(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】半径方向支持体を有するタービンブレード、シム、および関連するタービンロータ
(51)【国際特許分類】
F01D 5/30 20060101AFI20240213BHJP
F01D 5/16 20060101ALI20240213BHJP
F01D 25/06 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
F01D5/30
F01D5/16
F01D25/06
(21)【出願番号】P 2021521353
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(86)【国際出願番号】 US2019061591
(87)【国際公開番号】W WO2020102617
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-11-08
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】バードギック、スティーブン セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】リゴス、ジョン ジェームズ
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/093473(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/205246(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0186581(US,A1)
【文献】特開平07-166804(JP,A)
【文献】特開2015-086876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/30
F01D 5/16
F01D 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンブレード(20)であって、当該タービンブレード(20)が、
第1の端部(35)と、前記第1の端部(35)の反対側にある第2の端部(37)とを有するブレード(22)と、
前記ブレード(22)の外側半径方向部分の先端(28)と、
前記ブレード(22)の内側半径方向部分にある基部(30)であって、前記基部(30)
が、タービンロータの対応するダブテールスロット(36)を補完するためのダブテール(32)を含む、基部(30)
と
を備え
ており、前記ダブテール(32)
が、
本体(38)と、
前記対応するダブテールスロット(36)内の複数の凹部(44)を補完するために、前記本体(38)から対向方向に延びる複数の突起(40)と、
前記第1の端部(35)から前記第2の端部(37)まで前記本体(38)を通って延びるテーパ溝(33)であって、前記テーパ溝(33)
が、前記第1の端部(35)近くの前記テーパ溝(33)の第1の深さが前記第2の端部(37)近くの前記テーパ溝(33)の第2の深さよりも大きいようなテーパ形状を有し、前記テーパ形状
が、前記第1の深さから前記第2の深さへと徐々に移行し、前記テーパ溝(33)
が、前記本体(38)の底面で開いており、シム(52)と係合する大きさであり、前記テーパ溝(33)
が、前記第1の端部(35)
又は前記第2の端部(37)の近くに平坦部分(1101)を含み、前記平坦部分(1101)
が一定の深さを有する、テーパ溝(33)
と
を有する、タービンブレード(20)。
【請求項2】
前記平坦部分(1101)が、前記テーパ溝(33)の長さの
3%~
20%である、請求項1に記載のタービンブレード(20)。
【請求項3】
前記平坦部分(1101)の深さが、前記第1の深さよりも小さい、請求項2に記載のタービンブレード(20)。
【請求項4】
前記ダブテール(32)が、
半径方向内側部分に位置する丸みを帯びた表面と、前記ダブテール(32)の軸方向に面する表面とを有する混合領域(45)
をさらに含む、請求項1に記載のタービンブレード(20)。
【請求項5】
前記混合領域(45)が、前記ダブテール(32)の上流端
及び下流端に位置する、請求項4に記載のタービンブレード(20)。
【請求項6】
前記ダブテールスロット(36)
及び前記ダブテール(32)のうちの1つ
又は複数が、半径方向内側部分に位置する丸みを帯びた表面と、前記ダブテールスロット(36)
又は前記ダブテール(32)の軸方向に面する表面
とを有する混合領域(45)をさらに含む、請求項1に記載のタービンブレード(20)。
【請求項7】
タービンロータであって、当該タービンロータが、
複数の凹部(44)を含む複数のダブテールスロット(36)を有するロータ本体と、
前記複数のダブテールスロット(36)の1つの中にあるタービンブレード(20)
と
を備え
ており、前記タービンブレード(20)
が、
第1の端部(35)と、前記第1の端部(35)の反対側にある第2の端部(37)とを有するブレード(22)と、
前記ブレード(22)の外側半径方向部分の先端(28)と、
前記ブレード(22)の内側半径方向部分にある基部(30)であって、前記基部(30)
が、前記タービンロータの対応するダブテールスロット(36)を補完するためのダブテール(32)を含む、基部(30)
と
を有し
ており、前記ダブテール(32)
が、
本体(38)と、
前記対応するダブテールスロット(36)内の複数の凹部(44)を補完するために、前記本体(38)から対向方向に延びる複数の突起(40)と、
前記第1の端部(35)から前記第2の端部(37)まで前記本体(38)を通って延びるテーパ溝(33)であって、前記テーパ溝(33)
が、前記第1の端部(35)近くの前記テーパ溝(33)の第1の深さが前記第2の端部(37)近くの前記テーパ溝(33)の第2の深さよりも大きいようなテーパ形状を有し、前記テーパ形状
が、前記第1の深さから前記第2の深さへと徐々に移行し、前記テーパ溝(33)
が、前記本体(38)の底面で開いており、シム(52)と係合する大きさであり、前記テーパ溝(33)
が、前記第1の端部(35)
又は前記第2の端部(37)の近くに平坦部分(1101)を含み、前記平坦部分(1101)
が一定の深さを有する、テーパ溝(33)
と
を有する、タービンロータ。
【請求項8】
前記平坦部分(1101)が、前記テーパ溝(33)の長さの
3%~
20%である、請求項
7に記載のタービンロータ。
【請求項9】
前記平坦部分(1101)の深さが、前記第1の深さよりも小さい、請求項
8に記載のタービンロータ。
【請求項10】
前記ダブテール(32)が、
半径方向内側部分に位置する丸みを帯びた表面と、前記ダブテール(32)の軸方向に面する表面とを有する混合領域(45)
をさらに含む、請求項
7に記載のタービン
ロータ。
【請求項11】
前記ダブテールスロット(36)に前記タービンブレード(20)を保持するためのシム(52)をさらに備える、請求項
7に記載のタービンロータ。
【請求項12】
前記シム(52)が、
上面(70)と下面(72)との間で測定された第1の厚さ(t
1)、
及び前記上面(70)と前記下面(72)との間で測定された第2の厚さ(t
2)を有する主本体(68)であって、前記第1の厚さ(t
1)
が前記シム(52)の第1の端部の近くに位置し、前記第2の厚さ(t
2)
が前記シム(52)の第2の端部の近くに位置し、前記第1の端部
が前記第2の端部にほぼ対向し、前記第1の厚さ(t
1)
が前記第2の厚さ(t
2)よりも大きい、主本体(68)と、
前記主本体(68)から延在し、前記上面(70)と薄肉の下面(72)との間で測定された第3の厚さを有する薄肉領域(74)であって、前記薄肉領域(74)
が前記第1の端部に位置する、薄肉領域(74)と
を含む、請求項
11に記載のタービンロータ。
【請求項13】
前記薄肉領域(74)が、前記主本体(68)の長さ(l
MB)の
10%~
25%に等しい長さ(l
TR)を有する、請求項
12に記載のタービンロータ。
【請求項14】
前記ダブテールスロット(36)
又は前記ダブテール(32)の少なくとも一方が、半径方向内側部分に位置する丸みを帯びた表面と、前記ダブテールスロット
又はダブテール(32)の軸方向に面する表面とを有する混合領域(45)をさらに含む、請求項
12に記載のタービンロータ。
【請求項15】
前記混合領域(45)が、前記ダブテールスロット(36)
又はダブテール(32)の上流端
及び下流端に位置する、請求項
14に記載のタービンロータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、ターボ機械に関する。具体的には、本明細書に開示される主題は、ターボ機械、例えば、蒸気タービンおよび/またはガスタービンにおけるブレードの支持に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービンは、回転ロータに接続されたタービンブレード(バケットとも呼ばれる)に作動流体の流れを向ける静的ノズルアセンブリを含む。ノズル構造(複数のノズル、または「翼形部」を含む)は、「ダイヤフラム」または「ノズルアセンブリ段」と呼ばれることがある。タービンの最終段のものなどのブレードは、ロータの対応するダブテールスロット内に嵌合するような大きさであるダブテールを備えた基部を有する。多くの最終段ブレードは、かなりの長さがあり、著しい重量を有する。低速(ターニングギアとしても知られている)動作中、ブレードは、それらが保持されているロータダブテール内で移動する能力を有する。この望ましくない移動は、かなりの摩耗をブレードおよび/またはロータダブテールスロットに引き起こす可能性がある。ブレードおよびダブテールスロットのこの摩耗は、機能停止を引き起こし、修理を必要とし、そして望ましくないコストを招くことがある。
【0003】
ロータアセンブリ中、ブレードのアセンブリを容易にするために、ブレードのいくらかの動き(「ファニング」)を有することが必要とされる。ブレードは外側カバー端部を有し、これらは典型的にはインターロック機構を有する。ブレードは、列アセンブリ中の前のブレードのアセンブリ中に互いに通過しなければならない。ブレードはまた、列内の最後のブレードのアセンブリが不可能ではないにしても、適切な動きが存在しない場合に組み立てることが困難であり得るように、翼形部と重なり合ってもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2018/142561号明細書
【発明の概要】
【0005】
様々な態様は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有するブレードまたは翼形部を有するタービンブレードを含む。先端は、ブレードの外側半径方向部分に位置する。基部は、ブレードの内側半径方向部分にあり、基部は、タービンロータの対応するダブテールスロットを補完するためのダブテールを含む。ダブテールは本体を有し、対応するダブテールスロットの複数の凹部を補完するために、本体から対向方向に複数の突起が延在する。テーパ溝は、本体を通って第1の端部から第2の端部まで延在する。テーパ溝は、第1の端部付近のテーパ溝の第1の深さが第2の端部付近のテーパ溝の第2の深さよりも大きくなるようなテーパ形状を有する。テーパ形状は、第1の深さから第2の深さまで徐々に移行する。テーパ溝は、本体の底面で開口しており、シムと係合する大きさである。テーパ溝は、第1の端部または第2の端部の近くに平坦部分を含み、平坦部分は一定の深さを有する。
【0006】
本開示の第2の態様は、タービンブレードを保持するためのシムを含む。シムは、上面と下面との間で測定された第1の厚さと、上面と下面との間で測定された第2の厚さとを有する主本体を有する。第1の厚さは、シムの第1の端部の近くに位置し、第2の厚さは、シムの第2の端部の近くに位置する。第1の端部は、第2の端部にほぼ対向しており、第1の厚さは、第2の厚さよりも大きい。薄肉領域は、主本体から延在し、上面と薄肉の下面との間で測定された第3の厚さを有する。薄肉領域は、第1の端部に位置し、テーパ領域は、主本体を薄肉領域に接続する。
【0007】
本開示の第3の態様は、複数の凹部を含む複数のダブテールスロットを有するロータ本体を有するタービンロータを含む。タービンブレードは、複数のダブテールスロットのうちの1つの中にある。タービンブレードは、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有するブレードを有する。先端は、ブレードの外側半径方向部分にある。基部は、ブレードの内側半径方向部分にあり、基部は、タービンロータの対応するダブテールスロットを補完するためのダブテールを含む。ダブテールは本体を有し、対応するダブテールスロットの複数の凹部を補完するために、複数の突起が本体から対向方向に延在する。テーパ溝は、本体を通って第1の端部から第2の端部まで延在する。テーパ溝は、第1の端部付近のテーパ溝の第1の深さが第2の端部付近のテーパ溝の第2の深さよりも大きくなるようなテーパ形状を有する。テーパ形状は、第1の深さから第2の深さまで徐々に移行する。テーパ溝は、本体の底面で開口しており、シムと係合する大きさである。テーパ溝は、第1の端部または第2の端部の近くに平坦部分を含み、平坦部分は一定の深さを有する。
【0008】
本発明のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて、本発明の様々な態様の以下の詳細な説明からより容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】様々な実施形態によるターボ機械の部分断面概略図である。
【
図2】本開示の様々な実施形態による蒸気タービンバケットの概略斜視図である。
【
図3】
図2の蒸気タービンバケットの拡大図である。
【
図4】蒸気タービンロータの拡大概略斜視図である。
【
図5】本開示の様々な実施形態によるシムの概略斜視図である。
【
図7】本開示の様々な実施形態による蒸気タービンバケット、ロータおよび保持部材の一部の概略斜視図である。
【
図8】本開示の様々な実施形態による蒸気タービンロータおよび保持部材の概略斜視図である。
【
図9】本開示の様々な実施形態による蒸気タービンバケットおよびシムの拡張概略斜視図である。
【
図10】本開示の様々な実施形態による蒸気タービンバケット、ロータ、およびシムの拡張概略斜視図である。
【
図11】本開示の様々な実施形態によるテーパ溝の簡略断面図である。
【
図12】本開示の様々な実施形態によるシムの簡略化された断面図である。
【
図13】本開示の実施形態によるシムおよび/または蒸気タービンバケットを表すコードを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む、付加製造プロセスのブロック図である。
【
図14】本開示の実施形態による、テーパ溝に配置されたシム、およびロータまたはホイールに取り付けられたブレードの簡略断面図である。
【
図15】本開示の実施形態による、ブレードとロータまたはホイールとの間に配置されたシムの簡略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の図面は必ずしも一定の比率ではないことに留意されたい。図面は、本発明の典型的な態様だけを示すことを目的としており、したがって、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではない。図面において、同じ符号は、図面を通して同じ要素を表している。
【0011】
本明細書で開示される主題は、ターボ機械に関する。具体的には、本明細書に開示される主題は、ターボ機械、例えば、蒸気タービンにおけるブレードの支持に関する。
【0012】
これらの図に示されているように、「A」軸は、(タービンロータの軸に沿った、タービン中心線と呼ばれることもある)軸方向の向きを表す。本明細書で使用する場合、「軸方向の」および/または「軸方向に」という用語は、軸Aに沿った物体の相対的な位置/方向を指し、軸Aは、ターボ機械の回転軸(具体的には、ロータセクション)と実質的に平行である。さらに本明細書で使用する場合、「半径方向の」および/または「半径方向に」という用語は、軸(r)に沿った物体の相対的な位置/方向を指し、軸(r)は、軸Aと実質的に垂直であり、ただ1つの場所で軸Aと交差する。「半径方向内向き」という語句は、A軸すなわちタービンロータの軸に面する方向であり、「半径方向外向き」は、半径方向内向きとは反対の方向、すなわちA軸から離れる方向である。さらに、「周方向」および/または「周方向に」という用語は、軸Aを取り囲むが、いかなる位置においても軸Aと交差しない円周(c)に沿った物体の相対的な位置/方向を指す。図中の同一符号の要素は、実質的に同様の(例えば同一の)構成要素を示す。
【0013】
蒸気タービンにブレードを保持するための従来の構成要素および手法とは対照的に、本開示の様々な態様は、蒸気タービンロータへのブレードの設置および/または取り外しを容易にすると共に、ロータ内でのそれらのブレードの保持を向上させる蒸気タービンブレード、および対応する保持シムを提供する。ロータ内にブレードを保持するための従来のシステムは、シム、ばねおよび密接に嵌合するダブテール接続の組み合わせを利用する。これらのシステムは、それらの密接な嵌合および限られた柔軟性のために、かなりの量の空間を占有し、設置するのが困難であり、および/またはブレードダブテールもしくはロータダブテールなどの構成要素に応力を生じさせ得る。本明細書に記載の様々な実施形態に従って開示される構成要素は、従来の構成よりもはるかに少ない労力で設置することができ、動作中の向上した保持を提供する。
【0014】
図1を参照すると、蒸気タービン2(例えば、高圧/中圧蒸気タービン)の部分断面概略図が示されている。蒸気タービン2は、例えば、低圧(LP)セクション4と、高圧(HP)セクション6とを含むことができる(LPセクション4またはHPセクション6のいずれかが、当技術分野で知られているように中圧(IP)セクションを含むことができることが理解される)。LPセクション4およびHPセクション6は、ケーシング7に少なくとも部分的に収容されている。蒸気は、ケーシング7の1つまたは複数の入口8を介してHPセクション6およびLPセクション4に入り、入口(単数または複数)8から軸方向下流に流れることができる。いくつかの実施形態では、HPセクション6とLPセクション4とは、共通のシャフト10によって接合され、これはベアリング12と接触し得、作動流体(蒸気)がLPセクション4およびHPセクション6の各々の内部でブレードの回転を強制するので、シャフト10の回転を可能にする。LPセクション4およびHPセクション6内のブレードに機械的加工を施した後、作動流体(例えば蒸気)は、ケーシング7の出口14を通って出ることができる。HPセクション6およびLPセクション4の中心線(CL)16は、基準点として示されている。LPセクション4とHPセクション6の両方は、ケーシング7のセグメント内に含まれる、ダイヤフラムアセンブリを含むことができる。
【0015】
図2は、本開示の様々な実施形態による蒸気タービンブレード20(例えば、LPセクション4内)の概略斜視図を示している。
図3は、蒸気タービンブレード20の一部の拡大斜視図を示している。図示するように、蒸気タービンブレード(またはバケット)20は、半径方向外側の第1の端部24と、第1の端部24の反対側の半径方向内側の第2の端部26とを有するブレードまたは翼形部22を含むことができる。ブレード22の第1の端部24は、先端28を含むことができ、これはいくつかの実施形態ではシュラウド(図示せず)に結合され得る。ブレード22の第2の端部26には基部30があり、これはロータ(
図4)の対応するダブテールスロットと係合して、それを補完するためのダブテール32を含む。
【0016】
図4は、ブレード20のダブテール32と結合するためのダブテールスロット36を含むロータ34(例えば、蒸気タービンロータ)の一部の拡大斜視図を示している。
図2において、テーパ溝33は、ダブテール32の底部(半径方向内側)部分に沿って延在する。ブレード20は、第1の端部35および第2の端部37を含む。第1の端部35はブレードの前縁であってもよく、第2の端部37はブレードの後縁であってもよく、またはその逆であってもよい。テーパ溝33は、第1の端部の近くでより深く(すなわち、ダブテール内に半径方向により深く延在する)、溝33の深さは、第2の端部37まで延在するところで徐々に減少する。非限定的な一例として、第1の端部35付近のテーパ溝33の深さは約0.30インチであってもよく、第2の端部37付近の溝33の深さは約0.12インチであってもよい。混合領域45は、ダブテールスロット36の半径方向内側部分において、ロータ34またはホイールの軸方向に面する対向する表面(または上流側および下流側に面する表面)に配置される。混合領域45は、丸みを帯びた表面を有し、(
図14に示すように)ロータ34または(
図15に示すように)ブレードダブテールの上で曲げられたときにウェッジ/シムに亀裂が発生しないように、ウェッジ/シムの適切な曲げ半径を保証する。
【0017】
図3に戻ると、従来の蒸気タービンブレードとは対照的に、ブレード20は、ダブテール32を含むことができ、ダブテール32は、本体38と、本体から反対方向(d
1、d
2)に延びる複数の突起40と、ダブテールの長さに沿って本体38を通って延びるテーパ溝33とを含む。複数の突起40は、対応するダブテールスロット36(
図4)の複数の凹部44を補完する大きさである。様々な実施形態では、テーパ溝33は、本体38の底面46で開口し、シム(
図5)と係合する大きさである。テーパ溝33は、本体38を完全に貫通し、その底部が開口している。様々な実施形態では、本体38は、ダブテールスロット36(
図4)の複数の凹部44の1つを補完するための最下部の球状セクション48を含む。シム52が
図5に概略的に示され、
図6に拡大斜視図で示され、そして本明細書でさらに説明される。
【0018】
ブレード20は、本体38の側面56から複数の突起40から垂直な方向(d
p)に延在する軸方向保持機構54をさらに含むことができる。すなわち、軸方向保持機構54は、反対方向(d
1、d
2)に対して垂直である方向(d
p)に本体38の側面56から延びることができる。場合によっては、軸方向保持機構54は、本体38から第1の方向(方向d
p)に延びる第1の部材60と、第1の部材60から第2の別個の方向(d
h2)に延びる第2の部材62とを有する、フック58を含むことができる。様々な実施形態では、第2の別個の方向(d
h2)は、第1の方向(d
p)に垂直である。本明細書でさらに説明されるように、軸方向保持機構54は、軸方向保持部材64(
図7、
図8)を介して、ブレード20をロータ34に(軸方向Aに)軸方向に保持するのを補助するように構成される。様々な実施形態では、軸方向保持機構54は、軸方向保持部材64と係合する大きさである本体38に隣接する空間66を画定する。空間66は、いくつかの実施形態では、軸方向保持機構54と本体38の側面56との間に位置してもよい。
図7は、ロータ34と係合したブレード20、およびロータ34内にブレード20を軸方向に保持するための空間66内の軸方向保持部材64の一部の概略切欠図を示している。
図8は、ブレード(単数または複数)20を除いて、ロータ34に対して配置された軸方向保持部材64の半径方向外向きの斜視図を示している。場合によっては、軸方向保持部材64は、フック58(
図3)と係合して空間66(
図3、
図7)内での軸方向保持部材64の回転を防止するための回転防止タブ65(
図8)をさらに含む。加えて、回転防止ピン67(
図8)をロータ34に結合して、空間66内での軸方向保持部材64の半径方向の移動を防止することができる。
【0019】
図5および
図6に戻ると、シム52がより詳細に示されている。様々な実施形態では、シム52は、ブレード20のテーパ溝33に係合し、ブレード20をダブテールスロット36(
図4)内に保持するのに役立つ大きさである。場合によっては、シム52は、主本体68を含み、主本体68は、主本体68の上面70と下面72との間で測定された第1の厚さ(t
1)を有する(シム52がダブテールスロット36のブレードとロータ34との間に装填されるとき、上面および下面70、72がそれぞれ半径方向内側および半径方向外側表面と一致する)。薄肉領域74が主本体68から延び、(主本体68と薄肉領域74との間で連続している)上面70と薄肉の下面76との間で測定された第2の厚さ(t
2)を有する。場合によっては、第2の厚さ(t
2)は、第1の厚さ(t
1)の約(例えば、+/-1~5%)5%~約70%である。第1のテーパ領域78が主本体68と薄肉領域74とを接続し、これは主本体68から薄肉領域74へと内側にテーパ状になっている。
【0020】
本明細書で説明するように、シム52は、テーパ溝33内に、ブレード20のダブテール32とロータ34のダブテールスロット36との間に嵌合するように構成され、ブレード20をロータ34内に保持するのを補助する。さらに、様々な実施形態では、薄肉領域74は、蒸気タービンの狭い間隙内でのシム52の設置および取り外しを容易にする。すなわち、薄肉領域74は、シム52の屈曲またはシムの端部の屈曲を可能にして、シムをロータ34にロックすることができる。薄肉領域74は、シムの厚肉端部に位置することが好ましいが、それは、厚肉端部が反対側の薄肉端部よりも曲がりにくいためである。薄肉領域74は、冷間加工が亀裂または高い残留応力領域をもたらさないように、適切な曲げ対厚さ比を保証するために薄くされる。厚さを薄くすることにより、シムの一部を曲げてシムをロータにロックすることが容易になり、薄い端部付近の対向する端部を同様に曲げてシムをロータ34にロックすることもできる。厚い端部で曲げが必要とされる重要な理由は、動作中、ロータダブテール底部とブレードダブテール底部との間の半径方向のギャップが機械的成長により大きくなる可能性があるためである。この半径方向のギャップは、ウェッジまたはシムが動作中に薄い端部に向かって移動することを可能にし、その後停止中に半径方向のギャップは通常の高さに戻る。ウェッジ/シムが前方に移動し、より大きなギャップを充填することができるため、シャットダウン中にブレードが非応力状態に戻る余地はない。半径方向のギャップが充填されると、ウェッジ/シムの過度の圧縮が生じ、応力がウェッジの降伏および/または分解を超える可能性があり、非常に高い圧縮荷重のためにウェッジ/シムを除去することは事実上不可能である。間隙および所望の設置技術に応じて、シム52をスロット84内に前方または後方方向のいずれかに挿入することができることが理解される。様々な実施形態では、薄肉領域74は、主本体68の長さ(lMB)の約4分の1、または主本体の長さの1/8、または主本体の長さの16分の3、または主本体の長さの約10%~約25%に等しい長さ(lTR)を有することができる。
【0021】
図9および
図10は、ブレード20、ロータ34(
図10)、およびシム52の斜視拡張図を示している。
図4はまた、本明細書に記載のように、複数のダブテールスロット36を含むロータ34の断面を示している。本開示の様々な態様では、ロータ34は、複数のダブテールスロット36と、複数のダブテールスロット36の1つの中にある少なくとも1つのブレード20とを含む。場合によっては、ロータ34の1段全体がブレード(単数または複数)20を使用して組み立てられるか、またはロータ34の複数段がブレード(単数または複数)20を使用して組み立てられる。
図9および
図10に見られるように、テーパ溝33は、シム52を補完し、ブレード20のダブテール32とロータ34のダブテールスロット36との間に嵌合する大きさである。
【0022】
図11は、様々な実施形態による、テーパ溝33の簡略断面図を示している。テーパ溝33は、(図示のように)第1の端部35または第2の端部37の近くに平坦部分1101を含んでもよく、平坦部分1101は一定の深さを有する(すなわち、テーパ状ではない)。例えば、第1の端部35はブレードの前縁であってもよく、第2の端部37はブレードの後縁であってもよい。深い端部(
図11の左側)におけるテーパ溝33の深さ1102は、反対側の端部(
図11の右側)付近の深さ1103(および深さ1104)よりも大きい。平坦部分1101は、その長さにわたって一定の深さ1104を有する。平坦部分1101の長さは、テーパ溝33の全長の約3%~約20%であってもよい。平坦部分1101は、タービン動作後のシム52の分解/取り外しを容易にし、分解中の現場での切断ツールの使用を回避することも可能にすることができる。平坦部分は、ウェッジの薄い端部でより大きなギャップを可能にする。このギャップは、薄い端部を曲げてほぼ真っ直ぐに戻し、次いでウェッジを厚い端部に向かってタップすることができるようにすることに対応する。この追加のギャップ領域がなければ、端部の曲げ戻しは「きのこ状の」曲げ領域を形成し、薄い端部の容易な係合解除を可能にしない。さらに、溝テーパを使用することは賢明でも頑強でもないので、平坦部分は、ブレードの機械加工および検査のための3次基準となる。
【0023】
図12は、シム52の簡略化された断面図を示している。シム52は、厚い端部および反対側の薄い端部を含み、全体の厚さは、対向する端部間で徐々に移行する。薄肉領域74は、シムがロータまたはホイール上で曲げられてシムを適所にロックすることを可能にする厚さが減少した領域である。これは、シムが(タービンに対して)軸方向に移動するのを防止されるため、シムの両端がホイール/ロータ上で曲げられる場合に特に効果的である。例えば、シム52の第1の端部は第1の高さ1201を有してもよく、シムの反対側の第2の端部は第2の高さ1202を有してもよく、第1の高さは第2の高さよりも大きい。シム52の中間高さは、第1の高さから第2の高さに徐々に移行する。
【0024】
ブレード20および/またはシム52(
図2~
図12)は、いくつかの方法で形成され得る。一実施形態では、ブレード20および/またはシム52(
図2~
図12)は、鋳造、鍛造、溶接および/または機械加工によって形成され得る。しかしながら、一実施形態では、付加製造がブレード20および/またはシム52(
図2~
図12)を製造するのに特に適している。本明細書で使用する場合、付加製造(AM)は、従来のプロセスで行う材料の除去ではなく、材料の連続した層形成を通して物体を生成する任意のプロセスを含んでもよい。付加製造は、あらゆる種類の工具、金型または器具を使用することなく、かつ廃棄材料をほとんどまたは全く伴わずに複雑な幾何学的形状を形成することができる。プラスチックの中実なビレットから構成要素を機械加工する場合には、かなりの部分が切り取られて廃棄されてしまうのに対し、付加製造において使用される材料は、部品を成形するために必要な材料だけである。付加製造プロセスは、限定はしないが、3D印刷、ラピッドプロトタイピング(RP)、直接デジタル製造(DDM)、選択的レーザ溶融(SLM)および直接金属レーザ溶融(DMLM)を含んでもよい。現在の状況においては、DMLMが有利であることが明らかになっている。
【0025】
付加製造プロセスの例を説明するために、
図13は、物体902を生成するための例示のコンピュータ化された付加製造システム900の概略/ブロック図を示している。この例では、システム900は、DMLM用に構成される。本開示の一般的な教示は、他の形態の付加製造に同様に適用可能であることが理解される。物体902は、二重壁のタービン要素として示されているが、付加製造プロセスは、ブレード20および/またはシム52(
図2~
図12)を製造するために容易に適合させることができることが理解される。AMシステム900は、一般に、コンピュータ化された付加製造(AM)制御システム904と、AMプリンタ906とを含む。AMシステム900は、後述するように、AMプリンタ906を使用して物体を物理的に生成するためにブレード20および/またはシム52(
図2~
図12)を定義する一組のコンピュータ実行可能命令を含むコード920を実行する。各AMプロセスは、例えば、細粒粉末、液体(例えば、ポリマー)、シートなどの形態の様々な原材料を使用してもよく、そのストックは、AMプリンタ906のチャンバ910に保持されてもよい。この場合、ブレード20および/またはシム52(
図2~
図12)は、プラスチック/ポリマーまたは同様の材料で作製されてもよい。図示されているように、アプリケータ912は、空白キャンバスとして広がる原材料914の薄層を形成することができ、これから最終物体の各連続スライスが形成される。他の場合には、アプリケータ912は、例えば、材料がポリマーである場合に、コード920によって定義される通りに先行の層上に次の層を直接適用または印刷することができる。示されている例では、レーザまたは電子ビーム916は、コード920によって定義されるように、各スライスの粒子を融合するが、これは迅速に硬化する液体プラスチック/ポリマーが採用される場合には必要ではない可能性がある。AMプリンタ906の様々な部品は、各新しい層の追加に対応するように移動してもよく、例えば、各層の後で、構築プラットフォーム918は降下してもよく、および/またはチャンバ910および/またはアプリケータ912が上昇してもよい。
【0026】
AM制御システム904は、コンピュータプログラムコードとしてコンピュータ930に実装されて示されている。この点に関して、コンピュータ930は、メモリ932と、プロセッサ934と、入力/出力(I/O)インターフェース936と、バス938とを含むものとして示されている。さらに、コンピュータ930は、外部I/Oデバイス/リソース940および記憶システム942と通信するように示されている。一般に、プロセッサ934は、本明細書に記載のブレード20および/またはシム52(
図2~
図12)を表すコード920からの命令の下で、メモリ932および/または記憶システム942に記憶されるAM制御システム904などのコンピュータプログラムコードを実行する。コンピュータプログラムコードの実行時に、プロセッサ934は、メモリ932、記憶システム942、I/Oデバイス940、および/またはAMプリンタ906からデータを読み出すことおよび/またはこれらにデータを書き込むことができる。バス938は、コンピュータ930の構成要素の各々の間の通信リンクを提供し、I/Oデバイス940は、ユーザのコンピュータとの相互作用を可能にする任意のデバイス940(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイなど)を備えることができる。コンピュータ930は、ハードウェアおよびソフトウェアの考えられる様々な組み合わせの代表に過ぎない。例えば、プロセッサ934は単一の処理ユニットを備えていてもよく、あるいは、例えばクライアント上およびサーバ上などの1つまたは複数の位置における、1つまたは複数の処理ユニットにわたって分散していてもよい。同様に、メモリ932および/または記憶システム942は、1つまたは複数の物理的な場所に存在していてもよい。メモリ932および/または記憶システム942は、磁気媒体、光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などを含む、様々なタイプの非一時的コンピュータ可読記憶媒体の任意の組み合わせを備えることができる。コンピュータ930は、ネットワークサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、携帯デバイス、携帯電話、ポケットベル、携帯情報端末などの任意のタイプのコンピューティングデバイスを備えることができる。
【0027】
付加製造プロセスは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ932、記憶システム942など)にブレード20および/またはシム52(
図2~
図12)を表すコード920を記憶することによって始まる。前述のように、コード920は、外側電極を定義する一組のコンピュータ実行可能命令を含み、これはシステム900によるコードの実行時に、先端を物理的に生成するために使用され得る。例えば、コード920は、外側電極の正確に定義された3Dモデルを含むことができ、AutoCAD(登録商標)、TurboCAD(登録商標)、DesignCAD 3D Maxなどの多様な公知のコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアシステムの一部から生成され得る。この点において、コード920は、任意の現在知られているまたは後に開発されるファイルフォーマットとすることができる。例えば、コード920は、3DシステムのステレオリソグラフィCADプログラム用に生成された標準テッセレーション言語(STL)、または付加製造ファイル(AMF)によるものであってよく、付加製造ファイル(AMF)は、アメリカ機械学会(ASME)規格であり、これは実行可能なマークアップ言語(XML)ベースのフォーマットであり、任意のCADソフトウェアが、AMプリンタで製造されることになる任意の三次元物体の形状および構成を表現することができるように設計されている。コード920は、必要に応じて、異なるフォーマット間での転換、一組のデータ信号への変換および送信、一組のデータ信号としての受信およびコードへの変換、記憶などが可能である。コード920は、システム900への入力であってよく、部品設計者、知的財産(IP)プロバイダ、設計会社、システム900のオペレータもしくは所有者から、または他のソースからもたらされてもよい。いずれにしても、AM制御システム904は、コード920を実行し、ブレード20および/またはシム52(
図2~
図12)を連続した薄いスライスに分割し、ブレード20および/またはシム52は、液体、粉末、シートまたは他の材料の連続した層でAMプリンタ906を使用して組み立てられる。DMLMの例では、各層は、コード920によって定義された正確な幾何学的形状に溶融されて先行の層に融合される。その後、ブレード20および/またはシム52(
図2~
図12)は、任意の様々な仕上げプロセス、例えば、軽微な機械加工、シーリング、研磨、イグナイタチップの他の部分へのアセンブリなどを施され得る。
【0028】
図14は、本開示の実施形態による、ブレードのダブテール32のテーパ溝に配置されたシム、およびロータまたはホイールに取り付けられたブレードの簡略断面図を示している。シム52は、テーパ溝33(明確にするために図示せず)内に配置され、シムの端部は、シムを定位置にロックするためにロータ34(またはホイール)上で曲げられる。シムの両端が曲げられると(図示のように)、シムはホイール/ロータ34に対して軸方向(すなわち、
図14の左または右)に移動することが防止される。全厚のシムが90度曲げられると亀裂を受ける可能性があるため、薄肉領域74は、シムのこの側の曲げを容易にする。ロータ34の混合領域45は、シム52の曲げ半径比を正確に維持してシム52の冷間加工応力を低減するために、曲げ設計にとって重要である。
【0029】
図15は、本開示の実施形態による、ブレードダブテール32とロータまたはホイールとの間に配置されたシム52の簡略断面図を示している。シム52は、ブレードダブテール32とホイール/ロータ34との間に配置され、シムの端部は、ブレードダブテール32上で曲げられて、シムを所定の位置にロックする。(図示のように)シム52の両端が曲げられた状態では、シムはブレードに対して軸方向(すなわち、
図15の左または右)に移動することが防止される。ブレードダブテールは、曲げられたシムの部分にかかる応力を低減するために、混合された、または丸みを帯びた、半径方向下方および軸方向に面する表面を有する。ブレードダブテール32の混合領域45は、シム52の曲げ半径比を正確に維持してシム52の冷間加工応力を低減するために、曲げ設計にとって重要である。シム52はまた、一端が(ブレードダブテールに対して)半径方向上方に曲げられ、軸方向に対向する端部が(ロータ/ホイールに対して)半径方向下方/内向きに曲げられてもよいことを理解されたい。この変形例では、ダブテールおよびホイールの対応する領域は、シム端部の屈曲部分への望ましくない応力を防止するために、丸みを帯びているかまたは混合されるべきである。
【0030】
様々な実施形態において、互いに「結合される」ものとして記載された構成要素は、1つまたは複数のインターフェースに沿って接合されてもよい。いくつかの実施形態では、これらのインターフェースは、別個の構成要素間の接合部を含むことができ、他の場合には、これらのインターフェースは、強固におよび/または一体的に形成された相互接続を含むことができる。すなわち、場合によっては、互いに「結合された」構成要素を同時に形成して、単一の連続的な部材を画定することができる。しかしながら、他の実施形態では、これらの結合された構成要素は、別個の部材として形成され、その後に、既知のプロセス(例えば、はんだ付け、締結、超音波溶接、接着)によって接合することができる。様々な実施形態では、「結合された」として説明される電子構成要素を、これらの電子構成要素が互いにデータを通信できるように、従来の有線および/または無線手段を介してリンクすることができる。
【0031】
ある要素または層が別の要素または層に対して「上に」、「係合される」、「接続される」、または「結合される」と言及される場合には、他の要素または層に対して直接的に上に、係合され、接続され、または結合されてもよいし、あるいは介在する要素または層が存在してもよい。逆に、ある要素が別の要素または層に対して「直接上に」、「直接係合される」、「直接接続される」、または「直接結合される」と言及される場合には、介在する要素または層は存在しなくてもよい。要素間の関係について説明するために使用される他の語も、同様に解釈されるべきである(例えば、「~の間に」に対して「直接~の間に」、「~に隣接して」に対して「直接~に隣接して」など)。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のいずれかおよび1つまたは複数のすべての組み合わせを含む。
【0032】
「内側」、「外側」、「真下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示すような、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を記述するための説明を容易にするために使用することができる。空間的に相対的な用語は、図に描かれている向きに加えて、使用または動作中のデバイスの異なる向きを含むことを意図することができる。例えば、図中のデバイスが上下反転された場合、他の要素または特徴の「下方」または「真下」にあると記述される要素は、他の要素または特徴の「上方」に配される。したがって、「下方」の例の用語は、上方および下方の両方の向きを含むことができる。デバイスを、それ以外の方向に向ける(90度回転させる、または他の向きに回転させる)ことができ、したがって、本明細書で使用される空間的に相対的な記述はそれに応じて解釈される。
【0033】
本明細書は、最良の態様を含む本発明を開示するため、およびどのような当業者も、任意のデバイスまたはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実施を含む本発明の実践を可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言との差がない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言との実質的な差がない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【符号の説明】
【0034】
2 蒸気タービン
4 低圧(LP)セクション
6 高圧(HP)セクション
7 ケーシング
8 入口
10 シャフト
12 ベアリング
14 出口
16 中心線
20 蒸気タービンブレード
22 ブレードまたは翼形部
24 第1の端部
26 第2の端部
28 先端
30 基部
32 ダブテール
33 テーパ溝
34 ロータ
35 第1の端部
36 ダブテールスロット
37 第2の端部
38 本体
40 突起
44 凹部
45 混合領域
46 底面
48 球状セクション
52 シム
54 軸方向保持機構
56 側面
58 フック
60 第1の部材
62 第2の部材
64 軸方向保持部材
65 回転防止タブ
66 空間
67 回転防止ピン
68 主本体
70 上面
72 下面
74 薄肉領域
76 薄肉の下面
78 第1のテーパ領域
84 スロット
900 付加製造システム
902 物体
904 AM制御システム
906 AMプリンタ
910 チャンバ
912 アプリケータ
914 原材料
916 レーザまたは電子ビーム
918 構築プラットフォーム
920 コード
930 コンピュータ
932 メモリ
934 プロセッサ
936 入力/出力(I/O)インターフェース
938 バス
940 I/Oデバイス
942 記憶システム
1101 平坦部分
1102 深さ
1103 深さ
1104 深さ
1201 第1の高さ
1202 第2の高さ