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特許7434178セカンドパーティデジタルマーケティングデータの分析
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】セカンドパーティデジタルマーケティングデータの分析
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20240213BHJP
【FI】
G06Q30/0242
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020560957
(86)(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 US2019028285
(87)【国際公開番号】W WO2019212764
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-04-18
(31)【優先権主張番号】15/969,384
(32)【優先日】2018-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ミハウ・ゲラー
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ヒギンズ
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-501990(JP,A)
【文献】米国特許第09838754(US,B2)
【文献】米国特許第09865004(US,B1)
【文献】特表2016-534477(JP,A)
【文献】国際公開第2017/062912(WO,A2)
【文献】MarkeZine マーケティング最前線2017,第1版,株式会社翔泳社,2017年02月10日,p.44-51,114-121
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
広告キャンペーンを受信することであって、遠隔デバイスによる前記広告キャンペーンの実行はセカンドパーティデータを取得する、ことと、
前記遠隔デバイスに、前記遠隔デバイス又は前記遠隔デバイスのウェブサービスに保存された構成ファイルを用いて前記広告キャンペーン用の測定データを集約するために前記遠隔デバイスが使用する一組の次元を決定させることと、
関心対象の次元を定義することと、
定義された前記関心対象の次元が、前記広告キャンペーン用に前記測定データを集約するために前記遠隔デバイスが使用する前記一組の次元に存在しないことを決定することと、
前記広告キャンペーンと前記定義された前記関心対象の次元をメモリに記憶することと、
前記定義された前記関心対象の次元を用いて前記広告キャンペーンを複数のサブユニット広告キャンペーンに分割することであって、
前記複数のサブユニット広告キャンペーンにおける各サブユニット広告キャンペーンは前記定義された前記関心対象の次元によって定義された値の範囲内にそれぞれの値を有し、
前記複数のサブユニット広告キャンペーンにおける各サブユニット広告キャンペーンは、前記広告キャンペーン用の測定データを集約するために前記遠隔デバイスが使用する前記一組の次元を有する、ことと、
前記分割することに応答して、遠隔デバイスによって各サブユニット広告キャンペーンを実行するために前記遠隔デバイスに送信することと、
前記送信することに応答して、前記遠隔デバイスから測定データを受信することであって、前記測定データは、前記遠隔デバイスで実行する前記広告キャンペーンのためにファーストパーティ測定データに近似する、ことと、
前記遠隔デバイスからの前記測定データに少なくとも部分的に基づいてセカンド広告キャンペーンを実行することと、を含むコンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記定義することが、第2の関心対象の次元に少なくとも部分的に基づいて、前記関心対象の次元を定義することを含み、
前記第2の関心対象の次元が、前記関心対象の次元を表す、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記関心対象の次元が、人工統計学的特性、挙動パターン、又は地理的領域を表す、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
ファーストパーティ測定データ、セカンドパーティ測定データ、又はサードパーティ測定データに基づいて前記測定データを処理することを更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記測定データを分析することを更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記広告キャンペーンに少なくとも部分的に基づいて、第2の関心対象の次元のための値の範囲内の各値に対してそれぞれ第2のサブユニット広告キャンペーンを作成することを更に含み、
前記第2の関心対象の次元は、前記広告キャンペーンの前記一組の次元内に存在する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
各第2のサブユニット広告キャンペーンを、第2の遠隔デバイスによって実行するために前記第2の遠隔デバイスに第2送信することと、
前記第2送信することに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の遠隔デバイスから第2の測定データを第2受信することと、
前記測定データに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の測定データを処理することと、を含む請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
メモリと、
前記メモリに連結された少なくとも一つのプロセッサとを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
広告キャンペーンを受信することであって、遠隔デバイスによる前記広告キャンペーンの実行は、標準化されていないセカンドパーティデータを取得する、ことと、
前記遠隔デバイス又は前記遠隔デバイスのウェブサービスに保存された構成ファイルを用いて前記広告キャンペーン用の測定データを集約するために前記遠隔デバイスが使用する一組の次元を質問することと、
関心対象の次元を定義することと、
定義された前記関心対象の次元が、前記広告キャンペーン用の前記測定データを集約するために前記遠隔デバイスが使用する前記一組の次元に存在しないことを決定することと、
前記広告キャンペーンと前記定義された前記関心対象の次元をメモリに記憶することと、
前記定義された前記関心対象の次元を用いて前記広告キャンペーンを複数のサブユニット広告キャンペーンに分割することであって、
前記複数のサブユニット広告キャンペーンにおける各サブユニット広告キャンペーンは前記定義された前記関心対象の次元によって定義された値の範囲内のそれぞれの値を有し、
前記複数のサブユニット広告キャンペーンにおける各サブユニット広告キャンペーンは、前記広告キャンペーン用の測定データを集約するために前記遠隔デバイスが使用する前記一組の次元を有する、ことと、
前記分割することに応答して、前記遠隔デバイスによって実行するために前記遠隔デバイスに各サブユニット広告キャンペーンを送信することと、
前記遠隔デバイスによって実行するために、前記遠隔デバイスへの各広告キャンペーンの送信に応答して、コンピュータネットワークを通じて前記遠隔デバイスから測定データを受信することであって、前記測定データは、前記遠隔デバイスで実行する前記広告キャンペーンのためにファーストパーティ測定データに近似する、ことと、
前記遠隔デバイスからの前記測定データに少なくとも部分的に基づいて、第2の広告キャンペーンを実行することと、を有するシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
第2の関心対象の次元に少なくとも部分的に基づいて、前記関心対象の次元を定義するように更に構成され、
前記第2の関心対象の次元が、前記関心対象の次元を表す、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記ファーストパーティ測定データを分析するように更に構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記広告キャンペーンに少なくとも部分的に基づいて第2の関心対象の次元のための値の範囲内の各値に対して第2のサブユニット広告キャンペーンを作成することであって、前記第2の関心対象の次元は前記一組の広告キャンペーン内に存在する、ことと、
第2の遠隔デバイスによって実行するために、前記第2の遠隔デバイスに各第2のサブセット広告キャンペーンを第2送信することと、
前記第2の遠隔デバイスによって実行するために、各第2のサブセット広告キャンペーンの前記第2送信に少なくとも部分的に基づいて前記第2の遠隔デバイスから第2の測定データを第2受信することと、
前記測定データに少なくとも部分的に基づいて前記第2の測定データを処理することと、を含む請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された命令を有し、
前記命令は、少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって実行されると、前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスに、
広告キャンペーンを受信することであって、遠隔デバイスによる前記広告キャンペーンの実行はセカンドパーティデータを得る、ことと、
前記遠隔デバイスに、前記遠隔デバイス又は前記遠隔デバイスのウェブサービスに保存された構成ファイルを用いて広告キャンペーン用の測定データを集約するために前記遠隔デバイスが使用する一組の次元を決定させることと、
関心対象の次元を定義することと、
定義された前記関心対象の次元が、前記広告キャンペーン用の前記測定データを集約するために前記遠隔デバイスが使用する前記一組の次元に存在しないことを決定することと、
前記広告キャンペーンと前記定義された前記関心対象の次元をメモリに記憶することと、
前記定義された前記関心対象の次元を用いて前記広告キャンペーンを複数のサブユニット広告キャンペーンに分割することであって、
前記複数のサブユニット広告キャンペーンにおける各サブユニット広告キャンペーンは前記定義された前記関心対象の次元によって定義された値の範囲内のそれぞれの値を有し、
前記複数のサブユニット広告キャンペーンにおける各サブユニット広告キャンペーンは、前記広告キャンペーン用の測定データを集約するために前記遠隔デバイスが使用する前記一組の次元を有する、ことと、
前記分割することに応答して、各サブユニット広告キャンペーンを前記遠隔デバイスによって実行するために前記遠隔デバイスに送信することと、
前記送信することに応答して、前記遠隔デバイスから測定データを受信することであって、
前記測定データは、前記遠隔デバイスで実行する前記広告キャンペーンのためのファーストパーティ測定データに近似する、ことと、
前記遠隔デバイスからの前記測定データに少なくとも部分的に基づいてセカンド広告キャンペーンを実行することと、を含む操作を実行させる非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記定義することが、第2の関心対象の次元に少なくとも部分的に基づいて前記関心対象の次元を定義することを含み、
前記第2の関心対象の次元は、前記関心対象の次元を表す、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記操作は、
前記測定データを分析することを更に含む、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記操作はさらに、
前記広告キャンペーンに少なくとも部分的に基づいて、第2の関心対象の次元のための値の範囲内の各値に対してそれぞれ第2のサブユニット広告キャンペーンを作成することを更に含み、
前記第2の関心対象の次元は、前記一組の前記広告キャンペーン内に存在する、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記操作はさらに、
各第2のサブユニット広告キャンペーンを、第2の遠隔デバイスによる実行のために前記第2の遠隔デバイスに第2送信することと、
前記第2送信に少なくとも部分的に基づいて前記第2の遠隔デバイスから第2の測定データを第2受信することと、
前記測定データに少なくとも部分的に基づいて前記第2の測定データを処理すること、を含む請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
デジタルマーケティングは、企業及び組織が、どのように顧客及び個人との関係を確立し、成長させるかを変化させてきた。デジタルマーケティングは、デジタルプラットフォームを介した広告キャンペーンの作成及び実行を伴う。このプロセスの一部として、デジタルマーケタ(又は広告主)は、そのデジタル広告キャンペーンの成功を測定することに関心を有し得る。デジタルマーケタは、ページのインプレッション、クリック、ウェブサイトのヒット、カードへの追加、及び実際の購入などのいくつかのユーザエンゲージメントを追跡することに関心を有し得る。デジタルマーケタは、この情報を使用して、その広告キャンペーンの効率を決定し、その将来のキャンペーンのためのより良好な判断を行い得る。
【0002】
従来、デジタルマーケタは、広告キャンペーンを使用して、潜在的消費者をデジタルマーケタのオンラインストアに駆り立てる。デジタルマーケタは、その広告キャンペーンの成功を測定するために、異なるタイプのデータに依存し得る。例えば、デジタルマーケタは、その自身のウェブサイトで直接的に、顧客の挙動、行動、又は関心に関するデータを収集し得る。このデータは、多くの場合、デジタルマーケタがそのウェブサイトで直接的にデータを収集するため、ファーストパーティデータと称される。デジタルマーケタは、その自身のウェブサイトで直接的にデータを収集するため、データは、多くの場合、その顧客に関する非常に詳細な情報を含有する。
【0003】
デジタルマーケタはまた、データアグリゲータなどの外部ソースから顧客の挙動、行動、又は関心に関するデータを受信し得る。このデータは、多くの場合、サードパーティデータと称される。ファーストパーティデータとは異なり、サードパーティデータは、サードパーティウェブサイトなどのデジタルマーケタによって制御されないエンティティにおいて収集され得る。オンラインデータに加えて、サードパーティデータはまた、オフライントラフィック及び売上などのオフラインデータを含み得る。サードパーティデータは、多くの場合、あらゆる関心のあるデジタルマーケタに利用可能とされる。しかし、このサードパーティデータは、多くの場合、ファーストパーティデータよりも少ない情報を有する。例えば、サードパーティデータは、多くの場合、広告キャンペーン成果を改善するのに有用であり得る個々の顧客レベルデータ(例えば、ウェブサイトの相互作用又はリピート売上の詳細)を有しない。サードパーティデータの詳細な情報の欠如は、多くの場合、データが集約形態で提供されることに起因する。デジタルマーケタは、その特定の顧客に関する固有の洞察を提供しないため、かつその競合相手に広くアクセス可能であるため、サードパーティデータを非常に有用であると見出さない場合がある。
【0004】
より最近では、デジタルマーケタは、そのデジタル広告キャンペーンの成功を測定するために、セカンドパーティデータに依存し得る。セカンドパーティデータは、デジタルマーケタによって制御されないソースで収集されるが、デジタルマーケタに対してソースによって利用可能とされているデータであり得る。言い換えると、デジタルマーケタは、ソースから直接的にセカンドパーティデータを受信し得る。例えば、デジタルマーケタは、デジタルマーケタと直接的に自身の顧客データを共有することを望んでいるソース(例えば、Amazon.com(登録商標))との協定を有し得る。サードパーティデータとは異なり、セカンドパーティデータは、概して、いかなる関心のあるデジタルマーケタにも販売されない。更に、セカンドパーティデータは、多くの場合、サードパーティデータよりも粒度が細かくなり得る。
【0005】
デジタルマーケタは、サードパーティデータよりもいくつかの利点を提供し得るため、セカンドパーティデータに依存し得る。第1に、競合相手は、セカンドパーティデータへのアクセスを有しない場合がある。第2に、セカンドパーティデータは、サードパーティデータよりも粒度が細かくなり得る。
【0006】
しかし、セカンドパーティは、それらの顧客が誰であるかという完全な可視性をデジタルマーケタに提供しない場合がある。これは、2つの理由に起因する。第1に、デジタルマーケタは、不完全なセカンドパーティデータを受信し得る。第2に、デジタルマーケタは、集約形態でセカンドパーティデータを受信し得る。両方の問題は、多くの場合、プライバシ又は法的制限による基礎となる未加工データを提供することができないことに起因するか、又はソースが基礎となる未加工データを提供しないための競争上の理由を有するためである。
【0007】
完全な、粒度の細かい、セカンドパーティのデータなしでは、デジタルマーケタは、その広告キャンペーンの成果を効果的に測定することができない場合がある。したがって、デジタルマーケタは、セカンドパーティデータを使用して、デジタルマーケタの顧客のより大きい、より完全な像を形成する手法を必要とする。言い換えると、デジタルマーケタは、ファーストパーティデータがデジタルマーケタに利用不可能であるか、又はアクセス不可能であるときに、ファーストパーティデータに可能な限り近づく手法を必要とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する。
【0009】
図1】本開示の実施形態が実装され得る例示的な動作環境の機能ブロック図である。
【0010】
図2】例示的な実施形態による、セカンドパーティ測定データを分析するためのシステムのブロック図である。
【0011】
図3】例示的な実施形態による、サブユニット広告キャンペーンからのセカンドパーティ測定データを処理するためのシステムのブロック図である。
【0012】
図4】例示的な実施形態による、広告キャンペーンを分析するためのプロセスのフローチャートである。
【0013】
図5】様々な実施形態を実装するために有用な例示的なコンピュータシステムである。
【0014】
図面では、同様の参照番号は、概して、同一又は類似の要素を示す。加えて、概して、参照番号の左端の桁(複数可)は、その参照番号が最初に現れる図面を識別する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明では、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、数多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、構造、システム、及び方法を含む実施形態は、これらの具体的な詳細なしで実施され得ることが、当業者には明らかであろう。本明細書の説明及び表現は、当該技術分野で経験のある者すなわち当業者によって、それらの作業を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用される通常の手段である。他の例では、本開示の態様を不必要に不明瞭にすることを回避するために、周知の方法、手順、構成要素、及び回路は、詳細に説明されていない。
【0016】
「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態(an example embodiment)」などの本明細書での言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含まなくてもよいことを示す。更に、このような句は、必ずしも同一の実施形態を言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態と関連して記載される場合、明確に記載されているかどうかに関わりなく、他の実施形態と関連するこのような特徴、構造、又は特性への影響は、当業者の知見内であるものとする。
1.概要
【0017】
本明細書では、セカンドパーティデジタルマーケティングデータを分析するためのシステム、装置、デバイス、方法及び/若しくはコンピュータプログラム製品の実施形態、並びに/又はそれらの組み合わせ及び部分組み合わせが提供される。具体的には、実施形態は、セカンドパーティデータを他のデータ(例えば、他のセカンドパーティデータ又はサードパーティデータ)と組み合わせて、ファーストパーティデータに近似することを伴う。これらの実施形態の更なる詳細を説明する前に、デジタルマーケティングが何か、広告メッセージ(又は「広告」)がどのようにユーザで標的化されるか、及びデジタルマーケティングキャンペーンの成功がどのように測定されるかを含む、デジタルマーケティングの簡単な概要が提供される。
1.1デジタル広告キャンペーン
【0018】
高位では、マーケティングは、広告主をその視聴者と接続することを伴う。これは、企業又は組織の単一の概念又はテーマを視聴者と共有する一連の広告を通して様々な広告キャンペーンを作成及び実行することを伴い得る。広告は、多くの場合、創造的な着想又は技能の結果であるため、「クリエイティブ」と称される。
【0019】
従来のマーケティングでは、クリエイティブは、当業者によって理解されるように、新聞広告、テレビコマーシャル、ラジオ広告、広告板、又は任意の他のタイプのクリエイティブであり得る。デジタルマーケティングでは、クリエイティブは、静的クリエイティブ、フラッシュクリエイティブ、又はリッチメディアクリエイティブであり得る。静的クリエイティブは、GIF又はJPEGなどの動かない画像又はグラフィックであり得る。フラッシュクリエイティブは、自己アニメーション化されている画像又はグラフィックであり得る。リッチメディアクリエイティブは、ユーザが対話し得る画像又はグラフィックであり得る。例えば、ユーザは、マウスオーバー、又はマウスクリックを通して、リッチメディアクリエイティブと対話し得る。
1.2デジタル広告キャンペーン標的化
【0020】
広告主は、特定のユーザを標的化する広告キャンペーンを作成することを望む場合がある。これは、広告主が、効率的な広告の広がりを可能にするように、広告主のマーケティング努力が関連消費者に到達するのを確保することを望み得るためである。広告主は、マーケティング通信チャネルを使用して特定のユーザを標的化し得る。マーケティング通信チャネルは、広告主と標的ユーザとの間の接続を作成するために使用される任意の通信チャネルであり得る。
【0021】
従来のマーケティングでは、マーケティング通信チャネルは、新聞、ラジオ、テレビ、広告板、電話、又は訪問販売を含み得る。デジタルマーケティングでは、マーケティング通信チャネルは、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアネットワーク、又は検索エンジンを含み得る。広告主は、多くの場合、その標的視聴者がその時間を費やす場所に基づいて広告キャンペーン用のマーケティング通信チャネルを選択する。これは、広告キャンペーンが関連するユーザに到達することを確保する。
【0022】
従来のマーケティングでは、広告主は、特定のユーザを標的化するマーケティングチャネルを使用して広告キャンペーンを作成及び実行し得る。例えば、広告主は、特定のテレビ局上の特定のテレビ番組を視聴する視聴者を標的化し得る。同様に、デジタルマーケティングでは、広告主は、特定のユーザを標的化するマーケティングチャネルを使用して広告キャンペーンを作成及び実行し得る。しかしながら、デジタルマーケティングは、広告主がより効果的にユーザを標的化することを可能にすることによって、従来のマーケティングを改善する。
【0023】
デジタルマーケティングでは、広告主は、1つ以上のパラメータに基づいて、どのユーザを標的化するかを定義し得る。広告主は、人口統計学的検討、挙動パターン、又は地理的場所に基づいてユーザをセグメント化するために、これらのパラメータを使用し得る。例えば、人口統計学的セグメント化では、広告主は、性別、年齢、収入、居住地、教育、婚姻状態、人種、又は世帯規模などのパラメータに基づいて、視聴者を分割し得る。挙動的セグメント化では、広告主は、特定の消費パターンに基づいて視聴者を分割し得る。例えば、広告主は、過去の購入履歴又は閲覧履歴などのパラメータに基づいて、視聴者を分割し得る。地理的セグメント化では、広告主は、地理的領域に基づいて視聴者を分割し得る。例えば、広告主は、郵便番号などのパラメータに基づいて視聴者を分割し得る。広告主は、ユーザがいつアクティブであるか、ユーザが製品を使用する頻度、及びユーザが以前の訪問者であるか否かなどの様々な他のタイプのパラメータに基づいて、視聴者を分割し得る。
【0024】
広告キャンペーンにどのユーザを標的化するかを定義した後、広告主は、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアネットワーク、又は検索エンジンなどのデジタルマーケティングチャネルに広告キャンペーンを発行し得る。例えば、広告主は、広告キャンペーンのクリエイティブをウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアネットワーク、又は検索エンジンにアップロードし得る。いくつかの場合、広告主は、デジタルマーケティングチャネルを制御し得る。言い換えると、広告主は、デジタルマーケティングチャネルの発行者であってもよい。いくつかの他の場合、デジタルマーケティングチャネルは、外部発行者によって実行されてもよい。この後者の場合、広告主は、どのユーザを広告キャンペーンに標的化するかを定義するパラメータを発行者に提供し得る。
【0025】
標的化を実装するために、発行者は、広告主がその広告キャンペーンからのクリエイティブを発行し得る、そのウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアネットワーク、又は検索エンジン上の様々な広告配置を提供し得る。広告配置は、広告主が広告キャンペーンからの広告を標的化目的のために配置するように選択し得る、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアネットワーク、又は検索エンジン上の特定のエリアグループであってもよい。いくつかの場合、広告主は、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアネットワーク、又は検索エンジン上の特定の場所を有する広告配置を単に選択することによって広告キャンペーンを標的化し得る。いくつかの他の場合、広告主は、広告キャンペーンのパラメータが、ユーザ、ユーザデバイスの特性、又はウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアネットワーク若しくは検索エンジンの内容に合致するか否かに基づいて、広告キャンペーンを表示するように、発行者によって構成されている広告配置を選択することによって広告キャンペーンを標的化し得る。
1.3デジタル広告キャンペーン効果の測定
【0026】
ユーザを標的化することに加えて、広告主はまた、デジタル広告キャンペーンの有効性を測定することも望む。デジタル広告キャンペーンがどの程度有効であるかを測定するための様々な方法が存在する。これらの方法の多くは、従来のマーケティングでは利用不可能である。これは、従来のマーケティングとデジタルマーケティングとが異なる通信モデルを使用するためである。例えば、従来のマーケティングでは、広告キャンペーンは、外向きマーケティングを提供し得る。外向きマーケティングでは、広告主は、広告キャンペーンを消費者と共有し得るが、消費者は、広告主と逆方向に通信することができない場合がある。例えば、潜在的消費者がテレビ上の広告メッセージを閲覧し、その後、製品を店内で購入する場合、広告主が購入行動を広告メッセージに逆方向に結び付ける方法が存在しない場合がある。
【0027】
対照的に、デジタルマーケティングでは、広告キャンペーンは、内向きマーケティングを提供し得る。内向き結合マーケティングでは、広告主は、消費者と広告キャンペーンを共有し得、消費者は、広告主と逆方向に通信し得る。例えば、デジタルマーケティングでは、潜在的消費者がウェブサイト上の広告メッセージを閲覧するか、又は消費者が広告メッセージをクリックして製品を購入する場合、広告主は、その行動(例えば、閲覧又はクリック)を広告メッセージに逆方向に結び付けることができ得る。したがって、内向きマーケティングは、広告主が広告キャンペーンに即時消費者応答を引き出すことを可能にする。内向きマーケティングは、消費者が広告主と逆方向に通信することを可能にするため、広告主は、広告キャンペーンに応答して消費者から様々なタイプのデータを収集することができる。広告主は、多くの場合、このデータを使用して広告キャンペーンの成果を評価し、必要に応じてマーケティング戦略を転換し得る。
【0028】
広告主は、広告キャンペーンに応答して、消費者から様々なタイプのデータを収集し得る。例えば、広告主は、個々の消費者にクリエイティブが表示された回数を表すインプレッションを収集し得る。広告主は、消費者がクリエイティブをクリックした回数を表すクリエイティブに対するクリックを収集し得る。広告主は、クリエイティブに対するクリックスルーレートを収集し得る。クリックスルーレートは、クリックされたクリエイティブのインプレッションの割合を表し得る。これは、クリエイティブのクリック数を、クリエイティブのインプレッション数で除算することによって計算され得る。広告主は、クリエイティブに対するコンバージョンを収集し得る。コンバージョンは、クリエイティブをクリックした後に消費者によって行われた一組の所望の行動のうちの1つを表し得る。例えば、コンバージョン行動は、当業者によって理解されるように、購入、フォームの記入、サービスへの加入、又は様々な他の行動を行うことを含み得る。最後に、広告主は、クリエイティブに対するコンバージョンレートを収集し得る。コンバージョンレートは、所望の行動を結果的にもたらした、クリエイティブのクリックの割合を表し得る。これは、クリエイティブのコンバージョン数をクリエイティブのクリック数によって除算することによって計算され得る。
【0029】
加えて、広告主は、広告キャンペーンの有効性をより良好に評価するために、様々な関心対象のレベルでこのデータを収集し得る。例えば、広告主は、広告キャンペーンレベルでデータを収集し得る。広告キャンペーンレベルで収集されたデータは、広告キャンペーンが、全ての発行者、配置、及びクリエイティブにわたって、どの程度良好に全体的に行われているかを測定し得る。広告主はまた、発行者レベルでデータを収集してもよい。発行者レベルで収集されたデータは、キャンペーンが、発行者での全ての広告配置にわたって、どの程度良好に行われているかを測定し得る。最後に、広告主は、クリエイティブレベルでデータを収集し得る。クリエイティブレベルで収集されたデータは、個々のクリエイティブが、全ての発行者及び配置にわたってどの程度良好に行われているかを測定し得る。
【0030】
このデータを収集した後、広告主は、データを使用して、その顧客に関するより多くの情報、その広告キャンペーンがどの程度有効であるか、及びその広告戦略を今後どのように変化させるかを決定し得る。広告主は、収集されたデータを広告キャンペーンと関連付けられた標的化情報と組み合わせることによって、この情報を決定し得る。例えば、広告主は、Washington,DCエリアのユーザに販売するための製品を広告する広告キャンペーンを作成及び実行し得る。この広告キャンペーンは、広告キャンペーン内でクリエイティブをクリックし、製品を購入する人々の割合を収集し得る。広告キャンペーンの標的化パラメータと連結されたこのコンバージョンレート(conversation rate)は、したがって、その製品がWashington,DCエリアでどの程度人気があるかの指標を提供し得る。
【0031】
広告主はまた、様々なタイプの実験的試験を行うことによって、異なる広告キャンペーンの成果を比較し得る。例えば、広告主は、A/B試験又はバンディット試験を行い得る。A/B試験は、ユーザの行動に影響を及ぼし得る1つの変化を除いて同一である、等しい割合(50/50)の何らかの2つのバージョン(A及びB)を比較することを伴う。バージョンAは、現在使用されているバージョン(対照例)であり得、一方、バージョンBは、いくつかの点で修正され得る。デジタル広告の場合、A/B試験は、関心対象の帰結(例えば、広告キャンペーンのクリックスルーレート)を増加させる広告キャンペーンへの変化を識別することを伴い得る。例えば、広告主は、1つの次元を除いて同一である2つの広告キャンペーンを作成し得る。広告主は、次いで、ユーザの50%が対照広告キャンペーンを受信し、ユーザの50%が改変広告キャンペーンを受信するように、2つの広告キャンペーンを設定し得る。広告主は、次いで、ある期間、2つの広告キャンペーンを実行し得る。期間が経過した後、広告主は、改変広告キャンペーンへの修正が、関心対象の帰結(例えば、クリックスルーレート)を増加させたか否かを決定し得る。
【0032】
広告主はまた、バンディット試験を行い得る。バンディット試験では、3つ以上の選択肢が同時に試験され、より多くのトラフィック(例えば、ユーザ)は、より小さい割合のトラフィックに対する他の選択肢を実行及び評価し続けながら、所与の時点で最も成功した選択肢(例えば、最高のコンバージョンレートを有する広告キャンペーン)に差し向けられる。バンディット試験は、試験のリアルタイム成果に反応してトラフィックを連続的にシフトすることを伴う。言い換えると、バンディット試験は、A/B試験とは異なり、適応的であり得る。
1.4デジタル広告効果の測定
【0033】
上で考察されたように、広告主は、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアネットワーク、又は検索エンジンなどのデジタルマーケティングチャネルに広告キャンペーンを発行し得る。この広告キャンペーンの一部として収集されたデータのタイプは、ファーストパーティデータであり得る。ファーストパーティデータは、その消費者と直接関係を介して広告主又は発行者によって収集される消費者の挙動、行動、又は関心に関するデータであり得る。例えば、ファーストパーティデータは、広告主のウェブサイトで直接的に収集され得る。データが広告主のウェブサイトで直接的に収集されるため、広告主は、個々の顧客(例えば、顧客が何をするか、顧客が何を買うかなど)への完全な可視性を有し得る。更に、このデータが、広告主又は発行者のいずれかによって収集されるため、2つのタイプのファーストパーティデータ、すなわち、広告主ファーストパーティデータ及び発行者ファーストパーティデータが存在する。デジタルマーケタは、多くの場合、その顧客に関する価値のある情報を知り、その広告キャンペーンを評価し、変化させるために、ファーストパーティデータを使用する。
【0034】
ファーストパーティデータは、セカンドパーティデータ及びサードパーティデータなどの他のタイプのデータと比較して、いくつかの利点を有し得る。第1に、ファーストパーティデータは、広告主又は発行者によって直接的に収集され得るため、多くの場合、最高品質及び最も価値のあるタイプのデータである。第2に、ファーストパーティデータは、広告主又は発行者のウェブサイトで取り込まれるため、広告主又は発行者にコストがかからない状態で収集され得る。対照的に、デジタルマーケタは、セカンドパーティデータ及びサードパーティデータを購入する必要があり得る。最後に、ファーストパーティデータが、消費者と直接関係を介して広告主又は発行者によって直接的に収集されるため、セカンドパーティデータ及びサードパーティデータの収集と比較して、プライバシの懸念がより少ない。
【0035】
ファーストパーティデータのこれらの利点にもかかわらず、デジタルマーケタは、多くの場合、セカンドパーティデータ及びサードパーティを使用して、デジタルマーケタの顧客に関する追加情報を知り、デジタルマーケタの広告キャンペーンを評価することに関心がある。例えば、いくつかの場合、デジタルマーケタは、その顧客に関する追加情報を知り、ファーストパーティデータ、セカンドパーティデータ、及びサードパーティデータを組み合わせることによって、デジタルマーケタの広告キャンペーンを評価し得る。
【0036】
デジタルマーケタは、多くの場合、サードパーティデータを使用して、デジタルマーケタのデジタル広告キャンペーンの成功を測定する。サードパーティデータは、他のプラットフォーム上で生成され、デジタルマーケタに集約形式で提供される顧客の挙動、行動、又は関心に関するデータであり得る。言い換えると、サードパーティデータは、消費者と直接関係を有しないエンティティによって収集される情報である。様々な企業及び組織は、サードパーティデータを広告主に販売し得る。広告主は、サードパーティデータを使用して、広告主の顧客がウェブを動き回るときに、その顧客の好み及び挙動に関する詳細なプロファイルの全体像をつかみ得る。しかし、サードパーティデータは、多くの場合、広告主にとってあまり有用ではない。これは、サードパーティデータが、広告主の消費者と直接関係を有しないエンティティによって収集されるためである。その結果、サードパーティデータは、多くの場合、より低品質である。
【0037】
より最近では、デジタルマーケタは、デジタル広告キャンペーンの成功を測定するために、セカンドパーティデータに依存し始めている。セカンドパーティデータは、デジタルマーケタが別のソースから直接的に取得するファーストパーティデータであり得る。例えば、デジタルマーケタは、小売業者で直接的に収集された顧客情報を受信するために小売業者(例えば、Amazon.com(登録商標)又はWalmart(登録商標))と取引し得る。言い換えると、セカンドパーティデータは、「ファーストパーティ」が別のエンティティにデータを与える状況を伴う。
【0038】
セカンドパーティデータは、多くの場合、ファーストパーティデータ及びサードパーティデータと比較して、デジタルマーケタにいくつかの利点を提供する。第1に、デジタルマーケタの競合相手は、多くの場合、セカンドパーティデータへのアクセスを有しない。第2に、デジタルマーケタは、セカンドパーティデータを使用して、デジタルマーケタの顧客のより大きい、より完全な像を形成し得る。これは、多くの場合、デジタルマーケタが到達することができなかった視聴者へのアクセスをセカンドパーティデータがデジタルマーケタに与えるためである。
【0039】
しかし、デジタルマーケタは、多くの場合、セカンドパーティデータを用いて作業するときに課題に遭遇する。第1に、デジタルマーケタは、不完全なセカンドパーティデータを受信し得る。第2に、デジタルマーケタは、セカンドパーティデータがどのように集約されたかを知らずに、セカンドパーティデータを集約形態で受信し得る。結果として、デジタルマーケタは、それらの顧客に関する情報を知ること、又はセカンドパーティデータに基づくデジタルマーケタの広告キャンペーンの有効性を決定することができない場合がある。
【0040】
例として、デジタルマーケタは、ソースからデータを収集するために広告キャンペーンを作成及び実行し得る。例えば、デジタルマーケタは、ソースで週毎に販売された製品の数を知ることに関心があることを示し得る。しかし、デジタルマーケタは、例えば、週毎に新たな顧客に販売された製品の数、週毎に既存の顧客に販売された製品の数、又は週毎に新たな及び既存の顧客に販売された製品の数などの、ソースがどのようにデータを集約するかを知らない場合がある。言い換えると、デジタルマーケタは、ソースがどのようにデータを集約するかについて全く制御することができない。したがって、セカンドパーティデータが、多くの場合、不完全であるか、又はそれがどのように集約されたかが不明であるため、デジタルマーケタは、セカンドパーティデータに基づく広告キャンペーンの有効性を測定することができない場合がある。当然の結果として、デジタルマーケタは、その広告戦略を有効に変化させることができない場合がある。
2.例示的な動作環境
【0041】
図1は、本開示の実施形態が実装され得る例示的な動作環境の機能ブロック図100を例示する。ブロック図100は、第1のデバイス102、第2のデバイス104、及び第3のデバイス106を含む。第1のデバイス102、第2のデバイス104、及び第3のデバイス106は、ネットワーク108と通信するように構成され得る。様々な実施形態では、ネットワーク108は、非限定的に、有線及び/又は無線イントラネット、エクストラネット、インターネット、セルラ、Bluetooth、及び/又は任意の他のローカル、短距離、アドホック、地域的、グローバル通信ネットワーク、並びにそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0042】
第1のデバイス102は、コンピュータシステム(例えば、スタンドアロンコンピュータシステム、サーバコンピュータシステム、又はクラスタコンピュータシステム)である。第1のデバイス102は、広告主によって制御及び構成され得る。第1のデバイス102は、測定データ114(例えば、押圧、クリック、クリックスルーレート、コンバージョンなど)を含む。第1のデバイス102は、そのユーザから直接的に測定データ114を収集する。したがって、測定データ114は、ファーストパーティデータであり得る。測定データ114は、第1のデバイス102の個々のユーザの挙動、行動、又は関心に関するデータを含み得る。例えば、測定データ114は、第1のデバイス102の個々のユーザの年齢、性別、人種、又は場所に関するデータを含み得る。したがって、測定データ114は、より粒度の細かいレベルで取り込まれ得る。これは、測定データ114が第1のデバイス102で直接的に取り込まれるため、可能である。
【0043】
第2のデバイス104は、コンピュータシステム(例えば、スタンドアロンコンピュータシステム、サーバコンピュータシステム、又はクラスタコンピュータシステム)である。第2のデバイス104は、第1のデバイス102を制御及び構成する広告主以外のエンティティによって制御及び構成され得る。例えば、第2のデバイス104は、Amazon.com,Inc.又はWalmart,Inc.などの小売業者によって制御及び構成され得る。第2のデバイス104は、測定データ116(例えば、押圧、クリック、クリックスルーレート、コンバージョンなど)を含む。第2のデバイス104は、そのユーザから直接的に測定データ116を収集する。したがって、第2のデバイス104の視点から、測定データ116は、ファーストパーティデータである。測定データ116は、第2のデバイス104の個々のユーザの挙動、行動、又は関心に関するデータを含み得る。例えば、測定データ116は、第2のデバイス104の個々のユーザの年齢、性別、人種、又は場所に関するデータを含み得る。したがって、測定データ116は、より粒度の細かいレベルで取り込まれ得る。これは、測定データ116が第2のデバイス102で直接的に取り込まれるため、可能である。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1のデバイス102は、第2のデバイス104とのデータ交換の合意を有し得る。第1のデバイス102は、第2のデバイス104から測定データ116を受信するように構成され得る。したがって、第1のデバイス102の視点から、測定データ116は、セカンドパーティデータである。しかし、第1のデバイス102は、測定データ116をその未加工形態で受信しない場合がある。例えば、第1のデバイス102は、第2のデバイス104の個々のユーザの年齢、性別、人種、又は場所に関する情報なしの測定データ116を受信し得る。代わりに、第1のデバイス102は、第2のデバイス104から測定データ116を集約形態で受信し得る。
【0045】
第3のデバイス106は、コンピュータシステム(例えば、スタンドアロンコンピュータシステム、サーバコンピュータシステム、又はクラスタコンピュータシステム)である。第3のデバイス106は、第1のデバイス102及び第2のデバイス104を制御及び構成するエンティティとは異なるエンティティによって制御及び構成され得る。例えば、第3のデバイス106は、Acxiom Inc.などのデータアグリゲータによって制御及び構成され得る。
【0046】
第3のデバイス106は、測定データ118(例えば、押圧、クリック、クリックスルーレート、コンバージョンなど)を含む。測定データ118は、サードパーティデータソース110及びサードパーティデータソース112から一緒に集約された、第3のデバイス106の測定データを含み得る。サードパーティデータソース110及びサードパーティデータソース112は、当業者によって理解されるように、ウェブサイト、検索エンジン、ソーシャルメディアネットワーク、又は他のデータソースとすることができる。測定データ118は、したがって、サードパーティデータソース110及びサードパーティデータソース112にわたるユーザの挙動、行動、又は関心に関する一般化されたデータを含み得る。言い換えると、測定データ118は、個々のユーザレベルの代わりに、広範なレベルでデータを取り込み得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1のデバイス102は、第3のデバイス104とのデータ交換の合意を有し得る。第1のデバイス102は、第3のデバイス104から測定データ118を受信するように構成され得る。したがって、第1のデバイス102の視点から、測定データ118は、サードパーティデータである。
【0048】
同様に、いくつかの実施形態では、第2のデバイス104は、第3のデバイス104とのデータ交換の合意を有し得る。第2のデバイス104は、第3のデバイス104から測定データ118を受信するように構成され得る。したがって、第2のデバイス104の視点から、測定データ118はまた、サードパーティデータである。
【0049】
上で考察されたように、第1のデバイス102は、第2のデバイス104とのデータ交換の合意を有し得る。第1のデバイス102は、第2のデバイス104から測定データ116を受信するように構成され得る。第1のデバイス102の広告主は、第2のデバイス104で広告キャンペーンを作成及び実行することによって、第2のデバイス104から受信するための測定データ116のタイプを定義し得る。例えば、広告主は、標的化されたユーザの測定データ(例えば、押圧、クリック、クリックスルーレート、コンバージョンなど)を収集する広告キャンペーンを作成し得る。広告主は、1つ以上のパラメータに基づいて、どのユーザを標的化するかを定義し得る。広告主は、人口統計学的検討、挙動パターン、又は地理的場所に基づいてユーザをセグメント化するために、これらのパラメータを使用し得る。広告主は、どの測定データを収集するかを更に定義し得る。例えば、広告主は、標的化されたユーザのインプレッション、クリック、クリックスルーレート、コンバージョン、又はコンバージョンレート(conversation rate)を収集する広告キャンペーンを作成し得る。広告主は、結果的に得られた測定データ116に基づいて広告キャンペーンの成果を評価し得る。
【0050】
しかし、多くの場合、第1のデバイス102の広告主は、広告主が将来の広告キャンペーンを有効に標的化する手法を提供しない測定データ116を受信する。これは、測定データ116が、多くの場合、不完全であるため、又は第2のデバイス104がどのように測定データ116を集約したかを第1のデバイス102の広告主が内々に関与しないためである。
【0051】
例えば、第1のデバイス102の広告主は、広告キャンペーンを見た後に第2のデバイス104で製品を購入した人々の数を収集する、第2のデバイス104での広告キャンペーンを作成及び実行し得る。これに応じて、第1のデバイス120は、この広告キャンペーンに対応する測定データ116を受信する。しかし、結果的に得られた測定データは、購入者が男性若しくは女性、若年若しくは老齢、又は新たな若しくは既存の顧客であったか否かに関する情報を含まない場合がある。この不足情報は、広告主が、そのユーザに関する新たな事柄を知ることを可能にし得る。例えば、広告主は、広告キャンペーンを見た後に第2のデバイス104で製品を購入した、Washington,D.C.エリアからの人々の人数を知ることを望み得る。加えて、この不足情報は、広告主が将来の広告主の広告をより有効に標的化することを可能にし得る。例えば、広告主は、既存の顧客である購入者に集中する広告キャンペーンではなく、新たな顧客である購入者に集中する広告キャンペーンに対して、より多くの費用を費やすことを望む場合がある。
【0052】
加えて、広告主は、不足情報を考慮して、広告キャンペーンの成果に基づいて広告キャンペーンを自動的に修正するように第1のデバイス104を構成することを望む場合がある。例えば、広告主は、購入者が米国又は欧州からの購入者であるか否かに応じて、広告キャンペーンのコンバージョンレート(conversation rate)成果を自動的に比較するように第1のデバイス104を構成することを望む場合がある。広告主は、米国又は欧州からの購入者のコンバージョンレートがより高いか否かに基づいて、広告キャンペーンを米国又は欧州のユーザに自動的に再標的化するように第1のデバイス104を構成することを更に望む場合がある。
【0053】
不足情報に加えて、第1のデバイス102の広告主は、第2のデバイス104がどのように測定データ116を集約するかに内々に関与しない場合がある。これは、測定データ116を他のファーストパーティデータ、セカンドパーティデータ、又はサードパーティデータと比較するための広告主の能力を低減させ得る。例えば、第1のデバイス102の広告主は、広告キャンペーンを見た後に第2のデバイス104(例えば、Amazon.com)で製品を購入した人々の数を収集する、第2のデバイス104での広告キャンペーンを作成及び実行し得る。第1のデバイス102の広告主はまた、セカンドパーティ測定データを提供する別のデバイス(例えば、Walmart.com)でも同じ広告キャンペーンを実行し得る。広告主は、第2のデバイス104及び他のデバイスの両方での広告キャンペーンの成果を確実に比較することを望む場合がある。しかし、これは、第2のデバイス106からの測定データ116が、他のデバイスからの測定データとは異なって集約され得るため、不可能である場合がある。同様に、第1のデバイス102の広告主は、測定データ116を他のファーストパーティデータ、セカンドパーティデータ、又はサードパーティデータと組み合わせることを望む場合がある。しかし、これは、測定データ116が、他のファーストパーティデータ、セカンドパーティデータ、又はサードパーティデータとは異なって集約され得るため、不可能である場合がある。
3.セカンドパーティ測定データを分析するためのシステム及び方法
【0054】
図2は、例示的な実施形態による、セカンドパーティ測定データを分析するためのシステム200のブロック図である。システム200は、実際のファーストパーティデータがデジタルプラットフォームから利用不可能であるか、又はアクセス不可能であるときに、デジタルプラットフォームのファーストパーティデータに近似する広告キャンペーンを生成及び実行する方法に関する技術的問題を解決する。システム200は、広告キャンペーン及びデジタルプラットフォーム上の関心対象の次元に基づいて、サブユニット広告キャンペーンを動的に作成及び実行することによって、この技術的問題を解決する。サブユニット広告キャンペーンの作成は、セカンドパーティデータが、他のデータ(例えば、他のセカンドパーティデータ又はサードパーティデータ)と組み合わせられて、デジタルマーケタがアクセスを有しないデジタルプラットフォーム上のファーストパーティに近似することを可能にし得る。更に、サブユニット広告キャンペーンの作成は、セカンドパーティデータが他のデータとは異なって集約されている場合でも、デジタルマーケタが、セカンドパーティデータを他のデータ(例えば、他のセカンドパーティデータ又はサードパーティデータ)と組み合わせることを可能にし得る。最後に、サブユニット広告キャンペーンの作成は、ファーストパーティデータの直接取り込みと関連付けられた計算及びメモリコストを低減し得る。図2は、図1を参照して考察されているが、本開示は、その例示的な実施形態に限定されない。
【0055】
図2の例では、データ処理モジュール204は、広告キャンペーン202及び関心対象の次元208を受信する。これに応じて、データ処理モジュール204は、広告キャンペーン202及び関心対象の次元208に基づいて、サブユニット広告キャンペーン206を生成する。
【0056】
いくつかの実施形態では、広告キャンペーン202は、第1のデバイス102の広告主によって定義される広告キャンペーンであり得る。広告主は、1つ以上のパラメータに基づいてユーザを標的化する広告キャンペーン202を作成し得る。広告主は、人口統計学的検討、挙動パターン、又は地理的場所に基づいてユーザをセグメント化するために、これらのパラメータを使用し得る。広告キャンペーン202は、第2のデバイス104(例えば、Amazon.com又はWalmart.com)などのソースで実行され得る。これに応じて、第2のデバイス104は、キャンペーン202を広告するための測定データ116を生成し得る。第1のデバイス102は、この測定データ116を受信し得る。
【0057】
例えば、第1のデバイス102の広告主は、広告キャンペーン202を見た後、先週に第2のデバイス104で製品を購入した人々の人数を収集するように、広告キャンペーン202を作成し得る。第2のデバイス104での広告キャンペーン202の実行に応答して、第1のデバイス120は、広告キャンペーン202に対応する測定データ116を受信し得る。
【0058】
しかし、この測定データ116は、不完全であり得る。例えば、第1のデバイス102の広告主は、広告キャンペーン202を見た後に第2のデバイス104で製品を購入した、ある地理的領域内の人々の人数を収集することを望む場合がある。しかし、広告キャンペーン202に対応する測定データ116は、この情報を有しない場合がある。
【0059】
いくつかの実施形態では、データ処理モジュール204は、この不足データ問題を解決し得る。第1に、データ処理モジュール204は、ソース(例えば、第2のデバイス104)が、広告キャンペーン202についての測定データ116を集約するために使用する一組の次元を決定し得る。例えば、データ処理モジュール204は、第2のデバイス104が測定データ116を集約するために使用する一組の次元が製品及び週を含むことを決定し得る。当業者には理解されるように、データ処理モジュール204は、当業者によって理解されるように、ウェブサービス、構成ファイル、又は他の機構を使用して、一組の次元を決定し得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、一組の次元を決定した後、データ処理モジュール204は、関心対象の次元208を受信し得る。第1のデバイス102の広告主は、関心対象の次元208をデータ処理モジュール204に入力し得る。関心対象の次元208は、測定されたデータ116から不足している任意のデータの次元であり得る。関心対象の次元208は、当該技術分野において理解されるように、行動、人口統計学的特性、地理的領域、又は他のタイプの次元に対する呼び出しであり得る。関心対象の次元208は、セカンドパーティデータ又はサードパーティデータから選択され得る。例えば、関心対象の次元208は、郵便番号であってもよく、一組の郵便番号値は、セカンドパーティデータ又はサードパーティデータ内に記憶され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、関心対象の次元208を受信した後、データ処理モジュール204は、広告キャンペーン202、決定された一組の次元、及び関心対象の次元208に基づいて、サブユニット広告キャンペーン206を生成し得る。例えば、データ処理モジュール204は、広告キャンペーン202と同等であるが、関心対象の次元108によって修正される、サブユニット広告キャンペーン206を生成し得る。データ処理モジュール204は、関心対象の次元208の値の範囲内の各値に対して、個々のサブユニット広告キャンペーン206を生成し得る。いくつかの他の実施形態では、データ処理モジュール204は、関心対象の次元208の定義された一組の値内の各値に対して、個々のサブユニット広告キャンペーン206を生成し得る。いくつかの実施形態では、第1のデバイス104の広告主は、関心対象の次元208に利用可能な一組の値を定義し得る。
【0062】
例えば、広告キャンペーン202が、先週に第2のデバイス104で製品を購入した人々の人数を収集し、かつ関心対象の次元208が、郵便番号である場合、データ処理モジュール204は、各郵便番号値についてのサブユニット広告キャンペーン206を生成し得る。例えば、20001の郵便番号地について、データ処理モジュール204は、先週に第2のデバイス104で製品を購入した、20001の郵便番号の人々の人数を収集するサブユニット広告キャンペーン206を生成し得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、データ処理モジュール204がサブユニット広告キャンペーン206を生成した後、サブユニット広告キャンペーン206は、ソース(例えば、第2のデバイス104)で同時に実行され得る。これに応じて、ソースは、各サブユニット広告キャンペーン206の測定データ210を生成し得る。ソースは、各サブユニット広告キャンペーン206の測定データ210を、更なる分析のために第1のデバイス102などのデバイスに送信し得る。したがって、第1のデバイス104の視点から、各サブユニット広告キャンペーン206の測定データ210は、セカンドパーティデータを表す。各サブユニット広告キャンペーン206の測定データ210は、広告キャンペーン202の測定データ116の全体の一部分を表す。例えば、各サブユニット広告キャンペーン206の測定データ210は、先週に第2のデバイス104で製品を購入した人々の総数ではなく、先週に第2のデバイス104で製品を購入した、所与の郵便番号内の人々の人数を含み得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、データ処理モジュール204は、サブユニット広告キャンペーン210、決定された一組の次元のサブユニット広告キャンペーン210、及び別の関心対象の次元に基づいて、サブサブユニット広告キャンペーンを生成するように構成され得る。サブサブユニット広告キャンペーンは、第2のデバイス104などのソースで同時に実行され得る。これに応じて、ソースは、各サブサブユニット広告キャンペーンの測定データを生成し得る。当業者には理解されるように、データ処理モジュール204は、再帰的アルゴリズムを使用してサブサブユニット広告キャンペーンを生成するように構成され得る。
【0065】
図3は、例示的な実施形態による、サブユニット広告キャンペーンからの測定データを処理するためのシステムのブロック図である。図3は、図1及び図2を参照して考察されるが、本開示は、これらの例示的な実施形態に限定されない。
【0066】
図3の例では、分析モジュール302は、各サブユニット広告キャンペーン206の測定データ210を受信する。いくつかの実施形態では、分析モジュールは、他の測定データ308(例えば、他のファーストパーティ測定データ、セカンドパーティ測定データ、又はサードパーティ測定データ)を受信し得る。これに応じて、分析モジュール302は、新たな広告戦略304及び/又は新たなユーザ情報306を出力し得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、分析モジュール302は、新たなユーザ情報を知るために、サブユニット広告キャンペーン206の測定データ210を分析し得る。例えば、第1のデバイス104の広告主は、全体として先週に第2のデバイス104で製品を購入した人々の人数とは対照的に、先週に第2のデバイス104で製品を購入した、Washington,D.C.からの人々の人数を決定することを望む場合がある。分析モジュール302は、サブユニット広告キャンペーン206の測定データ210の分析に基づいて、この新たなユーザ情報306を出力するように構成され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、分析モジュール302は、異なるサブユニット広告キャンペーン206の成果を、異なるサブユニット広告キャンペーン206の関連付けられた測定データ210に基づいて比較し得る。例えば、分析モジュール302は、先週に第2のデバイス104で製品を購入した新たな顧客の人数を収集するサブユニット広告キャンペーン206が、先週に第2のデバイス104で製品を購入した既存の顧客の人数を収集するサブユニット広告キャンペーン206よりも高い購入コンバージョンレートを有するか否かを決定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、分析モジュール302は、様々なタイプの実験的試験を使用して、異なるサブユニット広告キャンペーン206の成果を更に比較し得る。例えば、分析モジュール302は、異なるサブユニット広告キャンペーン206のA/B試験又はバンディット試験を行い得る。分析モジュール302は、比較に基づいて新たな広告戦略(例えば、新たな広告戦略304)を出力するように構成され得る。例えば、分析モジュール302は、特定のサブユニット広告キャンペーン206が別のサブユニット広告キャンペーン206よりも選択されるべきであることを示す新たな広告戦略304を出力し得る。いくつかの実施形態では、分析モジュール302は、新たな広告戦略304に基づいて、新たな又は修正された広告キャンペーンを自動的に選択及び実行し得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、分析モジュール302は、1つ以上のサブユニット広告キャンペーン206の測定データ210を、他の測定データ308と組み合わせ得る。いくつかの実施形態では、他の測定データ308は、ファーストパーティデータ、セカンドパーティデータ、又はサードパーティデータを含み得る。いくつかの実施形態では、分析モジュール302は、1つ以上のサブユニット広告キャンペーン206の測定データ210と他の測定データ308との間の次元の差を決定し得る。次元の差が存在すると分析モジュール302が決定した場合、データ処理モジュール204は、1つ以上のサブユニット広告キャンペーン206及び不足する関心対象の次元に基づいて新たな広告キャンペーンを作成することによって、この差を取り除くために使用され得る。いくつかの他の実施形態では、分析モジュール302は、1つ以上のサブユニット広告キャンペーン206の測定データ210を、他の測定データ308と、それらの共有された次元に基づいて組み合わせ得る。分析モジュール302は、組み合わせられた測定データの分析に基づいて、新たなユーザ情報306を出力するように構成され得る。いくつかの他の実施形態では、分析モジュール302は、組み合わせられた測定データの分析に基づいて、新たな広告戦略304を出力するように構成され得る。
【0070】
図4は、一実施形態による、広告キャンペーンを分析するための方法400のフローチャートである。方法400は、ハードウェア(例えば、回路、専用論理、プログラマブル論理、マイクロコードなど)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で実行する命令)、又はそれらの組み合わせを含み得る処理論理によって実施され得る。本明細書に提供される開示を実施するために全ての工程が必要とされなくてもよいことが理解されるべきである。更に、当業者に理解されるように、いくつかの工程は、同時に実施されてもよく、又は図4に示されるものとは異なる順序で実施されてもよい。
【0071】
方法400は、図1図2、及び図3を参照して説明されることになる。しかしながら、方法400は、これらの例示的な実施形態に限定されない。
【0072】
402では、データ処理システム204は、広告キャンペーン202を受信する。広告キャンペーン202は、広告キャンペーン202に対応するセカンドパーティ測定データを生成するソース(例えば、第2のデバイス104)上で実行することができる。
【0073】
404では、データ処理システム204は、ソース(例えば、第2のデバイス104)が、広告キャンペーン202のデータを集約するために使用する一組の次元を決定する。いくつかの実施形態では、データ処理モジュール204は、当業者によって理解されるように、ウェブサービス、構成ファイル、又は他の機構を使用して、一組の次元を決定し得る。
【0074】
406では、データ処理システム204は、関心対象の次元208を受信する。関心対象の次元208は、決定された一組の次元に存在しなくてもよい。いくつかの実施形態では、広告主は、関心対象の次元208を定義し得る。いくつかの実施形態では、関心対象の次元208は、セカンドパーティデータ又はサードパーティデータから選択され得る。例えば、関心対象の次元208は、郵便番号であり得、一組の郵便番号値は、セカンドパーティデータ又はサードパーティデータ内に記憶され得る。
【0075】
408では、データ処理システム204は、広告キャンペーン202、決定された一組の次元、及び関心対象の次元208に基づいて、サブユニット広告キャンペーン206を作成する。いくつかの実施形態では、データ処理システム204は、関心対象の次元208の値の範囲内の各値についてのサブユニット広告キャンペーン206を作成し得る。例えば、データ処理システム204は、利用可能な郵便番号値の範囲内の各郵便番号値についてのサブユニット広告キャンペーン206を作成し得る。
【0076】
410では、分析モジュール302は、各サブユニット広告キャンペーン206の実行と関連付けられた測定データ210を受信する。受信された測定データ210は、ファーストパーティデータに近似し得る。言い換えると、ソース(例えば、第2のデバイス104)上で広告キャンペーン202を実行することに応答して返される既存のセカンドパーティデータとのセカンドパーティデータ又はサードパーティデータからの関心対象の次元208の組み合わせは、ソースが広告キャンペーン202について直接的に収集する、ファーストパーティに近似し得る。
【0077】
412では、分析モジュール302は、各サブユニット広告キャンペーン206と関連付けられた測定データ210を分析して、新たなユーザ情報306又は新たな広告戦略304を出力する。いくつかの実施形態では、分析モジュール302は、測定データ210をファーストパーティデータ、セカンドパーティデータ、又はサードパーティデータなどの他の測定データと組み合わせることによって、測定データ210を分析する。いくつかの実施形態では、分析モジュール302は、機械学習技術を使用して測定データ210を分析する。いくつかの実施形態では、分析モジュール302は、異なるサブユニット広告キャンペーン206の実験的試験を行うことに関連して測定データ210を分析する。
4.例示的なコンピュータシステム実装
【0078】
様々な実施形態は、例えば、図5に示されるコンピュータシステム500などの1つ以上のコンピュータシステムを使用して実装され得る。コンピュータシステム500は、例えば、図4の方法400を実装するために使用され得る。例えば、コンピュータシステム500は、ルックアップテーブルを使用して、トーン空間の一部分のリソースブロック割り当てを決定し得る。コンピュータシステム500は、いくつかの実施形態による、決定されたリソースブロック割り当てに基づいて、リソースブロックに複数のトーンを更にマッピングし得る。コンピュータシステム500は、本明細書に説明される機能を実行することができる任意のコンピュータであり得る。
【0079】
コンピュータシステム500は、本明細書に説明される機能を実行することができる任意の周知のコンピュータであり得る。
【0080】
コンピュータシステム500は、プロセッサ504などの1つ以上のプロセッサ(中央処理ユニット、又はCPUとも呼ばれる)を含む。プロセッサ504は、通信基盤又はバス506に接続される。
【0081】
1つ以上のプロセッサ504は、各々、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)であってもよい。一実施形態では、GPUは、数学的に集中的なアプリケーションを処理するように設計された特殊な電子回路であるプロセッサである。GPUは、コンピュータグラフィックスアプリケーション、画像、ビデオなどに共通の数学的に集中的なデータなどの、データの大規模ブロックの並列処理に効率的である並列構造を有し得る。
【0082】
コンピュータシステム500はまた、ユーザ入力/出力インターフェース502を介して通信基盤506と通信する、モニタ、キーボード、ポインティングデバイスなどのユーザ入力/出力デバイス(複数可)503も含む。
【0083】
コンピュータシステム500はまた、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)などのメイン又は一次メモリ508も含む。メインメモリ508は、1つ以上のキャッシュレベルを含み得る。メインメモリ508は、制御論理(すなわち、コンピュータソフトウェア)及び/又はデータを記憶している。
【0084】
コンピュータシステム500はまた、1つ以上の二次記憶デバイス又はメモリ510も含み得る。二次メモリ510は、例えば、ハードディスクドライブ512及び/又は取り外し可能な記憶デバイス若しくはドライブ514を含み得る。取り外し可能な記憶ドライブ514は、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスクドライブ、光学記憶デバイス、テープバックアップデバイス、及び/又は任意の他の記憶デバイス/ドライブとすることができる。
【0085】
取り外し可能な記憶デバイス514は、取り外し可能な記憶ユニット518と相互作用し得る。取り外し可能な記憶ユニット518は、コンピュータソフトウェア(制御論理)及び/又はデータを記憶しているコンピュータ使用可能又は可読記憶デバイスを含む。取り外し可能な記憶ユニット518は、フロッピーディスク、磁気テープ、コンパクトディスク、DVD、光学記憶ディスク、及び/任意の他のコンピュータデータ記憶デバイスとすることができる。取り外し可能な記憶ドライブ514は、周知の様式で、取り外し可能な記憶ユニット518に対して読み出し及び/又は書き込みを行う。
【0086】
例示的な実施形態によると、二次メモリ510は、コンピュータプログラム並びに/又は他の命令及び/若しくはデータが、コンピュータシステム500によってアクセスされることを可能にするための他の手段、機器、又は他のアプローチを含み得る。そのような手段、機器又は他のアプローチとしては、例えば、取り外し可能な記憶ユニット522及びインターフェース520が挙げられ得る。取り外し可能な記憶ユニット522及びインターフェース520の例としては、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイスに見られるものなど)、取り外し可能なメモリチップ(EPROM又はPROMなど)及び関連ソケット、メモリスティック及びUSBポート、メモリカード及び関連メモリカードスロット、並びに/又は任意の他の取り外し可能な記憶ユニット及び関連インターフェースが挙げられ得る。
【0087】
コンピュータシステム500は、通信又はネットワークインターフェース524を更に含み得る。通信インターフェース524は、コンピュータシステム500が、遠隔デバイス、遠隔ネットワーク、遠隔エンティティなど(参照番号528によって個々に、かつ集合的に参照される)の任意の組み合わせと通信及び相互作用することを可能にする。例えば、通信インターフェース524は、コンピュータシステム500が、有線及び/又は無線であり得、かつLAN、WAN、インターネットなどの任意の組み合わせを含み得る、通信経路526を介して遠隔デバイス528と通信することを可能にし得る。制御論理及び/又はデータは、通信経路526を介してコンピュータシステム500に、及びコンピュータシステム500から送信され得る。
【0088】
一実施形態では、有形の非一時的装置、又は有形の非一時的コンピュータ使用可能又は可読媒体を備える製造物品は、そこに記憶された制御論理(ソフトウェア)を有し、本明細書では、コンピュータプログラム製品又はプログラム記憶デバイスとも称される。これは、限定されるものではないが、コンピュータシステム500と、メインメモリ508と、二次メモリ510と、取り外し可能な記憶ユニット518及び522と、上記の任意の組み合わせを具現化する有形の製造物品と、を含む。そのような制御論理は、1つ以上のデータ処理デバイス(コンピュータシステム500など)によって実行されると、そのようなデータ処理デバイスを本明細書に説明されるように動作させる。
【0089】
本開示に含有される教示に基づいて、図5に示されるもの以外のデータ処理デバイス、コンピュータシステム及び/又はコンピュータアーキテクチャを使用して、本開示の実施形態をどのように作製及び使用するかは、当業者には明らかであろう。具体的には、実施形態は、本明細書に説明されるもの以外のソフトウェア、ハードウェア、及び/又はオペレーティングシステムの実装を用いて動作することができる。
【0090】
「発明を実施するための形態」のセクション、及びいかなる他のセクションも、特許請求の範囲を解釈するために使用されることは意図されていないことを理解されたい。他のセクションは、本発明者(複数可)によって想定される、1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を記載し得るが、決して本開示及び添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0091】
本開示は、例示的な分野及び用途のための例示的な実施形態を説明しているが、本開示はそれらに限定されないことを理解されたい。他の実施形態及びそれらに対する修正が可能であり、それらは、本開示の範囲及び趣旨の範囲内である。例えば、この段落の一般性を限定することなく、実施形態は、図面に例示された、及び/又は本明細書に説明された、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はエンティティに限定されない。更に、実施形態(本明細書に明示的に説明されているか否かにかかわらず)は、本明細書に説明された例を超える分野及び用途に有意な有用性を有する。
【0092】
実施形態が、特定の機能の実装、及びそれらの関係を例示する機能的ビルディングブロックを用いて説明されてきた。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及び関係(又はそれらの等価物)が適切に実施される範囲で、代替の境界が定義され得る。また、代替的な実施形態は、本明細書に説明されるものとは異なる順序を使用して、機能ブロック、工程、動作、方法などを実施し得る。
【0093】
「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態(an exemplary embodiment)」などの言及は、説明された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含まなくてもよいことを示す。更に、このような句は、必ずしも同一の実施形態を言及するものではない。更に、一実施形態に関連して特定の性質、構造、又は特性について記載する場合、本明細書で明確に言及されている又は記載されているかどうかに関わりなく、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態に組み込むことは、当業者の知見内である。加えて、いくつかの実施形態は、その派生物と共に「連結された」及び「接続された」表現を使用して説明され得る。これらの用語は、必ずしも互いに同義語として意図されるものではない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すために、「接続された」及び/又は「連結された」という用語を使用して説明され得る。しかしながら、「連結された」という用語はまた、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、依然として互いに協働又は相互作用することも意味し得る。
【0094】
本開示の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではないが、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物によってのみ定義されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5