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特許7434298キノコ抽出物を含む食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物及びこれを含むプロバイオティクス組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】キノコ抽出物を含む食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物及びこれを含むプロバイオティクス組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20240213BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20240213BHJP
   A23L 19/00 20160101ALI20240213BHJP
   A23C 9/123 20060101ALN20240213BHJP
【FI】
A23L33/105
A23L33/135
A23L19/00 101
A23C9/123
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021516768
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-22
(86)【国際出願番号】 KR2020016549
(87)【国際公開番号】W WO2022039326
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0104989
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521117791
【氏名又は名称】エコ-バイオス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ECO-BIOS.,CO LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】チョ ハンヒ
【審査官】澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-336907(JP,A)
【文献】特開2003-040785(JP,A)
【文献】特開昭51-057858(JP,A)
【文献】特表2020-512837(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0073652(KR,A)
【文献】特開平08-012587(JP,A)
【文献】特開平02-283240(JP,A)
【文献】特開2015-123072(JP,A)
【文献】特開2014-221720(JP,A)
【文献】特開平01-206970(JP,A)
【文献】特開昭61-195669(JP,A)
【文献】特開平06-153859(JP,A)
【文献】化学と生物,1985年,23(12),pp.797-802
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23C,A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キノコ及び精製水の混合物を抽出器に投入させて80℃~120℃の温度で1次抽出させる段階;
前記1次抽出させた混合物を60℃~100℃の温度で2次抽出させる段階;
前記2次抽出させた混合物を40℃~80℃の温度で3次抽出させてキノコ抽出物を製造する段階;及び
前記製造されたキノコ抽出物に原乳、粉乳、糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含む添加剤を混合した後均質化してプレバイオティクス組成物を製造する段階;
を含む製造方法によって得られたプレバイオティクス組成物であって、
前記プレバイオティクス組成物はキノコ抽出物及び添加剤を含み、
前記キノコ抽出物はマンネンタケ抽出物を含み、
前記添加剤は原乳、粉乳、糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含み、
前記キノコ抽出物は前記キノコ抽出物100重量部に対する食物繊維の含量比が60重量部~80重量部であることを特徴とする食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物。
【請求項2】
前記食物繊維は水溶性食物繊維及び不溶性食物繊維を含み、
前記食物繊維全体100重量部に対する前記水溶性食物繊維の含量比は40重量部~80重量部であり、前記不溶性食物繊維の含量比は20重量部~60重量部であることを特徴とする、請求項1に記載の食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物。
【請求項3】
前記キノコ抽出物は前記マンネンタケ抽出物以外に、
椎茸、エリンギ、エノキタケ、ヒラタケ、マッシュルーム、メシマコブ、ブナシメジ、ハナビラタケ、カバノアナタケ、ヤマブシタケ及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるキノコの抽出物を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物。
【請求項4】
前記キノコ抽出物の含量比は前記添加剤100重量部に対して400重量部~600重量部であることを特徴とする、請求項1に記載の食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物。
【請求項5】
前記粉乳は全脂粉乳及び脱脂粉乳から選択される少なくともいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物。
【請求項6】
前記糖は単糖類、二糖類、糖アルコール類、オリゴ糖類、デキストリン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される糖を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物。
【請求項7】
前記オリゴ糖類はフラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるオリゴ糖を含むことを特徴とする、請求項6に記載の食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物。
【請求項8】
前記プレバイオティクス組成物はチコリ抽出物、デキストリン、精製水及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物及び乳酸菌の菌株を含むことを特徴とする食物繊維が豊富なプロバイオティクス組成物。
【請求項10】
前記乳酸菌の菌株はラクトバチルス(Lactobacillus)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ビフィズス菌(Bifidobacterium)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される乳酸菌の菌株を含むことを特徴とする、請求項9に記載の食物繊維が豊富なプロバイオティクス組成物。
【請求項11】
キノコ及び精製水の混合物を抽出器に投入させて80℃~120℃の温度で1次抽出させる段階;
前記1次抽出させた混合物を60℃~100℃の温度で2次抽出させる段階;
前記2次抽出させた混合物を40℃~80℃の温度で3次抽出させてキノコ抽出物を製造する段階;及び
前記製造されたキノコ抽出物に原乳、粉乳、糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含む添加剤を混合した後均質化してプレバイオティクス組成物を製造する段階;
を含むことを特徴とする食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物の製造方法であって、前記キノコがマンネンタケを含み、キノコ抽出物100重量部に対する食物繊維の含量比が60重量部~80重量部である、前記製造方法。
【請求項12】
請求項11で製造したプレバイオティクス組成物に乳酸菌の菌株を接種させる段階;及び
前記接種された乳酸菌の菌株を培養させる段階;
を含むことを特徴とする食物繊維が豊富なプロバイオティクス組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキノコ抽出物を含むプレバイオティクス組成物及びこれを含むプロバイオティクス組成物に関するもので、前記プレバイオティクス組成物は3次抽出したキノコ抽出物を含むことで食物繊維が豊富な特性がある。又、これを含むプロバイオティクス組成物は乳酸菌の菌株の増殖が容易で、豊富な乳酸菌の菌株を保有しているので、乳酸菌の整腸作用及び免疫力向上等の効能だけではなく食物繊維による血糖上昇抑制及び血中コレストロール数値降下効果等抗肥満効果を表する特性がある。
【背景技術】
【0002】
現代社会の科学及び医学発達によって人類平均寿命が日々増加しているが食習慣の変化、ストレス、運動量不足等による肥満、糖尿、高血圧のような成人病発病率が一緒に増加している。このような問題を解決するために最新医薬研究がコツコツとなっているし、天然物質探索及びこれを利用した健康機能食品開発研究も又活発に行われている。
【0003】
日常的に摂取している食材の中でも健康増進及び維持に効果的な生理活性物質を含有しているが、この中食用及び薬用と広く利用されているキノコ類が生理活性物質として大きな関心を得ている。
【0004】
キノコは糖質、たんぱく質、ビタミン、アミノ酸、無機質等のように人体に重要な各種栄養素を満遍なく含有しているし、免疫増強、抗癌、抗ウィルス、抗糖尿、抗血栓、抗高血圧等の生理活性効果が明かされて健康機能食品又は機能性食品として生産と消費増加趨勢を見せている。
【0005】
一方、発酵乳は原乳又は乳加工品(牛乳製品)を乳酸菌、酵母で発酵させたもので、牛乳の栄養成分以外にプロバイオティクス乳酸菌の作用によって生成された有機酸、アミノ酸、ペプチド、微量の生理活性物質と乳酸菌体が含まれていて、食品としての栄養だけではなく、腸内有害細菌の抑制と腸の機能性向上、腸内細菌叢の均衡維持と整腸作用、免疫系の刺激による抗癌効果、血中コレストロール低下効果等現代人の成人病予防と健康増進に卓越した機能を表すると報告されている。
【0006】
これによって機能性物質が添加された色んな形態の発酵乳製品開発が行われていて、発酵乳の機能性だけではなく食品としての嗜好度増進と新しい生理活性が強化された発酵乳に対する研究が活発に行われている。
【0007】
このような生理活性が強化された発酵乳の例としては韓国登録特許第10-0476302号の“成人病予防用発酵乳及びその製造方法”及び韓国公開特許第10-2017-0036254号の“肝機能改善用椎茸発酵物の製造方法”を挙げられる。
【0008】
しかし、前記先行文献のようにキノコ抽出物を含有する発酵乳に対する技術たちが開発されているが、従来と同じ方法で製造された発酵乳に含有された食物繊維を見ると、ほとんど水溶性食物繊維含有量より不溶性食物繊維含有量が桁外れに高いことと表れる。
【0009】
これに従って、飲食物を胃腸に長くとどまるようにして、血糖が徐々に上昇するようにするし、インシュリンが一気に分泌されるのを防止できる生理活性機能を持つ水溶性食物繊維含有量がより高い発酵乳製品に対する研究開発が急な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記した従来技術の問題点を解決するために案出されたもので、キノコ抽出物及び添加剤を含む、食物繊維が豊富なプレバイオティクス及びこれの製造方法を提供することにその目的がある。
【0011】
又、前記プレバイオティクス組成物及び乳酸菌の菌株を含むプロバイオティクス組成物及びこれの製造方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した技術的課題を達成するための技術的手段として、本発明の一側面は、
【0013】
キノコ抽出物及び添加剤を含むプレバイオティクス組成物として、前記キノコ抽出物はマンネンタケ(Lingzhi mushroom)抽出物を含むことであり、前記添加剤は原乳、粉乳(粉ミルク)、糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含むことであり、前記プレバイオティクス組成物は前記キノコ抽出物100重量部対比食物繊維の含量が30重量部以上であることを特徴とする食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物を提供する。
【0014】
前記食物繊維の含量は前記キノコ抽出物100重量部対比60重量部乃至80重量部であることを特徴とするものであってよい。
【0015】
前記食物繊維は水溶性食物繊維及び不溶性食物繊維を含むことであり、前記食物繊維全体100重量部対比前記水溶性食物繊維の含量は40重量部乃至80重量部であり、前記不溶性食物繊維の含量は20重量部乃至60重量部であることを特徴とするものであってよい。
【0016】
前記キノコ抽出物は前記マンネンタケ抽出物以外に、椎茸(Lentinula edodes)、エリンギ(King Oyster Mushroom)、エノキタケ(Enoki mushroom)、ヒラタケ(Oyster mushroom)、マッシュルーム(Agaricus bisporus)、メシマコブ(Phellinus linteus)、ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)、カバノアナタケ(チャーガ、Inonotus obliquus)、ヤマブシタケ(Hericium erinaceus)及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるキノコの抽出物を更に含むことを特徴とするものであってよい。
【0017】
前記キノコ抽出物の含量は前記添加剤100重量部対比400重量部乃至600重量部であることを特徴とするものであってよい。
【0018】
前記粉乳は全脂粉乳及び脱脂粉乳から選択される少なくともいずれか一つであることを特徴とするものであってよい。
【0019】
前記糖は単糖類、二糖類、糖アルコール類、オリゴ糖類、デキストリン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される糖を含むことを特徴とするものであってよい。
【0020】
前記オリゴ糖類はフラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるオリゴ糖を含むことを特徴とするものであってよい。
【0021】
前記プレバイオティクス組成物はチコリ抽出物、デキストリン、精製水及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を更に含むことを特徴とするものであってよい。
【0022】
又、本発明の他の一側面は、
前記食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物及び乳酸菌の菌株を含むことを特徴とする食物繊維が豊富なプロバイオティクス組成物を提供する。
【0023】
前記乳酸菌の菌株はラクトバチルス(Lactobacillus)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ビフィズス菌(ビフィドバクテリウム、Bifidobacterium)、複合乳酸菌ABT-B菌株及びこれらの組み合わせからなる群から選択される乳酸菌の菌株を含むことを特徴とするものであってよい。
【0024】
又、本発明のまた他の一側面は、
キノコ及び精製水の混合物を抽出器に投入させて80℃乃至120℃の温度で1次抽出させる段階;前記1次抽出させた混合物を60℃乃至100℃の温度で2次抽出させる段階;前記2次抽出させた混合物を40℃乃至80℃の温度で3次抽出させてキノコ抽出物を製造する段階;及び前記製造されたキノコ抽出物に原乳、粉乳、糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含む添加剤を混合した後均質化してプレバイオティクス組成物を製造する段階;を含むことを特徴とする食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物の製造方法を提供する。
【0025】
前記キノコ抽出物はマンネンタケ抽出物を含むことを特徴とするものであってよい。
【0026】
前記プレバイオティクス組成物は前記キノコ抽出物100重量部対比食物繊維の含量が30重量部以上であることを特徴とするものであってよい。
【0027】
又、本発明の最後の他の一側面は、
前記製造したプレバイオティクス組成物に乳酸菌の菌株を接種させる段階;及び前記接種された乳酸菌の菌株を培養させる段階;を含むことを特徴とする食物繊維が豊富なプロバイオティクス組成物の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明に従う、プレバイオティクス組成物は3次抽出したキノコ抽出物を含むことで豊富な食物繊維を有するものであることができる。又、前記キノコ抽出物に含まれた食物繊維は不溶性食物繊維だけではなく生理活性機能を持つ水溶性食物繊維を多量含有するものであることができる。従って、前記プレバイオティクス組成物を摂取する場合、豊富な食物繊維によって便通を大きく向上させる効果を有するものであることができる。
【0029】
又、前記プレバイオティクス組成物に乳酸菌の菌株を接種して培養する場合、より優れた乳酸菌増殖率を表するものであることができる。これに従って前記プレバイオティクス組成物に乳酸菌の菌株を接種して培養したプロバイオティクス組成物は豊富な乳酸菌の菌株を保有するものであることができる。従って、前記プロバイオティクス組成物は乳酸菌の整腸作用及び免疫力向上等の効能だけではなく食物繊維による血糖上昇抑制及び血中コレストロール数値降下効果等抗肥満効果を表するものであることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1は本発明の一具現例に従ったプレバイオティクス組成物の製造方法を概略的に表したフローチャートである。
【0031】
図2は本発明の一具現例に従ったプロバイオティクス組成物の製造方法を概略的に表したフローチャートである。
【0032】
図3a及び3bは一般的な食品に含有されている食物繊維の含量を表したグラフである。
【0033】
図4は本発明の一実施例及び比較例に従って製造されたヨーグルトの抗肥満効果を表したグラフである。
【0034】
図5a及び5bはそれぞれ本発明の一実施例及び比較例に従って製造されたヨーグルトの中性脂肪含量減少効果及び総コレストロール含量減少効果を表したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例に対して詳細に説明する。しかし、本発明は色んな相異なる形態に具現できるしここで説明する実施例に限定されない。
【0036】
実施例.プロバイオティクス組成物を含むヨーグルトの製造
1.キノコ抽出物の製造
キノコ抽出物を製造するため、先ず、マンネンタケ、椎茸及びエリンギを0.02:0.2:2の重量比率で精製水と混合した後、抽出器に入れて100℃の温度で2時間の間加熱させて1次抽出を行った。以後、1次抽出を行った前記混合物を常温で1時間くらい放冷させた後、また80℃の温度で2時間の間加熱させて2次抽出を行った。その後、2次抽出を行った前記混合物を常温で1時間くらい放冷させた後、最後に60℃の温度で2時間の間加熱させて3次抽出を行った。以後、前記3次抽出を行った前記混合物を常温で15時間くらい放冷させてキノコ抽出物を製造した。
【0037】
2.プレバイオティクス組成物の製造
前記1.で製造したキノコ抽出物82.965gに脱脂粉乳10g、フラクトオリゴ糖3g、デキストリン2g及びチコリ抽出物粉末2gを混合して、これを均質化してプレバイオティクス組成物を製造した。以後、前記製造したプレバイオティクス組成物を100℃の温度で1時間の間加熱して滅菌処理を行った後、これを36℃乃至40℃の温度に冷却させた。
【0038】
3.プロバイオティクス組成物を含むヨーグルトの製造
前記2.で製造したプレバイオティクス組成物99.965gに複合乳酸菌ABT-B菌株0.035gを接種し、これを恒温培養器で約5時間乃至8時間の間発酵させた後、5℃以下の温度で熟成させてプロバイオティクス組成物を含むヨーグルトを製造した。
【0039】
比較例1.キノコ抽出物の製造
比較例に従ったキノコ抽出物を製造するためマンネンタケ、椎茸及びエリンギを0.02:0.2:2の重量比率で精製水と混合した後、抽出器に入れて100℃の温度で2時間の間加熱させて抽出を行った。以後、前記抽出を行った前記混合物を常温で15時間くらい放冷させてキノコ抽出物を製造した。
【0040】
比較例2.一般的なヨーグルトの製造
比較例に従った一般的なヨーグルトを製造するため、先ず、原乳と砂糖を混合してこれを均質化させて乳酸その菌培地組成物を製造したし、これを100℃の温度で1時間の間加熱して滅菌処理を行った後、これを36℃乃至40℃の温度で冷却させた。その後、前記乳酸菌培地組成物99.965gに複合乳酸菌ABT-B菌株0.035gを接種して、これを恒温培養器で約5時間乃至8時間の間発酵させた後、5℃以下の温度で熟成させて一般的なヨーグルトを製造した。
【0041】
実験例1.キノコ抽出物の食物繊維含有量測定
前記実施例の1.で製造したキノコ抽出物及び比較例1に従ったキノコ抽出物の含有された食物繊維の含量を測定したし、これの結果を下記表1に表した。
【0042】
【表1】
【0043】
前記表1に表した通り、本発明の実施例に従って3次抽出を行ったキノコ抽出物が比較例1の1次抽出だけを行ったキノコ抽出物に比べて桁外れに高い食物繊維含有量を持つことを確認できた。これを通じて、実施例に従って製造したキノコ抽出物は同一な量で摂取量を増大させることで糖分の吸収を遅くして血糖の急激な上昇を抑制し、胃と大腸を通過する時、水分と一緒に腸内脂肪を吸着して排出させる作用をするため便通効果を大きく向上させられることを確認できた。
【0044】
実験例2.乳酸菌増殖率測定
前記実施例の2.で製造したプレバイオティクス組成物と比較例2に従った乳酸菌培地組成物の乳酸菌増殖程度を確認するため、前記実施例及び比較例2に従った組成物をそれぞれ100μLずつ取って希釈液で希釈させた後、Petri dishに1mLの希釈液を入れた後Pouring法によってWater bathにあるBCP培地に塗抹した。以後、これをIncubatorで37℃の温度で72時間乃至84時間の間培養させた後、現れたcolonyの個数を確認して希釈倍数を掛けた生菌数を計算してその結果を下記表2に表した。
【0045】
【表2】
【0046】
前記表2に表した通り、本発明の実施例に従って製造したプレバイオティクス組成物は比較例2に従った乳酸菌培地組成物に比べて桁外れに高い乳酸菌増殖率を持つことを確認できた。
【0047】
実験例3.抗肥満効果測定
前記実施例で製造したヨーグルトのコレストロール及び脂肪蓄積阻害に及ぼす影響を実験動物を利用して検討した。実験動物であるネズミ(rat)は4週齡を購入して使用したし正常食餌群(normal feeding control rat、NC)、高脂肪食餌対照群(high fat feeding control rat、HC)、低濃度ヨーグルト投与高脂肪食餌群(high fat rat with yogurt、HM)及び高濃度ヨーグルト投与高脂肪食餌群(high fat rat with large yogurt、HH)に分けて飼育したし、この体重変化量を測定してその結果を図4に表した。
【0048】
その結果、図4に表した通り、高脂肪食餌摂取で肥満を誘導した高脂肪食餌対照群の体重増加量が75gであることに反して、低濃度ヨーグルト投与した高脂肪食餌群(HM)の体重増加量は59gで高脂肪食餌対照群対比21.3%肥満抑制効果を見せたし、なおかつ高濃度ヨーグルト投与高脂肪食餌群(HH)は高脂肪食餌対照群対比体重減少量が45gで60%の肥満抑制効果を表すことを確認できた。
【0049】
又、前記ネズミの血清中の中性脂肪含量変化量及び総コレストロール含量変化量を測定したし、その結果を図5a及び5bにそれぞれ表した。
【0050】
先ず、図5aに表した通り、高脂肪食餌誘導肥満ネズミにヨーグルトを投与する場合、血清の中性脂肪の含量を減少させたし中性脂肪含量は高脂肪食餌対照群に比べて36%の顕著な低下を見せた。
【0051】
又、図5bに表した通り、血清中の総コレストロール含量は正常食餌を給与した正常群に比べて高脂肪食餌対照群で差がないがHMとHHのヨーグルト投与群では有意的に総コレストロール含量が減少してHHのヨーグルト投与群は実験群に比べて37%が減少することを分かることができた。
【0052】
以上、図面を参照して好ましい実施例と一緒に本発明に対して詳細に説明したが、このような図面と実施例で本発明の技術的思想の範囲が限定されるのではない。従って、本発明の技術的思想の範囲内で多様な変形例又は均等な範囲の実施例が存在できる。従って本発明に従う、技術的思想の権利範囲は請求範囲によって解釈されるべきであり、これと同等であったり、均等な範囲内の技術思想は本発明の権利範囲に属するものと解釈されるべきである。
【発明の実施のための形態】
【0053】
後述する本発明に対する説明は、本発明が実施できる特定実施例を例示として参照する。これら実施例は当業者が本発明を実施するのに十分であるように詳細に説明される。本発明の多様な実施例は互いに違うが相互排除的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、ここに記載されている特定形象、構造及び特性は一実施例に関して本発明の技術的思想及び範囲を外れないながら他の実施例で具現できる。又、それぞれの開示された実施例内の個別構成要素の位置又は配置は本発明の技術的思想及び範囲を外れないながら変更できることが理解されるべきである。
【0054】
従って、後述する詳細な説明は限定的な意味として取ろうとするのではないし、本発明の範囲は、適切に説明されるなら、その請求項たちが主張するのと均等な全ての範囲と一緒に添付された請求項によりだけ限定される。
【0055】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の好ましい実施例たちに関して参照して詳細に説明することにする。
【0056】
本願の第1側面は、
キノコ抽出物及び添加剤を含むプレバイオティクス組成物として、前記キノコ抽出物はマンネンタケ抽出物を含むことであり、前記添加剤は原乳、粉乳、糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含むことであり、前記プレバイオティクス組成物は前記キノコ抽出物100重量部対比食物繊維の含量が30重量部以上であることを特徴とする食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物を提供する。
【0057】
本願の第2側面は、
前記本願の第1側面に従った食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物及び乳酸菌の菌株を含むことを特徴とする食物繊維が豊富なプロバイオティクス組成物を提供する。
【0058】
以下、本願の第1側面に従った食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物及び本願の第2側面に従った食物繊維が豊富なプロバイオティクス組成物を詳細に説明することにする。
【0059】
本願の一具現例にあって、前記プレバイオティクス組成物はキノコ抽出物を含むものであることができる。一般的に味が良い食用キノコにはアミノ酸、マンニット、トレハロース等がたくさんあるし、その他にビタミンB2とビタミンDの前駆体であるエルゴステリンのような色んなビタミン類と酵素も入っていると知られている。又、最近キノコは抗癌効果、抗変異原性効果、血清脂質低下効果、免疫増強効果等老化抑制及び成人病予防と治療に効験があると知られながら食用だけではなく薬用でもその利用性が日々増大しているが、このような生理活性が期待されるキノコ類にはマンネンタケ、椎茸、エリンギ、メシマコブ、アガリクス(ヒラタケ)、ササクレヒトヨタケ(Coprinus)、キクラゲ(Auricularia auricula-judae)、ツリガネタケ(ホクチタケ、Fomes fomentarius)及びイワタケ(Umbilicaria esculenta)等の食用及び薬用キノコ類が知られている。
【0060】
特に、マンネンタケの薬効成分で熱水抽出液に含有されている多糖類とたんぱく質複合体であるpolysaccharide protein complexが報告されたことがあり、癌細胞生育抑制、本態性高血圧治療、過酸化脂質生成抑制効果等が報告されたことがある。食用で広く利用されている椎茸には抗癌作用、コレストロール低下作用、強壮、利尿、高血圧、腎臓炎、喘息、胃潰瘍等の治療にも効能があって薬用としても広く利用されているし、椎茸熱水抽出物は血清及び肝臓の脂質低下作用及び肝損傷抑制作用が報告されたことがある。又、エリンギの多糖類抽出物は血清コレストロール低下効果及び四塩化炭素誘発肝損傷抑制作用とエリンギ子実体及び菌糸体抽出物の抗酸化効果があることと報告されたことがある。
【0061】
本願の一具現例にあって、前記キノコ抽出物はマンネンタケ抽出物を含むことがあり、前記抽出物に使用されるマンネンタケは図3a及び3bに表した通り、他のキノコや食品に比べて高い総食物繊維含有量を持つのでこれを含む前記プレバイオティクス組成物が豊富な食物繊維含有量を有するものであることができる。一方、前記マンネンタケは不溶性食物繊維に比べて桁外れに高い水溶性食物繊維含有量を持つので高い生理活性を有するものであることができる。
【0062】
本願の一具現例にあって、前記キノコ抽出物は前記マンネンタケ抽出物以外に、椎茸、エリンギ、エノキタケ、ヒラタケ、マッシュルーム、メシマコブ、ブナシメジ、ハナビラタケ、カバノアナタケ、ヤマブシタケ及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるキノコの抽出物を更に含むことがあり、好ましく椎茸及びエリンギの抽出物を更に含むものであることができる。即ち、本願の一実施例によると前記プレバイオティクス組成物に含まれるキノコ抽出物はマンネンタケ抽出物、椎茸抽出物及びエリンギ抽出物であることができる。この場合、前記マンネンタケ抽出物1重量部対比前記椎茸抽出物の含量は5重量部乃至20重量部でありうるし、前記エリンギ抽出物の含量は50重量部乃至200重量部であるものであることができる。好ましく本願の一実施例に従うと前記マンネンタケ抽出物1重量部対比前記椎茸抽出物の含量は10重量部であり、前記エリンギ抽出物の含量は100重量部であるものであることができる。
【0063】
本願の一具現例にあって、前記キノコ抽出物は子実体又は菌糸体の抽出物でありうるし、好ましくは子実体抽出物を使用するものであることができる。
【0064】
本願の一具現例にあって、前記プレバイオティクス組成物は添加剤を含むものであることができる。この時、前記添加剤は原乳、粉乳、糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含むものであることができる。一方、前記添加剤は前記キノコ抽出物と混合されて、均質化されることで乳酸菌培養組成物、即ちプレバイオティクス組成物を成すものであることができる。この時、前記キノコ抽出物の含量は前記添加剤100重量部対比400重量部乃至600重量部でありうるし、好ましく400重量部乃至500重量部でありうるし、より好ましくは450重量部乃至500重量部であるものであることができる。一方、前記キノコ抽出物の含量が前記添加剤100重量部対比400重量部未満である場合前記キノコ抽出物の含量が相対的に少なくてこれを含むプレバイオティクス組成物が食物繊維を少なく含有できるし、600重量部超過である場合前記添加剤の含量が相対的に少なく、追って乳酸菌培養に難しさが発生することがある。本願の一実施例に従うと前記キノコ抽出物の含量は前記添加剤100重量部対比約487重量部であるものであることができる。
【0065】
本願の一具現例にあって、前記粉乳は全脂粉乳及び/又は脱脂粉乳を使用することがあり、好ましくは脱脂粉乳を使用するものであることができる。一方、前記粉乳の他にも原乳が混用可能なことでありうるし、これは製造しようとするプレバイオティクス組成物の特性に合うように使用者が適切に選択して使用するものであることができる。この時、前記原乳又は粉乳の含量は前記キノコ抽出物100重量部対比5重量部乃至20重量部でありうるし、好ましく10重量部乃至15重量部でありうるし、本願の一実施例に従うと約12重量部であるものであることができる。前記原乳又は粉乳の含量が前記範囲を逃れる場合前記添加剤の適正含量範囲を逃れる場合と同一な問題が発生することがある。
【0066】
本願の一具現例にあって、前記糖は単糖類、二糖類、糖アルコール類、オリゴ糖類、デキストリン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される糖を含むことでありうるし、好ましくオリゴ糖類を含むものであることができる。一方、前記糖がオリゴ糖類を含む場合、前記オリゴ糖類はフラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるオリゴ糖を含むことがあり、好ましくフラクトオリゴ糖を含むものであることができる。一方、前記糖の含量は前記キノコ抽出物100重量部対比1重量部乃至5重量部でありうるし、本願の一実施例に従うと約3.6重量部であるものであることができる。前記糖の含量が前記範囲を逃れる場合同様に前記添加剤の適正含量範囲を逃れる場合と同一な問題が発生することがある。
【0067】
本願の一具現例にあって、前記プレバイオティクス組成物は前記物質たちの他にチコリ抽出物、デキストリン、精製水及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を更に含むものであることができる。この時、前記チコリ抽出物及びデキストリンの含量は前記キノコ抽出物100重量部対比1重量部乃至5重量部でありうるし、本願の一実施例に従うと約2.4重量部であるものであることができる。
【0068】
本願の一具現例にあって、前記プレバイオティクス組成物はキノコ抽出物を含むことで高い食物繊維含有量を持つことがあり、この時前記食物繊維の含量はキノコ抽出物100重量部対比30重量部以上でありうるし、好ましくは60重量部乃至80重量部でありうるし、本願の一実施例に従うと約67.16重量部であるものであることができる。即ち、前記プレバイオティクスの高い食物繊維含有量は前記キノコ抽出物がマンネンタケ抽出物を含むためでありうるし、前記キノコ抽出物を3次抽出して製造することで達成可能なものであることができる。
【0069】
本願の一具現例にあって、前記食物繊維は水溶性食物繊維及び不溶性食物繊維を含むことでありうるし、この時、前記食物繊維全体100重量部対比前記水溶性食物繊維の含量は40重量部乃至80重量部であり、前記不溶性食物繊維の含量は20重量部乃至60重量部であるものであることができる。即ち、一般的に市中に流通されるプレバイオティクス組成物の場合食物繊維全体100重量部対比前記水溶性食物繊維の含量が約20重量部であり、不溶性食物繊維の含量が約80重量部である反面、本発明に従う、プレバイオティクス組成物の場合前記のように高い水溶性食物繊維の含量を持つため生理活性機能が優秀なものであることができる。従って、前記プレバイオティクス組成物を摂取する場合、豊富な食物繊維によって便通が大きく向上される効果を有するものであることができる。この時、好ましく前記食物繊維全体100重量部対比前記水溶性食物繊維の含量は約60重量部であり、前記不溶性食物繊維の含量は約40重量部であるものであることができる。
【0070】
本願の一具現例にあって、前記プロバイオティクス組成物は前記したプレバイオティクス組成物及び乳酸菌の菌株を含むものであることができる。この時、前記プレバイオティクス組成物は優秀な乳酸菌の菌株の増殖能力を有するものでありうるし、これに従って前記プロバイオティクス組成物は豊富な乳酸菌の菌株を保有するものであることができる。従って、前記プロバイオティクス組成物は乳酸菌の整腸作用及び免疫力向上等の効能だけではなく食物繊維による血糖上昇抑制及び血中コレストロール数値降下効果等抗肥満効果を表するものであることができる。
【0071】
本願の一具現例にあって、前記乳酸菌の菌株はラクトバチルス(Lactobacillus)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ビフィズス菌(Bifidobacterium)、複合乳酸菌ABT-B菌株及びこれらの組み合わせからなる群から選択される乳酸菌の菌株を含むことがあり、本願の一実施例に従うと前記乳酸菌の菌株は複合乳酸菌ABT-B菌株であるものであることができる。
【0072】
本願の第3側面は、
キノコ及び精製水の混合物を抽出器に投入させて80℃乃至120℃の温度で1次抽出させる段階;前記1次抽出させた混合物を60℃乃至100℃の温度で2次抽出させる段階;前記2次抽出させた混合物を40℃乃至80℃の温度で3次抽出させてキノコ抽出物を製造する段階;及び前記製造されたキノコ抽出物に原乳、粉乳、糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含む添加剤を混合した後均質化してプレバイオティクス組成物を製造する段階;を含むことを特徴とする食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物の製造方法を提供する。
【0073】
本願の第4側面は、
前記本願の第3側面で製造したプレバイオティクス組成物に乳酸菌の菌株を接種させる段階;及び前記接種された乳酸菌の菌株を培養させる段階;を含むことを特徴とする食物繊維が豊富なプロバイオティクス組成物の製造方法を提供する。
【0074】
本願の第1側面及び第2側面と重複される部分たちに対しては詳細な説明を省略したが、本願の第1側面及び第2側面に対して説明した内容は第3側面及び第4側面でその説明が省略されたとしても同一に適用できる。
【0075】
以下、本願の第3側面に従った食物繊維が豊富なプレバイオティクス組成物の製造方法及び本願の第4側面に従った食物繊維が豊富なプロバイオティクス組成物の製造方法を図1及び2を参照して詳細に説明する。この時、前記図1はプレバイオティクス組成物の製造方法を概略的に表したフローチャートであり、図2はプロバイオティクス組成物の製造方法を概略的に表したフローチャートである。
【0076】
先ず、本願の一具現例にあって、前記プレバイオティクス組成物の製造方法はキノコ及び精製水の混合物を抽出器に投入させて80℃乃至120℃の温度で1次抽出させる段階;(S100)を含むものであることができる。
【0077】
本願の一具現例にあって、前記抽出器は一般的に抽出を行う機器を使用することがあり、前記抽出は好ましく熱水抽出であるものであることができる。一方、前記1次抽出段階は80℃乃至120℃の温度で1時間乃至3時間の間行うことがあり、好ましく約100℃の温度で約2時間の間行うものであることができる。又、前記1次抽出を行った後、前記混合物を1次冷却させることであることがあるし、この時前記冷却は常温の温度で約1時間の間放冷させることで行われるものであることができる。
【0078】
本願の一具現例にあって、前記キノコはマンネンタケを含むことでありうるし、前記マンネンタケは図3a及び3bに表した通り、他のキノコや食品に比べて高い総食物繊維含有量を持つためこれを含む前記プレバイオティクス組成物が豊富な食物繊維含有量を有するものであることができる。一方、前記マンネンタケは不溶性食物繊維に比べて桁外れに高い水溶性食物繊維含有量を持つため高い生理活性を有するものであることができる。
【0079】
本願の一具現例にあって、前記キノコは前記マンネンタケの他に、椎茸、エリンギ、エノキタケ、ヒラタケ、マッシュルーム、メシマコブ、ブナシメジ、ハナビラタケ、カバノアナタケ、ヤマブシタケ及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるキノコを更に含むことでありうるし、好ましく椎茸及びエリンギを更に含むものであることができる。即ち、本願の一実施例によると前記プレバイオティクス組成物の製造方法に使用されるキノコはマンネンタケ、椎茸及びエリンギであることができる。この場合、前記マンネンタケ1重量部対比前記椎茸の含量は5重量部乃至20重量部でありうるし、前記エリンギの含量は50重量部乃至200重量部であるものであることができる。好ましく本願の一実施例に従うと前記マンネンタケ1重量部対比前記椎茸の含量は10重量部であり、前記エリンギの含量は100重量部であるものであることができる。
【0080】
次に、本願の一具現例にあって、前記プレバイオティクス組成物の製造方法は前記1次抽出させた混合物を60℃乃至100℃の温度で2次抽出させる段階;(S200)を含むものであることができる。
【0081】
本願の一具現例にあって、前記2次抽出は好ましく熱水抽出でありうるし、前記2次抽出段階は60℃乃至100℃の温度で1時間乃至3時間の間行うことがあり、好ましく約80℃の温度で約2時間の間行うものであることができる。又、前記2次抽出を行った後、前記混合物を2次冷却させることであることがあるし、この時前記冷却は常温の温度で約1時間の間放冷させることで行われるものであることができる。
【0082】
次に、本願の一具現例にあって、前記プレバイオティクス組成物の製造方法は前記2次抽出させた混合物を40℃乃至80℃の温度で3次抽出させてキノコ抽出物を製造する段階;(S300)を含むものであることができる。
【0083】
本願の一具現例にあって、前記3次抽出は好ましく熱水抽出でありうるし、前記3次抽出段階は40℃乃至80℃の温度で1時間乃至3時間の間行うことがあり、好ましく約60℃の温度で約2時間の間行うものであることができる。又、前記3次抽出を行った後、前記混合物を3次冷却させることであることがあるし、この時前記冷却は常温の温度で約15時間の間放冷させることで行われるものであることができる。
【0084】
次に、本願の一具現例にあって、前記プレバイオティクス組成物の製造方法は前記製造されたキノコ抽出物に原乳、粉乳、糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含む添加剤を混合した後均質化してプレバイオティクス組成物を製造する段階;(S400)を含むものであることができる。
【0085】
本願の一具現例にあって、前記添加剤は前記キノコ抽出物と混合されて、均質化されることで乳酸菌培養組成物、即ちプレバイオティクス組成物を成すものであることができる。この時、前記キノコ抽出物の含量は前記添加剤100重量部対比400重量部乃至600重量部でありうるし、好ましく400重量部乃至500重量部でありうるし、より好ましくは450重量部乃至500重量部であるものであることができる。一方、前記キノコ抽出物の含量が前記添加剤100重量部対比400重量部未満である場合前記キノコ抽出物の含量が相対的に少なく、これを含むプレバイオティクス組成物が食物繊維を少なく含有できるし、600重量部超過である場合前記添加剤の含量が相対的に少なく、追って乳酸菌培養に難しさが発生することがある。本願の一実施例に従うと前記キノコ抽出物の含量は前記添加剤100重量部対比約487重量部であるものであることができる。
【0086】
本願の一具現例にあって、前記添加剤は前記した物質たちの他にチコリ抽出物、デキストリン、精製水及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を更に含むものであることができる。以下、前記添加剤に含まれる物質の具体的な種類及び含量範囲に対しては前記本願の第1側面及び第2側面で詳細に説明しているので以下具体的な説明を省略することにする。
【0087】
次に、本願の一具現例にあって、前記プロバイオティクス組成物の製造方法は前記製造したプレバイオティクス組成物に乳酸菌の菌株を接種させる段階;(S500)及び前記接種された乳酸菌の菌株を培養させる段階;(S600)を含むものであることができる。
【0088】
本願の一具現例にあって、前記プレバイオティクス組成物に乳酸菌の菌株を接種させる前に、製造したプレバイオティクス組成物を約100℃の温度で1時間の間滅菌処理して、約30℃乃至40℃の温度で冷却させた後乳酸菌の菌株を接種させることであることができる。以後乳酸菌の菌株を接種したプレバイオティクス組成物を恒温培養器で約5時間乃至8時間くらい発酵させた後、5℃以下の温度で熟成させることでプロバイオティクス組成物を製造するものであることができる。
【0089】
本願の一具現例にあって、前記乳酸菌の菌株はラクトバチルス(Lactobacillus)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ビフィズス菌(Bifidobacterium)、複合乳酸菌ABT-B菌株及びこれらの組み合わせからなる群から選択される乳酸菌の菌株を含むことがあり、本願の一実施例に従うと前記乳酸菌の菌株は複合乳酸菌ABT-B菌株であるものであることができる。
【0090】
本願の一具現例にあって、前記接種される乳酸菌の菌株の含量は前記キノコ抽出物100重量部対比0.01重量部乃至0.1重量部でありうるし、本発明の一実施例に従うと約0.042重量部であるものであることができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明に従う、プレバイオティクス組成物は3次抽出したキノコ抽出物を含むことで豊富な食物繊維を有するものであることができる。又、前記キノコ抽出物に含まれた食物繊維は不溶性食物繊維だけではなく生理活性機能を持つ水溶性食物繊維を多量含有するものであることができる。従って、前記プレバイオティクス組成物を摂取する場合、豊富な食物繊維によって便通を大きく向上させる効果を有するものであることができる。
【0092】
又、前記プレバイオティクス組成物に乳酸菌の菌株を接種して培養する場合、より優れた乳酸菌増殖率を表するものであることができる。これに従って前記プレバイオティクス組成物に乳酸菌の菌株を接種して培養したプロバイオティクス組成物は豊富な乳酸菌の菌株を保有するものであることができる。従って、前記プロバイオティクス組成物は乳酸菌の整腸作用及び免疫力向上等の効能だけではなく食物繊維による血糖上昇抑制及び血中コレストロール数値降下効果等抗肥満効果を表するものであることができる。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図5b