(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】医療用ポンプドライブ、ポンプ、および医療用処理装置
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20240213BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
A61M1/00 150
A61M5/142 506
(21)【出願番号】P 2020518023
(86)(22)【出願日】2018-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2018076074
(87)【国際公開番号】W WO2019063593
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-09-21
(31)【優先権主張番号】102017122804.7
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501276371
【氏名又は名称】フレセニウス・メディカル・ケア・ドイチュラント・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ハイデ、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ペータース、アルネ
(72)【発明者】
【氏名】ニコリック、デヤン
(72)【発明者】
【氏名】クレビンハウス、ユルゲン
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/034569(WO,A2)
【文献】特表2014-514036(JP,A)
【文献】特表2015-510431(JP,A)
【文献】特表2014-500097(JP,A)
【文献】特開2016-116948(JP,A)
【文献】国際公開第2015/098709(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0229250(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
A61M 1/14
A61M 60/873
A61M 60/419
A61M 5/142
F04D 13/06
F04D 13/02
H02J 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用ポンプドライブであって、少なくとも、
・1つのポンプハウジングおよび前記ハウジング内に設けられた1つのポンプモータと、
・電気エネルギーを貯蔵するための1つの充電式電圧源、または前記ポンプモータの電源のための1つの充電式バッテリと、
・磁気的に駆動されるポンプロータの構成要素を磁気的に結合および/または磁気的に駆動するための1つの磁性部と、
・1つの制御電子機器と
を各々少なくとも有し、
前記制御電子機器は、モーションセンサを備えるか、またはモーションセンサに接続され、
前記制御電子機器は、前記モーションセンサを介して前記ポンプドライブの移動を検出するように構成され、
前記制御電子機器は、前記モーションセンサを介して前記ポンプドライブの移動を検出すると、前記ポンプドライブの前記磁性部を起動し、および/または前記ポンプドライブの前記磁性部にベアリング電圧もしくはベアリング電流を供給するように構成されている、
医療用ポンプドライブ。
【請求項2】
前記電圧源または前記充電式バッテリを充電するための誘導コイルを有する、請求項1に記載のポンプドライブ。
【請求項3】
前記ポンプハウジングは、
・前記ポンプドライブを誘導充電ステーションのベース面上に配置するためのベース部と、
・前記ポンプドライブをポンプ部に接続するための接続部と、前記ポンプ部はポンプロータを備え、
を備え、
前記ベース部および前記接続部は、前記ハウジングの対向する端部上に位置するか、または前記端部に関連付けられる、請求項1~2のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
【請求項4】
点灯デバイスを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
【請求項5】
前記点灯デバイスは、色付きの点灯デバイスであり、リングとして、LEDまたはLEDカラーリングとして設計され、および/または前記ポンプハウジング内または前記ポンプハウジングに具現化された点灯デバイスである、請求項4に記載のポンプドライブ。
【請求項6】
前記制御電子機器は、ワイヤレスモジュールを備えるか、またはそれに接続される、請求項1~5のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
【請求項7】
前記制御電子機器は、前記点灯デバイスを使用して、1つまたは複数の色で、進行中の充電進行をシグナリングするように構成されている、請求項4~5のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
【請求項8】
前記制御電子機器は、前記電圧源または前記充電式バッテリの充電が完了したときまたは完了した後に、前記点灯デバイスをスイッチオフするように構成されている、請求項4~5および7のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
【請求項9】
前記制御電子機器は、前記モーションセンサを介して前記ポンプドライブの移動を検出すると、前記制御電子機器の第1の状態から第2の状態に変化するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
【請求項10】
前記制御電子機器は、前記点灯デバイスを介して、充電状態を表示するように構成されている、請求項4~5、7および8のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
【請求項11】
前記充電状態を表示することは、前記モーションセンサを介して前記ポンプドライブの移動を検出すると起こる、請求項10に記載のポンプドライブ。
【請求項12】
前記制御電子機器は、ポンプロータを有するポンプ部を検出すると、またはポンプロータを検出すると、所定の速度で、前記ポンプドライブの前記磁性部を回転させるように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
【請求項13】
前記検出することは、ホールセンサを介して起こり、および/または、現在または実際の回転は、点灯デバイスを介して、長手方向軸周りを回転する発光で表示される、請求項12に記載のポンプドライブ。
【請求項14】
前記制御電子機器は、ポンプであって一部が前記ポンプドライブであるポンプを流れる液流が乾燥し、液流が減少しまたは液流が枯渇することを検出すると、最大速度または事前設定速度を低減するように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
【請求項15】
前記最大速度または事前設定速度は、ポンプであって一部が前記ポンプドライブであるポンプによってポンピングされる液体と、重力または他の理由により前記ポンプに流れ戻る液体とのバランスを確立する速度まで低減される、請求項14に記載のポンプドライブ。
【請求項16】
前記制御電子機器は、前記ポンプドライブの移動についての通知を外部デバイスに送信するように構成されている、請求項1~15のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のポンプドライブを有し、ポンプロータを備える少なくとも1つのポンプ部を有するポンプであって、前記ポンプ部は、チューブセットおよび/または使い捨て品の一部である、ポンプ。
【請求項18】
前記ポンプロータを有する前記ポンプ部は、前記ポンプ部を、血液処理装置の部分に、取り外し可能に固定するためのデバイスを備える、請求項17に記載のポンプ。
【請求項19】
前記ポンプ部は、前記血液処理装置のフット領域において、取り外し可能に固定される、請求項18に記載のポンプ。
【請求項20】
前記デバイスは、ラッチデバイスまたはクリップデバイスであるか、またはそれを備える、請求項18または19に記載のポンプ。
【請求項21】
前記ポンプは、磁石接続を除いて、前記ポンプドライブを、ポンプロータを担持する前記ポンプ部に接続するためのデバイスを備えない、請求項17~20のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項22】
充電式バッテリを充電するための誘導充電ステーションであって、前記誘導充電ステーションは、請求項1~16のいずれか一項に記載の前記ポンプドライブを前記誘導充電ステーション上に配置することまたはその配置を検出するように構成された制御電子機器を備え、誘導を介して前記ポンプドライブの前記充電式バッテリを充電するように設計および構成されている、誘導充電ステーション。
【請求項23】
請求項1~16のいずれか一項に記載のポンプドライブまたは請求項17~21のいずれか一項に記載のポンプを備えるセットであって、請求項22に記載の誘導
充電ステーション、および/または前記制御電子機器ならびに/もしくは前記
充電式バッテリの信号、状態、機能、および/または設定を受信および表示するために前記ワイヤレスモジュールを通して前記制御電子機器と信号通信するように構成された外部デバイスをさらに備える、セット。
【請求項24】
前記ポンプロータを担持する少なくとも1つのポンプ部を備えるチューブセットであって、前記ポンプ部は、請求項1~16のいずれか一項に記載のポンプドライブに機能的に接続されるか、またはそれと一緒にされるように設けられ、前記ポンプ部は、磁石接続および/または重力を除いて、前記ポンプ部を前記ポンプドライブに接続するためのデバイスを備えない、チューブセット。
【請求項25】
請求項17~21のいずれか一項に記載のポンプ、請求項23に記載のセット
、または請求項24に記載のチューブセットを備えるか、もしくはそれらにそれぞれ接続された、医療用処理装
置。
【請求項26】
請求項1~16のいずれか一項に記載の前記ポンプドライブの前記充電式バッテリを充電するための方法であって、
・前記誘導充電コイルが関連付けられた前記ポンプハウジングの端部が下向きになるように、前記ポンプドライブを回転させることまたは向けることと、
・誘導充電ステーションのベース面上に、少なくとも上下方向も備える運動で、前記ポンプドライブを配置することまたは置くことと
を行うステップを有する、方法。
【請求項27】
請求項1~16のいずれか一項に記載のポンプドライブを、ポンプロータを有するポンプ部と一緒にするための方法であって、
・前記磁性部を備える前記ポンプハウジングの端部が下向きになるように、前記ポンプドライブを回転させることまたは向けることと、
・少なくとも上下方向も備える運動で、ポンプロータを備える前記ポンプ部上に前記ポンプドライブを配置することまたは取り付けることと
を行うステップを包含する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の医療用ポンプドライブ、請求項16に記載のポンプ、請求項20に記載の誘導充電ステーション、および請求項21に記載のそのセットに関する。本発明はさらに、請求項22に記載のチューブセット、請求項23に記載の医療用処理装置(短く、処理装置ともいう)、さらに請求項24に記載の充電式バッテリを充電するための方法、および請求項25に記載のポンプの2つの部分を組み立てるための方法を包含する。
【背景技術】
【0002】
体外血液処理は、先行技術で知られている。ここで、血液が患者から引き出され、体外で血液回路またはチューブセットに沿って、そして透析治療の例では例えば血液フィルタを通して導かれる。血液フィルタは、血液が送り込まれる血液チャンバと、透析液体が導かれる透析液体チャンバとを備える。両方のチャンバは、半透膜によって互いに分離されている。血液および透析液体は大部分が、向流原理によって血液フィルタを通してガイドされる。血液は血液フィルタで洗浄される。血液フィルタを出ると、以後透析液と称される透析液体は、使用済みとみなされ、廃棄される。透析液に加えて、廃棄される流体は、血液フィルタにおいて血液から引き出された水分を備える濾液も備える。濾液および透析液は、個々でもまとめても、以下では単純に排液と称される。
【0003】
排液は、先行技術では、排液入口ラインを介して排液バッグに導かれ、最初にそこに溜められる。血液処理の完了後に、または血液処理中のバッグを空にする間隔(バッグが空にされる間隔)において、排液は、排液バッグから、当該バッグが保持される保持容器(basin)またはシンクへと廃棄される。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、血液処理中に使用するための排液バッグを空にするためのポンプドライブを特定することである。
【0005】
さらに、ポンプ、ポンプドライブ用の誘導充電ステーション、セット、および特に血液処理装置であり得る医療用処理装置が特定される。
【0006】
さらに、ポンプドライブの充電式バッテリを充電するための方法および本発明によるポンプドライブを、ポンプロータを備えるポンプ部に接続するための方法が特定される。
【0007】
本発明の目的は、請求項1に記載の特徴を有する医療用ポンプドライブによって達成される。さらに、本目的は、請求項16に記載のポンプ、請求項20に記載の誘導充電ステーション、および請求項21に記載のそのセットによって達成される。請求項22に記載のチューブセット、請求項23に記載の処理装置、また請求項24に記載の充電式バッテリを充電するための方法、および請求項25に記載のポンプの2つの部分を一緒にするための方法が、本発明の目的を達成するためにさらに含まれる。
【0008】
本発明による方法を用いて達成可能な利点のすべてが、本発明によるある特定の実施形態において本発明によるデバイスを用いても充分に達成され得る。
【0009】
本発明は、少なくともハウジングと、ハウジング内に設けられたポンプモータとを備える医療用ポンプドライブに関する。ポンプドライブはさらに、電気エネルギーを貯蔵するための充電式電圧源(rechargeable voltage source)、または充電式バッテリを備える。それらはポンプモータに電圧を供給するのに役立つ。
【0010】
さらに、ポンプドライブは、例えば鉄心を有するコイルとして設計された磁性部を有するように設計される。これは、構成要素、特に磁気的に駆動されるポンプロータの構成要素を磁気的に結合および/または磁気的に駆動するために使用される。ドライブは、好ましくは非接触である。
【0011】
最後に、ポンプドライブは、その制御または閉/開ループ制御のための制御電子機器を備える。
【0012】
ポンプドライブのすべての構成要素、特に上述された構成要素は、任意選択で、すべて一緒にハウジング内に含まれるかまたは一体化され得る。したがって、いくつかの実施形態では、それらはハウジングを共有し得る。いくつかの実施形態では、ポンプドライブは、その構成要素をポンプドライブの外部から分離するちょうど1つのハウジングを有する。
【0013】
本発明はさらに、ポンプに関する。それは、本発明によるポンプドライブと、次にポンプロータを備える少なくとも1つのポンプ部とを備える。ポンプロータを有するポンプ部は、好ましくは、チューブセットおよび/または使い捨て品の一部である。
【0014】
本発明はさらに、ポンプドライブの充電式バッテリを充電するための誘導充電ステーションに関する。誘導充電ステーションは、任意選択で、誘導充電ステーション上へのポンプドライブの配置を検出し、充電式バッテリを充電するように構成された制御電子機器をもつ。
【0015】
本発明はセットに関する。本セットは、少なくとも本発明によるポンプドライブおよび/または本発明によるポンプを包含する。さらに、本セットは、本発明による誘導充電ステーションおよび/または外部デバイスを備える。誘導充電ステーションおよび/または外部デバイスは、制御電子機器および/または充電式バッテリの信号、状態、機能、および/または設定を受信および表示することができるように、ワイヤレスモジュールを介してポンプドライブの制御電子機器と信号通信するように構成される。
【0016】
誘導充電ステーションは、ポンプドライブのためのプラットフォームまたはベース面であり得るか、またはそれを備え得る。
【0017】
本発明は、ポンプロータを有する少なくとも1つのポンプ部を備えるチューブセット、特に医療用チューブセットに関する。ポンプ部は、ポンプドライブ、特に本発明によるポンプドライブに動作的に接続されるか、またはそれと一緒にされるように設けられる。ポンプ部および任意選択でチューブセットの他のすべての部分は、任意選択の磁気接続および/または重力の使用を除いて、ポンプ部をポンプドライブに接続するためのいずれのデバイスも備えない。
【0018】
本発明は、本発明によるポンプ、本発明によるチューブセット、および/または本発明によるセットを備える、またはそれらに接続された処理装置に関する。本処理装置は、血液処理装置であり得る。代替的には、血液処理より他の患者ケアで使用され得る。これは、分析、治療、診断、または処理のために使用され得る。
【0019】
処理装置は、血液処理装置として具現化される場合、血液ポンプを備え得る。患者の治療中、血液ポンプは、体外血液回路の部分を通して、血液フィルタまたは透析器に向かって血液を搬送する。血液は、血液フィルタまたは透析器から遠ざかり、体外血液回路の部分を通って患者に戻される。静脈血チャンバおよび気泡トラップならびに圧力センサは、体外血液回路および/または血液処理装置の一部であり得る。
【0020】
本発明は、ポンプドライブの充電式バッテリを充電する方法に関する。当該方法は、誘導充電コイルが関連付けられた端部が下向きになるように、ポンプドライブを(例えば、手の中で、空中で等)回転させるかまたは向けることを包含する。本方法はさらに、このようにして向けられたポンプドライブを、誘導充電ステーション、特に本発明による誘導充電ステーションのベース面上に、少なくとも上下方向も備える運動で配置または取り付けることを包含する。
【0021】
本発明は、磁性部を備える端部またはそれに関連付けられた端部がその中で下向きになるように、(例えば、手の中で、空中で等)ポンプドライブを任意選択で回転させるまたは向けることを通して、ポンプロータを備えるポンプ部とポンプドライブを一緒にするための方法に関する。本方法はさらに、このようにして向けられたポンプドライブを、少なくとも上下方向も備える運動で、ポンプロータを備えるポンプ部上に配置または取り付けることを包含する。この方法は、完全なおよび/または機能ポンプをもたらす。
【0022】
組み立ては、ポンプドライブとポンプ部とを連結して、またはポンプドライブをポンプ部上に置いて、それらが一緒に、機能ポンプをもたらすこととして理解され得る。
【0023】
本発明による実施形態は、当業者が特定の組合せを技術的に不可能と認識しない限り、本明細書に記載の特徴のうちの一部、いくつか、または全部を任意の組合せで備え得る。本発明の有利な展開の各々はまた、従属請求項の主題でもある。
【0024】
以下の実装形態のすべてにおいて、「~であり得る」または「~を有し得る」等の表現の使用は、それぞれ、「好ましくは~である」または「好ましくは~を有する」等と同義に理解されるべきであり、本発明による実施形態を例示することを意図している。
【0025】
本明細書で数値を表す語が言及されるときはいつでも、当業者はそれらを数値の下限値の表示として認識または理解するべきである。それが当業者を明らかな矛盾に導かない限り、当業者は、例えば「1つ」という指定が「少なくとも1つ」を包含すると理解するであろう。この理解はまた、当業者にとって明らかに技術的に可能であるときはいつでも、数値を表す語、例えば「1つ」が代替的に「ちょうど1つ」を意味し得るという解釈として、本開示によって同等に包含される。両方が本発明によって包含され、本明細書では使用されるすべての数値を表す語に適用される。
【0026】
本明細書で一実施形態が言及されるときはいつでも、それは本発明による例示的な一実施形態である。
【0027】
「プログラミングされた」または「構成された」が本明細書で言及されるときはいつでも、これらの用語は交換可能であることが開示される。
【0028】
「上部」または「下部」などの空間的指示が本明細書で言及されるときはいつでも、当業者は、それを、付随する図面および/または使用状態における配置として理解する。「下部」は、「上部」よりも地球の中心または図の下端に近い。
【0029】
好適性または方法ステップが本明細書で言及されるときはいつでも、本発明は、好適なデバイスまたはその部分の対応するプログラミングまたは構成も包含する。
【0030】
いくつかの実施形態では、ポンプは、ポンプドライブと、次にチューブに接続されたポンプ部とからなる。これらのチューブは、ポンプによって備えられ得る。いくつかの実施形態では、それらはポンプによって備えられない。
【0031】
いくつかの実施形態では、ポンプドライブは、電圧源または充電式バッテリを充電するための誘導充電コイルを備える。
【0032】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、ベース面上にポンプドライブを置くためのベース部を備える。
【0033】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、特に機能的に、ポンプロータを含むポンプ部にポンプドライブを接続するための接続部を備える。ここで、接続部は、空洞、1つまたはいくつかの開口部、1つまたは複数の止まり開口部(blind opening)などであり得る。後者は、好ましくは、例えば接続部に突出部を単純に挿入または差し込むことによって、ポンプ部の突出部を受容することのみに役立ち得る。したがって、接続部は挿入部であり得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、ベース部および接続部は、ハウジングの対向する端部に位置するか、またはそこに関連付けられる。
【0035】
いくつかの実施形態では、ポンプドライブは、少なくとも1つの、特に色付きの点灯デバイスを備える。これは、リングとして、特にLEDまたはLEDカラーリング(color ring)として設計され得る。
【0036】
点灯デバイスは、特にハウジング内またはハウジングに配置され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、ポンプドライブの制御電子機器は、ワイヤレスモジュールを伴って構成されるかまたはそれに接続される。
【0038】
いくつかの実施形態では、制御電子機器は、1つまたはいくつかの外部デバイスによって受信される、または受信され得る信号を、必要な場合は同時に送り、制御電子機器の機能および/または設定、もしくはポンプまたは充電式バッテリの状態または機能について表示または知らせるように設計、プログラミング、および/または構成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、外部デバイスは、スマートフォンまたは別のハンドセットもしくはモバイルデバイスである。
【0040】
ワイヤレスモジュールは、コンピュータまたは制御電子機器を、インターフェース(例えば、PCI、USB、PCMCIA、PCカード)を介してワイヤレスネットワーク(WLAN)に接続することを可能にするコンピュータハードウェアであり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、制御電子機器は、少なくとも1つのモーションセンサを伴って構成されるか、またはそれに接続される。このモーションセンサは、適宜プログラミングされた制御電子機器がそれによって位置または移動方向を決定することを可能にするために、一体化または接続され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、制御電子機器は、進行中のバッテリ充電状態をシグナリングするように、または実際の充電プロセスを1つまたは複数の色で、例えば赤から黄色そして緑への色の変化として表示するように構成される。
【0043】
いくつかの実施形態では、制御電子機器は、充電式バッテリの充電状態を、質的または量的に、例えば、「フル」、「空」、例えば「90%」などのパーセント、「使用可能」、「使用準備中」等として、表示するように構成される。この通知は、例えば、表示ごとおよび/またはワイヤレスモジュールを介した送信ごとに、外部デバイス上で実行され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、制御電子機器は、完全充電時またはその後、もしくは電圧源または充電式バッテリの所定のレベルの充電が達成されたときまたはその後に、点灯デバイスをスイッチオフするように構成される。
【0045】
いくつかの実施形態では、制御電子機器は、モーションセンサを介してポンプドライブの移動を検出すると、制御電子機器またはポンプドライブの第1の状態から第2の状態に変化するように構成される。
【0046】
第1の状態は、スリープモード、非アクティブモード、および/または(第2の状態でのエネルギー消費または平均電力消費と比較して)より低い電力消費の状態であり得る。第1の状態では、例えばポンプドライブの磁性部のための、磁気軸受を駆動するためのベアリング電流は、ゼロであり得る。
【0047】
第2の状態は、アクティブモード、アウェイクモード、および/または(第1の状態での電力消費または平均電力消費と比較して)より高い電力消費の状態であり得る。第2の状態では、例えばポンプドライブの磁性部の磁気軸受は、電圧が供給され、電力を消費し得る。
【0048】
モーションセンサを介してポンプドライブの移動を検出することは、空間内のポンプドライブの移動を検出することに向けられ得る。
【0049】
したがって、モーションセンサまたは後続の制御電子機器は、ポンプドライブが、誘導充電ステーションまたは別の場所から取られて手に保持されることなどによって移動されたことを示すように設計および/または構成され得る。
【0050】
同時に、ポンプドライブが誘導充電ステーションから取り外され、回転され、ポンプロータを有するポンプ部上に上下方向を備える移動で逆さまに置かれたことが、モーションセンサによって任意選択で検出され得る。これは、ポンプの一部としてのポンプドライブの使用中の表示として理解され得、任意選択で、第1の状態から第2の状態への遷移を自動的に引き起こすか、またはもたらし得る。
【0051】
ポンプドライブの上下運動方向は、任意選択で他の運動も同様に、運動シーケンスとして記憶され得る。ポンプは、この移動を検出したら、例えば記憶された運動シーケンスの終了時に、ポンピングを開始するように構成され得る。この運動シーケンスおよび他の運動シーケンスは、参照データベースに記憶され得る。
【0052】
ポンプドライブの実際の移動に関連付けられた他の機能も記憶されており、実際の移動を検出すると、制御電子機器によって開始、停止、実行等され得る。
【0053】
また、使用者がポンプドライブを手に持っている間に行われるジェスチャと同様であり、モーションセンサによって登録され得る所定または特定の移動は、本発明によるそれらの実施に包含される。制御電子機器は、本明細書に記載の移動の各々を認識または識別するように、ならびにさらなる移動のために、適宜構成され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、第2の状態での充電状態は、点灯デバイスによって示される。
【0055】
いくつかの実施形態では、運動を検出することは、第2の状態で示される。
【0056】
いくつかの実施形態では、点灯デバイスは、第1の状態において、第2の状態とは別の光を発する。
【0057】
いくつかの実施形態では、ポンプはポンプドライブからなり、ここにおいて、制御電子機器は、特にモーションセンサを介してポンプドライブの移動を検出すると、ポンプドライブの磁性部を起動し、および/またはそれにベアリング電圧もしくはベアリング電流を供給するように、もしくは任意選択で、第2の状態に変化し、ポンプドライブおよび/または磁性部に電圧または電流を供給するように構成される。
【0058】
いくつかの実施形態では、ポンプドライブの制御電子機器は、点灯デバイスを介して充電状態を表示するように構成される。
【0059】
いくつかの実施形態では、制御電子機器は、制御電子機器がモーションセンサを介してポンプドライブの移動を検出した場合にのみ、充電状態を表示するように構成される。
【0060】
いくつかの実施形態では、制御電子機器は、特に、例えばホールセンサを介して、ポンプロータを有するポンプ部を検出すると、またはポンプロータを検出すると、例えば第2の状態で、特に所定の速度まで、ポンプドライブの磁性部を回転させるとともに、特に、点灯デバイスを介して進行中の回転を、例えば循環発光によって、例えば青色で表示するように構成される。
【0061】
いくつかの実施形態では、制御電子機器は、特に低電力のモーションセンサを介してポンプドライブの移動を検出し、第2の状態またはアクティブ状態に変化するように構成される。
【0062】
いくつかの実施形態では、ポンプドライブの制御電子機器は、特に、本発明によるポンプを流れる液流の乾燥、減少、または枯渇を検出すると、最大速度または事前設定速度を低減するように構成される。好ましくは、速度は、一方ではポンプを介してポンピングされる液体と、他方では重力または他の理由によりポンプに流入する液体との間にバランスが確立されるように低減される。
【0063】
いくつかの実施形態では、制御電子機器は、センサによって、および/または駆動電流もしくはベアリング電流の変化に基づいて、液流の乾燥、減少、または枯渇を検出するように構成される。制御された電磁石を介して軸受力および回転を発生させるために磁気軸受または磁気駆動から必要とされるまたは取り出される電源の電流は、ベアリング電流と呼ばれる。
【0064】
これに関連する利点は、液体が、正しいポンピング方向に逆らって、すなわちポンプの出口から入口の方向にポンプを流れることを防止するための逆止弁が必要ないということであり得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、ポンプドライブの制御電子機器は、ポンプドライブの移動の通知を外部デバイスに送信するように構成される。
【0066】
いくつかの実施形態では、好ましい電気定格は、25~40ワット(W)の間、特に30~35Wの間、最も好ましくは32Wである。
【0067】
いくつかの実施形態では、ポンプの電気ドライブの駆動電圧は24(ボルト)Vである。
【0068】
いくつかの実施形態では、ポンプ部は、ポンプ部をハウジング部に、または処理装置、特に血液処理装置の別の部分に、取り外し可能に固定するためのデバイスを備え、特にこのデバイスのフット領域(foot area)において取り外し可能に固定する。
【0069】
いくつかの実施形態では、ポンプ部を取り外し可能に固定するためのデバイスは、クランプデバイスまたはラッチもしくはクリップデバイスであるか、またはそれを備える。
【0070】
いくつかの実施形態では、任意選択でクランプデバイスまたはラッチもしくはクリップデバイスである、ポンプ部を取り外し可能に固定するためのデバイスは、湾曲コースまたはプロファイルを有する。
【0071】
湾曲コースは、その長さに沿って湾曲した半チャネル(semi-channel)の形状を有し得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、ポンプは、それによりポンプドライブがポンプ部上に載る重力の使用および/または任意選択の磁気接続を除いて、ポンプロータを備えるポンプ部にポンプドライブを接続するためのデバイスを有しない。
【0073】
いくつかの実施形態では、ポンプドライブ、ポンプ部、および/またはポンプの別の構成要素は、いずれの場合も、機能ポンプを得るためにポンプドライブがその上に置かれるポンプ部のベース面を除いて、ポンプドライブをポンプ部に接続するための機械的接続デバイスを備えない。
【0074】
ポンプドライブとポンプ部とを接続するための接続デバイスは、クリップ接続、スナップイン接続、ねじ止め接続、または別の形状嵌合および/もしくは圧力嵌め接続であり得る。いくつかの実施形態では、接続デバイスは、突出部の挿入のための空洞または開口部だけでなくてもよい。いくつかの実施形態では、接続デバイスは、本明細書に記載の接続部ではない。いくつかの実施形態では、接続部は、例えば、ラッチタング、弾性クリックもしくはクリップ部、ねじ部、または同様のものなどの、ポンプ部上にポンプドライブを保持もしくは保つための可動要素、および/またはそれに対応する構造、例えば、初めに記載された構造を受容もしくは保つための、ラッチラグ、ねじ部、クリックもしくはクリップカウンタ部、または同様のものを備えない。
【0075】
これで達成可能な利点は、ポンプドライブをいつでも(ポンピングプロセス中でも)簡単に引き離すまたは持ち上げることができるということであり得る。特に、これは、特に機械的接続デバイスがこれらの実施形態では設けられていないので、これらのデバイスを事前に開放する必要がないときに、片手で行うことができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、液体入口または流体入口を有するポンプ部は、排液バッグからポンプに通じるチューブ部に接続される。
【0077】
いくつかの実施形態では、液体出口または流体出口を有するポンプ部は、排液を廃棄するための出口、ドレンシンク、または保持容器に通じるチューブ部に接続される。
【0078】
いくつかの実施形態では、ポンプロータは、磁気軸受を有し、および/または磁気的に駆動される。このタイプの磁気軸受または駆動は、患者を感電から保護するのに役立ち得る。
【0079】
ポンプロータの磁性部は、永久磁石であり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、ポンプロータは、インペラーポンプヘッドである。
【0081】
いくつかの実施形態では、ポンプドライブは、処理装置、特に血液処理装置の固定部分ではない。それにもかかわらず、それは、好ましくは処理装置へのケーブル接続および/または信号導体接続なしに、処理装置に取り外し可能に接続可能であり得るか、または接続され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、ポンプドライブを動作させることは手動で開始および/または停止される。
【0083】
ある特定の実施形態では、血液処理装置は、血液透析装置、血液濾過装置、または血液透析濾過装置として、特に長期腎代替療法または持続的腎代替療法(CRRT)のための装置として設計されている。
【0084】
いくつかの実施形態では、本発明による処理装置は、ポンプのポンプドライブの充電式バッテリのための誘導充電ステーションを備える。充電式バッテリは、低電圧源または低電流源であり得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、ポンプドライブの充電式バッテリの貯蔵容量は、800mAh~1800mAhの間、好ましくは1000mAh~1500mAhの間、最も好ましくは約またはちょうど1100mAhである。
【0086】
いくつかの実施形態では、ポンプ部の流体入口は、チューブを介して排液バッグと流体連通している。
【0087】
いくつかの実施形態では、切替えデバイスを切り替えるための処理装置の制御デバイスまたは閉ループ制御デバイスは、排液バッグが排液入口ラインに接続されるときもあり排液出口ラインに接続されるときもあるように構成またはプログラミングされていない。
【0088】
いくつかの実施形態では、処理装置の制御電子機器は、排液出口ラインを有するチューブセットに一体化された、切替えデバイス、例えば多方向バルブデバイスの切替えを示すそれぞれの信号に応じて、ポンプを自動的に始動または停止するように構成される。
【0089】
さらに、本明細書に開示される医療用ポンプドライブに加えて、本発明による医療用ポンプドライブについての本明細書に開示される特徴の任意の組合せを備えるポンプドライブが、本発明によって提案される。しかしながら、これらの実施形態では、本発明によるポンプドライブは、例えば、患者ケア、細胞治療などに使用される医療用ポンプドライブではなく、医療分野または医療用流体の搬送以外での使用のために提供される。そのような分野は、バイオプロセス、化粧品、紙、または食品の生産、薬品製造などを包含し得る。そのような分野は、機械工学、特に家庭用または台所用器具の分野も含み得る。このことは、ポンプドライブを使用して組み立てられるポンプにも適用される。
【0090】
さらに、本発明では、本明細書に開示される医療用処理装置に加えて、本発明による医療用処理装置についての本明細書に開示される特徴の任意の組合せを備える装置が提供される。しかしながら、これらの実施形態では、本発明による装置は、例えば、患者ケア、細胞治療などに使用される医療用処理装置ではなく、医療分野または医療用流体の搬送以外での使用のために提供される。そのような分野は、バイオプロセス、化粧品、紙、または食品の生産、薬品製造などを包含し得る。そのような分野は、機械工学、特に家庭用または台所用器具の分野も含み得る。
【0091】
さらに、少なくとも1つのロケーション表示センサ(例えばGPS)、および/または本明細書に開示されるモーションセンサの特徴の任意の組合せを備えるモーションセンサを有するモニタリングデバイスも本発明によって提案される。これらの実施形態では、モーションセンサは、本発明によるポンプドライブの一部ではなく、モニタリングに役立ち得る任意の他のデバイスの一部であり得る。
【0092】
そのようなモニタリングデバイスは、細胞処理、消毒、すすぎ、非経口栄養などのための装置のような処理装置、特に、血液処理装置、より具体的には、血液透析装置、血液濾過装置、または血液透析濾過装置、特に、長期腎代替療法または持続的腎代替療法(CRRT)のための装置などの、任意のデバイスに取り外し可能に接続され得るか、または接続可能であり得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、そのようなモニタリングデバイスは、それに接続されたデバイスの制御または閉/開ループ制御と信号通信していない。特に、この目的のために必要とされる構成はない。
【0094】
いくつかの実施形態では、そのようなモニタリングデバイスは、本明細書で規定されるように、少なくとも1つの外部デバイスと信号通信する。モニタリングデバイスおよび/または外部デバイスは、例えば処理装置のようなモニタリングデバイスによってモニタリングされるデバイスに関する結果について、好ましくは自動的に、使用者に知らせるように構成される。そのような結果は、デバイスの振動、衝突、その状態(「デバイスが動かないでいるか/静止しているか、または動いているか」)、そのロケーション(「デバイスが位置している場所」)などを含み得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、そのようなモニタリングデバイスは、処理装置に取り外し可能に接続される。接続は、磁石デバイス、クランプデバイス、ホルダ、ラッチデバイスなどによって確立され得る。それらに対応するデバイスが提供され得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、電圧源は、ポンプドライブのハウジング内に設けられる。
【0097】
いくつかの実施形態では、ポンプはピストンポンプではない。
【0098】
いくつかの実施形態では、ポンプまたはポンプドライブは、ハウジング内で軸方向に振動するように配置されたピストンを有しない。
【0099】
いくつかの実施形態では、ポンプは逆止弁を有しない。
【0100】
いくつかの実施形態では、ポンプドライブは、ポンピングされる流体がハウジング入口とハウジング出口との間を灌流するように設計されていない。
【0101】
本発明による一部または全部の実施形態は、上記および/または以下の利点のうちの1つ、いくつか、またはすべてを含み得る。
【0102】
本発明の利点は、充電式バッテリによって駆動されるポンプの使用が、通電に起因する危険を患者にもたらさないということである。
【0103】
本発明のさらなる利点は、本発明によるポンプまたはその制御電子機器を使用して、逆止弁を省略できるということである。
【0104】
さらに、本発明によるポンプが、手動で組み立てられるように提供され得るが、それにもかかわらず、その後にプログラミングに従うことが有利である。したがって、本明細書に説明される、ポンピングの開始、速度の調整、および他のステップ、ならびにさらなるステップおよび機能が、自動的に実行され得る。こうして使用者の作業が軽減される。
【0105】
加えて、多くの実施形態では、本発明は、排液バッグを空にするために、処理装置の制御または閉/開ループ制御への介入もポンプの手動始動も必要としない。
【0106】
別の利点は、モーションセンサ、ワイヤレスモジュール、および外部デバイスの相互作用によって、室内の処理装置の望ましくない移動を表示させることである。
【0107】
以下に、本発明が、付随する図面を参照して単に例示的に説明される。図中、同一の参照番号は、同一または同様の部分を指定する。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【
図1】本発明による医療用処理装置、ここでは例として第1の実施形態における体外血液回路を有する血液処理装置の、簡略化した例示を示す図。
【
図2】
図1の血液処理装置の排出チューブセットに一体化された本発明によるポンプの簡略化した例示を示す図。
【
図3】部分において部分的に例示された第1の実施形態における、本発明によるポンプを共に形成または構築する、ポンプドライブ(上部)およびポンプ部(下部)の簡略化した例示を示す図。
【
図4】
図3のポンプドライブ(上部)と誘導充電ステーション(下部)の簡略化した例示を示す図。
【詳細な説明】
【0109】
図1は、本発明によるチューブセットの一例としての体外血液回路3000、および排液バッグ4000を有する本発明による大まかに示された排出チューブセットに接続された、本発明による医療用処理装置の一例としての本発明による血液処理装置1000の非常に簡略化した例示を示す。排出チューブセットおよび排液バッグ4000が
図2に示される。
図1の血液処理装置1000は、本発明によるポンプ405をさらに備えるか、またはそれに接続される。しかしながら、このポンプも、次に続く図のみに示されている。
【0110】
体外血液回路3000は、第1のライン3010、ここでは動脈ライン区間を備える。
【0111】
第1のライン3010は、血液処理デバイス、ここでは例示的に血液フィルタまたは透析器3030と流体連通している。血液フィルタ3030は、透析液体チャンバ3030aおよび血液チャンバ3030bを備え、それらは、半透膜3030cによって互いに分離されている。
【0112】
体外血液回路3000は追加的に、少なくとも第2のライン3050、ここでは静脈ライン区間を備える。第1のライン3010および第2のライン3050の両方は、患者の血管系(図示せず)への接続に役立ち得る。
【0113】
第1のライン3010は、任意選択で、ライン3010を遮断または閉鎖するための(第1の)チューブクランプ3020に接続される。第2のライン3050は、任意選択で、ライン3050を遮断または閉鎖するための(第2の)チューブクランプ3060に接続される。
【0114】
図1では、そのデバイスのうちのいくつかのみによって概略的に表される血液処理装置1000は、血液ポンプ1010を備える。血液ポンプ1010は、患者の治療中に体外回路3000の部分を通して血液フィルタまたは透析器3030に向かって血液を搬送する。これは、
図1および
図2の各々において概して流れ方向を示す小さい矢印の先端によって示される。
【0115】
新しい透析液体は、ローラポンプまたはそうでなければ噛み合いポンプ(occluding pump)として設計され得る透析液体用の血液ポンプ1210を使用して、供給源2000から透析液体入口ライン1040に沿って透析液体チャンバ3030aへとポンピングされる。透析液体は、場合によっては濾液によって富化されて、透析液として透析液体チャンバ3030aを出て、保持容器6000に向かい、本明細書では排液と称される。
【0116】
供給源2000は、例えばバッグまたは容器であり得る。供給源2000は、オンラインおよび/または連続して生成もしくは混合された液体がそれから供給される流体ライン、例えば血液処理装置1000の水圧出口/接続部でもあり得る。
【0117】
置換液を有するさらなる供給源2010が任意選択で設けられ得る。これは、供給源2000に対応し得るか、または別個の供給源であり得る。
【0118】
図1の右下には、排液バッグ4000を有する排出チューブセットが血液処理装置1000に接続されているのが示される。
【0119】
図1に示される配置は、単に任意選択で、上述の血液ポンプ1010に加えて、いずれの場合も任意選択の、一連のさらなるポンプ、すなわち、置換液を搬送して好ましくは任意選択のバッグ加熱装置H1に通すための置換液用のポンプ1110、透析液体用のポンプ1210、および排液用のポンプ1310をさらに備える。
【0120】
ポンプ1210は、透析液体を、供給源2000、例えばバッグから、バッグを有する任意選択で既存のバッグ加熱装置H2を介して血液フィルタ3030に、透析液体入口ライン1040を介して供給するために設けられる。
【0121】
このようにして搬送された透析液体は、ポンプ1310によって支持された透析出口ライン1020を介して血液フィルタ3030から再び出て、廃棄され得る。
【0122】
任意選択の動脈センサPS1が血液ポンプ1010の上流に設けられる。これは、患者の治療中に動脈ラインの圧力を測定する。
【0123】
血液ポンプ1010の下流、ただし血液フィルタ3030の上流に、そして設けられている場合にはヘパリン用の添加部位25の上流に、任意選択のさらなる圧力センサPS2が設けられる。これは血液フィルタ3030の上流(「プレヘモフィルタ」)の圧力を測定する。
【0124】
さらに、血液フィルタ3030のフィルタ圧力を測定するために、血液フィルタ3030の下流、ただし好ましくは透析液出口ライン1020におけるポンプ1310の上流に、さらなる圧力センサがPS4として設けられ得る。
【0125】
血液フィルタ3030を出る血液は、任意選択の静脈血チャンバ29を通るか灌流し、当該静脈血チャンバは、通気デバイス31を備え得、さらなる圧力センサPS3と流体連通し得る。
【0126】
血液処理装置1000を制御または調節するための制御デバイスまたは閉ループデバイス1500が設けられ得、血液処理装置1000の上述のすべての構成要素と信号通信および/または制御通信し得る。
【0127】
図2は、排液が排液バッグ4000に送り込まれるときの、本発明による排液バッグ4000を有する本発明による排出チューブセットの簡略化した例示を示す。
【0128】
本明細書では例示的に3方向タップ4010として設計されている任意選択の切替えデバイス4010が、排液用のポンプ1310と排液バッグ4000との間の透析出口ライン1020に、ただし、いずれにしても排液バッグ4000の上流に配置される。接続ライン4070が、切替えデバイス4010と排液バッグ4000との間に設けられ得る。透析液(および/または排液)が、血液フィルタ3030を出て透析液出口ライン1020を通る。これは、排液バッグ4000に排液を送り込むので、排液入口ラインとしての役割も同時にする。
【0129】
図2に示されるように、3方向タップ4010は、
図2に示される位置で、透析液出口ライン1020を、排液バッグ4000の排液入口開口部に流体接続しており、当該排液入口開口部は、排液出口開口部でもあるので、短く、排液開口部4000aという。
【0130】
この第1の位置では、これも3方向タップ4010に接続されている排液出口ライン4030は遮断または閉鎖される。排液出口ライン4030は次に、直接または間接的に保持容器6000に接続される。
【0131】
排液出口ライン4030は、チューブセットの一部であり得る。
【0132】
図2に示される第1の位置では、透析液出口ライン1020からの排液は、3方向タップ4010を通って排液バッグ4000に達し得るが、排液出口ライン4030には達しない。3方向タップ4010は、その設計により、電気絶縁性材料から作られ得、および/または流体搬送である場所で電気絶縁をもたらし得る。
【0133】
本発明によるポンプ405は、排液出口ライン4030に一体化される。排液出口ラインは、ポンプ405の下流で保持容器6000へと通じる。
【0134】
ポンプ405は、排液バッグ4000の下流、ただし保持容器6000の上流に配置される。
【0135】
図3に示されるような少なくとも1つのポンプドライブ100を備えるポンプ405は、
図2に示される位置では動作せず(「OFF」)、これはポンプ405を介して保持容器6000に廃棄され得る排液が排液出口ライン4030に存在しないからである。
【0136】
図3は、
図2に示された、ポンプハウジング101を有するポンプ405の本発明による医療用ポンプドライブ100を、非常に簡略化した例示で示す。ポンプハウジング101内には、ポンプモータ103、充電式電圧源または充電式バッテリ105、ポンプロータ301を特に非接触で駆動するための磁性部107、バッテリの充電およびポンプドライブ100の他の機能を制御または調節するための制御デバイスまたは閉ループ電子機器111、および誘導によってバッテリ105を充電するための誘導充電コイル113が収容されている。ポンプハウジング101は、1ピースまたはマルチピースであり得る。
【0137】
ここでは単に例示的に円筒設計であるポンプハウジング101は、その端部または端部部分のうちの1つに(
図3ではポンプハウジング101の上端に)、任意選択で平坦面を有するベース部115を備える。ベース面115を使用して、(
図3の例示に基づく)ポンプドライブ100は、いわば逆さまに、
図4に示される状態で置かれ得る。明らかな理由のために、誘導充電コイル113は、ベース部115の比較的近くにあり、任意選択で、ベース部に接触しさえする。
【0138】
ポンプハウジング101は、
図3の上部に示されるポンプハウジング101を
図3の下部に示されるポンプ部300と結合する接続部117をさらに備える。
【0139】
本明細書に示される実施形態およびさらなる実施形態では、接続することは、ポンプロータ301のためのポンプモータ103を備えるポンプドライブ100と、ポンプロータ301を備えるポンプ部300とを一緒にすることとして理解されるべきである。したがって、当該接続は、本明細書では、一緒にすることにより、機能ポンプ405をもたらすように理解されるべきである。
【0140】
当該接続は、いくつかの実施形態、例えば
図3および
図4に示される実施形態では、ポンプ部300にポンプハウジング101またはポンプドライブ100を機械的に固定することを包含しない。
【0141】
当該接続は、
図3または
図4の実施形態を含むいくつかの実施形態では、ポンプ部300にポンプドライブ100を保持するための機械的デバイス、特に、それらのうちのいくつかが周囲に分散され得るつめ(claw)を包含しない。これらの実施形態は、他の要素、例えば接続を確立するのに役立つことになるつめまたはクランプに受容される、例えば水平なプレートまたは突出部を包含しない。
【0142】
図3および
図4の例ならびにさらなる任意の実施形態では、ポンプドライブ100は、重力によってポンプ部300または誘導充電プラットフォーム600上に保持され、必要な場合は、ポンプドライブ100とポンプ部300との間の磁気引力によって支持される。
【0143】
ポンプ部300に対するポンプドライブ100の横方向のシフトまたは変位、もしくはその逆は、特に
図3に両方向矢印で示されている接続方向の単純な移動によって、ポンプ部300の突出部311が挿入され得る、
図3の例にあるような空洞または止まり開口部として、接続部117が設計されており、そして例えばレバーを使用して、ポンプドライブ100をポンプ部300に対して、これら2つの構成要素を相互に係止するために回転させる等による、締結が先行も後続もしないという点で簡単な様式で防止され得る。代替的または追加的に、シフト防止または変位防止デバイス、例えば、エッジ、インターロック、係合ピン等が設けられ得、これらはそれぞれ、好ましくは、係合されるために使用者の作動および/または操作を必要としない。
【0144】
図3の示された断面図に見ることができるように、磁性部107は、ポンプハウジング101内で接続部117の周りに回転可能に取り付けられる。
【0145】
図3の断面図にさらに見ることができるように、ポンプロータ301は、突出部311内に回転可能に取り付けられる。
【0146】
ポンプハウジング101は、ポンプハウジング101の外側から見える少なくとも1つの点灯デバイス119をさらに備える。これは、ポンプドライブ100またはポンプ405の使用者に、ポンプドライブ100またはその構成要素の状態または機能を、光を介してシグナリングするように制御電子機器111によって制御され得る。
【0147】
点灯デバイス119は、特に1つまたはいくつかのLEDを有するリングであり得るか、またはLED色付きリングであり得る。
【0148】
またこの目的のために、ポンプドライブ100は、データまたは信号送信のためのワイヤレスモジュールを備え得る。そのような送信は、外部デバイス500に対して実行され得る。外部デバイス500のディスプレイ501を使用して、ポンプドライブ100またはポンプ405についての情報が使用者に送信され得、例えば、モード、バッテリの充電状態等を示す。
【0149】
ポンプドライブ100は任意選択でさらに、ポンプドライブ100が移動されたかどうか、または移動されたことを知らせるモーションセンサ123を備え得る。そのような移動は、制御電子機器111を、第1の状態(例えば低電力またはエネルギー節約スリープモード)から第2の状態(例えば、点灯デバイス119が起動されるか、モード間で変更されるか、またはオンにされるアウェイクモード)に切り替えさせ得る。
【0150】
ポンプロータ301を備えるポンプ部300は、
図1に概略的に例示される血液処理装置1000または別の医療用処理装置の一部分にポンプ部300を取り外し可能に固定するためのデバイスを備え得る。
【0151】
取り外し可能に固定するためのデバイスは、1ピースまたはマルチピースであるクリップデバイス303であり得る。
【0152】
ポンプ部300は、使い捨て品の一部であり得る。
【0153】
この使い捨て品は、排液出口ライン4030のチューブ部をさらに備え得、そのうち、流体入口305および流体出口307(それぞれそれらのコネクタ)のみが例示的に示されており、それを用いて、ポンピングされる必要がある液体が、ポンプ部300のハウジング309に流入するか、またはそこから流出する。
【0154】
図3は、ポンプドライブ100およびポンプ部300をポンプ405に接続する直前のそれらを示す。それらがポンプ405に接続されると、それらは、接続部117がポンプドライブ100の下端を表し、隆起部311がポンプ部300の上端を表す程度に、ポンプ405の使用位置にそれらの向きまたは位置合わせを維持する。一般的に、ポンプドライブ100は、ポンプ405に接続されるためにポンプ部300に上から置かれるが、その逆はない。ポンプ405の使用中でも、ポンプドライブ100は上にあり、ポンプ部300は下にある。ポンプ405の使用が終了した後、ポンプドライブ100はポンプ部300から上方に持ち上げられる。
【0155】
以下では、ポンプドライブ100の典型的な使用が説明される。
【0156】
誘導による充電のためのものに限定されず代替的に他の方法を使用し得る、誘導ステーション600から、ポンプドライブ100が使用のために取り外されたとき、(任意選択で低電力の)モーションセンサ123は、活動を検出し、制御電子機器111をアウェイクにする。その結果、バッテリ105の充電状態は、任意選択で、点灯デバイス119によって、例えば第1の色で示される。
【0157】
代替的または追加的に、検出された移動は、例えば、第1の色とは異なる色によって示される。
【0158】
ポンプドライブ100をポンプ部300上に置くことによってポンプ405を組み立てるために、ドライブは約180°水平に回転される。
【0159】
ポンプドライブの空洞または接続部117は、ここでは下向きであり、これに応じて、ポンプロータ301を含み、上方に向けられたポンプ部300の隆起部311上に置かれ得る。
【0160】
磁性部301aを備えるポンプロータ301は、ポンプドライブ100の影響および近接性がない場合に、通常であればポンプ部300の内部へと下方に落ちることになるが、ポンプドライブ100がその鉄電機子(ステータ)のそばに接近するにつれて上方に引っ張られる。使用者は、ポンプドライブ100がこれに応じて下方に引っ張られることに気付くことができる。形状嵌合部品は、独立して、かつ非常に明確に規定された位置で明らかに一緒になる。それらは、ポンプ405が機能可能である動作位置に来る。
【0161】
誘導充電ステーション600から持ち上げられたときのポンプドライブ100の初期移動によって既にアウェイクにされている制御電子機器111は、ハウジングの空洞であり得る接続部117に挿入された磁性部301aをモニタリングおよび検出する。この検出は、例えば、任意選択のホールセンサ125または他のデバイスによって達成され得、当該検出は、記憶されたプログラムの自動的な開始をもたらし、磁性部301aは、位置制御の起動により浮遊状態になり、磁性部301aは、規定の速度に加速される(アクティブへ駆動)。
【0162】
ポンプより上にある排液バッグ4000に配置された液体は、液体がポンプヘッド内で利用可能であり、大量の液体が直ちに搬送され得ることを確実にする。点灯デバイス119、ここではカラーリングは、(例えば青色の)任意選択で回転するカラーリングまたは循環光を用いてポンピングプロセスをシグナリングする。
【0163】
本明細書で使用される「カラーリング」は、隣接する一連のLEDなどの、個別の光源または発光体のリングであり得る。
【0164】
ポンプ405が排液バッグ4000の液体リザーブから排出または抜いて空にし、空気を吸引するかまたは(例えば吸引ラインが潰れて)陰圧を生成すると、制御電子機器111は、駆動/ベアリング電流の変化を検出する。駆動電流は、速度を維持するのに必要な電力に起因する。液体の抵抗が(例えば、気泡、陰圧、密度により)変化した場合、速度を一定に保つことができるように駆動電流が調整されなければならない。このモニタリングは、空のバッグの検出を始めるために使用され、最大速度または事前設定速度が低減される。液体の逆流を防止するのにちょうど十分な速度を選ぶことは有利であり得る。したがって、上方にポンピングされる液体と重力により下方に流れる液体との間にバランスが確立される。この手段によって、例えば逆止弁は冗長である。この遮断機能はまた、点灯デバイスまたはカラーリング119からの対応する信号によって(例えば、青色の回転するカラーリング(=ポンピングプロセス)が、逆止弁の機能を有し得る遮断機能を示す青色の脈動するカラーリングに変化したときに)示され得る。
【0165】
ポンピングプロセスの後、ポンプドライブ100は再び約180°回転され、その誘導コイル113を下にして誘導充電ステーション600上に置かれる。充電プロセスは、点灯デバイスまたはカラーリング119の任意選択の、例えば時折の光信号によって表示される。バッテリ105が例えば100%まで装填された場合、ポンプドライブ100およびその制御電子機器111は、第1の状態、例えば低電力モードに戻る。
【0166】
ワイヤレスインターフェース121は、例えばBluetooth(登録商標)プロトコルを介して送信するように構成され得る。
【0167】
送信は、例えば、血液処理装置の受信機に対して実行され得、そのディスプレイは、対応する通知を行い得るか、または別のルーチンをもたらし得る。送信は、代替的または追加的に、例えばスマートフォンまたは他のハンドヘルドデバイスもしくはモバイルデバイスなどの外部デバイス500に対して実行され得る。
【0168】
ポンプ405および/または誘導充電ステーション600が血液処理装置に直接接続または摩擦接続されている場合、モーションセンサ123のデータを、ワイヤレスインターフェース121を介して外部デバイス500に、ひいては使用者に送ることが可能である。結果として、血液処理装置1000の移動警告は、血液処理装置1000のデバイス電子機器またはソフトウェアへの介入なしに達成され得る。スケールベースのデバイスの場合、これは、血液処理装置1000のバランシングシステムが振動によりまたは振動の場合に、対応するエラーカスケードをトリガするので、使用者にとって重要な情報を意味することになる。したがって、使用者は、血液処理装置1000、例えば透析機械を事前にチェックし、最終的に、振動の原因である容易に修正可能なエラーを適時に排除する可能性を有する。このような原因は、血液処理装置と別のデバイスとの衝突、血液処理装置に当たる脈動チューブ等を含む。ここで特に有利なのは、例えばバランシングスケールが振動により気付かれずに動作を停止するので、好ましくは機械が自動的に動作を始める前に、可能な限り最速の反応を可能にするメッセージが使用者に与えられ得ることである。スケールエラーを評価した後、例えば、そのときこれを認識している使用者によって、バランシングデバイスがスイッチオフされ得る。
【0169】
図4は、上部に、わずかに上から見た斜視図で本発明によるポンプドライブ100の簡略化した例示を示す。
図4は、下部に、本発明による誘導充電ステーション600を示す。
【0170】
ポンプドライブ100のバッテリ105を充電するために、バッテリは、誘導コイル113(
図4には図示せず)が関連付けられたその端部で上方から誘導充電ステーション600のベース面601上に置かれる。ここで、誘導充電ステーション600またはそのベース面601の水平または実質的に水平な配置または向きが必要である。到達した位置では、バッテリは、
図4の例ではそれ以上固定も接続もされない。それは、その重量によりベース面601上に安定状態を保つ。しかしながら、ホルダまたは締結具が設けられ得る。
【0171】
特に図面を参照して行われ、血液処理装置に関連する上述の記載または説明は、血液の処理のための医療装置に限定されるものとして理解されるべきではない。血液を処理しないが、それにもかかわらずポンプを介して医療用流体を搬送する他の医療装置も、上の開示によって完全に包含される。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
医療用ポンプドライブであって、少なくとも、
・1つのポンプハウジングおよび前記ハウジング内に設けられた1つのポンプモータと、
・電気エネルギーを貯蔵するための1つの充電式電圧源、または前記ポンプモータの電源のための1つの充電式バッテリと、
・構成要素、特に磁気的に駆動されるポンプロータの構成要素を磁気的に結合および/または磁気的に駆動するための1つの磁性部と、
・1つの制御電子機器と
を各々少なくとも有する、医療用ポンプドライブ。
[C2]
前記電圧源または前記充電式バッテリを充電するための誘導コイルを有する、C1に記載のポンプドライブ。
[C3]
前記ポンプハウジングは、
・前記ポンプドライブをベース面上に配置するためのベース部と、
・前記ポンプドライブをポンプ部に接続するための接続部と、前記ポンプ部はポンプロータを備え、
を備え、
前記ベース部および前記接続部は、前記ハウジングの対向する端部上に位置するか、または前記端部に関連付けられる、C1~2のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C4]
特にリングとして、特にLEDまたはLEDカラーリングとして設計され、および/または特に前記ポンプハウジング内または前記ポンプハウジングに具現化された、特に色付きの点灯デバイスを有する、C1~3のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C5]
前記制御電子機器は、ワイヤレスモジュールを備えるか、またはそれに接続される、C1~4のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C6]
前記制御電子機器は、モーションセンサを備えるか、またはそれに接続される、C1~5のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C7]
前記制御電子機器は、前記点灯デバイスを使用して、1つまたは複数の色で、例えば赤から黄色そして緑への色の変化として、進行中の充電進行をシグナリングするように構成されている、C1~6のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C8]
前記制御電子機器は、前記電圧源または前記充電式バッテリの充電が完了したときまたは完了した後に、前記点灯デバイスをスイッチオフするように構成されている、C1~7のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C9]
前記制御電子機器は、前記モーションセンサを介して前記ポンプドライブの移動を検出すると、前記制御電子機器の第1の状態から第2の状態に変化するように構成されている、C1~8のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C10]
前記制御電子機器は、特に前記モーションセンサを介して前記ポンプドライブの移動を検出すると、前記ポンプドライブの前記磁性部を起動する、例えばそれを前記第2の状態に移すように構成されている、C1~9のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C11]
前記制御電子機器は、特に前記モーションセンサを介して前記ポンプドライブの移動を検出すると、特に前記点灯デバイスを介して、前記充電状態を表示するように構成されている、C1~10のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C12]
前記制御電子機器は、特に、例えばホールセンサを介して、ポンプロータを有するポンプ部を検出すると、またはポンプロータを検出すると、特に、前記点灯デバイスを介して、例えば青色の、例えば長手方向軸周りを回転する発光で、現在または実際の回転を表示することによって、特に所定の速度で、前記ポンプドライブの前記磁性部を回転させるように構成されている、C1~11のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C13]
前記制御電子機器は、特に低電力のモーションセンサを介して前記ポンプドライブの移動を検出し、アクティブ状態に変化するように構成されている、C1~12のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C14]
前記制御電子機器は、特に、その一部が前記ポンプドライブであるポンプを流れる液流の乾燥または枯渇を検出すると、好ましくは、前記ポンプによってポンピングされる液体と、重力または他の理由により前記ポンプに流れ戻る液体とのバランスを確立する速度まで、最大速度または事前設定速度を低減するように構成されている、C1~13のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C15]
前記制御電子機器は、前記ポンプドライブの移動についての通知を外部デバイスに送信するように構成されている、C1~14のいずれか一項に記載のポンプドライブ。
[C16]
C1~15のいずれか一項に記載のポンプドライブを有し、ポンプロータを備える少なくとも1つのポンプ部を有するポンプであって、前記ポンプ部は、チューブセットおよび/または使い捨て品の一部である、ポンプ。
[C17]
前記ポンプロータを有する前記ポンプ部は、前記ポンプ部を、ハウジング部または血液処理装置の別の部分に、特に後者のフット領域において、取り外し可能に固定するためのデバイスを備える、C16に記載のポンプ。
[C18]
前記デバイスは、ラッチデバイスまたはクリップデバイスであるか、またはそれを備える、C17に記載のポンプ。
[C19]
前記ポンプは、任意選択の磁石接続を除いて、前記ポンプドライブを、ポンプロータを担持する前記ポンプ部に接続するためのデバイスを備えない、C16~18のいずれか一項に記載のポンプ。
[C20]
充電式バッテリを充電するための誘導充電ステーションであって、前記誘導充電ステーションは、C1~15のいずれか一項に記載の前記ポンプドライブを前記誘導充電ステーション上に配置することまたはその配置を検出するように構成された制御電子機器を備え、誘導を介して前記ポンプドライブの前記充電式バッテリを充電するように設計および構成されている、誘導充電ステーション。
[C21]
C1~15のいずれか一項に記載のポンプドライブおよび/またはC16~19のいずれか一項に記載のポンプを備えるセットであって、C20に記載の誘導充電ステーション、および/または前記制御電子機器ならびに/もしくは前記充電式バッテリの信号、状態、機能、および/または設定を受信および表示するために前記ワイヤレスモジュールを通して前記制御電子機器と信号通信するように構成された外部デバイスをさらに備える、セット。
[C22]
前記ポンプロータを担持する少なくとも1つのポンプ部を備えるチューブセットであって、前記ポンプ部は、特にC1~15のいずれか一項に記載のポンプドライブに機能的に接続されるか、またはそれと一緒にされるように設けられ、前記ポンプ部は、任意選択の磁石接続および/または重力を除いて、前記ポンプ部を前記ポンプドライブに接続するためのデバイスを備えない、チューブセット。
[C23]
C16~19のいずれか一項に記載のポンプ、C21に記載のセット、および/またはC22に記載のチューブセットを備えるか、もしくはそれらにそれぞれ接続された、医療用処理装置、特に血液処理装置。
[C24]
C1~23のいずれか一項に記載の前記ポンプドライブの前記充電式バッテリを充電するための方法であって、
・前記誘導充電コイルが関連付けられた前記端部が下向きになるように、前記ポンプドライブを回転させることまたは向けることと、
・誘導充電ステーションのベース面上に、少なくとも上下方向も備える運動で、前記ポンプドライブを配置することまたは置くことと
を行うステップを有する、方法。
[C25]
C1~24のいずれか一項に記載のポンプドライブを、ポンプロータを有するポンプ部と一緒にするための方法であって、
・前記磁性部を備える前記端部が下向きになるように、前記ポンプドライブを回転させることまたは向けることと、
・少なくとも上下方向も備える運動で、ポンプロータを備える前記ポンプ部上に前記ポンプドライブを配置することまたは取り付けることと
を行うステップを包含する、方法。
【符号の説明】
【0172】
25…ヘパリン用の添加部位(任意選択)
29…静脈血チャンバ
31…通気デバイス
100…医療用ポンプドライブ、またポンプドライブ
101…ポンプハウジング
103…ポンプモータ
105…充電式電圧源または充電式バッテリ
107…磁性部
111…制御電子機器または閉ループ電子機器
113…誘導充電コイル
115…ベース部または支持部
117…接続部
119…点灯デバイスまたはカラーリング
121…ワイヤレスモジュールまたはワイヤレスインターフェース
123…モーションセンサ
125…ホールセンサ
300…ポンプ部
301…ポンプロータ
301a…磁性部
303…クリップデバイス
305…流体入口
307…流体出口
309…ハウジング
311…突出部
405…ポンプ
500…外部デバイス
501…ディスプレイ
600…誘導充電プラットフォームまたは誘導充電ステーション
601…ベース面または支持面
1000…血液処理装置
1010…血液ポンプ
1020…透析液出口ライン、排液入口ライン
1040…透析液体入口ライン
1110…置換液用のポンプ
1210…透析液体用のポンプ
1310…透析液または排液用のポンプ
1500…制御デバイスまたは閉ループ制御デバイス
2000…透析液体を有する供給源
2010…置換液を有する供給源(任意選択)
3000…体外血液回路
3010…第1のライン(動脈ライン区間)
3020…(第1の)チューブクランプ
3030…血液フィルタまたは透析器
3030a…透析液体チャンバ
3030b…血液チャンバ
3030c…半透膜
3050…第2のライン(静脈ライン区間)
3060…(第2の)チューブクランプ
4000…排液バッグ
4000a…排液入口/出口開口部、排液開口部
4010…3方向タップ、切替えユニット
4030…排液出口ライン、チューブセット
4070…接続ライン
6000…保持容器またはシンク
H2…バッグを有するバッグヒータ(透析液体)
H1…バッグを有するバッグヒータ(置換液)
PS1、PS2…動脈圧力センサ(任意選択)
PS3…静脈圧センサ(任意選択)
PS4…濾液圧力を測定するための圧力センサ