(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】合成樹脂製キャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 41/04 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
B65D41/04 200
(21)【出願番号】P 2021504017
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 JP2020007988
(87)【国際公開番号】W WO2020179607
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】P 2019041664
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000178826
【氏名又は名称】日本山村硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【氏名又は名称】藤本 英夫
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 靖文
(72)【発明者】
【氏名】川村 伸生
(72)【発明者】
【氏名】見城 広則
(72)【発明者】
【氏名】小野 淳史
(72)【発明者】
【氏名】梅木 慎吾
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-107677(JP,A)
【文献】国際公開第2018/047711(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/084292(WO,A1)
【文献】特開2009-262969(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0263335(US,A1)
【文献】特開2013-203419(JP,A)
【文献】米国特許第04206852(US,A)
【文献】米国特許第05762218(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天壁と、この天壁の外周部から下方に向かって延び、容器口部の雄ねじに螺合する雌ねじを有するスカート壁とを備え、前記天壁の下面には、前記容器口部の内周面に密着する環状の中足を一体的に形成してある合成樹脂製キャップであって、
前記中足の外周面は、その縦断面形状をみた場合に、根元側から先端側に向かって、外側根元部、外側上部、外側中央部、外側下部の四つの領域に分けることができ、
前記外側根元部は、前記天壁の下面の位置から、前記中足の上方に向かって凹むように湾曲する縦断面形状を有し、
前記外側上部は、前記外側根元部の下端から、一定の曲率半径を持つように、かつ、前記中足の内側に向かって凹むように湾曲する縦断面形状を有し、
前記外側中央部は、前記外側上部の下端から、一定の曲率半径を持つように、かつ、前記中足の外側に向かって凸となるように湾曲する縦断面形状を有し、また、前記外側中央部の上下方向における中央部には、前記中足の外径が最大となるシールポイントが設けられていて、前記外側中央部は、その上端からシールポイントに向かって下側ほど外径が大きくなるように湾曲しているが、そのシールポイントから下側では逆に下側ほど外径が小さくなるように湾曲し、
前記外側下部は、前記外側中央部の下端から、一定の傾斜角度を持つように、かつ、下側ほど外径が小さくなるように直線状に延びる縦断面形状を有し、
前記中足の縦断面形状において、前記外側中央部の曲率半径は前記外側上部の曲率半径より小さく、かつ、前記外側上部の上下幅より前記外側根元部の上下幅は小さく、前記外側中央部の上下幅は前記外側根元部の上下幅より小さい合成樹脂製キャップ。
【請求項2】
前記中足の内周面は、その縦断面形状をみた場合に、根元側から先端側に向かって、内側根元部及び内側本体部の二つの領域に分けることができ、
前記内側根元部は、前記天壁下面において前記中足の内側の位置から、一定の曲率半径を持つように、かつ、前記中足の上方に向かって凹むように湾曲する縦断面形状を有し、また、その上端から下方に向かって下側ほど内径が大きくなるように湾曲し、
前記内側本体部は、前記内側根元部の下端から直線状に延びる縦断面形状を有し、
前記外側根元部より前記内側根元部の方が緩やかに湾曲し、
前記中足の内周側に連なる前記天壁の下面と外周側に連なる前記天壁の下面とが略同一高さとなっていて、前記内側根元部の上下幅より前記外側根元部の上下幅の方が大きく、かつ、前記外側根元部は内側根元部よりも下方にまで延びている請求項1に記載の合成樹脂製キャップ。
【請求項3】
前記中足の外周面の上部(前記シールポイントより上側)には上下方向に直線状に延びる部分を設けず、前記中足の内周面の上部には直線状に延びる部分である前記内側本体部を設け、前記中足の上部において内外で平行に延びる部分を設けないようにした請求
項2に記載の合成樹脂製キャップ。
【請求項4】
前記外側上部は、前記中足の外周面におけるシールポイントより上側において最も大きな領域を占める請求項1~3の何れか一項に記載の合成樹脂製キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、飲料物等の内容物を収容する容器の口部に装着される合成樹脂製キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の合成樹脂製キャップとして、
図3(A)及び(B)に示すように、天板部51とその周縁から垂下した筒部52とを備えたキャップの天板部51に、容器口部M内に嵌入される環状の内側シール突起53と、容器口部Mの開口端面に当接する環状の開口端シール突起54と、容器口部Mの外面に当接する環状の外側シール突起55とが形成され、内側シール突起53は、わずかに内方に弾性的に湾曲した状態で容器口部Mの内面に当接するように構成されたものが知られている(特許文献1)。
【0003】
斯かる合成樹脂製キャップでは、内側シール突起53は、十分な押圧力で容器口部Mの内面に当接する、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の合成樹脂製キャップには、密封性の向上を図る余地があると考えられる。
【0006】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、密封性の向上を図ることができる合成樹脂製キャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る合成樹脂製キャップは、天壁と、この天壁の外周部から下方に向かって延び、容器口部の雄ねじに螺合する雌ねじを有するスカート壁とを備え、前記天壁の下面には、前記容器口部の内周面に密着する環状の中足を一体的に形成してある合成樹脂製キャップであって、前記中足の外周面は、その縦断面形状をみた場合に、根元側から先端側に向かって、外側根元部、外側上部、外側中央部、外側下部の四つの領域に分けることができ、前記外側根元部は、前記天壁の下面の位置から、前記中足の上方に向かって凹むように湾曲する縦断面形状を有し、前記外側上部は、前記外側根元部の下端から、一定の曲率半径を持つように、かつ、前記中足の内側に向かって凹むように湾曲する縦断面形状を有し、前記外側中央部は、前記外側上部の下端から、一定の曲率半径を持つように、かつ、前記中足の外側に向かって凸となるように湾曲する縦断面形状を有し、また、前記外側中央部の上下方向における中央部には、前記中足の外径が最大となるシールポイントが設けられていて、前記外側中央部は、その上端からシールポイントに向かって下側ほど外径が大きくなるように湾曲しているが、そのシールポイントから下側では逆に下側ほど外径が小さくなるように湾曲し、前記外側下部は、前記外側中央部の下端から、一定の傾斜角度を持つように、かつ、下側ほど外径が小さくなるように直線状に延びる縦断面形状を有し、前記中足の縦断面形状において、前記外側中央部の曲率半径は前記外側上部の曲率半径より小さく、かつ、前記外側上部の上下幅より前記外側根元部の上下幅は小さく、前記外側中央部の上下幅は前記外側根元部の上下幅より小さい(請求項1)。
【0008】
上記合成樹脂製キャップにおいて、前記中足の内周面は、その縦断面形状をみた場合に、根元側から先端側に向かって、内側根元部及び内側本体部の二つの領域に分けることができ、前記内側根元部は、前記天壁下面において前記中足の内側の位置から、一定の曲率半径を持つように、かつ、前記中足の上方に向かって凹むように湾曲する縦断面形状を有し、また、その上端から下方に向かって下側ほど内径が大きくなるように湾曲し、前記内側本体部は、前記内側根元部の下端から直線状に延びる縦断面形状を有し、前記外側根元部より前記内側根元部の方が緩やかに湾曲し、前記中足の内周側に連なる前記天壁の下面と外周側に連なる前記天壁の下面とが略同一高さとなっていて、前記内側根元部の上下幅より前記外側根元部の上下幅の方が大きく、かつ、前記外側根元部は内側根元部よりも下方にまで延びていてもよい(請求項2)。
【0009】
上記合成樹脂製キャップにおいて、前記中足の外周面の上部(前記シールポイントより上側)には上下方向に直線状に延びる部分を設けず、前記中足の内周面の上部には直線状に延びる部分である前記内側本体部を設け、前記中足の上部において内外で平行に延びる部分を設けないようにしてもよい(請求項3)。
【0010】
上記合成樹脂製キャップにおいて、前記外側上部は、前記中足の外周面におけるシールポイントより上側において最も大きな領域を占めてもよい(請求項4)。
【発明の効果】
【0011】
本願発明では、密封性の向上を図ることができる合成樹脂製キャップが得られる。
【0012】
すなわち、本発明の合成樹脂製キャップでは、容器口部に対するキャッピング時に、容器口部先端の内縁に対してその上部外周面の形状に工夫を凝らした中足が密着し易く、それだけ密封性を高めることができる。
【0013】
請求項2に係る発明の合成樹脂製キャップでは、中足の根元部の形状に工夫を凝らしたことにより、密封性が高まるという上記効果を高めることができる。
【0014】
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(A)及び(B)は、本発明の一実施の形態に係る合成樹脂製キャップの構成を概略的に示す縦断面図及び要部拡大説明図である。
【
図2】前記合成樹脂製キャップの要部の構成を概略的に示す説明図である。
【
図3】(A)は従来の合成樹脂製キャップを示す縦断面図、(B)はその要部を拡大して示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
【0017】
図1(A)及び
図2に示す合成樹脂製キャップ(以下、キャップという)1は、例えばペットボトル等の容器の口部M(
図2参照)に装着されて使用されるものであり、コンプレッション成形又はインジェクション成形によって、ポリエチレンで一体的に成形されている。なお、キャップ1を形成する素材は、特に限定されるものではなく、本実施形態で用いたポリエチレンの他、ポリプロピレン等が好適に用いられる。
【0018】
また、キャップ1は、平面視において略円形状の天壁2と、この天壁2の外周部から下向きに延びる略円筒状のスカート壁3とを有している。ここで、スカート壁3の外周面にはローレット溝4を、内周面には雌ねじ5を設けてあり、この雌ねじ5は容器口部の外周に形成された雄ねじM1(
図2参照)に結合可能である。
【0019】
そして、容器口部Mの雄ねじM1にスカート壁3の雌ねじ5が結合するようにキャップ1を回転させて容器口部Mに装着すると、天壁2の内面(下面)に連設された環状の中足(インナーリング)6、環状リブ7及び環状の外足(アウターリング)8が容器口部Mに密着し、これにより、容器口部が密封された状態となる。すなわち、キャップ1が容器口部Mに装着された状態では、中足6は容器口部M内に差し込まれて容器口部Mの内周面に密着し、環状リブ7は容器口部Mの環状の上端面に密着し、外足8は容器口部Mの外周面に密着するように構成されている。
【0020】
また、キャップ1は、未開封(開栓が一度もされていないこと)を証明する機能を有するピルファープルーフキャップであり、容器口部Mに装着された未開封のキャップ1の開封時(最初の開栓時)に、雄ねじM1と雌ねじ5の結合が解除されるようにキャップ1を回転させると、キャップ1は容器口部Mから離脱するが、スカート壁3の下部に連結されたタンパーエビデンスバンド(以下、単に「バンド」という)9は容器口部Mに残留するように構成されている。
【0021】
すなわち、スカート壁3の下部には、スカート壁3の全周にわたって延びる環状弱化部10を介してバンド9を連結してあり、環状弱化部10は、スカート壁3とバンド9との境界の内周側に存在する複数のブリッジ10aと、スカート壁3とバンド9とを上下に画するようにスカート壁3及びバンド9の周方向に延びるスリット10bとで構成され、ブリッジ10aが所定の力で引っ張られると破断するように、ブリッジ10aの一部(外周部分)もスリット10bで切断されている。
【0022】
また、バンド9の内周側には、内向きに突出する係止片(フラップ)11を、周方向に間隔をおいて複数(本例では8個)設けてある。各係止片11は、キャップ1が容器口部Mに装着された状態で、容器口部Mの外周において雄ねじM1よりも下方に形成された環状突起(ビード部)M2(
図2参照)の略下側へ位置し、開栓操作によって環状突起M2に係止する。すなわち、係止片11は、環状突起M2に下方から係止可能に構成され、開封の際に、環状弱化部10より上方にあるキャップ本体部(スカート壁3及び天壁2)は容器口部Mから離脱し、環状弱化部10より下方にあるバンド9は容器口部Mに残留し、これに伴って環状弱化部10は破断する。
【0023】
ここで、バンド9はキャップ本体部(スカート壁3及び天壁2)と一体成形され、バンド9に設けられる係止片11は、キャップ1の成形時には下向きに突出しているが、容器口部Mへのキャップ1の装着の際に、環状突起M2に押し上げられて反転し、
図1(A)、
図2に示すように上向きに突出する状態となる。
【0024】
そして、本実施形態では、
図1(B)に示すように、中足6の外周面は、その縦断面形状をみた場合に、根元側から先端側に向かって、外側根元部12、外側上部13、外側中央部14、外側下部15の四つの領域に分けることができる。
【0025】
外側根元部12は、天壁2下面において環状リブ7の内側の位置から、一定の曲率半径を持つように、かつ、中足6の上方に向かって凹むように湾曲する縦断面形状を有している。また、外側根元部12は、その上端から下方に向かって下側ほど外径が小さくなるように湾曲しているが、その下部では逆に下側ほど外径が大きくなるように湾曲している。
【0026】
外側上部13は、外側根元部12の下端から、一定の曲率半径を持つように、かつ、中足6の内側に向かって凹むように湾曲する縦断面形状を有している。
【0027】
外側中央部14は、外側上部13の下端から、一定の曲率半径を持つように、かつ、中足6の外側に向かって凸となる(突出する)ように湾曲する縦断面形状を有している。また、外側中央部14の上下方向における中央部には、中足6の外径が最大となるシールポイント14aが設けられていて、外側中央部14は、その上端からシールポイント14aに向かって下側ほど外径が大きくなるように湾曲しているが、そのシールポイント14aから下側では逆に下側ほど外径が小さくなるように湾曲している。
【0028】
外側下部15は、外側中央部14の下端から、一定の傾斜角度を持つように、かつ、下側ほど外径が小さくなるように直線状に延びる縦断面形状を有している。
【0029】
また、本実施形態では、
図1(B)に示すように、中足6の内周面は、その縦断面形状をみた場合に、根元側から先端側に向かって、内側根元部16及び内側本体部17の二つの領域に分けることができる。
【0030】
内側根元部16は、天壁2下面において中足6の内側の位置から、一定の曲率半径を持つように、かつ、中足6の上方に向かって凹むように湾曲する縦断面形状を有している。また、内側根元部16は、その上端から下方に向かって下側ほど内径が大きくなるように湾曲している。
【0031】
内側本体部17は、内側根元部16の下端から、一定の傾斜角度(本例では1°)を持つように、かつ、下側ほど内径が大きくなるように直線状に延びる縦断面形状を有している。
【0032】
ここで、中足6の縦断面形状において、外側根元部12の曲率半径より内側根元部16の曲率半径の方が大きく(外側根元部12より内側根元部16の方が緩やかに湾曲している)、この内側根元部16の曲率半径より外側中央部14の曲率半径の方が大きく、この外側中央部14の曲率半径より外側上部13の曲率半径の方が大きい。また、中足6において、内側根元部16の上下幅より外側根元部12の上下幅の方が大きく、かつ、外側根元部12は内側根元部16よりも下方にまで延びており、この外側根元部12の上下幅より外側上部13の上下幅の方が大きい一方、外側中央部14の上下幅は外側根元部12の上下幅さらには内側根元部16の上下幅より小さい。
【0033】
上記のように構成された中足6では、その外周面におけるシールポイント14aより上側において最も大きな領域を占める外側上部13の縦断面形状が、中足6の内側に向かって凹む湾曲状をしているので、容器口部Mに対するキャップ1の装着時(キャッピング時)に、容器口部M先端の内縁に対して外側上部13が密着し易く、それだけ密封性を高めることができる。そして、この効果は、中足6の外周面の上部(シールポイント14aより上側)には上下方向に直線状に延びる部分を設けず、内周面の上部には直線状に延びる部分(内側本体部17)を設け、つまりは中足6の上部において内外で平行に延びる部分を設けないようにしたことにより、一層高まることになる。
【0034】
また、中足6の外側根元部12及び内側根元部16の縦断面形状が、それぞれ中足6の上方に向かって凹む湾曲状をしていて、外側根元部12より内側根元部16の方が緩やかに湾曲しているので、これによっても密封性が高まるという上記効果は高まることになる。
【0035】
ここで、外側根元部12の縦断面形状の曲率半径を、容器口部Mの先端の内縁の縦断面形状の曲率半径より小さくするなど、中足6の外側根元部12の縦断面形状が、容器口部Mの先端の内縁の縦断面形状より急峻に湾曲するようにすることによっても、密封性が高まるという上記効果は高まることになる。
【0036】
また、環状リブ7の下端から中足6のシールポイント14aまでの軸方向の距離d1が、1.5mm以上3.5mm以下とするのが好ましい。1.5mm未満であるとシールポイント14aが容器口部Mの先端に近すぎ、逆に、3.5mm超であると中足6のシールポイント14aから上側の部分が撓み易くなり、いずれの場合も気密漏れし易くなる。
【0037】
また、中足6において、外側下部15はキャッピング時に容器口部Mの当接を受ける部分であり、基本的に、その上下方向の中央位置15aは容器口部Mが当接することが想定される箇所である。そして、本実施形態では、中足6においてシールポイント14aから中央位置15aまでの軸方向の距離d2が、中央位置15aから中足6の下端までの軸方向の距離d3よりも大きくなるようにしてあり、これにより、中足6の小型化による使用材料量の低減を図りつつ、中足6の下部をある程度厚くして折れ難いようにしてある。しかも、本実施形態では、中央位置15aを中足6の最小外径位置より外側(外周側)に位置させ、かつ、外側根元部12よりも外周側に出ない範囲としたので、キャッピング時に中足6はその根元から下方に向かって広範囲にわたって変形し易くなり、応力が集中せず、それだけ大きな抵抗を受け難いものとすることができる。
【0038】
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
【0039】
上記実施の形態では、内側本体部17は、内側根元部16の下端から、一定の傾斜角度(1°)を持つように、かつ、下側ほど内径が大きくなるように直線状に延びる縦断面形状を有しており、これにより型抜きを行い易くしてあるが、これに限らず、例えば、内側本体部17がキャップ1の軸方向と平行に延びていてもよい。
【0040】
図1(A)、
図2の例では、フラップ(バンド9の下側部分を内側に折り返した構造のもの)11を設けてあるが、このフラップ11のかわりにフック(バンド9の内周側に突出する部分を設けた構造のもの)を設けて容器口部Mの環状突起M2に係合させるようにしてもよい。
【0041】
図1(A)、
図2の例では、中足6の内周側に連なる天壁2の下面と外周側に連なる天壁2の下面とが略同一高さとなっているが、これに限らず、前者が後者より上方に位置していても下方に位置していてもよい。
【0042】
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0043】
1 キャップ
2 天壁
3 スカート壁
4 ローレット溝
5 雌ねじ
6 中足
7 環状リブ
8 外足
9 タンパーエビデンスバンド
10 環状弱化部
11 係止片
12 外側根元部
13 外側上部
14 外側中央部
14a シールポイント
15 外側下部
16 内側根元部
17 内側本体部
51 天板部
52 筒部
53 内側シール突起
54 開口端シール突起
55 外側シール突起
d1 軸方向の距離
d2 軸方向の距離
d3 軸方向の距離
M 容器口部
M1 雄ねじ
M2 環状突起(被係合部)