(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】耐熱樋の設置方法
(51)【国際特許分類】
F27D 3/14 20060101AFI20240213BHJP
B22D 35/00 20060101ALI20240213BHJP
C22B 23/02 20060101ALN20240213BHJP
E04G 11/20 20060101ALN20240213BHJP
【FI】
F27D3/14 A
B22D35/00 G
C22B23/02
E04G11/20
(21)【出願番号】P 2020089977
(22)【出願日】2020-05-22
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】593213342
【氏名又は名称】株式会社日向製錬所
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】鶴川 和也
【審査官】櫻井 雄介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-183201(JP,A)
【文献】特開2014-206303(JP,A)
【文献】特開平11-189830(JP,A)
【文献】特表2015-510099(JP,A)
【文献】特開2005-104131(JP,A)
【文献】特表2013-525114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D 3/14
B22D 35/00
C22B 23/02
E04G 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属熔体流路として用いる耐熱樋の設置方法であって、
前記耐熱樋は金属溝状部を有し、
前記金属溝状部の設置位置を決定する第1の工程と、
前記設置位置に前記金属溝状部を固定する第2の工程と、が行われ、
前記第1の工程においては、前記金属溝状部と同一の外縁形状を有し該金属溝状部よりも重量は小さい、軽量仮溝状部を仮配置して、該軽量仮溝状部の位置を調整する作業によって前記設置位置を決定し、
前記第2の工程においては、前記第1の工程において決定された前記設置位置に、前記金属溝状部を配置して、固定する、
耐熱樋の設置方法。
【請求項2】
前記耐熱樋は、前記金属溝状部の内面に設けられている耐熱内張部を有し、
前記第1の工程においては、前記耐熱内張部を前記軽量仮溝状部の内周面上に仮配置した状態で、前記設置位置を決定する、
請求項1に記載の耐熱樋の設置方法。
【請求項3】
前記第1の工程においては、前記耐熱内張部に代えて、前記耐熱内張部と同一の外縁形状を有し該耐熱内張部よりも重量は小さい、軽量仮内張部を前記軽量仮溝状部の内周面上に仮配置する、
請求項2に記載の耐熱樋の設置方法。
【請求項4】
前記金属溝状部は、金属熔体の流路方向に沿って内部を貫通する内部冷水路を有する、
請求項1から3の何れかに記載の耐熱樋の設置方法。
【請求項5】
前記金属溝状部が銅であり、前記軽量仮溝状部が鋼である、
請求項1から4の何れかに記載の耐熱樋の設置方法。
【請求項6】
前記耐熱内張部がカーボンである、
請求項2又は3に記載の耐熱樋の設置方法。
【請求項7】
前記軽量仮内張部が樹脂又は木材である、
請求項3に記載の耐熱樋の設置方法。
【請求項8】
複数の耐熱樋を接続して金属熔体流路を形成する方法であって、
各々の前記耐熱樋が、請求項1から7の何れかに記載の設置方法によって設置される、
金属熔体流路の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェロニッケル製錬等の金属製錬において、高温の金属熔体を流送する金属熔体用の樋である、耐熱樋の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェロニッケルの乾式製錬法における代表的な製造プロセスであるエルケム法では、原料としてのニッケル鉱石を電気炉に供給して熔融還元し、目的金属であるNi及びFeをFe-Ni合金である粗フェロニッケル(メタルとも称する)として回収すると共に、それ以外のMgOやSiO2等の成分を融点1500℃以上のMgO-SiO2-FeO系スラグとして抜き出している。
【0003】
このようなエルケム法による乾式製錬法で処理されるニッケル鉱石の代表的な組成は、Ni品位2%程度、Fe品位22%程度、MgO品位16%程度、SiO2品位35%程度である。このように、目的金属であるNi品位が2%程度であるのに対してSiO2とMgOの合計は50%以上を占めているため、エルケム法によるフェロニッケル製錬の特徴としては、粗フェロニッケルに対して約8倍の量のスラグが熔融状態で大量に抜き出されることが挙げられる。
【0004】
エルケム法による乾式製錬法においては、上記のスラグは、電気炉内の出滓口からバッチ的に抜き出され、1500℃~1650℃程度の熔融スラグが、熔体のまま次工程を行うスラグ水砕設備に送られる。よって、電気炉の出滓口とスラグ水砕設備との間を結ぶ金属熔体流路には、上記の高温に耐え得るだけの極めて高い耐熱性が求められる。
【0005】
このように極めて高い耐熱性が求められる金属熔体流路として、冷却水を流通させる流路を備えた銅ブロックを樋状に組み立てた耐熱性樋からなる金属熔体流路(特許文献1)や、或いは、冷却水用の流路を備えた銅ブロックを樋状に組み立て、その内側に角型のカーボンブロックを内張りした耐熱樋からなる金属熔体流路(特許文献2、3)が開示されている。尚、
【0006】
上述の金属熔体流路は、何れも熔融スラグ等の金属熔体を、下流側に安全且つ速やかに流すために耐熱樋を適切な傾斜で設置する必要がある。又、複数の樋部材を連結して流路を形成する場合も多く(
図4参照)、この場合は、特に各樋部材の位置合わせについて高い精度が求められる。
【0007】
しかしながら、耐熱性を担保するための金属製の樋部材は重量が大きいため設置作業時における厳密な位置合わせが難しく、又、設置作業後の最終確認時に僅かな位置ずれが見つかった場合に、重量のかさむ金属ブロックを排除して再度置き直すことを余儀なくされるため、設置作業員の作業負担が大きかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平11-189831号公報
【文献】特開平11-189830号公報
【文献】特開2015-183201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、例えば、フェロニッケルの乾式製錬法において出滓される1500℃以上の高温の熔融スラグを流す金属熔体流路を構成する耐熱樋の設置作業を、より容易に効率よく行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上述の耐熱樋の設置作業において、耐熱樋を構成する重量の嵩む金属溝状部と同一の外縁形状を有する軽量仮溝状部を仮配置する工程を経ることによって、上記作業を、より容易に効率よく行えるようにすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0011】
(1) 金属熔体流路として用いる耐熱樋の設置方法であって、前記耐熱樋は金属溝状部を有し、前記金属溝状部の設置位置を決定する第1の工程と、前記設置位置に前記金属溝状部を固定する第2の工程と、が行われ、前記第1の工程においては、前記金属溝状部と同一の外縁形状を有し該金属溝状部よりも重量は小さい、軽量仮溝状部を仮配置して、該軽量仮溝状部の位置を調整する作業によって前記設置位置を決定し、前記第2の工程においては、前記第1の工程において決定された前記設置位置に、前記金属溝状部を配置して、固定する、耐熱樋の設置方法。
【0012】
(2) 前記耐熱樋は、前記金属溝状部の内面に設けられている耐熱内張部を有し、前記第1の工程においては、前記耐熱内張部を前記軽量仮溝状部の内周面上に仮配置した状態で、前記設置位置を決定する、(1)に記載の耐熱樋の設置方法。
【0013】
(3) 前記第1の工程においては、前記耐熱内張部に代えて、前記耐熱内張部と同一の外縁形状を有し該耐熱内張部よりも重量は小さい、軽量仮内張部を前記軽量仮溝状部の内周面上に仮配置する、(2)に記載の耐熱樋の設置方法。
【0014】
(4) 前記金属溝状部は、金属熔体の流路方向に沿って内部を貫通する内部冷水路を有する、(1)から(3)の何れかに記載の耐熱樋の設置方法。
【0015】
(5) 前記金属溝状部が銅であり、前記軽量仮溝状部が鋼である、(1)から(4)の何れかに記載の耐熱樋の設置方法。
【0016】
(6) 前記耐熱内張部がカーボンである、(2)又は(3)のに記載の耐熱樋の設置方法。
【0017】
(7) 前記軽量仮内張部が樹脂又は木材である、(6)に記載の耐熱樋の設置方法。
【0018】
(8) 複数の耐熱樋を接続して金属熔体流路を形成する方法であって、各々の前記耐熱樋が、(1)から(7)の何れかに記載の設置方法によって設置される、金属熔体流路の形成方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、例えば、フェロニッケルの乾式製錬法において出滓される1500℃以上の高温の熔融スラグを流す金属熔体流路を構成する耐熱樋の設置作業を、より容易に効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る耐熱樋の全体構造の説明に供する斜視図である。
【
図2】本発明の耐熱樋の設置方法による耐熱樋の設置態様の一例を示す耐熱樋(設置状態)の正断面図である。
【
図3】本発明の耐熱樋の設置方法において用いる軽量仮溝状部の斜視図である。
【
図4】本発明の耐熱樋の設置方法を用いて形成される金属熔体流路の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、先ず、本発明の耐熱樋の設置方法及び金属熔体流路の設置方法に用いることができる、耐熱樋及び当該設置方法によって形成することができる金属熔体流路の基本的な構造等について説明する。この金属熔体流路は、上述したフェロニッケル製錬において電気炉から抜き出される熔融スラグを、次工程を行う設備に流送するための金属熔体流路(所謂「スラグ樋」)を、その代表的な実施形態の一例として挙げることができるものである。但し、本発明は、必ずしも上記用途に限らず、高温の金属熔体を流送するための金属熔体流路全般に広く適用することができる。
【0022】
<金属熔体流路>
本発明に係る金属熔体流路100は、耐熱樋1(詳細については後述する)によって、又は、複数の耐熱樋1(1A、1B、1C)を複数接合した接合体(
図4参照)によって構成される。複数の耐熱樋(1A、1B、1C)によって金属熔体流路100を構成する場合、
図4に示すように、それぞれ形状が異なる複数の耐熱樋1A、1B、1Cを接合して金属熔体流路100を形成することもできる。
【0023】
フェロニッケル製錬を行う工場内等に、耐熱樋1又はそれらの接合体によって金属熔体流路100を形成する場合、耐熱樋1、又は、それらの接合体は、
図2に示すように、基台部2の上に載置された状態で固定されることによって、適切な位置に適切な傾斜角度で設置される。
【0024】
金属熔体流路100を構成する基台部は、耐熱樋1、又は、それらの接合体を適切な位置と傾斜角度で設置することができる構造であれば、特定の構造には限定はされない。但し、
図2に示すように、耐熱樋1を下方から支持する支持部材21、ケーシング23、及び、ケーシング23と支持部材21の間の空間を埋める形で充填される充填材22によって構成される基台部2を、本発明の設置方法に係る金属熔体流路100を構成する基台部2の好ましい形態の一例として挙げることができる。
【0025】
基台部2を構成する支持部材21とケーシング23としては、何れも、鉄製の部材を好ましく用いることができる。又、充填材22としては、前述したスラグ水砕設備で生成される水砕スラグ、マグネシア粉等を用いることができるが、入手が容易で、熱的及び化学的に安定している点において水砕スラグ用いることが好ましい。
【0026】
基台部2が用いられる場合、耐熱樋1は、ケーシング23の底部から立設する鉄製の支持部材21によって支持される。そして、この支持部材21の高さを適切に調整することにより、耐熱樋1の設置位置及び傾斜角度を任意に設定することができる。
【0027】
<耐熱樋>
耐熱樋1は、少なくとも金属溝状部11を含んで構成される。又、耐熱樋1を構成する金属溝状部11の内面の溝部分の表面には、
図1に示すように、耐熱内張部12が設けられていることがより好ましい。耐熱樋1の表面に形成される溝状の流路の形状、即ち、熔体流路の進行方向に対する垂直断面における耐熱樋1の流路の形状は、
図1及び
図2に示す通り、半円弧状であることが好ましい。同図に示す通り、内部冷水路111を備えた銅製の金属溝状部11の内側面に、カーボン製の断面半円弧形状の均一な厚みを有する耐熱内張部12を全面に亘って当接させた耐熱樋1を耐熱樋の好ましい実施形態として挙げることができる。
【0028】
金属溝状部11は、使用用途に応じて必要な耐熱性を有する各種の金属を、従来公知の様々な鋳造方法によって所望の形状に成形することによって得ることができる。例えば、上述したフェロニッケル製錬において用いる金属熔体流路を形成する場合であれば、一例として、熱伝導性にも優れる銅を、
図1に示すような形状に鋳造した銅製の溝状部を、金属溝状部11として好ましく用いることができる。
【0029】
又、金属溝状部11には、金属熔体の流路方向に沿って、その内部を貫通する内部冷水路111が設けられていることがより好ましい。この内部冷水路111に冷却水を流すことによって、金属溝状部11及び耐熱内張部12を冷却して耐熱樋1全体の温度上昇を抑制し、耐熱性と耐久性を向上させることができる。内部冷水路111は、金属溝状部11の内部に複数本の水路が独立して形成されていることが好ましい。内部冷水路111が設けられている場合、金属溝状部11同士の接合の位置合せを特段に厳密に行う必要があるが、本発明の耐熱樋の設置方法を採用することによって、設置作業の中で複数回の微調整を過度な負担なく行うことができる。
【0030】
耐熱内張部12としては、熱伝導性と耐熱性に優れ、調達容易な、カーボンを好ましく用いることができる。カーボン製の耐熱内張部12は、機械加工により所望の形状に加工することができる。
【0031】
<耐熱樋の設置方法>
本発明の「耐熱樋の設置方法(以下、単に「設置方法」とも言う)」は、上述した耐熱樋1のように、少なくとも、金属溝状部11を含んで構成される各種の耐熱樋を、所望の位置に所望の傾斜角度で設置する方法である。この「設置方法」は、以下の2つの工程を順次行うことにより、例えば、フェロニッケルの乾式製錬法において出滓される1500℃以上の高温の熔融スラグを流す金属熔体流路を構成する耐熱樋の設置作業を、より容易に効率よく行うことができる方法である。
【0032】
[第1の工程(仮置き工程)]
本発明の「設置方法」においては、先ず、「第1の工程」として、金属溝状部11の設置位置を決定する作業を行う。耐熱樋が、金属溝状部11及び耐熱内張部12を有する耐熱樋1である場合には、金属溝状部11及び耐熱内張部12からなる積層体全体の位置を決定する作業を行う。
【0033】
この「第1の工程」においては、金属溝状部11の設置位置を決定する作業を、軽量仮溝状部13を用いて行う。軽量仮溝状部13は、金属溝状部11と同一の外縁形状を有し、金属溝状部11よりも重量は小さい仮置き用のダミーモデルである。軽量仮溝状部13は、金属溝状部11よりも軽量の材料からなる同一形状の物であってもよいし、
図3に示すように、実質的に金属溝状部11と同一態様で耐熱内張部12支持可能な外縁部を有し、その他の部分については中空構造とされている物(
図3参照)とすることもできる。本明細書において「金属溝状部と同一の外縁形状を有し」という場合、
図3に例示されるような一部中空の構造からなる物のことも含むものとする。
【0034】
軽量仮溝状部13は、一例として、鋼製とすることが好ましい。例えば、金属溝状部11が重量約1tの銅製の部材に対して、これと同一の外縁形状を有する
図3に示すような中空の鋼製の軽量仮溝状部13は、その重量を35kgとすることができる。
【0035】
金属溝状部11の設置位置を決定する作業は、上述の軽量仮溝状部13を基台部2に載置(仮配置)した状態で、軽量仮溝状部13の位置や設置角度を目視で確認し、適切な位置や角度からのずれが確認された場合には、軽量仮溝状部13を、一旦、基台部2から外して、支持部材21の高さの固定位置を、必要に応じて適切に調整し直すことによって行う。重量約1tの銅製の部材である金属溝状部11は、一旦設置した後の位置や設置角度の再調整のために再度外す作業は、チェーンブロック等の重量物運搬機器を持ち込んで作業することが必須であり作業負担が大きい。特にチェーンブロック等の重量物運搬機器を使用する場合、運搬物(金属溝状部11)を水平方向に移動させるには、作業エリアが限られた状態での運搬作業である場合、金属溝状部11を所定の位置に運搬するには、何度も玉掛けを行い、必要の移動距離に対して水平方向に少しずつ移動させる必要があった。これに対して、重量40kg程度以下の軽量仮溝状部13を用いることにより、人力で速やかに、この作業を行うことができる。
【0036】
尚、耐熱樋が、金属溝状部11及び耐熱内張部12を有する耐熱樋1である場合には、耐熱内張部12を軽量仮溝状部13の内周面上に仮配置した状態で、設置位置を決定する作業を上記同様に行えばよい。又、この場合においては、耐熱内張部12と同一の外縁形状を有し、耐熱内張部よりも重量は小さい、軽量仮内張部(図示せず)を上記同様に用いることがより好ましい。軽量仮内張部は例えば各種の合成樹脂或いは木材によって形成することができる。
【0037】
上記作業について、より詳細には、チェーンブロック等の重量物運搬機器を設置し、重量約1tの銅製の部材である金属溝状部を基台から外し、各基台の高さ等の再調整を行った後、上記金属溝状部を、チェーンブロック等の重量物運搬機器によって、再度、基台上に載置する作業を行う従来の作業について、凡そ5時間程度の時間を要していた。これに対して本発明の方法を採用することによって、上記作業に要する時間を30分程度に短縮することができることが本発明者による試験実施により実証されている。
【0038】
支持部材21は、例えば、固定ボルト211による大穴ボルト締め構造等、位置決め作業を容易に行える取付け構造としておくことがより好ましい。又、3Dキャドでの事前準備により、支持部材21の位置を正確に設定しておくことが好ましい。
【0039】
[第2の工程(固定工程)]
この「第2の工程」においては、「第1の工程」において決定された設置位置に、同工程で決定された設置角度で、金属溝状部11を配置し、同位置に同角度で、金属溝状部11を固定する作業を行う。耐熱樋が、金属溝状部11及び耐熱内張部12を有する耐熱樋1である場合には、金属溝状部11及び耐熱内張部12からなる積層体を固定する作業を同様に行う。固定作業はボルト締め、溶接、その他、公知の従来方法によればよい。
【0040】
<金属熔体流路の形成方法>
以上、説明した耐熱樋の設置方法によって、様々な形態の金属熔体流路を形成することができる。例えば、複数の耐熱樋1A、1B、1Cを接続して金属熔体流路100(
図4参照)を形成する場合には、各々の耐熱樋1A、1B、1Cを、それぞれ、本発明の上記設置方法によって設置することにより、同様に金属熔体流路を形成することができる。
【符号の説明】
【0041】
1、1A、1B、1C 耐熱樋
11 金属溝状部
111 内部冷水路
12 耐熱内張部
13 軽量仮溝状部
2 基台部
21 支持部材
211 固定ボルト
22 充填材
23 ケーシング
100 金属熔体流路