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特許7434334CO2回収を伴って水素を生成するための液体炭化水素およびCO2輸送のためのプロセスおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】CO2回収を伴って水素を生成するための液体炭化水素およびCO2輸送のためのプロセスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 5/02 20060101AFI20240213BHJP
   B01J 3/00 20060101ALI20240213BHJP
   B63B 25/16 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
F17C5/02 Z
B01J3/00 A
B63B25/16 M
B63B25/16 G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021540199
(86)(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 US2020014992
(87)【国際公開番号】W WO2020154621
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】62/797,031
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599130449
【氏名又は名称】サウジ アラビアン オイル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アフマド・オー・アル・コワイター
(72)【発明者】
【氏名】アキル・ジャマール
(72)【発明者】
【氏名】ムーラド・ユーネス
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-125039(JP,A)
【文献】国際公開第2017/083778(WO,A1)
【文献】特開2013-124666(JP,A)
【文献】国際公開第03/066423(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 5/02
B01J 3/00
B63B 25/16
F01K 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船内の少なくとも1つの貯留タンクからCOを順次搬出するため、およびLPGを同じ前記船の貯留タンクに搬入するための搬入および搬出ステーションであって、
LPG生成ユニット(10)と、
LPG貯留ユニット(11)であって、前記LPG生成ユニット(10)と流体連通しているLPG貯留ユニット(11)と、
前記LPGを前記船の前記貯留タンクに搬入するために前記LPG貯留ユニット(11)に流体接続するための第1のコネクタ(51)と、
前記COをCO貯留ユニット(35)に搬出するための第2のコネクタ(51)と、
前記COを所定の圧力を上回って圧縮するCO圧縮ユニット(36)と、
前記圧縮ユニット(36)からCOを受容する超臨界COユニット(37)であって、前記超臨界COユニット(37)が、
内部熱交換器(2000)、外部熱交換器(2001)、およびCOタービン(2003)を含み、前記内部熱交換器(2000)および前記外部熱交換器(2001)は、高圧低温のCOストリームを加熱し、高圧高温のCOストリームを形成するように構成されており、前記COタービン(2003)は、前記高圧高温のCOストリームを膨張させて電力を発生させるように構成されている、超臨界COユニット(37)と、
前記超臨界COユニット(37)および前記CO圧縮ユニット(36)からの前記高圧低温のCOストリームを前記LPG生成ユニット(10)および前記LPG貯留ユニット(11)に接触させる熱リンケージ(1010、1011)であって、
(A)前記LPG生成ユニット(10)における前記LPGの液化を容易にするために前記低温のCOストリームから冷気を伝達するように構成されている第1の熱リンケージ(1010)と、(B)前記LPG貯留ユニット(11)の温度を維持するように構成されている、第2の熱リンケージ(1011)と、を含む、熱リンケージ(1010、1011)と、
LPGを前記LPG貯留ユニット(11)から前記第1のコネクタ(51)を介して前記船の前記少なくとも1つの貯留タンクに移送するように構成されているLPG搬入ユニット(12)と、
CO を前記少なくとも1つの貯留タンクから前記船の前記CO 貯留ユニット(35)に移送するように構成されているCO 搬出ユニット(34)と、
第3の熱リンケージ(1000)であって、前記第3の熱リンケージ(1000)は、熱を前記LPG搬入ユニット(12)から移送されるLPGと前記CO 搬出ユニットに移送されるCO との間で移送するように構成されている、第3の熱リンケージ(1000)と、
を含む、搬入および搬出ステーション。
【請求項2】
前記内部熱交換器(2000)が、前記高圧低温のCOストリームを加熱し、かつ前記高圧低温のCOストリームを前記外部熱交換器(2001)に移送するように構成されており、
前記外部熱交換器(2001)が、前記高圧低温のCOストリームをさらに加熱して前記高圧高温のCOストリームを生成するように構成されており、かつ前記高圧高温のCOストリームを前記COタービン(2003)に移送するように構成されている、請求項1に記載の搬入および搬出ステーション。
【請求項3】
熱リンケージ(1030)を介して前記外部熱交換器(2001)に動作可能に接続された熱源(40)をさらに含み、前記熱源(40)が、前記外部熱交換器(2001)内の前記高圧低温のCOストリームを加熱するためのエネルギーを提供する、請求項2に記載の搬入および搬出ステーション。
【請求項4】
前記外部熱交換器(2001)を出る前記高圧高温のCOストリームが、100℃~800℃の範囲の温度を有する、請求項3に記載の搬入および搬出ステーション。
【請求項5】
前記CO圧縮ユニット(36)が、前記COを200~500バールの範囲の圧力に圧縮する、請求項1に記載の搬入および搬出ステーション。
【請求項6】
前記熱源は、隣接するユーティリティプラントからの廃熱である、請求項3に記載の搬入および搬出ステーション。
【請求項7】
前記CO圧縮ユニット(36)および前記超臨界COユニット(37)と流体連通しているCOパイプライン(38)をさらに含み、前記COパイプライン(38)は、前記CO圧縮ユニット(36)から圧縮されたCOの少なくとも一部を受容するように構成されている、請求項1に記載の搬入および搬出ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月25日に出願された米国特許出願第62/797,031号、発明の名称「Process and Method for Transporting Liquid Hydrocarbon and CO for Producing Hydrogen with CO Capture」の優先権およびその利益を主張するものであり、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、流体の輸送、より具体的には、エネルギー消費および運送コストを低減する、COおよび炭化水素を輸送するための効率的かつ効果的な方法に関する。
【背景技術】
【0003】
二酸化炭素(CO)または液体炭化水素を長距離輸送することは、環境への懸念と、流体を安全に輸送するために要求される必要な温度および圧力のために困難であり得る。COまたは液体炭化水素を長距離輸送するための1つの可能な方法は、半加圧および冷凍の船または運搬船の使用による。
【0004】
しかしながら、これらの運搬船を使用した運送は非効率的であり得る。例えば、COまたは炭化水素は、第1のポイントから第2のポイントに運送されるが、通常、船は空荷で第1のポイントに戻るため、運送コストが高くなる。加えて、COおよび液体炭化水素の運送には、エネルギーを高レートで消費する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、エネルギー消費および運送コストを低減する、COおよび炭化水素を輸送するための効率的かつ効果的な方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、船内の少なくとも1つの貯留タンクからの第1の流体の搬出と、同じ船の貯留タンクへの第2の流体の搬入と、を同時に行う搬入および搬出ステーションが提供される。搬入および搬出ステーションは、第1の流体を搬出するために、少なくとも1つの貯留タンクに流体接続する第1のコネクタ、および第2の流体の供給源を含む。搬入および搬出ステーションはまた、第2の流体を少なくとも1つの貯留タンクに搬入するために、第2の流体の供給源を船の少なくとも1つの貯留タンクに流体接続する第2のコネクタを含む。搬入および搬出ステーションは、搬出される第1の流体と搬入される第2の流体との間の第1の熱リンケージをさらに含み、搬入および搬出ステーションでの第1の流体と第2の流体との間の熱伝達を容易にする。
【0007】
搬入および搬出ステーションの別の態様において、第1の流体は、液化石油ガス(LPG)を含むことができ、第2の流体は、COを含むことができる。さらなる態様において、第1の熱リンケージは、熱交換器を含むことができ、これはLPGの冷気をCOに伝達して、COの冷却をもたらす。別の態様において、搬入および搬出ステーションは、炭素含有源から生成されたCOを回収するように構成されているCO回収ユニットと、CO回収ユニットおよび第2の流体の供給源に流体接続されているCO液化ユニットと、をさらに含む。CO液化ユニットは、回収されたCOをCO回収ユニットから受容し、回収されたCOを所望の貯留状態および輸送状態に液化するように構成されている。さらなる態様において、CO回収ユニットおよびCO液化ユニットは、単一のユニットであり得る。
【0008】
別の態様において、搬入および搬出ステーションは、LPGを搬出するための少なくとも1つの貯留タンクに流体接続された水素生成ユニットをさらに含む。水素生成ユニットは、LPGを搬出するために少なくとも1つの貯留タンクからLPGを受容し、水素を生成するための供給ストリームとしてLPGを利用するように構成されている。さらなる態様において、CO回収ユニットは、水素生成ユニットに動作可能に接続され、水素生成ユニットにおいて生成された合成ガスからCOを回収するようにさらに構成されている。
【0009】
別の態様において、搬入および搬出ステーションは、船内の少なくとも1つの貯留タンクからLPGの少なくとも一部を受容するように構成されている膨張装置をさらに備える。膨張装置は、LPG搬出ユニットへの送達前にLPGの圧力を低減するように構成されている。
【0010】
第2の態様において、船内の少なくとも1つの貯留タンクからCOを順次搬出し、同じ船の貯留タンクにLPGを搬入するための搬入および搬出ステーションが提供される。搬入および搬出ステーションは、LPG生成ユニット、LPG貯留ユニットを含み、LPG貯留ユニットは、LPG生成ユニットと流体連通している。搬入および搬出ステーションはまた、LPGを船の貯留タンクに搬入するために、LPG貯留ユニットへの流体接続のための第1のコネクタ、およびCOをCO貯留ユニットに搬出するための第2のコネクタを含む。搬入および搬出ステーションは、(A)LPG生成ユニットおよびCO貯留ユニットに関連付けられている第1の熱リンケージを介してLPGの液化を容易するためにCOから冷気を伝達するように構成されている第1の熱リンケージと、(B)第2の熱リンケージを介してLPG貯留ユニットの温度を維持するように構成されている第2の熱リンケージとのうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0011】
さらなる態様において、搬入および搬出ステーションは、COを所定の圧力を上回って圧縮するCO圧縮ユニットと、圧縮ユニットからCOを受容する超臨界COユニットと、をさらに含み、これによって高圧低温のCOストリームは、LPG生成ユニットおよびLPG貯留ユニットのうちの少なくとも1つと熱リンケージされる。さらなる態様において、超臨界COサイクルは、内部熱交換器、外部熱交換器、およびCOタービンを含む。内部熱交換器は、高圧低温のCOストリームを加熱し、外部熱交換器に高圧低温のCOストリームを移送するように構成されている。外部熱交換器は、高圧高温のCOストリームを作成するために、高圧低温のCOストリームをさらに加熱するように構成されており、高圧高温のCOストリームをCOタービンに移送するように構成されている。COタービンは、電力を発生させるために、高圧高温のCOストリームを膨張させるように構成されている。さらなる態様において、搬入および搬出ステーションは、熱リンケージを介して外部熱交換器に動作可能に接続された熱源をさらに含む。熱源は、外部熱交換器において高圧低温のCOストリームを加熱するためのエネルギーを提供する。さらなる態様において、外部熱交換器を出る高圧高温のCOストリームは、100℃~800℃の範囲の温度を有する。別の態様において、CO圧縮ユニットは、COを200~500バールの範囲の圧力に圧縮する。
【0012】
第3の態様において、COおよび液体炭化水素を同時に搬入および搬出するためのシステムが提供される。本システムは、COまたは液体炭化水素を移送するように構成されており、かつ液体炭化水素およびCOの少なくとも1つを搬入および搬出するように構成された少なくとも1つの貯留タンクを備える船を含む。本システムはまた、液体炭化水素が生成される第1のステーションを含む。第1のステーションは、液体炭化水素搬入ユニット、液体炭化水素搬入ユニットを選択的に接続するように構成された第1の導管、およびCO搬出ユニットを含む。第1のステーションはまた、CO搬出ユニットを船に選択的に接続するように構成された第2の導管と、(a)液体炭化水素の液化を容易にするために第2の導管から第1の導管へ冷気を伝達するように構成されている第1の熱リンケージ、および(b)第1の導管と第1の導管における液体炭化水素の凝縮を引き起こすように構成されている第2の導管との間の第2の熱リンケージのうちの少なくとも1つと、を含む。本システムには、COを収集する第2のステーションも含まれている。第2のステーションは、CO搬入ユニットと、CO搬入ユニットを船に選択的に接続するように構成された第3の導管と、液体炭化水素搬出ユニットと、液体炭化水素搬出ユニットを船に選択的に接続するように構成された第4の導管と、を含む。第1のステーションにおいて、船は、CO搬出ユニットを介してCOを搬出すると同時に、液体炭化水素を少なくとも1つの貯留タンクに搬入するように構成されている。第2のステーションにおいて、船は、液体炭化水素搬出ユニットを介して液体炭化水素を搬出すると同時に、COを少なくとも1つの貯留タンクに搬入するように構成されている。
【0013】
システムの別の態様において、第2のステーションは、炭素含有源から生成されたCOを回収するように構成されたCO回収ユニット、およびCO搬入ユニットに流体接続されたCO液化ユニットをさらに含む。CO液化ユニットは、回収されたCOをCO回収ユニットから受容し、回収されたCOを所望の貯留状態および輸送状態に液化するように構成されている。第2のステーションはまた、CO液化ユニットと第4の導管との間に第3の熱リンケージを含み、この第3の熱リンケージはCO液化を補助するように構成されている。
【0014】
システムの別の態様において、第1のステーションは、CO搬出ユニットに流体接続され、かつCO搬出ユニットからCOを受容するように構成されたCO貯留ユニットをさらに含む。この態様において、第1のステーションはまた、CO貯留ユニットに流体接続され、かつCO搬出ユニットからCOを受容するように構成されたCO圧縮ユニットを含み、CO圧縮ユニットは、COを所定の圧力を上回って圧縮するように構成される。さらなる態様において、本システムは、CO圧縮ユニットに流体接続されたCO超臨界サイクルをさらに含み、CO超臨界サイクルは、CO圧縮ユニットからCOを受容し、電力を発生させるように構成される。さらなる態様において、船は、ボイルオフ圧縮ユニット、非凝縮性分離ユニット、およびボイルオフ液化ユニットをさらに含む。ボイルオフ圧縮ユニットは、少なくとも1つの貯留タンクに流体接続され、COおよび窒素のような非凝縮性ガスを含む少なくとも1つの貯留タンクからボイルオフストリームを受容し、そのボイルオフストリームを圧縮するように構成されている。非凝縮性(例えば、窒素)分離ユニットは、ボイルオフ圧縮ユニットに流体接続され、圧縮されたボイルオフストリームを受容し、かつ非凝縮性ガスをCOから分離するように構成されている。ボイルオフ液化ユニットは、非凝縮性分離ユニットに流体接続され、分離されたCOを受容し、COを液化し、かつ液化されたCOを移送し、少なくとも1つの貯留タンクに戻すように構成されている。
【0015】
本出願の実施形態の追加の態様、特徴、および有益点は、図面を参照して以下の詳細な説明に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】1つ以上の実施形態による、例示的なCOおよび液体炭化水素輸送スキームの図を表す。
図2】1つ以上の実施形態による、COおよび液体炭化水素輸送スキーム内に統合するための例示的な超臨界COサイクルの図を表す。
図3A】1つ以上の実施形態による輸送スキームにおける例示的な熱リンケージを含む、COおよび液体炭化水素輸送スキームの実施形態の高レベルの図を表す。
図3B】1つ以上の実施形態による輸送スキームにおける例示的な熱リンケージを含む、COおよび液体炭化水素輸送スキームの実施形態の高レベルの図を表す。
図4】1つ以上の実施形態による、ボイルオフ圧縮および液化ユニットを備えた船を有する従来のLPG/CO輸送スキームを示す。
図5】1つ以上の実施形態による、CO回収および液化のための従来の構成を示す。
図6】1つ以上の実施形態による、従来のボイルオフ再液化ユニットを示す。
図7】1つ以上の実施形態による、CO液化ユニット用の従来の閉ループシステムを示す。
図8】1つ以上の実施形態による、CO液化ユニット用の従来の開ループシステムを示す。
図9】1つ以上の実施形態による、パイプラインCO液化用に最適化されたプロセス構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本出願は、液体炭化水素およびCOを効率的に輸送し、輸送スキームの全体的なエネルギー消費を低減するためのシステムおよび方法を説明する。さらに、本システムおよび方法は、液体炭化水素施設とCO施設との間の熱リンケージ機構を伴い、これにより、搬出および搬入プロセスの少なくとも一方、好ましくは両方のプロセス中に、COの「冷気」を利用することができ、よって追加のエネルギー節約が実現される。
【0018】
1つ以上の実施形態において、本システムは、液体炭化水素搬入施設およびCO搬出施設を有する第1の場所(「ポイントA」)、CO搬入施設および液体炭化水素搬出施設を有する第2の場所(「ポイントB」)を含む液体炭化水素/CO輸送スキームと、第1の場所と第2の場所との間で、COおよび液体炭化水素供給原料を代替的に移送するように構成されている船(例えば、船舶、タンクローリまたはタンカ鉄道車両のような陸上車両)を含む。液体炭化水素供給原料は、船を介してポイントAからポイントBに輸送され、続いて、ポイントBにて水素が生成される。次に、同じ船が、ポイントBでの水素生成から回収されたCOをポイントAへ輸送して戻す。1つ以上の実施形態において、ポイントAおよびBの両方の施設は、CO施設と液体炭化水素施設との間の熱/冷気統合(例えば、熱伝達、冷気伝達)を提供するように構成された1つ以上の熱リンケージ(例えば、熱交換器、ヒートパイプ)を含むことができる。輸送スキームの戦略的な場所でのこのエネルギー移送は、CO/液体炭化水素の貯留および輸送の全体的なエネルギー消費および輸送コストを低減する。
【0019】
ここで、言及される液体炭化水素およびCOを輸送するためのシステムおよび方法について、システムおよび方法の1つ以上の図示された実施形態および/または構成が示される、添付の図面を参照してより十分に説明する。本出願のシステムおよび方法は、図示された実施形態および/または構成として、図示された実施形態および/または構成に決して限定されない。添付の図に示されるようなシステムおよび方法は、本出願のシステムおよび方法の単なる例示であり、これは、当業者によって認識されるように様々な形態で具体化され得ることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示されるいずれの構造および機能の詳細も、システムおよび方法を限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、当業者に、システムおよび方法を実装するための1つ以上の手法を教示するための代表的な実施形態および/または構成として提供されることを理解されたい。
【0020】
図1は、1つ以上の実施形態による、COおよび液体炭化水素施設の熱/冷気統合を利用する、 COおよび液体炭化水素輸送のための例示的なシステムの図を表す。本システムは、CO搬入施設および炭化水素搬出施設を含む第1の場所「ポイントA」(点線で示される)と、炭化水素搬入施設およびCO搬出施設を有する第2の場所「ポイントB」(破線で示される)と、ポイントAとBとの間で液体COおよび液体炭化水素を代替的に輸送するように構成されている船50と、を含む。ポイントAおよびBでの炭化水素およびCO施設は、例えば、当業者が理解するように、COおよび炭化水素ストリームの流れ、温度、および圧力を制御するための、多数のコンテナ、パイプ、パイプライン、コネクタ、ゲージ、およびバルブを含むことを理解すべきである。例えば、(1)液体CO搬出および液体炭化水素搬入または(2)液体CO搬入および液体炭化水素搬出のいずれかについて、流体接続を確立でき、かつ調節された流れを可能とする設備を収容するポイントAおよびBのような1つ以上のドッキングステーション(搬入および搬出ステーション)があり得る。
【0021】
船50は、図1では船舶(例えば、船またはタンカ)として表されているが、他の実施形態において、船は、陸上車両(例えば、タンクローリもしくは列車用のタンク車)、またはLPGおよびCOを輸送するように構成されている他のタイプの運搬船であり得る。さらに、図示され、以下の説明に記載される液体炭化水素は液化石油ガス(LPG)であるが、他の実施形態では、液化天然ガス(LNG)などの他のタイプの液体炭化水素を利用することができる。図1に例示されるように、船50は、COおよび/または液体炭化水素(例えば、LPG)を貯留するための1つ以上の貯留コンテナ(貯留タンク)52を有することができる。
【0022】
当技術分野で既知であるように、典型的なLNG海上運搬船は、船舶の中心線に沿って4~6個の貯留タンクを有している。これらの貯留タンクを囲むのは、バラストタンク、コッファダム、およびボイドの組み合わせであり、事実上、船舶に二重船殻タイプの設計を提供する。
【0023】
各貯留タンク内には、通常3つの水中ポンプがある。積み荷排出作業で使用される2つの主要な積み荷ポンプと、スプレーポンプと呼ばれるはるかに小さいポンプがある。スプレーポンプは、燃料として使用する液体LNGを(気化器を介して)ポンプで排出するため、または積み荷タンクを冷却するために使用される。また、排出作業で最後の積み荷を「しぼり切る」ためにも使用され得る。これらのポンプはすべて、タンクの上部からぶら下がってタンクの深さ全体に延びるポンプタワーとして既知であるものの中に収容されている。ポンプタワーには、タンクゲージシステムとタンク充填ラインも含まれており、これらはすべて、タンクの底部近くに位置している。
【0024】
メンブレンタイプの船舶には、重量または圧力で開くことができるばね式のフットバルブを備えた空のパイプもある。この構造は、非常用ポンプタワーを表している。両方の主要な積み荷ポンプが故障した場合は、上部をこのパイプから取り外し、緊急積み荷ポンプをパイプの下部まで下げることができる。塔の上部を元に戻し、次に、ポンプでフットバルブを押し下げて開く。その後、積み荷を安全にポンプで排出できる。
【0025】
すべての積み荷ポンプは通常、船の甲板に沿って延びる共通のパイプ内に排出し、それは、船の両側に分岐して、搬入または排出に使用される積み荷マニホールドに排出する。すべての積み荷タンクの蒸気スペースは、積み荷ヘッダと平行に延びる蒸気ヘッダを介して結合されている。これはまた、搬入および排出マニホールドの隣の船の側面に接続している。
【0026】
したがって、船がLNG運搬船を含む場合、流体、この場合は、LPGもしくはCOのいずれか、または他の好適な流体(液体または気体)は、それぞれの積み荷の搬入および搬出のために積み荷マニホールドを通過する(例えば、この場合、一実施形態によれば、LPGまたはCO)。
【0027】
図1を引き続き参照すると、ポイントAから開始して、LPGストリームは、ガス凝縮および石油ストリームの分別およびその後の液化を介して、LPG生成ユニット10で生成され得る。LPGストリームを生成するために、任意の数の従来の技術を使用できることが認識されよう。次に、生成されたLPGストリームは、ライン100(例えば、導管、配管)を介してLPG貯留施設11(タンクなど)に輸送され得、そこでLPGは、LPGを液相に維持するために適切な温度および圧力で貯留される。図を参照して本明細書で使用される場合、番号が付けられた「ライン」(例えば、ライン100)は、炭化水素および/またはCOを含む流体を、COおよび炭化水素施設の様々な生成、処理、および貯留ユニット間で移送するように構成された導管または配管を指す。
【0028】
1つ以上の実施形態において、LPG貯留施設11は、約-50℃~周囲温度の温度、および約0.5バール~15バールの圧力に維持される。しかしながら、これらの値は単なる例示であり、貯留施設のタイプなどに応じて他の貯留条件を使用することができる。
【0029】
船50がポイントAで搬入する準備ができている場合、LPGストリームは、ライン101を介してLPG貯留施設11から引き出され、LPG搬入施設12に移送される。次に、LPGストリームは、搬入施設12からライン102を介して船50に移送される。少なくとも1つの実施形態において、システムは、LPGの一部を船からLPG搬入ユニット12、LPG貯留施設11、および/またはLPG生成ユニット10に移送して戻すガス状LPGライン120をさらに含むことができる。システムが過圧に対応できない場合、過剰なLPGが燃え上がる可能性があるため、ライン120が船内の圧力を制御するために使用される。
【0030】
LPGが船50に(例えば、積み荷マニホールドを介して積み荷タンクに)搬入されると、船50は、LPGをポイントA(出発地)からポイントB(目的地)に輸送する。船50は、LPG輸送のために選択された圧力および温度にLPGを維持するように選択的に構成され、また以下でさらに詳細に考察されるように、液化CO輸送のために選択された圧力および温度を維持するように構成される。
【0031】
LPGを運ぶ船50がポイントBに到着すると、LPGは、船50からライン103を通ってLPG搬出ユニット13に搬出される。搬出された後、次に、LPGストリームは、搬出ユニット13からライン104を介してLPG貯留施設14に搬送される。LPG貯留施設14は、例えば、国内のLPG流通を制御するための大容量施設であり得るか、またはより小さな容量であり得、産業またはネットワークに移送される前にLPG搬出のためのバッファとして構築される。ポイントAでの搬入プロセスと同様に、1つ以上の実施形態においては、ポイントBでのLPG貯留施設14(搬出LPG貯留施設)は、LPG貯留施設14における圧力を制御するため、およびシステムにおける過剰な圧力の上昇を燃やすかまたは排出するために、船50に接続して戻すガス状LPG戻りライン121を含む。
【0032】
1つ以上の実施形態において、LPGストリームは、貯留施設14から、ライン105を介して近くのLPGパイプライン15に、または代替的に別の産業施設に続いて搬送され得る。少なくとも1つの実施形態において、LPGパイプライン15への搬送後、LPGストリームは、ライン106を介して近くの水素生成施設20に供給され得、この水素生成施設では、LPGストリームを供給原料として使用して水素を生成する。水素生成ユニット20は、水蒸気改質、部分酸化、自動熱改質、または炭化水素供給原料から水素を生成することができる当業者に既知である他の任意の技術に基づくことができる。これらユニットにおいて、水素は合成ガスから分離されて水素ネットワークに供給されるか、または近くの産業で消費される(ライン200)。水素生成ユニット20はまた、CO回収ユニット30に動作可能に接続することができる。CO回収ユニット30は、通常、高圧で搬送される水素生成ユニット20の合成ガスから(ライン300を介して)COを回収するように構成される。少なくとも1つの実施形態において、第2のCO回収ユニットが存在し得、水素生成ユニット20が、水素を作製するために水蒸気LPG改質プロセスを利用する実施形態において、炉の煙道ガス(すなわち、低圧COストリーム)からCOを回収する。少なくとも1つの実施形態において、これらの2つのCO回収ユニットは、高圧および低圧のCOストリームを処理する単一のユニットに併合することができる。
【0033】
少なくとも1つの実施形態において、水素生成ユニット20からのCOは、高圧改質装置から回収することができ、CO回収レートは、LPG/CO船で輸送されて、ポイントAに戻され得る最大CO容量に一致するように適合され得る。COが、ローカルまたは近くの産業で必要とされる一実施形態において、一部を船で輸送し、別の一部を近くの産業で使用するために取っておくように、CO回収ユニットが設計され、かつCOを回収するように動作される(ライン400)。
【0034】
1つ以上の実施形態において、CO回収ユニット30が利用されて、炭素含有源から生成されたCOを回収する。例えば、図1に示されるように、1つ以上の実施形態において、CO回収ユニット30を利用して、水素生成ユニット20および/または近くのパイプライン(ライン301)から生成されたCOを回収することができる。他の実施形態において、回収ユニット30によって回収されるCOは、LPGなどの炭化水素の改質から、または化石燃料もしくはバイオマスの燃焼から生成され得る。少なくとも1つの実施形態において、CO回収ユニット30は、空気から直接COを回収することができる。図1の例示的な実施形態において、COは、炭化水素(LPGまたは天然ガス)が供給される水素生成ユニットから生成され、さらに、様々な供給源から、港から遠く離れてCOが回収され、パイプラインを介して港に移送され得る場合もある。
【0035】
図1を引き続き参照すると、CO回収ユニット30によって回収されたCOは、次に、ライン302を介してCO液化ユニット31に移送され得、そこでCOは、所望の貯留状態および/またはCO輸送状態に調整および液化される。一つ以上の実施形態において、液化COは、次に、ライン303を介してCO貯留施設32に供給され、船50における搬入および輸送に必要な量が集められる。
【0036】
少なくとも1つの実施形態において、CO回収ユニット30およびCO液化ユニット31は、低温または極低温の分離または蒸留に基づくCO精製ユニットなどの単一のユニットであり得る。CO回収および液化のための多くの構成は、図5に例示されるように、かつ参照により本明細書に組み込まれる、Gang Xu et.al.,Energies2014、7、3484-3502、doi、10.3390/en7053484に図示され、説明されるように、分離または液化によってCOを回収するために当技術分野で既知である。そのような場合、図1に示されるような熱リンケージ1110は、回収および液化ユニットの組み合わせと、ライン103Aおよび/またはLPG貯留ユニット14での低温LPGストリームとの間に動作可能に接続され得る。例えば、図5に示されるように、CO液化ユニット31がCO回収ユニット30と統合される実施形態において、熱リンケージ1100および/または1110(図1に示される)は、図5に示すように、LPGと1つ以上の内部熱交換器もしくは外部熱交換器H1、H2、H3、H4、H5、およびH6、ならびに/またはそれらの間のストリームとの間に提供され得る。LPG冷気の構成は、概して-50℃~周囲温度であるLPGストリーム温度よりも高い温度にあるCO液化ユニット内の任意のまたは複数のストリームまたは熱交換器に熱的に結合することができる。
【0037】
1つ以上の実施形態において、熱リンケージ1100および1110は、CO液化ユニット31と、ライン103/103Aおよび/またはLPG貯留ユニット14でのLPGストリームとの間の熱連通を確立するための当技術分野で既知である任意の機構であり得る。例えば、熱リンケージ1100および/または1110は、それがCOストリームおよびその液化エネルギーの温度の低減と、コールドシンクとしての機能に寄与することができるように、LPGストリームの冷気をCO液化ユニット31に伝達する熱交換器または熱伝達ループを含むことができる。LPGストリームの低温度のため、ライン103/103Aおよび/またはLPG貯留ユニット14は、CO液化ユニット31のコールドシンクとして作用することができる。熱伝達ループは、例えば、低凝固点を有する伝達流体を含むことができ、伝達流体は、ポンプまたは他の実用的な手段を使用して熱伝達ループ内を循環することができる。熱伝達ループ(熱リンケージ1100および1110)を介したLPG(ライン103/103Aおよび/またはLPG貯留ユニット14)からCO液化ユニット31への冷気の熱伝達は、熱交換器フィンまたはコイル、ヒートパイプ、および好適な熱交換器流体、例えば、ペンタン、ヘキサン、または水エチレングリコール混合物などの高標準沸点温度の炭化水素を介することを含む当技術分野で既知である様々な方法で達成することができる。
【0038】
1つ以上の実施形態において、CO液化ユニット31は、図1に示されるように、CO回収ユニット30から独立することができる。そのような実施形態において、CO液化ユニットは、外部冷凍システム、または図7に提示され、かつ参照により本明細書に組み込まれる、Youngkyun Seo et.al.,Comparison of CO Liquefaction Pressures for Ship-Based Carbon Capture and Storage (CCS) Chain, International Journal of Greenhouse Gas Control, 52 (2016), 1-12、に図示され、記載されているシステムなどの閉ループシステムに基づくことができる。代替的に、CO液化ユニットは、Linde Hampson system (図8に描写され、かつ参照により本明細書に組み込まれるYoungkyun Seo et. al.,に図示され、記載されている)のような開ループシステムおよび/または別の同様のシステムに基づくことができる。図7に示される例のような閉ループシステムの場合、熱リンケージ1100および/または1110(図1に示される)は、LPGと、1つ以上の熱交換器HX1、HX2、フラッシュ冷却器I、フラッシュ冷却器II、および/もしくはそれらの間のストリーム、ならびに/または図7に示すようなライン711との間に提供され得る。図8のような開システムの場合、熱リンケージ1100および/または1110(図1に示す)は、LPGと、1つ以上の熱交換器である、熱交換器I、熱交換器II、および/もしくはそれらの間のストリーム、ならびに/または図8に示すようなライン813との間に設けることができる。
【0039】
再び図1を参照すると、少なくとも1つの実施形態では、COは、パイプラインを介してCO搬入施設33に搬送され、事前調整され得る。そのような実施形態において、ユニット31でのCO液化プロセスは依然として必要であるが、その構成は、上で提示された様々な液化ユニットとは異なる可能性がある。例えば、図9は、参照により本明細書に組み込まれる、Frithjof Engel, Improvements on the Liquefaction of a Pipeline CO Stream for Ship Transport, International Journal of Greenhouse Gas Control 72 (2018) 214-221,に図示され、記載されているような、パイプラインCO液化のために最適化されたプロセス構成を示す。そのような構成において、本システムの熱リンケージ1100および/または1110(図1に示される)は、LPG(ライン103/103Aおよび/またはLPG貯留ユニット14)と、図9に示されるように、1つ以上の熱交換器HX21、HX22、HX23、HX24、および/またはそれらの間のストリームとの間に提供され得る。
【0040】
再び図1を参照すると、船50にCOを搬入する準備ができると、CO搬入施設33は、ライン304を介してCO貯留施設32からCOを引き出し、ライン305を介して船50に移送する。少なくとも1つの実施形態において、CO液化ユニット31および/またはCO貯留施設32へのガス状CO戻りラインを利用して、COの搬入中に船50内の圧力を制御することができる。長距離を移送される場合、COは超臨界状態のパイプラインを介して輸送され得る。そのような場合、超臨界COは、船50に移送される前に液化される。
【0041】
1つ以上の実施態様において、船50は、同時にCOの搬入およびLPGの搬出、逆に、同時にLPGの搬入およびCOの搬出を可能にするように構成され得る。そのような一実施形態において、ポイントBで、船50は、ライン103を介してLPGを搬出し、同時にライン305を介してCOを搬入するように構成される。同時の搬入および搬出がある少なくとも1つの実施形態において、LPG搬出ライン103および/またはライン104は、LPGストリームの冷気がCOストリームの温度の低減およびその液化に寄与することができるように、CO液化ユニット31と熱リンケージ1100することができる。本明細書で表現されるように、「熱リンケージ」は、1つ以上の熱交換器、熱パイプまたは中間流体ループを介した熱伝達、より高温のストリームによって加熱され、より低温のストリームによって冷却される中間固体材料を介した熱伝達、または2つのストリームの間の熱伝達(または冷気伝達)を可能にする当業者に既知である他の手段を指す。
【0042】
少なくとも1つの実施形態において、ポイントBでのLPGの搬出中に、LPG搬出ライン103の全部または一部を、ライン103Aを介してLPG搬出ユニット13に移送する前に膨張装置16に供給することができる。搬出されたLPGの少なくとも一部を膨張装置16に供給すると、LPGの圧力およびその温度が低減する。1つ以上の実施形態において、ライン103Aは、CO液化ユニット31、CO搬入ストリーム305、船50をCO貯留施設32またはCO液化ユニット31に接続するCO蒸気ストリーム、および/またはLPG貯留ユニット14のうちの1つ以上と熱リンケージ(例えば、熱リンケージ1110を介して)している。1つ以上の実施形態において、ライン103と上記のラインまたはユニットの1つ以上との間の熱リンケージ1110は、ライン103Aにおける低温低圧LPGストリームがその温度を維持することを可能にし得る。そのような実施形態において、より高温のLPGストリーム(ライン103)は、貯留に供給される前に圧縮および再液化され得る。
【0043】
COの搬入が完了すると、船50は、COをポイントBからポイントAに輸送することができる。代替的に、船50は、COの全部または一部を別の地上の、沿岸の、または沖合の搬出ポイントに輸送することができる。少なくとも1つの実施形態において、COは、CO摂取量を最大化し、潜熱を利用して熱損失および輸送中のCOのボイルオフを抑制するために、液体CO中の懸濁液中の固体COの混合物であるスラリーとして輸送され得る。
【0044】
1つ以上の実施形態において、船50は、輸送中にLPGボイルオフを凝縮するための専用の圧縮および液化ユニットと、COボイルオフ液化のための別の圧縮および液化ユニットと、を有することができる。代替的に、船50は、COおよびLPGの両方に同じボイルオフ液化ユニットを使用することができる。図4は、1つ以上の実施形態による、ボイルオフ圧縮および液化ユニット69を備えた船を有する典型的なLPG/CO輸送スキームを示している。
【0045】
COの典型的なボイルオフ再液化ユニットは図6に示され、さらに参照により本明細書に組み込まれる、Seok Goo Lee et. al.,Chemical Engineering Research and Design 124 (2017)29-45に図示され、説明されている。特定の構成において、COからの非凝縮性化合物の分離はない。しかしながら、図1に示されるように、1つ以上の実施形態において、非凝縮性化合物は、船50での輸送中にCOストリームから分離され得る。
【0046】
図1に例示されるように、1つ以上の実施形態において、本出願のシステムは、液体CO中の非凝縮性ガス含有量を低減し、かつボイルオフ再液化に費やされるエネルギーを低減する窒素分離ユニットまたは非凝縮性分離ユニット61を含むボイルオフ液化ユニットを開示する。図1に示すように、非凝縮性分離ユニット61は、窒素(N)分離ユニットとして示されている。しかしながら、1つ以上の実施形態において、限定されないが、O、COまたはメタンを含む窒素以外の非凝縮性ガスもまた、分離ユニット61においてCOから分離され得ることが理解されるべきである。1つ以上の実施形態において、船がCOを輸送している場合、船内のボイルオフストリーム601は、ボイルオフ圧縮ユニット60で圧縮され、ライン602を介して非凝縮性分離ユニット61に供給され、そこで窒素および他の非凝縮性化合物は、COストリームから分離される。分離された窒素(N)および非凝縮性化合物は、ライン603を介して分離ユニット61から除去される。次に、分離されたCOストリームは、ボイルオフ液化ユニット62に移送され、そこで液化されてから、ライン605を介して船50の貯留コンテナ52に供給される。したがって、本システムは、ボイルオフ液化および圧縮ユニットならびに非凝縮性分離ユニットを使用して、COが船50により輸送されている間にそのCOを精製することができる。
【0047】
分離ユニット61は、COストリームから窒素および非凝縮性化合物を分離することができるメンブレン技術、吸着技術、または当技術分野で既知である他の任意の技術に基づくことができる。分離ユニット61の好ましい実施形態は、メンブレン技術および/または極低温分離を含む。この後者の場合、ユニット61は、分離ユニット(図5に提示されている)、および参照により本明細書に組み込まれる、Gang Xu et.al.,Energies 2014,7,3484-3502,doi:10.3390/en7053484に図示および記載されているように、COを液化し、同時に非凝縮性化合物を捨てる低温のユニットであり得る。
【0048】
COがポイントBからポイントAに輸送される実施形態において、ポイントAに到着すると、COは、ライン306を介して船からCO搬出ユニット34に移送され、次に、COが中間CO貯留施設35にライン307を介して搬送される。施設35での一時的な貯留後、COは、ライン308を介してCO圧縮ステーション(ユニット)36に搬送され、そこでCOストリームは、所定のCO利用圧力またはCOパイプライン圧力に圧縮される。次に、1つ以上の実施形態において、圧縮されたCOの少なくとも一部は、ステーション36からライン309を通ってCOパイプライン38に移送され得る。
【0049】
1つ以上の実施形態において、ポイントAはまた、CO圧縮ステーション36および/またはCOパイプライン38に動作可能に接続されている超臨界COサイクル37を含むことができる。ステーション36からの圧縮されたCOの少なくとも一部は、ライン310を介して超臨界COサイクル37に供給され得る。
【0050】
1つ以上の実施態様において、CO貯留施設35から引き出されたCO(概して約-50℃~周囲温度で動作)は、CO圧縮ステーション36においてCOパイプライン圧力まで圧縮される。COパイプライン圧力は、約10バールから約200バールの範囲であり得、少なくとも1つの実施形態では、200バールを上回り得る。特定の実施形態において、COの少なくとも一部は、次に、利用プラントに搬送され、帯水層もしくは地層において地下隔離され、または原油増進回収もしくはリザーバ加圧に使用され得る。
【0051】
実施形態の少なくとも1つにおいて、CO圧縮ユニット36は、COパイプライン圧力(典型的には200~500バール)を上回る圧力までCOを圧縮し、COの少なくとも一部を、電力を生成するための原動力流体としてCOが使用される、超臨界COユニット37に、ライン310を介して提供する。1つ以上の実施形態による例示的な超臨界COユニット(例えば、超臨界COボトミングサイクル)が図2に提供されている。
【0052】
図2を参照すると、超臨界COユニット37において、高圧低温COストリームは、内部熱交換器2000においてさらに加熱される前に、LPG施設(図1に示される熱リンケージ1010および1011)と熱リンケージされる。次に、COストリームは、熱源40と熱リンケージ1030する外部熱交換器2001にライン320を介して移送され得る。熱源40は、例えば、隣接するプラントで利用可能な廃熱、またはLPG生成施設のユーティリティエリアからの熱、または近くの産業から利用可能な任意の熱であり得る。この熱リンケージ1030は、ライン321において外部熱交換器2001を出るCOストリームの温度が約100℃から800℃に達するのを可能にし得る。次に、この高圧高温のCOストリーム(ライン321内)は、COタービン2003に搬送され得、そこで膨張して、機械的作業、かつ最終的には電気を発生する。1つ以上の実施形態において、ライン322を介してCOタービン2003を出るCOストリームは、COパイプライン圧力を少し上回る圧力を有し、かつ約80℃~約700℃の温度を有する。ライン322中のCOストリームは、次に、内部熱交換器2000へ供給され得、ライン310から入ってくる高圧COストリームを加熱しながら、冷却され、その後、ライン311を介して熱交換器2000を出て、COパイプライン38に供給される。
【0053】
特定の実施形態において、複数の圧縮段階がある構成を含む、当技術分野で既知の、超臨界COサイクル37の他の構成を使用することができる。説明した本出願のシステムはまた、当業者に既知の他の超臨界COサイクル構成のいずれかを用いて、熱源40との熱リンケージおよびLPG施設との熱リンケージを可能にする。少なくとも1つの実施形態において、CO圧縮ステーション36は、COの一部がCOパイプライン圧力に圧縮され、ライン309を介してCOパイプライン38に搬送される一方で、COストリームの残りの部分は、高圧に圧縮されて、ライン310を介して超臨界COサイクル37に供給される、多段階圧縮システムであり得る。
【0054】
船50がポイントAにおいて、同時のLPG搬入およびCO搬出を可能にするように構成される実施形態において、熱リンケージ1000は、CO搬出ライン306とLPG搬入ライン102またはLPGライン101との間に存在し得る。熱リンケージ1000は、LPGストリーム(通常、周囲~約-40℃の温度に維持される)とCOストリーム(通常、CO三重点温度[約-56℃]~+10℃の温度に維持される)との間の熱伝達を可能にする。この熱伝達により、LPGストリームをさらに冷却し、LPG貯留施設11と比較してより低い温度で船50に貯留することができる。さらに、少なくとも1つの実施形態において、LPGストリームの追加の冷気は、LPG搬出場所(ポイントB)でのLPGストリームの温度を維持するため、および/または追加のエネルギー伝達のために使用され得る。少なくとも1つの実施形態において、CO搬出ライン306は、ガス状LPGライン120(熱リンケージ1001)と熱リンケージすることができ、これは、ガス状LPGの凝縮を可能にし、LPG生成ユニット10および/またはLPG貯留施設11での負荷を低減する。
【0055】
ポイントBでの熱リンケージ1100および1110と同様に、熱リンケージ1000および1001は、例えば、低い凝固点を有する伝達流体を含むことができる1つ以上の熱交換器または熱伝達ループを含むことができる。伝達流体は、ポンプまたは他の実用的な手段を使用して、熱伝達ループ内を循環することができる。熱伝達ループ(複数可)(熱リンケージ1000および1001)を介したLPGライン(ライン102および120)とCOライン306との間の熱伝達は、熱交換器フィンまたはコイル、ヒートパイプ、および、ペンタン、ヘキサン、または水エチレングリコール混合物などの、例えば、高標準沸点温度炭化水素のような好適な熱交換器流体を介することを含む、当技術分野で既知の様々な方法において達成され得る。
【0056】
少なくとも1つの実施形態において、2つの船50を使用して、液体炭化水素(例えば、LPG)およびCOを同時に搬入/搬出することができ、船は、1つ以上の熱リンケージを介して一緒に結合することができる。例えば、第1の船がポイントBに到着してLPGを搬出し始め、第2の船が数時間または1日後に到着して(搬出する液体の量に応じて)同様にLPG積み荷を搬出することができる。第2の船がLPGを搬出している場合、第1の船の貯留タンクはCOを受容するためにパージングされ、調整され得る。したがって、第2の船と第1の船との間の熱リンケージを介して、第2の船から搬出されるLPGの冷気を使用して、第1の船に搬入されるCOストリームを冷却するか、または第1の船に接続されているCO液化ユニットに冷気を提供することができる。
【0057】
船50が同時の搬入/搬出用に構成されていない実施形態では、COストリームの冷気は、熱リンケージ1010を介してLPG生成ユニット10でのLPGの液化に寄与し、および/または熱リンケージ1011を介してLPG貯留施設11においてLPGの温度を維持することができる。熱リンケージ1010および1011は、LPG生成ユニット10および/またはLPG貯留施設11を、ライン307、ライン309、ライン310、および/またはCO貯留施設35のうちの1つ以上と接続することができる。図1は、熱加熱リンケージ1011がLPG貯留ユニット11に動作可能に接続されていることを示しているが、少なくとも1つの実施形態では、熱リンケージ1011は、LPG生成ユニット10および/またはLPGライン100に動作可能に接続され得る。ポイントBでの熱リンケージ1100および1110と同様に、熱リンケージ1010および1011は、例えば、低い凝固点を有する伝達流体を含むことができる1つ以上の熱交換器または熱伝達ループを含むことができる。伝達流体は、ポンプまたは他の実用的な手段を使用して、熱伝達ループ内を循環することができる。熱伝達ループ(熱リンケージ1100および1110)を介したLPG施設(LPG生成ユニット10、LPG貯留ユニット11)とCO施設(超臨界COサイクル37、CO貯留35)液化ユニット31との間の熱伝達は、熱交換器フィンまたはコイル、および、ペンタン、ヘキサン、または水エチレングリコール混合物などの、例えば、高標準沸点温度炭化水素のような好適な熱交換器流体を介することを含む、当技術分野で既知の様々な方法において達成され得る。本出願のシステムの他の熱リンケージは、当業者によって理解されるのと同様の方法で、または他の実用的な手段によって配置することができることも理解されたい。
【0058】
上で考察されるように、船がポイントAでLPG荷を搬入する(かつCOが搬出される)と、ポイントAからポイントBに輸送することができる。代替的に、船はLPG荷の全部または一部を別の地上の、沿岸の、または沖合の搬出ポイントに輸送することができる。船50は、輸送中のLPGならびに輸送中の液化COの圧力および温度要件を満たし、維持するように構成されている。例えば、船は、COを、その三重点温度(約-56℃)~+10℃、かつ約5バール~約50バールの圧力で輸送するように構成することができる。少なくとも1つの実施形態において、船は、COを、その三重点条件の近くで、三重点温度~-40℃のどこかで、かつ5~15バールの圧力で輸送するように構成される。船は、LPGのボイルオフを途中で凝縮するための専用の冷凍および液化ユニットを有し得るか、COおよびLPGに同じボイルオフ液化ユニットを使用できる。
【0059】
上で考察されるように、船50は、COおよび/または液体炭化水素(例えば、LPG)を貯留するための1つ以上の貯留コンテナ(貯留タンク)52を有することができる。1つ以上の実施形態において、船50は、LPG(または他の液化炭化水素ストリーム)のための少なくとも1つの専用貯留コンテナおよびCOのための少なくとも1つの専用貯留コンテナを有することができる。1つ以上の実施形態において、LPGおよびCOの貯留コンテナは、半加圧および冷凍することができる。少なくとも1つの実施形態において、共通の貯留コンテナを使用して、LPG(または他の液化炭化水素ストリーム)およびCOを輸送スキームのそれぞれの方向に輸送することができる。共通の貯留コンテナが使用される実施形態において、貯留タンクの調整(例えば、減圧、以前の流体、CO、またはLPGのパージング)は、ある流体から別の流体に切り替えるときに実行されなければならない。
【0060】
図1に示すポイントAおよびBなどの、様々な搬入および搬出施設において、船50は、液化炭化水素および/またはCOストリームを船に移送または船から受容するための流体接続を提供するように構成された、1つ以上の取り外し可能なコネクタ51(例えば、選択的に接続可能なパイプまたはチューブ)を使用した様々な搬入および搬出施設に選択的に接続するように構成されているのを理解されたい。1つ以上の実施形態において、各コネクタ51は2つの部分を含むことができる。コネクタ51の第1の部分は、搬入および搬出施設のパイプ/チューブに選択的に取り付けられている。同様に、コネクタ51の第2の部分は、船の貯留タンクのパイプ/チューブに選択的に取り付けることができる。コネクタ51の第1の部分および第2の部分は、船の貯留タンクのパイプ/チューブと、搬入および搬出施設のパイプ/チューブとの間の密封された接続を形成するように互いに嵌合することができる。
【0061】
上記の説明は、全般的に、「ポイントA」と「ポイントB」との間でLPGおよびCOを輸送する船に言及するが、特定の実施形態において、船50は、液体炭化水素ストリームおよび/またはCOをポイントAおよびポイントBとは異なる場所、例えば、他の地上の、沿岸の、または沖合の場所に輸送することができることも理解されたい。他の場所への輸送は、ポイントAおよび/またはポイントBへの輸送の代わりに、またはポイントAおよび/またはポイントBへの輸送に加えて行うことができる
【0062】
図3A図3Bは、1つ以上の実施形態による輸送スキームにおける例示的な熱リンケージ(熱交換器B2およびCX2を含む)を含む、COおよび液体炭化水素輸送スキームの実施形態の高レベル図を提供する。特に、図3A図3Bは、異なるフローで予想される統合オプションと温度および圧力のレベルのいくつかを示す高レベルのスキームを表している。
【0063】
少なくとも1つの実施形態において、図3A図3Bに示されるようなCOと炭化水素との共輸送については同じロジックに従うことができ、輸送スキームの両エンドでの熱統合を含むことができる。1つ以上の実施形態において、図1および図3A図3Bに示されるようなLPGは、液化天然ガス(LNG)で置き換えることができる。そのような実施形態において、COおよびLNGは、同じ船において輸送することができ、両方のターミナル(すなわち、ポイントAおよびB)で熱統合を有することができる。このような実施形態での主な違いは、LNGがCOより低い温度で輸送されることであり、したがってLNGの冷気は、COを液化し、CO貯留施設の温度を維持するために目的地ターミナル(すなわち、ポイントB)で使用される。LNG搬入側(ポイントA)において、COの冷気は、LNGの液化を補助するために使用される。超臨界COサイクルを供給するCOは、すべての場合において同じままである。
【0064】
少なくとも1つの実施形態において、LPGは、エチレン、ジメチルエーテル(DME)、または任意でCOを輸送して戻す任意の他の炭化水素担体などの他の炭化水素ベースの物質(好ましくは、C1~C7炭化水素の間で個別にまたは混合物として)で置き換えることができる。さらに、少なくとも1つの実施形態において、LPGは液化アンモニアで置き換えることができる。
【0065】
したがって、上記説明において記載されるように、本システムおよび方法は、搬出および/または隣接する施設と輸送される物品(例えば、COおよびLPG)の冷気との間の熱伝達およびエネルギー回収を可能にする。加えて、本システムおよび方法は、非凝縮性ガス(例えば、窒素)を除去しながら、COボイルオフの効果的な再液化およびCO精製を可能にする。さらに、本システムおよび方法は、COを輸送するためにLPGまたはアンモニアなどの炭化水素を運び、その復路において、空荷で戻る代わりに、追加の炭化水素を搬入する同じ船の使用を可能とすることによって、CO輸送コストの低減を可能にし、かなりのCO輸送コストを節約する。本システムおよび方法はまた、搬出ターミナルおよび/または近くの施設との冷気の統合を教示し、これは、搬出ターミナルでの全体的なエネルギー強度を低減する。
【0066】
本システムおよび方法はまた、この分野の欠点を克服している。特に、液体水素(すなわち、液体炭化水素)を長距離輸送するための効率的または実証済みの方法が不足しており、アンモニアまたはメチルシクロヘキサンなどの他の水素担体オプションは高価である。さらに、現在の技術は、両方のターミナルでのLPGとCOの冷気のエネルギー回収をリンクしていない(例えば、本スキームでは、ポイントAとポイントB)。結論として、本システムおよび方法は、輸送チェーンの異なる部分での加熱/冷却統合を可能にし、船において輸送されている間にCO供給を精製し、それによって全体的なエネルギー消費を節約し、CO輸送コストを低減する。そのため、現在のシステムは、炭素回収および隔離(CCS)チェーン全体の重要な部分となり得る。
【0067】
上記の説明の大部分が、液体炭化水素およびCOを効率的に輸送するためのシステムおよび方法を対象としてきたが、本明細書に開示されたシステムおよび方法は、参照されたシナリオから大きくそれたシナリオ、状況、および設定で、同様に展開および/または実装され得ることを理解されたい。このような実装形態および/または展開のいずれも、本明細書に記載のシステムおよび方法の範囲内であることをさらに理解されたい。
【0068】
図中の類似の数字が、いくつかの図を通して類似の要素を表し、図に関連して説明され、図示された構成要素および/またはステップのすべてが、すべての実施形態または構成に必要とされるわけではないことをさらに理解されたい。さらに、本明細書において使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書において使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに別のことを示している場合を除き、複数形も含むものと意図する。本明細書における「including(含む)」、「comprising(備える)」または「having(有する)」、「containing(含有する)」、「involving(伴う)」という用語およびそれらの変形は、本明細書で使用する際、述べた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0069】
特許請求の範囲の要素を修飾するための特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」などの順序を示す用語の使用は、それ自体では、別の要素に対してある特許請求の範囲の要素の優先順位、先行、または順序、あるいは方法の動作が実行される時間的な順序を暗示するものではなく、特定の名前を有するある特許請求の範囲の要素を同じ名前を有する別の要素と区別するための(ただし、順序を示す用語を使用するための)標識としてのみ使用され、特許請求の範囲の要素を区別することに留意されたい。
【0070】
上記の主題は、単に例示として提供されており、限定されるものとして解釈されるべきではない。図示され、記載された例示的な実施形態および用途に従うことなく、かつ、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更が、本明細書に記載された主題に対して行われ得る。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9