(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】トロカール組立体のための保持機構
(51)【国際特許分類】
A61B 17/115 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
A61B17/115
(21)【出願番号】P 2020099855
(22)【出願日】2020-06-09
【審査請求日】2023-06-08
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー スグロイ ジュニア
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/11 ― 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装入ユニットをハンドル組立体に接続するためのアダプタ組立体であって、
外側スリーブと、
前記外側スリーブ内に解放可能に固定可能なトロカール組立体であって、前記トロカール組立体が、第1および第2の開口部を規定するトロカールハウジングを含む、トロカール組立体と、
前記外側スリーブ内に前記トロカール組立体を解放可能に固定するように構成された保持機構であって、前記保持機構が、保持ブロックと、ロック位置と解放位置との間で前記保持ブロックに対して可動に位置付けられたカムワイヤと、前記保持ブロックに対して前記カムワイヤを維持するように構成された保持ブロック延長部と、前記カムワイヤと動作可能に係合するボタン部材と、前記カムワイヤが前記ロック位置にあるときに前記トロカール組立体の前記第1および第2の開口部内に受け入れられる第1の位置、および前記カムワイヤが前記解放位置にあるときに前記トロカール組立体から離れる第2の位置から移動可能である、一対の保持部材と、を含み、前記保持ブロック延長部が、停止タブを含み、前記ボタン部材が、前記保持ブロック延長部の前記停止タブと係合して前記ボタン部材の移動を防ぐための曲げられていない位置から、前記停止タブをずらして前記ボタン部材の移動を許容するための曲げられた位置に移動可能な中央ビームを含む、保持機構と、を備える、アダプタ組立体。
【請求項2】
前記ボタン部材は、前記中央ビームが前記曲げられていない位置にあるときの非押し下げ位置および前記中央ビームが前記曲げられた位置にあるときの押し下げ位置から、前記保持ブロックに対して旋回可能である、請求項1に記載のアダプタ組立体。
【請求項3】
前記ボタン部材の押し下げが、前記カムワイヤを前記ロック位置から前記解放位置に移動させる、請求項2に記載のアダプタ組立体。
【請求項4】
前記中央ビームが、ユーザによる動作可能な係合のために構成されたリブを含む、請求項2に記載のアダプタ組立体。
【請求項5】
前記ボタン部材が、前記曲げられていない位置と曲げられた位置との間での前記中央ビームの移動を許容するように、前記中央ビームの両側にレリーフを規定する、請求項2に記載のアダプタ組立体。
【請求項6】
前記ボタン部材が、中央線を規定し、前記停止部材が、前記中央線と整列される、請求項2に記載のアダプタ組立体。
【請求項7】
前記中央ビームが、前記曲げられていない位置にあるときに前記中央線と整列され、前記曲げられた位置にあるときに前記中央線と整列されない、請求項6に記載のアダプタ組立体。
【請求項8】
前記保持ブロックは、前記トロカール組立体を受け入れるための中央開口部を規定する、請求項1に記載のアダプタ組立体。
【請求項9】
前記第1および第2の保持部材のそれぞれが、くさび形状の自由端を含む、請求項1に記載のアダプタ組立体。
【請求項10】
装入ユニットをハンドル組立体に接続するためのアダプタ組立体であって、
外側スリーブと、
前記外側スリーブ内に解放可能に固定可能なトロカール組立体であって、前記トロカール組立体が、第1および第2の開口部を規定するトロカールハウジングを含む、トロカール組立体と、
前記外側スリーブ内に前記トロカール組立体を解放可能に固定するように構成された保持機構であって、前記保持機構が、保持ブロックと、ロック位置と解放位置との間で前記保持ブロックに対して可動に位置付けられたカムワイヤと、前記保持ブロックに対して前記カムワイヤを維持するように構成された上部保持ブロック延長部と、前記ロック位置と前記解放位置との間で前記カムワイヤを移動させるためのボタン部材と、前記カムワイヤが前記ロック位置にあるときに前記トロカール組立体の前記第1および第2の開口部内に受け入れられる第1の位置、および前記カムワイヤが前記解放位置にあるときに前記トロカール組立体から離れる第2の位置から移動可能である、一対の保持部材と、前記上部保持ブロック延長部の反対側に配置された下部保持ブロック延長部と、前記カムワイヤと係合する第1の位置と前記カムワイヤから離れる第2の位置との間で移動可能なスライドボタンであって、前記下部保持ブロックに対する前記スライドボタン部材の移動が、前記カムワイヤの前記ロック位置から前記解放位置への移動を許容する、スライドボタンと、を含む、保持機構と、を備える、アダプタ組立体。
【請求項11】
前記カムワイヤが、第1および第2の自由端を含み、前記スライドボタン部材が、前記カムワイヤの前記自由端に係合して、前記カムワイヤの前記解放位置への移動を防ぐように構成された第1および第2の停止部材を含む、請求項10に記載のアダプタ組立体。
【請求項12】
前記スライドボタン部材が、付勢部材によって前記第1の位置に付勢される、請求項10に記載のアダプタ組立体。
【請求項13】
前記付勢部材が、コイルばねである、請求項12に記載のアダプタ組立体。
【請求項14】
前記スライドボタン部材が、ユーザによる動作可能な係合のために構成される、請求項10に記載のアダプタ組立体。
【請求項15】
前記ボタン部材が、前記上部保持ブロック延長部に対して旋回可能である、請求項10に記載のアダプタ組立体。
【請求項16】
前記外側スリーブの周りに受け入れられるカラー組立体をさらに含み、前記第1の位置から前記第2の位置への前記カラー組立体の移動が、前記非押し下げ位置から前記押し下げ位置に前記ボタン部材を移動させる、請求項1に記載のアダプタ組立体。
【請求項17】
前記カラー組立体が、前記第1の位置から前記第2の位置に近位に移動する、請求項16に記載のアダプタ組立体。
【請求項18】
前記カラー組立体が、前記第1の位置から前記第2の位置に移動するときに、前記外側スリーブの周りを回転する、請求項16に記載のアダプタ組立体。
【請求項19】
前記カラー組立体が、コイルばねによって前記第1の位置に付勢される、請求項16に記載のアダプタ組立体。
【請求項20】
前記外側スリーブが、前記カラー組立体と係合して前記カラー組立体の移動を制限するためのピンを含む、請求項16に記載のアダプタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科用ステープル留めデバイスのための再使用可能なアダプタ組立体に関する。より具体的には、本開示は、取り外し可能なトロカール組立体を、再使用可能なアダプタ組立体内に解放可能に固定するための保持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ステープル、クリップ、または他の留め金具を組織に適用するための外科用デバイスがよく知られている。典型的に、内視鏡ステープル留めデバイスは、駆動ユニット、すなわち、デバイスを作動させるためのハンドル組立体と、体腔への内視鏡アクセスのためのシャフトと、シャフトの遠位端に配置されたツール組立体と、を含む。これらのデバイスのうちの特定ものでは、シャフトは、ハンドル組立体に固定可能な近位端と、ツール組立体に固定可能な遠位端と、を有する、アダプタ組立体を含む。
【0003】
円形のステープル留めデバイスは、典型的に、取り付けたアンビル組立体をツール組立体のステープルカートリッジに対して支持および位置決めするためのトロカール組立体を含む。トロカール組立体は、アダプタ組立体の洗浄、殺菌、および再使用を許容するように、アダプタ組立体内に解放可能に固定可能とすることができる。トロカール組立体をアダプタ組立体に解放可能に固定するための保持機構を有することが有益となるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
装入ユニットをハンドル組立体に接続するためのアダプタ組立体は、外側スリーブと、外側スリーブ内に解放可能に固定可能なトロカール組立体と、トロカール組立体を外側スリーブ内に解放可能に固定するように構成された保持機構と、を含む。トロカール組立体は、第1および第2の開口部を規定するトロカールハウジングを含む。保持機構は、保持ブロックと、ロック位置と解放位置との間で保持ブロックに対して可動に位置付けられたカムワイヤと、保持ブロックに対してカムワイヤを維持するように構成された保持ブロック延長部と、カムワイヤと動作可能に係合するボタン部材と、カムワイヤがロック位置にあるときにトロカール組立体の第1および第2の開口部内に受け入れられる第1の位置、およびカムワイヤが解放位置にあるときにトロカール組立体から離れる第2の位置から移動可能である、一対の保持部材と、を含む。保持ブロック延長部は、停止タブを含む。ボタン部材は、保持ブロック延長部の停止タブと係合してボタン部材の移動を防ぐための曲げられていない位置から、停止タブをずらしてボタン部材の移動を許容するための曲げられた位置に移動可能な中央ビームを含む。
【0005】
実施形態では、ボタン部材は、中央ビームが曲げられていない位置にあるときの非押し下げ位置および中央ビームが曲げられた位置にあるときの押し下げ位置から、保持ブロックに対して旋回可能である。ボタン部材の押し下げは、カムワイヤをロック位置から解放位置に移動させることができる。
【0006】
中央ビームは、ユーザによる動作可能な係合のために構成されたリブを含むことができる。ボタン部材は、曲げられていない位置と曲げられた位置との間での中央ビームの移動を許容するように、中央ビームの両側にレリーフを規定し得る。ボタン部材は、中央線を規定し得る。停止部材は、中央線と整列し得る。中央ビームは、曲げられていない位置にあるときに中央線と整列し得、曲げられた位置にあるときには中央線と整列しない。保持ブロックは、トロカール組立体を受け入れるための中央開口部を規定し得る。第1および第2の保持部材のそれぞれは、くさび形状の自由端を含み得る。
【0007】
装入ユニットをハンドル組立体に接続するための別のアダプタ組立体は、外側スリーブと、外側スリーブ内に解放可能に固定可能なトロカール組立体と、トロカール組立体を外側スリーブ内に解放可能に固定するように構成された保持機構と、を含む。トロカール組立体は、第1および第2の開口部を規定するトロカールハウジングを含む。保持機構は、保持ブロックと、ロック位置と解放位置との間で保持ブロックに対して可動に位置付けられたカムワイヤと、保持に対してカムワイヤを維持するように構成された上部保持ブロック延長部と、ロック位置と解放位置との間でカムワイヤを移動させるためのボタン部材と、カムワイヤがロック位置にあるときにトロカール組立体の第1および第2の開口部内に受け入れられる第1の位置、およびカムワイヤが解放位置にあるときにトロカール組立体から離れる第2の位置から移動可能である、一対の保持部材と、上部保持ブロック延長部の反対側に配置された下部保持ブロック延長部と、カムワイヤと係合する第1の位置と、カムワイヤから離れる第2の位置との間で移動可能なスライドボタンと、を含む。下部保持ブロックに対するスライドボタン部材の移動は、カムワイヤのロック位置から解放位置への移動を許容する。
【0008】
実施形態では、カムワイヤは、第1および第2の自由端を含み、スライドボタン部材は、カムワイヤの自由端に係合して、カムワイヤの解放位置への移動を防ぐように構成された第1および第2の停止部材を含む。スライドボタン部材は、付勢部材によって第1の位置に付勢され得る。付勢部材は、コイルばねであり得る。スライドボタン部材は、ユーザによる動作可能な係合のために構成され得る。ボタン部材は、上部保持ブロック延長部に対して旋回可能であり得る。
【0009】
アダプタ組立体は、外側スリーブの周りに受け入れられるカラー組立体を含み得る。第1の位置から第2の位置へのカラー組立体の移動は、非押し下げ位置から押し下げ位置にボタン部材を移動させる。カラー組立体は、第1の位置から第2の位置に近位に移動し得る。代替的に、カラー組立体は、第1の位置から第2の位置に移動するときに、外側スリーブの周りを回転する。カラー組立体は、コイルばねによって第1の位置に付勢され得る。外側スリーブは、カラー組立体と係合してカラー組立体の移動を制限するためのピンを含み得る。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
装入ユニットをハンドル組立体に接続するためのアダプタ組立体であって、
外側スリーブと、
上記外側スリーブ内に解放可能に固定可能なトロカール組立体であって、上記トロカール組立体が、第1および第2の開口部を規定するトロカールハウジングを含む、トロカール組立体と、
上記外側スリーブ内に上記トロカール組立体を解放可能に固定するように構成された保持機構であって、上記保持機構が、保持ブロックと、ロック位置と解放位置との間で上記保持ブロックに対して可動に位置付けられたカムワイヤと、上記保持ブロックに対して上記カムワイヤを維持するように構成された保持ブロック延長部と、上記カムワイヤと動作可能に係合するボタン部材と、上記カムワイヤが上記ロック位置にあるときに上記トロカール組立体の上記第1および第2の開口部内に受け入れられる第1の位置、および上記カムワイヤが上記解放位置にあるときに上記トロカール組立体から離れる第2の位置から移動可能である、一対の保持部材と、を含み、上記保持ブロック延長部が、停止タブを含み、上記ボタン部材が、上記保持ブロック延長部の上記停止タブと係合して上記ボタン部材の移動を防ぐための曲げられていない位置から、上記停止タブをずらして上記ボタン部材の移動を許容するための曲げられた位置に移動可能な中央ビームを含む、保持機構と、を備える、アダプタ組立体。
(項目2)
上記ボタン部材は、上記中央ビームが上記曲げられていない位置にあるときの非押し下げ位置および上記中央ビームが上記曲げられた位置にあるときの押し下げ位置から、上記保持ブロックに対して旋回可能である、上記項目に記載のアダプタ組立体。
(項目3)
上記ボタン部材の押し下げが、上記カムワイヤを上記ロック位置から上記解放位置に移動させる、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目4)
上記中央ビームが、ユーザによる動作可能な係合のために構成されたリブを含む、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目5)
上記ボタン部材が、上記曲げられていない位置と曲げられた位置との間での上記中央ビームの移動を許容するように、上記中央ビームの両側にレリーフを規定する、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目6)
上記ボタン部材が、中央線を規定し、上記停止部材が、上記中央線と整列される、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目7)
上記中央ビームが、上記曲げられていない位置にあるときに上記中央線と整列され、上記曲げられた位置にあるときに上記中央線と整列されない、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目8)
上記保持ブロックは、上記トロカール組立体を受け入れるための中央開口部を規定する、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目9)
上記第1および第2の保持部材のそれぞれが、くさび形状の自由端を含む、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目10)
装入ユニットをハンドル組立体に接続するためのアダプタ組立体であって、
外側スリーブと、
上記外側スリーブ内に解放可能に固定可能なトロカール組立体であって、上記トロカール組立体が、第1および第2の開口部を規定するトロカールハウジングを含む、トロカール組立体と、
上記外側スリーブ内に上記トロカール組立体を解放可能に固定するように構成された保持機構であって、上記保持機構が、保持ブロックと、ロック位置と解放位置との間で上記保持ブロックに対して可動に位置付けられたカムワイヤと、上記保持ブロックに対して上記カムワイヤを維持するように構成された上部保持ブロック延長部と、上記ロック位置と上記解放位置との間で上記カムワイヤを移動させるためのボタン部材と、上記カムワイヤが上記ロック位置にあるときに上記トロカール組立体の上記第1および第2の開口部内に受け入れられる第1の位置、および上記カムワイヤが上記解放位置にあるときに上記トロカール組立体から離れる第2の位置から移動可能である、一対の保持部材と、上記上部保持ブロック延長部の反対側に配置された下部保持ブロック延長部と、上記カムワイヤと係合する第1の位置と上記カムワイヤから離れる第2の位置との間で移動可能なスライドボタンであって、上記下部保持ブロックに対する上記スライドボタン部材の移動が、上記カムワイヤの上記ロック位置から上記解放位置への移動を許容する、スライドボタンと、を含む、保持機構と、を備える、アダプタ組立体。
(項目11)
上記カムワイヤが、第1および第2の自由端を含み、上記スライドボタン部材が、上記カムワイヤの上記自由端に係合して、上記カムワイヤの上記解放位置への移動を防ぐように構成された第1および第2の停止部材を含む、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目12)
上記スライドボタン部材が、付勢部材によって上記第1の位置に付勢される、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目13)
上記付勢部材が、コイルばねである、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目14)
上記スライドボタン部材が、ユーザによる動作可能な係合のために構成される、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目15)
上記ボタン部材が、上記上部保持ブロック延長部に対して旋回可能である、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目16)
上記外側スリーブの周りに受け入れられるカラー組立体をさらに含み、上記第1の位置から上記第2の位置への上記カラー組立体の移動が、上記非押し下げ位置から上記押し下げ位置に上記ボタン部材を移動させる、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目17)
上記カラー組立体が、上記第1の位置から上記第2の位置に近位に移動する、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目18)
上記カラー組立体が、上記第1の位置から上記第2の位置に移動するときに、上記外側スリーブの周りを回転する、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目19)
上記カラー組立体が、コイルばねによって上記第1の位置に付勢される、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(項目20)
上記外側スリーブが、上記カラー組立体と係合して上記カラー組立体の移動を制限するためのピンを含む、上記項目のいずれかに記載のアダプタ組立体。
(摘要)
アダプタ組立体は、スリーブと、スリーブ内に解放可能に固定可能なトロカール組立体と、トロカール組立体をスリーブ内に解放可能に固定するように構成された保持機構と、を含む。保持機構は、保持ブロックと、ロック位置と解放位置との間で保持ブロックに対して可動に位置付けられたカムワイヤと、保持ブロックに対してカムワイヤを維持するための保持ブロック延長部と、カムワイヤと動作可能に係合するボタン部材と、一対の保持部材と、を含む。ボタン部材は、保持ブロック延長部の停止タブと係合してボタン部材の移動を防ぐための曲げられていない位置から、停止タブをずらしてボタン部材の移動を許容するための曲げられた位置に移動可能な中央ビームを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例証し、上述した開示の一般的な説明、および下記の実施形態の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0011】
【
図1】開示の例示的な実施形態による、ハンドル組立体およびアダプタ組立体を含む外科用ステープル留めデバイスの斜視図である。
【
図2】取り外し可能なトロカール組立体がアダプタ組立体の遠位部分から延びている状態の
図1に示すアダプタ組立体の斜視図である。
【
図3】取り外し可能なトロカールがアダプタ組立体内から取り外されている状態の
図1に示すアダプタ組立体の遠位部分および取り外し可能なトロカール組立体の斜視図である。
【
図5】外側スリーブが取り外されて保持機構を露出した状態の
図2に示すアダプタ組立体の遠位部分の斜視図である。
【
図6】構成要素が分解されている状態の
図5に示す保持機構の側面斜視図である。
【
図7】保持機構がロック位置にある状態の
図2に示すアダプタ組立体の
図3に示す線7-7に沿った断面端面図である。
【
図8】中央ビームが第1の状態または曲げられていない状態の
図5に示す保持機構のボタン部材を含むアダプタ組立体の一部の上面図である。
【
図9】ボタン部材の中央ビームが第2の曲げられた状態の
図8に示す上面図である。
【
図10】保持機構が解放位置にある状態の
図7に示すアダプタ組立体の断面端面図である。
【
図11】本開示の別の実施形態によるアダプタ組立体の遠位部分の第1の斜視図である。
【
図12】
図11に示すアダプタ組立体の遠位部分の第2の斜視図である。
【
図13】外側スリーブが取り外されて保持機構を露出した状態の
図11に示すアダプタ組立体の遠位部分の斜視図である。
【
図14】構成要素が分解されてカムワイヤ、上部保持部材、およびボタン部材が取り外された状態の
図13に示す保持機構の側面斜視図である。
【
図15】
図13に示す保持機構の下部保持ブロック延長部の斜視図である。
【
図17】
図13に示す保持機構のスライドボタン部材が近位位置にある状態の
図13に示すアダプタ組立体の遠位部分の斜視図である。
【
図18】スライドボタン部材が近位位置にあり、ボタン部材が押し下げられた状態にある状態の
図17に示す保持機構の側面図である。
【
図19】カラー組立体を含む本開示の別の例示的な実施形態によるアダプタ組立体の遠位部分の図である。
【
図20】
図19に示すアダプタ組立体の遠位部分の一部の別の斜視側面図である。
【
図22】カラー組立体が遠位位置にある状態の
図19の線22-22に沿ったアダプタ組立体の側断面図である。
【
図23】カラー組立体が近位位置にある状態の
図22に示す側断面図である。
【
図24】カラー組立体と、カラー組立体を近位位置に維持するための付勢部材と、を含む、本開示のさらに別の例示的な実施形態によるアダプタ組立体の斜視側面図である。
【
図25】カラー組立体を含む本開示の別の例示的な実施形態によるアダプタ組立体の断面端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
取り外し可能なトロカール組立体をその中で固定するための保持機構を含む、開示されるアダプタ組立体の実施形態を、いくつかの図の各々において同様の参照番号が同じまたは対応する要素を示す図面を参照してここで詳細に説明する。当該技術分野で一般的であるように、「近位」という用語は、ユーザまたはオペレータ、すなわち外科医または臨床医により近い部分または構成要素を指し、一方、「遠位」という用語は、ユーザからより遠くの部分または構成要素を指す。
【0013】
最初に
図1を参照すると、一般にアダプタ組立体100として示す、本開示の実施形態によるアダプタ組立体は、外科用ステープル留めデバイス10の構成要素である。外科用ステープル留めデバイス10は、装入ユニット30を作動させるための動力式ハンドル組立体20と、装入ユニット30に対して支持されるアンビル組立体40と、をさらに含む。装入ユニット30およびアンビル組立体40は、外科用ステープル留めデバイス10のツール組立体を形成する。外科用ステープル留めデバイス10を参照して図示および説明するが、本開示の態様は、様々な構成を有する手動式外科用ステープル留めデバイスとともに、および代替の構成を有する動力式外科用ステープル留めデバイスとともに使用するために改良され得る。例示的な外科用ステープル留めデバイスの詳細な説明のために、米国特許第9,023,014号および同第9,055,943号を参照されたい。
図2を参照すると、アダプタ組立体100は、ハンドル組立体20(
図1)に動作可能に接続するように構成された近位部分102と、装入ユニット30(
図1)およびアンビル組立体40(
図1)に動作可能に接続するように構成された遠位部分104と、を含む。一体ユニットを形成するものとして図示および説明されているが、近位部分102および遠位部分104は、互いに解放可能に固定可能な別個のユニットとして形成され得ることが想定される。
【0014】
アダプタ組立体100は、本開示の態様を完全に開示するために必要な範囲でのみ説明する。例示的なアダプタ組立体の詳細な説明のために、米国特許第10,226,254号(「’254号特許」)を参照する。
【0015】
図3および
図4をさらに参照すると、アダプタ組立体100は、外側スリーブ106と、外側スリーブ106の遠位端に固定されたコネクタハウジング108と、を含む。コネクタハウジング108は、装入ユニット、例えば装入ユニット30(
図1)をアダプタ組立体100に解放可能に固定するように構成される。外側スリーブ106は、フラッシュポート105(
図3)と、トロカール保持機構130のボタン部材170が動作可能に配置される開口部107と、を規定する。以下でさらに詳細に説明するように、外側スリーブ106は、開口部107と連通する非対称の切り欠き107a(
図4)をさらに含む。
【0016】
図5をさらに参照すると、アダプタ組立体100は、トロカール組立体120(
図3)と、アダプタ組立体100の外側スリーブ106(
図3)に対してトロカール組立体120を解放可能に固定している保持機構130と、をさらに含む。トロカール組立体120は、本開示の態様を完全に説明するために必要な範囲でのみ説明する。例示的なトロカール組立体の構造および機能の詳細な説明については、’254号特許を参照されたい。
図3を特に参照すると、アダプタ組立体100(
図2)のトロカール組立体120は、トロカールハウジング122と、トロカールハウジング122内に摺動可能に配置されたトロカール部材124と、トロカールハウジング122に対してトロカール部材124を軸方向に移動させるためのトロカール部材124内に動作可能に受け入れられた駆動ねじ126と、を含む。トロカールハウジング122は、アダプタ組立体100の保持機構130の第1および第2の保持部材180a、180b(
図6)のそれぞれのロック部分182a、182bを受け入れるための第1および第2のロック開口部123a、123b(
図7)を規定する。
【0017】
図7を簡単に参照すると、アダプタ組立体100の保持機構130は、それぞれの内側および外側駆動組立体110、112の第1の駆動部材と第2の駆動部材110a、110b、112a、112bとの間に配置される。第1および第2の駆動組立体110、112は、装入ユニット、例えば装入ユニット30(
図1)の動作を生じさせて、第1および第2の機能を実行するために、アダプタ組立体100の近位部分102において第1および第2の駆動シャフト(図示せず)に動作可能に接続される。より具体的には、それぞれの第1および第2の駆動組立体110、112の第1および第2の駆動部材110a、110b、112a、112bは、アダプタ組立体100の遠位部分104内で長手方向に移動するように構成されている。実施形態では、第1の駆動組立体110の前進は組織ステープル留めをもたらし、第2の駆動組立体112の前進は組織切断をもたらす。
【0018】
第1および第2の駆動組立体110、112は、本開示の態様を完全に開示するために必要な範囲でのみ説明する。例示的な駆動組立体の詳細な説明については、’254号特許を参照されたい。以下、
図5および
図6を参照すると、アダプタ組立体100の保持機構130は、保持ブロック140と、保持ブロック140によって支持されるカムワイヤ150(
図6)と、保持ブロック140に対してカムワイヤ150を維持するための保持ブロック延長部160と、カムワイヤ150と動作可能に係合し、保持ブロック140に対して旋回可能に支持されるボタン部材170と、保持ブロック140内にカムワイヤ150によって支持される第1および第2の保持部材180a、180b(
図6)と、を含む。
【0019】
図6を特に参照すると、保持機構130の保持ブロック140は、トロカール組立体120(
図3)を受け入れるための中央開口部141と、中央開口部141と連通し、それぞれの第1および第2の保持部材180a、180bを受け入れるための第1および第2の対向する円筒形開口143a、143bと、保持ブロック140の周囲の周りに、保持ブロック140の第1および第2の円筒形開口部143a、143bを通って延び、カムワイヤ150を受け入れるためのチャネルまたはスロット145を規定する。保持機構130の第1および第2の保持部材180a、180bは、カムワイヤ150によって保持ブロック140の第1および第2の円筒形開口部143a、143b内に支持され、トロカール組立体120がアダプタ組立体100の遠位部分104(
図2)内に完全に受け入れられるときに、トロカール組立体120のトロカールハウジング122の第1および第2のロック開口部123a、123b内に受け入れられるように構成されている。
【0020】
保持機構130のカムワイヤ150は、バックスパン152と、バックスパン152から延びる第1および第2の脚154a、154bと、を有する、実質的にU字形状の部材を含む。バックスパン152は、ボタン係合部分152aと、ボタン係合部分152aの両側にある一対の肩部分152bと、を含む。第1および第2の脚154a、154bのそれぞれは、対向する角度付き部分156a、156bを含む。カムワイヤ150は、保持ブロック140のチャネル145内に受け入れられる。以下でさらに詳細に説明するように、カムワイヤ150は、ボタン部材170が初期または非押し下げ位置にあるときの第1の位置またはロック位置(
図8)とボタン部材170が押し下げられたときの第2の位置または解放位置との間で移動可能である。
【0021】
引き続き
図6を参照すると、保持ブロック延長部160は、開口部161と一対の半円筒形の凹部163とを規定する実質的に長方形のフレーム162を含む。ボタン部材170の第1および第2の旋回部分174(1つのみ示す)は、フレーム162の半円筒形の凹部163内に旋回可能に支持され、ボタン部材の本体部分172は、フレーム162の開口部161内に配置される。フレーム162は、カムワイヤ150のバックスパン152の肩部分152bと係合するための一対の停止面162a(
図7)と、停止部材、例えば、ボタン部材170の押し下げを抑制するためのフレーム162の中央線「m」に沿った停止タブ164と、を含む。
【0022】
アダプタ組立体100(
図2)の保持機構130のボタン部材170は、ユーザによる動作可能な係合のために構成されている本体部分172と、保持ブロック延長部160の一対の半円筒形の凹部163内に受け入れられるように構成された一対の旋回部分174と、を含む。ボタン部材170は、カムワイヤ150のバックスパン152の係合部分152aに係合するように構成されている。実施形態では、カムワイヤ150のバックスパン152は、ボタン部材170に固定される。例えば、示されるように、ボタン部材170の本体部分172は、バックスパン152の係合部分152aが摩擦嵌合によって保持されるキャビティ171(
図7A)を規定する。代替的に、バックスパン152は、機械的留め金具、ボンディング、溶接、接着剤、または任意の他の好適な様態によってキャビティ171内に固定される。保持機構130は、付勢部材、例えば、カムワイヤ150を第1の位置に外向きに、および/またはボタン部材170を非押し下げ位置(
図7)に外向きに付勢するための板ばね178(
図6)を含むことができる。
【0023】
トロカール保持機構130のボタン部材170は、中央ビーム176をさらに含み、中央ビーム176の両側にレリーフ175を規定する。中央ビーム176は、リブ176aを含むか、さもなければ、ユーザによる係合のために構成されている。中央ビーム176およびレリーフ175は、中央ビーム176がボタン部材170の中央線「M」から離れるように曲げられ得るように構成されている。より具体的には、ボタン部材170の中央ビーム176は、中央ビーム176が初期または曲げられていない状態にあるときに、保持ブロック延長部160の停止タブ164と整列するように構成されている。このようにして、ボタン部材170の中央ビーム176は、ボタン部材170が押し下げられるのを防ぐ。以下でさらに詳細に説明するように、ボタン部材170の中心線「M」から離れるように中央ビーム176を曲げると、中央ビーム176が保持ブロック延長部160の停止タブ164との整列から外れるように移動し、それにより、ボタン部材170の押し下げが可能になる。ボタン部材170のレリーフ175がまた、アダプタ組立体100(
図2)の洗い流しおよび洗浄を容易にしてもよい。
【0024】
保持機構130の第1および第2の保持部材180a、180bは、実質的に円筒形の本体182a、182bを形成し、カムワイヤ150のそれぞれの第1および第2の脚部154a、154bの角度付き部分156a、156bで支持される。実施形態では、第1および第2の保持部材180a、180bは、トロカール組立体120のトロカールハウジング122のくさび形の第1および第2のロック開口部123a、123b内で受け入れられるように構成されたくさび形を形成する。第1および第2の保持部材180a、180bが、保持ブロック140を介したトロカール組立体120の受け入れを容易にするために、傾斜した内面(図示せず)を含んでもよい。
【0025】
第1および第2の保持部材180a、180bは、それぞれ、カムワイヤ150のそれぞれの角度付き部分156a、156bが受け入れられる段付き開口部181a、181bを規定する。カムワイヤ150ならびに第1および第2の保持部材180a、180bの段付き開口部181a、181bは、カムワイヤ150が第1の位置にあるときに、第1および第2の保持部材180a、180bが保持ブロック140内から中央通路141内に延びるように構成されている。このようにして、トロカール組立体120がアダプタ組立体100の遠位部分104(
図2)内に完全に着座するときに、第1および第2の保持部材180a、180bは、トロカール組立体120のトロカールハウジング122のそれぞれの第1および第2のロック開口部123a、123b(
図7)内に受け入れられる。逆に、カムワイヤ150が第2の位置または解放位置にあるときに、第1および第2の保持部材180a、180bは、保持ブロック140の中央開口部141内から後退して、トロカール組立体120のアダプタ組立体100の遠位部分104に対する挿入および/または取り外しを許容する。
【0026】
以下、
図7および
図8を参照すると、アダプタ組立体100の保持機構130は、第1の構成またはロック構成に示され、トロカール組立体120が、アダプタ組立体100の遠位部分104内に確実に受け入れられる。ロック構成では、ボタン部材170に固定された保持機構130のカムワイヤ150は、板ばね178(
図6)によって第1の位置に付勢される。第1の位置では、カムワイヤ150のバックスパン152の肩部分152bは、保持ブロック延長部160の停止面162aに係合する。上述のように、カムワイヤ150が第1の位置にあり、トロカール組立体120がアダプタ組立体100の遠位部分104(
図2)内に完全に着座するときに、第1および第2の保持部材180a、180bは、トロカール組立体120のトロカールハウジング122のそれぞれの第1および第2のロック開口部123a、123b内に受け入れられる。
【0027】
保持機構130のボタン部材170の中央ビーム176は、第1の位置または曲げられていない位置に示される。曲げられていない位置では、中央ビーム176は、ボタン部材170の中央線「M」と整列する。中央ビーム176は、中央線「M」と整列するときに、ボタン部材170の中央線「M」とも整列する保持ブロック延長部160の停止タブ164と係合し、それによって、ボタン部材170が押し下げられるのを防ぐ。
【0028】
図9を参照すると、アダプタ組立体100の使用に続いて、さもなければ、アダプタ組立体100の遠位部分104からトロカール組立体120を取り外すために、保持機構130のボタン部材170の中央ビーム176のリブ176aを、矢印「A」で示されるように、中心を外れるように、またはボタン部材170の中央線「M」から離れて曲げられた位置に移動させて、保持ブロック延長部160の停止タブ164との整列から外れるようにボタン部材170の中央ビーム176を移動させる。上述のように、ボタン部材170の中央ビーム176が保持ブロック延長部160の停止タブ164と整列していないときに、停止タブ164は、ボタン部材170が押し下げられるのをもはや妨害または抑制しない。
【0029】
図10を参照すると、ボタン部材170の中央ビーム176が曲げられた位置にある状態で、ボタン部材170を矢印「B」で示されるように押し下げることができる。ボタン部材170を押し下げると、矢印「C」で示されるように、カムワイヤ150をその第1の位置(
図7)からその第2の位置に移動させる。カムワイヤ150が第2の位置に移動するため、第1および第2の脚154a、154bのそれぞれの角度付き部分156a、156bと、それぞれの第1および第2の保持部材180a、180bとの係合により、矢印「D」で示されるように、第1および第2の保持部材180a、180bを半径方向外向きに移動させる。第1および第2の保持部材180a、180bの半径方向外向きの移動は、第1および第2の保持部材180a、180bを、トロカール組立体120のトロカールハウジング122のそれぞれの第1および第2のロック開口部123a、123b内から引き抜いて、トロカール組立体120のアダプタ組立体100(
図2)の遠位部分104内からの取り外しを許容する。
【0030】
図11~
図18は、一般に保持機構230(
図13)として示す、本開示による保持機構の別の実施形態を例示する。保持機構230は、上記の保持機構130と実質的に同様であり、それらの違いに関してのみ詳細に説明する。保持機構230は、トロカール組立体220をアダプタ組立体200の遠位部分204内に解放可能に固定する。トロカール組立体220は、保持機構230の保持部材280a、280b(
図16)をそれぞれ受け入れるための第1および第2のロック開口部223a、223bを規定するトロカールハウジング222(
図16)を含む。
【0031】
図13および
図14を特に参照すると、アクセス組立体200の保持機構230は、保持ブロック240(
図13)と、保持ブロック240に対して可動に位置付けられたカムワイヤ250(
図16)と、保持ブロック240に対してカムワイヤ250を固定する上部保持ブロック延長部260と、上部保持ブロック260によって旋回可能に支持され、カムワイヤ250と動作可能に係合するボタン部材270と、カムワイヤ250と動作可能に係合し、保持ブロック230内に可動に配置された第1および第2の保持部材280a、280bと、保持ブロック240と係合して上部保持ブロック260の反対側に配置された下部保持ブロック延長部290と、下部保持ブロック延長部290に摺動可能に支持されたスライドボタン部材296と、を含む。
【0032】
アクセス組立体200の保持機構230の保持ブロック240、カムワイヤ250、ならびに第1および第2の保持部材280a、280bは、上述の保持ブロック140、カムワイヤ150、ならびに第1および第2の保持部材180a、180bと実質的に同様である。上部保持ブロック延長部260およびボタン部材270もまた、保持ブロック延長部160およびボタン部材170と実質的に同様である。保持機構230のボタン部材270は、アダプタ組立体200の外側スリーブ206の第1の開口部207(
図11)を介してアクセス可能である。スライドボタン部材296は、外側スリーブ206の第2の開口部207b(
図12)を介してアクセス可能である。
【0033】
図14および
図15は、スライドボタン部材296を受け入れるための開口部291を規定する実質的に長方形のフレーム292を含む、保持機構230の下部保持ブロック延長部290を例示する。フレーム292の一対の切り欠き293は、スライドボタン部材296の一対の停止部材298aを支持する。下部保持ブロック延長部290は、保持ブロック240と係合し、上部保持ブロック延長部260と対向してアダプタ組立体の外側スリーブ206(
図16)内に受け入れられる。
【0034】
保持機構290のスライドボタン部材296は、ユーザによる動作可能な係合のために構成された本体部分298、および本体部分298から外向きに延びる一対の停止部材298aを含む。停止部材298aは、下部保持ブロック延長部290の切り欠き293内に乗っている。スライドボタン部材296は、スライドボタン部材296の停止部材298aがそれぞれカムワイヤ250の脚254a、254bの自由端258a、258b(
図16)と整列する第1の位置または遠位位置(
図13)と、停止部材298aがそれぞれカムワイヤ250の脚254a、254bの自由端258a、258bから離れる第2の位置または近位位置(
図17)との間で移動可能である。
【0035】
保持組立体230のスライドボタン部材296の端部の円筒形の凹部297(
図15)は、スライドボタン部材296を、示されるように第1の方向に、例えば遠位に、遠位位置に付勢するための付勢部材、例えばコイルばね299(
図14)を受け入れるように構成されている。スライドボタン部材296は、アダプタ組立体200の外側スリーブ206の第2の開口部207b(
図12)を介してアクセス可能である。
【0036】
図16は、カムワイヤ250が第1の位置にあり、スライドボタン部材296が遠位位置にある状態の第1の位置またはロック位置にある保持機構230を例示する。スライドボタン部材296は、コイルばね299によって遠位位置に維持される。上述のように、保持機構230のスライドボタン部材296が近位位置にあるときに、スライドボタン部材298の停止部材298aは、それぞれカムワイヤ250の脚254a、254bの自由端258a、258bと整列して、カムワイヤ250の第2の位置への移動を防ぐ。
【0037】
図17および
図18は、アダプタ組立体200からトロカール組立体230を取り外すための方法を例示する。トロカール組立体230がアダプタ組立体200の遠位部分204から取り外されるときに、スライドボタン部材296は、矢印「E」に示されるように、コイルばね299の付勢に対して近位に移動する。スライドボタン部材296の近位方向の移動により、スライドボタン部材296の停止部材298aが、それぞれカムワイヤ250の脚254a、254bの自由端258a、258b(
図16)との係合から外れるように移動する。スライドボタン部材296の停止部材298aがカムワイヤ250の第2の位置への移動をもはや妨げない状態で、ボタン部材270は、矢印「F」で示されるように押し下げられて、カムワイヤ250を矢印「G」で示されるように、第2の位置に移動させる。保持機構130に関して上記で詳細に論じたように、カムワイヤ250が第2の位置に移動すると、保持部材280a、280b(
図16)は、トロカール組立体230のトロカールハウジング232の第1および第2のロック開口部223a、223b内から半径方向外側に移動して、アダプタ組立体200の遠位部分204内からトロカール組立体230を解放し、アダプタ組立体200内からトロカール組立体230の取り外しを許容する。
【0038】
図19~
図25は、本開示の別の例示的な実施形態による解放機構を例示する。解放機構は、一般にカラー組立体390として示す。カラー組立体390は、トロカール保持機構320のボタン部材370を押し下げるように構成されている。より具体的には、カラー組立体390は、アダプタ組立体300の遠位部分304の周りに受け入れ可能な環状部材392を含む。環状部材392は、環状部材392の内面から延び、傾斜面394を有するカムラグ394を含む。カムラグ394は、アダプタ組立体300の外側スリーブ306に対するカラー組立体390の近位移動中に、ボタン部材370に係合し、押し下げるように構成されている。
【0039】
環状部材392は、一対のフラッシュポート391(
図21)と、アダプタ組立体300の外側スリーブ306から延びるピン307を受け入れるためのスロット393と、を規定する。フラッシュポート391は、アダプタ組立体300の外側スリーブ306においてフラッシュポート305と整列する。ピン307は、アダプタ組立体300に対するカラー組立体390の進行を制限する。
【0040】
図22を特に参照すると、カラー組立体390は、第1の位置または遠位位置に示される。遠位位置では、カムラグ394は、ボタン部材370から離れている。このようにして、ボタン部材370は、第1の位置または非押し下げ位置にある。カラー組立体390が遠位位置にあるときに、環状部材392は、ボタン部材370を覆って、ボタン部材370の偶発的な押し下げを防ぐ。実施形態では、カラー組立体390は、カラー組立体390の近位のアダプタ組立体300の外側スリーブ306の周りに受け入れられる付勢部材、例えばコイルばね399(
図24)によって遠位位置に維持され得る。空気圧シリンダを使用して、または任意の他の好適な様態で、カラー組立体390が遠位に付勢され得ることが想定される。
【0041】
図23は、矢印「H」で示されるように、近位に移動するときのカラー組立体390を例示する。カラー組立体390が、矢印「H」で示されるように、近位に移動するときに、カラー組立体390のカムラグ394の傾斜面394aがボタン部材370に係合して、ボタン部材370を、矢印「I」で示されるように、押し下げさせる。保持機構130およびトロカール組立体120を参照して上述したように、ボタン部材370が押し下げられると、カムワイヤ350が第2の位置へ移動して、トロカール組立体320の解放を生じさせる。上述のように、アダプタ組立体300の外側スリーブ306から延びるピン307(
図24)が、カラー組立体390の進行を制限する。
【0042】
図25を参照すると、代替的な実施形態では、カラー組立体490は、アダプタ組立体400の外側スリーブ406に対して回転して、保持組立体430のボタン部材470の押し下げをもたらすように構成されている。カラー組立体490は、環状部材492と、環状部材492の内面から延びるカムラグ494と、を含む。カムラグ494は、ボタン部材470に係合するように構成され、ピン407を受け入れるためのスロット493を規定する。ピン407は、カラー組立体490の移動を制限するための外側スリーブ406から延びる。
【0043】
使用中に、カラー組立体490は、矢印「J」で示されるように、アダプタ組立体400の外側スリーブ406の周りを回転する。カラー組立体490のカムラグ496がボタン部材496に係合するときに、ボタン部材496が押し下げられ、ワイヤカム450を第2の位置または解放位置に移動させ、それによって、アダプタ組立体400内に受け入れられるトロカール組立体420をロック解除する。
【0044】
当業者においては、本明細書で具体的に説明され、添付の図面において図示された装置および方法が、非限定的かつ例示的な実施形態であることが理解されよう。1つの例示的な実施形態に関連して例示または記載される要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の例示的な実施形態の要素および特徴と組み合わせることができることが想到される。同様に、当業者は、上記の実施形態に基づいて本開示のさらなる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、特に図示されかつ説明されたものによって限定されるものではない。