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特許7434310パネル、特に床パネルまたは壁パネル、およびパネル被覆材
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】パネル、特に床パネルまたは壁パネル、およびパネル被覆材
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20240213BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
E04F15/02 G
E04F13/08 M
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021522438
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 EP2019076442
(87)【国際公開番号】W WO2020083615
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-08-23
(31)【優先権主張番号】2021886
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】520250741
【氏名又は名称】アイ4エフ・ライセンシング・エヌヴィ
【氏名又は名称原語表記】I4F LICENSING NV
【住所又は居所原語表記】INDUSTRIEDIJK 19, 2300 TURNHOUT, BELGIUM
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ブーケ,エディ・アルベリック
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-021450(JP,A)
【文献】特表2019-504226(JP,A)
【文献】特表2014-513757(JP,A)
【文献】特表2008-513634(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0033633(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0010342(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0028474(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0100242(US,A1)
【文献】国際公開第2017/115202(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/215550(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102005028072(DE,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0947849(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/02
E04F 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル、天井パネルまたは壁パネルの少なくとも一つを含むパネルであって、
上側および下側が備えられ、面を画定する、中央に配設されたコアと、
前記コアの対向する縁部にそれぞれ接続された少なくとも一つの第一の連結部および少
なくとも一つの第二の連結部であって、この第一の連結部が、
上向き舌部と、
前記上向き舌部からある距離にある少なくとも一つの上向きフランクと、
前記上向き舌部と前記上向きフランクとの間に形成された上向き溝であって、隣接す
るパネルの第二の連結部の下向き舌部の少なくとも一部を収容するように適合されている上向き溝とを備え、
前記上向きフランクから離れて対向して、前記上向き舌部の遠位側に設けられた少な
くとも一つの第一のロック要素と、
前記上向きフランクに対向している前記上向き舌部の近位側の少なくとも一部が、該
上向きフランクに向かって上方に傾斜し、
前記第二の連結部が、
下向き舌部と、
前記下向き舌部からある距離にある少なくとも一つの下向きフランクと、
前記下向き舌部と前記下向きフランクとの間に形成された下向き溝であって、隣接す
るパネルの第一の連結部の上向き舌部の少なくとも一部を収容するように適合されている
下向き溝とを備え、
隣接するパネルの第一のロック要素との共同動作のために適合された少なくとも一つ
の第二のロック要素であって、前記下向きフランクに設けられている第二のロック要素と

前記上向きフランクに対向している前記下向き舌部の近位側の少なくとも一部が、前
記下向きフランクに向かって下方に傾斜している、前記少なくとも一つの第一の連結部お
よび少なくとも一つの第二の連結部と、を備え、
前記第一の連結部および前記第二の連結部は、連結状態において、それぞれの該縁部に
おいて、それぞれの該パネルを互いに向かって押し付けるプレテンションが存在するよう
に構成され、この場合、このことは、前記第一の連結部の輪郭と前記第二の連結部の輪郭
の重ね合わせ適用することによって実行されるように構成され、およびこの場合、
該第一の連結部および前記第二の連結部は、二枚のこのようなパネルを、フォールドダ
ウン動作および/または垂直方向の動作によって互いに連結することができるように、連
結状態において、前記第二の連結部の前記下向き舌部の少なくとも一部が、前記第一の連
結部の前記上向き溝に挿入されるように、該下向き舌部が該第一の連結部によって締め付
けられるように、および/または前記上向き舌部が前記第二の連結部によって締め付けら
れるように、およびこの場合、該上向き舌部は、該下向き溝に対してオーバーサイズであ
るように構成され、
前記上向き舌部のは、前記下向き溝の前記幅に対してオーバーサイズであり、
前記上向き舌部の最大幅は、前記下向き溝の最大幅を超えており、
第一のロック要素は膨出部を備え、第二のロック要素は凹部を備える、パネル。
【請求項2】
前記下向き舌部は、前記上向き溝に対してオーバーサイズである、請求項1に記載のパ
ネル。
【請求項3】
前記下向き舌部の幅は、前記上向き溝の幅に対してオーバーサイズである、請求項2に
記載のパネル。
【請求項4】
前記下向き舌部の最大幅は、前記上向き溝の最大幅を超えている、請求項3に記載のパ
ネル。
【請求項5】
前記下向き舌部の高さは、前記上向き溝の高さ以下である、請求項1~4の何れか一項
に記載のパネル。
【請求項6】
前記上向き舌部は、前記下向き溝に対して、少なくとも3%ーバーサイズである、請求項1~5の何れか一項に記載のパネル。
【請求項7】
前記上向き舌部の前記高さは、前記下向き溝の前記高さ以下である、請求項1~6の何
れか一項に記載のパネル。
【請求項8】
前記第一の連結部の下側には、記上向き舌部の下方への曲げを可能にするように構成された凹部が設けられる、請求項1~7の何れか一項に記載のパネル。
【請求項9】
隣接するパネルの連結状態において、前記連結された第一の連結部の前記上向き舌部は
、外側に曲げられ、および前記第一の連結部の前記上向き溝は、前記第一の連結部の連結
されていない状態と比較して広げられる、請求項8に記載のパネル。
【請求項10】
前記パネルの断面視において、前記凹部は、実質的に矩形状または傾斜した形状を有す
る、請求項8または9に記載のパネル。
【請求項11】
前記第一の連結部は、前記パネルの前記コアに接続された下方ブリッジを備え、前記上
向き舌部は、前記下方ブリッジに接続され、および前記下方ブリッジに対して上方向に延
びている、請求項1~10の何れか一項に記載のパネル。
【請求項12】
凹部は、前記上向き舌部の少なくとも一部の下に、および下方ブリッジの少なくとも一
部の下に設けられる、請求項9~11の何れか一項に記載のパネル。
【請求項13】
連結時に、前記上向き舌部は下方に曲がり、その後、その初期位置の方向に戻る、請求
項1~12の何れか一項に記載のパネル。
【請求項14】
前記上向き舌部の前記上側は傾斜され、そして、前記上向きフランクに対向している該
上向き舌部の前記近位側から、該上向きフランクから離れて対向している該上向き舌部の
前記遠位側に向かって下方へ動く、請求項1~13の何れか一項に記載のパネル。
【請求項15】
第一のロック要素は凹部を備え、第二のロック要素は、膨出部を備える、請求項1~1
4の何れか一項に記載のパネル。
【請求項16】
前記下向きフランクから離れて対向している前記下向き舌部の側部の一部には、隣接するパネルの部または外側への膨出部の形態の第四のロック要素との共同動作に適合された側への膨出部または凹部の形態の第三のロック要素が設けられ、前記上向きフランクの少なくとも一部には、隣接するパネルの側への膨出部または凹部の形態の第三のロック要素との共同動作に適合された部または外側への膨出部の形態の第四のロック要素が設けられる、請求項1~15の何れか一項に記載のパネル。
【請求項17】
前記パネルは、第一のロック要素および第二のロック要素の代わりに、前記第三のロッ
ク要素および第四のロック要素を備える、請求項16に記載のパネル。
【請求項18】
前記第一の連結部および前記第二の連結部は、前記コアと一体形成される、請求項1~
17の何れか一項に記載のパネル。
【請求項19】
前記第一の連結部および前記第二の連結部は、フレキシブル材料または半剛性材料で形
成される、請求項1~18の何れか一項に記載のパネル。
【請求項20】
前記コアは複数の層を備える、請求項1~19の何れか一項に記載のパネル。
【請求項21】
前記パネルは、複数の第一の連結部と、複数の第二の連結部とを備える、請求項1~2
0の何れか一項に記載のパネル。
【請求項22】
前記第一の連結部および前記第二の連結部は、フレキシブル材料または半剛性材料で形
成される、請求項1~21の何れか一項に記載のパネル。
【請求項23】
前記パネルは、多角形状有する、請求項1~22の何れか一項に記載のパネル。
【請求項24】
前記パネルは平行四辺形形状を有し、二組の隣接する縁部は鋭角を含み、二組の他の隣
接する縁部は鈍角を含む、請求項1~23の何れか一項に記載のパネル。
【請求項25】
前記パネルは、それぞれ前記コアの対向する縁部に接続された少なくとも一つの第三の
連結部および少なくとも一つの第四の連結部を備え、該第三の連結部は、
前記コアの前記上側に実質的に平行な方向に延びている側部舌部と、
前記側部舌部からある距離にある少なくとも一つの第二の下向きフランクと、
前記側部舌部と前記第二の下向きフランクとの間に形成された第二の下向き溝とを備え

前記第四の連結部は、
隣接するパネルの前記第三の連結部の前記側部舌部の少なくとも一部を収容するために
構成され、上方唇部および下方唇部によって画定され、前記下方唇部には上向きロック要
素が設けられる第二の溝を備え、
前記第三の連結部および前記第四の連結部は、二枚のこのようなパネルを、旋回運動に
よって互いに連結することができるように構成され、この場合、連結状態において、第一
のパネルの前記側部舌部の少なくとも一部は、隣接する第二のパネルの前記第二の溝に挿
入され、および前記第二のパネルの前記上向きロック要素の少なくとも一部は、前記第一
のパネルの前記第二の下向き溝に挿入される、請求項1~24の何れか一項に記載のパネ
ル。
【請求項26】
前記第三の連結部と該第四の連結部は、連結された状態が、該第三の連結部と該第四の
連結部との間に実質的にプレテンションがないように構成される、請求項25に記載のパ
ネル。
【請求項27】
請求項1~26の何れか一項に記載の複数の相互に連結されたパネルを備える被覆材、天井被覆材または壁被覆材の少なくとも一つを含む被覆材
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネルに関する。また、本発明は、本発明による複数の相互に連結されたパネルから成るカバー、特に床被覆材、天井被覆材または壁被覆材に関する。
【背景技術】
【0002】
この十年間、堅い床被覆材用ラミネートの市場においては、大幅な進歩が見られた。さまざまな方法で床パネルを下にある床の上に設置することは公知である。例えば、接着により、または、上に釘付けすることにより、該床パネルが該下にある床に取付けられることが知られている。この技術には、どちらかと言えば複雑であり、およびその後の取り換えは、該床パネルを解体することによってのみ実行できるという欠点がある。代替的な設置方法によれば、該床パネルは、下張り材の上に大まかに設置され、それにより、該床パネルは、舌部および溝結合によって互いに相互適合され、それにより、それらのパネルは、該舌部内および溝内においてもほとんど一緒に接着される。フローティング寄木細工フローリングとも呼ばれている、このようにして得られた該床には、設置するのが容易であり、および完成した床面が動くことができ、このことが、多くの場合、潜在的な膨張や収縮現象を受け止めるのに都合が良いという利点がある。とりわけ、該床パネルが該下張り材の上に大まかに設置された場合の上述したタイプの床被覆材に関する欠点は、該床の該膨張およびその後の収縮中に、例えば、接着接続が破壊された場合に、望ましくないギャップが形成される可能性があり、その結果として、該床パネル自体に隔たりができる可能性があるということにある。この欠点を直すため、金属でできた接続要素が、該パネルを一緒に維持するように、単一の床パネル間に設けられるという手法が既に行われている。しかし、このような接続要素は、どちらかと言えば、作るのに費用が掛かり、さらに、それらの準備や設置は、時間のかかる仕事である。相補的形状の連結部材を対向するパネル縁部に有する床パネルもまた公知である。それらの公知のパネルは、典型的には矩形状であり、相補的形状のアングリングダウン連結部材を対向する長いパネル縁部に有し、および相補的形状のフォールドダウン連結部材を対向する短いパネル縁部に有している。これらの公知の床パネルの設置は、いわゆるフォールドダウン方式に基づいており、この場合、設置される第一のパネルの該長い縁部は、まず、第一の列における既に設置されている第二のパネルの該長い縁部に結合または挿入され、その後、該第一のパネルの該短い縁部は、該第一のパネルを降下させる(フォールドダウンする)間に、第二の列における既に設置されている第三のパネルの短い縁部に連結され、この設置は、シンプルな設置の目標とされる要件を満たしている。このようにして、相互に連結された床パネルの複数の平行に方向付けられた列から成る床被覆材を実現することができる。
【0003】
例えば、国際公開第2017/115202号には、床被覆材を形成するための床パネルが記載されており、床被覆材は複数の床パネルからなり、少なくとも一対の縁部に連結部材が設けられており、これらの連結部材は実質的に床パネルの材料から製造されており、これらの連結部材は、そのような2つの床パネルが、前記一対の端部で、下方への移動によっておよび/または折りたたみ原理によって、設置および互いにロックできるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/115202号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
該本発明の目的は、多数のパネルを改良された方法で相互に連結することができるパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の態様によれば、該本発明は、上側および下側が備えられ、面を画定する、中央に配設されたコアと、前記コアの対向する縁部にそれぞれ接続された少なくとも一つの第一の連結部および少なくとも一つの第二の連結部であって、
この第一の連結部が、上向き舌部と、前記上向き舌部からある距離にある少なくとも一つの上向きフランクと、前記上向き舌部と前記上向きフランクとの間に形成された上向き溝であって、隣接するパネルの第二の連結部の下向き舌部の少なくとも一部を収容するように適合されている上向き溝とを備え、前記上向きフランクに対向している前記上向き舌部の近位側の少なくとも一部が、該上向きフランクに向かって上方に傾斜し、
前記第二の連結部が、下向き舌部と、前記下向き舌部からある距離にある少なくとも一つの下向きフランクと、前記下向き舌部と前記下向きフランクとの間に形成された下向き溝であって、隣接するパネルの第一の連結部の上向き舌部の少なくとも一部を収容するように適合されている下向き溝とを備え、前記上向きフランクに対向している前記下向き舌部の近位側の少なくとも一部が、前記下向きフランクに向かって下方に傾斜している、前記少なくとも一つの第一の連結部および少なくとも一つの第二の連結部とを備え、
前記第一の連結部および前記第二の連結部は、連結状態において、それぞれの該縁部において、それぞれの該パネルを互いに向かって押し付けるプレテンションが存在しており、この場合、このことは、好ましくは、前記第一の連結部の輪郭と前記第二の連結部の輪郭の重ね合わせ、具体的には、前記下向き舌部の輪郭と前記上向き溝の輪郭の重ね合わせおよび/または前記上向き舌部の輪郭と前記下向き溝の輪郭の重ね合わせを適用することによって実行されるように構成され、
該第一の連結部および前記第二の連結部は、二枚のこのようなパネルを、フォールドダウン動作および/または垂直動作によって互いに連結することができるように、連結状態において、前記第二の連結部の前記下向き舌部の少なくとも一部が、前記第一の連結部の前記上向き溝に挿入されるように、該下向き舌部が、該第一の連結部によって締め付けられるように、および/または該上向き舌部が、該第二の連結部によって締め付けられるように、この場合、該上向き舌部は、該下向き溝に対してオーバーサイズであるように構成される、プリアンブルに係るパネルに関する。
【0007】
第二の態様によれば、該本発明は、上側および下側が備えられ、面を画定する、中央に配設されたコアと、前記コアの対向する縁部にそれぞれ接続された少なくとも一つの第一の連結部および少なくとも一つの第二の連結部であって、
この第一の連結部が、上向き舌部と、前記上向き舌部からある距離にある少なくとも一つの上向きフランクと、前記上向き舌部と前記上向きフランクとの間に形成された上向き溝であって、隣接するパネルの第二の連結部の下向き舌部の少なくとも一部を収容するように適合されている上向き溝と、好ましくは、前記上向きフランクから離れて対向して、前記上向き舌部の遠位側に設けられた少なくとも一つの第一のロック要素とを備え、
前記第二の連結部が、下向き舌部と、前記下向き舌部からある距離にある少なくとも一つの下向きフランクと、前記下向き舌部と前記下向きフランクとの間に形成された下向き溝であって、隣接するパネルの第一の連結部の上向き舌部の少なくとも一部を収容するように適合されている下向き溝と、隣接するパネルの第一のロック要素との共同動作のために適合された少なくとも一つの第二のロック要素であって、好ましくは、前記下向きフランクに設けられている第二のロック要素とを備える、前記少なくとも一つの第一の連結部および前記少なくとも一つの第二の連結部とを備え、
前記第一の連結部および前記第二の連結部は、連結状態において、それぞれの該縁部において、それぞれの該パネルを互いに向かって押し付けるプレテンションが存在しており、この場合、このことは、好ましくは、前記第一の連結部の輪郭と前記第二の連結部の輪郭の重ね合わせ、具体的には、前記下向き舌部の輪郭と前記上向き溝の輪郭の重ね合わせおよび/または前記上向き舌部の輪郭と前記下向き溝の輪郭の重ね合わせを適用することによって実行されるように構成され、
該第一の連結部および前記第二の連結部は、二枚のこのようなパネルを、フォールドダウン動作および/または垂直動作によって互いに連結することができるように、連結状態において、前記第二の連結部の前記下向き舌部の少なくとも一部が、前記第一の連結部の前記上向き溝に挿入されるように、該下向き舌部が、該第一の連結部によって締め付けられるように、該第二の連結部の少なくとも一部が該第一の連結部によって締め付けられるように、および/または該第一の連結部の少なくとも一部が、該第二の連結部によって締め付けられるように、この場合、該上向き舌部は、該下向き溝に対してオーバーサイズであるように構成される、前記プリアンブルに係るパネルに関する。
【0008】
言及したプレテンションは、該連結部およびそれぞれの縁部におけるそれぞれのパネルが互いに向かって押し付けられる(押される)ため、該連結状態において、該連結部が互いに力を及ぼすことを意味し、この場合、該第一の連結部と該相補的な第二の連結部は、締結的方法で相互に協働する。このことは、該パネルが、はさみ(scissoring)動作またはジッピング(zipping)動作とも呼ばれるフォールドダウン動作および/または垂直動作によって、およびそれ故に、ユーザフレンドリーなフォールドダウン技術を用いることによって連結されるように構成されているという大きな利点を維持しながら、該第一の連結部および該第二の連結部の連結の安定性および信頼性を著しく向上させ、および該連結部が(隣接するパネル間にギャップを形成するであろう)隔たりを生じることを防ぐであろう。該プレテンションは、好ましくは、該第一の連結部および該第二の連結部の輪郭の重ね合わせ、具体的には、該下向き舌部および該上向き溝の輪郭の重ね合わせおよび/または該上向き舌部および該下向き溝の輪郭の重ね合わせを利用することによって実現される。輪郭の重ね合わせは、全部の輪郭が重なり合っていることを意味せず、および単に、該第一の連結部の該(外側の)輪郭の少なくとも一部が、該第二の連結部の該(外側の)輪郭の少なくとも一部と重なり合うことを要する。該輪郭は、典型的には、該第一の連結部および第二の連結部の該輪郭を、側面図(または、断面図)から考察することによって比較される。輪郭の重ね合わせを適用することによって、該第一の連結部および/または該第二の連結部は、連結が所望の安定性であれば、連結状態において、典型的には、(弾性的に)変形したまま、具体的には、締め付けられたままおよび/または曲がったままになるであろう。通常、輪郭の重ね合わせの場合、該下向き舌部は、該上向き溝に対して(わずかに)オーバーサイズになり、および/または該上向き舌部は、該下向き溝に対して(わずかに)オーバーサイズになっているであろう。しかし、輪郭の重ね合わせは、別の方法で、例えば、第一および第二のロック要素の重ね合わせを適用することによって実現してもよいことを理解すべきである。
【0009】
該パネルの連結中には、該上向き舌部が(弾性的に)変形する、具体的には、押し潰されるおよび/または曲げられる可能性がある。曲げは、その初期の位置から、該上向きフランクから離れた(わずかに)外側方向に起きるであろう。該上向き舌部の曲げ状態は、二枚のパネルの該連結状態において続く可能性がある。該上向きフランクに対向している、該上向き舌部の該近位側の曲げ角度は、一般的に、0度から2度の間に制限され、かつこの間にある。オーバーサイズは、所望のプレテンションを実現するのに十分に大きくすべきであり、このプレテンションは、通常、最小のオーバーサイズで既に起きるものであるが、他方においては、好ましくは、適切でユーザフレンドリーな設置を可能にし、および確実にするために、十分に制限しなければならない。好ましくは、該下向き舌部の幅は、該上向き溝の幅に対してオーバーサイズである。このオーバーサイズは、典型的には、0.05~0.5mm程度の大きさである。該下向き舌部の最大幅は、好ましくは、該上向き溝の該最大幅を超えている。このことはさらに、一般的に、該パネルが互いに押すことを維持して、連結およびそれ故に合わせ目を可能な限り緊密に(遊びがない状態に)維持することに寄与するであろう。該パネルを単一の(水平な)面に確実にするためには、万が一に備えて、該下向き舌部の高さが、該上向き溝の高さ以下であることが有利である。
【0010】
上向き舌部が該下向き溝に対してオーバーサイズである。該上向き舌部の該幅は、該下向き溝の該幅に対してオーバーサイズである。ここでは、該上向き舌部の最大幅が、該下向き溝の最大幅を超えており、また、このことは、該第一の連結部と第二の連結部との間にプレテンションをもたらす。しかし、この場合、該パネル間の緊密な合わせ目を確実にするために、および該パネル間のオフセットを防ぐために、該下向き溝は、連結中に広げられないこと、または、連結状態において、少なくとも広がったままにならないことが好適である。該パネルの縁部が面取りされている場合、具体的には、角が落とされている場合、小さなオフセットは目に見えないであろうが、そのため、このことは、(連結状態における、該下向き溝の(わずかな)広がりおよび該下向き舌部の上向きの曲げにより)小さなオフセットを許容する。該上向き舌部の該高さは、好ましくは、該下向き溝の該高さ以下である。このことは、(接続箇所の水平面内において)維持連結パネルが同じレベルであることを容易にするであろう。このオーバーサイズ、好ましくは、該下向き溝に対する該上向き舌部の該(最大)幅のオーバーサイズおよび/または断面表面積のオーバーサイズは、典型的には、0.05~0.5mm程度の大きさである。このことは、容認できるプレテンションの拡大をもたらし、この場合、連結状態において、該それぞれの縁部における該それぞれのパネルは、互いに向かって押し付けられ、該第一の連結部と該相補的な第二の連結部は、著しい(望ましくない)材料応力を引き起こすことなく、締め付ける方法で相互に協働する。しかし、該舌部の該オーバーサイズが、0.5~1.0mm程度の大きさであるか、または、該オーバーサイズが1mmを超えていることも考えられる。該オーバーサイズが1mmを超えている場合、わずかにフレキシブルである(半剛性の)コア材料を用いることが望ましい可能性がある。該オーバーサイズの舌部は、連結中に、および/または該連結状態において、潜在的にわずかに変形する可能性がある。例えば、該上向き舌部の少なくとも一部が、該下向き溝の少なくとも一部、具体的には、(隣接するパネルの連結状態において)該上向き舌部の前記オーバーサイズ部分と協働するように構成されている該下向き溝の少なくとも一部に対して少なくとも3%、好ましくは、少なくとも5%オーバーサイズであることも考えられる。これは、幅方向において可能であり、および/またはこれは、断面表面積のオーバーサイズとすることができるが、全体として該舌部に対する事例であってもよい。また、該上向き舌部は、好ましくは、連結状態において、該オーバーサイズの上向き舌部が、該下向き溝によって下方向にわずかに押し付けられるように、垂直方向において、該下向き溝に対してオーバーサイズにすることもできる。このことは、特に、該上向き舌部を下向きに曲げるための空間を形成している凹部が、該上向き舌部の下に存在している場合に可能である。このような構成を有するパネルの非連結状態においては、該下向き溝に対する該上向き舌部の輪郭の該重ね合わせは、比較的大きくすることができる。
【0011】
該連結部の該ロック要素は、連結されたパネルの固定に寄与している。該舌部と該溝の連携は、例えば、水平固定、または、該連結されたパネルの平面内での固定に寄与する。該第一および第二のロック要素は、典型的には、垂直方向の固定、または、該連結されたパネルの平面に垂直な面内での固定のいずれかに寄与し、または、それらは回転に関する固定に寄与し、その結果、二枚のパネルは、自由に旋回させることができず、または、このような旋回が低減される。
【0012】
好適な実施形態において、該第一の連結部の下側には、好ましくは、該上向き溝が、二枚のパネルの連結を容易にするように広げられるような、該上向き舌部の下向きの曲げを可能にするように構成された凹部が設けられている。該凹部を設けることにより、該上向き舌部の下向きの曲げ(撓み)を可能にし、および容易にする空間が、該第一の連結部の下に形成される。このことは、連結中の舌部材料によって始めることができる。該上向き舌部のこの撓みは、該上向き溝を少なくとも連結中に広げることを可能にし、より大きな上向き溝が、二枚のパネルの互いへの連結を容易にする。該上向き溝のこの広がり状態および該上向き舌部の曲げ状態は、隣接するパネルの連結状態において続く。典型的には、該パネルの連結中、該上向き舌部は、下方向の該凹部内に曲がった後、その初期位置の方向に少なくとも部分的に戻ることができる。隣接するパネルの該第一の連結部と該第二の連結部の連結状態において、これらの連結部は、典型的には、該連結部のうちの少なくとも一方によって及ぼされる張力が印加された状態で、該パネルを互いに向かって押し付ける。この張力は、連結されたパネルを一緒に押し付け、または、互いに向かって押し付け、その結果、連結されたパネルの固定を増強する。該上向き舌部が、隣接するパネルの連結状態において、曲がった状態のままである場合、該上向き舌部の少なくとも一部は、非連結状態の該上向き舌部の初期位置よりもわずかに低く位置することになる。(非連結状態の)該初期位置と、(連結状態の)該曲げ位置の高さの違いは、0.1~5mm、典型的には、0.2~2mmとすることができる。
【0013】
該凹部は、例えば、該パネルが水平方向の下張り床または面に配置されたときに、水平方向にも広がる、削り出された溝によって形成することができる。別法として、該溝は、該パネルの底側のある距離から広がっている。典型的には、該第一の連結部は、該パネルの該コアに接続された下方ブリッジを備え、この場合、該上向き舌部は、前記下方ブリッジに接続され、および前記下方ブリッジに対して上方向に延びている。該凹部、好ましくは、面取りされた部分は、該上向き舌部の下だけに配置することができる。しかし、一般的には、該凹部が、該上向き舌部の少なくとも一部および該下方ブリッジの少なくとも一部の両方の下に、好ましくは、該下方ブリッジの幅の少なくとも半分に配置される場合がより好適である。この後者の実施形態は、一般的に、該下方ブリッジに対する該上向き舌部の曲げを容易にするであろう。該凹部は、通常、該上向きフランクから離れて対向している該上向き舌部の該遠位側まで延びている。
【0014】
該パネルの断面図において、該凹部は、実質的に矩形状の断面を有していてもよい。断面図の場合、図は、該パネルの主方向のうちの一つによることが意図されている。パネルまたは床パネルは、正方形または矩形状を有する傾向があり、該断面は、該パネルの中心線のうちの一つによるものである。このような形状は、例えば、従来のフライス加工技術を用いて該パネルの一部を削り出すことにより、生産するのが比較的容易である。該パネルのこの削り出された部分は、将来のパネルの製造時のリソースとして用いてもよい。しかし、該凹部が、該パネルによって画定された面に対して(上向きに)傾斜した面を有する面取りした部分であることを想像できる。典型的には、該パネルのこの面取りした部分および該パネルの該下側(の残りの部分)は、鈍角を相互に含み、このことは、一般的に、よりロバストであり、すなわち、鋭角および/または直角を取り囲む材料面と比較して、それほど壊れやすくなくかつ傷付き易くない。
【0015】
該凹部から該パネルの該下側(の残りの部分)までの内側への移行は、少なくとも部分的に湾曲させることができ、または、該凹部から該パネルの該コアへの該内側への移行は、正方形であってもよい。該凹部の湾曲移行は、該凹部と該コアとの間の円滑な移行を可能にし、この場合、該パネルに及ぼされる力も同様に、かなり円滑に伝達させることができる。一方、正方形移行は、製造するのが比較的容易である。
【0016】
好適な実施形態において、通常は該上向き舌部の底面(すなわち、全部)すなわち上側は、該上向きフランクに対向している該上向き舌部の該近位側から、該上向きフランクから離れて対向している該上向き舌部の該遠位側に向かって下方に傾斜している。好ましくは、該下向き溝の上側の少なくとも一部および好ましくは全部は、該下向きフランクに向かって下向きに傾斜している。好ましくは、どちらの傾斜も、0度と5度を含む0~5度の角度を相互に取り囲んでいる。該上向き舌部の該上側の傾斜は、(該パネルによって画定された面である)水平面に対して、好ましくは、15~45度の間に、より好ましくは、25~35度の間にあり、および最も好ましくは、約30度である。該上向き舌部の該上側の該傾斜は、好ましくは一定であり、これは、該上側が、実質的に平坦な方向性を有していることを意味する。好ましくは、該下向き溝の該上側は、好ましくは、(該上向き舌部の該上側の該傾斜と比較して)同様の傾斜方向性を有し、この方向性は、より好ましくは、下向き舌部の方向における上方である。上述したように、典型的には、該第一の連結部は、該パネルの該コアに接続された下方ブリッジを備え、この場合、該上向き舌部は、前記下方ブリッジに接続され、および前記下方ブリッジに対して上方向に延びている。該下方ブリッジの上側は、該上向き溝の下側を画定している。また典型的には、該第二の連結部は、該コアと該下向き舌部を接続する上方ブリッジを備え、この場合、下向き舌部は、前記上方ブリッジに対して下方に延びている。該上方ブリッジの下側は、該下向き溝の上側を画定している。該下向き溝の傾斜した上側を適用することによって、該下向き舌部の方向における該コアを見て分かるように、該上方ブリッジの可変厚みが生じる。この位置依存のブリッジの厚みでは、該ブリッジの厚みは、該コアの近くで好ましくは比較的大きく、また、該下向き舌部の近くで比較的小さく、ブリッジの厚みは、多くの利点を有している。該コアに近い、該上方ブリッジのより厚い部分は、該ブリッジに、より大きくかつ十分な強度および頑強性を与え、一方、該側部の舌部および/または下向き舌部に近い、該上方ブリッジのより薄い部分は、該ブリッジの最弱の箇所を形成し、そのため、連結中の最初の変形(旋回点)の位置にとって決定的である。変形のこの箇所は、該下向き舌部の近くに位置しているため、該下向き舌部を隣接するパネルの該上向き溝に挿入することができるように変形される材料の量は、最小限に保つことができる。より少ない変形は、より少ない材料応力をもたらし、このことは、該連結部ならびに該パネルの寿命に有利である。隣接するパネルの該連結状態において、該第一の下向き凹部または第二の下向き凹部の該上側は、少なくとも部分的に、および好ましくは、実質的に完全に、該上向きのロック要素の該上側によって支持することができ、このことは、追加的な強度を該連結にそれなりに与える。この目的を達成するためには、該下向き溝の該上側の該傾斜が、該上向き舌部の該上側の該傾斜に実質的に一致することが有利である。これは、該下向きの該上側の該傾斜が、水平面に対して、好ましくは、15~45度の間に、より好ましくは、25~35度の間にあり、およびより好ましくは、約30度であることを意味する。この傾斜は、平坦かまたは丸みを帯びていてもよく、あるいは最終的にかぎ状であってもよい。
【0017】
該第一のロック要素は膨出部を備え、また、該第二のロック要素は凹部を備えている。該膨出部は、一般的に、固定連結、好ましくは、垂直方向の固定連結を実現するために、隣接する連結パネルの該凹部に少なくとも部分的に収容されるように適合されている。また、該第一のロック要素と該第二のロック要素が、膨出部と凹部の組合せによって形成されておらず、協働する特殊形状の面および/または高摩擦接触面から成る別の組合せによって形成されることも考えられる。この後者の実施形態において、該第一のロック要素および第二のロック要素のうちの少なくとも一方は、係合(連結)状態において、別のパネルの他方のロック要素と摩擦を生じるように構成された、必要に応じて独立したプラスチック材料で構成された(別様に形成された平坦な)接触面によって形成してもよい。摩擦を生じるのに適切なプラスチックの実例は、以下を含む。
【0018】
・耐クリープ性を有する硬くて丈夫なアセタール(POM)。これは、低摩擦係数を有し、高温で安定したままであり、および熱湯に対して良好な耐性を呈する。
・ほとんどのポリマーよりも湿気を吸収するナイロン(PA)であり、これは湿気を吸収するため、衝撃強度および全体のエネルギ吸収量が実際に向上する。また、ナイロンは、低摩擦係数、良好な電気的特性および良好な耐薬品性も有する。
・ポリフタルアミド(PPA)。この高性能のナイロンは、改良された耐熱性および低吸湿性を有する。また、これは、良好な耐薬品性も有する。
・高強度とともに良好な耐薬品性および耐炎性を有する、高耐熱熱可塑性であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)。PEEKは、航空宇宙業界で良く使われている。
・耐薬品性および高耐熱性、難燃性、流動性、寸法安定性および良好な電気的特性を含むバランスのとれた特性を呈するポリフェニレンサルファイド(PPS)。
・寸法が安定しており、および良好な電気的特性とともに高い耐熱性および耐薬品性を有するポリブチレンテレフタレート(PBT)。
・良好な物理的特性、耐薬品性および耐摩耗性を有して、本質的に難燃性である熱可塑性ポリイミド(TPI)。
・良好な衝撃強度、高耐熱性および良好な寸法安定性を有するポリカーボネート(PC)。PCは、良好な電気的特性も有し、および水中および鉱酸または有機酸中で安定している。
・昇温時に強度および剛性を維持するポリエーテルイミド(PEI)。これは、良好な長期の耐熱性、寸法安定性、固有の難燃性、および炭化水素、アルコールおよびハロゲン化溶剤に対する耐性も有している。
【0019】
好ましくは、少なくとも該パネルの非連結状態において、該第一のロック要素は、該第二のロック要素よりも高いレベルに配置される。好ましくは、該第一のロック要素の中心線(中心軸)は、該第二のロック要素の中心線(中心軸)よりも高いレベルに配置される。したがって、好ましくは、少なくとも該パネルの非連結状態において、該第一のロック要素および該第二のロック要素は、オフセット位置を有している。該パネルと別のパネルの連結状態においては、第一のパネルの該第一のロック要素は、隣接するパネルの該第二のロック要素と実質的に同じレベルに配置することができる。したがって、前記ロック要素と前記第二のロック要素は、互いに対して(わずかに)ずれたままであるが、一般的に、前記第一のロック要素の該中心線(中心軸)と、前記第二のロック要素の該中心線(中心軸)との間の距離は連結中に減少し、この場合、前記距離は、該パネルの該初期の非連結状態と比較して、連結状態においては、より小さくなる(か、または、ゼロにもなる)であろう。
【0020】
好適な実施形態において、該下向きフランクから離れて対向している該下向き舌部の側部の一部には、例えば、隣接するパネルのそれぞれ凹部または外側への膨出部の形態の第四のロック要素との共同動作に適合された、例えば、外側への膨出部または凹部の形態の第三のロック要素が設けられており、および該上向きフランクの少なくとも一部には、隣接するパネルの例えば、外側への膨出部または凹部の形態の該第三のロック要素との共同動作に適合された、例えば、凹部または外側への膨出部の形態の第四のロック要素が設けられている。また、この第三および第四のロック要素は、連結されたパネル間の該垂直方向の固定を改善するのに寄与する可能性がある。該第三および第四のロック要素と、該第一および第二のロック要素は、本発明によるパネルに適用されることが考えられる。また、該第一および第二のロック要素の代わりに、該パネルが、該第三および第四のロック要素を備えていることも考えられる。該第一および第二のロック要素と比較した、該第三および第四のロック要素の代替的な配置には、該ロック要素が、隣接するパネル間に形成された上方の合わせ目の近くに配置され、このことが、前記合わせ目の安定性に寄与し、および当該パネルが、該合わせ目の近くで互いに対して垂直方向にシフトすることを相殺するという利点がある。複数の第一のロック要素、第二のロック要素、第三のロック要素および/または第四のロック要素を適用してもよいことは示されている。より好ましくは、二枚のパネルの連結状態において、垂直方向の固定作用をもたらすための、該第三のロック要素と該第四のロック要素との共同動作であって、垂直方向の固定をもたらす共同動作は、典型的には、該第三のロック要素の下側および該第四のロック要素の下側で行われ、該パネルによって画定された面に対する角度A1を含む接線T1を画定し、この角度A1は、該パネルによって画定された前記面と、上向きフランクに向かって対向している該上向き舌部の近位側の傾斜部分および該下向きフランクに向かって対向している該下向き舌部の近位側の傾斜部分の共同動作によって画定された接線T2と、によって囲まれた角度A2よりも小さい。ここで、好ましくは、角度A1と角度A2との間の最大の差は、5~20度の間にある。前記第三のロック要素および前記第四のロック要素は、該上向き舌部の上側と比較して、該パネルの該上側により近くに配置されることが好適である。このことは、一つ以上の連結部の最大変形を少なくし、それに対して、接続プロセスおよび変形プロセスは、連続する工程で実行することができる。より少ない変形は、より少ない材料応力をもたらし、このことは、該連結部およびそれ故に該パネルの該寿命に有利である。
【0021】
好ましくは、各パネルの該第一の連結部の少なくとも一部および/または第二の連結部の少なくとも一部は、コア層に一体的に接続される。この場合、製造するのが比較的に容易でコスト効率の高い一体型パネルが形成される。
【0022】
該コアは、ある厚さを有することが考えられ、この厚さは、該コアの該上側と該下側との間の距離である。該パネルのさらなる実施形態は、該上向きフランクから離れて対向している該上向き舌部の該側部が、該上向きフランクからある距離に配設され、該距離が、該コアの該厚さよりも小さく、および該凹部が、該距離(D)の少なくとも75%に及び、および好ましくは、全部の距離を超えて及んでいることが想像できる。
【0023】
該上向き舌部の該外側と、該コアの該厚さよりも小さくなるように構成された該上向きフランクとの間の該距離を有することにより、比較的短い突出要素が形成され、このことは、該連結部の脆弱性を限定する。一方、該距離の大部分を越えて及ぶような該凹部を有することにより、いくつかの利益を達成することができる。一例として、このことは、比較的かなりの材料の節約を可能にする。該凹部を形成するために取り除かれる材料は、新たなパネルにおいて再利用することができ、また、より多くの材料を取り除くことにより、より多くの材料を該システムに再導入することができる。第二に、該曲げは、大きな表面積にわたって広がる可能性があるため、比較的大きな凹部は、該上向き舌部の漸次的曲げを可能にする。
【0024】
本発明による該パネルは堅くてもよく、または、フレキシブル(弾性的)であってもよく、または、わずかにフレキシブルであっても(完全には堅くなくても)よい。各パネルは、典型的には、以下の種類のうちの一つとして、すなわち、ラミネートフロアパネルとして、いわゆる「弾性フロアパネル」として、「LVT(luxury vinyl panel)」パネルまたは「VCT(vinyl composition panel)」パネル、または、ビニル以外の別の合成材料に基づく、それらに匹敵するパネルとして、第一の合成材料ベースの、好ましくは発泡性の支持層(コア層)を有する、その上に、好ましくは、より薄い第二の支持層(第二のコア層)を有する、または、ビニルまたは別の合成材料に基づくフロアパネルとして、硬い合成材料ベースの基材を有するフロアパネルとして形成される。該パネル、および具体的には、該連結部を製造するために、比較的堅い材料が使用される場合、該材料は、前記パネルの該連結される連結部間にプレテンションが生成されるように、隣接するパネルを連結するために、(わずかな)変形を可能にしなければならない。このことは、特に、該上向き舌部が、該下向き溝に対してオーバーサイズであり、および/または該下向き舌部が、該上向き溝の該幅に対してオーバーサイズである、本発明による該実施形態にとって有益である。
【0025】
該コアは、単一の材料(単一のコア層)で形成することができる。しかし、典型的には、該コアは、複数のコア層から成る。異なるコア層は、同じ構成を有していてもよいが、該コアの全体の特性を向上させるために、少なくとも二つの異なるコア層が、異なる構成を有していることがより好適である。少なくとも一つのコア層は、少なくとも一つのポリマーと、少なくとも一つの非ポリマー材料とから成る合成材で形成してもよい。該コア層から成る合成材は、好ましくは、一つ以上のフィラーを備え、この場合、少なくとも一つのフィラーが、タルク、チョーク、木材、炭酸カルシウム、二酸化チタン、焼成粘土、磁器、別の無機フィラーおよび別の天然フィラーから成る群から選択される。該フィラーは、繊維によって形成してもよく、および/または埃のような粒子によって形成してもよい。ここで、「埃」という表現は、木粉、粉状コルクまたは非木粉のような、鉱物粉末、石粉、具体的にはセメントのような小さな埃のような粒子(粉末)と理解されたい。該埃の平均粒子サイズは、好ましくは、14~20ミクロン、より好ましくは、16~18ミクロンである。この種のフィラーの主な役割は、該コア層に十分な硬さを与えることである。このことは、典型的には、該コア層および該パネル自体の衝撃強度も向上させるであろう。該合成材中のこの種のフィラーの重量分は、好ましくは、35~75%、該合成材が発泡性(膨張性)合成材の場合、より好ましくは、40~48%であり、該合成材が非発泡性(中実な)合成材である場合は、より好ましくは、65~70%である。
【0026】
少なくとも一つのコア層の少なくとも一部を形成するのに適しているポリマー材料は、ポリウレタン(PUR)、ポリアミド共重合体、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイソシアヌレート(PIR)、ポリエチレン(PE)プラスチックを含んでもよく、これらすべては、良好な成形加工性を有している。該コア層中に含まれている少なくとも一つのポリマーは、固体であってもよく、または、発泡性(膨張性)であってもよい。該コア層および該パネル自体の堅さおよび剛性をさらに向上させて、各パネルの任意に尖った角部の該脆弱性を低減するために、好ましくは、塩素化PVC(CPVC)および/または塩素化ポリエチレン(CPE)および/または別の塩素化熱可塑性材料が使用される。ポリ塩化ビニル(PVC)は、化学的に安定し、耐食性があり、および優れた難燃性を有しているため、特に該コア層を形成するのに適している。該コア層中のプラスチック材料として使用される該プラスチック材料は、所望の該コア層の剛性を向上させるために、好ましくは、可塑剤がないが、このことはさらに、環境の視点からも有利である。
【0027】
該コア層は、少なくとも部分的には、好ましくは、PVCフリーの熱可塑性組成で構成してもよい。この熱可塑性組成は、(a)少なくとも一つのアイオノマーおよび/または少なくとも一つの酸共重合体と、(b)少なくとも一つのスチレン系熱可塑性ポリマーおよび任意の少なくとも一つのフィラーとから成るポリマーマトリックスから成っていてもよい。アイオノマーは、電気的に中性の反復単位と、イオン化単位とから成る共重合体であると理解されたい。アイオノマーのイオン化単位は、特に、金属カチオンで部分的に中和されているカルボン酸基であってもよい。通常は、少量(典型的には、構成単位の15モル%未満)存在するイオン基が、連続高分子相からイオンドメインのミクロ相分離を引き起こし、および物理的架橋として作用する。その結果、従来のプラスチックと比較して強化された物理的特性を有する、イオン的に強化された熱可塑性材料が生じる。
【0028】
本発明による該パネルの代替的な構成において、該パネルは、少なくとも一つのプラスチック材料および少なくとも一つのフィラーから成る非発泡性(中実な)合成材で少なくとも部分的に形成された、実質的に堅いコア層を備えている。中実なコア層は、改良されたパネル強度を、および尖った頂点の低減された脆弱性をもたらす可能性があり、そして、該パネルを用いて山形模様を実現するための適合性をさらに向上させることができる。該コア層内の発泡性合成材の代わりに、該コア層内に中実な合成材を適用することの欠点は、(同一の厚さのコア層が適用されるであろう場合に)パネル重量が増加するということであり、このことは、取扱いに要する費用や材料コストの高騰につながる可能性がある。
【0029】
好ましくは、該コア層から成る該合成材は、該コア層の少なくとも一つのフィラーが、塩、ステアリン酸塩、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸亜鉛から成る群から選択されることを含む。ステアリン酸は、安定剤の機能を有し、およびより都合のよい処理温度につながり、および処理中および処理後の該合成材の組成の分解を抑え、したがって、このことは、長期の安定性をもたらす。ステアリン酸の代わりに、またはステアリン酸に加えて、例えば、カルシウム亜鉛を安定剤として使用してもよい。該合成材中の該安定剤の重量分は、好ましくは、1~5%およびより好ましくは、1.5~4%になる。
【0030】
該コア層から成る該合成材は、好ましくは、少なくとも一つのメタクリル酸アルキルを含む少なくとも一つの衝撃改質剤を含み、前記メタクリル酸アルキルは、好ましくは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸t-ブチルおよびメタクリル酸イソブチルから成る群から選択される。該衝撃改質剤は、典型的には、製品性能、具体的には、耐衝撃性を向上させる。さらに、該衝撃改質剤は、典型的には、該コア層を堅くし、そのため、強化剤と見なすこともでき、このことが、破損のリスクをさらに減らす。多くの場合、該改質剤は、例えば、既に上述したように、比較的堅固な(一定の)発泡構造を有するフォームの形成を制御するために、製造プロセスも容易にする。該合成材中の該衝撃改質剤の該重量分は、好ましくは、1~9%、より好ましくは、3~6%である。好ましくは、実質的に全部のコア層は、発泡性合成材または非発泡性(中実な)合成材のいずれかによって形成される。該コア層に使用される少なくとも一つのプラスチック材料は、所望の該コア層の剛性を向上させるために、何らかの可塑剤を含まず、このことはさらに、環境の視点から有利である。
【0031】
該パネルの該コア層および/または別の層は、木材ベースの材料、例えば、MDF、HDF、木粉、プレハブ木材、より具体的には、いわゆるエンジニアードウッドから成る。この木材ベースの材料は、該コア層の合成材料の一部であってもよい。
【0032】
該コア層の密度は、典型的には、約0.1~1.5グラム/cm、好ましくは、約0.2~1.4グラム/cm、より好ましくは、約0.3~1.3グラム/cm、さらにより好ましくは、約0.4~1.2グラム/cm、さらにより好ましくは、約0.5~1.2グラム/cm、および最も好ましくは、約0.6~1.2グラム/cmである。
【0033】
該コア層に使用されているポリマーおよび/または該コア層自体は、好ましくは、(摂氏23度および相対湿度50%において)700MPaを超える弾性率を有している。このことは、該コア層、およびしたがって、平行四辺形/菱形のパネル自体にとって、一般的に十分な剛性である。
【0034】
好ましくは、ベース層は、少なくとも一つの発泡剤を含む。該少なくとも一つの発泡剤は、該ベース層の発泡を管理し、このことは、該ベース層の該密度を低下させる。このことは、同様の寸法であり、および非発泡性ベース層を有するパネルと比較して軽量である軽量パネルをもたらすであろう。該好適な発泡剤は、該ベース層に使用される(熱可塑性)プラスチック材料ならびに該所望の発泡率、発泡構造および好ましくは、該所望の発泡率および/または発泡構造を実現するための所望の(または所要の)発泡温度にも依存する。この目的のためには、それぞれ異なる温度で該ベース層を発泡させるように構成された複数の発泡剤を適用することが有利である可能性がある。このことは、該発泡性ベース層を、より漸次的にかつより管理された方法で実現することを可能にするであろう。該ベース層中に(同時に)存在する可能性の有る二つの異なる発泡剤の実施例は、アジジカルボンアミド(azidicarbonamide)および重曹である。この点に関しては、多くの場合、該発泡構造を該ベース層全体で比較的安定に保つために、メタクリル酸メチル(MMA)等の少なくとも一つの改質剤を適用することも有利である。
【0035】
該コアは、好ましくは、少なくとも3mm、好ましくは少なくとも4mm、さらにより好ましくは、少なくとも5mmの厚さを有する。該パネルの厚さは、典型的には、3~10mm、好ましくは、4~8mmの間にある。
【0036】
該コアの該密度は、好ましくは、該コアの高さに沿って変化する。このことは、該パネルそれ自体の音響(防音)特性に確実に影響を及ぼす。好ましくは、少なくとも一つの発泡コア層の上部および/または底部に、クラスト層を形成してもよい。この少なくとも一つのクラスト層は、該コア層の一体部を形成することができる。より好ましくは、該コア層の該上部および該底部はともに、該発泡構造を囲むクラスト層を構成する。該クラスト層は、比較的緊密(低減された空隙率、好ましくは、泡(気泡)がない)であり、そのため、より多孔質の発泡構造と比較して、比較的堅固な(副)層を構成する。一般的に、必ずしも必要ではないが、該クラスト層は、該コア層の該底面および上面をシーリング(シアリング(searing))することによって形成される。好ましくは、各クラスト層の該厚さは、該0.01~1mmの間、好ましくは、0.1~0.8mmの間である。厚すぎるクラスト層は、該コア層の平均密度をより高くすることにつながり、このことは、該コア層のコストおよび該剛性の両方を増加させる。該コア層(コア層)の該厚さは、好ましくは、2~10mmの間、より好ましくは、3~8mmの間であり、および典型的には、約4または5mmである。好ましくは、該(合成)コア層の上部および底部は、該コア層の独立気泡フォームプラスチック材料の該空隙率よりも小さい空隙率を有するクラスト層を構成し、この場合、各クラスト層の該厚さは、好ましくは、0.01~1mmの間、好ましくは、0.1~0.8mmの間である。
【0037】
好ましくは、各パネルは、該コア層の底側に付着された少なくとも一つの裏地層を備え、この場合、前記少なくとも一つの裏地層は、フレキシブル材料、好ましくは、エラストマーで少なくとも部分的に形成されている。該裏地層の該厚さは、典型的には、約0.1~2.5mmである。該裏地層を形成することができる材料の非限定的な実施例は、ポリエチレン、コルク、ポリウレタンおよびエチレン酢酸ビニル共重合体で形成することができる。ポリエチレン裏地層の該厚さは、例えば典型的には、2mm以下である。該裏地層は、一般的に、追加的なロバスト性および耐衝撃性を各パネル自体に与え、このことは、該パネルの耐久性を向上させる。さらに、該(フレキシブルな)裏地層は、該パネルの音響(防音)特性を向上させることができる。特定の実施形態においては、該コア層は、好ましくは、コア層セグメントが相互に枢動可能であるように、前記少なくとも一つの裏地層に付着された複数の独立したコア層セグメントで構成されている。該パネルの軽量という特徴は、該パネルを垂直な壁面に設置する際に確実な結合を得るのに有利である。また、該パネルを垂直方向の角部に、例えば、交差する壁の入隅、一点の家具、および出隅に、例えば、玄関に設置することが特に容易である。入隅または出隅の設置は、該パネルの該コア層に溝を形成して、該パネルの曲げおよび折り重ねを容易にすることによって達成される。
【0038】
各パネルは、少なくとも一つの補強層を備えている。少なくとも一つの補強層は、該コアと、該コアに付着された上方基材との間に設置することができる。少なくとも一つの補強層は、二つのコア層の間に設置してもよい。補強層の適用は、該パネル自体の該剛性のさらなる改良につながる可能性がある。また、このことは、該パネルの音響(防音)特性の改善にもつながる可能性がある。該補強層は、織布または不織布繊維材料、例えば、ガラス繊維材料から成っていてもよい。それらは、0.2~0.4mmの厚さを有することができる。また、各パネルが、互いに重ねられて積層された複数の(一般に薄い)コア層から成り、この場合、少なくとも一つの補強層が、二つの隣接するコア層の間に設置されることも考えられる。好ましくは、該補強層の該密度は、好ましくは、1,000~2,000kg/m、好ましくは、1,400~1,900kg/m、およびより好ましくは、1,400~1,700kg/mの間にある。
【0039】
各パネルは、好ましくは、上側の該コアに直接的または間接的に付着された上方基材を備え、この場合、前記上方基材は、好ましくは、装飾層を備えている。該上方基材は、好ましくは、金属、合金、ビニルモノマー共重合体および/または単独重合体等の巨大分子物質、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等の縮合重合体、植物繊維、動物性繊維、鉱物繊維、セラミック繊維およびカーボン繊維等の天然の巨大分子物質またはそれらの修飾誘導体から成る群から選択された少なくとも一つの材料で少なくとも部分的に形成される。ここで、該ビニルモノマー共重合体および/または単独重合体は、好ましくは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)共重合体、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、スチレン無水マレイン酸共重合体およびこれらの誘導体から成る群から選択される。該上方基材は、最も好ましくは、ポリエチレンまたはポリ塩化ビニル(PVC)から成る。該ポリエチレンは、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンまたは超高密度ポリエチレンとすることができる。また、該上方基材層は、該製品の物理的特性および/または化学的特性および/または加工性を向上させる該フィラー材料や他の添加剤を含むこともできる。これらの添加剤は、公知の強化剤、可塑剤、補強剤、防かび(防腐)剤、難燃剤等を含む。該上方基材は、典型的には、装飾層と、前記装飾層を被覆する耐摩耗層とを備え、この場合、前記摩耗層の上面は、前記パネルの上面であり、また、該摩耗層は、該装飾層が透明摩耗層を介して目に見えるように、該透明材料になっている。
【0040】
好ましくは、各パネルは、該コアの上側に直接または間接的に付着された上方基材を備え、この場合、前記上方基材は、好ましくは、化粧張り層から成る。前記化粧張り層は、好ましくは、3以上のモース硬度を有する。前記化粧張り層は、好ましくは、2~8mmの間の厚さを有する。前記化粧張り層は、該支持コア層および/または該連結部の上に重ならないような寸法を有する。該化粧張り層は、好ましくは、天然石、大理石、花崗岩、粘板岩、ガラスおよびセラミックから成る群から選択される材料で構成される。より好ましくは、該化粧張り層は、モノコチュラ(Monocuttura)セラミック、モノポロサ(Monoporosa)セラミック、磁器セラミックまたはマルチキャスト(multi-casted)セラミックから成る群から選択された種類のセラミックである。好ましくは、該化粧張り層は、10N/mm以上、より好ましくは、30N/mm以上の破断係数を有する。
【0041】
該上方基材の厚さは、典型的には、約0.1~3.5mm、好ましくは、約0.5~3.2mm、より好ましくは、約1~3mm、およびより好ましくは、約2~2.5mmである。該ベース層と該上方基材の該厚さの比は、一般的に、それぞれ、約1~15:0.1~3.5、好ましくは、約1.5~10:0.5~3.2、より好ましくは、約1.5~8:1~3、および最も好ましくは、約2~8:2~2.5である。
【0042】
各パネルは、該上方基材を該ベース層上に直接または間接的に付着するための接着層を備えていてもよい。該接着層は、該上方基材と該ベース層を一緒に結合するのが可能な任意の周知の接着剤または結合剤、例えば、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸塩、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体等とすることができる。好ましくは、該接着層は、ホットメルト接着剤である。
【0043】
上述したように、該上方基材の一部であってもよい該装飾層またはデザイン層は、PVC樹脂、安定剤、可塑剤および当該技術において周知の他の添加剤の公知の調合等の何らかの適当な公知のプラスチック材料を含むことができる。該デザイン層には、木目模様、金属または岩石のデザイン、および繊維模様または三次元図形等の印刷パターンを設けることができ、または、これらの印刷パターンを用いて印刷することができる。したがって、該デザイン層は、花崗岩、岩石または金属等の重い製品に似ている三次元の外観を備えたパネルを提供することができる。該デザイン層の該厚さは、典型的には、約0.01~0.1mm、好ましくは、約0.015~0.08mm、より好ましくは、約0.2~0.7mm、および最も好ましくは、約0.02~0.5mmである。典型的には、該パネルの該上面を構成している該摩耗層は、それの下の層上にコーティングされた耐摩耗性の高分子材料、または、公知のセラミックビーズコーティング等の何らかの適当な公知の耐摩耗材料を含むことができる。該摩耗層が層形態で仕上げされている場合、該摩耗層は、それの下の該層に接着することができる。また、該摩耗層は、有機高分子層および/または無機高分子層、例えば、紫外線コーティング、または、別の有機高分子層と紫外線コーティングの組合せを含むこともできる。例えば、表面耐スクラッチ性、光沢性、薬剤耐性および該製品のその他の特性を改善することが可能な紫外線塗料。ポリ塩化ビニル樹脂、または、ビニル樹脂等の他の高分子、および適当な量の可塑剤および他の処理添加剤を含む他の有機高分子を、必要に応じて含むことができる。
【0044】
好適な実施形態において、少なくとも一枚のパネルは、該ベース層の上側に直接または間接的に付着された複数の帯状の上方基材を備え、この場合、前記上方基材は、同じ面内に並んで、好ましくは、平行構成で配置される。ここで、該複数の上方基材は、好ましくは、該ベース層の該上面を実質的に完全に覆い、より好ましくは、該第一の縁部から、該パネルの該二の縁部まで及んでいる。該複数の上方基材の各々は装飾層を備え、この場合、少なくとも二つの隣接して配置された上方基材の該装飾層は、好ましくは、異なる外観を有する。複数の帯状の上方基材の適用は、該同じ面内で並んで配置され、および該ベース層に直接または間接的に付着され、該山形模様が、該帯状の上方基材それ自体によって画定されるという魅力的な美的効果が生まれるとともに、設置時に、時間が掛かり、かつ費用が掛かるであろう該帯状の上方基材ではなく、単に該パネル自体が連結されるという利点を有している。
【0045】
該パネルは、複数の第一の連結部および複数の第二の連結部を備えていてもよい。より具体的には、各パネル縁部に、第一の連結部または第二の連結部を設けてもよい。好ましくは、該第一の連結部および/または該第二の連結部は、それでもなお、円滑な連結および連結状態において該連結部間でのプレテンションの生成を可能にする十分な変形を呈する、フレキシブル材料、半剛性材料および/またはどちらかと言えば剛性の材料で形成される。
【0046】
本発明による該パネルは、典型的には、正方形、矩形、三角形、六角形、八角形または他の多角形状を有している。しかし、平行四辺形状のような他の形状も考えられる。好ましくは、偶数個の縁部を有するパネルの場合、該第一の連結部の数は、該第二の連結部の数と等しい。該パネルが平行四辺形形状を有している場合、二組の隣接する縁部は鋭角を含み、この場合、二組の他の隣接する縁部は、鈍角を含む。これらのパネルは、いわゆる山形模様の生成を可能にする。該鋭角は、典型的には、30~60度の間にあり、および好ましくは、実質的に45度である。該鈍角は、典型的には、120~150度の間にあり、および好ましくは、実質的に135度である。好ましくは、山形模様を生成するために、どちらも本発明による二種類の異なるパネル(それぞれAおよびB)が用いられ、この場合、一方のパネルタイプ(A)の該連結部は、他方のパネルタイプ(B)の対応する連結部に対してミラー反転して配置される。設置時に、ユーザが、異なるパネルタイプを容易に認識できるようにするために、特有の視覚的マーキング、例えば、色の付いたラベル、記号を使ったラベル、(事前に取付けられた)異なる色の付いた裏張り層および/または文字のラベルを、該異なるパネルタイプに適用してもよい。好ましくは、該視覚的マーキングは、該パネルの連結状態においては、(上からは)見えない。例えば、視覚的マーキングは、該上向き舌部の上側におよび/または該上向き溝の内側におよび/または該下向き溝の内側に適用してもよい。本発明によるパネルから成る被覆材が、二種類以上の異なるパネルを備えることも考えられる。
【0047】
本発明による該パネルの好適な実施形態において、該パネルは、それぞれ該コアの対向する縁部に接続された少なくとも一つの第三の連結部および少なくとも一つの第四の連結部を備え、該第三の連結部は、該パネルの該上側に実質的に平行な方向に延びている側部舌部と、該側部舌部からある距離にある少なくとも一つの第二の下向きフランクと、該側部舌部と前記第二の下向きフランクとの間に形成された第二の下向き溝とを備え、該第四の連結部は、隣接するパネルの該第三の連結部の該側部舌部の少なくとも一部を収容するために構成された第二の溝を備え、前記第二の溝は、上方唇部および下方唇部によって画定され、前記下方唇部には上向きロック要素が設けられ、該第三の連結部および該第四の連結部は、二枚のこのようなパネルを、回転動作またはアングリングダウン動作とも呼ばれる旋回動作によって互いに連結することができるように構成され、この場合、連結状態において、第一のパネルの該側部舌部の少なくとも一部は、隣接する第二のパネルの該第二の溝に挿入され、および前記第二のパネルの該上向きロック要素の少なくとも一部は、前記第一のパネルの該第二の下向き溝に挿入される。該第三の連結部は、回転動作またはアングリングダウン動作とも呼ばれる旋回動作によって該第四の連結部に連結されるように構成されているため、および該第一の連結部は、はさみ動作またはジッピング動作とも呼ばれるフォールドダウン動作および/または垂直動作によって該第二の連結部に連結されるように構成されているため、本発明による該パネルは、依然として、ユーザフレンドリーなフォールドダウン設置技術を用いて設置することができる。したがって、該連結によって実現される利点は、一般に、改良された連結部を備えた、改良されたパネルにあり、この場合、該連結部が独立した接続部材を利用する必要がないため、該連結部を製造するのが容易であることを利用することによるシンプルな製造という該利点と、該パネルは、好ましくは、該ユーザフレンドリーなフォールドダウン原理に従って設置することができるという該利点と、比較的信頼性が高くかつ耐久性がある連結を呈するという該利点とが組合される。好ましくは、該第三の連結部および該第四の連結部は、連結状態が、該第三の連結部と該第四の連結部との間にプレテンションが実質的にないように構成される。このことは、該パネル自体の連結を容易にすることができる。
【0048】
連結状態における該第三の連結部と該第四の連結部との間の接触面は、好ましくは、連結状態における該第一の連結部と該第二の連結部との間の接触面よりも大きい。好ましくは、該第一の連結部と該第二の連結部との間の接続(連結)は、特に該第一の連結部と該第二の連結部との間の該プレテンションにより、該第三の連結部と該第四の連結部との間の該接続(連結)よりも堅固な、二枚のパネル間の該合わせ目の長手方向におけるおよび該パネルの面に平行な単位縁部長さ当たりの係合をもたらす。
【0049】
該上向き舌部の該近位側の少なくとも一部は、該上向きフランクに向かって上方へ傾斜させることができ、この場合、該パネルの該面と、該上向きフランクに対向している該上向き舌部の該側の傾斜部分との間に囲まれた角度は、90~45度の間、具体的には、90~60度の間、より具体的には、90~80度の間にある。該上向きフランクに対向している、該上向き舌部の該近位側の内向きの傾斜は、いわゆる「閉溝(closed-groove)」ロック方式をもたらす。この構成において、該クレームの該90度という値は、その範囲の一部ではない。クレームされている範囲は、該傾斜部分と該垂直方向との間の角度が、0~45度の間、特に0~30度の間、およびより具体的には、0~10度の間であることを示している。例示的な値として、この角度は、約2.5度であり、すなわちこれは、該傾斜部分が該コアに向かって内側に傾斜される範囲の量または値である。このような閉溝方式は、連結中に、該連結部が少なくとも一時的に変形する必要があるため、連結するのが比較的難しい。しかし、このような方式の利益は、連結状態において、該傾斜部分が、パネルの垂直方向の固定に寄与するということである。
【0050】
該上向き舌部の該近位側の少なくとも一部は、該上向きフランクから離れて上方へ傾斜させることができ、この場合、該パネルの該面と、該上向きフランクに対向している該上向き舌部の該側の該傾斜部分との間に包囲されている角度は、90~180度の間、特に90~120度の間、より具体的には、90~100度の間にある。このことは、いわゆる「開溝(open-groove)」方式をもたらす。このような開溝方式は、該閉溝方式と比較して、連結するのが比較的容易であるが、典型的には、垂直方向の固定効果は低下することとなる。
【0051】
また、本発明は、該本発明による複数の相互に連結されたパネルを備える被覆材、具体的には、床被覆材、天井被覆材または壁被覆材にも関する。該パネルの軽量の形状構成は、該パネルを垂直方向の壁面に設置する際に、確実な結合を得るのに有利である。また、該パネルを、垂直方向の角部に、例えば、交差する壁の入隅、一点の家具、および出隅に、例えば、玄関に設置することが特に容易である。
【0052】
「第一の」、「第二の」、「第三の」および「第四の」のような、この文書で用いられる序数は、識別のためだけに用いられている。ここで、例えば、「第三のロック要素」および「第四のロック要素」という表現の使用は、「第一のロック要素」および「第二のロック要素」の共存を必ずしも必要としない。
【0053】
本発明による該パネルは、タイルまたはボードと呼んでもよい。該コア層は、コア層と呼ぶこともできる。また、該連結部は、連結プロファイルまたは接続プロファイルと呼んでもよい。「相補的な」連結部は、それらの連結部が互いに協働することができることを意味する。しかし、この目的のために、該相補的な連結部が、相補的な形態を有することは、必ずしも必要ではない。「垂直方向で」固定することに関しては、該パネルの面に垂直な方向で固定することを意味する。「水平方向で」固定することに関しては、二枚のパネルのそれぞれの連結された縁部に垂直な方向で、および該パネルによって画定された面に平行な方向で固定すること、または、該面と同じにすることを意味する。この文書において、「床パネル」または「フロアパネル」に関して言及する場合、これらの表現は、「パネル」、「壁パネル」、「天井パネル」、「カバーパネル」のような表現と置き換えてもよい。この文書の文脈において、「発泡性合成材」および「発泡性プラスチック材料」(または、「発泡プラスチック材料」)という表現は、互いに置換え可能であり、この場合、実際には、該発泡性合成材は、少なくとも一つの(熱可塑性)プラスチック材料と、少なくとも一つのフィラー(非高分子材料)とを含む発泡性混合物から成る。
【0054】
本発明の実施形態は、以下の非限定的で例示的な項目に提示されている。
【0055】
1.パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネルであって、
上側および下側が備えられ、面を画定する、中央に配設されたコアと、
前記コアの対向する縁部にそれぞれ接続された少なくとも一つの第一の連結部および少なくとも一つの第二の連結部であって、この第一の連結部が、
上向き舌部と、
前記上向き舌部からある距離にある少なくとも一つの上向きフランクと、
前記上向き舌部と前記上向きフランクとの間に形成された上向き溝であって、隣接するパネルの第二の連結部の下向き舌部の少なくとも一部を収容するように適合されている上向き溝とを備え、
前記上向きフランクに対向している前記上向き舌部の近位側の少なくとも一部が、該上向きフランクに向かって上方に傾斜され、
前記第二の連結部が、
下向き舌部と、
前記下向き舌部からある距離にある少なくとも一つの下向きフランクと、
前記下向き舌部と前記下向きフランクとの間に形成された下向き溝であって、隣接するパネルの第一の連結部の上向き舌部の少なくとも一部を収容するように適合されている下向き溝とを備え、
前記上向きフランクに対向している前記下向き舌部の近位側の少なくとも一部が、前記下向きフランクに向かって下方に傾斜されている、前記少なくとも一つの第一の連結部および少なくとも一つの第二の連結部と、を備え、
前記第一の連結部および前記第二の連結部は、連結状態において、それぞれの該縁部において、それぞれの該パネルを互いに向かって押し付けるプレテンションが存在するように構成され、この場合、このことは、前記第一の連結部の輪郭と前記第二の連結部の輪郭の重ね合わせ、具体的には、前記下向き舌部の輪郭と前記上向き溝の輪郭の重ね合わせおよび/または前記上向き舌部の輪郭と前記下向き溝の輪郭の重ね合わせを適用することによって実行されるように構成され、および該第一の連結部および前記第二の連結部は、二枚のこのようなパネルを、フォールドダウン動作および/または垂直方向の動作によって互いに連結することができるように、連結状態において、前記第二の連結部の前記下向き舌部の少なくとも一部が、前記第一の連結部の前記上向き溝に挿入されるように、該下向き舌部が、該第一の連結部によって締め付けられるように、および/または前記上向き舌部が、前記第二の連結部によって締め付けられるように構成される、パネル。
【0056】
2.パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネル、好ましくは、項目1に記載のパネルであって、
上側および下側が備えられ、面を画定する、中央に配設されたコアと、
前記コアの対向する縁部にそれぞれ接続された少なくとも一つの第一の連結部および少なくとも一つの第二の連結部であって、この第一の連結部が、
上向き舌部と、
前記上向き舌部からある距離にある少なくとも一つの上向きフランクと、
前記上向き舌部と前記上向きフランクとの間に形成された上向き溝であって、隣接するパネルの第二の連結部の下向き舌部の少なくとも一部を収容するように適合されている上向き溝と、
好ましくは、前記上向きフランクから離れて対向して、前記上向き舌部の遠位側に設けられた少なくとも一つの第一のロック要素と、
を備え、
前記第二の連結部が、
下向き舌部と、
前記下向き舌部からある距離にある少なくとも一つの下向きフランクと、
前記下向き舌部と前記下向きフランクとの間に形成された下向き溝であって、隣接するパネルの第一の連結部の上向き舌部の少なくとも一部を収容するように適合されている下向き溝と、
隣接するパネルの第一のロック要素との共同動作のために適合された少なくとも一つの第二のロック要素であって、好ましくは、前記下向きフランクに設けられている第二のロック要素と、を備える、前記少なくとも一つの第一の連結部および前記少なくとも一つの第二の連結部とを備え、
前記第一の連結部および前記第二の連結部は、連結状態において、それぞれの該縁部において、それぞれの該パネルを互いに向かって押し付けるプレテンションが存在しており、この場合、このことは、好ましくは、前記第一の連結部の輪郭と前記第二の連結部の輪郭の重ね合わせ、具体的には、前記下向き舌部の輪郭と前記上向き溝の輪郭の重ね合わせおよび/または前記上向き舌部の輪郭と前記下向き溝の輪郭の重ね合わせを適用することによって実行されるように構成され、および該第一の連結部および前記第二の連結部は、二枚のこのようなパネルを、フォールドダウン動作および/または垂直方向の動作によって互いに連結することができるように、連結状態において、前記第二の連結部の前記下向き舌部の少なくとも一部が、前記第一の連結部の前記上向き溝に挿入されるように、該下向き舌部が、該第一の連結部によって締め付けられるように、該第二の連結部の少なくとも一部が該第一の連結部によって締め付けられるように、および/または該第一の連結部の少なくとも一部が、該第二の連結部によって締め付けられるように構成される、パネル。
【0057】
3.前記下向き舌部は、前記上向き溝に対してオーバーサイズである、先行する項目のいずれかによるパネル。
【0058】
4.前記下向き舌部の幅は、前記上向き溝の幅に対してオーバーサイズである、項目3によるパネル。
【0059】
5.前記下向き舌部の最大幅は、前記上向き溝の最大幅を超えている、項目4によるパネル。
【0060】
6.前記下向き舌部の高さは、前記上向き溝の高さ以下である、先行する項目のいずれかによるパネル。
【0061】
7.前記上向き舌部は、前記下向き溝に対してオーバーサイズである、先行する項目のいずれかによるパネル。
【0062】
8.前記上向き舌部の前記幅は、前記下向き溝の前記幅に対してオーバーサイズである、項目7によるパネル。
【0063】
9.前記上向き舌部の最大幅は、前記下向き溝の最大幅を超えている、項目8によるパネル。
【0064】
10.前記上向き舌部の前記高さは、前記下向き溝の前記高さ以下である、先行する項目のいずれかによるパネル。
【0065】
11.前記第一の連結部の下側には、好ましくは、前記上向き溝が広げられて、二枚のパネルの連結を容易にするような、前記上向き舌部の下方への曲げを可能にするように構成された凹部が設けられる、先行する項目のいずれかによるパネル。
【0066】
12.隣接するパネルの連結状態において、前記連結された第一の連結部の前記上向き舌部は外側に曲げられ、および前記第一の連結部の前記上向き溝は、前記第一の連結部の連結されていない状態と比較して広げられる、項目11によるパネル。
【0067】
13.前記パネルの断面視において、前記凹部は、実質的に矩形状または傾斜した形状を有する、項目11、項目12のいずれかによるパネル。
【0068】
14.前記第一の連結部は、前記パネルの前記コアに接続された下方ブリッジを備え、前記上向き舌部は、前記下方ブリッジに接続され、および前記下方ブリッジに対して上方向に延びている、先行の項目のいずれかによるパネル。
【0069】
15.凹部は、前記上向き舌部の少なくとも一部の下に、および下方ブリッジの少なくとも一部の下に設けられる、項目12、項目13および項目14のうちの一項によるパネル。
【0070】
16.連結時に、前記上向き舌部は下方に曲がり、その後、その初期位置の方向に戻る、先行の項目のいずれかによるパネル。
【0071】
17.前記上向き舌部の前記上側は傾斜され、そして、前記上向きフランクに対向している該上向き舌部の前記近位側から、該上向きフランクから離れて対向している該上向き舌部の前記遠位側に向かって下方へ動く、先行の項目のいずれかによるパネル。
【0072】
18.第一のロック要素は、膨出部および/または凹部を備え、第二のロック要素は、膨出部および/または凹部を備える、先行の項目のいずれかによるパネル。
【0073】
19.前記下向きフランクから離れて対向している前記下向き舌部の側部の一部には、隣接するパネルの、例えば、凹部または外側への膨出部の形態の第四のロック要素との共同動作に適合された、例えば、外側への膨出部または凹部の形態の第三のロック要素が設けられ、前記上向きフランクの少なくとも一部には、隣接するパネルの、例えば、外側への膨出部または凹部の形態の第三のロック要素との共同動作に適合された、例えば、凹部または外側への膨出部の形態の第四のロック要素が設けられる、先行の項目のいずれかによるパネル。
【0074】
20.前記パネルは、前記第一および第二のロック要素の代わりに、前記第三および第四のロック要素を備える、項目19によるパネル。
【0075】
21.前記第一の連結部および前記第二の連結部は、前記コアと一体形成される、先行の項目のいずれかによるパネル。
【0076】
22.前記第一の連結部および前記第二の連結部は、フレキシブル材料または半剛性材料で形成される、先行の項目のいずれかによるパネル。
【0077】
23.前記コアは複数の層を備える、先行の項目のいずれかによるパネル。
【0078】
24.前記パネルは、複数の第一の連結部と、複数の第二の連結部とを備える、先行の項目のいずれかによるパネル。
【0079】
25.前記第一の連結部および前記第二の連結部は、フレキシブル材料または半剛性材料で形成される、先行の項目のいずれかによるパネル。
【0080】
26.前記パネルは、多角形状、具体的には、正方形状および/または矩形状を有する、上記の項目のうちの一項によるパネル。
【0081】
27.前記パネルは平行四辺形形状を有し、二組の隣接する縁部は鋭角を含み、二組の他の隣接する縁部は鈍角を含む、上記の項目のうちの一項によるパネル。
【0082】
28.前記パネルは、それぞれ前記コアの対向する縁部に接続された少なくとも一つの第三の連結部および少なくとも一つの第四の連結部を備え、該第三の連結部は、
前記コアの前記上側に実質的に平行な方向に延びている側部舌部と、
前記側部舌部からある距離にある少なくとも一つの第二の下向きフランクと、
前記側部舌部と前記第二の下向きフランクとの間に形成された第二の下向き溝とを備え、
前記第四の連結部は、
隣接するパネルの前記第三の連結部の前記側部舌部の少なくとも一部を収容するために構成され、上方唇部および下方唇部によって画定され、前記下方唇部には上向きロック要素が設けられる第二の溝を備え、
前記第三の連結部および前記第四の連結部は、二枚のこのようなパネルを、旋回運動によって互いに連結することができるように構成され、この場合、連結状態において、第一のパネルの前記側部舌部の少なくとも一部は、隣接する第二のパネルの前記第二の溝に挿入され、および前記第二のパネルの前記上向きロック要素の少なくとも一部は、前記第一のパネルの前記第二の下向き溝に挿入される、先行の項目のいずれかによるパネル。
【0083】
29.前記第三の連結部と該第四の連結部は、連結された状態が、該第三の連結部と該第四の連結部との間に実質的にプレテンションがないように構成される、項目28によるパネル。
【0084】
30.項目1~項目29のいずれかによる複数の相互に連結されたパネルを備える被覆材、具体的には、床被覆材、天井被覆材または壁被覆材。
【0085】
次に、以下の図面に示されている非限定的な例示的実施形態に基づいて、本発明を説明する。類似の要素は、類似の参照数字によって該図面に表示されている。
【図面の簡単な説明】
【0086】
図1a】本発明によるパネルの概略を示す図である。
図1b】本発明による別のパネルの概略を示す図である。
図2a】線A-Aに沿った、図1aおよび図1bに示すようなパネルの断面を示す図である。
図2b】線B-Bに沿った、図1aおよび図1bに示すようなパネルの断面を示す図である。
図3a】それぞれ第一および第二の連結部において一緒に連結されている、図1aおよび図1bに示すような二枚のパネルの断面を示す図である。
図3b】連結位置で図3aに示すような該二枚のパネルの断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
図1aは、多角形状を有する、本発明によるパネル(100)の概略図を示す。この特定の実施形態において、該パネル(100)は、矩形状の上側(102)および下側(103)を有し、および二組の対向する縁部(104,105)を備えている。これにより、各二枚の隣接する縁部は、直角(106)を含んでいる。第一の連結部(107)および第二の連結部(108)は、それぞれ、一組の対向する縁部(104)の異なる縁部に接続されている。該パネル(100)にはさらに、それぞれ対向する縁部(105)の他の組の異なる縁部に接続された第三の連結部(109)および第四の連結部(110)が設けられている。
【0088】
図1bは、平行四辺形形状である、本発明による別のパネル(101)の概略図を示す。該パネル(101)は、平行四辺形形状の上側(102)および下側(103)を有し、および二組の対向する縁部(104,105)を備えている。これにより、二組の隣接する縁部は鋭角(111)を含み、この場合、隣接する縁部の他方の二組は、鈍角(112)を含んでいる。
【0089】
図2aは、線A-Aに沿った、図1aおよび図1bに示すようなパネル(100,101)の断面を示す。該パネル(100,101)は、該パネル(100,102)の該上側(102)および該下側(103)を画定する、中央に配設されたコア(113)を備えている。該パネル(100,101)の対向する縁部(104)において、該第一の連結部(107)および該第二の連結部(108)が該コア(113)に接続されている。該第一の連結部(107)は、上向き舌部(114)と、該上向き舌部(114)からある距離にある上向きフランク(115)と、該上向き舌部(114)と該上向きフランク(115)との間に形成されている上向き溝(116)とを備えている。該上向き舌部(114)の該上側(117)は、該上向きフランク(115)に対向している該上向き舌部(114)の近位側(118)から、該上向きフランク(115)から離れて対向している該上向き舌部(114)の遠位側(119)に向かって下方に動くように傾斜されている。該上向き舌部(114)は、該パネル(100,101)の該コア(113)に接続されている下方ブリッジ(120)に接続されている。これにより、該上向き舌部(114)は、該下方ブリッジ(120)に対して上方向に延びている。該上向き舌部(114)の該近位側(118)の部分は、該上向きフランク(115)に向かって上方向に傾斜されている。該上向き舌部(114)の該遠位側(119)にはさらに、外側への膨出部の形態の第一のロック要素(121)が設けられている。さらに、これもまた外側への膨出部の形態の第四のロック要素(122)が該上向きフランク(115)上に設けられている。該第一の連結部(107)の下側(123)には、該上向き舌部(114)を下方に曲げるための空間を与える凹部(124)が設けられている。図示されているパネル(100,101)において、該凹部(124)は、該上向き舌部(114)および該下方ブリッジ(120)の両方の下に設けられている。
【0090】
該第二の連結部(108)は下向き舌部(125)と、該下向き舌部(125)からある距離にある少なくとも一つの下向きフランク(126)と、該下向き舌部(125)と該下向きフランク(126)との間に形成された下向き溝(127)とを備えている。該下向きフランク(126)に対向している該下向き舌部(125)の近位側(128)の部分は、該下向きフランク(126)に向かって下方に傾斜されている。該下向きフランク(126)にはさらに、隣接するパネル(100,101)の第一のロック要素(121)との共同動作に適合された第二のロック要素(129)が設けられている。該下向きフランク(126)から離れて対向している該下向き舌部(125)の遠位側(130)には、凹部の形態の第三のロック要素(131)が追加的に設けられている。該第三のロック要素(131)は、隣接するパネル(100,101)の第四のロック要素(122)との共同動作に適合されている。
【0091】
図2bは、線B-Bに沿った、図1aおよび図1bに示すようなパネル(100,101)の断面を示す。該パネル(100,101)の該中央に配設されたコア(113)がここでも見え、該パネル(100,101)の該上側(102)および該下側(103)を画定している。該パネル(100,101)の対向する縁部(105)において、該第三の連結部(109)および該第四の連結部(110)が該コア(113)に接続されている。
【0092】
該第三の連結部(109)は、該パネル(100,101)の該上側(102)に実質的に平行な方向に延びている側部舌部(132)と、該側部舌部(132)からある距離にある少なくとも一つの第二の下向きフランク(133)と、該側部舌部(132)と該第二の下向きフランク(133)との間に形成された第二の下向き溝(134)とを備えている。該第四の連結部(110)は、隣接するパネル(100,101)の該第三の連結部(109)の該側部舌部(132)の少なくとも一部を収容するために構成された第二の溝(135)を備え、前記第二の溝(135)は、上方唇部(136)および下方唇部(137)によって画定され、この場合、前記下方唇部(137)には、上向きロック要素(138)が設けられている。
【0093】
図3aは、それぞれ、第一の連結部(107)および第二の連結部(108)において一緒に連結されている、図1aおよび図1bに示すような二枚のパネル(100,101)の断面を示す。該第一の連結部(107)および該第二の連結部(108)の図示した構成により、該二枚のパネル(100,101)は、フォールドダウン動作および/または垂直方向の動作によって互いに連結される。この動作は、該第二の連結部(108)の該下向き舌部(125)を、該第一の連結部(107)の該上向き溝(116)に挿入できるようにし、このことは、該上向き溝(116)が広げられる結果として、該上向き舌部(114)の下方への曲げに協力する。図3bを見て分かるように、該上向き舌部(114)は、その後、その初期位置の方向に戻ることになる。
【0094】
図3bは、連結位置における、図3aに示すような該二枚のパネル(100,101)の断面を示し、この場合、該下向き舌部(125)は、該第一の連結部(107)によって締め付けられ、および/または該上向き舌部(114)は、該第二の連結部(108)によって締め付けられる。該第一の連結部(107)および該第二の連結部(108)は、重なり合った輪郭を有しているため、該二枚のパネル(100,101)およびそれらの縁部(104)を互いに向かって押し付けるプレテンションが前記連結部(107,108)内に存在する。具体的には、該下向き舌部(125)は、該上向き溝(116)に対してオーバーサイズであり、この場合、該下向き舌部(125)の最大幅(139)は、該上向き溝(116)の最大幅(140)を超えている。さらに、該上向き舌部(114)は、該下向き溝(127)に対してオーバーサイズであり、この場合、該上向き舌部(114)の該最大幅(141)は、該下向き溝(127)の該最大幅(142)を超えている。それぞれのパネル(100,101)の該上側(102)の水平な接続を確実にするために、該下向き舌部(125)の高さ(143)は、該上向き溝(116)の高さ(144)と等しく(または、それより小さく)、および該上向き舌部(114)の高さ(145)は、該下向き溝(127)の高さ(146)に等しい(かまたは、それより小さい)。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b