイステージに表示パネルが収容されたトレイを1つ移動させた後、他方のトレイステージから排出コンベアに空になったトレイを1つ渡す。特許文献1に記載の搬送システムでは、2個のトレイステージが設置されているので、他方のトレイステージ上のトレイの交換時にも、一方のトレイステージ上のトレイから液晶パネルを供給することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の搬送システムにおいて、第2ロボットは、表示パネルが収容されたトレイと空になったトレイとを時間をずらして搬送するため、搬送システムのサイクルタイムが長くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、表示パネルが収容されたトレイと空になったトレイとを同時に搬送することで、サイクルタイムを短縮することができる搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の搬送システムは、ワークが収容された第1トレイを複数同時に搬送する第1搬送機構と、前記第1トレイを第1位置から第2位置に搬送すると同時に、前記第2位置で前記第1トレイからワークが取り出された第2トレイを前記第2位置から第3位置に搬送する第2搬送機構と、前記第2搬送機構によって前記第3位置に搬送された前記第2トレイを複数同時に搬送する第3搬送機構と、前記第1搬送機構によって搬送されてきた前記第1トレイを前記第1位置において前記第1搬送機構から前記第2搬送機構に渡す第1ロボットと、前記第2位置において前記第2搬送機構によって搬送されてきた前記第1トレイから前記ワークを取り出す第2ロボットと、前記第2搬送機構によって搬送されてきた前記第2トレイを前記第3位置において前記第2搬送機構から前記第3搬送機構に渡す第3ロボットと、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明において、搬送システムは、ワークが収容された第1トレイおよびワークが取り
出され空になった第2トレイを同時に搬送する第2搬送機構を備える。したがって、第2搬送機構は、第1トレイおよび第2トレイを同時に搬送することができるため、第1ロボットは第1トレイを第1搬送機構から第2搬送機構に渡すと同時に、第3ロボットは第2トレイを第2搬送機構から第3搬送機構に渡すことができる。この結果、搬送システムのサイクルタイムを短縮することができる。
【0009】
本発明において、前記第1搬送機構は、複数の前記第1トレイを段積状態で搬送し、前記第3搬送機構は、複数の前記第2トレイを段積状態で搬送する態様を採用することができる。
【0010】
本発明において、前記第2搬送機構は、前記第1位置、前記第2位置および前記第3位置において、搬送方向と直交する方向に切り欠かかれた開口部をそれぞれ備えた載置部と、前記第2搬送機構の上流側に設けられるとともに、前記搬送方向と直交する方向に前記載置部の外方から内方に突出する第1支持部と、前記第3搬送機構の下流に設けられるとともに、前記搬送方向と直交する方向に前記載置部の外方から内方に突出する第2支持部と、前記第1支持部および前記第2支持部を上下方向および水平方向に移動させる駆動機構と、を備え、前記第1支持部は、前記駆動機構によって、前記載置部の下方から前記第1位置の前記開口部を通過することで、前記第1位置に載置された前記第1トレイを持ち上げるとともに、前記載置部の上方から前記第2位置の前記開口部を通過することで、前記第2位置に前記第1トレイを載置し、前記第2支持部は、前記駆動機構によって、前記載置部の下方から前記第2位置の前記開口部を貫通することで、前記第2位置に載置された前記第2トレイを持ち上げるとともに、前記載置部の上方から前記第3位置の前記開口部を貫通することで、前記第3位置に前記第2トレイを載置することが好ましい。したがって、第1支持部および第2支持部は、駆動部によって、載置部を通過することで、第1トレイおよび第2トレイを移動させることができるため、第3搬送機構の構成を複雑にしなくとも、ワークが収容された第1トレイと、空になった第2トレイを同時に搬送することができる。
【0011】
本発明において、前記第1ロボットは、前記第1位置にある前記第1トレイが前記第2位置に搬送された際に、前記第1位置に前記第1トレイを載置し、前記第2ロボットは、前記第2位置に前記第1トレイが搬送された際に、前記第1トレイから前記ワークを取り出し、前記第3ロボットは、前記第3位置に前記第2トレイが搬送された際に、前記第3位置から前記第2トレイを取り出すことが好ましい。したがって、第1ロボット、第2ロボットおよび第3ロボットは、第2搬送機構の動作に応じて、それぞれ動作するため、搬送システムのサイクルタイムを短縮することができる。
【0012】
本発明において、前記第1搬送機構の搬送方向を第1方向とし、前記第3搬送機構の搬送方向を第2方向とすると、前記第2方向は、前記第1方向の反対方向であることが好ましい。したがって、搬送システムに第1トレイを供給する場所と、搬送システムから第2トレイを排出する場所を同じ位置にすることができるため、作業員による作業の効率が向上する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の搬送システムでは、表示パネルが収容されたトレイと空になったトレイとを同時に搬送することで、サイクルタイムを短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態にかかる搬送システムの平面図である。
【
図5】載置プレートと支持部との関係を示す説明図である。
【
図6】第3搬送機構の動作(ST1~ST4)の説明図である。
【
図7】第3搬送機構の動作(ST5~ST8)の説明図である。
【
図8】他の実施形態にかかる搬送システムの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる搬送システムの平面図である。
図2は、搬送システムの正面図であり、
図2(a)は、
図1のA-A方向から搬送システムを示す正面図であり、
図2(b)は、
図1のB-B方向から搬送システムを示す正面図である。
図3は、搬送システムの側面図である。
図4は、載置プレートと支持部を示す平面図である。
図5は、載置プレートと支持部との関係を示す説明図である。
【0016】
(搬送システムの全体構成)
図1~3において、本形態の搬送システム1は、携帯機器等で使用される小型の液晶ディスプレイの製造ラインに組み込まれて使用される。搬送システム1は、ワークが収容されたトレイ10を搬送し、トレイ10からワークを取り出し、空になったトレイ10を搬送するシステムである。本形態のワークは、表示パネルであり、例えば、液晶パネルや有機ELパネル等である。
【0017】
本形態で用いられるトレイ10は、上方から見ると略長方形の平板状で形成され、プラスチックなどからなる。トレイ10の上面には、表示パネルが収容される凹部が形成されている。トレイ10は複数段に積み重ねることができ、複数段積み重ねた状態で本形態の搬送システム1に供給されるとともに、複数段重ねた状態で本形態の搬送システム1から排出される。ここで、トレイ10については、表示パネルが収容されたトレイ10が第1トレイ10Aであり、表示パネルが取り出されて空になったトレイ10が第2トレイ10Bである。
【0018】
搬送システム1は、表示パネルが収容された第1トレイ10Aを複数同時に搬送する第1搬送機構2と、第1トレイ10Aを第1位置30Aから第2位置30Bに搬送すると同時に、第2位置30Bで第1トレイ10Aから表示パネルが取り出された第2トレイ10Bを第2位置30Bから第3位置30Cに搬送する第3搬送機構4と、第3搬送機構4によって第3位置30Cに搬送された第2トレイ10Bを複数同時に搬送する第2搬送機構3とを備える。また、搬送システム1は、第1搬送機構2によって搬送されてきた第1トレイ10Aを第1位置30Aにおいて第1搬送機構2から第3搬送機構4に渡す第1ロボット5と、第2位置30Bにおいて第3搬送機構4によって搬送されてきた第1トレイ10Aから表示パネルを取り出す第2ロボット6と、第3搬送機構4によって搬送されてきた第2トレイ10Bを第3位置30Cにおいて第3搬送機構4から第2搬送機構3に渡す第3ロボット7とを備える。
【0019】
ここで、第3搬送機構4の延在する方向に沿った軸をY軸とし、上下方向に沿った軸をZ軸とし、Y軸およびZ軸と直交する軸をX軸とする。第3搬送機構4において、トレイ10が搬送される方向をY1方向とし、その反対方向をY2方向とする。上下方向において、上方向をZ1方向とし、下方向をZ2方向とする。X軸方向において、一方をX1方向とし、他方をX2方向とする。X1方向は第1方向であり、X2方向は第2方向である。
【0020】
(第1搬送機構)
図1、
図2(a)、
図3に示すように、第1搬送機構2は、X軸方向に延在し、段積状
態の第1トレイ10AをX1方向(第1方向)に搬送する。第1搬送機構2は、段積状態の第1トレイ10Aを搬送する搬送部21と、排出部22と、段積状態の第1トレイ10Aを搬送部21から排出部22に送り出すキャリッジ28とを備える。排出部22は、搬送部21のX1方向に位置する。排出部22には、搬送部21によって搬送された第1トレイ10Aが載置される。また、第1搬送機構2は、排出部22に段積状態の第1トレイ10Aから最上段の第1トレイ10Aだけを分離する分離部29を備える。分離部29により分離された最上段の第1トレイ10Aは、第1ロボット5により取り出される。
【0021】
搬送部21は、X軸方向に延在しており、ローラコンベアなどからなる。搬送部21のY方向の両端にはローラ部211が設けられ、搬送部21のY方向の中央部分は開口している。搬送部21は、X1の端部で供給された第1トレイ10AをX2方向に搬送する。搬送部21は、トレイストッパ25を備える。トレイストッパ25は、仕切り板251と、仕切り板251をY軸方向に移動させるシリンダ252とを備える。搬送部21には、フォトセンサなどのトレイ検出センサ26が3つ設けられており、トレイ検出センサ26は第1トレイ10Aの位置を検知する。
【0022】
排出部22は、第1トレイ10Aが載置される載置部23と、載置部23を上下方向に移動させる位置調整部24とを備える。排出部22は、載置部23に載置された第1トレイ10Aの最上段の第1トレイ10Aを検出するトレイ検出センサ27を備える。載置部23は、Y軸方向に延びる基部231の両端からX2方向に延びる支持部232を備える。載置部23には、基部231および支持部232で囲まれた開口部233が設けられている。位置調整部24は、載置部23を上下方向に移動させる。トレイ検出センサ27はフォトセンサなどである。
【0023】
位置調整部24は、トレイ検出センサ27が検出する最上段の第1トレイ10Aの位置に応じて、載置部23を上下に移動させる。具体的には、分離部29により分離された最上段の第1トレイ10Aが第1ロボット5により取り出されると、トレイ検出センサ27は最上段から第1トレイ10Aが取り出されたことを検出する。位置調整部24は、トレイ検出センサ27の検出結果に基づいて、載置部23を上方に移動させる。載置部23が上方に移動させることで、第1トレイ10Aが所定の位置に到達すると、トレイ検出センサ27は、第1トレイ10Aが所定の位置に達したことを検知する。位置調整部24は、検出結果に基づいて、載置部23の移動を停止する。分離部29は段積状態の第1トレイ10Aから最上段の第1トレイ10Aだけを分離する。なお、全ての第1トレイ10Aが載置部23より取り出されると、位置調整部24が載置部23を上方に移動させても、トレイ検出センサ27は第1トレイ10Aを検出することができない。この場合、位置調整部24は、載置部23を下方に移動させ、載置部23には搬送部21から新たな第1トレイ10Aが供給される。
【0024】
キャリッジ28は、第1トレイ10Aが載置されるステージ281と、ステージ281をX方向に移動させる駆動部282と、駆動部282を介してステージ281を上下方向に移動させるリフト283とを備える。ステージ281は、X方向の両端から上方に向かって突出するガイド部284を備える。ステージ281のY軸方向の幅は、載置部23の開口部233のY方向の幅および搬送部21の中央部分の開口のY方向の幅より狭い。したがって、ステージ281は、載置部23の開口部233および搬送部21の中央部分の開口を上下方向に通過することが可能な大きさである。
【0025】
対向するガイド部284のX方向の幅は、第1トレイ10Aの幅より僅かに大きい。すなわち、ステージ281には、ガイド部284で位置決めされた状態で、第1トレイ10Aが載置される。駆動部282は、載置部23の開口部233およびステージ281が上下方向に重なる位置から、搬送部21の中央部分の開口およびステージ281が上下方向
で重なる位置まで、ステージ281を移動させる。
【0026】
ここで、キャリッジ28の動きについて具体的に説明する。
図2(a)に示すように、先ず、初期状態では、ステージ281は、搬送部21の中央部分の開口の下方において、上下方向で重なった位置28Aに位置する。載置部23に載置された第1トレイ10Aがなくなると、位置調整部24は、載置部23を下方に移動させる。次に、リフト283はステージ281を上方に移動させるとともに、下流のシリンダ252Aが仕切り板251AをY1方向に移動させる。これにより、ステージ281は載置部23の開口を通過するため、ステージ281には段積状態の第1トレイ10Aが載置される。そして、駆動部282は、ステージ281をX2方向に移動させ、下流のトレイ検出センサ26Aが第1トレイ10Aの到達を検出すると、キャリッジ28はステージ281の移動を停止する。
【0027】
このとき、ステージ281は、載置部23より上方に位置する。下流のトレイ検出センサ26Aが第1トレイ10Aを検知すると、リフト283は、ステージ281を載置部23より下方の位置28Bに移動させる。これにより、ステージ281に載置されていた第1トレイ10Aは、載置部23に載置される。そして、ステージ281が初期状態の位置28Aに位置すると、下流のトレイストッパ25Aは、仕切り板251AをY2方向に移動させ、上流のシリンダ252Bは、仕切り板251BをY1方向に移動させる。そして、搬送部21は、別の第1トレイ10Aの搬送を再開する。上流のトレイ検出センサ26Bが別の第1トレイ10Aの通過を検出すると、上流のシリンダ252Bは、仕切り板251BをY2方向に移動させる。中流のトレイ検出センサ26Cが別の第1トレイ10Aの到達を検出すると、搬送部21は、別の第1トレイ10Aを搬送することを停止する。
【0028】
(第2搬送機構)
図1、
図3に示すように、第2搬送機構3は、第1搬送機構2と第3搬送機構4との間に位置する。第2搬送機構3は、Y軸方向に延在し、トレイ10をY1方向に搬送する。トレイ10が載置される載置部31と、トレイ10を搬送する送り機構32とを備える。載置部31は、3つの載置プレート33を備える。3つの載置プレート33は同一形状であって、金属製の板からなる。
図4(a)に示すように、載置プレート33は、搬送方向(Y1方向)と直交するX2方向に切り欠かかれた2つの開口部331を備える。載置プレート33は、上方に向かって突出するガイドピン332と、トレイ10を吸着するための吸着孔333とを複数備える。ガイドピン332は、載置プレート33にトレイ10が載置された際に、トレイ10を位置決めする。載置プレート33にトレイ10が載置された際に、吸着孔333から空気を吸引することで、トレイ10が載置プレート33に固定される。
【0029】
3つの載置プレート33は、Y1方向に向かって順に、第1載置プレート33Aと、第2載置プレート33Bと、第3載置プレート33Cとで構成される。第1載置プレート33A、第2載置プレート33Bおよび第3載置プレート33Cは、Y方向で等間隔に並んでいる。第1載置プレート33Aは、第1ロボット5により、第1トレイ10Aが載置される第1位置40Aに位置する。第2載置プレート33Bは、第2ロボット6により、第1トレイから表示パネルを取り出す第2位置30Bに位置する。第3載置プレート33Cは、第3ロボット7により、第2トレイ10Bが取り出される第3位置30Cに位置する。
【0030】
送り機構32は、トレイ10を支持する支持部35と、支持部35を移動させる駆動機構36とを備える。支持部35は、第1支持部35Aと第2支持部35Bとを備える。
図1に示すように、第1支持部35Aと第2支持部35Bは、搬送方向(Y1方向)と直交するX2方向に載置部31の外側から内側に突出する。第1支持部35Aと第2支持部35Bは、連結部材350により連結している。
【0031】
第1支持部35Aと第2支持部35Bは、同一形状であって、金属製の支持プレート37からなる。
図4(b)に示すように、支持プレート37は、2つの突出部371を備える。突出部371は、開口部331に対応する形状であり、開口部331より僅かに小さい形状である。すなわち、突出部371は、開口部331を上下方向に通過することが可能な大きさである。支持プレート37は、上方に向かって突出するガイドピン372を複数備える。ガイドピン372は、載置部31から支持プレート37がトレイ10を持ち上げた際に、トレイ10を位置決めする。
【0032】
駆動機構36は、支持部35をY方向に移動させる第1駆動部361と、第1駆動部361を介して支持部を上下方向に移動させる第2駆動部362とを備える。第1駆動部361は、電動スライダなどからなる。第1駆動部361は、支持部35の連結部材350と繋がっている。第2駆動部362は、電動シリンダなどからなり、第1駆動部361の下方に位置して、第1駆動部361を上下方向に移動させる。
【0033】
図5(a)に示すように、第1支持部35Aと第2支持部35BとのY方向の間隔は、第1載置プレート33Aと第2載置プレート33BとのY方向の間隔と同じである。同様に、
図5(b)に示すように、第2載置プレート33Bと第3載置プレート33CとのY方向の間隔とも同じである。したがって、後述するように、第1支持部35Aと第2支持部35Bは、第1載置プレート33Aに載置された第1トレイ10Aおよび第2載置プレート33Bに載置された第2トレイ10Bを下方から持ち上げることができる。同様に、第1支持部35Aと第2支持部35Bは、第1トレイ10Aを第2載置プレート33Bおよび第2トレイ10Bを第3載置プレート33Cに載置することができる。
【0034】
より具体的には、第1支持部35Aは、駆動機構36によって、第1載置プレート33Aの下方から第1載置プレート33Aの開口部331を通過することで、第1載置プレート33Aに載置された第1トレイ10Aを持ち上げることができる。また、第1支持部35Aは、駆動機構36によって、第2載置プレート33Bの上方から第2載置プレート33Bの開口部331を通過することで、第2載置プレート33Bに第1トレイ10Aを載置することができる。
【0035】
同様に、第2支持部35Bは、駆動機構36によって、第2載置プレート33Bの下方から第2載置プレート33Bの開口部331を通過することで、第2載置プレート33Bに載置された第2トレイ10Bを持ち上げることができる。また、第2支持部35Bは、駆動機構36によって、第3載置プレート33Cの上方から第3載置プレート33Cの開口部331を通過することで、第3載置プレート33Cに第2トレイ10Bを載置することができる。
【0036】
(第3搬送機構)
図1、
図2(b)、
図3に示すように、第3搬送機構4は、X軸方向に延在し、段積状態の第2トレイ10BをX2方向(第2方向)に搬送する。第3搬送機構4は、第1搬送機構2と同じ方向に延在する。第3搬送機構4のX2方向の端部は、第1搬送機構2のX2方向の端部と同じ位置まで延びている。このため、搬送システム1に対するトレイ10の供給位置と排出位置を同じにすることができる。
【0037】
第3搬送機構4は、搬入部41と、段積状態の第2トレイ10Bを搬送する搬送部42と、搬入部41から搬送部42に段積状態の第2トレイ10Bを送り出すキャリッジ43とを備える。搬入部41は、搬送部42のX1方向に位置する。搬入部41には、第2搬送機構3から第3ロボット7により取り出された第2トレイ10Bが載置され、積み重ねられる。
【0038】
搬入部41は、第2トレイ10Bが載置される載置部44と、載置部44を上下方向に移動させる位置調整部45とを備える。搬入部41は、載置部44に載置された第2トレイ10Bの最上段の第2トレイ10Bを検出するトレイ検出センサ491を備える。載置部44は、Y軸方向に延びる基部441の両端からX2方向に延びる支持部442を備える。また、載置部44には、基部441および支持部442で囲まれた開口部443が設けられている。位置調整部45は、載置部44を上下方向に移動させる。トレイ検出センサ491はフォトセンサなどである。
【0039】
位置調整部45は、トレイ検出センサ491が検出する最上段の第2トレイ10Bの位置に応じて、載置部44を上下に移動させる。具体的に説明すると、先ず載置部44は上方に位置する。載置部44に第2トレイ10Bが第3ロボット7によって載置されると、トレイ検出センサ491は第2トレイ10Bが載置されたことを検出する。位置調整部45は、検出結果に基づいて載置部44を下方に移動させる。トレイ検出センサ491が第2トレイ10Bを検出しない位置まで載置部44が移動されると、位置調整部45は載置部44の移動を停止する。載置部44が下方の所定の位置まで移動し、トレイ検出センサ491が第2トレイ10Bを検知すると、載置部44には所定の枚数の第2トレイ10Bが段積状態となる。このような状態になると、キャリッジ43によって、載置部44から搬送部42に段積状態の第2トレイ10Bが送り出される。
【0040】
搬送部42は、X軸方向に延在しており、ローラコンベアなどからなる。搬送部42のY方向の両端にはローラ部421が設けられ、Y軸方向の中央部分は開口している。搬送部42は、X1方向の端部で供給された第2トレイ10BをX2方向に搬送する。搬送部42には、フォトセンサなどのトレイ検出センサ493、494が2つ設けられている。トレイ検出センサ493は、搬送部42で搬送される第2トレイ10Bの搬送位置を検出し、搬送部42はトレイ検出センサ493の検出結果に基づいて第2トレイ10Bの搬送を停止する。具体的には、キャリッジ43により、第2トレイ10Bが搬送部42に載置されると、搬送部42は第2トレイ10Bの搬送を開始する。そして、トレイ検出センサ493が第2トレイ10Bを検出すると、搬送部42は第2トレイ10Bの搬送を停止する。トレイ検出センサ494は、後述するように、キャリッジ43の制御に用いられる。
【0041】
キャリッジ43は、第2トレイ10Bが載置されるステージ431と、ステージ431をX方向に移動させる駆動部432と、駆動部432を介してステージ431を上下方向に移動させるリフト433とを備える。ステージ431は、X方向の両端から上方に向かって突出するガイド部434を備える。ステージ431のY軸方向の幅は、載置部44の開口部443のY軸方向の幅および搬送部42の中央部分の開口のY軸方向の幅より狭い。したがって、ステージ431は、載置部44の開口部443および搬送部42の中央部分の開口を上下方向に通過することが可能な大きさである。
【0042】
対向するガイド部434のX軸方向の幅は、第2トレイ10Bの幅より僅かに大きい。すなわち、ステージ431には、ガイド部434で位置決めされた状態で、第2トレイ10Bが載置される。駆動部432は、載置部44の開口部443およびステージ431が上下方向に重なる位置から、搬送部42の中央部分の開口およびステージ431が上下方向で重なる位置まで、ステージ431を移動させる。
【0043】
ここで、キャリッジ43の動きを具体的に説明する。
図2(b)に示すように、先ず、初期状態では、ステージ431は、載置部44の開口部443の下方において、上下方向で重なった位置に位置43Aする。載置部44に所定の枚数の第2トレイ10Bが段積状態となると、リフト433はステージ431を上方に移動させる。その際、ステージ431は載置部44の開口部443を通過するため、ステージ431には段積状態の第2トレ
イ10Bが載置される。そして、駆動部432は、トレイ検出センサ494で第2トレイ10Bが検知されるまで、ステージ431をX2方向に移動させる。このとき、ステージ431は、搬送部42より上方に位置する。トレイ検出センサ494で第2トレイ10Bが検知されると、リフト433は、ステージ431を搬送部42より下方の位置43Bに移動させる。このとき、ステージ431に載置されていた第2トレイ10Bは、搬送部42に載置される。そして、ステージ431が初期状態の位置43Aに位置すると、搬送部42は第2トレイ10Bの搬送を開始する。
【0044】
(第1ロボット)
図1、
図2(a)、
図3に示すように、第1ロボット5は、第1トレイ10Aを把持する把持部51と、把持部51を移動させる駆動部52とを備える。把持部51は、複数の吸着部511を備える。吸着部511が第1トレイ10Aを吸着することで、把持部51は第1トレイ10Aを把持する。駆動部52は、把持部51を上下方向に移動させるZ軸駆動部521と、Z軸駆動部521を介して把持部51をX方向に移動させるX軸駆動部522とを備える。Z軸駆動部521およびX軸駆動部522は電動シリンダなどからなる。Z軸駆動部521およびX軸駆動部522により把持部51を移動させることで、第1ロボット5は、第1搬送機構2の載置部23から第1トレイ10Aを取り出し、第2搬送機構3の第1載置プレート33Aに第1トレイ10Aを載置する。
【0045】
(第2ロボット)
図1、
図2、
図3に示すように、第2ロボット6は、第1トレイ10Aから表示パネルを把持する把持部61と、把持部61を移動させる駆動部62とを備える。把持部61は、複数の吸着部611を備える。吸着部611が表示パネルを吸着する。駆動部62は、把持部61を上下方向に移動させるZ軸駆動部621と、Z軸駆動部621を介して把持部61をX方向に移動させるX軸駆動部622とを備える。Z軸駆動部621およびX軸駆動部622は電動シリンダなどからなる。送り機構32によって、第1トレイ10Aが第2載置プレート33Bに載置されると、第2ロボット6は、Z軸駆動部621およびX軸駆動部622を駆動して把持部61を動かすことで、第1トレイ10Aに収容された表示パネルを取り出し、表示パネルを次工程へ移動させる。
【0046】
(第3ロボット)
図1、
図2(b)、
図3に示すように、第3ロボット7は、第2トレイ10Bを把持する把持部71と、把持部71を移動させる駆動部72とを備える。把持部71は、複数の吸着部711を備え、吸着部711が第2トレイ10Bを吸着することで、把持部71は第2トレイ10Bを把持する。駆動部72は、把持部71を上下方向に移動させるZ軸駆動部721と、Z軸駆動部721を介して把持部71をX方向に移動させるX軸駆動部722とを備える。Z軸駆動部721およびX軸駆動部722は電動シリンダなどからなる。送り機構32によって、第2トレイ10Bが第3載置プレート33Cに載置されると、第3ロボット7は、Z軸駆動部721およびX軸駆動部722を駆動して把持部71を動かすことで、第3載置プレート33Cから第2トレイ10Bを取り出し、載置部44に第2トレイ10Bを載置する。
【0047】
(第2搬送機構3の動作)
次に第2搬送機構3の動作について、
図6を用いて説明する。
図6は、第2搬送機構の動作(ST1~ST4)の説明図である。
図7は、第2搬送機構の動作(ST5~ST8)の説明図である。なお、
図6、
図7において、第1駆動部361、第2駆動部362および連結部材350は省略してある。
【0048】
図6の工程ST1に示すように、第1支持部35Aおよび第2支持部35Bは、第1載置プレート33A(第1位置30A)および第2載置プレート33B(第2位置30B)
の下方に位置する。そして、第1ロボット5は、載置部23から第1トレイ10Aを取り出し、第1載置プレート33Aに、第1トレイ10Aを載置する。第1トレイ10Aには、表示パネル100が収容されている。
【0049】
工程ST2で示すように、第1支持部35Aおよび第2支持部35Bは、第2駆動部362によって、第1載置プレート33Aおよび第2載置プレート33Bの下方から上方に移動する。このとき、第1支持部35Aは、第1載置プレート33Aの下方から第1載置プレート33Aの開口部331を通過することで、第1載置プレート33Aに載置された第1トレイ10Aを持ち上げる。また、第2支持部35Bは、第2載置プレート33Bの下方から第2載置プレート33Bの開口部331を通過する。
【0050】
工程ST3に示すように、第1支持部35Aおよび第2支持部35Bは、第1駆動部361によって、Y1方向に移動することで、第2載置プレート33Bおよび第3載置プレート33C(第3位置30C)の上方に位置する。工程ST4に示すように、第1支持部35Aおよび第2支持部35Bは、第2駆動部362によって、第2載置プレート33Bおよび第3載置プレート33Cの上方から下方に移動する。このとき、第1支持部35Aは、第2載置プレート33Bの上方から第2載置プレート33Bの開口部331を通過することで、第2載置プレート33Bに第1トレイ10Aを載置する。また、第2支持部35Bは、第3載置プレート33Cの上方から第3載置プレート33Cの開口部331を通過する。
【0051】
図7の工程ST5に示すように、第1支持部35Aおよび第2支持部35Bは、第1駆動部361によって、Y2方向に移動し、第1載置プレート33Aおよび第2載置プレート33Bの下方に位置する。工程ST6に示すように、第1支持部35Aおよび第2支持部35Bは、第2駆動部362によって、第1載置プレート33Aおよび第2載置プレート33Bの下方から上方に移動する。このとき、第1支持部35Aは、第1載置プレート33Aの下方から第1載置プレート33Aの開口部331を通過することで、第1載置プレート33Aに載置された第1トレイ10Aを持ち上げる。また、第2支持部35Bは、第2載置プレート33Bの下方から第2載置プレート33Bの開口部331を通過することで、第2載置プレート33Bに載置された第2トレイ10Bを持ち上げる。
【0052】
工程ST7に示すように、第1支持部35Aおよび第2支持部35Bは、第1駆動部361によって、Y1方向に移動する。工程ST8に示すように、第1支持部35Aおよび第2支持部35Bは、第2駆動部362によって、第1載置プレート33Aおよび第2載置プレート33Bの上方から下方に移動する。このとき、第1支持部35Aは、第2載置プレート33Bの上方から第2載置プレート33Bの開口部331を通過することで、第2載置プレート33Bに第1トレイ10Aを載置する。また、第2支持部35Bは、第3載置プレート33Cの上方から第3載置プレート33Cの開口部331を通過することで、第3載置プレート33Cに第2トレイ10Bを載置する。第2搬送機構3は、工程ST5~工程ST8を繰り返すことで、第1トレイ10Aを第1位置30Aから第2位置30Bに搬送すると同時に、第2位置30Bで第1トレイ10Aから表示パネルが取り出された第2トレイ10Bを第2位置30Bから第3位置30Cに搬送する。
【0053】
ここで、工程ST4および工程ST8では、第1載置プレート33Aから第2載置プレート33Bに第1トレイ10Aが搬送された際、第1ロボット5は、載置部23から第1トレイ10Aを取り出し、第1載置プレート33Aに第1トレイ10Aを載置する。工程ST4および工程ST8では、第1載置プレート33Aから第2載置プレート33Bに第1トレイ10Aが搬送された際、第2ロボット6は、第1トレイ10Aに収容された表示パネル100を取り出し、表示パネル100を次工程へ移動させる。工程ST8では、第2載置プレート33Bから第3載置プレート33Cに第2トレイ10Bが搬送された際、
第3ロボット7は、第3載置プレート33Cから第2トレイ10Bを取り出し、載置部44に第2トレイ10Bを載置する。
【0054】
(本形態の主な効果)
本形態の搬送システム1は、表示パネル100が収容された第1トレイ10Aを複数同時に搬送する第1搬送機構2と、第1トレイ10Aを第1位置30Aから第2位置30Bに搬送すると同時に、第2位置30Bで第1トレイ10Aから表示パネル100が取り出された第2トレイ10Bを第2位置30Bから第3位置30Cに搬送する第3搬送機構4と、第2搬送機構3によって第3位置30Cに搬送された第2トレイ10Bを複数同時に搬送する第3搬送機構4とを備える。また、搬送システム1は、第1搬送機構2によって搬送されてきた第1トレイ10Aを第1位置30Aにおいて第1搬送機構2から第2搬送機構3に渡す第1ロボット5と、第2位置30Bにおいて第2搬送機構3によって搬送されてきた第1トレイ10Aから表示パネル100を取り出す第2ロボット6と、第2搬送機構3によって搬送されてきた第2トレイ10Bを第3位置30Cにおいて第2搬送機構3から第3搬送機構4に渡す第3ロボット7と、を備える。したがって、第2搬送機構3は、第1トレイ10Aおよび第2トレイ10Bを同時に搬送することができるため、第1ロボット5は第1トレイ10Aを、第1搬送機構2から第2搬送機構3に渡すことができると同時に、第3ロボット7は第2トレイ10Bを第2搬送機構3から第3搬送機構4に渡すことができる。この結果、搬送システム1のサイクルタイムを短縮することができる。
【0055】
本形態では、第1搬送機構2は、複数の第1トレイ10Aを段積状態で搬送し、第3搬送機構4は、複数の第2トレイ10Bを段積状態で搬送する。このようにすれば、第1搬送機構2により1枚ずつ第1トレイ10Aが搬送される構成と比べて、第1ロボット5が、第1搬送機構2から第2搬送機構3に第1トレイ10Aを渡す時間を短縮することができる。同様に、第3搬送機構4により1枚ずつ第2トレイ10Bが搬送される構成と比べて、第3ロボット7が、第2搬送機構3から第3搬送機構4に第2トレイ10Bを渡す時間を短縮することができる。
【0056】
本形態では、第2搬送機構3は、第1位置30A、第2位置30Bおよび第3位置30Cにおいて、搬送方向と直交するX2方向に切り欠かかれた開口部331をそれぞれ備えた載置部31と、第2搬送機構3の上流側に設けられるとともに、搬送方向と直交するX2方向に載置部31の外方から内方に突出する第1支持部35Aと、第2搬送機構3の下流に設けられるとともに、搬送方向と直交するX2方向に載置部の外方から内方に突出する第2支持部35Bと、第1支持部35Aおよび第2支持部35Bを上下方向および水平方向に移動させる駆動機構36と、を備える。本形態では、第1支持部35Aは、駆動機構36によって、載置部31の下方から第1位置30Aの開口部331を通過することで、第1位置30Aに載置された第1トレイ10Aを持ち上げるとともに、載置部31の上方から第2位置30Bの開口部331を通過することで、第2位置30Bに第1トレイ10Aを載置し、第2支持部35Bは、駆動機構36によって、載置部31の下方から第2位置30Bの開口部331を貫通することで、第2位置30Bに載置された第2トレイ10Bを持ち上げるとともに、載置部31の上方から第3位置30Cの開口部331を貫通することで、第3位置30Cに第2トレイ10Bを載置する。したがって、第1支持部35Aおよび第2支持部35Bは、駆動機構36によって、載置部31を通過することで、第1トレイ10Aおよび第2トレイ10Bを移動させることができるため、第2搬送機構3の構成を複雑にしなくとも、表示パネル100が収容された第1トレイ10Aと、空になった第2トレイ10Bを同時に搬送することができる。
【0057】
本形態では、第1ロボット5は、第1位置30Aにある第1トレイ10Aが第2位置30Bに搬送された際に、第1位置30Aに第1トレイ10Aを載置し、第2ロボット6は
、第2位置30Bに第1トレイ10Aが搬送された際に、第1トレイ10Aから表示パネル100を取り出し、第3ロボット7は、第3位置30Cに第2トレイ10Bが搬送された際に、第3位置30Cから第2トレイ10Bを取り出す。したがって、第1ロボット5、第2ロボット6および第3ロボット7は、第2搬送機構3の動作に応じて、それぞれ動作するため、搬送システム1のサイクルタイムを短縮することができる。
【0058】
本形態では、第1搬送機構2の搬送方向を第1方向(X1方向)とし、第3搬送機構4の搬送方向を第2方向(X2方向)とすると、第2方向(X2方向)は、第1方向(X1方向)の反対方向である。したがって、搬送システム1に第1トレイ10Aを供給する場所と、搬送システム1から第2トレイ10Bを排出する場所を同じ位置にすることができるため、作業員による作業の効率が向上する。
【0059】
(他の実施形態)
上記の形態では、第1搬送機構2および第3搬送機構4は、第2搬送機構3の搬送方向X1に対して、直交する方向に延在したが、この形態に限定されない。
図8に示すように、第1搬送機構2および第3搬送機構4は、第2搬送機構3の搬送方向X1に延在する構成であってもよい。すなわち、第1搬送機構2および第3搬送機構4の搬送方向は、第2搬送機構3の搬送方向X1と同じ方向であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…搬送システム、2…第1搬送機構、3…第2搬送機構、4…第3搬送機構、5…第1ロボット、6…第2ロボット、7…第3ロボット、10…トレイ、10A…第1トレイ、10B…第2トレイ、21…搬送部、22…排出部、23…載置部、24…位置調整部、25、25A、25B…トレイストッパ、26、26A、26B、26C…トレイ検出センサ、27…トレイ検出センサ、28…キャリッジ、29…分離部、30A…第1位置、30B…第2位置、30C…第3位置、31…載置部、32…送り機構、33…載置プレート、33A…第1載置プレート、33B…第2載置プレート、33C…第3載置プレート、35…支持部、35A…第1支持部、35B…第2支持部、36…駆動機構、37…支持プレート、41…搬入部、42…搬送部、43…キャリッジ、44…載置部、45…位置調整部、51…把持部、52…駆動部、61…把持部、62…駆動部、71…把持部、72…駆動部、100…表示パネル、211…ローラ部、231…基部、232…支持部、233…開口部、251、251A、251B…仕切り板、252…シリンダ、281…ステージ、282…駆動部、283…リフト、284…ガイド部、331…開口部、332…ガイドピン、333…吸着孔、350…連結部材、361…第1駆動部、362…第2駆動部、371…突出部、372…ガイドピン、421…ローラ部、431…ステージ、432…駆動部、433…リフト、434…ガイド部、441…基部、442…支持部、443…開口部、491…トレイ検出センサ、493…トレイ検出センサ、494…トレイ検出センサ、511…吸着部、521…Z軸駆動部、522…X軸駆動部、611…吸着部、621…Z軸駆動部、622…X軸駆動部、711…吸着部、721…Z軸駆動部、722…X軸駆動部