(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】廃熱からのエネルギー回収
(51)【国際特許分類】
F25B 21/02 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
F25B21/02 A
(21)【出願番号】P 2020567495
(86)(22)【出願日】2019-05-29
(86)【国際出願番号】 US2019034246
(87)【国際公開番号】W WO2019236340
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-05-23
(32)【優先日】2018-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517396098
【氏名又は名称】ブレイクスルー・テクノロジーズ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Breakthrough Technologies, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジャフリー・カマル
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0167120(US,A1)
【文献】特開2004-023867(JP,A)
【文献】特開2010-236747(JP,A)
【文献】特開2015-188278(JP,A)
【文献】特表平08-501658(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0204577(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 21/02
F25B 27/00 - 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置において、
流体から熱を受け取るように構成された本体と、
第1の端部および第2の端部を有する少なくとも1つの熱電発電機(TEG)であって、前記少なくとも1つのTEGの前記第1の端部は、前記本体に熱的に結合され、前記流体からの前記熱の少なくとも一部を受け取るように構成されている、少なくとも1つの熱電発電機(TEG)と、
第1の端部および第2の端部を有する少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)であって、前記少なくとも1つのTECの前記第2の端部は、前記少なくとも1つのTEGの前記第2の端部に熱的に結合され、前記少なくとも1つのTECは、電力を受け取るように構成され、これにより、前記少なくとも1つのTECの前記第1の端部を加熱し、前記少なくとも1つのTECの前記第2の端部を冷却して、前記少なくとも1つのTECの前記第2の端部が、前記少なくとも1つのTEGの前記第2の端部から熱を抽出する、少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)と、
を含む、装置。
【請求項2】
少なくとも1つの熱伝導性部材をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのTEGが前記熱伝導性部材の第1の側面に熱的に結合され、前記少なくとも1つのTECが前記熱伝導性部材の第2の側面に熱的に結合されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのTEGが、前記本体と前記少なくとも1つの熱伝導性部材との間に配置され、かつこれらに結合されている、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの温度センサをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの温度センサは、前記少なくとも1つのTEGの前記第1の端部および前記第2の端部のうちの1つに隣接して配置され、前記少なくとも1つの温度センサは、前記少なくとも1つのTEGの前記第1の端部および前記第2の端部のうちの1つに隣接する位置で
前記本体の温度を測定するように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの温度センサが前記本体内に埋め込まれている、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
システムにおいて、
コンデンサを含み、前記コンデンサは、
流体から熱を受け取るように構成された本体と、
第1の端部および第2の端部を有する少なくとも1つの熱電発電機(TEG)であって、前記第1の端部は、前記本体に熱的に結合され、前記流体からの前記熱の少なくとも一部を受け取るように構成され、それにより、前記少なくとも1つのTEGに第1の電力を生成させる、少なくとも1つの熱電発電機(TEG)と、
第1の端部および第2の端部を有する少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)であって、前記少なくとも1つのTECの前記第2の端部は、前記少なくとも1つのTEGの前記第2の端部に熱的に結合され、前記少なくとも1つのTECは、第2の電力を受け取るように構成され、これにより、前記少なくとも1つのTECの前記第1の端部を加熱し、前記少なくとも1つのTECの前記第2の端部を冷却して、前記少なくとも1つのTECの前記第2の端部が、前記少なくとも1つのTEGの前記第2の端部から熱を抽出する、少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)と、
を含む、システム。
【請求項9】
方法において、
流体を熱交換器の本体に送達することと、
前記流体から前記本体に熱を伝達することと、
前記本体から熱電発電機(TEG)の第1の端部に熱を伝達することと、
第1の電力を熱電冷却器(TEC)に送達し、それにより、前記TECの第1の端部が温度を上昇させ、前記TECの第2の端部が温度を低下させることと、
前記TEGの第2の端部から前記TECの第2の端部に熱を伝達することと、
前記TEGの半導体にわたって温度勾配を生じさせ、それによって前記TEGに第2の電力を生成させることと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記第2の電力の少なくとも一部を前記TECに送達することをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の電力の少なくとも一部をバッテリ内に貯蔵することをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記TEGの前記第1の端部および前記第2の端部のうちの少なくとも1つに隣接する場所で前記熱交換器の温度を測定することと、測定された前記温度に基づいて、前記TECに送達される前記第1の電力の電圧および電流のうちの少なくとも1つを調節することと、をさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の電力の少なくとも一部を、前記流体を圧縮する圧縮機に送達することをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、2018年6月4日に出願された米国仮出願第62/680,038号、および2018年11月15日に出願された米国仮出願第62/767,641号の優先権を主張し、これらの開示全体を参照により本明細書に明示的に組み込む。
【0002】
〔技術分野〕
本主題は一般的に熱管理システムに関連している。
【0003】
〔背景〕
熱除去システムは、熱源から不要な熱を取り除き、構成要素が適切な動作温度に保たれることを確実にする。典型的に使用されるいくつかの異なるタイプの冷却の解決策があるが、それらの大部分は、冷却ユニットおよび何らかの形の熱遮断システムを有する。冷却ユニットは、典型的には、熱源内の空気から、冷却ユニットを通って流れる流体に熱を伝達することによって、熱源に冷却を提供する。熱遮断システムは様々であるが、一般に、冷却ユニットを通って流れる流体から熱を遮断する目的に役立つ。
【0004】
場合によっては、熱は外部の周囲空気に放出される。そのため、大量のエネルギーが廃熱として排出される。さらに、システムの効率は周囲空気の温度に強く依存する。
【0005】
〔概要〕
一態様では、装置は、本体と、少なくとも1つの熱電発電機(TEG)と、少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)とを含む。本体は、流体から熱を受け取るように構成される。少なくとも1つの熱電発電機(TEG)は、第1の端部と第2の端部とを含み、少なくとも1つのTEGの第1の端部は、本体に熱的に結合され、流体からの熱の少なくとも一部を受け取るように構成される。少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)は、第1の端部と第2の端部とを含み、少なくとも1つのTECの第2の端部は、少なくとも1つのTEGの第2の端部に熱的に結合され、少なくとも1つのTECは、電力を受け取るように構成され、これにより、少なくとも1つのTECの第1の端部を加熱し、少なくとも1つのTECの第2の端部を冷却して、少なくとも1つのTECの第2の端部が、少なくとも1つのTEGの第2の端部から熱を抽出する。
【0006】
以下の特徴の1つ以上を、任意の実現可能な組み合わせに含めることができる。例えば、システムは、少なくとも1つの熱伝導性部材を含むことができる。少なくとも1つのTEGは、熱伝導性部材の第1の側面に熱的に結合することができ、少なくとも1つのTECは、熱伝導性部材の第2の側面に熱的に結合することができる。少なくとも1つのTEGは、本体と少なくとも1つの熱伝導性部材との間に配置され、かつこれらに結合され得る。システムは、少なくとも1つの温度センサを含むことができる。少なくとも1つの温度センサは、少なくとも1つのTEGの第1の端部および第2の端部のうちの1つに隣接して配置することができ、少なくとも1つの温度センサは、少なくとも1つのTEGの第1の端部および第2の端部のうちの1つに隣接する位置でコンデンサの温度を測定するように構成される。少なくとも1つの温度センサは、少なくとも1つのTECの第1の端部および第2の端部のうちの1つに隣接して位置づけられ、少なくとも1つのTECの第1の端部および第2の端部のうちの1つに隣接した位置でコンデンサの温度を測定するように構成されることができる。少なくとも1つの温度センサは、本体内に埋め込むことができる。
【0007】
別の態様では、装置は、第1、第2および第3の熱伝導性部材と、第1の熱電冷却器(TEC)と、第2の熱電冷却器(second thermoelectric color)と、第1の本体と、第2の本体と、第1の熱電発電機(TEG)と、第2の熱電発電機と、を含む。第1の熱電冷却器(TEC)は、第1の熱伝導性部材と第2の熱伝導性部材との間に配置され、かつこれらに結合され、第1のTECは、第1の熱伝導性部材から熱を除去し、第2の熱伝導性部材に熱を送達するように構成される。第2のTECは、第2の熱伝導性部材と第3の熱伝導性部材との間に配置され、かつこれらに結合され、第2のTECは、第3の熱伝導性部材から熱を除去し、第2の熱伝導性部材に熱を送達するように構成される。第1の本体は、これを通って延びる第1の通路を含み、第1の通路は、流体を受け取るように構成され、第1の本体は、流体から熱を受け取るように構成される。第2の本体は、これを通って延びる第2の通路を含み、第2の通路は、第1の通路から流体を受け取るように構成され、本体は、流体から熱を受け取るように構成される。第1の熱電発電機(TEG)は、第1の熱伝導性部材と第1の本体との間に配置され、第1のTEGは、流体から第1の本体に伝達される熱を受け取るように構成される。第2のTEGは、第3の熱伝導性部材と第2の本体との間に配置され、第2のTEGは、流体から第2の本体に伝達される熱を受け取るように構成される。
【0008】
さらに別の態様では、システムは、本体と、少なくとも1つの熱電発電機(TEG)と、少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)と、を含むコンデンサを含む。本体は、流体から熱を受け取るように構成される。少なくとも1つの熱電発電機(TEG)は、第1の端部と第2の端部とを含み、第1の端部は、本体に熱的に結合され、流体からの熱の少なくとも一部を受け取るように構成され、それによって、少なくとも1つのTEGに第1の電力を生成させる。少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)は、第1の端部と第2の端部とを含み、少なくとも1つのTECの第2の端部は、少なくとも1つのTEGの第2の端部に熱的に結合され、少なくとも1つのTECは、第2の電力を受け取るように構成され、これにより、少なくとも1つのTECの第1の端部を加熱し、少なくとも1つのTECの第2の端部を冷却して、少なくとも1つのTECの第2の端部が少なくとも1つのTEGの第2の端部から熱を抽出する。
【0009】
以下の特徴の1つ以上を、任意の実現可能な組み合わせに含めることができる。例えば、システムは電力管理モジュールを含むことができる。電力管理モジュールは、少なくとも1つのTEGに電気的に結合することができ、第1の電力の少なくとも一部を受け取るように構成することができる。電力管理モジュールは、少なくとも1つのTECに電気的に結合することができ、第2の電力の少なくとも一部をTECに送達するように構成することができる。システムは、少なくとも1つのTEGの第1の端部および第2の端部ならびに少なくとも1つのTECの第1の端部および第2の端部のうちの少なくとも1つに隣接して配置された少なくとも1つの温度センサを含むことができ、温度センサは、その位置でコンデンサの温度を測定するように構成される。システムは、少なくとも1つの温度センサから温度信号を受信し、対応する温度を計算するように構成された熱管理モジュールを含むことができる。
【0010】
さらに別の態様において、方法は、流体を熱交換器の本体に送達することと;流体から本体に熱を伝達することと;本体から熱電発電機(TEG)の第1の端部に熱を伝達することと;第1の電力を熱電冷却器(TEC)に送達し、それにより、TECの第1の端部が温度を上昇させ、TECの第2の端部が温度を低下させることと;TEGの第2の端部からTECの第2の端部に熱を伝達することと;TEGの半導体にわたって温度勾配を生じさせ、それによってTEGに第2の電力を生成させることと、を含む。
【0011】
以下の特徴の1つ以上を、任意の実現可能な組み合わせに含めることができる。例えば、方法は、第2の電力の少なくとも一部をTECに送達することを含むことができる。方法は、第2の電力の少なくとも一部をバッテリ内に貯蔵することを含むことができる。方法は、TEGの第1および第2の端部のうちの少なくとも1つに隣接する場所で熱交換器の温度を測定することと、測定された温度に基づいてTECに送達される第1の電力の電圧および電流のうちの少なくとも1つを調節することと、を含むことができる。方法は、TECの第1および第2の端部のうちの少なくとも1つに隣接する場所で熱交換器の温度を測定することと、測定された温度に基づいてTECに送達される第1の電力の電圧および電流のうちの少なくとも1つを調節することと、を含むことができる。方法は、流体を圧縮する圧縮機に第2の電力の少なくとも一部を送達することを含むことができる。
【0012】
本開示の別の態様は、廃熱回収のための装置を提供する。装置は、熱源に隣接して配置されたベースブロックと、第1の端部および第2の端部を含む熱電発電機であって、第1の端部がベースブロックに熱的に結合され、熱源から熱を受け取るように構成されている、熱電発電機と、第3の端部および第4の端部を含む熱電冷却器であって、第3の端部が第2の端部に熱的に結合されている、熱電冷却器と、を含むことができる。熱電冷却器は、電流を受け取るように構成することができ、これにより、第3の端部を冷却し、第4の端部を加熱することができ、第3の端部が第2の端部から熱を伝導し得る。
【0013】
以下の特徴の1つ以上を、任意の実現可能な組み合わせに含めることができる。例えば、熱電発電機は、電力を生成するように構成されてもよく、生成された電力の少なくとも一部は、冷却のために熱電冷却器に供給されてもよい。熱源は、キルンを含むことができる。ベースブロックは、熱源に面する側に熱交換器を含むことができる。第4の端部にヒートシンクを配置してもよい。装置は、熱源の表面の温度を測定する温度センサを含むことができる。例えば、温度センサは、熱電対、抵抗温度検出器(RTD)、または赤外線センサであってもよい。熱源の表面の温度が所定の温度限界よりも高いことを検出すると、電流が熱電発電機に供給され得、第1の端部が冷却され、第2の端部が加熱され得る。
【0014】
別の態様では、廃熱回収のためのシステムは、円筒形状を含むキルンを含むことができ、本明細書に記載される複数の装置は、キルンを囲むように配置され得、キルンを熱源として使用する。
【0015】
さらに別の態様では、廃熱回収のための装置は、熱源の上方に配置されたベースブロックと、ベースブロックの左側においてベースブロックの上面から突出する第1の垂直フィンと、ベースブロックの右側においてベースブロックの上面から突出する第2の垂直フィンと、第1の垂直フィンの右側面に熱的に結合された第1の熱電発電機と、第2の垂直フィンの左側面に熱的に結合された第2の熱電発電機と、第1の熱電発電機の右側面に熱的に結合された第1の熱電冷却器と、第2の熱電発電機の左側面に熱的に結合された第2の熱電冷却器と、第1の熱電冷却器の右側面および第2の熱電冷却器の左側面の両方に熱的に結合されて配置されたヒートシンクと、を含むことができる。
【0016】
以下の特徴の1つ以上を、任意の実現可能な組み合わせに含めることができる。例えば、第1および第2の熱電発電機は、電力を生成するように構成されてもよく、生成された電力の少なくとも一部は、第1および第2の熱電冷却器に供給されてもよい。ベースブロックは、熱源に面する側に熱交換器を含むことができる。ヒートシンクは、複数の放熱フィンを含むことができる。
【0017】
さらに別の態様では、廃熱回収のためのシステムは、円筒形状を含むキルンを含むことができ、本明細書に記載される複数の装置は、キルンを囲むように配置され得、キルンを熱源として使用する。
【0018】
さらに別の態様では、廃熱回収のための方法は、熱源から熱を受け取ることと、熱電発電機において受け取った熱で電気を生成することと、生成した電気の少なくとも一部を熱電冷却器に供給することと、を含むことができる。以下の特徴の1つ以上は、任意の実現可能な組み合わせに含まれ得る。例えば、方法は、熱源の表面の温度を測定することと、測定された温度が第1の予め設定された温度以上であると判定することに応答して熱電発電機を電気的に切断することと、を含むことができる。方法は、測定された温度が第2の予め設定された温度以上であると判定することに応答して、熱電発電機が熱源を冷却するように動作され得るように、熱電発電機に電気を供給することを含むことができる。
【0019】
1つ以上のコンピューティングシステムの1つ以上のデータプロセッサによって実行されたときに、少なくとも1つのデータプロセッサに本明細書中の動作を実行させる命令を格納する、非一時的コンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現化されたコンピュータプログラム製品)についても説明する。同様に、1つ以上のデータプロセッサと、1つ以上のデータプロセッサに結合されたメモリと、を含むことができるコンピュータシステムについても説明する。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに本明細書に記載される動作のうちの1つ以上を実行させる命令を一時的または永続的に格納することができる。さらに、方法は、単一のコンピューティングシステム内にあるか、または2つ以上のコンピューティングシステム間に分散された1つ以上のデータプロセッサによって実施することができる。このようなコンピューティングシステムは、ネットワーク(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワークなど)を介した接続を含む1つ以上の接続を介して、複数のコンピューティングシステムのうちの1つ以上の間の直接接続を介するなどして、接続され得、データおよび/またはコマンドまたは他の命令などを交換することができる。
【0020】
本明細書に記載される主題の1つ以上の変形例の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載される。本明細書に記載される主題の他の特徴および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】TEGを含む熱電システムの実施形態の図である。
【
図4】TEGを含む熱電システムの実施形態の図である。
【
図5】エネルギー回収(ER)コンデンサシステムを含む冷却システムの実施形態の図である。
【
図6】
図5に示すERコンデンサシステムの実施形態の図である。
【
図7A】
図6に示すERコンデンサシステムの発電(P-Gen)コンデンサの一例を示す図である。
【
図7B】温度センサを含む、
図7Aに示すP-Genコンデンサの図である。
【
図7C】
図6に示すERコンデンサシステムを含む、
図5に示す冷却システムの実施形態の図である。
【
図8】P-Genコンデンサの別の実施形態の図である。
【
図9】P-Genコンデンサの別の実施形態の図である。
【
図10】冷媒からエネルギーを回収するために使用することができるマルチパスP-Genコンデンサの一実施形態の側面図である。
【
図11】エネルギー回収(ER)コンデンサシステムおよびスクロール膨張器を含む冷却システムの実施形態の図である。
【
図12】エネルギー回収(ER)コンデンサシステムおよびスクロール膨張器を含む冷却システムの別の実施形態の図である。
【
図13】エネルギー回収(ER)コンデンサシステムおよびスクロール膨張器を含む冷却システムの別の実施形態の図である。
【
図14】P-GenコンデンサのTEGおよびTECに加えられる負荷を管理するように構成され得るコントローラを含むERコンデンサシステムの一例を示す。
【
図15】従来技術のセメントキルンの一例を示す断面図である。
【
図16】本開示の例示的実施形態による廃熱回収システムを示す断面図である。
【
図17】本開示の例示的実施形態による熱電発電機(TEG)モジュールの断面図である。
【
図18】本開示の例示的実施形態による熱電冷却器(TEC)モジュールの断面図である。
【
図19】本開示の別の例示的実施形態による廃熱回収システムを示す断面図である。
【
図20A】セメントキルン周辺に設置された排熱回収システムの例を示す図である。
【
図20B】セメントキルン周辺に設置された排熱回収システムの例を示す図である。
【
図20C】セメントキルン周辺に設置された排熱回収システムの例を示す図である。
【
図20D】セメントキルン周辺に設置された排熱回収システムの例を示す図である。
【
図21】本開示の例示的実施形態による信号フローおよび電力フローを示す図である。
【
図22】廃熱回収システムを制御する方法を示すフローチャートである。
【0022】
〔詳細な説明〕
ここで、本明細書に開示されるシステム、デバイス、および方法の構造、機能、製造、および使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態について説明する。これらの実施形態の1つ以上の例が添付の図面に示されている。本明細書に具体的に記載され、添付の図面に示されるシステム、デバイス、および方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることを当業者は理解するであろう。1つの例示的実施形態に関連して図示または説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような変更および変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。さらに、本開示では、実施形態の類似の名称の構成要素は一般に類似の特徴を有し、したがって、特定の実施形態内では、類似の名称の各構成要素の各特徴は必ずしも完全には詳しく述べていない。
【0023】
一態様では、本発明の主題は、冷媒から熱を除去するためのコンデンサを含むことができる。コンデンサは、熱を電気エネルギーに変換することができる1つ以上の熱電発電機(TEG)を含むことができる。TEGは、TEG内に形成される温度勾配の結果として電気エネルギーを生成することができる。冷媒からの熱の一部を1つ以上のTEGに送達することができ、それによって温度勾配を生成することができ、TEGは電気エネルギーを生成することができる。TEGの効率を最適化するために、1つ以上の熱電冷却器(TEC)を利用して、TEG内の温度勾配を管理することができる。本発明の主題は、冷却システムのような冷却システムの効率を向上させることができる。いくつかの実施形態では、本発明の主題は、廃熱を低減することによって、冷却システムのすべての構成要素を同じ一般的な近傍に配置することを可能にし、これによって、冷却システムのデザインを簡素化することができる。いくつかの実施形態では、TEG内の温度勾配を管理するためにTECを使用するのではなく、他の熱除去デバイスを使用することができる。例えば、ファンとヒートシンクの組み合わせを使用して、制御された強制対流を提供し、TEG内の温度勾配を管理することができる。
【0024】
図1は、冷却システム100の一実施形態を示す図であり、これを用いて、容積101の少なくとも一部を冷却することができる。容積101は、例えば、データセンターであってもよく、またはデータセンターを含んでもよい。冷却システム100は、冷媒(例えば、R410、R312)を弁104を介して冷却システム100に導入することができる冷媒供給システム102を含むことができる。最初に、低圧低温冷媒蒸気を圧縮システム106に送達することができる。圧縮機は、外部電源から電力107を受け取ることができる電気モータによって駆動することができる。冷媒が圧縮システム106から出るとき、冷媒は高温高圧の蒸気状態とすることができる。冷媒は、その後、圧縮システム106の下流にある1つ以上のコンデンサ/アフタークーラ108に流れることができる。コンデンサ108は、圧縮プロセス中に発生する過剰な熱を除去することによって、冷媒109の蒸気または大部分が蒸気から主に液体状態への相変化を容易にすることができる。冷媒の少なくとも一部が凝縮状態になると、冷媒は膨張弁110を通って移動することができ、膨張弁は、冷媒の少なくとも一部を低圧低温の液体状態にすることができる圧力降下を生成することができる。次いで、液体冷媒を熱交換器112(例えば、蒸発器)に送達し、データセンター環境からの流入空気114を冷却することができる。熱交換器112は、例えば、コアプレートおよびフィン型熱交換器とすることができる。あるいは、他の熱交換器(例えば、コア、エッチングされたプレート、拡散接合された巻きコイル、シェルおよびチューブ、プレートおよびフレーム)を使用することもできる。冷媒は、冷却通路、冷却要素を通って、またはシェル内を移動して、データセンターからの空気などの「高温流体」を冷却することができる。空気116は、熱交換器112を通って移動するので、冷媒118と熱交換器112内で熱交換することによって冷却され得る。次いで、空気120を熱交換器112から放出して、容量101、例えばデータセンターを冷却することができる。次いで、冷媒を圧縮システム106に送り返すことができ、サイクルを繰り返すことができる。
【0025】
一般に、コンデンサ108内で吸収された熱は、いくつかの方法で放出され得る。図示の実施形態では、コンデンサ108は、容積101の外側、例えば屋根上に配置することができ、周囲空気に熱を放出することができる。
図1に示す冷却システム100の1つの利点は、維持が容易であることである。しかし、このシステムは、コストがかかり、パイプが移動しなければならない距離、コンデンサ108とシステム100の他の構成要素との間の高さの変動、および屋外の天候の変動に応じて、設計および実装するのが困難である。前述の欠点を回避するために、コンデンサが冷却システムのその他の構成要素に近接している冷却システムを設計することが有益であり得る。
【0026】
図2は、例示的な冷却システム200の別の実施形態を示し、これを用いて、容積201の少なくとも一部を冷却することができる。容積201は、例えば、データセンターの屋内部分であってもよく、または、データセンターの屋内部分を含んでもよい。冷却システム200は、概して、冷却システム100と同様であり得るが、第1の熱交換器208を有することができ、これは、圧縮された冷媒から、第1の熱交換器208と第2の熱交換器222との間を循環することができる冷却流体に、熱を伝達することができる。
【0027】
冷却システム200は、冷媒を弁204を介して冷却システム200に導入することができる冷媒供給システム202含むことができる。冷媒は圧縮システム206に送達され、圧縮システムは外部電源から電力207を受け取ることができる。その後、冷媒は第1の熱交換器208に移動することができ、この第1の熱交換器はコンデンサとも呼ばれる。次いで、冷媒は、冷却システム100に関して上述したように、膨張弁210および熱交換器212を通って移動し、流入空気214を冷却することができる。空気216は、熱交換器212を通って移動するので、熱交換器212内で冷媒218と熱交換することによって冷却され得る。次いで、空気220を熱交換器212から放出して、容積201を冷却することができる。次いで、冷媒を圧縮システム206に送り返すことができ、サイクルを繰り返すことができる。
【0028】
図示の例では、第1の熱交換器208内の冷媒224からの熱は、冷却流体226に伝達され、冷却流体は、第1の熱交換器208と第2の熱交換器222との間を循環することができる。冷却流体は、例えば、水または別の冷媒であってよく、第1の熱交換器208と第2の熱交換器222との間でポンプ228を用いて圧送することができる。
図2に示すように、ポンプ228および第2の熱交換器222は、容積201の外側に配置することができる。第2の熱交換器222は、例えば、冷却塔または空冷コンデンサとすることができる。
【0029】
図1および
図2に示される冷却システム100、200の両方について、冷媒109、224から抽出された熱は、最終的には、容積101、201の外部に放出される。したがって、この構成は、冷却システム100、200の屋内構成要素と屋外構成要素との間に流体送達ラインが延びることを必要とする。このような制約は、冷却システムのデザインの複雑さを増大させ、そのデザインを実施する際の複雑さを増大させる可能性がある。さらに、冷媒からの熱を屋外環境に放出することによって、かなりの量のエネルギーが浪費される可能性がある。従って、圧縮された冷媒からの熱を有用な電力に変換することができる廃熱回収システムを含む冷却システムを利用することが有益であり得る。このようなシステムは、管理すべき廃熱が少ないので、冷却システムの全ての構成要素を同じ一般的な近傍に配置することを可能にし得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、廃熱回収システムは、少なくとも1つの熱電発電機(TEG)と、少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)とを利用することができる。ゼーベック発電機とも呼ばれ得る、TEGは、ゼーベック効果を利用して熱流束(温度差)を電気エネルギーに変換する固体デバイスとすることができる。TEGの一方の側を高温面に結合し、他方の側を低温面に結合することができる。
【0031】
図3は、TEG350を含むことができる熱電システム300の一例を示す。熱電システム300は、TEG350および負荷306を含むことができる。TEG350は、TEG350の第1の端部上の「高温部材」と呼ぶことができる、第1の熱伝導素子302と、TEG350の第2の端部上の「低温部材」と呼ぶことができる、第2の熱伝導素子304と、を含み得る。TEG350は、少なくとも1つのn型半導体352と、少なくとも1つのp型半導体354とを含むことができ、これらは、第1の熱伝導素子302と第2の熱伝導素子304との間に配置することができ、いくつかの伝導性部材によって直列に結合することができる。図示の実施形態は、第1の伝導性部材356、第2の伝導性部材358、および第3の伝導性部材360を示す。第1の伝導性部材356は、p型半導体354の第1の端部に結合され、第3の伝導性部材360は、n型半導体の第1の端部に結合され、第2の伝導性部材358は、p型半導体354およびn型半導体352が直列に結合されるように、p型半導体354およびn型半導体352の第2の端部に結合される。第1の伝導性部材356および第3の伝導性部材360は、負荷306に電気的に結合することができ、その結果、電力をTEG350から負荷306に送達することができる。
【0032】
動作中、第1の熱伝導素子302は、外部熱源から熱を受け取ることができ、第1の熱伝導素子302は温度T3aになることができ、第2の熱伝導素子304は温度T3bになることができ、ここで、T3a>T3bである。一部の実施形態では、T3a>T3bを確実にするために、第2の熱伝導素子304から熱を抽出することができる。第1の熱伝導素子302および第2の熱伝導素子304は、p型半導体354およびn型半導体352にわたって熱勾配を形成することができ、これにより、p型半導体354およびn型半導体352内の大部分の電荷キャリアが第1の熱伝導素子302から離れて第2の熱伝導素子304に向かって移動することができ、少数の電荷キャリアが反対方向に移動することができる。したがって、n型半導体352の電子は第2の熱伝導素子304に向かって移動することができ、p型半導体354の正電荷の「正孔」は第2の熱伝導素子304に向かって移動することができる。この電荷運動は、各半導体352、354にわたって電圧電位を発生させることができる。半導体352、354は回路内で直列に結合されているので、電流を流すことができる。したがって、電子は、n型半導体352から第3の伝導性部材360を通り、負荷306を通り、第1の伝導性部材356を通り、p型半導体354を通り、第2の伝導性部材358まで移動し、n型半導体352に戻り、回路を完成することができる。したがって、TEG350は、TEG350から負荷306に送達され得る電力を生成することができる。第1の熱伝導素子302にどれだけの熱が送達されるか、および/または第2の熱伝導素子304からどれだけの熱が抽出されるかを制御することによって、半導体352、354にわたる温度勾配を制御することができ、TEGの効率を最適化することができ、発電を制御することができる。
【0033】
ペルチェ素子、ペルチェヒートポンプ、および固体冷蔵庫と呼ばれることがあるTECは、DC電流を受け取ることができ、電流内のエネルギーを利用して、デバイスの一方の側からデバイスの他方の側へ熱を伝達することができる。
【0034】
図4は、TEC450を含むことができる熱電システム400の例を示す。熱電システム400は、TEC450および電源406を含むことができる。TEC450は、TEC450の第1の端部上の第1の熱伝導素子402と、TEC450の第2の端部上の第2の熱伝導素子404と、を含むことができる。TEC450は、少なくとも1つのn型半導体452と、少なくとも1つのp型半導体454とを含むことができ、これらは、第1の熱伝導素子402と第2の熱伝導素子404との間に配置することができる。n型半導体452およびp型半導体454は、いくつかの伝導性部材によって直列に結合することができる。図示された実施形態は、第1の伝導性部材456、第2の伝導性部材458および第3の伝導性部材460を示しており、これらの伝導性部材は、n型半導体352およびp型半導体354に結合される第1の伝導性部材356、第2の伝導性部材358、および第3の伝導性部材360に関して上述したのと同様の方法で、n型半導体452およびp型半導体454に結合され得る。
【0035】
この場合、第1の伝導性部材456および第3の伝導性部材460は、電源406に電気的に結合され得、電流が、所定の電圧で半導体452、454を流れることができる。動作中、電流は、電源406の負端子から、第1の伝導性部材456、p型半導体454、第2の伝導性部材458、n型半導体452、第3の伝導性部材460を通って、電源406の正端子に流れることができる。したがって、n型半導体452の電子は第2の熱伝導素子404に向かって移動することができ、p型半導体454の正電荷の「正孔」は第2の熱伝導素子404に向かって移動することができる。この電荷運動は、半導体452、454の各々にわたって温度勾配を生じ、冷却された端部は、半導体452、454の各々に対する大部分の電荷キャリアの方向電荷運動(direction charge motion)に対応する。したがって、TEC450を通って流れる電流によって、第1の熱伝導素子402が加熱され得、第2の熱伝導素子404が冷却される。したがって、第1の熱伝導素子402を温度T4aに加熱し、第2の熱伝導素子404を温度T4bに冷却することができ、T4a>T4bである。電圧および電流を制御することによって、半導体452、454にわたる温度勾配を制御することができる。したがって、第1の熱伝導素子402および第2の熱伝導素子404の温度T4a、T4bを制御することができる。
【0036】
TEGは、熱を電力に変換するために使用することができる。しかしながら、TEGの効率は、TEG内で使用される半導体にわたる熱勾配に敏感であり得る。したがって、TECを使用して、TEG内の半導体にわたる温度勾配を管理することができる。
【0037】
図5は、容積501の少なくとも一部を冷却するために使用することができる冷却システム500の一例を示す。容積501は、例えば、データセンターの屋内部分であってもよく、または、データセンターの屋内部分を含んでもよい。冷却システム500は、概して、冷却システム100と同様であり得るが、圧縮冷媒から熱を除去し、電気エネルギーを生成し得るエネルギー回収(ER)コンデンサシステム600を含むことができる。冷却システム500は、冷却システム100に関して上述したように、ERコンデンサシステム600と、冷媒供給システム502と、弁504と、外部電源から電力507を受け取ることができる圧縮システム506と、膨張弁510と、流入空気514を冷却するための熱交換器512とを、含むことができる。空気516は、熱交換器512を通って移動するので、熱交換器512内で冷媒518と熱交換することによって冷却することができる。次いで、空気520を熱交換器512から放出して、容積501を冷却することができる。
【0038】
図6は、ERコンデンサシステム600の概略図を示す。ERコンデンサシステム600は、発電(P-Gen)コンデンサ608、電力管理モジュール630、および熱管理モジュール632を含むことができる。電力管理モジュール630および熱管理モジュール632はそれぞれ、データを受信、処理、決定、および送達することができる少なくとも1つのデータプロセッサを含むことができる。電力管理モジュール630および熱管理モジュールは、結合要素634、636を使用して、P-Genコンデンサ608に電気的に結合することができる。さらに、電力管理モジュール630は、熱管理モジュール632に結合要素638を介して電気的に結合することができる。
【0039】
圧縮された冷媒503をP-Genコンデンサ608に送達することができる。冷媒509がP-Genコンデンサ608を通って移動するとき、P-Genコンデンサ608は、圧縮プロセス中に発生する過剰な熱を除去することによって、冷媒509の蒸気または大部分が蒸気から主に液体状態への相変化を容易にすることができる。その後、冷媒511は、P-Genコンデンサ608を出て、
図1および
図2に示された冷却システム100、200に関して上述したように、冷却システム500の残りの部分を通って移動することができる。冷媒509がP-Genコンデンサ608を通過するとき、P-Genコンデンサ608内のTEGは、冷媒509から伝達され得る熱を利用して電力を生成することができる。
【0040】
上述のように、TEGの効率は、TEG内で使用される半導体にわたる熱勾配に敏感であり得る。したがって、TECを使用して、TEG内の半導体にわたる温度勾配を管理することができる。電力管理モジュール630は、TEGから電力を受け取ることができ、例えば結合要素634を介してTECに送達することができる電力量を制御することができる。熱管理モジュール632は、P-Genコンデンサ608の様々な場所の温度を監視することができ、電力管理モジュール630と通信して、TEGの効率を最適化するためにTECに送達される電力量を制御することができる。ERコンデンサシステム600は、以下でさらに詳細に説明される。
【0041】
一部の実施形態では、電力管理モジュール630および熱管理モジュール632は、外部電源から電力601、603を受け取ることができる。電力601、603は、電力管理モジュール630内および熱管理モジュール632内の様々な構成要素に電力を供給するために使用することができる。
【0042】
図7A~
図7Bは、P-Genコンデンサ608の拡大側面図を示す。
図7Aに示すように、P-Genコンデンサ608は、熱伝導性凝縮部材640、少なくとも1つのTEG、および少なくとも1つのTECを含むことができる。いくつかの実施形態では、凝縮部材640は、内部を通って延びる少なくとも1つの通路642を有することができる熱伝導性プレートであり得る。一例として、いくつかの実施形態では、凝縮部材640は、付加製造技術を用いて作製することができる。いくつかの実施形態において、凝縮部材640は、単一の材料片から作ることができる。いくつかの実施形態では、凝縮部材640は、任意の数の構成で凝縮部材640を通って延びることができる複数の通路642を有することができる。図示の実施形態は、第1の組のTEG644aおよび第2の組のTEG644b、ならびに第1のTEC646aおよび第2のTEC646bを示す。TEG644a、644bは、概して、
図3に示されるTEG350と同様であり得、TEC646a、646bは、概して、
図4に示されるTEC450と同様であり得る。TEG644a、644bおよびTEC646a、646bは、それらの端部に結合された熱伝導性部材648a、648b、648c、648dを有することができる。いくつかの実施形態において、熱伝導性部材648a、648b、648c、648dは、熱伝導性プレートの形態であってもよい。
【0043】
図3に示されるTEG350に関して上述したように、TEG644a、644bは、TEG644a、644b内の半導体に熱を伝達することができる第1の熱伝導素子と、TEG644a、644b内の半導体から熱を伝達することができる第2の熱伝導素子とを含むことができる。同様に、
図4に示されるTEC450に関して上述したように、TEC646a、646bは、電流がTEC646a、646bを通って流れるときに加熱され得る第1の熱伝導素子と、電流がTEC646a、646bを通って流れるときに冷却され得る第2の熱伝導素子とを含むことができる。TEG644a、644bおよびTEC646a、646bは、熱伝導性部材648a、648b、648c、648dの両側に結合することができる。
【0044】
TEG644a、644bおよびTEC646a、646bは、TEG644a、644bおよびTEC646a、646bの第2の熱伝導素子が熱伝導性部材648a、648b、648c、648dの両側に結合され得るように配向され得る。従って、TEG644a、644bおよびTEC646a、646bの第1の熱伝導素子は、熱伝導性部材648a、648b、648c、648dの両側に結合することができる。
【0045】
第1の組のTEG644aは、第1の熱伝導素子が凝縮部材640に結合され、第2の熱伝導素子が伝導性部材648aの一方の側に結合されるように配向され得る。第1のTEC646aは、第2の熱伝導素子が伝導性部材648aの反対側に結合され、第1の熱伝導素子が別の伝導性部材648bの一方の側に結合されるように配向され得る。第2の組のTEG644bは、第1の熱伝導素子が伝導性部材648bの反対側に結合され、第2の熱伝導素子が別の伝導性部材648cの一方の側に結合されるように配向され得る。第2のTEC646bは、第2の熱伝導素子が伝導性部材648cの反対側に結合され、第1の熱伝導素子が別の伝導性部材648dの一方の側に結合されるように配向され得る。したがって、TEC646a、646bの第2の熱伝導素子は、TEG644a、644bの第2の熱伝導素子に熱的に結合することができ、TEC646a、646bの第2の熱伝導素子は、TEG644a、644bの第2の熱伝導素子から熱を抽出することができる。さらに、第1のTEC646aの第1の熱伝導素子は、第2の対のTEG644bの第1の熱伝導素子に熱的に結合することができ、第1のTEC646aの第1の熱伝導素子は、第2の対のTEG644bの第1の熱伝導素子に熱を送達することができる。
【0046】
いくつかの実施形態において、伝導性部材648a、648cは、TEG644a、644bおよびTEC646a、646bの第2の熱伝導素子とすることができる。凝縮部材640は、第1の対のTEG644aの第1の熱伝導素子とすることができ、伝導性プレート648bは、第2の組のTEG644bおよび第1のTEC646aの第1の熱伝導素子とすることができ、伝導性プレート648bは、第2のTEC646bの第1の熱伝導素子とすることができる。
【0047】
図7Bに示すように、P-Genコンデンサ608はまた、1つ以上の温度センサ650、652、654を含むことができる。温度センサ650、652、654は、例えば、熱電対および/または抵抗温度検出器(RTD)とすることができる。温度センサ650は、凝縮部材640および/または熱伝導性部材648a、648b、648c、648dに結合することができ、644a、644bおよび/またはTEC646a、646bの少なくとも1つに隣接して配置することができる。温度センサ652、654は、凝縮部材640に結合することができ、通路642を通過する際の冷媒の温度を測定するために、通路642内に、かつ/または通路に隣接して配置することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の温度センサ652、654を通路642の入口に配置することができ、1つ以上の温度センサを通路642の出口に配置することができる。いくつかの実施形態では、温度センサ652、654は、通路642を通過する際の冷媒の温度を測定するために、通路642の長さに沿って等間隔に配置することができる。
【0048】
図示の例では、TEG644a、644bは、TEC646a、646bの2倍である。ただし、TEGおよびTECの数は、他の設計上の考慮事項によって異なる場合がある。例えば、冷媒から抽出されることが望ましい熱量は、P-Genコンデンサ600内で使用されるTEGおよびTECの数を決定するために使用することができる。いくつかの実施形態では、TEGは、異なる量の電力を生成するように構成することができる。例えば、冷媒から抽出されることが望ましい熱量、および/または冷媒の温度を使用して、TEGが生成するように構成されている電力量を決定することができる。例えば、P-Genコンデンサ608の下流部分に配置されたTEGは、下流で抽出される熱が少ない場合に、P-Genコンデンサ608の上流部分に配置されたTEGよりも少ない電力を生成するように構成することができる。従って、通路642の長さ、およびTEGの相対位置を使用して、TEGが生成するように構成された電力量を決定することができる。別の例として、第2の組のTEG644bにわたる温度勾配は、第1の組のTEG644aにわたる温度勾配よりも小さくすることができるので、第2の組のTEG644bは、第1の組のTEG644aよりも少ない電力を生成するように構成することができる。さらに、TEGは、所望の出力電圧および/または電流に応じて、直列および/または並列に結合することができる。好ましい実施形態では、TECよりも多くのTEGを設けることができる。
【0049】
動作中、冷媒は、通路642に入り、P-Genコンデンサ608を通って移動することができ、それによって、冷媒から凝縮部材640に熱を伝達する。冷媒からの熱の一部は、凝縮部材640からTEG644aの第1の端部に伝達することができる。
【0050】
電力管理モジュール630は、TEC646a、646bに電力を送達することができ、これにより、各TEC646a、646bの第1の端部が加熱され、各TEC646a、646bの第2の端部が冷却される。いくつかの実施形態では、TEC646a、646bに送達される電力は、電力管理モジュール630が外部電源から受け取る電力603の一部であってよい。各TEC646a、646bは、異なる量の電力を受け取ることができる。
【0051】
TEC646a、646bの第2の端部は、伝導性部材648a、648cから熱を抽出することができ、TEC646a、646bの第1の端部は、伝導性部材648b、648dに熱を送達し、それによって、伝導性部材648a、648cを冷却し、伝導性部材648b、648dを加熱する。
【0052】
冷却された熱伝導性部材648a、648cおよび加熱された熱伝導性部材648b、648dは、TEG644a、644bの両側から熱を抽出し、かつ、それらに熱を伝達することができ、それによって、TEG644a、644b内の半導体にわたる温度勾配を生成する。
【0053】
TEG644a、644bは、電力を生成し、電力の少なくとも一部を電力管理モジュール630に送達することができる。TEG644a、644bが生成する電力の量は、TEG644a、644bの半導体内の温度勾配に依存することができる。
【0054】
電力管理モジュール630は、TEG644a、644bによって生成された電力の量を測定することができ、電力の少なくとも一部を電気エネルギーとして蓄積することができ、かつ/または電力の一部をTEC646a、646bに送達してそれらに電力供給することができる。一部の実施形態では、電力管理モジュール630は、バッテリに電気エネルギーを蓄積することができる。さらに、電力管理モジュール630は、
図7Cに示すように、結合要素639を介して圧縮システム506に電気的に結合することができ、圧縮機に電力供給するために、電気エネルギーの一部を圧縮システム506に送達することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、使用される温度センサ650、652、654のタイプに応じて、熱管理モジュール632は、電力601の一部を温度センサ650、652、654に(例えば、結合要素636を介して)送達してそれらに電力供給することができる。代替的に、または追加的に、電力管理モジュール630は、電力603の一部を温度センサ650、652、654に(例えば、結合要素634を介して)送達してそれらに電力供給することができる。
【0056】
温度センサ650、652、654は、P-Genコンデンサ608の様々な場所で温度を測定することができ、測定された温度を特徴付ける温度信号を熱管理モジュール632に(例えば結合要素636を介して)送達することができる。
図7Bに示すように、温度センサ650は、凝縮部材640と、TEG644a、644bおよびTEC646a、646bに隣接する場所における伝導性部材648a、648b、648c、648dと、の温度を測定することができる。温度センサ652、654は、通路642内の冷媒の温度、および/または通路642に隣接する位置における凝縮部材640の温度を測定することができる。熱管理モジュール632は、温度信号を受信し、対応する温度を計算し、計算された温度を特徴付ける1つ以上の制御信号を電力管理モジュール630に送達することができる。一部の実施形態では、熱管理モジュール632は、電力管理モジュール630に命令を提供することができる。例えば、熱管理モジュール632は、電力管理モジュール630に対して、計算された温度に基づいて、TEC646a、646bに送達される電力量を増加または減少させる命令を提供することができる。例えば、いくつかの場合において、命令は、TEC646a、646bに送達される電力に対応する電圧および/または電流の変化を特徴付けるデータを含むことができる。
【0057】
電力管理モジュール630は、命令を含む制御信号を受信し、それらを処理し、制御信号と共に提供される情報に基づいて、TEC646a、646bに送達される電力量を調整することができる。各TEC646a、646bは、温度センサ650によって測定される温度に応じて、異なる量の電力を受け取ることができる。
【0058】
温度センサ650、652、654によって測定された温度の変化に応じて、熱管理モジュール632は、調整された蓄積信号を電力管理モジュール630に送達して、バッテリに蓄積される電気エネルギーの量を調整することができ、かつ/または、調整された電力送達信号を電力管理モジュール630に送達して、電気エネルギーがTEC646a、646bに送達される速度を調整することができる。一例として、熱管理モジュール632は、調整された電力送達信号を電力管理モジュール630に送達して、TEC646a、646bに送達される電力量を調整することができる。TEC646a、646bに送達される電力量を変化させることによって、伝導性部材648a、648b、648c、648dの温度を変化させることができ、それによって、TEGが生成する電力量を変化させる。
【0059】
第1のTEC646aは、伝導性部材648aから熱を除去して伝導性部材648bに熱を送達し、それによって伝導性部材648aを冷却し、伝導性部材648bを加熱するように機能することができる。同様に、第2のTEC646bは、伝導性部材648cから伝導性部材648dに熱を伝達することにより、伝導性部材648cを冷却し、伝導性部材648dを加熱することができる。
【0060】
前述したように、凝縮部材は冷媒から熱J6を受け取ることができ、伝導性部材648b、648dはTEC646a、646bから熱J6b、J6dを受け取ることができる。いくつかの実施形態において、伝導性部材648b、648dの各々が受け取る熱の量は、J6>J6b>J6dとなるように、TEGおよびTECの各連続層と共に減少することができる。したがって、いくつかの実施形態において、凝縮部材640は、平均温度T6を有することができ、伝導性部材648bは、平均温度T6bを有することができ、伝導性部材648dは、平均温度T6dを有することができ、ここで、T6>T6b>T6dである。伝導性部材648a、648b、648c、648d上の様々な場所における温度は、TEGおよびTECの配置、ならびに伝導性部材648a、648b、648c、648dと、TEG644a、644bと、TEC646a、646bとの間に存在し得る熱抵抗の量に依存する。
【0061】
加えて、TEGが吸収するために利用可能な熱の量は、TEGおよびTECの各連続層と共に減少することができる。したがって、第1の対のTEG644aは、第2の対のTEG644bよりも多くの熱を吸収することができる。したがって、いくつかの実施形態では、第1の対のTEG644aの第1の熱伝導素子は、第2の対のTEG644bの第1の熱伝導素子よりも高い温度とすることができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、TEG644a、644bの使用に加えて、またはその代替として、有機ランキンサイクルを使用して、冷媒の凝縮からの廃熱を回収することができる。例えば、P-Genコンデンサは、それに結合されたタービンを含むことができる。高温高圧の蒸気冷媒をタービンに送達することができる。冷媒がタービンを通過するとき、冷媒はタービンのシャフトを駆動することができる。タービンシャフトからの機械的仕事は、例えば圧縮システム506の圧縮機を駆動するために直接使用することができ、またはDC発電機を使用して電気エネルギーに変換することができる。電気エネルギーは、電力管理モジュール630に送達することができ、ここで、電気エネルギーをバッテリに蓄積し、かつ/または所望に応じて分配することができる。例えば、電気エネルギーの一部を、TEC646a、646bに送達して、それらに電力供給することができる。別の例として、電気エネルギーの一部を圧縮機システム506に送達して、圧縮機に電力供給することができる。次いで、冷媒は、P-Genコンデンサ608のコンデンサ部分に送達され得る。コンデンサシステム600は、圧縮プロセス中に発生する過剰な熱を除去することによって、蒸気または大部分が蒸気から主に液体状態への、冷媒の相変化を容易にすることができる。冷媒は、上述したように、冷却システム500を通って継続することができる。
【0063】
ERコンデンサシステム600は、多くの技術的利点を提供することができる。例えば、廃熱を電力に変換することにより、冷却システム500の効率を高めることができる。加えて、ERコンデンサシステム600は、管理すべき廃熱がより少ないので、冷却システムの全ての構成要素を同じ一般的な近傍に配置させることができる。廃熱を環境に放出する必要がないため、冷却システムのデザインを簡素化することができる。これにより、データセンターの建設および維持に関連する複雑な建設要件および/またはコストのために、本来実行可能な選択肢ではない建物または場所に、データセンターを建設することが可能になる。ERコンデンサシステム600は、外部環境との熱交換に依存することはできない。したがって、コンデンサからの熱伝達が屋外環境の温度に依存しないので、冷却システム500は、他の冷却システム(例えば、屋根に取り付けられたコンデンサを利用する冷却システム)よりも効率的で安定している。ERコンデンサシステム600に適用される技術的利点は、本明細書に記載されるその他の主題にも適用され得る。
【0064】
伝導性部材648b、648dがTEC646a、646bから受け取ることができる熱の量は、TEC646a、646bの第1の熱伝導素子と電動性部材648b、648dの隣接する表面との間の熱伝導率に依存することができる。同様に、伝導性部材648a、648cから抽出できる熱の量は、TEC646a、646bの第2の熱伝導素子と伝導性部材648a、648cの隣接する表面との間の熱伝導率に依存することができる。
【0065】
図8は、P-Genコンデンサ708の別の例を示しており、これは、ERコンデンサシステム(例えば、
図6に示すERコンデンサシステム600)内で使用することができ、
図5に示す冷却システム500のような冷却システム内で使用することができる。コンデンサ708は、
図7A~
図7Bに示されるP-Genコンデンサ608とほぼ同様であり得るが、温度センサ750を含むことができ、この温度センサは、凝縮部材740内および熱伝導性部材748a、748b、748c、748d内に埋め込まれ得る。コンデンサ708は、内部を通って延びる通路742を有し得る凝縮部材740と、熱伝導性部材748a、748b、748c、748dと、第1の組のTEG744aおよび第2の組のTEG744bと、第1のTEC746aおよび第2のTEC746bと、温度センサ750とを含むことができる。
図8に示されるように、温度センサは、凝縮部材740内、ならびに伝導性部材748a、748b、748c、748d内に、TEG744a、744bおよびTEC746a、746bの端部に隣接して埋め込まれ得る。温度センサ750を伝導性部材748a、748b、748c、748d内に埋め込むことにより、センサは、TEG744a、744bおよびTEC746a、746bの端部近傍の温度を測定することができる。P-Genコンデンサ708はまた、温度センサ752、754を含むことができ、この温度センサは、通路742内の冷媒の温度および/または通路742に隣接する凝縮部材740の温度を測定するように構成することができる。温度センサ752、754は、一般に、上述した温度センサ652、654と同様にすることができ、凝縮部材740に結合することができ、通路742を通過する際の冷媒の温度を測定するために、通路742内に、および/または通路742に隣接して配置することができる。
【0066】
図9は、P-Genコンデンサ808の別の例を示す。コンデンサ808は、
図7A~
図7Bに示すP-Genコンデンサ608とほぼ同様であり得るが、凝縮部材840を有してもよく、この凝縮部材は、内部を通って延びる通路842を有するチューブ841を含み得、チューブ841は、チューブ841から延びるフィン843を有する。いくつかの実施形態において、チューブ841およびフィンは、単一の材料片から作ることができる。コンデンサ808は、凝縮部材840と、熱伝導性部材848a、848b、848c、848dと、第1の組のTEG844aおよび第2の組のTEG844bと、第1のTEC846aおよび第2のTEC846bと、を含むことができる。凝縮部材840の構成により、凝縮部材840のコストを低減することができる。さらに、フィン843は、冷媒から第1の対のTEG844aの第1の熱伝導素子への熱伝達を改善することができる。P-Genコンデンサ808はまた、温度センサ852、854を含むことができ、この温度センサは、通路842内の冷媒の温度および/または通路842に隣接する凝縮部材740の温度を測定するように構成することができる。温度センサ852、854は、一般に、上述した温度センサ652、654と同様にすることができ、凝縮部材840に結合することができ、通路842を通過する際の冷媒の温度を測定するために、通路842内に、および/または通路842に隣接して配置することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、
図10に示すように、マルチパスP-Genコンデンサ908を使用して、冷媒903からエネルギーを回収することができる。P-Genコンデンサ908は、上述したコンデンサシステム600のようなコンデンサシステムの一部とすることができ、コンデンサシステムは、
図5に示す冷却システム500のような冷却システム内で使用することができる。場合によっては、マルチパスP-Genコンデンサは、マルチパスP-Genコンデンサを作り出すのに役立つ幾何学的形状を有することができる既存のコンデンサを改造する際に使用することができる。P-Genコンデンサ908は、内部を通って延びる通路を有することができる、第1の凝縮部材940a、第2の凝縮部材940b、および第3の凝縮部材940cを含むことができる。凝縮部材940a、940b、940cは、概して、
図7Aおよび
図8に示される凝縮部材640、740と同様であり得る。いくつかの実施形態では、凝縮部材940a、940b、940cのうちの1つ以上は、
図9に示される凝縮部材840と同様であってよく、フィンが延びるチューブを含むことができる。
【0068】
P-Genコンデンサ908は、凝縮部材940a、940b、940cに結合することができ、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成することができる、TEGを含むことができる。図示の例では、P-Genコンデンサ908は、第1の組のTEG944a、第2の組のTEG944b、第3の組のTEG944c、および第4の組のTEG944dを含む。これらの組のTEG944a、944b、944c、944dは、概して、
図3に関して上述したTEG350と同様であり得る。
【0069】
図3に示すTEG350に関して上述したように、各TEG944a、944b、944c、944dは、熱をTEG944a、944b、944c、944d内の半導体に伝達することができる第1の熱伝導素子と、熱をTEG944a、944b、944c、944d内の半導体から離すように伝達することができる第2の熱伝導素子と、を含むことができ、それによって半導体にわたって熱勾配を生成する。熱勾配は、半導体内で電荷運動を発生させることができる。電荷運動は、各半導体にわたって電圧電位を発生させ得、TEG944a、944b、944c、944dが電力を生成することができる。
【0070】
P-Genコンデンサ908はまた、第1の冷却ステージ947aおよび第2の冷却ステージ947bを含むことができ、これらは、TEG944a、944b、944c、944d内の半導体にわたる温度勾配を管理するように機能することができる。
図10に示すように、第1の冷却ステージ947aは、第1の熱伝導性部材948a、第2の熱伝導性部材948b、および第3の熱伝導性部材948c、ならびに第1のTEC946aおよび第2のTEC946bを含むことができる。第1のTEC946aは、第1の熱伝導性部材948aと第2の熱伝導性部材948bとの間に位置することができ、第2のTEC946bは、第2の熱伝導性部材948bと第3の熱伝導性部材948cとの間に位置することができる。同様に、第2の冷却ステージ947bは、第1の熱伝導性部材949a、第2の熱伝導性部材949b、および第3の熱伝導性部材949c、ならびに第1のTEC951aおよび第2のTEC951bを含むことができる。TEC946a、946b、951a、951bは、概して、
図4に関して上述したTEC450と同様であり得る。一例として、既存のコンデンサを改造する場合、TEG944a、944b、944c、944dは、第1の凝縮部材940a、第2の凝縮部材940b、および第3の凝縮部材940cを形成するチューブおよび/またはプレートに結合することができる。
図10に示すように、第1の冷却ステージ947aは、第1の凝縮部材940aと第2の凝縮部材940bとの間に配置することができ、第2の冷却ステージ947bは、第2の凝縮部材940bと第3の凝縮部材940cとの間に配置することができる。
【0071】
図4に示すTEC450に関して上述したように、TEC946a、946b、951a、951bは、電流がTEC946a、946b、951a、951bを流れるときに加熱され得る第1の熱伝導素子と、電流がTEC946a、946b、951a、951bを流れるときに冷却され得る第2の熱伝導素子とを含むことができる。
【0072】
第1の冷却ステージ947aのTEC946a、946bは、電力が印加されると、第1の熱伝導性部材948aおよび第3の熱伝導性部材948cから第2の熱伝導性部材948bに熱が伝達され、それによって第1の熱伝導性部材948aおよび第3の熱伝導性部材948cを冷却するように配向され得る。例えば、第1のTEC946aは、TEC946aの第2の熱伝導素子が第1の熱伝導性部材948aに結合されるように配向され得、第2のTEC946bは、TEC946bの第2の熱伝導素子が第3の熱伝導性部材948cに結合されるように配向され得る。TEC946a、946bの第1の熱伝導素子は、第2の熱伝導性部材948bに結合することができる。
【0073】
第2の冷却ステージ947bのTEC951a、951bは、電力が印加されると、第1の熱伝導性部材949aおよび第3の熱伝導性部材949cから第2の熱伝導性部材949bに熱が伝達され、それによって第1の熱伝導性部材949aおよび第3の熱伝導性部材949cを冷却するように配向され得る。例えば、第1のTEC951aは、TEC951aの第2の熱伝導素子が第1の熱伝導性部材949aに結合されるように配向され得、第2のTEC951bは、TEC951bの第2の熱伝導素子が第3の熱伝導性部材949cに結合されるように配向され得る。TEC951a、951bの第1の熱伝導素子は、第2の熱伝導性部材949bに結合することができる。
【0074】
図示の例に示すように、第1の組のTEG944aは、第1の凝縮部材940aと第1の冷却ステージ947aとの間に配置することができる。TEG944aは、第1の熱伝導素子が第1の凝縮部材940aに結合され、第2の熱伝導素子が第1の冷却ステージ947aの第1の熱伝導性部材948aに結合されるように配向され得る。
【0075】
第2の組のTEG944bは、第1の冷却ステージ947aと第2の凝縮部材940bとの間に配置することができる。TEG944bは、第1の熱伝導素子が第2の凝縮部材940bに結合され、第2の熱伝導素子が第1の冷却ステージ947aの第3の熱伝導性部材948cに結合されるように配向され得る。
【0076】
第3の組のTEG944cは、第2の凝縮部材940bと第2の冷却ステージ947bとの間に配置することができる。TEG944cは、第1の熱伝導素子が第2の凝縮部材940bに結合され、第2の熱伝導素子が第2の冷却ステージ947bの第1の熱伝導性部材949aに結合されるように配向され得る。
【0077】
第4の組のTEG944dは、第2の冷却ステージ947bと第3の凝縮部材940cとの間に配置することができる。TEG944dは、第1の熱伝導素子が第3の凝縮部材940cに結合され、第2の熱伝導素子が第2の冷却ステージ947bの第3の熱伝導性部材949cに結合されるように配向され得る。
【0078】
動作中、P-Genコンデンサ908は、冷媒903を、例えば上述した圧縮システム506のような圧縮システムから受け取ることができる。冷媒903aは、第1の凝縮部材940aの1つ以上の通路を通って流れることができ、それによって、第1の凝縮部材940aに熱を伝達する。第1の凝縮部材940aから出る冷媒905は、第2の凝縮部材940bに送達することができる。冷媒905aは、第2の凝縮部材940bの1つ以上の通路を通って移動することができ、これにより、第2の凝縮部材940bに熱を伝達する。第2の凝縮部材940bから出る冷媒909は、第3の凝縮部材940cに送達することができる。冷媒909aは、第3の凝縮部材940cの1つ以上の通路を通って移動することができ、それによって、第3の凝縮部材940cに熱を伝達する。
【0079】
冷媒903aから第1の凝縮部材940aに伝達された熱の少なくとも一部は、第1の組のTEG944aの第1の熱伝導素子に伝達され得る。冷媒905aから第2の凝縮部材940bに伝達された熱の少なくとも一部は、第2の組のTEG944bおよび第3の組のTEG944cの第1の熱伝導素子に伝達することができる。冷媒909aから第3の凝縮部材940cに伝達された熱の少なくとも一部は、第4の組のTEG944dの第1の熱伝導素子に伝達され得る。
【0080】
場合によっては、TEG944a、944b、944c、944dに伝達される熱は、TEG944a、944b、944c、944dが電力を生成することができるように、TEG944a、944b、944c、944dの半導体にわたる温度勾配を生成するのに十分であり得る。しかしながら、TEG944a、944b、944c、944dの効率を改善するために、TEC946a、946b、951a、951bを使用して、TEG944a、944b、944c、944dの半導体にわたる温度勾配を制御することができる。例えば、電力管理モジュール(例えば、電力管理モジュール630)は、第1の冷却ステージ947aの第1のTEC946aおよび第2のTEC946bに電力を送達することができ、それによって、第1の冷却ステージ947aの第2の熱伝導性部材948bに結合することができるTEC946a、946bの第1の熱伝導素子を加熱し、第1の冷却ステージ947aの第1の熱伝導性部材948aおよび第3の熱伝導性部材948cにそれぞれ結合することができるTEC946a、946bの第2の熱伝導素子を冷却する。したがって、第1の熱伝導性部材948aおよび第3の熱伝導性部材948cからTEC946a、946bに熱を伝達することができ、TEC946a、946bから第2の熱伝導性部材948bに熱を伝達することができる。したがって、第1の熱伝導性部材948aおよび第3の熱伝導性部材948cをTEC946a、946bにより冷却することができる。第1の熱伝導性部材948aおよび第3の熱伝導性部材948cは、それぞれ第1の凝縮部材940aおよび第2の凝縮部材940bの温度よりも低い温度を有するように冷却することができる。したがって、第1の熱伝導性部材948aおよび第3の熱伝導性部材948cは、第1の組のTEG944aおよび第2の組のTEG944bのヒートシンクとして機能することができる。例えば、熱は、TEG944a、944bの第2の熱伝導素子から第1の熱伝導性部材948aおよび第3の熱伝導性部材948cに伝達され、それによって、TEG944a、944bの半導体にわたる温度勾配を生成することができる。
【0081】
同様に、電力管理モジュール(例えば、電力管理モジュール630)は、第2の冷却ステージ947bの第1のTEC951aおよび第2のTEC951bに電力を送達することができ、それによって、第2の冷却ステージ947bの第2の熱伝導性部材949bに結合することができるTEC951a、951bの第1の熱伝導素子を加熱し、第2の冷却ステージ947bの第1の熱伝導性部材949aおよび第3の熱伝導性部材949cにそれぞれ結合することができるTEC951a、951bの第2の熱伝導素子を冷却する。したがって、第1の熱伝導性部材949aおよび第3の熱伝導性部材949cからTEC951a、951bに熱を伝達することができ、TEC951a、951bから第2の熱伝導性部材949bに熱を伝達することができる。したがって、第1の熱伝導性部材949aおよび第3の熱伝導性部材949cをTEC951a、951bにより冷却することができる。第1の熱伝導性部材949aおよび第3の熱伝導性部材949cは、第2の凝縮部材940bおよび第3の凝縮部材940cのそれぞれの温度よりも低い温度を有するように冷却することができる。したがって、第1の熱伝導性部材949aおよび第3の熱伝導性部材949cは、第3の組のTEG944cおよび第4の組のTEG944dのヒートシンクとして機能することができる。例えば、熱は、TEG944c、944dの第2の熱伝導素子から第1の熱伝導性部材949aおよび第3の熱伝導性部材949cに伝達され、それによって、TEG944a、944bの半導体にわたる温度勾配を生成することができる。
【0082】
電力管理モジュールは、コンデンサシステム600に関して上述したように、各TEC946a、946b、951a、951bに送達される電力量を制御することができる。電力管理モジュールは、TEC946a、946b、951a、951bに送達される電力量を変更することによって、TEG944a、944b、944c、944dの半導体にわたる温度勾配を調整することができる。例えば、TEG944a、944b、944c、944dの半導体にわたる温度勾配を増加させるために、電力管理モジュールは、より多くの電力をTEC946a、946b、951a、951bに送達することができ、それによって、熱伝導性部材948a、948c、949a、949cから引き出される熱量を増加させる。あるいは、TEG944a、944b、944c、944dの半導体にわたる温度勾配を増加させるために、電力管理モジュールは、TEC946a、946b、951a、951bに送達される電力の量を減少させ、それによって、熱伝導性部材948a、948c、949a、949cから引き出される熱量を減少させる。
【0083】
上述したように、TEG944a、944b、944c、944dは、TEG944a、944b、944c、944dの半導体内に形成される温度勾配の結果として電力を生成することができる。P-Genコンデンサ908は、凝縮部材940a、940b、940cの通路内の冷媒の温度、ならびにP-Genコンデンサ908の他の構成要素の温度を測定するように構成され得る温度センサを含むことができる。例えば、P-Genコンデンサ908は、凝縮部材940a、940b、940c内の通路内および/または通路に隣接して配置することができる(例えば、温度センサ652、654とすることができる)温度センサを含むことができる。また、P-Genコンデンサ908は、温度センサ(例えば温度センサ650)を含むことができ、この温度センサは、
図7Bに示すP-Genコンデンサ608に関して上述したように、TEG944a、944b、944c、944dおよび/またはTEC946a、946b、951a、951bに隣接して位置することができる。また、別の例として、P-Genコンデンサ908は、温度センサ(例えば温度センサ750)を含むことができ、この温度センサは、P-Genコンデンサ608、708に関して上述したように、第1の冷却ステージ947aの熱伝導性部材948a、948b、948c内、および第2の冷却ステージ947bの熱伝導性部材949a、949b、949c内に位置することができる。センサは、熱管理モジュール(例えば、熱管理モジュール632)によって電力供給、監視、および/または制御することができる。熱管理モジュールは、コンデンサシステム600に関して上述したように、電力管理モジュールと電子通信することができる。同様に、電力管理モジュールは、コンデンサシステム600に関して上述したように、TEG944a、944b、944c、944dによって生成された電力を受け取り、かつ/または分配することができる。
【0084】
冷媒903a、905a、909aが第1の凝縮部材940a、第2の凝縮部材940b、および第3の凝縮部材940cを通って移動するとき、冷媒903a、905a、909aから除去される熱量は、温度センサによって測定される温度に基づいて制御することができ、P-Genコンデンサを出る冷媒911の温度を制御することができる。例えば、第1の凝縮部材940a、第2の凝縮部材940b、および第3の凝縮部材940cを通って移動する際に冷媒903a、905a、909aの温度を特定の量だけ低下させることができるように、TECに送達される電力量を制御することができる。
【0085】
一部の実施形態では、P-GenコンデンサのTEGおよび/またはTECに機械的負荷をかけて、それらの効率を高めることができる。例えば、TEGおよび/またはTECの半導体が圧縮されるように、第1および第2の熱伝導素子(例えば、TEG350の第1の熱伝導素子302および第2の熱伝導素子304、ならびにTEC450の第1の熱伝導素子402および第2の熱伝導素子404)に相反する力を加えることができる。
【0086】
半導体に負荷することによって、半導体内の電子/正孔移動度を増大させることができ、それによって、動作中のTEGおよび/またはTECの効率を増大させる。場合によっては、TEGおよび/またはTECに負荷することにより、TEGおよび/またはTECの構成要素間の熱抵抗率および/または電気抵抗率を減少させることができる。例えば、TEGおよび/またはTECに負荷すると、半導体と伝導性部材(例えば、TEG350の伝導性部材356、358、360、およびTEC450の伝導性部材456、458、460)との間の電気抵抗率を低減することができる。TEGおよび/またはTECに負荷することは、TEGおよび/またはTECの熱伝導素子と、伝導性部材と、半導体との間の熱抵抗率を低減することもできる。
【0087】
いくつかの実施形態では、コンデンサシステムのP-Genコンデンサに機械的負荷をかけることができる。例えば、
図7Aに示すP-Genコンデンサ608を参照すると、凝縮部材640と熱伝導性部材648dに相対する負荷を加えることができ、TEG644a、644bとTEC646a、646bとがそれらの間で圧縮される。P-Genコンデンサに負荷すると、凝縮部材640とTEG644aとの間の熱抵抗率を低減することができ、また、熱伝導性部材648a、648b、648c、648dとTEG644a、644bおよび/またはTEC646a、646bとの間の熱抵抗率を低減することができる。P-Genコンデンサ608の構成要素間の熱抵抗率を低減することにより、熱伝達を増加させることができ、TEG644a、644bおよび/またはTECS646a、646bの効率を増加させることができる。いくつかの実施形態では、P-Genコンデンサへの負荷を使用して、TEG644a、644bおよび/またはTEC646a、646b内の熱勾配を制御することができる。また、上述したように、機械的負荷は、半導体内の電子/正孔移動度を増加させ、それによって、動作中のTEG644a、644bおよび/またはTEC646a、646bの効率を増加させることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、動作中のP-Genコンデンサの性能を最適化するために、TEG、TEC、および/またはP-Genコンデンサの機械的負荷を能動的に制御することができる。例えば、個々のTEGおよびTEC、ならびに/またはP-Genコンデンサの一部に対する負荷を制御することができる。場合によっては、P-Genコンデンサの効率を最大にするように負荷を調整することができる。他の場合には、P-Genコンデンサの有効性(例えば、熱抽出)を最大にするように負荷を調整することができる。一例として、フィードバック制御システムを実装して、P-Genコンデンサの効率および/または有効性を最適化することができる。
【0089】
図14は、ERコンデンサシステム1300の一例を示し、このシステムは、コントローラ1302を含み、このコントローラは、P-Genコンデンサ608のTEGおよびTECに加えられる負荷を管理するように構成することができる。コンデンサシステム1300は、概して、コンデンサシステム600と同様であり得るが、コントローラ1302と、P-GenコンデンサのTEGおよびTECに機械的負荷を加えるように構成された機械的負荷システム1304とを含み得る。コントローラ1302は、電力管理モジュール630、熱管理モジュール632、およびP-Genコンデンサ608に、例えばカプリング1306、1308、1310を介して、電気的に結合することができる。動作中、熱管理モジュール632は、P-Genコンデンサ608の様々な場所の温度を監視することができ、電力管理モジュール630と通信して、どの程度の電力がTEC646a、646bに送達されるかを制御して、TEG644a、644bの効率を最適化することができる。場合によっては、TEC646a、646bに送達される電力を調整するのではなく、TEC646a、646bに加えられる機械力を調整することができる。一例として、電力管理モジュール630は、熱管理モジュール632から、TEC646a、646bによって提供される冷却効果を変更(例えば、増加または減少)すべきであることを示す命令を受信することができる。
【0090】
場合によっては、TEC646a、646bに送達される電力を調整(例えば、増加または減少)して、TEC646a、646bによって提供される冷却効果を変更することができる。あるいは、TEC646a、646bに送達される電力を増加させるのではなく、TEC646a、646bに加えられる機械力を変更(例えば、増加または減少)することができる。一例として、電力管理モジュール630は、TEC646a、646bに印加される負荷を特徴付ける命令を生成することができ、その命令をコントローラ1302に送達することができる。場合によっては、TEC646a、646bを較正して、TEC646a、646bの効率に対する機械的負荷の影響を決定することができる。したがって、機械的負荷は、TEC646a、646bに送達される電力の効果的な増加と相関させることができる。コントローラ1302は、電力管理モジュール630から命令を受信することができ、TEC646a、646bに印加される負荷を特徴付ける命令を生成することができる。コントローラ1302は、機械的負荷システム1304に命令を送達することができ、機械的負荷システムは、負荷をTEC646a、646bに印加することができる。
【0091】
場合によっては、コントローラ1302は、TEG644a、644bによって生成される電力を監視することができ、TEG644a、644bに加えられる機械的負荷を自動的に調整して、TEG644a、644bの効率を最大にするように構成することができる。例えば、コントローラ1302は、機械的負荷システム1304に命令を送達し、TEG644a、644bに加えられる力を増加させることができる。コントローラ1304は、TEG644a、644bからの電力出力を監視することができる。負荷変化がTEG644a、644bからの電力出力を増加させる場合、指定された最大許容負荷が達成されるまで、またはTEG644a、644bの負荷を増加させても電力出力が増加しなくなるまで、このプロセスを繰り返すことができる。代替的に、TEG644a、644bの負荷を増加させることによって、TEG644a、644bからの電力出力が減少する場合、コントローラ1302は、機械的負荷システム1304に命令を送達し、TEG644a、644bに加えられる負荷を減少させることができる。このプロセスは、TEG644a、644bからの電力出力が、負荷の減少に伴って、変化しなくなるまで、所定量未満変化するまで、または最小所定負荷が達成されるまで、繰り返すことができる。コンデンサシステム600を使用して動作することができる本明細書に記載の各冷却システムは、コンデンサシステム1300を使用しても動作することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、冷却システムは、膨張弁(例えば、膨張弁110、510)を使用するのではなく、1つ以上のスクロール膨張器を使用して、冷媒の圧力を低減することができる。
図11は、冷却システム1000を示しており、この冷却システムは、概して冷却システム500と同様であり得るが、スクロール膨張器1010を含むことができる。スクロール膨張器1010は、冷媒の膨張に伴うエネルギーの回収を容易にするように構成することができる。いくつかの実施形態では、スクロール膨張器1010は、スクロール圧縮機から作ることができる。例えば、スクロール圧縮機の一部を切断してスクロール膨張器1010を形成することができる。
【0093】
最初に、低圧低温冷媒蒸気を圧縮システム506に送達することができる。圧縮機は、外部電源から電力507を受け取ることができる電気モータによって駆動することができる。冷媒が圧縮システム506から出るとき、冷媒は高温高圧蒸気状態とすることができる。冷媒は、その後、圧縮システム506の下流に、コンデンサシステム600のP-Genコンデンサ(例えば、P-Genコンデンサ608)へと流れることができる。コンデンサシステム600は、圧縮プロセス中に発生する過剰な熱を除去することによって、蒸気または大部分が蒸気から主に液体状態への冷媒の相変化を容易にすることができる。冷媒の少なくとも一部が凝縮状態になると、冷媒はスクロール膨張器1010を通って移動することができ、このスクロール膨張器は、冷媒の少なくとも一部を低圧低温液体状態にすることができる圧力降下を引き起こすことができる。
【0094】
スクロール膨張器は、冷媒の圧力低下を容易にすることができる2つのインターリーブスクロールを含むことができる。例えば、第1のスクロールを固定することができ、第2のスクロールは、回転することなく、第2のスクロールの周りを偏心的に回ることができ、それによって、スクロール間を移動する際の冷媒の圧力を低下させることができる。第2スクロールは、圧縮システム506の圧縮機に(例えば、結合要素1060を介して)機械的に結合することができ、その結果、第2スクロールの軌道運動からの機械的エネルギーを捕捉し、利用して圧縮機を駆動し、それによって冷却システム1000の効率を高めることができる。次いで、液体冷媒を熱交換器512(例えば、蒸発器)に送達し、データセンター環境からの流入空気514を冷却することができる。空気516が熱交換器を通って移動するとき、空気は、熱交換器512を通って移動する冷媒518と熱を交換することによって冷却することができる。次いで、空気520を熱交換器512から放出して、データセンターを冷却することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、スクロール膨張器のスクロールの軌道運動からの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換することができ、これは、冷却システムの様々な構成要素に電力供給するために使用することができる。
図12は、冷却システム1100を示しており、この冷却システムは、概して、
図11に示す冷却システム1000と同様であり得るが、結合要素1160を介してスクロール膨張器1010に結合された直流(DC)発電機1162を含んでいてもよい。スクロール膨張器1010の第2のスクロールの軌道運動からの機械的エネルギーは、結合要素1160を介してDC発電機1162に送達することができる。DC発電機は、結合要素1164を介して圧縮システム506に電気的に結合することができる。一例として、DC発電機は、スクロール膨張器1010からの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換することができ、圧縮システム506に電力を提供して、圧縮システム506の圧縮機に結合要素1164を介して電力供給することができる。DC発電機1162からの電力は、外部電源からの電力507を補うか、またはこれに取って代わることができる。
【0096】
代替的に、一部の実施形態では、DC発電機1162からの電力は、
図13に示される冷却システム1200の実施形態に示されるように、電力管理モジュール630に送達することができる。
図13に示す冷却システム1200は、概して、
図11に示す冷却システム1100と同様であり得るが、DC発電機1162は、結合要素1264を介して電力管理モジュール630に電気的に結合され得る。DC発電機1162からの電力は、電力管理モジュール630に送達することができる。一例として、この電力に対応する電気エネルギーをバッテリ内に蓄積することができる。いくつかの実施形態では、電力管理モジュール630は、電力の一部をTEC646a、646bに送達してそれらに電力供給することができる。さらに、電力管理モジュール630は、電気エネルギーの一部を圧縮システム506に(例えば、結合要素639を介して)送達し、圧縮機に電力供給することができる。
【0097】
本明細書に記載される主題の例示的な技術的効果は、廃熱を電力に変換し、それによって冷却システムの効率を高める能力を含む。さらに、本明細書に記載される主題は、管理すべき廃熱が少ないので、冷却システムの全ての構成要素を同じ一般的な近傍に配置することを可能にする。廃熱を環境に放出する必要がないため、冷却システムのデザインを簡素化することができる。これにより、データセンターの建設および維持に関連する複雑な建設要件および/またはコストのために、本来実行可能な選択肢ではない建物または場所にデータセンターを建設することが可能になる。本明細書に記載の主題は、外部環境と直接熱を交換しない冷却システムの設計を容易にすることができる。したがって、コンデンサからの熱伝達が屋外環境の温度に依存しないため、冷却システムは他の冷却システム(例えば、屋根に取り付けられたコンデンサを利用する冷却システム)よりも効率的で安定し得る。当業者は、本明細書に記載される主題は、データセンター内での適用に限定されず、廃熱を管理するために任意の冷凍システム内で適用され得ることを理解するであろう。
【0098】
本発明の主題の幾つかの実施形態は、大量の熱を発生する産業施設からの廃熱を回収するために使用することができる。例えば、以下の説明は、セメントキルンからの廃熱を利用して電力を発生させるエネルギー回収システムの実施形態を含む。
【0099】
セメントキルンは、炭酸カルシウムがシリカを含む鉱物と反応してケイ酸カルシウムの混合物を形成する、様々なタイプのセメントを製造する乾式再処理段階に使用することができる。乾式再処理状態の間、セメントキルンはキルン壁を通してかなりの量の熱を放散し、それは外気に排出される。したがって、廃熱として排出されるエネルギーがある。
【0100】
本開示の態様は、熱を電気エネルギーに変換することができる熱電発電機(TEG)を使用して電力を生成するために、キルンから放散される熱を回復することができるシステムを提供する。TEGは、TEG内の温度勾配の結果として電気エネルギーを生成することができる。キルンからの熱の一部は、1つ以上のTEGに送達され、それによって温度勾配が生成され得、TEGは電気エネルギーを生成することができる。TEGの電力出力および/または効率を改善するために、1つ以上の熱電冷却器(TEC)が、TEG内の温度勾配を管理するために含まれてよい。別の状況では無駄になるであろう、放散される熱を回復し、それを電気エネルギーに変換することで、全体のエネルギー消費量を削減することができる。生成された電気は、キルンシステムに戻されて、様々な電気システムを動作させ、様々なエネルギー/電気貯蔵システム、例えばバッテリに貯蔵され、かつ/または従来のグリッド電気に供給され得る。本開示の別の態様において、システムは、キルン表面の温度監視を提供することができる。キルン表面の温度を監視することにより、運転の安全性を向上させることができる。さらに、TEGは、キルン表面を冷却するように動作されてもよい。例えば、キルン表面の過熱時にキルン表面の冷却を活性化し、安全性を向上させることができる。TEGによるキルン表面の冷却は、メンテナンス目的、操作目的の、または故障によるキルンの冷却に要する時間を短縮することができる。
【0101】
一部の実施形態では、TEG内の温度勾配を管理するためにTECを使用するのではなく、他の熱除去デバイスを使用することができる。例えば、ファンおよびヒートシンクの組み合わせを使用して、制御された強制対流を提供し、TEG内の温度勾配を管理することができる。
【0102】
セメントの典型的な製造プロセスは、石灰石と粘土または頁岩との混合物を粉砕して微細な「粉末原料(rawmix)」を形成し、セメントキルン内で粉末原料を焼結温度に(約1450℃まで)加熱し、得られたクリンカーを粉砕してセメントを製造することを含む。加熱段階では、粉末原料はキルンに供給され、キルン燃料の燃焼による高温ガスと接触して徐々に加熱される。典型的には、反応を完了するためには1400~1450℃のピーク温度が必要である。部分的溶融により、材料は、典型的には直径1~10mmの塊または小塊に凝集し、これを「クリンカー」と呼ぶ。次に、高温クリンカーは冷却器に落下してその熱の大部分を回収し、クリンカーを約100℃に冷却する。この温度で、クリンカーは貯蔵所へ都合よく搬送され得る。
【0103】
いくつかのセメントキルンシステムは、これらのプロセスを達成するように設計されている。セメントキルンは、円筒形を有する(例えば、含む)ことができ、反応物の混合を容易にするために円筒形の中心軸の周りを回転させることができる。このタイプのキルンは、ロータリーキルンとも呼ばれる。
図15は、このプロセスを行うことができるセメントキルンシステムの一例を示す断面図である。
【0104】
いくつかの実施形態では、例示的な廃熱回収システムは、少なくとも1つの熱電発電機(TEG)と、少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)とを含むことができる。ゼーベック発電機とも呼ばれ得るTEGは、ゼーベック効果を利用して熱流束(温度差)を電気エネルギーに変換する固体デバイスであってもよい。TEGの一方の側を高温面に結合し、他方の側を低温面に結合することができる。ペルチェ素子、ペルチェヒートポンプ、および固体冷蔵庫と呼ばれることがあるTECは、DC電流を受け取ることができ、電流内のエネルギーを利用して、デバイスの一方の側からデバイスの他方の側へ熱を伝達することができる。TEGは、熱を電力に変換するために使用することができる。しかしながら、TEGの効率は、TEG内で使用される半導体にわたる熱勾配に敏感であり得る。したがって、TECは、TEG内の半導体にわたる温度勾配を管理するために使用され得る。
【0105】
図16は、セメントキルンからの廃熱を使用する廃熱回収システム1600の例示的な実施形態を示す断面図である。廃熱回収システム1600は、熱源1610を取り囲むことができる。実施形態において、熱源1610は、実質的に円筒形の形状を有してもよい。熱源1610は、セメントキルンを含むことができる。廃熱回収システム1600は、熱源1610の周囲に配置されたベースブロック1620を含むことができる。ベースブロック1620は、陽極酸化アルミニウム、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などを含む(例えば、これらで作られる)ことができる。ベースブロック1620の材料は、これに限定されるものではなく、一般的に熱伝導率が高く、高温での操作性、耐食性などを有する他の材料を含み得る。熱電発電機(TEG)モジュール1630が第1の端部および第2の端部を有し、TEGモジュール1630の第1の端部は、ベースブロック1620に熱的に結合され、熱源1610から放散される熱の少なくとも一部を受け取るように構成される。熱電冷却器(TEC)モジュール1640は第3の端部および第4の端部を含むことができ、TEC1640の第3の端部がTEGモジュール1630の第2の端部に熱的に結合される。TECモジュール1640は電力を受け取ることができ、それによってTECモジュール1640の第3の端部が冷却され、TECモジュール1640の第4の端部が加熱され得、TECモジュール1640の第3の端部がTEGモジュール1630の第2の端部から熱を抽出する(例えば、受け取る;運ぶ)ことができる。
【0106】
図17は、TEG1750を含むことができる、TEGモジュール1630の一例を示す。TEGモジュール1630は、TEG1750と、負荷1706とを含むことができる。TEG1750は、TEG1750の第1の端部上の「高温部材」と呼ばれ得る第1の熱伝導素子1702と、TEG1750の第2の端部上の「低温部材」と呼ばれ得る第2の熱伝導素子1704とを含むことができる。TEG1750は、少なくとも1つのn型半導体1752と、少なくとも1つのp型半導体1754とを含むことができ、これらは、第1の熱伝導素子1702と第2の熱伝導素子1704との間に配置され、いくつかの伝導性部材によって直列に結合されてもよい。図示された実施形態は、第1の伝導性部材1756、第2の伝導性部材1758、および第3の伝導性部材1760を示す。第1の伝導性部材1756は、p型半導体354の第1の端部に結合されてもよく、第3の伝導性部材1760は、n型半導体の第1の端部に結合されてもよく、第2の伝導性部材1758は、p型半導体1754およびn型半導体1752が直列に結合され得るように、p型半導体1754およびn型半導体1752の第2の端部に結合されてもよい。第1の伝導性部材1756および第3の伝導性部材1760は、負荷1706に電気的に結合され得、電力がTEG1750から負荷1706に送達され得る。負荷1706は、様々な電気構成要素を動作させるためにキルンシステムに発電電力を供給する電気回路、デバイス、またはシステム、バッテリのような様々なエネルギー/電気貯蔵システム、および/または従来のグリッド電気に発電電気を供給する電気回路またはシステムを含むことができる。しかし、負荷1706はこれに限定されず、負荷1706は、発電電気を利用することができる任意のデバイスまたはシステムを含むことができる。
【0107】
動作中、第1の熱伝導素子1702は、外部熱源から熱を受け取ることができ、温度T17aになることができ、第2の熱伝導素子1704は、温度T17bになることができ、ここで、T17a>T17bである。一部の実施形態では、第2の熱伝導素子1704から熱を抽出して、確実にT17a>T17bとなるようにしてもよい。第1の熱伝導素子1702および第2の熱伝導素子1704は、p型半導体1754およびn型半導体1752にわたる熱勾配を形成することができ、これにより、p型半導体1754およびn型半導体1752内の大部分の電荷キャリアが第1の熱伝導素子1702から離れて第2の熱伝導素子1704に向かって移動することができ、少数の電荷キャリアが反対方向に移動することができる。したがって、n型半導体1752の電子は第2の熱伝導素子1704に向かって移動し、p型半導体1754の正電荷の「正孔」は第2の熱伝導素子1704に向かって移動することができる。この電荷運動により、各半導体1752、1754にわたって電圧電位が発生する。半導体1752、1754は回路内で直列に結合されているため、電流が流れ得る。したがって、電子は、n型半導体1752から、第3の伝導性部材1760を通って、負荷1706を通って、第1の伝導性部材1756まで移動し、p型半導体1754を通って、第2の伝導性部材1758まで移動し、n型半導体1752に戻って、回路を完成することができる。したがって、TEG1750は、TEG1750から負荷1706に送達され得る電力を生成することができる。第1の熱伝導素子1702に送達される熱量および/または第2の熱伝導素子1704から抽出される熱量を調節することによって、半導体1752、1754にわたる温度勾配を調節することができ、TEGの効率および/または出力電力を最適化することができ、発電を調節することができる。
【0108】
図18は、TEC1850を含むことができるTECモジュール1640の一例を示す断面図である。TECモジュール1640は、TEC1850および電源1806を含むことができる。TEC1850は、TEC1850の第1の端部上の第1の熱伝導素子1802と、TEC1850の第2の端部上の第2の熱伝導素子1804とを含むことができる。TEC1850は、少なくとも1つのn型半導体1852と、少なくとも1つのp型半導体1854とを含むことができ、これらは、第1の熱伝導素子1802と第2の熱伝導素子1804との間に配置することができる。n型半導体1852およびp型半導体1854は、いくつかの伝導性部材によって直列に結合されてもよい。図示された実施形態は、第1の伝導性部材1856、第2の伝導性部材1858、および第3の伝導性部材1860を示し、これらは、n型半導体1752およびp型半導体1754に結合される第1の伝導性部材1756、第2の伝導性部材1758、および第3の伝導性部材1760に関して上述したのと同様の方法で、n型半導体1852およびp型半導体1854に結合され得る。
【0109】
この場合、第1の伝導性部材1856および第3の伝導性部材1860は、電源1806に電気的に結合され得、所定の電圧で電流が半導体1852、1854を通って流れることができる。動作中、電流は、電源1806の正端子から、第3の伝導性部材1860、n型半導体1852、第2の伝導性部材1858、p型半導体1854、第1の伝導性部材1856を通って、電源1806の負端子に流れることができる。したがって、n型半導体1852の電子は第2の熱伝導素子1804に向かって移動し、p型半導体1854の正電荷の「正孔」は第2の熱伝導素子1804に向かって移動することができる。この電荷運動は、半導体1852、1854の各々に渡って温度勾配を生じ、冷却された端部は、半導体1852、1854の各々に対する大部分の電荷キャリアの方向電荷運動に対応する。したがって、TEC1850を通って流れる電流によって、第1の熱伝導素子1802が冷却され得、第2の熱伝導素子1804が加熱され得る。したがって、第1の熱伝導素子1802は温度T18aに冷却され、第2の熱伝導素子1804は温度T18bに加熱され、T18a<T18bである。電圧および電流を調整することによって、半導体1852、1854にわたる温度勾配を調整することができる。したがって、第1の熱伝導素子1802および第2の熱伝導素子1804の温度T18a、T18bを調整することができる。
【0110】
動作中、TEGモジュール1630は、熱源1610から放散される熱から電力を生成してもよく、生成された電力の少なくとも一部は、TECモジュール1640に供給されてもよい。したがって、TECモジュール1640は、TEGモジュール1630の低温部材を能動的に冷却することができる。したがって、廃熱回収システムの出力電力および/または効率を増加させることができる。
【0111】
再び
図16を参照すると、いくつかの実施形態では、ベースブロック1620は、熱源1610に面する側に配置された熱交換器1650を含むことができる。熱交換器1650は、対流および放射熱伝達を介して、熱源1610(例えば、キルン表面)とベースブロック1620との間のより効率的な熱伝達を促進することができる。熱交換器1650は、陽極酸化アルミニウム、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などを含む(例えば、これらで作られる)ことができる。熱交換器1650の材料は、これに限定されるものではなく、一般的に熱伝導率が高く、高温での操作性、耐食性などを有する他の材料を含み得る。一部の実施形態では、温度センサ1670は、熱源1610の表面の温度を測定するために含まれてもよい。温度センサ1670は、熱電対、抵抗温度検出器(RTD)、赤外線センサ等であってもよい。熱源1610の表面の温度がTEGの最大動作温度よりも高い場合、高温によるTEGの損傷を防ぐために、電気負荷をTEGから切り離すことができる。廃熱回収システム1600はまた、TECモジュール1640の第2の端部に配置されたヒートシンク1660を含んでもよい。ヒートシンク1660は、TECモジュール1640の高温表面からの熱遮断を促進することができる。
【0112】
図19は、廃熱回収システムの別の例示的な実施形態を示す断面図である。
図19に示されるように、廃熱回収システムは、垂直配置で実施することができる。廃熱回収システム1900は、ベースブロック1920を含むことができ、ベースブロックは、第1の垂直フィン1921および第2の垂直フィン1922を含むことができる。第1のTEGモジュール1931は、第1の垂直フィン1921に熱的に結合されるように配置されてもよく、第2のTEGモジュール1932は、第2の垂直フィン1922に熱的に結合されるように配置されてもよい。第1のTECモジュール1941は、第1のTEGモジュール1931に熱的に結合されるように配置されてもよく、第2のTECモジュール1942は、第2のTEGモジュール1932に熱的に結合されるように配置されてもよい。廃熱回収システム1900は、第1のTECモジュール1941と第2のTECモジュール1942との間に配置され、第1のTECモジュール1941と第2のTECモジュール1942との両方に熱的に結合された、ヒートシンク1960も含むことができる。ヒートシンク1960はまた、より効率的に熱を放散するために複数の放熱フィン1965を含んでもよい。放熱フィン1965は、ヒートシンク1960と一体に形成されてもよいし、別に形成され、ヒートシンク1960に熱的に結合されてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、ベースブロック1920は、熱源1910に面する側に配置された熱交換器1950を含むことができる。熱交換器1950は、対流および放射熱伝達を介して、熱源1910(例えば、キルン表面)とベースブロック1920との間のより効率的な熱伝達を促進することができる。熱交換器1950の、熱源1910に対向する底面は、円筒形熱源の曲率に実質的に対応する曲面を含み、熱源をよりよく囲むことができる。いくつかの実施形態では、廃熱回収システム1900は、ベースブロック1920とTEG-TECモジュールとの間に配置された絶縁体1980を含み、TEG-TECモジュールを熱源1910から熱的に隔離することもできる。
【0114】
図19に示す例示的な実施形態によれば、垂直配置で実施されることによって、廃熱回収システム1900は、より多くのTEG-TEC対をより小さなフットプリントでパックし、熱源からより多くの量の熱を回収し、それによってシステム全体の効率を高めることができる。
【0115】
動作中、熱源(例えば、セメントキルン)は、メンテナンス目的、操作目的で、または故障のために冷却を必要とする場合がある。熱源が冷却を必要とする場合、TEGの第1の端部が冷却され、TEGの第2の端部が加熱されるように、TEGに電力を供給することができる。したがって、TEGの逆動作によって熱源の表面が能動的に冷却され、熱源をより迅速に冷却することができる。
【0116】
実施形態では、複数の廃熱回収装置は、熱源(例えば、セメントキルン)に隣接して(例えば、周囲に;近くに)配置され、熱源の外面全体を囲み、掃気された熱の部分を最大にする。セメントキルンは、ベースブロックに熱入力を提供し、TEG高温部材温度を約350℃に維持することができる。TECモジュールは、TEG低温部材温度を約30℃に維持することができる。しかしながら、システムの動作温度は、それに限定されず、熱源からの放熱量、周囲条件等に基づいて変化し得る。
【0117】
図20A~
図20Dは、セメントキルン周辺に設置される発電システムの例を示す図である。
図20Aは、発電システムが設置されていないセメントキルンの例である。
図20Bは、発電システムの例示的な実施形態が周辺に設置されたセメントキルンの一例を示す。
図20Cは、デモンストレーションのために開放された発電システムを示す。
図20Dは、ベースブロック200側から見た発電システムの内部構成を示している。
【0118】
図21は、本開示の例示的実施形態による電気接続を示す図である。
図21に示すように、TEG2130により発生した電気をTEGドライバ2150に集め、入力電力の一部をTECドライバ2160に供給してもよい。TECドライバ2160は、コントローラ2170によって生成されたTEC制御信号に基づいて、TEC2140に電力を供給することができる。TEGドライバ2150は、電力出力を外部負荷2120に供給して正味の発電量を得ることができる。
【0119】
コントローラ2170は、環境センサ2190からデータを受信し、環境データに基づいて制御信号を生成することができる。環境データは、周囲温度、周囲湿度、風速、風向、降水データなどを含むことができる。コントローラ2170はまた、温度センサ2180からキルン表面温度データを受信することができる。温度データが第1の予め設定された温度を超える場合、コントローラ2170は、TEGドライバ2150に制御信号を送達し、TEGドライバにTEG2130を電気的に切断させ、TEG2130からの電力抽出を停止させることができる。温度データが第2の予め設定された温度を超える場合、コントローラ2170は、制御信号をTEGドライバ2150に送達し、TEGドライバにTEG2130に対して電気を供給させることができ、TEG2130は、冷却モードで動作し、キルン表面を冷却するために使用される。第2の予め設定された温度は、第1の予め設定された温度よりも高くてもよい。いくつかの実施形態では、第2の予め設定された温度は、第1の予め設定された温度よりも低くてもよい。
【0120】
図22は、本開示の例示的実施形態による、廃熱回収システムを動作させるモードを制御する方法を示すフローチャートである。ステップS100において、廃熱回収システムは熱源から熱を受け取ることができる。ステップS200では、受け取った熱を利用してTEGにおいて電気が生成され得る。ステップS300において、生成された電気の一部をTECに供給して、TECにTEGの低温部材を冷却させることができる。ステップS100、S200、S300は、発電モードと呼ぶことができる。ステップS400では、熱源の温度を監視してもよい。測定された温度が第1の予め設定された温度より低い場合、このサイクルを繰り返してもよく、システムは発電モードを維持してもよい。測定温度が第1の予め設定された温度以上である場合、コントローラは、続いて、温度が第2の予め設定された温度より高いか否かを評価する(S500)。測定された温度が第2の予め設定された温度未満である場合、コントローラは、TEGから電力が生成されないようにTEGを電気的に切断させることができる(S600)。測定された温度が第2の予め設定された温度以上である場合、コントローラは冷却モードを作動させ得、このモードでは、コントローラは、TEGに電気を供給して、TEGが熱源の表面を冷却するようにTEGを動作させることができる(S700)。温度監視ループ(S400、S500、S600、およびS700)は、測定された温度が第1の予め設定された温度未満になるまで繰り返されてもよく、その場合、コントローラは、廃熱回収システムを発電モードで動作させることができる。測定された温度が第1の予め設定された温度または第2の予め設定された温度よりも高いことを検出したときにアラームを発生させてもよい。アラームは、可視および/または可聴であってもよく、任意の特定の手段に限定されない。当技術分野で既知の任意のアラームを使用することができる。
【0121】
本明細書に記載される主題の例示的な技術的効果は、廃熱を除去して電力に変換する能力を含み、それによって、例えばセメント製造プロセスのための全体的なエネルギー利用を増加させる。上記では、いくつかの変形例を詳細に説明したが、他の変更または追加も可能である。例えば、本明細書に記載される主題は、セメントキルン内での適用に限定されず、廃熱を除去し、回復するために任意のシステム内で適用することができる。
【0122】
本明細書に記載される主題の1つ以上の態様または特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実現することができる。これらの様々な態様または特徴は、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムにおける実装を含むことができ、このプロセッサは、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信するように、かつこれらにデータおよび命令を送信するように結合された特殊または汎用のプログラム可能なプロセッサとすることができる。プログラム可能なシステムまたはコンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントとサーバは、一般に互いに離れており、通常、通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバの関係は、各コンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0123】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードとも呼ばれ得るこれらのコンピュータプログラムは、プログラム可能なプロセッサのための機械命令を含み、高水準手続き型言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理プログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械言語で実装することができる。本明細書で使用される場合、用語「機械可読媒体」は、機械命令および/またはデータをプログラム可能なプロセッサに提供するために使用される、任意のコンピュータプログラム製品、装置および/またはデバイス、例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、およびプログラマブルロジックデバイス(PLD)を指し、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む。用語「機械可読信号」は、プログラム可能なプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば、非一時的固体メモリまたは磁気ハードドライブまたは任意の同等の記憶媒体と同様に、そのような機械命令を非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、代替的または追加的に、例えば、1つ以上の物理プロセッサコアに関連するプロセッサキャッシュまたは他のランダムアクセスメモリなどの一時的な方法で、そのような機械命令を格納することができる。
【0124】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載される主題の1つ以上の態様または特徴は、ユーザに情報を表示するための例えば陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)モニタのようなディスプレイデバイス、ならびに、ユーザがコンピュータに入力を提供することができる、キーボードおよびポインティングデバイス、例えばマウスまたはトラックボールを有する、コンピュータ上で実施することができる。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの対話を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックのような任意の形態の感覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響的、音声的、または触覚的な入力を含む任意の形式で受信することができる。他の可能な入力デバイスは、タッチスクリーンまたは他のタッチセンシティブデバイス、例えば、単一点または多点の抵抗性または容量性トラックパッド、音声認識ハードウェアおよびソフトウェア、光学スキャナ、光学ポインタ、デジタル画像キャプチャデバイスおよび関連する解釈ソフトウェアなどを含む。
【0125】
上記の説明および特許請求の範囲において、「~のうちの少なくとも1つ」または「~のうちの1つ以上」のような句は、連結的な要素または特徴のリストに続いて生じ得る。「および/または」という用語は、2つ以上の要素または特徴のリスト中に存在してもよい。使用される文脈によって別段暗黙的または明示的に矛盾しない限り、そのような句は、列挙された要素または特徴のいずれかを個別に、または列挙された要素または特徴のいずれかを、その他の列挙された要素または特徴のいずれかと組み合わせたものを意味することを意図する。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AおよびBのうちの1つ以上」および「Aおよび/またはB」という語句は、それぞれ、「A単独、B単独、またはAとBの併用」を意味することを意図している。同様の解釈は、3つ以上の項目を含むリストについても意図されている。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの1つ以上」、および「A、Bおよび/またはC」という語句は、それぞれ「A単独、B単独、C単独、AとBの併用、AとCの併用、BとCの併用、またはAとBとCの併用」を意味することを意図している。さらに、上記および特許請求の範囲における「~に基づく」という用語の使用は、記載されていない特徴または要素も許容されるように、「~に少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図している。
【0126】
本明細書に記載の主題は、所望の構成に応じて、システム、装置、方法、および/または物品において具現化することができる。前述の説明に記載される実施形態は、本明細書に記載される主題と一致する全ての実施形態を表すものではない。代わりに、それらは、記載された主題に関連する局面と一致する単なるいくつかの例である。上記では、いくつかの変形例を詳細に説明したが、他の変更または追加も可能である。特に、本明細書に記載されたものに加えて、さらなる特徴および/または変形を提供することができる。例えば、上述の実施形態は、開示された特徴の様々な組み合わせおよび部分的組み合わせ、ならびに/または前記に開示された、いくつかのさらなる特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせに向けることができる。さらに、添付の図面に描かれ、かつ/または本明細書に記載された論理フローは、望ましい結果を達成するために、必ずしも示された特定の順序または連続した順序を必要としない。他の実施形態は、特許請求の範囲内であり得る。
【0127】
〔実施の態様〕
(1) 装置において、
流体から熱を受け取るように構成された本体と、
第1の端部および第2の端部を有する少なくとも1つの熱電発電機(TEG)であって、前記少なくとも1つのTEGの前記第1の端部は、前記本体に熱的に結合され、前記流体からの前記熱の少なくとも一部を受け取るように構成されている、少なくとも1つの熱電発電機(TEG)と、
第1の端部および第2の端部を有する少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)であって、前記少なくとも1つのTECの前記第2の端部は、前記少なくとも1つのTEGの前記第2の端部に熱的に結合され、前記少なくとも1つのTECは、電力を受け取るように構成され、これにより、前記少なくとも1つのTECの前記第1の端部を加熱し、前記少なくとも1つのTECの前記第2の端部を冷却して、前記少なくとも1つのTECの前記第2の端部が、前記少なくとも1つのTEGの前記第2の端部から熱を抽出する、少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)と、
を含む、装置。
(2) 少なくとも1つの熱伝導性部材をさらに含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記少なくとも1つのTEGが前記熱伝導性部材の第1の側面に熱的に結合され、前記少なくとも1つのTECが前記熱伝導性部材の第2の側面に熱的に結合されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記少なくとも1つのTEGが、前記本体と前記少なくとも1つの熱伝導性部材との間に配置され、かつこれらに結合されている、実施態様2に記載の装置。
(5) 少なくとも1つの温度センサをさらに含む、実施態様1に記載の装置。
【0128】
(6) 前記少なくとも1つの温度センサは、前記少なくとも1つのTEGの前記第1の端部および前記第2の端部のうちの1つに隣接して配置され、前記少なくとも1つの温度センサは、前記少なくとも1つのTEGの前記第1の端部および前記第2の端部のうちの1つに隣接する位置でコンデンサの温度を測定するように構成されている、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記少なくとも1つの温度センサが、前記少なくとも1つのTECの前記第1の端部および前記第2の端部のうちの1つに隣接して配置され、前記少なくとも1つのTECの前記第1の端部および前記第2の端部のうちの1つに隣接する位置でコンデンサの温度を測定するように構成されている、実施態様5に記載の装置。
(8) 前記少なくとも1つの温度センサが前記本体内に埋め込まれている、実施態様5に記載の装置。
(9) システムにおいて、
第1の熱伝導性部材、第2の熱伝導性部材、および第3の熱伝導性部材と、
前記第1の熱伝導性部材と前記第2の熱伝導性部材との間に配置され、かつこれらに結合された、第1の熱電冷却器(TEC)であって、前記第1のTECは、前記第1の熱伝導性部材から熱を除去し、前記第2の熱伝導性部材に熱を送達するように構成されている、第1の熱電冷却器(TEC)と、
前記第2の熱伝導性部材と前記第3の熱伝導性部材との間に配置され、かつこれらに結合された第2のTECであって、前記第2のTECは、前記第3の熱伝導性部材から熱を除去し、前記第2の熱伝導性部材に熱を送達するように構成されている、第2のTECと、
内部を通って延びる第1の通路を有する第1の本体であって、前記第1の通路は流体を受け取るように構成され、前記第1の本体は、前記流体から熱を受け取るように構成されている、第1の本体と、
内部を通って延びる第2の通路を有する第2の本体であって、前記第2の通路は、前記第1の通路から前記流体を受け取るように構成され、前記本体は、前記流体から熱を受け取るように構成されている、第2の本体と、
前記第1の熱伝導性部材と前記第1の本体との間に配置された第1の熱電発電機(TEG)であって、前記第1のTEGは、前記流体から前記第1の本体に伝達された熱を受け取るように構成されている、第1の熱電発電機(TEG)と、
前記第3の熱伝導性部材と前記第2の本体との間に配置された第2のTEGであって、前記第2のTEGは、前記流体から前記第2の本体に伝達された熱を受け取るように構成されている、第2のTEGと、
を含む、システム。
(10) システムにおいて、
コンデンサを含み、前記コンデンサは、
流体から熱を受け取るように構成された本体と、
第1の端部および第2の端部を有する少なくとも1つの熱電発電機(TEG)であって、前記第1の端部は、前記本体に熱的に結合され、前記流体からの前記熱の少なくとも一部を受け取るように構成され、それにより、前記少なくとも1つのTEGに第1の電力を生成させる、少なくとも1つの熱電発電機(TEG)と、
第1の端部および第2の端部を有する少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)であって、前記少なくとも1つのTECの前記第2の端部は、前記少なくとも1つのTEGの前記第2の端部に熱的に結合され、前記少なくとも1つのTECは、第2の電力を受け取るように構成され、これにより、前記少なくとも1つのTECの前記第1の端部を加熱し、前記少なくとも1つのTECの前記第2の端部を冷却して、前記少なくとも1つのTECの前記第2の端部が、前記少なくとも1つのTEGの前記第2の端部から熱を抽出する、少なくとも1つの熱電冷却器(TEC)と、
を含む、システム。
【0129】
(11) 電力管理モジュールをさらに含む、実施態様9に記載のシステム。
(12) 前記電力管理モジュールは、前記少なくとも1つのTEGに電気的に結合され、前記第1の電力の少なくとも一部を受け取るように構成されている、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記電力管理モジュールは、前記少なくとも1つのTECに電気的に結合され、前記第2の電力の少なくとも一部を前記TECに送達するように構成されている、実施態様11に記載のシステム。
(14) 前記少なくとも1つのTEGの前記第1の端部および前記第2の端部ならびに前記少なくとも1つのTECの前記第1の端部および前記第2の端部のうちの少なくとも1つに隣接して配置された少なくとも1つの温度センサをさらに含み、前記温度センサは、前記位置でコンデンサの温度を測定するように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
(15) 前記少なくとも1つの温度センサから温度信号を受信し、対応する温度を計算するように構成された熱管理モジュールをさらに含む、実施態様9に記載のシステム。
【0130】
(16) 方法において、
流体を熱交換器の本体に送達することと、
前記流体から前記本体に熱を伝達することと、
前記本体から熱電発電機(TEG)の第1の端部に熱を伝達することと、
第1の電力を熱電冷却器(TEC)に送達し、それにより、前記TECの第1の端部が温度を上昇させ、前記TECの第2の端部が温度を低下させることと、
前記TEGの第2の端部から前記TECの第2の端部に熱を伝達することと、
前記TEGの半導体にわたって温度勾配を生じさせ、それによって前記TEGに第2の電力を生成させることと、
を含む、方法。
(17) 前記第2の電力の少なくとも一部を前記TECに送達することをさらに含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記第2の電力の少なくとも一部をバッテリ内に貯蔵することをさらに含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記TEGの前記第1の端部および前記第2の端部のうちの少なくとも1つに隣接する場所で前記熱交換器の温度を測定することと、測定された前記温度に基づいて、前記TECに送達される前記第1の電力の電圧および電流のうちの少なくとも1つを調節することと、をさらに含む、実施態様16に記載の方法。
(20) 前記TECの前記第1の端部および前記第2の端部のうちの少なくとも1つに隣接する場所で前記熱交換器の温度を測定することと、測定された前記温度に基づいて、前記TECに送達される前記第1の電力の電圧および電流のうちの少なくとも1つを調節することと、をさらに含む、実施態様16に記載の方法。
【0131】
(21) 前記第2の電力の少なくとも一部を、前記流体を圧縮する圧縮機に送達することをさらに含む、実施態様16に記載の方法。
(22) 装置において、
熱源に隣接して配置されたベースブロックと、
第1の端部および第2の端部を含む熱電発電機であって、前記第1の端部は、前記ベースブロックに熱的に結合され、前記熱源から熱を受け取るように構成されている、熱電発電機と、
第3の端部および第4の端部を含む熱電冷却器であって、前記第3の端部は、前記第2の端部に熱的に結合され、前記熱電冷却器は電流を受け取るように構成され、これにより、前記第3の端部を冷却し、前記第4の端部を加熱し、前記第3の端部が前記第2の端部から熱を伝導する、熱電冷却器と、
を含む、装置。
(23) 前記熱電発電機が電力を生成するように構成され、生成された前記電力の少なくとも一部が、冷却のために前記熱電冷却器に供給される、実施態様22に記載の装置。
(24) 前記熱源がキルンを含む、実施態様22に記載の装置。
(25) 前記ベースブロックが、前記熱源に面する側に熱交換器を含む、実施態様22に記載の装置。
【0132】
(26) 前記第4の端部に配置されたヒートシンクを含む、実施態様22に記載の装置。
(27) 前記熱源の表面の温度を測定する温度センサを含む、実施態様22に記載の装置。
(28) 前記温度センサが、熱電対、抵抗温度検出器(RTD)、または赤外線センサである、実施態様27に記載の装置。
(29) 前記熱源の前記表面の前記温度が所定の温度限界よりも高いことを検出することに応答して、電流が前記熱電発電機に供給されて、前記第1の端部が冷却され、前記第2の端部が加熱される、実施態様27に記載の装置。
(30) システムにおいて、
円筒形状を含むキルンと、
前記キルンを囲むように配置された、実施態様22に記載の複数の装置と、
を含み、
前記キルンが熱源である、システム。
【0133】
(31) 装置において、
熱源の上方に配置されたベースブロックと、
前記ベースブロックの左側において前記ベースブロックの上面から突出する第1の垂直フィンと、
前記ベースブロックの右側において前記ベースブロックの上面から突出する第2の垂直フィンと、
前記第1の垂直フィンの右側面に熱的に結合された第1の熱電発電機と、
前記第2の垂直フィンの左側面に熱的に結合された第2の熱電発電機と、
前記第1の熱電発電機の右側面に熱的に結合された第1の熱電冷却器と、
前記第2の熱電発電機の左側面に熱的に結合された第2の熱電冷却器と、
前記第1の熱電冷却器の右側面と前記第2の熱電冷却器の左側面の両方に熱的に結合されて配置されたヒートシンクと、
を含む、装置。
(32) 前記第1および第2の熱電発電機が電力を生成するように構成され、生成された前記電力の少なくとも一部が、前記第1および第2の熱電冷却器に供給される、実施態様31に記載の装置。
(33) 前記ベースブロックが、前記熱源に面する側に熱交換器を含む、実施態様31に記載の装置。
(34) 前記ヒートシンクが、複数の放熱フィンを含む、実施態様31に記載の装置。
(35) システムにおいて、
円筒形状を含むキルンと、
前記キルンを囲むように配置された、実施態様31に記載の複数の装置と、
を含み、
前記キルンが熱源である、システム。
【0134】
(36) 方法において、
熱源から熱を受け取ることと、
熱電発電機において受け取った前記熱で電気を生成することと、
生成した前記電気の少なくとも一部を熱電冷却器に供給することと、
を含む、方法。
(37) 前記熱源の表面の温度を測定することと、
測定された前記温度が第1の予め設定された温度以上であると判定することに応答して前記熱電発電機を電気的に切断することと、
を含む、実施態様36に記載の方法。
(38) 前記熱源の表面の温度を測定することと、
測定された前記温度が第2の予め設定された温度以上であると判定することに応答して、前記熱電発電機が前記熱源を冷却するように動作されるように、前記熱電発電機に電気を供給することと、
を含む、実施態様36に記載の方法。