(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】燃料電池及び可逆熱力学を結合する、エネルギーを生産するアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04007 20160101AFI20240213BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20240213BHJP
H01M 8/04111 20160101ALI20240213BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20240213BHJP
H01M 8/00 20160101ALN20240213BHJP
【FI】
H01M8/04007
H01M8/04 J
H01M8/04111
H01M8/04 N
H01M8/10 101
H01M8/00 Z
(21)【出願番号】P 2020536794
(86)(22)【出願日】2018-12-27
(86)【国際出願番号】 FR2018000274
(87)【国際公開番号】W WO2019129940
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-17
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(73)【特許権者】
【識別番号】516284345
【氏名又は名称】サフラン・パワー・ユニッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・トーヴェロン
(72)【発明者】
【氏名】バンジャマン・ボワイヨ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-バティスト・ジョリー
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-147314(JP,A)
【文献】特開2009-283178(JP,A)
【文献】特表2008-506819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04-8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池(1)、及び第1の熱伝達流体を受けるように構成され、少なくとも部分的に前記燃料電池(1)の周りに配列された流体電池回路(2)を含む、エネルギーを生産するアセンブリであって、前記アセンブリは、交互に、
-前記燃料電池(1)によって生産された熱エネルギーを退避させ、前記第1の熱伝達流体を通じてそれを機械エネルギーに変換し、
-前記第1の熱伝達流体を通じて熱エネルギーを前記燃料電池(1)に入力する、
ように構成された可逆熱力学システムを含み、
前記熱力学システムは、
-第2の熱伝達流体を受けるように構成された流体熱力学回路(18)と、
-前記流体熱力学回路(18)と前記流体電池回路(2)との間で熱エネルギーを交換することが意図された第1の
熱交換器(3)と、
-前記流体熱力学回路(18)と外部源との間で熱エネルギーを交換することが意図された第2の
熱交換器(4)と、
を含む、ことを特徴とする、前記アセンブリ。
【請求項2】
前記可逆熱力学システムは、前記第1の熱交換器(3)に接続された、熱エネルギーを生産する少なくとも1つのモジュールを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
熱エネルギーを生産するモジュールは、熱エネルギーを生産する前記モジュールによって生産された前記熱エネルギーを前記流体電池回路(2)に交換するように、前記流体熱力学回路(18)を通じて前記第1の
熱交換器(3)に流体的に及び/または熱的に接続される、請求項1または2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記可逆熱力学システムは、有機ランキンサイクルモジュール及び熱ポンプを関連付けるシステムを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記熱ポンプは、前記第1の
熱交換器(3)及び前記第2の
熱交換器(4)と直列して配列された圧縮機(5)及び膨張器(6)を含む、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記有機ランキンサイクルモジュールは、前記流体熱力学回路(18)内で前記第2の熱伝達流体を循環させることが意図されたタービン(8)及び少なくとも1つのポンプ(7)を含み、前記タービン(8)及び前記ポンプ(7)は、前記第1の
熱交換器(3)及び前記第2の
熱交換器(4)と直列して配列される、請求項4または5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記圧縮機(5)は、前記タービン(8)と並列して配列され、前記ポンプ(7)は、前記膨張器(6)と並列して配列される、請求項5を引用する場合の請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記流体熱力学回路(18)は、前記第1の
熱交換器(3)、前記膨張器(6)、前記第2の
熱交換器(4)、前記圧縮機(5)、及び再度前記第1の
熱交換器(3)に流体的に接続する熱ポンプ回路を含む、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記流体熱力学回路(18)は、前記第1の
熱交換器(3)、前記タービン(8)、前記第2の
熱交換器(4)、前記ポンプ(7)及び再度前記第1の
熱交換器(3)に連続して流体的に接続する有機ランキンサイクルモジュール回路を含む、請求項7または8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
交互に、前記タービン(8)または前記圧縮機(5)、及び前記ポンプ(7)または前記膨張器(6)に前記第2の熱伝達流体を切り替える部材を含む、請求項7~9のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記可逆熱力学システムは、交互に、熱エネルギーから機械エネルギーを生産し、機械エネルギーから熱エネルギーを生産するように構成された可逆スターリングエンジン(15)を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記流体熱力学回路(18)は、第1のループ(18a)及び第2のループ(18b)を含み、前記第1のループ(18a)は、前記第1の
熱交換器(3)と前記スターリングエンジン(15)の温熱区域(20)との間の前記第2の熱伝達流体の循環を可能にするように構成され、前記第2のループ(18b)は、前記第2の
熱交換器(4)と前記スターリングエンジン(15)の冷熱区域(21)との間の前記第2の熱伝達流体の循環を可能にするように構成される、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のループ(18a)の前記第2の熱伝達流体と前記スターリングエンジン(15)の前記温熱区域(20)の周りで循環するように構成された中間熱伝達流体との間で熱エネルギーを交換するように構成された、前記第1のループ上に配列された第3の熱交換器(16)、及び前記第2のループ(18b)の前記第2の熱伝達流体と前記スターリングエンジン(15)の前記冷熱区域(21)の周りで循環するように構成された前記中間熱伝達流体との間で熱エネルギーを交換するように構成された、前記第2のループ(18b)上に配列された第4の熱交換器(17)を含む、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記燃料電池(1)は、高温プロトン交換膜タイプの燃料電池である、請求項1~13のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記燃料電池(1)によって生産された電子の流れから電気を生産するように構成された、前記燃料電池(1)と関連付けられたエネルギーを生産するモジュールを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載のエネルギーを生産するアセンブリによってエネルギーを生産する方法であって、以下のステップ、
-前記電池への熱エネルギーの入力によって前記燃料電池(1)を起動するステップと、
-電流及び熱エネルギーを生成する前記燃料電池(1)を機能させるステップと、
を含み、
前記起動するステップの間、可逆熱力学システムは、第1の熱伝達流体を通じて熱エネルギーを前記燃料電池(1)に入力し、前記可逆熱力学システムを機能させる前記ステップは、前記第1の熱伝達流体を通じて前記燃料電池(1)によって生産された前記熱エネルギーを退避させ、第2の熱伝達流体を通じてそれを機械エネルギーに変換する、
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項17】
前記起動するステップの間、第1の熱交換器(3)は、流体熱力学回路(18)内で循環する第2の熱伝達流体から流体電池回路(2)内で循環する第1の熱伝達流体に熱エネルギーを伝導する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記起動するステップの間、第2の熱交換器(4)は、外部源から前記流体熱力学回路(18)内で循環する前記第2の熱伝達流体に熱エネルギーを伝導する、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記熱力学システムは、前記燃料電池(1)を機能させる前記ステップの間に機能し、生産された熱を電気エネルギーに変換するように構成された有機ランキンサイクルモジュールを含み、前記有機ランキンサイクルモジュールは、前記燃料電池(1)を起動する前記ステップの間に機能し、熱エネルギーを前記燃料電池(1)に供給するように構成された熱ポンプと関連付けられる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記燃料電池(1)を起動する前記ステップの間、前記第2の熱伝達流体は、前記第2の熱伝達流体を循環させる圧縮機(5)を連続して通過することによって、前記流体熱力学回路(18)内で循環し、次いで、前記第2の熱伝達流体は、前記第1の
熱交換器(3)に移り、前記第2の熱伝達流体は、凝縮され、前記燃料電池(1)の起動のために熱エネルギーを前記第1の熱伝達流体に伝達し、次いで、膨張器(6)を通過し、前記第2の熱伝達流体は、圧力降下を受け、次いで、前記第2の
熱交換器(4)を通過し、前記第2の熱伝達流体は、温熱源から熱エネルギーを回復させることによって蒸発される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記燃料電池(1)を機能させる前記ステップの間、前記第2の熱伝達流体は、連続して、前記第1の
熱交換器(3)を通過し、それは、前記流体電池回路(2)内で循環する前記第1の熱伝達流体から熱エネルギーを回復させることによって気化され、次いで、タービン(8)を通過し、前記第2の熱伝達流体は、拡大し、機械エネルギーの生産を可能にし、次いで、前記第2の
熱交換器(4)を通過し、前記第2の熱伝達流体は、冷熱源と接触して凝縮され、次いで、ポンプ(7)を通過し、前記第2の熱伝達流体は、前記第1の
熱交換器(3)に送られるよう加圧されることによって前記流体熱力学回路(18)内で循環する、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記熱力学システムは、前記燃料電池(1)を起動する前記ステップの間に熱エネルギーを前記燃料電池(1)に供給するように構成され、前記燃料電池(1)を機能させる前記ステップの間に生産された熱を機械エネルギーに変換するように構成された可逆スターリングエンジン(15)を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記起動するステップの間、前記第2の熱伝達流体は、外部源(9)との交換によって前記第2の
熱交換器(4)のレベルにおいて熱エネルギーを回復させ、次いで、前記スターリングエンジン(15)内で循環する作動流体との交換によって、熱エネルギーを前記スターリングエンジン(15)の冷熱区域(21)に伝導し、ホイール(26)によって作動されるピストン(25)は、
前記スターリングエンジン(15)の温熱区域(20)内で前記作動流体を移動させ、前記第2の熱伝達流体は、前記第1の
熱交換器(3)内で前記第1の熱伝達流体を伝達する、前記スターリングエンジン(15)の前記温熱区域(20)の前記作動流体との交換によって熱エネルギーを回復させる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
機能させる前記ステップの間、前記第2の熱伝達流体は、前記第1の熱伝達流体との交換によって前記第1の
熱交換器(3)のレベルにおいて熱エネルギーを回復させ、次いで、機械エネルギーを生産し、前記冷熱区域(21)内で前記作動流体を移動させる前記
スターリングエンジンのピストン(25)を作動させるように、前記スターリングエンジン(15)内で循環する作動流体との交換によって、熱エネルギーを前記スターリングエンジン(15)の温熱区域(20)に伝導し、前記第2の熱伝達流体は、前記スターリングエンジン(15)の前記冷熱区域(21)の前記作動流体との交換によって熱エネルギーを回復させる、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池及び可逆熱力学システムを結合する、エネルギーを生産するアセンブリに関する。
【0002】
本発明は、特にプロトン交換膜タイプの燃料電池の機能の改善に関する。
【0003】
本発明は、プロトン交換膜燃料電池が使用される全ての分野における用途を有する。
【0004】
本発明は、好ましくは輸送の分野に適用される。
【背景技術】
【0005】
最先端技術
ポリマ電解質膜燃料電池(PEMFC)の名称の下でもプロトン交換膜燃料電池が既知である。PEMFCは、低圧力及び温度の範囲において機能することを可能にする。それらは、特定のポリマ電解質膜を含む。
【0006】
PEMFCは、二水素(H2)及び二酸素(O2)の電気化学反応の間に放出される化学エネルギーを電気エネルギーに変換し、熱エネルギーを生産するそれらの2つの物質の熱化学反応の「反対」を処理する。水素噴流は、電極膜のアセンブリの陽極側に向かって方向付けられる。この例では、それは、陽子及び電子に触媒的に分割される。この半電池における酸化反応は、
H2→2H++2e-
によって説明される。
【0007】
同時に、酸素の流れは、MEAの陰極側から方向付けられる。二酸素分子は、水分子を形成するために、ポリマ電解質膜を通じて横断する陽子及び外回路を通じて到達する電子と反応する。半電池におけるこの還元反応は、電解で記述される。
4H++4e-+O2→2H2O
【0008】
このタイプの燃料電池は、水素が供給され、酸素は、電気出力と同一の規模の熱出力を供給する。これは、高温、有利には、120度~180度で燃料電池が機能するときに全て当てはまる。
【0009】
したがって、熱の除去が、過熱、したがって、膜の悪化を回避するための主要な課題である。この熱を退避させるいくつかの方式が存在し、熱伝達液体の循環が、専用熱回路を有するバイポーラ板の内部、または例えば、燃料電池の2~3個の電池ごとに挿入された専用板内で保証されること、水が電池の入口において空気により注入され、及び熱が水の部分蒸発によって除去されること、各々のバイポーラ板がフィンを備えること、及び熱が外気の強制循環によって退避されること、である。したがって、全てのそれらの選択肢では、冷却回路は、その循環機、任意選択で(液体のケース)外側への熱交換器を有する液体及び気体ループを含む。
【0010】
その上、特に、それらのシステムによって生産されたエネルギーのコストを低下させることを目的に、燃料電池の電力効率を増大させるために、この熱エネルギーを増強することが研究されている。上記説明された熱交換器のレベルにおいて周囲空気との温度差が低いときはなおさらであり、よって、相対的に大きな交換器を使用することが必要である。
【0011】
特に、燃料電池によって生産された熱エネルギーを増強するために有機ランキンサイクルを実装するシステムを組み合わせる、非特許文献1の記事においてそれが説明されている。
【0012】
しかしながら、このタイプの開発は、様々な用途、特に輸送において使用可能な燃料電池を作成するために十分ではない。
【0013】
したがって、特にPEMFCタイプの燃料電池のエネルギー効率をも改善する解決策を提案する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】Won-Yong Lee等、Energy 113(2016)1062-1070、「Power optimization of a combined power system consisting of a high-temperature polymer electrolyte fuel cell and an organic Rankine cycle system」
【発明の概要】
【0015】
この目的を達成するために、実施形態に従って、本発明は、燃料電池、有利なことに少なくとも部分的に燃料電池の周りに配列された、第1の熱伝達流体を受けるように構成された流体電池回路を含む、エネルギーを生産するアセンブリを提供し、アセンブリは、代替的に、燃料電池によって生産された熱エネルギーを退避させ、第1の熱伝達流体を通じてそれを機械エネルギーに変換し、第1の熱伝達流体を通じて熱エネルギーを燃料電池に入力するように構成された可逆熱力学システムを含み、熱力学システムは、第2の熱伝達流体を受けるように構成された流体熱力学回路、及び流体熱力学回路と流体燃料回路との間で熱エネルギーを交換することが意図された第1の交換器、及び流体熱力学回路と外部源との間で熱エネルギーを交換することが意図された第2の交換器を含む。
【0016】
本発明は、電池によって生産された熱エネルギーの強化及び燃料電池の起動の間に必要なエネルギー消費の両方の強化を改善することによって、燃料電池からの全体的なエネルギー効率を著しく改善する利点を有する。
【0017】
確かに、特に高温において機能するPEMFCタイプの燃料電池に関する一連の調査は、それらの電池の起動に関する。確かに、電池が電気を生産し始めることができるように、膜が特に高温のPEMFCに対して120度程度の特定の温度に到達する必要がある。したがって、膜がこの温度に到達するように、熱エネルギー入力によって膜を加熱する必要がある。この熱は、例えば、膜を加熱するよう、電池の堆積に配置された電気抵抗によって入力される。この解決策は、エネルギーを大いに消費する。
【0018】
したがって、本発明は、機械エネルギー、更には電気エネルギーを生産するよう熱エネルギーを退避させると共に、エネルギーを低く消費することによって、両方の機能方向において機能するように構成された熱力学システムのおかげで熱エネルギー入力を可能にする。
【0019】
実施形態によれば、可逆熱力学システム、有利なことにその1つのみが、代替的に、機械エネルギー生産、例えば、有機ランキンサイクル、及び熱エネルギー生産、例えば、機械蒸気圧縮サイクルにおいて機能するように構成された熱力学サイクルを有するモジュールを含む。
【0020】
実施形態によれば、可逆熱力学システムは、代替的に、機械エネルギー生産及び熱エネルギー生産において機能するように構成されたスターリングエンジンを含む。
【0021】
本発明の別の態様は、上記説明されたような生産アセンブリによってエネルギーを生産する方法であって、以下の連続するステップ、
-電池に入力された熱エネルギーによって燃料電池を起動するステップと、
-電流及び熱エネルギーを生成する燃料電池を機能させるステップと、
を含み、
起動するステップの間、可逆熱力学システムは、第1の熱伝達流体を通じて熱エネルギーを燃料電池に入力し、機能させるステップの間、当該可逆熱力学システムは、第1の熱伝達流体を通じて燃料電池によって生産された熱エネルギーを退避させ、第2の熱伝達流体を通じてそれを機械エネルギーに変換する、ことを特徴とする方法に関する。
【0022】
本発明の目的、目標と共に特徴及び利点が、以下の支持図面によって示される後者の実施形態の詳細な説明からより良好に現われるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】電池を起動するステップの間の、本発明の実施形態によるエネルギーを生産するアセンブリの概略図である。
【
図2】電池を機能させるステップの間の、本発明の第1の実施形態によるエネルギーを生産するアセンブリの概略図である。
【
図3】電池を機能させるステップの間の、本発明の第1の実施形態の変形によるエネルギーを生産するアセンブリの概略図である。
【
図4】電池を機能させるステップの間の、本発明の第1の実施形態の変形によるエネルギーを生産するアセンブリの概略図である。
【
図5】電池を起動するステップの間の、本発明の第2の実施形態によるエネルギーを生産するアセンブリの概略図である。
【
図6】電池を機能させるステップの間の、本発明の第2の実施形態によるエネルギーを生産するアセンブリの概略図である。
【
図7】電池を機能させるステップの間の、本発明の第2の実施形態の変形によるエネルギーを生産するアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面は実施例として与えられ、発明を限定するものではない。それらは、発明の理解を促進することが意図された原則の概略図を構成し、実用的な用途と必ずしも同一縮尺ではない。点線は、非活性流体接続を示し、実線は、活性流体接続を示す。
【0025】
発明の実施形態の詳細なレビューを開始する前に、以下は、任意選択で関連してまた代替的に使用することができる、述べられた任意選択の特徴である。
○有利なことに、流体電池回路は、閉回路である。
○有利なことに、流体熱力学回路は、閉回路である。閉回路によって、これは、回路がループを形成し、第1の熱伝達流体及び第2の熱伝達流体は、有利なことに、継続的に循環する。
○有利なことに、可逆熱力学システムは、第1の熱交換器に接続された、好ましくは、電気が供給される、熱エネルギーを生産する少なくとも1つのモジュールを含む。
○有利なことに、熱エネルギーを生産するモジュールは、熱エネルギーを生産するモジュールによって生産された熱エネルギーを流体電池回路と交換するように、流体熱力学回路を通じて第1の交換器に流体的に及び/または熱的に接続される。
【0026】
実現性によれば、熱エネルギーを生産するモジュールは、熱ポンプ、より詳細には、少なくとも1つの圧縮機を含み、圧縮機は、第1の交換器に流体的に接続される。
【0027】
実現性によれば、熱エネルギーを生産するモジュールは、スターリングエンジンを含み、スターリングエンジンは、第1の交換器に熱的に接続される。
【0028】
有利なことに、可逆熱力学システムは、機械エネルギーを生産するモジュールを含む。
【0029】
実現性によれば、機械エネルギーを生産するモジュールは、有機ランキンサイクルモジュールを含む。
【0030】
実現性によれば、機械エネルギーを生産するモジュールは、スターリングエンジンを含む。
○有利なことに、可逆熱力学システム、有利なことにその1つのみが、蒸気機械圧縮サイクルの形式において有機ランキンサイクルモジュール及び熱ポンプを関連付ける。
○有利なことに、熱ポンプは、流体熱力学回路上で第1の交換器及び第2の交換器と直列して配列された圧縮機及び膨張器を含む。
○有利なことに、有機ランキンサイクルは、流体熱力学回路上で第1の交換器及び第2の交換器と直列して配列された、流体回路内で第2の熱伝達流体を循環させることが意図された、タービン及びポンプを含む。
○有利なことに、圧縮機は、流体熱力学回路上でタービンに並列して配列される。
○有利なことに、ポンプは、流体熱力学回路の膨張器に並列して配列される。
○有利なことに、流体熱力学回路は、第1の交換器、膨張器、第2の交換器、圧縮機、及び再度第1の交換器内で連続して第2の熱伝達流体が循環するように、第1の交換器、膨張器、第2の交換器、圧縮機、及び再度第1の交換器に連続して流体的に接続する熱ポンプ回路を含む。
○有利なことに、流体熱力学回路は、第1の交換器、タービン、第2の交換器、ポンプ、及び再度第1の交換器内で連続して第2の熱伝達流体が循環するように、第1の交換器、タービン、第2の交換器、ポンプ、及び再度第1の交換器に連続して流体的に接続する有機ランキンサイクルモジュールを含む。
○有利なことに、アセンブリは、タービンまたは圧縮機、及びポンプまたは膨張器に交互に第2の熱伝達流体を切り替える部材を含む。
○有利なことに、タービンは、交流機または圧縮機またはポンプに接続される。
○有利なことに、圧縮機は、電力供給機に接続される。
○有利なことに、可逆熱力学システムは、可逆スターリングエンジンを含む。
○有利なことに、スターリングエンジンは、熱ポンプなど、代替的に、熱エネルギーから機械エネルギーを生産し、機械エネルギーから熱エネルギーを生産するように構成される。
○有利なことに、流体熱力学回路は、第1のループ及び第2のループを含み、第1のループは、第1の交換器とスターリングエンジンの温熱区域との間の第2の熱伝達流体の循環を可能にするように構成されたポンプを含み、第2のループは、第2の交換器とスターリングエンジンの冷熱区域との間の第2の熱伝達流体の循環を可能にするように構成されたポンプを含む。
○有利なことに、アセンブリは、第1のループの第2の熱伝達流体とスターリングエンジンの温熱区域の周りで循環するように構成された中間熱伝達流体との間で熱エネルギーを交換するように構成された第1のループ上に配列された第3の熱交換器、及び第2のループの第2の熱伝達流体とスターリングエンジンの冷熱区域の周りで循環するように構成された熱伝達流体との間で熱エネルギーを交換するように構成された第2のループ上に配列された第4の熱交換器を含む。
○有利なことに、スターリングエンジンの少なくとも1つのピストン、好ましくは2つのピストンに接続されたホイールを含む。
○有利なことに、燃料電池は、高温プロトン交換膜タイプまたはHT-PEMFCタイプの燃料電池である。
○有利なことに、アセンブリは、燃料電池によって生産された電子の流れから電気を生産するように構成された燃料電池と関連付けられた、エネルギーを生産するモジュールを含む。
【0031】
統合の制約に適合した高出力/ボリューム比率をもたらし、蓄熱器の存在のおかげで効率性を改善すると共に、温熱源及び冷熱源の明らかな分離をもたらすので、アルファタイプエンジンを使用することが好ましい。このサイクルに対する作用する流体は、空気または窒素である。
●有利なことに、起動するステップの間、第1の熱交換器は、流体熱力学回路内で循環する第2の熱伝達流体及び流体電池回路内で循環する第1の熱伝達流体から熱エネルギーを伝導する。
●有利なことに、起動するステップの間、第2の熱交換器は、外部源から流体熱力学回路内で循環する第2の熱伝達流体に熱エネルギーを伝導する。
●有利なことに、熱力学システムは、燃料電池を機能させるステップの間に機能し、生産された熱を電気エネルギーに変換するように構成された有機ランキンサイクルモジュールを含み、有機ランキンサイクルモジュールは、燃料電池を起動するステップの間に機能する熱ポンプと関連付けられ、燃料電池に熱エネルギーを供給するように構成される。
●有利なことに、燃料電池を起動するステップの間、第2の熱伝達流体は、第2の熱伝達流体を循環させる圧縮機を連続して通過することによって流体熱力学回路内で循環し、次いで、第2の熱伝達流体は、第1の交換器に移り、第2の熱伝達流体は、凝縮され、燃料電池を起動するために第1の熱伝達流体に熱エネルギーを伝達し、次いで、膨張器を通過し、第2の熱伝達流体は、圧力降下を受け、次いで、第2の交換器を通過し、第2の熱伝達流体は、温熱源から熱エネルギーを回復させることによって蒸発される。
●有利なことに、燃料電池を機能させるステップの間、第2の熱伝達流体は、連続して、第1の交換器(3)を通過し、それは、流体電池回路内で循環する第1の熱伝達流体から熱エネルギーを回復させることによって気化され、次いで、タービンを通過し、第2の熱伝達流体は、拡大し、機械エネルギーの生産を可能にし、次いで、第2の交換器を通過し、第2の熱伝達流体は、冷熱源と接触して凝縮され、次いで、ポンプを通過することによって流体熱力学回路内で循環し、第2の熱伝達流体は、第1の交換器に送られるよう加圧される。
●有利なことに、流体熱力学回路は、ポンプと第1の交換器の入口において第2の熱伝達流体の温度を上昇させるように構成された第1の交換器との間に配列された蓄熱器を含む。
●有利なことに、熱力学システムは、燃料電池を起動するステップの間に燃料電池に熱エネルギーを供給するように構成され、燃料電池を機能させるステップの間に生産された熱を機械エネルギーに変換するように構成された可逆スターリングエンジンを含む。
●有利なことに、起動するステップの間、第2の熱伝達流体は、外部源との交換によって第2の交換器のレベルにおいて熱エネルギーを回復させ、次いで、スターリングエンジン内で循環する作動流体との交換によってスターリングエンジンの冷熱区域に熱エネルギーを伝導し、ホイールによって作動されるピストンは、温熱区域内で作動流体を移動させ、第2の熱伝達流体は、第1の交換器内で第1の熱伝達流体に伝達する、スターリングエンジンの温熱区域の作動流体との交換によって熱エネルギーを回復させる。
●有利なことに、機能させるステップの間、第2の熱伝達流体は、第1の熱伝達流体との交換によって第1の交換器のレベルにおいて熱エネルギーを回復させ、次いで、機械エネルギーを生産し、冷熱区域内で作動流体を移動させるエンジンのピストンを作動させるように、スターリングエンジン内で循環する作動流体との交換によってスターリングエンジンの温熱区域に熱エネルギーを伝導し、第2の熱伝達流体は、スターリングエンジンの冷熱区域の作動流体との交換によって熱エネルギーを回復させる。
【0032】
要素またはステップについての不定冠詞「a」または「an」の使用は、反対に言及されることを除き、複数のそのような要素またはステップを排除しない。
【0033】
本発明の範囲では、用語「~の上に(on)」、「載る(surmounts)」、「網羅する(covers)」、もしくは「下部の(underlying)」、またはそれらの派生は、「接触して(in contact with)」を必ずしも意味しないことが明記される。
【0034】
本説明では、表現「AがBに流体的に接続される」は、AとBとの間の部材が存在しないことを必ずしも意味しない。
【0035】
「直接交換(direct exchange)」または「直接結合(direct coupling)」によって、これは、熱エネルギー交換がいずれかの中間回路または構成要素なしに直接行われることを意味する。
【0036】
本発明は、燃料電池1を含むエネルギーを生産するアセンブリに関する。
【0037】
好ましくは、燃料電池1は、高温プロトン交換膜燃料電池であり、すなわち、それは、膜が90度~120度の程度の温度に到達するときに機能し始め、それは、起動、遷移機能である。機能している間、温度はむしろ、120度~180度にある。
【0038】
燃料電池1は、電気エネルギーを生産することが意図される。電池1は、電池に直接接続され、電気エネルギーを生産するよう電池1によって生産された電子の流れを回復させることが意図された電気10を生産するモジュールを含む。燃料電池はまた、熱エネルギーを生産する。本発明によるアセンブリは、第1の熱伝達流体を受けるように構成された流体電池回路2を含む。流体電池回路2は、閉回路であり、すなわち、回路は、ループを形成するように閉じられ、第1の熱伝達流体は有利なことに、循環する。第1の熱伝達流体は、ペンタンなど、すなわち、例えば、二酸化炭素CO2もしくはNH3の炭化水素タイプの熱伝達流体であり、またはハイドロフルオロカーボンタイプもしくはその同等物(HFC、HFO、もしくはHFE)の熱伝達流体である。流体電池回路2は有利なことに、電池1と少なくとも部分的に接触し、より詳細には、電池1の温熱部分と接触して配列される。例えば、第1の熱伝達流体が循環する交換板は、電池1の堆積に配列される。
【0039】
本発明によれば、アセンブリは、可逆熱力学システムを含む。この可逆熱力学システムはまた、可逆エネルギー変換システムとも称されてもよい。
【0040】
「可逆」によって、これは、熱力学システムが代替的に、熱エネルギーから機械エネルギーを生産し、または熱エネルギーを生産する際に機能することを意味する。したがって、同一の熱力学システムは、一実施形態により、及び他の実施形態において機能する。本発明に従った熱力学システムは、燃料電池1によって生産された熱エネルギーを退避させ、それを機械エネルギーに、更に任意選択で、電気エネルギーに変換し、代替的に、燃料電池1に熱エネルギーを供給するように構成される。よって、本発明によるアセンブリは、代替的に、2つの機能、すなわち、1つ次いでその他を有する。
【0041】
アセンブリは有利なことに、この目的のため、第2の熱伝達流体を受けるように構成された流体熱力学回路18を含む。流体熱力学回路18は、独立し、すなわち、それは流体電池回路2に流体的に接続されない。流体熱力学回路18は、閉回路であり、すなわち、ループを形成するように閉じられ、第2の熱伝達流体が循環する。第2の熱伝達流体は、第1の熱伝達流体とは同一または異なってもよい。第2の熱伝達流体は、ペンタンなど、すなわち、二酸化炭素CO2もしくはNH3の炭化水素タイプの熱伝達流体であり、またはハイドロフルオロカーボンタイプもしくはその同等物(HFC、HFO、もしくはHFE)の熱伝達流体である。
【0042】
熱力学システムは、流体熱力学回路18と流体電池回路2との間で熱エネルギーを交換することが意図された第1の熱動または熱交換器3、及び流体熱力学回路18と外部源9との間で熱エネルギーを交換することが意図された第2の熱動または熱交換器4を含む。
【0043】
第1の熱交換器3は、第1の熱伝達流体の入口201及び第1の熱伝達流体の出口202を含む。入口201及び出口202は、第1の交換器3への流体電池回路の流体接続を保証する。第1の熱交換器3は更に、第2の熱伝達流体の入口103及び第2の熱伝達流体の出口104を含む。入口103及び出口104は、第1の交換器3への流体熱力学回路の流体接続を保証する。
【0044】
有利なことに、熱力学システムは、燃料電池の熱エネルギーから機械エネルギーを生産するモジュール及び燃料電池に供給されることが意図された熱エネルギーを生産するモジュールを含む。
【0045】
熱エネルギーを生産するモジュールは有利なことに、電気が供給される。熱エネルギーを生産するモジュールは有利なことに、第1の熱交換器に流体的に接続される。
【0046】
熱エネルギーを生産するモジュールは、第1の実施形態によれば、熱ポンプを含む。熱ポンプは、電気が供給され、その第2の熱伝達流体の流体出口110が第1の熱交換器3の流体入口203に流体的に接続された圧縮機5を含む。
【0047】
熱エネルギーを生産するモジュールは、第2の実施形態によれば、スターリングエンジンを含む。スターリングエンジンは、電気が供給され、第1の交換器3、より詳細には、第1の交換器3の入口303、403に熱的に接続される。
【0048】
機械エネルギーを生産するモジュールは、第1の実施形態によれば、有機ランキンサイクルモジュールを含み、第2の実施形態によれば、スターリングエンジンを含む。
【0049】
第1の実施形態によれば、熱力学システムは、熱ポンプ可逆有機ランキンサイクルモジュール(ORC)を含む。以下で、ランキンモジュールとも称される有機ランキンサイクルモジュールは特に、低温度または中温度を有する熱源から機械力を生産することを可能にする。ランキンモジュールは、熱エネルギーを機械エネルギーに変換することによって、燃料電池1によって生産された熱エネルギーを増強することを可能にする。熱ポンプは、冷熱源などの低温媒体から温熱源などの高温媒体に熱エネルギー、すなわち、カロリーを伝達することを可能にする。したがって、熱エネルギーの自発伝達の「自然な方向」を反転することを可能にする。熱ポンプは、熱エネルギーを燃料電池1に供給することを可能にする。本発明によれば、熱力学システムは、代替的に、ランキンモジュールの実施形態及び熱ポンプの実施形態において機能する。
【0050】
有利なことに、本発明による熱ポンプは、15度~120度を含む温度範囲において機能する。それは、最先端の電気加熱に関して実質的な電気の節約を可能にする。熱ポンプの性能(COP)の係数は有利なことに、3~4の次数である。
【0051】
熱ポンプは、第1の熱交換器3及び第2の熱交換器4と直列して配列された膨張器6及び圧縮機5を含む。有利なことに、それらの部材は、特に、第2の熱伝達流体が好ましくは、第1の熱交換器3、膨張器6、第2の熱交換器4、及び圧縮機5、次いで、再度第1の熱交換器3を連続して通過するように、流体熱力学回路18、より詳細には、熱ポンプ回路と称される回路上に配列される。
【0052】
ランキンモジュールは、第1の熱交換器3及び第2の熱交換器4と直列して配列されたタービン8及びポンプ7を含む。有利なことに、それらの部材は、特に、第2の熱伝達流体が好ましくは、第1の熱交換器3、タービン8、第2の熱交換器4、及びポンプ7、次いで、再度第1の熱交換器3を連続して通過するように、流体熱力学回路18、より詳細には、ランキンモジュール回路と称される回路上に配列される。
【0053】
ランキンモジュール及び熱ポンプは、ハイブリダイズされる。これは、「ハイブリダイズ」によって、部材が本発明により熱力学システムを形成するよう関連付けられることを意味する。ランキンモジュール及び熱ポンプは、同一の流体熱力学回路、第1の熱交換器3、及び第2の熱交換器4を少なくとも部分的に共有し、確かに、熱ポンプ回路は、ランキンモジュール回路と少なくとも部分的に共通する。熱ポンプ及びランキンモジュールは、代替的に、関連付けられ、機能している。ランキンモジュールの結合及び熱ポンプの結合は、構造的に延長し、それらの機能は、代替的であり、同時ではない。
【0054】
より詳細には、膨張器6及びポンプ7は、流体回路18上で並列して配列され、すなわち、膨張器6は、有利なことに第1の交換器3及び第2の交換器4を接続する流体熱力学回路18の分岐13b上に配列され、ポンプ7は、有利なことに第1の交換器3及び第2の交換器4を接続する流体熱力学回路18の分岐13a上に配列される。2つの分岐13a、13bは並列し、2つの分岐13a、13bのいずれかにおける第2の熱伝達流体の循環は有利なことに、生産アセンブリを機能させる実施形態及び熱力学システムを機能させる実施形態によれば、例えば、2つの分岐13a、13bのいずれかにおける第2の熱伝達流体を方向付ける3方向弁19を含む切り替え部材によって制御される。
【0055】
同様に、タービン8及び圧縮機5は、流体回路上に並列して配列され、すなわち、タービン8は、有利なことに第1の交換器3及び第2の交換器4を接続する流体熱力学回路18の分岐14a上に配列され、圧縮機5は、有利なことに第1の交換器3及び第2の交換器4を接続する流体熱力学回路18の分岐14b上に配列される。2つの分岐14a、14bは並列し、2つの分岐14a、14bのいずれかにおける第2の熱伝達流体の循環は有利なことに、生産アセンブリを機能させる実施形態及び熱力学システムを機能させる実施形態によれば、例えば、2つの分岐14a、14bのいずれかにおける第2の熱伝達流体を方向付ける3方向弁19を含む切り替え部材によって制御される。
【0056】
ポンプ7は、流体熱力学回路18内で第2の熱伝達流体を循環させるように構成されたポンプである。タービン8は、回転シャフトを回転させることによって、熱エネルギーを機械エネルギーに変換する。異なる実現性によれば、タービンは、電気を生産するために交流機に接続され、または機械エネルギーを直接使用するために圧縮機もしくはポンプに接続される。
【0057】
有利な実現性によれば、熱力学システムは、エンジンもしくは交流機に結合され、またはエンジンもしくは交流機と関連付けられた可逆スクロール圧縮機を含む。この実現性は、熱力学システムにおける部材の数を制限することによって、投資、質量、及び容量における増大を可能にする。
【0058】
有利なことに、アセンブリの熱交換器のレベルにおける熱エネルギーを交換する2つの流体の流れは、交換を最適化するように反対方向に行われる。
【0059】
図1及び
図2に関連して、第1の実施形態による、エネルギーを生産するアセンブリの構造及び機能が以下で説明される。
【0060】
アセンブリは、第1の熱伝達流体を含む流体電池回路2を含む。流体電池回路は、代替的に、電池1から第1の交換器3に熱エネルギーを退避させ、または電池1から熱エネルギーを供給して、第1の交換器3のレベルにおいて回復するように、電池1及び第1の交換器3を連続して通過する。
【0061】
圧縮機5は有利なことに、輸送用途において特に組み込まれた、例えば、電気エネルギーまたは電気ネットワークを貯蔵したバッテリなどの電力供給機12によって供給される。
【0062】
膨張器6は、それを通過する第2の熱伝達流体を拡大させることを可能にするタイプの弁の膨張器である。
【0063】
図1は、本発明によるアセンブリを示し、熱力学システムは、熱ポンプと関連付けられたランキンモジュールを含む。図示されるケースでは、熱力学システムは、熱ポンプモードにおいて機能し、すなわち、第2の熱伝達流体は、熱ポンプの異なる要素を通過することによって、熱ポンプ回路と称される流体熱力学回路18内で循環する。
【0064】
流体電池回路2は、第1の交換器3において第1の熱伝達流体の入口101に流体的に接続された電池1の外側の第1の熱伝達流体の出口113を含む。第1の熱伝達流体は、第1の熱交換器3を通過し、電池1において第1の熱伝達流体の入口114に流体的に接続された出口102を通じて退出する。
【0065】
熱ポンプ回路と称される流体熱力学流体18が以下で説明され、第1の熱交換器3の第2の熱伝達流体の出口104は、膨張器6の入口105に流体的に接続される。第2の熱伝達流体は、第2の交換器4の入口107に流体的に接続された出口106を通じて膨張器6から退出する。第2の熱伝達流体は、圧縮機5の入口109に流体的に接続された出口108によって第2の交換器4から退出する。第2の熱伝達流体は、第1の熱動交換器3の入口103に流体的に接続された出口110を通じて圧縮機5から退出する。有利なことに、異なる部材の間の流体接続は、分岐13aまたは13b及び14aまたは14bへの第2の熱伝達流体を切り替えることを可能にする3方向タイプの弁19などの切り替え部材を含む。第2の熱交換器4のレベルにおいて、入口111を通じて第2の交換器4を貫通する外部源9を循環させ、出口112を通じて第2の交換器4から退出する。この外部源9は、冷熱源、例えば、航空機のキャビンからの空気、または加熱された水の源、または任意選択で、外気である。
【0066】
機能している間、
図1の本発明によるアセンブリは、場合によっては、電池1の起動を可能にする。
【0067】
第2の熱伝達は、圧縮機5に貫通する。圧縮機5は、有利なことに、気体状態、及びそこに侵入するよりも熱い状態で、圧縮機5の出口110を通じて退出する第2の熱伝達流体を循環させる。よって、第2の熱伝達流体は、有利なことに弁19によって切り替えられた後、凝縮器として機能する第1の交換器3を通過する。凝縮器3へのその通過の間、第2の熱伝達流体は、その熱エネルギー、すなわち、カロリーを伝達し、凝縮される。第2の熱伝達流体は、状態を変化させる。第1の交換器3では、第1の熱伝達流体は、電池1にそれらを供給するように、循環し、第2の熱伝達流体からカロリーを回復させる。有利なことに、流体接続、すなわち、凝縮器3と膨張器6との間に位置したパイプは、液体ラインと称され、第2の熱伝達流体は、液体状態にある。出口104において、第2の熱伝達流体は、弁19などの切り替え手段によって、膨張器6を含む分岐13bに切り替えられる。膨張器6は、液体状態にある第2の熱伝達流体において供給される。膨張器6は、第2の熱伝達流体の圧力降下を誘導する制約を生じさせる。膨張器6の出口106において、第2の熱伝達流体は、入口105におけるよりも低い圧力と共に低い温度を有する。第2の熱伝達流体は概して、二相混合にある。第2の熱伝達流体は、弁19などの切り替え部材を通じて第2の交換器4に向かって切り替えられ、次いで、蒸発器として機能する当該第2の交換器4を通過する。液体状態にある第2の熱伝達流体は、第2の交換器4内で循環する外部源9から来るカロリーを吸収することによって、第2の交換器4において蒸発する。よって、気体状態にある第2の熱伝達流体は、圧縮機5の入口109を通じて吸引され、サイクルが再開する。
【0068】
図2は、本発明によるアセンブリを示し、熱力学システムは、熱ポンプと関連付けられたランキンモジュールを含む。図示されるケースでは、熱力学システムは、ランキンモジュールの実施形態において機能し、すなわち、第2の熱伝達流体は、ランキンモジュールの異なる部材部材を通過することによって、流体回路内で循環する。
【0069】
流体電池回路2は、第1の交換器3において第1の熱伝達流体の入口201に流体的に接続された電池1の外側の第1の熱伝達流体の出口213を含む。第1の熱伝達流体は、第1の熱交換器3を通過し、電池1において第1の熱伝達流体の入口114に流体的に接続された出口202を通じて退出する。
【0070】
ランキンモジュール回路と称される流体熱力学回路18が以下で説明され、第1の熱交換器3の第2の熱伝達流体の出口204は、タービン8の入口205に流体的に接続される。第2の熱伝達流体は、第2の交換器4の入口207に流体的に接続された出口206を通じてタービン8から退出する。第2の熱伝達流体は、ポンプ7の入口209に流体的に接続された出口208を通じて第2の交換器4から退出する。第2の熱伝達流体は、第1の熱交換器3の入口203に流体的に接続された出口210を通じてポンプ7から退出する。有利なことに、異なる部材の間の流体接続は、分岐13aまたは13b及び14aまたは14bへの第2の熱伝達流体を切り替えることを可能にする3方向弁タイプの弁19などの切り替え部材を含む。第2の熱交換器4のレベルにおいて、入口211を通じて第2の交換器4に貫通する外部源9を循環させ、出口212を通じて第2の交換器4から退出する。外部源9は、上記説明された外部源と同一であってもよい。
【0071】
機能している間、
図2の本発明によるアセンブリは、場合によっては、電池1によって生産された熱エネルギーの退避、及び特に機械エネルギーにおけるその増強を可能にする。
【0072】
第2の熱伝達流体は、蒸発器として機能する第1の交換器3を通過する。蒸発器3へのその通過の間、第2の熱伝達流体は、熱エネルギー、すなわち、カロリーを回復させ、蒸発される。第2の熱伝達流体は、状態を変化させる。第1の交換器3では、第1の熱伝達流体は、電池1からそれらを退避させるように、循環し、第2の熱伝達流体にカロリーを伝導する。第2の熱伝達流体は、弁19などの切り替え手段を通じて、タービン8を含む分岐14aに切り替えられる。タービン8は、気体状態にある第2の熱伝達流体が供給される。拡大機とも称されるタービン8は、特に交流機11によって、電気エネルギーに変換される機械エネルギーを生成する回転シャフトを駆動することによって、高圧力から低圧力に第2の熱伝達流体を拡大することを可能にする。タービンの出口206において、第2の熱伝達流体は、入口205におけるよりも低い圧力と共に低い温度を有する。第2の熱伝達流体は、弁19などの切り替え部材を通じて第2の交換器4に切り替えられ、次いで、凝縮器として機能する当該第2の交換器4を通過する。気体状態にある第2の熱伝達流体は、第2の交換器4内で循環する外部源9にカロリーを解放することによって、第2の交換器4において凝縮される。液体状態にある第2の熱伝達流体は、出口208を通じて退出し、弁19などの切り替え手段を通じてポンプ7を含む分岐13aに切り替えられ、流体熱力学回路内で第2の熱伝達流体を循環させることを可能にする。熱伝達流体は、第1の熱交換器3に貫通するようポンプから退出し、サイクルが再開する。
【0073】
図3及び
図4は、第1の実施形態の変形を示し、本発明によるアセンブリは、燃料電池によって生産された熱エネルギーを貯蔵する手段、または熱エネルギーの直接使用を可能にする熱エネルギーを使用するモジュールを相補的に含む。実施例として、
図3に示される貯蔵手段は、加熱され、熱エネルギーを貯蔵する水バラスト22を含み、相変化材料などの他のタイプの蓄熱も使用されてもよい。
図3に示されるものなど、貯蔵手段は、タービン8及び圧縮機5と並列して流体熱力学回路18上に配列される。貯蔵手段は、並列分岐14c上に配列される。好ましくは、分岐14cは、3方向弁19などの
切り替え部材によって流体熱力学回路に接続される。
【0074】
同様に、
図4は、例えば、加熱炉または加熱装置23のような熱エネルギーを使用するモジュールの配列を示す。
【0075】
第2の実施形態によれば、熱力学システムは、可逆スターリングエンジンを含む。スターリングエンジンは、代替的に、燃料電池1によって生産された熱エネルギーから機械エネルギーを生産し、機械エネルギーから燃料電池に熱エネルギーを供給するように構成される。
【0076】
第1の実施形態にあるように、アセンブリは、電池1、より詳細には、電池1の膜に接触して配列された流体電池回路2を含む。
【0077】
同様に、熱力学システムは、流体熱力学回路18、第1の交換器3、及び第2の交換器4を含む。第1の交換器3は、流体熱力学回路12と流体電池回路2との間の熱エネルギーの交換を可能にする。同様に、第2の交換器4は、特に上記説明されたものなど、流体熱力学回路18と外部源9との間の熱エネルギーの交換を可能にする。
【0078】
スターリングエンジン15は、作動流体及び少なくとも1つのピストン25を受けるチャンバを含む。
【0079】
異なるタイプのスターリングエンジンが存在する。本発明によれば、統合の制約に適合した出力/ボリューム比率を増大させ、蓄熱器の存在のおかげで効率性を改善すると共に、温熱源及び冷熱源の明らかな分離をもたらすので、アルファタイプエンジンを使用することが好ましい。
【0080】
図5~
図7に表されるものなどのスターリングエンジン15は、アルファタイプエンジンに対応する。スターリングエンジンは、第1のピストン25aを受ける第1のチャンバ内で形成された温熱区域20、及び第2のピストン25aを受ける第2のチャンバ内で形成された冷熱区域21を含む。作動流体は、熱ポンプの実施形態、すなわち、熱エネルギーの生産においてピストン25a、25bによって、または機械エネルギーの生産の間にピストン25a及び25bを作動する作動流体の容積における変形によってのいずれかで、それらの2つの区域の間で移動する。ピストン25a及び25bは、電気を生産するようホイール26に接続され、任意選択で交流機11に接続され、またはホイールを作動するよう電力供給機12に接続される。
【0081】
好ましくは、流体熱力学回路18は、第1のループ18a及び第2のループ18bを含む。有利なことに、起動するステップの間、好ましくは、熱エネルギーの機械エネルギーへの変換を可能にする機能させるステップの間も、第1のループ18a及び第2のループ18bは、流体的に接続されない。第1のループ18a及び第2のループ18bは、独立した流体回路を形成する。好ましくは、2つのループ18a及び18b内で循環する熱伝達流体が理想的である。
【0082】
本発明によれば、流体熱力学回路18は、スターリングエンジン15と熱エネルギーを交換する。より詳細には、第1のループ18aは、スターリングエンジン15の温熱区域20と熱エネルギーを交換し、第2のループ18bは、スターリングエンジン15の冷熱区域21と熱エネルギーを交換する。
【0083】
第1のループ18aは、第1の交換器3を含み、第2のループ18bは、第2の交換器4を含む。
【0084】
第1のループ18aの第2の熱伝達流体と温熱区域20との間の熱動交換は、温熱区域20の周りの第2の熱伝達流体の循環によって直接行われてもよい。同様に、第2のループ18bの第2の熱伝達流体と冷熱区域21との間の熱動交換は、冷熱区域21の周りの第2の熱伝達流体の循環によって直接行われてもよい。
【0085】
有利なことに、特に
図5~
図7に示される別の実現性によれば、熱力学システムは、第3の熱交換器16及び第4の熱交換器17を含む。よって、第1のループ18aの第2の熱伝達流体と温熱区域20との間の熱交換は、第3の熱交換器によって行われる。熱伝達流体は、温熱区域20の周りで循環し、次いで、第3の交換器16によって第1のループ18aの第2の熱伝達流体と交換する。同様に、第2のループ18bの第2の熱伝達流体と冷熱区域21との間の熱動交換は、第4の熱交換器17によって行われる。熱伝達流体は、冷熱区域21の周りで循環し、次いで、第4の熱交換器17によって第2のループ18bの第2の熱伝達流体と交換する。
【0086】
第1のループ18aは、第1の交換器3及び第3の交換器16を含み、有利なことに、流体熱力学回路18の第1のループ18a内で第2の熱伝達流体を循環させるように構成されたポンプ7を含む。第3の交換器16は、流体熱力学回路、より詳細には第1のループ18aとスターリングエンジン15、より詳細にはエンジンの温熱区域20との間で熱エネルギーを交換するように構成される。
【0087】
第2のループ18bは、第2の交換器4及び第4の交換器17を含み、有利なことに、流体熱力学回路内で第2の熱伝達流体を循環させるように構成されたポンプ7を含む。第4の交換器17は、流体熱力学回路、より詳細には第2のループ18bと、スターリングエンジン15、より詳細にはエンジンの冷熱区域21との間で熱エネルギーを交換するように構成される。
【0088】
図5は、燃料電池を起動するステップを示し、熱エネルギーは、熱力学システムによって燃料電池に供給される。本発明によるアセンブリの配列及びその機能は、
図5に関して以下で説明される。
【0089】
起動する燃料電池は、熱エネルギーが供給される必要がある。アセンブリは、流体電池回路1を含む。流体電池回路1は、第1の交換器3において第1の熱伝達流体の入口301に流体的に接続された第1の熱伝達流体の出口325を通じて電池1から退出する第1の熱伝達流体を含む。第1の熱伝達流体は、第1の交換器3を通過し、電池1において第1の熱伝達流体の入口326に流体的に接続された出口303を通じて退出する。
【0090】
流体熱力学回路は、第1の交換器3における第2の熱伝達流体303の入口を含む第1のループ18aを含む。第2の熱伝達流体は、第1の交換器3を通過し、ポンプ7において第2の熱伝達流体の入口305に流体的に接続された出口304を通じて退出し、ポンプ7は、その出口306から、その入口307を通じて流体的に接続された第3の交換器16に第2の熱伝達流体を送る。第2の熱伝達流体16は、第3の熱交換器16を通過する。第2の熱伝達流体は、有利なことに第1の熱交換器3の入口303に流体的に接続された出口308を通じて第3の熱交換器16から退出する。
【0091】
第2のループ18bは、第2の熱交換器4を含み、第2の熱伝達流体は、入口319を通じて貫通する。第2の熱伝達流体は、第2の交換器4を通過し、有利なことに第4の交換器17の入口315に流体的に接続された出口320を通じて退出する。第2の熱伝達流体は、第4の交換器17を通過し、ポンプ7の入口317に流体的に接続された出口316を通じて退出し、ポンプ7は、第2のループ18b内で第2の熱伝達流体を循環させる。第2の熱伝達流体は、第2の交換器4の入口319に流体的に接続された出口318を通じてポンプから退出する。
【0092】
スターリングエンジン15の温熱区域20及び冷熱区域21と交換することが意図された第3の熱交換器の流体回路及び第4の熱交換器17の流体回路が以下で説明される。
【0093】
第3の交換器16の回路は、第3の交換器16の作動流体の入口310に流体的に接続されたスターリングエンジンの周りの熱伝達流体の出口309を含む。作動流体は、第3の交換器16を通過し、温熱区域20の周りで熱伝達流体の入口327に流体的に接続された出口311を通じて退出する。熱伝達流体は、温熱区域20の周りで循環し、出口309を通じて退出する。
【0094】
第4の交換器17の回路は、第4の交換器17の作動流体の入口312に流体的に接続されたスターリングエンジンの周りの熱伝達流体の出口328を含む。作動流体は、第4の交換器17を通過し、冷熱区域21の周りで熱伝達流体の入口314に流体的に接続された出口313を通じて退出する。熱伝達流体は、冷熱区域21の周りで循環し、出口312を通じて退出する。
【0095】
有利なことに、スターリングエンジンは、機械エネルギーをスターリングエンジン15に供給することが意図された電力供給機12に接続される。このケースでは、スターリングエンジンは、熱ポンプとして機能する。
【0096】
熱は、それを燃料電池に供給するよう外部源9から回復する。
【0097】
第2の交換器4のレベルにおいて、第2の熱伝達流体は、外部源9から熱エネルギーを回復させる。加熱された第2の熱伝達流体は、エンジンの冷熱区域21の周りの第2の熱伝達流体の循環によって、または第4の交換器17を通じてのいずれかで、その熱エネルギーをスターリングエンジンの作動流体に伝導し、第2の熱伝達流体及び中間熱伝達流体が循環する。第2の熱伝達流体は次いで、ポンプ7に貫通し、第2の交換器4に再度送られることになる。冷熱区域21内で加熱された作動流体は拡張する。ピストン25bを移動させる機械エネルギーは、ピストン25bを作動するホイール26を回転させるように構成された電力供給機12によって供給される。ピストン25は、温熱区域20に移動し、よって、温熱作動流体を温熱区域に移動させる。温熱区域20のレベルにおいて、作動流体は、第2の熱伝達流体の温熱区域20との接触によって直接、または第3の熱交換器16によってのいずれかで、その熱エネルギーを第1のループ18aの第2の熱伝達流体に伝導し、中間熱伝達流体及び第2の熱伝達流体が循環する。作動流体が冷却される。ピストン25の作動を可能にする電気エネルギーは、それを冷熱区域21に移動させ、よって、冷却された作動流体を再度加熱されることになる冷熱区域21に移動させる。作動流体によって加熱された第2の熱伝達流体は、その熱エネルギーを第1の熱伝達流体に伝達し、よって、熱エネルギーを電池1に供給するように、第1の熱交換器2に貫通する。
【0098】
図6は、燃料電池を機能させるステップを示し、熱エネルギーは、燃料電池によって生産され、熱力学システムによって退避及び増強される。本発明によるアセンブリの配列及びその機能は、
図6に関して以下で説明される。
【0099】
燃料電池1は、電池1によって生産された電子の流れから電気エネルギー10を生産するモジュールを含む。燃料電池は、熱エネルギーを生産する。アセンブリは、流体電池回路1を含む。流体電池回路1は、第1の交換器3において第1の熱伝達流体の入口401に流体的に接続された第1の熱伝達流体の出口425を通じて電池1から退出する第1の熱伝達流体を含む。第1の熱伝達流体は、第1の交換器3を通過し、電池1において第1の熱伝達流体の入口426に流体的に接続された出口403を通じて退出する。
【0100】
流体熱力学回路は、第1の交換器3において第2の熱伝達流体403の入口を含む第1のループ18aを含む。第2の熱伝達流体は、第1の交換器3を通過し、それが通過する第3の熱交換器16において第2の熱伝達流体の入口405に流体的に接続された出口404を通じて退出する。第2の熱伝達流体は、有利なことにポンプ7の入口407に流体的に接続された出口406を通じて第3の熱交換器16から退出し、ポンプ7は、その出口408から、その入口403を通じて流体的に接続された第1の交換器3に第2の熱伝達流体を再度送る。
【0101】
第2のループ18bは、第2の熱交換器4を含み、第2の熱伝達流体は、入口417を通じて貫通する。第2の熱伝達流体は、第2の交換器4を通過し、有利なことにポンプ420の入口419に流体的に接続された出口418を通じて退出し、ポンプ420は、第2のループ18b内で第2の熱伝達流体を循環させる。第2の熱伝達流体は、第4の交換器17の入口415に流体的に接続された出口420を通じてポンプから退出する。第2の熱伝達流体は、第4の交換器17を通過し、第2の交換器4の入口417に流体的に接続された出口416を通じて退出する。
【0102】
第3の交換器16の回路は、第3の交換器16の熱伝達流体の入口312に流体的に接続されたスターリングエンジンの周りの熱伝達流体の出口427を含み、温熱区域20の周りで熱伝達流体の入口414に流体的に接続された出口413を通じて退出する。熱伝達流体は、温熱区域20の周りで循環し、出口417を通じて退出する。
【0103】
第4の交換器17の回路は、第4の交換器17の熱伝達流体の入口410に流体的に接続されたスターリングエンジンの周りの熱伝達流体の出口409を含む。熱伝達流体は、第4の交換器17を通過し、冷熱区域21の周りで熱伝達流体の入口428に流体的に接続された出口411を通じて退出する。熱伝達流体は、冷熱区域21の周りで循環し、出口409を通じて退出する。
【0104】
有利なことに、スターリングエンジンは、交流機11もしくは圧縮機に接続され、または特にスターリングエンジンから電気エネルギーへの機械エネルギーの変換を可能にする。
【0105】
機能している間、
図6に関して上記説明されたアセンブリは、スターリングエンジンのレベルにおいて、機械エネルギー、更には電気にそれを変換するよう電池から熱エネルギーを退避させることを可能にする。
【0106】
燃料電池によって生産された熱は、電池のレベルにおいて第1の熱伝達流体から回復し、流体電池回路内で循環する。第1の熱伝達流体は、それが第1の熱交換器3を通過するとき、その熱エネルギー、すなわち、そのカロリーを第2の熱伝達流体に伝達する。第1の熱交換器3を通過する第2の熱伝達流体は加熱される。それは、入口においてあったときよりも高い温度において第1の交換器3から退出する。よって、第2の熱伝達流体は、第3の熱交換器16に貫通し、第2の熱伝達流体からスターリングエンジン15の作動流体に熱エネルギーを伝達することを可能にする。実現性によれば、第3の熱交換器は、スターリングエンジン15の温熱区域20と外部接触した中間熱伝達流体の循環を含む。
【0107】
示される実現性によれば、第2の熱伝達流体は、その熱エネルギーを第3の交換器16内で循環する中間熱伝達流体に伝導し、中間熱伝達流体は、スターリングエンジンの温熱区域20に貫通する前に温度において増大する。第2の熱伝達流体は、第3の冷却交換器から退出し、第1の交換器3の入口403に再度送られる前にポンプ7を通じて循環する。
【0108】
有利なことに、熱力学システムは、スターリングエンジン15の温熱区域20内の作動流体と冷熱区域21内の作動流体との間の温度差を増大させることが意図された第2のループ18bを含む。ループ18bでは、第2の熱伝達流体は、外部源9をも通過する第2の交換器4を通過する。このケースでは、外部源9は、冷熱であり、すなわち、それは、第2の交換器4内で循環する第2の流体の温度よりも低い温度を有する。外部源9は、上記説明されたようなものである。第2の交換器4を通過する第2の熱伝達流体は、好ましくは第4の交換器17のレベルまたはスターリングエンジンの冷熱区域21のレベルにおいて、スターリングエンジン15の作動流体と接触して侵入する前に冷却され、第2の熱伝達流体は、冷熱区域21の周りで循環する。第2の熱伝達流体は、冷熱区域21内で作動流体の温度を低下させるように、この区域21の作動流体から熱エネルギーを回復させる。第2の熱伝達流体は、その入口温度よりも高い温度において、第4の交換器から、または冷熱区域21と接触して退出する。第2の熱伝達流体は次いで、第2の熱伝達流体を第2の交換器4に再度戻すことが意図されたポンプ7を通過する。スターリングエンジンのレベルにおいて、温熱区域20のレベルにおいて第2の熱伝達流体によって加熱された作動流体は拡張し、その容積を増大させ、冷熱区域21の方向においてピストン25を押し出す。よって冷熱区域21に位置する作動流体は、第2のループ18bの第2の熱伝達流体との交換によって冷却される。作動流体の冷却は、その収縮につながり、よって、ピストン25は、温熱区域20に押し戻される、などである。ピストン25の並進運動は、有利なことに交流機11に接続されたホイール26に伝導される。
【0109】
第2の実施形態の代替的な実施形態によれば、流体熱力学回路は、流体回路からスターリングエンジンを退出させ、接続分岐上で、水バラストタイプ22の熱エネルギーを貯蔵する手段、または加熱炉もしくは加熱装置23として熱エネルギーを直接使用するモジュールを提供するように、特に
図7に示されたケースでは、第1のループ18a及び第2のループ18bを流体的に接続することを可能にする接続分岐323、324、423、424を含む。
【0110】
1 燃料電池
2 流体電池回路
3 第1の交換器(熱交換器)
4 第2の交換器(熱交換器)
5 圧縮機
6 減速機
7 ポンプ
8 タービン
9 源
10 電気を生産するモジュール
11 交流機
12 電力供給機
13a 並列分岐
13b 並列分岐
14a 並列分岐
14b 並列分岐
15 スターリングエンジン
16 第3の交換器(熱交換器)
17 第4の交換器(熱交換器)
18 流体熱力学回路
18a 第1のループ
18b 第2のループ
19 3方向弁
20 温熱区域
21 冷熱区域
22 水バラスト
23 加熱炉または加熱装置
24 作動流体回路
25a ピストン
25b ピストン
26 ホイール
27 温熱区域及び冷熱区域との間の連絡
101 第1の交換器内の第1の熱伝達流体入口
102 第1の交換器の第1の熱伝達流体出口
103 第1の交換器内の第2の熱伝達流体入口
104 第1の交換器の第2の熱伝達流体出口
105 減速機内の第2の熱伝達流体入口
106 減速機の第2の熱伝達流体出口
107 第2の交換器内の第2の熱伝達流体入口
108 第2の交換器の第2の熱伝達出口
109 圧縮機内の第2の熱伝達入口
110 圧縮機の第2の熱伝達流体出口
111 第2の交換器内の源入口
112 第2の交換器の源出口
113 電池の第1の熱伝達流体の出口
114 電池内の第1の熱伝達流体の入口
201 第1の交換器内の第1の熱伝達流体入口
202 第1の交換器の第1の熱伝達流体出口
203 第1の交換器内の第2の熱伝達流体入口
204 第1の交換器の第2の熱伝達流体出口
205 タービン内の第2の熱伝達流体入口
206 タービン内の第2の熱伝達流体出口
207 第2の交換器内の第2の熱伝達流体入口
208 第2の交換器の第2の熱伝達流体出口
209 ポンプ内の第2の熱伝達流体入口
210 ポンプの第2の熱伝達流体出口
211 第2の交換器内の源入口
212 第2の交換器の源出口
213 電池の第1の熱伝達流体の出口
214 電池内の第1の熱伝達流体の入口
301 第1の交換器内の第1の熱伝達流体入口
302 第1の交換器の第1の熱伝達流体出口
303 第1の交換器内の第2の熱伝達流体入口
304 第1の交換器の第2の熱伝達流体出口
305 ポンプ内の第2の熱伝達流体入口
306 ポンプの第2の熱伝達流体出口
307 第3の交換器内の第2の熱伝達流体入口
308 第3の交換器の第2の熱伝達流体出口
309 スターリングエンジンの作動流体出口
310 第3の交換器内の作動流体入口
311 第3の交換器の作動流体出口
312 第4の交換器内の作動流体入口
313 第4の交換器の作動流体出口
314 スターリングエンジンの作動流体入口
315 第4の交換器内の第2の熱伝達流体入口
316 第4の交換器の第2の熱伝達流体出口
317 ポンプ内の第2の熱伝達流体入口
318 ポンプの第2の熱伝達流体出口
319 第2の交換器内の第2の熱伝達流体入口
320 第2の交換器の第2の熱伝達流体出口
321 第2の交換器内の源入口
322 第2の交換器の源出口
323 接続分岐
324 接続分岐
325 電池の第1の熱伝達流体の出口
326 電池内の第1の熱伝達流体の入口
327 温熱区域の周りの中間熱伝達流体入口
328 冷熱区域の中間熱伝達流体出口
401 第1の交換器内の第1の熱伝達流体入口
402 第1の交換器の第1の熱伝達流体出口
403 第1の交換器内の第2の熱伝達流体入口
404 第1の交換器の第2の熱伝達流体出口
405 第3の交換器内の第2の熱伝達流体入口
406 第3の交換器の第2の熱伝達流体出口
407 ポンプ内の第2の熱伝達流体入口
408 ポンプの第2の熱伝達流体出口
409 スターリングエンジンの作動流体出口
410 第4の交換器内の作動流体入口
411 第4の交換器の作動流体出口
412 第3の交換器内の作動流体入口
413 第3の交換器の作動流体出口
414 スターリングエンジンの作動流体入口
415 第4の交換器内の第2の熱伝達流体入口
416 第4の交換器の第2の熱伝達流体出口
417 第2の交換器内の第2の熱伝達流体入口
418 第2の交換器の第2の熱伝達流体出口
419 ポンプ内の第2の熱伝達流体入口
420 ポンプの第2の熱伝達流体出口
421 第2の交換器内の源入口
422 第2の交換器の源出口
423 接続分岐
424 接続分岐
425 電池の第1の熱伝達流体の出口
426 電池内の第1の熱伝達流体の入口
427 温熱区域の中間熱伝達流体の出口
428 冷熱区域の周りの中間熱伝達流体の入口