(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】PNPLA3 I148Mの変異を発現している患者の肝疾患の治療におけるHSD17B13の阻害
(51)【国際特許分類】
C12N 15/113 20100101AFI20240213BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20240213BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240213BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240213BHJP
C12Q 1/6827 20180101ALI20240213BHJP
【FI】
C12N15/113 130
A61K31/7088
A61P1/16
A61P35/00
C12Q1/6827 Z ZNA
(21)【出願番号】P 2020520550
(86)(22)【出願日】2018-10-11
(86)【国際出願番号】 US2018055377
(87)【国際公開番号】W WO2019075181
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-10-08
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597160510
【氏名又は名称】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】シン、ユーロン
(72)【発明者】
【氏名】グロマダ、ジェスパー
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シーピン
(72)【発明者】
【氏名】デューイ、フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】テスロヴィッチ ドスタル、ターニャ
(72)【発明者】
【氏名】シュールマン、クラウディア
(72)【発明者】
【氏名】バラス、アリス
(72)【発明者】
【氏名】アブル-フスン、ノウラ
【審査官】中山 基志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103520724(CN,A)
【文献】Gastroenterology,2016年,Vol.150,p.1728-1744
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N15/00-15/90
C12Q1/00-3/00
A61K
A61P
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質を有し、且つ機能的なHSD17B13タンパク質を有することが検査において判定されているヒト対象に対して非アルコール性肝疾患またはアルコール性肝疾患の治療で使用するためのHSD17B13の
アンチセンスDNAもしくはRNAあるいは小分子干渉RNA(siRNA)阻害剤であって、
前記アルコール性肝疾患は、アルコール摂取の結果生じる肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含み、
前記非アルコール性肝疾患は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール摂取が原因ではない肝硬変、アルコール摂取が原因ではない脂肪症またはアルコール摂取が原因ではない肝細胞癌の1以上を含む、
アンチセンスDNAもしくはRNAあるいは小分子干渉RNA(siRNA)阻害剤。
【請求項2】
前記ヒト対象に由来する試料が、i)I148Mの変異を含むパタチン様ホスホリパーゼドメイン含有3(PNPLA3)タンパク質をコードする第1の核酸および機能的なHSD17B13タンパク質をコードする第2の核酸、および/またはii)I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質および機能的なHSD17B13タンパク質を、含むかどうかを判定することと、
i)で定義された前記第1の核酸および前記第2の核酸の双方および/またはii)で定義された前記タンパク質の双方が検出されると、HSD17B13を阻害することによる肝疾患を治療するまたは抑制するための候補者としての前記ヒト対象を特定することと
を、行うことによって、
前記ヒト対象が、HSD17B13を阻害することによる非アルコール性肝疾患またはアルコール性肝疾患を治療するまたは抑制するための候補者であると特定されている請求項1に記載
の阻害剤。
【請求項3】
前
記PNPLA3タンパク質
の変異体が配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む請求項1または請求項2に記載の阻害剤。
【請求項4】
前
記PNPLA3タンパク質
の変異体が配列番号42に係るアミノ酸配列、または配列番号42に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むアミノ酸配列を含む請求項3に記載の阻害剤。
【請求項5】
前
記PNPLA3タンパク質
の変異体をコードする核酸分子がゲノムDNAである請求項1または請求項2に記載の阻害剤。
【請求項6】
前記ゲノムDNAが配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む請求項5に記載の阻害剤。
【請求項7】
前記ゲノムDNAが配列番号31に係るヌクレオチド配列、または配列番号31に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ前記I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む請求項6に記載の阻害剤。
【請求項8】
前
記PNPLA3タンパク質
の変異体をコードする核酸分子がmRNAである請求項1または請求項2に記載の阻害剤。
【請求項9】
前記mRNAが配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む請求項8に記載の阻害剤。
【請求項10】
前記mRNAが配列番号34に係るヌクレオチド配列、または配列番号34に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ前記I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む請求項9に記載の阻害剤。
【請求項11】
前記mRNAが配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む請求項8に記載の阻害剤。
【請求項12】
前記mRNAが配列番号35に係るヌクレオチド配列、または配列番号35に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ前記I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む請求項11に記載の阻害剤。
【請求項13】
前
記PNPLA3タンパク質
の変異体をコードする核酸分子がcDNAである請求項1または請求項2に記載の阻害剤。
【請求項14】
前記cDNAが配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む請求項13に記載の阻害剤。
【請求項15】
前記cDNAが配列番号38に係るヌクレオチド配列、または配列番号38に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ前記I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む請求項14に記載の阻害剤。
【請求項16】
前記cDNAが配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む請求項13に記載の阻害剤。
【請求項17】
前記cDNAが配列番号39に係るヌクレオチド配列、または配列番号39に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ前記I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む請求項16に記載の阻害剤。
【請求項18】
肝疾患がアルコール性肝疾患である請求項1~17のいずれか一項に記載の阻害剤。
【請求項19】
前記アルコール性肝疾患がアルコールの摂取から生じる肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む請求項18に記載の阻害剤。
【請求項20】
肝疾患が非アルコール性肝疾患である請求項1~17のいずれか一項に記載の阻害剤。
【請求項21】
前記非アルコール性肝疾患が非アルコール性の脂肪肝疾患(NAFLD)または非アルコール性の脂肪性肝炎(NASH)を含む請求項20に記載の阻害剤。
【請求項22】
前記非アルコール性肝疾患がアルコール摂取が原因ではない肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む請求項20に記載の阻害剤。
【請求項23】
前記ヒト対象が機能的なHSD17B13についてホモ接合型であるまたはヘテロ接合型である請求項1~22のいずれか一項に記載の阻害剤。
【請求項24】
前記ヒト対象が肥満である、請求項1~23のいずれか一項に記載の阻害剤。
【請求項25】
前記ヒト対象は脂肪肝を有する、請求項1~24のいずれか一項に記載の阻害剤。
【請求項26】
HSD17B13のアンチセンスDNAもしくはRNAあるいは小分子干渉RNA(siRNA)阻害剤を用いて、非アルコール性肝疾患またはアルコール性肝疾患を治療するまたは抑制するための候補者としてのヒト対象を特定する方法であって、前記方法は、
前記ヒト対象に由来する試料が
i)I148Mの変異を含むパタチン様ホスホリパーゼドメイン含有3(PNPLA3)タンパク質をコードする第1の核酸及び機能的なHSD17B13タンパク質をコードする第2の核酸、及び/または
ii)I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質及び機能的なHSD17B13タンパク質を、
含むかどうかを判定することと、
i)で定義され
た前記第1
の核酸および前記第2の核酸の双方及び/また
はii)定義され
た前記タンパク質の双方が検出されると
HSD17B13のアンチセンスDNAもしくはRNAあるいは小分子干渉RNA(siRNA)阻害剤を用いてHSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制するための候補者としての前記ヒト対象を特定することと、
を含み、
前記アルコール性肝疾患は、アルコール摂取の結果生じる肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含み、
前記非アルコール性肝疾患は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール摂取が原因ではない肝硬変、アルコール摂取が原因ではない脂肪症またはアルコール摂取が原因ではない肝細胞癌の1以上を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表への言及
本出願には、2018年10月10日に作り出された238キロバイトのサイズの18923801002SEQと名付けられたテキストファイルとしての電子提出された配列表が含まれる。配列表は参照によって本明細書に組み入れられる。
【0002】
分野
本開示は一般にプレシジョン医療の分野に関する。さらに詳しくは、本開示は、パタチン様ホスホリパーゼドメイン含有3(PNPLA3)のIle148Met陽性であり、且つ肝疾患を有するまたは肝疾患に対して感受性を有する対象を特定し、そのような対象をヒドロキシステロイド17-ベータデヒドロゲナーゼ13(HSD17B13)の阻害剤で治療する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
特許、特許出願、受入番号、技術論文及び学術論文を含む種々の参考文献が本明細書全体を通して引用されている。各参考文献は全体として且つあらゆる目的で参照によって本明細書に組み入れられる。
【0004】
慢性肝疾患及び肝硬変は2014年での38,170の死亡(全死亡の1.5%)を占める米国における罹患率及び死亡率の主要な原因である(非特許文献1)。米国における肝硬変の最も一般的な病因は、2004~2013年の間で肝移植を待ち望む患者の合わせて約80%を占めるアルコール性肝疾患、慢性C型肝炎及び非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)である(非特許文献2)。米国におけるNAFLDの推定される有病率は19~46パーセントの間であり(非特許文献3~5)、その主要なリスク因子である肥満の比率の増加とたぶん併せて(非特許文献6)時が経つにつれて上昇している(非特許文献7)。C型肝炎の治療は著しく進歩している一方で、アルコール性または非アルコール性の肝疾患及び肝硬変については根拠に基づく治療は今のところない。
【0005】
以前のゲノムワイド関連解析(GWAS)は慢性肝疾患のリスクの上昇に関連する配列変異を同定している。最も確実に検証された関連は、PNPLA3遺伝子によってコードされたパタチン様ホスホリパーゼドメイン含有3における共通するミスセンス変異体とのものである。この変異体(rs738409、p.Ile148Met)は当初、肝臓トリグリセリドレベルの上昇と関連することが見いだされ(非特許文献8)、その後、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)(非特許文献9~11)と関連することが見いだされた。膜貫通6スーパーファミリーメンバー2をコードするTM6SF2におけるミスセンス変異体も非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の高いリスクを付与する(非特許文献12~14)。PNPLA3及びTM6SF2における変異体が肝疾患をどのようにもたらすかはまだ完全には解明されていない(非特許文献15~18)。今日まで、慢性肝疾患から守る遺伝的変異体は同定されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】Kochanek,et al.,Nat’l.Vital Stat.Rep.,2016,65,1-122
【文献】Wong,et al.,Gastroenterology,2015,148,547-555
【文献】Browning,et al.,Hepatology,2004,40,1387-1395
【文献】Lazo,et al.,Am.J. Epidemiol.,2013,178,38-45
【文献】Williams,et al.,Gastroenterology,2011,140,124-131
【文献】Cohen,et al.,Science,2011,332,1519-1523
【文献】Younossi,et al.,Clin.Gastroenterol.Hepatol.,2011,9,524-530
【文献】Romeo,et al.,Nat.Genet.,2008,40,1461-5
【文献】Rotman,et al.,Hepatology,2010,52,894-903
【文献】Sookoian,et al.,J.LipidRes.,2009,50,2111-2116
【文献】Shen,et al.,J.Lipid Res.,2015,56,167-175
【文献】Kozlitina,et al.,Nat.Genet.,2014,46,352-6
【文献】Liu,et al.Nat.Commun.,2014,5,4309
【文献】Sookoian,et al.,Hepatology,2015,61,515-25
【文献】Smagris,et al.,J.Biol.Chem.,2016,291,10659-76
【文献】Mahdessian,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2014,111,8913-8
【文献】Huang,et al.,J.Biol.Chem.,2011,286,37085-93
【文献】Pirazzi,et al.,J.Hepatol.,2012,57,1276-82
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、肝疾患を治療するまたは抑制する候補者としてヒト対象を特定する方法を提供し、該方法は、対象に由来する試料が(i)I148Mの変異を含むパタチン様ホスホリパーゼドメイン含有3(PNPLA3)タンパク質をコードする第1の核酸と機能的なHSD17B13タンパク質をコードする第2の核酸;及び/または(ii)I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質と機能的なHSD17B13タンパク質を含むかどうかを判定することと、(i)で定義されたような第1と第2の核酸の双方、及び/または(ii)で定義されたようなタンパク質の双方が検出されるとき、HSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制する候補者として対象を特定することとを含む。
【0008】
一部の実施形態では、第1の核酸分子はゲノムDNA、mRNAまたはmRNAから得られるcDNAを含む。
一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置でATGコドンを含み;mRNAは配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含み;配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含み;cDNAは配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含み;またはcDNAは配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む。
【0009】
一部の実施形態では、ゲノムDNAは、配列番号31に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号31に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み;mRNAは配列番号34に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号34に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み;mRNAは配列番号35に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号35に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み;cDNAは配列番号38に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号38に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み;またはcDNAは配列番号39に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号39に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0010】
一部の実施形態では、第1の核酸を検出することは、第1の核酸の少なくとも一部を配列決定し、一部はI148Mの変異をコードするコドンを含むことを含み;または第1の核酸の一部と特異的にハイブリッド形成するプローブまたはプライマーと第1の核酸をハイブリッド形成させ、一部はI148Mの変異をコードするコドンを含むことを含む。
【0011】
一部の実施形態では、プローブまたはプライマーは対立遺伝子に特異的なプローブまたはプライマーであり、その際、プローブまたはプライマーは任意で標識を含む。
一部の実施形態では、方法はさらに、対象がI148Mの変異についてホモ接合型またはヘテロ接合型であるかどうかを判定することを含む。
【0012】
一部の実施形態では、第2の核酸はゲノムDNA、mRNAまたはmRNAから得られるcDNAを含む。
一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号1に係る12,667位に相当する位置にてアデニンを含み;ゲノムDNAは配列番号1に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ機能的なHSD17B13タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み;mRNAは配列番号3に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ機能的なHSD17B13タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み;mRNAは配列番号4に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号4に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ機能的なHSD17B13タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み;mRNAは配列番号7に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号7に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ機能的なHSD17B13タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み;mRNAは配列番号11に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号11に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ機能的なHSD17B13タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み;cDNAは配列番号12に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号12に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ機能的なHSD17B13タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み;cDNAは配列番号13に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号13に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ機能的なHSD17B13タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み;cDNAは配列番号16に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号16に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ機能的なHSD17B13タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み;またはcDNAは配列番号20に係るヌクレオチド配列もしくは配列番号20に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つ機能的なHSD17B13タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0013】
一部の実施形態では、第2の核酸を検出することは、第2の核酸を配列決定すること、または第2の核酸の一部と特異的にハイブリッド形成するプローブまたはプライマーと第2の核酸をハイブリッド形成させることを含み、その際、一部は配列番号1に係る12,667位に相当する位置にてアデニンを含む。
【0014】
一部の実施形態では、プローブまたはプライマーは対立遺伝子に特異的なプローブまたはプライマーであり、その際、プローブまたはプライマーは任意で標識を含む。
一部の実施形態では、方法はさらに、試料にて機能的なHSD17B13をコードする第2の核酸について対象はホモ接合型またはヘテロ接合型であるかどうかを判定することを含む。
【0015】
一部の実施形態では、方法はさらに、対象にHSD17B13の阻害剤を投与することを含む。
一部の実施形態では、肝疾患はアルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、アルコール性肝疾患は、アルコール摂取の結果生じる肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。
【0016】
一部の実施形態では、肝疾患は非アルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患は、アルコール摂取が原因ではない肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。
【0017】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図は、幾つかの態様を説明し、記載と一緒に本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】発見と再現のコホートに由来する配列決定された欧州系の個人のベースラインの特徴を示す図である。
【
図2-1】発見コホートにおけるp<1.0×10
-7で血清トランスアミナーゼのレベルに関連する一塩基変異体を示す図である。
【
図2-2】発見コホートにおけるp<1.0×10
-7で血清トランスアミナーゼのレベルに関連する一塩基変異体を示す図である。
【
図2-3】発見コホートにおけるp<1.0×10
-7で血清トランスアミナーゼのレベルに関連する一塩基変異体を示す図である。
【
図2-4】発見コホートにおけるp<1.0×10
-7で血清トランスアミナーゼのレベルに関連する一塩基変異体を示す図である。
【
図3-1】3つの別々の欧州系のコホートにおける発見コホートに由来する35のエクソーム全体の有意な一塩基変異体の再現と共同のメタ解析を示す図である。
【
図3-2】3つの別々の欧州系のコホートにおける発見コホートに由来する35のエクソーム全体の有意な一塩基変異体の再現と共同のメタ解析を示す図である。
【
図3-3】3つの別々の欧州系のコホートにおける発見コホートに由来する35のエクソーム全体の有意な一塩基変異体の再現と共同のメタ解析を示す図である。
【
図3-4】3つの別々の欧州系のコホートにおける発見コホートに由来する35のエクソーム全体の有意な一塩基変異体の再現と共同のメタ解析を示す図である。
【
図3-5】3つの別々の欧州系のコホートにおける発見コホートに由来する35のエクソーム全体の有意な一塩基変異体の再現と共同のメタ解析を示す図である。
【
図3-6】3つの別々の欧州系のコホートにおける発見コホートに由来する35のエクソーム全体の有意な一塩基変異体の再現と共同のメタ解析を示す図である。
【
図3-7】3つの別々の欧州系のコホートにおける発見コホートに由来する35のエクソーム全体の有意な一塩基変異体の再現と共同のメタ解析を示す図である。
【
図3-8】3つの別々の欧州系のコホートにおける発見コホートに由来する35のエクソーム全体の有意な一塩基変異体の再現と共同のメタ解析を示す図である。
【
図3-9】3つの別々の欧州系のコホートにおける発見コホートに由来する35のエクソーム全体の有意な一塩基変異体の再現と共同のメタ解析を示す図である。
【
図4-1】発見コホートにおける肝疾患表現型との13のエクソーム全体の有意な及び再現する一塩基変異体の関連を示す図である。
【
図4-2】発見コホートにおける肝疾患表現型との13のエクソーム全体の有意な及び再現する一塩基変異体の関連を示す図である。
【
図5】Dallasの肝臓試験及び小児肝臓試験に由来する遺伝子型を決定した多民族症例及び対照のベースラインの特徴を示す図である。
【
図6-1】(パネルA及びB)HSD17B13の周囲の領域におけるGHS発見コホートでのアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT;A)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST;B)のレベルについての領域関連プロットを示す図である。
【
図6-2】(パネルA及びB)HSD17B13の周囲の領域におけるGHS発見コホートでのアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT;A)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST;B)のレベルについての領域関連プロットを示す図である。
【
図7】HSD17B13 rs72613567スプライス変異体のホモ接合型参照(T/T)、ヘテロ接合型(T/TA)及びホモ接合型互性(TA/TA)の保有者におけるPNPLA3の発現を示す図である。
【
図8】HSD17B13 rs72613567の3つの遺伝子型(T/T、T/TA、TA/TA)における63人のPNPLA3 rs738409の保有者(C/C及びC/G)の発現の差異を示す図である。
【
図9】PNPLA3 rs738409(p.I148M)とHSD17B13 rs72613567との間での遺伝的相互作用の解析を示す図である。
【
図10-1】(パネルA及びB)HSD17B13 rs72613567:TAはPNPLA3 p.I148Mに関連する肝損傷のリスクを軽減することを示す図である。
【
図10-2】(パネルA及びB)HSD17B13 rs72613567:TAはPNPLA3 p.I148Mに関連する肝損傷のリスクを軽減することを示す図である。
【
図11-1】(パネルA~F)PNPLA3 rs738409(p.I148M)及びHSD17B13 rs72613567の遺伝子型による生の及び残余化したALTレベルを示す図である。
【
図11-2】(パネルA~F)PNPLA3 rs738409(p.I148M)及びHSD17B13 rs72613567の遺伝子型による生の及び残余化したALTレベルを示す図である。
【
図11-3】(パネルA~F)PNPLA3 rs738409(p.I148M)及びHSD17B13 rs72613567の遺伝子型による生の及び残余化したALTレベルを示す図である。
【
図12-1】(パネルA~F)PNPLA3 rs738409(p.I148M)及びHSD17B13 rs72613567の遺伝子型による生の及び残余化したASTレベルを示す図である。
【
図12-2】(パネルA~F)PNPLA3 rs738409(p.I148M)及びHSD17B13 rs72613567の遺伝子型による生の及び残余化したASTレベルを示す図である。
【
図12-3】(パネルA~F)PNPLA3 rs738409(p.I148M)及びHSD17B13 rs72613567の遺伝子型による生の及び残余化したASTレベルを示す図である。
【
図13-1】(パネルA~F)HSD17B13スプライス変異体のホモ接合型参照(T/T)、ヘテロ接合型(T/TA)及びホモ接合型互性(TA/TA)の保有者における4つの追加の新規のHSD17B13転写物(E~H)のmRNAの発現を示す図である。
【
図13-2】(パネルA~F)HSD17B13スプライス変異体のホモ接合型参照(T/T)、ヘテロ接合型(T/TA)及びホモ接合型互性(TA/TA)の保有者における4つの追加の新規のHSD17B13転写物(E~H)のmRNAの発現を示す図である。
【
図13-3】(パネルA~F)HSD17B13スプライス変異体のホモ接合型参照(T/T)、ヘテロ接合型(T/TA)及びホモ接合型互性(TA/TA)の保有者における4つの追加の新規のHSD17B13転写物(E~H)のmRNAの発現を示す図である。
【
図14-1】(パネルA及びB)GHS発見コホートにおける血清トランスアミナーゼレベルとの一塩基変異体の関連のManhattanプロット(左)及び分位点・分位点プロット(右)を示す図である。
【
図14-2】(パネルA及びB)GHS発見コホートにおける血清トランスアミナーゼレベルとの一塩基変異体の関連のManhattanプロット(左)及び分位点・分位点プロット(右)を示す図である。
【
図15-1】(パネルA及びB)HSD17B13 rs72613567:TAはアルコール性の及び非アルコールの肝疾患の表現型のリスクの低下と関連することを示す図である。
【
図15-2】(パネルA及びB)HSD17B13 rs72613567:TAはアルコール性の及び非アルコールの肝疾患の表現型のリスクの低下と関連することを示す図である。
【
図15-3】(パネルA及びB)HSD17B13 rs72613567:TAはアルコール性の及び非アルコールの肝疾患の表現型のリスクの低下と関連することを示す図である。
【
図16-1】(パネルA及びB)HSD17B13 rs72613567:TAはPNPLA3 p.I148Mに関連する肝損傷のリスクを軽減することを示す図である。
【
図16-2】(パネルA及びB)HSD17B13 rs72613567:TAはPNPLA3 p.I148Mに関連する肝損傷のリスクを軽減することを示す図である。
【
図17-1】(パネルA及びB)HSD17B13 rs72613567:TAは単純な脂肪症から脂肪性肝炎及び線維症への進行のリスクの低下に関連することを示す図である。
【
図17-2】(パネルA及びB)HSD17B13 rs72613567:TAは単純な脂肪症から脂肪性肝炎及び線維症への進行のリスクの低下に関連することを示す図である。
【
図18-1】(パネルA~G)HSD17B13の新規転写物の発現、細胞内局在及び酵素活性を示す図である。
【
図18-2】(パネルA~G)HSD17B13の新規転写物の発現、細胞内局在及び酵素活性を示す図である。
【
図18-3】(パネルA~G)HSD17B13の新規転写物の発現、細胞内局在及び酵素活性を示す図である。
【
図18-4】(パネルA~G)HSD17B13の新規転写物の発現、細胞内局在及び酵素活性を示す図である。
【
図19-1】(パネルA及びB)HSD17B13 rs72613567:TAは、PNPLA3 I148Mに関連するアルコール性の及び非アルコールの肝疾患のリスクを軽減することを示す図である。各棒の上の数は対照/症例を表す。
【
図19-2】(パネルA及びB)HSD17B13 rs72613567:TAは、PNPLA3 I148Mに関連するアルコール性の及び非アルコールの肝疾患のリスクを軽減することを示す図である。各棒の上の数は対照/症例を表す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の追加の利点は、後に続く説明にてある程度述べられるであろうし、説明からある程度明らかであろう、または本明細書で開示されている実施形態の実践によって身に付けることができる。本開示の利点は、添付のクレームで特に指摘される要素及び組み合わせによって実現され、達成されるであろう。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の双方は例示及び説明的なもののみであり、請求項に係るような実施形態の制約ではないことが理解されるべきである。
【0020】
説明
本開示の態様に関係する種々の用語が本明細書及びクレームの全体を通して使用される。そのような用語は、特に指示されない限り、当該技術における普通の意味を与えられるべきである。他の具体的に定義される用語は本明細書で提供される定義に一致するように解釈されるべきである。
【0021】
明白に述べられない限り、本明細書で述べられる方法または態様はその工程が特定の順で実施されることを要求すると解釈されることは全く意図されない。従って、方法クレームがクレームまたは説明にて工程が特定の順序に限定されるべきであると具体的に述べない場合、どんな点でも順序が推測されることは全く意図されない。このことは、工程もしくは操作上の流れの配置に関する論理の問題、文法構成もしくは句読点に由来する明白な意味、または本明細書に記載されている態様の数もしくは種類を含む、解釈についての考えられる不明確な基準に対して成り立つ。
【0022】
本明細書で使用されるとき、単数形態「a」、「an」及び「the」は、文脈が明瞭に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書で使用されるとき、用語「対象」及び「患者」は相互交換可能に使用される。対象には哺乳類を含む動物が含まれてもよい。哺乳類には限定しないで、家畜(たとえば、ウマ、ウシ、ブタ)、愛玩動物(たとえば、イヌ、ネコ)、実験動物(たとえば、マウス、ラット、ウサギ)及び非ヒト霊長類が挙げられる。一部の実施形態では、対象はヒトである。
【0023】
本明細書で使用されるとき、「核酸」、「核酸分子」、「核酸配列」、「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」は任意の長さのヌクレオチドの高分子形態を含むことができ、DNA及び/またはRNAを含んでもよく、一本鎖、二本鎖または多重鎖であることができる。核酸の一本鎖はその相補体も指す。
【0024】
本明細書で使用されるとき、語句「に相当する」または文法的なその変形は、所与のアミノ酸配列または核酸配列または位置の番号付けの文脈で使用される場合、所与のアミノ酸配列または核酸配列が参照配列(たとえば、(機能的な)HSD17B13(として挙動する機能的なまたは転写物)の核酸分子またはポリペプチドである本明細書での参照配列と)と比較されるときの特定された参照配列の番号付けを指す。言い換えれば、所与のポリマーの残基(たとえば、アミノ酸またはヌクレオチド)の数または残基(たとえば、アミノ酸またはヌクレオチド)の位置は、所与のアミノ酸または核酸の配列の範囲内での残基の実際の数的な位置によるのではなく参照配列に関して指定される。たとえば、所与のアミノ酸配列は、ギャップを導入して2つの配列間での残基の一致を最適化することによって参照配列に対して並べることができる。これらの場合、ギャップが存在するが、所与のアミノ酸または核酸の配列における残基の番号付けはそれが並べられている参照配列に関して行われる。
【0025】
たとえば、語句「配列番号2に係る12,667位に相当する位置にてチミンを含むHSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードする核酸分子」(及び類似の語句)は、調べられるHSD17B13のゲノムDNAの核酸配列が配列番号2に係るヌクレオチド配列に対して並べられれば、調べられるHSD17B13のゲノムDNAは配列番号2に係る12,667位に相当する位置にてチミンを含むことを意味する。
【0026】
配列番号2に係る12,667位に相当する位置にてチミンを含むHSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードする核酸分子は、たとえば、所与のHSD17B13タンパク質と配列番号2の核酸配列との間で配列比較を行うことによって容易に同定することができる。同様に、配列番号42に係る148位に相当する位置または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを有するPNPLA3 Ile148Metタンパク質は、所与のPNPLA3タンパク質と配列番号42または配列番号43のアミノ酸配列との間で配列比較を行うことによって同定することができる。特定の配列番号の位置に相当する特定の位置で特定のヌクレオチドまたはアミノ酸を有する特定の核酸分子及びタンパク質を同定するために配列比較を行うのに使用することができる種々のコンピューターアルゴリズムが存在する。たとえば、パーセント配列同一性を同定するためのプログラムを用いて配列比較を行うことができる。核酸の範囲内での核酸配列またはポリペプチドの範囲内でのアミノ酸配列の特定の区間間でのパーセント同一性(またはパーセント相補性)は、BLASTプログラム(基礎的な局所配列比較検索ツール)及びPowerBLASTプログラム(Altschul,et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403-410;Zhang及びMadden,Genome Res.,1997,7,649-656)またはCLUSTALWソフトウェア(Sievers,et al.,2014,Methods Mol.Biol.,1079,105-116)を用いて、またはSmith及びWaterman(Adv.Appl.Math.,1981,2,482-489)のアルゴリズムを使用する初期設定を用いたGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)を使用することによって決定することができる。しかしながら、配列は手動で並べることもできる。本明細書では、参照がパーセント配列同一性に対して行われるのであれば、さらに高い比率の配列同一性が低いものより好まれる。
【0027】
本開示は、HSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制する候補者としてヒト対象を特定する方法;HSD17B13の阻害剤を投与することを含む肝疾患を治療するまたは抑制する方法;対象にてPNPLA3 Ile148Met(本明細書では「I148M」とも呼ばれる)及び機能的なHSD17B13を検出する方法;肝疾患に対して防御効果を有する対象を特定する方法;及び肝疾患の治療で使用するためのHSD17B13の阻害剤を提供する。
【0028】
本開示は、HSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制する候補者としてのヒト対象を分類する方法;HSD17B13の阻害剤を投与することを含む肝疾患を治療するまたは抑制する方法;対象にてPNPLA3 Ile148Met(本明細書では「I148M」とも呼ばれる)及び機能的なHSD17B13を検出する方法;肝疾患に対して防御効果を有する対象を分類する方法;及び肝疾患の治療で使用するためのHSD17B13の阻害剤を提供する。
【0029】
本開示によれば、肝臓の脂肪滴タンパク質である17ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ13をコードするHSD17B13におけるスプライス変異体(rs72613567:TA)は低下したALT(P=4.2×10-12)及びAST(P=6.2×10-10)のレベルと再現性よく関連したことが観察されている。この変異体は対立遺伝子量に依存して、アルコール性及び非アルコール性の肝疾患(それぞれrs72613567:TA対立遺伝子について38%、95%信頼区間(CI)19%~52%及び16%、95%CI9%~22%)及び肝硬変(それぞれrs72613567:TA対立遺伝子についてアルコール性及び非アルコール性の肝硬変に関して44%、95%CI22~59%及び26%、95%CI12%~38%)のリスクの低下と関連することも観察された。関連は2つの独立したコホートによって確認された。rs72613567:TAは非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の組織学的特徴の重症度の低下に関連し(脂肪肝疾患の個人の間での各rs72613567:TA対立遺伝子についての非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)にて23%の減少、95%CI10%~34%)、PNPLA3 p.I148Mに関連する肝損傷を軽減した。rs72613567:TAはステロイド基質に対する酵素活性で切り詰められたアイソフォーム欠損を生じる。従って、HSD17B13における機能喪失変異はアルコール性及び非アルコール性の肝疾患及び脂肪症からNASHへの進行のリスクの低下に関連した。米国特許出願公開番号US2018/0216084(PCT公開番号WO2018/136702に相当する)を全体として参照によって本明細書に組み入れる。
【0030】
本開示は、ヒドロキシステロイド17ベータデヒドロゲナーゼ13(HSD17B13)を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制する候補者としてヒト対象を特定する方法を提供し、該方法は、対象に由来する試料がI148Mの変異を含むパタチン様ホスホリパーゼドメイン含有3(PNPLA3)タンパク質をコードする第1の核酸と機能的なHSD17B13タンパク質をコードする第2の核酸、及び/またはI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質と機能的なHSD17B13タンパク質を含むかどうかを判定することと、第1の核酸及び第2の核酸の双方が検出され、及び/または双方のタンパク質が検出される場合、HSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制する候補者として対象を特定することとを含む。
【0031】
本開示はまた、HSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制する候補者としての対象を分類する方法;HSD17B13の阻害剤を投与することを含む肝疾患を治療するまたは抑制する方法;対象にてPNPLA3 Ile148Met(本明細書では「I148M」とも呼ばれる)及び機能的なHSD17B13を検出する方法;肝疾患に対して防御効果を有する対象を分類する方法;及び肝疾患の治療で使用するためのHSD17B13の阻害剤も提供する。
【0032】
本開示はまた、患者にて肝疾患が治療され、または抑制されるようにI148Mの変異を含むパタチン様ホスホリパーゼドメイン含有3(PNPLA3)タンパク質を発現しているヒト肝疾患患者にヒドロキシステロイド17ベータデヒドロゲナーゼ13(HSD17B13)の阻害剤を投与することを含む、肝疾患を治療するまたは抑制する方法も提供する。
【0033】
本明細書に記載されている方法では、種々のPNPLA3及びHSD17B13のタンパク質及びそれをコードする核酸分子(たとえば、ゲノムDNA、mRNA、及びmRNAに由来するcDNA)が検出され、発現され、または採用される。これらのPNPLA3及びHSD17B13のタンパク質及びそれをコードする核酸分子がさらに詳細に記載されている。
【0034】
2つの野生型PNPLA3タンパク質のアミノ酸配列は配列番号40及び配列番号41に記述されている。配列番号40を有する野生型PNPLA3タンパク質は長さ481のアミノ酸であるのに対して、配列番号41を有する野生型PNPLA3タンパク質は長さ477のアミノ酸である。配列番号40を有する野生型PNPLA3タンパク質は148位にてイソロイシンを有する。配列番号41を有する野生型PNPLA3タンパク質は144位にてイソロイシンを有する。
【0035】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質は、配列番号42に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含むアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質は、配列番号42に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含むアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質は、配列番号42に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成る。
【0036】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質は、配列番号43に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質は、配列番号43に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質は、配列番号43に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成る。
【0037】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質及び変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質は上記に記載されているタンパク質の断片であり、その際、断片は配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含み、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、断片は、コードされたポリペプチド(たとえば、配列番号42または配列番号43のアミノ酸配列を有するポリペプチド)の少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約100、少なくとも約150、または少なくとも約200の隣接するアミノ酸残基を含む。この点で、長い断片が短いものより好まれる。一部の実施形態では、断片は、コードされたポリペプチドの少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、または少なくとも約100の隣接するアミノ酸残基を含む。この点で、長い断片が短いものより好まれる。
【0038】
野生型PNPLA3タンパク質をコードするゲノムDNA分子の核酸配列は配列番号30に記述されている。配列番号30を有する野生型PNPLA3のゲノムDNAは5109位にてシトシンを含む。配列番号30を有する野生型PNPLA3のゲノムDNAは5107位~5109位にてコドンATCを含む。
【0039】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3のゲノムDNA分子は、それぞれ配列番号42または配列番号43に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含み、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むアミノ酸配列を含むPNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のゲノムDNA分子は、それぞれ配列番号42または配列番号43に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含み、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むアミノ酸配列を含むPNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のゲノムDNA分子は、それぞれ配列番号42または配列番号43に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るPNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0040】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質または変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のゲノムDNA分子は、配列番号31に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号31に係る5109位に相当する位置にてグアニンを含み、または配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてコドンATGを含む核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質または変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のゲノムDNA分子は、配列番号31に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号31に係る5109位に相当する位置にてグアニンを含み、または配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてコドンATGを含む核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質または変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のゲノムDNA分子は、配列番号31に係るヌクレオチド配列を含む、またはそれから成る。
【0041】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3のゲノムDNA分子はゲノムDNA配列全体に満たないものを含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のゲノムDNA分子は、配列番号31の少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000、少なくとも約2000、少なくとも約3000、少なくとも約4000、少なくとも約5000、少なくとも約6000、少なくとも約7000、少なくとも約8000、少なくとも約9000、少なくとも約10000、少なくとも約11000、または少なくとも約11500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のゲノムDNA分子は配列番号31の少なくとも約1000~少なくとも約2000の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。
【0042】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3のゲノムDNA分子は配列番号31の少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000、少なくとも約1000、少なくとも約1100、少なくとも約1200、少なくとも約1300、少なくとも約1400、少なくとも約1500、少なくとも約1600、少なくとも約1700、少なくとも約1800、少なくとも約1900、少なくとも約2000、少なくとも約2100、少なくとも約2200、少なくとも約2300、少なくとも約2400、または少なくとも約2500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。
【0043】
2つの野生型PNPLA3のmRNA分子の核酸配列は配列番号32及び配列番号33に記述されている。配列番号32を有する野生型PNPLA3のmRNA分子は444位にてシトシンを含む。配列番号32を有する野生型PNPLA3のmRNA分子は442位~444位にてコドンAUCを含む。配列番号33を有する野生型PNPLA3のmRNA分子は432位にてシトシンを含む。配列番号33を有する野生型PNPLA3のmRNA分子は430位~432位にてコドンAUCを含む。
【0044】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3のmRNA分子は、それぞれ配列番号42または配列番号43に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含み、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むアミノ酸配列を含むPNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のmRNA分子は、それぞれ配列番号42または配列番号43に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含み、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むアミノ酸配列を含むPNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のmRNA分子は、それぞれ配列番号42または配列番号43に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るPNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0045】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のmRNA分子は、配列番号34に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号34に係る444位に相当する位置にてグアニンを含む、または配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてコドンAUGを含む核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のmRNA分子は、配列番号34に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号34に係る444位に相当する位置にてグアニンを含む、または配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてコドンAUGを含む核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のmRNA分子は配列番号34に係るヌクレオチド配列を含む、またはそれから成る。
【0046】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のmRNA分子は、配列番号35に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号35に係る432位に相当する位置にてグアニンを含む、または配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてコドンAUGを含む核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のmRNA分子は、配列番号35に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号35に係る432位に相当する位置にてグアニンを含む、または配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてコドンAUGを含む核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のmRNA分子は配列番号35に係るヌクレオチド配列を含む、またはそれから成る。
【0047】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3のmRNA分子は変異体PNPLA3のmRNA配列全体に満たないものを含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のmRNA分子は、配列番号34または配列番号35の少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約12、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、または少なくとも約600の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のmRNA分子は、配列番号34または配列番号35の少なくとも約200~少なくとも約500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。この点で、さらに長いmRNA分子は短いものより好まれる。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のmRNA分子は、配列番号34または配列番号35の少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、または少なくとも約500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。この点で、さらに長いmRNA分子は短いものより好まれる。一部の実施形態では、そのような変異体PNPLA3のmRNA分子には、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンをコードするコドン、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンをコードするコドンが含まれる。一部の実施形態では、そのような変異体PNPLA3のmRNA分子には、配列番号34に係る444位に相当する位置にてグアニン、または配列番号35に係る432位に相当する位置にてグアニンが含まれる。一部の実施形態では、そのような変異体PNPLA3のmRNA分子には、配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてコドンAUG、または配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてコドンAUGが含まれる。
【0048】
2つの野生型PNPLA3のcDNA分子の核酸配列は配列番号36及び配列番号37に記述されている。配列番号36を有する野生型PNPLA3のcDNA分子は444位にてシトシンを含む。配列番号36を有する野生型PNPLA3のcDNA分子は442位~444位にてコドンATCを含む。配列番号37を有する野生型PNPLA3のcDNA分子は432位にてシトシンを含む。配列番号37を有する野生型PNPLA3のcDNA分子は430位~432位にてコドンATCを含む。
【0049】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3のcDNA分子は、それぞれ配列番号42または配列番号43に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含み、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むアミノ酸配列を含むPNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のcDNA分子は、それぞれ配列番号42または配列番号43に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含み、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むアミノ酸配列を含むPNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のcDNA分子は、それぞれ配列番号42または配列番号43に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るPNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0050】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のcDNA分子は、配列番号38に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号38に係る444位に相当する位置にてグアニンを含む、または配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてコドンATGを含む核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のcDNA分子は、配列番号38に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号38に係る444位に相当する位置にてグアニンを含む、または配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてコドンATGを含む核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のcDNA分子は配列番号38に係るヌクレオチド配列を含む、またはそれから成る。
【0051】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のcDNA分子は、配列番号39に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号39に係る432位に相当する位置にてグアニンを含む、または配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてコドンATGを含む核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のcDNA分子は、配列番号39に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、且つ配列番号39に係る432位に相当する位置にてグアニンを含む、または配列番号3に係る430位~432位に相当する位置にてコドンATGを含む核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする変異体PNPLA3のcDNA分子は配列番号39に係るヌクレオチド配列を含む、またはそれから成る。
【0052】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3のcDNA分子は変異体PNPLA3のcDNA配列全体に満たないヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のcDNA分子は、配列番号38または配列番号39の少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約12、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、または少なくとも約600の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のcDNA分子は、配列番号38または配列番号39の少なくとも約200~少なくとも約500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。この点で、さらに長いcDNA分子は短いものより好まれる。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のcDNA分子は、配列番号38または配列番号39の少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、または少なくとも約500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。この点で、さらに長いcDNA分子は短いものより好まれる。一部の実施形態では、そのような変異体PNPLA3のcDNA分子は、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンをコードするコドン、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンをコードするコドンを含む。一部の実施形態では、そのような変異体PNPLA3のcDNA分子は、配列番号38に係る444位に相当する位置にてグアニン、または配列番号39に係る432位に相当する位置にてグアニンを含む。一部の実施形態では、そのような変異体PNPLA3のcDNA分子は、配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてコドンATG、または配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてコドンATGを含む。
【0053】
機能的なHSD17B13タンパク質に関連する4つのHSD17B13のアイソフォームタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号21(アイソフォームA)、配列番号22(アイソフォームB)、配列番号25(アイソフォームE)、及び配列番号29(アイソフォームI)に記述されている。配列番号21(アイソフォームA)を有するHSD17B13タンパク質は長さ300のアミノ酸である。配列番号22(アイソフォームB)を有するHSD17B13タンパク質は長さ264のアミノ酸である。配列番号25(アイソフォームE)を有するHSD17B13タンパク質は長さ324のアミノ酸である。配列番号29(アイソフォームI)を有するHSD17B13タンパク質は長さ271のアミノ酸である。
【0054】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13のアイソフォームタンパク質は、配列番号21(アイソフォームA)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13のアイソフォームタンパク質は、配列番号21(アイソフォームA)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13のアイソフォームタンパク質は、配列番号21(アイソフォームA)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成る。
【0055】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13のアイソフォームタンパク質は、配列番号22(アイソフォームB)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13のアイソフォームタンパク質は、配列番号22(アイソフォームB)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13のアイソフォームタンパク質は、配列番号22(アイソフォームB)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成る。
【0056】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13のアイソフォームタンパク質は、配列番号25(アイソフォームE)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13のアイソフォームタンパク質は、配列番号25(アイソフォームE)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13のアイソフォームタンパク質は、配列番号25(アイソフォームE)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成る。
【0057】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13のアイソフォームタンパク質は、配列番号29(アイソフォームI)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13のアイソフォームタンパク質は、配列番号29(アイソフォームI)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13のアイソフォームタンパク質は、配列番号29(アイソフォームI)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成る。
【0058】
機能喪失rs72613567 HSD17B13タンパク質(配列番号2)に関連する5つのHSD17B13のアイソフォームタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号23(アイソフォームC)、配列番号24(アイソフォームD)、配列番号26(アイソフォームF)、配列番号27(アイソフォームG)、及び配列番号28(アイソフォームH)に記述されている。配列番号23(アイソフォームC)を有するHSD17B13タンパク質は長さ261のアミノ酸である。配列番号24(アイソフォームD)を有するHSD17B13タンパク質は長さ274のアミノ酸である。配列番号26(アイソフォームF)を有するHSD17B13タンパク質は長さ284のアミノ酸である。配列番号27(アイソフォームG)を有するHSD17B13タンパク質は長さ238のアミノ酸である。配列番号28(アイソフォームH)を有するHSD17B13タンパク質は長さ298のアミノ酸である。
【0059】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号23(アイソフォームC)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号23(アイソフォームC)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号23(アイソフォームC)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成る。
【0060】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号24(アイソフォームD)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号24(アイソフォームD)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号24(アイソフォームD)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成る。
【0061】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号26(アイソフォームF)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号26(アイソフォームF)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号26(アイソフォームF)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成る。
【0062】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号27(アイソフォームG)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号27(アイソフォームG)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号27(アイソフォームG)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成る。
【0063】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号28(アイソフォームH)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号28(アイソフォームH)に係るアミノ酸配列に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は、配列番号28(アイソフォームH)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成る。
【0064】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するHSD17B13アイソフォームタンパク質及び機能喪失に関連するHSD17B13変異体タンパク質は上記に記載されているタンパク質の断片である。一部の実施形態では、断片は、コードされているポリペプチド(たとえば、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、または配列番号29のアミノ酸配列を有するポリペプチド)の少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約100、少なくとも約150、または少なくとも約200の隣接するアミノ酸残基を含む。この点で、さらに長い断片は短いものよりも好まれる。一部の実施形態では、断片は、コードされているポリペプチドの少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、または少なくとも約100の隣接するアミノ酸残基を含む。この点で、さらに長い断片は短いものよりも好まれる。
【0065】
機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子の核酸配列は配列番号1に記述されている。配列番号1を有する機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は12,667位にてアデニンを含む。
【0066】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号21(アイソフォームA)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号21(アイソフォームA)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号21(アイソフォームA)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0067】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号22(アイソフォームB)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号22(アイソフォームB)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号22(アイソフォームB)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0068】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号25(アイソフォームE)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号25(アイソフォームE)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号25(アイソフォームE)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0069】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号29(アイソフォームI)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号29(アイソフォームI)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号29(アイソフォームI)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0070】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号1に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号1に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号21に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0071】
機能喪失に関連するHSD17B13の変異体タンパク質をコードする変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は配列番号2に記述されている。配列番号2を有する変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は12,667位にてチミンを含む。
【0072】
一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号23(アイソフォームC)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号23(アイソフォームC)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号23(アイソフォームC)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0073】
一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号24(アイソフォームD)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号24(アイソフォームD)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号24(アイソフォームD)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0074】
一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号26(アイソフォームF)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号26(アイソフォームF)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号26(アイソフォームF)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0075】
一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号27(アイソフォームG)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号27(アイソフォームG)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号27(アイソフォームG)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0076】
一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号28(アイソフォームH)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号28(アイソフォームH)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号28(アイソフォームH)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0077】
一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号2に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号2に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は配列番号2に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0078】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子及び変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、ゲノムDNA配列全体に満たないものを含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子及び変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号1(機能的なHSD17B13のゲノムDNA)または配列番号2(変異体HSD17B13のゲノムDNA)の少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000、少なくとも約2000、少なくとも約3000、少なくとも約4000、少なくとも約5000、少なくとも約6000、少なくとも約7000、少なくとも約8000、少なくとも約9000、少なくとも約10000、少なくとも約11000、または少なくとも約11500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子及び変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号1(機能的なHSD17B13のゲノムDNA)または配列番号2(変異体HSD17B13のゲノムDNA)の少なくとも約1000~少なくとも約2000の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。
【0079】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子及び変異体HSD17B13のゲノムDNA分子は、配列番号1(機能的なHSD17B13のゲノムDNA)または配列番号2(変異体HSD17B13のゲノムDNA)の少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000、少なくとも約1000、少なくとも約1100、少なくとも約1200、少なくとも約1300、少なくとも約1400、少なくとも約1500、少なくとも約1600、少なくとも約1700、少なくとも約1800、少なくとも約1900、少なくとも約2000、少なくとも約2100、少なくとも約2200、少なくとも約2300、少なくとも約2400、または少なくとも約2500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。
【0080】
機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードする4つのHSD17B13のRNA転写物の核酸配列は、配列番号44(転写物A)、配列番号45(転写物B)、配列番号48(転写物E)、及び配列番号52(転写物I)に記述されている。
【0081】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号21(アイソフォームA)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号21(アイソフォームA)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は配列番号21(アイソフォームA)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0082】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号22(アイソフォームB)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号22(アイソフォームB)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号22(アイソフォームB)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0083】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号25(アイソフォームE)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号25(アイソフォームE)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は配列番号25(アイソフォームE)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0084】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号29(アイソフォームI)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号29(アイソフォームI)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号29(アイソフォームI)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0085】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号44(転写物A)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号44(転写物A)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は配列番号44(転写物A)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0086】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号45(転写物B)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号45(転写物B)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は配列番号45(転写物B)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0087】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号48(転写物E)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号48(転写物E)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は配列番号48(転写物E)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0088】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号52(転写物I)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号52(転写物I)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は配列番号52(転写物I)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0089】
機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードする5つのHSD17B13のRNA転写物の核酸配列は、配列番号46(転写物C)、配列番号47(転写物D)、配列番号49(転写物F)、配列番号50(転写物G)、及び配列番号51(転写物H)に記述されている。
【0090】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号23(アイソフォームC)対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号23(アイソフォームC)対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号23(アイソフォームC)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0091】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号24(アイソフォームD)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号24(アイソフォームD)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号24(アイソフォームD)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0092】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号26(アイソフォームF)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号26(アイソフォームF)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号26(アイソフォームF)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0093】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号27(アイソフォームG)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号27(アイソフォームG)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号27(アイソフォームG)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0094】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号28(アイソフォームH)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号28(アイソフォームH)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号28(アイソフォームH)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0095】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号46(転写物C)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号46(転写物C)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は配列番号46(転写物C)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0096】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号47(転写物D)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号47(転写物D)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は配列番号47(転写物D)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0097】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号49(転写物F)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号49(転写物F)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は配列番号49(転写物F)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0098】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号50(転写物G)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号50(転写物G)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は配列番号50(転写物G)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0099】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号51(転写物H)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は、配列番号51(転写物H)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のRNA転写物は配列番号51(転写物H)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0100】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のRNA転写物及び変異体HSD17B13のRNA転写物はRNA転写物の配列に満たないものを含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のRNA転写物及び変異体HSD17B13のRNA転写物は、配列番号44、配列番号45、配列番号48、もしくは配列番号52(機能的なHSD17B13のRNA転写物)または配列番号46、配列番号47、配列番号49、配列番号50、もしくは配列番号51(変異体HSD17B13のRNA転写物)の少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000、少なくとも約2000、または少なくとも約2500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のRNA転写物及び変異体HSD17B13のRNA転写物はRNA転写物の配列に満たないものを含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のRNA転写物及び変異体HSD17B13のRNA転写物は、配列番号44、配列番号45、配列番号48、もしくは配列番号52(機能的なHSD17B13のRNA転写物)または配列番号46、配列番号47、配列番号49、配列番号50、もしくは配列番号51(変異体HSD17B13のRNA転写物)の少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、または少なくとも約500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のRNA転写物及び変異体HSD17B13のRNA転写物は、配列番号44、配列番号45、配列番号48、もしくは配列番号52(機能的なHSD17B13のRNA転写物)または配列番号46、配列番号47、配列番号49、配列番号50、もしくは配列番号51(変異体HSD17B13のRNA転写物)の少なくとも約1000~少なくとも約2000の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。
【0101】
機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードする4つのHSD17B13のcDNA転写物の核酸配列は、配列番号53(転写物A)、配列番号54(転写物B)、配列番号57(転写物E)、及び配列番号61(転写物I)に記述されている。
【0102】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号21(アイソフォームA)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号21(アイソフォームA)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号21(アイソフォームA)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0103】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号22(アイソフォームB)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号22(アイソフォームB)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号22(アイソフォームB)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0104】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号25(アイソフォームE)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号25(アイソフォームE)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号25(アイソフォームE)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0105】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号29(アイソフォームI)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号29(アイソフォームI)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号29(アイソフォームI)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0106】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号53(転写物A)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号53(転写物A)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号53(転写物A)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0107】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号54(転写物B)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号54(転写物B)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号54(転写物B)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0108】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号57(転写物E)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号57(転写物E)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号57(転写物E)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0109】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号61(転写物I)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号61(転写物I)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号61(転写物I)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0110】
機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードする5つのHSD17B13のcDNA転写物の核酸配列は、配列番号55(転写物C)、配列番号56(転写物D)、配列番号58(転写物F)、配列番号59(転写物G)、及び配列番号60(転写物H)に記述されている。
【0111】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号23(アイソフォームC)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号23(アイソフォームC)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号23(アイソフォームC)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0112】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号24(アイソフォームD)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号24(アイソフォームD)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号24(アイソフォームD)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0113】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号26(アイソフォームF)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号26(アイソフォームF)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号26(アイソフォームF)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0114】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号27(アイソフォームG)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号27(アイソフォームG)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号27(アイソフォームG)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0115】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号28(アイソフォームH)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号28(アイソフォームH)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号28(アイソフォームH)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0116】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号55(転写物C)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号55(転写物C)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号55(転写物C)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0117】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号56(転写物D)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号56(転写物D)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号56(転写物D)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0118】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号58(転写物F)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号58(転写物F)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号58(転写物F)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0119】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号59(転写物G)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号59(転写物G)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号59(転写物G)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0120】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号60(転写物H)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号60(転写物H)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA転写物は、配列番号60(転写物H)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0121】
一部の実施形態では、HSD17B13のcDNA転写物はcDNA転写物の配列に満たないものを含む。一部の実施形態では、HSD17B13のcDNA転写物は配列番号53、配列番号54、配列番号57、または配列番号61または配列番号55、配列番号56、配列番号58、配列番号59、または配列番号60の少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000、少なくとも約2000、または少なくとも約2500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、HSD17B13のcDNA転写物はcDNA転写物の配列に満たないものを含む。一部の実施形態では、HSD17B13のcDNA転写物は、配列番号53、配列番号54、配列番号57、または配列番号61または配列番号55、配列番号56、配列番号58、配列番号59、または配列番号60の少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、または少なくとも約500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、HSD17B13のcDNA転写物は、配列番号53、配列番号54、配列番号57、または配列番号61または配列番号55、配列番号56、配列番号58、配列番号59、または配列番号60の少なくとも約1000~少なくとも約2000の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。
【0122】
機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードする4つのHSD17B13のmRNA分子の核酸配列は、配列番号3(転写物A)、配列番号4(転写物B)、配列番号7(転写物E)、及び配列番号11(転写物I)に記述されている。
【0123】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号21(アイソフォームA)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号21(アイソフォームA)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号21(アイソフォームA)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0124】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号22(アイソフォームB)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号22(アイソフォームB)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号22(アイソフォームB)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0125】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号25(アイソフォームE)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号25(アイソフォームE)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号25(アイソフォームE)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0126】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号29(アイソフォームI)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号29(アイソフォームI)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号29(アイソフォームI)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0127】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号3(転写物A)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号3(転写物A)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号3(転写物A)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0128】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号4(転写物B)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号4(転写物B)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号4(転写物B)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0129】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号7(転写物E)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号7(転写物E)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号7(転写物E)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0130】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号11(転写物I)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号11(転写物I)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号11(転写物I)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0131】
機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードする5つのHSD17B13のmRNA分子の核酸配列は、配列番号5(転写物C)、配列番号6(転写物D)、配列番号8(転写物F)、配列番号9(転写物G)、及び配列番号10(転写物H)に記述されている。
【0132】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号23(アイソフォームC)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号23(アイソフォームC)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号23(アイソフォームC)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0133】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号24(アイソフォームD)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号24(アイソフォームD)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号24(アイソフォームD)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0134】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号26(アイソフォームF)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号26(アイソフォームF)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号26(アイソフォームF)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0135】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号27(アイソフォームG)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号27(アイソフォームG)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号27(アイソフォームG)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0136】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号28(アイソフォームH)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号28(アイソフォームH)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号28(アイソフォームH)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0137】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号5(転写物C)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号5(転写物C)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号5(転写物C)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0138】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号6(転写物D)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号6(転写物D)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号6(転写物D)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0139】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号8(転写物F)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号8(転写物F)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号8(転写物F)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0140】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号9(転写物G)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号9(転写物G)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号9(転写物G)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0141】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号10(転写物H)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号10(転写物H)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のmRNA分子は、配列番号10(転写物H)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0142】
一部の実施形態では、HSD17B13のmRNA分子は、mRNA配列全体に満たないヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、HSD17B13のmRNA分子は、配列番号3、配列番号4、配列番号7、または配列番号11、または配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号9、または配列番号10の少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約12、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、または少なくとも約900の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、HSD17B13のmRNA分子は、配列番号3、配列番号4、配列番号7、または配列番号11、または配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号9、または配列番号10の少なくとも約200~少なくとも約500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。この点で、さらに長いmRNA分子は短いものより好まれる。一部の実施形態では、HSD17B13のmRNA分子は、配列番号3、配列番号4、配列番号7、または配列番号11、または配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号9、または配列番号10の少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、または少なくとも約500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。この点で、さらに長いmRNA分子は短いものより好まれる。
【0143】
機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードする4つのHSD17B13のcDNA分子の核酸配列は、配列番号12(転写物A)、配列番号13(転写物B)、配列番号16(転写物E)、及び配列番号20(転写物I)に記述されている。
【0144】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号21(アイソフォームA)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号21(アイソフォームA)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号21(アイソフォームA)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0145】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号22(アイソフォームB)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号22(アイソフォームB)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号22(アイソフォームB)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0146】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号25(アイソフォームE)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号25(アイソフォームE)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号25(アイソフォームE)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0147】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号29(アイソフォームI)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号29(アイソフォームI)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13アイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号29(アイソフォームI)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0148】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号12(転写物A)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号12(転写物A)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号12(転写物A)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0149】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号13(転写物B)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号13(転写物B)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号13(転写物B)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0150】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号16(転写物E)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号16(転写物E)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号16(転写物E)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0151】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号20(転写物I)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号20(転写物I)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号20(転写物I)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0152】
機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードする5つのHSD17B13のcDNA分子の核酸配列は、配列番号14(転写物C)、配列番号15(転写物D)、配列番号17(転写物F)、配列番号18(転写物G)、及び配列番号19(転写物H)に記述されている。
【0153】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号23(アイソフォームC)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号23(アイソフォームC)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号23(アイソフォームC)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0154】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号24(アイソフォームD)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号24(アイソフォームD)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号24(アイソフォームD)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0155】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号26(アイソフォームF)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号26(アイソフォームF)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号26(アイソフォームF)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0156】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号27(アイソフォームG)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号27(アイソフォームG)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号27(アイソフォームG)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0157】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号28(アイソフォームH)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号28(アイソフォームH)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号28(アイソフォームH)に係るアミノ酸配列を含む、またはそれから成るHSD17B13のアイソフォームタンパク質をコードする核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0158】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号14(転写物C)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号14(転写物C)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号14(転写物C)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0159】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号15(転写物D)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号15(転写物D)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号15(転写物D)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0160】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号17(転写物F)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号17(転写物F)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号17(転写物F)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0161】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号18(転写物G)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号18(転写物G)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号18(転写物G)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0162】
一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号19(転写物H)に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号19(転写物H)に対して少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸配列を含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、機能喪失に関連するアイソフォームタンパク質をコードするHSD17B13のcDNA分子は、配列番号19(転写物H)に係る核酸配列を含む、またはそれから成る。
【0163】
一部の実施形態では、HSD17B13のcDNA分子はcDNA配列全体に満たないヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、HSD17B13のcDNA分子は、配列番号12、配列番号13、配列番号16、または配列番号20または配列番号14、配列番号15、配列番号17、配列番号18、または配列番号19の少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約12、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、または少なくとも約900の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。一部の実施形態では、HSD17B13のcDNA分子は、配列番号12、配列番号13、配列番号16、または配列番号20または配列番号14、配列番号15、配列番号17、配列番号18、または配列番号19の少なくとも約200~少なくとも約500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。この点で、さらに長いcDNA分子は短いものより好まれる。一部の実施形態では、HSD17B13のcDNA分子は、配列番号12、配列番号13、配列番号16、または配列番号20または配列番号14、配列番号15、配列番号17、配列番号18、または配列番号19の少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、または少なくとも約500の隣接するヌクレオチドを含む、またはそれから成る。この点で、さらに長いcDNA分子は短いものより好まれる。
【0164】
本明細書に記載されているプローブ及びプライマーを用いて、本明細書に記載されている機能的なまたは変異体のPNPLA3のゲノムDNA分子、mRNA分子、またはmRNA分子に由来するcDNAのいずれかとハイブリッド形成させることができる。プライマーを用いて、たとえば、本明細書に記載されている機能的なまたは変異体のPNPLA3のゲノムDNA分子、mRNA分子、またはmRNA分子に由来するcDNAのいずれかの一部を増幅することができるので、増幅産物を、たとえば、検出することができ、または配列決定することができる。
【0165】
たとえば、プローブ及びプライマーを用いて、配列番号30を含む野生型PNPLA3のゲノムDNA分子を含む、本明細書に記載されている野生型PNPLA3のゲノムDNA分子のいずれかとハイブリッド形成させることができる。プローブ及びプライマーを用いて、配列番号32または配列番号33を含む野生型PNPLA3のmRNA分子を含む、本明細書に記載されている野生型PNPLA3のmRNA分子のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。プローブ及びプライマーを用いて、配列番号36または配列番号37を含む野生型PNPLA3のcDNA分子を含む、本明細書に記載されている野生型PNPLA3のcDNA分子のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。
【0166】
プローブ及びプライマーを用いて、配列番号31を含む変異体PNPLA3のゲノムDNA分子を含む、本明細書に記載されている変異体PNPLA3のゲノムDNA分子のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。プローブ及びプライマーを用いて、配列番号34または配列番号35を含む変異体PNPLA3のmRNA分子を含む、本明細書に記載されている変異体PNPLA3のmRNA分子のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。プローブ及びプライマーを用いて、配列番号38または配列番号39を含む変異体PNPLA3のcDNA分子を含む、本明細書に記載されている変異体PNPLA3のcDNA分子のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。
【0167】
プローブを用いて、たとえば、本明細書に記載されている機能的なまたは変異体のHSD17B13のゲノムDNA分子、mRNA分子またはmRNA分子に由来するcDNA分子のいずれかを検出することができる。プライマーを用いて、たとえば、本明細書に記載されている機能的なまたは変異体のHSD17B13のゲノムDNA分子、mRNA分子またはmRNA分子に由来するcDNA分子のいずれかの一部を増幅することができるので、増幅産物を、たとえば、検出することができ、または配列決定することができる。
【0168】
たとえば、プローブ及びプライマーを用いて、配列番号1を含む機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子を含む、本明細書に記載されている機能的なHSD17B13のゲノムDNA分子のいずれかとハイブリッド形成させることができる。プローブ及びプライマーを用いて、配列番号44、配列番号45、配列番号48、または配列番号52を含む機能的なHSD17B13のRNA転写物を含む、本明細書に記載されている機能的なHSD17B13のRNA転写物のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。プローブ及びプライマーを用いて、配列番号53、配列番号54、配列番号57、または配列番号61を含む機能的なHSD17B13のDNA転写物を含む、本明細書に記載されている機能的なHSD17B13のDNA転写物のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。プローブ及びプライマーを用いて、配列番号3、配列番号4、配列番号7、または配列番号11を含む機能的なHSD17B13のmRNA分子を含む、本明細書に記載されている機能的なHSD17B13のmRNA分子のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。プローブ及びプライマーを用いて、配列番号12、配列番号13、配列番号16、または配列番号20を含む機能的なHSD17B13のcDNA分子を含む、本明細書に記載されている機能的なHSD17B13のcDNA分子のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。
【0169】
プローブ及びプライマーを用いて、配列番号2を含む変異体HSD17B13のゲノムDNA分子を含む、本明細書に記載されている変異体HSD17B13のゲノムDNA分子のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。プローブ及びプライマーを用いて、配列番号46、配列番号47、配列番号49、配列番号50、または配列番号51を含む変異体HSD17B13のRNA転写物を含む、本明細書に記載されている変異体HSD17B13のRNA転写物のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。プローブ及びプライマーを用いて、配列番号55、配列番号56、配列番号58、配列番号59、または配列番号60を含む変異体HSD17B13のDNA転写物を含む、本明細書に記載されている変異体HSD17B13のDNA転写物のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。プローブ及びプライマーを用いて、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号9、または配列番号10を含む変異体HSD17B13のmRNA分子を含む、本明細書に記載されている変異体HSD17B13のmRNA分子のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。プローブ及びプライマーを用いて、配列番号14、配列番号15、配列番号17、配列番号18、または配列番号19を含むHSD17B13のcDNA分子を含む、本明細書に記載されているHSD17B13のcDNA分子のいずれかとハイブリッド形成させることもできる。
【0170】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているプローブ及び/またはプライマーは本明細書で開示されている核酸分子またはその相補体のいずれかと特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む。一部の実施形態では、プローブまたはプライマーはストリンジェントな条件下にて本明細書で開示されている核酸分子のいずれかと特異的にハイブリッド形成する。本開示はまた、温和な条件下にて本明細書で開示されている核酸分子またはその相補体のいずれかとハイブリッド形成する核酸配列を有する核酸分子も提供する。
【0171】
DNAのハイブリッド形成を促進する適当なストリンジェントな条件には、たとえば、50℃での2×SSCによる洗浄が後に続く約45℃での6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)が挙げられる(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1-6.3.6も参照のこと)。通常、ハイブリッド形成及び検出のためのストリンジェントな条件は、塩濃度がpH7.0~8.3にて約1.5MのNaイオン未満、通常、約0.01~0.1MのNaイオン濃度(または他の塩)であり、温度が短いプローブ(たとえば、10~50ヌクレオチド)については少なくとも約30℃及び長いプローブ(たとえば、50を超えるヌクレオチド)については少なくとも約60℃であるものであろう。ストリンジェントな条件は、ホルムアミドのような不安定化剤に添加によっても達成されてもよい。例となる低ストリンジェントな条件には、30~35%のホルムアミド、1MのNaCl、1%のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)の緩衝溶液による37℃でのハイブリッド形成及び50~55℃での1×~2×SSC(20×SSC=3.0MのNaCl/0.3Mのクエン酸三ナトリウム)による洗浄が挙げられる。例となる温和ストリンジェントな条件には、40~45%のホルムアミド、1.0MのNaCl、1%のSDSにおける37℃でのハイブリッド形成及び55~60℃での0.5×~1×SSCによる洗浄が挙げられる。例となる高ストリンジェントな条件には、50%のホルムアミド、1MのNaCl、1%のSDSにおける37℃でのハイブリッド形成及び60~65℃での0.1×SSCによる洗浄が挙げられる。任意で、洗浄緩衝液は約0.1%~約1%のSDSを含んでもよい。ハイブリッド形成の持続時間は約24時間未満、普通、約4~約12時間である。洗浄時間の持続時間は少なくとも、平衡に達するのに十分な時間の長さであろう。
【0172】
ハイブリッド形成反応では、特異性は通常、ハイブリッド形成後の洗浄の関数であり、決定的な因子は最終洗浄溶液のイオン強度及び温度である。DNA-DNAハイブリッド形成については、TmはMeinkoth及びWahl,Anal.Biochem.,1984,138,267-284の方程式:Tm=81.5℃+16.6(log M)+0.41(%GC)-0.61(%ホルム)-500/L;から近似させることができ、式中、Mは一価のカチオンのモル濃度であり、%GCはDNAにおけるグアノシンとシトシンのヌクレオチドの比率であり、%ホルムはハイブリッド形成溶液におけるホルムアミドの比率であり、Lは塩基対におけるハイブリッドの長さである。Tmは相補性の標的配列の50%が完全に一致するプローブとハイブリッド形成する温度(定義されイオン強度及びpHのもとで)である。Tmはミスマッチの各1%につき約1℃低下する;従って、Tm、ハイブリッド形成及び/または洗浄条件を調整して所望の同一性の配列とハイブリッド形成させることができる。たとえば、≧90%同一性の配列が求められるのであれば、Tmは10℃下げることができる。一般に、ストリンジェントな条件は、定義されたイオン強度及びpHにて特定の配列及びその相補体についての熱的融点(Tm)より約5℃低いように選択される。しかしながら、厳密にストリンジェントな条件は、熱的融点(Tm)より1℃、2℃、3℃または4℃低い温度でのハイブリッド形成及び/または洗浄を利用することができ;温和にストリンジェントな条件は、熱的融点(Tm)より6℃、7℃、8℃、9℃または10℃低い温度でのハイブリッド形成及び/または洗浄を利用することができ;低ストリンジェントな条件は、熱的融点(Tm)より11℃、12℃、13℃、14℃、15℃または20℃低い温度でのハイブリッド形成及び/または洗浄を利用することができる。方程式、ハイブリッド形成及び洗浄の組成、及び所望のTmを用いて、当業者はハイブリッド形成及び/または洗浄溶液のストリンジェントな条件における変動が本質的に記載されていることを理解するであろう。ミスマッチの所望の程度が45℃(水溶液)または32℃(ホルムアミド溶液)未満のTmを生じるのであれば、さらに高い温度を使用することができるようにSSCの濃度を上げることが最適である。
【0173】
本明細書に記載されているプローブは検出に役立つように標識に連結するまたは融合することができる。標識は直接検出可能(たとえば、蛍光色素分子)または間接的に検出可能(たとえば、ハプテン、酵素または蛍光色素分子消光剤)であることができる。そのような標識は、分光分析手段、光化学手段、生化学手段、免疫化学の手段または化学的な手段によって検出可能であることができる。そのような標識には、たとえば、放射線カウント装置で測定することができる放射性標識;視覚的に観察することができ、または分光光度計によって測定することができる色素、染料または他の色原体;スピン標識アナライザーによって測定することができるスピン標識;及び出力シグナルが好適な分子付加体の励起によって生成され、染料によって吸収される光による励起によって視覚化することができ、または標準の蛍光光度計もしくは画像化システムによって測定することができる蛍光標識(たとえば、蛍光色素分子)が挙げられる。標識はまた、たとえば、出力シグナルがシグナル化合物の化学修飾によって生成される化学発光物質;金属含有物質;または、たとえば、無色の基質からの着色生成物の形成のようなシグナルの酵素依存性の二次生成が発生する酵素であることもできる。用語「標識」は、その後基質と共に加えられるとコンジュゲート分子を用いて検出可能なシグナルを生成するようにコンジュゲート分子に選択的に結合することができる「タグ」またはハプテンを指すこともできる。たとえば、タグとしてビオチンを用い、次いで、西洋ワサビのペルオキシダーゼ(HRP)のアビジンまたはストレプトアビジンコンジュゲートを用いてタグに結合し、次いで比色基質(たとえば、テトラメチルベンジジン(TMB))または蛍光性基質を用いてHRPの存在を検出することができる。精製を円滑にするタグとして使用することができる例となる標識には、myc、HA、FLAGまたは3XFLAG、6XHisまたはポリヒスチジン、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質、エピトープタグ、または免疫グロブリンのFc部分が挙げられるが、これらに限定されない。多数の標識には、たとえば、粒子、蛍光色素分子、ハプテン、酵素及びその比色性、蛍光性及び化学発光性の基質及び他の標識が挙げられる。
【0174】
プローブまたはプライマーは好適な長さを構成することができ、その非限定例には、少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、または少なくとも約25のヌクレオチドの長さが挙げられる。一部の実施形態では、プローブまたはプライマーは長さ少なくとも約18のヌクレオチド~長さ少なくとも約25のヌクレオチドを含む。プローブまたはプライマーは、約10~約35、約10~約30、約10~約25、約12~約30、約12~約28、約12~約24、約15~約30、約15~約25、約18~約30、約18~約25、約18~約24、または約18~約22の長さのヌクレオチドを含むことができる。一部の実施形態では、プローブまたはプライマーは、長さ約18のヌクレオチド~約30のヌクレオチドである。あるいは、一部の実施形態では、プローブは、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、または少なくとも約100のヌクレオチドを含む、またはそれから成る。
【0175】
一部の実施形態では、プローブ及び/またはプライマーは、本明細書に記載されている野生型のPNPLA3もしくはHSD17B13の核酸分子または変異体のPNPLA3もしくはHSD17B13の核酸分子に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一である核酸分子の少なくとも約15の隣接するヌクレオチドとハイブリッド形成することができる。
【0176】
一部の実施形態では、プローブまたはプライマーはDNAを含む。一部の実施形態では、プローブまたはプライマーはRNAを含む。
本明細書に記載されているプローブ及びプライマーは変異特異的プローブ及び変異特異的プライマーであることもできる。変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸配列と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成するが、野生型PNPLA3タンパク質をコードする核酸配列とは相補性ではない及び/またはそれとハイブリッド形成しないまたは特異的にハイブリッド形成しない核酸配列を含むことができる。この文脈で、「特異的にハイブリッド形成する」はプローブまたはプライマー(たとえば、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマー)が野生型PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子とはハイブリッド形成しないことを意味する。本明細書では、用語「特異的にハイブリッド形成する」は、プローまたはプライマーが指示された核酸分子と専らハイブリッド形成し、且つ別の核酸分子とハイブリッド形成しないことを意味する。従って、I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードする核酸分子と特異的にハイブリッド形成するプローまたはプライマーは、I148Mの変異を含まないPNPLA3タンパク質をコードする核酸分子とはハイブリッド形成しない。変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、野生型PNPLA3タンパク質をコードする核酸配列と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成するが、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸配列とは相補性ではない及び/またはそれとハイブリッド形成しないまたは特異的にハイブリッド形成しない核酸配列を含むこともできる。この文脈で、「特異的にハイブリッド形成する」は、プローブまたはプライマー(たとえば、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマー)が変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子とハイブリッド形成しないことを意味する。
【0177】
変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーはまた、変異体HSD17B13タンパク質をコードする核酸配列と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成するが、機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸配列とは相補性ではない及び/またはそれとハイブリッド形成しないまたは特異的ハイブリッド形成しない核酸配列を含むこともできる。この文脈では、「特異的にハイブリッド形成する」は、プローブまたはプライマー(たとえば、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマー)が機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸分子とはハイブリッド形成しないことを意味する。たとえば、この文脈では、「特異的にハイブリッド形成する」はプローブまたはプライマーが活性のない/機能喪失のHSD17B13タンパク質をコードする核酸分子とハイブリッド形成しないことを意味する。変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸配列と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成するが、変異体HSD17B13タンパク質をコードする核酸配列とは相補性ではない及び/またはそれとハイブリッド形成しないまたは特異的にハイブリッド形成しない核酸配列を含むこともできる。この文脈では、「特異的にハイブリッド形成する」は、プローブまたはプライマー(たとえば、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマー)が変異体HSD17B13タンパク質をコードする核酸分子とハイブリッド形成しないことを意味する。
【0178】
一部の実施形態では、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むPNPLA3の核酸配列の一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む。一部の実施形態では、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のゲノムDNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む。一部の実施形態では、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む変異体PNPLA3のmRNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む。一部の実施形態では、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む変異体PNPLA3のmRNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む。一部の実施形態では、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のcDNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む。一部の実施形態では、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のcDNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む。
【0179】
一部の実施形態では、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号1に係る12,667位に相当する位置にてアデニンを含むHSD17B13のゲノムDNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む。一部の実施形態では、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号2に係る12,667位に相当する位置にてチミンを含むHSD17B13のゲノムDNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む。
【0180】
一部の実施形態では、プローまたはプライマーがハイブリッド形成する核酸分子の一部は約10~約200、約10~約150、約10~約100、約10~約50、約10~約40、約10~約30、または約10~約20のヌクレオチドを含み、特定の変異(たとえば、PNPLA3のI148Mまたは対応する野生型HSD17B13タンパク質とは異なる変異体HSD17B13タンパク質の一部)をコードするコドンを含有する位置に相当するコドンを含む。一部の好まれる実施形態では、プローまたはプライマーがハイブリッド形成する核酸分子の一部は約10~約50、約10~約40、約10~約30、または約10~約20のヌクレオチドを含み、特定の変異(たとえば、PNPLA3のI148Mまたは対応する野生型HSD17B13タンパク質とは異なる変異体HSD17B13タンパク質の一部)をコードするコドンを含有する位置に相当するコドンを含む。
【0181】
本明細書に記載されているキットは、本明細書に記載されている野生型のPNPLA3及び/またはHSD17B13の核酸分子のいずれか及び/または本明細書に記載されている変異体のPNPLA3及び/またはHSD17B13の核酸分子のいずれかを検出する及び/または増幅するのに使用することができる検出及び/または増幅のアッセイ試薬を含むことができる。一部の実施形態では、そのような検出用及び/または増幅用のキットは本明細書に記載されている試薬(たとえば、プローブ及びプライマー)のいずれかを含有することができる。一部の実施形態では、基本的なキットは、本明細書で開示されている核酸分子のいずれかの遺伝子座について少なくとも1つのプローもしくはプライマー、または少なくとも2つのプローブもしくはプライマー、たとえば、変異特異的プローブもしくは変異特異的プライマーを有する容器を含むことができる。キットはまた任意で使用のための指示書も含むことができる。キットはまた、他の任意のキット成分、たとえば、増幅された遺伝子座のそれぞれに向けられた対立遺伝子ラダー、増幅用の十分量の酵素、増幅を円滑にするための増幅緩衝液、酵素活性を促進するための二価のカチオン溶液、増幅の間での鎖の伸長のためのdNTP、電気泳動用の増幅された物質の調製のための負荷溶液、鋳型対照としてのゲノムDNA、分離媒体にて物質が予想どおりに移動することを保証するサイズマーカー、及びユーザーを教育し、使用でのエラーを限定するためのプロトコール及びマニュアルの1以上を含むこともできる。キットにおける種々の試薬の量は、たとえば、プロセスの最適感度のような多数の因子に応じて変化することもできる。手動適用で使用するための作業キットまたは自動化された試料調製、反応設定、検出器または分析器で使用するための作業キットを提供することはこれらの教示の範囲内にある。一部の実施形態では、キットは検出用の少なくとも1つの標識されたプローブ(たとえば、変異特異的プローブ)を含む。一部の実施形態では、本明細書で開示されているキットのいずれかはアニーリング反応を行うのに必要とされる製品及び試薬、ならびに指示書をさらに含むことができる。
【0182】
本開示は、本明細書に記載されている野生型PNPLA3タンパク質のいずれかの存在を検出する方法を提供する。本開示はまた、本明細書に記載されている変異体PNPLA3タンパク質のいずれかの存在を検出する方法も提供する。本開示はまた、本明細書に記載されている野生型PNPLA3の核酸分子(たとえば、本明細書に記載されているゲノムDNA分子、mRNA分子、及びcDNA分子)のいずれかの存在を検出する方法も提供する。本開示はまた、本明細書に記載されている変異体PNPLA3の核酸分子(たとえば、本明細書に記載されているゲノムDNA分子、mRNA分子、及びcDNA分子)のいずれかの存在を検出する方法も提供する。
【0183】
本開示はまた、本明細書に記載されている機能的なHSD17B13タンパク質のいずれかの存在を検出する方法も提供する。本開示はまた、本明細書に記載されている変異体HSD17B13タンパク質のいずれかの存在を検出する方法も提供する。本開示はまた、本明細書に記載されている機能的なHSD17B13の核酸分子(たとえば、本明細書に記載されているゲノムDNA分子、RNA転写物、cDNA転写物、mRNA分子、及びcDNA分子)のいずれかの存在を検出する方法も提供する。本開示はまた、本明細書に記載されている変異体HSD17B13の核酸分子(たとえば、本明細書に記載されているゲノムDNA分子、RNA転写物、cDNA転写物、mRNA分子、及びcDNA分子)のいずれかの存在を検出する方法も提供する。
【0184】
本明細書に記載されている方法のいずれかの一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質またはそれをコードする核酸分子が対象または患者にて検出される、またはそれを検出しようとする。一部の実施形態では、対象または患者は機能的なHSD17B13タンパク質を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は本明細書に記載されている(それをコードする本明細書に記載されている核酸分子のいずれかによってコードされ得る)機能的なHSD17B13タンパク質の1つである。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40に係るアミノ酸配列を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも40%、少なくとも30%、少なくとも20%、少なくとも10%、少なくとも5%、または少なくとも1%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40に係るアミノ酸配列を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、または少なくとも50%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも40%、少なくとも30%、少なくとも20%、少なくとも10%、少なくとも5%、または少なくとも1%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも40%、少なくとも30%、少なくとも20%、少なくとも10%、少なくとも5%、または少なくとも1%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも50%、少なくとも40%、少なくとも30%、少なくとも20%、少なくとも10%、少なくとも5%、または少なくとも1%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも30%、少なくとも20%、少なくとも10%、少なくとも5%、または少なくとも1%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも90%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも80%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも70%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも60%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも50%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも40%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも30%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも20%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも10%を有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも5%有する。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は、配列番号40を有するHSD17B13タンパク質の生物活性の少なくとも1%を有する。一部の実施形態では、HSD17B13タンパク質の活性(たとえば、機能性)は、たとえば、オキシドレダクターゼ活性のアッセイを行うことによって決定することができる。
【0185】
集団内の遺伝子配列及びそのような遺伝子によってコードされるmRNAやタンパク質は、たとえば、一塩基多型のような多型現象のゆえに変化することができることが理解される。本明細書で提供されている配列は単に例となる配列にすぎない。変異体のPNPLA3及びHSD17B13のゲノムDNA、mRNA、cDNA及びポリペプチドの他の配列も可能である。
【0186】
生体試料は、対象に由来する細胞、組織または生体液に由来することができる。試料は臨床的に関連する組織、たとえば、骨髄試料、腫瘍生検、微細針吸引物、または体液、たとえば、血液、歯肉溝液、血漿、血清、リンパ液、腹水、嚢胞液または尿の試料を含んでもよい。一部の実施形態では、試料は頬内スワブを含む。本明細書で開示されている方法にて使用される試料は、アッセイの構成、検出法の性質、及び試料として使用される組織、細胞または抽出物に基づいて変化するであろう。生体試料は採用されるアッセイに応じて異なって処理することができる。たとえば、変異体PNPLA3の核酸分子を検出する場合、ゲノムDNA用に試料を単離するまたは濃縮するように設計される予備処理を採用することができる。この目的に種々の技法を使用することができる。変異体PNPLA3のmRNAのレベルを検出する場合、様々な技法を用いてmRNAの生体試料を濃縮することができる。mRNAの存在もしくはレベルまたは特定の変異体のゲノムDNA遺伝子座の存在を検出する種々の方法を使用することができる。
【0187】
一部の実施形態では、特定のPNPLA3タンパク質またはHSD17B13タンパク質(たとえば、機能的なまたは変異体の)の存在または非存在は、本明細書に記載されている変異体のPNPLA3タンパク質またはHSD17B13タンパク質(たとえば、機能的なまたは変異体の)いずれかをコードするアミノ酸配列をタンパク質が含むかどうかを判定するためにタンパク質の少なくとも一部を配列決定することによって検出される。一部の実施形態では、特定のPNPLA3タンパク質またはHSD17B13タンパク質(たとえば、機能的なまたは変異体の)の存在または非存在は、本明細書に記載されている変異体のPNPLA3タンパク質またはHSD17B13タンパク質(たとえば、機能的なまたは変異体の)いずれか試料に存在するかどうかを判定するための、たとえば、ELISAのような免疫アッセイを実施することによって検出される。
【0188】
一部の実施形態では、配列決定されるタンパク質の一部は約5~約100、約5~約50、約5~約40、約5~約30、約5~約20、または約5~約10のアミノ酸を含み、変異(たとえば、PNPLA3のI148Mまたは対応する野生型HSD17B13タンパク質とは異なる変異体HSD17B13タンパク質の一部)を含有する位置に相当する位置を含む。一部の好まれる実施形態では、配列決定されるタンパク質の一部は約5~約20、または約5~約10のアミノ酸を含み、変異(たとえば、PNPLA3のI148Mまたは対応する野生型HSD17B13タンパク質とは異なる変異体HSD17B13タンパク質の一部)を含有する位置に相当する位置を含む。
【0189】
タンパク質配列決定法の説明に役立つ非限定例には質量分光分析及びEdman分解が挙げられるが、これらに限定されない。免疫アッセイの説明に役立つ例には、免疫沈降、ウエスタンブロット、免疫組織化学、ELISA、免疫細胞化学、フローサイトメトリー、及び免疫PCRが挙げられるが、これらに限定されない。種々の技法(たとえば、比色、蛍光、化学発光、または放射性)を用いて検出可能に標識されたポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体は免疫アッセイでの使用に好適である。
【0190】
一部の実施形態では、特定のPNPLA3の核酸分子またはHSD17B13の核酸分子(たとえば、機能的なまたは変異体のゲノムDNA、mRNA、cDNA、RNA転写物、またはcDNA転写物)の存在または非存在は、核酸分子の少なくとも一部を配列決定して核酸分子が本明細書に記載されている変異体のPNPLA3の核酸分子またはHSD17B13の核酸分子(たとえば、機能的なまたは変異体の)のいずれかに係る核酸配列を含むかどうかを判定することによって検出される。
【0191】
一部の実施形態では、配列決定される核酸分子の一部は約10~約200、約10~約150、約10~約100、約10~約50、約10~約40、約10~約30、または約10~約20のヌクレオチドを含み、且つ特定の変異(PNPLA3のI148Mまたは対応する野生型HSD17B13タンパク質とは異なる変異体HSD17B13タンパク質の一部)をコードするコドンを含有する位置に相当するコドンを含む。一部の好まれる実施形態では、配列決定される核酸分子の一部は約10~約50、約10~約40、約10~約30または約10~約20のヌクレオチドを含み、且つ特定の変異(たとえば、PNPLA3のI148Mまたは対応する野生型HSD17B13タンパク質とは異なる変異体HSD17B13タンパク質の一部)をコードするコドンを含有する位置に相当するコドンを含む。
【0192】
一部の実施形態では、対象における本明細書に記載されている特定のPNPLA3の核酸分子またはHSD17B13の核酸分子(たとえば、機能的なまたは変異体のゲノムDNA、mRNA、cDNA、RNA転写物、またはcDNA転写物)のいずれかの存在または非存在を検出する方法は、対象から得られた生体試料でアッセイを行うことを含み、そのアッセイは生体試料における核酸分子が本明細書に記載されている特定のPNPLA3の核酸分子またはHSD17B13の核酸分子(たとえば、機能的なまたは変異体のゲノムDNA、mRNA、cDNA、RNA転写物、またはcDNA転写物)のいずれかを含むかどうかを判定する。一部の実施形態では、生体試料は細胞または細胞溶解物を含む。そのような方法はさらに、たとえば、対象から生体試料を得ることと、任意でmRNAをcDNAに逆転写することと、アッセイを行うこととを含むことができる。そのようなアッセイは、たとえば、本明細書に記載されている特定の核酸分子の特定の位置の同一性を判定することを含むことができる。
【0193】
たとえば、アッセイは、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む、または配列番号43に係る144位もしくはその隣接する部分に相当する位置にてメチオニンを含むPNPLA3の核酸配列の一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーの使用を含むことができる。一部の実施形態では、アッセイは、配列番号31に係る5107位~5109位またはその隣接する部分に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のゲノムDNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーの使用を含むことができる。一部の実施形態では、アッセイは、配列番号34に係る442位~444位またはその隣接する部分に相当する位置にてAUGコドンを含む変異体PNPLA3のmRNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーの使用を含むことができる。一部の実施形態では、アッセイは、配列番号35の430位~432位またはその隣接する部分に相当する位置にてAUGコドンを含む変異体PNPLA3のmRNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーの使用を含むことができる。一部の実施形態では、アッセイは、配列番号38に係る442位~444位またはその隣接する部分に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のcDNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーの使用を含むことができる。一部の実施形態では、アッセイは、配列番号39に係る430位~432位またはその隣接する部分に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のcDNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーの使用を含むことができる。
【0194】
一部の実施形態では、アッセイは、配列番号1に係る12,667位またはその隣接する部分に相当する位置にてアデニンを含むHSD17B13のゲノムDNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーの使用を含むことができる。一部の実施形態では、アッセイは、配列番号2に係る12,667位またはその隣接する部分に相当する位置にてチミンを含むHSD17B13のゲノムDNAの一部と相補性である及び/またはそれとハイブリッド形成するまたは特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含む変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーの使用を含むことができる。
【0195】
一部の実施形態では、アッセイは、対象に由来する生体試料に存在する本明細書に記載されている核酸分子の少なくとも一部を配列決定することを含み、その際、配列決定される一部は本明細書で開示されている一部を含む。たとえば、配列決定される一部は、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むPNPLA3の核酸配列の一部であることができる。一部の実施形態では、配列決定される一部は、配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のゲノムDNAの一部であることができる。一部の実施形態では、配列決定される一部は、配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む変異体PNPLA3のmRNAの一部であることができる。一部の実施形態では、配列決定される一部は、配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む変異体PNPLA3のmRNAの一部であることができる。一部の実施形態では、配列決定される一部は、配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のcDNAの一部であることができる。一部の実施形態では、配列決定される一部は、配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のcDNAの一部であることができる。
【0196】
一部の実施形態では、配列決定される一部は、配列番号1に係る12,667位に相当する位置にてアデニンを含むHSD17B13のゲノムDNAの一部であることができる。一部の実施形態では、配列決定される一部は、配列番号2に係る12,667位に相当する位置にてチミンを含むHSD17B13のゲノムDNAの一部であることができる。
【0197】
一部の実施形態では、アッセイは、(a)本明細書で特定されている核酸分子の一部に隣接する(たとえば、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むPNPLA3の核酸配列の一部に隣接する;配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のゲノムDNAの一部に隣接する;配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む変異体PNPLA3のmRNAの一部に隣接する;配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む変異体PNPLA3のmRNAの一部に隣接する;配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のcDNAの一部に隣接する;配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のcDNAの一部に隣接する;配列番号1に係る12,667位に相当する位置にてアデニンを含むHSD17B13のゲノムDNAの一部に隣接する;または配列番号2に係る12,667位に相当する位置にてチミンを含むHSD17B13のゲノムDNAの一部に隣接する)領域とハイブリッド形成するプライマー(または変異特異的プライマー)に生体試料を接触させることと;(b)変化した部位(たとえば、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むPNPLA3の核酸配列の一部;配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のゲノムDNAの一部;配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む変異体PNPLA3のmRNAの一部;配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む変異体PNPLA3のmRNAの一部;配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のcDNAの一部;配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のcDNAの一部;配列番号1に係る12,667位に相当する位置にてアデニンを含むHSD17B13のゲノムDNAの一部;または配列番号2に係る12,667位に相当する位置にてチミンを含むHSD17B13のゲノムDNAの一部)を越えたヌクレオチドの位置に相当する核酸分子の位置を少なくとも通ってプライマーを伸長することと;(c)プライマーの伸長産物が本明細書に記載されている変異体または野生型のPNPLA3またはHSD17B13の核酸分子のいずれかの核酸配列を含むかどうか判定することとを含む。
【0198】
一部の実施形態では、PNPLA3のゲノムDNAだけが分析される。一部の実施形態では、PNPLA3のmRNAだけが分析される。一部の実施形態では、PNPLA3のmRNAから得られるPNPLA3のcDNAだけが分析される。一部の実施形態では、HSD17B13のゲノムDNAだけが分析される。一部の実施形態では、HSD17B13のmRNAだけが分析される。一部の実施形態では、HSD17B13のmRNAから得られるHSD17B13のcDNAだけが分析される。一部の実施形態では、HSD17B13のRNA転写物だけが分析される。一部の実施形態では、HSD17B13のRNA転写物から得られるHSD17B13のcDNAだけが分析される。
【0199】
一部の実施形態では、アッセイは、ストリンジェントな条件下で本明細書に記載されている特定の変異体PNPLA3の核酸分子または変異体HSD17B13の核酸分子(たとえば、変異体のゲノムDNA分子、mRNA分子、cDNA分子、RNA転写物、またはcDNA転写物のいずれか)のいずれかと特異的にハイブリッド形成し、対応する機能的な核酸分子と特異的にハイブリッド形成しないプライマーまたはプローブに生体試料を接触させることと、ハイブリッド形成が発生しているかどうかを判定することとを含む。
【0200】
一部の実施形態では、アッセイは、ストリンジェントな条件下で本明細書に記載されている特定の変異体PNPLA3の核酸分子(たとえば、変異体のゲノムDNA分子、mRNA分子、cDNA分子、RNA転写物、またはcDNA転写物のいずれか)または機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸分子(たとえば、機能的なHSD17B13タンパク質をコードするゲノムDNA分子、mRNA分子、cDNA分子、RNA転写物、またはcDNA転写物のいずれか)のいずれかと特異的にハイブリッド形成し、且つそれぞれ野生型PNPLA3または変異体HSD17B13をコードする対応する核酸分子と特異的にハイブリッド形成しないプライマーまたはプローブに生体試料を接触させることと、ハイブリッド形成が発生しているかどうかを判定することとを含む。
【0201】
一部の実施形態では、アッセイは、RNAの配列決定(RNA-Seq)を含む。一部の実施形態では、アッセイは逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を介したmRNAのcDNAへの逆転写も含む。
【0202】
そのようなプローブ及びプライマーは高ストリンジェントなハイブリッド形成の条件下で標的配列と特異的にハイブリッド形成することができる。標的核酸配列とは異なり、且つ標的核酸配列を特異的に検出する及び/または特定する能力を保持するプローブが従来の方法によって設計されてもよいが、プローブ及びプライマーは標的配列との隣接するヌクレオチドの完全な核酸配列同一性を有してもよい。従って、プローブ及びプライマーは、標的核酸分子との少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性または相補性を共有することができる。
【0203】
プローブが、核酸分子へのプローブの結合を可能にする条件下で生体試料における核酸分子とハイブリッド形成する場合、この結合は検出することができ、生体試料における特定の変異体もしくは野生型のPNPLA3または野生型もしくは機能的なHSD17B13遺伝子座の存在、または特定の変異体もしくは野生型のPNPLA3または変異体もしくは機能的なHSD17B13のmRNAもしくはcDNAの存在もしくはレベルを指し示すことを可能にする。結合されたプローブのそのような同定は記載されている。特異的なプローブは、変異体もしくは野生型のPNPLA3または変異体もしくは機能的なHSD17B13の遺伝子の特定の領域に対して少なくとも約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、及び約95%~約100%の同一性(または相補性)の配列を含んでもよい。特異的なプローブは、変異体もしくは野生型のPNPLA3または変異体もしくは機能的なHSD17B13のmRNAの特定の領域に対して少なくとも約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、及び約95%~約100%同一の(または相補性の)配列を含んでもよい。特異的なプローブは、変異体もしくは野生型のPNPLA3または変異体もしくは機能的なHSD17B13のcDNAの特定の領域に対して少なくとも約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、及び約95%~約100%同一の(または相補性の)配列を含んでもよい。
【0204】
一部の実施形態では、生体試料の特定の核酸相補体が特定の機能的なまたは変異体のPNPLA3タンパク質またはHSD17B13タンパク質をコードする核酸配列を含むかどうかを判定するために、対象とする部位をコードする位置(たとえば、本明細書に記載されている位置のいずれか)に隣接する5’隣接配列に由来する第1のプライマーと対象とする同じ部位をコードする位置に隣接する3’隣接配列に由来する第2のプライマーとを含むプライマー対を用いた核酸増幅法に生体試料を供して、特定の機能的なまたは変異体のPNPLA3タンパク質またはHSD17B13タンパク質の存在について診断に用いるアンプリコンを作製してもよい。たとえば、PNPLA3に関して、アンプリコンは配列番号42に係る148位に相当する位置をコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。HSD17B13に関して、アンプリコンは配列番号31に係る5107位~5109位に相当するヌクレオチド配列を含んでもよい。一部の実施形態では、アンプリコンは長さでプライマー対にヌクレオチド塩基対1つを加えて合わせた長さからDNA増幅プロトコールによって作製可能なアンプリコンの長さまでに及んでもよい。この距離はヌクレオチド塩基対1つから増幅反応の限度まで、または約20,000のヌクレオチド塩基対までに及ぶことができる。任意で、プライマー対は、対象とする部位をコードする位置及び対象とする部位をコードする位置の各側での少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上のヌクレオチドを含む領域に隣接する。類似のアンプリコンはmRNA配列及び/またはcDNA配列から生成することができる。
【0205】
プローブ及びプライマーを調製し、使用する代表的な方法は、たとえば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Vol.1-3,ed.Sambrook,et al.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.1989(hereinafter,“Sambrook,et al.,1989”);Current Protocols in Molecular Biology,ed.Ausubel,et al.,Greene Publishing and Wiley-Interscience,New York,1992(with periodic updates)(hereinafter,“Ausubel,et al.,1992”);及びInnis,et al.,PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Academic Press:San Diego,1990)に記載されている。PCRのプライマー対は、たとえば、その目的を対象とするコンピュータープログラム、たとえば、Vector NTIバージョン10(Informax Inc.,Bethesda,Md.);PrimerSelect(DNASTAR Inc.,Madison,Wis.);及びPrimer3(バージョン0.4.0.COPYRGT.,1991,Whitehead Institute for Biomedical Research,Cambridge,Mass.)におけるPCRプライマー解析ツールを使用することによって既知の配列から導き出すことができる。さらに、ガイドラインを用いて配列を視覚的に走査することができ、プライマーを手動で同定することができる。
【0206】
核酸のハイブリッド形成または増幅または配列決定の方法を用いて、機能的なまたは変異体のPNPLA3またはHSD17B13の遺伝子座の存在、及び/または機能的なまたは変異体のPNPLA3またはHSD17B13のmRNAまたはmRNAから作られるcDNAのレベルを特異的に検出することができる。一部の実施形態では、核酸分子は、機能的なもしくは変異体のPNPLA3もしくはHSD17B13の核酸の領域を増幅するためのプライマーとして使用することができ、あるいは核酸分子は、機能的なもしくは変異体のPNPLA3もしくはHSD17B13の遺伝子座を含む核酸分子または機能的なもしくは変異体のPNPLA3もしくはHSD17B13のmRNAもしくはmRNAから作られるcDNAを含む核酸分子と、たとえば、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリッド形成するためのプローブとして使用することができる。
【0207】
たとえば、核酸の配列決定、核酸のハイブリッド形成及び核酸の増幅を含む種々の技法が当該技術で利用できる。核酸の配列決定法の説明に役立つ例には、連鎖停止剤(Sanger)配列決定及び色素停止剤配列決定が挙げられるが、これらに限定されない。
【0208】
他の方法には、精製したDNA、増幅したDNA及び固定した細胞の調製物に対して向けられた標識したプライマーまたはプローブを使用すること(蛍光原位置ハイブリッド形成(FISH))を含む、配列決定以外の核酸ハイブリッド形成法が含まれる。一部の方法では、検出に先立ってまたは検出と同時に標的核酸が増幅されてもよい。核酸増幅法の説明に役立つ例には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、及び核酸配列に基づく増幅(NASBA)が挙げられるが、これらに限定されない。他の方法にはリガーゼ連鎖反応、鎖置換増幅及び好熱性SDA(tSDA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0209】
増幅されていないまたは増幅されたポリヌクレオチドを検出するのに、たとえば、ハイブリッド形成保護アッセイ(HPA)、リアルタイムでの増幅プロセスの定量的評価、及び当初試料に存在するが、リアルタイム増幅に基づかない標的配列の量を測定することを含む任意の方法を使用することができる。
【0210】
提供されるのはまた、配列の増幅を必ずしも必要としない、且つ、たとえば、サザンブロット(DNA:DNA)ハイブリッド形成、原位置ハイブリッド形成(ISH)、及び染色体物質の蛍光原位置ハイブリッド形成(FISH)に基づく核酸を同定する方法である。サザンブロッティングを用いて特定の核酸配列を検出することができる。そのような方法では、試料から抽出される核酸が断片化され、マトリクスゲル上にて電気泳動で分離され、膜フィルターに移される。フィルターに結合した核酸を対象とする配列と相補性の標識したプローブとのハイブリッド形成に供する。フィルターに結合したハイブリッド形成したプローブを検出する。そのような方法では、プロセスには、本明細書に記載されているまたは例示されているプローブのいずれかを用いたハイブリッド形成が含まれ得る。
【0211】
ハイブリッド形成法では、プローブまたはプライマーがその標的と特異的にハイブリッド形成するようにストリンジェントな条件を採用することができる。一部の実施形態では、ストリンジェントな条件下でのポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、標的配列(たとえば、機能的なまたは変異体のPNPLA3またはHSD17B13の遺伝子座、機能的なまたは変異体のPNPLA3またはHSD17B13のmRNAまたは機能的なまたは変異体のPNPLA3またはHSD17B13のcDNA)と、他の配列(たとえば、対応する機能的なまたは変異体のPNPLA3またはHSD17B13の遺伝子座、機能的なまたは変異体のPNPLA3またはHSD17B13のmRNAまたは機能的なまたは変異体のPNPLA3またはHSD17B13のcDNA)よりも検出可能に高い程度に、たとえば、バックグラウンドより10倍越えを含めてバックグラウンドより少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍以上の高い程度にハイブリッド形成するであろう。一部の実施形態では、ストリンジェントな条件下でのポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他の配列よりも少なくとも2倍の検出可能に高い程度にその標的配列とハイブリッド形成するであろう。一部の実施形態では、ストリンジェントな条件下でのポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他の配列よりも少なくとも3倍の検出可能に高い程度にその標的配列とハイブリッド形成するであろう。一部の実施形態では、ストリンジェントな条件下でのポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他の配列よりも少なくとも4倍の検出可能に高い程度にその標的配列とハイブリッド形成するであろう。一部の実施形態では、ストリンジェントな条件下でのポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他の配列よりもバックグラウンドより10倍を超える検出可能に高い程度にその標的配列とハイブリッド形成するであろう。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、異なる状況では異なるであろう。ハイブリッド形成のストリンジェントな条件及び/または洗浄条件を制御することによって、プローブに対して100%相補性である標的配列を同定することができる(相同性プロービング)。あるいは、ストリンジェントな条件を調整して同一性の低い程度が検出されるように配列にて若干のミスマッチを可能にすることができる(非相同性プロービング)。
【0212】
一部の実施形態では、検出する工程は、対象とする部位をコードする核酸分子の少なくとも一部(たとえば、本明細書に記載されている一部のいずれか)を増幅することと;検出可能な標識で核酸分子を標識することと;プローブを含む支持体に標識した核酸を接触させ、その際、プローブがストリンジェントな条件下で対象とする部位をコードする核酸配列(たとえば、本明細書に記載されている一部のいずれか)とハイブリッド形成する核酸配列を含むことと;検出可能な標識を検出することとを含む。
【0213】
一部の実施形態では、検出する工程は、PNPLA3またはHSD17B13のタンパク質をコードする核酸分子の少なくとも一部を増幅し、その際、増幅される核酸分子は対象とする部位(たとえば、本明細書に記載されている一部のいずれか)を含むアミノ酸配列をコードすることと;検出可能な標識で核酸分子を標識することと;プローブを含む支持体に標識した核酸を接触させ、その際、プローブがストリンジェントな条件下で対象とする部位(たとえば、本明細書に記載されている一部のいずれか)をコードする核酸配列とハイブリッド形成する核酸配列を含むことと;検出可能な標識を検出することとを含む。本明細書で開示されている核酸分子のいずれかを増幅することができる。たとえば、本明細書で開示されているゲノムDNA、cDNAまたはmRNAの分子のいずれかを増幅することができる。一部の実施形態では、核酸分子はmRNAであり、方法はさらに、増幅する工程に先立ってmRNAをcDNAに逆転写することを含む。
【0214】
一部の実施形態では、検出する工程は、PNPLA3またはHSD17B13のタンパク質をコードする核酸分子を検出可能な標識を含むプローブと接触させ、その際、プローブはストリンジェントな条件下で変異体PNPLA3またはHSD17B13のタンパク質をコードする核酸配列とハイブリッド形成する核酸配列を含むことと、検出可能な標識を検出することとを含む。一部の実施形態では、検出する工程は、PNPLA3またはHSD17B13のタンパク質をコードする核酸分子を検出可能な標識を含むプローブと接触させ、その際、プローブはストリンジェントな条件下で対象とする部位(たとえば、本明細書に記載されている一部のいずれか)をコードする核酸配列とハイブリッド形成する核酸配列を含むことと、検出可能な標識を検出することとを含む。一部の実施形態では、核酸分子はヒト対象から得られる細胞内に存在するので、検出は原位置ハイブリッド形成法に従う。
【0215】
本明細書で開示されている方法で使用することができる他のアッセイには、たとえば、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)または定量的RT-PCR(qRT-PCR)が挙げられる。本明細書で開示されている方法で使用することができるさらに他のアッセイには、たとえば、RNAの配列決定(RNA-Seq)に続く生体試料における変異体のmRNAまたはcDNAの存在及び量の検出が挙げられる。
【0216】
一部の実施形態では、検出する工程は、特定のPNPLA3またはHSD17B13のタンパク質をコードする核酸分子の少なくとも一部を増幅することと、増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと、プローブを含む支持体に標識した核酸分子を接触させ、その際、プローブが特定のPNPLA3またはHSD17B13のタンパク質をコードする核酸配列と、たとえば、ストリンジェントな条件下を含めて特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含むことと、検出可能な標識を検出することとを含む。一部の実施形態では、検出する工程は、特定のPNPLA3またはHSD17B13のタンパク質をコードする核酸分子の少なくとも一部を増幅することと、増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと、プローブを含む支持体に標識した核酸分子を接触させ、その際、プローブが対象とする部位(たとえば、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンをコードする、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンをコードするPNPLA3の核酸配列の一部;配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のゲノムDNAの一部;配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む変異体PNPLA3のmRNAの一部;配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む変異体PNPLA3のmRNAの一部;配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のcDNAの一部;配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む変異体PNPLA3のcDNAの一部;配列番号1に係る12,667位に相当する位置にてアデニンを含むHSD17B13のゲノムDNAの一部;または配列番号2に係る12,667位に相当する位置にてチミンを含むHSD17B13のゲノムDNAの一部)をコードする核酸配列と、たとえば、ストリンジェントな条件下を含めて特異的にハイブリッド形成する核酸配列を含むことと、検出可能な標識を検出することとを含む。核酸がmRNAを含む場合、方法はさらに、増幅する工程に先立ってmRNAをcDNAに逆転写することを含んでもよい。一部の実施形態では、判定する工程は、検出可能な標識を含むプローブに特定のPNPLA3またはHSD17B13のタンパク質をコードする核酸分子を接触させることと、検出可能な標識を検出することとを含む。
【0217】
本開示は、ヒドロキシステロイド17ベータデヒドロゲナーゼ13(HSD17B13)を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制するための候補者としてのヒト対象を特定する方法を提供し、該方法は、対象に由来する試料が、I148Mの変異を含むパタチン様ホスホリパーゼドメイン含有3(PNPLA3)タンパク質をコードする第1の核酸及び機能的なHSD17B13タンパク質をコードする第2の核酸、及び/またはI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質及び機能的なHSD17B13タンパク質を含むかどうかを判定することと、第1と第2の核酸が検出され、及び/または双方のタンパク質が検出される場合、HSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制するための候補者としての対象を特定することとを含む。一部の実施形態では、対象は肥満である。一部の実施形態では、対象は脂肪肝を有する。一部の実施形態では、第1の核酸分子はゲノムDNAを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、第1の核酸分子はmRNAを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、第1の核酸分子はmRNAから得られるcDNAを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、第1の核酸を検出することは、第1の核酸の少なくとも一部を配列決定することを含み、一部はI148Mの変異をコードするコドンを含む。一部の実施形態では、第1の核酸を検出することは、第1の核酸の一部と特異的にハイブリッド形成するプローブまたはプライマーと第1の核酸をハイブリッド形成させることを含み、その際、一部はI148Mの変異をコードするコドンを含む。一部の実施形態では、プローブまたはプライマーは対立遺伝子特異的なプローブまたはプライマーである。一部の実施形態では、プローブまたはプライマーは標識を含む。一部の実施形態では、方法はさらに、対象がI148Mの変異についてホモ接合型またはヘテロ接合型であるかどうかを判定することを含む。
【0218】
一部の実施形態では、第2の核酸はゲノムDNAを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号1に係る12,667位に相当する位置にてアデニンを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号1を含む。一部の実施形態では、第2の核酸分子はmRNAを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号3を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号4を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号7を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号11を含む。一部の実施形態では、第2の核酸分子はmRNAから得られるcDNAを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号12を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号13を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号16を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号20を含む。一部の実施形態では、第2の核酸を検出することは第2の核酸を配列決定することを含む。一部の実施形態では、第2の核酸を検出することは第2の核酸と特異的にハイブリッド形成するプローブまたはプライマーと第2の核酸をハイブリッド形成させることを含む。一部の実施形態では、プローブまたはプライマーは対立遺伝子特異的なプローブまたはプライマーである。一部の実施形態では、プローブまたはプライマーは標識を含む。一部の実施形態では、方法はさらに、試料にて機能的なHSD17B13タンパク質をコードする第2の核酸について対象がホモ接合型またはヘテロ接合型であるかどうかを判定することを含む。
【0219】
本開示は、HSD17B13の阻害のための候補者である対象を特定する方法を提供し、該方法は対象に由来する試料がPNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体をコードする核酸を含むかどうかを判定することを含む。本開示はまた、HSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制するための候補者としてのヒト対象を特定する方法を提供し、該方法は対象に由来する試料がI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードする第1の核酸及び機能的なHSD17B13タンパク質をコードする第2の核酸、及び/またはI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質及び機能的なHSD17B13タンパク質を含むかどうかを判定することと、第1と第2の核酸の双方が検出される場合、及び/または双方のタンパク質が検出される場合、HSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制するための候補者として対象と特定することとを含む。
【0220】
本開示はまた、HSD17B13の阻害のための候補者である対象を分類する方法も提供し、該方法は対象に由来する試料がPNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体をコードする核酸を含むかどうかを判定することを含む。本開示はまた、HSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制するための候補者としてヒト対象を分類する方法も提供し、該方法は、対象に由来する試料がI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードする第1の核酸及び機能的なHSD17B13タンパク質をコードする第2の核酸、及び/またはI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質及び機能的なHSD17B13タンパク質を含むかどうかを判定することと、第1と第2の核酸の双方が検出される場合、及び/または双方のタンパク質が検出される場合、HSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制するための候補者として対象を分類することとを含む。
【0221】
変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体は本明細書に記載されている変異体PNPLA3のIle148Met変異体及びPNPLA3のIle144Met変異体のいずれかであることができる。変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体は本明細書に記載されている方法のいずれかによって検出することができる。一部の実施形態では、方法はさらに、変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体について対象がホモ接合型またはヘテロ接合型であるかどうかを判定することを含む。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体はについてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体についてヘテロ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle148Met変異体についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle148Met変異体についてヘテロ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle144Met変異体についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle144Met変異体についてヘテロ接合型である。
【0222】
好まれる実施形態では、対象はHSD17B13タンパク質にて機能喪失変異をコードする遺伝子を含まない。本明細書に記載されているまたは例示されているものを含めてHSD17B13タンパク質における機能喪失変異は肝疾患防御効果を付与すると考えられており、防御効果は変異体PNPLA3のIle148Met変異の存在で増強されるとさらに考えられている。従って、HSD17B13タンパク質をコードする遺伝子(各染色体に由来する)の双方のコピーが機能喪失変異をコードしている対象(たとえば、PNPLA3にてI148Mの変異を含む対象)はHSD17B13の阻害療法から利益を得られそうにないと考えられている。にもかかわらず、少なくとも部分的に機能的なHSD17B13タンパク質を発現している対象はHSD17B13の阻害療法から利益を得られるであろうと考えられている。従って、方法は、遺伝子がHSD17B13タンパク質にて機能喪失変異をコードするかどうか、と同様に対象がホモ接合型またはヘテロ接合型であるかどうかを含めて、HSD17B13をコードする遺伝子(一方または双方の染色体にて)の状況を分類することを含んでもよい。
【0223】
一部の実施形態では、方法はさらに、対象に由来する試料にて機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸分子または遺伝子の存在を検出することを含む。核酸分子は本明細書に記載されている機能的なHSD17B13タンパク質のいずれかをコードすることができる。HSD17B13の核酸分子は本明細書に記載されている方法のいずれかによって検出することができる。一部の実施形態では、方法はさらに、機能的なHSD17B13タンパク質をコードする遺伝子について対象がホモ接合型またはヘテロ接合型であるかどうかを判定することを含む。一部の実施形態では、対象は機能的なHSD17B13タンパク質をコードする遺伝子についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は機能的なHSD17B13タンパク質をコードする遺伝子についてヘテロ接合型である。
【0224】
本開示はまた、本明細書で開示されているプローブの任意の1以上が連結される、基材を含む支持体も提供する。固体支持体は、たとえば、本明細書で開示されているプローブのいずれかのような分子を会合することができる固体の基材または支持体である。固体支持体の形態はアレイである。固体支持体の別の形態はアレイ検出器である。アレイ検出器はアレイ、格子または組織化された他のパターンにて複数の異なるプローブが連結されている固体支持体である。
【0225】
固体支持体で使用するための固体状態の基材は分子が連結され得る固体の物質を含むことができる。これには、たとえば、アクリルアミド、アガロース、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、ポリスチレン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ポリシリケート、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルソエステル、ポリプロピルフメレート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、及びポリアミノ酸のような物質が挙げられる。固体状態の基材は、薄膜、膜、ビン、皿、繊維、織り繊維、成形ポリマー、粒子、ビーズ、微粒子、または組み合わせを含む有用な形態を有することができる。固体状態の基材及び固体支持体は多孔性または非多孔性であることができる。固体状態の基材の形態はマイクロタイターディッシュ、たとえば、標準の96穴型である。一部の実施形態では、普通、ウェル当たり1つのアレイを含有するマルチウェルのガラススライドを採用することができる。この特徴は、アッセイ再現性の大きな制御、高いスループット及び試料の取り扱い、及び自動化の容易さを可能にする。一部の実施形態では、支持体はマイクロアレイである。
【0226】
一部の実施形態では、方法はさらに、対象が肥満であるかどうかを判定することを含む。一部の実施形態では、その肥満度指数(BMI)が30kg/m2を超えれば対象は肥満である。肥満は、肝疾患を有するまたは肝疾患を発症するリスクを有する対象の特徴であることができる。一部の実施形態では、方法はさらに、対象が脂肪肝を有するかどうかを判定することを含む。脂肪肝は、肝疾患を有するまたは肝疾患を発症するリスクを有する対象の特徴であることができる。一部の実施形態では、方法はさらに、対象が肥満であるかどうか、且つ脂肪肝を有するかどうかを判定することを含む。
【0227】
一部の実施形態では、方法はさらに、HSD17B13の阻害剤を対象に投与することを含む。HSD17B13の阻害剤を対象に投与する方法は本明細書に記載されている。
一部の実施形態では、変異体PNPLA3のIle148Metタンパク質またはPNPLA3のIle144Metタンパク質をコードする核酸分子は本明細書に記載されている核酸分子のいずれかである。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のIle148Metタンパク質またはPNPLA3のIle144Metタンパク質をコードする核酸分子はゲノムDNAである。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のIle148Metタンパク質またはPNPLA3のIle144Metタンパク質をコードするゲノムDNAは本明細書に記載されているゲノムDNA分子のいずれかである。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のIle148Metタンパク質をコードする核酸分子はゲノムDNAである。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードするゲノムDNAは、本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって検出される。一部の実施形態では、ATGコドンを含む変異体PNPLA3タンパク質をコードするゲノムDNAは本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって検出される。
【0228】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3のIle148Metタンパク質またはPNPLA3のIle144Metタンパク質をコードする核酸分子はmRNAである。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のIle148Metタンパク質またはPNPLA3のIle144Metタンパク質をコードするmRNAは、本明細書に記載されているmRNA分子のいずれかである。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のIle148Metタンパク質をコードする核酸分子はmRNAである。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードするmRNAは、本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって検出される。一部の実施形態では、AUGコドンを含む変異体PNPLA3タンパク質をコードするmRNAは、本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって同定される。
【0229】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3のIle148Metタンパク質またはPNPLA3のIle144Metタンパク質をコードする核酸分子はcDNAである。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のIle148Metタンパク質またはPNPLA3のIle144Metタンパク質をコードするcDNAは本明細書に記載されているcDNA分子のいずれかである。一部の実施形態では、PNPLA3のIle148Metタンパク質をコードする核酸はcDNAである。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードするcDNAは核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって同定される。一部の実施形態では、ATGコドンを含む変異体PNPLA3タンパク質をコードするcDNAは、本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって同定される。
【0230】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸分子は本明細書に記載されている核酸分子のいずれかである。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸分子はゲノムDNAである。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質をコードするゲノムDNAは本明細書に記載されているゲノムDNA分子のいずれかである。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号1に係る12,667位に相当する位置にてアデニンを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号1を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のゲノムDNAの存在は、本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって判定される。
【0231】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸分子はmRNAである。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質をコードするmRNAは本明細書に記載されているmRNA分子のいずれかである。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13の核酸分子はmRNAである。一部の実施形態では、mRNAは配列番号3を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号4を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号7を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号11を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のmRNAの存在は、本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって判定される。
【0232】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸分子はcDNAである。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質をコードするcDNAは本明細書に記載されているcDNA分子のいずれかである。一部の実施形態では、cDNAは配列番号12を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号13を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号16を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号20を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13のcDNAの存在は、本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって判定される。
【0233】
一部の実施形態では、方法はさらに、対象から試料を得ることを含む。一部の実施形態では、HSD17B13の阻害のための候補者である対象は肝疾患を有するまたは肝疾患を発症し易い。一部の実施形態では、肝疾患は慢性肝疾患である。一部の好まれる実施形態では、慢性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、脂肪症、または肝細胞癌である。一部の好まれる実施形態では、慢性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、または脂肪症である。一部の実施形態では、肝疾患はアルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、アルコール性肝疾患は、アルコール摂取から生じる肝硬変、脂肪症、または肝細胞癌の1以上を含む。一部の実施形態では、肝疾患は非アルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患は、アルコール摂取が原因ではない肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。
【0234】
本開示はまた、対象に由来する試料にてPNPLA3 Ile148Metタンパク質もしくはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子の存在を検出すること、または対象に由来する試料にてPNPLA3 Ile148Metタンパク質もしくはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子の存在を検出することと;対象に由来する試料にて機能的なHSD17B13タンパク質もしくは機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸分子の存在を検出することとを含む、対象にてPNPLA3のIle148Met変異体、またはPNPLA3のIle144Met変異体、及び機能的なHSD17B13を検出する方法も提供する。変異体PNPLA3のIle148Met変異体のタンパク質または核酸分子は、本明細書に記載されている変異体PNPLA3のIle148Met変異体のタンパク質または核酸分子のいずれかであることができる。変異体PNPLA3のIle144Met変異体のタンパク質または核酸分子は、本明細書に記載されている変異体PNPLA3のIle144Met変異体のタンパク質または核酸分子のいずれかであることができる。機能的なHSD17B13のタンパク質または核酸分子は、本明細書に記載されている機能的なHSD17B13のタンパク質または核酸分子のいずれかであることができる。
【0235】
一部の実施形態では、方法はさらに、対象が変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体についてホモ接合型またはヘテロ接合型であるかどうかを判定することを含む。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体についてヘテロ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle148Met変異体についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle148Met変異体についてヘテロ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle144Met変異体についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle144Met変異体についてヘテロ接合型である。
【0236】
一部の実施形態では、方法はさらに、対象が機能的なHSD17B13についてホモ接合型またはヘテロ接合型であるかどうかを判定することを含む。一部の実施形態では、対象は機能的なHSD17B13についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は機能的なHSD17B13についてヘテロ接合型である。
【0237】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質の存在が試料にて検出される。機能的なHSD17B13タンパク質は本明細書に記載されている機能的なHSD17B13タンパク質のいずれかであることができる。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は配列番号21、配列番号22、配列番号25、または配列番号29に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13タンパク質は本明細書に記載されているようなアミノ酸の配列決定または免疫アッセイによって検出される。
【0238】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13の核酸分子の存在が試料にて検出される。機能的なHSD17B13の核酸分子は本明細書に記載されている機能的なHSD17B13の核酸分子のいずれかであることができる。一部の実施形態では、機能的なHSD17B13の核酸分子はゲノムDNAである。機能的なHSD17B13のゲノムDNAは本明細書に記載されている機能的なHSD17B13のゲノムDNAのいずれかであることができる。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号1に係る12,667位に相当する位置にてアデニンを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号1を含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって検出される。
【0239】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13の核酸分子はmRNAである。機能的なHSD17B13のmRNA分子は本明細書に記載されている機能的なHSD17B13のmRNA分子のいずれかであることができる。一部の実施形態では、mRNAは配列番号3を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号4を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号7を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号11を含む。一部の実施形態では、mRNAは本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって検出される。
【0240】
一部の実施形態では、機能的なHSD17B13の核酸分子はcDNAである。機能的なHSD17B13のcDNA分子は本明細書に記載されている機能的なHSD17B13のcDNA分子のいずれかであることができる。一部の実施形態では、cDNAは配列番号12を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号13を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号16を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号20を含む。一部の実施形態では、cDNAは本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって検出される。
【0241】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質の存在が試料にて検出される。変異体のPNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質は本明細書に記載されている変異体のPNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質のいずれかであることができる。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質は、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質は、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、試料における変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質は、配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、試料における変異体PNPLA3タンパク質は配列番号43に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質は、本明細書に記載されているようなアミノ酸の配列決定または免疫アッセイによって検出される。
【0242】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子の存在が試料にて検出される。PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子は本明細書に記載されているPNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子のいずれかであることができる。
【0243】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子はゲノムDNAである。PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードするゲノムDNAは本明細書に記載されているゲノムDNA分子のいずれかであることができる。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ATGコドンを含む変異体PNPLA3タンパク質をコードするゲノムDNAは、本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって検出される。
【0244】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子はmRNAである。PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードするmRNAは本明細書に記載されているmRNAのいずれかであることができる。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係るヌクレオチド配列を含む。AUGコドンを含む変異体PNPLA3タンパク質をコードするmRNAは本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって同定される。
【0245】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子はcDNAである。PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードするcDNAは本明細書に記載されているcDNAのいずれかであることができる。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ATGコドンを含む変異体PNPLA3タンパク質をコードするcDNAは本明細書に記載されているような核酸の配列またはプローブのハイブリッド形成によって同定される。
【0246】
一部の実施形態では、方法はさらに、対象から試料を得ることを含む。
本開示はまた、対象に由来する試料にてPNPLA3 Ile148Met変異体またはPNPLA3 Ile144Met変異体の存在を検出することと、対象に由来する試料にてHSD17B13の機能喪失変異体の存在を検出することとを含む、肝疾患に対して防御効果を有する対象を特定する方法も提供する。本開示はまた、対象に由来する試料にてPNPLA3 Ile148Met変異体またはPNPLA3 Ile144Met変異体の存在を検出することと、対象に由来する試料にてHSD17B13の機能喪失変異体の存在を検出することとを含む、肝疾患に対して防御効果を有する対象を分類する方法も提供する。変異体PNPLA3のIle148Met変異体及びPNPLA3のIle144Met変異体は本明細書に記載されている変異体PNPLA3のIle148Met変異体及びPNPLA3のIle144Met変異体のいずれかであることができる。HSD17B13の機能喪失変異体は本明細書に記載されているHSD17B13の機能喪失変異体のいずれかであることができる。
【0247】
一部の実施形態では、方法はさらに、変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体について対象がホモ接合型またはヘテロ接合型であるかどうかを判定することを含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体について対象はホモ接合型である。一部の実施形態では、変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体について対象はヘテロ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle148Met変異体についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle148Met変異体についてヘテロ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle144Met変異体についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は変異体PNPLA3のIle144Met変異体についてヘテロ接合型である。
【0248】
一部の実施形態では、方法はさらに、対象が機能的なHSD17B13についてホモ接合型またはヘテロ接合型であるかどうかを判定することを含む。一部の実施形態では、対象は機能的なHSD17B13についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は機能的なHSD17B13についてヘテロ接合型である。
【0249】
一部の実施形態では、対象に由来する試料にてPNPLA3 Ile148Metタンパク質もしくはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子を検出すること、または対象に由来する試料にてPNPLA3 Ile148Metタンパク質もしくはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子を検出することによって変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体が対象にて検出され;且つ対象に由来する試料にてHSD17B13の機能喪失変異体タンパク質またはHSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードする核酸分子を検出することによってHSD17B13の機能喪失が対象にて検出される。一部の実施形態では、対象に由来する試料にてPNPLA3 Ile148Metタンパク質もしくはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子を検出することによって変異体PNPLA3のIle148Met変異体またはPNPLA3のIle144Met変異体が対象にて検出され;且つ対象に由来する試料にてHSD17B13の機能喪失変異体タンパク質またはHSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードする核酸分子を検出することによってHSD17B13の機能喪失が対象にて検出される。
【0250】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質の存在が試料で検出される。変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質及びPNPLA3 Ile144Metタンパク質は本明細書に記載されている変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質及びPNPLA3 Ile144Metタンパク質のいずれかであることができる。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質は配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質は配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、試料における変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質は配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、試料における変異体PNPLA3タンパク質は配列番号43に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質は本明細書に記載されているようなアミノ酸の配列決定または免疫アッセイによって検出される。
【0251】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子の存在が試料にて検出される。変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子は、本明細書に記載されている変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子のいずれかであることができる。
【0252】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子はゲノムDNAである。変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードするゲノムDNAは、本明細書に記載されている変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質のいずれかであることができる。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ATGコドンを含む変異体PNPLA3タンパク質をコードするゲノムDNAは核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって検出される。
【0253】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子はmRNAである。変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードするmRNA分子は本明細書に記載されている変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質のいずれかであることができる。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、AUGコドンを含む変異体PNPLA3タンパク質をコードするmRNAは本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって同定される。
【0254】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードする核酸分子はcDNAである。変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質をコードするcDNAは本明細書に記載されている変異体PNPLA3 Ile148Metタンパク質またはPNPLA3 Ile144Metタンパク質のいずれかであることができる。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ATGコドンを含む変異体PNPLA3タンパク質をコードするcDNAは本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって同定される。
【0255】
一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質の存在が試料にて検出される。HSD17B13の機能喪失変異体は、本明細書に記載されているHSD17B13の機能喪失変異体のいずれかであることができる。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質は配列番号23に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質は配列番号24に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質は配列番号26に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質は配列番号27に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質は配列番号28に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質は本明細書に記載されているようなアミノ酸の配列決定または免疫アッセイによって検出される。
【0256】
一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードする核酸分子が試料で検出される。HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードする核酸分子は本明細書に記載されているHSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードする核酸分子のいずれかであることができる。
【0257】
一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードする核酸分子はゲノムDNAである。HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするゲノムDNAは本明細書に記載されているHSD17B13の機能喪失変異体タンパク質のいずれかであることができる。一部の実施形態では、配列番号2に係る12,667位に相当する位置にてチミンを含む、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするゲノムDNA。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするゲノムDNAは配列番号2を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするゲノムDNAは本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって検出される。
【0258】
一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードする核酸分子はmRNAである。HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするmRNAは本明細書に記載されているHSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするmRNA分子のいずれかであることができる。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするmRNAは配列番号5を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするmRNAは配列番号6を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするmRNAは配列番号8を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするmRNAは配列番号9を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするmRNAは配列番号10を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするmRNAは本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって検出される。
【0259】
一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードする核酸分子はcDNAである。HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするcDNA分子は、本明細書に記載されているHSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするcDNA分子のいずれかであることができる。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするcDNAは配列番号5を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするcDNAは配列番号6を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするcDNAは配列番号8を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするcDNAは配列番号9を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするcDNAは配列番号10を含む。一部の実施形態では、HSD17B13の機能喪失変異体タンパク質をコードするcDNAは本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって検出される。
【0260】
一部の実施形態では、方法はさらに、対象から試料を得ることを含む。一部の実施形態では、肝疾患は慢性肝疾患である。一部の実施形態では、慢性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、脂肪症、または肝細胞癌である。一部の実施形態では、肝疾患はアルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、アルコール性肝疾患はアルコール摂取の結果生じる肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。一部の実施形態では、肝疾患は非アルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患はアルコール摂取が原因ではない肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。
【0261】
本開示はまた、HSD17B13の阻害剤を対象に投与することをさらに含む、本明細書に記載されている方法のいずれかも提供する。一部の実施形態では、HSD17B13の阻害剤は、内在性のHSD17B13のゲノムDNAまたはmRNAとハイブリッド形成し、且つ対象の細胞にてHSD17B13ポリペプチドの発現を低下させる機能的なポリペプチド、アンチセンスDNA、RNA、siRNAまたはshRNAを含む。一部の実施形態では、HSD17B13の阻害剤は、HSD17B13がそのメンバーである短鎖デヒドロゲナーゼ/還元酵素(SDR)ファミリーの1以上の追加のメンバーも阻害することができる。そのような他のメンバーには、HSD17B1、HSD17B2、HSD17B3、HSD17B4、HSD17B6、HSD17B7、HSD17B8、HSD17B10、HSD17B11、HSD17B12、HSD17B13、HSD17B14、HSD11B1、HSD11B2、HSD3B1、HSD3B2、及びHSD3B7、と同様に近縁のホモログデヒドロゲナーゼ/還元酵素3(DHRS3)及びレチノールデヒドロゲナーゼ10(RDH10)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、HSD17B13の阻害剤を投与して対象にて肝疾患を抑制する。一部の実施形態では、HSD17B13の阻害剤を投与して対象にて肝疾患を治療する。一部の実施形態では、肝疾患は慢性肝疾患である。一部の実施形態では、慢性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、脂肪症、または肝細胞癌の1以上である。一部の実施形態では、肝疾患はアルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、アルコール性肝疾患はアルコール摂取の結果生じる肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。一部の実施形態では、肝疾患は非アルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患はアルコール摂取が原因ではない肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。一部の実施形態では、対象はI148Mの変異をコードする遺伝子についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象はI148Mの変異をコードする遺伝子についてヘテロ接合型である。一部の実施形態では、対象はさらに、機能的なHSD17B13タンパク質をコードする遺伝子についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象はさらに、機能的なHSD17B13タンパク質をコードする遺伝子及びHSD17B13の機能喪失変異体をコードする遺伝子についてヘテロ接合型である。
【0262】
本開示はまた、患者にて肝疾患が治療されるまたは抑制されるようにI148Mの変異を含むパタチン様ホスホリパーゼドメイン含有3(PNPLA3)タンパク質を発現しているヒト肝疾患患者にヒドロキシステロイド17ベータデヒドロゲナーゼ13(HSD17B13)の阻害剤を投与することを含む、肝疾患を治療するまたは抑制する方法も提供する。一部の実施形態では、肝疾患は慢性肝疾患である。一部の実施形態では、肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、脂肪症、または肝細胞癌の1以上である。一部の実施形態では、肝疾患はアルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、アルコール性肝疾患はアルコール摂取の結果生じる肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。一部の実施形態では、肝疾患は非アルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患はアルコール摂取が原因ではない肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。一部の実施形態では、患者は肥満である。一部の実施形態では、患者は脂肪肝を有する。一部の実施形態では、患者は、対象に由来する試料における変異体PNPLA3タンパク質の検出によって変異体PNPLA3タンパク質(たとえば、I148MまたはI144Mの変異を含むPNPLA3タンパク質)を発現すると判定されている。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、試料における変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質はアミノ酸の配列決定または免疫アッセイによって検出される。一部の実施形態では、対象は、対象に由来する試料における変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子(たとえば、I148MまたはI144Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードする変異体PNPLA3の核酸分子)の検出によって変異体PNPLA3タンパク質を発現すると判定されている。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子はゲノムDNA、mRNAまたはmRNAから得られるcDNAを含む。一部の実施形態では、核酸分子は配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含むゲノムDNAを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、核酸分子は配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含むmRNAを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、核酸分子は配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含むmRNAを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、核酸分子はmRNAから得られるcDNAを含み、cDNAは配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、核酸分子はmRNAから得られるcDNAを含み、cDNAは配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、核酸は、核酸の少なくとも一部、I148Mの変異をコードする部分を配列決定することによって検出される。一部の実施形態では、核酸は、核酸の一部と特異的にハイブリッド形成するプローブまたはプライマーのハイブリッド形成によって検出され、その際、一部はI148Mの変異をコードするコドンを含む。一部の実施形態では、プローブまたはプライマーは対立遺伝子特異的なプローブまたはプライマーである。一部の実施形態では、プローブまたはプライマーは標識を含む。一部の実施形態では、患者は変異体PNPLA3タンパク質をコードする遺伝子についてホモ接合型である。一部の実施形態では、患者は変異体PNPLA3タンパク質をコードする遺伝子についてヘテロ接合型である。一部の実施形態では、患者は機能的なHSD17B13タンパク質をコードする遺伝子についてホモ接合型である。一部の実施形態では、患者は機能的なHSD17B13タンパク質をコードする遺伝子についてヘテロ接合型である。一部の実施形態では、患者は機能的なHSD17B13タンパク質をコードする遺伝子及びHSD17B13の機能喪失変異をコードする遺伝子についてヘテロ接合型である。
【0263】
HSD17B13の阻害剤は、I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質を有し、且つ機能的なHSD17B13タンパク質を有するヒト対象にて肝疾患を治療するために本明細書に記載されているように使用することができる。一部の実施形態では、ヒト対象はI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質及び機能的なHSD17B13タンパク質について検査で陽性と出ている。一部の実施形態では、治療はヒト対象がI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質及び機能的なHSD17B13タンパク質を有するかどうかを判定することを含む。一部の実施形態では、ヒト対象は、本明細書で定義されているような方法のいずれかを用いることによりHSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制するための候補者であるとして特定されている。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係るアミノ酸配列、または配列番号42に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は、配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号43に係るアミノ酸配列、または配列番号43に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI144Mの変異を含むアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子はゲノムDNAである。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは、配列番号31に係るヌクレオチド配列、または配列番号31に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子はmRNAである。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係るヌクレオチド配列、または配列番号34に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係るヌクレオチド配列、または配列番号35に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI144Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子はcDNAである。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは、配列番号38に係るヌクレオチド配列、または配列番号38に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは、配列番号39に係るヌクレオチド配列、または配列番号39に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI144Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、肝疾患は、慢性肝疾患である。一部の実施形態では、慢性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、脂肪症、または肝細胞癌である。一部の実施形態では、肝疾患はアルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、アルコール性肝疾患はアルコール摂取の結果生じる肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。一部の実施形態では、肝疾患は非アルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患はアルコール摂取が原因ではない肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。一部の実施形態では、ヒト対象は機能的なHSD17B13についてホモ接合型またはヘテロ接合型である。
【0264】
一部の実施形態では、HSD17B13の阻害剤は、HSD17B13遺伝子の発現またはHSD17B13タンパク質の機能を低下させるまたは阻害する。HSD17B13の阻害剤には、天然に存在する及び合成のリガンド、アンタゴニスト、アゴニスト、抗体、ペプチド、環状ペプチド、核酸、機能的なポリヌクレオチド、有機小分子、等が挙げられるが、これらに限定されない。機能的なポリヌクレオチドは特定の機能、たとえば、標的分子を結合することまたは特定の反応を触媒することを有する核酸分子である。機能的なポリヌクレオチドの例には、アンチセンス分子、アプタマー、リボザイム、及び三重鎖形成分子が挙げられるが、これらに限定されない。機能的なポリヌクレオチドは標的分子が持つ特定の活性の阻害剤として作用することができる。アンチセンス分子は、標準塩基対合または非標準塩基対合を介して標的核酸分子と相互作用するように設計される。アンチセンス分子と標的分子との相互作用は、たとえば、RNase Hが介在するRNA-DNAハイブリッドの分解を介して標的分子の破壊を促進するように設計される。あるいは、アンチセンス分子は、普通、標的分子で起きるプロセッシング機能、たとえば、転写または複製を妨害するように設計される。標的分子の配列に基づいてアンチセンス分子を設計することができる。標的分子の最もアクセス可能な領域を特定することによるアンチセンス効率の最適化の方法が存在する。例となる方法には、DMS及びDEPCを用いた試験管内の選択実験及びDNAの修飾試験が挙げられるが、これらに限定されない。アンチセンス分子は一般に、約10-6以下、約10-8以下、約10-10以下または約10-12以下の解離定数(kd)で標的分子を結合する。アンチセンス分子の設計及び使用に役立つ方法及び技法の代表例、ならびにアンチセンス分子は、以下の米国特許及び出願:5,135,917;5,294,533;5,627,158;5,641,754;5,691,317;5,780,607;5,786,138;5,849,903;5,856,103;5,919,772;5,955,590;5,990,088;5,994,320;5,998,602;6,005,095;6,007,995;6,013,522;6,017,898;6,018,042;6,025,198;6,033,910;6,040,296;6,046,004;6,046,319;6,057,437;及び2018年3月21日に出願された米国整理番号62/645,941の非限定リストに見いだすことができ、そのそれぞれは全体として参照によって本明細書に組み入れられる。例となるアンチセンス分子には、アンチセンスRNA、小分子干渉RNA(siRNA)、及び小分子ヘアピンRNA(shRNA)が挙げられるが、これらに限定されない。たとえば、アンチセンスRNA、siRNAまたはshRNAはHSD17B13のゲノムDNAまたはmRNAの独特の領域を標的とするように設計することができる。一部の実施形態では、HSD17B13の阻害剤はアンチセンス分子である。一部の実施形態では、HSD17B13の阻害剤はshRNA分子である。一部の実施形態では、HSD17B13の阻害剤はsiRNA分子である。
【0265】
本明細書に記載されている方法のいずれかでは、HSD17B13の阻害剤の投与は肝疾患の特定の特徴の軽減または排除を生じることができる。一部の実施形態では、肝疾患の特徴には炎症及び線維症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0266】
本開示はまた、HSD17B13の阻害剤を対象に投与することを含む、PNPLA3 Ile148Met陽性(すなわち、「PNPLA3 Ile148Met+」)またはPNPLA3 Ile144Met陽性(すなわち、「PNPLA3 Ile144Met+」)である対象を治療する方法も提供する。本開示はまた、患者にて肝疾患が治療されるまたは抑制されるようにI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質を発現しているヒト肝疾患患者にHSD17B13の阻害剤を投与することを含む、肝疾患を治療するまたは抑制する方法も提供する。
【0267】
変異体PNPLA3 Ile148Met陽性またはPNPLA3 Ile144Met陽性の対象は本明細書に記載されている変異体PNPLA3タンパク質のいずれかを有することができる。一部の実施形態では、対象はまた、機能的なHSD17B13についてホモ接合型またはヘテロ接合型である。一部の実施形態では、対象は機能的なHSD17B13についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は機能的なHSD17B13についてヘテロ接合型である。一部の実施形態では、対象はHSD17B13の機能喪失変異についてホモ接合型である。対象は本明細書に記載されている機能的なHSD17B13タンパク質のいずれかを有することができる。
【0268】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Met+またはPNPLA3 Ile144Met+である対象は、対象に由来する試料におけるPNPLA3タンパク質の検出によってPNPLA3 Ile148Met+またはPNPLA3 Ile144Met+であると判定されており、その際、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含む。変異体PNPLA3 Ile148Met陽性またはPNPLA3 Ile144Met陽性の対象は本明細書に記載されている変異体PNPLA3タンパク質のいずれかを有することができる。
【0269】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Met+である対象は対象に由来する試料におけるPNPLA3タンパク質の検出によってPNPLA3 Ile148Met+であると判定されており、その際、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、試料における変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係るアミノ酸配列を含む。
【0270】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile144Met+である対象は対象に由来する試料におけるPNPLA3タンパク質の検出によってPNPLA3 Ile144Met+であると判定されており、その際、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、試料における変異体PNPLA3タンパク質は配列番号43に係るアミノ酸配列を含む。
【0271】
一部の実施形態では、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含む変異体PNPLA3タンパク質は本明細書に記載されているアミノ酸の配列決定または免疫アッセイによって同定される。
【0272】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Met+またはPNPLA3 Ile144Met+である対象は、対象に由来する試料におけるPNPLA3タンパク質をコードする核酸分子の検出によってPNPLA3 Ile148Met+またはPNPLA3 Ile144Met+であると判定されており、その際、変異体PNPLA3タンパク質は、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含む。変異体PNPLA3 Ile148Met陽性またはPNPLA3 Ile144Met陽性の対象は本明細書に記載されている変異体PNPLA3の核酸分子のいずれかを有することができる。
【0273】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile148Met+である対象は対象に由来する試料におけるPNPLA3タンパク質をコードする核酸分子の検出によってPNPLA3 Ile148Met+であると判定されており、その際、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、試料における変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係るアミノ酸配列を含む。
【0274】
一部の実施形態では、PNPLA3 Ile144Met+である対象は対象に由来する試料におけるPNPLA3タンパク質をコードする核酸分子の検出によってPNPLA3 Ile144Met+であると判定されており、その際、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、試料における変異体PNPLA3タンパク質は配列番号43に係るアミノ酸配列を含む。
【0275】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子は、ゲノムDNA、mRNA、またはmRNAに由来するcDNAである。
一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ATGコドンを含む変異体PNPLA3タンパク質をコードするゲノムDNAは、本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって同定される。
【0276】
一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、AUGコドンを含む変異体PNPLA3タンパク質をコードするmRNAは、本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって同定される。
【0277】
一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ATGコドンを含む。変異体PNPLA3タンパク質をコードするcDNAは、本明細書に記載されているような核酸の配列決定またはプローブのハイブリッド形成によって同定される。
【0278】
HSD17B13の阻害剤の投与は、非経口、静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、髄腔内、腹腔内、局所、鼻内、または筋肉内を含むが、これらに限定されない好適な経路によることができる。投与のための医薬組成物は望ましくは無菌であり、実質的に等張であり、GMP条件下で製造される。医薬組成物は単位剤形(すなわち、単回投与用の投与量)で提供することができる。医薬組成物は、1以上の生理的に且つ薬学上許容できるキャリア、希釈剤、賦形剤または補助剤を用いて製剤化することができる。製剤は選択される投与の経路に左右される。用語「薬学上許容できる」は、キャリア、希釈剤、賦形剤または補助剤が製剤の他の成分と相溶性であり、そのレシピエントに対して実質的に有害ではないことを意味する。
【0279】
一部の実施形態では、対象は肝疾患を有するまたは肝疾患を発症し易い。一部の実施形態では、肝疾患は慢性肝疾患である。一部の実施形態では、慢性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、脂肪症、または肝細胞癌である。一部の実施形態では、肝疾患はアルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、アルコール性肝疾患はアルコール摂取の結果生じる肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。一部の実施形態では、肝疾患は非アルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患はアルコール摂取が原因ではない肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。
【0280】
本開示はまた、肝疾患治療剤で患者を治療する方法も提供し、その際、患者は肝疾患を患っている。方法は、対象に由来する試料がi)I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードする第1の核酸と機能的なHSD17B13タンパク質をコードする第2の核酸、及び/またはii)I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質と機能的なHSD17B13タンパク質を含むかどうかを判定することを含む。一部の実施形態では、方法は、対象に由来する試料がI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードする第1の核酸と機能的なHSD17B13タンパク質をコードする第2の核酸とを含むかどうかを判定することを含む。一部の実施形態では、方法は、対象に由来する試料がI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質と機能的なHSD17B13タンパク質とを含むかどうかを判定することを含む。
【0281】
一部の実施形態では、この判定は患者から得られた生体試料を得ることまたは有することによって実施される。一部の実施形態では、方法はさらに、患者がI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードする第1の核酸と機能的なHSD17B13タンパク質をコードする第2の核酸とを有するかどうかを判定するために生体試料にて遺伝子型決定アッセイを行うことまたは行ったことを含む。一部の実施形態では、方法はさらに、患者がI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質及び機能的なHSD17B13タンパク質を有するかどうかを判定するために生体試料にてアッセイを行うことまたは行ったことを含む。
【0282】
一部の実施形態では、患者がI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードする核酸を有する及び/またはI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質有する、且つ機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸を有する及び/または機能的なHSD17B13タンパク質を有する場合、その次に方法はさらに患者にHSD17B13の阻害剤を投与することを含む。一部の実施形態では、患者がI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードする核酸を有する及び/またはI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質有する、且つ機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸を有する及び/または機能的なHSD17B13タンパク質を有する場合、その次に方法はさらに患者にHSD17B13の阻害剤を投与することと、患者に肝疾患治療剤を投与することとを含む。一部の実施形態では、患者がI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードする核酸を有する及び/またはI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質有するが、機能的なHSD17B13タンパク質をコードする核酸を有さない及び/または機能的なHSD17B13タンパク質を有する場合、その次に方法はさらに、患者に肝疾患治療剤を投与することを含む。
【0283】
肝疾患治療剤の例には、ジスルフィラム、ナルトレキソン、アカンプロサート、プレドニゾン、プレドニゾン、アザチオプリン、ペニシラミン、トリエンチン、デフェロキサミン、シプロフロキサシン、ノロフロキサシン、セフトリアキソン、オフロキサシン、アモキシリン-クラブラネート、フィトナジオン、ブメタニド、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、クロロチアジド、アミロライド、トリアムテレン、スピロノラクトン、オクトレオチド、アテノロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、チモロール、及びカルベジロールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0284】
肝疾患治療剤の追加の例(たとえば、慢性C型肝炎の治療で使用するための)には、リバビリン、パリタプレビル、シメプレビル(オリシオ)、ガラゾプレビル、レジパスビル、オムビタスビル、エルバスビル、ダクラタスビル(ダクルインザ)、ダサブビル、リトナビル、ソホスブビル、ベルパタスビル、ボキシラプレビル、グレカプレビル、ピブレンタスビル、ペグインターフェロンアルファ-2a、ペグインターフェロンアルファ-2b、及びインターフェロンアルファ-2bが挙げられるが、これらに限定されない。
【0285】
肝疾患治療剤の追加の例(たとえば、非アルコール性脂肪肝疾患での使用のための)には、たとえば、オルリスタット及びシブトラミンのような減量誘発剤;たとえば、チアゾリジンジオン(TZD)、メトフォルミン及びメグリチニドのようなインスリン増感剤;たとえば、スタチン、フィブラート及びオメガ-3脂肪酸のような脂質低下剤;たとえば、ビタミンE、ベタイン、N-アセチルシステイン、レシチン、シリマリン及びベータ-カロテンのような抗酸化剤;たとえば、ペントキシフィリンのような抗TNF剤;たとえば、VSL#3のようなプロバイオティクス;ならびに、たとえば、ウルソデオキシコール酸(UDCA)のような細胞保護剤が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な治療にはACE阻害剤/ARB、オリゴフルクトース及びインクレチン類似体が含まれる。
【0286】
肝疾患治療剤の追加の例(たとえば、NASHでの使用ための)には、オベチコール酸(Ocaliva(登録商標))、セロンセルチブ、エラフィブラノール、セニクリビロック、GR_MD_02、MGL_3196、IMM124E、アラキジルアミドコラン酸(Aramchol(商標))、GS0976、エムリカサン、ボリキシバット、NGM282、GS9674、トロピフェキソール、MN_001、LMB763、BI_1467335、MSDC_0602、PF_05221304、DF102、サログリタザール、BMS986036、ラニフィブラノール、セマグルチド、ニタゾキサニド、GRI_0621、EYP001、VK2809、ナルメフェン、LIK066、MT_3995、エロビキシバット、ナモデノソン、フォラルマブ、SAR425899、ソタグリフロジン、EDP_305、イソサブテート、ゲムカベン、TERN_101、KBP_042、PF_06865571、DUR928、PF_06835919、NGM313、BMS_986171、ナマシズマブ、CER_209、ND_L02_s0201、RTU_1096、DRX_065、IONIS_DGAT2Rx、INT_767、NC_001、セラデルパール、PXL770、TERN_201、NV556、AZD2693、SP_1373、VK0214、へパステム、TGFTX4、RLBN1127、GKT_137831、RYI_018、CB4209-CB4211、及びJH_0920が挙げられるが、これらに限定されない。
【0287】
本開示はまた、PNPLA3 Ile148Met陽性またはPNPLA3 Ile144Met陽性であり、且つ機能的なHSD17B13についてホモ接合型またはヘテロ接合型でもあるヒト対象における肝疾患の治療のための薬物の製造にて使用するためのHSD17B13の阻害剤も提供する。一部の実施形態では、対象は、PNPLA3 Ile148Met変異またはPNPLA3 Ile144Met変異についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は、PNPLA3 Ile148Met変異またはPNPLA3 Ile144Met変異についてヘテロ接合型である。一部の実施形態では、対象は機能的なHSD17B13についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は機能的なHSD17B13についてヘテロ接合型である。
【0288】
一部の実施形態では、HSD17B13の阻害剤は、配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含むPNPLA3タンパク質、または配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含むPNPLA3タンパク質をコードする核酸、または配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含むPNPLA3タンパク質、または配列番号43に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含むPNPLA3タンパク質をコードする核酸を有するヒト対象にて肝疾患を治療するのに使用するためのものである。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係るアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号43に係る144位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号43に係るアミノ酸配列を含む。
【0289】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子はゲノムDNAである。一部の実施形態では、ゲノムDNAは、配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係るヌクレオチド配列を含む。
【0290】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子はmRNAである。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係るヌクレオチド配列を含む。
【0291】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子はcDNAである。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係るヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係るヌクレオチド配列を含む。
【0292】
一部の実施形態では、肝疾患は慢性肝疾患である。一部の実施形態では、慢性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、脂肪症、または肝細胞癌である。一部の実施形態では、肝疾患はアルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、アルコール性肝疾患はアルコール摂取の結果生じる肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。一部の実施形態では、肝疾患は非アルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患はアルコール摂取が原因ではない肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。
【0293】
一部の実施形態では、ヒト対象は機能的なHSD17B13についてホモ接合型またはヘテロ接合型である。一部の実施形態では、対象は機能的なHSD17B13についてホモ接合型である。一部の実施形態では、対象は機能的なHSD17B13についてヘテロ接合型である。
【0294】
本明細書に記載されている方法のいずれかでは、プローブまたはプライマーまたは変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは単一の核酸種と特異的に相補性であることができる、またはそれと特異的にハイブリッド形成することができる。たとえば、HSD17B13の転写物A、転写物B、転写物Eまたは転写物I(たとえば、本明細書に記載されている機能的なHSD17B13についてのmRNA、cDNA、RNA転写物、またはcDNA転写物)の核酸分子と特異的に相補性であるまたはそれと特異性にハイブリッド形成するプローブまたはプライマーまたは変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、変異体HSD17B13(たとえば、HSD17B13の変異体C、D、F、G、HについてのmRNA、cDNA、RNA転写物、またはcDNA転写物)についての核酸分子のいずれかと相補性ではない、またはハイブリッド形成しない。
【0295】
本開示はまた、I148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質を有する且つ機能的なHSD17B13タンパク質を有するヒト対象にて肝疾患の治療で使用するためのHSD17B13の阻害剤も提供する。一部の実施形態では、ヒト対象はI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質について且つ機能的なHSD17B13タンパク質について検査で陽性と出ている。一部の実施形態では、治療はヒト対象がI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質及び機能的なHSD17B13タンパク質を有するかどうかを判定することを含む。一部の実施形態では、ヒト対象は、本明細書で定義されているような方法のいずれかを用いてHSD17B13を阻害することによって肝疾患を治療するまたは抑制するための候補者であると特定されている。
【0296】
一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係る148位に相当する位置にてメチオニンを含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質は配列番号42に係るアミノ酸配列を含む、または配列番号42に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子はゲノムDNAである。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係る5107位~5109位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、ゲノムDNAは配列番号31に係るヌクレオチド配列を含む、または配列番号31に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子はmRNAである。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係る442位~444位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号34に係るヌクレオチド配列を含む、または配列番号34に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係る430位~432位に相当する位置にてAUGコドンを含む。一部の実施形態では、mRNAは配列番号35に係るヌクレオチド配列を含む、または配列番号35に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、変異体PNPLA3タンパク質をコードする核酸分子はcDNAである。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係る442位~444位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号38に係るヌクレオチド配列を含む、または配列番号38に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係る430位~432位に相当する位置にてATGコドンを含む。一部の実施形態では、cDNAは配列番号39に係るヌクレオチド配列を含む、または配列番号39に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つI148Mの変異を含むPNPLA3タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0297】
一部の実施形態では、肝疾患は慢性肝疾患である。一部の実施形態では、慢性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、脂肪症、または肝細胞癌である。一部の実施形態では、肝疾患はアルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、アルコール性肝疾患はアルコール摂取の結果生じる肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。一部の実施形態では、肝疾患は非アルコール性肝疾患である。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む。一部の実施形態では、非アルコール性肝疾患はアルコール摂取が原因ではない肝硬変、脂肪症または肝細胞癌の1以上を含む。
【0298】
一部の実施形態では、ヒト対象は機能的なHSD17B13についてホモ接合型またはヘテロ接合型である。
上記または以下で引用されている特許文書、ウェブサイト、他の出版物、受入番号等はすべて、各個々の項目が具体的に且つ個々に参照によってそのように組み入れられるように指示されたかのようにと同程度にあらゆる目的で全体として参照によって組み入れられる。配列の異なるバージョンが異なる時での受入番号に関連する場合、本出願の有効出願日での受入番号に関連したバージョンが意図される。有効出願日は実際の出願日の先の日付、または該当する場合、受入番号に言及する優先出願の出願日を意味する。同様に、出版物、ウェブサイト等の異なるバージョンが異なる時に公開される場合、指示されない限り、出願の優先出願日で最も最近公開されたバージョンが意図される。本開示のどんな特徴、工程、要素、実施形態または態様も、具体的に指示されない限り、どんな他の特徴、工程、要素、実施形態または態様と組み合わせて使用することができる。本開示は明瞭さ及び理解の目的で説明及び例示を手段としてかなり詳細に記載されているが、添付のクレームの範囲内で特定の変更及び修正が実践されてもよいことが明らかであろう。
【0299】
本明細書で引用されているヌクレオチド配列及びアミノ酸配列はヌクレオチド塩基については標準の文字略記及びアミノ酸については一文字コードを用いて示す。ヌクレオチド配列は配列の5’末端で開始して3’末端に向かって進む(すなわち、各列で左から右へ)標準の慣例に従う。各ヌクレオチド配列の一方の鎖のみを示すが、相補鎖は示された鎖を参照することにより含められると理解される。アミノ酸配列は配列のアミノ末端で開始してカルボキシ末端に向かって進む(すなわち、各列で左から右へ)標準の慣例に従う。
【0300】
以下の実施例を提供して実施形態をさらに詳細に説明する。それらは請求項に係る実施形態を説明するように意図されるのであって、限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0301】
以下の実施例は本明細書で請求項に係る化合物、組成物、物品、装置及び/または方法がどのように為され、評価されるかの完全な開示及び説明を当業者に提供するように提示され、純粋な例示であることが意図され、本発明者らがその主題と見なすものの範囲を限定するようには意図されない。数(たとえば、量、温度、等)に関して精度を確保するように努力されているが、若干の誤差及び偏差は説明されるべきである。指示されない限り、部分は重量部であり、温度は℃であり、または常温であり、圧力は大気圧またはほぼ大気圧である。
【0302】
実施例1:PNPLA3 rs738409(p.I148M)とHSD17B13 rs72613567との間の遺伝的相互作用-試験設計
この試験では、エクソームの配列決定を用いて、エクソーム配列のデータを電子カルテ(EHR)に関連付けるコホートであるDiscovEHRヒト遺伝試験において及び3つの追加の試験において肝細胞損傷のマーカーである血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)のレベルに関連する変異体を同定した。DiscovEHR及び2つの無関係のコホートにおいて関与する遺伝的変異体と慢性肝疾患の臨床診断との間の関連も検討した。肝生検を受けている減量手術患者の独立したコホートにおけるこれらの変異体の1つと肝疾患の組織病理学的重症度との間の関連も検討した。
【0303】
試験設計及び参加者
6つのコホートからのゲノムDNA試料及びデータを用いてヒトの遺伝学的試験を実施した。これらの試験には、MyCode(登録商標)Community Health Initiative of GHS20に由来する最初の50,726人の成人同意参加者を起源とする2つのRegeneron Genetics Center及びthe Geisinger Health System(GHS) DiscovEHRの試験集団が含まれた。GHS発見コホートは、減量手術コホートに動員された者すべてを除いて、2007年~2016年の間での外来初期診療及び専門クリニックから動員された46,544人の欧州人から成った。GHS減量手術コホートは減量手術を紹介されたことがある2,644人の欧州人から成った。肝トランスアミナーゼとの関連での再現試験はそれぞれ欧州系の1,357人及び8,527人を含むDallas心臓試験及びPenn医学バイオバンクにて実施し、それぞれ1,357人及び8,527人の欧州系の人々が含まれた。慢性肝疾患との関連での再現試験にはDallas肝臓試験(DLS)の517人及びDallas小児肝臓試験(DPLS)の439人が含まれた。完全な試験の説明及び臨床上の表現型及び疾患の定義は補足別表における方法のセクションに記載されている。
【0304】
遺伝子型を決定した多民族症例及びDallas肝臓試験及び小児肝臓試験に由来する対照のベースラインの特徴を
図5に示す。
試料の調製、配列決定及び遺伝子型決定
DiscovEHR試験、Dallas心臓試験及びPenn医学バイオバンクにおける参加者についてのDNA試料の調製及び全エクソームの配列決定は以前記載された(Dewey,et al.,Science,2016,印刷中)ようにRegeneron Geneticsで実施した。HSD17B13 rs72613567はDallas肝臓試験及びDallas小児肝臓試験にてTaqmanアッセイによって遺伝子型決定した(及び各遺伝子型の5人にてSanger配列決定によって検証した)。
【0305】
発見コホートにおける臨床測定及び慢性肝疾患の定義
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)についての臨床検査測定をGHS発見コホート及び減量手術コホートの参加者のEHRから抽出した。2以上の測定結果を持つ参加者すべてについてALT及びASTの中央値を算出し、log10変換し、関連解析に先立って分布を正規化した。
【0306】
疾患の国際分類、第9版(ICD-9)疾患診断コードをEHRから抽出し、非ウイルス性、非アルコール性(ICD-9 571.40,571.41,571.49,571.5,571.8,571.9)またはアルコール性(ICD-9 571.0,571.1,571.2,571.3)の肝疾患症例の定義について分類する。単一診断コードに基づく追加の症例の定義には、アルコール性肝硬変(ICD-9 571.2)、非アルコール性肝硬変(ICD-9 571.5)、及びHCC(ICD-9 155.0)が含まれた。これらの症例の定義については、肝疾患がない共通する対照群(「肝疾患なし」)は、症例基準がない、または肝疾患のどの型も示す単一の遭遇もしくは問題のリスト診断コードを持つ参加者として定義した。
【0307】
HSD17B13の周辺領域におけるGHS発見コホートでのアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT,A)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST、B)のレベルについての領域関連プロットを
図6(パネルA及びB)にて示す。紫色の菱形はスプライス変異体rs72613567を示す。各丸は一塩基変異体を示し、丸の色はその変異体とrs72613567との間の連鎖不平衡(DiscovEHRコホートで算出されたr2)を示す。青色の線はHapMapにおける推定された組換え率を示す。パネルの下の部分は遺伝子座における各遺伝子の相対的な位置及び転写された鎖を示す。ASTまたはALTと隣接する遺伝子HSD17B13におけるコーディング領域変異体またはスプライス領域変異体との間に有意な関連はなかった(それぞれALT及びASTについて最も有意なp値は1.4×10
-1及び4.3×10
-2)。
【0308】
減量手術コホートにおける肝臓の組織病理学的表現型の定義
GHS減量手術コホートは2,644人の欧州人の子孫から成り、術中肝臓生検検体はこれらの人2,391人から得られた。肝臓生検検体をホルマリン固定し、以前記載された(Gerhard,et al.,Patient Saf.Surg.,2011,5,1)ように、組織学のためにはヘマトキシリン及びエオシンで染色し、線維症の評価についてはMassonのトリクロム染色で染色した。組織学的な診断は以前確立された基準(Brunt,et al.,Am.J.Gastroenterol.,1999,94,2467-74)を用いて肝臓病理学者によって判定された。組織学的な診断を用いて以下の表現型:(1)正常:脂肪症、NASHまたは線維症の証拠がない;(2)NASHまたは線維症の証拠がない単純脂肪症(悪性度にかかわりなく);(3)NASH:小葉の炎症または肝細胞肥大(悪性度にかかわりなく)の存在、または線維症の存在(段階にかかわりなく)を定義した。
【0309】
発見コホート及び再現コホートに由来する配列決定した欧州系の人々のベースラインの特徴を
図1に示す。発見コホートにおけるP<1.0×10
-7での血清トランスアミナーゼのレベルに関連する一塩基変異体を
図2に示す。
【0310】
DNA試料の調製及び配列決定
手短には、製造元の推奨されたプロトコール(Roche NimbleGen)に従ってNimbleGenのプローブを用いてエクソーム捕捉を行った。捕捉したDNAをPCRで増幅し、qRT-PCR(Kapa Biosystems)によって定量した。試料の96%にて標的とする塩基の85%を超える20×一倍体の読み深度(標的とする塩基のおよそ80×平均一倍体読み深度)より大きいものを提供するのに十分なカバー深度まで、Illumina v4 HiSeq 2500にて75bpの対合-末端配列決定を用いて、多重化した試料を配列決定した。各Illumina v4 HiSeq 2500の設定に由来する生の配列データを配列の読み比較及び変異体の同定のためにDNAnexusプラットフォーム(Reid,et al.,BMC Bioinformatics,2014,15,30)にアップロードした。手短には、生の配列データをBCLファイルから試料特異的なFASTQファイルに変換し、それをヒト参照型である、BWA-memを伴ったGRCh37.p13(Li,et al.,Bioinformatics,2009,25,1754-60)に対して並べた。ゲノム解析ツールキット(McKenna,et al.,Genome Res.,2010,20,1297-303)を用いて、一塩基変異体(SNV)及び挿入/欠失(インデル)配列変異体を同定した。
【0311】
肝臓酵素及び慢性肝疾患表現型のエクソーム全体の関連解析
トランスアミナーゼのレベルとの関連について、<1%の欠測データ率、Hardy-Weinberg平衡のP値>1.0×10-6、及び>0.1%のマイナー対立遺伝子頻度での502,219の両対立遺伝子変異体を調べた。log10変換した中央値ALT及びASTを年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び祖先の最初の4つの主成分について調整した。試験参加者間の同系性を説明するために、遺伝的同系性マトリクスを変量効果共変量として適合させた。主成分及び遺伝的同系性マトリクスの双方を近似的な連鎖平衡にて及び>0.1%のマイナー対立遺伝子頻度で39,858の非MHCマーカーから構築した。線形の混合モデルをGCTAパッケージ(Yang,et al.,Am.J.Hum.Genet.,2011,88,76-82)で実施されるとき使用して形質残存と一塩基変異体との間の関連について調べた。本文で報告されているP値はすべて対立遺伝子モデルに相当する。
【0312】
GHS発見コホートにおける関連の再現を3つの別々の欧州系のコホート:GHS減量手術コホート、Dallas心臓試験及びPenn医学バイオバンク(上記に記載されている)にて試みた。GHS減量手術コホート及びPenn医学バイオバンクに由来するALT及びASTの測定をlog10変換し、年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び祖先の最初の4つの主成分について調整した。遺伝的同系性マトリクスを変量効果共変量として含め、GCTAにおける線形混合モデル用いて解析を行った。Dallas心臓試験では、log10変換したALT及びASTの測定を年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び祖先の最初の4つの主成分について調整し、PLINKで実施される線形回帰を用いて解析を行った。3つの再現コホートに関する要約統計を、METAL(Willer,et al.,Bioinformatics,2010,26,2190-1)を用いてメタ解析した(再現メタ解析)。発見コホート及び3つの再現コホートについての要約統計を同様にメタ解析した(共同メタ解析)。
【0313】
3つの別々の欧州系コホートにおける発見コホートに由来する35のエクソーム全体の有意な一塩基変異体の再現及び共同メタ解析を
図3に示す。
GHS発見コホートにおけるトランスアミナーゼとのエクソーム全体の有意な関連(p<1×10
-7)を持つ変異体について、本明細書に記載されている欧州系の再現試験にて本明細書に記載されているように、関連解析及びメタ解析を行った。調べた変異体の数によって決定されたBonferroniの有意性閾値を用いて、再現された関連を定義した。発見試験及び再現試験のメタ解析も行った。本文で報告されているP値はすべて対立遺伝子モデルに相当する。
【0314】
トランスアミナーゼが関連する一塩基変異体も慢性肝疾患の表現型(本明細書に記載されているように定義され、解析された)との関連を調べた。変異体の数及び調べた広い慢性肝疾患のカテゴリーによって決定されたBonferroniの有意性閾値を用いて関連の有意性を決定した。再現された新規の変異体をGHS減量手術コホートに由来する組織病理学的に定義された肝臓表現型との関連についても調べた。
【0315】
慢性肝疾患の表現型との関連解析
肝臓酵素ExWASに由来する13の有意で且つ再現された一塩基変異体を上記に記載されているようにGHS発見コホートから定義された慢性肝疾患の表現型との関連について解析した。P<0.05/26(P<1.92×10-3)のBonferroniの有意性閾値を用いて13の変異体及び調べた2つの広い慢性肝疾患のカテゴリー(アルコール性及び非アルコール性)を説明した。HSD17B13 rs72613567変異体はさらに、上記に記載されているように、GHS減量手術コホートに由来する組織病理学的に定義された肝臓の表現型との関連について解析した。年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び祖先の最初の4つの主成分について調整した後、ロジスティック回帰のFirthのペナルティ付き尤度法を用いてオッズ比を推定した。同じ共変量を用いてHSD17B13 rs72613567について遺伝子型のオッズ比を推定した。
【0316】
DLSにおける肝疾患についてのオッズ比は年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び自己申告の民族性について調整したロジスティック回帰によって推定した。利用できるrs72613567の遺伝子型を持つDallas心臓試験に由来する参加者を正常対照(n=4,279)として使用した。DPLSにおけるオッズ比はロジスティック回帰によって推定した。
【0317】
13のエクソーム全体の有意な及び再現している一塩基変異体の発見コホートにおける肝疾患表現型との関連を
図4に示す。
PNPLA3 rs738409(p.I148M)とHSD17B13 rs72613567との間での遺伝的相互作用-解析
PNPLA3 rs738409とHSD17B13 rs72613567との複合効果を評価するために、相加的遺伝モデルを想定して、相互作用期間と同様に双方の遺伝的変異体についての主効果をモデル化する、それぞれ線形回帰及びロジスティック回帰を用いて、定量的(ALT及びAST)形質及び二元性(非アルコール性肝疾患及びアルコール性肝疾患)形質についての関連解析を行った。モデルはすべて年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び祖先の最初の4つの主成分について調整した。ベースRにおけるglm関数を用いて統計的解析を行った。
【0318】
ソフトウェア
遺伝的関連解析は、GCTAソフトウェア、バージョン1.25.0(Yang,et al.,Am.J.Hum.Genet.,2011,88,76-82)及びPLINK、バージョン1.9.0を用いて行った。分位点・分位点プロット及びManhattanプロットはRソフトウェア、バージョン3.2.1(統計的コンピューター計算のためのRプロジェクト)を用いて生成した。領域関連プロットはLocusZoom(Pruim,et al.,Bioinformatics,2010,26,2336-7)を用いて生成した。
【0319】
RNA配列決定試験
Agilent RNA Nanoバイオアナライザーチップにて全RNAを流すことによってRNAの品質及び濃度を評価し;試料はすべて8より大きいRNA完全性番号(RIN)を有した。オリゴ(dT)25ビーズ(Thermo Fisher Scientific)による2回の濃縮を用いて、ポリアデニル化RNA転写物を単離した。RNAcleanXPビーズ(Beckman Coulter)によって試料を精製し、濃縮し、およそ140塩基対に熱断片化した。ランダムヘキサマーを用いてSuperScriptIII逆転写酵素(Thermo Fisher Scientific)によって第1の鎖の合成を完了し;第2の鎖の合成の間にdTTPをdUTPに置き換えた。ウラシルDNAグリコシラーゼ工程を加えてエクソームについて上記で参照した標準のDNAライブラリ調製法に従って試料を処理し、鎖特異的配列決定ライブラリを生成した。試料をプールし、Illumina v4 HiSeq 2500にて75bpの対合末端配列決定を用いて配列決定した。
【0320】
新規のHSD17B13転写物の同定及び検証
2つのミスマッチを許容するArrayStudio(登録商標)ソフトウェア(OmicSoft(登録商標),Cary,NC)を用いて、読み取りデータをHuman.B38にマッピングした。2つのアプローチを採用して新規のHSD17B13転写物を同定した。ArrayStudioを用いたGencode v24に基づいて新規のエクソン接合部が発見された。初期設定でのTrinity(v2.2.0)を用いてデノボ転写物アセンブリを行った。カスタム遺伝子モデルを作り出し、HSD17B13の新規転写物を組み込み、転写物の定量はカスタム遺伝子モデルに対する読み取り配列比較によって推定した。同定されたHSD17B13アイソフォームすべてのタンパク質配列比較を決定した。白金TM TaqDNAポリメラーゼ(Thermofisher)によるSuperScript(商標)ワンステップRT-PCRシステムを用いてヒト肝臓試料に由来する全RNAでRT-PCRを行った。各50μLのRT-PCR反応物は、1×反応物ミックス、500nMのそれぞれ順行及び逆行のプライマー(PST516:ATGAACATCATCCTAGAAATCCTTC;配列番号62)及びPST517:ATCATGCATACATCTCTGGCTGGAG;配列番号63)、1μLのRT/白金Taq、及び75ngのRNAを含有した。サイクル条件は、45℃で30分間の1サイクルと、94℃で2分間の1サイクルと、94℃で20秒間、53℃で30秒間及び72℃で90秒間の40サイクルと、72℃で5分間の1サイクルであり、次いで10℃で保持した。QIAquick PCR精製キット(Qiagen)を用いて産物を精製し、プライマーDE002(ATCAGAACTTC AGGCCTTGG;配列番号64)を用いた直接Sanger配列決定に付した。B及びCの転写物を同定するために、RT-PCR産物をSYBR GoldSYBR(登録商標)Gold Nucleic Acid Gel Stain(Thermofisher)で染色する2%アガロースゲルで流し、予想された分子量のバンドを切り出し、QIAquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いて精製し、次いでTOPO(登録商標)TAクローニングキット(Thermofisher)によるクローニングに供した。M13F及びM13Rの配列決定プライマーを用いてTOPOクローンの配列決定を行った。シーケンチャーDNA解析ソフトウェア(Gene Codes Corporation)を用いて配列の解析を行った。
【0321】
最初のエクソン(GCAAAGCCATGAACATCATCC;配列番号65)及び最後のエクソン(TCTTGATGTAGTGGGAGTCGGATT;配列番号66)における遺伝子特異的なプライマーを用いて白金Taq High Fidelity (Thermo Fisher Scientific)によるSuperScriptIIIワンステップRT-PCRシステムによって50ngの全RNAから直接、完全長HSD17B13転写物を増幅し、約2.2kb(最大予測サイズの転写物)のアンプリコンを生成した。Agilentバイオアナライザーでアンプリコンを検証した。PacBioに適合性のバーコード付きアダプターをアンプリコンにライゲーションし、PacBioPBビーズ(Pacific Biosciences)で浄化した。ライブラリを等量でプールし、PacBioRSIIプラットフォームにて1つのSMRT細胞で180分間配列決定した。PacBioソフトウェアsmrtanalysis v2.3ツールlabelzmwを用いてデータを脱多重化し、次いでコンセンサスツールアンプリコン解析によって解析した。得られたアンプリコンをHSD17B13のRefSeq遺伝子と比較してアイソフォーム及び遺伝子型の状況を決定した。
【0322】
HSD17B13のアイソフォームの細胞内局在
HSD17B13のA及びDの転写物を運ぶレンチウイルスをHepG2細胞に感染させ、安定な細胞株を選択し、免疫蛍光法を用いてHSD17B13のアイソフォーム、脂肪滴及び小胞体を可視化した。手短には、10%ウシ胎児血清で補完したEagleの最低必須培地にてHepG2細胞を培養した。HSD17B13のA及びDの転写物をMyc-DDKが主鎖のレンチウイルス構築物にサブクローニングし、レンチウイルスを生成した。HSD17B13の転写物を運ぶレンチウイルスをHepG2細胞に感染させた。各HSD17B13の転写物を発現している安定な細胞株を完全培養培地における1~3mg/mLのゲネチシンG-418硫酸塩によって2週間選択した。固定に続いて、HSD17B13のアイソフォームをマウス抗Myc抗体によって検出した。脂肪滴をBODIPY FL染料(Sigma)で標識した。脂質被覆タンパク質及び小胞体をウサギ抗PLIN抗体(Sigma)及びウサギ抗カルネキシン抗体(Cell Signaling Technology)で標識した。免疫蛍光法用の二次抗体は、Alexa Fluor488ロバ抗ウサギIgG及びAlexa Fluor594ロバ抗マウスIgG(Jackson ImmunoResearch)だった。
【0323】
ヒト肝臓生検組織におけるHSD17B13タンパク質発現の定量
プロテアーゼ及びホスファターゼの阻害剤混合物(Thermo-fisher)の存在下で氷冷1×RIPA溶解緩衝液(EMD Millipore)にてヒト肝臓及び細胞ペレットの試料をホモジネートした。上清を回収し、BCAタンパク質アッセイ(Thermo-fisher)を用いたタンパク質濃度のために使用した。ヒト組織溶解物を30μg/ウェルで負荷し、及び安定な細胞株を9μg/ウェルで負荷し、SDS/PAGEゲル(Bio-Rad)にて分離し、PVDF膜(Bio-Rad)に移した。0.1%のTween20(Bio-Rad)で補完した1×TBSにおける5%(wt/vol)のミルクで1時間、膜をブロックした。HSD17B13に対する抗体(1:200、Thermo-fisher)及びB-アクチンに対する抗体(1:500、Cell Signaling Technology)と共に膜を4℃で一晩インキュベートした。HRPを結合した抗ウサギ抗体(1:10,000、Jackson ImmunoResearch)を用いて結合した抗体を検出し、化学発光試薬(Thermo-fisher)を用いて増感した。Image Jソフトウェアを用いてバンドの強度を定量した。
【0324】
HSD17B13酵素活性の試験管内及び細胞での特性評価
HSD17B13の転写物Aまたは転写物Dを内部に持つプラスミドDNAで形質転換したE.coli(Genscript)から組換えヒトHSD17B13タンパク質を精製した。HSD17B13変異体はC末端に10×Hisタグを含有し、Ni2+親和性精製を用いて可溶性分画から精製した。NAD(P)H-Glo検出システム(Promega)を用いたNADH産生の測定を介して酵素活性を決定した。100μLの最終体積にて0.2Mのトリス-HCl、pH7.5、0.5mMのNAD+、75μMの基質(Sigma)及び500ngの精製酵素において25℃で3時間、反応を行った。インキュベートの後、20μLの反応物を20μLのルシフェラーゼ試薬(Promega)と合わせ、室温で1時間インキュベートし、Envisionプレートリーダー(Perkin Elmer)で読み取った。
【0325】
HSD17B13の転写物A、転写物Dまたは緑色蛍光タンパク質(GFP、対照)を過剰発現しているHEK293細胞を用いて細胞に基づくアッセイにてエストラジオールに対するHSD17B13の活性を検討した。エストラジオールは各細胞型に与えられた。48時間後、培地を回収し、エストラジオール及びその変換産物であるエストロンの濃度を特定し、LC-MSによって定量した。ヒドロキシエストラジオール(エストラジオールの代謝産物)及びヒドロキシエストロン(エストロンの代謝産物)はLC-MSによって同定した。
【0326】
実施例2:66のヒト肝臓試料におけるHSD17B13及びPNPLA3の遺伝子発現の解析
66のヒト肝臓試料においてHSD17B13及びPNPLA3の遺伝子発現を解析した。試料はすべて、脂肪症、小葉炎症または線維症がない対照ドナーに由来した。HSD17B13 rs72613567(T/T、T/TA、及びTA/TA)及びPNPLA3 rs738409(C/C、C/G、及びG/G)の遺伝子型の分布を表1に示す。
【0327】
【0328】
PNPLA3の発現はHSD17B13 rs72613567のスプライス変異体のホモ接合型互性保有者では有意に低下した(
図7を参照のこと)。mRNAの発現はFPKM単位で示した。FDR0.0071でT/Tと比べて1.6倍の低下が観察された。HSD17B13のTA/TA遺伝子型を持つ変異体PNPLA3のC/C保有者はHSD17B13のT/T保有者と比べると有意に低下した発現を有し:1.7倍(FDR0.017)の低下だった。TA/TA遺伝子型を持つ変異体PNPLA3のC/G保有者は発現で低下を示したが、統計的に有意ではなかった(1.4倍、FDR1)。
図8は、HSD17B13 rs72613567の3つの遺伝子型(T/T、T/TA、TA/TA)における63人のPNPLA3 rs738409保有者(C/C及びC/G、表1を参照のこと)の発現の差異を示す。
【0329】
変異体PNPLA3 p.I148Mの変異体はNAFLDについて最もよく検証された遺伝的リスク因子であり、148M対立遺伝子は祖先に応じて人々の5~25%ではホモ接合型の状態で存在する。HSD17B13 rs72613567:TAがPNPLA3 p.I148Mに関連する肝損傷のリスクを緩和するかどうかを理解するために、DiscovEHRにおけるALT、AST及び慢性肝疾患の表現型との関連での2つの変異体間の相互作用の解析を行った。これらの解析は、肥満(肥満度指数(BMI)>30kg/m
2)及び非肥満(BMI≦30kg/m
2)の亜集団と同様に参加者すべてで行った。ALT(相互作用についてP=1.8×10
-3)及びAST(相互作用についてP=4.5×10
-3)のレベルの関連解析にてHSD17B13 rs72613567:TAとPNPLA3 p.I148Mとの間には名目上有意な相互作用があった;これらの関連は主として肥満個体における関連によって推進された(
図9を参照のこと)。これらの解析では、rs72613567:TA対立遺伝子は上昇したALT及びASTとのPNPLA3 I148M対立遺伝子の対立遺伝子量に依存した関連を軽減した(
図10を参照のこと)。
図10を参照して、パネルAは、それぞれPNPLA3 p.I148のM遺伝子型を持つ個体におけるHSD17B13 rs72613567のALTとの関連を示し、パネルBはそれぞれPNPLA3 p.I148Mの遺伝子型を持つ個体におけるHSD17B13 rs72613567のASTとの関連を示す。効果推定値(ベータ及び95%CI)は、年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び祖先の4つの主成分についての調整と共に線形回帰を用いて算出した。
図11(パネルA~F)は、PNPLA3 rs738409(p.I148M)及びHSD17B13 rs72613567の遺伝子型による生の及び残差化されたALTのレベルを示す。残差は、年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び4つの主成分1~4について調整した線形回帰によって算出した。
図12(パネルA~F)は、PNPLA3 rs738409(p.I148M)及びHSD17B13 rs72613567の遺伝子型による生の及び残差化されたASTのレベルを示す。残差は、年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び4つの主成分1~4について調整した線形回帰によって算出した。
図13(パネルA~F)は、HSD17B13のスプライス変異体のホモ接合型(T/T)参照保有者、ヘテロ接合型(T/TA)及びホモ接合型(TA/TA)の互性保有者における4つの追加の新規のHSD17B13転写物(E~H)のmRNAの発現を示す。遺伝子モデルにおけるコーディング領域は赤及び非翻訳領域は黒で示す。転写物E及びHはエクソン3とエクソン4の間に追加のエクソンを含有する。転写物Fはエクソン6からイントロン6までのリードスルーに関与する。青の矢印はrs72613567からのA挿入物を示す。転写物Gはエクソン2を欠く。転写物G及びHにおける星印はエクソン6の3’末端でのGの挿入を説明し、それはタンパク質の中途での切り詰めにつながる(転写物Dと同様に)。転写物は、箱ひげ図で示すように、HSD17B13の遺伝子型に従って差別的に発現される。mRNAの発現はFPKM単位で示す。
【0330】
これらのデータは、HSD17B13 rs72613567:TA変異体が変異体PNPLA3 p.I148Mの変異体によって脂肪肝疾患に遺伝的に罹り易い素因を持つ個体にて肝損傷のリスクを軽減することを示唆している。この知見は、HSD17B13の治療調節にとって重要な亜集団-変異体PNPLA3の148M対立遺伝子についてヘテロ接合型またはホモ接合型の個体を示唆してもよい。
【0331】
実施例3:66のヒト肝臓試料におけるHSD17B13及びPNPLA3の遺伝子発現解析
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ及びアラニンアミノトランスフェラーゼとのエクソン変異体の関連
DiscovEHR試験(「GHS発見コホート」;
図1における基本的な人口構成)に由来する欧州系の46,544人にて血清のALTまたはASTのレベルとの関連について502,219の両対立遺伝子単一遺伝子変異を調べた。19の遺伝子にて合計35の変異がP<1.0×10
-7でALTまたはASTと関連することが見いだされた(
図14及び
図2を参照のこと)。
図14を参照して、GHS発見コホートにおける血清トランスアミナーゼのレベルとの一塩基変異の関連のManhattanプロット(左)及び分位点・分位点プロット(右)を示す。P<1.0×10
-7でアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)と有意に関連する16遺伝子における31の変異があった(パネルAを参照のこと)。P<1.0×10
-7でアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)と有意に関連する10遺伝子における12の変異があった(パネルBを参照のこと)。有意な関連はすべて
図2に示す。3つの別々の欧州系コホートの再現メタ解析においてALTまたはASTと有意に関連したままであるHSD17B13を含む9つの遺伝子(ここでは遺伝子名によって示す)での13の変異があった(
図3を参照のこと)。エクソン全体の分位点・分位点プロット及びゲノム対照ラムダ値によって示されるように、関連試験は適切に較正された。
【0332】
欧州系の人々の3つのコホート:(1)DiscovEHR(「GHS減量手術コホート」)由来の減量手術患者(n=2,644);(2)Dallas心臓試験に由来する1,357人;及びPenn医学バイオバンクに由来する8,526人にて再現試験を行った。再現コホートのメタ解析では、9つの遺伝子における13の変異がALTまたはASTの血清レベルと有意に関連した(調べた35の変異についてP<1.43×10
-3のBonferroniの有意な閾値(
図3を参照のこと)。これらには、高いトランスアミナーゼのレベルと関連することが以前報告された変異体、たとえば、PNPLA3(Romeo,et al.,Nat.Genet.,2008,40,1461-5)、TM6SF2(Kozlitina,et al.,Nat.Genet.2014,46,352-6)、SERPINA1(Brantly,et al.,Am.J.Med.,1988,84,13-31)、SAMM50(Kitamoto,et al.,Hum.Genet.,2013,132,783-92)、及びERLIN1(Feitosa,et al.,Atherosclerosis,2013,228,175-80)が含まれた。SERPINA1はアルファ-1-アンチトリプシンをコードするが、その機能的欠損は肝疾患の原因となる;SAMM50との関連にはPNPLA3における変異との連鎖不平衡が介在し、ERLIN1は肝臓の脂肪沈着に関与している。肝疾患に関連すると以前報告されなかった変異体も同定した。これらには、それぞれALT及びASTをコードする遺伝子であるGPT及びGOT1、ならびに溶質キャリアファミリー39メンバー12をコードするSLC39A12における幾つかの変異体が含まれた。
【0333】
17-ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼファミリーの未同定メンバーであるヒドロキシステロイド17-ベータデヒドロゲナーゼ13をコードする遺伝子であるHSD17B13における変異体とALT(発見P=4.2×10
-12、再現P=1.7×10
-4)及びAST(発見P=6.2×10
-10、再現P=1.7×10
-4、
図3を参照のこと)との間での再現可能な関連も同定した。関連する変異体であるrs72613567は、エクソン6のドナーのスプライス部位に隣接するアデニンの挿入(TA対立遺伝子)であり、GHS発見コホートにて26.0%の対立遺伝子頻度を有した。以前、Chambers,et al.はALTレベルに関連する4q22にて隣接する遺伝子座(rs6834314)を同定した(Chambers,et al.Nat.Genet.,2011,43,1131-8);rs72613567はこれまでトランスアミナーゼのレベルに関連するとは報告されていなかった。HSD17B13は同じ遺伝子ファミリーの別のメンバーであるHSD17B11の30kb上流にある。発見コホート(
図6を参照のこと)にて、または発見コホートと3つの再現コホートとの共同メタ解析にてHSD17B11におけるコーディング変異またはスプライス変異とトランスアミナーゼのレベルの間ではエクソン全体の有意な関連は観察されなかった。さらに、rs72613567のHSD17B11における変異体との連鎖不平衡は祖先群すべてにわたって控え目だった(祖先群すべてにおけるHSD17B11での確認された変異すべてとのr
2<0.4、データは示さず)。まとめて、これらの知見はトランスアミナーゼのレベルと機能的に関係する可能性が最も高いゲノム領域における遺伝子としてのHSD17B13を示唆している。
【0334】
エクソン変異体の慢性肝疾患の臨床診断との関連
慢性肝疾患の最も進行した形態:アルコール性肝硬変、非アルコール性肝硬変及び肝細胞癌(HCC)と同様にアルコール性及び非アルコール性(非ウイルス性)の肝疾患を含む、発見及び再現のコホートならびに慢性肝疾患にて見いだされた9つの遺伝子における13のトランスアミナーゼに関連する変異の間での関係性も解析した。調べた13の変異についてのP<1.92×10
-3のBonferroniの有意な閾値を用いて、5つの遺伝子(HSD17B13、SERPINA1、TM6SF2、PNPLA3、及びSAMM50)における6つの変異と慢性肝疾患の表現型との間で有意な関連が見いだされた(
図4を参照のこと)。SERPINA1、TM6SF2、PNPLA3、及びSAMM50との関連は以前報告された関連を裏付けている。発見コホートでは、HSD17B13 rs72613567:TAは対立遺伝子量に依存してアルコール性及び非アルコール性の肝疾患双方のEHRに由来するカテゴリーすべて(
図15、パネルAを参照のこと):アルコール性肝疾患のカテゴリーすべての低いオッズ、ヘテロ接合型オッズ比(OR
het)(95%信頼区間)0.58(0.42-0.80)、ホモ接合型OR(OR
hom)0.47(0.23-0.97)、対立遺伝子OR(OR
allelic)0.62(0.48-0.81)、P=1.8×10
-4;非アルコール性肝疾患のカテゴリーすべての低いオッズ、OR
het0.83(0.75-0.92)、OR
hom0.70(0.57-0.87)、OR
allelic0.84(0.78-0.91)、P=1.3×10
-5に関連した。HSD17B13 rs72613567:TAは、それぞれヘテロ接合型及びホモ接合型についてアルコール性肝硬変の42%及び73%の低いオッズ(OR
het0.58(0.39-0.86)、OR
hom0.27(0.09-0.85)、OR
allelic0.56(0.41-0.78)、P=3.4×10
-4)で、ならびにそれぞれヘテロ接合型及びホモ接合型について非アルコール性肝硬変の26%及び49%の低いオッズ(OR
het0.74(0.60-0.93)、OR
hom0.51(0.31-0.85)、OR
allelic0.74(0.62-0.88)、P=4.5×10
-4)で、低いオッズのアルコール性及び非アルコール性の肝硬変にも関連した。HSD17B13 rs72613567:TAは、名目上、低いオッズのHCCにも関連した。
【0335】
これらの知見は、多民族Dallas肝臓試験(DLS)及びDallas小児肝臓試験(DPLS)にて確認され、拡大適用された(
図5を参照のこと)。DLSでは、TA対立遺伝子は対立遺伝子量に依存して任意の肝疾患の低いオッズと関連した(OR
het0.74(0.57-0.97)、OR
hom0.41(0.21-0.83)、OR
allelic0.70(0.5-0.88)、P=1.8×10
-3、
図15のパネルBを参照のこと)。同様の効果は、アルコール性(OR
allelic0.72(0.53-0.99)、P=4.4×10
-2)及び非アルコール性(OR
allelic0.65(0.40-1.07)、P=9.0×10
-2)の肝疾患の進行した肝硬変の形態との保護的関連を含めて、EHRに由来する肝疾患の亜型にわたって認められた。自己申告の民族性によって群分けされた個体のサブセット解析では、肝疾患との関連は、ヒスパニック系アメリカ人(n=326症例及び722の対照、OR
allelic0.51(0.35-0.74)、P=4.0×10
-4)で有意だった;統計的有意性は達成しないが、同様の数的傾向は、DLSのサブセットであるアフリカ系アメリカ人(n=33症例及び2,291の対照、OR
allelic0.74(0.25-2.47)、P=0.67)及び欧州系アメリカ人(n=158症例及び1,266の対照、OR
allelic0.87(0.65-1.15)、P=0.32)でも言及された。ヒスパニック系アメリカ人の小児肝疾患患者及び肥満対照の別の試験であるDPLSでは、TA対立遺伝子は肝疾患の低いオッズ(OR
allelic0.61(0.37-0.99)、P=4.6×10
-2)にも関連した。従って、HSD17B13 rs72613567:TAは、3つの無関係な集団における成人及び小児にて肝硬変を含む慢性肝疾患の複数の形態の低下したオッズに関連した。
【0336】
図15を参照して、HSD17B13 rs72613567:TAはアルコール性及び非アルコール性の肝疾患の表現型の低下したリスクに関連することが示される。GHS発見コホートでは、HSD17B13 rs72613567は対立遺伝子量に依存して非アルコール性及びアルコール性の肝疾患、肝硬変及び肝細胞癌の低いオッズに関連する(パネルAを参照のこと)。オッズ比は、年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び祖先の主成分について調整してロジスティック回帰を用いて算出した。ヘテロ接合型(HetOR)保有者及びホモ接合型(HomOR)保有者についての遺伝子型のオッズ比も示す。Dallas肝臓試験では、HSD17B13 rs72613567は対立遺伝子量に依存して任意の肝疾患の低いオッズに関連した(パネルBを参照のこと)。同様の対立遺伝子量依存性の効果は肝疾患の亜型にわたって認められた。オッズ比は、年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び自己申告の民族性について調整してロジスティック回帰を用いて算出した。
【0337】
PNPLA3 rs738409(p.I148M)とHSD17B13 rs72613567との間での遺伝的相互作用
変異体PNPLA3のp.I148Mの変異体はNAFLDについて最もよく検証された遺伝的リスク因子であり、I148M対立遺伝子は祖先に応じtr個体の5~25%にてホモ接合型の状態で存在する。HSD17B13 rs72613567がPNPLA3 p.I148Mに関連する肝損傷のリスクを緩和するかどうかを理解するために、DiscovEHRにおけるALT、AST及び慢性肝疾患の表現型との関連にて2つの変異体間での相互作用の解析を行った。これらの解析は、参加者すべて、と同様に肥満(肥満度指数[BMI]≧30kg/m
2)及び非肥満(BMI<30kg/m
2)の亜集団にて実施した。ALT(相互作用についてP=1.8×10
-3)及びAST(相互作用についてP=4.5×10
-3)のレベルの関連解析ではHSD17B13 rs72613567:TAとPNPLA3 p.I148Mとの間には名目上有意な相互作用があった;これらの関連は主として肥満個体における関連によって推進された(
図9を参照のこと)。これらの解析では、rs72613567:TA対立遺伝子は、上昇したALT及びASTとのPNPLA3 I148M対立遺伝子の対立遺伝子量依存性の関連を軽減した(
図16、
図11及び
図12を参照のこと)。RNAの配列決定に基づく発現解析は、HSD17B13 rs72613567:TAが対立遺伝子量に依存してPNPLA3のmRNA発現の低下に関連することを明らかにした(
図7を参照のこと)。これらのデータは、HSD17B13 rs72613567:TA変異体が、変異体PNPLA3のp.I148M変異体によって脂肪肝疾患に遺伝的に罹患しやすい素因を持つ個体における肝損傷のリスクを軽減することを示唆している。
【0338】
図16を参照して、HSD17B13 rs72613567:TAは、PNPLA3 p.I148Mに関連する肝損傷のリスクを軽減することが示される。それぞれPNPLA3 p.I148Mの遺伝子型を持つ個体におけるHSD17B13 rs72613567のALTとの関連(パネルAを参照のこと)。それぞれPNPLA3 p.I148Mの遺伝子型を持つ個体におけるHSD17B13 rs72613567のASTとの関連(パネルBを参照のこと)。効果の推定値(ベータ及び95%CI)は、年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び祖先の4つの主成分について調整して線形回帰を用いて算出した。ALT及びASTのレベルの関連解析におけるHSD17B13 rs72613567:TAとPNPLA3 p.I148Mとの間での相互作用についてのP値はそれぞれP=1.8×10
-3及びP=4.5×10
-3だった。
【0339】
HSD17B13 rs72613567:TAの肝臓病理との関連
NAFLDは、有意な炎症の証拠がない肝臓の脂肪蓄積(単純な脂肪症)からさらに臨床的に影響力の強いNASHまでに及ぶ疾患スペクトルを説明する。HSD17B13 rs72613567:TAとEHRに由来する肝疾患の診断コードとの間での関連を確認するために、且つ脂肪症からNASHまでの組織病理学的な進行とのその関連をさらに理解するために、GHS減量手術コホートにおける関連の検査を行った。減量手術の時点での肝臓生検によって評価された全エクソームを配列決定した2,391人のこのコホートでは、合計555人(23%)は脂肪症、脂肪性肝炎または線維症の証拠を有さず(「正常」)、830人(35%)は単純な脂肪症を有し、1006人(42%)はNASHを有した。遺伝子型により正常肝臓、単純な脂肪症及びNASHの保有率を比較すると、正常肝臓の保有率は遺伝子型によって異なるとは思われない(それぞれT/T、T/TA及びTA/TAの保有者について23%、24%及び23%、割合の傾向についてのカイ二乗検定によってP=0.5)が、NASHの保有率は各TA対立遺伝子と共に低下し(それぞれT/T、T/TA及びTA/TAの保有者について45%、40%及び31%、P=1.6×10
-4)、単純な脂肪症の保有率は各TA対立遺伝子と共に上昇する(それぞれT/T、T/TA及びTA/TAの保有者について33%、35%及び47%、P=1.1×10
-3)(
図17、パネルAを参照のこと)ことが観察された。脂肪症の個体間では、TA対立遺伝子は対立遺伝子量に依存して、単純な脂肪症と比べてNASHの統計的に有意に低いオッズに関連した(OR
het0.87(0.71-1.06)、OR
hom0.48(0.33-0.70)、OR
allelic0.77(0.66-0.90)、P=6.5×10
-4)(
図17、パネルBを参照のこと)。要するに、これらのデータは、単純な脂肪症からNASH及び線維症のさらに進行した段階までのNAFLDの進行に介在するHSD17B13についての役割を示唆している。
【0340】
図17を参照して、HSD17B13 rs72613567:TAは単純な脂肪症から脂肪性肝炎及び線維症への進行のリスクの軽減に関連することが示される。GHS減量手術コホートに由来する肝臓生検による2,391人におけるHSD17B13 rs72613567の遺伝子型に従って組織病理学的に特徴付けた肝疾患の保有率(パネルAを参照のこと)。正常な肝臓の保有率は遺伝子型によって異なるとは思われなかった(割合の傾向についてのカイ二乗検定によってP=0.5)が、NASHの保有率は各TA対立遺伝子と共に低下し(P=1.6×10
-4)、単純な脂肪症の保有率は各TA対立遺伝子と共に上昇した(P=1.1×10
-3)。GHS減量手術コホートでは、HSD17B13 rs72613567はそれぞれヘテロ接合型及びホモ接合型のTA保有者にてNASHの13%及び52%の低いオッズに関連した(パネルBを参照のこと)。オッズ比は、年齢、年齢の2乗、性別、BMI及び祖先の主成分について調整してロジスティック回帰を用いて算出した。ヘテロ接合型(HetOR)及びホモ接合型(HomOR)の保有者についての遺伝子型のオッズ比も示す。
【0341】
HSD17B13のmRNA及びHSD17B13タンパク質の発現に対するrs72613567:TAの効果
遺伝子の既知の及び新規の転写物の発現に対するHSD17B13 rs72613567:TA対立遺伝子の効果を調べた。RNAの配列決定を用いて、HSD17B13 rs72613567スプライス変異体の22のT/Tホモ接合型、30のT/TAヘテロ接合型及び17のTA/TAホモ接合型の保有者に由来する組織学的に正常な肝臓試料にてHSD17B13のmRNAの発現を評価した。2つのHSD17B13転写物A及びBに加えて、2つの新規の転写物:エクソン6を欠く転写物C及びタンパク質の中途での切り詰めを生じると予測されるエクソン6の3’末端でのグアニンヌクレオチドの挿入を含有する転写物Dを同定した。4つの追加の転写物(E~H)は非常に低いレベルで発現された(
図13を参照のこと)。転写物はRT-PCR及びSangerの配列決定によって検証した(データは示さず)。転写物DもロングリードのcDNA配列決定を用いて検証した。これらの転写物の発現レベルはHSD17B13 rs72613567の遺伝子型に従って変化した;対立遺伝子量に依存して各TA対立遺伝子と共に、転写物A及びBのレベルは低下した一方で、転写物C及びDのレベルは上昇した(
図18、パネルA及びBを参照のこと)。完全長の300アミノ酸のタンパク質をコードする転写物AはT/Tホモ接合型で優勢な転写物だった一方で、中途で切り詰められるタンパク質をコードする転写物DはTA/TAホモ接合型で優勢な転写物だった。ヒト肝臓の生検組織では、切り詰められるアイソフォームDタンパク質はヘテロ接合型及びTA/TAホモ接合型にて最少限に存在したが、アイソフォームAタンパク質の多量は対立遺伝子量に依存して低下した(
図18、パネルC及びDを参照のこと)。これらのデータはmRNAのスプライシングを変化させるHSD17B13 rs72613567に一致し、ヒト肝臓では実質的に発現を減らすタンパク質の切り詰め形態の合成を生じる。
【0342】
図18を参照して、新規のHSD17B13転写物の発現、細胞内局在及び酵素活性を示す。HSD17B13 rs72613567のスプライス変異体のホモ接合型参照(T/T)、ヘテロ接合型互性(T/TA)及びホモ接合型互性(TA/TA)の保有者におけるHSD17B13転写物A及びDの発現(パネルAを参照のこと)。HSD17B13遺伝子のコーディング領域は赤で示し、非翻訳領域は黒の太線として示し、イントロンは黒の細線として示す。転写物Dにおける星印はrs72313567に由来するA挿入を示す。mRNAの発現はFPKM単位(100万のマッピングしたリード当たりの転写物のキロベース当たりの断片)で示される。HSD17B13転写物A及びDを過剰発現しているHepG2細胞のウエスタンブロット。HSD17B13転写物Dは、HSD17B13転写物Aと比べて分子量が小さい切り詰められたタンパク質に翻訳された(パネルBを参照のこと)。新鮮で凍結したヒト肝臓及びHEK293細胞の試料に由来するHSD17B13のウエスタンブロット(パネルCを参照のこと)。ヒト肝臓試料は、HSD17B13 rs72613567のスプライス変異体のホモ接合型参照(T/T)、ヘテロ接合型互性(T/TA)及びホモ接合型互性(TA/TA)の保有者に由来する。細胞試料は、タグを付けていないHSD17B13転写物A及びDを過剰発現しているHEK293細胞に由来する。HSD17B13転写物DはHSD17B13アイソフォームAより分子量が小さい切り詰められたタンパク質アイソフォームDに翻訳された。HSD17B13アイソフォームDタンパク質のレベルは、ヒト肝臓(左)及び細胞(右)の試料の双方に由来するアイソフォームAタンパク質のレベルより低かった(パネルDを参照のこと)。アクチンに対して基準化したタンパク質のレベルを棒列で示した;
**P<0.001、
*P<0.05。HSD17B13アイソフォームA及びDの双方は脂肪滴の膜に局在した(パネルEを参照のこと)。HSD17B13転写物AまたはDを安定して過剰発現しているHepG2をBODIPYで標識して脂肪滴を示し、及び抗Mycで標識してHSD17B13の局在を示した。図はすべて同じ程度に拡大した。尺度棒は10μmを示す。挿入図は元々の画像の4×拡大を表す。17-ベータエストラジオール(エストラジオール)、ロイコトリエンB4(LTB4)及び13-ヒドロキシオクタデカジエン酸(13(S)-HODE)に対するHSD17B13アイソフォームA及びDの酵素活性(パネルFを参照のこと)。HSD17B13アイソフォームDは、アイソフォームAについて相当する値の<10%の酵素活性を示す。HEK293細胞で過剰発現された場合のG、HSD17B13アイソフォームDは培養培地で測定するとエストラジオール(基質)のエストロン(生成物)への多くの変換を示さなかった一方で、過剰発現したHSD17B13アイソフォームAは強力な変換を示した。
【0343】
ヒト肝臓細胞におけるHSD17B13の発現
HSD17B13は肝臓にて主として発現され(Liu,et al.,Acta Biochim.Pol.,2007,54,213-8)、その際、それは脂肪滴に局在する(Su,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2014,111,11437-42)ということは、脂肪肝疾患の病態形成における役割に矛盾しない。HSD17B13の発現及びその局在は、HSD17B13転写物A及びDを発現しているレンチウイルスで安定して形質導入した不死化ヒト肝臓細胞にて評価した。HSD17B13アイソフォームAはBODIPYで標識した脂肪滴を取り囲む膜にて主として検出された(
図18、パネルEを参照のこと)。同様の細胞内局在は脂肪滴表面でのHSD17B13アイソフォームDについて観察された(
図18、パネルFを参照のこと)。
【0344】
試験管内及び細胞モデルにおけるHSD17B13の活性に対するrs72613567:TAの効果
rs72613567:TAに起因してHSD17B13タンパク質が中途で切り詰められることの機能的結果を理解するために、組換えタンパク質を用いてアイソフォームA及びDの酵素活性を試験管内で評価した。300を超える推定上の基質を調べたが、そのうちエストラジオール、ロイコトリエンB4及び13-ヒドロキシオクタデカジエン酸はHSD17B13によって酵素的に変換され、ヒドロキシル基のケトン基への酸化を生じた。HSD17B13アイソフォームDは3つの基質に対して大きく低下した活性を示した(
図18、パネルFを参照のこと)。
【0345】
GFP対照と比べて、HSD17B13転写物Aを過剰発現している細胞が細胞培養培地にて高い濃度のエストロンと同様に低い濃度のエストラジオールを有したということは、エストラジオールに対する酵素活性を示唆している(
図18、パネルGを参照のこと)。HSD17B13転写物Dを過剰発現している細胞がGFP対照細胞に類似するエストロン/エストラジオールの比を有したということはHSD17B13転写物Dが有意な機能喪失を有することを示唆している。質量分光分析は、消費されたエストラジオールと比べてエストロンの少ない蓄積を説明する、エストロンのヒドロキシエストロン及び他の生成物への急速な変換を明らかにした。
【0346】
大規模なエクソームの配列決定を介して、HSD17B13におけるスプライス変異体と、低下した血清トランスアミナーゼのレベルと同様に肝疾患の進行した肝硬変の形態及びHCCを含む肝疾患の非アルコール性及びアルコール性の形態のリスクの低下との間で新規の関連を特定した。我々の知る限りでは、これは肝疾患との保護的関連を有するタンパク質を変化させる変異体の最初の報告である。HSD17B13 rs72613567:TA対立遺伝子は単純な脂肪症に関連しなかったが、NASHへの進行のリスクの低下に関連した。幾つかの異なる肝疾患のカテゴリー及び民族性にわたる4つの独立したコホート(DiscovEHR、DiscovEHRにおける独立した減量手術コホート、DLS及びDPLS)における量に依存した保護的関連の一貫性は、報告されたHSD17B13の変異体が慢性肝疾患のさらに臨床的に進んだ段階への進行から保護するという見解を支持している。観察された対立遺伝子量への依存性は、HSD17B13の機能のさらに奥深い調節が疾患のリスク及び進行に対してさらに奥深い効果を生じてもよいことも示している。HSD17B13 rs72613567:TA対立遺伝子は変異体PNPLA3 p.I148Mの変異体によって脂肪肝疾患に遺伝的に罹患し易い素因を持つ個体における肝損傷のリスクも軽減する。この知見は、HSD17B13の治療的調節にとって重要な亜集団-変異体PNPLA3 148M対立遺伝子についてヘテロ接合型またはホモ接合型の個体を示唆してもよい。
【0347】
本明細書に記載されている関連の知見は高いBMIを有する欧州系及びヒスパニック系のアメリカ人における所見に主として基づく。HSD17B13は、HSD17B13に対して高い配列類似性を持つが、組織分布がさらに広い、同じ遺伝子ファミリーのメンバーであるHSD17B11にごく接近して存在する。全体的に見て、本明細書で提示したデータはHSD17B13がヒトにおける脂肪肝疾患の予防及び治療のための潜在的な治療標的であることを支持している。本明細書で提示したデータは、HSD17B13を標的とすることは、脂肪症から、有意な罹患率及び死亡率に関連し、現在有効な治療がないNASH、線維症及び肝硬変の後期段階への肝疾患の進行を減らし得ることを示している。
【0348】
実施例4:HSD17B13 rs72613567:TAはPNPLA3 I148Mに関連するアルコール性及び非アルコール性の肝疾患のリスクを軽減する
脂肪症、小葉炎症または線維症がない対照ドナーに由来する29,928のヒト肝臓試料のHSD17B13及びPNPLA3の遺伝子型を、アルコール性肝疾患を有する患者に由来する190の試料または非アルコール性肝疾患を有する1857人の患者と比較することによって、HSD17B13及びPNPLA3の遺伝子型の肝疾患との関連を解析した。オッズ比は、95%の信頼区間でHSD17B13及びPNPLA3の遺伝子型の各組み合わせについて(疾患を有する群の発生率)/(対照群の発生率)の方程式によって算出した。
図19を参照して、パネルAはそれぞれPNPLA3 p.I148Mの遺伝子型を持つ個体におけるHSD17B13 rs72613567のアルコール性肝疾患との関連を示し、パネルBはそれぞれPNPLA3 p.I148Mの遺伝子型を持つ個体におけるHSD17B13 rs72613567の非アルコール性肝疾患との関連を示す。データは、PNPLA3 p.I148Mがアルコール性及び非アルコール性の肝疾患双方の発生率と対立遺伝子量依存性に関連することを実証している。HSD17B13 rs72613567:TA遺伝子型は、対立遺伝子量に依存する方法で、アルコール性及び非アルコール性の肝疾患双方のリスクの低下と関連した。
【配列表】