(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240213BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240213BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240213BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240213BHJP
G02F 1/15 20190101ALI20240213BHJP
G02F 1/167 20190101ALI20240213BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240213BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20240213BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20240213BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G09F9/00 366A
G09F9/30 308Z
G02F1/1333
G02F1/1335 510
G02F1/15 506
G02F1/167
H05B33/14 A
H05B33/02
H10K59/00
(21)【出願番号】P 2020539158
(86)(22)【出願日】2019-08-21
(86)【国際出願番号】 IB2019057030
(87)【国際公開番号】W WO2020044171
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-08-19
(31)【優先権主張番号】P 2018163032
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】中村 太紀
(72)【発明者】
【氏名】藤田 一彦
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-226204(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0192951(US,A1)
【文献】国際公開第2018/138779(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G02F 1/1333
G02F 1/1335
G02F 1/15
G02F 1/167
H10K 50/10
H05B 33/02
H10K 59/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、保護カバーと、を有する表示装置であって、
前記表示パネルは、可撓性を有する第1の部分を有し、
前記保護カバーは、透光性及び可撓性を有し、且つ、前記表示パネルの表示面側に接して設けられ、
前記表示装置は、第1の形態と、第2の形態と、に可逆的に変形する機能を有し、
前記第1の形態のとき、前記表示パネルと、前記保護カバーとは、それぞれ概略平坦であり、
前記第2の形態のとき、前記表示面側が凹曲面となるように前記表示パネルの前記第1の部分が湾曲し、且つ、前記保護カバーの一部が前記第1の部分と同じ向きに湾曲し、
前記第2の形態のとき、前記第1の部分と、前記保護カバーとは接しておらず、
前記表示パネルは、第1のゲートドライバと、第2のゲートドライバと、前記第1のゲートドライバと前記第2のゲートドライバとの間に位置する領域を有する画素部と、有し、
前記第1のゲートドライバは、前記画素部の長手方向における第1の辺側に位置し、
前記第2のゲートドライバは、前記画素部の長手方向における第2の辺側に位置し、
前記第2の形態のとき、前記画素部、前記第1のゲートドライバ、及び前記第2のゲートドライバの各々は、前記第1の部分に位置する領域を有する、表示装置。
【請求項2】
表示パネルと、積層構造を有する保護カバーと、を有する表示装置であって、
前記表示パネルは、可撓性を有する第1の部分を有し、
前記保護カバーは、透光性及び可撓性を有し、且つ、前記表示パネルの表示面側に接して設けられ、
前記表示装置は、第1の形態と、第2の形態と、に可逆的に変形する機能を有し、
前記第1の形態のとき、前記表示パネルと、前記保護カバーとは、それぞれ概略平坦であり、
前記第2の形態のとき、前記表示面側が凹曲面となるように前記表示パネルの前記第1の部分が湾曲し、且つ、前記保護カバーの一部が前記第1の部分と同じ向きに湾曲し、
前記第2の形態のとき、前記第1の部分は、前記保護カバーとは接していない、表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記保護カバーは、タッチパネル、または円偏光板としての機能を有する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置に関する。特に、フレキシブルディスプレイを備える表示装置に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置、入出力装置、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法、を一例として挙げることができる。半導体装置は、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。
【背景技術】
【0003】
表示面を湾曲させることのできるフレキシブルディスプレイの開発が、活発に行われている。フレキシブルディスプレイに用いられる表示素子としては、代表的には有機EL(Electro Luminescence)素子などの発光素子、または液晶素子などが挙げられる。
【0004】
有機EL素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の有機化合物を含む層を挟持したものである。この素子に電圧を印加することにより、発光性の有機化合物から発光を得ることができる。このような有機EL素子が適用された表示装置は、バックライト等の光源が不要であるため、薄型、軽量、高コントラストで且つ低消費電力な表示装置を実現できる。
【0005】
例えば、特許文献1には、有機EL素子が適用されたフレキシブルな発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フレキシブルディスプレイは、従来のディスプレイと比較して厚さが極めて薄いため、機械的な強度を高めることが困難であるといった課題がある。特にフレキシブルディスプレイをタッチパネルとして機能させる場合などにおいて、指やスタイラスなどが表示面に強く触れると、フレキシブルディスプレイが破損してしまう恐れがある。
【0008】
本発明の一態様は、フレキシブルディスプレイの破損を防止することを課題の一とする。または、機械的強度が高められた表示装置を提供することを課題の一とする。または、信頼性の高い表示装置を提供することを課題の一とする。または、新規な構成を有する表示装置、または電子機器を提供することを課題の一とする。
【0009】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は表示パネルと、保護カバーと、を有する表示装置である。表示パネルは、可撓性を有する第1の部分を有する。保護カバーは、透光性及び可撓性を有し、且つ、表示パネルの表示面側に重ねて設けられる。表示装置は、第1の形態と、第2の形態と、に可逆的に変形する機能を有する。第1の形態のとき、表示パネルと、保護カバーとが、それぞれ概略平坦である。第2の形態のとき、表示面側が凹曲面となるように表示パネルの第1の部分が湾曲し、且つ、保護カバーの一部が第1の部分と同じ向きに湾曲する。また、第2の形態のとき、第1の部分と、保護カバーとの間に間隙を有する。
【0011】
また、上記において、第1の形態において、表示パネルと、保護カバーとは、接して設けられることが好ましい。または、第1の形態において、表示パネルと、保護カバーとは、離間して設けられることが好ましい。
【0012】
また、上記において、保護カバーは、タッチパネル、または円偏光板としての機能を有することが好ましい。
【0013】
また、上記において、表示パネルと、保護カバーとの間に、可撓性を有する機能層を有することが好ましい。このとき、第2の形態のとき、機能層の一部は、第1の部分と同じ向きに湾曲することが好ましい。さらに、機能層は、タッチパネル、または円偏光板としての機能を有することが好ましい。
【0014】
また、上記において、表示パネルは、第2の部分と、第3の部分と、を有し、第1の部分は、第2の部分と、第3の部分と、の間に位置し、第2の形態において、第2の部分と第3の部分は、概略平坦であり、保護カバーの、第2の部分と重なる部分、及び第3の部分と重なる部分は、概略平坦である領域を有することが好ましい。
【0015】
また、上記において、第2の部分の表面と、第3の部分の表面とが成す角度を角度θとしたとき、角度θが90度以上、180度未満の範囲において、角度θを180度から次第に小さくしたときに、表示パネルの第2の部分の端部または第3の部分の端部と、保護カバーの端部との距離が連続的に大きくなるように、保護カバーが変形する角度範囲を有することが好ましい。
【0016】
また、上記において、第2の部分の表面と、第3の部分の表面とが成す角度を角度θとしたとき、角度θが90度以上、180度未満の範囲において、第1の部分の曲率半径が、保護カバーの湾曲した部分の曲率半径よりも小さい角度範囲を有し、角度θが0度以上、90度未満の範囲において、第1の部分の曲率半径が、保護カバーの湾曲した部分の曲率半径よりも大きい角度範囲を有することが好ましい。
【0017】
また、上記において、第2の部分の表面と、第3の部分の表面とが成す角度を角度θとしたとき、角度θが90度以上、180度未満の範囲において、角度θを180度から次第に小さくしたときに、第1の部分と、保護カバーとの距離が連続的に大きくなる角度範囲を有することが好ましい。
【0018】
また、上記において、第2の部分の表面と、第3の部分の表面とが成す角度を角度θとしたとき、角度θが90度以上180度以下の範囲において、保護カバーは、湾曲方向と交差する一対の端部に垂直な方向に、張力が与えられることが好ましい。
【0019】
また、上記において、第2の部分に固定される第1の支持体と、第3の部分に固定される第2の支持体と、を有することが好ましい。このとき、第1の部分は、第1の支持体、及び第2の支持体のいずれにも固定されないことが好ましい。
【0020】
また、上記において、保護カバーの、湾曲方向と交差する一対の端部のうち、一方が第1の支持体に固定され、他方は第1の支持体、及び第2の支持体のいずれにも固定されないことが好ましい。
【0021】
また、上記において、第1の支持体は、第2の部分の湾曲方向に対して垂直な第1の回転軸を有し、第2の支持体は、第1の回転軸と平行な第2の回転軸を有することが好ましい。このとき、第1の支持体と第2の支持体とは、それぞれ第1の回転軸または第2の回転軸を中心に反対回りに且つ同じ角度で回転可能であり、第1の回転軸と第2の回転軸とは、相対位置が変わらないことが好ましい。
【0022】
また、上記において、第1の支持体、及び第2の支持体は、それぞれ保持部材を有し、保護カバーは、保持部材に摺動可能に取り付けられていることが好ましい。
【0023】
また、上記において、保護カバーは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、及びシリコーン樹脂のうち、一以上を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、フレキシブルディスプレイの破損を防止することができる。または、機械的強度が高められた表示装置を提供できる。または、信頼性の高い表示装置を提供できる。または、新規な構成を有する表示装置、または電子機器を提供できる。
【0025】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0028】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0029】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成要素の大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0030】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではない。
【0031】
本明細書等において、表示装置の一態様である表示パネルは表示面に画像等を表示(出力)する機能を有するものである。したがって表示パネルは出力装置の一態様である。
【0032】
また、本明細書等では、表示パネルの基板に、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Package)などのコネクターが取り付けられたもの、または基板にCOG(Chip On Glass)方式等によりICが実装されたものを、表示パネルモジュール、表示モジュール、または単に表示パネルなどと呼ぶ場合がある。
【0033】
なお、本明細書等において、表示装置の一態様であるタッチパネルは表示面に画像等を表示する機能と、表示面に指やスタイラスなどの被検知体が触れる、押圧する、または近づくことなどを検出するタッチセンサとしての機能と、を有する。したがってタッチパネルは入出力装置の一態様である。
【0034】
タッチパネルは、例えばタッチセンサ付き表示パネル(または表示装置)、タッチセンサ機能つき表示パネル(または表示装置)とも呼ぶことができる。タッチパネルは、表示パネルとタッチセンサパネルとを有する構成とすることもできる。または、表示パネルの内部または表面にタッチセンサとしての機能を有する構成とすることもできる。
【0035】
また、本明細書等では、タッチパネルの基板に、コネクターやICが実装されたものを、タッチパネルモジュール、表示モジュール、または単にタッチパネルなどと呼ぶ場合がある。
【0036】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の構成例について説明する。以下では、フレキシブルディスプレイパネルを有する表示装置について説明する。
【0037】
[構成例]
図1Aに、表示装置10の斜視概略図を示す。表示装置10は、表示パネル11、保護カバー12、支持体21、及び支持体22を有する。また、表示パネル11は、表示部15を有している。
【0038】
表示パネル11は、少なくともその一部が可撓性を有し、湾曲させることができる。表示パネル11の表示部15には、複数の画素がマトリクス状に配置されており、表示部15に画像を表示することができる。
【0039】
表示パネル11の表示部15に設けられる画素には、少なくとも一以上の表示素子が設けられる。表示素子としては、代表的には有機EL素子を用いることができる。その他、無機EL素子、LED素子等の発光素子や、液晶素子、マイクロカプセル、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子、エレクトロフルイディック素子、エレクトロクロミック素子、MEMS素子等、様々な表示素子を用いることができる。
【0040】
保護カバー12は表示パネル11の表示面側に位置し、表示パネル11の表面を保護する機能を有する。保護カバー12は、透光性を有し、使用者は保護カバー12を介して表示部15に表示された画像を見ることができる。また、保護カバー12は、少なくともその一部が可撓性を有し、湾曲させることができる。
【0041】
また、保護カバー12は、タッチセンサパネルとしての機能や、光学フィルムとしての機能を有していてもよい。保護カバー12がタッチセンサパネルとして機能する場合には、保護カバー12が、静電容量型のタッチセンサ、光センサ、感圧式のタッチセンサなどのセンサ素子を備える構成とすることができる。また、光学フィルムとしては、例えば、円偏光板、反射防止フィルム(AR(Anti-Reflection)フィルム、AG(Anti-Glare)フィルムを含む)等が挙げられる。
【0042】
保護カバー12としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、オレフィン樹脂、ビニル樹脂、スチレン樹脂、アミド樹脂、エステル樹脂、エポキシ樹脂のうち、少なくとも一以上を有するシート状の部材を用いることが好ましい。特にウレタン樹脂は、誘電率が比較的高く、静電容量型のタッチセンサを適用した場合に、感度を高めることができる。また、保護カバー12の表面に高易滑性や、自己修復性の機能を付与できるため好ましい。
【0043】
特に、保護カバー12の最表面に位置する材料として、自己修復性を有する有機樹脂を用いると、キズなどにより表面散乱が生じることを防ぎ、表示品位を保つことができるため好ましい。また、当該有機樹脂として撥水性や撥油性を有する樹脂を用いる、または撥水性や撥油性を持たせるために表面処理を行なうことで、保護カバー12の表面に指紋の跡などの汚れが付着することを防ぐことができる。自己修復性を有する材料としては、例えば上述したウレタン樹脂のほか、ポリロタキサン、シクロデキストリン、ポリフェニレンエーテルなどを含む材料を用いることができる。このとき、保護カバー12としては、上述したウレタン樹脂、アクリル樹脂、またはシリコーン樹脂の1以上からなるシートに、当該自己修復性を有する有機樹脂を積層した構成とすることがより好ましい。
【0044】
また、保護カバー12の最表面の易滑性を向上させるために、コーティングや、表面処理、または易滑性の高いフィルムを貼るなどすることが好ましい。また、保護カバー12の表示面側だけでなく、表示パネル11側の表面の易滑性を向上させることで、表示パネル11と保護カバー12とを接して設ける際に、これらが滑りやすくなるため好ましい。
【0045】
支持体21及び支持体22は、表示パネル11を支持する機能を有する。支持体21及び支持体22は、少なくとも表示パネル11を支持する表面が平坦面である、または滑らかな曲面であることが好ましい。また、当該表面は、人が指やスタイラスなどで押しても変形しない程度に剛性を有していることが好ましい。例えば支持体21及び支持体22の、表示パネル11を支持する表面には、プラスチック、ガラス、金属、合金、セラミック、木材などの、比較的剛性の高い材料を用いることが好ましい。
【0046】
表示パネル11は、支持体21と固定される部分と、支持体22と固定される部分と、これら2つの部分の間に、いずれの支持体にも固定されない部分と、を有する。表示パネル11は、少なくとも支持体21及び支持体22に固定されない部分が、可撓性を有することが好ましい。
【0047】
図1Bは、表示パネル11及び保護カバー12が湾曲していない状態における、表示装置10の斜視概略図を示している。
【0048】
このとき、表示パネル11が、支持体21または支持体22のいずれかに支持された状態となっている。さらに、表示パネル11の表示面側に保護カバー12が設けられている。この状態では、表示パネル11の全体が、剛性を有する支持体21及び支持体22に支持された状態であるため、表示面側からの圧力に対して高い機械的強度を有する。またこのとき、支持体21と支持体22とは、少なくとも表示パネル11を支持するそれぞれの面の間(継ぎ目ともいう)に、隙間や段差ができるだけ生じないように、密着した状態であることが好ましい。
【0049】
図1Cは、表示パネル11及び保護カバー12を湾曲させた状態における、表示装置10の斜視概略図を示している。表示パネル11は、表示面側の一部が凹曲面となるように湾曲している。また、保護カバー12も、表示面側の一部が凹曲面となるように、同じ向きに湾曲している。また、
図1D、
図1Eにはそれぞれ、
図1C中の領域P、Qの拡大図を示している。
【0050】
ここで、
図1B、
図1Cに破線で示す矢印の方向Dが、表示パネル11の湾曲方向に相当する。ここでは、表示パネル11の長辺方向と、湾曲方向とが一致するように、表示パネル11を湾曲させる場合について示している。なお、湾曲方向はこれに限られず、短辺方向と一致していてもよい。また、表示パネル11の輪郭を成す辺のうち、いずれの辺とも平行でない方向であってもよい。
【0051】
領域Pは、表示パネル11及び保護カバー12の、湾曲した部分における端部を含む領域である。また、領域Qは、表示パネル11及び保護カバー12の、湾曲していない部分における端部を含む領域である。
【0052】
図1C及び
図1Dに示すように、表示パネル11及び保護カバー12がそれぞれ湾曲した部分では、表示パネル11と保護カバー12とが離間している。すなわち、表示パネル11の湾曲部と、保護カバー12との間に間隙を有するとも言うことができる。
【0053】
また、
図1C及び
図1Eに示すように、表示パネル11及び保護カバー12を湾曲させると、保護カバー12の湾曲方向と交差する端部(辺ともいう)が、表示パネル11の端部、または支持体22の端部に対して、相対的に外側にずれるように、保護カバー12が変形する。
【0054】
なお、
図1A乃至
図1Eでは、上記ずれの様子が分かりやすいように、表示パネル11及び保護カバー12を湾曲させない状態(すなわち
図1Bの状態)において、上面から見たときに表示パネル11、保護カバー12、支持体21、及び支持体22のそれぞれの端部が一致するように示している。
【0055】
表示パネル11を湾曲させたとき、保護カバー12が表示パネル11に対して相対的にずれるように変形することで、湾曲部において、表示パネル11と保護カバー12の両方とも伸縮させることなく、表示パネル11と保護カバー12との間に間隙を設けることができる。
【0056】
ここで、表示パネル11の湾曲部において、保護カバー12との間に間隙を設ける効果について、
図2A及び
図2Bを用いて説明する。
図2Aは、表示パネル11と保護カバー12とが密着する場合の、湾曲方向に沿った断面図であり、
図2Bは、これらの間に三日月状の間隙を有する場合の断面図である。
【0057】
表示パネル11の湾曲部は、支持体21及び支持体22から浮き上がるように変形するため、当該湾曲部は、支持体21及び支持体22のいずれにも支持されない構成となっている。
【0058】
図2Aに示すように、表示パネル11が湾曲しておらず、支持体22に支持されている部分では、保護カバー12側から先の細い部材(ここではスタイラス29)で突いたとしても、その圧力は保護カバー12が変形することで吸収できるため、表示パネル11が変形し、破損してしまうことを防ぐことができる。一方、表示パネル11の湾曲部においては、表示パネル11の裏側が支持されていないため、保護カバー12の変形に追従して、表示パネル11も変形してしまう。その結果、最悪の場合、表示パネル11が破損し、スタイラス29が貫通してしまう恐れもある。
【0059】
しかしながら本発明の一態様では、表示パネル11の湾曲部において、保護カバー12と表示パネル11との間に間隙を有するため、
図2Bに示すように、スタイラス29で突いた場合であっても、その圧力は保護カバー12の変形によって吸収され、表示パネル11に達することがない。そのため、機械的強度に優れた表示装置を実現することができる。
【0060】
ここでは、表示パネル11の湾曲部が支持体21及び支持体22に支持されない場合を説明したが、例えば、支持体21及び支持体22に換えて、表示パネル11の湾曲部も支持できる支持体とする場合、少なくとも表示パネル11を支持する面が変形、または伸縮する必要がある。そのため、当該支持体の、表示パネル11を支持する面は、柔軟性または伸縮性を有する必要があり、高い剛性を実現することは困難である。そのため、表示パネル11を表示面側から突いた場合に、その圧力により支持体の表面が変形することで、表示パネル11自体が凹状に変形し、破損に至るおそれがある。したがってこのような構成の場合であっても、表示パネル11と保護カバー12との間に、これらが接しないように間隙を設け、保護カバー12の変形によって圧力を吸収できる構成とすることは、極めて有効である。
【0061】
ここで、表示パネル11と保護カバー12との積層構造について説明する。
図2C乃至
図2Fは、
図2B中に示す、破線で囲った領域における断面の拡大図である。
【0062】
図2Cは、表示パネル11と保護カバー12とが接して設けられている例である。
【0063】
図2Dは、保護カバー12として、機能層12aと機能層12bとが積層された積層構造を有する例である。表示面側(表示パネル11とは反対側)に位置する機能層12bは、上述した自己修復性を有する有機樹脂を含む層である。また表示パネル11側に位置する機能層12aは、上述したウレタン樹脂等を含むシート状の部材を用いることができる。
【0064】
また、
図2Eに示すように、表示パネル11の裏面側(支持体21または支持体22側)に、保護カバー14を設けてもよい。表示パネル11は、湾曲する部分が支持体21及び支持体22に支持されないため、表示パネル11の裏面側に保護カバー14を設けることで、より機械的強度の高い表示装置10とすることができる。保護カバー14は、保護カバー12と同様の材料を用いればよい。
【0065】
またこのとき、
図2Fに示すように、保護カバー14として、機能層14aと機能層14bとが積層された積層構造を有していてもよい。機能層14a、機能層14bはそれぞれ、上記機能層12a、機能層12bと同様の材料を用いることができる。
【0066】
続いて、表示パネル11及び保護カバー12を湾曲させたときの好ましい形状などについて、詳しく説明する。
【0067】
図3A乃至
図3Fに、表示装置10の湾曲方向に沿った断面概略図を示している。各図において、支持体21の回転軸31aと、支持体22の回転軸32aをそれぞれ丸印で示している。
【0068】
また、各図に示す角度は、表示パネル11の湾曲する部分を挟む一対の平坦面の成す角度を示している。なお、この角度は支持体21及び支持体22の表示パネル11を支持する一対の面が成す角度、または、支持体21及び支持体22のそれぞれの回転角(
図3Aの状態からの回転角)の絶対値の和を、180度から引いた角度、と言い換えることもできる。以下では、表示パネル11の湾曲する部分を挟む一対の平坦面の成す角度を、単に「角度」と表記して説明する場合がある。
【0069】
なお、ここでは簡単のため、表示パネル11と保護カバー12とは、断面方向における長さが一致する場合を示している。また、
図3Aに示すように、表示パネル11を湾曲させないときに、表示パネル11と保護カバー12の端部が一致する場合を示している。
【0070】
図3A乃至
図3Fでは、保護カバー12と支持体21とは、端部が固定されている例を示している。すなわち、保護カバー12は、支持体22側にスライドする(ずれる)ように変形する。
【0071】
図3B、
図3C、
図3D、
図3E、
図3Fはそれぞれ、角度が150度、120度、90度、30度、0度である場合を示している。また、各図では、角度が180度の状態(すなわち湾曲させない状態)からの、保護カバー12のずれ量を明示している。ここでは、角度がα度のときのずれ量をD
αと表記しており、例えばD
150は、角度が150度のときのずれ量を表す。
【0072】
保護カバー12のずれ量は、少なくとも角度90度以上180度以下の範囲で、角度が小さくなるにつれて、次第に大きくなることが好ましい。なお、角度90度より小さい角度でも、ずれ量は次第に大きくなるように示しているが、この角度範囲ではずれ量が変化しない、またはずれ量が小さくなってもよい。
【0073】
ここで、表示パネル11がタッチパネルとして機能するとき、表示パネル11を湾曲させた状態で操作する際には、90度以上180度未満の角度範囲で使用することが好適である。表示パネル11をこれよりも小さい角度(すなわち90度未満)で湾曲させたときは、タッチ操作やペン入力操作が難しくなる。そのため、少なくとも90度以上180度未満の角度範囲において、角度が小さくなるにしたがって、表示パネル11と保護カバー12との間に間隙が大きくなるように、保護カバー12のずれ量が大きくなるように、保護カバー12が変形することが好ましい。
【0074】
また、表示パネル11が平坦な状態(すなわち角度180度の状態)や、少なくとも表示パネル11が90度以上180度未満の角度範囲における所定の角度で湾曲している状態において、保護カバー12の端部は、湾曲方向に張力が与えられた状態(すなわち、外側に引っ張る力が加えられた状態)であることが好ましい。このような構成とすることで、保護カバー12の表面がたわむことを防ぐことができ、外光の表面散乱が抑えられ、視認性の高い表示装置とすることができる。また、保護カバー12が引っ張られた状態で保持されることにより、曲げた状態と平坦な状態との間で繰り返し変形させても、同じ角度では常に同じ形状となるため、信頼性の高い表示装置とすることができる。
【0075】
保護カバー12に張力を与える機構は、保護カバー12の湾曲方向に垂直な一対の端部のうち、いずれか一方を引っ張る機構であってもよい。または、その両方を引っ張る機構であってもよい。このような機構は、支持体21及び支持体22のいずれか一方または両方が有していてもよいし、支持体とは別に、電子機器等の筐体に組み込まれていてもよい。
【0076】
【0077】
ここでは、表示パネル11と保護カバー12が、それぞれ理想的な円弧状に湾曲する場合について説明する。なお、表示装置の構成によっては、理想的な円弧状とはならない場合があるが、その場合であっても、それぞれの湾曲部の側面または断面を理想的な円弧で近似すればよい。
【0078】
図4A乃至
図4Dには、表示パネル11の表示面側の曲面が成す円弧の中心O
1及び曲率半径r
1と、保護カバー12の上面側(表示パネル11とは反対側)の曲面が成す円弧の中心O
2及び曲率半径r
2と、を示している。
【0079】
表示パネル11の曲率半径r
1と、保護カバー12の曲率半径r
2とは、少なくとも180度未満90度以上の角度範囲において、r
1<r
2を満たすことが好ましい。すなわち、少なくとも上述した角度範囲において、保護カバー12が、表示パネル11よりも大きな曲率半径で湾曲することが好ましい。これにより、
図4A、
図4Bに示すように、湾曲部において表示パネル11と保護カバー12との間に三日月状の断面形状を有する間隙を好適に形成することができる。また、間隙が設けられない部分(例えば表示パネル11と保護カバー12とが接する部分)は、常に表示パネル11が支持体21または支持体22に支持された部分とすることができる。
【0080】
また、90度より小さい所定の角度において、曲率半径r
1と曲率半径r
2の大小関係が逆転し、例えば
図4C、
図4Dに示すように、曲率半径r
2が曲率半径r
1よりも小さくなる。
【0081】
また、中心O1と中心O2に着目した時、中心O1は、常に中心O2よりも内側(表示パネル11側)に位置することが好ましい。これにより、表示パネル11を湾曲させたときには必ず、表示パネル11と保護カバー12との間に間隙が生じる構成とすることができる。
【0082】
なお、例えば表示パネル11と保護カバー12とが接着され、一体化されている場合には、これらを湾曲させたときの中心O1と中心O2とが概略一致する。
【0083】
例えば、表示パネル11と保護カバー12とを接着し、これらを一体とした場合には、総厚が厚くなるため、表示パネル11を曲げたときに生じる応力が大きくなってしまい、最悪の場合、表示パネル11が破断してしまう恐れもある。しかしながら、表示装置10は、表示パネル11と保護カバー12とが、それぞれが独立して異なる曲率半径で湾曲する構成を有するため、表示パネル11を曲げたときに生じる応力を小さくでき、破損を防止することができる。
【0084】
[変形例]
以下では、上記構成例の変形例について説明する。
【0085】
〔変形例1〕
上記
図3A等で例示した構成では、保護カバー12と支持体21との端部が固定された場合を示したが、保護カバー12が、いずれの支持体にも固定されない構成とすることもできる。
【0086】
図5A乃至
図5Fには、保護カバー12が支持体21側と支持体22側の両方にずれることのできる構成を示している。
【0087】
ここでは、保護カバー12の、支持体21側へのずれ量に(L)を付し、支持体22側へのずれ量に(R)を付して示している。例えばD
150(L)、D
150(R)は、それぞれ角度が150度のときの、保護カバー12の支持体21側へのずれ量、支持体22側へのずれ量を示している。ここで、保護カバー12の湾曲部の形状が
図3B等で示した構成と同様である場合、例えばD
150(L)とD
150(R)とを足した値が、
図3BにおけるD
150と概略一致する。
【0088】
このように、保護カバー12が湾曲したときに、その一対の端部がそれぞれずれる構成とすることで、
図3A等で示した構成と比較して、保護カバー12の支持体22に対するずれ量を小さくできるため、表示装置を備える電子機器を小型化することができる。
【0089】
なお、保護カバー12における支持体21側へのずれ量と、支持体22側へのずれ量とは、一致していてもよいし、異なるずれ量であってもよい。それぞれのずれ量を概略一致させると、保護カバー12の支持体21に対するずれ量、及び支持体22に対するずれ量を最も小さくできるため好ましい。
【0090】
〔変形例2〕
上記構成例及び変形例1では、表示パネル11が湾曲していない部分では、表示パネル11と保護カバー12とが接して設けられる例を示したが、これらの間に間隙が設けられた構成としてもよい。
【0091】
図6A乃至
図6Fには、表示パネル11と保護カバー12との間に、間隔Gの間隙が設けられ、これらが接しない場合の例を示している。
【0092】
このように、表示パネル11の湾曲していない部分も、保護カバー12が接しない構成とすることで、より高い機械的強度を実現できる。
【0093】
また、
図6Aに示すように、表示パネル11及び保護カバー12が湾曲していないとき、表示パネル11と保護カバー12との距離(間隔G)が、少なくとも表示部15内で均一になるように、保護カバー12が支持体21、支持体22、または電子機器の筐体などに担持されていることが好ましい。例えば保護カバー12の一部がたわむなどして表示パネル11と保護カバー12との距離にばらつきが生じると、保護カバー12の表面反射が不均一となってしまい、視認性が低下する恐れがある。そのため、表示パネル11と保護カバー12との距離を均一にすることで、表示品位の高い表示装置を実現できる。
【0094】
例えば表示部15よりもの外側において、支持体21及び支持体22等に、保護カバー12を摺動可能に保持するためのスリット構造などの機構を設ければよい。
【0095】
また、表示パネル11と保護カバー12との間には、空気が存在する構造(エアギャップが設けられた構造ともいう)とすることができる。また、表示パネル11と保護カバー12との間には、気体、液体、ゲル、または流動性を有するシート状の部材などの流動体が設けられていてもよい。このとき、当該流動体には、空気よりも屈折率の高い材料を用いることができる。特に、屈折率が表示パネル11の最表面に位置する部材、または保護カバー12を構成する部材と近い(例えば屈折率の差が10%以下、好ましくは5%以下)と、光取り出し効率を高めることができるため好ましい。
【0096】
〔変形例3〕
表示パネル11と保護カバー12との間には、一以上のシート状の部材が設けられていてもよい。
【0097】
図7A乃至
図7Dには、表示パネル11と保護カバー12との間に、機能層13が設けられた例を示している。機能層13は、表示パネル11や保護カバー12などと同様、可撓性を有することが好ましい。
【0098】
機能層13は、タッチセンサパネルとしての機能や、光学フィルムとしての機能を有していてもよい。タッチセンサパネルとしては、静電容量型のタッチセンサ、光センサ、感圧式のタッチセンサなどのセンサ素子を備える構成とすることができる。また、光学フィルムとしては、例えば、円偏光板、反射防止フィルム(ARフィルム、AGフィルムを含む)等が挙げられる。
【0099】
図7B乃至
図7Dに示すように、表示パネル11を湾曲させたとき、表示パネル11の湾曲部と機能層13との間に間隙が設けられるように、機能層13の一部が表示パネル11に対して相対的にずれるように変形することが好ましい。またこのとき、機能層13と保護カバー12との間にも間隙が設けられるように、それぞれが変形することが好ましい。
【0100】
また
図7B、
図7Cに示すように、表示パネル11を90度以上180度未満の範囲で湾曲させたとき、機能層13は、曲率半径が表示パネル11よりも大きく、且つ保護カバー12よりも小さくなるように、湾曲することが好ましい。また、
図7Dに示すように、表示パネル11を折り畳んだとき(0度の角度のとき)、機能層13の曲率半径は、表示パネル11よりも小さく、且つ保護カバー12よりも大きくなるように、機能層13が湾曲することが好ましい。
【0101】
なお、
図7A等では、表示パネル11が湾曲していない状態のとき、表示パネル11と機能層13、及び機能層13と保護カバー12とが、それぞれ接する例を示したが、上述の変形例2と同様に、これらが接しない構成としてもよい。
【0102】
また、
図7A等では、機能層13と保護カバー12とが、支持体22側にのみずれる例を示したが、上述の変形例1と同様に、支持体21側と支持体22側の両方にずれる構成としてもよい。
【0103】
また、機能層13が表示パネル11と比較して十分に薄い、または表示パネル11と比較して十分に柔軟である場合、機能層13は、表示パネル11または保護カバー12と接着され、固定されていてもよい。特に、表示パネル11と機能層13とを接着する場合には、表示パネル11と機能層13とが積層された積層体の中立面が、表示パネル11の内側に位置することが好ましい。
【0104】
[支持体の構成例]
続いて、支持体21及び支持体22の構成の一例について説明する。
【0105】
図8A乃至
図8Cに、それぞれ支持体21及び支持体22の斜視概略図を示している。また各図において、表示パネル11を破線で示している。
図8Aは、表示パネル11が湾曲しない状態であり、
図8Bは、表示パネル11の2つの平坦面の成す角が120度となるように湾曲させた状態であり、
図8Cは、表示パネル11の2つの平坦面が平行になるように(すなわちこれらの成す角が0度となるように)湾曲させた状態である。
【0106】
支持体21は、その両端に一対の歯車31が取り付けられ、支持体22は、その両端に一対の歯車32が取り付けられている。歯車31及び歯車32は、それぞれ支持体21または支持体22に固定されている。歯車31と歯車32とは、ギア比が1:1で噛み合っており、これらは反対向きに同じ角度で回転可能な構成となっている。したがって、支持体21と支持体22とは、それぞれ反対向きに同じ角度で回転することができる。そのため支持体21及び支持体22は、
図8Aに示す形態から、
図8Bに示す形態を経て
図8Cに示す形態へ、可逆的に変形することができる。
【0107】
また、このような構成とすることで、支持体21と支持体22とは、互いの回転軸の相対位置が変化しないまま、それぞれの回転軸を中心に回転することができる。このような構成とすることで、表示パネル11を支持体21及び支持体22の両方に固定したとしても、表示パネル11を湾曲方向に伸縮させることなく、湾曲させることができる。
【0108】
また
図8A乃至
図8Cには、表示パネル11が支持体21または支持体22に常に支持される領域28を示している。すなわち領域28は、表示パネル11が常に支持体21または支持体22の表面に沿って固定された領域である。また、一対の領域28の間の領域では、表示パネル11と支持体21または支持体22とは固定されず、表示パネル11が支持体21または支持体22の表面から浮き上がることができる構成となっている。
【0109】
例えば、表示パネル11と、支持体21及び支持体22とは、領域28において接着材や接着シートなどを介して接着され、固定される構成とすることができる。または、表示パネル11の湾曲される部分を含む全領域が、容易に剥離可能な弱粘性の粘着シートにより、支持体21及び支持体22に貼り付けられた構成としてもよい。このとき、表示パネル11の湾曲しない部分は、支持体21と支持体22を回転させても、支持体21または支持体22から浮き上がる(剥がれる)ことは無いため、実質的に支持体21または支持体22に固定された状態となる。
【0110】
図9Aは、表示パネル11を90度で曲げたときの湾曲部を、湾曲方向に対して垂直な方向から見たときの側面概略図である。
図9Aでは、歯車31及び歯車32を破線で示している。
【0111】
図9Aでは、支持体21及び支持体22に、それぞれ保持部材23が設けられている例を示している。表示パネル11と保護カバー12は、支持体21と保持部材23に挟持された領域、及び支持体22と保持部材23に挟持された領域を有する。保持部材23は、表示パネル11または保護カバー12を摺動可能に保持するガイドとしての機能を有する。
【0112】
一対の保持部材23は、表示パネル11の表示部よりも外側の領域に設けることができる。一対の保持部材23は、表示パネル11の表示部を囲むコの字形状、または鍵括弧状(square bracket like shape)の上面形状を有する部材を用いることができる。保持部材23と、支持体21または支持体22とは、それぞれネジや接着材などで固定されていてもよいし、これらが一体成型されていてもよい。保持部材23は、支持体21または支持体22に固定されるため、支持体21または支持体22の一部として解釈することもできる。
【0113】
保護カバー12は、表示パネル11と保持部材23との間で、摺動可能に保持される。
【0114】
図9Bは、表示パネル11と、保護カバー12との間に、スペーサ24が設けられている例を示している。スペーサ24により、表示パネル11と保護カバー12とが、スペーサ24の厚さ分、離間した状態で保持されている。
【0115】
保護カバー12は、スペーサ24と保持部材23との間で摺動可能に保持されている。そのため、保持部材23とスペーサ24とで、保護カバー12を保持するためのスリット構造を成しているともいえる。
【0116】
スペーサ24は、保持部材23と同様のコの字状の上面形状を有していてもよい。または、スペーサ24は、保持部材23の両端に沿って設けられていてもよい。また、スペーサ24は、支持体21または支持体22と固定されることが好ましい。スペーサ24は、支持体21または支持体22の一部として解釈することもできる。
【0117】
図9C、
図9Dでは、保持部材23の端部の形状が上記とは異なる例を示している。
【0118】
図9C、
図9Dにおいて、保持部材23の端部が、凸曲面となるように加工されている。例えば、保持部材23の端部が、円弧上の断面形状となるように加工されていることが好ましい。
【0119】
また、保護カバー12は、一対の保持部材23の端部において、曲面に沿って湾曲するように、変形している。保持部材23の端部が凸曲面となるように加工されることで、保護カバー12は当該曲面の曲率半径よりも小さい半径で曲がってしまうことを防ぐことができる。すなわち、保持部材23は、保護カバー12の曲率を制御する機能を有する。
【0120】
また、このような保持部材23が設けられる場合、保護カバー12の湾曲部は、表示パネル11よりも曲率半径の小さい一対の湾曲部と、それらの間に概略平坦な部分と、により構成されうる。このような構成であっても、表示パネル11の湾曲部と保護カバー12との距離は、表示パネル11を曲げる角度に応じて変化することができる。
【0121】
続いて、保護カバー12の端部に対して張力を与えるための、引張機構の一例について説明する。保護カバー12の湾曲方向に沿って、端部側から張力を与えることで、保護カバー12にしわやたるみが生じることを抑制できる。また、曲げ伸ばし動作を繰り返した際にも、保護カバー12と表示パネル11との位置ずれを防止できる。
【0122】
図10B1には、支持体22の端部近傍の断面概略図を示す。表示パネル11と保護カバー12とは、支持体22と保持部材23との間に設けられている。保護カバー12は、表示パネル11に対して摺動可能に保持されている。
【0123】
さらに、支持体22の端部近傍には、バネ41a及び可動部材42が設けられる。また支持体22には、可動部材42が動くことのできる凹部が設けられ、当該凹部の形状により、可動部材42の可動範囲が制御される。
【0124】
可動部材42は、接着部材43により保護カバー12と固定されている。
図10B1では、可動部材42が保護カバー12の上面に固定されている例を示しているが、これに限られず、保護カバーの裏面に固定されていてもよい。また、可動部材42と保護カバー12との固定方法はこれに限られず、例えば接着部材43を用いずに、保護カバー12を可動部材42に嵌め込むことで固定してもよい。
【0125】
図10Aは、長さが自然長L
0のときのバネ41aを示している。
図10B1に示すように、バネ41aは、支持体22と可動部材42との間に、自然長L
0から縮ませた状態で配置される。これにより、
図10B1中の破線矢印で示すように、可動部材42を介して、保護カバー12には常に外側方向への張力が与えられている。
【0126】
図10B1は、表示パネル11を角度θ
0で湾曲させたときの状態(θ=θ
0)であり、
図10B2は、これよりも小さい角度になるように湾曲させたときの状態(θ<θ
0)を示している。ここで、θ
0は180度、すなわち表示パネル11を湾曲させない状態を含む。
【0127】
図10C1、
図10C2は、スペーサ24が設けられた場合の例を示している。また、
図10C1、
図10C2では、保護カバー12の裏面と可動部材42とが、接着部材43により固定されている例を示している。また、
図10C1、
図10C2に示すように、保持部材23は、保護カバー12の端部、バネ41a、接着部材43、及び可動部材42を覆って設けられていてもよい。
【0128】
上記では、バネ41aを縮ませた状態で用いる例を示したが、これとは反対に、バネを伸ばした状態で用いてもよい。
【0129】
図10Dに、自然長L
0であるバネ41bを示している。
図10E1、
図10E2に示すように、バネ41bは、自然長L
0から伸ばした状態で、その両端が可動部材42と支持体22のそれぞれに固定されている。
【0130】
【0131】
ここで例示した引張機構は、表示パネルを180度から0度まで湾曲させるときに、少なくとも90度以上180度以下の範囲において、保護カバー12の端部に対して張力が与えられるように、可動部材42の可動範囲、及びバネのバネ係数などを選択することが好ましい。
【0132】
[表示装置の具体例]
以下では、より具体的な表示装置の構成例を説明する。
図11に、表示装置10の斜視概略図を示す。また、
図12Aには、
図11に示す表示装置10を部品ごとに分解した斜視概略図を示す。
【0133】
図11及び
図12Aに示すように、表示装置10は、支持体21、支持体22、保持部材23a、保持部材23b、スペーサ24a、スペーサ24b、歯車31、歯車32、保護カバー12、及び表示パネル11を有する。
【0134】
表示パネル11の一部は、支持体21とスペーサ24aの間に挟持され、他の一部は支持体22とスペーサ24bの間に挟持される。表示パネル11と、支持体21及び支持体22とは、それぞれ弱粘性の粘着シートで貼り合されている。
【0135】
保護カバー12の一部は、スペーサ24aと保持部材23aの間に挟持され、他の一部はスペーサ24bと保持部材23aの間に挟持される。保護カバー12は、スペーサ24aと保持部材23aの間、及びスペーサ24bと保持部材23aの間で、摺動可能に保持されている。
【0136】
また、歯車31は支持体21に、歯車32は支持体22に、それぞれ取り付けられている。また歯車31と歯車32は、カバー33で覆われている。
【0137】
また
図12Bには、スペーサ24bの端部の拡大図を示している。スペーサ24bには、バネ41を配置するための凹部が設けられている。また、スペーサ24bには可動部材42が設けられている。バネ41は、自然長から縮ませた状態で当該凹部に配置されている。当該凹部は、可動部材42側の一辺が切り欠かれており、バネ41の一端は可動部材42に接するように設けられている。可動部材42の上面には、接着材等を用いて保護カバー12を取り付けることができる。
【0138】
スペーサ24a、スペーサ24b、保持部材23a、及び保持部材23bは、それぞれ、表示パネル11の非表示領域と重ねられ、且つ、表示部に重ならないように、コの字状の上面形状を有している。使用者は、一対の保持部材23a及び保持部材23bに囲まれた領域において、保護カバー12を介して表示パネル11の表示部15に表示された画像を見ることができる。
【0139】
以上が表示装置10の具体例についての説明である。
【0140】
本実施の形態で例示した構成例、及びそれらに対応する図面等は、少なくともその一部を他の構成例、または図面等と適宜組み合わせて実施することができる。
【0141】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0142】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に適用可能な表示パネルの構成例について説明する。
【0143】
[構成例]
図13に、表示パネル700の上面図を示す。表示パネル700は、可撓性を有する支持基板745が適用され、フレキシブルディスプレイとして用いることができる。また表示パネル700は、可撓性を有する支持基板745上に設けられた画素部702を有する。また支持基板745上にはソースドライバ回路部704、一対のゲートドライバ回路部706、配線710等が設けられる。また画素部702には、複数の表示素子が設けられる。
【0144】
また、支持基板745の一部に、FPC716(FPC:Flexible printed circuit)が接続されるFPC端子部708が設けられている。FPC716によって、FPC端子部708及び配線710を介して、画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706のそれぞれに各種信号等が供給される。
【0145】
一対のゲートドライバ回路部706は、画素部702を挟んで両側に設けられている。なお、ゲートドライバ回路部706及びソースドライバ回路部704は、それぞれ半導体基板等に別途形成され、パッケージされたICチップの形態であってもよい。当該ICチップは、支持基板745上にCOF(Chip On Film)技術等により実装することができる。
【0146】
画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706が有するトランジスタに、酸化物半導体を有するトランジスタを適用することが好ましい。
【0147】
画素部702に設けられる表示素子には、発光素子等を用いることができる。発光素子としては、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic LED)、QLED(Quantum-dot LED)、半導体レーザなどの、自発光性の発光素子が挙げられる。また、表示素子として、透過型の液晶素子、反射型の液晶素子、半透過型の液晶素子などの液晶素子を用いることもできる。また、シャッター方式または光干渉方式のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子や、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、または電子粉流体(登録商標)方式等を適用した表示素子などを用いることもできる。
【0148】
また、
図13では、支持基板745の、FPC端子部708が設けられる部分が、突出した形状を有する例を示している。支持基板745のFPC端子部708を含む一部は、
図13中の領域P1で、裏側に折り返すことができる。支持基板745の一部を折り返すことで、FPC716を画素部702の裏側に重ねて配置した状態で、表示パネル700を電子機器等に実装することができ、電子機器等の省スペース化、小型化を図ることができる。
【0149】
また、表示パネル700に接続されるFPC716には、IC717が実装されている。IC717は、例えばソースドライバ回路としての機能を有する。このとき、表示パネル700におけるソースドライバ回路部704は、保護回路、バッファ回路、デマルチプレクサ回路等の少なくとも一を含む構成とすることができる。
【0150】
[断面構成例]
以下では、表示素子として有機EL素子を用いる構成について、
図14及び
図15を用いて説明する。
図14及び
図15は、それぞれ
図13で示した表示パネル700の、一点鎖線S-Tにおける断面概略図である。
【0151】
まず、
図14及び
図15に示す表示パネルの共通する部分について説明する。
【0152】
図14及び
図15には、画素部702と、ゲートドライバ回路部706と、FPC端子部708と、を含む断面を示している。画素部702は、トランジスタ750及び容量素子790を有する。ゲートドライバ回路部706は、トランジスタ752を有する。
【0153】
トランジスタ750及びトランジスタ752は、チャネルが形成される半導体層に、酸化物半導体を適用したトランジスタである。なお、これに限られず、半導体層に、シリコン(アモルファスシリコン、多結晶シリコン、または単結晶シリコン)や、有機半導体を用いたトランジスタを適用することもできる。
【0154】
本実施の形態で用いるトランジスタは、高純度化し、酸素欠損の形成を抑制した酸化物半導体膜を有する。該トランジスタは、オフ電流を著しく低くできる。そのため、このようなトランジスタが適用された画素は、画像信号等の電気信号の保持時間を長くでき、画像信号等の書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくできるため、消費電力を低減することができる。
【0155】
また、本実施の形態で用いるトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。例えば、このような高速駆動が可能なトランジスタを表示パネルに用いることで、画素部のスイッチングトランジスタと、駆動回路部に使用するドライバトランジスタを同一基板上に形成することができる。すなわち、シリコンウェハ等により形成された駆動回路を適用しない構成も可能であり、表示装置の部品点数を削減することができる。また、画素部においても、高速駆動が可能なトランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。
【0156】
容量素子790は、トランジスタ750が有する第1のゲート電極と同一の膜を加工して形成される下部電極と、半導体層と同一の金属酸化物膜を加工して形成される上部電極と、を有する。上部電極は、トランジスタ750のソース領域及びドレイン領域と同様に低抵抗化されている。また、下部電極と上部電極との間には、トランジスタ750の第1のゲート絶縁層として機能する絶縁膜の一部が設けられる。すなわち、容量素子790は、一対の電極間に誘電体膜として機能する絶縁膜が挟持された積層型の構造を有する。また、上部電極には、トランジスタ750のソース電極及びドレイン電極と同一の膜を加工して得られる配線が接続されている。
【0157】
また、トランジスタ750、トランジスタ752、及び容量素子790上には、平坦化膜として機能する絶縁層770が設けられている。
【0158】
画素部702が有するトランジスタ750と、ゲートドライバ回路部706が有するトランジスタ752とは、異なる構造のトランジスタを用いてもよい。例えば、いずれか一方にトップゲート型のトランジスタを適用し、他方にボトムゲート型のトランジスタを適用した構成としてもよい。なお、上記ソースドライバ回路部704についても、ゲートドライバ回路部706と同様である。
【0159】
FPC端子部708は、一部が接続電極として機能する配線760、異方性導電膜780、及びFPC716を有する。配線760は、異方性導電膜780を介してFPC716が有する端子と電気的に接続される。ここでは、配線760は、トランジスタ750等のソース電極及びドレイン電極と同じ導電膜で形成されている。
【0160】
続いて、
図14に示す表示パネル700について説明する。
【0161】
図14に示す表示パネル700は、支持基板745と、支持基板740とを有する。支持基板745及び支持基板740としては、例えばガラス基板、またはプラスチック基板等の可撓性を有する基板を用いることができる。
【0162】
トランジスタ750、トランジスタ752、容量素子790等は、絶縁層744上に設けられる。支持基板745と絶縁層744とは、接着層742によって貼り合されている。
【0163】
また表示パネル700は、発光素子782、着色層736、遮光層738等を有する。
【0164】
発光素子782は、導電層772、EL層786、及び導電層788を有する。導電層772は、トランジスタ750が有するソース電極またはドレイン電極と電気的に接続される。導電層772は、絶縁層770上に設けられ、画素電極として機能する。また導電層772の端部を覆って絶縁層730が設けられ、絶縁層730及び導電層772上にEL層786と導電層788が積層して設けられている。
【0165】
導電層772には、可視光に対して反射性を有する材料を用いることができる。例えば、アルミニウム、銀等を含む材料を用いることができる。また、導電層788には、可視光に対して透光性を有する材料を用いることができる。例えば、インジウム、亜鉛、スズ等を含む酸化物材料を用いるとよい。そのため、発光素子782は、被形成面とは反対側(支持基板740側)に光を射出する、トップエミッション型の発光素子である。
【0166】
EL層786は、有機化合物、または量子ドットなどの無機化合物を有する。EL層786は、電流が流れた際に白色の光を呈する発光材料を含む。
【0167】
発光材料としては、蛍光材料、燐光材料、熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料、無機化合物(量子ドット材料など)などを用いることができる。量子ドットに用いることのできる材料としては、コロイド状量子ドット材料、合金型量子ドット材料、コア・シェル型量子ドット材料、コア型量子ドット材料、などが挙げられる。
【0168】
遮光層738と、着色層736は、絶縁層746の一方の面に設けられている。着色層736は、発光素子782と重なる位置に設けられている。また、遮光層738は、画素部702において、発光素子782と重ならない領域に設けられている。また遮光層738は、ゲートドライバ回路部706等にも重ねて設けられていてもよい。
【0169】
支持基板740は、絶縁層746の他方の面に、接着層747によって貼り合されている。また、支持基板740と支持基板745とは、封止層732によって貼り合されている。
【0170】
ここでは、発光素子782が有するEL層786に、白色の発光を呈する発光材料が適用されている。発光素子782が発する白色の発光は、着色層736により着色されて外部に射出される。EL層786は、異なる色を呈する画素に亘って設けられる。画素部702に、赤色の光(R)、緑色の光(G)、または青色の光(B)のいずれかを透過する着色層736が設けられた画素をマトリクス状に配置することで、表示パネル700は、フルカラーの表示を行うことができる。
【0171】
また、導電層788として、透過性及び反射性を有する導電膜を用いてもよい。このとき、導電層772と導電層788との間で微小共振器(マイクロキャビティ)構造を実現し、特定の波長の光を強めて射出する構成とすることができる。またこのとき、導電層772と導電層788との間に光学距離を調整するための光学調整層を配置し、当該光学調整層の厚さを異なる色の画素間で異ならせることで、それぞれの画素から射出される光の色純度を高める構成としてもよい。
【0172】
なお、EL層786を画素毎に島状または画素列毎に縞状に形成する、すなわち塗り分けにより形成する場合においては、着色層736や、上述した光学調整層を設けない構成としてもよい。
【0173】
ここで、絶縁層744と絶縁層746には、それぞれ透湿性の低いバリア膜として機能する無機絶縁膜を用いることが好ましい。このような絶縁層744と絶縁層746との間に、発光素子782やトランジスタ750等が挟持された構成とすることで、これらの劣化が抑制され、信頼性の高い表示パネルを実現できる。
【0174】
図15に示す表示パネル700Aは、
図14で示した接着層742と絶縁層744との間に、樹脂層743が設けられている。また、支持基板740に代えて、保護層749を有する。
【0175】
樹脂層743は、ポリイミドやアクリルなどの有機樹脂を含む層である。絶縁層744は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン等の無機絶縁膜を含む。樹脂層743と支持基板745とは、接着層742によって貼りあわされている。樹脂層743は、支持基板745よりも薄いことが好ましい。
【0176】
保護層749は、封止層732と貼りあわされている。保護層749としては、ガラス基板や樹脂フィルムなどを用いることができる。また、保護層749として、偏光板(円偏光板を含む)、散乱板などの光学部材や、タッチセンサパネルなどの入力装置、またはこれらを2つ以上積層した構成を適用してもよい。
【0177】
また、発光素子782が有するEL層786は、絶縁層730及び導電層772上に島状に設けられている。EL層786を、副画素毎に発光色が異なるように作り分けることで、着色層736を用いずにカラー表示を実現することができる。
【0178】
また、発光素子782を覆って、保護層741が設けられている。保護層741は発光素子782に水などの不純物が拡散することを防ぐ機能を有する。保護層741は、導電層788側から絶縁層741a、絶縁層741b、及び絶縁層741cがこの順で積層された積層構造を有している。このとき、絶縁層741aと絶縁層741cには、水などの不純物に対してバリア性の高い無機絶縁膜を、絶縁層741bには平坦化膜として機能する有機絶縁膜を、それぞれ用いることが好ましい。また、保護層741は、ゲートドライバ回路部706にも延在して設けられていることが好ましい。
【0179】
また、封止層732よりも内側において、トランジスタ750やトランジスタ752等を覆う有機絶縁膜が島状に形成されることが好ましい。言い換えると、当該有機絶縁膜の端部が、封止層732の内側、または封止層732の端部と重なる領域に位置することが好ましい。
図15では、絶縁層770、絶縁層730、及び絶縁層741bが、島状に加工されている例を示している。例えば封止層732と重なる部分では、絶縁層741c及び絶縁層741aが接して設けられている。このように、トランジスタ750やトランジスタ752を覆う有機絶縁膜の表面が、封止層732よりも外側に露出しない構成とすることで、外部から当該有機絶縁膜を介してトランジスタ750やトランジスタ752に水や水素が拡散することを好適に防ぐことができる。これにより、トランジスタの電気特性の変動が抑えられ、極めて信頼性の高い表示装置を実現できる。
【0180】
また、
図15において、折り曲げ可能な領域P1では、支持基板745、接着層742の他、絶縁層744等の無機絶縁膜が設けられていない部分を有する。また領域P1において、配線760が露出することを防ぐために、有機材料を含む絶縁層770が配線760を覆う構成を有している。折り曲げ可能な領域P1に、無機絶縁膜をできるだけ設けず、且つ、金属または合金を含む導電層と、有機材料を含む層のみを積層した構成とすることで、曲げた際にクラックが生じることを防ぐことができる。また領域P1に支持基板745を設けないことで、極めて小さい曲率半径で、表示パネル700Aの一部を曲げることができる。
【0181】
また、
図15において、保護層741上には導電層761が設けられている。導電層761は、配線や電極として用いることができる。
【0182】
また、導電層761は、表示パネル700Aに重ねてタッチセンサが設けられる場合に、画素を駆動する際の電気的なノイズが、当該タッチセンサに伝わることを防ぐための静電遮蔽膜として機能させることができる。このとき、導電層761には所定の定電位が与えられる構成とすればよい。
【0183】
または、導電層761は、例えばタッチセンサの電極として用いることができる。これにより、表示パネル700Aをタッチパネルとして機能させることができる。例えば、導電層761は、静電容量方式のタッチセンサの電極または配線として用いることができる。このとき、導電層761は、検知回路が接続される配線または電極や、センサ信号が入力される配線または電極として用いることができる。このように、発光素子782上にタッチセンサを作りこむことで、部品点数を削減でき、電子機器等の製造コストを削減することができる。
【0184】
導電層761は、発光素子782と重ならない部分に設けられることが好ましい。例えば導電層761は、絶縁層730と重なる位置に設けることができる。これにより、導電層761として、比較的導電性の低い透明導電膜を用いる必要がなく、導電性の高い金属や合金などを用いることができるため、センサの感度を高めることができる。
【0185】
なお、導電層761を用いて構成することのできるタッチセンサの方式としては、静電容量方式に限られず、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学方式、感圧方式など様々な方式を用いることができる。または、これら2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
【0186】
[構成要素について]
以下では、表示装置に適用可能なトランジスタ等の構成要素について説明する。
【0187】
〔トランジスタ〕
トランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、半導体層と、ソース電極として機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層と、を有する。
【0188】
なお、本発明の一態様の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
【0189】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、単結晶半導体、または単結晶以外の結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。単結晶半導体または結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0190】
以下では、特に金属酸化物膜をチャネルが形成される半導体層に用いるトランジスタについて説明する。
【0191】
トランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む金属酸化物などであり、例えば、後述するCAC-OSなどを用いることができる。
【0192】
シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい金属酸化物を用いたトランジスタは、その低いオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量素子に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。
【0193】
半導体層は、例えばインジウム、亜鉛およびM(Mは、アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属)を含むIn-M-Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。
【0194】
半導体層を構成する金属酸化物がIn-M-Zn系酸化物の場合、In-M-Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
【0195】
半導体層としては、キャリア密度の低い金属酸化物膜を用いる。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下、さらに好ましくは1×1013/cm3以下、より好ましくは1×1011/cm3以下、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10-9/cm3以上のキャリア密度の金属酸化物を用いることができる。そのような金属酸化物を、高純度真性または実質的に高純度真性な金属酸化物と呼ぶ。当該金属酸化物は不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低いため、安定な特性を有する金属酸化物であるといえる。
【0196】
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性および電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成の酸化物半導体を用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
【0197】
半導体層を構成する金属酸化物において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、半導体層において酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
【0198】
また、アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、金属酸化物と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため半導体層における二次イオン質量分析法により得られるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
【0199】
また、半導体層を構成する金属酸化物に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている金属酸化物を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため半導体層における二次イオン質量分析法により得られる窒素濃度は、5×1018atoms/cm3以下にすることが好ましい。
【0200】
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC-OS(c-axis-aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、及び非晶質酸化物半導体などがある。
【0201】
なお、本発明の一態様で開示されるトランジスタの半導体層は、上述した非単結晶酸化物半導体またはCAC-OSを好適に用いることができる。また、非単結晶酸化物半導体としては、nc-OSまたはCAAC-OSを好適に用いることができる。
【0202】
なお、半導体層がCAAC-OSの領域、多結晶酸化物半導体の領域、nc-OSの領域、擬似非晶質酸化物半導体の領域、及び非晶質酸化物半導体の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、または積層構造を有する場合がある。
【0203】
また、本発明の一態様で開示されるトランジスタの半導体層には、CAC-OS(Cloud-Aligned Composite oxide semiconductor)を用いると好ましい。CAC-OSを用いることで、トランジスタに高い電気特性または高い信頼性を付与することができる。
【0204】
<CAC-OSの構成>
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud-Aligned Composite)-OSの構成について説明する。
【0205】
CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
【0206】
なお、金属酸化物は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
【0207】
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
【0208】
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0209】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1-x0)O3(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
【0210】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
【0211】
一方、CAC-OSは、金属酸化物の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
【0212】
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
【0213】
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0214】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0215】
CAC-OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
【0216】
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折測定から、測定領域のa-b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
【0217】
またCAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、輝度の高いリング状の領域と、該リング状の領域内に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、および断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
【0218】
また例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
【0219】
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0220】
ここで、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX
3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、金属酸化物としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、またはInOX
1が主成分である領域が、金属酸化物中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0221】
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、金属酸化物中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
【0222】
従って、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
【0223】
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC-OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
【0224】
また、半導体層にCAC-OSを有するトランジスタは電界効果移動度が高く、且つ駆動能力が高いため、該トランジスタを、駆動回路、代表的にはゲート信号を生成する走査線駆動回路に用いることで、額縁幅の狭い(狭額縁ともいう)表示装置を提供することができる。また、該トランジスタを、表示装置が有する信号線駆動回路(とくに、信号線駆動回路が有するシフトレジスタの出力端子に接続されるデマルチプレクサ)に用いることで、表示装置に接続される配線数が少ない表示装置を提供することができる。
【0225】
また、半導体層にCAC-OSを有するトランジスタは低温ポリシリコンを用いたトランジスタのように、レーザ結晶化工程が不要である。これのため、大面積基板を用いた表示装置であっても、製造コストを低減することが可能である。さらに、ウルトラハイビジョン(「4K解像度」、「4K2K」、「4K」)、スーパーハイビジョン(「8K解像度」、「8K4K」、「8K」)のよう高解像度であり、且つ大型の表示装置において、半導体層にCAC-OSを有するトランジスタを駆動回路及び表示部に用いることで、短時間での書き込みが可能であり、表示不良を低減することが可能であり好ましい。
【0226】
または、トランジスタのチャネルが形成される半導体にシリコンを用いてもよい。シリコンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリコンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。
【0227】
〔導電層〕
トランジスタのゲート、ソースおよびドレインのほか、表示装置を構成する各種配線および電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金などが挙げられる。またこれらの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛等の酸化物を用いてもよい。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好ましい。
【0228】
〔絶縁層〕
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、シロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることもできる。
【0229】
また、発光素子は、一対の透水性の低い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。これにより、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、表示装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0230】
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
【0231】
例えば、透水性の低い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10-5[g/(m2・day)]以下、好ましくは1×10-6[g/(m2・day)]以下、より好ましくは1×10-7[g/(m2・day)]以下、さらに好ましくは1×10-8[g/(m2・day)]以下とする。
【0232】
以上が、構成要素についての説明である。
【0233】
本実施の形態で例示した構成例、及びそれらに対応する図面等は、少なくともその一部を他の構成例、または図面等と適宜組み合わせて実施することができる。
【0234】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0235】
(実施の形態3)
本実施の形態では、表示装置の構成例について、
図16A乃至
図16Cを用いて説明を行う。
【0236】
図16Aに示す表示装置は、画素部502と、駆動回路部504と、保護回路506と、端子部507と、を有する。なお、保護回路506は、設けない構成としてもよい。
【0237】
画素部502は、X行Y列(X、Yはそれぞれ独立に2以上の自然数)に配置された複数の表示素子を駆動する複数の画素回路501を有する。
【0238】
駆動回路部504は、ゲート線GL_1乃至GL_Xに走査信号を出力するゲートドライバ504a、データ線DL_1乃至DL_Yにデータ信号を供給するソースドライバ504bなどの駆動回路を有する。ゲートドライバ504aは、少なくともシフトレジスタを有する構成とすればよい。またソースドライバ504bは、例えば複数のアナログスイッチなどを用いて構成される。また、シフトレジスタなどを用いてソースドライバ504bを構成してもよい。
【0239】
端子部507は、外部の回路から表示装置に電源、制御信号、及び画像信号等を入力するための端子が設けられた部分をいう。
【0240】
保護回路506は、自身が接続する配線に一定の範囲外の電位が与えられたときに、該配線と別の配線とを導通状態にする回路である。
図16Aに示す保護回路506は、例えば、ゲートドライバ504aと画素回路501の間の配線であるゲート線GL、またはソースドライバ504bと画素回路501の間の配線であるデータ線DL等の各種配線に接続される。なお
図16Aでは、保護回路506と画素回路501とを区別するため、保護回路506にハッチングを付している。
【0241】
また、ゲートドライバ504aとソースドライバ504bは、それぞれ画素部502と同じ基板上に設けられていてもよいし、ゲートドライバ回路またはソースドライバ回路が別途形成された基板(例えば、単結晶半導体または多結晶半導体で形成された駆動回路基板)をCOGやTAB(Tape Automated Bonding)によって、画素部502が設けられる基板に実装する構成としてもよい。
【0242】
【0243】
図16Bに示す画素回路501は、液晶素子570と、トランジスタ550と、容量素子560と、を有する。また画素回路501には、データ線DL_n、ゲート線GL_m、電位供給線VL等が接続されている。
【0244】
液晶素子570の一対の電極の一方の電位は、画素回路501の仕様に応じて適宜設定される。液晶素子570は、書き込まれるデータにより配向状態が設定される。なお、複数の画素回路501のそれぞれが有する液晶素子570の一対の電極の一方に共通の電位(コモン電位)を与えてもよい。また、各行の画素回路501の液晶素子570の一対の電極の一方に異なる電位を与えてもよい。
【0245】
また、
図16Cに示す画素回路501は、トランジスタ552と、トランジスタ554と、容量素子562と、発光素子572と、を有する。また画素回路501には、データ線DL_n、ゲート線GL_m、電位供給線VL_a、及び電位供給線VL_b等が接続されている。
【0246】
なお、電位供給線VL_a及び電位供給線VL_bの一方には、高電源電位VDDが与えられ、他方には、低電源電位VSSが与えられる。トランジスタ554のゲートに与えられる電位に応じて、発光素子572に流れる電流が制御されることにより、発光素子572からの発光輝度が制御される。
【0247】
本実施の形態で例示した構成例、及びそれらに対応する図面等は、少なくともその一部を他の構成例、または図面等と適宜組み合わせて実施することができる。
【0248】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0249】
(実施の形態4)
以下では、画素の階調を補正するためのメモリを備える画素回路と、これを有する表示装置について説明する。
【0250】
[回路構成]
図17Aに、画素回路400の回路図を示す。画素回路400は、トランジスタM1、トランジスタM2、容量C1、及び回路401を有する。また画素回路400には、配線S1、配線S2、配線G1、及び配線G2が接続される。
【0251】
トランジスタM1は、ゲートが配線G1と、ソース及びドレインの一方が配線S1と、他方が容量C1の一方の電極と、それぞれ接続する。トランジスタM2は、ゲートが配線G2と、ソース及びドレインの一方が配線S2と、他方が容量C1の他方の電極、及び回路401と、それぞれ接続する。
【0252】
回路401は、少なくとも一の表示素子を含む回路である。表示素子としては様々な素子を用いることができるが、代表的には有機EL素子やLED素子などの発光素子、液晶素子、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子等を適用することができる。
【0253】
トランジスタM1と容量C1とを接続するノードをノードN1、トランジスタM2と回路401とを接続するノードをノードN2とする。
【0254】
画素回路400は、トランジスタM1をオフ状態とすることで、ノードN1の電位を保持することができる。また、トランジスタM2をオフ状態とすることで、ノードN2の電位を保持することができる。また、トランジスタM2をオフ状態とした状態で、トランジスタM1を介してノードN1に所定の電位を書き込むことで、容量C1を介した容量結合により、ノードN1の電位の変化に応じてノードN2の電位を変化させることができる。
【0255】
ここで、トランジスタM1、トランジスタM2のうちの一方または両方に、酸化物半導体が適用されたトランジスタを適用することができる。そのため極めて低いオフ電流により、ノードN1またはノードN2の電位を長期間に亘って保持することができる。なお、各ノードの電位を保持する期間が短い場合(具体的には、フレーム周波数が30Hz以上である場合等)には、シリコン等の半導体を適用したトランジスタを用いてもよい。
【0256】
[駆動方法例]
続いて、
図17Bを用いて、画素回路400の動作方法の一例を説明する。
図17Bは、画素回路400の動作に係るタイミングチャートである。なおここでは説明を容易にするため、配線抵抗などの各種抵抗や、トランジスタや配線などの寄生容量、及びトランジスタのしきい値電圧などの影響は考慮しない。
【0257】
図17Bに示す動作では、1フレーム期間を期間T1と期間T2とに分ける。期間T1はノードN2に電位を書き込む期間であり、期間T2はノードN1に電位を書き込む期間である。
【0258】
〔期間T1〕
期間T1では、配線G1と配線G2の両方に、トランジスタをオン状態にする電位を与える。また、配線S1には固定電位である電位Vrefを供給し、配線S2には第1データ電位Vwを供給する。
【0259】
ノードN1には、トランジスタM1を介して配線S1から電位Vrefが与えられる。また、ノードN2には、トランジスタM2を介して配線S2から第1データ電位Vwが与えられる。したがって、容量C1には電位差Vw-Vrefが保持された状態となる。
【0260】
〔期間T2〕
続いて期間T2では、配線G1にはトランジスタM1をオン状態とする電位を与え、配線G2にはトランジスタM2をオフ状態とする電位を与える。また、配線S1には第2データ電位Vdataを供給する。配線S2には所定の定電位を与える、またはフローティング状態としてもよい。
【0261】
ノードN1には、トランジスタM1を介して配線S1から第2データ電位V
dataが与えられる。このとき、容量C1による容量結合により、第2データ電位V
dataに応じてノードN2の電位が電位dVだけ変化する。すなわち、回路401には、第1データ電位V
wと電位dVを足した電位が入力されることとなる。なお、
図17Bでは電位dVが正の値であるように示しているが、負の値であってもよい。すなわち、第2データ電位V
dataが電位V
refより低くてもよい。
【0262】
ここで、電位dVは、容量C1の容量値と、回路401の容量値によって概ね決定される。容量C1の容量値が回路401の容量値よりも十分に大きい場合、電位dVは第2データ電位Vdataに近い電位となる。
【0263】
このように、画素回路400は、2種類のデータ信号を組み合わせて表示素子を含む回路401に供給する電位を生成することができるため、画素回路400内で階調の補正を行うことが可能となる。
【0264】
また画素回路400は、配線S1及び配線S2に接続されるソースドライバが供給可能な最大電位を超える電位を生成することも可能となる。例えば発光素子を用いた場合では、ハイダイナミックレンジ(HDR)表示等を行うことができる。また、液晶素子を用いた場合では、オーバードライブ駆動等を実現できる。
【0265】
[適用例]
〔液晶素子を用いた例〕
図17Cに示す画素回路400LCは、回路401LCを有する。回路401LCは、液晶素子LCと、容量C2とを有する。
【0266】
液晶素子LCは、一方の電極がノードN2及び容量C2の一方の電極と、他方の電極が電位Vcom2が与えられる配線と接続する。容量C2は、他方の電極が電位Vcom1が与えられる配線と接続する。
【0267】
容量C2は保持容量として機能する。なお、容量C2は不要であれば省略することができる。
【0268】
画素回路400LCは、液晶素子LCに高い電圧を供給することができるため、例えばオーバードライブ駆動により高速な表示を実現すること、駆動電圧の高い液晶材料を適用することなどができる。また、配線S1または配線S2に補正信号を供給することで、使用温度や液晶素子LCの劣化状態等に応じて階調を補正することもできる。
【0269】
〔発光素子を用いた例〕
図17Dに示す画素回路400ELは、回路401ELを有する。回路401ELは、発光素子EL、トランジスタM3、及び容量C2を有する。
【0270】
トランジスタM3は、ゲートがノードN2及び容量C2の一方の電極と、ソース及びドレインの一方が電位VHが与えられる配線と、他方が発光素子ELの一方の電極と、それぞれ接続される。容量C2は、他方の電極が電位Vcomが与えられる配線と接続する。発光素子ELは、他方の電極が電位VLが与えられる配線と接続する。
【0271】
トランジスタM3は、発光素子ELに供給する電流を制御する機能を有する。容量C2は保持容量として機能する。容量C2は不要であれば省略することができる。
【0272】
なお、ここでは発光素子ELのアノード側がトランジスタM3と接続する構成を示しているが、カソード側にトランジスタM3を接続してもよい。そのとき、電位VHと電位VLの値を適宜変更することができる。
【0273】
画素回路400ELは、トランジスタM3のゲートに高い電位を与えることで、発光素子ELに大きな電流を流すことができるため、例えばHDR表示などを実現することができる。また、配線S1または配線S2に補正信号を供給することで、トランジスタM3や発光素子ELの電気特性のばらつきの補正を行うこともできる。
【0274】
なお、
図17C、
図17Dで例示した回路に限られず、別途トランジスタや容量などを追加した構成としてもよい。
【0275】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0276】
(実施の形態5)
以下では、本発明の一態様の表示装置の画素の構成例について説明する。
【0277】
【0278】
画素300は、複数の画素301を有する。複数の画素301は、それぞれ、副画素として機能する。それぞれ異なる色を呈する複数の画素301によって1つの画素300が構成されることで、表示部では、フルカラーの表示を行うことができる。
【0279】
図18A、
図18Bに示す画素300は、それぞれ、3つの副画素を有する。
図18Aに示す画素300が有する画素301が呈する色の組み合わせは、赤(R)、緑(G)、及び青(B)である。
図18Bに示す画素300が有する画素301が呈する色の組み合わせは、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)である。
【0280】
図18C乃至
図18Eに示す画素300は、それぞれ、4つの副画素を有する。
図18Cに示す画素300が有する画素301が呈する色の組み合わせは、赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)である。白色を呈する副画素を用いることで、表示部の輝度を高めることができる。
図18Dに示す画素300が有する画素301が呈する色の組み合わせは、赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)である。
図18Eに示す画素300が有する画素301が呈する色の組み合わせは、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、白(W)である。
【0281】
1つの画素として機能させる副画素の数を増やし、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、及び黄などの色を呈する副画素を適宜組み合わせることにより、中間調の再現性を高めることができる。よって、表示品位を高めることができる。
【0282】
また、本発明の一態様の表示装置は、さまざまな規格の色域を再現することができる。例えば、テレビ放送で使われるPAL(Phase Alternating Line)規格及びNTSC(National Television System Committee)規格、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、プリンタなどの電子機器に用いる表示装置で広く使われているsRGB(standard RGB)規格及びAdobe RGB規格、HDTV(High Definition Television、ハイビジョンともいう)で使われるITU-R BT.709(International Telecommunication Union Radiocommunication Sector Broadcasting Service(Television)709)規格、デジタルシネマ映写で使われるDCI-P3(Digital Cinema Initiatives P3)規格、UHDTV(Ultra High Definition Television、スーパーハイビジョンともいう)で使われるITU-R BT.2020(REC.2020(Recommendation 2020))規格などの色域を再現することができる。
【0283】
また、画素300を1920×1080のマトリクス状に配置すると、いわゆるフルハイビジョン(「2K解像度」、「2K1K」、または「2K」などともいう)の解像度でフルカラー表示可能な表示装置を実現することができる。また、例えば、画素300を3840×2160のマトリクス状に配置すると、いわゆるウルトラハイビジョン(「4K解像度」、「4K2K」、または「4K」などともいう)の解像度でフルカラー表示可能な表示装置を実現することができる。また、例えば、画素300を7680×4320のマトリクス状に配置すると、いわゆるスーパーハイビジョン(「8K解像度」、「8K4K」、または「8K」などともいう)の解像度でフルカラー表示可能な表示装置を実現することができる。画素300を増やすことで、16Kや32Kの解像度でフルカラー表示可能な表示装置を実現することも可能である。
【0284】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0285】
10:表示装置、11:表示パネル、12:保護カバー、12a、12b、13:機能層、14:保護カバー、14a、14b:機能層、15:表示部、21、22:支持体、23、23a、23b:保持部材、24、24a、24b:スペーサ、28:領域、29:スタイラス、31、32:歯車、31a、32a:回転軸、33:カバー、41、41a、41b:バネ、42:可動部材、43:接着部材