IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 寧徳新能源科技有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-電池 図1
  • 特許-電池 図2
  • 特許-電池 図3
  • 特許-電池 図4
  • 特許-電池 図5
  • 特許-電池 図6
  • 特許-電池 図7
  • 特許-電池 図8
  • 特許-電池 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/10 20210101AFI20240213BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240213BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20240213BHJP
【FI】
H01M50/10
H01M10/04 Z
H01M10/0585
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020554876
(86)(22)【出願日】2018-04-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 CN2018082885
(87)【国際公開番号】W WO2019196073
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-10-06
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 洪戦
(72)【発明者】
【氏名】江 静
(72)【発明者】
【氏名】曽 巧
(72)【発明者】
【氏名】王 可飛
【合議体】
【審判長】山田 正文
【審判官】井上 信一
【審判官】山本 章裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-232067(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0344380(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
セルと、前記セルを封入する包装フィルムとを含み、
前記包装フィルムは、折り返し部を含み、前記折り返し部は、前記セルの端面に貼り合わされる第1セグメントと、前記第1セグメントに接続された第2セグメントとを含み、前記第1セグメントは、前記第2セグメントと前記セルとの間に設けられ、前記第2セグメントは、二層の包装フィルムを含み、
前記第2セグメントの厚さは、関係式h=2d+nを満たし、
hは前記第2セグメントの厚さであり、dは前記包装フィルムの厚さであり、nは、調整係数であり、関係式-1mm≦n≦5mmを満たすものであり、
前記セルは、セパレータを含み、前記セパレータの少なくとも一部は、前記第2セグメントの二層の包装フィルムの間に位置することを特徴とする電池。
【請求項2】
前記第2セグメントは、折り返して前記第1セグメントに貼り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記第2セグメントと前記第1セグメントとの間には接着剤層が設けられ、前記第2セグメントは、前記接着剤層により前記第1セグメントに貼り付けられていることを特徴とする請求項に記載の電池。
【請求項4】
前記電池は、貼付部をさらに含み、前記貼付部は、前記第1セグメントの外側と前記第2セグメントの外側に設けられ、前記第2セグメントと前記第1セグメントとは、前記貼付部で固定されていることを特徴とする請求項に記載の電池。
【請求項5】
前記電池は、タブをさらに含み、前記タブと前記第2セグメントは、前記電池の長手方向における両側に相対して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項6】
前記第2セグメントの包装フィルムは、有機層を含み、前記有機層は、前記包装フィルムの表面に位置し、前記有機層は、前記セパレータに粘着されていることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項7】
前記第2セグメントの前記電池長手方向における幅は、関係式0.2mm≦W≦10mmを満たし、
Wは前記第2セグメントの前記電池長手方向における幅であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池の技術分野に関し、特に電池及び包装フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトパック電池は、一般的なスチールケース電池に比べ、エネルギー密度が高く、体積が小く、軽薄化であり、設計が自由であることなどのメリットを有するため、多くのユーザに好まれており、携帯型電子製品に広く応用される。電池のエネルギー密度を向上させるために、ソフトパック電池の包装袋も益々軽薄化している。包装袋の薄型化の進行は必然的にソフトパック電池の安全性に影響するが、ソフトパック電池の安全性の問題は人々が最も重視している問題である。そのため、電池の包装袋は、セルの絶縁、耐腐食、防水、強度の高い成形性等の要求を満たすことが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の実施例の目的は、電池の体積を小さくし、電池のエネルギー密度を向上させ、また、電池の底部の成型効果及び電池の安全性能と使用寿命を向上させることができる電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例は、電池を提供し、当該電池は、セルと、前記セルを封入する包装フィルムとを含み、前記包装フィルムは、折り返し部を含み、前記折り返し部は、前記セルの端面に貼り合わされる第1セグメントと、前記第1セグメントに接続された第2セグメントとを含み、前記第1セグメントは、前記第2セグメントと前記セルとの間に設けられ、前記第2セグメントは、多層の包装フィルムを含む。
【0005】
本願の1つの具体的な実施例では、前記第2セグメントの包装フィルムは、有機層と、金属層とを含み、前記有機層は、前記包装フィルムの表面に位置し、前記二層の包装フィルムは、前記有機層により粘着されている。
【0006】
本願の1つの具体的な実施例では、前記第2セグメントは、前記第1セグメントに貼り付けられている。
【0007】
本願の1つの具体的な実施例では、前記第2セグメントと前記第1セグメントとの間に接着剤層が設けられ、前記第2セグメントは、前記接着剤層により前記第1セグメントに固定されている。
【0008】
本願の1つの具体的な実施例では、前記電池は、貼付部をさらに含み、前記貼付部は、前記第1セグメントの外側と前記第2セグメントとの外側に設けられ、前記第2セグメントと前記第1セグメントとは、前記貼付部で固定されている。
【0009】
本願の1つの具体的な実施例では、前記多層の包装フィルムは、一体型構成である。
【0010】
本願の1つの具体的な実施例では、前記電池は、タブをさらに含み、前記タブと前記第2セグメントは、前記電池の第1方向における両側に相対して設けられている。
【0011】
本願の1つの具体的な実施例では、前記電池は、タブをさらに含み、前記タブと前記第2セグメントは、前記電池の第2方向における同じ側に位置する。
【0012】
本願の1つの具体的な実施例では、前記セルは、セパレータを含み、前記セパレータは、前記第2セグメントの多層の包装フィルムの間に位置する。
【0013】
本願の1つの具体的な実施例では、前記第2セグメントの包装フィルムは、有機層を含み、前記有機層は、前記セパレータに粘着されている。
【0014】
本願の1つの具体的な実施例では、前記第2セグメントの厚さは、関係式h=2d+nを満たし、hは前記第2セグメントの厚さであり、dは前記包装フィルムの厚さであり、nは、調整係数であり、関係式-1mm≦n≦5mmを満たす。
【0015】
本願の1つの具体的な実施例では、前記第2セグメントの第1方向における幅は、関係式0.2mm≦W≦10mmを満たし、Wは前記第2セグメントの第1方向における幅である。
【0016】
本願の1つの具体的な実施例では、前記電池は、二次リチウムイオン電池である。
【発明の効果】
【0017】
本願の実施例では、折り返し部がセル端面に貼り合わされる第1セグメントと、第1セグメントに接続される第2セグメントとを含み、第2セグメントは、第1セグメントの外部に位置し、第2セグメントは、二層の包装フィルムを含む。当該実施例では、折り返し部に第2セグメントを設けることにより、包装フィルムとセル底部との間の隙間をなくすことができて、第1セグメントをセルの端面に貼り合わせることができ、真空引きプロセスを行う際には、電池をセルの底部の側面に密着させることができ、しわが形成しにくくなり、電池の底部の成型が良好になる。また、当該技術案は、従来技術においてセルの底部と包装フィルムとの間の隙間をなくし、電池の体積を小さくし、電池のエネルギー密度を向上させる。当該技術案に係る包装フィルムの形状構成は規則的であり、真空引きプロセスを行う際に、電池は破損しにくく、電池の安全性能及び使用寿命を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の実施形態又は関連技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例又は関連する技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は、本開示のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0019】
図1】従来技術の一実施例に係る電池の構成断面図である。
図2】従来技術の別の実施例に係る電池の構成断面図である。
図3】本願の一実施例に係る電池の構成断面図である。
図4図3に示す実施例に係る電池の局所拡大図である。
図5】本願の別の実施例に係る電池の構成概略図である。
図6】本願の一実施例に係る電池構成の局所断面図である。
図7】本願の別の実施例に係る電池構成の局所断面図である。
図8】本願のさらに別の実施例に係る電池の構成断面図である。
図9図8に示す実施例に係る電池の局所拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1及び図2を参照すると、従来技術では、電池は、セル01と、セル01を封入する包装フィルム02と、セル01における正極シート及び負極シートにそれぞれ接続されるタブ03とを含む。上記電池の製作プロセスは、包装フィルム02を打ち抜いてセル01を入れ、上記包装フィルム02を封止してから、注液、化成及び真空引きプロセスを行うことを含む。従来技術では、セル01を包装フィルム02に入れた後、セル01の底部と包装フィルムの底部との間に大きな隙間を形成することになる。
【0021】
後続の真空引きプロセスでは、真空度が小さいと、図1に示すように、セル01の底部と包装フィルム02の底部との間に大きな空間が残りやすくなる。セル01は、包装フィルム02の内部で揺れやすく、セル01と包装フィルム02との間に相対変位が生じることによって、包装フィルム02の破損を招き、電池の使用寿命を低下させる一方で、電池の空間利用率を低下させ、体積エネルギー密度を低下させてしまう。真空度が大きいと、図2に示すように、包装フィルム02の底部が潰れてしまい、不規則なしわが発生して、電池の外観不良を招き、ひいてはポールピースが包装フィルム02を突き破ってしまうことによって、包装フィルム02の破損を招き、又は包装フィルム02がセパレータ及びポールピースを押圧して、正極シートを負極シートに直接接触させ、さらに短絡爆発などの問題を引き起こす。
【0022】
本開示の実施の形態の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下、本開示の実施の形態における図面を参照して、本開示の実施の形態における技術的解決手段を明らかに、完全に説明するが、本開示の一部の実施の形態は、すべての実施の形態ではないことは言うまでもない。本開示の実施の形態に基づいて、当業者が創造的な労力を要さずに想到し得る他の実施の形態は、すべて本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0023】
図3及び図4を参照すると、本願の実施例は、電池を提供し、当該電池は、セル1と、セル1を封入する包装フィルム2とを含み、包装フィルム2は、折り返し部21を含み、折り返し部21は、セル1の端面に貼り合わされる第1セグメント211と、第1セグメント211に接続された第2セグメント212とを含み、第1セグメント211は、第2セグメント212とセル1との間に設けられ、第2セグメント212は、二層の包装フィルム2を含む。
【0024】
図3乃至図5に示すように、本願の一実施例では、電池は、セル1と、セル1を封入する包装フィルム2とを含む。上記電池の製作プロセスは、包装フィルム2を打ち抜いて、包装フィルム2の折り返し部21を形成し、セル1を入れ、上記包装フィルム2の折り返し部21以外の側辺を封止して封止部22を形成し、そして注液、化成及び真空引きプロセスを行うことを含む。
【0025】
本願の実施例では、包装フィルム2は、シート状構成であり、打ち抜きプロセス後に折り返して、さらに包装フィルム2の折り返し部21以外の側辺を封止し、封止された側辺を封止部22とすることによって、電池の包装袋が形成される。具体的に、包装フィルム2の折り返した領域は、折り返し部21となり、当該折り返し部21は、電池のセル1の底部に対向し、図3乃至図5に示す具体的な実施例では、上記折り返し部21は、タブに対向する一方側に位置する。
【0026】
本願の実施例では、折り返し部21は、セル1の端面に貼り合わされる第1セグメント211と、第1セグメント211に接続された第2セグメント212とを含み、第1セグメント211は、第2セグメント212とセル1との間に設けられ、第2セグメント212は、二層の包装フィルム2を含む。当該実施例では、折り返し部21に第2セグメント212を設けることにより、包装フィルム2とセル1の底部との間の隙間をなくすことが可能であり、第1セグメント211をセル1の端面に貼り合わすことができ、真空引きプロセスを行う際、電池をセル1の底部の側面に密着させることができ、しわが形成しにくく、電池の底部の成型が良好である。また、この技術案は、従来技術においてセル1の底部と包装フィルム2との間の隙間をなくすことができ、電池の体積を小さくし、電池のエネルギー密度を向上させることができる。この技術案は、包装フィルム2の形状構成は規則的であり、真空引きプロセスを行う際に、電池は破損しにくく、電池の安全性能及び使用寿命を向上させることができる。
【0027】
なお、具体的な実施例では、上記電池は、ソフトパック電池である。
【0028】
選択可能な実施例では、第2セグメント212の包装フィルム2同士は、互いに固定してもよく、固定しなくてもよい。例えば、接着または熱プレスの手段により、第2セグメント212の包装フィルム2同士を固定接続してもよいし、圧着処理のみを行い、第2セグメント212の包装フィルム2同士を互いに固定しなくてもよく、包装フィルム2を折り畳んで第2セグメント212を形成すればよい。
【0029】
具体的な実施例では、第2セグメント212の包装フィルム2は、有機層と、金属層とを含み、有機層は、包装フィルム2の表面に位置し、二層の包装フィルム2は、有機層により粘着される。
【0030】
第2セグメント212は、圧着した第2セグメント212であってもよく、即ち、この第2セグメント212は、圧着プロセスにより製作されて、二層の包装フィルム2が固定接続される。無論、第2セグメント212に圧着処理した後、ヒートシールを行ってもよく、第2セグメント212の構成安定性を向上させる。或いは、他のプロセスを用いて第2セグメント212を製作する。
【0031】
図6及び図7に示すように、好ましい実施例では、第2セグメント212は、第1セグメント211に貼り付けられている。当該実施例では、第2セグメント212は、折り返して第1セグメント211の外側に貼り付けられ、即ち電池の底部に貼り付けられてもよい。当該実施例では、電池の構成は、より規則的であり、且つ当該電池の使用時、占める面積が小さい。また、当該実施例では、第2セグメント212は展開しにくく、第2セグメント212の構成の安定性をさらに向上させることができる。
【0032】
第2セグメント212が第1セグメント211の外側に貼り付けられる具体的な方式は特に限定されず、例えば、図6に示すように、一具体的な実施例では、第2セグメント212と第1セグメント211との間に、接着剤層3が設けられ、第2セグメント212は、接着剤層3により第1セグメントに固定される。当該実施例では、第2セグメント212と第1セグメントとの間に接着剤層3を設けることにより、第2セグメント212が第1セグメント211の外側に貼り付けられるようにする。図7に示すように、別の具体的な実施例では、電池は、貼付部4をさらに含み、貼付部4は、第1セグメント211及び第2セグメント212の外側に設けられ、これによって、第2セグメント212が第1セグメント211に貼り付けられる。
【0033】
具体的な実施例では、二層の包装フィルム2は、一体型構成である。例えば、下記のように実現することができる。即ち、第2セグメント212は、1つの包装フィルム2が折り畳んで二層の包装フィルム2が形成され、図6に示すように、包装フィルム2は、一枚のフィルム材であり、フィルム材の中部に折り返し部が形成され、フィルム材が折り返してセル1を包み、折り返し部が形成された第2セグメント212では、二層の包装フィルム2が、展開後に接続関係にある。
【0034】
図8を参照すると、一具体的な実施例では、電池は、タブ7をさらに含み、タブと第2セグメント212は、電池の第1方向5における両側に相対して設置される。図7に示す実施例では、タブ7と第2セグメント212は、電池の第1方向5の両側に相対して設置され、具体的に、第1方向5とは、タブ7が包装フィルム2から突出する方向を指す。無論、当該実施例は、1つの具体的な実施例に過ぎず、実際の応用では、必要に応じてタブ7の位置を設計することができる。
【0035】
引き続き図8を参照すると、より具体的な実施例では、タブ7と第2セグメント212は、電池の第2方向6における同じ側に位置する。当該実施例では、第2セグメント212は、第1セグメント211の外側に貼り付けられず、展開した状態である。図8に示す実施例では、タブ7と第2セグメント212は、電池における電池の第2方向6に沿う同じ側に位置し、第2方向6は具体的に、第1方向5に垂直な方向であり、タブ7と第2セグメント212は、電池の同じ側に位置すると、当該電池の使用時に、セル1の外部へ突出する構成が同じ側に位置し、即ち、当該電池の取り付け及び当該電池のアクセサリに別の部品を取り付けることに便利となる。
【0036】
図8及び図9を参照すると、好ましい実施例では、セル1は、ポールピース11、セパレータ12及び電解液(未図示)を含み、セパレータ12の一部は、第2セグメント212の包装フィルム2間に位置する。
【0037】
当該実施例では、第2セグメント212は、セパレータ12を固定することもでき、その結果、セル1が包装フィルム2内に安定的に固定され、セル1と包装フィルム2との相対的な移動を低減させ、電池の使用寿命をさらに向上させることができる。
【0038】
具体的な実施例では、第2セグメントの包装フィルムは、有機層を含み、有機層は、セパレータに粘着される。具体的に、当該実施例において、第2セグメントは、ホットプレスの方式によりセパレータに固定され、このように、セパレータと第2セグメントとの固定強度をさらに向上させることができる。
【0039】
具体的な実施例では、第2セグメントの厚さは、関係式h=2d+nを満たし、式中、hは第2セグメントの厚さであり、dは包装フィルムの厚さであり、nは、調整係数であり、-1mm≦n≦5mmを満たす。
【0040】
なお、具体的な実施例では、nは、負の値であってもよく、第2セグメントを製作する方法が特に限定されないため、ホットプレスの方式を用いて製作する際、第2セグメントの厚さは、二層の包装フィルムの厚さよりも小さくなり得る。
【0041】
第2セグメントの第1方向における幅は、関係式0.2mm≦W≦10mmを満たし、式中、Wは第2セグメントの第1方向における幅であり、図8及び図9に示すように、幅の測定の始点は、第1セグメントと第2セグメントとの交点であり、幅の測定の終点は、第2セグメントの第1方向におけるセルからの最遠端である。
【0042】
第2セグメントの寸法が上記条件を満たす場合、第1セグメントがセルの端面に貼り合わされて、従来技術においてセルの底部と包装フィルムとの間の隙間をなくし、電池の体積を小さくし、電池のエネルギー密度を向上させることができる。電池の底部の成型の効果、及び電池の安全性能と使用寿命を向上させることもできる。具体的に、図7に示すように、当該実施例では、第1方向5とは、電池の長手方向でもある。
【0043】
具体的な実施例では、包装フィルムは、積層配置される複数層構成を含み、当該積層配置される複数層構成は、金属層及び非金属層を含み、金属層が非金属層の間に設けられる。
【0044】
当該実施例では、金属層は、一定の硬さを有し、包装フィルムの形状を保つことができ、電池の成型に有利であり、且つ包装フィルムの強度を向上させることができ、液漏れにくくなり、セルに隣接する非金属層は、セルの分解液を隔離することができ、外側に露出する非金属層は、外部に直接接触するため、電池の使用寿命を向上させるように、耐摩耗性を有する必要がある。
【0045】
具体的な実施例では、包装フィルムは、積層配置される三層の構成を含み、当該積層配置される三層の構成は、二層の非金属層と二層の非金属層の間に設けられる一層の金属層とを含む。当該実施例では、包装フィルムの構成は簡単であり、電池の機能要件を満足することができる。
【0046】
具体的な実施例では、金属層は、アルミニウム層であり、セルに隣接する非金属層は、ポリプロピレン層であり、外側に露出する非金属層はナイロン層である。
【0047】
一具体的な実施例では、金属層に質量含有量が最も高い材料がアルミニウムであり、或いは、金属層に質量含有量が最も高い材料が鉄である。即、よく見かけるアルミニウム箔又は鉄箔であってもよく、コストが低く且つ入手しやすく、且つ、強度は、電池の包装フィルムに対する強度需要を満たすことができる。
【0048】
上記包装フィルム材料は、一具体的な実施例に過ぎず、そのうちのいずれかの層の材料は、需要に応じて他の材料で置き換えることができる。
【0049】
具体的な実施例では、電池の具体的な種類は限定されず、電池は、二次リチウムイオン電池を含む。
【0050】
明らかなように、当業者であれば、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、本願に対して様々な修正及び変形を行うことができる。このように、本願のこれらの変形及び変更が本願の特許請求の範囲及びその均等の範囲に含まれる場合、本願はこれらの修正及び変形をも含む意図である。
【符号の説明】
【0051】
従来技術の部分:
01-セル、02-包装フィルム、03-タブ
本発明の実施例の部分:
1-セル、11-ポールピース、12-セパレータ
2-包装フィルム、21-折り返し部、211-第1セグメント
212-第2セグメント、22-封止部、3-接着剤層
4-貼付部、5-第1方向、6-第2方向、7-タブ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9