(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】テーブル自動販売機
(51)【国際特許分類】
G07F 9/10 20060101AFI20240213BHJP
G07F 11/00 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
G07F9/10 F
G07F11/00 A
(21)【出願番号】P 2021523871
(86)(22)【出願日】2019-10-23
(86)【国際出願番号】 US2019057520
(87)【国際公開番号】W WO2020092072
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-10-21
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(72)【発明者】
【氏名】ジャファ,エマド
(72)【発明者】
【氏名】リー,シュエジュン
(72)【発明者】
【氏名】セロック,ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ラウ,チュク チー
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル,マーティン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】モリソン,ユアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ワイ ティン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストン,サミュエル ルーク
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,エリック デイビッド
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-040017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 9/00 - 11/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
卓上式の自動販売機であって、
下部ハウジングと、
前記下部ハウジングの上部に配設された上部ハウジングであって、前記上部ハウジングが、前記上部ハウジングの内部を前記自動販売機の外部から可視であるように構成されている透明部分を備える、上部ハウジングと、
顧客が、前記上部ハウジングの前記内部にアクセスすることなく、製品にアクセスすることを可能にするように構成された、前記上部ハウジング上に配設された配送ポータルと、
前記上部ハウジング内に配設された製品配送システムであって、
複数のローラを備える水平に配向されたローラ表面であって、前記複数のローラの各々が、前記ローラを回転させるように構成されているローラアクチュエータに動作可能に接続されている、水平に配向されたローラ表面と、
前記ローラ表面上に移動可能に配設されたローラトレイであって、前記複数のローラは、前記ローラトレイが水平面内で移動することを可能にし、前記ローラトレイが、前記製品を解放可能に保持するように構成されている、ローラトレイと、を備える、製品配送システムと、
前記製品を解放可能に保管するように構成された前記下部ハウジング内に配設された製品保管システムと、
前記製品を前記製品保管システムから前記ローラトレイに移送するように構成された、前記下部ハウジング内に配設された製品移送システムと、
顧客が前記製品を購入することを可能にするように構成された、前記上部ハウジング上に配設されたユーザインターフェースであって、前記製品配送システムが、前記透明部分を通して前記自動販売機の外部から可視である、ユーザインターフェースと、を備える、自動販売機。
【請求項2】
4つの配送ポータルを更に備え、前記上部ハウジングが、矩形の形状であり、前記4つの配送ポータルの各々が、前記上部ハウジングの異なる垂直側面上に配設されている、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
複数の
ローラトレイを更に備える、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項4】
前記自動販売機内に配設されたコントローラと、
前記自動販売機内に配設され、前記コントローラに動作可能に接続されたセンサと、を更に備え、前記コントローラが、見込み客の近接を感知するように構成されており、前記自動販売機に近接する見込み客を感知することに応答して、前記ローラトレイを移動させるように更に構成されている、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項5】
前記自動販売機の全高が、
0.9メートル未満である、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項6】
製品を自動販売するためのシステムであって、
下部ハウジング内に配設された前記製品を解放可能に保管するように構成された製品保管システムと、
前記下部ハウジングから上部ハウジングに前記製品を移送するように構成された、前記下部ハウジング内に配設された製品移送システムと、
前記製品を前記上部ハウジング上に配設された配送ポータルに配送するように構成された、前記上部ハウジング内に配設された製品配送システムであって、前記製品配送システムが、水平に配向されたローラ表面及び前記製品を解放可能に保持するように構成されている移動可能なローラトレイを備える、製品配送システムと、を備え、
前記ローラ表面が、複数のローラを更に備え、前記複数のローラの各々が、前記ローラを回転させるように構成されたローラアクチュエータに接続されており、前記ローラの回転は、前記ローラトレイが、前記ローラ表面に沿って並進することを可能にする、システム。
【請求項7】
前記上部ハウジング上に配設された透明部分を更に備え、前記透明部分は、前記上部ハウジングの内部が前記
上部ハウジングの外部から可視であることを可能にするように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
4つの配送ポータルを更に備え、前記上部ハウジングが、矩形の形状であり、前記4つの配送ポータルの各々が、前記上部ハウジングの異なる垂直側面上に配設されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
自動販売機から製品を販売するための方法であって、
前記自動販売機の上部ハウジング上に配設されたユーザインターフェースにおいて、顧客からの、第1の製品を選択するための第1の製品選択入力を受信することと、
前記自動販売機の下部ハウジング内に配設された製品移送システムを使用して、前記自動販売機の前記下部ハウジング内に配設された製品保管システムから前記上部ハウジングに、前記第1の製品の一例を移送することと、
前記上部ハウジング内に配設された水平方向に配向されたローラ表面上に配設されたローラトレイにおいて、前記第1の製品を受容することであって、前記ローラトレイが、前記製品を解放可能に保持するように構成されている、受容することと、
複数のローラトレイアクチュエータを使用して、前記ローラ表面上に配設された複数のローラを作動させることによって、前記第1の製品を前記上部ハウジング上に配設された配送ポータルに移送することと、
前記第1の製品を、前記配送ポータルを通して前記顧客に販売することと、を含む、方法。
【請求項10】
顧客からの、第2の製品を選択するための第2の製品選択入力を受信することと、
前記水平方向に配向された前記ローラ表面上に配設された第2のローラトレイにおいて、前記第2の製品の一例を受容することと、
前記第2のローラトレイ上で、前記第2の製品を第2の
配送ポータルに移送することであって、前記第1の製品及び前記第2の製品を前記ローラ表面上で移送することが、同時に発生する、移送することと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記上部ハウジング又は前記下部ハウジング内に配設されたセンサを使用して、前記自動販売機に近接する見込み客を検知することと、
コントローラを通して、前記見込み客を引き付けるように設計されたパターンで、前記ローラトレイを移動することと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
自動販売機であって、
水平な平面を有する上面を有し、前記上面の下方に配設された製品区画を画定するハウジングと、
前記製品区画上の前記ハウジング内に配設され、前記ハウジング上に配設された配送ポータルに製品を配送するように構成された製品配送システムであって、
水平に配向されたローラ表面及び前記製品を解放可能に保持するように構成されている移動可能なローラトレイを備え、
前記ローラ表面が、複数のローラを更に備え、
前記複数のローラの各々が、前記ローラを回転させるように構成されたローラアクチュエータに接続され、
前記ローラの回転は、前記ローラトレイが、前記ローラ表面に沿って並進することを可能にする、製品配送システムと、
前記製品区画内に配設された自動販売用の複数の製品と、を備え、
前記上面の少なくとも一部分が、透明であり、1つ以上の製品が、前記透明な上面を通して可視である、自動販売機。
【請求項13】
前記上面の下方に配設された配送ポータルを更に備える、請求項12に記載の自動販売機。
【請求項14】
前記上面に対して垂直である表面内に配設された配送ポータルを更に備える、請求項12に記載の自動販売機。
【請求項15】
前記上面が、前記自動販売機の最上面である、請求項12に記載の自動販売機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載される実施形態は、概して、自動販売機から食品及び飲料製品を販売するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機は、自動的に食品及び飲料製品を消費者に販売するために使用される。典型的な自動販売機は、ソーダ、ジュース、又は水などの飲料と、ナッツ、スナックミックス、及びキャンディバーなどの食品との組み合わせを収容することができる。自動販売機は、典型的には、見込み客を引き付けるように設計される、外面上の広告又はブランドを含む。
【発明の概要】
【0003】
卓上自動販売機は、下部ハウジングと、下部ハウジングの上部に位置付けられた上部ハウジングと、を含み、上部ハウジングは、上部ハウジングの内部を卓上自動販売機の外部から可視であるように構成される透明部分を含む。配送ポータルは、上部ハウジング上に位置付けられ、顧客が上部ハウジングの内部にアクセスすることなく、製品にアクセスすることを可能にするように構成される。製品配送システムは、上部ハウジング内に配設される。ローラは、複数のローラを備える水平に配向されたローラ表面を含み、複数のローラの各々は、ローラを回転させるように構成されたローラアクチュエータ、及びローラ表面上に移動可能に配設されたローラトレイに動作可能に接続され、複数のローラは、ローラトレイが水平面内で移動することを可能にする。ローラトレイは、製品を解放可能に保持するように構成される。製品保管システムは、下部ハウジング内に位置付けられ、製品を解放可能に保管するように構成される。製品移送システムは、下部ハウジング内に配設され、製品保管システムからローラトレイに製品を移送するように構成される。ユーザインターフェースは、上部ハウジング上に位置付けられ、顧客が製品を購入することを可能にするように構成される。製品配送システムは、透明な部分を通じて自動販売機の外部から可視である。
【0004】
製品を自動販売するためのシステムの他の実施形態は、下部ハウジング内に配設された製品を解放可能に保管するように構成された製品保管システムと、下部ハウジングから上部ハウジングに製品を移送するように構成された、下部ハウジング内に位置付けられた製品移送システムと、を含む。製品配送システムは、上部ハウジング内に位置付けられ、製品を上部ハウジング上に配設された配送ポータルに配送するように構成される。製品配送システムは、水平に配向されたローラ表面と、製品を解放可能に保持するように構成される可動ローラトレイと、を含む。ローラ表面はまた、ローラを回転させるように構成されたローラアクチュエータに接続される、複数のローラを含み、ローラの回転は、ローラトレイがローラ表面に沿って並進することを可能にする。
【0005】
自動販売機の実施形態を使用するための方法は、自動販売機の上部ハウジング上に配設されたユーザインターフェースにおいて顧客からの製品選択入力を受信することを含む。次いで、自動販売機は、下部ハウジング内に配設された製品移送システムを使用して、自動販売機の下部ハウジング内に配設された製品保管システムから上部ハウジングに、選択された製品の一例を移送する。次に、自動販売機は、上部ハウジング内に配設された、水平方向に配向されたローラ表面上に配設されたローラトレイにおいて、選択された製品を受容し、ローラトレイは、製品を解放可能に保持するように構成される。次いで、自動販売機は、複数のローラトレイアクチュエータを使用して、ローラ表面上に配設された複数のローラを作動させることによって、上部ハウジング上に配設された配送ポータルに製品を移送する。最後に、自動販売機は、配送ポータルを通じて顧客に製品を販売する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示を示し、この説明と共に、本開示の原理を更に説明し、当業者が本開示を作成及び使用することを可能にする。
【0007】
【
図1】実施形態による、自動販売機の斜視図である。
【0008】
【
図2】実施形態による、自動販売機の側面図である。
【0009】
【
図3】実施形態による、自動販売機の上面図である。
【0010】
【
図4】実施形態による、小売環境における自動販売機の図である。
【0011】
【
図5】実施形態による、自動販売機の断面図である。
【0012】
【
図6】実施形態による、自動販売機の使用方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明では、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、数多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、構造、システム、及び方法を含む実施形態は、これらの具体的な詳細なく実施され得ることが、当業者には明らかであろう。本明細書の説明及び表現は、当業者によって、彼らの研究を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用される通常の手段である。他の例では、本開示の態様を不必要に不明瞭にすることを回避するために、周知の方法、手順、構成要素、及び回路は、詳細に説明されない。
【0014】
「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態(an example embodiment)」などの本明細書での言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含まなくてもよいことを示す。更に、このような句は、必ずしも同じ実施形態を言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態と関連して記載される場合、明確に記載されているかどうかに関わりなく、他の実施形態と関連するこのような特徴、構造、又は特性への影響は、当業者の知見内であるものとする。
【0015】
以下の実施例は、本開示の例示であるが、限定するものではない。当業者には明らかであろう、当分野に通常遭遇する様々な条件及びパラメータの他の好適な修正及び適応は、本開示の趣旨及び範囲内である。
【0016】
自動販売機は、販売員が立ち会う必要なく、ソーダ又はキャンディバーなどの消耗品を含む製品を自動的に販売するように設計されたデバイスである。これらの機械は、食品を安全に保管し、製品の支払いが処理されると選択された製品を販売するように構成される。典型的な自動販売機は、食品を保管し、必要な入力及び支払いシステムを収容する大きい矩形のハウジングを有する。それらのサイズ及びフォームファクタのために、自動販売機は、通常、壁に接して、又は壁内の凹部内に設置される。この制限は、見込み客によって出入りされる領域内に自動販売機を配置する能力を制限するため、望ましくない。
【0017】
自動販売機は、見込み客を引き寄せ、顧客と相互作用するように設計された様々な要素を含む。例えば、ほとんどの自動販売機は、自動販売用に入手可能な製品のいくつかを表す外部のブランドを含む。多くの現代の自動販売機はまた、顧客が自動販売機の外部から製品を直接見ることを可能にする透明な区分を含む。顧客は、多くの場合、自身のブランドを有する製品、並びに内部配送及び自動販売機構の動作を見ることができる。これらの要素は、ある程度、顧客を引き寄せ、顧客と相互作用することができるが、集客及び顧客との相互作用における改善が、自動販売機売上を増加させるために必要である。
【0018】
実施形態では、自動販売機は、水平平面上面を有し、上面の下方に配設された製品区画を画定するハウジングと、製品区画内に配設された自動販売用の複数の製品と、を含む。上面の少なくとも一部分は、透明であり、1つ以上の製品は、透明な上面を通して可視である。
【0019】
本開示の一実施形態は、下部ハウジングと、下部ハウジングの上部に配設された上部ハウジングと、を備える卓上自動販売機であり、上部ハウジングは、上部ハウジングの内部を、卓上自動販売機の外部から可視であるように構成される透明部分を備える。配送ポータルは、顧客が上部ハウジングの内部にアクセスすることなく製品にアクセスすることを可能にするように構成された、上部ハウジング上に配設される。製品配送システムは、上部ハウジング内に配設され、製品配送システムは、複数のローラを備える水平に配向されたローラ表面を備え、複数のローラの各々は、ローラを回転させるように構成されたローラアクチュエータ、及びローラ表面上に移動可能に配設されたローラトレイに動作可能に接続され、複数のローラは、ローラトレイが水平面内で移動することを可能にし、ローラトレイは、製品を開放可能に保持するように構成される。下部ハウジング内に配設された製品保管システムは、製品を解放可能に保管するように構成され、下部ハウジング内に配設された製品移送システムは、製品保管システムからローラトレイに製品を移送するように構成される。上部ハウジング上に配設されたユーザインターフェースは、顧客が製品を購入することを可能にするように構成される。製品配送システムは、上部壁を通じて自動販売機の外部から可視である。
【0020】
本明細書に記載される実施形態は、既存の自動販売機よりも1つ以上の利点を有し得る。例えば、
図5に見られ得るように、待合室内又はカフェテリアの中央など、共有空間内に配置されてもよい。このことは、従来の自動販売機を設置することができない空間に、自動販売機を組み込むことを可能にする。別の例示的な利点は、ローラベースの製品配送システムと組み合わされた透明な上部分が、顧客を引き付ける役割を果たす様式である。従来の自動販売機は、透明な上部分を通して可視であるローラベースの配送システムによって作成された視覚的効果と適合させることができない。
【0021】
実施形態では、
図1に最もよく示されるように、自動販売機1は、下部ハウジング20の上部に配置された上部ハウジング10を含む。いくつかの実施形態では、上部ハウジング10及び下部ハウジング20は、概して矩形である。他の実施形態では、上部ハウジング10及び下部ハウジング20は、概して、上部ハウジング10が下部ハウジング20よりも長い側面を有する状態の正方形である。下部ハウジング20は、例えば、金属、プラスチック、又は複合材料などの好適な非透明材料で作製される下部ハウジング壁22を含む。いくつかの実施形態では、上部ハウジング10及び下部ハウジング20は、一体構造であってもよく、すなわち、それらは1つの連続構造である。
【0022】
図1~
図2に示されるように、上部ハウジング10は、上部ハウジング壁12と、上部ハウジング壁12の上方に位置付けられた上面14と、を備える。上面14は、適切な透明材料で作製されてもよく、したがって、自動販売機1の内部の一部を自動販売機1の外部から可視であるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、上面14は、水平な平面であってもよい。いくつかの実施形態では、上面14は、自動販売機1を支持する床などの表面に対して平行であってもよい。上部ハウジング壁12は、例えば、金属、プラスチック、又は複合材料などの適切な非透明材料から作製されてもよい。
【0023】
実施形態では、自動販売機1は、従来の自動販売機のフォームファクタよりも小さいフォームファクタを有するように構成され得る。例えば、自動販売機1のいくつかの実施形態は、高さにおいて、4フィート以下、及び最大長さ又は幅寸法において、5フィート以下であってもよい。これらの測定値は、自動販売機1を特定の空間に適合させるように変更されてもよく、そのため、例えば、自動販売機1の他の実施形態は、高さにおいて3フィート以下、及び最大長さ又は幅寸法において4フィート以下であってもよい。自動販売機1のいくつかの実施形態は、自動販売機1の全高及び上部ハウジング10が下部ハウジング20よりも広くなる量を調整することによって、例えば、テーブルとして、家具として機能するように適合されてもよい。いくつかの実施形態では、自動販売機1の高さの幅に対する比は、1未満であってもよく、これは、すなわち自動販売機1が、その高さよりも幅が広いということである。いくつかの実施形態では、自動販売機1の高さの幅に対する比は、0.5未満であってもよい。いくつかの環境では、より低い高さの自動販売機1は、従来の大型自動販売機にはアクセス不可能な場所内に配置されることを可能にする。
【0024】
実施形態では、自動販売機1は、製品配送システム30を含んでもよい。製品配送システム30は、上部ハウジング10上に配設される。
図1及び
図3に最もよく示されるように、製品配送システム30は、水平に配向されたローラ表面32を備える。ローラ表面32は、ローラ表面32の上方にわずかに突出するように構成される複数のローラ33を備える。ローラ33は、自由に回転する。このことは、ローラ33が物体の重量を支持するため、ローラ表面32の上部に配置された平坦な物体が、必要最小限の力でローラ表面32の周囲で自由に変位することを可能にする。
【0025】
いくつかの実施形態では、ローラ33は、ローラアクチュエータ34に接続される。ローラアクチュエータ34は、ローラ33を、いずれかの方向にも回転させることができる。それゆえ、ローラ33の上部に載置される物体は、ローラ33を回転させるためのローラアクチュエータ34を使用することによって、ローラ表面32を横切って移動させることができる。一実施形態では、作動ローラ33を有するローラ表面32は、国際公開第2014/012861号に記載されるように提供されてもよく、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。作動ローラ表面32は、ローラ33をどの方向に回転させるかを制御することによって、ローラ33上の物体を表面の任意の部分に移送することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、自動販売機1は、ローラトレイ36を含む。ローラトレイ36はまた、製品配送システム30の一部である。ローラトレイ36は、ローラ表面32に沿って摺動するように設計された平坦な底面を伴って構成される。ローラトレイ36の上面は、自動販売用の製品52を解放可能に保持するように構成される。いくつかの実施形態では、ローラトレイ36は、平坦な表面を含んでもよく、製品52は、平坦な表面に対して単に載置される。他の実施形態では、ローラトレイ36は、作動レバー又は把持デバイスなどの、製品52を保持するための機構を含んでもよい。
図3及び
図5に最もよく示されるように、ローラトレイ36は、ローラ33の作動を通してローラ表面32に沿って並進し、かつローラ表面32の任意の部分に到達することができ、いくつかの実施形態では、上部ハウジング10の水平面の実質的に全てを通って延在する。自動販売機1のいくつかの実施形態では、ローラ表面32、ローラ33、及びローラトレイ36は、上部ハウジング10の上部ハウジング壁12の透明部分を通じて自動販売機1の外部から可視である。自動販売機1のいくつかの実施形態は、2つ以上のローラトレイ36を含んでもよい。これらの実施形態では、ローラトレイ36は、例えば、製品52を別個の配送ポータル60に同時に配送するために、互いに同時に移動されてもよい。ローラ表面32が外部から可視である自動販売機1の実施形態は、顧客を自動販売機1に引き付けるように設計されたパターンで、ローラトレイ36を移動させるようにプログラムされ得る。例えば、複数のローラトレイ36は、見込み客を自動販売機1に引き付けるために、ローラ33によってローラ表面32に沿って、高速で移動する複雑なパターンで移動されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、自動販売機1は、製品保管システム50を含む。製品保管システム50は、下部ハウジング20内に配設される。製品52は、製品保管システム50内に解放可能に保管される。いくつかの実施形態では、製品保管システム50は、製品52を解放可能に保管するように構成される、複数の製品保管カートリッジ54を含む。典型的には、1つのタイプの製品が、各製品保管カートリッジ54内に保管され、これは順に製品保管システム50の一部として下部ハウジング20内に開放可能に配設される。製品保管カートリッジ54は、製品52で予め装填され得、自動販売機1から除去及び交換されなければならない品目の数を低減することによって、自動販売機1の補給効率を改善する。
【0028】
実施形態では、自動販売機1は、製品移送システム40を含み得る。製品移送システム40は、下部ハウジング20及び上部ハウジング10内に配設される。製品移送システム40は、製品52を下部ハウジング20内の製品保管システム50からローラ表面32上に位置付けられるローラトレイ36に移送するように構成される。製品移送システム40は、自動販売機内で製品を移送するための任意の周知のシステムであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、製品移送システム40は、水平面において配向されたx-y配送システムを製品エレベータ42と組み合わせる。製品エレベータ42は、製品保管システム50から取り出される製品52を解放可能に保持するように構成される。製品52は、製品保管システム50から製品エレベータ42に、いくつかの異なる方式で転送されてもよい。例えば、製品52は、重力によって製品エレベータ42上に供給されてもよい。いくつかの実施形態では、製品52は、螺旋形状に形成された剛性ワイヤのコイルに装填されてもよく、螺旋は、製品52を製品エレベータ42に転送するために、ある一定の程度前進され得る。製品保管システム50から製品エレベータ42に製品52を転送するための他の好適な方法は、当該技術分野において周知である。
【0029】
x-yシステムは、ローラ表面32の下方に位置付けられる水平面内で製品エレベータ42を移送し、製品エレベータ42は、製品保管システム50から製品52を取り出すためにより低くなり得、次いで、製品が適切な水平位置にあると、製品52をローラトレイ36上に正確に置くために上昇してもよい。実施形態では、ローラ表面32は、製品エレベータ42がローラトレイ36にアクセスすることを可能とする開口部を有してもよい。x-y配送システムは、上部ハウジング10又は下部ハウジング20内に固定される第1のトラック44からなってもよく、そのため自動販売機1の側面のうちの1つに対して平行であるように配向される。第2のトラック46は、第1のトラック44に対して垂直であるように、第1トラック44に移動可能に取り付けられる。製品エレベータ42は、第2のトラック46に移動可能に取り付けることができる。作動により、第2のトラック46を、第1のトラック44に沿って移動させ、製品エレベータ42を第2のトラック46に沿って移動させることが可能になる。作動の例は、第1のトラック44及び第2のトラック46の各々の上に配設された、ギア及びラック機構、又はベルト若しくはチェーン駆動部を含んでもよい。下部ハウジング20から製品52を移送するための他のシステムが、限定することなく用いられ得る。
【0030】
実施形態では、自動販売機1は、1つ以上の配送ポータル60を含む。1つ以上の配送ポータル60は、自動販売機1の外部上に配設される。いくつかの実施形態では、配送ポータル60は、上部ハウジング10の外部上に配設される。いくつかの実施形態では、配送ポータル60は、自動販売機1の上面14上に設設されてもよい。いくつかの実施形態では、配送ポータル60は、上面14に対して垂直である自動販売機1の表面上に配設されてもよい。配送ポータル60は、顧客が自動販売機1の内部にアクセスすることを可能にして、自動販売機1の残りへのアクセスをすることなく、製品52を取り出すことを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、1つの配送ポータル60は、自動販売機1の側面の各々上に設置される。これにより、複数の顧客が、同時に注文された製品52を取り出すことを可能にする。
【0031】
実施形態では、自動販売機1は、配送インターフェース70を含む。配送インターフェース70は、自動販売機1の外部に配設される。配送インターフェース70は、顧客からの入力を受信し、自動販売用に入手可能な製品52に関して情報を顧客に伝え、顧客からの支払い情報を受諾するように構成される。いくつかの実施形態では、配送インターフェース70は、キーパッド又はタッチスクリーンなどの入力デバイス72を備える。配送インターフェース70はまた、顧客に情報を表示するように構成された表示デバイス74を含む。いくつかの実施形態では、配信インターフェース70及び表示デバイス74は、タッチスクリーンが使用される場合など、1つのデバイスに組み合わされてもよい。2つ以上の配送インターフェース70は、自動販売機1の外部に配設されてもよい。例えば、各配送インターフェース70は、各配送ポータル60と一対となり、かつその近傍に配設されてもよい。
【0032】
実施形態では、自動販売機1は、コントローラ80及びセンサ82を含む。センサ82は、見込み客の近接を感知し、その情報をコントローラ80に伝達するように設計される。センサ82は、本出願用に適切な外部カメラ、超音波センサ、又は任意の他のタイプのセンサを含み得る。透明な上面14を備える自動販売機1の実施形態では、コントローラ80は、見込み客が自動販売機1付近にいるとき、1つ以上のローラトレイ36をローラ表面32に沿ったパターンで移動させるように構成される。この移動パターンは、見込み客が自動販売機1に近づくように気を引き、最終的に自動販売機1から購入するように設計される。自動販売機1の実施形態では、コントローラ80及びセンサ82は、配送インターフェース70に統合されてもよい。
【0033】
自動販売機1の実施形態を使用する方法は、本明細書に記載される。図に示されるように、まず、注文工程100において、顧客は、入手可能な製品52に関する情報を受信し、配送ポータル60を使用して製品52のうちの1つの注文を行う。転送工程110では、製品移送システム40が、製品保管システム50から製品52を取出し、製品エレベータ42を使用して、ローラ表面32上のローラトレイ36に転送する。第2の配送工程120では、ローラトレイ36は、配送ポータル60に到達するまで、補助又はローラ33とローラ表面32を横切って並進する。取出し工程130では、製品52は、配送ポータル60において、顧客による取出しのために提示される。
【0034】
自動販売機1の実施形態を使用して製品を購入する方法は、顧客が自動販売機1に近づくときに開始する。顧客は、配送インターフェース70を使用して、入手可能な製品52及びそれらの製品に関する情報をレビューする。顧客は、次いで、購入のために製品52のうちの1つを選択する。自動販売機1は、製品エレベータ42を使用して、製品保管システム50からローラ表面32上のローラトレイ36に製品52を移送する。製品52を解放可能に保持するように構成されるローラトレイ36は、配送ポータル60に到達するまでローラ33上のローラ表面32にわたって変位される。次いで、顧客は、配送ポータル60を通じて製品52を取り出す。
【0035】
本開示の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではないが、続く特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。