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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】投票サーバおよび投票システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20240213BHJP
   G06Q 20/08 20120101ALI20240213BHJP
【FI】
G06Q50/34
G06Q20/08
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020177050
(22)【出願日】2020-10-22
(65)【公開番号】P2022068404
(43)【公開日】2022-05-10
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沼田 洋行
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-133010(JP,A)
【文献】特開2004-070738(JP,A)
【文献】特開2001-307169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリペイド方式で残高がチャージされる第1口座から公営競技の投票の投票金額を支払って前記投票する依頼を取得すると、前記投票金額が前記第1口座の残高以下である場合、前記第1口座から前記投票金額を支払って前記投票すると決定し、前記投票金額が前記第1口座の残高より大きい場合、前記第1口座から前記第1口座の残高の金額を支払い、前記第1口座に対応付けられた第2口座から前記投票金額と前記第1口座から支払った金額との差額を支払って前記投票すると決定し、前記第1口座のみから前記投票金額が支払われた場合、前記投票に対する払戻金の入金先を前記第1口座に決定し、前記第2口座から前記投票金額の少なくとも一部が支払われた場合、前記投票に対する払戻金の入金先を前記第2口座に決定する処理部、
を有する投票サーバ。
【請求項2】
前記第2口座は、所定の認証方法によって認証されたユーザが残高を引き出し可能な口座である、
請求項1記載の投票サーバ。
【請求項3】
プリペイド方式で残高がチャージされる第1口座を管理するキャッシュレスサーバと、
前記第1口座に対応付けられた第2口座を管理するネット会員サーバと、
前記第1口座から公営競技の投票の投票金額を支払って前記投票する依頼を取得すると、前記投票金額が前記第1口座の残高以下である場合、前記第1口座から前記投票金額を支払って前記投票すると決定し、前記投票金額が前記第1口座の残高より大きい場合、前記第1口座から前記第1口座の残高の金額を支払い、前記第2口座から前記投票金額と前記第1口座から支払った金額との差額を支払って前記投票すると決定し、前記第1口座のみから前記投票金額が支払われた場合、前記投票に対する払戻金の入金先を前記第1口座に決定し、前記第2口座から前記投票金額の少なくとも一部が支払われた場合、前記投票に対する払戻金の入金先を前記第2口座に決定する投票サーバと、
を有する投票システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投票サーバおよび投票システムに関する。
【背景技術】
【0002】
競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技において、キャッシュレス投票が普及している。公営競技のキャッシュレス投票では、例えば、利用者は、IC(Integrated Circuit)カードを用いて、キャッシュレス投票に用いる資金のチャージと、チャージした残高を用いた投票とをすることができる。このようにチャージした残高を用いる場合、チャージをし忘れること等により資金が不足することもあるため、簡便に資金を補充する技術も重要である。
【0003】
公営競技のキャッシュレス投票に関する技術としては、例えば、投票券の代金と電子マネーの残額および入金された貨幣とを比較して、つり銭が生じる場合に、つり銭を電子マネーと貨幣とに振分ける投票券発売払戻装置が提案されている。
【0004】
また、資金を補充する技術としては、例えば、遊技場においても利用可能な、預かり金を消費したのちも遊技を継続できるよう、預かり金を補充できる決済システムが提案されている。また、例えば、競技場内に設置の端末設備にて、銀行口座からの振替え投票資金を利用し、キャッシュレスにて投票券購入や的中投票券払戻しが行える投票券処理システムの投票サーバとセンタサーバが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-073791号公報
【文献】特開2011-221730号公報
【文献】特開2006-79545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
利用者がICカードを用いたキャッシュレス投票をする際に、チャージした残高が不足する場合、利用者の他の口座(例えば、ネット投票をするためのネット口座)から不足分を支払うことが考えられる。しかし、盗難されたICカードによって利用者のネット口座から投票を行い、第三者がICカードに他の利用者のネット口座を紐づけ、当該ネット口座から投票される等の不正な投票が行われるおそれがある。
【0007】
1つの側面では、本件は、公営競技における不正な投票を抑止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの案では、処理部を有する投票サーバが提供される。処理部は、プリペイド方式で残高がチャージされる第1口座から公営競技の投票の投票金額を支払って投票する依頼を取得すると、投票金額と第1口座の残高とに基づいて、投票金額のうち、第1口座から支払う金額と第1口座に対応付けられた第2口座から支払う金額とを決定し、第1口座のみから投票金額が支払われた場合、投票に対する払戻金の入金先を第1口座に決定し、第2口座から投票金額の少なくとも一部が支払われた場合、投票に対する払戻金の入金先を第2口座に決定する。
【発明の効果】
【0009】
一態様によれば、公営競技における不正な投票を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態に係る投票システムの一例を示す図である。
図2】第2の実施の形態に係る投票システムの一例を示す図である。
図3】投票サーバのハードウェアの一構成例を示す図である。
図4】キャッシュレス端末のハードウェアの一構成例を示す図である。
図5】入出金端末のハードウェアの一構成例を示す図である。
図6】投票システムに含まれる各装置の機能例を示すブロック図である。
図7】投票データの一例を示す図である。
図8】キャッシュレス会員データの一例を示す図である。
図9】ネット会員データの一例を示す図である。
図10】投票内容を示すレシートの一例を示す図である。
図11】ネット口座の登録手続き処理の例を示すシーケンス図である。
図12】キャッシュレス口座の登録手続き処理の例を示すシーケンス図である。
図13】キャッシュレス投票処理の例を示すシーケンス図(その1)である。
図14】キャッシュレス投票処理の例を示すシーケンス図(その2)である。
図15】支払口座決定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図16】払戻処理の例を示すシーケンス図である。
図17】払戻先決定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図18】キャッシュレス口座からの出金処理の例を示すシーケンス図である。
図19】ネット口座からの出金処理の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず第1の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、第1の実施の形態に係る投票システムの一例を示す図である。第1の実施の形態の投票システムは、競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技のキャッシュレス投票に用いられる口座を管理するものである。
【0013】
第1の実施の形態の情報処理システムは、キャッシュレスサーバ1とネット会員サーバ2と投票サーバ10とを有する。キャッシュレスサーバ1とネット会員サーバ2とは、それぞれネットワークを介してアクセス可能に接続されている。また、キャッシュレスサーバ1と投票サーバ10とは、それぞれネットワークを介してアクセス可能に接続されている。また、ネット会員サーバ2と投票サーバ10とは、それぞれネットワークを介してアクセス可能に接続されていてもよい。キャッシュレスサーバ1とネット会員サーバ2と投票サーバ10とが接続されるネットワークは、有線ネットワークであってもよいし無線ネットワークであってもよい。
【0014】
キャッシュレスサーバ1は、プリペイド方式で残高がチャージされる第1口座を管理する。第1口座は、例えば、利用者がICカード等を用いて、キャッシュレス投票に用いる資金のチャージと出金とができるキャッシュレス口座である。キャッシュレスサーバ1は、例えば、第1口座情報1aを記憶する。第1口座情報1aには、第1口座のIDと、第1口座の残高(チャージ残高)と、第1口座に対応付けられた第2口座のID(対応ID)とが示される。
【0015】
ネット会員サーバ2は、第2口座を管理する。第2口座は、所定の認証方法によって認証されたユーザが残高を引き出し可能な口座である。所定の認証方法は、例えば、IDとパスワードとを用いたログインである。第2口座は、例えば、公営競技のネット投票に用いるための口座であり、ログインしたユーザが第2口座の残高を用いた投票と、第2口座の残高の銀行口座への出金とが可能である。ネット会員サーバ2は、例えば、第2口座情報2aを記憶する。第2口座情報2aには、第2口座のIDと、第2口座のパスワードと第2口座の残高とが示される。
【0016】
投票サーバ10は、公営競技の投票を管理するコンピュータである。投票サーバ10は、処理部11を有する。処理部11は、投票サーバ10を制御し、所要の処理を実行可能である。処理部11は、例えば、投票サーバ10が有するプロセッサまたは演算回路である。
【0017】
処理部11は、公営競技の投票における支払口座の決定処理と払戻先の決定処理とをする。支払口座の決定処理では、処理部11は、第1口座から公営競技の投票の投票金額を支払って投票する依頼を取得すると、投票金額と第1口座の残高とに基づいて、投票金額のうち、第1口座から支払う金額と第2口座から支払う金額とを決定する。例えば、図示しないキャッシュレス端末は、利用者による投票内容(投票金額を含む)の入力受付と利用者のICカードからのIDの読み取りとを行う。そして、処理部11は、読み取られたIDに対応する第1口座から、入力された投票金額を支払って投票する依頼をキャッシュレス端末から取得する。
【0018】
処理部11は、投票金額が第1口座の残高以下である場合、第1口座から投票金額を支払って投票すると決定する。また、処理部11は、投票金額が第1口座の残高より大きい場合、第1口座と第2口座とから投票金額を支払って投票すると決定する。ここで、処理部11は、投票金額が第1口座の残高より大きい場合、第1口座から第1口座の残高の金額を支払い、第2口座から投票金額と第1口座の残高との差額を支払って投票すると決定する。
【0019】
処理部11は、支払口座の決定をすると、キャッシュレスサーバ1に対して、第1口座のIDと第1口座および第2口座それぞれから支払う金額とを通知して、投票金額の支払を指示する。キャッシュレスサーバ1は、第1口座情報1aの、通知されたIDの第1口座のチャージ残高から、第1口座から支払う金額として通知された金額を減算する。また、キャッシュレスサーバ1は、通知されたIDの第1口座の対応IDと、第2口座から支払う金額とを通知して、ネット会員サーバ2に支払を指示する。ネット会員サーバ2は、第2口座情報2aの、通知された対応IDの第2口座の口座残高から、第2口座から支払う金額として通知された金額を減算する。
【0020】
払戻先の決定処理では、処理部11は、第1口座のみから投票金額が支払われた場合、投票に対する払戻金の入金先を第1口座に決定し、第2口座から投票金額の少なくとも一部が支払われた場合、投票に対する払戻金の入金先を第2口座に決定する。
【0021】
処理部11は、払戻先の決定をすると、キャッシュレスサーバ1に対して、第1口座のIDと第1口座および第2口座のうちの払戻先と払戻金の金額とを通知して、払戻金の入金を指示する。キャッシュレスサーバ1は、払戻先として第1口座が通知された場合、第1口座情報1aの、通知されたIDの第1口座のチャージ残高に、払戻金の金額として通知された金額を加算する。また、キャッシュレスサーバ1は、払戻先として第2口座が通知された場合、通知されたIDの第1口座の対応IDと、払戻金の金額とを通知して、ネット会員サーバ2に払戻を指示する。ネット会員サーバ2は、第2口座情報2aの、通知された対応IDの第2口座の口座残高に、払戻金の金額として通知された金額を加算する。
【0022】
このように、第1の実施の形態の投票サーバ10は、第1口座から公営競技の投票の投票金額を支払って投票する依頼を取得すると、投票金額と第1口座の残高とに基づいて、投票金額のうち、第1口座から支払う金額と第2口座から支払う金額とを決定する。そして、投票サーバ10は、第1口座のみから投票金額が支払われた場合、投票に対する払戻金の入金先を第1口座に決定し、第2口座から投票金額の少なくとも一部が支払われた場合、投票に対する払戻金の入金先を第2口座に決定する。
【0023】
これにより、第三者が利用者の第1口座を用いるためにICカードを盗難したり、第三者が自身の第1口座に利用者の第2口座を対応付けたりすることで、利用者の第2口座から投票した場合であっても、投票サーバ10は、払戻先を利用者の第2口座に決定する。よって、投票サーバ10は、第三者が不正投票による払戻金を第1口座から出金することを防ぐことができるため、公営競技における不正な投票を抑止することができる。
【0024】
また、投票サーバ10は、投票金額が第1口座の残高以下である場合、第1口座から投票金額を支払って投票すると決定し、投票金額が第1口座の残高より大きい場合、第1口座と第2口座とから投票金額を支払って投票すると決定する。これにより、第1口座の残高が十分残っている場合、払戻金も第1口座から出金できるようにすることができるため、投票サーバ10は、投票の利便性を向上させることができる。
【0025】
また、投票サーバ10は、投票金額が第1口座の残高より大きい場合、第1口座から第1口座の残高の金額を支払い、第2口座から投票金額と第1口座の残高との差額を支払って投票すると決定する。これにより、投票サーバ10は、第1口座に半端な金額が残存することを防ぐことができる。
【0026】
また、第2口座は、所定の認証方法によって認証されたユーザが残高を引き出し可能な口座である。よって、投票サーバ10は、第三者が利用者の第2口座から不正投票した場合であっても、払戻金を第2口座から出金することを防ぐことができる。
【0027】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技のキャッシュレス投票を提供するものである。なお、第2の実施の形態では、ICカードにプリペイド方式でチャージした残高による投票をキャッシュレス投票といい、キャッシュレス投票のための口座をキャッシュレス口座という。第2の実施の形態の投票システムは、キャッシュレス投票をしようとしたときに、キャッシュレス口座の残高が不足した場合、ネット投票に用いるネット口座から差額が引き落とされるようにする。
【0028】
図2は、第2の実施の形態に係る投票システムの一例を示す図である。第2の実施の形態の投票システムでは、競技会場30と利用者端末41と銀行サーバ42と投票サーバ100とキャッシュレスサーバ200とネット会員サーバ300とがネットワーク20を介して接続されている。ネットワーク20は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等を含んでもよい。
【0029】
投票サーバ100は、キャッシュレス投票を管理するサーバコンピュータである。投票サーバ100は、利用者によるキャッシュレス投票の依頼を受け付けると、利用者のキャッシュレス口座から支払う金額と利用者のネット口座から支払う金額とを通知して、キャッシュレスサーバ200に投票金額の支払を指示する。また、投票サーバ100は、キャッシュレス投票に用いられた口座に基づいて払戻先を決定し、キャッシュレスサーバ200に決定した払戻先への払戻を指示する。なお、投票サーバ100は、利用者の現金による投票も管理してもよい。
【0030】
キャッシュレスサーバ200は、キャッシュレス口座を管理するサーバコンピュータである。キャッシュレスサーバ200は、利用者によるキャッシュレス口座へのチャージの指示を受け付けると、利用者のキャッシュレス口座の残高にチャージ金額を加算する。また、キャッシュレスサーバ200は、利用者によるキャッシュレス口座からの出金の指示を受け付けると、利用者のキャッシュレス口座の残高から出金する金額を減算する。
【0031】
また、キャッシュレスサーバ200は、投票サーバ100から投票金額の支払指示を受け付けると、利用者のキャッシュレス口座の残高から、投票サーバから通知された利用者のキャッシュレス口座から支払う金額を減算する。そして、キャッシュレスサーバ200は、利用者のネット口座から支払う金額を通知して、ネット会員サーバ300に支払を指示する。また、キャッシュレスサーバ200は、投票サーバ100からキャッシュレス口座への払戻の指示を受け付けると、利用者のキャッシュレス口座の残高に払戻金の金額を加算する。また、キャッシュレスサーバ200は、投票サーバ100からネット口座への払戻の指示を受け付けると、払戻金の金額を通知してネット会員サーバ300に払戻を指示する。
【0032】
ネット会員サーバ300は、ネット口座を管理するサーバコンピュータである。ネット会員サーバ300は、利用者が操作する利用者端末41から、ネット口座への入金の指示を受け付けると、銀行サーバ42と連携して利用者の銀行口座から利用者のネット口座へ入金する。また、ネット会員サーバ300は、利用者端末41から、ネット口座からの出金の指示を受け付けると、銀行サーバ42と連携して利用者のネット口座から利用者の銀行口座へ出金する。
【0033】
また、ネット会員サーバ300は、キャッシュレスサーバ200からキャッシュレス投票における支払の指示を受け付けると、利用者のネット口座の残高から、キャッシュレスサーバ200から通知された利用者のネット口座の残高から支払う金額を減算する。また、ネット会員サーバ300は、キャッシュレスサーバ200からネット口座への払戻の指示を受け付けると、利用者のネット口座の残高に払戻金の金額を加算する。
【0034】
競技会場30は、例えば、競馬場、競輪場、競艇場、オートレース場等の公営競技の会場である。競技会場30は、会員登録端末31とキャッシュレス端末400と入出金端末500とを有する。会員登録端末31は、競技会場30の係員が操作する端末である。会員登録端末31は、利用者をキャッシュレス投票ができる会員としてキャッシュレスサーバ200に登録させる。
【0035】
キャッシュレス端末400は、利用者がキャッシュレス投票をするために用いる端末である。利用者は、ICカードをキャッシュレス端末400にかざし、投票内容をマークしたマークカードをキャッシュレス端末400に読み取らせることで、公営競技の投票ができる。投票内容は、例えば、場名、レース番号、式別(単勝式、複勝式等)、組番、投票金額の組み合わせである。キャッシュレス端末400は、ICカードから読み取った利用者の識別情報(例えば、利用者のキャッシュレス口座のID)とマークカードから読み取った投票内容とを通知して、投票サーバ100にキャッシュレス投票の依頼を送信する。
【0036】
入出金端末500は、利用者がキャッシュレス口座の残高の入出金をするために用いる端末である。利用者は、ICカードを入出金端末500にかざし、現金を入出金端末500に入れることで、キャッシュレス口座にチャージができる。入出金端末500は、チャージ金額を通知して、利用者のキャッシュレス口座へのチャージの指示をキャッシュレスサーバ200に送信する。また、利用者は、ICカードを入出金端末500にかざし、出金する金額を入出金端末500に入力することで、キャッシュレス口座から出金ができる。入出金端末500は、入力された出金する金額を通知して、利用者のキャッシュレス口座からの出金の指示をキャッシュレスサーバ200に送信し、現金を出金する。
【0037】
図3は、投票サーバのハードウェアの一構成例を示す図である。投票サーバ100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス109を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【0038】
メモリ102は、投票サーバ100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0039】
バス109に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107およびネットワークインタフェース108がある。
【0040】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0041】
グラフィック処理装置104には、モニタ21が接続されている。グラフィック処理装置104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタ21の画面に表示させる。モニタ21としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0042】
入力インタフェース105には、キーボード22とマウス23とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード22やマウス23から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス23は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0043】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク24に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク24は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク24には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
【0044】
機器接続インタフェース107は、投票サーバ100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置25やメモリリーダライタ26を接続することができる。メモリ装置25は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ26は、メモリカード27へのデータの書き込み、またはメモリカード27からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード27は、カード型の記録媒体である。
【0045】
ネットワークインタフェース108は、ネットワーク20に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワーク20を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0046】
投票サーバ100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示したキャッシュレスサーバ1、ネット会員サーバ2および投票サーバ10も、図3に示した投票サーバ100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、会員登録端末31、利用者端末41、銀行サーバ42、キャッシュレスサーバ200およびネット会員サーバ300も投票サーバ100と同様のハードウェアにより実現することができる。またプロセッサ101は、第1の実施の形態に示した処理部11の一例である。
【0047】
投票サーバ100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。投票サーバ100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、投票サーバ100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。また投票サーバ100に実行させるプログラムを、光ディスク24、メモリ装置25、メモリカード27等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0048】
図4は、キャッシュレス端末のハードウェアの一構成例を示す図である。キャッシュレス端末400は、プロセッサ401によって装置全体が制御されている。プロセッサ401には、バス411を介してメモリ402と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ401は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ401は、例えばCPU、MPU、またはDSPである。プロセッサ401がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC、PLD等の電子回路で実現してもよい。
【0049】
メモリ402は、キャッシュレス端末400の主記憶装置として使用される。メモリ402には、プロセッサ401に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ402には、プロセッサ401による処理に利用する各種データが格納される。メモリ402としては、例えばRAM等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0050】
バス411に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置403、ディスプレイ装置404、タッチパネル405、非接触カード読み取りユニット406、コード読み取りユニット407、マークカード処理ユニット408、レシート処理ユニット409およびネットワークインタフェース410がある。
【0051】
ストレージ装置403は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置403は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置403には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置403としては、例えばHDDやSSDを使用することができる。
【0052】
ディスプレイ装置404は、プロセッサ401からの命令に従って、画像を表示する。ディスプレイ装置404としては、有機ELを用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
タッチパネル405は、ディスプレイ装置404の画面の前面に配置されており、画面上の押された位置を検知して、その位置を示す信号をプロセッサ401に送信する。
【0053】
非接触カード読み取りユニット406は、非接触ICカードに記憶された情報を読み取り、読み取った情報をプロセッサ401に送信する。
コード読み取りユニット407は、QR(Quick Response)コード(登録商標)等の二次元コードやバーコードを読み取り、読み取った情報をプロセッサ401に送信する。
【0054】
マークカード処理ユニット408は、公営競技の投票に用いられるマークカードにマークされた情報を読み取り、読み取った情報をプロセッサ401に送信する。
レシート処理ユニット409は、プロセッサ401からの命令に従って、紙に文字や図形を印刷する。例えば、レシート処理ユニット409は、投票内容を印刷した明細票(レシート)を印刷する。
【0055】
ネットワークインタフェース410は、ネットワーク20に接続されている。ネットワークインタフェース410は、ネットワーク20を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0056】
図5は、入出金端末のハードウェアの一構成例を示す図である。入出金端末500は、プロセッサ501によって装置全体が制御されている。プロセッサ501には、バス510を介してメモリ502と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ501は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ501は、例えばCPU、MPU、またはDSPである。プロセッサ501がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC、PLD等の電子回路で実現してもよい。
【0057】
メモリ502は、入出金端末500の主記憶装置として使用される。メモリ502には、プロセッサ501に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ502には、プロセッサ501による処理に利用する各種データが格納される。メモリ502としては、例えばRAM等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0058】
バス510に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置503、ディスプレイ装置504、タッチパネル505、非接触カード読み取りユニット506、現金処理ユニット507、レシート処理ユニット508およびネットワークインタフェース509がある。
【0059】
ストレージ装置503は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置503は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置503には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置503としては、例えばHDDやSSDを使用することができる。
【0060】
ディスプレイ装置504は、プロセッサ501からの命令に従って、画像を表示する。ディスプレイ装置504としては、有機ELを用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
タッチパネル505は、ディスプレイ装置504の画面の前面に配置されており、画面上の押された位置を検知して、その位置を示す信号をプロセッサ501に送信する。
【0061】
非接触カード読み取りユニット506は、非接触ICカードに記憶された情報を読み取り、読み取った情報をプロセッサ501に送信する。
現金処理ユニット507は、プロセッサ501の指示に従って硬貨や紙幣の入出金を制御する。現金処理ユニット507は、入金された硬貨や紙幣の種別を読み取り、プロセッサ501に出力する。また、現金処理ユニット507は、プロセッサ501に指示された種別の硬貨や紙幣を放出する。
【0062】
レシート処理ユニット508は、プロセッサ501からの命令に従って、紙に文字や図形を印刷する。例えば、レシート処理ユニット508は、入出金内容を印刷した明細票(レシート)を印刷する。
【0063】
ネットワークインタフェース509は、ネットワーク20に接続されている。ネットワークインタフェース509は、ネットワーク20を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0064】
次に、第2の実施の形態の投票システムに含まれる各装置の機能について詳細に説明する。
図6は、投票システムに含まれる各装置の機能例を示すブロック図である。投票サーバ100は、記憶部110、投票処理部120および払戻処理部130を有する。記憶部110は、メモリ102またはストレージ装置103の記憶領域を用いて実現される。投票処理部120および払戻処理部130は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。
【0065】
記憶部110は、投票データ111を記憶する。投票データ111には、利用者によるキャッシュレス投票の投票内容が登録される。投票処理部120は、キャッシュレス端末400から、利用者のキャッシュレス投票の依頼を受け付けると、投票金額と利用者のキャッシュレス口座の残高とに基づいて、キャッシュレス投票の投票金額の支払に用いられる口座を決定する。投票処理部120は、投票金額が利用者のキャッシュレス口座の残高以下である場合、利用者のキャッシュレス口座から投票金額を支払うと決定する。また、投票処理部120は、投票金額が利用者のキャッシュレス口座の残高より大きい場合、利用者のキャッシュレス口座から残高の金額を支払い、利用者のネット口座から、投票金額と利用者のキャッシュレス口座の残高との差額を支払うと決定する。
【0066】
投票処理部120は、投票金額の支払口座を決定すると、決定した支払口座をキャッシュレスサーバ200に通知して、投票金額の引落依頼をキャッシュレスサーバ200に送信する。また、投票処理部120は、利用者のキャッシュレス投票の投票内容を投票データ111に登録する。
【0067】
払戻処理部130は、投票データ111に登録されたキャッシュレス投票ごとの払戻先を決定する。払戻処理部130は、キャッシュレス投票のネット口座利用金額が0円であるか否かを判定する。払戻処理部130は、キャッシュレス投票のネット口座利用金額が0円であると判定した場合、払戻金の振込先をキャッシュレス口座に決定する。また、払戻処理部130は、キャッシュレス投票のネット口座利用金額が0円ではないと判定した場合、払戻金の振込先をネット口座に決定する。そして、払戻処理部130は、払戻先を決定すると、決定した払戻先をキャッシュレスサーバ200に通知して、払戻金の振込依頼をキャッシュレスサーバ200に送信する。
【0068】
キャッシュレスサーバ200は、記憶部210および会員情報処理部220を有する。記憶部210は、キャッシュレスサーバ200のメモリまたはストレージ装置の記憶領域を用いて実現される。会員情報処理部220は、キャッシュレスサーバ200のメモリに記憶されたプログラムをキャッシュレスサーバ200のプロセッサが実行することで実現される。記憶部210は、CL(キャッシュレス)会員データ211を記憶する。CL会員データ211には、利用者のキャッシュレス口座の残高等の情報が登録される。
【0069】
会員情報処理部220は、会員登録端末31の指示に従って、利用者を会員登録する。会員情報処理部220は、会員登録端末31から会員登録依頼を受信すると、利用者をCL会員データ211に登録する。また、会員情報処理部220は、会員登録端末31からネット口座の登録依頼を受信すると、利用者のネット口座を利用者のキャッシュレス口座に対応付けてCL会員データ211に登録する。
【0070】
会員情報処理部220は、入出金端末500の指示に従って、キャッシュレス口座からの入出金をする。会員情報処理部220は、入出金端末500から入金依頼を受信すると、CL会員データ211に登録された利用者のキャッシュレス口座の残高に入出金端末500から通知された金額を加算する。また、会員情報処理部220は、入出金端末500から出金依頼を受信すると、CL会員データ211に登録された利用者のキャッシュレス口座の残高から入出金端末500から通知された金額を減算する。
【0071】
また、会員情報処理部220は、投票サーバ100からの指示に従って、投票金額の引落と払戻金の振込とをする。会員情報処理部220は、投票サーバ100から投票金額の引落依頼を受信すると、CL会員データ211に登録された利用者のキャッシュレス口座の残高から、投票サーバ100から通知されたキャッシュレス口座から支払う金額を減算する。そして、会員情報処理部220は、投票サーバ100から通知されたネット口座から支払う金額をネット会員サーバ300に通知して、ネット口座からの投票金額の引落依頼をネット会員サーバ300に送信する。また、会員情報処理部220は、投票サーバ100から払戻金の振込依頼を受信すると、CL会員データ211に登録された利用者のキャッシュレス口座の残高に、投票サーバ100から通知されたキャッシュレス口座に振り込む金額を加算する。そして、会員情報処理部220は、投票サーバ100から通知されたネット口座に振り込む金額をネット会員サーバ300に通知して、ネット口座への払戻金の振込依頼をネット会員サーバ300に送信する。
【0072】
ネット会員サーバ300は、記憶部310および会員情報処理部320を有する。記憶部310は、ネット会員サーバ300のメモリまたはストレージ装置の記憶領域を用いて実現される。会員情報処理部320は、ネット会員サーバ300のメモリに記憶されたプログラムをネット会員サーバ300のプロセッサが実行することで実現される。記憶部310は、ネット会員データ311を記憶する。ネット会員データ311には、利用者のネット口座の残高等の情報が登録される。
【0073】
会員情報処理部320は、利用者端末41の指示に従って、利用者を会員登録する。会員情報処理部320は、利用者端末41から会員登録依頼を受信すると、利用者をネット会員データ311に登録する。
【0074】
また、会員情報処理部320は、利用者端末41の指示に従って、ネット口座からの入出金をする。会員情報処理部320は、利用者端末41から入金依頼を受信すると、ネット会員データ311に登録された利用者のネット口座の残高に利用者端末41から通知された金額を加算する。会員情報処理部320は、銀行サーバ42に、利用者の銀行口座からネット口座への入金額を出金させる。また、会員情報処理部320は、利用者端末41から出金依頼を受信すると、ネット会員データ311に登録された利用者のネット口座の残高から利用者端末41から通知された金額を減算する。会員情報処理部320は、銀行サーバ42に、利用者の銀行口座にネット口座からの出金額を入金させる。
【0075】
また、会員情報処理部320は、キャッシュレスサーバ200からの指示に従って、投票金額の引落と払戻金の振込とをする。会員情報処理部320は、キャッシュレスサーバ200から投票金額の引落依頼を受信すると、ネット会員データ311に登録された利用者のネット口座の残高から、キャッシュレスサーバ200から通知されたネット口座から支払う金額を減算する。また、会員情報処理部320は、キャッシュレスサーバ200から払戻金の振込依頼を受信すると、ネット会員データ311に登録された利用者のネット口座の残高に、キャッシュレスサーバ200から通知されたネット口座に振り込む金額を加算する。
【0076】
なお、図6に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、第2の実施の形態の投票システムに含まれる各装置に記憶される情報について詳細に説明する。
【0077】
図7は、投票データの一例を示す図である。投票データ111は、会員番号、投票No.および投票情報の項目を有する。会員番号の項目には、利用者のキャッシュレス口座の会員番号が設定される。投票No.の項目には、投票を識別するための番号が設定される。投票情報の項目には、投票に関する情報が設定される。投票情報の項目には、場名、レース、買い方、式別、組番、金額、CL口座、ネット口座、照会状況および払戻金額の項目が含まれる。
【0078】
場名の項目には、投票するレースが行われる場名が設定される。レースの項目には、投票するレースのレース番号が設定される。買い方の項目には、投票の買い方が設定される。式別の項目には、投票の式別が設定される。組番の項目には、投票する組番が設定される。金額の項目には、投票金額が設定される。CL口座の項目には、投票金額のうち、キャッシュレス口座から支払われた金額が設定される。ネット口座の項目には、投票金額のうち、ネット口座から支払われた金額が設定される。照会状況の項目には、投票結果の照会が行われたか否か(未照会であるか照会済であるか)が設定される。払戻金額の項目には、払戻金の金額が設定される。
【0079】
図8は、キャッシュレス会員データの一例を示す図である。CL会員データ211は、会員番号、氏名、CL会員情報およびネット会員情報の項目を有する。会員番号の項目には、利用者のキャッシュレス口座の会員番号が設定される。氏名の項目には、利用者の氏名が設定される。CL会員情報の項目には、利用者のキャッシュレス口座の情報が設定される。CL会員情報の項目には、パスワードおよび口座残高の項目が含まれる。CL会員情報のパスワードの項目には、キャッシュレス口座のパスワードが設定される。CL会員情報の口座残高の項目には、キャッシュレス口座の残高が設定される。
【0080】
ネット会員情報の項目には、利用者のキャッシュレス口座に対応付けられた、利用者のネット口座の情報が設定される。ネット会員情報の項目には、ID、パスワードおよび口座残高の項目が含まれる。ネット会員情報のIDの項目には、ネット口座のIDが設定される。ネット会員情報のパスワードの項目には、ネット口座のパスワードが設定される。ネット会員情報の口座残高の項目には、ネット口座の残高が設定される。
【0081】
図9は、ネット会員データの一例を示す図である。ネット会員データ311は、ID、パスワード、口座残高および銀行口座番号の項目を有する。IDの横目には、ネット口座のIDが設定される。パスワードの項目には、ネット口座のパスワードが設定される。口座残高の項目には、ネット口座の残高が設定される。銀行口座番号の項目には、ネット口座への入出金に用いられる銀行口座の口座番号が設定される。
【0082】
次に、キャッシュレス端末400が投票を受け付けた際に印刷されるレシートについて説明する。
図10は、投票内容を示すレシートの一例を示す図である。レシート51は、キャッシュレス投票をキャッシュレス端末400から受け付けたときに、キャッシュレス端末400のレシート処理ユニット409によって印刷される。
【0083】
レシート51には、キャッシュレス投票を受け付けた日時や利用者のキャッシュレス口座の会員番号が印刷される。また、レシート51には、キャッシュレス投票の内容が印刷される。例えば、レシート51には、場名、レースの日時、レース番号、式別、買い方、組番、投票金額等が印刷される。また、レシート51には、キャッシュレス投票に対する払戻先口座が印刷される。なお、複数のキャッシュレス投票をキャッシュレス端末400が受け付けた場合、レシート51には、複数のキャッシュレス投票それぞれの内容が印刷される。また、レシート51には、複数のキャッシュレス投票の合計の投票金額が印刷される。また、レシート51には、投票後のキャッシュレス口座の残高およびネット口座の残高が印刷される。
【0084】
このように、第2の実施の形態の投票システムは、レシート51によって、利用者に自身が行ったキャッシュレス投票の内容や払戻先の口座を確認させることができる。
次に、ネット口座の登録手続き処理についてシーケンス図を用いて説明する。
【0085】
図11は、ネット口座の登録手続き処理の例を示すシーケンス図である。まず、利用者端末41は、利用者の操作に従って会員登録依頼をネット会員サーバ300に送信する(ステップS11)。例えば、利用者端末41は、利用者が入力した、ネット口座のパスワードと利用者の銀行口座の口座番号とをネット会員サーバ300に通知して、会員登録依頼をネット会員サーバ300に送信する。ネット会員サーバ300の会員情報処理部320は、利用者端末41から会員登録依頼を受信すると、利用者を会員登録する(ステップS12)。例えば、会員情報処理部320は、ネット会員データ311に利用者のレコードを追加する。そして、会員情報処理部320は、利用者のIDを利用者端末41に通知する。
【0086】
次に、利用者端末41は、利用者の操作に従って入金依頼をネット会員サーバ300に送信する(ステップS13)。例えば、利用者端末41は、利用者が入力した、利用者のIDと金額とをネット会員サーバ300に通知して、入金依頼をネット会員サーバ300に送信する。会員情報処理部320は、利用者端末41から入金依頼を受信すると、利用者の銀行口座からの出金依頼を銀行サーバ42に送信する(ステップS14)。例えば、会員情報処理部320は、ネット会員データ311を参照し、利用者端末41から通知されたIDに対応する銀行口座番号と金額とを銀行サーバ42に通知して、出金依頼を銀行サーバ42に送信する。
【0087】
銀行サーバ42は、ネット会員サーバ300から出金依頼を受信すると、利用者の銀行口座から出金する(ステップS15)。例えば、銀行サーバ42は、ネット会員サーバ300から通知された銀行口座番号から、ネット会員サーバ300から通知された金額だけ出金する。そして、銀行サーバ42は、利用者の銀行口座から出金したことをネット会員サーバ300に通知する。会員情報処理部320は、利用者の銀行口座から出金したことを銀行サーバ42から通知されると、利用者のネット口座に入金する(ステップS16)。例えば、会員情報処理部320は、ネット会員データ311の利用者端末41から通知されたIDのレコードの口座残高に、利用者端末41から通知された金額を加算する。
【0088】
このようにして、ネット会員サーバ300は、利用者端末41からの依頼に応じて利用者がネット口座を利用できるように登録することができる。なお、ステップS11~ステップS12の会員登録処理とステップS13~ステップS16の入金処理とは、続けて行われなくてもよい。次に、キャッシュレス口座の登録手続き処理についてシーケンス図を用いて説明する。
【0089】
図12は、キャッシュレス口座の登録手続き処理の例を示すシーケンス図である。まず、会員登録端末31は、係員の操作に従って会員登録依頼をキャッシュレスサーバ200に送信する(ステップS21)。例えば、会員登録端末31は、係員が入力した、利用者の氏名とキャッシュレス口座のパスワードとをキャッシュレスサーバ200に通知して、会員登録依頼をキャッシュレスサーバ200に送信する。キャッシュレスサーバ200の会員情報処理部220は、会員登録端末31から会員登録依頼を受信すると、利用者を会員登録する(ステップS22)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211に利用者のレコードを追加する。そして、会員情報処理部220は、利用者の会員番号を会員登録端末31に通知する。ここで、例えば、会員登録端末31は、ICカードに会員番号を書き込み、係員は、会員番号が書き込まれたICカードを利用者に手渡す。
【0090】
次に、会員登録端末31は、係員の操作に従ってネット口座の登録依頼をキャッシュレスサーバ200に送信する(ステップS23)。例えば、会員登録端末31は、係員が入力した、利用者のネット口座のIDおよびパスワードと利用者のキャッシュレス口座の会員番号とをキャッシュレスサーバ200に通知して、ネット口座の登録依頼をキャッシュレスサーバ200に送信する。会員情報処理部220は、会員登録端末31からネット口座の登録依頼を受信すると、利用者のネット口座を利用者のキャッシュレス口座に対応付けて登録する(ステップS24)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211を参照して、会員登録端末31から通知された会員番号のレコードに、利用者のネット口座のIDおよびパスワードを追加する。そして、会員情報処理部220は、ネット口座の登録が完了したことを会員登録端末31に通知する。
【0091】
次に、入出金端末500は、利用者の操作に従って、キャッシュレスサーバ200に利用者のキャッシュレス口座に入金するよう依頼する(ステップS25)。例えば、入出金端末500は、非接触カード読み取りユニット506を用いて、利用者のICカードから会員番号を読み取る。また、入出金端末500は、タッチパネル505から利用者による金額の入力を受け付ける。また、入出金端末500は、入力された金額の現金の投入を現金処理ユニット507から受け付ける。そして、入出金端末500は、読み取った会員番号と入力された金額とをキャッシュレスサーバ200に通知して、キャッシュレスサーバ200に利用者のキャッシュレス口座に入金するよう依頼する。会員情報処理部220は、入出金端末500から入金依頼を受信すると、利用者のキャッシュレス口座に入金する(ステップS26)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211に登録されている、入出金端末500から通知された会員番号のレコードの、CL会員情報の口座残高に、入出金端末500から通知された金額を加算する。そして、会員情報処理部220は、入金処理が完了したことを入出金端末500に通知する。
【0092】
このようにして、キャッシュレスサーバ200は、会員登録端末31からの依頼に応じて利用者がキャッシュレス投票できるように登録することができる。なお、ステップS21~ステップS22の会員登録処理とステップS23~ステップS24のネット口座登録処理と、ステップS25~ステップS26の入金処理とは、続けて行われなくてもよい。次に、キャッシュレス投票処理についてシーケンス図を用いて説明する。
【0093】
図13は、キャッシュレス投票処理の例を示すシーケンス図(その1)である。まず、キャッシュレス端末400は、利用者からのキャッシュレス投票の依頼を受け付ける(ステップS31)。例えば、キャッシュレス端末400は、非接触カード読み取りユニット406を用いて、利用者のICカードから会員番号を読み取ることで、利用者からのキャッシュレス投票の依頼を受け付ける。キャッシュレス端末400は、キャッシュレスサーバ200に利用者の会員認証を依頼する(ステップS32)。例えば、キャッシュレス端末400は、利用者のICカードから読み取った会員番号をキャッシュレスサーバ200に通知して、キャッシュレスサーバ200に利用者の会員認証を依頼する。なお、キャッシュレス端末400は、利用者にパスワードを入力させ、入力されたパスワードを会員番号とともにキャッシュレスサーバ200に通知してもよい。
【0094】
キャッシュレスサーバ200の会員情報処理部220は、キャッシュレス端末400から会員認証依頼を受信すると、利用者の会員認証をする(ステップS33)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211を参照して、キャッシュレス端末400から通知された会員番号のレコードがあることを確認することで会員認証をする。なお、会員情報処理部220は、キャッシュレス端末400からパスワードを会員番号とともに通知された場合、CL会員データ211の通知された会員番号のレコードに、通知されたパスワードが登録されていることを確認することで会員認証をしてもよい。会員情報処理部220は、会員認証が成功すると、利用者のキャッシュレス口座の残高を照会する(ステップS34)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211に登録されている、キャッシュレス端末400から通知された会員番号のレコードの、CL会員情報の口座残高の項目を参照する。また、会員情報処理部220は、利用者のネット口座の残高照会の依頼をネット会員サーバ300に送信する(ステップS35)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211に登録されている、キャッシュレス端末400から通知された会員番号のレコードの、ネット会員情報のIDをネット会員サーバ300に通知して、残高照会の依頼をネット会員サーバ300に送信する。
【0095】
ネット会員サーバ300の会員情報処理部320は、キャッシュレスサーバ200からネット口座の残高照会の依頼を受信すると、利用者のネット口座の残高照会をする(ステップS36)。例えば、会員情報処理部320は、ネット会員データ311に登録されている、キャッシュレスサーバ200から通知されたIDのレコードの口座残高の項目を参照する。そして、会員情報処理部320は、照会したネット口座の口座残高をキャッシュレスサーバ200に通知する。
【0096】
キャッシュレス口座の残高およびネット口座の残高の照会が完了すると、会員情報処理部220は、認証結果と残高情報とをキャッシュレス端末400に送信する(ステップS37)。例えば、会員情報処理部220は、会員認証が正常に完了したことと照会したキャッシュレス口座の残高とネット会員サーバ300から通知されたネット口座の残高とをキャッシュレス端末400に通知する。
【0097】
キャッシュレス端末400は、キャッシュレスサーバ200から通知された残高情報をディスプレイ装置404に表示させる(ステップS38)。そして、キャッシュレス端末400は、利用者からの投票内容の入力を受け付ける(ステップS39)。例えば、キャッシュレス端末400は、マークカード処理ユニット408によって利用者が投票内容を記入したマークカードから投票内容を読み取る。また、例えば、キャッシュレス端末400は、コード読み取りユニット407によって、投票内容を示すQRコードを読み取ってもよい。また、例えば、キャッシュレス端末400は、タッチパネル405から、利用者による投票内容の入力を受け付けてもよい。なお、キャッシュレス端末400は、利用者から複数の投票内容を受け付けてもよい。そして、キャッシュレス端末400は、入力された投票内容と利用者の会員番号とキャッシュレス口座の残高とネット口座の残高とを投票サーバ100に通知する。
【0098】
図14は、キャッシュレス投票処理の例を示すシーケンス図(その2)である。投票サーバ100の投票処理部120は、投票内容と会員番号とキャッシュレス口座の残高とネット口座の残高とをキャッシュレス端末400から通知されると、支払口座決定処理を実行する(ステップS40)。支払口座決定処理の詳細については後述する(図15参照)。投票処理部120は、投票金額の支払口座を決定すると、投票金額の引落依頼をキャッシュレスサーバ200に送信する(ステップS41)。例えば、投票処理部120は、利用者のキャッシュレス口座の会員番号と、キャッシュレス口座から支払う金額と、ネット口座から支払う金額とをキャッシュレスサーバ200に通知して、投票金額の引落依頼をキャッシュレスサーバ200に送信する。
【0099】
会員情報処理部220は、投票サーバ100から投票金額の引落依頼を受信すると、キャッシュレス口座から引落をする(ステップS42)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211に登録されている、投票サーバ100から通知された会員番号のレコードのCL会員情報の口座残高から、キャッシュレス口座から支払う金額として投票サーバ100から通知された金額を減算する。また、会員情報処理部220は、ネット口座からの引落依頼をネット会員サーバ300に送信する(ステップS43)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211に登録されている、投票サーバ100から通知された会員番号のレコードのネット会員情報のIDを、利用者のネット口座のIDと特定する。そして、会員情報処理部220は、利用者のネット口座のIDとネット口座から支払う金額とをネット会員サーバ300に通知して、ネット口座からの引落依頼をネット会員サーバ300に送信する。
【0100】
会員情報処理部320は、キャッシュレスサーバ200からネット口座からの引落依頼を受信すると、ネット口座から引落をする(ステップS44)。例えば、会員情報処理部320は、ネット会員データ311に登録されている、キャッシュレスサーバ200から通知されたIDのレコードの口座残高から、ネット口座から支払う金額としてキャッシュレスサーバ200から通知された金額を減算する。そして、会員情報処理部320は、ネット口座からの引落が完了したことをキャッシュレスサーバ200に通知する。そして、会員情報処理部220は、引落結果を投票サーバ100に送信する(ステップS45)。
【0101】
投票処理部120は、キャッシュレスサーバ200から引落結果を受信すると、投票内容を投票データ111に登録する(ステップS46)。例えば、投票処理部120は、利用者の会員番号と、投票内容ごとに異なる投票No.とが設定されたレコードを生成する。投票処理部120は、生成したレコードの場名、レース、買い方、式別、組番、金額の項目を投票内容に基づいて設定する。また、投票処理部120は、生成したレコードのCL口座の項目に、投票内容に対してキャッシュレス口座から支払われた金額を設定する。また、投票処理部120は、生成したレコードのネット口座の項目に、投票内容に対してネット口座から支払われた金額を設定する。
【0102】
投票処理部120は、投票データ111に登録した投票内容をキャッシュレス端末400に送信する(ステップS47)。そして、キャッシュレス端末400は、投票サーバ100から投票内容を受信すると、レシート処理ユニット409を用いて、受信した投票内容を示すレシート51を印刷する(ステップS48)。
【0103】
このようにして、第2の実施の形態の投票システムは、キャッシュレス口座とネット口座とを用いて利用者にキャッシュレス投票をさせることができる。これにより、第2の実施の形態の投票システムは、利用者がキャッシュレス口座に残高をチャージし忘れること等によりキャッシュレス口座の残高が足りない場合でも、利用者にキャッシュレス投票させることができ、利用者の投票機会を増大させることができる。次に、キャッシュレス端末400から通知された、投票内容とキャッシュレス口座の残高とに基づいた、投票サーバ100による支払口座決定処理手順について説明する。
【0104】
図15は、支払口座決定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS101]投票処理部120は、未選択の投票内容を選択する。
【0105】
[ステップS102]投票処理部120は、ステップS101で選択した投票内容に対する投票金額がキャッシュレス口座の残高以下であるか否かを判定する。なお、投票金額と比較されるキャッシュレス口座の残高は、キャッシュレス端末400から通知されたキャッシュレス口座の残高から、支払口座決定処理においてキャッシュレス口座から支払うと決定された投票金額を引いたものである。投票処理部120は、投票金額がキャッシュレス口座の残高以下であると判定した場合、処理をステップS103に進める。また、投票処理部120は、投票金額がキャッシュレス口座の残高より大きいと判定した場合、処理をステップS104に進める。
【0106】
[ステップS103]投票処理部120は、キャッシュレス口座から、ステップS101で選択された投票内容に対する投票金額を支払うと決定する。そして、処理がステップS106に進む。
【0107】
[ステップS104]投票処理部120は、キャッシュレス口座から、キャッシュレス口座の残高の金額を支払うと決定する。
[ステップS105]投票処理部120は、ネット口座から、ステップS101で選択された投票内容に対する投票金額とステップS104で支払うと決定されたキャッシュレス口座の残高の金額との差額を支払うと決定する。
【0108】
[ステップS106]投票処理部120は、すべての投票内容が選択されたか否かを判定する。投票処理部120は、すべての投票内容が選択されたと判定した場合、処理を終了する。また、投票処理部120は、選択されていない投票内容が残っていると判定した場合、処理をステップS101に進める。
【0109】
このように、投票サーバ100は、投票金額がキャッシュレス口座の残高以下である場合、キャッシュレス口座から投票金額を支払って投票すると決定する。よって、投票サーバ100は、キャッシュレス口座の残高が十分残っている場合、利用者にキャッシュレス口座のみから投票させる。また、投票サーバ100は、投票金額がキャッシュレス口座の残高より大きい場合、キャッシュレス口座からキャッシュレス口座の残高の金額を支払い、ネット口座から投票金額とキャッシュレス口座の残高との差額を支払って投票すると決定する。これにより、投票サーバ100は、キャッシュレス口座に半端な金額が残存することを防ぐことができる。
【0110】
次に、払戻処理についてシーケンス図を用いて説明する。なお、投票サーバ100は、以下に示す払戻処理を、一定時間おきに開始してもよいし、レースが終了したとき(つまり、払戻金の有無や金額が決定したとき)に開始してもよい。
【0111】
図16は、払戻処理の例を示すシーケンス図である。まず、投票サーバ100の払戻処理部130は、払戻先決定処理を実行する(ステップS51)。払戻先決定処理の詳細については後述する(図17参照)。払戻処理部130は、払戻先を決定すると、払戻金の振込依頼をキャッシュレスサーバ200に送信する(ステップS52)。例えば、払戻処理部130は、利用者のキャッシュレス口座の会員番号と、キャッシュレス口座に振り込む払戻金の金額と、ネット口座に振り込む払戻金の金額とをキャッシュレスサーバ200に通知して、払戻金の振込依頼をキャッシュレスサーバ200に送信する。
【0112】
キャッシュレスサーバ200の会員情報処理部220は、投票サーバ100から払戻金の振込依頼を受信すると、キャッシュレス口座に払戻金の振込をする(ステップS53)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211に登録されている、投票サーバ100から通知された会員番号のレコードのCL会員情報の口座残高に、キャッシュレス口座に振り込む金額として投票サーバ100から通知された金額を加算する。また、会員情報処理部220は、ネット口座への振込依頼をネット会員サーバ300に送信する(ステップS54)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211に登録されている、投票サーバ100から通知された会員番号のレコードのネット会員情報のIDを、利用者のネット口座のIDと特定する。そして、会員情報処理部220は、利用者のネット口座のIDとネット口座に振り込む金額とをネット会員サーバ300に通知して、ネット口座への振込依頼をネット会員サーバ300に送信する。
【0113】
ネット会員サーバ300の会員情報処理部320は、キャッシュレスサーバ200からネット口座への振込依頼を受信すると、ネット口座への振込をする(ステップS55)。例えば、会員情報処理部320は、ネット会員データ311に登録されている、キャッシュレスサーバ200から通知されたIDのレコードの口座残高に、ネット口座に振り込む金額としてキャッシュレスサーバ200から通知された金額を加算する。そして、会員情報処理部320は、ネット口座への振込が完了したことをキャッシュレスサーバ200に通知する。そして、会員情報処理部220は、振込結果を投票サーバ100に送信する(ステップS56)。
【0114】
このようにして、第2の実施の形態の投票システムは、キャッシュレス口座およびネット口座に払戻金を振り込む。次に、投票サーバ100による払戻先決定処理手順について説明する。
【0115】
図17は、払戻先決定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS111]払戻処理部130は、投票データ111の照会状況の項目が、未照会のレコードを選択する。
【0116】
[ステップS112]払戻処理部130は、ステップS111で選択したレコード(選択レコード)の投票の的中状況を照会する。例えば、払戻処理部130は、選択レコードの場名、レース、買い方、式別、組番の項目に基づいて、投票が的中しているか否かを判定する。払戻処理部130は、投票が的中していた場合、選択レコードの金額の項目に設定された金額に基づいて払戻金額を算出し、選択レコードの払戻金額の項目に算出した払戻金額を設定する。また、払戻処理部130は、投票が的中していなかった場合、選択レコードの払戻金額の項目に0円を設定する。
【0117】
[ステップS113]払戻処理部130は、選択レコードの投票が的中しているか否かを判定する。例えば、払戻処理部130は、選択レコードの払戻金額の項目に、0円以外の払戻金額が設定されている場合、選択レコードの投票が的中していると判定する。払戻処理部130は、選択レコードの投票が的中していると判定した場合、処理をステップS114に進める。また、払戻処理部130は、選択レコードの投票が的中していないと判定した場合、処理をステップS117に進める。
【0118】
[ステップS114]払戻処理部130は、選択レコードの投票のネット口座利用金額が0円であるか否かを判定する。例えば、払戻処理部130は、選択レコードのネット口座の項目に、0円が設定されている場合、ネット口座利用金額が0円であると判定する。払戻処理部130は、選択レコードの投票のネット口座利用金額が0円であると判定した場合、処理をステップS115に進める。また、払戻処理部130は、選択レコードの投票のネット口座利用金額が0円ではないと判定した場合、処理をステップS116に進める。
【0119】
[ステップS115]払戻処理部130は、選択レコードの投票に対する払戻金の振込先をキャッシュレス口座に決定する。例えば、払戻処理部130は、選択レコードの払戻金額の項目に設定された金額を、選択レコードの会員番号の項目に設定された会員番号のキャッシュレス口座に振り込むと決定する。そして、処理がステップS117に進む。
【0120】
[ステップS116]払戻処理部130は、選択レコードの投票に対する払戻金の振込先をネット口座に決定する。例えば、払戻処理部130は、選択レコードの払戻金額の項目に設定された金額を、選択レコードの会員番号の項目に設定された会員番号のキャッシュレス口座に対応するネット口座に振り込むと決定する。
【0121】
[ステップS117]払戻処理部130は、選択レコードの照会状況の項目を照会済に設定する。
[ステップS118]払戻処理部130は、投票データ111のすべてのレコードの照会状況の項目が照会済であるか否かを判定する。払戻処理部130は、投票データ111のすべてのレコードの照会状況の項目が照会済であると判定した場合、処理を終了する。また、払戻処理部130は、投票データ111に照会状況の項目が未照会であるレコードが残っていると判定した場合、処理をステップS111に進める。
【0122】
このように、投票サーバ100は、キャッシュレス口座のみから投票金額が支払われた投票に対する払戻金の入金先をキャッシュレス口座に決定し、ネット口座から投票金額の少なくとも一部が支払われた投票に対する払戻金の入金先をネット口座に決定する。これにより、第三者が利用者のICカードを盗難したり、第三者が自身のキャッシュレス口座に利用者のネット口座を対応付けたりすることで、利用者のネット口座から不正投票した場合であっても、投票サーバ100は、払戻先を利用者のネット口座に決定する。よって、投票サーバ100は、第三者が不正投票による払戻金をキャッシュレス口座から出金することを防ぐことができるため、公営競技における不正な投票を抑止することができる。
【0123】
また、投票サーバ100は、投票金額がキャッシュレス口座の残高以下である場合、キャッシュレス口座から投票金額を支払って投票すると決定し、キャッシュレス口座のみから投票金額が支払われた投票に対する払戻金の入金先をキャッシュレス口座に決定する。これにより、キャッシュレス口座の残高が十分残っている場合、利用者が投票および払戻金の受け取りをキャッシュレス口座からできるようになり、投票サーバ100は、キャッシュレス投票の利便性を向上させることができる。
【0124】
なお、上記の図16,17に示す例では、投票サーバ100は、払戻をするときに払戻先を決定しているが、払戻をする前に払戻先を決定してもよい。例えば、投票サーバ100は、投票に対する支払口座を決定したときに当該投票の払戻先を事前に決定してもよい。次に、キャッシュレス口座からの出金処理についてシーケンス図を用いて説明する。
【0125】
図18は、キャッシュレス口座からの出金処理の例を示すシーケンス図である。まず、入出金端末500は、利用者からの出金依頼を受け付ける(ステップS61)。例えば、入出金端末500は、非接触カード読み取りユニット506を用いて、利用者のICカードから会員番号を読み取ることで、利用者からの出金依頼を受け付ける。入出金端末500は、キャッシュレスサーバ200に利用者の会員認証を依頼する(ステップS62)。例えば、入出金端末500は、利用者のICカードから読み取った会員番号をキャッシュレスサーバ200に通知して、キャッシュレスサーバ200に利用者の会員認証を依頼する。なお、入出金端末500は、利用者にパスワードを入力させ、入力されたパスワードを会員番号とともにキャッシュレスサーバ200に通知してもよい。
【0126】
キャッシュレスサーバ200の会員情報処理部220は、入出金端末500から会員認証依頼を受信すると、利用者の会員認証をする(ステップS63)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211を参照して、入出金端末500から通知された会員番号のレコードがあることを確認することで会員認証をする。なお、会員情報処理部220は、キャッシュレス端末400からパスワードを会員番号とともに通知された場合、CL会員データ211を参照して、通知された会員番号のレコードに、通知されたパスワードが登録されていることを確認することで会員認証をしてもよい。会員情報処理部220は、会員認証が成功すると、利用者のキャッシュレス口座の残高を照会する(ステップS64)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211に登録されている、入出金端末500から通知された会員番号のレコードの、CL会員情報の口座残高の項目を参照する。また、会員情報処理部220は、利用者のネット口座の残高照会の依頼をネット会員サーバ300に送信する(ステップS65)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211に登録されている、入出金端末500から通知された会員番号のレコードの、ネット会員情報のIDをネット会員サーバ300に通知して、残高照会の依頼をネット会員サーバ300に送信する。
【0127】
ネット会員サーバ300の会員情報処理部320は、キャッシュレスサーバ200からネット口座の残高照会の依頼を受信すると、利用者のネット口座の残高照会をする(ステップS66)。例えば、会員情報処理部320は、ネット会員データ311に登録されている、キャッシュレスサーバ200から通知されたIDのレコードの口座残高の項目を参照する。そして、会員情報処理部320は、照会したネット口座の口座残高をキャッシュレスサーバ200に通知する。
【0128】
キャッシュレス口座の残高およびネット口座の残高の照会が完了すると、会員情報処理部220は、認証結果と残高情報とを入出金端末500に送信する(ステップS67)。例えば、会員情報処理部220は、会員認証が正常に完了したことと照会したキャッシュレス口座の残高とネット会員サーバ300から通知されたネット口座の残高とを入出金端末500に通知する。
【0129】
入出金端末500は、キャッシュレスサーバ200から通知された残高情報をディスプレイ装置504に表示させる(ステップS68)。そして、入出金端末500は、利用者からの出金金額の入力を受け付ける(ステップS69)。例えば、入出金端末500は、タッチパネル505から、利用者による出金金額の入力を受け付ける。そして、入出金端末500は、入力された出金金額と利用者の会員番号とをキャッシュレスサーバ200に通知して出金依頼を送信する。会員情報処理部220は、入出金端末500から出金依頼を受信すると、利用者のキャッシュレス口座から出金する(ステップS70)。例えば、会員情報処理部220は、CL会員データ211に登録されている、入出金端末500から通知された会員番号のレコードの、CL会員情報の口座残高から、入出金端末500から通知された金額を減算する。そして、会員情報処理部220は、出金処理が完了したことを入出金端末500に通知する。
【0130】
入出金端末500は、キャッシュレスサーバ200から出金処理が完了したことを通知されると、現金を出金する(ステップS71)。例えば、入出金端末500は、現金処理ユニット507を用いて、出金する金額だけ現金を出金する。
【0131】
このようにして、第2の実施の形態の投票システムは、利用者にキャッシュレス口座から出金させることができる。次に、ネット口座からの出金処理についてシーケンス図を用いて説明する。
【0132】
図19は、ネット口座からの出金処理の例を示すシーケンス図である。まず、利用者端末41は、利用者の操作に従ってIDとパスワードとをネット会員サーバ300に通知してログインする(ステップS81)。例えば、利用者端末41は、利用者が入力した、利用者のIDとパスワードとをネット会員サーバ300に通知する。ネット会員サーバ300の会員情報処理部320は、利用者端末41からIDとパスワードとを通知されると、認証を行う(ステップS82)。例えば、会員情報処理部320は、ネット会員データ311を参照して、利用者端末41から通知されたIDのレコードに、利用者端末41から通知されたパスワードが登録されていることを確認することで認証を行う。そして、会員情報処理部320は、認証が成功すると、認証が成功したことを利用者端末41に通知する。
【0133】
利用者端末41は、利用者の操作に従って出金依頼をネット会員サーバ300に送信する(ステップS83)。例えば、利用者端末41は、利用者が入力した、利用者のIDと金額とをネット会員サーバ300に通知して、出金依頼をネット会員サーバ300に送信する。会員情報処理部320は、利用者端末41から出金依頼を受信すると、利用者のネット口座から出金する(ステップS84)。例えば、会員情報処理部320は、ネット会員データ311の利用者端末41から通知されたIDのレコードの口座残高から、利用者端末41から通知された金額を減算する。また、会員情報処理部320は、利用者の銀行口座への入金依頼を銀行サーバ42に送信する(ステップS85)。例えば、会員情報処理部320は、ネット会員データ311を参照し、利用者端末41から通知されたIDに対応する銀行口座番号と金額とを銀行サーバ42に通知して、入金依頼を銀行サーバ42に送信する。
【0134】
銀行サーバ42は、ネット会員サーバ300から入金依頼を受信すると、利用者の銀行口座へ入金する(ステップS86)。例えば、銀行サーバ42は、ネット会員サーバ300から通知された銀行口座番号へ、ネット会員サーバ300から通知された金額だけ入金する。そして、銀行サーバ42は、利用者の銀行口座へ入金したことをネット会員サーバ300に通知する。そして、会員情報処理部320は、処理結果を利用者端末41に送信する(ステップS87)。
【0135】
このようにして、第2の実施の形態の投票システムは、利用者のネット口座から利用者の銀行口座に出金する。ここで、利用者は、ログインによって認証された場合にネット口座から残高を引き出し可能である。よって、第2の実施の形態の投票システムは、第三者が利用者のネット口座から不正投票した場合であっても、払戻金をネット口座から出金することを防ぐことができる。
【0136】
〔その他の実施の形態〕
第2の実施の形態では、投票サーバ100が投票に用いる口座の決定および払戻先の決定を行っていたが、投票に用いる口座の決定および払戻先の決定のいずれか一方をキャッシュレスサーバ200が行ってもよい。また、投票に用いる口座の決定および払戻先の決定の両方をキャッシュレスサーバ200が行ってもよい。
【0137】
また、第2の実施の形態では、投票サーバ100は、投票金額の引落および払戻金の入金をキャッシュレスサーバ200のみに指示をしていたが、ネット会員サーバ300にも指示をしてもよい。例えば、投票サーバ100は、キャッシュレス口座からの引落およびキャッシュレス口座への入金をキャッシュレスサーバ200に指示し、ネット口座からの引落およびネット口座への入金をネット会員サーバ300に指示してもよい。
【0138】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0139】
1 キャッシュレスサーバ
1a 第1口座情報
2 ネット会員サーバ
2a 第2口座情報
10 投票サーバ
11 処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図19