(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】触媒担体
(51)【国際特許分類】
B01J 35/60 20240101AFI20240213BHJP
B01J 23/755 20060101ALI20240213BHJP
B01J 32/00 20060101ALI20240213BHJP
B01J 37/00 20060101ALI20240213BHJP
B01J 37/02 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
B01J35/10 301G
B01J23/755 M
B01J32/00
B01J35/10 301A
B01J37/00 D
B01J37/02 101Z
(21)【出願番号】P 2021537516
(86)(22)【出願日】2019-09-09
(86)【国際出願番号】 GB2019052506
(87)【国際公開番号】W WO2020053563
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-09-09
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521100807
【氏名又は名称】ジェムテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】スタッキー マーク
(72)【発明者】
【氏名】ディーキン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】コールキン リチャード
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/027593(WO,A2)
【文献】特開平10-081508(JP,A)
【文献】中国実用新案第201815312(CN,U)
【文献】特開平11-342335(JP,A)
【文献】特開昭47-011817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填床内で使用するための充填部材であって、好ましくは充填床反応器内で触媒担体として使用するための担体であり、前記充填部材はセラミック材料を含み、前記充填部材は、0.7cm
2/cm
3以上の体積当たり幾何的表面積、及び250kgf以上の側面破壊強度、又は1.5cm
2/cm
3以上の体積当たり幾何的表面積、及び150kgf以上の側面破壊強度、又は3cm
2/cm
3以上の体積当たり幾何的表面積、及び60kgf以上の側面破壊強度を有し、前記充填部材は、任意に少なくとも6%の多孔性、例えば少なくとも15%又は少なくとも20%を有する、充填部材。
【請求項2】
前記充填部材は、キャスト充填部材、好ましくはゲルキャスト充填部材、より好ましくは有機バインダ成分、セラミック材料、任意にポア形成成分、任意に重合性開始剤、及び任意に重合性促進剤を含む、成形組成物から形成されたゲルキャスト充填部材である、請求項1に記載の充填部材。
【請求項3】
充填床内で使用するため
の充填部材であって、好ましくは充填床反応器内で触媒担体として使用するための担体であり、前記充填部材は、セラミック材料、有機バインダ成分、任意にポア形成成分、任意に重合性開始剤、及び任意に重合性促進剤を含む、組成物
から形成されるゲルキャスティング
充填部材であり、前記充填部材は、マクロ構造及び前記マクロ構造の外面上に表面構造を有し、前記表面構造は、前記マクロ構造の外面の少なくとも60%の上に延在する、充填部材。
【請求項4】
前記充填部材は、1cm
2/cm
3以上のGSA、好ましくは1.2cm
2/cm
3以上のGSA、より好ましくは1.3cm
2/cm
3以上のGSA、最も好ましくは1.4cm
2/cm
3以上のGSAを有し、275kgf以上の側面破壊強度、好ましくは300kgf以上、より好ましくは325kgf以上、最も好ましくは350kgf以上を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の充填部材。
【請求項5】
前記充填部材は、1.7cm
2/cm
3以上のGSA、好ましくは1.9cm
2/cm
3以上のGSA、より好ましくは2.1cm
2/cm
3以上のGSA、最も好ましくは2.3cm
2/cm
3以上のGSAを有し、170kgf以上の側面破壊強度、好ましくは185kgf以上、より好ましくは200kgf以上、最も好ましくは215kgf以上を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の充填部材。
【請求項6】
前記充填部材は、3.3cm
2/cm
3以上のGSA、好ましくは3.6cm
2/cm
3以上のGSA、より好ましくは3.9cm
2/cm
3以上のGSA、最も好ましくは4.2cm
2/cm
3以上のGSAを有し、70kgf以上の側面破壊強度、好ましくは80kgf以上、より好ましくは90kgf以上、最も好ましくは100kgf以上を有する、及び/又は、
前記充填部材は、15%以上の多孔性、より好ましくは20%以上、最も好ましくは25%以上を有する
、請求項1~5のいずれか一項に記載の充填部材。
【請求項7】
前記充填部材は、マクロ構造及び前記マクロ構造の外面上に表面構造を有する、請求項1、2及び4~6のいずれか一項に記載の充填部材。
【請求項8】
前記充填部材のマクロ構造は、歯車の形であり、前記歯車の少なくとも一部、好ましくは全てのキャスタレーションは、前記キャスタレーションの深さ及び/又は幅に沿って先細であり、好ましくは、各キャスタレーションは、前記歯車のその他のキャスタレーションと同じ方向に先細であり、適切には前記キャスタレーションの最大幅及び最大深さの点は、前記キャスタレーションの同じ端部に向かい、及び/又は前記マクロ構造は、凹んだ上面及び/又は下面を有し、適切には前記上面及び/又は下面の少なくとも30%、例えば少なくとも40%若しくは少なくとも50%が凹む、及び/又は、
表面構造は、リッジ及び/又はマウンドの形であり、好ましくは、前記リッジは環状リッジの形であり、より好ましくは複数の取り付けられた環状リッジ構造、適切には少なくとも第1の環状表面構造のリッジが、第2の環状表面構造の部分を形成するように、内部連結した環状リッジ構造である、請求項1~
7のいずれか一項に記載の充填部材。
【請求項9】
有機バインダ成分は、重合性モノマ及び架橋部材を含み、
前記重合性モノマは、アクリルモノ
マのエチレン性不飽和モノマ、若しくはアクリルアミドモノ
マのその派生物、及び/又はメタクリルアミド(MAM)、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(hMAM)、ヒドロキシエチルアクリルアミド(hEAM)、及び/又はN-ビニル-2-ピロリジノン(NVP)の1つ若しくは複数から選択されたモノ
マのビニルモノマの1つ又は複数型を含み、
前記重合性モノマは、1つ若しくは複数のアクリルアミドモノマ、好ましくはメタクリルアミド(MAM)、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(hMAM)、及びヒドロキシエチルアクリルアミド(hEAM)の1つ若しくは複数から選択されたモノマ、より好ましくはMAMを含み、
前記架橋部材は、ジアクリルモノ
マのジエチレン性不飽和モノマ、若しくはジアクリルアミドモノ
マのその派生物、アクリル塩、及び/又はポリエチレングリコール置換アクリルモノマの1つ又は複数から選択され、
前記架橋部材は、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリラート(PEGDMA)、N,N’-メチレンビス(アクリルアミド)(BIS)、アンモニウムアクリレート、及びPEGメチルエチルメタクリレート(PEGMEM)の1つ又は複数、好ましくはポリ(エチレングリコール)ジメタクリラート(PEGDMA)、及びN,N’-メチレンビス(アクリルアミド)(BIS)の1つ又は複数から選択され、
前記有機バインダ成分は、40~95wt%の重合性モノマ、及び60~5wt%の架橋部材、例えば50~90wt%の重合性モノマ、及び50~10wt%の架橋部材、若しくは55~85wt%の重合性モノマ、及び45~15wt%の架橋部材、又は60~80wt%の重合性モノマ、及び40~20wt%の架橋部材、例えば65~75wt%の重合性モノマ、及び35~25wt%の架橋部材を含む、請求項1~
8のいずれか一項に記載の充填部材。
【請求項10】
ポア形成材料は粒度分布を有し、D10は5~100μm、好ましくは10~75μm、より好ましくは15~50μm、最も好ましくは20~40μmであり、及び/又はポア形成材料のD50は50~200μm、好ましくは75~175μm、より好ましくは90~160μm、最も好ましくは100~150μmであり、及び/又はポア形成材料のD90は120~300μm、好ましくは150~270μm、より好ましくは170~250μm、最も好ましくは185~235μmである、及び/又は、
前記セラミック材料は、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸カルシウム、ジルコニア、シリカ、チタン酸塩、炭素、及び/又は酸化マグネシウムを含む、及び/又は、
前記セラミック材料は粒度分布を有し、D10は0.1~20μm、好ましくは0.5~10μm、より好ましくは1~5μm、最も好ましくは1.5~3μmであり、及び/又は前記ポア形成材料のD50は0.5~30μm、好ましくは1~25μm、より好ましくは1.5~20μm、最も好ましくは2~15μmであり、及び/又は前記ポア形成材料のD90は10~100μm、好ましくは15~80μm、より好ましくは20~70μm、最も好ましくは25~60μmである、請求項1~
9のいずれか一項に記載の充填部材。
【請求項11】
組成物及び/又は充填部材は、ランタン、銅、マグネシウム、マンガン、カリウム、カルシウム、ジルコニウム、バリウム、セリウム、ナトリウム、リチウム、モリブデン、イットリウム、コバルト、及びクロミウムの1つ又は複数の酸化物から選択された促進剤を含む、及び/又は、
組成物及び/又は充填部材は、ポリマ
塩の分散剤、例えばポリアクリル塩、好ましくはポリアクリルのアンモニウム塩を含む、及び/又は、
組成物は、前記組成物の乾燥重量で0.1~10%の重合性モノマ、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは1~6wt%、例えば1.5~5wt%、最も好ましくは2~4wt%を含む、及び/又は、
組成物は、前記組成物の乾燥重量で0.1~10%の架橋部材、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは0.75~6wt%、例えば1~5wt%、最も好ましくは1~4wt%を含む、及び/又は、
組成物は、前記組成物の乾燥重量で50~95%のセラミック材料、好ましくは50~90wt%、より好ましくは55~85wt%、最も好ましくは60~80wt%を含む、請求項1~
10のいずれか一項に記載の充填部材。
【請求項12】
組成物は、前記組成物の乾燥重量で0超~40%のポア形成部材、好ましくは0.5~30wt%、より好ましくは2~25wt%、例えば3~20wt%、最も好ましくは4~15wt%を含む、及び/又は、
組成物は、前記組成物の乾燥重量で0.1~5%の重合性開始剤、好ましくは0.5~4wt%、より好ましくは0.75~3.5wt%、最も好ましくは1~3wt%を含む及び/又は、
組成物は、前記組成物の乾燥重量で最高5%の重合性促進剤、好ましくは最高3wt%、より好ましくは最高2wt%、最も好ましくは最高1.5wt%を含む、及び/又は、
組成物は、前記組成物の乾燥重量で0.1~10%の分散剤、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは0.75~6wt%、最も好ましくは1~5wt%を含む、請求項
2~
11のいずれか一項に記載の充填部材。
【請求項13】
前記充填部材は、担体触媒であり、更に触媒材料を更に含み、
前記触媒材料は、遷移金属、適切には遷移金属酸化物、及び/又は貴金属、適切にはその合金の1つ又は複数から選択された金属を含み、好ましくは、前記触媒材料は、鉄、ニッケル、銀、金、プラチナ、ルテニウム、バナジウム、モリブデン、及びコバルトの1つ又は複数から選択された金属を含む、請求項1~
12のいずれか一項に記載の充填部材。
【請求項14】
充填部材又は担体触媒、適切には請求項1~
13のいずれか一項に記載の充填部材又は担体触媒を生成するための方法であって、
a.
充填部材又は担体触媒のデジタルモデルを生成するステップと、
b.
付加製造を使用して、好ましくは3Dプリンタで印刷してモデルに応じた前駆体を生成するステップと、
c.
前記前駆体からキャスト金型を形成するステップと、
d.充填部材又は担体触媒を生成するために組成物、適切には請求項1~12のいずれか一項に定義されたような組成物を、重合性開始剤及び
重合性促進剤と接触させるステップと、
e.金型内にステップ(d)で得られる組成物を配置するステップと、
f.グリーン体を生成するために組成物を離型するステップと、
g.
室温で前記グリーン体を乾燥するステップ、又は高温で前記グリーン体を焼くステップと、
h.前記グリーン体を焼成するステップと、
i.
前記充填部材に、好ましくは前記充填部材を触媒材料の溶液の中に浸すことにより、前記触媒材料を染み込ませるステップとを含む、方法。
【請求項15】
触媒床を含む反応器であって、前記触媒床は、請求項1~13のいずれか一項に記載の充填部材及び/又は担体触媒を含む、反応器。
【請求項16】
前記反応器は、アンモニア、メタノール、水素、過酸化水素、及び/若しくはオキソアルコー
ルの合成ガスの生成、直接還元鉄(DRI)、吸熱型ガス発生、触媒部分酸化、又はオートサーマル改質のためのものである、請求項
15に記載の反応器。
【請求項17】
i.アンモニア、メタノール、水素、過酸化水素、及び/若しくはオキソアルコー
ルの合成ガスの生成のため、又は
ii.直接還元鉄の生成のため、又は
iii.吸熱型ガス発生のため、又は
iv.触媒部分酸化のため、又は
v.オートサーマル改質のための方法であって、
触媒床を含む反応器の使用を含み、前記触媒床は、請求項1~13のいずれか一項に記載の充填部材及び/又は担体触媒を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填床用の充填部材、詳細には触媒用の担体に関する。より詳細には、本発明は、水蒸気改質及び直接還元鉄(Direct-reduced iron)の生産などの工程で使用するためのセラミック触媒担体及び担体触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
水蒸気改質及び直接還元鉄の生産などの工業工程で使用する金属触媒は、金属表面積を増加するために小粒子に微細に分割する場合に、より活発である。大きい金属表面積は、金属粒子を耐火担体にわたって広げることにより、このような反応の間は維持することができる。このような工程で触媒担体を使用する別の利点は、大量の安価な担体材料の上に散布するために必要な、より高額な触媒金属は少量のみであり、それによって商業規模で必要な触媒材料のコストが著しく低減することである。
【0003】
多くのこのような工程では、触媒を必要とする反応は非常に速く、ペレット表面に限定される。従って反応は、担体触媒の幾何的表面積に依存する。追加として、低い内部表面積(BET)及び非常に小さい内部ポア容積を有する担体触媒は、概してこのような工程では活性が低くなるという難点がある。担体触媒の負荷、作動及び排出の間の破損が、活性を低減し、遅延及びコストを増加させる可能性があるので、担体の強度も重要である。例えば直接還元鉄(DRI)用のミドレックス法では、触媒は、水蒸気改質触媒であるので、高水準の機械的処理及び熱循環を受ける可能性がある。その上、担体触媒は、良好な熱伝達特性を提供する一方で、圧力降下を低く維持するべきである。
【0004】
このような工業工程における触媒用の担体は、典型的にはセラミック粉末の押出加工、ペレット加工又は造粒加工に続いてグリーン体の焼成によって作成される。
【0005】
しかしこのような方法は、制限された担体の幾何形状及び物理的特徴のみを供給できることが分かった。例えばこのような担体は高い強度に達し得る。但し幾何的表面積が低く、多孔性が乏しいことを犠牲にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って望ましい特性の良好な組合せを有する触媒のために、改良された担体が必要とされている。このような改良された触媒は、経済的に生成もできるべきである。従って前述若しくは他の問題の1つ又は複数に対処することが、本発明の態様の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、充填床内で使用するための充填部材、好ましくは充填床反応器内で触媒担体として使用するための担体が提供され、充填部材はセラミック材料を含み、充填部材は、0.7cm2/cm3以上の体積当たり幾何的表面積、及び250kgf以上の側面破壊強度、又は1.5cm2/cm3以上の体積当たり幾何的表面積、及び150kgf以上の側面破壊強度、又は3cm2/cm3以上の体積当たり幾何的表面積、及び60kgf以上の側面破壊強度を有し、充填部材は、任意に少なくとも6%の多孔性、例えば少なくとも15%又は少なくとも20%を有する。
【0008】
充填部材は、触媒担体、適切にはセラミック触媒担体であってもよい。
【0009】
充填部材は、0.7cm2/cm3以上の体積当たり幾何的表面積(GSA)、及び250kgf以上の側面破壊強度、例えば1cm2/cm3以上のGSA、好ましくは1.2cm2/cm3以上のGSA、より好ましくは1.3cm2/cm3以上のGSA、最も好ましくは1.4cm2/cm3以上のGSAを有してもよい。充填部材は、275kgf以上の側面破壊強度、好ましくは300kgf以上、より好ましくは325kgf以上、最も好ましくは350kgf以上を有してもよい。
【0010】
充填部材は、1.5cm2/cm3以上の体積当たり幾何的表面積、及び150kgf以上の側面破壊強度、例えば1.7cm2/cm3以上のGSA、好ましくは1.9cm2/cm3以上のGSA、より好ましくは2.1cm2/cm3以上のGSA、最も好ましくは2.3cm2/cm3以上のGSAを有してもよい。充填部材は、170kgf以上の側面破壊強度、好ましくは185kgf以上、より好ましくは200kgf以上、最も好ましくは215kgf以上を有してもよい。
【0011】
充填部材は、3cm2/cm3以上の体積当たり幾何的表面積、及び60kgf以上の側面破壊強度、例えば3.3cm2/cm3以上のGSA、好ましくは3.6cm2/cm3以上のGSA、より好ましくは3.9cm2/cm3以上のGSA、最も好ましくは4.2cm2/cm3以上のGSAを有してもよい。充填部材は、70kgf以上の側面破壊強度、好ましくは80kgf以上、より好ましくは90kgf以上、最も好ましくは100kgf以上を有してもよい。
【0012】
本明細書では体積当たりGSAは、全てのマクロ構造及び表面構造特徴を含む、充填部材の外寸法を測定すること、並びに表面積を計算することによって計算される。計算された表面積は、次いで充填部材の計算された容積で割る。適切な3Dモデリングソフトウェアは、これらの計算を迅速に正確に提供するために使用することができる。
【0013】
本明細書では側面破壊強度は、kgfで表した値によって示されている。これは、最小直径80mmの2つの平行な平坦な硬化鋼板の間を加圧して圧迫した時に、試料が壊れた点で記録された最大負荷である。一方の板は負荷セル及び記録デバイスに固定され、他方は5mm/分に制御された速度で動くラムに取り付けられている。初期試行テストは、充填部材が最も弱い寸法を決定するために実行される。次いで側面破壊テストは、最も弱い方向で実行される。
【0014】
充填部材は、6%以上の多孔性、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、最も好ましくは25%以上を有してもよい。充填部材は、6~50%の多孔性、好ましくは15~40%、より好ましくは20~35%、最も好ましくは25~30%を有してもよい。適切には担体は、15%以上の多孔性、より好ましくは20%以上、最も好ましくは25%以上を有する。担体は、15~50%の多孔性、より好ましくは20~40%、最も好ましくは25~35%を有してもよい。
【0015】
本明細書では多孔性は、ASTM D4284-12(2017)e1、Standard Test Method for Determining Pore Volume Distribution of Catalysts and Catalyst Carriers by Mercury Intrusion Porosimetryを使用して水銀圧入法によって測定される。
【0016】
充填部材は、適切にはマクロ構造及びマクロ構造の外面上の表面構造を有する。
【0017】
マクロ構造は、多葉、例えば三葉、四葉若しくは五葉、輪、球、立方体、直方体、円柱、又は歯車の形であってもよい。
【0018】
歯車のマクロ構造は、半径方向外方に延在する複数のキャスタレーションを含む。歯車のマクロ構造は、キャスタレーションを除いた時に、実質的に円形、三角形、正方形、又は長方形、その他を含む、横方向断面を有してもよい。少なくとも一部、好ましくは全てのキャスタレーションは、キャスタレーションの深さ及び/又は幅に沿って先細であってもよく、好ましくは、各キャスタレーションは、歯車のその他のキャスタレーションと同じ方向に先細であり、適切にはキャスタレーションの最大幅及び最大深さの点は、キャスタレーションの同じ端部に向かう。
【0019】
マクロ構造は、凹んだ上面及び/又は下面を有してもよく、適切には上面及び/又は下面の少なくとも30%、例えば少なくとも40%若しくは少なくとも50%が凹む。マクロ構造を通って延在する孔は、本発明による上面及び/下面内の凹部ではないことが理解されよう。
【0020】
好都合なことに、先細のキャスタレーション及び/又は凹んだ上面若しくは下面を有する歯車のマクロ構造は、低減した連動と組み合わせて改良された充填密度を提供することが分かった。
【0021】
球のマクロ構造は、マクロ構造の外面上の少なくとも1つの線形窪み、例えば少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの線形窪みを含んでもよい。好ましくは、球のマクロ構造は、少なくとも2つの線形の平行な窪み、例えば少なくとも3つ又は少なくとも4つを含む。好ましくは、窪みは、横方向断面が実質的に半球である。
【0022】
マクロ構造は、一体であってもよく、又はマクロ構造を通って延在する1つ若しくは複数の孔を含んでもよい。好ましくは、充填部材は、マクロ構造を通って延在する少なくとも1つの孔を含み、より好ましくは、マクロ構造は、少なくとも3つの孔を含む。マクロ構造は、ハニカム構造であってもよい。マクロ構造の孔は、真っ直ぐに切断され、又は面を刻まれてもよい。
【0023】
充填部材は、複数の表面構造、適切には、複数の反復する表面構造を含んでもよい。好ましくは、充填部材は、少なくとも5つの表面構造、適切には、反復する表面構造部分、より好ましくは、少なくとも10個、例えば少なくとも15個、又は少なくとも20個、最も好ましくは少なくとも25個を含む。
【0024】
表面構造とは、担体上の隆起部及び/又は凹み部を意味し、その高さは、充填部材のマクロ構造の幅/直径より著しく小さい。このような表面構造は、充填部材のマクロ構造の上の粗面仕上げであるとみなしてもよい。表面構造は、微視的表面粗さを含まないとみなしてもよい。例えば充填部材は、幅32mm及び長さ50mmを有する立方体のマクロ構造からなってもよい。この充填部材の外面は、複数の反復する同一の離散マウンドの形の複数の表面構造を含んでもよく、各マウンドは2mmの高さを有する。歯車の複数のキャスタレーション又は多葉の葉などのマクロ構造の標準的特徴は、本発明による表面構造であるとみなされないことが理解されよう。
【0025】
表面構造は、リッジ及び/又はマウンドの形であってもよい。
【0026】
リッジは環状リッジの形であってもよく、前記環状リッジは円形形状に限定されない。環状リッジは、実質的に円形形状、又は規則的な凸多角形の形、例えば三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形若しくは十角形などであってもよい。好ましくは、環状リッジは、規則的な凸多角形の形、より好ましくは、五角形、六角形、若しくは七角形、最も好ましくは六角形である。環状リッジの間に延在する表面構造の部分は、平坦であり、傾斜し、及び/又は湾曲してもよい。例えば環状リッジの間に延在する表面構造の部分は、反転したピラミッドの形であってもよい。表面構造は、複数の取り付けた環状リッジ構造、適切には少なくとも第1の環状表面構造のリッジが、第2の環状表面構造の一部を形成するように、内部連結した環状リッジ構造を含んでもよい。
【0027】
マウンドの形の表面構造は、マクロ構造の中に凹み、又はマクロ構造から外方に突出してもよい。マウンドは、湾曲し、ピラミッド型の、及び/又は段が付いたマウンドであってもよい。段が付いたマウンドは2~10段、例えば3~8段を含んでもよい。マウンドは、隣接したマウンドが当接し、又は一緒に融合するように内部連結してもよい。
【0028】
充填部材の表面構造の中間平均高さは、最高10mm、好ましくは最高7mm、より好ましくは最高6mm、最も好ましくは最高5mmであってもよい。
【0029】
充填部材の表面構造の中間平均高さは、少なくとも0.1mm、例えば少なくとも0.3mm、好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも0.7mm、最も好ましくは少なくとも0.8mmであってもよい。本明細書では表面構造の高さは、深さ測定機能を備えたノギスを使用して測定される。
【0030】
充填部材は、最高1000mm、例えば最高750mm又は最高500mm、好ましくは最高400mmの最大寸法を有してもよい。充填部材は、最高500mmの幅/直径、例えば最高300mm又は最高200mm、好ましくは最高150mm、より好ましくは最高100m、最も好ましくは最高50mmを含んでもよい。
【0031】
充填部材の表面構造の中間平均高さは、充填部材の幅/直径の最高40%、例えば最高30%、好ましくは最高25%、より好ましくは最高20%、及び最も好ましくは最高15%であってもよい。
【0032】
表面構造は、充填部材の少なくとも2面、例えば少なくとも1側面並びに1上面及び/又は底面の上に延在してもよい。
【0033】
表面構造は、充填部材の側面の少なくとも50%、例えば少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、及び最も好ましくは少なくとも85%の上に延在してもよい。表面構造は、充填部材の外面の少なくとも50%、例えば少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、及び最も好ましくは少なくとも85%の上に延在してもよい。表面構造が反復する一連のリッジ、例えば環状リッジを含む場合は、リッジの間に延在する表面は、表面が実質的に平坦である時、又はリッジが相互連結しない場合であっても、この計算のための表面構造の一部として含まれる。
【0034】
好都合なことに、本発明の充填部材は、改良した幾何的表面積を提供する一方で、依然として優れた強度を提供する。更に本発明の充填部材の強度及び/又は多孔性は、同じ形状を保ちながら修正されてもよく、それによって再設計の必要性及びコストを低減する。その上、本発明の充填部材は、高い多孔性担体を提供する一方で、依然として優れた強度を提供し得る。最も好都合なことに、本発明の充填部材は、改良した幾何的表面積を優れた強度及び高水準の多孔性と組み合わせて提供し得る。本発明の充填部材の改良した幾何的表面積は、具体的には触媒反応が表面に基づく適用に好都合である。
【0035】
本発明の充填部材は、改良した充填などの他の改良した特性と組み合わせた高い熱伝達係数も提供できる。
【0036】
本発明の充填部材は、圧力降下が低い優れた充填特徴を提供するためにも使用してもよい。本発明の充填部材は、改良した充填密度を提供する一方で、最適な気流を維持し得る。
【0037】
本発明の充填部材は、ゲルキャスト充填部材などのキャスト充填部材であってもよい。好ましくは、充填部材の表面構造は、充填部材の成形ステップ、すなわち充填部材のグリーン体が形成されるステップの間に、適切には、金型の形状に提供された適切な形態によって形成される。そのため好ましくは、表面構造は、充填部材のグリーン体の成形後に後製造されない。
【0038】
本発明の第2の態様によれば、充填床内で使用するための充填部材、好ましくは、充填床反応器内で触媒担体として使用するための担体が提供され、充填部材は、セラミック材料、有機バインダ成分、及び任意にポア形成成分を含む組成物をゲルキャスティングによって獲得できる。
【0039】
本発明の第2の態様の適切な特徴は、本発明の第1の態様に関連して上に記載されている通りである。
【0040】
第1又は第2の態様の充填部材は、キャスト成形組成物、好ましくは、ゲルキャスト成形組成物から形成されてもよい。充填部材は、有機バインダ成分、セラミック材料、及び任意にポア形成成分を含む成形組成物から形成されてもよい。
【0041】
有機バインダ成分は、充填部材の成形後に充填部材から実質的に取り除くように、好ましくは熱処理で、より好ましくは充填部材を焼成中に取り除くように作動可能であってもよい。
【0042】
有機バインダ成分は、適切には重合性モノマ及び架橋部材を含む、重合性成分を含んでもよく、バインダ成分は(共)重合体を形成するために重合化するように作動可能である。
【0043】
重合性モノマは、アクリルモノマなどのエチレン性不飽和モノマ、若しくはアクリルアミドモノマなどのその派生物、及び/又はメタクリルアミド(MAM)、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(hMAM)、ヒドロキシエチルアクリルアミド(hEAM)、及び/又はN-ビニル-2-ピロリジノン(NVP)の1つ若しくは複数から選択されたモノマなどのビニルモノマの1つ或いは複数の型を含んでもよい。好ましくは、重合性モノマは、1つ又は複数のアクリルアミドモノマ、より好ましくはメタクリルアミド(MAM)、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(hMAM)、及びヒドロキシエチルアクリルアミド(hEAM)の1つ又は複数から選択されたモノマを含む。最も好ましくは、重合性モノマはMAMを含む。
【0044】
架橋部材は、ジアクリルモノマなどのジエチレン性不飽和モノマ、若しくはジアクリルアミドモノマなどのその派生物、アクリル塩、及び/又はポリエチレングリコール置換アクリルモノマの1つ又は複数から選択されてもよい。架橋部材は、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリラート(PEGDMA)、N,N’-メチレンビス(アクリルアミド)(BIS)、アンモニウムアクリレート、及びPEGメチルエチルメタクリレート(PEGMEM)の1つ又は複数、好ましくは、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリラート(PEGDMA)、及びN,N’-メチレンビス(アクリルアミド)(BIS)の1つ又は複数から選択されてもよい。
【0045】
有機バインダ成分は、40~95wt%の重合性モノマ、及び60~5wt%の架橋部材、例えば50~90wt%の重合性モノマ、及び50~10wt%の架橋部材、若しくは55~85wt%の重合性モノマ、及び45~15wt%の架橋部材、又は60~80wt%の重合性モノマ、及び40~20wt%の架橋部材、例えば65~75wt%の重合性モノマ、及び35~25wt%の架橋部材から形成されてもよい。
【0046】
組成物は、バインダ成分の重合性を促進するように作動可能な重合促進剤を更に含んでもよい。重合促進剤は、あらゆる適切な促進剤であってもよい。例えば促進剤は、テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)であってもよい。
【0047】
組成物は、バインダ成分の重合性を開始するように作動可能な開始剤を更に含んでもよい。開始剤はあらゆる適切な開始剤であってもよい。開始剤はフリーラジカル開始剤であってもよい。例えば開始剤は、過硫酸アンモニウム及び/又は過硫酸カリウムであってもよい。
【0048】
ポア形成材料は、充填部材の成形後に充填部材から、好ましくは熱処理で、より好ましくは充填部材を焼成中に取り除くように作動可能であってもよい。ポア形成材料は、マイクロビーズ、デンプン、シード、及び/又はセルロースの1つ又は複数から選択されてもよい。
【0049】
ポア形成材料は粒度分布を有してもよく、D10は5~100μm、好ましくは10~75μm、より好ましくは15~50μm、最も好ましくは20~40μmである。ポア形成材料のD50は50~200μm、好ましくは75~175μm、より好ましくは90~160μm、最も好ましくは100~150μmであってもよい。ポア形成材料のD90は120~300μm、好ましくは150~270μm、より好ましくは170~250μm、最も好ましくは185~235μmであってもよい。
【0050】
セラミック材料は、耐火セラミック材料であってもよい。セラミック材料は、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸カルシウム、ジルコニア、シリカ、チタン酸塩、炭素、及び/又は酸化マグネシウムを含んでもよい。
【0051】
セラミック材料は粒度分布を有してもよく、D10は0.1~20μm、好ましくは0.5~10μm、より好ましくは1~5μm、最も好ましくは1.5~3μmである。ポア形成材料のD50は0.5~30μm、好ましくは1~25μm、より好ましくは1.5~20μm、最も好ましくは2~15μmであってもよい。ポア形成材料のD90は10~100μm、好ましくは15~80μm、より好ましくは20~70μm、最も好ましくは25~60μmであってもよい。
【0052】
セラミック材料はセラミック粉末であってもよい。セラミック粉末はボール粉砕又は噴霧乾燥されてもよい。好都合なことに、ボール粉砕又は噴霧乾燥されたセラミック粉末は、より容易なキャスティング挙動を提供することが分かった。
【0053】
組成物又は充填部材は、主反応の反応度を増加し、及び/又は望ましくない副反応を低減するように作動可能な増進剤を含んでもよい。増進剤は、ランタン、銅、マグネシウム、マンガン、カリウム、カルシウム、ジルコニウム、バリウム、セリウム、ナトリウム、リチウム、モリブデン、イットリウム、コバルト、及びクロミウムの酸化物の1つ又は複数から選択されてもよい。
【0054】
組成物は、水性キャリアなどのキャリアを更に含んでもよい。適切には、組成物は水性セラミックスラリである。
【0055】
組成物は更なる添加物を含んでもよい。例えば組成物は、ポリマ塩などの分散剤、例えばポリアクリルの塩、好ましくはポリアクリルのアンモニウム塩を含んでもよい。適切な分散剤は、Ecodis P90、Narlex LD42、及びDispex A40の1つ又は複数から選択されてもよい。
【0056】
組成物は、組成物の乾燥重量で0.1~10%の重合性モノマ、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは1~6wt%、例えば1.5~5wt%、最も好ましくは2~4wt%を含んでもよい。
【0057】
組成物は、組成物の乾燥重量で0.1~10%の架橋部材、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは0.75~6wt%、例えば1~5wt%、最も好ましくは1~4wt%を含んでもよい。
【0058】
組成物は、組成物の乾燥重量で50~95%のセラミック材料、好ましくは50~90wt%、より好ましくは55~85wt%、最も好ましくは60~80wt%を含んでもよい。充填部材は、組成物の乾燥重量で少なくとも75%のセラミック材料、好ましくは少なくとも85wt%、より好ましくは少なくとも90wt%、例えば少なくとも95wt%、最も好ましくは少なくとも97wt%のセラミック材料を含んでもよい。
【0059】
組成物は、組成物の乾燥重量で0超~40%のポア形成部材、好ましくは0.5~30wt%、より好ましくは2~25wt%、例えば3~20wt%、最も好ましくは4~15wt%を含んでもよい。
【0060】
組成物は、組成物の乾燥重量で0.1~5%の開始剤、好ましくは0.5~4wt%、より好ましくは0.75~3.5wt%、最も好ましくは1~3wt%を含んでもよい。
【0061】
組成物は、組成物の乾燥重量で最高5%の促進剤、好ましくは最高3wt%、より好ましくは最高2wt%、最も好ましくは最高1.5wt%を含んでもよい。
【0062】
組成物は、組成物の乾燥重量で0.1~10%の分散剤、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは0.75~6wt%、最も好ましくは1~5wt%を含んでもよい。
【0063】
組成物は、組成物の総重量で45~99%の固形物量、例えば50~95wt%、好ましくは55~90wt%、最も好ましくは60~85wt%を有してもよい。
【0064】
組成物は、予め形成された水性バインダ成分をセラミック組成物と組み合わせることによって形成されてもよい。適切には、水性バインダ成分は、重合性モノマ、架橋部材、及び水を含む。
【0065】
本発明の充填部材は、不活性充填部材であってもよい。そのため不活性充填部材は、実質的に触媒材料がなくてもよい。好都合なことに、触媒床内で本発明による不活性充填部材を使用することは、反応媒体を更に反応器に沿って所望の反応のために適切な温度にする役に立つ、改良した熱伝達及び気流乱流を提供する。
【0066】
本発明の充填部材又は担体は、触媒材料を含む担体触媒であってもよい。触媒材料は、適切には担体触媒を適用する所望の工程に触媒活性を提供するように作動可能である。
【0067】
本発明の第3の態様によれば、担体触媒が提供され、担体触媒はセラミック材料及び触媒材料を含み、担体触媒は、0.7cm2/cm3以上の体積当たり幾何的表面積、及び250kgf以上の側面破壊強度、又は1.5cm2/cm3以上の体積当たり幾何的表面積、及び150kgf以上の側面破壊強度、又は3cm2/cm3以上の体積当たり幾何的表面積、及び60kgf以上の側面破壊強度を有し、担体触媒は任意に少なくとも6%の多孔性、例えば少なくとも15%又は少なくとも20%を有する。
【0068】
本発明の第4の態様によれば、担体触媒が提供され、担体触媒は、セラミック材料、有機バインダ成分、及び任意にポア形成成分を含む組成物をゲルキャスティングによって獲得できる。
【0069】
本発明の第3及び第4の態様の適切な特徴は、本発明の第1及び第2の態様に関連して上に記載された通りである。
【0070】
触媒材料は、遷移金属、適切には遷移金属酸化物、及び/又は貴金属、適切にはそれらの合金の1つ又は複数から選択された金属を含んでもよい。触媒材料は、鉄、ニッケル、銀、金、プラチナ、ルテニウム、バナジウム、モリブデン、及びコバルトの1つ又は複数から選択された金属を含んでもよい。
【0071】
本発明の第5の態様によれば、担体などの充填部材、又は担体触媒、適切には本発明の第1若しくは2の態様による充填部材、又は本発明の第3若しくは第4の態様による担体触媒を生成するための方法が提供され、
a.充填部材又は担体触媒を生成するための組成物、適切には第1若しくは第2の態様に関連して画定されたような組成物を開始剤及び任意に重合促進剤と接触させるステップと、
b.金型内にステップ(a)で得られる組成物を配置するステップと、
c.グリーン体を生成するために組成物を離型するステップと、
d.任意に室温でグリーン体を乾燥するステップ、又は高温でグリーン体を焼くステップと、
e.グリーン体を焼成するステップと、
f.任意に充填部材に触媒材料を染み込ませるステップとを含む。
【0072】
組成物は、均質なスラリを形成するために金型内に配置する前に、適切には開始剤及び任意に促進剤を加える前に混合されてもよい。組成物は、均質なスラリを形成するために開始剤及び任意に促進剤を加えた後に混合されてもよい。
【0073】
金型は好ましくはキャスト金型である。金型は、グリーン体上に表面構造を形成するために作動可能であってもよい。
【0074】
ステップ(c)によって生成されたグリーン体は、40℃以上、例えば50℃以上、又は55℃以上、又は60℃以上でグリーン体を焼くことによって乾燥されてもよい。適切には、グリーン体は、15時間以上又は20時間以上などの10時間以上、例えば24時間以上焼かれてもよい。
【0075】
グリーン体は1000℃以上、好ましくは1200℃以上、より好ましくは1400℃以上、最も好ましくは1500℃以上で焼成されてもよい。適切には、グリーン体は、実質的にバインダ及びポア形成成分の全てが担体又は担体触媒から取り除かれるまで燃焼される。
【0076】
充填部材は、充填部材を触媒材料の溶液の中に浸すことにより触媒材料を染み込ませてもよい。浸した充填部材は、浸した後に乾燥されてもよい。
【0077】
好都合なことに、本発明は、グリーン担体又は担体触媒体を金型から取り除くことができる一方で、依然として比較的ゴム状の形であり、取り扱いがより容易にできる。これにより、他の型のキャスティング技法より低いスクラップ率をもたらす。
【0078】
本発明の第6の態様によれば、触媒用の担体などの充填部材、又は担体触媒、適切には本発明の第1若しくは第2の態様による充填部材、又は本発明の第3若しくは第4の態様による担体触媒を生成するための方法が提供され、方法は、
a.任意に充填部材又は担体触媒のデジタルモデルを生成するステップと、
b.付加製造を使用して、好ましくは3Dプリンタで印刷してモデルに応じた前駆体を生成するステップと、
c.前駆体からキャスト金型を形成するステップと、
d.充填部材又は担体触媒を形成するために、成形組成物、適切には第1若しくは第2の態様に関連して画定されたような成形組成物を、適切には本発明の第5の態様の方法によってキャスト成形するステップとを含む。
【0079】
本発明の第7の態様によれば、触媒床を含む反応器が提供され、触媒床は充填部材、適切には本発明の第1若しくは第2の態様による担体、及び/又は本発明の第3若しくは第4の態様による担体触媒を含む。
【0080】
本発明の第8の態様によれば、触媒床を含む反応媒体が提供され、触媒床は、本発明の第1若しくは第2の態様による充填部材、及び/又は本発明の第3若しくは第4の態様による担体触媒を含む。
【0081】
適切には、反応器又は反応媒体は、アンモニア、メタノール、水素、過酸化水素、及び/若しくはオキソアルコールなどの合成ガスの生成、直接還元鉄(DRI)、吸熱型ガス発生、触媒部分酸化、又はオートサーマル改質のためのものである。
【0082】
本発明の第9の態様によれば、充填部材、適切には触媒担体のような本発明の第1又は第2の態様による担体の使用が提供される。
【0083】
本発明の第10の態様によれば、触媒床を含む反応器の使用を含む、アンモニア、メタノール、水素、過酸化水素、及び/若しくはオキソアルコールなどの、合成ガスの生成方法が提供され、触媒床は、合成ガスを生成するために、本発明の第1若しくは第2の態様による充填部材、及び/又は本発明の第3若しくは第4の態様による担体触媒を含む。
【0084】
本発明の第11の態様によれば、触媒床を含む反応器の使用を含む、直接還元鉄の生成方法が提供され、触媒床は、直接還元鉄を生成するために、本発明の第1若しくは第2の態様による充填部材、及び/又は本発明の第3若しくは第4の態様による担体触媒を含む。
【0085】
本発明の第12の態様によれば、触媒床を含む反応器の使用を含む、吸熱型ガス発生の方法が提供され、触媒床は、本発明の第1若しくは第2の態様による充填部材、及び/又は本発明の第3若しくは第4の態様による担体触媒を含む。
【0086】
本発明の第13の態様によれば、触媒床を含む反応器の使用を含む、触媒部分酸化の方法が提供され、触媒床は、本発明の第1若しくは第2の態様による充填部材、及び/又は本発明の第3若しくは第4の態様による担体触媒を含む。
【0087】
本発明の第14の態様によれば、触媒床を含む反応器の使用を含む、触媒部分酸化の方法が提供され、触媒床は、本発明の第1若しくは第2の態様による充填部材、及び/又は本発明の第3若しくは第4の態様による担体触媒を含む。
【0088】
本発明の第15の態様によれば、触媒床を含む反応器の使用を含む、オートサーマル改質の方法が提供され、触媒床は、本発明の第1若しくは第2の態様による充填部材、及び/又は本発明の第3若しくは第4の態様による担体触媒を含む。
【0089】
本明細書に列挙したあらゆる数値範囲は、そこに包摂された全ての部分範囲を含むことを意図する。単数は複数を網羅し、逆も同様である。例えば本明細書では「a」support(担体)、「an」organic binder(有機バインダ)、「a」polymerisable monomer(重合性モノマ)、及び同種のものを参照しているが、これら及びあらゆる他の成分のそれぞれの1つ又は複数を使用することができる。本明細書で使用する場合、用語「ポリマ」は、オリゴマ並びにホモポリマ及びコポリマの両方を指し、接頭辞「poly」は複数を指す。
【0090】
本明細書に含有された全ての特徴は、上記のあらゆる態様とあらゆる組合せで組み合わされてもよい。
【0091】
本発明をより良く理解するため、及び本発明の実施形態が実行される方法を示すために、次に例として以下の実験データ及び図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【
図1a】本発明によらない1つの担体触媒の斜視図を示す。
【
図1b】本発明によらない1つの担体触媒の斜視図を示す。
【
図1c】本発明によらない1つの不活性充填部材の斜視図を示す。
【
図2a】本発明による触媒担体の第1の実施形態の平面図を示す。
【
図2b】本発明による触媒担体の第1の実施形態の斜視図を示す。
【
図3】本発明による触媒担体の第2の実施形態の斜視図を示す。
【
図4a】本発明による担体触媒の第1の実施形態の斜視図を示す。
【
図4b】本発明による担体触媒の第1の実施形態の斜視図を示す。
【
図5】本発明による担体触媒の第2の実施形態の斜視図を示す。
【
図6】本発明による不活性充填部材の第1の実施形態の斜視図を示す。
【
図7a】本発明による担体触媒の第4の実施形態の側面図を示す。
【
図7b】本発明による担体触媒の第4の実施形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0093】
図1aは、表面構造がない円筒形の歯車のマクロ構造を有し、担体の長手方向長さを通って延在する複数の孔104、及び担体から半径方向外方に突出する複数の離間した長手方向に配向されたキャスタレーション106を有する、本発明によらないDRIを生成するための高活性の担体触媒102を示す。
【0094】
図1bは、中心孔であり、担体触媒102のほぼ2倍の高さである、唯一の長手方向に延在する孔204を担体触媒202が有することを除いて、担体触媒102と同じ形状を有する、本発明によらないDRIを生成するための準活性の担体触媒202を示す。
【0095】
図1cは、表面構造がない円筒形のマクロ構造を有し、単一の中心の長手方向に延在する孔304を有する、本発明によらない不活性充填部材302を示す。
【0096】
図2(a)及び(b)は、担体の対向する側面の間に延在する4つの等しく離間した平行な孔404を備えた球のマクロ構造を有する、本発明の第1の実施形態による担体402を示す。担体402は、担体の外面上に4つの等しく離間した平行な半球の窪み406を更に有する。窪みはそれぞれが2mmの半径を有する。担体402の外面は、実質的に外面全体の上に延在する、複数の内部連結した六角形形状のリッジ型表面構造408を有する。六角形形状のリッジの内幅Bは5.21mmであり、各側面の内部長さAは2.61mmである。リッジ410の内縁部の間に延在する表面構造の部分は、開口端の反転した六角形のピラミッドから形成される。各表面構造の深さは2mmである。
【0097】
図3は、球のマクロ構造も有する、本発明による担体502を示す。担体502は、担体の対向する側面の間に延在する4つの等しく離間した平行な孔504、及びそれぞれが2mmの半径を有する担体502の外面上に4つの等しく離間した平行な半球の溝506も有する。担体502の表面構造は、担体502の対向する側面にわたって延在する複数の内部連結した六角形形状のリッジ508を有する、2つの部分の形である。六角形形状のリッジの内幅Dは6.93mmであり、各側面の内部長さCは3.46mmである。六角形の表面構造のこれらの部分を連結するのは、複数の実質的に均一に離間した平行なリッジ510の形の更なる表面構造である。リッジ508の間に延在する表面構造の部分512は、担体のマクロ構造の湾曲を除いて実質的に平坦である。
【0098】
図4a~4bは、本発明によるDRIを生成するための高活性の担体触媒602を示す。担体触媒602は、担体触媒602が担体の長手方向長さを通って延在する複数の孔(計5個)、及び担体から半径方向外方に突出する複数の離間した長手方向に配向したキャスタレーション(計10個)を備えた、円筒形の歯車の形状を有するマクロ構造を有する担体触媒102と比べて、類似したマクロ構造を有する。担体触媒602のマクロ構造は、担体触媒602のマクロ構造が担体602の上面に凹部604を更に有するので、102のマクロ構造と異なる。その上、歯車の各キャスタレーションは、担体触媒602が基部で最大外幅F(38.0mm)から担体触媒602の上面で最小外幅E(35.1mm)を有するように、深さが先細である。各キャスタレーションは、担体触媒602の基部で最も広い点から担体触媒602の上面で最も狭い幅まで、更に幅が先細である。
【0099】
表面構造がない実質的に平滑な外面を有する担体触媒102と違い、担体触媒602は、担体触媒602の実質的に外面全体の上に延在する表面構造を有する。表面構造は、概して内部連結した六角形形状のリッジ606の形であり、リッジの間に延在する表面構造の部分608は実質的に平坦である。
【0100】
図5は、本発明によるDRIを生成するための準活性の担体触媒702を示す。担体触媒702は、担体402と同じマクロ構造を有するが、異なる表面構造を有する。担体触媒702の表面構造は、担体触媒702の実質的に外面全体にわたって延在する複数の重なる段が付いたマウンド704の形である。
【0101】
図6は、部材802が表面構造のない平滑な外面を有することを除いて、担体触媒702と同じマクロ構造及び表面構造を有する、本発明による不活性充填部材802を示す。
【0102】
図7a及び7bは、担体触媒902の更なる実施形態を示す。触媒902は、担体触媒902の対向する側面から長手方向に延在する4つの等しく離間した平行な孔908、及び担体触媒902の外面上に4つの等しく離間した溝904を備えた、円筒形のマクロ構造を有する。各溝は、触媒の上面で最大幅から触媒の底面で最小幅まで幅に沿って先細である。触媒902は、複数の上方に突出する六角形のピラミッド形状の表面構造のマウンド906を有する。表面構造906は、溝904の基面及び側面から離間した担体触媒902の側面及び底面の実質的に全ての上に延在する。触媒902の頂面は、表面構造を持たない。
【0103】
本発明による担体、担体触媒、及び不活性充填部材を生成するために、反応器は、優れた充填特性及び低い圧力降下と組み合わせた高い幾何的表面積を提供するために、最適なマクロ構造及び表面特徴のデジタルモデルを生成するように、3Dモデリングを使用してモデル化した。
【0104】
次いで設計した充填部材を生成するように作動可能な金型用の前駆体は、3Dプリンタで付加製造を使用して生成した。
【0105】
次いで印刷した前駆体を使用して、設計された充填部材をキャスティングするための金型を生成した。金型は、成形装置上に配置し、成形組成物を調合して成形した。得られるグリーン体が焼成された後、触媒材料を含む溶液に浸した。
【実施例】
【0106】
担体触媒実施例1
本発明による担体触媒実施例1は、以下の方法を使用して下に提供される成分を混合することによって形成された成形組成物から生成した。
【0107】
アルミナ粉末、ポア形成剤、及び分散剤を混合して粉末混合物を形成した。鎖形成モノマを含有する水性モノマ溶液、鎖リンクモノマ、及び水を粉末混合物に加えて、水性スラリを形成した。次いで触媒及び開始剤を水性スラリに加えた。得られるスラリ内の各成分の量は以下の通りであった。
【0108】
【0109】
次いで得られる水性スラリを鋳型の中に投入した。一旦スラリが固体のグリーン体にゲル化されると、次いで4~5分後に離型した。この時点で、グリーン体担体はゴム状のゼリー様の一貫性を有していた。次いでグリーン体は、室温で24時間放置して乾燥させた。次いで乾燥したグリーン体は1450℃に燃焼し、その時点でバインダ及びポア形成剤が燃焼されて固体の多孔性の担体触媒になった。
【0110】
次いで担体は触媒材料Ni(NO3)2を含有する水溶液に浸した後、500℃で乾燥した。この触媒材料を染み込ませるステップは複数回繰り返し、最終の担体触媒を生成した。
【0111】
担体触媒実施例1は、
図4に示されたような担体触媒602によるマクロ構造及び表面構造を有した。担体触媒1は、担体を触媒材料の水溶液の中に繰り返し浸すことによって達成した、その他の実施例の触媒より高い濃度の触媒材料を担体上に有することに起因して、DRIを生成するための高活性の触媒であった。
【0112】
担体触媒実施例2
担体触媒実施例2は、染み込ませるステップを2回のみ実行した以外は、担体触媒実施例1に使用したのと同じ組成物及び方法から生成された。担体触媒実施例2は、
図5に示されたような担体触媒702によるマクロ構造及び表面構造を有した。担体触媒実施例2は、DRIを生成するための準活性の触媒であった。
【0113】
不活性充填部材実施例1
不活性充填部材実施例1は、ポア形成剤を使用せず、充填部材は触媒材料の溶液に浸さなかったことを除いて、担体触媒実施例2に使用したのと同じ組成物及び方法から生成された。不活性充填部材実施例1は、表面構造がない平滑な外表面も有する。従って担体触媒3は、DRIを生成するための不活性充填部材として使用した。
【0114】
触媒床実施例1
担体触媒実施例1~2及び不活性充填部材実施例1の一部は、触媒床実施例1を生成するために層内で組み合わせた。各層の特性は表1に提供されている。
【0115】
【0116】
比較(comparative)担体触媒実施例1
比較担体触媒実施例1は、アルミナ系セラミック組成物から生成され、ペレット加工を使用して形成された。比較担体触媒実施例1は、
図1aに示されたような比較担体触媒102によるマクロ構造及び表面構造を有した。担体触媒実施例1は、DRIを生成するための高活性の触媒であった。
【0117】
比較担体触媒実施例2
比較担体触媒実施例2は、比較担体触媒実施例1と同じ方法を使用して同じ組成物から生成された。比較担体触媒実施例2は、
図1bに示されたような比較担体触媒202によるマクロ構造及び表面構造を有した。担体触媒実施例2は、DRIを生成するための準活性の触媒であった。
【0118】
比較不活性充填部材実施例1
比較不活性充填部材実施例1は、不活性充填部材実施例1に触媒材料を染み込ませなかったことを除いて、比較担体触媒実施例1と同じ方法を使用して同じ組成物から生成された。不活性充填部材実施例1は、
図1cに示されたような比較担体触媒302によるマクロ構造及び表面構造を有した。担体触媒実施例3は、DRIを生成するための不活性充填部材であった。
【0119】
比較触媒床実施例1
比較担体触媒実施例1~2及び比較不活性充填部材実施例1の一部が、比較触媒床実施例2を生成するために層内で組み合わされた。各層の特性は表2に提供されている。
【0120】
【0121】
表1及び2の結果は表3に比較されている。
【0122】
【0123】
表3によって示されたように、本発明による担体触媒及び不活性充填部材を含有する充填触媒床は、圧力降下を下げ、多孔性を増加させ、著しく高い機械的一体性を合わせた非常に優れた幾何的表面積を提供する。
【0124】
担体実施例1
担体実施例1は、担体実施例1に触媒材料を染み込ませなかったことを除いて、担体触媒実施例1と同じ組成物及び方法から生成された。担体実施例1は、
図2aに示されたような担体402によるマクロ構造及び表面構造を有した。
【0125】
担体実施例2
担体実施例2は、担体実施例2に触媒材料を染み込ませなかったことを除いて、担体触媒実施例1と同じ組成物及び方法から生成された。担体実施例2は、
図3に示されたような担体502によるマクロ構造及び表面構造を有した。
【0126】
比較担体実施例1
比較担体実施例1は、比較担体実施例1に触媒材料を染み込ませなかったことを除いて、担体触媒実施例1と同じ組成物及び方法から生成された。比較担体実施例1は、担体実施例1及び2と同じ球のマクロ構造を有したが、平滑な外面を有し、従って表面構造はなかった。
【0127】
表4は、担体実施例1及び2を比較担体実施例1と比較している。
【0128】
【0129】
上記のデータによって示されたように、本発明による担体及び担体触媒は、織り目加工していない担体と比べると、幾何的表面が著しく増えることを示す。その上、幾何的表面積の増加は、圧力降下の低減、側面破壊強度の向上、及びより高い多孔性と組み合わせて達成される。
【0130】
注意の対象は、本出願と関連した本明細書と同時に又は先立って出願され、本明細書と共に公開閲覧された、全ての書類及び文書、並びに参照によって本明細書に組み込まれたあらゆるこのような書類及び文書の内容である。
【0131】
本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/又はそのように開示されたあらゆる方法若しくは工程のステップの全ては、このような特徴及び/又はステップの少なくとも一部が相互に排他的である場合の組合せを除いて、あらゆる組合せで組み合わされてもよい。
【0132】
本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示された各特徴は、別段の明記がない限り、同じ、同等、又は同様の目的を果たす代替の特徴と交換してもよい。従って別段の明記がない限り、開示された各特徴は、一般的な一連の同等又は同様の特徴の一例に過ぎない。
【0133】
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示された特徴のあらゆる新規の1つ、若しくはあらゆる新規の組合せ、又はそのように開示されたあらゆる方法若しくは工程のステップのあらゆる新規の1つ、若しくはあらゆる新規の組合せに及ぶ。