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特許7434307ニトロ化合物の水素化反応プロセス、および水素化反応装置
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  • 特許-ニトロ化合物の水素化反応プロセス、および水素化反応装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】ニトロ化合物の水素化反応プロセス、および水素化反応装置
(51)【国際特許分類】
   C07C 209/36 20060101AFI20240213BHJP
   B01J 8/24 20060101ALI20240213BHJP
   C07C 211/46 20060101ALI20240213BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20240213BHJP
【FI】
C07C209/36
B01J8/24
C07C211/46
C07B61/00 300
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021521340
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 CN2019111641
(87)【国際公開番号】W WO2020078413
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】201811207014.5
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】509128052
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司上海石油化工研究院
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI RESEARCH INSTITUTE OF PETROCHEMICAL TECHNOLOGY SINOPEC
【住所又は居所原語表記】NO.1658 PUDONG BEI ROAD,PUDONG NEW AREA,SHANGHAI 201208,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】鐘思青
(72)【発明者】
【氏名】徐俊
(72)【発明者】
【氏名】趙楽
(72)【発明者】
【氏名】呉糧華
【審査官】藤代 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-260858(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0280271(US,A1)
【文献】特表2012-526741(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0065431(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0031729(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1754625(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106732822(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1270853(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1762567(CN,A)
【文献】中国実用新案第2757912(CN,Y)
【文献】中国特許出願公開第101474582(CN,A)
【文献】米国特許第05380426(US,A)
【文献】特表2002-519503(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101016247(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106866429(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1206707(CN,A)
【文献】特開昭62-053745(JP,A)
【文献】特表2013-537480(JP,A)
【文献】特表2022-505350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 209/36
B01J 8/24
C07C 211/46
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニトロ化合物の水素化反応プロセスであって、
前記ニトロ化合物の水素化反応プロセスは、水素化工程、再生工程、任意の活性化工程、および再循環工程を含み、
前記水素化工程において、反応原料としてのニトロ化合物を水素化反応器と称する反応器において水素ガスおよび水素化触媒と接触させて、反応生成物および使用済み触媒を得て
前記再生工程において、前記使用済み触媒を再生反応器と称する反応器において再生し、再生触媒を得て
前記任意の活性化工程において、前記再生触媒を活性化反応器と称する反応器において活性化し、活性化触媒を得て
前記再循環工程において、前記再生触媒および/または前記活性化触媒を前記水素化工程に再循環させ;
ここで、前記水素化工程と前記再生工程との間に前記使用済み触媒を脱気する少なくとも1つの工程であって、水素化脱気工程と称する工程が存在し、
(1)前記活性化工程が存在する場合、前記再生工程と前記活性化工程との間に前記再生触媒を脱気する少なくとも1つの工程であって、第1の再生脱気工程と称する工程が存在し、任意に、前記活性化工程と前記再循環工程との間に前記活性化触媒を脱気する少なくとも1つの工程であって、活性化脱気工程と称する工程が存在し、任意に、前記再生工程と前記再循環工程との間に前記再生触媒を脱気する少なくとも1つの工程であって、第2の再生脱気工程と称する工程が存在しまたは
(2)前記活性化工程が存在しない場合、前記再生工程と前記再循環工程との間に前記再生触媒を脱気する少なくとも1つの工程であって、第3の再生脱気工程と称する工程が存在し、
前記水素化工程から前記水素化脱気工程に輸送される前記使用済み触媒の平均質量流量であって、単位kg/hである平均質量流量をA1とし、
前記水素化脱気工程から前記再生工程に輸送される前記使用済み触媒の平均質量流量であって、単位がkg/hである平均質量流量をB1とし、
前記再生工程から前記第1の再生脱気工程に輸送される前記再生触媒の平均質量流量であって、単位がkg/hである平均質量流量をA2とし、
前記第1の再生脱気工程から前記活性化工程に輸送される前記再生触媒の平均質量流量であって、単位がkg/hである平均質量流量をB2とし、
前記活性化工程から前記活性化脱気工程に輸送される前記活性化触媒の平均質量流量であって、単位がkg/hである平均質量流量をA3とし、
前記活性化脱気工程から前記再循環工程に移送される前記活性化触媒の平均質量流量であって、単位がkg/hである平均質量流量をB3とし、
前記再生工程から第2の前記再生脱気工程に輸送される前記再生触媒の平均質量流量であって、単位がkg/hである平均質量流量をA4とし、
前記第2の再生脱気工程から前記再循環工程に輸送される前記再生触媒の平均質量流量であって、単位がkg/hである平均質量流量をB4とし、
前記再生工程から前記第3の再生脱気工程に輸送される前記再生触媒の平均質量流量であって、単位がkg/hである平均質量流量をA5とし、
前記第3の再生脱気工程から前記再循環工程に輸送される前記再生触媒の平均質量流量であって、単位がkg/hである平均質量流量をB5とし、
前記再循環工程から前記水素化工程に輸送される前記再生触媒または前記活性化触媒の平均質量流量であって、単位がkg/hである平均質量流量をA6とすると、
A1~A6およびB1~B5の全てが5~100kg/hであることを特徴とする、水素化反応プロセス。
【請求項2】
前記ニトロ化合物はニトロベンゼンであり、および/または、
前記水素化反応器は流動床反応器であり、および/または、
前記反応生成物はアニリンであり、および/または、
前記再生反応器は流動床反応器であり、および/または、
前記活性化反応器は流動床反応器であり、および/または、
前記再生触媒および/または前記活性化触媒を上昇パイプを用いて前記水素化工程に再循環させ、および/または
A1~A6およびB1~B5の全てが10~30kg/hである、
請求項1に記載の水素化反応プロセス。
【請求項3】
前記水素化工程から前記水素化脱気工程へ輸送される前記使用済み触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率であって、単位である粒子体積分率をC1、
前記水素化脱気工程から前記再生工程へ輸送される前記使用済み触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率であって、単位である粒子体積分率をD1とし、
前記再生工程から前記第1の再生脱気工程へ輸送される前記再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率であって、単位である粒子体積分率をC2とし、
前記第1の再生脱気工程から前記活性化工程へ輸送される前記再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率であって、単位である粒子体積分率をD2とし、
前記活性化工程から前記活性化脱気工程へ輸送される前記活性化触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率であって、単位である粒子体積分率をC3とし、
前記活性化脱気工程から前記再循環工程へ輸送される前記活性化触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率であって、単位である粒子体積分率をD3とし、
前記再生工程から前記第2の再生脱気工程へ輸送される前記再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率であって、単位である粒子体積分率をC4とし、
前記第2の再生脱気工程から前記再循環工程へ輸送される前記再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率であって、単位である粒子体積分率をD4とし、
前記再生工程から前記第3の再生脱気工程へ輸送される前記再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率であって、単位である粒子体積分率をC5とし、
前記第3の再生脱気工程から前記再循環工程へ輸送される前記再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率であって、単位である粒子体積分率をD5とし、
前記再循環工程から前記水素化工程へ輸送される前記再生触媒、または活性化触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率であって、単位である粒子体積分率をC6とすると、
C1~C6およびD1~D5のすべてが0.1~15%である、
請求項1に記載の水素化反応プロセス。
【請求項4】
C1~C6およびD1~D5のすべてが0.5~5%である、
請求項3に記載の水素化反応プロセス。
【請求項5】
前記水素化工程の反応条件は:空塔ガス速度は0.2~0.8m/sであり、反応原料に対する水素ガスのモル比は6~21であり、反応温度は220~280℃であり、反応圧力はゲージ圧が0.05~1MPaであることを含み、および/または、
前記再生工程の反応条件は:酸素含有ガスの存在下で、空塔ガス速度は0.1~0.6m/sであり、反応温度は350~450℃であり、反応圧力はゲージ圧が0.05~1MPaであることを含み、および/または
前記活性化工程の反応状態は:水素ガスの存在下で、空塔ガス速度は0.1~0.6m/s、反応温度は200~250℃、反応圧力はゲージ圧が0.05~1MPaであることを含む、
請求項1に記載の水素化反応プロセス。
【請求項6】
前記空塔ガス速度は0.3~0.6m/sであり、および/または、
前記反応原料はニトロベンゼンであり、および/または、
前記酸素含有ガスは空気または酸素ガスであり、および/または、
前記空塔ガス速度は0.2~0.4m/sである、
請求項5に記載の水素化反応プロセス。
【請求項7】
前記水素化反応器の無次元粒径が1~60の範囲にあり、および/または
前記再生反応器の無次元粒径が1~40の範囲にあり、および/または
前記活性化反応器の無次元粒径が1~30の範囲にあり、前記無次元粒径が以下の式によって決定される、請求項1に記載の水素化反応プロセス。
【数1】
ここで、平均粒径は単位がmである前記反応器内の固体粒子の体積平均粒径、ガス密度は単位がkg/m である前記反応器内のガス密度、気体-固体密度差は単位がkg/m である前記固体粒子の密度か単位がkg/m である前記反応器内のガスの密度を引いた差、ガス動粘度は単位がPa・sである前記反応器内のガスの動粘度、gは重力加速度9.8m/s 絶対値である。
【請求項8】
前記水素化工程、前記再生工程、前記任意の活性化工程および前記再循環工程の少なくとも1つに補充水素化触媒を輸送する工程をさらに含む、請求項1に記載の水素化反応プロセス。
【請求項9】
前記補充水素化触媒を触媒補充工程と称する前記活性化工程に輸送する工程を含む、請求項8に記載の水素化反応プロセス。
【請求項10】
前記触媒補充工程において、水素化反応器内の水素化触媒インベントリー(inventory)に輸送される補充水素化触媒であって、単位kgである補充水素化触媒の平均質量流量比が0~10h ある、請求項に記載の水素化反応プロセス。
【請求項11】
水素化反応器内の水素化触媒インベントリー(inventory)に輸送される補充水素化触媒であって、単位がkgである補充水素化触媒の平均質量流量比が0.00002~0.001h -1 である、
請求項10に記載の水素化反応プロセス。
【請求項12】
前記水素化反応器は流動床反応器であり、当該流動床反応器は濃密相反応域(4)を含み、前記濃密相反応域(4)における瞬間圧力変動を測定するための少なくとも1つの動圧測定点は前記濃密相反応域(4)の側壁に取り付けられ、前記瞬間圧力変動の標準偏差が600Paより大きい場合、前記触媒補充工程が開始され、および/または、
前記水素化反応器が流動床反応器であり、当該流動床反応器が濃密相反応域(4)を含み、100μm未満の粒径を有する触媒粒子を、濃密相反応域(4)中のすべての触媒粒子の3重量%より多く質量%含む場合、前記触媒補充工程が開始される、請求項に記載の水素化反応プロセス。
【請求項13】
応答周波数が100Hz以上であり、およびまたは、
前記瞬間圧力変動の標準偏差が1500Paより大きい場合、前記触媒補充工程が開始され、および/または、
100μm未満の粒径を有する前記触媒粒子を、濃密相反応域(4)中のすべての触媒粒子の5重量%より多く質量%含む場合、前記触媒補充工程が開始される、請求項12に記載の水素化反応プロセス。
【請求項14】
前記補充水素化触媒が、5~150μmの平均粒径を有する銅系担持触媒、ニッケル系担持触媒、および貴金属系担持触媒のうちの少なくとも1つから選択される、請求項に記載の水素化反応プロセス。
【請求項15】
前記水素化触媒の平均粒径が20~70μmである、請求項14に記載の水素化反応プロセス。
【請求項16】
前記水素化触媒は、銅系担持触媒、ニッケル系担持触媒および貴金属系担持触媒の少なくとも1つから選択され、
および/または、前記水素化触媒が300~1200kg/mの嵩密度を有し、および/または、前記水素化触媒が30~800μmの平均粒径を有し、80μm未満の粒径を有する触媒粒子がすべての触媒粒子の質量%のうちの2重量%以上を含み、および/または、ニトロ化合物が以下の構造式(1)で表される化合物の少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の水素化反応プロセス。
R-NO (1)
前記構造式(1)において、Rは任意に置換されるC2-20直鎖、分岐または環状ヒドロカルビルである。
【請求項17】
前記水素化触媒が40~500μmまたは50~600μmの平均粒径を有し、および/または、
80μm未満の粒径を有する触媒粒子がすべての触媒粒子の質量%のうちの5~15重量%を含み、および/または、
前記構造式(1)において、Rは任意に置換されるC 4-20 環状ヒドロカルビル、または任意に置換されるC 6-20 アリールまたは任意に置換されるフェニルである、
請求項16に記載の水素化反応プロセス。
【請求項18】
ニトロ化合物の水素化反応装置であって、
水素化反応器、再生反応器、活性化反応器および再循環ユニットを含み、
前記水素化反応器は少なくとも1つの使用済み触媒脱気装置を介して、輸送パイプラインを通して、前記再生反応器と通じ、
前記再生反応器は少なくとも1つの再生触媒脱気装置を介して、輸送パイプラインを通して、前記活性化反応器と通じ、
前記活性化反応器は輸送パイプラインを通して前記再循環ユニットと通じ、または少なくとも1つの活性化触媒脱気装置を介して、輸送パイプラインを通して、前記再循環ユニットと通じ、
前記再循環ユニットは輸送パイプラインを通して前記水素化反応器と通じ、
ここで、単位がkgである前記水素化反応器の固体粒子インベントリー:単位がkgである前記再生反応器の固体粒子インベントリー:単位がkgである前記活性化反応器の固体粒子インベントリー=(10~200):(0.1~20):(0.1~20)である、水素化反応装置。
【請求項19】
前記水素化反応器は流動床反応器であり、および/または、
前記再生反応器は流動床反応器であり、および/または、
前記活性化反応器は流動床反応器であり、および/または、
前記再循環ユニットは上昇パイプであり、
単位がkgである前記水素化反応器の固体粒子インベントリー:単位がkgである前記再生反応器の固体粒子インベントリー:単位がkgである前記活性化反応器の固体粒子インベントリー=(20~100):(0.5~8):(0.5~8)である、
請求項18に記載の水素化反応装置。
【請求項20】
前記水素化反応器が5~60mの高さ、および0.5~12mの直径を有し、および/または
前記再生反応器が1~15mの高さ、および0.1~3mの直径を有し、および/または
前記活性化反応器が1~15mの高さ、および0.1~3mの直径を有し、および/または
前記輸送パイプラインの内径が、互いに等しいまたは異なっており、互いに独立して30~400mmである、
請求項18に記載の水素化反応装置。
【請求項21】
前記水素化反応器が10~30mの高さ、および1~8mの直径を有し、および/または
前記再生反応器が3~6mの高さ、および0.3~1mの直径を有し、および/または
前記活性化反応器が3~6mの高さ、および0.3~1mの直径を有し、および/または
前記輸送パイプラインの内径が、互いに等しいまたは異なっており、互いに独立して50~300mmである、
請求項20に記載の水素化反応装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニトロ化合物の水素化反応プロセス、特にニトロベンゼンの水素化によるアニリンの製造のためのプロセスに関する。また、本発明は、ニトロ化合物の水素化反応装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アニリンは重要な塩基性有機化学原料およびファインケミカル中間体であり、300を超える下流の製品の製造に使用することができ、染料、医薬品、農薬、爆発物、香辛料、ゴム、合成材料などの産業で広く使用されている。近年、中国および世界におけるポリウレタン産業の急速な発展に伴い、その主要原料MDI(4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート)の非置換塩基原料の一つであるアニリンが目覚ましく、そして急速に開発されてきた。
【0003】
ニトロベンゼン接触水素化プロセス、フェノールアンモニア化プロセスおよび鉄粉末還元プロセスの、アニリンを製造するための3つの商業的なプロセスがある。とりわけ、鉄粉末還元プロセスは、形成されたアニリンの品質が悪いため、徐々に排除されている。フェノールアンモニア化プロセスは、フェノールの供給源に強く依存する。現行のニトロベンゼン接触水素化プロセスは、ほとんどの製造業者によって採用されている。ニトロベンゼン接触水素化プロセスは、さらに気相接触水素化プロセスと液相接触水素化プロセスに分けられる。ニトロベンゼン液相接触水素化プロセスは、貴金属触媒を無水状態で採用することによって主に実施され、低い反応温度、高い触媒担持、長い使用寿命および大きなプラント生産能力という利点を有し、高い要求圧力、触媒および溶媒からの反応物の分離の必要性、高いプラント運転コスト、高い触媒価格、ならびに高すぎる触媒活性によって引き起こされる比較的多くの副産物の欠点、を有する。流動床気相接触水素化プロセスは、原料であるニトロベンゼンを加熱および気化させ、そして水素ガスと混合し、次に銅-シリカゲル触媒を含有させた流動床反応器に供給して水素化および還元反応を行うことを特徴とする。このプロセスは、熱伝達状態を改善し、反応温度を制御し、局所的な過熱を回避し、副反応の形成を減少させ、触媒の使用寿命を延ばすという利点を有し、比較的複雑な操作、激しく摩耗した触媒、ならびに比較的高い操作および維持コストという欠点を有する。
【0004】
ニトロベンゼンからアニリンを調製するための気相水素化プロセスは、中国で数十年間使用されており、流動床気相接触水素化プロセスは、中国の多くのアニリン製造業者によって採用されている。
【0005】
中国特許出願CN1528737Aは、主に流動床反応器と、当該反応器の底部に配置された反応原料ガス導入口と、当該導入口の上部に配置された第1のガス分配器と、当該反応器の軸方向高さの中間部に配置され、当該反応器を2つの触媒濃密相域に分割する第2のガス分配器と、当該反応器内部の2つの触媒濃密相域に配置された熱交換器と;当該反応器の外部または内部に配置され、上方のまたは下方の2つの触媒濃密相域にそれぞれ接続する触媒オーバーフロー装置と、気体-固体分離装置と、を含む装置を開示している。
【0006】
中国特許出願CN1634860Aは、アニリン合成用流動床内のガス分配器と、アニリンを合成するプロセスとを開示しており、当該ガス分配器は、ガスを搬送する主パイプと、それに接続されたガスを分配するための分岐パイプおよび環状パイプと、当該環状パイプ上に両方が配置された、ガスを下向きに噴射するノズルおよびガスを上向きに噴射するためのノズルとで構成されている。
【発明の概要】
【0007】
本発明者らは、従来技術のアニリン調製用の流動床反応器において、反応ガス原料が底部の分配器から流動床に入り、触媒と接触して反応し、生成ガスとしてアニリンを生成し、触媒は炭素の析出および失活が容易であり、その結果、流動床反応器は再生と活性化のために間隔を置いて停止する必要があり、長時間運転することは困難であることを見出した。したがって、アニリン反応器の長期間運転の問題を解決する鍵は、アニリン触媒の再生および活性化を時間内およびライン上で完了させる能力である。
【0008】
本発明の発明者らはまた、反応、再生および活性化プロセスにおいて、3つの異なる成分、すなわちニトロベンゼンおよび水素、酸素および水素をそれぞれ導入する必要があり、酸素が可燃性および爆発性ガスと接触している場合、爆発の危険性が容易に生じ、したがって、これらの3つの段階が終了した後、それぞれの前の段階を効率的に脱気する必要があることを見出した。その結果、反応器から来る触媒粒子に同伴された原料ガスおよび生成ガスが効果的に除去され、触媒粒子が再生ユニットに入り、再生され、再生反応器から流出する触媒粒子に同伴された空気(酸素)が除去され、次に触媒粒子が活性化ユニットに入る。
【0009】
本発明の発明者らはまた、内部成分は一般に、既存のアニリン流動床反応器中に配置され、内部気体-固体流を調節するために使用されているが、アニリン触媒は強度が低く、破損が非常に容易であるため、動作時間と共に粒径が徐々に小さくなり、微粉末が希薄相域に容易に浸漬し、次にサイクロン分離器の担持が増大することを見出した。その結果、触媒損失が比較的深刻になり、その後の影響として、長時間反応を行うことができず、停止および触媒の補充の必要性などの様々な問題が生じる。
【0010】
本発明の発明者らは、アニリン流動床反応器中に微粉末が存在することは避けられないと考えている。一方では、反応のための要求量を維持するために、新しい触媒を適時に補充することは、損失量に基づく。他方では、微粉末の損失は床の流動性に大きな影響を与えるため、同時に、反応域における高効率流動性を維持し、そして固有の伝達効率を維持するために、微粉末触媒を適切な時間に補充する必要がある。さらに、アニリン流動床反応器中での触媒の部分的な失活は避けられない。したがって、アニリン反応器の長期間運転の問題を解決する鍵は、アニリン触媒の再生および活性化を時間内およびライン上で完了させる能力である。
【0011】
本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
【0012】
具体的には、本発明は以下の態様に関する:
1.ニトロ化合物の水素化反応プロセスであって、
前記ニトロ化合物の水素化反応プロセスは、水素化工程、再生工程、任意の活性化工程、および再循環工程を含み、
前記水素化工程において、反応原料としてのニトロ化合物(特にニトロベンゼン)を、反応器(水素化反応器と称する、好ましくは流動床反応器)において水素ガスおよび水素化触媒と接触させて、反応生成物(例えばアミノ化合物であり、特にアニリン)および使用済み触媒を得て、
前記再生工程において、前記使用済み触媒を反応器(再生反応器と称する、好ましくは流動床反応器)において再生し、再生触媒を得て、
前記任意の活性化工程において、前記再生触媒を反応器(活性化反応器と称する、好ましくは流動床反応器)において活性化し、活性化触媒を得て、
前記再循環工程において、前記再生触媒および/または前記活性化触媒を前記水素化工程に再循環させ(好ましくは上昇パイプを用いて再循環させ)、
ここで、前記水素化工程と前記再生工程との間に前記使用済み触媒を脱気する少なくとも1つの工程(水素化脱気工程と称する)が存在し、
(1)前記活性化工程が存在する場合、前記再生工程と前記活性化工程との間に前記再生触媒を脱気する少なくとも1つの工程(第1の再生脱気工程と称する)が存在し、任意に、前記活性化工程と前記再循環工程との間に前記活性化触媒を脱気する少なくとも1つの工程(活性化脱気工程と称する)が存在し、任意に、前記再生工程と前記再循環工程との間に前記再生触媒を脱気する少なくとも1つの工程(第2の再生脱気工程と称する)が存在し、または
(2)前記活性化工程が存在しない場合、前記再生工程と前記再循環工程との間に前記再生触媒を脱気する少なくとも1つの工程(第3の再生脱気工程と称する)が存在することを特徴とする、水素化反応プロセス。
【0013】
2.前記水素化工程から前記水素化脱気工程に輸送される前記使用済み触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をA1とし、
前記水素化脱気工程から前記再生工程に輸送される前記使用済み触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をB1とし、
前記再生工程から前記第1の再生脱気工程に輸送される前記再生触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をA2とし、
前記第1の再生脱気工程から前記活性化工程に輸送される前記再生触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をB2とし、
前記活性化工程から前記活性化脱気工程に輸送される前記活性化触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をA3とし、
前記活性化脱気工程から前記再循環工程に移送される前記活性化触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をB3とし、
前記再生工程から第2の前記再生脱気工程に輸送される前記再生触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をA4とし、
前記第2の再生脱気工程から前記再循環工程に輸送される前記再生触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をB4とし、
前記再生工程から前記第3の再生脱気工程に輸送される前記再生触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をA5とし、
前記第3の再生脱気工程から前記再循環工程に輸送される前記再生触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をB5とし、
前記再循環工程から前記水素化工程に輸送される前記再生触媒または前記活性化触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をA6とすると、
A1~A6およびB1~B5の少なくとも1つ(好ましくは全て)が5~100kg/h(好ましくは10~30kg/h)である、
上述または後述の態様のいずれかに従った、水素化反応プロセス。
【0014】
3.前記水素化工程から前記水素化脱気工程へ輸送される前記使用済み触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をC1、
前記水素化脱気工程から前記再生工程へ輸送される前記使用済み触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をD1とし、
前記再生工程から前記第1の再生脱気工程へ輸送される前記再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をC2とし、
前記第1の再生脱気工程から前記活性化工程へ輸送される前記再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をD2とし、
前記活性化工程から前記活性化脱気工程へ輸送される前記活性化触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をC3とし、
前記活性化脱気工程から前記再循環工程へ輸送される前記活性化触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をD3とし、
前記再生工程から前記第2の再生脱気工程へ輸送される前記再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をC4とし、
前記第2の再生脱気工程から前記再循環工程へ輸送される前記再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をD4とし、
前記再生工程から前記第3の再生脱気工程へ輸送される前記再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をC5とし、
前記第3の再生脱気工程から前記再循環工程へ輸送される前記再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をD5とし、
前記再循環工程から前記水素化工程へ輸送される前記再生触媒、または活性化触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をC6とすると、
C1~C6およびD1~D5のうちの少なくとも1つ(好ましくはすべて)が0.1~15%(好ましくは0.5~5%)である、
上述または後述の態様のいずれかに従った、水素化反応プロセス。
【0015】
4.前記水素化工程の反応条件は:空塔ガス速度は0.2~0.8m/s(好ましくは0.3~0.6m/s)であり、反応原料(例えばニトロベンゼン)に対する水素ガスのモル比は6~21であり、反応温度は220~280℃であり、反応圧力は0.05~1MPa(ゲージ圧)であることを含み、および/または、
前記再生工程の反応条件は:酸素含有ガス(例えば、空気または酸素ガス)の存在下で、空塔ガス速度は0.1~0.6m/s(好ましくは0.2~0.4m/s)であり、反応温度は350~450℃であり、反応圧力は0.05~1MPa(ゲージ圧)であることを含み、および/または
前記活性化工程の反応状態は:水素ガスの存在下で、空塔ガス速度は0.1~0.6m/s、反応温度は200~250℃、反応圧力は0.05~1MPa(ゲージ圧)であることを含む、
上述または後述の態様のいずれかに従った、水素化反応プロセス。
【0016】
5.前記水素化反応器の無次元粒径が1~60の範囲にあり、および/または
前記再生反応器の無次元粒径が1~40の範囲にあり、および/または
前記活性化反応器の無次元粒径が1~30の範囲にあり、前記無次元粒径が以下の式によって決定される、上述または後述の態様のいずれかに従った、水素化反応プロセス。
【0017】
【数1】
【0018】
ここで、平均粒径は前記反応器内の固体粒子の体積平均粒径(単位はm)、ガス密度は前記反応器内のガス密度(単位はkg/m)、気体-固体密度差は前記固体粒子の密度(単位はkg/m)から前記反応器内のガスの密度(単位はkg/m)を引いた差、ガス動粘度は前記反応器内のガスの動粘度(単位はPa・s)、gは重力加速度(9.8m/s)の絶対値である。
【0019】
6.前記水素化工程、前記再生工程、前記任意の活性化工程および前記再循環工程の少なくとも1つに補充水素化触媒を輸送する工程をさらに含み、および好ましくは、前記補充水素化触媒を前記活性化工程に輸送する工程(触媒補充工程と称する)を含む、上述または後述の態様のいずれかに従った、水素化反応プロセス。
【0020】
7.前記触媒補充工程において、水素化反応器内の水素化触媒インベントリー(inventory)に輸送される補充水素化触媒(単位はkg)の平均質量流量比が0~10h-1(好ましくは0.00002~0.001h-1)である、上述または後述の態様のいずれかに従った、水素化反応プロセス。
【0021】
8.前記水素化反応器は流動床反応器であり、当該流動床反応器は濃密相反応域(4)を含み、前記濃密相反応域(4)における瞬間圧力変動を測定するための少なくとも1つの動圧測定点(好ましくは応答周波数が100Hz以上)は前記濃密相反応域(4)の側壁に取り付けられ、前記瞬間圧力変動の標準偏差が600Paより大きい(好ましくは1500Paより大きい)場合、前記触媒補充工程が開始され、および/または、
前記水素化反応器が流動床反応器であり、当該流動床反応器が濃密相反応域(4)を含み、100μm未満の粒径を有する触媒粒子を、濃密相反応域(4)中のすべての触媒粒子の3重量%より多く(好ましくは5重量%より多く)質量%含む場合、前記触媒補充工程が開始される、上述または後述の態様のいずれかに従った、水素化反応プロセス。
【0022】
9.前記補充水素化触媒が、5~150μm(好ましくは20~70μm)の平均粒径を有する銅系担持触媒、ニッケル系担持触媒、および貴金属系担持触媒のうちの少なくとも1つから選択される、上述または後述の態様のいずれかに従った、水素化反応プロセス。
【0023】
10.前記水素化触媒は、銅系担持触媒、ニッケル系担持触媒および貴金属系担持触媒の少なくとも1つから選択され、
および/または、前記水素化触媒が300~1200kg/mの嵩密度を有し、および/または、前記水素化触媒が30~800μm(好ましくは40~500μmまたは50~600μm)の平均粒径を有し、80μm未満の粒径を有する触媒粒子がすべての触媒粒子の2重量%(好ましくは5~15重量%)以上質量%を含み、および/または、ニトロ化合物が以下の構造式(1)で表される化合物の少なくとも1つから選択される、上述または後述の態様のいずれかに従った、水素化反応プロセス。
R-NO (1)
前記構造式(1)において、Rは任意に置換されるC2-20直鎖、分岐または環状ヒドロカルビル(好ましくは任意に置換されるC4-20環状ヒドロカルビル、特に任意に置換されるC6-20アリール、特に任意に置換されるフェニル)である。
【0024】
11.ニトロ化合物の水素化反応装置であって、
水素化反応器(好ましくは流動床反応器)、再生反応器(好ましくは流動床反応器)、活性化反応器(好ましくは流動床反応器)および再循環ユニット(例えば上昇パイプ)を含み、
前記水素化反応器は少なくとも1つの使用済み触媒脱気装置を介して、輸送パイプラインを通して、前記再生反応器と通じ、
前記再生反応器は少なくとも1つの再生触媒脱気装置を介して、輸送パイプラインを通して、前記活性化反応器と通じ、
前記活性化反応器は輸送パイプラインを通して前記再循環ユニットと通じ、または少なくとも1つの活性化触媒脱気装置を介して、輸送パイプラインを通して、前記再循環ユニットと通じ、
前記再循環ユニットは輸送パイプラインを通して前記水素化反応器と通じ、
ここで、前記水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):前記再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):前記活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkgである)=(10~200):(0.1~20):(0.1~20)(好ましくは(20~100):(0.5~8):(0.5~8))である、水素化反応装置。
【0025】
12.前記水素化反応器が5~60m(好ましくは10~30m)の高さ、および0.5~12m(好ましくは1~8m)の直径を有し、および/または
前記再生反応器が1~15m(好ましくは3~6m)の高さ、および0.1~3m(好ましくは0.3~1m)の直径を有し、および/または
前記活性化反応器が1~15m(好ましくは3~6m)の高さ、および0.1~3m(好ましくは0.3~1m)の直径を有し、および/または
前記輸送パイプラインの内径が、互いに等しいまたは異なっており、互いに独立して30~400mm(好ましくは50~300mm)である、
上述または後述の態様のいずれかに従った、水素化反応装置。
【0026】
一方、本発明は、以下の態様に関する:
1.ニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造するための反応装置であって、流動層反応器(3)と、使用済み触媒用の脱気槽(12)と、再生器(13)と、活性化される触媒用の脱気槽(16)と、活性化器(19)と、上昇パイプ(21)とを含み、下部に位置する濃密相反応域(4)と、中間部に位置する粒子スパッタリング遷移域(5)と、上部に位置する希薄相域(7)とが流動層反応器(3)に含まれ、使用済み触媒用の脱気槽(12)が流動層反応器(3)と再生器(13)とにそれぞれ通じ、活性化される触媒用の脱気槽(16)が再生器(13)と活性化器(19)と、にそれぞれ通じ、上昇パイプ(21)が活性化器(19)と流動層反応器(3)とにそれぞれ通じる反応装置。
【0027】
2.前記流動層反応器(3)が、ガス分配器(2)と、熱交換パイプ(11)と、スパッタ分離部材(6)と、サイクロン分離器(9)と、を含むことを特徴とする、ニトロベンゼンの水素化によるアニリン製造用の反応装置である上述または後述の態様のいずれかに従った、ニトロベンゼンの水素化によるアニリン製造用の反応装置。
【0028】
3.使用済み触媒用の脱気槽(12)には脱気下降向流域(31)および脱気上昇並流域(32)が含まれ、脱気下降向流域(31)および脱気上昇並流域(32)にはそれぞれ脱気バッフル部材(33)が設けられ;活性化される触媒用の脱気槽(16)には再生脱気下降向流域(51)および再生脱気上昇並流域(52)が含まれ、再生脱気下降向流域(51)および再生脱気上昇並流域(52)にはそれぞれ脱気バッフル部材(33)が設けられることを特徴とする、上述または後述の態様のいずれかに従った、ニトロベンゼンの水素化によるアニリン製造用の反応装置。
【0029】
4.前記脱気バッフル部材(33)は、複数組のフロー整流器を、接続部品を介して接続してなり、フロー整流器は、流線形フロー整流器(41)、ダイヤモンド型フロー整流器(42)、および傾斜バッフル斜流型フロー整流器(43)のうちの1つ以上であることを特徴とする、上述または後述の態様のいずれかに従った、ニトロベンゼンの水素化によるアニリン製造用の反応装置。
【0030】
5.上述または後述の態様のいずれかに記載の、ニトロベンゼンの水素化によるアニリン製造用の反応方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする反応プロセス:
(a).原料として気化したニトロベンゼンと水素ガスとをガスチャンバーに導入し、次に気体分配装置(2)を通して流動床反応器(3)内へ触媒を押し込み流動化させ、続いて濃密相反応域(4)で反応させ、アニリン生成物を生成させる。粒子スパッタリングは濃密相反応域(4)の頂部で起こり、粒子スパッタリング遷移域(5)を形成し、スパッタリングされた粒子はスパッタリング分離部材(6)によって効率的に遮断され、濃密相反応域(4)に戻り、触媒作用を進行させる。非遮断粒子の小部分はスパッタリング分離部材の通過を経て、希薄相域(7)に入り、サイクロン分離器(9)で分離され、粒子は濃密相反応域(4)に戻り、粗生成物ガス(8)が流動床反応器(3)から流出し、その後の分離セクションに送られ;
(b).触媒が反応中に部分的にコークス化された後、コークス化された触媒は、使用済み触媒用の脱気槽(12)中で脱気され、酸素が導入される再生器(13)中に導入され、触媒は炭素燃焼によって再生され;
(c).再生された触媒は次に、活性化される触媒用の脱気槽(16)に導入され、脱気され、次に、水素ガスが導入される活性化器(19)に導入され、触媒が活性化され、活性化された触媒が上昇パイプ(21)に導入され、リフトアップされて流動層反応器(3)に戻され、触媒作用を進行させる。
【0031】
6.上述または後述のいずれかの態様に記載の、ニトロベンゼンの水素化によるアニリン製造用の反応プロセスであって、触媒が銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体がアルミナまたはシリカであり、触媒は50~600μmの平均粒径を有しており、かつ、80μm未満の粒子の含有量が2%以上であることを特徴とする、反応プロセス。
【0032】
7.上述または後述のいずれかの態様に記載の、ニトロベンゼンの水素化によるアニリン製造用の反応プロセスであって、流動層反応器(3)における反応条件が以下を含むことを特徴とする:空塔ガス速度が0.2~0.8m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比が6~21であり、濃密相反応域(4)における平均反応温度が220~280℃に制御され、ガス分配器(2)近傍の温度が320℃以下に制御され、濃密相反応域(4)における反応圧力が0.05~1MPaである。
【0033】
8.上述または後述の態様のいずれかに記載の、ニトロベンゼンの水素化によるアニリン製造用の反応プロセスであって、再生器(13)における反応条件が以下を含む:空塔ガス速度が0.1~0.6m/sであり、平均再生温度が350~450℃であり;活性化器(19)における反応条件が以下を含む:空塔ガス速度が0.1~0.6m/sであり、平均活性化温度が200~250℃であることを特徴とする、反応プロセス。
【0034】
9.上述または後述のいずれかの態様に記載の、ニトロベンゼンの水素化によるアニリン製造用の反応プロセスであって、使用済み触媒用の脱気槽(12)内の脱気上昇並流域(32)の空塔ガス速度に対する脱気下降向流域(31)の空塔ガス速度の比が1/15~1であり、脱気剤が窒素ガス、水蒸気、二酸化炭素、メタンおよびアルゴンガスの1つ以上(混合物として)であり、流動層反応器(3)から運ばれるガス成分が置換されることを特徴とする、反応プロセス。
【0035】
10.上述または後述のいずれかの態様に記載の、ニトロベンゼンの水素化によるアニリン製造用の反応プロセスであって、活性化される触媒用の脱気槽(16)における再生脱気上昇並流域(52)の空塔ガス速度に対する再生脱気下降向流域(51)の空塔ガス速度の比が1/15~1であり、脱気剤が窒素ガス、水蒸気、二酸化炭素、酸素ガスおよびアルゴンガスの1つ以上(混合物として)であり、再生器(13)から運ばれる酸素含有ガス成分が置換されることを特徴とする、反応プロセス。
【発明の効果】
【0036】
本発明の水素化反応プロセスおよび水素化反応装置によれば、連続反応、再生および活性化の長期運転という目的は、コークス化触媒の連続的な再生および活性化によって達成される。
【0037】
本発明の水素化反応プロセスおよび水素化反応装置によれば、目的の方法において、触媒を補充することにより、生産の定常運転が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本発明のニトロ化合物の水素化反応プロセスおよび水素化反応装置の概略フロー図であり、ニトロベンゼンの水素化によるアニリンの製造プロセスおよび製造装置を例に挙げる。
【0039】
図1において、1:気化ニトロベンゼンおよび水素ガスの原料、2:ガス分配器、3:流動層反応器、4:濃密相反応域、7:希薄相域、8:粗生成物ガス、9:サイクロン分離器、10:ディップレッグ、11:熱交換パイプ、12:使用済み触媒用の脱気槽、13:再生反応器、15:再生用流動化ガス、16:活性化される触媒用の脱気槽、17:活性化用流動化ガス、19:活性化反応器、20:上昇ガス、21:上昇パイプ、22:補充微粒子供給入口、23:補充新鮮触媒供給入口。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔詳細な説明〕
以下、本発明の実施形態を詳細に言及する。しかし、本発明の範囲は、実施形態によって限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
【0041】
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾がある場合、定義を含む本明細書が優先される。
【0042】
本明細書が「当業者に知られている」、「先行技術」、または類似の用語などの表現で材料、物質、プロセス、工程、装置、素子などを導出する場合、そのように導出された主題は、本出願の出願時に当技術分野で従来から使用されているものを包含する。また、現在ではそれほど一般的に使用されていない場合でも、同様の目的に適しているものとして当技術分野で知られるようになるものも包含することが意図される。
【0043】
本明細書の文脈において、「実質的に」という用語は当業者に許容される、または当業者によって合理的であると考えられる偏差、例えば、±10%以内、±5%以内、±1%以内、±0.5%以内、または±0.1%以内の偏差の存在の許容を意味する。
【0044】
本明細書の文脈において、「任意に置換される」という表現は、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アミノカルボニル、ニトロ、オキソ、チオ、シアノ、C1-6直鎖または分岐(ハロ)アルカン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C2-6直鎖または分岐(ハロ)アルケン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C2-6直鎖または分岐(ハロ)アルキン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C3-20シクロアルキル、C3-20シクロアルカン(オキシ、チオ、アミノ)基、C3-20シクロアルキルC1-6直鎖または分岐(ハロ)アルカン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C3-20シクロアルキルC2-6直鎖または分岐(ハロ)アルケン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C3-20シクロアルキルC2-6直鎖または分岐(ハロ)アルキン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C3-20シクロアルケニル、C3-20シクロアルケン(オキシ、チオ、アミノ)基、C3-20シクロアルケニルC1-6直鎖または分岐(ハロ)アルカン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C3-20シクロアルケニルC2-6直鎖または分岐(ハロ)アルケン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C3-20シクロアルケニルC2-6直鎖または分岐(ハロ)アルキン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C6-20アリール、C6-20アレーン(オキシ、チオ、アミノ)基、C6-20アリールC1-6直鎖または分岐(ハロ)アルカン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C6-20アリールC2-6直鎖または分岐(ハロ)アルケン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C6-20アリールC2-6直鎖または分岐(ハロ)アルキン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C4-20ヘテロアリール、C4-20ヘテロアレーン(オキシ、チオ、アミノ)基、C4-20ヘテロアリールC1-6直鎖または分岐(ハロ)アルカン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C4-20ヘテロアリールC2-6直鎖または分岐(ハロ)アルケン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C4-20ヘテロアリールC2-6直鎖または分岐(ハロ)アルキン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C2-20ヘテロシクリル、C2-20ヘテロサイクル(オキシ、チオ、アミノ)基、C2-20ヘテロシクリルC1-6直鎖または分岐(ハロ)アルカン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基、C2-20ヘテロシクリルC2-6直鎖または分岐(ハロ)アルケン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基およびC2-20ヘテロシクリルC2-6直鎖または分岐(ハロ)アルキン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基から選択される置換基の1つまたは複数(例えば、1~5、1~4、1~3、1~2、または1)によって任意に置換されていることを表す。これらの置換基が複数存在する場合、隣接する2つの置換基(例えば、2つの置換基の分子鎖末端)同士が結合して、2価の置換基群構造を形成することができる。例えば、2つの隣接するC1-6直鎖または分枝アルキル基を互いに結合させて、対応するアルキレン構造を形成することができる。または、例えば、2つの隣接するC1-6直鎖または分岐したアルキロキシ基が対応するアルキレンジオキシ基構造を形成することができ、例えば2つの隣接するC1-6直鎖または分岐したアルキルアミノ基が対応するアルキレンジアミノ構造を形成することができ、例えば、2つの隣接するC1-5直鎖または分岐したアルキルチオ基が対応するアルキレンジチオ構造を形成することができる、などである。好ましい置換基としては、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、チオ、オキソ、またはC1-6直鎖もしくは分岐(ハロ)アルカン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基などが挙げられる。ここで、「(ハロ)アルカン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基」とは、アルキル、ハロアルキル、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルチオ、ハロアルキルアミノまたはハロアルキルカルボニルを意味し、「(ハロ)アルケン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基」とは、アルケニル、ハロアルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、アルケニルアミノ、アルケニルカルボニル、ハロアルケニルオキシ、ハロアルケニルチオ、ハロアルケニルアミノ又はハロアルケニルカルボニルを意味し、「(ハロ)アルキン(オキシ、チオ、アミノ、カルボニル)基」とは、アルキニル、ハロアルキニル、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、アルキニルアミノ、アルキニルカルボニル、ハロアルキニルオキシ、ハロアルキニルチオ、ハロアルキニルアミノ又はハロアルキニルカルボニルを意味し、「(オキシ、チオ、アミノ)基」とは、オキシ、チオ又はアミノ意味する。ここで、「ハロ」という発現にはモノハロ、ジハロ、トリハロ又はペルハロ等が含まれる。
【0045】
本明細書中で言及される全てのパーセンテージ、割合、比などは明示的に示されない限り、重量によるものであり、圧力はゲージ圧である。
【0046】
本明細書の文脈において、本発明の任意の2つ以上の実施形態は任意の組み合わせで組み合わせることができ、得られる技術的解決策は本明細書の元の開示の一部であり、本発明の範囲内である。
【0047】
本発明に係る一実施形態は、ニトロ化合物の水素化反応プロセスに関する。前記水素化反応プロセスは、水素化工程、再生工程、活性化工程および再循環工程を含む。ここで、活性化工程は任意の工程である。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、水素化工程において、反応原料であるニトロ化合物と水素ガスとを、反応器内の水素化触媒と接触させて、反応生成物と使用済み触媒とを得る。ここで、反応器としては、流動床反応器、特に触媒粒子の流動床を有する反応器が好ましい。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、再生工程において、使用済み触媒を反応器(再生反応器と称する)内で再生し、再生触媒を得る。ここで、反応器としては、流動床反応器が好ましい。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、活性化工程において、再生された触媒は、反応器(活性化反応器と称する)内で活性化され、活性化された触媒を得る。ここで、反応器としては、流動床反応器が好ましい。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、再循環工程において、再生された触媒および/または活性化された触媒は、水素化工程に再循環される。ここで、再循環は、上昇パイプ内で行われることが好ましい。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、水素化工程と再生工程との間に、使用済み触媒を脱気する少なくとも1つの工程(水素化脱気工程と称する)が存在する。
【0053】
本発明の一実施形態によれば、活性化工程が存在する場合、再生工程と活性化工程との間に再生触媒を脱気する少なくとも1つの工程(第1の再生脱気工程と称する)が存在し、場合により、活性化工程と再循環工程との間に活性化触媒を脱気する少なくとも1つの工程(活性化脱気工程と称する)が存在し、場合により、再生工程と再循環工程との間に再生触媒を脱気する少なくとも1つの工程(第2の再生脱気工程と称する)が存在する。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、活性化工程が存在しない場合、再生工程と再循環工程との間に、再生触媒を脱気する少なくとも1つの工程(第3の再生脱気工程と称する)が存在する。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、水素化工程から水素化脱気工程に輸送される使用済み触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をA1とし、水素化脱気工程から再生工程に輸送される使用済み触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をB1とし、再生工程から前記第1の再生脱気工程に輸送される再生済み触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をA2とし、第1の再生脱気工程から活性化工程に輸送される再生触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をB2とし、活性化工程から活性化脱気工程に輸送される活性化触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をA3とし、活性化脱気工程から再循環工程に移送される活性化触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をB3とし、再生工程から第2の再生脱気工程に輸送される再生触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をA4とし、第2の再生脱気工程から再循環工程に輸送される再生触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をB4とし、再生工程から第3の再生脱気工程に輸送される再生触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をA5とし、第3の再生脱気工程から再循環工程に輸送される再生触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をB5とし、再循環工程から水素化工程に輸送される再生触媒または活性化触媒の平均質量流量(単位はkg/h)をA6とすると、A1~A6およびB1~B5の少なくとも1つ(好ましくは全て)が5~100kg/h、好ましくは10~30kg/hである。ここで、いわゆる平均質量流量とは、単位時間当たりに輸送パイプラインの断面を通過する流体(触媒など)の質量をいう。平均質量流量は下記式で計算できる。
【0056】
【数2】
【0057】
ここで、Gsは平均質量流量であり、バイパスをパイプラインの任意の地点に設定し、ある期間中に触媒粒子の一部を放出して捕集し、触媒粒子の放出量の重量を量り、M(単位はkg)として記録し、触媒粒子を放出する期間の時間をt(単位はs)として記録し、この時点でのパイプラインの直径をd(単位はm)として記録する。
【0058】
本発明の一実施形態によれば、水素化工程から水素化脱気工程へ輸送される使用済み触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をC1とし、水素化脱気工程から再生工程へ輸送される使用済み触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をD1とし、再生工程から第1の再生脱気工程へ輸送される再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をC2とし、第1の再生脱気工程から活性化工程へ輸送される再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をD2とし、活性化工程から活性化脱気工程へ輸送される活性化触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をC3とし、活性化脱気工程から再循環工程へ輸送される活性化触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をD3とし、再生工程から第2の再生脱気工程へ輸送される再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をC4とし、第2の再生脱気工程から再循環工程へ輸送される再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をD4とし、再生工程から第3の再生脱気工程へ輸送される再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をC5とし、第3の再生脱気工程から再循環工程へ輸送される再生触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をD5とし、再循環工程から水素化工程へ輸送される再生触媒または活性化触媒の輸送パイプライン中の粒子体積分率(単位は%)をC6とすると、C1~C6およびD1~D5のうちの少なくとも1つ(好ましくはすべて)が0.1~15%、好ましくは0.5~5%である。ここで、いわゆる粒子体積分率とは、単位体積当たりの気固2相混合物中の総体積に対する粒子相の体積の比をいう。粒子体積分率は下記式によって計算することができる。
【0059】
【数3】
【0060】
ΔPは下の位置Δz/2における圧力(ゲージ圧)と、上の位置Δz/2における圧力(ゲージ圧)との差(単位はPa)、Δzは下の位置Δz/2における点と、上の位置Δz/2における点との間の距離(単位はm)、ρは固体粒子の粒子密度(単位はkg/m)、ρは気体の密度(単位はkg/m)、1-εは粒子体積分率、εは気体体積率、粒子体積分率と気体体積率の和は1、gは重力加速度(一般に9.8m/sをとる)の絶対値である。
【0061】
本発明の一実施形態によれば、水素化工程の空塔ガス速度は一般に0.2~0.8m/s、好ましくは0.3~0.6m/sであり、反応原料(例えばニトロベンゼン)に対する水素ガスのモル比は6~21である。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、水素化工程は、220~280℃の反応温度(一般に、濃密相反応域における平均反応温度を指す)および0.05~1MPa(ゲージ圧)の反応圧力(一般に、濃密相反応域における圧力を指す)を有する。また、ガス分配器2近傍の温度は、通常、320℃以下に制御される。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、再生工程の反応条件は、酸素含有ガス(例えば、空気または酸素ガス)の存在下で、空塔ガス速度が0.1~0.6m/s、好ましくは0.2~0.4m/sであることを含む。
【0064】
本発明の一実施形態によれば、再生工程は、350~450℃の反応温度および0.05~1MPa(ゲージ圧)の反応圧力を有する。
【0065】
本発明の一実施形態によれば、活性化工程の反応条件は、水素ガスの存在下で、空塔ガス速度が0.1~0.6m/sであり、反応温度が200~250℃であり、反応圧力が0.05~1MPa(ゲージ圧)であることを含む。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、水素化反応器は、1~60の範囲の無次元粒径、および0.05~7の範囲の無次元ガス速度を有する。
【0067】
本発明の一実施形態によれば、再生反応器は、1~40の範囲の無次元粒径および0.05~5の範囲の無次元ガス速度を有する。
【0068】
本発明の一実施形態によれば、活性化反応器は、1~30の範囲の無次元粒径および0.05~5の範囲の無次元ガス速度を有する。
【0069】
本発明の一実施形態によれば、水素化反応器の無次元粒径は1~60の範囲であり、再生反応器の無次元粒径は1~40の範囲であり、活性化反応器の無次元粒径は1~30の範囲である。
【0070】
本発明の文脈において、無次元粒径(Dimensionless particle diameter)および無次元ガス速度(Dimensionless gas velocity)は、それぞれ、以下の2つの式によって決定される:
無次元粒径=平均粒径×[ガス密度×(気体-固体密度差×g)/(ガス動粘度)1/3
【0071】
【数4】
【0072】
【0073】
【数5】
【0074】
これらの式において、平均粒径は反応器中の固体粒子の体積平均粒径(単位はm)、ガス密度は反応器中のガスの密度(単位はm)、気体-固体密度差は固体粒子の密度(単位はm)から反応器中の気体(ガス)の密度(単位はkg/m)を引いた差、ガス動粘度は反応器中のガスの動粘度(単位はPa・s)、空塔ガス速度は反応器を通過するガスの平均流量(単位はm/s)、gは重力加速度(9.8m/s)の絶対値である。ここで、体積平均粒径は、採取した固体触媒粒子を粒度分析装置で分析することにより求めることができる。
【0075】
本発明の一実施形態によれば、水素化反応プロセスは、補充水素化触媒を水素化工程、再生工程、任意の活性化工程および再循環工程の少なくとも1つに輸送する工程をさらに含み、好ましくは、補充水素化触媒を活性化工程(触媒補充工程と称する)に輸送する工程を含む。
【0076】
本発明の一実施形態によれば、触媒補充工程において、水素化反応器中の水素化触媒インベントリー(inventory)に輸送される補充水素化触媒(単位はkg)の平均質量流量の比は、0~10h-1(好ましくは0.00002~0.001h-1)である。ここで、水素化反応器中の水素化触媒インベントリーは、水素化反応器中の床圧降下(単位はPa)および反応器面積(単位はm)に基づいて計算することができる。
【0077】
本発明の一実施形態によれば、水素化反応器は流動床反応器である。流動床反応器は濃密相反応域(4)を含み、濃密相反応域(4)における瞬間圧力変動を測定するために、少なくとも1つの動圧測定点が濃密相反応域(4)の側壁に取り付けられる。瞬間圧力変動の標準偏差が600Paより大きい(好ましくは1500Paより大きい)場合、触媒補充工程が開始され、すなわち、補充水素化触媒は水素化工程、再生工程、任意の活性化工程、および再循環工程のうちの少なくとも1つに輸送され、特に補充水素化触媒は活性化工程に輸送される。ここで、前記少なくとも1つの動圧測定点の応答周波数は、100Hz以上であることが好ましい。また、任意の時間での瞬間圧力
【0078】
【数6】
【0079】
は平均値
【0080】
【数7】
【0081】
と変動値
【0082】
【数8】
【0083】
との和に分解され、すなわち
【0084】
【数9】
【0085】
であり、任意の測定点における標準偏差Sdは
【0086】
【数10】
【0087】
であり、Nはサンプリングされたデータの数である。
【0088】
本発明の一実施形態によれば、水素化反応器は流動床反応器であり、流動床反応器は濃密相反応域(4)を含み、100μm未満の粒径を有する触媒粒子が濃密相反応域(4)中のすべての触媒粒子の3重量%より多く(好ましくは5重量%より多く)質量%を含む場合、触媒補充工程が開始され、すなわち、補充水素化触媒が水素化工程、再生工程、任意の活性化工程および再循環工程の少なくとも1つに輸送され、特に補充水素化触媒が活性化工程に輸送される。ここで、全ての触媒粒子に対する100μm未満の粒径を有する触媒粒子の質量パーセントは、ランダムサンプリングおよび、それに次ぐ粒度分析器による測定によって算出される。
【0089】
本発明の一実施形態によれば、補充水素化触媒として、ニトロ化合物の水素化反応のために当技術分野で使用される任意の触媒を挙げることができ、銅系担持触媒、ニッケル系担持触媒および貴金属系担持触媒から選択される少なくとも1つ、より具体的には銅系担持触媒を特に挙げることができる。ここで、銅系担持触媒は、主活性成分として銅が一般的に用いられ、担体はアルミナまたはシリカが一般的である。
【0090】
本発明の一実施形態によれば、補充水素化触媒の平均粒径は、一般に5~150μm、好ましくは20~70μmである。ここで、平均粒径は、例えば、粒度分析装置を用いて、試料採取した固体触媒粒子を分析することにより求めることができる。
【0091】
本発明の一実施形態によれば、水素化触媒として、ニトロ化合物の水素化反応のために当技術分野で使用される任意の触媒を挙げることができ、銅系担持触媒、ニッケル系担持触媒および貴金属系担持触媒から選択される少なくとも1つ、より具体的には銅系担持触媒を特に挙げることができる。ここで、銅系担持触媒は、主活性成分として銅が一般的に用いられ、担体はアルミナまたはシリカが一般的である。
【0092】
本発明の一実施形態によれば、水素化触媒の平均粒径は、一般に30~800μm、好ましくは40~500μmまたは50~600μmである。好ましくは、水素化触媒において、80μm未満の粒径を有する触媒粒子は、すべての触媒粒子の2重量%以上、好ましくは5~15重量%質量%を含む。例えば、粒径分析装置を用いて、試料として採取した固体触媒粒子を分析することにより、平均粒径を求めることができる。
【0093】
本発明の一実施形態によれば、ニトロ化合物は、下記式(1)で表される化合物の少なくとも1つから選択され、好ましくはニトロベンゼンである。
【0094】
R-NO (1)
本発明によれば、構造式(1)において、Rは、任意にC2-20直鎖、分岐鎖または環状ヒドロカルビルで置換され、好ましくは任意にC4-20環状ヒドロカルビルで置換され、特に任意にC6-20アリールで置換され、さらに特に任意でフェニルまたはフェニルに置換される。
【0095】
本発明の一実施形態によれば、本発明はまた、水素化反応器、再生反応器、活性化反応器、および再循環ユニットを含む、ニトロ化合物の水素化反応装置に関する。ここで、水素化反応装置は特に、本発明のニトロ化合物の水素化反応プロセスを実施するように設計されている。そこで、以下に詳述しない内容または項目については、ニトロ化合物の水素化反応プロセスについて本明細書で先に説明した内容または項目をそのまま適用することができるので、ここでは詳細を省略する。加えて、ニトロ化合物の水素化反応装置について、以下に説明する内容または項目は、本発明のニトロ化合物の水素化反応プロセスにも適用することができる。
【0096】
本発明の一実施形態によれば、再循環ユニットとして、上昇パイプを特に挙げることができる。
【0097】
本発明の一実施形態によれば、水素化反応器は、少なくとも1つの使用済み触媒脱気装置を介して、輸送パイプラインを通して、再生反応器と通じ、再生反応器は少なくとも1つの再生触媒脱気装置を介して、輸送パイプラインを通して活性化反応器と通じ、活性化反応器は、輸送パイプラインを通して再循環ユニットと通じるか、または少なくとも1つの活性化触媒脱気装置を介して、輸送パイプラインを通して、再循環ユニットと通じ、再循環ユニットは、輸送パイプラインを通して水素化反応器と通じる。
【0098】
本発明の一実施形態によれば、水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=(10~200):(0.1~20):(0.1~20)、好ましくは水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=(20~100):(0.5~8):(0.5~8)である。ここで、固形粒子インベントリーは、反応器内の床圧降下(単位はPa)および反応器面積(単位はm)に基づいて計算することができる。具体的には、例えば、水素化反応器中の固体粒子インベントリーが10~200トンである場合、再生反応器および活性化反応器中の固体粒子インベントリーは0.1~20トンに相当し、または水素化反応器中の固体粒子インベントリーが20~100トンである場合、再生反応器および活性化反応器中の固体粒子インベントリーは0.5~8トンに相当する。
【0099】
本発明の一実施形態によれば、水素化反応器は、一般に5~60m、好ましくは10~30mの高さおよび一般に0.5~12m、好ましくは1~8mの直径を有する。
【0100】
本発明の一実施形態によれば、再生反応器は、一般に1~15m、好ましくは3~6mの高さおよび一般に0.1~3m、好ましくは0.3~1mの直径を有する。
【0101】
本発明の一実施形態によれば、活性化反応器は、一般に1~15m、好ましくは3~6mの高さ、および一般に0.1~3m、好ましくは0.3~1mの直径を有する。
【0102】
本発明の一実施形態によれば、前述の輸送パイプラインの内径は、互いに同一であるかまたは異なっており、互いに独立して30~400mm、好ましくは50~300mmである。
【0103】
本発明の一実施形態によれば、脱気工程または脱気装置の運転条件は特に限定されず、当業者に周知のものを直接適用することができる。具体的には、例えば、作動温度は一般に0~700℃、好ましくは80~400℃であり;運転圧力は一般に0~3MPaG、好ましくは0.01~1MPaGであり;空塔速度(絶対値)は一般に0.05~0.6m/s、好ましくは0.1~0.4m/sであり;脱気剤は一般にガスまたは蒸気または水蒸気、特に窒素ガス、水蒸気、二酸化炭素、メタンおよびアルゴンガスから選択される少なくとも1つ、特に窒素ガスである。
【0104】
本発明の一実施形態によれば、脱気工程で使用される脱気装置、または脱気装置の構造様式などは特に限定されず、当業者に周知のものを直接適用することができる。例えば、シェブロンバッフル又はディスクリングバッフルを有する脱ガスタンクを具体的に挙げることができる。これらの脱気タンクは、一般に80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは94%以上の脱気効率を有する。
【0105】
図1を参照して、ニトロ化合物の水素化反応プロセスおよび水素化反応装置について具体的に説明する。具体的にはニトロ化合物の水素化反応プロセスおよび水素化反応装置の主要装置が流動床反応器3、使用済み触媒用の脱気槽12、再生反応器13、活性化される触媒用の脱気槽16、活性化反応器19および上昇パイプ21を含み、流動床反応器3は下部セクションに位置する濃密相反応域4、中間セクションに位置する粒子スパッタリング遷移域5、および上部セクションに位置する希薄相域7を含み、使用済み触媒用の脱気槽12は流動床反応器3および再生反応器13にそれぞれ通じ、活性化される触媒用の脱気槽16は再生反応器13および活性化反応器19にそれぞれ通じ、上昇パイプ21は活性化反応器19および流動床反応器3にそれぞれ通じる。活性化反応器19には、補充微粒子供給入口22および補充新鮮触媒供給入口23が設けられている。ここで、流動床反応器3内には、ガス分配器2と、熱交換パイプ11と、サイクロン分離器9とを設けている。
【0106】
本発明の一実施形態によれば、ニトロ化合物の水素化反応プロセスおよび水素化反応装置において、原料である気化したニトロベンゼンおよび水素ガスをガス室に導入し、次に、ガス分配器2を介して流動床反応器3に導入して触媒を流動化させ、次に濃密相反応域4で反応させてアニリン生成物を生成させ、気相の一部が気泡を形成し、粒子スパッタリングが濃密相反応域4の上部で発生して粒子スパッタリング遷移域5を形成し、粒子が希薄相域7に入り込んでサイクロン分離器9で分離されて濃密相反応域4に戻り、粗生成ガス8が流動床反応器3から流出し、その後の分離部に送られる。反応中に触媒の一部がコークス化した後、コークス化した触媒を使用済み触媒用の脱気槽12で脱気し、再生反応器13に導入し、酸素を導入し、炭素の燃焼により触媒を再生する。再生された触媒は、次に、活性化される触媒用の脱気槽16に導入されて脱気され、次に、活性化反応器19に導入され、濃密相反応域4における流動化品質を最適化するために使用される補充微粒子供給入口22において補充微粒子と混合され、流動床反応器3における損失を補充するために補充新鮮触媒供給入口23において新鮮触媒が導入され、水素ガスが導入されて活性化が行われ、活性化された触媒が上昇パイプ21に導入され、リフトアップされて流動床反応器3に戻され、触媒作用が進行する。
【0107】
[実施例]
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0108】
〔実施例1〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子リザーブ(単位はkg):再生反応器の固体粒子リザーブ(単位はkg):活性化反応器の固体粒子リザーブ(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はmである)=4:1:1。
【0109】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃;活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0110】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0111】
濃密相反応域の膨張係数(膨張係数=濃密相反応域の高さ/静止床の高さ、流動化品質は一般に膨張係数で表され、一般に膨張係数が大きいほど流動化品質は良好であった)は1.64であり、反応域内の任意の部分における最大温度差は7.1℃であり、高空間速度下での反応時間が90分の場合の炭素析出含有量は0.7%以下に制御できた。結果を表1に詳述した。
【0112】
〔実施例2〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0113】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃;、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0114】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.001kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0115】
濃密相反応域の膨張係数は1.58であり、反応域の任意の部分における最大温度差は8.2℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出含有量は0.51%以下に制御することができた。結果を表1に詳述した。
【0116】
〔実施例3〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0117】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃;、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0118】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00002kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0119】
濃密相反応域の膨張係数は1.61であり、反応域の任意の部分における最大温度差は7.3℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出含有量は0.55%以下に制御できた。結果を表1に詳述した。
【0120】
〔実施例4〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0121】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0122】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は60、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0123】
濃密相反応域の膨張係数は1.56であり、反応域の任意の部分における最大温度差は7.5℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出含有量は0.58%以下に制御することができた。結果を表1に詳述した。
【0124】
〔実施例5〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0125】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0126】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は1、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0127】
濃密相反応域の膨張係数は1.55であり、反応域の任意の部分における最大温度差は7.5℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出含有量は0.76%以下に制御することができた。結果を表1に詳述した。
【0128】
〔実施例6〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0129】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0130】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.05、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0131】
濃密相反応域の膨張係数は1.61であり、反応域の任意の部分における最大温度差は7.3℃であり、高空間速度下での反応時間であった90分の場合の炭素析出含有量は0.72%以下に制御できた。結果を表2に詳述した。
【0132】
〔実施例7〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0133】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0134】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は7、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0135】
濃密相反応域の膨張係数は1.60であり、反応域の任意の部分における最大温度差は7.3℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出含有量は0.72%以下に制御することができた。結果を表2に詳述した。
【0136】
〔実施例8〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0137】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0138】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、、再生器中の無次元粒径は1、再生器中の無次元ガス速度は0.05、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0139】
濃密相反応域の膨張係数は1.59であり、反応域の任意の部分における最大温度差は7.6℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出含有量は0.74%以下に制御することができた。結果を表2に詳述した。
【0140】
〔実施例9〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0141】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0142】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は36、再生器中の無次元ガス速度は5、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0143】
濃密相反応域の膨張係数は1.54であり、反応域の任意の部分における最大温度差は8.0℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出含有量は0.8%以下に制御することができた。結果を表2に詳述した。
【0144】
〔実施例10〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0145】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0146】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は1、活性化器中の無次元ガス速度は0.05、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0147】
濃密相反応域の膨張係数は1.59であり、反応域の任意の部分における最大温度差は7.6℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出含有量は0.76%以下に制御することができた。結果を表2に詳述した。
【0148】
〔実施例11〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0149】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0150】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は25、活性化器中の無次元ガス速度は5、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0151】
濃密相反応域の膨張係数は1.60であり、反応域の任意の部分における最大温度差は7.4℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出含有量は0.75%以下に制御することができた。結果を表3に詳述した。
【0152】
〔実施例12〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0153】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0154】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は700Paであった。
【0155】
濃密相反応域の膨張係数は1.62であり、反応域の任意の部分における最大温度差は7.2℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出含有量は0.7%以下に制御することができた。結果を表3に詳述した。
【0156】
〔実施例13〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0157】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0158】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は1500Paであった。
【0159】
濃密相反応域の膨張係数は1.52であり、反応域の任意の部分における最大温度差は10.5℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出含有量は0.7%以下に制御することできた。結果を表3に詳述した。
【0160】
〔実施例14〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0161】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて7kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.83%、C6では0.55%、D1~D5では1.06%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0162】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0163】
濃密相反応域の膨張係数(膨張係数=濃密相反応域の高さ/静止床の高さ、流動化品質は一般に膨張係数で表され、一般に膨張係数が大きいほど流動化品質は良好であった)は1.62であり、反応域の任意の部分での最大温度差は7.2℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出量は0.93%以下に制御することができた。結果を表3に詳述した。
【0164】
〔実施例15〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0165】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて26kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では1.1%、C6では0.7%、D1~D5では1.5%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0166】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径速度は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0167】
濃密相反応域の膨張係数(膨張係数=濃密相反応域の高さ/静止床の高さ、流動化品質は一般に膨張係数で表され、一般に膨張係数が大きいほど流動化品質は良好であった)は1.67であり、反応域の任意の部分における最大温度差は6.9℃であり、高空間速度下での反応時間が90分のときの炭素析出量は0.47%以下に制御できた。結果を表3に詳述した。
【0168】
〔実施例16〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=30:1:1。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0169】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0170】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0171】
濃密相反応域の膨張係数(膨張係数=濃密相反応域の高さ/静止床の高さ、流動化品質は一般に膨張係数で表され、一般に膨張係数が大きいほど流動化品質は良好であった)は1.62であり、反応域の任意の部分での最大温度差は7.2℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出含有量は0.7%以下に制御することができた。結果を表4に詳述した。
【0172】
〔実施例17〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=2:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0173】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0174】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0175】
濃密相反応域の膨張係数(膨張係数=濃密相反応域の高さ/静止床の高さ、流動化品質は一般に膨張係数で表され、一般に膨張係数が大きいほど流動化品質は良好であった)は1.64であり、反応域内の任意の部分での最大温度差は7.2℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出量は0.7%以下に制御できた。結果を表4に詳述した。
【0176】
〔実施例18〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=6:1:1。
【0177】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて13kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.9%、C6では0.6%、D1~D5では1.2%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0178】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子を補充することによって維持される濃密相反応域の床層の任意の点での圧力脈動の標準偏差値は500Paであった。
【0179】
濃密相反応域の膨張係数(膨張係数=濃密相反応域の高さ/静止床の高さ、流動化品質は一般に膨張係数で表され、一般に膨張係数が大きいほど流動化品質は良好であった)は1.66であり、反応域の任意の部分での最大温度差は7.0℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出量は0.73%以下に制御することができた。結果を表1に詳述した。
【0180】
〔比較例1〕
図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用した。図1に示すニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造する装置を使用し、流動床反応器の直径は45mmであった。水素化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):再生反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg):活性化反応器の固体粒子インベントリー(単位はkg)=40:3:3。水素化反応器の高さ(単位はm):再生反応器の高さ(単位はm):活性化反応器の高さ(単位はm)=5:1:1。水素化反応器の直径(単位はm):再生反応器の直径(単位はm):活性化反応器の直径(単位はm)=4:1:1。
【0181】
パイプライン(A1~A6およびB1~B5)における輸送の平均質量流量はすべて7kg/hであり、パイプライン(C1~C6およびD1~D5)の粒子体積分率は、C1~C5では0.83%、C6では0.55%、D1~D5では1.06%であった。触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。再生器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均再生温度が410℃、活性化器内の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度が0.3m/s、平均活性化温度が220℃であった。
【0182】
水素化反応器中の水素化触媒インベントリーに輸送される補充水素化触媒の平均質量流量比は0.00005kg/h、流動床反応器中の無次元粒径は10、流動床反応器中の無次元ガス速度は0.1、再生器中の無次元粒径は8であり、再生器中の無次元ガス速度は0.15、無次元の活性化器中の粒径は8、活性化器中の無次元ガス速度は0.15、微粒子触媒の補充は、反応濃密相域の圧力脈動に従って制御されなかった。
【0183】
濃密相反応域の膨張係数は1.46であり、反応域の任意の部分での最大温度差は13.8℃であり、高空間速度下での反応時間が90分であった場合の炭素析出量は0.7%以下に制御することができた。結果を表4に詳述した。
【0184】
〔比較例2〕
再生器および活性化器によらないニトロベンゼンの水素化によりアニリンを製造するための従来技術の流動床反応器装置を使用し、微粒子触媒の補充は、反応濃密相域における圧力脈動に従って制御されなかった。流動床反応器は45mmの直径を有していた。使用した触媒は銅を主活性成分とする金属担持触媒であり、担体はシリカであり、触媒の平均粒径は400μmであり、100μm未満の粒子の含有量は5%であった。流動床反応器中の反応条件は次の通りである:空塔ガス速度は0.4m/sであり、ニトロベンゼンに対する水素ガスのモル比は11であり、濃密相反応域中の平均反応温度は240℃に制御され、濃密相反応域中の反応圧力は0.1MPaであった。
【0185】
濃密相反応域の膨張係数は1.38であり、反応域の任意の部分における最大温度差は15.9℃であった。結果を表4に詳述した。
【0186】
明らかに、本発明の装置およびプロセスは、アニリンを製造するためのニトロベンゼンの水素化の流動床技術における粗大粒子の不十分な流動化品質、反応域における不均一な温度分布、コークス化および失活の傾向がある触媒、長期運転における困難性、触媒を補充する必要性などの問題を解決することができ、アニリンを製造するためのニトロベンゼンの水素化における工業運転において使用することができる。
【0187】
【表1】
【0188】
【0189】
【表2】
【0190】
【0191】
【表3】
【0192】
【0193】
【表4】
【0194】


図1