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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】荷物積載システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 67/04 20060101AFI20240213BHJP
   B65G 63/00 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
B65G67/04
B65G63/00 F
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021543197
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 IL2020050088
(87)【国際公開番号】W WO2020152681
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】264457
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】509082743
【氏名又は名称】イスラエル エアロスペース インダストリーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ウレツキー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】モルドヴァン,オファー
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0118337(US,A1)
【文献】特開昭52-039491(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0151931(US,A1)
【文献】特開2013-107520(JP,A)
【文献】特開平08-258986(JP,A)
【文献】特開昭62-157139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 67/04
B65G 63/00
B64F 1/32
B64F 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナへの物品の積載を容易にするためのシステムであって、前記システムが、プラットフォームユニットと、前記コンテナに対してその高さを調整するように構成されたエレベータユニットと、を備え、前記プラットフォームユニットが、
前記コンテナに対面し、かつ前記プラットフォームユニットのコンテナ対面縁部を画定するための開口部と、
複数の平行に配置された移送部材を備える移送装置であって、各移送部材が、前記コンテナ対面縁部を横切る積載方向に沿って延長し、かつ他とは独立して移動するように構成されており、前記移送部材の上面が、前記物品の少なくとも1つをその上に受容するように構成された前記プラットフォームユニットの受容面を画定する、移送装置と、
前記物品を前記受容面上の所定の積載配向に配向し、かつ前記物品を前記積載方向に垂直な軸に沿って所定の積載位置に位置決めするように構成された位置決め装置と、を備え、
前記移送装置が、前記移送部材のサブセットを前記開口部を通って前記積載方向に延長させるように構成されており、それにより、前記コンテナ内の所定の場所での前記物品の配置を容易にする、システム。
【請求項2】
前記サブセットが、延長したときに前記物品を支持するそれらの移送部材に限定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記物品が前記所定の場所に配置されると、前記移送部材を一度に1つずつ収縮させるように構成されている、請求項1および2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記移送部材の各々をその収縮前に降下させるように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記移送部材の各々が、前記積載方向に沿ってその上に前記物品を移送するように構成されたコンベヤ装置を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記位置決め装置が、前記積載方向に延長し、かつ互いに対面する一対のガイド部材を備え、前記位置決め装置が、前記ガイド部材を前記積載方向を横切る方向に、互いに向かって選択的に延長および収縮するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記位置決め装置が、前記ガイド部材の各々の延長および収縮を容易にするように構成された作動装置を備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記積載方向を横切る方向に延長し、かつその中に前記ガイド部材を受容するトラックをさらに備え、前記作動装置が、前記トラック内で前記ガイド部材を移動するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記移送部材とは独立して、前記物品を前記開口部に向かって前記積載方向に配置換えさせるように構成された、補助ガイド部材をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記トラックが、前記補助ガイド部材内に形成されている、請求項8に従属する場合の請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ガイド部材が、前記積載方向に沿って圧縮するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ガイド部材が、伸縮自在に畳み込まれるように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プラットフォームユニットが、前記開口部を選択的に開閉するように配設されたゲートをさらに備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記物品を所定の予備配向に回転させ、かつ前記物品を前記プラットフォームユニットに移送するように構成された、回転装置をさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記回転装置が、前記物品を選択的に回転させて横方向に並進させるように構成された複数のローラを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンテナ内に延長したときに前記移送部材のサブセット上に配設された物品を、前記積載方向に実質的に垂直な横方向に移動させるように構成された1つ以上の横方向移送装置をさらに備える、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記横方向移送装置の各々が、前記積載方向に実質的に平行な軸の周りを回転するように構成された円筒形ローラを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記円筒形ローラの外面が、その上の物品との摩擦を提供するように構成された前半部と、その上の物品に対して無視できる摩擦で移動するように構成された後半部と、をともなって形成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記移送部材の少なくともいくつかが、前記横方向移送装置のうちの1つを備える、請求項16~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記移送部材のすべてが、前記横方向移送装置のうちの1つを備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記エレベータユニットが、前記プラットフォームユニットを昇降させるように構成されている、請求項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記エレベータユニットが、前記コンテナを昇降させるように構成されている、請求項1~21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記システム上の物品のパラメータを検出するように構成された監視システムをさらに備える、請求項1~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記パラメータが、同一性、重量、物理的寸法、位置、および配向を含む群から選択される、請求項23に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、荷物をコンテナに自律的に積載するためのシステム、特に、所定の計画に従って荷物を積載するように構成されたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
民間航空会社でのフライト中に旅行者に付随する荷物は、通常、航空機の貨物セクションに収納される。すべての乗客の荷物の数は数十または数百に達することが多いため、ユニットロードデバイス(ULD)などの大きなコンテナが提供されることが多く、各々は多数の荷物を収容している。荷物は事前にULDに配置され、その後、ULDは移送され、フライト前に貨物セクションに収納される。このプロセスにより、航空機に荷物を積載するために必要な時間、および貨物セクションから荷物を取り出すために必要な時間が短縮される。
【0003】
さらに、ULD内に荷物を配置する最適な配置を決定するためのシステムおよび方法が知られている。最適化を実行する際には、各荷物の物理的パラメータ、たとえば、その寸法、重量などが考慮される。配置が決定されると、それに応じて、フライトに関連付けられたULDに荷物が積載される。
【発明の概要】
【0004】
本開示の主題の一態様によれば、コンテナへの物品の積載を容易にするためのシステムであって、システムは、プラットフォームユニットと、コンテナに対してその高さを調整するように構成されたエレベータユニットと、を備え、プラットフォームユニットは、
コンテナに対面し、かつプラットフォームユニットのコンテナ対面縁部を画定するための開口部と、
複数の平行に配置された移送部材を備える移送装置であって、各移送部材は、コンテナ対面縁部を横切る積載方向に沿って延長し、かつ他とは独立して移動するように構成されており、移送部材の上面は、物品の少なくとも1つをその上に受容するように構成されたプラットフォームユニットの受容面を画定する、移送装置と、
物品を受容面上の所定の積載配向に配向し、かつ物品を積載方向に垂直な軸に沿って所定の積載位置に位置決めするように構成された位置決め装置と、を備え、
移送装置は、移送部材のサブセットを開口部を通って積載方向に延長させるように構成されており、それにより、コンテナ内の所定の場所での物品の配置を容易にする、システムが提供される。
【0005】
サブセットは、延長した時に物品を支持する移送部材に限定され得る。
【0006】
システムは、物品が所定の場所に配置されると、一度に1つずつ移送部材を収縮させるように構成され得る。
【0007】
システムは、移送部材の各々をその収縮前に降下させるように構成され得る。
【0008】
移送部材の各々は、積載方向に沿って物品をその上に移送するように構成されたコンベヤ装置を備え得る。
【0009】
位置決め装置は、積載方向に延長し、かつ互いに対面する一対のガイド部材を備え得、位置決め装置は、積載方向を横切る方向にガイド部材を選択的に延長および収縮させるように構成されている。
【0010】
位置決め装置は、ガイド部材の各々の延長および収縮を容易にするように構成された作動装置を備え得る。
【0011】
システムは、積載方向を横切る方向に延長し、かつその中にガイド部材を受容するトラックをさらに備え得、作動装置は、トラック内でガイド部材を移動させるように構成されている。
【0012】
システムは、移送部材とは独立して、物品を開口部に向かって積載方向に配置換えさせるように構成された補助ガイド部材をさらに備え得る。システムがトラックを備える場合、トラックは補助ガイド部材内に形成され得る。ガイド部材は、たとえば伸縮自在に折りたたむことにより、積載方向に沿って圧縮するように構成され得る。
【0013】
プラットフォームユニットは、開口部を選択的に開閉するように配設されたゲートをさらに備え得る。
【0014】
システムは、物品を所定の予備配向に回転させ、かつそれをプラットフォームユニットに移送するように構成された回転装置をさらに備え得る。
【0015】
回転装置は、物品を選択的に回転させて横方向に並進させるように構成された複数のローラを備え得る。
【0016】
システムは、コンテナ内に延長したときに移送部材のサブセット上に配設された物品を、積載方向に実質的に垂直な横方向に移動させるように構成された1つ以上の横方向移送装置をさらに備え得る。
【0017】
横方向移送装置の各々は、積載方向に実質的に平行な軸の周りを回転するように構成された円筒形ローラを備え得る。
【0018】
円筒状ローラの外面は、その上の物品との摩擦を提供するように構成された前半部、その上の物品に対して無視できる摩擦で移動するように構成された後半部をともなって形成され得る。
【0019】
移送部材の少なくともいくつかは、横方向移送装置のうちの1つを備え得る。
【0020】
移送部材のすべては、横方向移送装置のうちの1つを備え得る。
【0021】
エレベータユニットは、プラットフォームユニットを昇降させるように構成され得る。
【0022】
エレベータユニットは、コンテナを昇降させるように構成され得る。
【0023】
システムは、システム上の物品のパラメータを検出するように構成された監視システムをさらに備え得る。パラメータは、同一性、重量、物理的寸法、位置、および配向を含む群から選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本明細書に開示されている主題をより良く理解し、実際にそれがどのように実行され得るかを例証するために、添付の図面を参照して、非限定的な例としてのみ、実施形態をここで説明する。
図1】物品をコンテナに積載するためのシステムの斜視図である。
図2図1に示すシステムのプラットフォームユニットの斜視図である。
図3図1に示すシステムの回転装置の斜視図である。
図4図1に示すシステムを用いて物品を積載するためのコンテナの一例の斜視図である。
図5図2の線V-Vに沿った、図1に示すシステムの横方向移送装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に示されるように、物品12をコンテナ14に積載するための、概して10で示されるシステムが提供される。物品は典型的には荷物であり、コンテナ14は航空機に積載するためのユニットロードデバイス(ULD)であるが、システム10は、所定の配置に従って任意のコンテナに物品を積載するために使用できることが理解されるであろう。さらに、システム10は、概して長方形の形状を有する物品12をコンテナに積載するために使用されるものとして本明細書で説明され、添付の図に図示されているが、必要な変更を加えて、ほぼ任意の形状の物品を適切なコンテナに積載するために使用できることが理解されるであろう。コンテナ14は、長さ軸Lに沿った長さ、垂直高さ軸Hに沿った高さ、および深さ軸Dに沿った深さによって特徴付けられる。
【0026】
システム10は、プラットフォームユニット16と、回転装置18と、を備える。それは、コンテナ14に対してプラットフォームユニット16の相対的な高さを調整するように構成されたエレベータシステム20をさらに備える。エレベータシステム20は、(図示のように)プラットフォームユニット16を選択的に昇降させるように、および/またはコンテナ14を選択的に昇降させるように構成され得る。
【0027】
システムは、システム上の物品12の存在を検出し、かつ物品12に関する少なくともいくつかのパラメータを検出するように構成された監視システム(図示せず)をさらに備え得、パラメータは、場所、配向、同一性、重量などのうちの1つ以上であり得る。パラメータの少なくともいくつかがシステムに提供され得、物品12は、監視システムによる物品の識別を容易にする機械可読識別子(たとえば、バーコードなど)が提供されており、および提供されたパラメータに任意選択で関連付けられている。監視システムは、いくつかの別個の要素を含み得、各々がその意図された機能に従って、システム10の異なる場所に位置し得ることが理解されるであろう。
【0028】
さらに、システム10は、その動作を指示するように構成されたコントローラ(図示せず)を備える。本明細書および特許請求の範囲において、「コントローラ」という用語は、単一の要素に関して使用されているが、それは、本開示の主題の範囲から逸脱することなく、必要な変更を加えて、互いに物理的に近接していてもいなくてもよい要素の組み合わせを備え得ることが理解されるであろう。さらに、それらの機能を実行するコントローラ、実行するように構成されたコントローラ、または他の同様の文言の本開示(添付の特許請求の範囲における列挙を含む)は、本開示の主題の範囲から逸脱することなく、必要な変更を加えて、それらの機能を実行するシステム10の他の要素、実行するように構成されたシステム10の他の要素などを暗黙的に含む。
【0029】
コントローラは、所定の積載計画、たとえば、コンテナの空間内の各物品の位置(すなわち、その長さ、高さ、および深さに沿った位置)、ならびにその位置での配向(すなわち、1つ以上の軸の周りの配向、たとえば、コンテナ14の高さ軸Hに平行な垂直軸)が事前画定されている三次元配置に従って物品がコンテナ14に積載されるように、システム10を動作させるように構成されている。コントローラは、任意の適切な方法、アルゴリズムなどに従って積載計画を決定するように構成されてもよく、および/または、たとえば、外部システムから、ユーザによって入力されるなどして、積載計画を提供するように構成されてもよい。
【0030】
プラットフォームユニット16は、物品12をコンテナ14内の所定の位置および配向に至らせるように構成されている。したがって、図2に示されるように、プラットフォームユニット16は、その上の作業領域24を画定する移送装置22と、位置決め装置26と、を備える。開口部28は、作業領域24の片側に画定されているので、物品12をコンテナ14に積載する間にコンテナ14に対面する。開口部28にはゲート30が提供されてもよく、ゲート30は、選択的に開閉するように(すなわち、作業領域24からコンテナ14へのアクセスを各々遮断および許可するように)構成されている。
【0031】
移送装置22は、複数の移送部材32を備え、各々が、たとえば、コンテナ14の深さ軸Dに平行である、開口28に実質的に垂直である矢印Xによって示される積載方向に沿って延長する。移送部材32の各々は、互いに独立して動作する。したがって、本明細書における1つ以上の移送部材の説明は、文脈から特に明確でない限り、移送部材の各々が個別に説明されているように理解されるべきである。移送部材32は、その上面34が概ね互いに同一平面上にあるように配置され、それにより、プラットフォームユニット16の受容面36を構成する。移送部材32の上面34は、並進したときに、その上に載っている物品12が共に運ばれるように、テクスチャ加工、たとえば、刻み付けされ得るが、物品は、たとえば以下で説明するように、上面34に作用する横力の存在下で依然として上面34を滑ることができる。
【0032】
システム10は、いくつかの既知の設計のうちの1つから選択されたコンテナ14に物品12を積載するように動作するように意図され得る。したがって、プラットフォームユニット16は、適切に構成することができる。たとえば、物品12をコンテナに積載するための移送装置22の動作に関する以下の説明から明らかなように、開口部28の幅は、コンテナ14の開口部の長さに適合させることができ、移送部材32は、開口部に沿った方向に、コンテナの開口部の長さに適した距離にわたって共にまたがることができる。
【0033】
移送部材32の各々は、たとえば、作業領域24の開口部28を超えて突出するように、その上面34を積載方向に沿って横方向に並進させるように構成されており、その結果、移送部材32は、その開いた側を介してコンテナ14の空洞内に延長することができる。
【0034】
したがって、いくつかの例によれば、移送部材32の各々は、たとえば、他の移送部材とは独立して、積載方向に沿って移送部材の各々を横方向に選択的にシフトするように構成された1つ以上のモータを備えるシフト装置(図示せず)に関連付けることができる。シフト装置は、移送部材32の各々を選択的にシフトするために移送部材32の各々に関連付けられたモータ、または各々が移送部材のいくつかに関連付けられた1つ以上のモータを備え得、かつ関連付けられた移送部材の各々を選択的にモータとの動作上の接続に至らせて、モータによる移送部材の各々のシフトを容易にするように構成された伝送システムを備える。
【0035】
他の例によれば、移送部材32の各々は、物品12をその上面34に沿って、たとえば、積載方向に選択的に移送するように構成されたコンベヤ装置を備え得る。コンベヤ装置は、たとえば、1つ以上のベルト、ローラ、またはその長さに沿って移送部材32に対して物品12を移送するように構成された任意の他の適切な装置を備え得る。
【0036】
位置決め装置26は、その上に受容された物品12を、積載計画によって指示された方向に回転させることを容易にするように構成されている。さらに、位置決め装置26は、積載計画によって指示されたコンテナ14の長さ軸Lに沿った位置に物品を位置決めするように構成されている。いくつかの例によれば、位置決め装置26は、垂直軸の周りでのみ物品12を回転させるように構成されており、すなわち、コンテナの深さおよび長さ軸D、Lに対して適切に配向された物品を受容するように設計されている。
【0037】
いくつかの例によれば、位置決め装置26は、一対のガイド部材38を備え得、ガイド部材は、互いに対面し、作業領域24の反対側に配設され、各々は、その開口部28に実質的に垂直な側にある。すなわち、ガイド部材は、積載方向に実質的に平行に延長している。ガイド部材38の各々は、積載方向に実質的に垂直な方向にガイド部材38を互いに向かって選択的に延長および収縮させるように構成された作動装置に関連付けることができる。
【0038】
ガイド部材38は、任意の適切な設計に従って、たとえば、その使用目的に従って、特に、システム10が共に使用されるように設計されている物品12の物理的特性に関して提供され得る。一般に、ガイド部材38は実質的に剛性であり得るが、設計要件によれば、たとえば以下に説明するように、システムの使用中の物品12の損傷を最小限にするように詰め物を施すことができる。いくつかの例によれば、ガイド部材38は、各々、剛性の表面を有し得、その上に取り付けられた取り外し可能なカバー(図示せず)を受容するように構成され得る。カバーは、たとえば、物品12および/またはガイド部材38をそれらの間の衝撃による損傷から保護するための詰め物であり得る。
【0039】
いくつかの例によれば、作業領域24の後壁(すなわち、開口部28の反対側)は、ガイド部材38をその中に受容するように構成されたトラック40を備える。作動装置は、トラック内でガイド部材を移動させるように構成されている。他の例(図示せず)によれば、作動装置は、1つ以上の伸縮部材を備え、各々が延長および収縮するように構成されている。
【0040】
作動装置は、他の例によれば、ガイド部材38の延長および収縮を容易にするための他の任意の適切な機構を備え、たとえば、作業領域24に向かって、および作業領域24から離れるように作動するように構成されたシャフト(図示せず)を有して提供され得るが、一方で上記の例は、作動装置の要素の外向きの動きに対応するためにそれに隣接する余分なスペースを必要とせずに、プラットフォームユニット16の動作を容易にすることが理解されるであろう。
【0041】
いくつかの例によれば、プラットフォームユニット16は、開口部28から作業領域24の反対側に配設された、すなわち、積載方向に実質的に垂直に延長する補助ガイド部材44をさらに備え得る。補助ガイド部材44は、移送部材32を展開することなく、物品12を作業領域24に沿って積載方向に配置換えさせるように構成されている。補助ガイド部材44は、補助ガイド部材44を積載方向に選択的に延長および収縮させるように構成された補助作動装置(図示せず)を備え得る。補助ガイド部材44は、必要な変更を加えて、位置決め装置26のガイド部材38を基準にして上記の例のいずれかに従って提供され得る。
【0042】
図2に示す例は、ガイド部材38が移動するトラック40が設けられ、かつトラック40が補助ガイド部材44内に形成された例であることが理解されるであろう。したがって、ガイド部材38は、積載方向に沿って少なくとも部分的に圧縮するように構成され得、たとえば、伸縮自在に畳み込まれるように構成された第1および第2のガイド部材セクション38a、38bを備える。
【0043】
回転装置18は、物品12を所定の予備配向に回転させ、それをプラットフォームユニット16の受容面36に移送するように構成されている。したがって、図3に示されるように、回転装置18は、たとえば、コンテナ14に積載するための荷物仕分けおよび/または保管エリアから物品12を受容するように配設されている。したがって、回転装置18は、環境に応じて適宜、シュート48等から受容するように位置決めされた搬送システム46に沿って配設することができる。
【0044】
回転装置18は、垂直軸の周りに物品12を回転させるように構成された回転インターフェース50を備え得、すなわち、コンテナの深さおよび長さ軸D、Lに関して適切に配向された物品を受容するように設計されている。回転インターフェース50は、回転インターフェース50上の物品を横方向に並進させるように協働するように構成された、たとえば球形である複数のローラ52を備え得る。たとえば、ローラ52は、隣接する搬送システム46から受容した物品12を回転インターフェース50の実質的に中心の位置にスライドさせて、その配向が実質的に積載計画によって画定された配向になるまで、垂直軸の周りで物品12を回転させ、かつ物品12をプラットフォームユニット16に向けて並進させ、その作業領域24に送達されるようにするために協働し得る。
【0045】
動作中、物品12は、回転装置18の回転インターフェース50に送達される。通常、物品12がコンテナ14に積載される順序は、積載計画によって指定されている。したがって、物品12は、物品12が積載される順序で回転インターフェース50に送達される。積載計画は、物品12がそれらの垂直寸法が最小寸法であるように配向されるべきである、たとえば、荷物の一点一点が横向きに積載されるべきであるという制約を考慮して決定され得、それにより、積載計画に従って物品12を配向するために垂直軸を中心とした回転のみが必要になるように、物品12が送達される可能性が高くなる。回転インターフェース50は、その配向が積載計画によって画定されたものと実質的に一致するように物品12を回転させるように動作する。回転インターフェース50は、続いて、物品12をプラットフォームユニット16の作業領域24に送達するように動作し、プラットフォームユニット16の上面36に配設される。
【0046】
典型的には、位置決め装置26のガイド部材38、およびそれが提供される例による補助ガイド部材44は、物品12がプラットフォームユニット16の作業領域24に送達されるときに完全に収縮し、それにより、物品12はその上の任意の場所に送達され得る。物品12がプラットフォームユニット16に受容されると、ガイド部材26が動作して、物品12を、積載計画によって画定されたコンテナ14の長さ軸Lに沿った位置に至らせる。これは、作動装置を動作させて、ガイド部材38の一方または両方を、積載計画によって画定された物品12の縁部と一致する位置に至らせることによって達成することができる。
【0047】
長さ軸Lに沿った適切な位置に物品12を配設することに加えて、これは、物品を垂直軸の周りに完全に配向するのに役立ち得る。なぜなら、物品がガイド部材38によってその反対側から支えられるときに配向からのわずかなずれが修正されるためである。(したがって、回転インターフェース50は、物品12の配向が積載計画によって画定されたものと正確に一致しないように物品12を回転させることができるが、それは、実質的に、すなわち、ガイド部材によって反対側から支えられている範囲でのみ物品12をその適正な配向に向けて完全に回転させるものであって、何らかの他の配向、たとえば、そこから90°回転させるものではない。)
【0048】
移送部材32の上面34は、上記のように、それ自体と物品12との間にいくらかの摩擦を提供するように形成されているが、摩擦の量は、上記のような位置決め装置26による受容面36上の物品12の動きを実質的に妨げるほど多大ではない。
【0049】
プラットフォームユニット16が、たとえば上記のように補助ガイド部材44を備える例によれば、プラットフォームユニット16は、物品12を開口部28に向かって移動させるように動作し得る。これは、たとえば、ガイド部材38が、上記のような、積載計画によって画定された長さ軸Lに沿った位置に物品12を至らせたときに実現することができる。これは、物品12が開口部28に隣接するまで、補助ガイド部材44に関連付けられた補助作動装置の動作によって達成することができる。
【0050】
ガイド部材38が移動するトラックを備える補助ガイド部材44が設けられている例によれば、補助ガイド部材を動作させて物品を開口部28に向かって移動させるのと同時に、ガイド部材を動作させて、積載計画によって画定された長さ軸Lに沿った位置に物品12を移動させることができる。
【0051】
エレベータシステム20は、プラットフォームユニット16の高さが、積載計画によって画定されたコンテナ14の高さに沿って物品12の位置より上になるように、プラットフォームユニット16を配設するように動作する。これは、上記のように、プラットフォームユニット16および/またはコンテナ14を垂直に移動させることによって達成することができる。エレベータシステム20によってもたらされる垂直移動は、物品12がプラットフォームユニット16の作業領域24に送達される前または後の任意の適切な時に実行され得ることが理解されるであろう。
【0052】
物品12が、たとえば上記のように、積載計画によって画定されたコンテナ14の高さおよび長さに沿った位置に配設され、積載計画によって画定された配向に位置決めされると、移送装置22は、積載計画によって画定されたコンテナの深さに沿った位置に物品を位置決めし、それによって物品をコンテナの中に積載する。いくつかの例によれば、シフト装置は、物品12がコンテナ14の空洞内に配設されている移送部材32の少なくともいくつかを延長させるように動作する。これは、積載計画に従って物品12が配置されるコンテナ14の長さのその部分内に完全に存在するそれらの移送部材32のみ、すなわち、物品が配設されるそれらの移送部材のみを延長させることによって達成することができる。
【0053】
説明したように複数の移送部材32をともなって、特定の物品12を積載するために必要な移送部材だけをコンテナ14に延長させるように構成されたシステムを提供することによって、たとえば、単一サイズの積載アームを利用してコンテナ内に物品を積載する梱包システムと比較した場合、梱包中にシステムの要素を収容するためにコンテナ内に必要なスペースの量が低減されることが理解されるであろう。したがって、積載計画は、異なる種類のシステムによる実行のために決定される積載計画と比較して、単一のコンテナ14内により多くの物品12を含み得る可能性がある。
【0054】
物品12が、積載計画によって画定されたコンテナ14の適切な深さに至ると、シフト装置は、移送部材32を収縮させるように動作する。移送部材32の収縮は、物品12とまだ延長している移送部材との間の摩擦力が、物品と収縮中の移送部材との間の摩擦力よりも大きくなるように、一度に1つずつ実行することができ、その結果、収縮する移送部材は、コンテナ14内の場所から物品を配置換えさせることはない。移送部材32は、(コンテナの長さに沿って)物品の一方の側から他方の側に順に収縮し得、その結果、十分な数の移送部材が収縮すると、物品はすでにコンテナ内に積層された物品の上に傾いて落ちることになり、最後の移送部材がコンテナ内のその場所から物品を移動させることなく除去され得るように、積載されている物品との必要な摩擦を提供する。
【0055】
いくつかの例によれば、移送部材32の少なくともいくつかは、収縮する前にわずかに降下するように構成されており、それによって、物品との摩擦なしに移送部材32を収縮させることができる。
【0056】
移送部材32が、物品12をその上面34に沿って横方向に移送するように構成されたコンベヤ装置を備える例によれば、移送部材の各々に関連付けられたコンベヤ装置は、物品をコンベヤ装置に対して収縮と同じ速度かつ収縮と反対方向で移動させるように動作することができる。したがって、移送部材32の収縮およびコンベヤ装置の動作による物品12への正味の効果はゼロになり、それにより、上記のように、摩擦の効果を少なくとも部分的に排除する。そのような装置は、より多くの移送部材32を一度に収縮させることを可能にし得る。いくつかの例によれば、物品12が積載計画によって画定されたコンテナ14内の深さに至ると、すべての移送部材32は同時に収縮し、コンベヤ装置は、物品を上記の位置に維持するように動作する。
【0057】
いくつかの例によれば、物品12が積載計画によって画定されたコンテナ14の高さおよび長さに沿った位置に配設されるまで、すなわち、システム10が移送部材32を展開して、物品をコンテナ14内の場所に至らせる準備ができており、その時点でゲート30が開かれるまで、ゲート30を閉鎖することができ、すなわち開口部28を遮断することができる。
【0058】
システム10は、たとえば図4に示されるように、その少なくとも一部が深さ軸Dに沿って直接アクセスできないコンテナ14に物品12を積載するように構成され得る。いくつかの例によれば、コンテナ14は、横方向に(すなわち、長さ軸Lの方向に)延長する付属物14´を備え得、付属物14´へのアクセスは、コンテナの壁15の一部によって深さ軸Dに沿って遮断されている。したがって、上記のように移送部材32を使用して、付属物14´に物品を積載することは不可能である。
【0059】
したがって、図1に戻ると、プラットフォームユニットは、物品12を移動させるように構成された、概して54で示される1つ以上の横方向移送装置を備え得、横方向移送装置は、コンテナ14の長さ軸Lに平行な横方向に、空洞内に延長する移送部材32上に配設されている。各横方向移送装置54は、移送部材32の1つの一部を構成し得る。
【0060】
図5に示されるように、いくつかの例によれば、横方向移送装置54の各々は、実質的に積載方向に延長するローラ軸に沿って延長し、ローラ軸の周りを回転するように構成された円筒形ローラ56を備える。
【0061】
いくつかの例によれば、円筒形ローラ56の外面は、その上の物品12との摩擦を提供するように構成された前半部56aと、その上の物品に対する無視できる摩擦で、すなわち、物品の動きに実質的に影響を与えることなく移動するように構成された平滑な表面を有する後半部56bと、をともなって形成されている。
【0062】
他の例(図示せず)によれば、円筒形ローラ56の外面全体は、その上の物品12との摩擦を提供するように形成されている。円筒形ローラ56は、選択的に自由に回転するか、または駆動されるように構成され得、それにより、横方向移送装置54による物品12の移動または円筒形ローラ56に沿った物品の自由な移動を選択的に可能にすることを容易にする。
【0063】
円筒形ローラ56の各々を選択的に回転させるように構成されたモータユニット(図示せず)を提供することができる。
【0064】
いくつかの例によれば、横方向移送装置54は、作業領域24の端部の各々、すなわち、それに隣接する開口部28の両端に提供され、たとえば、移送装置22の各端部の移送部材32の1つ以上の一部を構成する。他の例によれば、移送装置22の移送部材32の各々は、横方向移送装置54を備える。いくつかの例によれば、横方向移送装置54は、複数の球形ローラを備え得、したがって、上記のようなコンベヤ装置を構成し得る。球面ローラの各々は、上記のように、すなわち、その上の物品12との摩擦を提供するように構成された1つの半球と、その上に置かれた物品に対して無視できる摩擦で移動するように構成された平滑な表面を有する第2の半球と、をともなって形成することができる。
【0065】
動作中、積載計画は、コンテナ14の付属物14´に積載される物品12を画定する。そのような物品12がプラットフォームユニットの作業領域24に送達されると、位置決め装置26は、物品12を横方向移送装置54上に位置決めするように動作する。物品がその上に配設され、その少なくとも一部が横方向移送装置54を備える移送部材32は、コンテナ14内に延長する。横方向移送装置54は、コンテナ14の長さ軸Lに沿って物品12を付属物14´に向かって移動させるように動作する。典型的には、これは、物品の配置が付属物14´に隣接する障壁を構成するように、物品12の少なくともいくつかが上記のようにコンテナ14内に配置されると行われる。
【0066】
前述のように、コントローラは、所定の積載計画に従って物品がコンテナ14に積載されるようにシステム10を動作させるように構成され得る。したがって、システム10は、物品12が所定の順序で到着することを予期するように設計され得る。そこで、コントローラは、提供される各物品12が、積載計画に従って予期されるものであることを検証するように構成され得る。したがって、監視システムによって識別された物品12を、積載動作中の所与の時点で予期されるものと比較するように構成され得る。これは、たとえば、物品12に関連付けられた機械可読識別子によって提供される情報に基づくことができる。いくつかの例によれば、コントローラは、監視システムによって検出された物品12の物理的パラメータに関する情報を使用して、物品に関して提供された情報が正しいかどうかを識別するようにさらに構成される。たとえば、コントローラは所与の物品12の同一性を検証することができるが、その物理的寸法が積載計画の決定に使用されたものと一致しないことを識別することができる。コントローラは、エラーコードを返す、たとえば、コンテナ14の積載を停止し、ユーザに警告するなどするように構成され得る。
【0067】
本発明が関係する当業者は、現在開示されている主題の範囲から逸脱することなく、必要な変更を加えて、多数の変更、変形、および修正を行うことができることを容易に理解するであろう。

図1
図2
図3
図4
図5