(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】2ステップランダムアクセスプロシージャのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 74/0836 20240101AFI20240213BHJP
【FI】
H04W74/0836
(21)【出願番号】P 2021538398
(86)(22)【出願日】2020-01-03
(86)【国際出願番号】 CN2020070300
(87)【国際公開番号】W WO2020143549
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/070625
(32)【優先日】2019-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】リン, ツィーペン
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-532654(JP,A)
【文献】Qualcomm Incorporated,Report of Email Discussion [103#55][NR-U] 2-step RACH Model and Initial Information Contents (Qualcomm)[online],3GPP TSG RAN WG2 #103bis,3GPP,2018年10月12日,R2-1815564,検索日[2022.08.23],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_103bis/Docs/R2-1815564.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末デバイスによって実施される方法(300)であって、
最初の2ステップランダムアクセスプロシージャのためのプリアンブルを決定すること(302)と、
無線ネットワーク一時識別子(RNTI)情報に従って、前記最初の2ステップランダムアクセスプロシージャのためのRNTIを決定すること(304)と、
決定された前記RNTIに基づいて、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)メッセージのためのスクランブリングシーケンスを生成すること(306)と、
前記最初の2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて、前記プリアンブルと前記PUSCHメッセージとを含む要求メッセージを送信すること(308)と、
前記要求メッセージを送信したことに応答して、選択されたRNTIを含む応答メッセージを受信することであって、前記選択されたRNTIが、次の2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて使用される、受信すること(310)と、
前記選択され
たRNTIに基づいて、PUSCHメッセージのためのスクランブリングシーケンスを生成することと、
を含み、
前記応答メッセージは、
前記要求メッセージ中の前記プリアンブルを成功裡に検出したことと、前記PUSCHメッセージを復号することに失敗したこととに応答して、前記検出されたプリアンブルに基づいて生成されたランダムアクセス(RA)-RNTIに基づく、
方法(300)。
【請求項2】
前記プリアンブルが、プリアンブルのセットから決定され、前記RNTI情報が、プリアンブルの前記セットとRNTIのセットとの間の関連付けを示す、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項3】
前記関連付けが、プリアンブルの前記セット中のプリアンブルとRNTIの前記セット中のRNTIとの間の1対1マッピング、プリアンブルの前記セット中のプリアンブルとRNTIの前記セット中の2つまたはそれ以上のRNTIとの間の1対複数マッピング、またはプリアンブルの前記セット中の2つまたはそれ以上のプリアンブルとRNTIの前記セット中のRNTIとの間の複数対1マッピングのうちのいずれかである、請求項2に記載の方法(300)。
【請求項4】
前記RNTIが、決定された前記プリアンブルに基づいて決定される、請求項2または3に記載の方法(300)。
【請求項5】
前記RNTI情報が、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)オケージョンのセットとRNTIのセットとの間の関連付けを示す、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項6】
前記関連付けが、PRACHオケージョンの前記セット中のPRACHオケージョンとRNTIの前記セット中のRNTIとの間の1対1マッピング、PRACHオケージョンの前記セット中のPRACHオケージョンとRNTIの前記セット中の2つまたはそれ以上のRNTIとの間の1対複数マッピング、またはPRACHオケージョンの前記セット中の2つまたはそれ以上のPRACHオケージョンとRNTIの前記セット中のRNTIとの間の複数対1マッピングのうちのいずれかである、請求項5に記載の方法(300)。
【請求項7】
前記RNTIが、決定された前記プリアンブルのために使用される前記PRACHオケージョンに基づいて決定される、請求項5または6に記載の方法(300)。
【請求項8】
前記RNTI情報が、少なくとも1つのRNTIを示す、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項9】
前記RNTI情報が、複数のRNTIを示し、
前記RNTIが前記複数のRNTIからランダムに決定される、請求項8に記載の方法(300)。
【請求項10】
プリアンブルが、PUSCH時間周波数リソースに関連付けられる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法(300)。
【請求項11】
前記RNTI情報が、あらかじめ規定されるかまたはシグナリングメッセージにおいてシグナリングされる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法(300)。
【請求項12】
前記プリアンブルが、プリアンブル情報に従って決定され、前記プリアンブル情報が、あらかじめ規定されるかまたはシグナリングメッセージにおいてシグナリングされる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法(300)。
【請求項13】
前記シグナリングメッセージが無線リソース制御(RRC)メッセージである、請求項11または12に記載の方法(300)。
【請求項14】
前記応答メッセージが、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で受信される、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項15】
ネットワークノードによって実施される方法(400)であって、
最初の2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて、プリアンブルと物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)メッセージとを含む要求メッセージを受信すること(402)であって、前記PUSCHメッセージのためのスクランブリングシーケンスが、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)情報に従って決定されたRNTIに基づく、要求メッセージを受信すること(402)と、
前記要求メッセージ中の前記プリアンブルを成功裡に検出したことと、前記PUSCHメッセージを復号することに失敗したこととに応答して、前記検出されたプリアンブルに基づいて、ランダムアクセス(RA)-RNTIを生成すること(404)と、
前記RA-RNTIに基づいて応答メッセージを送信すること(406)であって、前記応答メッセージが、PUSCHメッセージのためのスクランブリングシーケンスを生成するために使用されるべき選択されたRNTIを含む、応答メッセージを送信すること(406)と
を含み、
前記選択されたRNTIが、次の2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて使用される、
方法(400)。
【請求項16】
前記プリアンブルが、プリアンブルのセットから決定され、前記RNTI情報が、プリアンブルの前記セットとRNTIのセットとの間の関連付けを示す、請求項15に記載の方法(400)。
【請求項17】
前記関連付けが、プリアンブルの前記セット中のプリアンブルとRNTIの前記セット中のRNTIとの間の1対1マッピング、プリアンブルの前記セット中のプリアンブルとRNTIの前記セット中の2つまたはそれ以上のRNTIとの間の1対複数マッピング、またはプリアンブルの前記セット中の2つまたはそれ以上のプリアンブルとRNTIの前記セット中のRNTIとの間の複数対1マッピングのうちのいずれかである、請求項16に記載の方法(400)。
【請求項18】
前記要求メッセージを受信することが、
前記要求メッセージ中の前記プリアンブルを検出することと、
前記RNTI情報に従って、検出された前記プリアンブルに基づいて、前記RNTIを決定することと、
決定された前記RNTIに基づいて、前記PUSCHメッセージを復号することと
を含む、請求項16または17に記載の方法(400)。
【請求項19】
前記RNTI情報が、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)オケージョンのセットとRNTIのセットとの間の関連付けを示す、請求項15に記載の方法(400)。
【請求項20】
前記関連付けが、PRACHオケージョンの前記セット中のPRACHオケージョンとRNTIの前記セット中のRNTIとの間の1対1マッピング、PRACHオケージョンの前記セット中のPRACHオケージョンとRNTIの前記セット中の2つまたはそれ以上のRNTIとの間の1対複数マッピング、またはPRACHオケージョンの前記セット中の2つまたはそれ以上のPRACHオケージョンとRNTIの前記セット中のRNTIとの間の複数対1マッピングのうちのいずれかである、請求項19に記載の方法(400)。
【請求項21】
前記要求メッセージを受信することが、
前記要求メッセージ中の前記プリアンブルを検出することと、
前記RNTI情報に従って、検出された前記プリアンブルのために使用されるPRACHオケージョンに基づいて、前記RNTIを決定することと、
決定された前記RNTIに基づいて、前記PUSCHメッセージを復号することと
を含む、請求項19または20に記載の方法(400)。
【請求項22】
前記RNTI情報が、少なくとも1つのRNTIを示す、請求項15に記載の方法(400)。
【請求項23】
前記RNTI情報が、複数のRNTIを示し、
前記要求メッセージを受信することが、
前記要求メッセージ中の前記プリアンブルを検出することと、
前記複数のRNTIに基づいて、前記PUSCHメッセージをブラインド復号することと
を含む、請求項22に記載の方法(400)。
【請求項24】
プリアンブルが、PUSCH時間周波数リソースに関連付けられる、請求項15から22のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項25】
前記RNTI情報が、あらかじめ規定されるかまたはシグナリングメッセージにおいてシグナリングされる、請求項15から24のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項26】
前記プリアンブルが、プリアンブル情報に従って決定され、前記プリアンブル情報が、あらかじめ規定されるかまたはシグナリングメッセージにおいてシグナリングされる、請求項15から25のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項27】
前記シグナリングメッセージが無線リソース制御(RRC)メッセージである、請求項25または26に記載の方法(400)。
【請求項28】
前記応答メッセージが、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で送信される、請求項15に記載の方法(400)。
【請求項29】
端末デバイス(500)であって、
1つまたは複数のプロセッサ(501)と、
コンピュータプログラムコード(503)を備える1つまたは複数のメモリ(502)と
を備え、
前記1つまたは複数のメモリ(502)および前記コンピュータプログラムコード(503)が、前記1つまたは複数のプロセッサ(501)を用いて、前記端末デバイス(500)に、
最初の2ステップランダムアクセスプロシージャのためのプリアンブルを決定することと、
無線ネットワーク一時識別子(RNTI)情報に従って、前記最初の2ステップランダムアクセスプロシージャのためのRNTIを決定することと、
決定された前記RNTIに基づいて、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)メッセージのためのスクランブリングシーケンスを生成することと、
前記最初の2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて、前記プリアンブルと前記PUSCHメッセージとを含む要求メッセージを送信するこ
とと、
前記要求メッセージを送信したことに応答して、選択されたRNTIを含む応答メッセージを受信することであって、前記選択されたRNTIが、次の2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて使用される、受信することと、
前記選択され
たRNTIに基づいて、PUSCHメッセージのためのスクランブリングシーケンスを生成することと
を行わせるように設定され、
前記応答メッセージは、
前記要求メッセージ中の前記プリアンブルを成功裡に検出したことと、前記PUSCHメッセージを復号することに失敗したこととに応答して、前記検出されたプリアンブルに基づいて生成されたランダムアクセス(RA)-RNTIに基づく、
端末デバイス(500)。
【請求項30】
前記1つまたは複数のメモリ(502)および前記コンピュータプログラムコード(503)が、前記1つまたは複数のプロセッサ(501)を用いて、前記端末デバイス(500)に、請求項2から14のいずれか一項に記載の方法を実施させるようにさらに設定された、請求項29に記載の端末デバイス(500)。
【請求項31】
基地局(500)であって、
1つまたは複数のプロセッサ(501)と、
コンピュータプログラムコード(503)を備える1つまたは複数のメモリ(502)と
を備え、
前記1つまたは複数のメモリ(502)および前記コンピュータプログラムコード(503)が、前記1つまたは複数のプロセッサを用いて、前記基地局(500)に、
最初の2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて、プリアンブルと物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)メッセージとを含む要求メッセージを受信することであって、前記PUSCHメッセージのためのスクランブリングシーケンスが、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)情報に従って決定されたRNTIに基づく、要求メッセージを受信することと、
前記要求メッセージ中の前記プリアンブルを成功裡に検出したことと、前記PUSCHメッセージを復号することに失敗したこととに応答して、前記検出されたプリアンブルに基づいて、ランダムアクセス(RA)-RNTIを生成することと、
前記RA-RNTIに基づいて応答メッセージを送信することであって、前記応答メッセージが、PUSCHメッセージのためのスクランブリングシーケンスを生成するために使用されるべき選択されたRNTIを含む、応答メッセージを送信することと
を行わせるように設定され、
前記選択されたRNTIが、次の2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて使用される、
基地局(500)。
【請求項32】
前記1つまたは複数のメモリ(502)および前記コンピュータプログラムコード(503)が、前記1つまたは複数のプロセッサ(501)を用いて、前記基地局(500)に、請求項16から28のいずれか一項に記載の方法を実施させるようにさらに設定された、請求項31に記載の基地局(500)。
【請求項33】
コンピュータプログラムコードが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムコードが、コンピュータ上で実行されたとき、前記コンピュータに、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法を実施させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項34】
コンピュータプログラムコードが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムコードが、コンピュータ上で実行されたとき、前記コンピュータに、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法を実施させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、無線通信に関し、より詳細には、2ステップランダムアクセスプロシージャのための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、本開示のより良い理解を容易にし得る態様を紹介する。したがって、このセクションの記述は、この観点において読み取られるべきであり、従来技術にあるものまたは従来技術にないものに関する承認として理解されるべきではない。
【0003】
新無線(new radio:NR)システムにおいて、
図1に示されているように、4ステップ手法がランダムアクセスプロシージャのために使用され得る。この手法では、ユーザ機器(UE)は、NR-1次同期信号(NR-PSS)と、NR-2次同期信号(NR-SSS)と、NR-物理ブロードキャストチャネル(PBCH)信号とを含む同期信号(SS)を検出し、ブロードキャストされたシステム情報、たとえば、残余最小システム情報(RMSI)を復号する。次いで、UEは、アップリンク(UL)において、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブル(メッセージ1)を送信し得る。メッセージ1を受信したことに応答して、基地局(たとえば次世代ノードB(gNB))はランダムアクセス応答(RAR、メッセージ2)で返答する。RARメッセージは、オクテット整列され、タイミングアドバンスコマンドと、ULグラントと、一時セル無線ネットワーク一時識別子(TC-RNTI)とを含む。
【0004】
RARメッセージを受信した後に、UEは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上で、UE識別情報とトランスポートブロックとを含むメッセージ3を送信し得る。gNBは、次いで、競合解消メッセージ(メッセージ4)で返答する。RARメッセージ中のタイミングアドバンスコマンドは、メッセージ3がサイクリックプレフィックス(CP)内にタイミング精度で受信されることを可能にする。このタイミングアドバンスがない場合、システムがUEとgNBとの間の極めて小さい距離をもつセル中で適用されない限り、メッセージ3を復調し、検出することが可能であるために、極めて大きいCPが必要とされるであろう。NRはまた、UEにタイミングアドバンスを提供する必要を伴うより大きいセルをサポートするので、4ステップ手法は、ランダムアクセスプロシージャのために必要とされる。
【0005】
メッセージ3は、RARメッセージ中のULグラントによってスケジュールされる。もしあれば、メッセージ3中のトランスポートブロックの再送信が、RARメッセージ中で提供されるTC-RNTIによってスクランブルされたCRCを伴って、DCIフォーマット0_0によってスケジュールされる。UEは常に、繰返しなしにメッセージ3を送信する。
【0006】
3GPP TS38.321において、表1が、下記のようにRNTI値の範囲を規定するために提供される。
【0007】
2ステップランダムアクセスプロシージャは、NRリリース16のためのワークアイテムとして承認されている。
図2に示されているように、初期アクセスは、わずか2つのステップにおいて完了される。第1のステップにおいて、UEは、場合によってはPUSCH上の何らかの小さいペイロードを伴う、無線リソース制御(RRC)接続要求などの上位レイヤデータとともにランダムアクセスプリアンブルを含む、メッセージAと呼ばれることがある、メッセージを送る。第2のステップにおいて、gNBは、たとえば、UE識別子割り振り、タイミングアドバンス情報、および競合解消メッセージなどを含む、メッセージBと呼ばれることがある、応答メッセージをUEに送る。
【発明の概要】
【0008】
本発明の概要は、発明を実施するための形態において以下でさらに説明される概念の選択を簡略化された形で紹介するために提供される。本発明の概要は、請求される主題の主要な特徴または不可欠な特徴を識別するものではなく、請求される主題の範囲を限定するために使用されるものでもない。
【0009】
本開示は、2ステップランダムアクセスプロシージャのための改善されたソリューションを提案する。
【0010】
本開示の第1の態様によれば、端末デバイスによって実施される方法が提供される。本方法は、2ステップランダムアクセスプロシージャのためのプリアンブルを決定することと、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)情報に従って、2ステップランダムアクセスプロシージャのためのRNTIを決定することと、決定されたRNTIに基づいて、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)メッセージを生成することとを含む。本方法は、2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて、プリアンブルとPUSCHメッセージとを含む要求メッセージを送信することをさらに含む。
【0011】
例示的な実施形態によれば、プリアンブルは、プリアンブルのセットから決定され得、RNTI情報は、プリアンブルのセットとRNTIのセットとの間の関連付けを示し得る。
【0012】
例示的な実施形態によれば、関連付けは、プリアンブルのセット中のプリアンブルとRNTIのセット中のRNTIとの間の1対1マッピング、プリアンブルのセット中のプリアンブルとRNTIのセット中の2つまたはそれ以上のRNTIとの間の1対複数マッピング、またはプリアンブルのセット中の2つまたはそれ以上のプリアンブルとRNTIのセット中のRNTIとの間の複数対1マッピングのうちのいずれかであり得る。
【0013】
例示的な実施形態によれば、RNTIは、決定されたプリアンブルに基づいて決定され得る。
【0014】
例示的な実施形態によれば、RNTI情報は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)オケージョンのセットとRNTIのセットとの間の関連付けを示し得る。
【0015】
例示的な実施形態によれば、関連付けは、PRACHオケージョンのセット中のPRACHオケージョンとRNTIのセット中のRNTIとの間の1対1マッピング、PRACHオケージョンのセット中のPRACHオケージョンとRNTIのセット中の2つまたはそれ以上のRNTIとの間の1対複数マッピング、またはPRACHオケージョンのセット中の2つまたはそれ以上のPRACHオケージョンとRNTIのセット中のRNTIとの間の複数対1マッピングのうちのいずれかであり得る。
【0016】
例示的な実施形態によれば、RNTIは、決定されたプリアンブルのために使用されるPRACHオケージョンに基づいて決定され得る。
【0017】
例示的な実施形態によれば、RNTI情報は、少なくとも1つのRNTIを示し得る。
【0018】
例示的な実施形態によれば、RNTI情報は、複数のRNTIを示し得る。さらに、RNTIは、複数のRNTIからランダムに決定され得る。
【0019】
例示的な実施形態によれば、プリアンブルは、PUSCH時間周波数リソースに関連付けられ得る。
【0020】
例示的な実施形態によれば、RNTI情報は、あらかじめ規定されるかまたはシグナリングメッセージにおいてシグナリングされ得る。
【0021】
例示的な実施形態によれば、プリアンブルは、プリアンブル情報に従って決定され得、プリアンブル情報は、あらかじめ規定されるかまたはシグナリングメッセージにおいてシグナリングされ得る。
【0022】
例示的な実施形態によれば、シグナリングメッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージであり得る。
【0023】
例示的な実施形態によれば、本方法は、要求メッセージを送信したことに応答して、選択されたRNTIを含む応答メッセージを受信することをさらに含み得る。さらに、選択されたRNTIは、後続の2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて使用され得る。
【0024】
例示的な実施形態によれば、応答メッセージは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で受信され得る。
【0025】
本開示の第2の態様によれば、ネットワークノードによって実施される方法が提供される。本方法は、2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて、プリアンブルと物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)メッセージとを含む要求メッセージを受信することであって、PUSCHメッセージが、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)情報に従って決定されたRNTIに基づく、要求メッセージを受信することを含む。
【0026】
例示的な実施形態によれば、要求メッセージを受信することは、要求メッセージ中のプリアンブルを検出することと、RNTI情報に従って、検出されたプリアンブルに基づいて、RNTIを決定することと、決定されたRNTIに基づいて、PUSCHメッセージを復号することとを含み得る。
【0027】
例示的な実施形態によれば、要求メッセージを受信することは、要求メッセージ中のプリアンブルを検出することと、RNTI情報に従って、検出されたプリアンブルのために使用されるPRACHオケージョンに基づいて、RNTIを決定することと、決定されたRNTIに基づいて、PUSCHメッセージを復号することとを含み得る。
【0028】
例示的な実施形態によれば、要求メッセージを受信することは、要求メッセージ中のプリアンブルを検出することと、複数のRNTIに基づいて、PUSCHメッセージをブラインド復号することとを含み得る。
【0029】
例示的な実施形態によれば、本方法は、要求メッセージ中のプリアンブルを成功裡に検出したことと、PUSCHメッセージを復号することに失敗したこととに応答して、検出されたプリアンブルに基づいて、RA-RNTIを生成することと、RA-RNTIに基づいて応答メッセージを送信することであって、応答メッセージが、後続の2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて使用されるべき選択されたRNTIを含む、応答メッセージを送信することとをさらに含み得る。
【0030】
例示的な実施形態によれば、応答メッセージは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で送信され得る。
【0031】
本開示の第3の態様によれば、端末デバイスが提供される。本端末デバイスは、1つまたは複数のプロセッサと、コンピュータプログラムコードを備える1つまたは複数のメモリとを備え得る。1つまたは複数のメモリおよびコンピュータプログラムコードは、1つまたは複数のプロセッサを用いて、本端末デバイスに、少なくとも、本開示の第1の態様による方法の任意のステップを実施させるように設定され得る。
【0032】
本開示の第4の態様によれば、コンピュータプログラムコードが具現化されたコンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータプログラムコードは、コンピュータ上で実行されたとき、コンピュータに、本開示の第1の態様による方法の任意のステップを実施させる。
【0033】
本開示の第5の態様によれば、ネットワークノードが提供される。ネットワークノードは、1つまたは複数のプロセッサと、コンピュータプログラムコードを備える1つまたは複数のメモリとを備え得る。1つまたは複数のメモリおよびコンピュータプログラムコードは、1つまたは複数のプロセッサを用いて、ネットワークノードに、少なくとも、本開示の第2の態様による方法の任意のステップを実施させるように設定され得る。
【0034】
本開示の第6の態様によれば、コンピュータプログラムコードが具現化されたコンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータプログラムコードは、コンピュータ上で実行されたとき、コンピュータに、本開示の第2の態様による方法の任意のステップを実施させる。
【0035】
本開示自体、好ましい使用モードおよびさらなる目的は、添付の図面とともに読まれるとき、実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最も良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】NRにおける4ステップランダムアクセスプロシージャを示す図である。
【
図2】NRにおける2ステップランダムアクセスプロシージャを示す図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、端末デバイスによって実施される方法を示すフローチャートである。
【
図4】本開示のある実施形態による、ネットワークノードによって実施される方法を示すフローチャートである。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、装置を示すブロック図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、装置を示すブロック図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、装置を示すブロック図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信ネットワークを示すブロック図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、部分的無線接続上で基地局を介してUEと通信するホストコンピュータを示すブロック図である。
【
図10】本開示の一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
【
図11】本開示の一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
【
図12】本開示の一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
【
図13】本開示の一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
添付の図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。これらの実施形態は、本開示の範囲に対する限定を示唆するのではなく、当業者が、本開示をより良く理解し、したがって実装することを可能にする目的で論じられるにすぎないことを理解されたい。本明細書全体にわたる、特徴、利点、または同様の言い回しへの言及は、本開示とともに実現され得る特徴および利点のすべてが、本開示の単一の実施形態におけるものであるべきであることまたはその実施形態におけるものであることを暗示しない。むしろ、特徴および利点に言及する言い回しは、一実施形態に関して説明される特定の特徴、利点、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解されたい。さらに、本開示の説明される特徴、利点、および特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられ得る。具体的な実施形態の特定の特徴または利点のうちの1つまたは複数なしに本開示が実践され得ることを、当業者は認識されよう。他の事例では、本開示のすべての実施形態に存在するとは限らないことがある追加の特徴および利点が、いくつかの実施形態において認識され得る。
【0038】
本明細書で使用される「通信ネットワーク」という用語は、新無線(NR)、long term evolution(LTE)、LTEアドバンスト、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、高速パケットアクセス(HSPA)など、任意の好適な通信規格に従うネットワークを指す。さらに、通信ネットワークにおける端末デバイスとネットワークノードとの間の通信は、限定はしないが、第1世代(1G)通信プロトコル、第2世代(2G)通信プロトコル、2.5G通信プロトコル、2.75G通信プロトコル、第3世代(3G)通信プロトコル、4G通信プロトコル、4.5G通信プロトコル、5G通信プロトコルを含む、任意の好適な世代の通信プロトコル、および/あるいは現在知られているかまたは将来において開発されることになる任意の他のプロトコルに従って実施され得る。
【0039】
「ネットワークノード」という用語は、端末デバイスがそのデバイスを介して通信ネットワークにアクセスし、通信ネットワークからサービスを受信する、通信ネットワークにおけるネットワークデバイスを指す。ネットワークノードまたはネットワークデバイスは、無線通信ネットワークにおける基地局(BS)、アクセスポイント(AP)、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE)、コントローラまたは任意の他の好適なデバイスを指し得る。BSは、たとえば、ノードB(ノードBまたはNB)、エボルブドノードB(eノードBまたはeNB)、次世代ノードB(gノードBまたはgNB)、IABノード、リモートラジオユニット(RRU)、無線ヘッダ(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、リレー、フェムト、ピコなどの低電力ノードなどであり得る。
【0040】
ネットワークノードのまたさらなる例は、マルチスタンダード無線(MSR)BSなどのMSR無線機器、無線ネットワークコントローラ(RNC)または基地局コントローラ(BSC)などのネットワークコントローラ、基地トランシーバ局(BTS)、送信ポイント、送信ノード、測位ノードなどを備える。しかしながら、より一般的には、ネットワークノードは、無線通信ネットワークへの端末デバイスアクセスを可能にし、および/または提供し、あるいは、無線通信ネットワークにアクセスした端末デバイスに何らかのサービスを提供することが可能な、そうするように設定された、構成された、および/または動作可能な任意の好適なデバイス(またはデバイスのグループ)を表し得る。
【0041】
「端末デバイス」という用語は、通信ネットワークにアクセスし、通信ネットワークからサービスを受信することができる任意のエンドデバイスを指す。限定ではなく例として、端末デバイスは、ユーザ機器(UE)、または他の好適なデバイスを指し得る。UEは、たとえば、加入者局、ポータブル加入者局、移動局(MS)またはアクセス端末(AT)であり得る。端末デバイスは、限定はしないが、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャ端末デバイス、ゲーミング端末デバイス、音楽記憶および再生器具、モバイルフォン、セルラフォン、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、携帯情報端末(PDA)、車両などを含み得る。
【0042】
また別の特定の例として、モノのインターネット(IoT)シナリオでは、端末デバイスは、IoTデバイスと呼ばれることもあり、監視、検知および/または測定などを実施し、そのような監視、検知および/または測定などの結果を別の端末デバイスおよび/またはネットワーク機器に送信する、マシンまたは他のデバイスを表し得る。端末デバイスは、この場合、マシンツーマシン(M2M)デバイスであり得、M2Mデバイスは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)コンテキストではマシン型通信(MTC)デバイスと呼ばれることがある。
【0043】
1つの特定の例として、端末デバイスは、3GPP狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)規格を実装するUEであり得る。そのようなマシンまたはデバイスの特定の例は、センサー、電力計などの計量デバイス、産業用機械類、あるいは家庭用または個人用電気器具、たとえば、冷蔵庫、テレビジョン、時計などの個人用ウェアラブルなどである。他のシナリオでは、端末デバイスは、車両または他の機器、たとえば、医療器械を表し得、これは、その動作ステータスに対する監視、検知および/または報告など、あるいはその動作に関連付けられた他の機能が可能である。
【0044】
本明細書で使用される「第1の」、「第2の」などという用語は、異なるエレメントを指す。単数形「a」および「an」は、コンテキストが別段に明確に示すのでなければ、複数形をも含むものとする。本明細書で使用される「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」および/または「含む(including)」という用語は、述べられた特徴、エレメント、および/または構成要素などの存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、エレメント、構成要素および/またはそれらの組合せの存在または追加を排除しない。「に基づいて」という用語は、「に少なくとも部分的に基づいて」として読み取られるべきである。「一実施形態(one embodiment)」および「一実施形態(an embodiment)」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」として読み取られるべきである。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施形態」として読み取られるべきである。明示的および暗黙的な他の規定が、以下で含まれ得る。
【0045】
上記で説明されたように、
図2に示されている2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて、プリアンブルおよびPUSCHメッセージは、メッセージAと呼ばれる1つのメッセージにおいて、UEによって送信される。しかし、メッセージA中のPUSCHメッセージについて、RARメッセージがgNBから受信されないので、PUSCHハンドリングのために利用可能なTC-RNTIがない。したがって、2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて、メッセージA中のPUSCHのためのRNTIを決定するためのソリューションを提供することが望ましいであろう。
【0046】
いくつかの例示的な実施形態によれば、本開示は、2ステップランダムアクセスプロシージャのための改善されたソリューションを提供する。これらのソリューションは、端末デバイスと基地局とを含む無線通信システムに適用され得る。2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて、端末デバイスは、RNTI情報に従って、要求メッセージ(たとえばメッセージA)中のPUSCHのために使用されるべきRNTIを決定し得、次いで、端末デバイスは、決定されたRNTIに基づいて、要求メッセージを送信し得る。改善されたソリューションにより、メッセージA中のPUSCHのために使用されるRNTIが決定され得る。
【0047】
本開示のいくつかの実施形態は、主に、いくつかの例示的なネットワーク設定およびシステム展開のための非限定的な例として使用されている5G仕様に関して説明されることに留意されたい。したがって、本明細書で与えられる例示的な実施形態の説明は、詳細には、それらの実施形態に直接関係する専門用語を参照する。そのような専門用語は、提示された非限定的な例および実施形態のコンテキストにおいて使用されるにすぎず、当然、いかなる形でも本開示を限定しない。むしろ、本明細書で説明される例示的な実施形態が適用可能である限り、任意の他のシステム設定または無線技術が等しく利用され得る。
【0048】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、方法300を示すフローチャートである。
図3に示されている方法300は、端末デバイスにおいて実装された、または端末デバイスに通信可能に結合された、装置によって実施され得る。例示的な実施形態によれば、端末デバイスはUEであり得る。
【0049】
図3に示されている例示的な方法300によれば、端末デバイスは、ブロック302に示されているように、2ステップランダムアクセスプロシージャのためのプリアンブルを決定する。いくつかの実施形態では、プリアンブルは、プリアンブル情報に従って決定され得る。一実施形態では、プリアンブル情報は、プリアンブルのセットを示し得る。プリアンブルのセットは、2ステップランダムアクセスプロシージャについて固有であり得る。代替的に、プリアンブルのセットは、4ステップランダムアクセスプロシージャのためのプリアンブルのセットと同じであり得る。いくつかの実施形態では、プリアンブル情報は、時間周波数PRACHオケージョン(以下、「PRACHオケージョン」と呼ばれる)のセットをさらに示し得る。端末デバイスは、PRACH上でプリアンブルを送信するために、PRACHオケージョンのセットのうちの1つを選択し得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、プリアンブル情報は、基地局(たとえば、gNB)などのネットワークノードからのシグナリングメッセージにおいてシグナリングされ得る。シグナリングメッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージであり得る。代替的に、いくつかの実施形態では、プリアンブル情報は、端末デバイスにおいてあらかじめ規定され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、プリアンブル情報中のプリアンブルのセットのうちのプリアンブルが、PUSCH時間周波数リソースに関連付けられ得る。したがって、PUSCH時間周波数リソースは、プリアンブルに基づいて決定され得る。たとえば、端末デバイスは、プリアンブルのセットとPUSCH時間周波数リソースとの間の関連付けを示すマッピングテーブルを有し得る。プリアンブルを決定した後に、端末デバイスは、決定されたプリアンブルに基づいて、PUSCHメッセージのために使用されるべきPUSCH時間周波数リソースを決定し得る。一方、2ステップランダムアクセスプロシージャのためのPUSCH時間周波数リソースが決定されると、端末デバイスは、決定されたPUSCH時間周波数リソースに従って、プリアンブルをも決定し得る。
【0052】
ブロック304において、端末デバイスは、RNTI情報に従って、2ステップランダムアクセスプロシージャのためのRNTIを決定する。いくつかの実施形態では、RNTI情報は、プリアンブル情報中のプリアンブルのセットとRNTIのセットとの間の関連付けを示し得る。したがって、RNTIは、プリアンブルに基づいて決定され得る。
【0053】
一実施形態では、関連付けは、プリアンブルのセット中のプリアンブルとRNTIのセット中のRNTIとの間の1対1マッピングであり得る。たとえば、プリアンブル情報が64個のプリアンブルのセットを示すと仮定すると、一意のプリアンブルIDが、0から63までの範囲内で各プリアンブルについて割り当てられる。各プリアンブルは、以下の表2に示されているように、PUSCHのために使用される1つのRNTIにマッピングされる。
【0054】
一実施形態では、関連付けは、プリアンブルのセット中のプリアンブルとRNTIのセット中の2つまたはそれ以上のRNTIとの間の1対複数マッピングであり得る。この場合、各プリアンブルは、2つまたはそれ以上のRNTIにマッピングされる。決定されたプリアンブルに基づいて、端末デバイスは、対応する2つまたはそれ以上のRNTIから1つのRNTIをランダムに選択し得る。代替的に、一実施形態では、関連付けは、プリアンブルのセット中の2つまたはそれ以上のプリアンブルとRNTIのセット中のRNTIとの間の複数対1マッピングであり得る。この場合、2つまたはそれ以上のプリアンブルは、1つのRNTIにマッピングされる。
【0055】
上記で説明されたように、プリアンブルのセットとPUSCH時間周波数リソースとの間の関連付けもあり得る。したがって、いくつかの実施形態では、RNTIは、PUSCH時間周波数リソースに基づいて決定され得る。たとえば、2ステップランダムアクセスプロシージャのためにPUSCH時間周波数リソースが決定されたとき、端末デバイスは、プリアンブルのセットとPUSCH時間周波数リソースとの間の関連付けに従ってプリアンブルを決定し、次いで、プリアンブルのセットとRNTIのセットとの間の関連付けに従ってRNTIを決定し得る。より直接的に、PUSCH時間周波数リソースとRNTIとの間の関連付けがあり得る。したがって、PUSCH時間周波数リソースが決定されたとき、対応するRNTIが決定され得る。
【0056】
代替的に、いくつかの実施形態では、RNTI情報は、PRACHオケージョンのセットとRNTIのセットとの間の関連付けを示し得る。したがって、RNTIは、PRACHオケージョンに基づいて決定され得る。プリアンブルを決定した後に、端末デバイスは、決定されたプリアンブルのために使用されるPRACHオケージョンに基づいて、RNTIを決定し得る。一実施形態では、PRACHオケージョンのセットはまた、プリアンブル情報中で示され得る。
【0057】
一実施形態では、関連付けは、PRACHオケージョンのセット中のPRACHオケージョンとRNTIのセット中のRNTIとの間の1対1マッピングであり得る。この場合、各PRACHオケージョンは、1つのRNTIにマッピングされる。代替的に、一実施形態では、関連付けは、PRACHオケージョンのセット中のPRACHオケージョンとRNTIのセット中の2つまたはそれ以上のRNTIとの間の1対複数マッピングであり得る。この場合、各PRACHオケージョンは、2つまたはそれ以上のRNTIにマッピングされる。決定されたプリアンブルのために使用されるPRACHに基づいて、端末デバイスは、対応する2つまたはそれ以上のRNTIから1つのRNTIをランダムに選択し得る。代替的に、一実施形態では、関連付けは、PRACHオケージョンのセット中の2つまたはそれ以上のPRACHオケージョンとRNTIのセット中のRNTIとの間の複数対1マッピングであり得る。この場合、2つまたはそれ以上のPRACHオケージョンは、1つのRNTIにマッピングされる。
【0058】
代替的に、いくつかの実施形態では、RNTI情報は、少なくとも1つのRNTIを示し得る。一実施形態では、RNTI情報は、1つのRNTIのみを示し得る。この場合、異なるプリアンブルについて、同じRNTIがPUSCHのために使用される。異なる端末デバイス間のPUSCH衝突を緩和するために、異なるPUSCH時間周波数リソースおよび異なるPRACHオケージョンが、割り当てられ得る。
【0059】
代替的に、一実施形態では、RNTI情報は、複数のRNTIを示し得る。この場合、端末デバイスは、複数のRNTIから1つのRNTIをランダムに決定し得る。たとえば、3つのRNTIのセットがRNTI情報中で示され得、端末デバイスは、3つのRNTIのうちのいずれか1つをランダムに選択することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、RNTI情報は、基地局(たとえば、gNB)などのネットワークノードからのシグナリングメッセージにおいてシグナリングされ得る。シグナリングメッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージであり得る。代替的に、いくつかの実施形態では、RNTI情報は、端末デバイスにおいてあらかじめ規定され得る。
【0061】
ブロック304においてRNTIを決定した後に、ブロック306において、端末デバイスは、決定されたRNTIに基づいて、PUSCHメッセージを生成する。概して、RNTIは、PUSCHスクランブリングシーケンス初期化のために使用される。次いで、ブロック308において、端末デバイスは、2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて、ネットワークノードに要求メッセージを送信する。要求メッセージは、ブロック302において決定されたプリアンブルと、ブロック306において生成されたPUSCHメッセージとを含み得る。プリアンブルはPRACHオケージョンにおいて送信され得、PUSCHメッセージはPUSCH時間周波数リソースにおいて送信され得る。
【0062】
さらに、いくつかの実施形態では、要求メッセージを送信したことに応答して、端末デバイスは、ブロック310において示されているように、応答メッセージを受信し得る。いくつかの実施形態では、応答メッセージは、選択されたRNTIを含み得る。ネットワークノードが、PUSCHメッセージを復号することに失敗したが、要求メッセージ中のプリアンブルを成功裡に検出した場合、ネットワークノードは、後続の2ステップランダムアクセスプロシージャのためのRNTIを選択し、選択されたRNTIを含む応答メッセージを端末デバイスに送信し得る。応答メッセージを受信した後に、端末デバイスは、RNTI情報に従ってRNTIを決定する代わりに、選択されたRNTIを取得し、選択されたRNTIを後続のランダムアクセスプロシージャにおいて使用し得る。さらに、選択されたRNTIは、端末デバイスに記憶されたRNTI情報に追加され得る。いくつかの実施形態では、応答メッセージは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上で受信され得る。代替的に、応答メッセージは、制御情報として物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で受信され得る。
【0063】
図3に示されているように、ステップを実施するための順序は、ほんの一例として示されていることに留意されたい。いくつかの実施形態では、いくつかのステップは、逆の順序で、または並行して実施され得る。いくつかの実施形態では、いくつかのステップは、省略されるか、または組み合わせられ得る。
【0064】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、方法400を示すフローチャートである。
図4に示されている方法400は、ネットワークノードにおいて実装された、またはネットワークノードに通信可能に結合された、装置によって実施され得る。例示的な実施形態によれば、ネットワークノードは、基地局、たとえばgNBであり得る。
図4に関する以下の説明では、前の例示的な実施形態における部分と同じまたは同様の部分について、詳細な説明が適切に省略される。
【0065】
図4に示されている例示的な方法400によれば、ネットワークノードは、ブロック402に示されているように、2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて、プリアンブルとPUSCHメッセージとを含む要求メッセージを受信し得る。いくつかの実施形態では、プリアンブルは、プリアンブル情報に従って決定され得、PUSCHメッセージは、RNTI情報に従って決定されたRNTIに基づき得る。プリアンブル情報およびRNTI情報の詳細は上記で説明されており、したがって、ここでは省略される。
【0066】
RNTI情報がプリアンブル情報中のプリアンブルのセットとRNTIのセットとの間の関連付けを示す、いくつかの実施形態では、ネットワークノードは、要求メッセージ中のプリアンブルを検出し、ネットワークノードに記憶されたRNTI情報に従って、検出されたプリアンブルに基づいて、RNTIを決定し得る。次いで、ネットワークノードは、決定されたRNTIに基づいて、PUSCHメッセージを復号し得る。
【0067】
RNTI情報がプリアンブル情報中のPRACHオケージョンのセットとRNTIのセットとの間の関連付けを示す、いくつかの実施形態では、ネットワークノードは、要求メッセージ中のプリアンブルを検出し、RNTI情報に従って、検出されたプリアンブルのために使用されるPRACHオケージョンに基づいて、RNTIを決定し得る。次いで、ネットワークノードは、決定されたRNTIに基づいて、PUSCHメッセージを復号し得る。
【0068】
RNTI情報が1つのRNTIを示す、いくつかの実施形態では、ネットワークノードは、要求メッセージ中のプリアンブルを検出し、1つのRNTIに基づいてPUSCHメッセージを復号し得る。RNTI情報が複数のRNTIを示す、いくつかの実施形態では、ネットワークノードは、要求メッセージ中のプリアンブルを検出し、複数のRNTIに基づいてPUSCHメッセージをブラインド復号し得る。
【0069】
さらに、いくつかの実施形態では、ブロック404に示されているように、ネットワークノードが、要求メッセージ中のプリアンブルを成功裡に検出し、PUSCHメッセージを復号することに失敗した場合、ネットワークノードは、検出されたプリアンブルに基づいて、RA-RNTIを生成し得る。いくつかの実施形態では、RA-RNTIの生成は、検出されたプリアンブルのために使用されるPRACHオケージョンにさらに基づき得る。次いで、ブロック406において、ネットワークノードは、RA-RNTIに基づいて応答メッセージを送信し得る。RA-RNTIは、応答メッセージをスクランブルするために使用され得る。いくつかの実施形態では、応答メッセージは、後続の2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて使用されるべき選択されたRNTIを含み得る。いくつかの実施形態では、応答メッセージは、PDCCHまたはPDSCH上で送信され得る。
【0070】
したがって、上記の実施形態による、2ステップランダムアクセスプロシージャのための提案されるソリューションにより、端末デバイスが、2ステップランダムアクセスプロシージャにおいて、要求メッセージ中のPUSCHのために使用されるRNTIを決定することができることがわかり得る。
【0071】
図3~
図4に示されている様々なブロックは、方法ステップ、および/またはコンピュータプログラムコードの動作から生じる動作、および/または関連する(1つまたは複数の)機能を行うために構築された複数の結合された論理回路と見なされ得る。上記で説明された概略フローチャート図は、概して、論理フローチャート図として記載される。したがって、図示された順序および標示されたステップは、提示された方法の特定の実施形態を示す。示されている方法の、1つまたは複数のステップ、またはそれらの部分と、機能、論理、または効果において等価である他のステップおよび方法が想到され得る。さらに、特定の方法が行われる順序は、示されている対応するステップの順序に厳密に従うことも従わないこともある。
【0072】
図5は、本開示の様々な実施形態による、装置500を示すブロック図である。
図5に示されているように、装置500は、プロセッサ501などの1つまたは複数のプロセッサと、コンピュータプログラムコード503を記憶するメモリ502などの1つまたは複数のメモリとを備え得る。メモリ502は、非一時的機械/プロセッサ/コンピュータ可読記憶媒体であり得る。いくつかの例示的な実施形態によれば、装置500は、
図3に関して説明される端末デバイス、または
図4に関して説明されるネットワークノードに、プラグ接続されまたは取り付けられ得る集積回路チップまたはモジュールとして実装され得る。
【0073】
いくつかの実装形態では、1つまたは複数のメモリ502およびコンピュータプログラムコード503は、1つまたは複数のプロセッサ501を用いて、装置500に、少なくとも、
図3に関して説明されるような方法の任意の動作を実施させるように設定され得る。そのような実施形態では、装置500は、上記で説明された端末デバイスの少なくとも一部として実装されるか、または端末デバイスに通信可能に結合され得る。特定の例として、装置500は、端末デバイスとして実装され得る。
【0074】
他の実装形態では、1つまたは複数のメモリ502およびコンピュータプログラムコード503は、1つまたは複数のプロセッサ501を用いて、装置500に、少なくとも、
図4に関して説明されるような方法の任意の動作を実施させるように設定され得る。そのような実施形態では、装置500は、上記で説明されたネットワークノードの少なくとも一部として実装されるか、またはネットワークノードに通信可能に結合され得る。特定の例として、装置500は、ネットワークノードとして実装され得る。
【0075】
代替または追加として、1つまたは複数のメモリ502およびコンピュータプログラムコード503は、1つまたは複数のプロセッサ501を用いて、装置500に、少なくとも、本開示の例示的な実施形態による提案される方法を実装するためにより多いまたはより少ない動作を実施させるように設定され得る。
【0076】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、装置600を示すブロック図である。
図6に示されているように、装置600は、決定ユニット601と、生成ユニット602と、送信ユニット603とを備え得る。例示的な実施形態では、装置600は、UEなどの端末デバイスにおいて実装され得る。決定ユニット601は、ブロック302およびブロック304における動作を行うように動作可能であり得る。生成ユニット602は、ブロック306における動作を行うように動作可能であり得、送信ユニット603は、ブロック308における動作を行うように動作可能であり得る。さらに、装置600は、ブロック310における動作を行うように動作可能な受信ユニット604をも備え得る。場合によっては、決定ユニット601、生成ユニット602、送信ユニット603、および/または受信ユニット604は、本開示の例示的な実施形態による提案される方法を実装するためにより多いまたはより少ない動作を行うように動作可能であり得る。
【0077】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、装置700を示すブロック図である。
図7に示されているように、装置700は、受信ユニット701を備え得る。例示的な実施形態では、装置700は、基地局(たとえば、gNBまたはeNB)などのネットワークノードにおいて実装され得る。受信ユニット701は、ブロック402における動作を行うように動作可能であり得る。さらに、装置700は、生成ユニット702と送信ユニット703とをも備え得る。生成ユニット702は、ブロック404における動作を行うように動作可能であり得、送信ユニット706は、ブロック406における動作を行うように動作可能であり得る。場合によっては、受信ユニット701、生成ユニット702、および/または送信ユニット703は、本開示の例示的な実施形態による提案される方法を実装するためにより多いまたはより少ない動作を行うように動作可能であり得る。
【0078】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信ネットワークを示すブロック図である。
【0079】
図8を参照すると、一実施形態によれば、通信システムが、無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワーク811とコアネットワーク814とを備える、3GPPタイプセルラネットワークなどの通信ネットワーク810を含む。アクセスネットワーク811は、NB、eNB、gNBまたは他のタイプの無線アクセスポイントなど、複数の基地局812a、812b、812cを備え、各々が、対応するカバレッジエリア813a、813b、813cを規定する。各基地局812a、812b、812cは、有線接続または無線接続815を介してコアネットワーク814に接続可能である。カバレッジエリア813c中に位置する第1のUE891が、対応する基地局812cに無線で接続するか、または対応する基地局812cによってページングされるように設定される。カバレッジエリア813a中の第2のUE892が、対応する基地局812aに無線で接続可能である。この例では複数のUE891、892が示されているが、開示される実施形態は、唯一のUEがカバレッジエリア中にある状況、または、唯一のUEが、対応する基地局812に接続している状況に等しく適用可能である。
【0080】
通信ネットワーク810は、それ自体、ホストコンピュータ830に接続され、ホストコンピュータ830は、スタンドアロンサーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバのハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて、あるいはサーバファーム中の処理リソースとして具現され得る。ホストコンピュータ830は、サービスプロバイダの所有または制御下にあり得るか、あるいはサービスプロバイダによってまたはサービスプロバイダの代わりに動作され得る。通信ネットワーク810とホストコンピュータ830との間の接続821および822が、コアネットワーク814からホストコンピュータ830まで直接延び得るか、または随意の中間ネットワーク820を介して進み得る。中間ネットワーク820は、公衆ネットワーク、プライベートネットワークまたはホストされたネットワークのうちの1つ、あるいはそれらのうちの2つ以上の組合せであり得、中間ネットワーク820は、もしあれば、バックボーンネットワークまたはインターネットであり得、特に、中間ネットワーク820は、2つまたはそれ以上のサブネットワーク(図示せず)を備え得る。
【0081】
図8の通信システムは全体として、接続されたUE891、892とホストコンピュータ830との間のコネクティビティを可能にする。コネクティビティは、オーバーザトップ(OTT)接続850として説明され得る。ホストコンピュータ830および接続されたUE891、892は、アクセスネットワーク811、コアネットワーク814、任意の中間ネットワーク820および可能なさらなるインフラストラクチャ(図示せず)を媒介として使用して、OTT接続850を介してデータおよび/またはシグナリングを通信するように設定される。OTT接続850は、OTT接続850が通過する関与する通信デバイスが、アップリンク通信およびダウンリンク通信のルーティングに気づいていないという意味で、透過的であり得る。たとえば、基地局812は、接続されたUE891にフォワーディング(たとえば、ハンドオーバ)されるべき、ホストコンピュータ830から発生したデータを伴う着信ダウンリンク通信の過去のルーティングについて、知らされないことがあるかまたは知らされる必要がない。同様に、基地局812は、UE891から発生してホストコンピュータ830に向かう発信アップリンク通信の将来ルーティングに気づいている必要がない。
【0082】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、部分的無線接続上で基地局を介してUEと通信するホストコンピュータを示すブロック図である。
【0083】
次に、一実施形態による、前の段落において説明されたUE、基地局およびホストコンピュータの例示的な実装形態が、
図9を参照しながら説明される。通信システム900では、ホストコンピュータ910が、通信システム900の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線接続または無線接続をセットアップおよび維持するように設定された通信インターフェース916を含む、ハードウェア915を備える。ホストコンピュータ910は、記憶能力および/または処理能力を有し得る、処理回路918をさらに備える。特に、処理回路918は、命令を実行するように適応された、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。ホストコンピュータ910は、ホストコンピュータ910に記憶されるかまたはホストコンピュータ910によってアクセス可能であり、処理回路918によって実行可能である、ソフトウェア911をさらに備える。ソフトウェア911は、ホストアプリケーション912を含む。ホストアプリケーション912は、UE930およびホストコンピュータ910において終端するOTT接続950を介して接続するUE930など、リモートユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。リモートユーザにサービスを提供する際に、ホストアプリケーション912は、OTT接続950を使用して送信されるユーザデータを提供し得る。
【0084】
通信システム900は、通信システム中に提供される基地局920をさらに含み、基地局920は、基地局920がホストコンピュータ910およびUE930と通信することを可能にするハードウェア925を備える。ハードウェア925は、通信システム900の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線接続または無線接続をセットアップおよび維持するための通信インターフェース926、ならびに基地局920によってサーブされるカバレッジエリア(
図9に図示せず)中に位置するUE930との少なくとも無線接続970をセットアップおよび維持するための無線インターフェース927を含み得る。通信インターフェース926は、ホストコンピュータ910への接続960を容易にするように設定され得る。接続960は直接であり得るか、あるいは接続960は、通信システムのコアネットワーク(
図9に図示せず)を、および/または通信システムの外部の1つまたは複数の中間ネットワークを通過し得る。図示の実施形態では、基地局920のハードウェア925は、処理回路928をさらに含み、処理回路928は、命令を実行するように適応された、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。基地局920は、内部的に記憶されるかまたは外部接続を介してアクセス可能なソフトウェア921をさらに有する。
【0085】
通信システム900は、すでに言及されたUE930をさらに含む。UE930のハードウェア935は、UE930が現在位置するカバレッジエリアをサーブする基地局との無線接続970をセットアップおよび維持するように設定された無線インターフェース937を含み得る。UE930のハードウェア935は、処理回路938をさらに含み、処理回路938は、命令を実行するように適応された、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。UE930は、UE930に記憶されるかまたはUE930によってアクセス可能であり、処理回路938によって実行可能である、ソフトウェア931をさらに備える。ソフトウェア931はクライアントアプリケーション932を含む。クライアントアプリケーション932は、ホストコンピュータ910のサポートを伴って、UE930を介して人間のまたは人間でないユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。ホストコンピュータ910では、実行しているホストアプリケーション912は、UE930およびホストコンピュータ910において終端するOTT接続950を介して、実行しているクライアントアプリケーション932と通信し得る。ユーザにサービスを提供する際に、クライアントアプリケーション932は、ホストアプリケーション912から要求データを受信し、要求データに応答してユーザデータを提供し得る。OTT接続950は、要求データとユーザデータの両方を転送し得る。クライアントアプリケーション932は、クライアントアプリケーション932が提供するユーザデータを生成するためにユーザと対話し得る。
【0086】
図9に示されているホストコンピュータ910、基地局920およびUE930は、それぞれ、
図8のホストコンピュータ830、基地局812a、812b、812cのうちの1つ、およびUE891、892のうちの1つと同様または同等であり得ることに留意されたい。つまり、これらのエンティティの内部の働きは、
図9に示されているようなものであり得、別個に、周囲のネットワークトポロジーは、
図8のものであり得る。
【0087】
図9では、OTT接続950は、仲介デバイスとこれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングとへの明示的言及なしに、基地局920を介したホストコンピュータ910とUE930との間の通信を示すために抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャが、ルーティングを決定し得、ネットワークインフラストラクチャは、UE930からまたはホストコンピュータ910を動作させるサービスプロバイダから、またはその両方からルーティングを隠すように設定され得る。OTT接続950がアクティブである間、ネットワークインフラストラクチャは、さらに、ネットワークインフラストラクチャが、(たとえば、ネットワークの負荷分散考慮または再設定に基づいて)ルーティングを動的に変更する判断を行い得る。
【0088】
UE930と基地局920との間の無線接続970は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つまたは複数は、無線接続970が最後のセグメントを形成するOTT接続950を使用して、UE930に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より正確には、これらの実施形態の教示は、レイテンシおよび電力消費を改善し、それにより、複雑さの低下、セルにアクセスするために必要とされる時間の低減、応答性の向上、バッテリー寿命の延長などの利益を提供し得る。
【0089】
1つまたは複数の実施形態が改善する、データレート、レイテンシおよび他のファクタを監視する目的での、測定プロシージャが提供され得る。測定結果の変動に応答して、ホストコンピュータ910とUE930との間のOTT接続950を再設定するための随意のネットワーク機能がさらにあり得る。測定プロシージャおよび/またはOTT接続950を再設定するためのネットワーク機能は、ホストコンピュータ910のソフトウェア911およびハードウェア915でまたはUE930のソフトウェア931およびハードウェア935で、またはその両方で実装され得る。実施形態では、OTT接続950が通過する通信デバイスにおいて、またはその通信デバイスに関連して、センサー(図示せず)が展開され得、センサーは、上記で例示された監視された量の値を供給すること、またはソフトウェア911、931が監視された量を算出または推定し得る他の物理量の値を供給することによって、測定プロシージャに参加し得る。OTT接続950の再設定は、メッセージフォーマット、再送信セッティング、好ましいルーティングなどを含み得、再設定は、基地局920に影響を及ぼす必要がなく、再設定は、基地局920に知られていないかまたは知覚不可能であり得る。そのようなプロシージャおよび機能は、当技術分野において知られ、実践され得る。いくつかの実施形態では、測定は、スループット、伝搬時間、レイテンシなどのホストコンピュータ910の測定を容易にするプロプライエタリUEシグナリングを伴い得る。測定は、ソフトウェア911および931が、ソフトウェア911および931が伝搬時間、エラーなどを監視する間にOTT接続950を使用して、メッセージ、特に空のまたは「ダミー」メッセージが送信されることを引き起こすことにおいて、実装され得る。
【0090】
図10は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図8および
図9を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、
図10への図面参照のみがこのセクションに含まれる。ステップ1010において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。ステップ1010の(随意であり得る)サブステップ1011において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。ステップ1020において、ホストコンピュータは、UEにユーザデータを搬送する送信を始動する。(随意であり得る)ステップ1030において、基地局は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが始動した送信において搬送されたユーザデータをUEに送信する。(また、随意であり得る)ステップ1040において、UEは、ホストコンピュータによって実行されるホストアプリケーションに関連するクライアントアプリケーションを実行する。
【0091】
図11は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図8および
図9を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、
図11への図面参照のみがこのセクションに含まれる。方法のステップ1110において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。随意のサブステップ(図示せず)において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。ステップ1120において、ホストコンピュータは、UEにユーザデータを搬送する送信を始動する。送信は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局を介して進み得る。(随意であり得る)ステップ1130において、UEは、送信において搬送されたユーザデータを受信する。
【0092】
図12は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図8および
図9を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、
図12への図面参照のみがこのセクションに含まれる。(随意であり得る)ステップ1210において、UEは、ホストコンピュータによって提供された入力データを受信する。追加または代替として、ステップ1220において、UEはユーザデータを提供する。ステップ1220の(随意であり得る)サブステップ1221において、UEは、クライアントアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。ステップ1210の(随意であり得る)サブステップ1211において、UEは、ホストコンピュータによって提供された受信された入力データに反応してユーザデータを提供する、クライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータを提供する際に、実行されたクライアントアプリケーションは、ユーザから受信されたユーザ入力をさらに考慮し得る。ユーザデータが提供された特定の様式にかかわらず、UEは、(随意であり得る)サブステップ1230において、ホストコンピュータへのユーザデータの送信を始動する。方法のステップ1240において、ホストコンピュータは、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、UEから送信されたユーザデータを受信する。
【0093】
図13は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図8および
図9を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、
図13への図面参照のみがこのセクションに含まれる。(随意であり得る)ステップ1310において、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局は、UEからユーザデータを受信する。(随意であり得る)ステップ1320において、基地局は、ホストコンピュータへの、受信されたユーザデータの送信を始動する。(随意であり得る)ステップ1330において、ホストコンピュータは、基地局によって始動された送信において搬送されたユーザデータを受信する。
【0094】
概して、様々な例示的な実施形態は、ハードウェアまたは専用チップ、回路、ソフトウェア、論理あるいはそれらの任意の組合せで実装され得る。たとえば、いくつかの態様は、ハードウェアで実装され得、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装され得るが、本開示はそれに限定されない。本開示の例示的な実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャートとして、または何らかの他の図式表現を使用して、例示および説明され得るが、本明細書で説明されるこれらのブロック、装置、システム、技法または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路または論理、汎用ハードウェアまたはコントローラまたは他のコンピューティングデバイス、あるいはそれらの何らかの組合せで実装され得ることを十分に理解されたい。
【0095】
したがって、本開示の例示的な実施形態の少なくともいくつかの態様が、集積回路チップおよびモジュールなど、様々な構成要素において実践され得ることを諒解されたい。したがって、本開示の例示的な実施形態は、集積回路として具現される装置において実現され得、ここで、集積回路は、本開示の例示的な実施形態に従って動作するように設定可能である、データプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンド回路および無線周波数回路のうちの少なくとも1つまたは複数を具現するための回路(ならびに場合によってはファームウェア)を含み得る。
【0096】
本開示の例示的な実施形態の少なくともいくつかの態様が、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデバイスによって実行される、1つまたは複数のプログラムモジュールでなど、コンピュータ実行可能命令で具現され得ることを諒解されたい。概して、プログラムモジュールは、コンピュータまたは他のデバイス中のプロセッサによって実行されたとき、特定のタスクを実施するか、または特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、固体メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)など、コンピュータ可読媒体に記憶され得る。当業者によって諒解されるように、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において、必要に応じて、組み合わせられるかまたは分散され得る。さらに、機能は、集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、ファームウェアまたはハードウェア等価物において全体的にまたは部分的に具現され得る。
【0097】
本開示は、明示的に本明細書で開示される特徴の任意の新規の特徴または組合せあるいはその任意の一般化のいずれかを含む。本開示の上記の例示的な実施形態への様々な修正および適応は、添付の図面とともに読まれるとき、上記の説明に鑑みて、当業者に明らかになり得る。しかしながら、任意のおよびすべての修正が、依然として、本開示の非限定的なおよび例示的な実施形態の範囲内に入る。