IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ヨコオの特許一覧

<>
  • 特許-車載用アンテナ装置 図1
  • 特許-車載用アンテナ装置 図2
  • 特許-車載用アンテナ装置 図3
  • 特許-車載用アンテナ装置 図4
  • 特許-車載用アンテナ装置 図5
  • 特許-車載用アンテナ装置 図6
  • 特許-車載用アンテナ装置 図7
  • 特許-車載用アンテナ装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】車載用アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/22 20060101AFI20240213BHJP
   H01Q 1/32 20060101ALI20240213BHJP
   H01Q 1/42 20060101ALI20240213BHJP
   H01Q 21/30 20060101ALI20240213BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H01Q1/22 B
H01Q1/32 Z
H01Q1/42
H01Q21/30
B60R11/02 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021501611
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(86)【国際出願番号】 JP2019049132
(87)【国際公開番号】W WO2020174818
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2019032645
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】安部 富夫
(72)【発明者】
【氏名】玉井 亮太
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 岳志
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/147815(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0279304(US,A1)
【文献】特開2011-109296(JP,A)
【文献】特許第6314277(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/22
H01Q 1/32
H01Q 1/42
H01Q 21/30
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アンテナエレメントと、
第2アンテナエレメントとを備え、
前記第1アンテナエレメントの少なくとも上部は、凸領域と前記凸領域の下端の周りの平坦領域を有する樹脂ルーフの前記凸領域に覆われ、
前記第2アンテナエレメントは、前記平坦領域よりも下方に配置され、かつ、上面視した場合に少なくとも一部が前記平坦領域と重なる、車載用アンテナ装置。
【請求項2】
グランド板を更に備え、
前記グランド板は、前記第2アンテナエレメントよりも大きい、請求項1に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項3】
前記第1アンテナエレメントに関する回路を含む第1基板と、
前記第1基板を保持するベースとを更に備え、
前記第2アンテナエレメントは、前記ベースよりも下方に配置される、請求項1に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項4】
前記第1アンテナエレメントに関する回路を含む第1基板と、
前記第1基板を保持するベースと、
前記第2アンテナエレメントに関する回路を含む第2基板と、
前記第2基板のケースとを更に備え、
前記第2アンテナエレメントは、前記ベースよりも下方に配置され、
前記ケースは、前記グランド板に載置され、
前記ベースは、前記ケースに保持される、請求項2に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項5】
前記グランド板は、接続部材を介して、前記平坦領域の下部に取り付けられる、請求項2又は4に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項6】
前記グランド板は、前記樹脂ルーフを保持する金属ルーフの一部である、請求項2、4、5のいずれかに記載の車載用アンテナ装置。
【請求項7】
前記第2アンテナエレメントに関する回路を含む第2基板を更に備え、
前記第2基板は、デジタル信号とアナログ信号を相互に変換する信号処理部を有し、
前記信号処理部は、前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントの信号を、車両のゲートウェイECUと送受信する、請求項1~3のいずれかに記載の車載用アンテナ装置。
【請求項8】
前記第2アンテナエレメントは、前記第1アンテナエレメントと上下方向で重ならない位置関係に配置される、請求項1~7のいずれかに記載の車載用アンテナ装置。
【請求項9】
第3アンテナエレメントを更に備え、
前記第3アンテナエレメントは、前記平坦領域の前記第2アンテナエレメントと上下方向で重ならない位置に配置される、請求項1~8のいずれかに記載の車載用アンテナ装置。
【請求項10】
前記第1アンテナエレメントは、地上波放送の受信を行うためのアンテナ素子を有し、
前記第2アンテナエレメントは、電話回線を用いた移動体通信用のアンテナ素子を有する、請求項1~9のいずれかに記載の車載用アンテナ装置。
【請求項11】
第1アンテナエレメントと、
第2アンテナエレメントと、
グランド板と、
前記第1アンテナエレメントに関する回路を含む第1基板と、
前記第1基板を保持するベースと、
前記第2アンテナエレメントに関する回路を含む第2基板と、
前記第2基板のケースと、を備え、
前記第1アンテナエレメントの少なくとも上部は、凸領域と前記凸領域の下端の周りの平坦領域を有する樹脂ルーフの前記凸領域に覆われ、
前記第2アンテナエレメントは、前記平坦領域よりも下方に配置され、
前記グランド板は、前記第2アンテナエレメントよりも大きく、
前記第2アンテナエレメントは、前記ベースよりも下方に配置され、
前記ケースは、前記グランド板に載置され、
前記ベースは、前記ケースに保持される、車載用アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、複数のアンテナを含む車載用アンテナ装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8836604号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、それぞれのアンテナが車両のルーフの平坦領域よりも上に位置するケース内に収納されるので、当該ケースを含む車載用アンテナ装置の前後方向と左右方向の少なくとも一方の寸法を大きくする必要があった。
【0005】
したがって本発明の目的の一例は、複数のアンテナを含む車載用アンテナ装置において、ルーフの平坦領域よりも上に配置される部分の寸法を大きくしないことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車載用アンテナ装置は、第1アンテナエレメントと、第2アンテナエレメントとを備える。第1アンテナエレメントの少なくとも上部は、凸領域と凸領域の下端の周りの平坦領域を有する樹脂ルーフの凸領域に覆われる。第2アンテナエレメントは、平坦領域よりも下方に配置される。
【発明の効果】
【0007】
以上のように本発明によれば、複数のアンテナを含む車載用アンテナ装置において、ルーフの平坦領域よりも上に配置される部分の寸法を大きくしないことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態~第3実施形態の車載用アンテナ装置を覆う樹脂ルーフの上面図である。
図2】第1実施形態の車載用アンテナ装置の構成を示す、図1のA-A断面図である。
図3図2のB-B断面図である。
図4】第1実施形態の車載用アンテナ装置の各部材を模式的に表したものである。
図5】第2実施形態の車載用アンテナ装置の構成を示す、図1のA-A断面図である。
図6図5のB-B断面図である。
図7】第3実施形態の車載用アンテナ装置の構成を示す、図1のA-A断面図である。
図8図7のB-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0010】
第1実施形態の車載用アンテナ装置1は、図1図4に示すように、第1アンテナケース11、第2アンテナケース12、ベース21、グランド板22、第1アンテナエレメント31、第2アンテナエレメント32、第3アンテナエレメント33、第4アンテナエレメント34、第5アンテナエレメント35、第1基板41、第2基板42、第1コネクタ部51、第2コネクタ部52、ケーブル53を備える。
【0011】
方向を説明するために、車載用アンテナ装置1が取り付けられる車両の前後方向をx方向とし、x方向と垂直な左右方向をy方向とし、x方向とy方向に垂直な略鉛直方向をz方向として説明する。
図2において、x軸、z軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ前方向、上方向と定義する。
図3において、y軸、z軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ右方向、上方向と定義する。
【0012】
(第1アンテナケース11、第2アンテナケース12)
次に、第1アンテナケース11、第2アンテナケース12について説明する。
【0013】
第1アンテナケース11は、電波透過性を有する合成樹脂製である。
第1アンテナケース11は、x方向前方がx方向後方よりも低くなるように傾斜し、y方向断面が略台形形状を有する。
第1アンテナケース11は、下面が開口する。第1アンテナケース11の下面の開口にはベース21が取り付けられる。
第1アンテナケース11とベース21とで形成された空間内には、第1アンテナエレメント31、第3アンテナエレメント33、第5アンテナエレメント35、第1基板41が収納される。
第1アンテナケース11の少なくとも上部は、後述する車両の樹脂ルーフ70の凸領域71に覆われる。
【0014】
第2アンテナケース12は、略直方体形状を有する。
第2アンテナケース12を構成する略直方体形状のy方向の寸法は、ベース21のy方向の寸法よりも大きい。
第2アンテナケース12を構成する略直方体形状の少なくとも上面と側面は、電波透過性を有する合成樹脂製である。
第2アンテナケース12には、第2アンテナエレメント32、第4アンテナエレメント34、第2基板42が収容される。
【0015】
ベース21が、第2アンテナケース12のy方向の中心近傍の上方に位置するように、第2アンテナケース12は、ベース21の下部に配置される。
第2アンテナケース12の上面は、第1コネクタ部51が通る第1貫通孔12aを有する。
第1コネクタ部51を介して、第2アンテナケース12は、ベース21を保持する。
ただし、第2アンテナケース12によるベース21の保持は、図示しない他の保持部材を介して行われてもよい。
第2アンテナケース12の側面は、第2コネクタ部52が通る第2貫通孔12bを有する。
【0016】
なお、請求の範囲及び後述する本明細書で提供される態様に記載された「ケース」は、第1実施形態の第2アンテナケース12に相当する。
【0017】
(ベース21、グランド板22)
次に、ベース21、グランド板22について説明する。
【0018】
ベース21は、第1アンテナケース11と第1基板41を保持する金属板である。
ベース21の外周に、スナップ止めなどで、第1アンテナケース11が取り付けられる。
従って、ベース21のxy面は、第1アンテナケース11の下面の開口と略同じ大きさを有する。
ベース21の上に、ネジ止めなどで、第1基板41が取り付けられる。
ベース21は、第1コネクタ部51が通る第3貫通孔21aを有する。
【0019】
グランド板22は、第2アンテナケース12を保持する金属板である。
グランド板22は、第2基板42よりもz方向下方に配置される。
グランド板22は、樹脂ルーフ70の平坦領域72と略平行な保持面22aを有する。
保持面22aは、第2アンテナケース12の下面の外形よりも大きい面積を有する。
すなわち、保持面22aは、第2アンテナケース12に取り付けられる第2アンテナエレメント32のz方向から見た面積よりも大きい面積を有する。
また、保持面22aは、第2アンテナケース12に取り付けられる第4アンテナエレメント34のz方向から見た面積よりも大きい面積を有する。
保持面22aの上に、ネジ止めなどで、第2アンテナケース12が取り付けられる。
グランド板22は、保持面22aがある部分が、保持面22aの周りの領域22bよりも下方に凹んだ凹み形状を有する。
【0020】
ただし、後述する第3実施形態(図7図8参照)に示すように、グランド板22が保持面22aだけを有し、保持面22aの周りの領域22bを有しない形態であってもよい。
グランド板22は、車両の樹脂ルーフ70とルーフライニング(不図示)の間に設けられる。
【0021】
フレームまたは金属ルーフなど、車両の一部の金属部材がグランド板22を構成する形態であってもよい。また、車両とは別体の金属部材がグランド板22を構成する形態であってもよい。
【0022】
第1実施形態と後述する第2実施形態は、車両の一部の金属部材がグランド板22を構成する例を示す。
例えば、樹脂ルーフ70を保持する金属ルーフの一部が樹脂ルーフ70の下方でグランド板22を構成する形態が考えられる。
【0023】
後述する第3実施形態は、車両とは別体の金属部材がグランド板22を構成する例を示す。
【0024】
(第1アンテナエレメント31~第5アンテナエレメント35)
次に、第1アンテナエレメント31~第5アンテナエレメント35について説明する。
【0025】
第1アンテナエレメント31は、FM放送、AM放送など地上波放送の受信を行うためのアンテナ素子を有する。
第1アンテナエレメント31は、例えば、容量装荷素子とコイルとで構成される。
第1アンテナエレメント31は、第1アンテナケース11の内壁、若しくは第1基板41に取り付けられる。
第1実施形態は、第1アンテナエレメント31の容量装荷素子が第1アンテナケース11の内壁に取り付けられた例を示す。
ただし、第1アンテナエレメント31の容量装荷素子は、第1アンテナケース11の外壁に取り付けられてもよい。
【0026】
第1アンテナエレメント31の少なくとも上部は、後述する樹脂ルーフ70の凸領域71に覆われる。
【0027】
第2アンテナエレメント32は、電話回線を用いた移動体通信用のアンテナ素子を有する。
第2アンテナエレメント32は、携帯電話基地局と情報の送受信を行うために使用される。
第2アンテナエレメント32は、第2アンテナケース12の内部で、第2基板42の上に取り付けられる。
第2アンテナエレメント32は、第1アンテナケース11とz方向で重ならない位置関係で、第2アンテナケース12のy方向の両端などに配置される。
第2アンテナエレメント32は、例えば、スリットアンテナまたはスロットアンテナで構成される。
【0028】
第2アンテナエレメント32は、第1基板41よりもz方向下方に設けられる。
また、第2アンテナエレメント32は、後述する樹脂ルーフ70の平坦領域72よりもz方向下方に配置される。
すなわち、第2アンテナエレメント32のz方向上方には、平坦領域72の一部が位置する。
【0029】
第3アンテナエレメント33は、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)用のアンテナ素子を有する。
第3アンテナエレメント33は、GPS(Global Positioning System)衛星などから、当該衛星の位置情報と時間情報の受信を行うために使用される。
第3アンテナエレメント33は、第1基板41のz方向上方であって、第1アンテナエレメント31の上端よりも低い位置に設けられる。
また、第3アンテナエレメント33は、第1アンテナエレメント31の容量装荷素子とz方向で重なる位置に配置される。
第3アンテナエレメント33は、例えば、パッチアンテナで構成される。
【0030】
第4アンテナエレメント34は、IEEE802.11p規格に基づいて、車車間通信、路車間通信、車両と携帯端末間の通信(V2X通信)を行うためのアンテナ素子を有する。
第4アンテナエレメント34は、近距離に位置する他車両、路側機、携帯端末と情報の送受信を行うために使用される。ここでいう他車両は、第4アンテナエレメント34が取り付けられた車両とは別の車両を意味する。
第4アンテナエレメント34は、第1アンテナケース11とz方向で重ならない位置関係で、第2アンテナケース12の第2アンテナエレメント32が配置された領域よりもy方向中心に近い側に配置される。
すなわち、第4アンテナエレメント34は、第2アンテナエレメント32とz方向で重ならない位置に配置される。
第4アンテナエレメント34は、例えば、モノポールアンテナまたはパッチアンテナで構成される。
【0031】
第4アンテナエレメント34は、第1基板41よりもz方向下方に設けられる。
また、第4アンテナエレメント34は、後述する樹脂ルーフ70の平坦領域72の第4アンテナエレメント34とz方向で対向する領域よりもz方向下方に配置される。
【0032】
第5アンテナエレメント35は、SXM(Sirius XM)またはDAB(Digital Audio Broadcast)などデジタル放送の受信を行うためのアンテナ素子を有する。
第5アンテナエレメント35は、第3アンテナエレメント33よりもx方向前方で、且つ第1基板41のz方向上方であって、第1アンテナエレメント31の上端よりも低い位置に設けられる。
また、第5アンテナエレメント35は、第1アンテナエレメント31の容量装荷素子とz方向で重ならない位置に配置される。
また、第5アンテナエレメント35は、第2アンテナエレメント32とz方向で重ならない位置に配置される。
第5アンテナエレメント35は、例えば、パッチアンテナで構成される。
【0033】
なお、請求の範囲及び後述する本明細書で提供される態様に記載された「第3アンテナエレメント」は、第1実施形態~第3実施形態の第4アンテナエレメント34と第5アンテナエレメント35の少なくとも一方に相当する。
【0034】
(第1基板41、第2基板42)
次に、第1基板41と第2基板42について説明する。
【0035】
第1基板41は、第1アンテナエレメント31のコイルに電気的に接続されている。第1基板41は、第1アンテナエレメント31に関する回路、第3アンテナエレメント33、第3アンテナエレメント33に関する回路、第5アンテナエレメント35、及び第5アンテナエレメント35に関する回路を実装する。第1アンテナエレメント31に関する回路は、増幅回路、同調回路などである。
第1基板41は、ベース21の上に取り付けられる。
【0036】
ベース21と第1基板41は、樹脂ルーフ70の平坦領域72と略同じz方向高さに配置される。
【0037】
第2基板42は、第2アンテナエレメント32、第2アンテナエレメント32に関する回路、第4アンテナエレメント34、第4アンテナエレメント34に関する回路、及び信号処理部を実装する。
また、第2基板42は、第1コネクタ部51を介して、第1基板41と電気的に接続される。
【0038】
第2基板42の信号処理部は、車内LAN(Local Area Network)のケーブル53を介してゲートウェイECU80と接続される。第2基板42の信号処理部は、デジタル信号とアナログ信号を相互に変換する。具体的には、第2基板42の信号処理部は、第1アンテナエレメント31~第5アンテナエレメント35で受信した信号、及び第2アンテナエレメント32と第4アンテナエレメント34で送信する信号を、デジタル信号で、ゲートウェイECU80と送受信する。
【0039】
第2基板42の信号処理部は、第1処理部(FM/AMチューナー)42a、第2処理部(通信モジュール)42b、第3処理部(位置演算モジュール)42c、第4処理部(V2Xモジュール)42d、第5処理部(SXM・DABモジュール)42eを有する。
【0040】
第1処理部42a~第5処理部42eは、例えば、プロセッサにより実現される。
なお、ここで言うプロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device:PLD)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)である。
【0041】
(第1処理部42a~第5処理部42e)
次に、第2基板42の第1処理部42a~第5処理部42eについて説明する。
【0042】
第1処理部(FM/AMチューナー)42aは、第1コネクタ部51と第1基板41を介して、第1アンテナエレメント31と接続される。
第1処理部42aは、第1アンテナエレメント31を介した信号処理のための同調・復調処理とA/D変換を行う。
【0043】
情報処理装置90からの制御信号であってFM/AM放送に関するものは、ゲートウェイECU80とケーブル53と第2コネクタ部52を介して、第1処理部42aに送信される。当該FM/AM放送に関する制御信号に基づいて、第1処理部42aが動作する。
【0044】
FM放送またはAM放送の電波であって、情報処理装置90で設定された周波数に対応するものは、第1アンテナエレメント31を介して受信され、第1処理部42aで同調と復調とA/D変換が施される。第1処理部42aで同調と復調とA/D変換が施された信号は、第2コネクタ部52とケーブル53とゲートウェイECU80を介して、情報処理装置90に送信される。その後、音声信号は、情報処理装置90のスピーカーで出力され、データ及び画像信号は、情報処理装置90のモニターで出力される。
【0045】
第2処理部(通信モジュール)42bは、第2アンテナエレメント32と接続される。
第2処理部42bは、LTE(Long Term Evolution)、MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)、5Gなどの通信規格に基づき、発呼など電話回線を用いた移動体通信を行う。
【0046】
情報処理装置90からの制御信号であって移動体通信に関するものは、ゲートウェイECU80とケーブル53と第2コネクタ部52を介して、第2処理部42bに送信される。当該移動体通信に関する制御信号に基づいて、第2処理部42bが動作する。
【0047】
情報処理装置90のマイクからの音声信号は、ゲートウェイECU80とケーブル53と第2コネクタ部52を介して、第2処理部42bに送信される。情報処理装置90のマイクからの音声信号は、第2処理部42bでD/A変換と変調が施される。D/A変換と変調が施された信号は、第2アンテナエレメント32を介して、第2処理部42bと通話状態にある端末に対して発信される。
【0048】
第2処理部42bと通話状態の端末からの音声信号と画像信号とデータは、第2アンテナエレメント32を介して受信される。当該端末からの音声信号と画像信号とデータは、第2処理部42bで復調とA/D変換が施される。第2処理部42bで復調とA/D変換が施された信号は、第2コネクタ部52とケーブル53とゲートウェイECU80を介して、情報処理装置90に送信される。その後、音声信号は、情報処理装置90のスピーカーで出力され、データ及び画像信号は、情報処理装置90のモニターで出力される。
【0049】
第3処理部(位置演算モジュール)42cは、第1コネクタ部51と第1基板41を介して、第3アンテナエレメント33と接続される。
第3処理部42cは、第3アンテナエレメント33を介して、衛星の位置情報と時間情報を受信する。第3処理部42cは、衛星の位置情報と時間情報に基づいて、車両の位置情報(緯度経度情報)を算出する。
【0050】
衛星の位置情報と時間情報を含む信号は、第3アンテナエレメント33を介して受信され、第3処理部42cで復調と車両の位置情報の変換とA/D変換が施される。
当該車両の位置情報は、第3処理部42cにおいてA/D変換された後、第2コネクタ部52とケーブル53とゲートウェイECU80を介して、情報処理装置90に送信される。当該車両の位置情報は、情報処理装置90で使用される。
【0051】
第4処理部(V2Xモジュール)42dは、第4アンテナエレメント34と接続される。
第4処理部42dは、第4アンテナエレメント34を介した信号送受信のための変調処理と復調処理の少なくとも一方を行う。
【0052】
位置情報と速度情報と時間情報を含む自車情報は、第4処理部42dで変調される。第4処理部42dで変調が施された信号は、第4アンテナエレメント34を介して、発信される。
車両の外からの情報は、第4アンテナエレメント34を介して受信され、第4処理部42dで復調とA/D変換が施される。第4処理部42dで復調とA/D変換が施された信号は、第2コネクタ部52とケーブル53とゲートウェイECU80を介して、情報処理装置90に送信される。その後、音声信号は、情報処理装置90のスピーカーで出力され、データ及び画像信号は、情報処理装置90のモニターで出力される。車両の外からの情報は、位置情報と速度情報と時間情報を含む他車情報、路側機からの情報、及び携帯端末からの情報である。
【0053】
第5処理部(SXM・DABモジュール)は、第1コネクタ部51と第1基板41を介して、第5アンテナエレメント35と接続される。
第5処理部42eは、第5アンテナエレメント35を介した信号受信のための同調・復調処理とA/D変換を行う。
【0054】
情報処理装置90からの制御信号であってデジタル放送に関するものは、ゲートウェイECU80とケーブル53と第2コネクタ部52を介して、第5処理部42eに送信される。当該デジタル放送に関する制御信号に基づいて、第5処理部42eが動作する。
【0055】
デジタル放送の電波であって、情報処理装置90で設定された周波数に対応するものは、第5アンテナエレメント35を介して受信され、第5処理部42eで同調と復調とA/D変換が施される。第5処理部42eで同調と復調とA/D変換が施された信号は、第2コネクタ部52とケーブル53とゲートウェイECU80を介して、情報処理装置90に送信される。その後、音声信号は、情報処理装置90のスピーカーで出力され、データ及び画像信号は、情報処理装置90のモニターで出力される。
【0056】
(第1コネクタ部51、第2コネクタ部52、ケーブル53)
次に、第1コネクタ部51、第2コネクタ部52、ケーブル53について説明する。
【0057】
第1コネクタ部51は、第1基板41と第2基板42の間の電気的な接続と、第2アンテナケース12によるベース21の保持のために用いられる。
第1コネクタ部51の上部は、第3貫通孔21aを介して、第1基板41と接続される。
第1コネクタ部51の下部は、第1貫通孔12aを介して、第2基板42と接続される。
【0058】
第2コネクタ部52は、第2基板42とケーブル53の接続のために使用される。
第2コネクタ部52は、第2貫通孔12bを介して、第2基板42と接続される。
【0059】
ケーブル53は、第2コネクタ部52とゲートウェイECU80の間を接続するLANケーブルである。
【0060】
(樹脂ルーフ70)
次に、樹脂ルーフ70について説明する。
樹脂ルーフ70は、第1アンテナケース11と第2アンテナケース12のz方向上方に位置する。
樹脂ルーフ70は、凸領域71と、平坦領域72とが一体的に形成されたものである。
【0061】
凸領域71は、x方向前方がx方向後方よりも低くなるように傾斜し、両側面が内側に湾曲したシャークフィン形状を有する。
平坦領域72は、凸領域71の下端の周囲に形成される。
第1アンテナケース11は、凸領域71のz方向下方に配置される。
第2アンテナケース12は、凸領域71と平坦領域72のz方向下方に配置される。
【0062】
(ゲートウェイECU80、情報処理装置90)
次に、ゲートウェイECU80と情報処理装置90について説明する。
【0063】
ゲートウェイECU80は、車内LANを介して、情報処理装置90など、車内に設置された電子機器と信号の送受信を行う。
情報処理装置90は、カーナビゲーションシステム、オーディオ機器など、情報を音声と映像の少なくとも一方で出力する装置である。
【0064】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する(図5図6参照)。
第1実施形態では、第4アンテナエレメント34が、第2アンテナケース12に設けられる形態を説明した。
第2実施形態では、第4アンテナエレメント34は、第1アンテナケース11とベース21との間に形成される空間内に配置される。
この場合、第4アンテナエレメント34は、第1基板41に保持される。
また、第4アンテナエレメント34は、第1基板41と第1コネクタ部51を介して、第2基板42の第4処理部42dと電気的に接続される。
【0065】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する(図7図8参照)。
第1実施形態と第2実施形態では、金属ルーフなど車両の一部の金属部材がグランド板22を構成する形態を説明した。
第3実施形態では、車両とは別体の金属部材がグランド板22を構成する。
この場合、グランド板22は、取付金具などの接続部材23を介して、フレームに取り付けられる。ここでいうフレームは、樹脂ルーフ70若しくは樹脂ルーフ70よりも車室内側に設けられ、樹脂ルーフ70を保持するフレームである。
第3実施形態は、接続部材23を介して、グランド板22が樹脂ルーフ70の平坦領域72の下部に取り付けられる例を示す。
【0066】
(発明の効果)
第1実施形態~第3実施形態では、第2アンテナエレメント32が、樹脂ルーフ70の平坦領域72よりもz方向下方に設けられる。このため、車載用アンテナ装置1の平坦領域72よりもz方向上方に第2アンテナエレメント32に関する部材を配置する形態に比べて、複数のアンテナ(少なくとも、第1アンテナエレメント31と第2アンテナエレメント32)を含む車載用アンテナ装置1において、ルーフの平坦領域72よりも上に配置される部分の寸法、特に、x方向とy方向の寸法を大きくしないことが可能になる。
【0067】
また、第2アンテナエレメント32よりも大きいグランド板22が設けられる。このため、大きなグランド板22を設けない形態に比べて、第2アンテナエレメント32のアンテナ性能を確保しやすくなる。
【0068】
また、第2アンテナエレメント32よりもz方向上方に第1アンテナエレメント31のベース21が設けられる。このため、第1アンテナエレメント31と第2アンテナエレメント32との間にベース21を設けない形態に比べて、第1アンテナエレメント31のアンテナ性能を確保しやすくなる。
【0069】
また、グランド板22に載置された第2アンテナケース12が、ベース21を保持する。このため、ベース21に取り付けられた第1アンテナケース11を第2アンテナケース12とは別の部材を介して車両に固定する形態に比べて、第1アンテナケース11と第2アンテナケース12の車両への取付が容易に行える。
【0070】
また、第2アンテナエレメント32は、ベース21とz方向で重ならない位置関係に配置される。このため、第2アンテナエレメント32がベース21のz方向で重なる位置関係に配置される形態に比べて、第2アンテナエレメント32のアンテナ性能を確保しやすくなる。
【0071】
また、第2アンテナエレメント32は、第1アンテナエレメント31とz方向で重ならない位置関係に配置される。第2アンテナエレメント32は、樹脂ルーフ70の平坦領域72のz方向下方に設けられるため、このような位置関係で第2アンテナエレメント32を配置しても、複数のアンテナを含む車載用アンテナ装置1において、ルーフの平坦領域72よりも上に配置される部分の寸法を大きくしないことが可能になる。
【0072】
また、信号処理部が第2基板42に設けられ、信号処理されたデジタル信号が、情報処理装置90など車内に設置された電子機器に送信される。このため、アナログ信号で送信される形態に比べて、減衰が少ない状態で、車内に設置された電子機器へ信号を送信することが可能になる。
また、車内に設置された電子機器からのデジタル信号を、車載用アンテナ装置1が受信し、第2基板42の信号処理部が信号処理する。このため、アナログ信号を受信する形態に比べて、減衰が少ない状態で、車内に設置された電子機器からの信号を受信することが可能になる。
【0073】
また、第2アンテナエレメント32が第1アンテナエレメント31とz方向で重ならない位置関係に配置されると、第2アンテナエレメント32と第1アンテナエレメント31との距離を大きく出来る。このため、第1アンテナエレメント31とz方向で重なる位置関係に第2アンテナエレメント32が配置される形態に比べて、第2アンテナエレメント32のアンテナ性能を確保しやすくなる。
【0074】
また、第4アンテナエレメント34が第2アンテナエレメント32とz方向で重ならない位置関係に配置されると、第4アンテナエレメント34と第2アンテナエレメント32との距離を大きく出来る。このため、第2アンテナエレメント32とz方向で重なる位置関係に第4アンテナエレメント34が配置される形態に比べて、第4アンテナエレメント34のアンテナ性能を確保しやすくなる。また、第5アンテナエレメント35が第2アンテナエレメント32とz方向で重ならない位置関係に配置されると、第5アンテナエレメント35と第2アンテナエレメント32との距離を大きく出来る。このため、第2アンテナエレメント32とz方向で重なる位置関係に第5アンテナエレメント35が配置される形態に比べて、第5アンテナエレメント35のアンテナ性能を確保しやすくなる。
【0075】
(その他の実施形態)
第1実施形態~第3実施形態では、第1アンテナケース11と第2アンテナケース12とが別体で構成されて、第1コネクタ部51とベース21とを介して、第1アンテナケース11と第2アンテナケース12とが接続される形態を説明した。
しかしながら、第1アンテナケース11が第2アンテナケース12と一体的に構成される形態であってもよい。
例えば、第1アンテナケース11の下端が第2アンテナケース12の上面と接続し、第1アンテナケース11と第2アンテナケース12とが1つのアンテナケースを構成する形態が考えられる。
【0076】
また、第1実施形態~第3実施形態では、樹脂ルーフ70が凸領域71と平坦領域72とで一体的に形成された形態を説明した。
しかしながら、凸領域71と平坦領域72とが別々に形成された別体で構成される形態であってもよい。
例えば、凸領域71と平坦領域72との間にゴム製の防水用絶縁部材が設けられる形態が考えられる。
【0077】
また、第4アンテナエレメント34は、IEEE802.11p規格に基づいて、車車間通信、路車間通信、車両と携帯端末間の通信(V2X通信)を行うためのアンテナ素子を有していた。しかしながら、車載用アンテナ装置1が、セルラーV2X通信を行うためのアンテナ素子を有していてもよいし、DSRC(Dedicated Short Range Communications)通信を行うためのアンテナ素子を有していてもよい。
【0078】
また、第1実施形態~第3実施形態では、車載用アンテナ装置1は、第1アンテナエレメント31~第5アンテナエレメント35の5つのアンテナエレメントを有する形態を説明した。しかしながら、車載用アンテナ装置1が、4つ以下のアンテナエレメントを有する形態でもよいし、6つ以上のアンテナエレメントを有する形態であってもよい。
【0079】
また、第1アンテナエレメント31~第5アンテナエレメント35のいずれかが、無線LAN(Wireless Local Area Network、IEEE802.11規格に基づく通信)、近距離無線通信(Bluetooth(登録商標)などIEEE802.15規格に基づく通信)などに用いられる形態であってもよい。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲または要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0081】
本明細書によれば、以下の態様が提供される。
(態様1)
車載用アンテナ装置は、第1アンテナエレメントと、第2アンテナエレメントとを備える。第1アンテナエレメントの少なくとも上部は、凸領域と凸領域の下端の周りの平坦領域を有する樹脂ルーフの凸領域に覆われる。第2アンテナエレメントは、平坦領域よりも下方に配置される。
【0082】
態様1によれば、第2アンテナエレメントが、樹脂ルーフの平坦領域よりも下方に設けられる。このため、車載用アンテナ装置の平坦領域よりも上方に第2アンテナエレメントに関する部材を配置する形態に比べて、複数のアンテナ(少なくとも、第1アンテナエレメントと第2アンテナエレメント)を含む車載用アンテナ装置において、ルーフの平坦領域よりも上に配置される部分の寸法、特に、前後方向と左右方向の寸法を大きくしないことが可能になる。
【0083】
(態様2)
好ましくは、車載用アンテナ装置は、グランド板を更に備える。グランド板は、第2アンテナエレメントよりも大きい。
【0084】
態様2によれば、第2アンテナエレメントよりも大きなグランド板を設けない形態に比べて、第2アンテナエレメントのアンテナ性能を確保しやすくなる。
【0085】
(態様3)
さらに好ましくは、車載用アンテナ装置は、第1アンテナエレメントに関する回路を含む第1基板と、第1基板を保持するベースとを更に備える。第2アンテナエレメントは、ベースよりも下方に配置される。
【0086】
態様3によれば、第1アンテナエレメントと第2アンテナエレメントとの間にベースを設けない形態に比べて、第1アンテナエレメントのアンテナ性能を確保しやすくなる。
【0087】
(態様4)
また、好ましくは、車載用アンテナ装置は、第1アンテナエレメントに関する回路を含む第1基板と、第1基板を保持するベースと、第2アンテナエレメントに関する回路を含む第2基板と、第2基板のケースとを更に備える。第2アンテナエレメントは、ベースよりも下方に配置される。ケースは、グランド板に載置される。ベースは、ケースに保持される。
【0088】
態様4によれば、グランド板に載置されたケースが、ベースを保持する。このため、ベースに取り付けられた部材をケースとは別の部材を介して車両に固定する形態に比べて、当該部材とケースの車両への取付が容易に行える。
【0089】
(態様5)
また、好ましくは、グランド板は、接続部材を介して、平坦領域の下部に取り付けられる。
【0090】
(態様6)
また、好ましくは、グランド板は、樹脂ルーフを保持する金属ルーフの一部である。
【0091】
(態様7)
また、好ましくは、車載用アンテナ装置は、第2アンテナエレメントに関する回路を含む第2基板を更に備える。第2基板は、デジタル信号とアナログ信号を相互に変換する信号処理部を有する。信号処理部は、第1アンテナエレメントと第2アンテナエレメントの信号を、車両のゲートウェイECUと送受信する。
【0092】
態様7によれば、アナログ信号で送受信される形態に比べて、減衰が少ない状態で、車内に設置された電子機器と信号の送受信を行うことが可能になる。
【0093】
(態様8)
また、好ましくは、第2アンテナエレメントは、第1アンテナエレメントと上下方向で重ならない位置関係に配置される。
【0094】
態様8によれば、第2アンテナエレメントと第1アンテナエレメントとの距離を大きく出来る。このため、第1アンテナエレメントと上下方向で重なる位置関係に第2アンテナエレメントが配置される形態に比べて、第2アンテナエレメントのアンテナ性能を確保しやすくなる。
【0095】
(態様9)
また、好ましくは、車載用アンテナ装置は、第3アンテナエレメントを更に備える。第3アンテナエレメントは、平坦領域の第2アンテナエレメントと上下方向で重ならない位置に配置される。
【0096】
態様9によれば、また、第3アンテナエレメントと第2アンテナエレメントとの距離を大きく出来る。このため、第2アンテナエレメントと上下方向で重なる位置関係に第3アンテナエレメントが配置される形態に比べて、第3アンテナエレメントのアンテナ性能を確保しやすくなる。
【0097】
(態様10)
また、好ましくは、第1アンテナエレメントは、地上波放送の受信を行うためのアンテナ素子を有し、第2アンテナエレメントは、電話回線を用いた移動体通信用のアンテナ素子を有する。
【符号の説明】
【0098】
1 車載用アンテナ装置、11 第1アンテナケース、12 第2アンテナケース、12a 第1貫通孔、12b 第2貫通孔、21 ベース、21a 第3貫通孔、22 グランド板、22a 保持面、22b 保持面の周りの領域、23 接続部材、31 第1アンテナエレメント(FM/AM)、32 第2アンテナエレメント(LTE)、33 第3アンテナエレメント(GNSS)、34 第4アンテナエレメント(V2X)、35 第5アンテナエレメント(SXM・DAB)、41 第1基板、42 第2基板、42a 第1処理部(FM/AMチューナー)、42b 第2処理部(通信モジュール)、42c 第3処理部(位置演算モジュール)、42d 第4処理部(V2Xモジュール)、42e 第5処理部(SXM・DABモジュール)、51 第1コネクタ部、52 第2コネクタ部、53 ケーブル、70 樹脂ルーフ、71 凸領域、72 平坦領域、80 ゲートウェイECU、90 情報処理装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8