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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】センサ及び電気装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/16 20060101AFI20240213BHJP
   G01R 19/00 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
G01R15/16
G01R19/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021149129
(22)【出願日】2021-09-14
(65)【公開番号】P2023042052
(43)【公開日】2023-03-27
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】山崎 宏明
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0183632(US,A1)
【文献】特開2006-138852(JP,A)
【文献】特開2002-168884(JP,A)
【文献】国際公開第2016/175142(WO,A1)
【文献】特表2017-525957(JP,A)
【文献】特開2000-338143(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0139173(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/16
G01R 15/00
G01R 19/00
G01R 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を含む基体と、
前記第1面に固定された第1構造体と、
を備え、
前記第1構造体は、
前記第1面に固定された第1支持部であって、前記第1支持部は、1つまたは複数の第1支持領域を含み、前記1つの第1支持領域は環状であり、前記複数の第1支持領域は、環状に並ぶ、前記第1支持部と、
前記第1面に固定され、前記第1支持部の周りに設けられた第2支持部であって、前記第2支持部は、1つまたは複数の第2支持領域を含み、前記1つの第2支持領域は環状であり、前記複数の第2支持領域は、環状に並ぶ、前記第2支持部と、
前記第1支持部及び前記第2支持部に支持され、前記第1面と交差する第1方向において前記基体から離れた第1可動部と、
前記第1面に固定され環状の第1固定電極と、
を含み、
前記第1可動部は、
環状の第1可動電極と、
第1電流が流れることが可能な第1導電部材であって、前記第1電流は、前記第1支持部から前記第2支持部への第1放射方向に沿い、前記第1支持部から前記第2支持部への第1向き、および、前記第2支持部から前記第1支持部への第2向きの少なくともいずれかの向きを有する、前記第1導電部材と、
を含み、
前記第1固定電極は、前記第1可動電極と対向し、
前記第1固定電極と前記第1構造体との間に第1間隙が設けられ
検出対象電流は、前記第1支持部で囲まれた第1空間を通過し、前記検出対象電流は、前記第1方向の成分を含み、
前記検出対象電流に応じたローレンツ力により前記第1固定電極と前記第1可動部との間の第1距離が変化し、前記検出対象電流に応じて変化する、前記第1固定電極と前記第1可動電極との間の第1静電容量を検出することで前記検出対象電流を検出する、センサ。
【請求項2】
前記第1導電部材は、第1導電部及び第2導電部を含み、
前記第1導電部は、第1導電部端及び第1導電部他端を含み、前記第1導電部端は、前記第1支持部と接続され、前記第1導電部他端は、前記第2支持部と接続され、
前記第2導電部は、第2導電部端及び第2導電部他端を含み、前記第2導電部端は、前記第1支持部と接続され、前記第2導電部他端は、前記第2支持部と接続された、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記第1導電部材は、第3導電部及び第4導電部を含み、
前記第3導電部は、第3導電部端及び第3導電部他端を含み、前記第3導電部端は、前記第1支持部と接続され、前記第3導電部他端は、前記第2支持部と接続され、
前記第4導電部は、第4導電部端及び第4導電部他端を含み、前記第4導電部端は、前記第1支持部と接続され、前記第4導電部他端は、前記第2支持部と接続され、
前記第1導電部端から前記第1導電部他端への方向は、前記第2導電部他端から前記第2導電部端への方向に沿い、
前記第3導電部端から前記第3導電部他端への方向は、前記第4導電部他端から前記第4導電部端への方向に沿い、
前記第1導電部端から前記第1導電部他端への前記方向は、前記第3導電部他端から前記第3導電部端への前記方向と交差した、請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記第1導電部は、第1導電線と、第1端可撓部と、第1他端可撓部と、を含み、
前記第1端可撓部は、前記第1導電線の端部を前記第1支持部と接続し、
前記第1他端可撓部は、前記第1導電線の他端部を前記第2支持部と接続し、
前記第2導電部は、第2導電線と、第2端可撓部と、第2他端可撓部と、を含み、
前記第2端可撓部は、前記第2導電線の端部を前記第1支持部と接続し、
前記第2他端可撓部は、前記第2導電線の他端部を前記第2支持部と接続する、請求項2または3に記載のセンサ。
【請求項5】
前記第1面に固定された第2構造体をさらに備え、
前記第2構造体は、
前記第1面に固定された第3支持部であって、前記第3支持部は、1つまたは複数の第3支持領域を含み、前記1つの第3支持領域は環状であり、前記複数の第3支持領域は、環状に並ぶ、前記第3支持部と、
前記第1面に固定され、前記第3支持部の周りに設けられた第4支持部であって、前記第4支持部は、1つまたは複数の第4支持領域を含み、前記1つの第4支持領域は環状であり、前記複数の第4支持領域は、環状に並ぶ、前記第2支持部と、
前記第3支持部及び前記第4支持部に支持され、前記第1方向において前記基体から離れた第2可動部と、
前記第1面に固定され環状の第2固定電極と、
を含み、
前記第2可動部は、
環状の第2可動電極と、
第2導電部材と、
を含み、
前記第2固定電極は、前記第2可動電極と対向し、
前記第2固定電極と前記第2可動部との間に第2間隙が設けられた、請求項1~のいずれか1つに記載のセンサ。
【請求項6】
制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1固定電極と前記第1可動電極との間の第1静電容量と、前記第2固定電極と前記第2可動電極との間の第2静電容量と、の差に応じた信号を出力可能である、請求項に記載のセンサ。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1つに記載のセンサと、
電気回路と、
を備え、
前記電気回路に前記検出対象電流が流れることが可能であり、
前記検出対象電流は、前記第1支持部で囲まれた第1空間を通過し、前記検出対象電流は、前記第1方向の成分を含む、電気装置。
【請求項8】
第1面を含む基体と、
前記第1面に固定された第1構造体と、
を備え、
前記第1構造体は、
前記第1面に固定された第1支持部であって、前記第1支持部は、1つまたは複数の第1支持領域を含む、前記第1支持部と、
前記第1面に固定され、前記第1支持部の周りに設けられた第2支持部であって、前記第2支持部は、1つまたは複数の第2支持領域を含む、前記第2支持部と、
前記第1支持部及び前記第2支持部に支持され、前記第1面と交差する第1方向において前記基体から離れた第1可動部と、
前記第1面に固定された第1固定電極と、
を含み、
前記第1可動部は、
第1可動電極と、
第1電流が流れることが可能な第1導電部材であって、前記第1電流は、前記第1支持部から前記第2支持部への第1放射方向に沿い、前記第1支持部から前記第2支持部への第1向き、および、前記第2支持部から前記第1支持部への第2向きの少なくともいずれかの向きを有する、前記第1導電部材と、
を含み、
前記第1固定電極は、前記第1可動電極と対向し、
前記第1固定電極と前記第1構造体との間に第1間隙が設けられ
検出対象電流は、前記第1支持部で囲まれた第1空間を通過し、前記検出対象電流は、前記第1方向の成分を含み、
前記検出対象電流に応じたローレンツ力により前記第1固定電極と前記第1可動部との間の第1距離が変化し、前記検出対象電流に応じて変化する、前記第1固定電極と前記第1可動電極との間の第1静電容量を検出することで前記検出対象電流を検出する、センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、センサ及び電気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電流を検出するセンサがある。実用的なセンサ及び電気装置が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-180895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、実用的なセンサ及び電気装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、センサは、第1面を含む基体と、前記第1面に固定された第1構造体と、を含む。前記第1構造体は、第1支持部、第2支持部、第1可動部及び第1固定電極を含む。前記第1支持部は、前記第1面に固定される。前記第1支持部は、1つまたは複数の第1支持領域を含む。前記1つの第1支持領域は環状である。前記複数の第1支持領域は、環状に並ぶ。前記第2支持部は、前記第1面に固定され、前記第1支持部の周りに設けられる。前記第2支持部は、1つまたは複数の第2支持領域を含む。前記1つの第2支持領域は環状である。前記複数の第2支持領域は、環状に並ぶ。前記第1可動部は、前記第1支持部及び前記第2支持部に支持され、前記第1面と交差する第1方向において前記基体から離れる。前記第1固定電極は、前記第1面に固定され環状である。前記第1可動部は、環状の第1可動電極と、第1導電部材を含む。前記第1導電部材に第1電流が流れることが可能である。前記第1電流は、前記第1支持部から前記第2支持部への第1放射方向に沿い、前記第1支持部から前記第2支持部への第1向き、および、前記第2支持部から前記第1支持部への第2向きの少なくともいずれかの向きを有する。前記第1固定電極は、前記第1可動電極と対向する。前記第1固定電極と前記第1構造体との間に第1間隙が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1(a)及び図1(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図2図2は、第1実施形態に係るセンサを例示する平面図である。
図3図3(a)~図3(c)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図4図4は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図5図5(a)及び図5(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図6図6(a)及び図6(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図7図7は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図8図8は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図9図9(a)及び図9(b)は、第2実施形態に係る電気装置を例示する模式図である。
図10図10は、第2実施形態に係る電気装置を例示する模式的断面図である。
図11図11は、第2実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図2は、第1実施形態に係るセンサを例示する平面図である。
図1(a)は、図1(b)の矢印ARからみた透過平面図である。図1(b)は、図1(a)のA1-A2線断面図である。
【0009】
図1(a)及び図1(b)に示すように、実施形態に係るセンサ110は、基体50s及び第1構造体SB1を含む。
【0010】
基体50sは、第1面50fを含む。この例では、基体50sは、基部材50a及び基絶縁層50iを含む。基部材50aの上に基絶縁層50iが設けられる。第1面50fは、例えば、基絶縁層50iの上面である。
【0011】
第1面50fに対して垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0012】
第1構造体SB1は、第1面50fに固定される。例えば、第1構造体SB1は、第1面50fの上に設けられる。
【0013】
第1構造体SB1は、第1支持部11、第2支持部12、第1可動部10A及び第1固定電極41を含む。
【0014】
図1(b)に示すように、第1支持部11は、第1面50fに固定される。図1(a)に示すように、第1支持部11は、1つまたは複数の第1支持領域11Rを含む。この例では、1つの第1支持領域11Rが設けられている。例えば、この1つの第1支持領域11Rは環状である。後述するように、複数の第1支持領域11Rが設けられる場合、複数の第1支持領域11Rは、環状に並ぶ。
【0015】
図1(b)に示すように、第2支持部12は、第1面50fに固定される。図1(a)に示すように、第2支持部12は、第1支持部11の周りに設けられる。第2支持部12は、1つまたは複数の第2支持領域12Rを含む。この例では、1つの第2支持領域12Rが設けられている。この1つの第2支持領域12Rは環状である。後述するように、複数の第2支持領域12Rが設けられる場合、複数の第2支持領域12Rは、環状に並ぶ。
【0016】
例えば、環状の第1支持部11の周りに、環状の第2支持部12が設けられる。第1支持部11及び第2支持部12は、例えば、同心円状に設けられる。第1支持部11及び第2支持部12は、例えば、同心または同軸である。
【0017】
図1(b)に示すように、第1可動部10Aは、第1支持部11及び第2支持部12に支持される。第1可動部10Aは、第1方向D1において基体50sから離れる。第1方向D1は、第1面50fと交差する。第1方向D1は、例えば、Z軸方向である。
【0018】
図1(b)に示すように、第1固定電極41は、第1面50fに設けられる。図1(a)に示すように、第1固定電極41は、環状である。X-Y平面において、第1固定電極41は、第1支持部11と第2支持部12との間にある。
【0019】
図1(a)及び図1(b)に示すように、第1可動部10Aは、第1可動電極21及び第1導電部材31を含む。第1可動電極21は、例えば、環状である。
【0020】
例えば、第1方向D1において、第1可動電極21は、第1固定電極41と第1導電部材31との間にある。第1固定電極41と第1可動電極21との間に、目的とする静電容量が効果的に形成される。
【0021】
図1(b)に示すように、第1構造体SB1は、絶縁部材10iを含んでも良い。絶縁部材10iの一部は、第1可動部10Aに含まれて良い。絶縁部材10iの少なくとも一部は、第1可動電極21と第1導電部材31との間にある。絶縁部材10iの一部は、第1固定電極41と第1可動電極21との間に設けられて良い。絶縁部材10iの一部は、第1支持部11及び第2支持部12に含まれて良い。
【0022】
図2に示すように、第1導電部材31に第1電流i1が流れることが可能である。第1電流i1は、第1支持部11から第2支持部12への第1放射方向Dx1に沿う。第1電流i1は、第1支持部11から第2支持部12への第1向き、および、第2支持部12から第1支持部11への第2向きの少なくともいずれかの向きを有する。この例では、第1電流i1は、第1支持部11から第2支持部12への第1向きを有する。
【0023】
図1(b)に示すように、第1固定電極41は、第1可動電極21と対向する。第1固定電極41と第1構造体SB1との間に第1間隙g1が設けられる。第1固定電極41と第1可動電極21との間に第1間隙g1が設けられる。
【0024】
図1(a)及び図1(b)に示すように、検出対象配線85が設けられる。検出対象配線85は、第1支持部11で囲まれた第1空間SP1を通過する。検出対象配線85の少なくとも一部は、第1方向D1の成分を含む方向に沿っている。検出対象配線85に検出対象電流iDが流れる。検出対象電流iDは、第1支持部11で囲まれた第1空間SP1を通過する。検出対象電流iDは、第1方向D1の成分を含む。
【0025】
図2に示すように、検出対象電流iDにより磁界HDが生じる。磁界HDは、第1支持部11の中心を軸とした第1周方向Dc1に沿う。第1電流i1の方向は、磁界HDの方向と実質的に交差(例えば直交)する。これにより、第1可動部10Aにローレンツ力が生じる。ローレンツ力の方向は、第1方向D1の成分を有する。これにより、第1可動部10Aが第1方向D1に沿って変位する。検出対象電流iDの大きさに応じてローレンツ力の大きさが変化する。検出対象電流iDの向き(極性)に応じてローレンツ力の向きが変化する。
【0026】
生じたローレンツ力により、第1固定電極41と第1可動電極21との間の距離が変化する。例えば、第1固定電極41と第1可動部10Aとの間の第1距離d1が変化する。第1距離d1の変化に伴い、第1固定電極41と第1可動電極21との間の第1静電容量が変化する。すなわち、検出対象電流iDに応じて、第1固定電極41と第1可動電極21との間の第1静電容量が変化する。第1静電容量の変化を検出することで、検出対象電流iDが検出できる。
【0027】
実施形態によれば、簡単な構成により、検出対象電流iDを検出できる。検出対象電流iDは、DC電流またはAC電流で良い。
【0028】
例えば、磁気抵抗体を用いて電流を検出する参考例がある。この参考例において、磁気抵抗体を含む検出素子の製造プロセスは、複雑である。実施形態では、複雑な製造プロセスが不要である。実施形態においては、簡単な構成により電流を検出できる。実用的なセンサが提供できる。
【0029】
図1(b)に示すように、センサ110は、制御部70を含んでも良い。制御部70は、第1回路71を含む。制御部70(例えば第1回路71)は、第1導電部材31に、第1電流i1を供給可能である。
【0030】
例えば、第1構造体SB1は、第1端子T1及び第2端子T2を含む。第1端子T1は、第1導電部材31の一端と電気的に接続される。第2端子T2は、第1導電部材31の他端と電気的に接続される。制御部70は、第1端子T1及び第2端子T2を介して、第1導電部材31に、第1電流i1を供給可能である。
【0031】
例えば、第1構造体SB1は、第1導電部材31と電気的に接続された導電部31A及び導電部31Bを含む。導電部31Aの少なくとも一部は、第1支持部11を通過する。導電部31Bの少なくとも一部は、第2支持部12を通過する。例えば、第1端子T1、配線78a及び導電部31Aを介して、制御部70が第1導電部材31の一端と電気的に接続される。例えば、第2端子T2、配線78b及び導電部31Bを介して、制御部70が第1導電部材31の他端と電気的に接続される。配線78a、配線78b、導電部31A及び導電部31Bを介して、第1導電部材31に第1電流i1が供給される。
【0032】
制御部70(例えば第1回路71)は、第1固定電極41と第1可動電極21との間の第1静電容量の変化を検出可能である。
【0033】
例えば、第1構造体SB1は、第3端子T3及び第4端子T4を含む。第3端子T3は、第1固定電極41と電気的に接続される。第4端子T4は、第1可動電極21と電気的に接続される。制御部70は、第3端子T3及び第4端子T4を介して、第1静電容量の変化を検出して良い。
【0034】
例えば、第1構造体SB1は、配線78c及び配線78dを含んで良い。配線78cは、第1固定電極41と電気的に接続される。配線78dは、第1可動電極21と電気的に接続される。配線78dは、例えば、第1支持部11及び第2支持部12の少なくともいずれかを通過して良い。例えば、第3端子T3、第4端子T4、配線78c及び配線78dを介して、制御部70は、第1固定電極41と第1可動電極21との間の第1静電容量の変化を検出可能である。制御部70は、信号S1を出力可能である。信号S1は、例えば第1静電容量の変化に対応する。
【0035】
上記のように、第1静電容量は、検出対象電流iDに応じて変化する。既に説明したように、検出対象電流iDは、第1支持部11で囲まれた第1空間SP1を通過する。検出対象電流iDは、第1方向D1の成分を含む。
【0036】
図3(a)~図3(c)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図3(a)は、第1支持部11、第2支持部12及び第1導電部材31を例示している。図3(b)は、第1可動電極21を例示している。図3(c)は、第1支持部11、第2支持部12及び第1固定電極41を例示している。
【0037】
図3(a)に示すように、この例では、第1導電部材31は、第1導電部31a及び第2導電部31bを含む。第1導電部31aは、第1導電部端31ae及び第1導電部他端31afを含む。第1導電部端31aeは、第1支持部11と接続される。第1導電部他端31afは、第2支持部12と接続される。
【0038】
第2導電部31bは、第2導電部端31be及び第2導電部他端31bfを含む。第2導電部端31beは、第1支持部11と接続される。第2導電部他端31bfは、第2支持部12と接続される。
【0039】
図3(a)に示すように、この例では、第1導電部材31は、第3導電部31c及び第4導電部31dを含む。第3導電部31cは、第3導電部端31ce及び第3導電部他端31cfを含む。第3導電部端31ceは、第1支持部11と接続される。第3導電部他端31cfは、第2支持部12と接続される。
【0040】
第4導電部31dは、第4導電部端31de及び第4導電部他端31dfを含む。第4導電部端31deは、第1支持部11と接続される。第4導電部他端31dfは、第2支持部12と接続される。
【0041】
この例では、第1導電部端31aeから第1導電部他端31afへの方向は、第2導電部他端31bfから第2導電部端31beへの方向に沿う。例えば、これらの方向は、X軸方向に沿う。
【0042】
例えば、第3導電部端31ceから第3導電部他端31cfへの方向は、第4導電部他端31dfから第4導電部端31deへの方向に沿う。例えば、これらの方向は、Y軸方向に沿う。
【0043】
このように、第1導電部端31aeから第1導電部他端31afへの方向は、第3導電部他端31cfから第3導電部端31ceへの方向と交差する。
【0044】
図3(a)に示すように、第1導電部材31は、第5導電部31e、第6導電部31f、第7導電部31g及び第8導電部31hなどを含んでも良い。複数の導電部(第1~第8導電部31a~31hなど)は、第1周方向Dc1と交差する方向に沿って延びる。複数の導電部の数は、任意である。
【0045】
例えば、第3導電部31cが「第2導電部」とみなされても良い。この場合、第1導電部端31aeから第1導電部他端31afへの方向は、「第2導電部端」から「第2導電部他端」への方向と交差する。
【0046】
図4は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図4は、第1支持部11、第2支持部12及び第1導電部材31を例示している。
【0047】
図4に示すように、例えば、第1導電部31aは、第1導電線31apと、第1端可撓部31aqと、第1他端可撓部31arと、を含む。第1端可撓部31aqは、第1導電線31apの端部を第1支持部11と接続する。第1他端可撓部31arは、第1導電線31apの他端部を第2支持部12と接続する。
【0048】
例えば、第2導電部31bは、第2導電線31bpと、第2端可撓部31bqと、第2他端可撓部31brと、を含む。第2端可撓部31bqは、第2導電線31bpの端部を第1支持部11と接続する。第2他端可撓部31brは、第2導電線31bpの他端部を第2支持部12と接続する。
【0049】
例えば、第3導電部31cは、第3導電線31cpと、第3端可撓部31cqと、第3他端可撓部31crと、を含む。第3端可撓部31cqは、第3導電線31cpの端部を第1支持部11と接続する。第3他端可撓部31crは、第3導電線31cpの他端部を第2支持部12と接続する。
【0050】
例えば、第4導電部31dは、第4導電線31dpと、第4端可撓部31dqと、第4他端可撓部31drと、を含む。第4端可撓部31dqは、第4導電線31dpの端部を第1支持部11と接続する。第4他端可撓部31drは、第4導電線31dpの他端部を第2支持部12と接続する。
【0051】
1つの例において、第1端可撓部31aq及び第1他端可撓部31arの剛性は、第1導電線31apの剛性よりも低くて良い。第1端可撓部31aq及び第1他端可撓部31arは、例えば、ばね部である。第1端可撓部31aq及び第1他端可撓部31arの剛性は、第1支持部11及び第2支持部12の剛性よりも低くて良い。
【0052】
1つの例において、第2端可撓部31bq及び第2他端可撓部31brの剛性は、第2導電線31bpの剛性よりも低くて良い。第2端可撓部31bq及び第2他端可撓部31brは、例えば、ばね部である。第2端可撓部31bq及び第2他端可撓部31brの剛性は、第1支持部11及び第2支持部12の剛性よりも低くて良い。
【0053】
1つの例において、第3端可撓部31cq及び第3他端可撓部31crの剛性は、第3導電線31cpの剛性よりも低くて良い。第3端可撓部31cq及び第3他端可撓部31crは、例えば、ばね部である。第3端可撓部31cq及び第3他端可撓部31crの剛性は、第1支持部11及び第2支持部12の剛性よりも低くて良い。
【0054】
1つの例において、第4端可撓部31dq及び第4他端可撓部31drの剛性は、第4導電線31dpの剛性よりも低くて良い。第4端可撓部31dq及び第4他端可撓部31drは、例えば、ばね部である。第4端可撓部31dq及び第4他端可撓部31drの剛性は、第1支持部11及び第2支持部12の剛性よりも低くて良い。
【0055】
端可撓部及び他端可撓部が設けられることで、導電部は変形し易くなる。例えば、第1可動部10Aが変位し易くなる。より高い感度が得易い。
【0056】
図5(a)及び図5(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図5(a)に示すように、実施形態に係るセンサ111において、第1導電部材31の形状は、センサ110におけるそれとは異なる。センサ111におけるこれを除く構成は、センサ110における構成と同様で良い。
【0057】
図5(a)に示すように、センサ111においては、第1可動部10Aは環状である。第1導電部材31は環状である。第1構造体SB1は、複数の内側可撓部38aと、複数の外側可撓部38bと、を含む。複数の内側可撓部38aのそれぞれの一端38aeは、第1支持部11と接続される。複数の内側可撓部38aのそれぞれの他端38afは、第1可動部10Aと接続される。複数の外側可撓部38bのそれぞれの一端38beは、第2支持部12と接続される。複数の外側可撓部38bのそれぞれの他端38bfは、第1可動部10Aと接続される。
【0058】
複数の内側可撓部38aは、第1支持部11を中心とする第1周方向Dc1(図2参照)に沿って並ぶ複数の外側可撓部38bは、第1周方向Dc1(図2参照)に沿って並ぶ。
【0059】
複数の内側可撓部38a及び複数の外側可撓部38bにより、第1可動部10Aが支持される。これにより、例えば、第1可動部10Aが変位し易くなる。より高い感度が得易い。
【0060】
図6(a)及び図6(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図6(a)は、実施形態に係るセンサ112を例示している。図6(b)は、実施形態に係るセンサ113を例示している。センサ112及びセンサ113における第1支持部11及び第2支持部12の構成は、センサ110及びセンサ111におけるそれらとは異なる。これを除くセンサ112及びセンサ113における構成は、センサ110及びセンサ111における構成と同様で良い。
【0061】
センサ112において、第1支持部11は、1つの連続した第1支持領域11Rを含む。第1支持領域11Rは環状または弧状である。第2支持部12は、1つの連続した第2支持領域12Rを含む。第2支持領域12Rは環状または弧状である。センサ112においては、第1支持領域11Rは、閉じていないオープン形状の環状または弧状である。第2支持領域12Rは、閉じていないオープン形状の環状または弧状である。第1支持部11及び第2支持部12は、このような形状を有しても良い。例えば、第1支持部11及び第2支持部12が180度を超える角度の弧状でも良い。例えば、第1支持部11及び第2支持部12が270度以上の角度の弧状でも良い。
【0062】
センサ113において、第1支持部11は、複数の第1支持領域11Rを含む。複数の第1支持領域11Rは、環状または弧状に並ぶ。例えば、数の第1支持領域11Rは、第1周方向Dc1に沿って並ぶ。第2支持部12は、複数の第2支持領域12Rを含む。複数の第2支持領域12Rは、環状または弧状に並ぶ。例えば、複数の第2支持領域12Rは、第1周方向Dc1に沿って並ぶ。このように、複数の支持領域が環状または弧状に並んでも良い。
【0063】
第1支持部11及び第2支持部12の少なくともいずれかの平面形状(X-Y平面における形状)は、円形(扁平円形状を含む)、または、多角形状で良い。第1支持部11及び第2支持部12の少なくともいずれかは、閉じた(連続した)形状でも良く、閉じていないオープン形状の環状(例えば弧状)でも良い。
【0064】
図7は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図8は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図8は、図7のB1-B2線断面図である。
【0065】
図7に示すように、実施形態に係るセンサ114は、基体50s、第1構造体SB1、及び、第2構造体SB2を含む。センサ114における、基体50s及び第1構造体SB1の構成は、センサ110~113におけるそれらの構成と同様で良い。
【0066】
図8に示すように、第2構造体SB2は、基体50sの第1面50fに固定される。図7及び図8に示すように、第2構造体SB2は、第3支持部13、第4支持部14、第2可動部10B及び第2固定電極42を含む。
【0067】
第3支持部13は、第1面50fに固定される。第3支持部13は、1つまたは複数の第3支持領域13Rを含む。例えば、1つの第3支持領域13Rは環状(または弧状)である。複数の第3支持領域13Rは、環状(または弧状)に並ぶ。第3支持部13には、第1支持部11の構成が適用されて良い。
【0068】
第4支持部14は、第1面50fに固定される。第4支持部14は、第3支持部13の周りに設けられる。第4支持部14は、1つまたは複数の第4支持領域14Rを含む。例えば、1つの第4支持領域14Rは環状(または弧状)である。複数の第4支持領域14Rは、環状(または弧状)に並ぶ。第4支持部14には、第2支持部12の構成が適用されて良い。
【0069】
図8に示すように、第2可動部10Bは、第3支持部13及び第4支持部14に支持される。第2可動部10Bは、第1方向D1において、基体50sから離れる。第2固定電極42は、第1面50fに固定される。
【0070】
第2可動部10Bは、環状(または弧状)の第2可動電極22と、第2導電部材32と、を含む。第2固定電極42は、第2可動電極22と対向する。第2固定電極42と第2可動部10Bとの間に、第2間隙g2が設けられる。
【0071】
図7に示すように、第2導電部材に、第2電流i2が流れることが可能である。第2電流i2は、第3支持部13から第4支持部14への第2放射方向Dx2に沿っている。第2電流i2は、第3支持部13から第4支持部14への第3向き、および、第4支持部14から第3支持部13への第4向きの少なくともいずれかの向きを有する。
【0072】
第2電流i2は、制御部70から供給されて良い。例えば、制御部70は、第2回路72を含む。例えば、第2回路72は、第導電部材3に、第2電流i2を供給可能である。
【0073】
図8に示すように、例えば、第2構造体SB2は、第5~第8端子T5~T8を含む。例えば、第5端子T5、配線79a及び導電部32Aを介して、制御部70(第2回路72)が第2導電部材32の一端と電気的に接続される。例えば、第6端子T6、配線79b及び導電部32Bを介して、制御部70(第2回路72)が第2導電部材32の他端と電気的に接続される。第5端子T5及び第6端子T6を介して、第2導電部材32に第2電流i2が供給される。
【0074】
制御部70(例えば第2回路72)は、第2固定電極42と第2可動電極22との間の第2静電容量の変化を検出可能である。
【0075】
制御部70(例えば第2回路72)は、例えば、第7端子T7及び配線79cを介して、第2固定電極42と電気的に接続される。制御部70(例えば第2回路72)は、例えば、第8端子T8及び配線79dを介して、第2可動電極22と電気的に接続される。制御部70は、これらの端子及びこれらの配線を介して第2静電容量を検出する。
【0076】
第2構造体SB2の構造は、第1構造体SB1の構造と同様で良い。第2可動部10Bの構造は、第1可動部10Aの構造と同様で良い。第2可動部10Bの温度は、第1可動部10Aの温度と実質的に同じになる。
【0077】
検出対象電流iDは、第1可動部10Aを通過可能である。検出対象電流iDは、第2可動部10Bを通過しない。第1可動部10Aから得られる第1静電容量の変化と、第2可動部10Bから得られる第2静電容量の変化と、の差を検出することで、温度特性を補正した結果が得られる。
【0078】
図8に示すように、センサ114は、制御部70を含んで良い。制御部70は、第1固定電極41と第1可動電極21との間の第1静電容量(第1信号Sg1)と、第2固定電極42と第2可動電極22との間の第2静電容量(第2信号Sg2)と、の差に応じた信号S1を出力可能である。例えば、制御部70は、第3回路73を含む。第3回路73は、差動増幅器を含む。第3回路73に第1信号Sg1及び第2信号Sg2が供給される。第3回路73は、これらの信号の差に対応する信号S1を出力する。
【0079】
既に説明したように、第1静電容量(第1信号Sg1)は、検出対象電流iDに応じて変化する。検出対象電流iDは、第1支持部11で囲まれた第1空間SP1を通過する。検出対象電流iDは、第1方向D1の成分を含む。検出対象電流iDは、第3支持部13で囲まれた第2空間SP2を通過しない。
【0080】
センサ114において、より高い精度で検出対象電流iDを検出できる。
【0081】
(第2実施形態)
図9(a)及び図9(b)は、第2実施形態に係る電気装置を例示する模式図である。 図9(a)は、図9(b)の矢印ARからみた透過平面図である。図9(b)は、図9(a)のC1-C2線断面図である。
【0082】
図9(a)及び図9(b)に示すように、実施形態に係る電気装置120は、第1実施形態に係るセンサ(例えばセンサ110)と、電気回路50Cと、を含む。電気回路50Cは、検出対象配線85を含む。検出対象配線85(電気回路50C)に検出対象電流iDが流れる。検出対象電流iDは、第1支持部11で囲まれた第1空間SP1を通過する。検出対象電流iDは、第1方向D1の成分を含む。
【0083】
例えば、検出対象電流iDに応じて第1固定電極41と第1可動電極21との間の第1静電容量が変化する。電気装置120においては、検出対象電流iDを検出できる。例えば、電流の異常などが検出されることが可能である。
【0084】
図10は、第2実施形態に係る電気装置を例示する模式的断面図である。
図10に示すように、実施形態に係る電気装置121において、電気回路50Cは、第1導電層51と、第1導電層51と電気的に接続された検出対象配線85と、を含む。第1導電層51と第1可動部10Aとの間に第1固定電極41がある。検出対象配線85は、第1空間SP1を通過する。検出対象配線85の少なくも一部は、第1方向D1の成分を有する方向に沿っている。検出対象配線85は、例えば、ボンディングワイヤである。
【0085】
この例では、電気回路50Cは、第2導電層52、第3導電層53、半導体部材55を含む。第1導電層51は、例えば、ソース電極である。第2導電層52は、例えば、ドレイン電極である。第3導電層53は、例えば、ゲート電極である。第1導電層51、第2導電層52、第3導電層53及び半導体部材55は、例えば、絶縁性の基部材50aの中に設けられても良い。半導体部材55と第3導電層53との間に、基部材50aの一部が設けられて良い。
【0086】
例えば、電気回路50Cは、トランジスタである。実施形態において、電気回路50Cは、2端子素子でも良い。電気回路50Cは、例えば、電力制御用の回路(例えば半導体装置)を含んでも良い。電気回路50Cは、例えば、ダイオードまたはパワートランジスタなどを含んで良い。パワートランジスタは、例えば、パワーMOSET、または、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を含んで良い。電気回路50Cは、例えば、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、または、トライアックなどを含んで良い。
【0087】
図11は、第2実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図11に示すように、実施形態に係る電気装置122は、第1実施形態に係るセンサ(例えばセンサ110)、電気回路50C、及び、第1部材61~第4部材64を含む。第1部材61と第2部材62との間に基体50s及び第1構造体SB1が設けられる。第1部材61及び第2部材62の少なくともいずれかは、磁気シールドとして機能する。第1部材61及び第2部材62の少なくともいずれかは、外部の磁界を減衰させる。磁気シールドが設けられることで、より安定して高い精度の検出が可能になる。
【0088】
この例では、第1部材61から第2部材62への方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。
【0089】
第3部材63と第4部材64との間に、基体50s及び第1構造体SB1が設けられる。第3部材63及び第4部材64の少なくともいずれかは、磁気シールドとして機能する。第3部材63及び第4部材64の少なくともいずれかは、外部の磁界を減衰させる。磁気シールドが設けられることで、より安定して高い精度の検出が可能になる。この例では、第1部材61から第2部材62への方向は、X-Y平面に沿う。
【0090】
実施形態は、以下の構成(例えば、技術案)を含む
(構成1)
第1面を含む基体と、
前記第1面に固定された第1構造体と、
を備え、
前記第1構造体は、
前記第1面に固定された第1支持部であって、前記第1支持部は、1つまたは複数の第1支持領域を含み、前記1つの第1支持領域は環状であり、前記複数の第1支持領域は、環状に並ぶ、前記第1支持部と、
前記第1面に固定され、前記第1支持部の周りに設けられた第2支持部であって、前記第2支持部は、1つまたは複数の第2支持領域を含み、前記1つの第2支持領域は環状であり、前記複数の第2支持領域は、環状に並ぶ、前記第2支持部と、
前記第1支持部及び前記第2支持部に支持され、前記第1面と交差する第1方向において前記基体から離れた第1可動部と、
前記第1面に固定され環状の第1固定電極と、
を含み、
前記第1可動部は、
環状の第1可動電極と、
第1電流が流れることが可能な第1導電部材であって、前記第1電流は、前記第1支持部から前記第2支持部への第1放射方向に沿い、前記第1支持部から前記第2支持部への第1向き、および、前記第2支持部から前記第1支持部への第2向きの少なくともいずれかの向きを有する、前記第1導電部材と、
を含み、
前記第1固定電極は、前記第1可動電極と対向し、
前記第1固定電極と前記第1構造体との間に第1間隙が設けられた、センサ。
【0091】
(構成2)
前記第1方向において、前記第1可動電極は、前記第1固定電極と前記第1導電部材との間にある、構成1に記載のセンサ。
【0092】
(構成3)
前記第1構造体は、
複数の内側可撓部と、
複数の外側可撓部と、
を含み、
前記複数の内側可撓部のそれぞれの一端は、前記第1支持部と接続され、前記複数の内側可撓部のそれぞれの他端は、前記第1可動部と接続され、
前記複数の外側可撓部のそれぞれの一端は、前記第2支持部と接続され、前記複数の外側可撓部のそれぞれの他端は、前記第1可動部と接続された、構成1または2に記載のセンサ。
【0093】
(構成4)
前記複数の内側可撓部は、前記第1支持部を中心とする第1周方向に沿って並び、
前記複数の外側可撓部は、前記第1周方向に沿って並ぶ、構成3に記載のセンサ。
【0094】
(構成5)
前記第1導電部材は、第1導電部及び第2導電部を含み、
前記第1導電部は、第1導電部端及び第1導電部他端を含み、前記第1導電部端は、前記第1支持部と接続され、前記第1導電部他端は、前記第2支持部と接続され、
前記第2導電部は、第2導電部端及び第2導電部他端を含み、前記第2導電部端は、前記第1支持部と接続され、前記第2導電部他端は、前記第2支持部と接続された、構成1または2に記載のセンサ。
【0095】
(構成6)
前記第1導電部端から前記第1導電部他端への方向は、前記第2導電部他端から前記第2導電部端への方向に沿っている、構成5に記載のセンサ。
【0096】
(構成7)
前記第1導電部端から前記第1導電部他端への方向は、前記第2導電部端から前記第2導電部他端への方向と交差する、構成5に記載のセンサ。
【0097】
(構成8)
前記第1導電部材は、第3導電部及び第4導電部を含み、
前記第3導電部は、第3導電部端及び第3導電部他端を含み、前記第3導電部端は、前記第1支持部と接続され、前記第3導電部他端は、前記第2支持部と接続され、
前記第4導電部は、第4導電部端及び第4導電部他端を含み、前記第4導電部端は、前記第1支持部と接続され、前記第4導電部他端は、前記第2支持部と接続され、
前記第1導電部端から前記第1導電部他端への方向は、前記第2導電部他端から前記第2導電部端への方向に沿い、
前記第3導電部端から前記第3導電部他端への方向は、前記第4導電部他端から前記第4導電部端への方向に沿い、
前記第1導電部端から前記第1導電部他端への前記方向は、前記第3導電部他端から前記第3導電部端への前記方向と交差した、構成5に記載のセンサ。
【0098】
(構成9)
前記第3導電部は、第3導電線と、第3端可撓部と、第3他端可撓部と、を含み、
前記第3端可撓部は、前記第3導電線の端部を前記第1支持部と接続し、
前記第3他端可撓部は、前記第3導電線の他端部を前記第2支持部と接続し、
前記第4導電部は、第4導電線と、第4端可撓部と、第4他端可撓部と、を含み、
前記第4端可撓部は、前記第4導電線の端部を前記第1支持部と接続し、
前記第4他端可撓部は、前記第4導電線の他端部を前記第2支持部と接続する、構成8に記載のセンサ。
【0099】
(構成10)
前記第1導電部は、第1導電線と、第1端可撓部と、第1他端可撓部と、を含み、
前記第1端可撓部は、前記第1導電線の端部を前記第1支持部と接続し、
前記第1他端可撓部は、前記第1導電線の他端部を前記第2支持部と接続し、
前記第2導電部は、第2導電線と、第2端可撓部と、第2他端可撓部と、を含み、
前記第2端可撓部は、前記第2導電線の端部を前記第1支持部と接続し、
前記第2他端可撓部は、前記第2導電線の他端部を前記第2支持部と接続する、構成5~9のいずれか1つに記載のセンサ。
【0100】
(構成11)
検出対象電流に応じて前記第1固定電極と前記第1可動部との間の第1距離が変化し、
前記検出対象電流は、前記第1支持部で囲まれた第1空間を通過し、前記検出対象電流は、前記第1方向の成分を含む、構成1~10のいずれか1つに記載のセンサ。
【0101】
(構成12)
検出対象電流に応じて前記第1固定電極と前記第1可動電極との間の第1静電容量が変化し、
前記検出対象電流は、前記第1支持部で囲まれた第1空間を通過し、前記検出対象電流は、前記第1方向の成分を含む、構成1~11のいずれか1つに記載のセンサ。
【0102】
(構成13)
前記第1導電部材に前記第1電流を供給可能な制御部をさらに備えた、構成1~11のいずれか1つに記載のセンサ。
【0103】
(構成14)
前記制御部は、前記第1固定電極と前記第1可動電極との間の第1静電容量の変化を検出可能である、構成13に記載のセンサ。
【0104】
(構成15)
前記第1静電容量は、検出対象電流に応じて変化し、
前記検出対象電流は、前記第1支持部で囲まれた第1空間を通過し、前記検出対象電流は、前記第1方向の成分を含む、構成14に記載のセンサ。
【0105】
(構成16)
前記第1面に固定された第2構造体をさらに備え、
前記第2構造体は、
前記第1面に固定された第3支持部であって、前記第3支持部は、1つまたは複数の第3支持領域を含み、前記1つの第3支持領域は環状であり、前記複数の第3支持領域は、環状に並ぶ、前記第3支持部と、
前記第1面に固定され、前記第3支持部の周りに設けられた第4支持部であって、前記第4支持部は、1つまたは複数の第4支持領域を含み、前記1つの第4支持領域は環状であり、前記複数の第4支持領域は、環状に並ぶ、前記第2支持部と、
前記第3支持部及び前記第4支持部に支持され、前記第1方向において前記基体から離れた第2可動部と、
前記第1面に固定され環状の第2固定電極と、
を含み、
前記第2可動部は、
環状の第2可動電極と、
第2導電部材と、
を含み、
前記第2固定電極は、前記第2可動電極と対向し、
前記第2固定電極と前記第2可動部との間に第2間隙が設けられた、構成1~11のいずれか1つに記載のセンサ。
【0106】
(構成17)
前記第2導電部材に、第2電流が流れることが可能であり、
前記第2電流は、前記第3支持部から前記第4支持部への第2放射方向に沿い、前記第3支持部から前記第4支持部への第3向き、および、前記第4支持部から前記第3支持部への第4向きの少なくともいずれかの向きを有する、構成16に記載のセンサ。
【0107】
(構成18)
制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1固定電極と前記第1可動電極との間の第1静電容量と、前記第2固定電極と前記第2可動電極との間の第2静電容量と、の差に応じた信号を出力可能であり、
前記第1静電容量は、検出対象電流に応じて変化し、
前記検出対象電流は、前記第1支持部で囲まれた第1空間を通過し、前記検出対象電流は、前記第1方向の成分を含む、構成16または17に記載のセンサ。
【0108】
(構成19)
構成1~10のいずれか1つに記載のセンサと、
電気回路と、
を備え、
前記電気回路に検出対象電流が流れることが可能であり、
前記検出対象電流は、前記第1支持部で囲まれた第1空間を通過し、前記検出対象電流は、前記第1方向の成分を含む、電気装置。
【0109】
(構成20)
前記電気回路は、
第1導電層と、
前記第1導電層と電気的に接続された検出対象配線と、
を含み、
前記第1導電層と前記第1可動部との間に前記第1固定電極があり、
前記検出対象配線は、前記第1空間を通過し、
前記検出対象配線の少なくも一部は、前記第1方向の成分を有する方向に沿っている、構成19に記載の電気装置。
【0110】
(構成21)
第1面を含む基体と、
前記第1面に固定された第1構造体と、
を備え、
前記第1構造体は、
前記第1面に固定された第1支持部であって、前記第1支持部は、1つまたは複数の第1支持領域を含む、前記第1支持部と、
前記第1面に固定され、前記第1支持部の周りに設けられた第2支持部であって、前記第2支持部は、1つまたは複数の第2支持領域を含む、前記第2支持部と、
前記第1支持部及び前記第2支持部に支持され、前記第1面と交差する第1方向において前記基体から離れた第1可動部と、
前記第1面に固定された第1固定電極と、
を含み、
前記第1可動部は、
第1可動電極と、
第1電流が流れることが可能な第1導電部材であって、前記第1電流は、前記第1支持部から前記第2支持部への第1放射方向に沿い、前記第1支持部から前記第2支持部への第1向き、および、前記第2支持部から前記第1支持部への第2向きの少なくともいずれかの向きを有する、前記第1導電部材と、
を含み、
前記第1固定電極は、前記第1可動電極と対向し、
前記第1固定電極と前記第1構造体との間に第1間隙が設けられた、センサ。
【0111】
実施形態によれば、実用的なセンサ及び電気装置が提供できる。
【0112】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、センサに含まれる基体、支持部、可動部、固定電極及び制御部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0113】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0114】
その他、本発明の実施の形態として上述したセンサ及び電気装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのセンサ及び電気装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0115】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0116】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
10A、10B…第1、第2可動部、 10i…絶縁部材、 11~14…第1~第4支持部、 11R~14R…第1~第4支持領域、 21、22…第1、第2可動電極、 31、32…第1、第2導電部材、 31A、31B、32A、32B…導電部、 31a~31h…第1~第8導電部、 31ae~31de…第1~第4導電部端、 31af~31df…第1~第4導電部他端、 31ap~31dp…第1~第4導電線、 31aq~31dq…第1~第4端可撓部、 31ar~31dr…第1~第4他端可撓部、 38a…内側可撓部、 38ae…一端、 38af…他端、 38b…外側可撓部、 38be…一端、 38bf…他端、 41、42…第1、第2固定電極、 50C…電気回路、 50a…基部材、 50f…第1面、 50i…基絶縁層、 50s…基体、 51~53…第1~第3導電層、 55…半導体部材、 61~64…第1~第4部材、 70…制御部、 71~73…第1~第3回路、 78a~78d、79a~79d…配線、 85…検出対象配線、 110~114…センサ、 120~122…電気装置、 AR…矢印、 D1…第1方向、 Dc1…第1周方向、 Dx1、Dx2…第1、第2放射方向、 HD…磁界、 S1…信号、 SB1、SB2…第1、第2構造体、 SP1、SP2…第1、第2空間、 Sg1、Sg2…第1、第2信号、 T1~T8…第1~第8端子、 d1…第1距離、 g1、g2…第1、第2間隙、 i1、i2…第1、第2電流、 iD…検出対象電流
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