(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】エアロゾル化可能媒体を含む物品を加熱するための装置、装置を製造する方法、及び装置で使用するためのエアロゾル化可能材料の物品
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20240213BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240213BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/46
(21)【出願番号】P 2021506645
(86)(22)【出願日】2019-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2019071605
(87)【国際公開番号】W WO2020035454
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-07-19
(32)【優先日】2018-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】パプロッキー, ベンジャミン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0366725(US,A1)
【文献】特表2016-534730(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0055583(US,A1)
【文献】特表2018-504918(JP,A)
【文献】特表平08-511176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル化可能媒体を含む物品を加熱するための装置であって、
前記物品を受容するための加熱チャンバと、
前記加熱チャンバの周りに配置されたスリーブと
を備え、前記加熱チャンバ及び前記スリーブが、互いの間に領域を画定しており、前記スリーブが、前記スリーブの第1の端部において第1のシールを、前記スリーブの第2の端部において第2のシールを受容するように構成され、したがって前記加熱チャンバと前記スリーブとの間にある前記領域への流体の入出を阻止するような方法で、前記スリーブが前記第1及び第2の端部において付加的構成要素に係合することができる、装置。
【請求項2】
前記スリーブの前記第1の端部に基部をさらに備え、前記基部が、前記第1の端部において前記スリーブに密封係合している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記基部が、前記第1の端部において前記スリーブ内へと突出している第1の突出部を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のシールが、前記第1の突出部と前記スリーブの内面との間に配置されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のシールが、前記第1の突出部の外面の周りに設けられている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のシールが、Oリングである、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記基部が、前記第1のシールを受容する凹部を備える、請求項4~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記基部が、前記加熱チャンバの第1の端部内へと突出している第2の突出部をさらに備える、請求項2~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の突出部が、前記基部の実質的に中心に配置されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の突出部が、前記加熱チャンバを受容するように構成される、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記基部が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で作られている、請求項2~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記加熱チャンバを前記基部に対して密封するように前記基部に塗布された封止剤をさらに備える、請求項2~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記封止剤が、エポキシ樹脂である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記加熱チャンバが、1つ又は複数の加熱要素によって加熱されるように構成された管、又はそれ自体が加熱要素である、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記加熱チャンバに連結されたヒーター尾部をさらに備え、前記ヒーター尾部が、電源に接続されて電力を前記加熱チャンバに供給するように構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
請求項2~10のいずれか一項に従属する場合、前記尾部が、電源との接続のために前記基部のスロットを通って延びる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記スリーブの前記第2の端部に上部をさらに備え、前記上部が、前記第2の端部において前記スリーブに密封係合している、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記第2のシールが、Oリングである、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記上部が、前記第2のシールを受容するための凹部を備える、請求項17又は18に記載の装置。
【請求項20】
前記上部が、中空チャンバを備える、請求項17~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記加熱チャンバを断熱するための断熱体をさらに備える、請求項1~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記断熱体が、前記加熱チャンバと前記スリーブとの間に配置されている、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記断熱体が、真空断熱材を備える、請求項21又は22に記載の装置。
【請求項24】
前記スリーブが、ステンレス鋼で作られている、請求項1~23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記装置は、非燃焼加熱式装置、または加熱製品である、請求項1~24の何れか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記エアロゾル化可能媒体は固体のエアロゾル化可能媒体である、請求項1~25の何れか一項に記載の装置。
【請求項27】
エアロゾル化可能材料の物品を加熱するための装置を製造する方法であって、
加熱チャンバを用意するステップと、
前記加熱チャンバの周りにスリーブを設けるステップであり、前記スリーブが、第1の端部及び第2の端部を備え、前記加熱チャンバ及び前記スリーブが、互いの間に領域を画定する、スリーブを設けるステップと
を含み、
前記スリーブが、前記スリーブの第1の端部において第1のシールを、前記スリーブの第2の端部において第2のシールを受容するように構成され、したがって前記加熱チャンバと前記スリーブとの間にある前記領域への入出である前記加熱チャンバと前記スリーブとの間にある前記領域への流体の入出を阻止するような方法で、前記スリーブが前記第1及び第2の端部において付加的構成要素に係合することができる、
装置を製造する方法。
【請求項28】
第1の突出部及び第2の突出部を備える基部を設けるステップであって、前記スリーブが、前記第1の突出部に受容され、前記加熱チャンバが、前記第2の突出部に受容される、基部を設けるステップと、
前記加熱チャンバを前記基部に対して密封する封止剤をもたらすステップと、
第1のシールを前記基部に設けるステップと、
前記スリーブの前記第2の端部に上部を、前記上部に第2のシールを設けるステップと
をさらに含む、請求項
27に記載の装置を製造する方法。
【請求項29】
前記装置は、非燃焼加熱式装置、または加熱製品である、請求項27または28の装置を製造する方法。
【請求項30】
前記装置は、固体のエアロゾル化可能媒体を加熱するためのものである、請求項27、28、または29の装置を製造する方法。
【請求項31】
請求項1~
26のいずれか一項に記載の装置で使用するためのエアロゾル化可能材料の物品。
【請求項32】
請求項1~
26のいずれか一項に記載の装置と、
前記装置で使用するためのエアロゾル化可能材料の物品と
を備える、システム。
【請求項33】
エアロゾル化可能媒体を含む物品を加熱するための装置であって、
前記物品からエアロゾルを発生させるための加熱チャンバと、
前記加熱チャンバの周りに配置されたスリーブと、
前記スリーブの第1の端部にある第1のシールと、
前記スリーブの第2の端部にある第2のシールであり、使用の際に前記第1のシール及び前記第2のシールが、
前記加熱チャンバと前記スリーブによって画定された領域への流体の入出を阻止するように構成され、前記スリーブの表面でのエアロゾルの凝縮を防ぐ、第2のシールと
を備える、装置。
【請求項34】
前記装置は、非燃焼加熱式装置、または加熱製品である、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記エアロゾル化可能媒体は固体のエアロゾル化可能媒体である、請求項33または34に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル化可能媒体を含む物品を加熱するための装置、エアロゾル化可能材料の物品を加熱するための装置を製造する方法、及びエアロゾル化可能材料の物品に関する。
【背景】
【0002】
シガレット、シガーなどの物品は、使用中にタバコを燃やしてタバコの煙を生じさせる。これらの物品の代替品を、燃焼させることなく化合物を放出する製品を作り出すことによって提供しようとする試みがなされてきた。このような製品の例は、タバコ加熱製品としても知られている、いわゆる「非燃焼加熱式」製品又はタバコ加熱装置であり、材料を燃やさずに加熱することによって化合物を放出する。この材料は、例えば、タバコ、他の非タバコ製品、又は混合された混合品のような組み合わせたものとすることができ、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。
【概要】
【0003】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル化可能媒体を含む物品を加熱するための装置であって、前記物品を受容するための加熱チャンバと、加熱チャンバの周りに配置されたスリーブとを備え、加熱チャンバ及びスリーブが、互いの間に領域を画定しており、スリーブが、スリーブの第1の端部において第1のシールを、スリーブの第2の端部において第2のシールを受容するように構成され、したがって加熱チャンバとスリーブとの間にある領域への流体の入出を阻止するような方法で、スリーブが第1及び第2の端部において付加的構成要素に係合することができる、装置が提供される。
【0004】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル化可能材料の物品を加熱するための装置を製造する方法であって、加熱チャンバを用意するステップと、加熱チャンバの周りにスリーブを設けるステップであり、スリーブが、第1の端部と第2の端部を備え、加熱チャンバ及びスリーブが、互いの間に領域を画定する、スリーブを設けるステップと、を含み、スリーブが、スリーブの第1の端部において第1のシールを、スリーブの第2の端部において第2のシールを受容するように構成され、したがって加熱チャンバとスリーブとの間にある領域への流体の入出を阻止するような方法で、スリーブが第1及び第2の端部において付加的構成要素に係合することができる、装置を製造する方法が提供される。
【0005】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照して、単なる一例として挙げられる本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】エアロゾル化可能媒体を含む物品を加熱するためのデバイスの一例の斜視図である。
【
図2】エアロゾル化可能媒体を加熱するための装置の一部を形成することができる加熱チャンバ及び基部の一例の側面図である。
【
図3】エアロゾル化可能媒体を含む物品を加熱するための装置の一部を形成することができる基部の一例の側面図である。
【
図4】エアロゾル化可能媒体を含む物品を加熱するための装置の一部を形成することができる基部の一例の断面図である。
【
図5】エアロゾル化可能媒体を含む物品を加熱するための装置の一部を形成することができる基部の一例の底面図である。
【
図6】エアロゾル化可能媒体を含む物品を加熱するための装置の一部を形成することができる基部の一例の底面図である。
【
図7】エアロゾル化可能媒体を加熱するための装置の一部を形成することができる断熱体及び基部の一例の側面図である。
【
図8】エアロゾル化可能媒体を含む物品を加熱するための装置の一部の例の側面図である。
【
図9】エアロゾル化可能媒体を含む物品を加熱するための装置の一部の例の側面図である。
【
図10】エアロゾル化可能媒体を含む物品の一例の断面図である。
【詳細な説明】
【0007】
本明細書では使用されるような、用語「エアロゾル化可能媒体」は、加熱すると、典型的にはエアロゾルの形態で揮発成分を供する材料を含む。「エアロゾル化可能媒体」は任意のタバコ含有材料を含んでいてもよく、例えば、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。「エアロゾル化可能媒体」はまた、他の非タバコ製品を含んでいてもよい。これらの非タバコ製品は、製品によってはニコチンを含んでも含まなくてもよい。「エアロゾル化可能媒体」は、例えば、固体、液体、ゲル、又は蝋などの形態であってもよい。「エアロゾル化可能媒体」はまた、例えば、いくつかの材料を組み合わせたもの又は混合物であってもよい。
【0008】
典型的には、エアロゾル化可能媒体を燃やさずに、又は燃焼させずに吸引することができるエアロゾルを形成するために、エアロゾル化可能媒体を加熱してエアロゾル化可能媒体の少なくとも1つの成分を揮発させる装置が知られている。このような装置は、「非燃焼加熱式」装置、又は「タバコ加熱製品」又は「タバコ加熱デバイス」、又はこれらに類似するものとしてもしばしば記載される。同様に、eシガレットデバイスと称するものもあり、これは、典型的には、ニコチンを含んでも含まなくてもよい液体の形態のエアロゾル化可能媒体を気化させる。エアロゾル化可能媒体は、装置に挿入することができるロッド、カートリッジ、若しくはカセットなどの形態である場合、又はこれらの一部として提供される場合がある。エアロゾル化可能媒体を加熱して揮発させるためのヒーターは、装置の「永久」部分として提供される場合、又は使用後に破棄されて交換される消耗品の一部として提供される場合がある。
【0009】
図1は、エアロゾル化可能媒体を含む物品106を加熱するためのデバイス100の一例を示している。デバイスは、開口104を含むハウジング102を備え、エアロゾル化可能媒体を含む物品106は、開口104から加熱チャンバ201(図示せず)に挿入することができる。加熱チャンバは、1つ又は複数の加熱要素によって加熱される。デバイス100は、押すとデバイスが作動する使用者操作可能ボタン108を含むことができる。デバイス100は、制御回路及び/又はバッテリーのような電源を収容する電子機器コンパートメント(図示せず)をさらに含む。制御回路は、さらに以下に記載するように、エアロゾル化可能媒体の加熱を制御するように構成され配置されたマイクロプロセッサ構成体などのコントローラを含むことができる。電源は、例えば、再充電可能なバッテリー又は再充電できないバッテリーなどのバッテリーとすることができる。適当なバッテリーの例としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル電池(例えばニッケル-カドミウム電池)、アルカリ電池及び/又は同様のものが挙げられる。バッテリーは、必要に応じて電力を供給し、制御回路の制御のもとでエアロゾル化可能媒体を燃焼させずに加熱するために、1つ又は複数の加熱要素に電気的に接続されている。電源を1つ又は複数の加熱要素に対して直列ではなく側方に隣り合わせで配置する利点は、デバイス100全体を過度に長くすることなく、物理的に大きな電源を使用することができることである。理解されるように、一般に、物理的に大きな電源は、より大きな容量(すなわち、供給可能な総電気エネルギー、多くの場合はアンペア時などで測定されるもの)を有し、したがって、デバイス100のバッテリー寿命をより長くすることができる。
【0010】
デバイス100の重要な要件は、加熱チャンバを通る空気流が、デバイス100の残り部分、特に電子機器コンパートメントに対して密封又は実質的に隔離されることであることが分かっている。これは、デバイス100の動作を妨害するおそれがある、エアロゾルによる電子機器コンパートメント内の制御回路及び/又は電源の汚染を防ぐ、又は少なくとも最小限にするためである。これはまた、電子機器コンパートメント内の制御回路及び/又は電源からの空気が加熱チャンバに流入し空気流を妨害しないようにする。
【0011】
図2は、エアロゾル化可能媒体を加熱するための装置300の一部を形成することができる加熱チャンバ201及び基部203の一例を示している。加熱チャンバ201は、第1の端部に、エアロゾル化可能媒体の物品106(図示せず)を受容するための第1の開口205を有する。加熱チャンバ201はさらに、その第2の端部に第2の開口(図示せず)を含む。
図2に示される例では、加熱チャンバ201の第2の開口は、基部203に配置される。
【0012】
1つの例では、加熱チャンバ201は、全体的に中空円筒形の管の形態をしており、使用の際にエアロゾル化可能媒体を含む物品106が加熱のために挿入される。加熱チャンバ201の異なる構成体も可能である。加熱チャンバ201は、1つ又は複数の加熱要素によって加熱される。1つの例では、1つ又は複数の加熱要素は、電流が印加されると熱くなる抵抗加熱要素である。他の例では、1つ又は複数の加熱要素は、誘導加熱により加熱されるサセプタ材料を含むことができる。この例では、デバイスは、1つ又は複数の加熱要素に侵入する変動磁場を生成する1つ又は複数の誘導コイルをさらに含む。誘導加熱は、導電性物体に変動電場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明できる。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すためのデバイスを備えることができる。電磁石と加熱されるべき物体が、電磁石によって生じた変動磁場がこの物体に侵入するような適当な相対位置に配置されると、この物体内に1つ以上の渦電流が発生する。この物体は、電流の流れに対する抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が発生すると、物体の電気抵抗に抗した渦電流の流れにより、物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱又は抵抗加熱と呼ばれる。誘導加熱可能な物体はサセプタとして知られている。磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料からなる物体に変動磁場が侵入することによって物体を加熱するプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石又は磁気双極子を多く含むものと考えることができる。そのような材料に磁場が侵入すると、磁気双極子が磁場に沿って整列する。したがって、例えば電磁石によって生じたものである交流磁場などの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場に応じて変化する。このような磁気双極子の再配向によって磁性材料内で熱が発生する。物体が導電性及び磁性の両方を有するときは、その物体に変動磁場を侵入させると、物体にジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用することで磁場を強めることができ、このことにより、ジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱を強めることができる。上述の各プロセスでは、熱は、外部熱源によってではなく物体自体の内部で発生し、それが熱伝導、熱対流又は熱放射によって伝わるので、物体内の急激な温度上昇及びより均一な熱分布を達成することができる、これは、特に、物体材料及び幾何形状を適当に選び、その物体に対して変動磁場の大きさ及び向きを適当に選ぶことによって達成することができる。さらに、誘導加熱及び磁気ヒステリシス加熱では、変動磁場の源と物体との間に物理的な接続部を設ける必要がないので、設計の自由度及び加熱プロファイルの制御性を高めるとともに、コストをより低く抑えることができる。
【0013】
1つ又は複数の加熱要素は、加熱チャンバ201の内部又はその外部に配置することができる。1つの例では、1つ又は複数の加熱要素は、加熱チャンバ201の外面に巻き付けられた薄膜ヒーターを備えることができる。例えば、加熱要素は、単一のヒーターとして、又は加熱チャンバ201の長手方向軸に沿って整列した複数のヒーターから形成することができる。加熱チャンバ201は、環状、管状、その周囲が少なくとも部分的に環状又は部分的に管状とすることができる。
【0014】
特定の1つの例では、加熱チャンバ201は、ステンレス鋼管によって画定される。加熱チャンバ201は、使用の際に物品106中のエアロゾル化可能媒体の実質的に全体が加熱チャンバ201内に配置され、したがってエアロゾル化可能媒体の実質的に全体を加熱できるような寸法である。加熱チャンバ201は、エアロゾル化可能媒体の選択領域を、必要に応じて、例えば順番(経時的)に又は一緒(同時)に独立して加熱することができるように構成することもできる。
【0015】
1つの例では、1つ又は複数の加熱要素のヒーター尾部209などの一部は、加熱チャンバ201を越えて延び、加熱要素を電子機器コンパートメント内の制御回路及び電源に接続するように構成される。電流は、電源によって制御回路及びヒーター尾部209を介して1つ又は複数の加熱要素に供給され得る。1つの例では、ヒーター尾部209は、プリント回路基板(PCB)に接続されている。加熱チャンバ201と電子機器コンパートメントとの間には接続が必要なので、加熱チャンバ201と電子機器コンパートメントとの間の空気流(又は任意の他の流体の流れ)を防ぐことは難しくなり得るが、ヒーター尾部209が加熱チャンバ201を越えて延びることがこの解決の助けとなる。
【0016】
図3は、エアロゾル化可能媒体を含む物品106を加熱するための装置100の一部を形成することができる基部203の一例を示している。
図3には加熱チャンバ201は示されない。基部203は、主本体部分211と、主本体部分211の中央部分から突出した第1の突出部又は隆起部213を含む。1つの例では、第1の隆起部213の直径又は幅は、主本体部分211の対応する直径又は幅に比べて小さい。第1の隆起部213と主本体部分211の直径又は幅の差によって、第1の隆起部213の周りにリップ、リム又はフランジ215ができる。本体203は、さらに主本体部分211の表面から突出した第2の隆起部又は突出部219をさらに含むことができる。図示の例では、第2の隆起部219は、主本体部分211の実質的に中心が好ましい、基部203の中心の方に配置されている。第2の隆起部219は、加熱チャンバ201の第2の開口へと突出又は挿入され、加熱チャンバ201を基部203に置く又は配置する働きをする。第2の隆起部219はさらに、加熱チャンバ201への物品106の挿入のときに物品106に対するストッパとして働くことができる。基部203の第1の隆起部213は、
図2に示されるように、第1のシール223が配置され得る凹部221を含む。或いは、第1のシール223は、フランジ215に載るように主本体部分211の周りに配置することができる。基部203は、デバイスのハウジング108に連結する連結要素224をさらに含むことができる。連結要素224は、デバイスのハウジング108の対応する開口に受容され得る。連結要素224は、連結要素224をハウジング108に対して密封するOリングなどのシールを受容するための凹部を含むことができる。1つの例では、Oリングはシリコーンで作られている。しかし、任意の他の適当な材料を使用することもできる。
【0017】
図3に示される例では、主本体部分211、第1の隆起部213及び第2の隆起部219の断面はすべて円形又はリング形である、しかし他の形状を使用することもできる。
【0018】
図4は、基部203の断面の一例を示している。第2の隆起部219は、空気が基部203を通って加熱チャンバ201に入れるようにする空気流路を含む。1つの例では、第2の隆起部219は、中空であり、空気を基部203の開端226から加熱チャンバ201に引き込むことができる。基部203の主本体部分211は、スロット225を含む。スロット225によって、ヒーター尾部209は基部203を通り抜けて加熱要素と制御回路及び/又は電源を接続することができるようになる。このようなスロットは、そうではなく、例えば基部203の側壁である様々な場所に設けることができると理解されよう。
図4に示されるように、主本体部分211及び第1の隆起部213は、封止剤が注入され得るポケット217を第2の隆起部219の周りに形成する。これについては以下により詳細に述べることにする。
【0019】
図5は、基部203の底面図である。スロット225は、半円形の形状として図示されているが、異なる形状であってもよい。
図6は、基部203のスロット225を通っているヒーター尾部209を示している。基部203は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの熱可塑性材料から成形することができる。しかし、代替として任意の他の適当な材料を使用することもできる。
【0020】
1つの例では、封止剤は、加熱チャンバ201が基部203の第2の隆起部219に配置され発熱体尾部209がスロット225を通って延ばされた後に基部203に塗布される。封止剤は、主本体部分211及び第1の隆起部213と第2の隆起部219との間のポケット217に注入することができる。封止剤は、基部203に対する加熱チャンバ201及び発熱体尾部209の所定位置での固定の助けとなる。加えて、封止剤は、発熱体尾部209が占有しないスロット225の残りの空間を埋める働きをし、基部203のスロット225を通る空気流を阻止する役割を果たす。1つの例では、封止剤は、充填用エポキシ樹脂であるが任意の適当な別の封止剤を使用することもできる。封止剤は、UV光の照射によって硬化させることができる。
【0021】
図7は、エアロゾル化可能媒体を加熱するための装置300の一部を形成する断熱体227の一例を示している。断熱体227は、凹部221に配置された基部203の保持部分228に置かれる。保持部分228は、断熱体227の片端を支持し基部203に対して所定位置に保持する役割を果たす。
図7に示される例では、断熱体227は、加熱チャンバ201の少なくとも一部を取り囲む。断熱体227は、加熱チャンバ201からデバイス100の外部に流れる熱を減少させるのに役立ち、これは、一般に熱損失を低減するので加熱チャンバ201の電力要件を低く抑えるのに役立つ。断熱体227はまた、デバイス100の動作中に、デバイス100の外側を低温に維持するのに役立つ。1つの例では、断熱体227は、スリーブの2つの壁の間に低圧領域を設けた二重壁スリーブとすることができる。すなわち、断熱体227は、例えば、「真空」管、すなわち熱伝導及び/又は対流による伝熱を最小限にするために少なくとも部分的に排気された管とすることができる。二重壁スリーブに加えて、又はその代わりに、例えば適当な発泡型の材料を含む断熱材料の使用を含め、断熱体227の他の構成体も可能である。1つの例では、断熱体227は、基部203の所定位置に断熱体227を保持する少なくとも1つの取付要素(図示せず)を備える。
【0022】
図8及び
図9は、エアロゾル化可能媒体を含む物品106を加熱するための装置300の一例を示している。
図8は、上部231がスリーブ229から取り外されている状態の装置300を示しており、
図9は、上部231がスリーブ229に挿入されている装置300の一例を示している。スリーブ229は、加熱チャンバ201の周りに配置され、スリーブ229と加熱チャンバ201は互いの間に領域を画定する。1つの例では、加熱チャンバ201及びスリーブ229は同軸である。
図7を参照して上述したような断熱体227がある場合、断熱体227は、スリーブ229と加熱チャンバ201との間に配置される。スリーブ229の第1の端部は、基部203の第1の隆起部213がスリーブ229の第1の端部に入るように、基部203のフランジ215に配置することができる。1つの例では、スリーブ229は、押出成形され得る中空の円筒形の管である。円筒形の管は、アルミニウム又は同様の材料から作ることができる。スリーブ229は、その第1の端部において第1のシール223を受容するように構成される。第1のシール223は、スリーブ229の第1の端部近くに受容され得る。第1のシール223は、スリーブ229の末端と第1のシール223との間に距離ができるように、スリーブ229の末端には配置されないことが好ましい。いくつかの例では、第1のシール223は、第1の隆起部213とスリーブ229の内面との間に設けられる。
【0023】
図8に示される例では、スリーブの壁厚は、基部の主本体部分211の外面がスリーブ229の外面と同一平面になるように、フランジ215の幅と等しい。(
図7に示されるような)第1のシール223は、実質的に空気、エアロゾル又は任意の流体が第1のシール223を通過することができないようにスリーブ229の内面に当接する。したがって、第1のシール223は、加熱チャンバ201とスリーブ229によって画定された領域への流体の入出を阻止するように構成される。シール223は、スリーブ229を基部203及び加熱チャンバ201に対して所定位置に保持する働きをすることができる。1つの例では、第1のシール223は、永久的なシールを適用しなくて済む、比較的簡単に装置300を組立て及び分解できるようにするOリングである。スリーブ229内へと突出する第1の隆起部213とスリーブ229の内面との間に第1のシール223を設けることで、スリーブ229へのエアロゾルの入出を阻止する同時に装置300のサイズ全体を最小化する。スリーブ229から外にエアロゾルが流れ出すことが阻止されるので、デバイス100の電子機器コンパートメントへのエアロゾルの流入が阻止されることになる。
【0024】
スリーブ229の外径は、10mm~20mm、より好ましくは13mm~17mm、又はより好ましくは14.5mm~15mmとすることができる。スリーブの内径は、11mm~19mm、より好ましくは13.5mm~16.5mm、及びより好ましくは14.0mm~14.5mmとすることができる。スリーブの長さは、20mm~200mm、より好ましくは55mm~75mmとすることができる。スリーブ229は、ステンレス鋼などの金属材料から形成することができるが、代替として任意の他の適当な材料を使用してもよい。
【0025】
図8はさらに、中空チャンバの形態のスリーブの上部231を示している。1つの例では、上部231は、第1の端部から第2の端部へと先細りするように直径が変化する領域からなる。上部231の第1の領域233は、上部231の残りの領域の直径に比べて比較的小さな直径とすることができる。1つの例では、第1の領域233は、スリーブ229の第2の端部に挿入することができる。第1の領域233の端部は、加熱チャンバ201に当接することができる。スリーブ229は、その第2の端部において第2のシール237を受容するように構成される。第2のシール237は、スリーブ229の第2の端部近くに受容され得る。第2のシール237は、スリーブ229の先端と第2のシール237との間に距離ができるように、スリーブ229の先端には配置されないことが好ましい。いくつかの例では、第2のシール237は、第1の領域223とスリーブ229の内面との間に設けられる。上部231は、その長さに沿って直径が一定であってもよいと理解されよう。
【0026】
1つの例では、上部231は、第2のシール237が配置される第1の領域233を取り囲むリング又はリップ235を含むことができる。上部231は、中空の円錐台形状の第2の領域239をさらに含むことができる。図示の例では、第2の領域239の一方端には、肩部241がある。肩部241の直径は、第2の領域239の最も幅広の場所より大きい。肩部241は、使用の際にスリーブ229の第2の端部に当接するように、スリーブ229の内径よりも大きな直径を有する。第2のシール237は、リング235上に配置されスリーブ229の内面に当接することができる。第2のシール237は、実質的に空気、エアロゾル又は他の流体がシールを通過することができないように構成される。したがって、第2のシール227は、加熱チャンバ201とスリーブ229によって画定された領域への流体の入出を阻止するように構成される。さらに、第2のシール237は、上部231をスリーブ229に対して所定位置に保持する働きをすることができる。1つの例では、第2のシール237は、Oリングである。
【0027】
図9に示されるように、スリーブ229が加熱チャンバ201の周りに配置され上部231及び基部203がスリーブ229に密封係合されると、密閉ユニットは、制御回路及び/又は電源との接続のためにユニットから延びる発熱体尾部209の一部分しか備えなくなる。空気は、連結要素224を通って基部に入り、第2の隆起部219を通過して上部231を通って密閉ユニットから出るが、任意の他の経路を通って流体が密閉ユニットに対して入出することはできない。密閉ユニットは、製造のときにデバイス100に簡単に組み込めるサブアセンブリとして使用することができる。
【0028】
使用の際、エアロゾル化可能媒体を含む物品106を、デバイス100へと、装置300の加熱チャンバ201に挿入する。使用者がデバイス100のボタン108を作動させると、1つ又は複数の加熱要素が作動して加熱チャンバ201を加熱し、エアロゾル化可能媒体からエアロゾルが発生することができる。空気は、基部203の開端を通り、基部の第2の隆起部219を通って加熱チャンバ201に引き込まれ得る。加熱チャンバ201に引き込まれた空気は、エアロゾル化可能媒体を含む物品106を通過する。空気は、エアロゾル化可能媒体を通過し、加熱されてエアロゾル化可能媒体から放出された揮発成分を捕らえ、次いでその揮発成分が典型的には蒸気又はエアロゾルの形態で物品106から使用者の方に出ていく。この例では、空気流路は、基部203、加熱チャンバ201及び上部231内に形成される。
【0029】
加熱チャンバ201を完全には気密にできないので、発生したエアロゾルのいくらかは加熱チャンバ201とスリーブ229との間を流れることがある。しかし、第1のシール223、第2のシール237、加熱チャンバ201及びスリーブ229が相まって囲まれた領域を形成するので、加熱チャンバ201からスリーブ229に流入する任意の発生エアロゾルは、スリーブ229内に留まることになり、任意の電子機器コンパートメント、電源及び/又は制御回路への流入も含めて、デバイスの他のところへ流れない。スリーブ229、第1のシール223及び第2のシール237は、加熱チャンバ201をデバイス100の電子機器コンパートメントから効果的に隔離する働きをする。第1のシール223及び第2のシール237はさらに、上述の所望の流路以外のスリーブ229内への空気の流れを阻止する。
【0030】
試験は、第1のシール229及び第2のシール237を含む装置内の凝縮物がこれらのシールを含まない装置に比べての減少したことを立証した。最初に、各装置を1PSI(0.068bar)で圧力検査した。漏れを検査するために、第1のシール223及び第2のシール237の周りに気泡検査用の溶液を塗布した。次いで、装置を作動させてエアロゾル化可能媒体を含む20個の物品106を加熱した。加熱後、装置を分解し、外観検査により第2の隆起部219及び上部231にも顕著な凝縮物があることを確認した。しかし、スリーブ229の内面又は電子機器コンパートメント内には凝縮物はなかった。
図10を参照すると、本発明の一例によるエアロゾル化可能媒体を含む物品106の断面が概略的に図示されている。この実施形態の物品106は、
図9に示される装置300での使用に特に適している。使用の際、物品106を上部231の開口から加熱チャンバ201に除去可能に挿入することができる。物品106は、一方端が加熱チャンバ203内で基部203の第2の隆起部219に当接することになる。
【0031】
1つの実施形態では、物品106は、ロッドの形態に組み合わせられたエアロゾル化可能媒体243の本体とフィルターアセンブリを含む。この実施形態のフィルターアセンブリは、3つのセグメントである、冷却セグメント245、フィルターセグメント247及び口側端部セグメント249を備える。しかし、他の実施形態では、これらのセグメント245、247、249の任意の1つ、又は2つ又はすべてを省くこともできる。
【0032】
エアロゾル化可能媒体243の本体は、物品106の遠位端、すなわち使用の際に患者の口から最も遠い端部の方に配置される。一実施形態では、冷却セグメント245は、エアロゾル化可能媒体243の本体とフィルターセグメント247との間に、エアロゾル化可能媒体243及びフィルターセグメント247に対して当接関係になるように配置される。フィルターセグメント247は、冷却セグメント245と口側端部セグメント249との間に位置する。口側端部セグメント249は、物品106の近位端(すなわち、使用の際に使用者に最も近い端部)の方に第1のフィルターセグメント247と隣り合うように配置される。1つの実施形態では、フィルターセグメント247は、口側端部セグメント249と当接関係にある。
【0033】
上述した例では、基部203及び上部231は、スリーブ229内に突出するように図示されているが、他の例では、基部203及び/又は上部231は、スリーブの周りへの押込み嵌めなど、他の手段によりスリーブ229に連結することができる。
【0034】
本明細書で使用されるような用語「エアロゾル化可能媒体」は、加熱されると揮発成分を、典型的には蒸気又はエアロゾルの形態で供する材料を含む。「エアロゾル化可能媒体」は非タバコ含有材料でもよく、タバコ含有材料でもよい。「エアロゾル化可能媒体」は、例えば、タバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ以上を含んでいてもよい。エアロゾル化可能媒体は、挽きタバコ、刻みラグタバコ、押出タバコ、再生タバコ、再生喫煙材、液体、ゲル、ゲル化シート、粉末、又は塊などの形態とすることが可能である。エアロゾル化可能媒体は、他に非タバコ製品を含んでいてもよい。この非タバコ製品は、製品によってニコチンを含んでもよく、含まなくてもよい。エアロゾル化可能媒体は、1つ以上の保湿剤、例えばグリセロール又はプロピレングリコールを含んでいてもよい。1つの実施形態では、エアロゾル化可能媒体243の本体は、タバコを含む。物品106は、1つ以上の香辛料を含んでもよい。
【0035】
本明細書で使用されるような用語「香料」及び「香味料」は、当地の規則で許可される場合に、所望の風味又は香りを作り出すために成人消費者向けの製品に使用されてもよい材料を指す。これらには、抽出物(例えば、甘草、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、和種ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、桃、リンゴ、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、オランダハッカ、セイヨウハッカ、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウィキョウ、ピーマン、ジンジャー、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのハッカ油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、及びチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤等の他の添加物が含まれ得る。これらは、模造品、合成若しくは天然の成分、又はこれらの混合品でもよい。これらは、天然又は天然と同一の香料を含むこともできる。これらは、任意の適当な形態、例えば油、液体、粉末又はゲルでもよい。
【0036】
1つの実施形態では、物品106は、細長い実質的な円形断面の実質的な円筒形である。しかし、他の実施形態では、物品106は、円形以外の断面を有してもよく、及び/又は細長くなくてもよく、及び/又は円筒形でなくてもよい。エアロゾル化可能材料の物品106は、装置300で使用することができる。
【0037】
装置300は、第1の突出部213及び第2の突出部219を含む基部203を用意することによって製造することができる。次いで、例えば加熱チャンバ201を基部203へ摺動させることによって加熱チャンバ201を第2の突出部219に配置することができる。チャンバ外の制御回路及び/又は電源への加熱チャンバの加熱要素の接続を可能にするために、ヒーター尾部209を基部203のスロット225に通すことができる。いくつかの例では、加熱チャンバ201を基部203に対して密封するために、封止剤を例えば注入によりもたらす。そうである場合、スリーブ229を第2の突出部219に配置する前に封止剤を塗布することが好ましい。1つの例では、UV光の照射によって封止剤を硬化させる。いくつかの例では、基部203は、固定具によって所定位置に保持され、封止剤の塗布後に固定具から取り外すことができる。断熱体227は、加熱チャンバ201及び基部203の一部の上に設け、加熱チャンバ201及び基部203の一部に取り付けることができる。スリーブ229は、フランジ215に当接するように、基部203の第2の突出部219に受容され得る。次いで、上部231をスリーブ229の第2の端部に挿入することができる。第1のシール223は、スリーブ229の第1の端部においてスリーブ229に含めることができ、第2のシールは、スリーブ229の第2の端部においてスリーブに受容されてもよく、或いは、基部203又は上部231の、基部203及び上部231がスリーブ229に係合する領域にそれぞれ受容されてもよい。いくつかの例では、第1のシール223は、基部203の第2の突出部219上に配置され、第2のシール237は、上部231のリング235上に配置される。別個の存在物として加熱チャンバ201を含む密閉システムを提供することによって、デバイス製造全体の複雑さが低減する。
【0038】
装置300及びエアロゾル化可能材料の物品106は、一括して販売することができるシステムを形成する。
【0039】
上述の実施形態は、本発明の例示的な例として理解されるべきである。本発明のさらなる実施形態も考えられる。任意の1つの実施形態に関して説明された任意の特徴は、単独で使用してもよく、又は、説明された他の特徴と組み合わせて使用してもよく、実施形態のうちの任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせて使用してもよく、又は実施形態のうちの任意の他の実施形態の任意の組み合わせにおいて使用してもよいと理解されたい。さらに、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく上記で説明していない均等物及び修正形態を使用することもできる。