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特許7434363セルラーネットワークのセルへの条件付きハンドオーバーをサポートするユーザ機器および条件付きハンドオーバーをサポートするセルラーネットワーク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】セルラーネットワークのセルへの条件付きハンドオーバーをサポートするユーザ機器および条件付きハンドオーバーをサポートするセルラーネットワーク
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/24 20090101AFI20240213BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20240213BHJP
   H04W 36/36 20090101ALI20240213BHJP
【FI】
H04W36/24
H04W36/08
H04W36/36
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021568046
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2020063356
(87)【国際公開番号】W WO2020229552
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】19174229.5
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591037214
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】フェーレンバッハ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ザイデル エイコ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルゲ コルネリウス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルス トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シーアル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】セルヴァネサン サルン
(72)【発明者】
【氏名】ゴクテペ バリス
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/171941(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0237516(US,A1)
【文献】Fraunhofer HHI, Fraunhofer IIS,Mobility Enhancements for Aerial UEs[online],3GPP TSG-WG2 Meeting #101 R2-1803384,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_101/Docs/R2-1803384.zip>,2018年02月15日
【文献】MediaTek Inc.,Grouping and Automatic Reconfiguration for Handover Enhancement in LEO NTN[online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #106 R2-1905702,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_106/Docs/R2-1905702.zip>,2019年05月02日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラーネットワーク(130)のセル(120)への条件付きハンドオーバーをサポートするユーザ機器(110)であって、
前記セルラーネットワークの複数のターゲットセル(120)について、前記ターゲットセルのいずれかへの条件付きハンドオーバーをトリガ(160)するための条件を示す、複数の条件付きハンドオーバーをシーケンスとして設定するための設定データ(1100)を前記セルラーネットワークから受信し(140)、
前記条件付きハンドオーバーの適用に関する前記条件を確認(150)し、適用の場合には前記条件付きハンドオーバーをトリガするように構成される、ユーザ機器。
【請求項2】
条件付きハンドオーバーが完了した(230、350)後に、前記設定データの第1のパートを削除し(210)、前記設定データの第2のパートを保持するように構成されており、
前記設定データの前記第1のパートは、完了および/または終了したハンドオーバーに関係し、
前記設定データの前記第2のパートは、未完了または未終了のハンドオーバーに関係する、請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項3】
前記条件付きハンドオーバーの第1回目のトリガ以降も前記チェックを継続するように構成されており、
前記第1回目のトリガは、第1のセルから第2のセルへの条件付きハンドオーバーに関係し、前記チェックの継続は、前記第2のセルから前記第1のセルおよび/または前記ターゲットセルのうちの他のセルへの条件付きハンドオーバーに関する条件をチェックすることを含む、請求項1または2に記載のユーザ機器。
【請求項4】
ターゲットセルに信号(160)を送信することによって前記条件付きハンドオーバーをトリガし、
前記ターゲットセルから信号(170)を受信することによって前記条件付きハンドオーバーを完了する(230、350)ように構成される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項5】
前記設定データにおいて示される制限時間間隔で前記ユーザ機器が利用可能な前記条件付きハンドオーバーをトリガするように構成されており、
前記設定データは前記制限時間間隔の開始時間および有効期間を含み、
前記制限時間間隔は、周期的、あるいは1回(single time)または1度(once)である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項6】
前記設定データは、異なるターゲットセルに割り当てられた複数の周期的な制限時間間隔および/または1回の制限時間間隔を含む、請求項5に記載のユーザ機器。
【請求項7】
前記設定データは、優先ターゲットセル設定データおよび/またはバックアップターゲットセル設定データを含むか、または前記ターゲットセルへの条件付きハンドオーバーに関する優先順位を示すものであり、
優先ターゲットセルおよび/または第1の優先順位を有するターゲットセルについての前記設定データは、バックアップターゲットセルおよび/または第2の優先順位を有するターゲットセルについての前記設定データとは異なる条件を含み、
前記バックアップターゲットセル設定データおよび/または前記第2の優先順位を有するターゲットセルの前記設定データの前記条件は、前記優先ターゲットセルおよび/または前記第1の優先順位を有するターゲットセルとのハンドオーバーが失敗するという初期条件を含む、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項8】
前記設定データは、優先順位付けされたおよび/または順序付けされたターゲットセル設定データ、または、前記ユーザ機器が前記条件付きハンドオーバーを実行することが意図されている、前記ターゲットセルの順序に関する情報を含む、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項9】
前記セルラーネットワークから受信した設定更新(325)に従って前記設定データを更新する(320)ように構成されており、
前記設定更新は、前記設定データの新バージョンおよび/または前記設定データの変更ポーションのみを含む、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項10】
前記設定更新は、前記複数のターゲットセルをセルの第1セットからセルの第2セットに、前記第1及び第2セットの交点が複数のターゲットセルを含むようにして変更する、請求項9に記載のユーザ機器。
【請求項11】
前記設定データの第1のポーション(1130)をブロードキャスト送信またはグループキャスト送信またはマルチキャスト送信を介して受信し、前記設定データの第2のポーション(1150)をユニキャスト送信を介して受信するように構成される、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項12】
前記設定データの前記第1のポーションは、グループ固有または共通のパラメータ(1130)を含み、
前記設定データの前記第2のポーションは、ユーザ固有または個別パラメータ(1150)を含み、
前記設定データの前記第1のポーションは、前記設定データの第2のポーションによって上書きされる、請求項11に記載のユーザ機器。
【請求項13】
前記ユーザ機器が、前記設定データの前記第2のポーションをチェックするように構成されており、前記設定データの前記第2のポーションが、前記ユーザ機器の識別および/またはRACHプリアンブル識別子および/または前記ターゲットセルにおける物理リソース予約に関する識別情報を含むか、あるいは、
前記ユーザ機器が、前記識別のための前記ユーザ機器の現在の識別情報および/またはRACHリソースのデフォルトのプールおよび/またはランダムもしくはデフォルトのRACHプリアンブル識別子および/またはデフォルトの物理リソース予約を使用するように構成される、請求項11または12に記載のユーザ機器。
【請求項14】
前記設定データの前記第2のポーションは、前記設定データが前記ユーザ機器に対してアクティブであることを前記ユーザ機器に示す個別のアクティベーション情報を含む、請求項11ないし13のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項15】
前記ユーザ機器が、前記設定データの前記第1および/または第2のポーションをチェックするように構成されており、前記設定データの前記第1および/または第2のポーションが、前記ターゲットセルへの前記条件付きハンドオーバー後に適用される次のターゲットセル設定を前記ユーザ機器に示すターゲットセル設定情報を含むか、あるいは、
前記ユーザ機器が、前記条件付きハンドオーバーを前記トリガする際に、サービング(serving)ソースセル(310)の設定情報を引き継ぐように構成される、請求項11ないし14のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項16】
前記設定データの前記第1のポーションが、
・ターゲットセルに関する物理セル識別子、および/または、
・ターゲットセル設定パラメータ(例:周波数またはキャリア帯域幅)、および/または、
・RACHプリアンブル、および/または、
・最初の接続に使用するRACHオケージョン、および/または、
・最初の接続に失敗したときのバックオフ手順、および/または、
・実行する前記条件付きハンドオーバーの前記条件を示すトリガしきい値、量、イベント、および/または、
・測定する特定信号を測定するための基準信号、および/または、
・ビーム情報、および/または、
・平均化情報、および/または、
・前記ターゲットセルの物理的な位置情報、
のいずれかを含み、前記ユーザ機器が、前記設定データの前記第1のポーションの更新をチェックするように構成される、あるいは、
前記ユーザ機器が、前記第1のポーションの現在のバージョンからの対応する情報および/または対応するデフォルト情報を引き継ぐように構成される、請求項11ないし15のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項17】
前記設定データを受信するように構成され、前記設定データは、
・物理セル識別子、および/または、
・RACHプリアンブル、および/または、
・最初の接続に使用するRACHオケージョン、および/または、
・前記最初の接続に失敗したときのバックオフ手順
・ユーザIDおよび/またはRNTI、および/または、
・実行する前記条件付きハンドオーバーの前記条件を示すトリガしきい値、量、イベント、および/または、
・測定する基準信号、および/または、
・ビーム情報、および/または、
・平均化情報、および/または、
・ターゲットセル設定情報、および/または、
・V2Xのためのリソースプールの設定または使用/利用、および/または、
・前記ターゲットセルの物理的な位置情報、
を含む、請求項1ないし16のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項18】
互いに隣接する1つ以上の第1のターゲットセルおよび互いに隣接するが前記第1のターゲットセルとは隣接しない1つ以上の第2のターゲットセルに隣接する既定のターゲットセルが、前記条件付きハンドオーバーの準備の継続性が信頼できないことを前記セルラーネットワークに示した場合、
・予想される条件付きハンドオーバーの中断時間、および/または、
・既定のターゲットセル、および/または、
・所定のサービスおよび/またはQoSフローおよび/または論理チャネルおよび/またはラジオベアラが前記ターゲットセルにおいてサポートされていないというアナウンス、および/または、
・ネットワークスライスがサポートされていないこと
に関する情報を含むまたは含まない設定データを受信するように構成される、請求項1ないし17のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項19】
前記ユーザ機器がサービングソースセルにまだ接続されている場合には、前記ユーザ機器が1つ以上のターゲットセルへのハンドオーバーを実行できないときに前記サービングソースセルに通知する、または、前記ユーザ機器が前記セルラーネットワークを失って再接続された後に、新しいサービングソースセルにエラーのあったハンドオーバー設定について通知する、レポートを送信することによって、前記サービングソースセル(310)からの前記設定データの更新(380)をトリガするように構成され、
前記レポートは、
・ハンドオーバー障害表示、および/または、
・前記ユーザ機器の位置情報、および/または、
・経路情報、および/または、
・タイムスタンプ情報、および/または、
・物理的セル識別子に関連する信号強度測定データ、および/または、
・ハンドオーバー設定および/またはハンドオーバーコンテキスト設定および/またはハンドオーバーコンテキスト設定が保存されているターゲットセルに関する情報、および/または、
・前記ユーザ機器が接続されていた最後のセルに関する情報、および前記最後のセルにおける前記ユーザ機器の識別子、および/または、
・前記ユーザ機器がハンドオーバーを行うことが予想される前記ターゲットセルに関する情報、
を含む、請求項1ないし18のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項20】
ハンドオーバー設定が誤っている場合に、障害表示のみによってサービングソースセルに通知し、
前記サービングソースセルの要求があった場合にのみ、詳細なレポートを提供する
ように構成される、請求項1ないし19のいずれか1項にユーザ機器。
【請求項21】
サービングソースセルがトリガした測定データを提供するように構成される、請求項1ないし20のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項22】
1つ以上の以前のハンドオーバーを引き起こした条件に関する情報を与える、サービングソースセルがトリガした測定レポートおよび/または測定データを提供するように構成される、請求項1ないし21のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項23】
未設定のターゲットセルについて、前記条件付きハンドオーバーに関する前記条件をチェックし、
未設定のターゲットセルが適切なハンドオーバー候補である場合には、サービングソースセルを通して、前記適切なハンドオーバー候補について前記セルラーネットワークに通知するように構成される、請求項1ないし22のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項24】
条件付きハンドオーバーの条件が未設定セルに適用される場合に、前記未設定セルへのハンドオーバーを開始するように構成される、請求項23に記載のユーザ機器。
【請求項25】
前記設定データは、以後、別の設定および/または事前設定もしくはデフォルト設定が使用される、有効期間を有し、
前記有効期間は無線リンク障害を超える、または前記有効期間は前記無線リンク障害の後に開始される、請求項1ないし24のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項26】
セルラーネットワークの他のノードとコンテキスト情報を交換するように構成される、請求項1ないし25のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項27】
条件付きハンドオーバーをサポートする方法であって、
セルラーネットワークの複数のターゲットセル(120)について、前記ターゲットセルのいずれかへの条件付きハンドオーバーをトリガ(160)する条件を示す、複数の条件付きハンドオーバーをシーケンスとして設定するための設定データ(1100)をユーザ機器が前記セルラーネットワークから受信(140)するステップと、
前記ユーザ機器がユーザ機器を介して前記条件付きハンドオーバーの適用に関する前記条件を確認し(150)、適用の場合には前記条件付きハンドオーバーをトリガするステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、セルラーネットワークにおけるハンドオーバーの概念に関するものである。本出願は、セルラーネットワークのセルへの条件付きハンドオーバーをサポートするユーザ機器に関するものである。本出願は、条件付きハンドオーバーをサポートするセルラーネットワークに関するものである。本出願は、車両ネットワークおよび移動する基地局のための条件付きハンドオーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
地上以外のネットワークでは、例えば、据え置き型機器や移動している機器を広範囲にカバーすることができる。Low Earth Orbit(LEO)衛星の場合、基地局(BS)または次世代NodeB(gNB)(5Gの場合)は、例えば、カバレッジエリア上の決定論的なルートを高速で移動することがある。LEO衛星は、例えば、次に移動する衛星へのハンドオーバーが起こるまで、特定のエリアのカバレッジを提供することができる。また、例えば、デバイスが電車や飛行機などの移動体に接続を提供する場合、ユーザ機器(UE)だけでなく、gNBも移動することになり、例えば、移動(モビリティ)手順がより重要になる。なお、基地局は、enhanced NodeB(eNB)と呼ばれるLTE基地局でもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最先端の条件付きハンドオーバーに関する。5Gのモビリティ強化のために、条件付きハンドオーバー(CHO)が議論されている。CHOの目的は、例えば、ハンドオーバー手順のモビリティロバスト性(モビリティ堅牢性)を向上させることである。条件付きハンドオーバーの目的は、例えば、測定レポートが遅れてネットワークに届かない場合、および/または、測定レポートを受信してネットワークがハンドオーバーの実行を決定した場合でも、RLFが発生する前にハンドオーバーコマンドがUEに届かず、UEが再確立手順を開始する場合などに起因する無線リンク障害(RLF)を回避することにある。
【0004】
例えば、図1は、CHOによって回避される可能性のある例示的な主要障害事例を示している。
【0005】
モビリティロバスト性を向上させるための1つのソリューションとして、例えば、条件付きハンドオーバー(CHO)がある。条件付きハンドオーバーでは、例えば、ネットワークがUEにトリガ条件を設定する。UEは、例えば、ネットワークが取得した設定に基づいて、ハンドオーバーが実行される可能性のあるタイミングを決定する。条件が満たされると、UEはネットワークからのさらなる命令なしにハンドオーバーを実行する。この手順の利点は、例えば、ハンドオーバー(HO)コマンドを、より早い段階、例えば、無線状態が悪くなる前にUEに提供することができ、これにより、メッセージの送信が成功する可能性が高まることである。さらに、このCHOは、例えば、現在のリンクがまだまともなリンク品質をサポートしているかもしれないが、より早い時点でHOを実行することを可能にする。HO条件が適切に設定されていれば、例えば、UEがネットワーク内を移動している間に、例えば、遅延、信頼性、およびスループットの観点から、UEは継続的なサービス品質(QoS)を体験することができるようになるかもしれない。
【0006】
最先端のCHOの例を図2に示した。
【0007】
セルラーネットワークにおけるモビリティの堅牢性をさらに高める必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ユーザ機器の一実施形態は、セルラーネットワークの1つまたは複数(1つ以上)のセルへの条件付きハンドオーバーをサポートする。
【0009】
ユーザ機器は、セルラーネットワークから設定データを受信するように構成される。設定データは、セルラーネットワークの複数のターゲットセルについて、ターゲットセルのいずれかへの条件付きハンドオーバーをトリガする条件を示す。
【0010】
ユーザ機器はさらに、適用に関する条件をチェックし、適用の場合には、条件付きハンドオーバーをトリガするように構成されている。すなわち、言いかえれば、設定データは、例えば、必然的にUEの将来の推定経路に沿って配置されるセルラーネットワークの複数のターゲットセルに関するものである。この複数のターゲットセルのそれぞれについて、設定データは、UEによって継続的に決定されるべき適用の1つまたは複数の関連条件を示すものであってもよい。それらのうちのいずれか(またはすべてなどの組み合わせ)が満たされた場合、この状況は、UEがそれぞれのターゲットセルへのCHOを開始するトリガとなる。このように、設定データは、それぞれが特定のターゲットセルに関連し、それぞれのターゲットセルに関連する1つまたは複数の条件を含むパートに構成される場合がある。
【0011】
好ましい実施形態では、ユーザ機器は、条件付きハンドオーバーが完了した後に、設定データの第1のパートを削除し、設定データの第2のパートを維持するように構成されている。または、代替的に言うと、ターゲットセルのうちの特定の1つへのハンドオーバーが完了したことに応答して、条件付きハンドオーバーが完了したことに関連する(または、それぞれ対応するターゲットセルに関連する)第1のパートを削除するように構成されている。これにより、CHOが実施された後にネットワークがUEの設定データを更新する必要はなく、UEは、CHOがすでに実施されたターゲットセルに関する条件をチェックする必要がなくなる。さらに、UEは、CHOによって、複数のターゲットセルのうち、一度CHOが行われたターゲットセルにスイッチバックすることを望まれないかもしれない。
【0012】
セルラーネットワークは、同期的に動作してもよく、つまり、UE側とネットワーク側の双方で設定データが等しく保たれるように、同期的に設定データを修正してもよい。より正確には、ネットワークは、更新/同期された設定データがまだ関連しているUEに対応するCHOの詳細を割り当てるなどして、CHOの準備をしたターゲットセルのみを維持する可能性がある。
【0013】
例えば、設定データを変更すると、完了および/または終了したハンドオーバーに関係する設定データの第1のパートが設定データから削除され、未完了または未終了のハンドオーバーに関連する設定データの第2のパートが保存されることがある。
【0014】
実施形態によれば、ユーザ機器は、条件付きハンドオーバーの第1回目のトリガ以降もチェックを続けるように構成されている。すなわち、言い換えれば、設定データは、純粋に交互にではなく、次々に順序的にでもCHOを実行するのに有用なターゲットセルを形成すると考えられるセルラーネットワークの複数のターゲットセルに関するものであり、UEは、これらの条件に基づいて第1のCHOがトリガされた後も、設定データの条件をチェックし続けるようになっている。
【0015】
実施形態によれば、第1回目のトリガは、第1のセルから第2のセルへの条件付きハンドオーバーに関するものであり、チェックを続けることは、第2のセルから第1のセルへの条件付きハンドオーバーに関する条件をチェックすること、すなわち、設定データが参照するターゲットセルの1つでもある第1のセルに戻ること、および/または、ターゲットセルのうちの任意の他のセルに戻ることを含む。なお、例えば、第1セルから第2セルへの条件と、第2セルから第1セルへの条件とは異なる場合がある。このようにして、UEがUターンして将来の推定経路を逆にたどる場合など、切り返しが可能になることがある。
【0016】
UEは、例えば、条件付きハンドオーバーに関連するトリガ条件などのチェックに加えて、さらに未設定のターゲットセルをチェックすることができる。すなわち、設定データが参照する複数のターゲットセルに属さない任意のターゲットセルへのハンドオーバーの有用性をチェックすることができ、未設定のターゲットセルが適切な候補である場合、たとえば、測定レポートまたは別の種類の設定済み/事前設定のトリガをトリガすることによって検出された場合、適切なハンドオーバー候補について、たとえば、測定レポートまたは条件付きハンドオーバー設定の再設定を求めるレポートでソースセルに通知することができる。このようにして、適切なセルへのハンドオーバーを開始することができる。設定データが関連するターゲットセルへの条件付きハンドオーバーの追加を求める場合、ネットワークまたは現在のサービングセル(現在サービスを提供しているセル)は、UEに新しい設定データまたは既存の設定への更新を送信することができる。また、サービングセル(サービスを提供しているセル)がまだ予測されていないターゲットセルへのハンドオーバーを準備する場合に、通常のハンドオーバーが開始される可能性もある。
【0017】
実施形態によれば、ユーザ機器は、設定データに示された制限時間間隔でのみ、ユーザ機器が利用可能な条件付きハンドオーバーをトリガするように構成される。言い換えれば、ターゲットセルのうちの特定の1つへの条件付きハンドオーバーは、条件付きハンドオーバーが排他的に許可される時間間隔の観点から、少なくとも部分的に設定データによって条件付けられてもよい。したがって、UEは、対応するターゲットセルへのCHOが利用可能であるかどうかをチェックするために、現在の時刻がその時間間隔に該当するかどうかをチェックする必要がある。設定データが関連する複数のターゲットセル、またはすべてのターゲットセルについて、そのような時間間隔が設定データに与えられてもよい。
【0018】
実施形態によれば、設定データは、異なるターゲットセルに割り当てられた2つ以上の限定的および/または周期的な時間間隔を含む。時間間隔の周期的シーケンスなどの周期的な時間間隔は、例えば、衛星ターゲットセルを使用する場合に定義することができ、時間間隔の周期性は、衛星ターゲットセルの軌道周期性に関連する。
【0019】
実施形態によれば、トリガする条件、またはトリガ条件は、サービス依存のトリガを含み得る。例えば、URLLCトラフィックをサポートしない一般的な設定またはセルをURLLCが削除、無視、または優先順位を下げるなどである。言い換えれば、設定データに定義された条件は、UEの特性に依存して、異なるサービス容量のターゲットセルなど、ほかのターゲットセルよりも特定のターゲットセルを優先するかもしれない。さらに言いかえると、2つ以上のターゲットセルに対して、各ターゲットセルのターゲットセル固有条件の第1のセットに従ってCHOをトリガすることができる場合に、利用可能なターゲットセルのうちの1つを選択するためにターゲットセルを記述する設定データの追加条件データが使用され、この追加条件データがターゲットセルの技術を記述するように、設定データを設計することができる。
【0020】
トリガはさらに、例えば、課金モデルに基づいて、特定のUEが特定の技術にアクセスすることを許可されない可能性がある、例えば、安価なモデムまたは無料の顧客のUEは、マルチRAT eNBs/gNBsにアクセスできないなど、ポリシーに依存するトリガである可能性がある。すなわち、例えば、設定データに定義された条件によれば、UEは、特定のターゲットセルへのCHOのために、特定の技術要件を満たさなければならない。さらに言いかえると、2つ以上のターゲットセルに対して、各ターゲットセルのターゲットセル固有条件の第1のセットに従ってCHOをトリガすることができる場合に、利用可能なターゲットセルのうちの1つを選択するためにターゲットセルを記述する設定データの追加条件データが使用され、この追加条件データがターゲットセルの技術を記述するように、設定データを設計することができる。
【0021】
トリガはさらに、ハンドオーバー障害トリガである場合もある。UEは過去に失敗したハンドオーバーの履歴を追跡することができ、過去に失敗したターゲットセル、過負荷のターゲットセル、および/または過去にハンドオーバーを断ったターゲットセルに対して、ハンドオーバーの優先順位を下げることができる。これは、セルラーネットワークからの信号によるトリガ、例えば、基地局および/またはセルがトリガを送信し、過去の分析に基づいて成功確率を追加することもできる。また、これは、セルラーネットワークからの信号による設定データで構成することも可能であり、例えば、基地局および/またはセルが、過去の分析に基づく成功確率をトリガ条件に付加した設定データを送信することができる。さらに言いかえると、2つ以上のターゲットセルに対して、各ターゲットセルのターゲットセル固有条件の第1のセットに従ってCHOをトリガすることができる場合に、利用可能なターゲットセルのうちの1つを選択するためにターゲットセル同士を優先またはランク付けする設定データの追加条件データが使用され、この追加条件データは、ここではハンドオーバー成功可能性の観点からターゲットセルをランク付けするように、設定データを設計することができる。
【0022】
好ましい実施形態では、優先ターゲットセルおよび/または第1の主要な優先順位を持つターゲットセルの設定データは、バックアップターゲットセルおよび/または第2の補助的な優先順位を持つターゲットセルの設定データとは異なるトリガ条件を含む。
【0023】
さらに、バックアップターゲットセルの設定データおよび/または第2の優先順位を有するターゲットセルの設定データのトリガ条件は、優先ターゲットセルおよび/または第1の優先順位を有するターゲットセルとのハンドオーバーが失敗した、すなわち、その優先ターゲットセルへのCHOのための1つまたは複数の条件が適用されていたが、最終的にハンドオーバーが失敗したという、初期のトリガ条件を含む。
【0024】
このグループ化または順位付けは、例えば以下のように行うことができる。
・サービスの継続性を確保するセルを優先する、および/または、
・帯域幅のより広いセルを優先する、および/または、
・3G、GSM、またはその他の無線アクセス技術(RAT)よりも5G/LTEを優先する、および/または、
・占有率の低いセルや、通信リソースへの負担が少ないセルを優先する、および/または、
・より低い周波数で運用され、より広い範囲をカバーするマクロセルよりも、スモールセルやミリ波で運用されるセルを優先する、および/または、
・ライセンスのあるセルよりもライセンスのないセルを好む。
【0025】
これらの優先順位は、ポリシー、課金モデル、モデムの種類、実行中のサービスなどによって逆になることもある。
【0026】
好ましい実施形態では、設定データには、ユーザ機器が条件付きハンドオーバーを実行する予定のターゲットセルの順序に関する情報が含まれている。例えば、UEは、特定のターゲットセルへのCHOが、設定データが関連する複数のターゲットセルのうち、CHOが開始されたn番目のターゲットセルであるこのターゲットセルになるかどうかの条件をチェックするように命令され得る。そうでない場合、このターゲットセルは、CHOに利用できない。
【0027】
好ましい実施形態では、ユーザ機器は、セルラーネットワークから受信した設定更新に応じて設定データを更新するように構成されている。すなわち、新しい設定データは、自己完結的に、すなわち完全に新たにUEに送信されるのではなく、UEにおける設定データの現在のバージョンと差分的に送信されることになる。
【0028】
好ましい実施形態では、ユーザ機器は、第1のポーションと第2のポーションからなる設定データを受信するように構成されている。設定データの第1のポーションは、シグナリングオーバーヘッドを低減するために、LEO衛星ルートなどのグループ固有または共通のパラメータから構成され、ブロードキャスト送信またはグループキャスト送信またはマルチキャスト送信で受信され、設定データの第2のポーションは、ユーザ固有または個別のパラメータから構成され、ユニキャスト送信で受信される。
【0029】
設定データの第1のポーションは、設定データの第2のポーションによって上書きされる可能性があり、すなわち、共通のパラメータが個別のパラメータによって上書きされる可能性がある。
【0030】
実施形態によれば、ユーザ機器は、実際のサービングセルおよび/または新しいサービングセルにレポート(例えば、測定レポート)を送信することによって、サービングセルからの設定データの更新をトリガするように構成される。
【0031】
実際のサービングセルにレポートを送信することは、ユーザ機器がサービングセルにまだ接続されている場合に、ユーザ機器が1つまたは複数の潜在的なターゲットセルにハンドオーバーを実行できないときに、実際のサービングセルに通知することができ、一方、新しいサービングセルにレポートを送信することは、ユーザ機器がセルラーネットワークとの接続を失って再接続した後に、ハンドオーバー設定が誤っていることを新しいサービングセルに通知することができる。
【0032】
また、ユーザ機器はまた、サービングセルまたは新しいサービングセルによってトリガされた測定レポートおよび/または測定データを提供し、どのトリガが1つまたは複数の以前のハンドオーバーを引き起こしたかについての情報を提供する場合がある。
【0033】
測定レポートはUEからセルラーネットワークに提供され、UEの予想される所在および予想到着時間に関する情報を改善するために、いくつかの時間関連情報および位置関連情報を含むことがある。
【0034】
実施形態によると、ユーザ機器は、セルラーネットワークの他のノードとコンテキスト情報を交換するように構成されており、これはトランシーバに関連する可能性があり、特にユーザ機器(UE)に関連して説明することができる。実施形態は、UEに限定されるものではなく、他のタイプの送信機またはトランシーバ、例えば、アイテムおよび/またはデバイスが無線通信ネットワークを使用して通信することを可能にするネットワーク接続性を備えた任意のアイテムおよび/またはデバイスを含むトランシーバ、例えば、センサまたはアクチュエータに関するものである。
【0035】
例えば、移動式または不動式の基地局は、アイテムまたはデバイスが無線通信ネットワークを使用して通信することを可能にする任意の送受信ポイント(TRP)を含むことができ、アイテムまたはデバイスは、無線通信ネットワークを使用して通信するためのネットワーク接続性を備えている。
【0036】
セルラーネットワークのさらなる実施形態は、条件付きハンドオーバーをサポートしており、1つまたは複数の既定のユーザ機器について、1つまたは複数の既定ユーザ機器のセルラーネットワークの1つまたは複数のターゲットセルのそれぞれについて、セル識別子によって識別される1つまたは複数のそれぞれのターゲットセルへのユーザ機器の条件付きハンドオーバーを事前(プリエンティブ)に準備するように構成されている。
【0037】
セルラーネットワークは、各セルに対して、それぞれのセルへのハンドオーバーをトリガする条件を記述した設定データをユーザ機器に送信するようにさらに構成される。
【0038】
セルラーネットワークは、本発明のユーザ機器のそれぞれのセルへのハンドオーバーを事前に準備するか、またはユーザ機器がそれぞれのセルに実行する可能性のある将来のハンドオーバーを単に準備する。事前の準備は、利用可能なIDの1つをユーザ機器に割り当てることを含むことができる。このIDは、例えば、設定データのユーザ機器個別ポーションに含まれる。
【0039】
事前準備には、例えば以下が含まれる。
・ユーザコンテキスト、例えばRRCコンテキストの転送及び保存、および/または、
・ユーザID、例えばRNTIの確保、および/または、
・RACHプリアンブルの確保、および/または、
・リソースの確保、および/または、
・準備された1つまたは複数のターゲットセルへのパケットのルーティングおよび/または複製、および/または、
・エッジクラウド機能の準備、および/または、
・実行中のサービスに対するQoSのチェックおよび/または準備。
【0040】
条件付きハンドオーバーをサポートするセルラーネットワークの実施形態は、例えば、車両ネットワークおよび/または移動するgNBのために、限定されることなく、以下のようないくつかの新しいアイデアをもたらすであろう。
・CHOの設定データは、CHOの実行後に削除されない。
・連続する複数のセルに対するCHOの設定データ。
・ブロードキャスト/マルチキャスト信号によるCHO設定データの提供。
・CHO設定が初期状態でアクティブまたは非アクティブであること。
・ターゲットgNBまたはターゲットセルへの、ターゲットセルに向けた逐次的(シーケンシャル)CHO設定の要求。
・ターゲットセルに向けて逐次的CHO設定の提供。
・逐次的CHOが不可能な場合は、UEに通知すること。
・前のセルまたは前のサービングセル、および将来のセルまたは潜在的なターゲットセルに、CHOの完了を通知すること。
・UEのCHO設定データをUEコンテキスト情報のパートとして提供すること、および、
・CHOが予定通りに実行されなかった場合に、UEがネットワークに再接続すること。
【0041】
特許請求の範囲で定義された任意の実施形態は、上述の章で説明された任意の詳細(特徴や機能性)によって補完できることに留意すべきである。
【0042】
また、上述の章に記載された実施形態は、個別に使用することができ、また、別の章に記載された任意の機能や、特許請求の範囲に含まれる任意の機能によって補完することができる。
【0043】
また、本明細書に記載された個々の態様は、個別にまたは組み合わせて使用できることに留意すべきである。したがって、前記個別の態様のそれぞれに詳細を追加することができ、前記態様の別の1つに詳細を追加することはない。
【0044】
また、本開示は、明示的または暗黙的に、ユーザ機器およびセルラーネットワークで使用可能な機能を説明していることにも留意すべきである。したがって、本明細書に記載されている特徴のいずれかは、ユーザ機器のコンテキストおよびセルラーネットワークにおいて使用することができる。
【0045】
また、本明細書で説明した特徴および機能のいずれも、ハードウェアまたはソフトウェアで、あるいはハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用して実装することができる。
【0046】
本発明のユーザ機器および/または本発明のセルラーネットワークのさらなる実施形態は、同封の請求項によって定義される。
【0047】
以下では、本開示の実施形態について、図を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1a図1aは、ハンドオーバー障害事例の概略通信図である。
図1b図1bは、別のハンドオーバー障害事例の概略通信図である。
図2図2は、先行技術である条件付きハンドオーバーの概略通信図である。
図3図3は、複数の逐次的条件付きハンドオーバーを有するセルラーネットワークの一実施形態の概略図である。
図4図4は、逐次的条件付きハンドオーバーにおけるCHO設定の準備の一実施形態の概略図である。
図5図5は、逐次的条件付きハンドオーバーにおけるCHO設定の準備の一実施形態の概略図である。
図6図6は、逐次的条件付きハンドオーバーにおける所与のハンドオーバーができないシナリオの一実施形態を示す模式図である。
図7図7は、セル1からセル2へのランダムアクセスCHOが成功した後のシナリオの一実施形態を示す模式図である。
図8図8は、予測が正しくない場合のシナリオの一実施形態を示す模式図である。
図9図9は、UEとセルラーネットワークの複数のセルとの間の通信の一実施形態を示す模式図である。
図10図10は、UEとセルラーネットワークとの間の一般的な通信の一実施形態を模式的に示す図である。
図11図11は、既知の移動経路を持つUEのセットの設定データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下では、異なる発明的な実施形態および側面について説明する。
なお、特許請求の範囲で定義されている任意の実施形態は、本明細書に記載されている任意の詳細(特徴および機能性)によって補完することが可能である。
【0050】
さらに、本明細書に記載された実施形態は、個別に使用することができ、また、本明細書に記載された特徴のいずれか、または特許請求の範囲に含まれる任意の特徴によって補足することができる。
【0051】
また、本明細書で説明した個々の態様は、個別にまたは組み合わせて使用できることに留意すべきである。したがって、前記個別の態様のうちの別の1つに詳細を加えることなく、前記個別の態様のそれぞれに詳細を加えることができる。
【0052】
また、本開示は、明示的または暗黙的に、ユーザ機器およびセルラーネットワークで使用可能な機能を説明していることにも留意すべきである。したがって、本明細書に記載された特徴のいずれかは、ユーザ機器の文脈および/またはセルラーネットワークの文脈および/または、車両ネットワークおよび移動する次世代NodeB(gNB)のための条件付きハンドオーバー(CHO)の文脈で使用することができる。
【0053】
また、本明細書で説明した特徴および機能性のいずれも、「実装の選択肢」の項で説明するように、ハードウェアまたはソフトウェアで、あるいはハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用して実装することができる。
【0054】
上記で説明したように、条件付きハンドオーバーは、例えば、図1に例示した無線リンク障害(RLF)を回避することを目的としており、図1には、条件付きハンドオーバー(CHO)によって回避される可能性のある2つの例示的な障害事例、図1a上の100aおよび図1b上の100bが示されている。
【0055】
図1aは、ユーザ機器110、ソースノードまたは基地局310、およびUE110とソースノード310との間の通信および/またはデータ交換から構成される障害事例100aの概略を示している。
【0056】
障害事例100aは、UE110とソースノード310との間の通信において、UE110がソースノード310に測定レポート180を送信しようとするが、測定レポートが基地局310に到達しないというステップを含む。
【0057】
UE110がソースノード310から応答を受信せず、および/または、条件が悪化すると、UE110は、無線リンク障害(RLF)を宣言し、再確立プロセス190を開始する。再確立プロセス190は、UE110からソースノード310に送信される再確立要求193と、ソースノード310からUE110に送信される再確立確認メッセージ196と、UE110からソースノード310に送信される再確立完了メッセージ199とを含む。最後のステップとして、ソースノード310は、再設定データをUE110に提供する。
【0058】
別の障害事例100bは、図1bによって表される。図1aと同様に、図1bは、UE110と、ソースノード310と、UE110とソースノード310との間の通信とを含む。図1aとは対照的に、UE110によって送信された測定レポートは、ソースノード310および/またはネットワークに到達する。ネットワークは、ハンドオーバーを実行することを決定し、ソースノード310からUE110にハンドオーバーコマンド185を送出する。
【0059】
図1bの場合、ハンドオーバーコマンドはUE110には届かない。図1aと同様に、UE110は応答を受信せず、および/またはUE110の状態が悪化し、UE110はRLFを宣言して、図1aで説明したように再確立プロセス190を開始する。
【0060】
図1a、図1bで説明した障害事例に対する潜在的な解決策は、図2に図示した条件付きハンドオーバー(CHO)を用いてモビリティの堅牢性を向上させることである。図2は、UE110、ソースノード310、および潜在的ターゲットノード120の間の通信および/またはデータ交換を概略的に表現したものを示している。
【0061】
条件付きハンドオーバー(CHO)の第1のステップは、ソースノード310から潜在的ターゲットノード120にCHO要求240を送信することを含む。CHOの決定は、例えば上位層の決定によって以前にトリガされるか、ソースノード310の要求に基づいて行われるか、または潜在的ターゲットノード120がCHOの可能性を検討してもよく、例えばアドミッション制御を実行してもよい。
【0062】
アドミッション制御が成功した後、潜在的ターゲットノード120は、必要に応じて、さらなるRRC再設定データを含むCHO要求確認250をソースノード310に送信する。
【0063】
次のステップとして、ソースノード310は、UE110にCHO設定データを提供する140。CHO設定データは、トリガ基準またはトリガ条件または条件と、潜在的ターゲットノード120のそれぞれのRRC再設定データとを含む。
【0064】
UE110は、1つまたは複数のターゲットセル120のCHOトリガ条件または条件を継続的に監視し、または少なくとも頻繁にチェック150する。トリガ条件が満たされた場合、またはトリガ条件のセットのサブセットが満たされた場合、UE110は、UE110と所与の潜在的ターゲットノード120との間で、ランダムアクセスおよび同期手順260を含むハンドオーバー(HO)を実行する350。UE110は、RRC再構成が完了すると、RRC再構成完了メッセージ270によって、潜在的ターゲットノード120に通知する。
【0065】
最後のステップとして、ターゲットノード120は、成功したCHO実行を示すサービングソースノードまたはソース基地局310および/またはコアネットワークに通知する。ソースノード310がUE110のコンテキストを解放すると、パススイッチが完了する280。さらに、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)は、新しいターゲットセル120にパケットを転送するために、UE110の新しい位置を知るようになり、および/または、ユーザプレーン機能は、新しいターゲットセル120を知るようになる。
【0066】
言い換えれば、最新技術のCHOのステップは、以下のように説明することができる。
【0067】
1.最初のステップとして、ソースgNB310はCHOを設定することを決定する
- CHOの決定は、例えば、UE110の測定値に基づいて行うことができるが、CHO設定は、通常のHO設定と比較して、より早い段階でトリガされる可能性がある。
・CHO決定は、例えば、以下のような上位層の決定に基づいて行うことができる。
・周囲の基地局の負荷、および/または、
・サービスタイプ、および/または、
・UE110、基地局310、またはネットワークの適用要件、および/または、
・サイドリンク(SL)インタフェースを介してトリガを送信する別のUE、および/または、
・ソースノードが、ネットワークまたはインターネット内のエンティティ(例えば、V2Xアプリケーションサーバまたはロードサイドユニット(RSU))によってトリガされる。
【0068】
- CHOの決定は、送信元ノード310の要求、例えば、ターゲットセル120へのCHOに基づくことができ、UE110設定を提供する。
【0069】
- または、ターゲットノード120が、例えば、アドミッションコントロールを行い、それが成功した場合、セル設定をソースノード310に提供し、ソースノード310は、CHO設定メッセージ140でUE110に転送することができる。
【0070】
2.第2のステップとして、ソースgNB310は、以下のCHO設定をUE110に提供する
- CHOトリガ基準およびUE110に対するターゲットセルの設定
【0071】
3.第3のステップとして、UE110は、CHO決定を行う
- 条件が満たされると、例えば、UE110は、ターゲットセルにアクセスするか、または、
- または、一連の条件のサブセットが満たされる。例えば、それは一連のルールであり得る。
【0072】
4.第4ステップとして、UE110は、RRC再構成完了メッセージを送信する
- RRC再構成完了メッセージを新しいソースセルに送信することにより、
- CHO設定が解除される。
【0073】
5.最後のステップとして、ターゲットセル120は、ソースgNB310およびコアネットワークまたはセルラーネットワークに通知する
- CHO実行が成功したことを示す。
- ターゲットノード120は、ソースgNB310に通知し、ソースノード310にUE110のコンテキストを解放させる。
- ターゲットは、特に次の点でコアネットワークに通知する。
・AMFがUE110の新しい位置を知るようになる、および/または、
・UPFが、新しいターゲットセル120を知る(パススイッチを作る)ことで、新しいターゲットセル120にパケットを転送する。
【0074】
図2に示すように、最先端のCHOでは、1つだけ、つまり異なる言い方をすれば、次のハンドオーバー候補が提供される。複数の候補が提供されることもあるが、常に同じ、現在のサービングおよび/またはソースセル310からである。これは、例えば、CHOが実行され、CHOが確定された後、UEは、次のCHO設定が行われるまで、CHO設定がない状態で残されることを意味する。例えば、セルの変更が非常に速い場合、時間は、たとえば、多くのシグナリング(signaling、信号)を交換するのに十分ではなく、そのような手順に関連するオーバーヘッドが最小限に抑えられるかもしれない。
【0075】
一般に、例えば、CHOの設定は、一定期間のみ有効であり、現在のサービングセルから1つまたは複数の新しいセルまたはターゲットセルへの1回のハンドオーバーに対してのみ有効である。つまり、CHOは、例えば、各サービングセルで個別に設定される。例えばHOが実行されたり完了したりすると、次のCHOを設定する必要がある。
【0076】
例えば、地上波のCHOの場合、例えばある時点でCHOの設定を削除または消去することが重要である。これは、例えば、有効性タイマの満了後、または、例えば、ハンドオーバーが成功して完了した後に、セルまたはセルのgNBからの明示的なシグナリングによって、一般的に行われる。通常の手順では、CHOが正常に完了した後、CHO設定が削除または消去される(図2のステップ4で)。
【0077】
例えば、列車、飛行機、自動車などは、列車の線路、飛行機のルート、高速道路および/または道路などの決定論的なルートを高速で移動する。それぞれのデバイスに接続性を提供するネットワークは、例えば、次のセルだけでなく、次の数セルについても、ユーザの移動経路やルートを予測することができる。
【0078】
上記の新しいシナリオでは、例えば、ネットワークは、UEまたはgNBのモビリティ、または複数のセルに沿った決定論的パスに沿ったルートについて、十分な知識を有している可能性がある。
【0079】
本願の実施形態が基づいている1つのアイデアは、例えば、複数の逐次的CHOハンドオーバーを設定することであり、したがって、成功して完了したHOまたはCHOの直後のCHO設定を削除、または部分的に削除しないことである。したがって、上述の条件付きハンドオーバー(CHO)を強化することができる。
【0080】
本実施形態では、例えば、ユーザ機器(UE)の移動経路又はルート上にある複数のセルをハンドオーバー候補として設定し、例えば、無線信号を最小限に抑えたり、および/または、例えば、高速での信頼できるハンドオーバー手順または複数の逐次的な(シーケンシャル)条件付きハンドオーバー手順を確保するためのアイデアを公開している。ハンドオーバーごとに個々のハンドオーバー候補に信号を送る代わりに、セル/ハンドオーバーのパスまたはルートに沿った信号を送ることが提供される。パスは、GPS座標などの座標で記述でき、2D平面上、または3D平面上のいずれかであり、後者にはUEの高さのパラメータが含まれる。さらに、パスは動きベクトルを含むことができ、この動きベクトルは、移動するUEの速度および/または加速度および/または方向に関する情報を含んでいる。
【0081】
方向矢印330で表される、移動するUE110および/または移動するgNB120を含む実施形態の概略図が、図3に示されている。図3はさらに、移動するUE110の移動経路上または予想される将来の経路上に整列した、セルラーネットワークの7つのターゲットセル120、セル1~7を含んでいる。
【0082】
図3のUE1100は、セル1から設定データ1110を受信するように構成されている。設定データ1100は、セル1からセル2への条件付きハンドオーバー、セル2からセル3への条件付きハンドオーバー、セル3からセル4への条件付きハンドオーバーの、複数の連続したCHOトリガ条件と、それぞれのCHO設定情報またはデータから構成される。CHO設定データ1110は、現在のサービングセルから次の潜在的なターゲットセルへのハンドオーバーのトリガ条件および設定情報またはデータだけでなく、現在のサービングセルが関与していないハンドオーバーのトリガ条件および設定データもさらに含んでいる。
【0083】
UE110がセル1からセル4への移動経路またはルート上を移動しているとき、UE110は、設定データ1100の条件またはトリガ条件を監視またはチェックし、トリガ条件が満たされている場合、または条件が適用されている場合、UE110は、CHO設定データの助けを借りてCHOを実行するか、または少なくともUE110がCHOをトリガする。
【0084】
UE110がセル3に到達すると、UE110の設定データ1100が更新320されるので、UE110はセル3からCHO更新データ325を受信する。CHO更新データまたはCHO設定更新データ325は、セル3からセル4へのハンドオーバー、セル4からセル5へのハンドオーバー、およびセル5からセル6へのハンドオーバーのトリガ条件と設定情報またはデータをさらに含んでいる。例えば、移動中のUE110の通信は、UE110が、例えば、最後の更新、または、セル1によって提供される設定データ1100の最後のセルに到達する前に、CHO設定更新データ320を受信することによって、より信頼性の高いものとなる。
【0085】
UE110がセル3からセル6への移動経路またはルート上を移動しているとき、UE110は、設定データ1100のトリガ条件を監視する。トリガ条件が満たされるたびに、UE110は、CHO設定データに従ってCHOを実行または完了する。
【0086】
UE110がセル5に到達すると、UE110は、セル5からセル6へのハンドオーバーおよびセル6からセル7へのハンドオーバーのさらなるトリガ条件および設定データからなるCHO設定更新データ325で、セル5によって更新される320。設定更新データ325は、設定データ1100の新バージョンで構成されてもよいし、変更ポーションのみで構成されてもよいし、デルタポーションで構成されてもよい。
【0087】
一実施形態では、例えば、単一のCHO設定または単一のCHO設定データ1100を用いて、複数の逐次的CHO設定、すなわち、逐次的(シーケンシャル)なセル変更のための複数の設定が提供される。例えば、シグナリングにおける明示的な指示は、例えば、逐次的CHO設定が提供されることを示してもよい。
【0088】
この構成は、初期状態ではアクティブであってもなくてもよい。この動作は、仕様書においてハードコーディングされている場合と、シグナリングによって設定可能な場合とがある。後者の場合、例えば、設定後にCHOが既にアクティブになっている場合、および/または、例えば、設定後にまだアクティブにする必要がある場合、UEに通知するRRCメッセージ内のビットがあるかもしれない。
【0089】
ある代替実施形態では、例えば、CHO設定またはCHO設定データは、予想される移動パターンまたは予想される将来のルートから移動パターンが逸脱した場合にのみ削除される。CHO設定は、例えば、ハンドオーバーが遅すぎるなどの何らかのタイマ満了後に削除されるか、または、異なるセルまたはCHO設定データ1100に含まれていないターゲットセルへの予期せぬハンドオーバーなどの何らかの設定されたイベントの後に削除される。このようなイベントがUE側で発生した場合、例えば、UEがネットワークまたはセルラーネットワークに連絡して、このことをネットワークに知らせるか、または、イベントがネットワーク側で発生した場合、ネットワークは、新しいハンドオーバー設定または新しいCHO設定データ1100でUEを設定することができる。
【0090】
この場合、例えば、3つの連続したCHOがある。つまり、UEは、3つの連続するCHOのCHO条件とCHO設定情報を有するCHO設定データを受信する。実施形態では、例えば、UEは、セル1からセル2への最初のCHOを実行または完了すると、それに続くCHOを維持するか、または、セル3およびセル4へのトリガ条件の適用をチェックし続ける。この場合、例えば1つの設定またはCHO設定データで複数のCHOを実行することができ、UEは、CHOの実行または完了の直後でさえも、例えば次のCHOのためのCHOまたはCHO設定データを設定している。これにより、信頼性が向上し、全体的なシグナリングのオーバーヘッドが減少する可能性がある。
【0091】
本発明装置の別の実施形態では、設定された各CHOハンドオーバーに対して、例えばCHOトリガ条件として、異なる閾値および信号レベルを割り当てることができ、例えば、セル1セル2からのCHOは、セル2セル3からのCHOとは異なる閾値および/または信号レベルで起こる可能性がある。
【0092】
例えば、次のCHOシーケンスを設定したり、最後のCHOに到達する前にCHO設定データを更新したりすることで、移動手順全体の信頼性を高めることができる。例えば、CHOが設定されているか、またはCHO設定データがセル4までのトリガ条件とCHO設定情報を含むが、CHOの更新がセル3で受信される。セル3でのCHO設定またはCHO設定データの更新が失敗しても、ネットワークは、例えば、セル4でCHO設定またはCHO設定データの更新を提供することができ、従って、例えば、ある程度の信頼性マージンがある。
【0093】
このマーキングまたは機能により、例えば、セル3で新しいCHO設定またはCHO設定データを正常に設定または更新できない場合に、UEおよび/またはネットワークが対応することもできる。例えば、UEは、アプリケーションに対応するように通知することができる。例えば、上位層へのメッセージが与えられたり、および/または、自律走行している車のユーザに、例えば、ステアリング(steering)をきるべきであると通知したりすることができる。
【0094】
例えば、クラウドRANの場合、逐次的CHOが設定されているセルや、潜在的なターゲットセルは、コントロールプレーン機能(RRC+RRM)が例えば集中化されているクラウドRANに属している可能性がある。これにより、例えば、CHOが設定される前に、一組のターゲットgNBに向けた大規模なgNB間シグナリングが回避される可能性がある。
【0095】
UEに提供される逐次的なセル変更ごとのCHO設定パラメータは、例えば以下を含むことができる。
・物理的なセル識別子、および/または、
・トリガしきい値またはトリガ条件(例:特定のRSRP、RSRQ、SINR、RSSI)、および/または、
・測定するための基準信号(SSB、CSI-RSまたはその両方、DMRS)、および/または、
・ビーム情報、および/または、
・平均化情報、および/または、
・ターゲットセルの構成、および/または、
・V2Xのためのリソースプールの設定または使用/利用。
【0096】
CHOの実行が成功した後、新しいセルまたは新しいサービングセルおよび/または新しいターゲットセルは、例えば、いくつかの基準を追加し、例えば、パスまたはルートを延長し、逐次的なリストからまたはCHO設定データからCHO設定を修正または解除することができる。シグナリングを節約するために、例えば、変更された設定エントリのみをシグナリングするデルタまたは変更ポーションシグナリングを提供してもよい。
【0097】
図4は、移動するUE110の移動経路に沿って、図3の最初の4つのセル、セル1~4で構成される、逐次的な条件付きハンドオーバーにおけるCHO設定の準備の一実施形態の概略図であり、セル1はサービングまたはソースセル310またはサービングソースセルであり、さらなるセル、セル2~4は潜在的ターゲットセル120である。
【0098】
図2の最先端のCHOの最初の2つのステップと同様に、図4のサービングセル310は、CHO設定要求240を送信するが、隣のセルであるセル2だけでなく、セル3やセル4など、UE110の移動経路またはルートでさらに離れたセルにも送信する。すなわち、サービングセル310は、セル3とセル4との間のCHOのように、サービングセル310が関与もしていない条件付きハンドオーバーのためのCHO設定要求240を送信する。
【0099】
潜在的ターゲットセル120は、アドミッションコントロールを行うなど、潜在的なCHOの可能性を検討し、および/またはリソースを予約し、CHOに備えることができる。CHOが可能である場合、セル2、セル3および/またはセル4などの潜在的ターゲットセル120は、CHO設定確認済みメッセージ250でCHO設定要求240を確認している。CHO設定確認済みメッセージ250は、CHO設定情報またはデータなどのさらなる情報を含んでいてもよい。
【0100】
CHO設定確認メッセージ250を受信した後、サービングセル310からUE110に、複数の連続したCHO設定データ1100が送信される140。
【0101】
言い換えると、ソースgNBまたはサービングセルは、例えば、UEにCHOが設定される前に、または、UEがCHO設定データを受信する前に、ターゲットgNBまたはターゲットセルにCHOを要求して、ターゲットgNBまたはターゲットセルが、例えば、アドミッション制御、リソースの予約、およびCHOの準備を行うことを可能にするかもしれない。ターゲットgNBは、ソースまたはサービングセルにCHO要求を確認してもよく、また、ソースまたはサービングセルに特定のパラメータを提供してもよく、それは、例えば、CHO設定中にUEに提供される。これらのパラメータは、CHO設定内でUE(複数のUE)に提供されてもよい。
【0102】
例えば、CHO設定要求240内で、ソースセル310またはサービングソースセル310は、セル1にセル1からセル2へのCHOを要求するなど、サービングセルとしての自身のためだけでなく、セル2にセル2からセル3へのCHOを要求するなど、サービングセルとなってそのカバレッジ内でCHOをトリガする可能性のある他のセルのためにも、CHOを要求することができる。このため、例えば、ターゲットgNBまたはターゲットセルが、例えば、どのソースgNBまたはセルからCHOが期待されるかを知ることができるように、セル変更のリストがターゲットセル120に提供されてもよい。
【0103】
例えば、設定要求メッセージ240において、サービングソースセル310は、連続するCHOの完全なリストを提供してもよく、および/または、関連するCHO情報のみをターゲットセル120のそれぞれに提供してもよい。
【0104】
例えば、移動経路またはルートが知られているので、ターゲットセル120は、UEの到着および/またはCHOの予測される実行または完了のための予想されるタイミングも提供されてもよい。この情報は、ターゲットgNBが、例えば、正確なアドミッション制御を行い、リソースを予約し、CHOの準備をすることをサポートする可能性があり、また、例えば、永久的なリソース予約の代わりに、リソース予約をUEが実際に期待される時間に制限する可能性がある。それぞれのセルは、例えば、セル内のすべてのUEの負荷、および/または、そのセルに到着することが予想されるUEを追跡するかもしれない。
【0105】
例えば、Evolved Packet Coreに接続されたLTEでは、X2および/またはS1-MMEインタフェースを介して、また、5G Coreに接続されたLTE/NRでは、XnおよびNG-Cインタフェースを介して、gNB間シグナリングが交換される。
【0106】
図4と同様に、図5は、移動するUE110の移動経路に沿って、図3の最初の4つのセル、セル1~4からなる、逐次的な条件付きハンドオーバーにおけるCHO設定の準備の一実施形態の概略図であり、セル1はサービングセルまたはソースセル310であり、さらなるセル、セル2~4は潜在的ターゲットセル120である。
【0107】
図4と同様に、CHO設定要求240が、サービングセル310から、セル2~4などの潜在的ターゲットセル120に送信される。潜在的ターゲットセルは、CHOの可能性を検討し、および/または、CHOの準備をする。CHOの可能性がある場合、サービングセル310は、潜在的ターゲットセル120からCHO設定確認メッセージ250を受信する。
【0108】
次のステップとして、サービングセル310によって、逐次的CHO設定データがUE110に送信される140。UE110への逐次的CHO設定データの送信と並行して、サービングセル310は、CHO確認情報510を送信することにより、CHO設定要求で要求された決定を確認する。CHO確認情報は、セル識別子、UE110が特定のセルで予定(期待)される時期に関する時間情報、および/またはUE110が使用しているスライスごとのサービスなど、CHOに関するさらなる情報を含んでもよい。
【0109】
図5に示す実施形態では、サービングセル310は、要求されたCHO設定を、セル2~4などの潜在的ターゲット候補セル120に確認し、例えば、セル識別子、UEが期待される時間情報、および/またはUE110が使用しているサービス/スライスに関する追加情報を提供してもよい。
【0110】
言い換えれば、例えば、全てのターゲット候補またはターゲットセル120からのフィードバックに基づいて、例えば、CHO設定が決定されると、サービングセル310は、例えば、CHO設定またはCHO設定データをUEに提供してもよい。同時に、すべてのターゲットgNBまたはターゲットセルにも、例えば、CHOハンドオーバーのシーケンスに関する情報が提供されるかもしれません。
【0111】
このCHO設定確認情報510は、例えば、CHO設定要求240で要求された決定を確認し、および/または、UEに送信される逐次的CHO設定に対する最終結果を提供するかもしれない。例えば、以下である。
・セル識別子(物理的セル識別子および/またはグローバルセル識別子)、および/または、
・UEが特定のセルまたはターゲットセルで期待される時間および/または時間ウィンドウ、および/または、
・UEが使用しているサービス/スライス、および/または新しいセルで期待しているサービス/スライス。
【0112】
ターゲット基地局またはターゲットセル120が利用可能でない場合、および/または、CHOの可能性を検討した後に、潜在的ターゲットセル120が、CHOのために利用可能でないことを決定することができる。図6は、そのようなシナリオを示している。
【0113】
図6は、逐次的条件付きハンドオーバーにおける所与のハンドオーバーが不可能である、シナリオの一実施形態の概略図である。図4と同様に、図6は、移動するUE110の移動経路に沿って、図3の最初の4つのセル、セル1~4を示しており、セル1は、サービングまたはソースセル310であり、さらなるセル、セル2~4は、潜在的ターゲットセル120である。図4とは対照的に、可能性のある3つのターゲットセルであるセル2~4のうち、セル3は、リソースを確保できない、および/または、一時的に利用できない、および/または、UE110をサポートできない可能性がある。
【0114】
図4で説明したように、CHO設定要求240は、サービングセル310から、セル2~4のような潜在的ターゲットセル120に送信される。可能性のあるターゲットセルは、CHOの可能性を検討し、および/または、CHOの準備を行う。CHOの可能性がある場合、サービングセル310は、セル2からセル4などの潜在的ターゲットセル120からCHO設定確認メッセージ250を受信する。
【0115】
上記のシナリオとは異なり、サービングセルは、セル3からCHO設定確認メッセージ250を受信しない。例えば、セル3が一時的に利用できない場合には、セル3はサービングソースセル310に何のメッセージも送信しない。また、セル3のようなターゲットセル120が、リソースを確保できない、またはUEをサポートできないなどの理由で、CHO設定要求240を確認できないことも考えられる。この場合、セル3のようなターゲットセル120は、サービングソースセル310に、CHO設定未確認(NACK)メッセージ610を送信する。
【0116】
CHO設定未確認メッセージ610を受信すると、サービングセル310は、可能性のある別の基地局120や別の周波数層など、所与のセルラーネットワーク内の代替手段を探してもよい。
【0117】
逐次的CHOが可能でないことを認識および/または決定した場合、サービングソースセル310は、信頼性の高いハンドオーバーが保証されない可能性があることをUE110に通知する620。メッセージは、例えば、逐次的CHOが可能な最後のセルに関する更なる情報、信頼性の高いハンドオーバーが保証されるまでなどの時間情報、および/またはサービスの制限および/またはサービス品質(QoS)パラメータの制限を含んでもよい。また、サービングセル310は、例えば、所与の基地局の特定のユーザを解放することにより、例えば、過負荷の基地局の状況を解決するために、コアネットワーク及び/又はコアネットワークまたはセルラーネットワーク内のAMFに通知してもよい。
【0118】
言い換えれば、例えば、逐次的CHOが常に可能とは限らない。ターゲットgNBまたはターゲットセル120は、例えば、リソースを確保できない、例えば、過負荷状況および/または何らかの理由で一時的に利用できないセルがあると判断してもよいし、特定のUEをサポートできない、例えば、このサービスのためにスライスが提供されない可能性があると判断してもよい。この場合、例えば、ターゲットgNBは、CHO Config ACKメッセージで応答せず、例えば、CHO Config NACKメッセージで応答してもよい。また、例えば、ターゲットgNBやターゲットセルは、ソースgNBやソースセルに対して、逐次的CHO設定や要求されたCHO設定をサポートしない理由を通知しなくてもよい。
【0119】
例えば、ソースgNB、サービングソースセルまたはサービングセルは、フィードバックに基づいて代替案を探し、例えば、異なる周波数レイヤの別のセルまたはターゲットセルを使用したり、および/または、最終的には逐次的CHOが不可能であると判断したりすることがある。信頼性の高いハンドオーバーが保証されない可能性があることをUEに通知する場合がある。UEへのこのシグナリングには、以下のような情報が含まれる。
・信頼性のあるハンドオーバーまたは一般的な通信を提供できる時間、または信頼性を確保できない時間、および/または、
・最後のセルの逐次的CHOが設定されていること、および/または、
・どのサービスがまだサポートされているか、どのサービスが自律走行などでサポートされなくなったか、および/または、
・どのQoSパラメータがまだサポートされていて、どのQoSパラメータがサポートされなくなる可能性があるか、例えば、信頼性、BLERレート、特定の中断時間、レイテンシー(latency)。
【0120】
ソースgNBまたはサービングセルは、例えば、5Gコアネットワーク(5GC)またはセルラーネットワーク内のAMFにも、このイベントを通知してもよく、および/または、5GCに同様の情報を提供してもよい。5GCは、そのような情報を、例えば、アプリケーションサーバに転送してもよく、および/または、特定のユーザまたはサービスの解放をトリガしてもよく、および/または、例えば、無線ネットワークおよび/またはそれぞれのアプリケーションサーバとQoS設定を再交渉してもよい。
【0121】
図7は、セル1からセル2へのランダムアクセスCHOが成功した後のシナリオの一実施形態を示す模式図である。図4と同様に、図7は、移動するUE110の移動経路に沿って、図3の最初の4つのセル、セル1~4を示している。シナリオは、前のサービングセル710としてのセル1、新しいサービングソースセル720としてのセル2、およびさらなる潜在的ターゲットセル120、セル3~4を含む。
【0122】
シナリオの最初のステップは、UE110が、セル1からセル2へのランダムアクセスCHOを完了する350ことからなる。セル1は、前のサービングセル710となり、セル2は、新しいサービングセル720となる。
【0123】
次のステップとして、新しいサービングセル720は、前のサービングソースセル710に、成功したCHOについて通知し730、これにより、前のサービングセル710はUE110のコンテキストを解放する。
【0124】
また、新しいサービングソースセル720は、CHOステータス更新740によって、成功したCHOについて潜在的ターゲットセル120に通知する。ステータス更新740は、潜在的ターゲットセル120のリソース予約にとって、および/またはUE110の予想到着時間にとって重要なさらなる情報を含んでいてもよく、その結果、UE110のより良い予測が可能になる。
【0125】
つまり、UEとターゲットgNBによるCHO実行が成功、完了した後(図2のステップ4のように)、ターゲットgNBまたはターゲットセル720は、UEのコンテキストリリースのためのCHO実行が成功したことをソースgNB710に通知してもよい(図2のステップ5のように)。また、例えば、パススイッチを実行するように、コアネットワークに通知してもよい。実施形態によれば、新しいCHOステータス更新メッセージは、例えば、将来のセル120、CHO候補またはターゲットセル120にも送信されるかもしれない。
【0126】
例えば、メッセージによって、将来のセルまたは潜在的なターゲットセルは、そのリソース予約および/またはUEの予想到着時間を更新することができる。
将来のgNBまたはターゲットセルへのこのシグナリングは、例えば、以下のような情報を含んでいてもよい。
・UEが新しいサービスセルに到着した時刻、および/または、
・UEが将来のセルで予想される時間、および/または、
・UEが現在使用している、または将来のセルで期待しているサービスおよび/またはスライス、および/または、
・UEの移動速度、および/または、
・移動中のUEの動きベクトル、および/または、
・UEの2Dまたは3Dの正確なGPS座標、および/または、
・UEの動きベクトル、および/または、
・過去のセル変更の履歴、および/または、
・トラフィックアクティビティに関する統計情報、および/または、
・更新されたUEの識別子(C-RNTIなど)、および/または以前のセルにおけるUEの識別子へのマッピング。
【0127】
UEコンテキストが、例えば、ネットワークノードまたはセル間、例えば、gNB間および/またはgNBとAMFとの間で交換される場合には、UEのCHO設定がUEコンテキストシグナリングに含まれてもよい。
【0128】
実施形態は、予測されたUEの移動経路、または予想される将来のルートに依存している。予測された移動経路は非常に可能性が高い可能性があるが、図8に示すように、単なる予測のままである場合もある。図8は、誤った予測を伴うシナリオの概略を示しており、何らかの理由で予測が失敗し、CHOハンドオーバーが予測通りまたは予想通りに実行されない場合を示している。
【0129】
図8のシナリオは、移動するUE110の予測される移動経路または予想される将来の経路に沿った、図3の最初の4つのセル、セル1~4と、新しいセル、セル8とを含む。予測によると、UE110は、予測された移動経路上を移動し、予測された移動経路または予想された未来のルートに沿って、セル1~4のセルでCHOを実行する。図8では、潜在的なターゲットセルであるセル2が、リソースを確保できない、および/または、一時的に利用できない、および/または、UE110とのCHOをサポートできない可能性があることを示している。セル2は、失敗した予測サービングセル725となる。
【0130】
セル2との予測または期待されるCHOが失敗すると、UEは新しいセル、すなわちセル8を探して接続する810。つまり、セル1が以前のサービングセル710となり、セル8が新しいサービングセル720となる。セル2が優先ターゲットセルで、セル8がバックアップターゲットセルになるかもしれない。
【0131】
前のサービングセル710から新しいサービングセル720へのハンドオーバーが成功した後、UE110は、新しいサービングセル720に、および/または、UE110が前のセル710にまだ接続されている場合には、前のセル710に、CHO障害(失敗)表示820のメッセージを送信する。CHO障害表示820のメッセージは、例えば、測定レポートの形式で、さらなる情報を含んでいてもよい。
【0132】
新しいサービングセル720は、さらなるUEおよび/またはCHOのコンテキスト情報をUE110に求める830ことができる。受信したコンテキスト情報に基づいて、新しいサービングセル720は、前のセル710にコンタクトおよび/または情報を転送してもよい。
【0133】
前回の予測または予想が失敗したので、UE110のCHO設定データ1100は、新しいサービングセル720によって更新される必要がある320。また、新たなサービングセル720は、例えば、ステータス更新740の形で、潜在的なターゲットセル320に通知する。潜在的ターゲットセル120に通知することで、潜在的ターゲットセル120であるセル3~4が、UE110のために確保されたリソースを解放することができるかもしれない。
【0134】
言い換えれば、本発明は、例えば、予測された決定論的UEモビリティまたは予想される将来のルートに依存している。例えば、そのようなCHOハンドオーバーが期待通りに実行されない場合、例えば、特定の時間ウィンドウ内の特定のCHOでは、無線リンクを維持するため、および/またはCHO設定もしくはCHO設定データを更新するために、UEの動作を定義する必要があるかもしれない。
【0135】
例えば、UEは、特定のターゲットgNBまたはターゲットセルに対して、特定のまたは予想される位置で、および/または特定のまたは予想される時間ウィンドウ内で、CHOを実行するように構成される場合がある。例えば、UEがそれぞれの位置および/またはそれぞれの時間ウィンドウを通過して、予想されるターゲットセルまたは異なるセル(例えば、セル8)を認知しない場合、UEは、例えば、まだ接続されている場合には、レポートまたは測定レポートおよび/またはCHO障害メッセージによってソースgNBに伝えることがある、および/または、例えば、RACH/Connection Setup手順の後に、既に接続されている新しいターゲットgNBまたは新しいサービングセルに、例えばCHO設定の予測または予想が間違っていたこと、および/または、CHO設定またはCHO設定データの更新が必要な場合があることを伝えることがある。
【0136】
UEからgNBまたはサービングセルへのメッセージまたはレポートは、例えば、以下を含んでもよい。
・CHOの障害表示、および/または、
・UEの位置情報(2Dまたは3D)、および/または、
・タイムスタンプ情報、および/または、
・UEの位置および時間に関連する信号強度測定値、および/または、
・CHO設定および/またはCHO設定のためのコンテキストがどのセルに保存されているか、および/または、
・UEが最後に接続したセルに関する情報(物理セル識別子またはグローバルセル識別子など)、および最後のセルにおけるUEの識別子(C-RNTIなど)、および/または、
・CHOを行うことが予想されるセルに関する情報。
【0137】
例えば、UEの障害表示に基づいて、新たに接続されたgNBまたは新しいサービングセルは、最後に接続されたセルまたは以前のサービングセルにいくつかの情報を転送してもよい。また、例えば、UEおよび/またはCHOのコンテキスト情報を求めることもできる。UEおよび/またはCHOコンテキストを受信すると、新しいセルまたは新しいサービングセルは、UEに向けてCHO設定またはCHO設定データを更新する可能性がある。
【0138】
例えば、新しいセルは、以前に予想されたセルまたは潜在的ターゲットセルに、このUEに対するCHO設定および/または予約を削除すること、および/またはCHOステータスを更新することをそれぞれ通知することもできる。
【0139】
あるいは、UEは、例えば、gNBまたは新しいサービングセルに障害表示または報告を送信するだけで、要求された場合には、より詳細なレポートを提供するようにgNBに申し出てもよい。gNBまたは新しいサービングセルが完全なレポートおよび/または測定データを要求すると、UEはそれをgNBまたは新しいサービングセルに送信することができる。
【0140】
UEが障害メッセージを提供する代わりに、ソースgNBまたは前のサービングセルは、UEが期待通りにCHOを実行していないことを確認することもでき、例えば、UEにいくつかの測定値または測定データを提供するように要求することもできる。
【0141】
図9は、UE110と、セルラーネットワークの複数のセル(セル1~5)との間の通信の一実施形態を示す概略図である。
【0142】
図9上の最初のステップとして、UE110は、サービングセルに、特にセル1に、設定要求380を送信する。UE110は、セル1から設定データ1100を受信する140。受信した設定データ1100は、特にセル1からセル2への条件付きハンドオーバー、セル2からセル3への条件付きハンドオーバー、セル3からセル4への条件付きハンドオーバー、セル4からセル5への条件付きハンドオーバーのための、複数のトリガ条件及びCHO設定データを含む逐次的設定データである。
【0143】
あるいは、設定データ1100をUE110に送信140する前に、セル1は、潜在的ターゲットセルであるセル2~5にCHO設定要求を送信し、セル2~5からCHO設定確認応答メッセージ250を受信する。CHO確認メッセージ250を受信した後、設定データ1100をUE110に送信する140。
【0144】
トリガ条件が満たされると、UE110は、セル2にCHO要求を送信する160。セル2は、UE110に送信されたCHO確認メッセージ170で、要求を確認する。UE110は、条件付きハンドオーバーを完了またはトリガし、セル2に条件付きハンドオーバーの完了を通知する。
【0145】
条件付きハンドオーバーの完了後、UE110は、例えば、セル1からセル2への既に完了した条件付きハンドオーバーを削除し210、条件付きデータの第2のパートを保存または維持することによって、逐次的CHO設定データを修正する。
【0146】
その間に、セル2は、前のサービングセルであるセル1にステータス更新を送出し730、潜在的ターゲットセルであるセル3~5にCHOステータス更新を送出する740。
【0147】
また、図9のセル4のように、潜在的ターゲットセル120の1つが条件付きハンドオーバーのパートナーとして利用できないことも考えられる。セル4は、現在のサービングセルであるセル2にCHO未確認(NACK)メッセージを送信することによって、条件付きハンドオーバーを確認していない。現在のサービングセルであるセル2は、CHO未確認メッセージをUE110に転送する。
【0148】
さらに、セル2は、セル4の代わりとなる代替セルを探している。セル5が良い代替と思われるので、セル2はセル5にCHO要求を送信する。代替サービングセルであるセル5は、現在のサービングセルであるセル2にCHO確認(ACK)メッセージを送信することによって、CHO要求を確認する。現在のサービングセルであるセル2は、UE110の設定データ1100を変更するために、設定更新320をUE110に送信する。新しい設定データ1100は、セル2からセル3へのハンドオーバーおよびセル3からセル5へのハンドオーバーのためのトリガ条件および設定データを含む。
【0149】
上で説明したシナリオのいくつかをよりよく把握するために、図9は、例えば、複数の逐次的(シーケンシャル)設定データを要求して受信するUE110を含む。完了したCHOプロセスは、サービングセルが、潜在的ターゲットセルにCHO要求を送信し、潜在的ターゲットセルからCHO確認および/または設定データを受信し、CHO設定データをUEに転送し、CHOを実行またはトリガし、新しいサービングセルが以前のサービングセルおよび潜在的ターゲットセルに完了したCHOを通知することを含む。さらに、潜在的ターゲットセルがCHOを確認せず、新しいサービングセルがNACKメッセージをUEに通知し、代替のターゲットセルを検索して見つけ、設定更新データをUEに通知する、という例もある。
【0150】
図10は、UE110とセルラーネットワーク130とで構成されるUE110とセルラーネットワーク130との間の一般的な通信の一実施形態の概略図である。
【0151】
UE110は、セルラーネットワーク140から設定データまたは設定更新を受信する。設定データは、複数のトリガ条件とハンドオーバー設定データとを含む。トリガ条件の1つ以上が満たされると、UE110は、i番目のターゲットセルとの間でi番目のCHOを実行している。CHOを完了した後、UE110は、その設定データ210を修正してもよく、これは、既に実行されたi番目のCHOに関連するデータを削除することを含んでもよい。セルラーネットワーク130は、同期的に動作してもよく、すなわち、その設定データ220を修正することであり、既に実行されたi番目のCHOに関連するデータを削除することが含まれ得る。
【0152】
トリガ条件が満たされると、UE110は、ターゲットセル番号jで次のj番目のCHOを実行するようにトリガされる。CHOを実行した後、UEおよび/またはセルラーネットワーク側で設定データの修正が行われることがある。
【0153】
さらなるトリガ条件が満たされると、CHOの実行がトリガされ、任意で設定データが変更される。
【0154】
このループのある時点で、UE110は、新しい設定データを必要とする。UE110は、トリガ条件が満たされている場合、またはトリガ条件が適用されている場合に、条件付きハンドオーバーのさらなる実行を可能にする設定データ更新320を要求および/または受信する。
【0155】
いくつかのケースでは、複数のUEが同じ移動経路または同じ予想される将来のルートで移動している場合、シグナリングオーバーヘッドをさらに低減することができる。記載されたシナリオでは、UEおよび/またはgNBのセットの移動経路はよく知られているかもしれない。すべてのUEを個別に設定する代わりに、例えば、CHO設定またはCHO設定データ、またはそのパート(CHO設定データの第1のポーションなど)が、システム情報ブロック(SIB)またはマルチキャスト信号を介してRRCブロードキャスト信号によって提供されてもよい。SIBは、モビリティ専用であってもなくてもよい。例えば、アクティブなすべてのUEは、SIBを読み取る必要があるため、したがって、CHO設定、またはCHO設定データのブロードキャストされた第1のポーションも読み取って認識する。
【0156】
図11は、既知の移動経路を有するUEのセットの設定データ1100を示す。設定データ1100は、一組の共通パラメータ1130を有する第1のポーション1130と、一組の個別パラメータ1150を有する第2のポーション1150とを含む。
【0157】
設定データ1100の共通パラメータ1130は、グループ固有の共通パラメータを含み、ブロードキャスト送信、グループキャスト送信、またはマルチキャスト送信で送信されるように構成されている。
【0158】
設定データ1100の個別パラメータ1150は、識別情報などのユーザ固有のパラメータを含み、ユニキャスト送信で送信されるように構成されている。
【0159】
設定データの一部は、例えば、セルの配置および/または道路のレイアウトやLEO衛星のルートに基づいて、かなり静的なものであってもよく、一方で、例えば、他の設定パラメータは、例えばCHO要求に対するターゲットgNBまたはターゲットセルの応答に基づいて、より動的なものであってもよい(図2のステップ1のように)。本発明の装置の一実施形態では、共通および/または静的なパラメータは、例えば、RRCブロードキャスト信号を介してシグナリングされ、一方、CHO設定データの第2ポーションのような動的および/または個別のパラメータは、例えば、UE専用RRC信号を介してシグナリングされる。
【0160】
例えば、移動するLEO衛星の場合、予め設定された時間に全てのUEのHOが予想される。また、次のLEO衛星は既知であり、固定することができる。したがって、ハンドオーバーのためのすべての情報は、専用のシグナリングの代わりに、例えばすべてのUEに共同で提供されてもよい。
【0161】
ブロードキャスト情報は、例えば、ストリートの方向ごとに、複数の移動経路またはルートの設定をブロードキャストしてもよい。UEが走行している経路を検出するのはUE次第であり、および/または、ネットワークはUEが設定で適用する可能性のある経路をUEに通知することができる。
【0162】
設定は、初期状態ではアクティブであってもなくてもよい。例えば、設定データの第1および/または第2のポーションは、別の活性化情報を含んでいてもよい。この動作は、仕様書においてハードコードされている場合と、シグナリングによって設定可能な場合がある。後者の場合、例えば、CHOが設定後に既に起動されている場合、および/または、例えば、設定後にまだ起動する必要がある場合、UEに通知するRRCメッセージ内のビットがあるかもしれない。
【0163】
この技術により、セル内のCHOは、例えば、電車での移動や路上での運転など、一部のUEおよび/またはUEのグループに限定することができる。CHOがアクティブでない場合、ネットワークは、例えば、そのgNBまたはセルに接続された後、無線リソース制御(RRC)再設定メッセージを介して、または、例えば、データパケットのヘッダに含まれる可能性のあるメディアアクセス制御(MAC)制御要素を介して、既に設定されたCHO実行トリガをアクティブにすることができる。
【0164】
さらなる実施形態
セルラーネットワーク130の1つまたは複数のセル120への条件付きハンドオーバーをサポートするユーザ機器110の一実施形態である。
【0165】
ユーザ機器110は、セルラーネットワーク120から設定データ1100を受信するように構成される。設定データ1100は、セルラーネットワーク130の複数のターゲットセル120について、ターゲットセル120のいずれかへの条件付きハンドオーバーをトリガ160する条件を示す。
【0166】
ユーザ機器1100は、適用に関する条件を確認し150、適用の場合には、条件付きハンドオーバーをトリガ160するようにさらに構成される。すなわち、言い換えれば、設定データ1100は、例えば、しかし必然的に、UE110の推定された将来のルートと並んで配置されるセルラーネットワーク130の複数のターゲットセル120に関するものである。この複数のターゲットセル120のそれぞれについて、設定データ1100は、構成データ1100は、その適用がUE110によって継続的に決定されなければならない1つまたは複数の関連する条件を示し得る。それらのうちのいずれか(またはすべてなどの組み合わせ)が満たされた場合には、この状況が、UE110がそれぞれのターゲットセルへのCHOを開始するトリガとなる。このように、設定データ1100は、それぞれが特定のターゲットセルに関連し、それぞれのターゲットセルに関連する1つまたは複数の条件を含むパートに構成される可能性がある。
【0167】
好ましい実施形態では、ユーザ機器は、条件付きハンドオーバーが完了した後230、350、または代替的に言えば、ターゲットセルのうちの特定の1つへのハンドオーバーを完了したことに応答して、設定データ1100の第1のパート210を削除し、設定データ1100の第2のパートを保持するように構成されており、例えば、完了した230、350条件付きハンドオーバー(またはそれぞれ対応するターゲットセル)に関連する第1のパートを削除することができる。これにより、任意のCHOが実施された後に、ネットワークがUEの設定データを更新する必要はなく、UEは、次に、既にCHOが行われたターゲットセルに関連する条件をチェックすることから解放される。さらに、UEは、CHOによって、複数のターゲットセルのうち、一度でもCHOが行われたターゲットセルにスイッチバックすることを望まれないかもしれない。
【0168】
セルラーネットワーク130は、同期的に220動作してもよく、すなわち、UEとネットワーク130との双方で設定データが等しく保たれるように、同期的に220修正してもよい。より正確には、ネットワークは、更新/同期された設定データがまだ関係するUE110に対して対応するCHOの詳細を割り当てるなどして、CHOのために準備されたターゲットセルのみを維持する可能性がある。
【0169】
好ましい実施形態では、設定データ1100の第1のパートは、完了および/または終了したハンドオーバーに関するものであり、設定データの第2のパートは、未完了又は未終了のハンドオーバーに関するものである。
【0170】
実施形態によれば、ユーザ機器110は、このようにして、条件付きハンドオーバーの第1回目のトリガ以降もチェック150を続けるように構成される。すなわち、言い換えれば、設定データ1100は、セルラーネットワーク130の複数のターゲットセル120に関するものであり、これらは、純粋に互いに交互にではなく、互いに連続していても(互いにシーケンシャルであっても)CHOを実行するのに有用なターゲットセルを形成していると考えられる。UEは、これらの条件に基づいてトリガされた第1のCHO以降も、設定データの条件をチェックし続けるようになっている。
【0171】
好ましい実施形態では、ユーザ機器は、ターゲットセルに信号160を送信することで条件付きハンドオーバーをトリガし160、ターゲットセルから信号を受信することで条件付きハンドオーバーを完了230、350するように構成されている。
【0172】
実施形態によれば、第1回目のトリガ160は、第1のセル120から第2のセル120への条件付きハンドオーバーに関するものであり、チェックを継続することには、第2のセル120から第1のセル120への条件付きハンドオーバー、すなわち、設定データが参照するターゲットセルの1つでもある第1のセル、および/または、ターゲットセルのうちの任意の他のセルに戻ることに関する条件をチェック150することが含まれる。なお、例えば、第1のセル120から第2のセル120への条件と、第2のセル120から第1のセル120への条件とが異なっていてもよい。このようにして、UEがUターンして将来の推定経路を逆に辿る場合など、切り返しが可能になる場合がある。
【0173】
UEは、例えば、条件付きハンドオーバーに関連するトリガ条件をチェックすることに加えて、さらに、非設定のターゲットセルをチェックすることができる。すなわち、設定データ1100が参照する複数のターゲットセルに属さない任意のターゲットセルへのハンドオーバーの有用性をチェックすることができる。非設定のターゲットセルが適切な候補である場合、たとえば、測定レポートまたは別の種類の設定済み/事前設定済みのトリガによって検出された場合には、適切なハンドオーバー候補について、たとえば測定レポートまたは条件付きハンドオーバー設定の再設定を求めるレポートを用いて、ソースセルに通知することができる。このようにして、適切なセルへのハンドオーバーを開始することができる。設定データが関連するターゲットセルへの条件付きハンドオーバーの追加を求める場合、ネットワークまたは現在サービスを提供しているセルは、UEに新しい設定データまたは既存の設定のアップデートを送信することができる。また、サービングセルがまだ予測されていないターゲットセルへのハンドオーバーを準備する通常のハンドオーバーが開始される可能性もある。
【0174】
実施形態によれば、ユーザ機器110は、設定データに示される制限時間間隔の間だけ、ユーザ機器110が利用可能な条件付きハンドオーバーをトリガ160するように構成される。言い換えれば、ターゲットセルのうちの特定の1つへの条件付きハンドオーバーは、条件付きハンドオーバーが排他的に許可される時間間隔の観点から、少なくとも部分的に、設定データによって条件付けられてもよい。したがって、UE110は、対応するターゲットセルへのCHOが利用可能であるか否かをチェックするために、現在の時刻がその時間間隔に該当するか否かを確認する必要がある。設定データが関連する複数のターゲットセル、またはすべてのターゲットセルについて、そのような時間間隔が設定データに与えられてもよい。
【0175】
実施形態によれば、制限時間間隔は、周期的なものであってもよいし、1回(single time)または1度(once)に限定されたものであってもよい。
【0176】
実施形態によれば、設定データ1100は、制限時間間隔の開始時間および有効期間を含む。制限時間間隔は、間隔によって、および/または、開始時間および有効期間によって定義されてもよい。
【0177】
実施形態によれば、設定データ1100は、異なるターゲットセル120に割り当てられた2つ以上の限定的および/または周期的な時間間隔を含む。時間間隔の周期的シーケンスなどの周期的な時間的間隔は、例えば、衛星ターゲットセルを使用する場合に定義することができ、時間間隔の周期性は、衛星ターゲットセルの軌道周期性に関連する。
【0178】
実施形態によれば、トリガする条件、またはトリガ条件は、サービスに依存したトリガ、例えばURLLCがURLLCトラフィックをサポートしない共通の設定またはセルを削除、無視、または優先順位を下げることで構成される可能性がある。
【0179】
トリガはさらに、特定のUEが特定の技術へのアクセスを許可されない可能性がある課金モデルに基づくポリシー依存のトリガであり得、例えば、安価なモデムはマルチRATのeNB/gNBにアクセスできない可能性がある。つまり、例えば、ポリシーに従って、より高い料金を支払う顧客のUEは、特定の技術にアクセスすることができる。
【0180】
トリガはさらに、ハンドオーバー障害(失敗)トリガであってもよく、UEは、過去に失敗したハンドオーバーの履歴を追跡することができ、過去に失敗したセル、および/または過負荷であるセル、および/または過去にハンドオーバーを断ったターゲットセルに対して、ハンドオーバーの優先順位を下げることができる。これは、セルラーネットワーク120によるシグナリングされたトリガとすることもでき、例えば、基地局および/またはセルがトリガを送信し、過去の分析に基づいて成功の確率を追加する。また、セルラーネットワークからシグナリングされた設定データで構成することもでき、例えば、基地局および/またはセルは、過去の分析に基づく成功確率をトリガ条件に付加した設定データを送信する。
【0181】
好ましい実施形態では、設定データ1100は、優先ターゲットセル設定データおよび/またはバックアップターゲットセル設定データを含むか、または、ターゲットセルへの条件付きハンドオーバーに関する優先順位を示す。
【0182】
好ましい実施形態では、設定データ1100は、優先順位付けされたおよび/または順序付けされたターゲットセル設定データを含む。
【0183】
好ましい実施形態では、優先ターゲットセルおよび/または第1の、主要な、優先順位を有するターゲットセル120の設定データは、バックアップターゲットセルおよび/または第2の、補助的な、優先順位を有するターゲットセルの設定データとは異なるトリガ条件を含む。
【0184】
さらに、バックアップターゲットセル設定データおよび/または第2の優先順位を有するターゲットセル120の設定データのトリガ条件は、優先ターゲットセルおよび/または第1の優先順位を有するターゲットセルとのハンドオーバーが失敗した、すなわち、その優先ターゲットセルへのCHOのための1つまたは複数の条件が適用されていたが、最終的にハンドオーバーが失敗したという初期のトリガ条件を含む。
【0185】
このグループ化または順位付けは、例えば以下のように行うことができる。
・サービスの継続性を確保するセルを優先する、および/または、
・帯域幅の広いセルを優先する、および/または、
・3G、GSM、または他のRATよりも5G/LTEを優先する、および/または、
・占有率の低いセルまたは通信リソースへの負担が少ないセルを優先する、および/または、
・より低い周波数で動作し、より広い範囲をカバーするマクロセルよりも、スモールセルやミリ波で動作するセルを優先する、および/または、
・ライセンスセルよりもアンライセンスセルを優先する。
【0186】
これらの優先順位は、例えば、ポリシー、課金モデル、モデムの種類、または実行中のサービスに応じて逆になることもある。
【0187】
好ましい実施形態では、設定データ1100は、ユーザ機器110が条件付きハンドオーバーを実行する230、350ことが意図されているターゲットセル120の順序に関する情報を含む。例えば、UEは、所定のターゲットセルへのCHOにより、このターゲットセルが、設定データが関係する複数のターゲットセルのうち、CHOが開始されるn番目のターゲットセルになるかどうかという条件をチェックしなければならなくなることがある。そうでない場合、このターゲットセルはCHOに利用できない。
【0188】
好ましい実施形態では、ユーザ機器110は、セルラーネットワーク120から受信した設定更新325に従って設定データを更新する320ように構成される。すなわち、新しい設定データは、自己完結的に、すなわち完全に新たにUEに送信されるのではなく、UEにおける設定データの現在のバージョンと差分的に送信されることになる。好ましい実施形態において、または代替的に言えば、設定更新または更新メッセージ325は、設定データ1100の新バージョンおよび/または設定データ1100の変更されたポーションのみで構成されてもよい。
【0189】
好ましい実施形態では、設定更新または更新メッセージ325は、第1および第2のセットの交点が複数のターゲットセルを含むように、複数のターゲットセル120を第1セットのセルから第2セットのセルに変更する。
【0190】
好ましい実施形態では、ユーザ機器は、ブロードキャスト送信またはグループキャスト送信またはマルチキャスト送信を介して設定データ1100の第1のポーション1130を受信し、ユニキャスト送信を介して設定データの第2のポーション1150を受信するように構成される。
【0191】
好ましい実施形態では、設定データの第1のポーション1130は、グループ固有または共通のパラメータからなり、設定データの第2のポーション1150は、ユーザ固有または個別のパラメータからなる。
【0192】
好ましい実施形態では、設定データの第1のポーションは、設定データの第2のポーションによって上書きされ、これは、共通のパラメータが個別のパラメータによって上書きされ得ることを意味する。
【0193】
好ましい実施形態では、設定データ1100の第2のポーション1150は、UEのハンドオーバーの詳細に関するものである。それは、ユーザ機器の識別子、および/または、RACHプリアンブル識別子、および/または、ターゲットセルにおける物理リソースの予約に関連する識別情報を含んでもよい。識別情報は、例えば、ユーザID、RNTI、RACHプリアンブルなどを含んでもよい。
【0194】
実施形態によれば、ユーザ機器は、設定データ1100の第2のポーション1150が、ターゲットセルにおける物理リソースの予約および/またはユーザ機器の識別子および/またはRACHプリアンブル識別子に関連する識別情報からなるかどうかを確認し、そうでない場合には、識別のためのユーザ機器の現在の識別情報および/またはRACHリソースのデフォルトのプールおよび/またはランダムもしくはデフォルトのRACHプリアンブル識別子および/またはデフォルトの物理リソース予約を使用するように構成される。識別情報は、例えば、ユーザID、RNTI、RACHプリアンブルなどを含む。
【0195】
実施形態によれば、設定データの第2のポーション1150は、設定データ1100がユーザ機器110に対してアクティブであることをユーザ機器110に示す個別のアクティベーション情報を含んでいる。活性化情報および/または活性化信号は、例えばPDCCH(Physical Downlink Control Channel)を介して、設定の活性化および/または非活性化を示すものである。
【0196】
実施形態によれば、設定データ1100の第1および/または第2のポーション1130,1150は、ターゲットセル120へのハンドオーバー後に適用される次のターゲットセル構成をユーザ機器110に示すターゲットセル設定情報を含む。
【0197】
実施形態によれば、ユーザ機器1100は、設定データ1100の第1及び/又は第2のポーション1130、1150が、ターゲットセルへのハンドオーバー後に適用される次のターゲットセル設定をユーザ機器1100に示すターゲットセル設定情報を含むかどうかをチェックし、含んでいない場合、ハンドオーバーをトリガする際に、ソースセル設定又はサービングソースセル310の設定情報を引き継ぐように構成される。
【0198】
実施形態によれば、設定データ1100の第1のポーション1130は、以下を含んでもよい。
・候補ターゲットセルに関連する識別子(identities)、および/または、
・ターゲットセル設定パラメータ(例えば、周波数またはキャリア帯域幅)、および/または、
・RACHプリアンブル、および/または、
・最初の接続に使用するRACHオケージョン、および/または、
・最初の接続に失敗したときのバックオフ手順、および/または、
・実行する条件付きハンドオーバーの前記条件を示すトリガしきい値、量、イベント、および/または、
・測定する特定信号を測定するための基準信号、および/または、
・ビーム情報、および/または、
・平均化情報、および/または、
・ターゲットセルの物理的な位置情報。
【0199】
ユーザ機器110は、例えば、ターゲットセル120までの距離から、そのタイミングアドバンスおよび/または電力制御値を導出することができる。
【0200】
実施形態によれば、ユーザ機器1100は、設定データ1100の第1のポーション1130が以下を含むかどうかをチェックするように構成される。
・候補ターゲットセルに関連する物理セル識別子、および/または、
・ターゲットセル設定パラメータ(例えば、周波数またはキャリア帯域幅)、および/または、
・RACHプリアンブル、および/または、
・最初の接続に使用するRACHオケージョン、および/または、
・最初の接続に失敗したときのバックオフ手順、および/または、
・実行する条件付きハンドオーバーの条件を示すトリガしきい値、量、イベント、および/または、
・測定する特定信号を測定するための基準信号、および/または、
・ビーム情報、および/または、
・平均化情報、および/または、
・ターゲットセルの物理的な位置情報。
【0201】
含んでいない場合は、ハンドオーバーのトリガの場合に、設定データの現在のおよび/またはデフォルトの第1のポーション1130のそれぞれの情報を引き継ぐ。すなわち、新たに更新された設定データ1100の第1のポーション1130が、上記リストの要素に関するいかなる情報も構成していない場合、UEは、利用可能な、以前に更新された情報、または、デフォルトの情報を代わりに使用する。
【0202】
実施形態によれば、ユーザ機器110は、設定データ1100を受信するように構成されており、設定データは、以下を含んでいる。
・物理セル識別子、および/または、
・RACHプリアンブル、および/または、
・最初の接続に使用するRACHオケージョン、および/または、
・最初の接続に失敗したときのバックオフ手順、および/または、
・ユーザID(例えば、RNTI)、および/または、
・トリガしきい値、および/または、
・測定する基準信号、および/または、
・ビーム情報、および/または、
・平均化情報、および/または、
・ターゲットセル設定、および/または、
・V2Xのためのリソースプールの設定または使用/利用、および/または、
・ターゲットセルの物理的な位置情報。
【0203】
実施形態によれば、ユーザ機器110は、以下の情報を含むまたは含まない設定データ1100を受信するように構成されている。
既定のターゲットセル120は、互いに隣接する1つ以上の第1ターゲットセル120と、互いに隣接するが第1ターゲットセルとは隣接しない1つ以上の第2ターゲットセル120とに隣接しており、既定のターゲットセル120が、条件付きハンドオーバーの準備の継続性が信頼できないことをネットワークに示す場合において、
・予想される条件付きハンドオーバーの中断時間、および/または、
・既定のターゲットセル、および/または、
・所定のサービスおよび/またはQoSフローおよび/または論理チャネル、および/またはラジオベアラが前記ターゲットセルにおいてサポートされていないというアナウンス、および/または、
・ネットワークスライスがサポートされていないこと。
【0204】
実施形態によれば、ユーザ機器は、レポート、例えば測定レポートを実際のサービングセル310および/または新しいサービングセルに送信することによって、サービングセル310からの設定データの更新380をトリガするように構成される。
【0205】
サービングセル310にレポートを送信することは、ユーザ機器110がサービングセル310にまだ接続されている場合に、1つまたは複数のターゲットセル120へのハンドオーバーを実行できないときに、サービングセルに通知することができる。
【0206】
新しいサービングセル310にレポートを送信することは、ユーザ機器がセルラーネットワークとの接続を失って再接続した後に、ハンドオーバー設定が誤っていることを新しいサービングセル310に通知してもよい。
【0207】
実施形態によると、レポートは以下を含む。
・ハンドオーバー失敗表示、および/または、
・前記ユーザ機器の位置情報、および/または、
・経路情報、および/または、
・タイムスタンプ情報、および/または、
・物理的セル識別子に関連する信号強度測定データ、および/または、
・ハンドオーバー設定および/またはハンドオーバーコンテキスト設定および/またはハンドオーバーコンテキスト設定が保存されているターゲットセルに関する情報、および/または、
・前記ユーザ機器が接続されていた最後のセルに関する情報、および前記最後のセルにおける前記ユーザ機器の識別子、および/または、
・前記ユーザ機器がハンドオーバーを行うことが予想される前記ターゲットセルに関する情報。
【0208】
ルート情報は、例えば、ユーザ機器110の将来のルートおよび/または将来のルートのパートに関するもの、または可能なルートのリストであり得る。ルート情報は、例えば、GPS座標のリストとしてのウェイポイント(waypoints)、または、例えば場合によってはユーザ機器110の速度および方向を含む動きベクトルとすることができる。
【0209】
実施形態によれば、ユーザ機器110は、ハンドオーバー設定が誤っている場合(ハンドオーバー設定にエラーがある場合)に、障害表示のみによってサービングセル310に通知し、サービングセル310の要求があった場合にのみ、詳細なレポートを提供するように構成される。
【0210】
実施形態によれば、ユーザ機器110は、サービングセル310がトリガした測定データを提供するように構成されてもよい。
【0211】
実施形態によれば、ユーザ機器110は、1つ以上の前のハンドオーバーを引き起こしたトリガに関する情報を与える、サービングセル310によってトリガされた測定レポートおよび/または測定データを提供するように構成されている。
【0212】
実施形態によれば、設定データ1100は、別の設定および/または事前設定またはデフォルト設定が使用された後の有効期間を有する。
【0213】
コンテンションフリーのRACHプリアンブルは、ある時間だけ予約される。その後、別のプリアンブルが使用され、および/またはデフォルトのコンテンションベースのRACH手順が使用される。
【0214】
実施形態によれば、ユーザ機器110は、セルラーネットワークの他のノードとコンテキスト情報を交換するように構成される。
【0215】
セルラーネットワークの他のノードは、以下の実施形態のいずれかとして記述されてもよい。
【0216】
本明細書で説明する実施形態は、トランシーバに関するものであってもよく、特に、ユーザ機器(UE)に関連して説明してもよい。実施形態は、UEに限定されるものではなく、他のタイプの送信機またはトランシーバ、例えば、以下のうちの少なくとも1つを含むトランシーバに関するものである。
・ユーザ機器。
・移動式または不動式の基地局。
・移動端末。
・据え置き型端末。
・セルラーIoT-UE。
・車両型UE。
・グループリーダーUE(GL)。
・IoTまたはナローバンドIoT(NB-IoT)デバイス。
・地上の車両。
・空中車両。
・ドローン。
・移動する基地局。
・ロードサイドユニット(RSU)。
・建物、および、
・アイテムおよび/またはデバイスがワイヤレス通信ネットワークを使用して通信できるようにするネットワーク接続を備えたその他のアイテムおよび/またはデバイス(センサやアクチュエータなど)。
【0217】
例えば、移動式または非移動式の基地局は、以下の1つまたは複数から構成されている。
・マクロセル基地局。
・スモールセル基地局。
・基地局の中央ユニット。
・基地局の分散型ユニット。
・ロードサイドユニット。
・UE。
・グループリーダー(GL)。
・リレー。
・リモートラジオヘッド。
・AMF。
・SMF。
・コアネットワークエンティティ。
・モバイルエッジコンピューティングエンティティ。
・NRまたは5Gのコアコンテクストにおけるネットワークスライス、および
・アイテムまたはデバイスが無線通信ネットワークを使用して通信することを可能にする任意の送受信ポイント(TRP)であって、アイテムまたはデバイスは、無線通信ネットワークを使用して通信するためのネットワーク接続性を備えていること。
【0218】
セルラーネットワーク130のさらなる実施形態は、条件付きハンドオーバーをサポートし、1つまたは複数の既定ユーザ機器110のセルラーネットワーク130の1つまたは複数のターゲットセル120のそれぞれについて、セル識別子によって識別される1つまたは複数のそれぞれのターゲットセル120へのユーザ機器110の条件付きハンドオーバーを先取りして準備するように構成される。
【0219】
セルラーネットワーク130は、さらに、それぞれのセルへのハンドオーバーをトリガする条件を各セルについて記述した設定データをユーザ機器110に送信するように構成される。
【0220】
セルラーネットワーク130は、本発明のユーザ機器110のそれぞれのセルへのハンドオーバーを事前に準備している-または、ユーザ機器がそれぞれのセルに実行する可能性のある将来のハンドオーバーを単に準備している。事前の準備は、利用可能なIDの1つをユーザ機器に帰属させることを含むことができる。このIDは、例えば、設定データ1100のユーザ機器個別ポーション1150に含まれる。
【0221】
先取り準備は、例えば、以下を含むことができる。
・ユーザコンテキスト、例えばRRCコンテキストの転送及び保存、および/または、
・ユーザID、例えばRNTIの確保、および/または、
・RACHプリアンブルの確保、および/または、
・リソースの確保、および/または、
・準備された1つまたは複数のターゲットセルへのパケットのルーティングおよび/または複製、および/または、
・エッジクラウド機能の準備、および/または、
実行中のサービスに対するQoSのチェックおよび/または準備する。
【0222】
実施形態によれば、セルラーネットワークは、ターゲットセルからサービングセルに、条件付きハンドオーバーの有効期間を通知するように構成される。
【0223】
実施形態によれば、セルラーネットワークは、ユーザ機器が1つまたは複数のセルへの条件付きハンドオーバーを実行しなければならないトリガ条件に関する情報を設定データに含めるように構成される。
【0224】
実施形態によれば、セルラーネットワークは、トリガ条件によって上書きされる可能性のある共通の設定データを設定データに含めるように構成される。
【0225】
実施形態によれば、ターゲットセル設定データおよび/または第1の優先順位を有する設定データは、バックアップターゲットセルの設定データおよび/または第2の優先順位を有するターゲットセルの設定データとは異なるトリガ条件を含む。バックアップターゲットセル設定データおよび/または第2の優先順位を有するターゲットセル設定データのトリガ条件は、優先ターゲットセルおよび/または第1の優先順位を有するターゲットセルとのハンドオーバーが失敗するという初期トリガ条件を含む。
【0226】
実施形態によれば、セルラーネットワークは、次のターゲットセルがハンドオーバーの準備をすることができるように、条件付きハンドオーバーが実行されたターゲットセルから、またはサービングセルから、前のターゲットセルへのUEのハンドオーバーが成功したことを次のターゲットセルに通知するように構成される。
【0227】
実施形態によると、セルラーネットワークは、設定データをユーザ機器に送信するように構成されており、設定データは、以下を含むことができる。
・物理セル識別子、および/または、
・RACHプリアンブル、および/または、
・最初の接続に使用するRACHオケージョン、および/または、
・最初の接続に失敗したときのバックオフ手順、および/または、
・ユーザID、RNTI、および/または、
・トリガしきい値、および/または、
・測定する基準信号、および/または、
・ビーム情報、および/または、
・平均化情報、および/または、
・ターゲットセルの設定、および/または、
・V2Xのためのリソースプールの設定または使用/利用、および/または、
・ターゲットセルの物理的な位置情報。
【0228】
実施形態によれば、セルラーネットワークは、ユーザ機器が現在サービスを受けているサービングセルからターゲットセルに、ハンドオーバーの準備のための要求を送信するように構成され、ターゲットセルの少なくとも1つはサービングセルに直接隣接していない。
【0229】
実施形態によれば、セルラーネットワークは、回答をターゲットセルからサービングセルに送信するように構成される。
【0230】
実施形態によれば、セルラーネットワークは、レポートを送信することにより、ユーザ機器にサービングセルからの設定データの更新をトリガさせるように構成され、ユーザ機器が1つ以上のセルへのハンドオーバーを実行できない場合に、ユーザ機器がまだサービングセルに接続されていれば、ユーザ機器からサービングセルに通知する、または、ユーザ機器がセルラーネットワークとの接続を失って再接続した後に、ハンドオーバー設定が誤っていることをユーザ機器から新しいサービングセルに通知する。
【0231】
実施形態によれば、セルラーネットワークは、ユーザ機器がレポートを送信することにより、サービングセルからの設定データの更新をトリガするように構成されており、このレポートは以下を含むことができる。
・ハンドオーバー障害表示、および/または、
・ユーザ機器の位置情報、および/または、
・経路情報、および/または、
・タイムスタンプ情報、および/または、
・位置及び時間情報を有する前記ユーザ機器に関連する信号強度測定データ、および/または、
・ハンドオーバー設定および/またはハンドオーバーコンテキスト設定および/またはハンドオーバーコンテキスト設定が保存されているセルに関する情報、および/または、
・ユーザ機器が接続されていた最後のセルに関する情報、およびこの最後のセルにおけるユーザ機器の識別子、および/または、
・ユーザ機器がハンドオーバーを実行することが予想されていたセルに関する情報。
【0232】
実施形態によると、セルラーネットワークは、ユーザ機器がセルラーネットワークとの接続を失って再接続した後に、新しいサービングセルから前のサービングセルに、再接続について、および/または新しいハンドオーバーについて、および/または新しいコンテキスト情報について通知する、および/または、ユーザ機器のために確保されたリソースを解放するために、ユーザ機器を期待する前の1つ以上の前のセルに再接続について通知するように構成される。
【0233】
実施形態によれば、セルラーネットワークは、ハンドオーバー設定にエラーがあった場合に、ユーザ機器からサービングソースセルに障害表示によってのみ通知し、サービングソースセルの要求があった場合にのみ、詳細なレポートを提供するように構成される。
【0234】
実施形態によれば、セルラーネットワークは、測定レポートおよび/または測定データを提供するようにサービングソースセルからユーザ機器をトリガするように構成される。
【0235】
実施形態によれば、セルラーネットワークは、未設定のターゲットセルについて条件付きハンドオーバーに関するユーザ機器からのトリガ条件をチェックし、未設定のターゲットセルが適切なハンドオーバー候補である場合には、ユーザ機器からサービングソースセルを通してセルラーネットワークに、適切なハンドオーバー候補について通知するように構成される。
【0236】
実施形態によれば、セルラーネットワークは、条件付きハンドオーバーのトリガ条件が未設定セルに適用される場合、ユーザ機器から未設定セルへのハンドオーバーを開始するように構成される。
【0237】
変形例
特定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装することができる。実装は、デジタル記憶媒体、例えばフロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、またはFLASHメモリであって、その上に格納された電子的に読み取り可能な制御信号を有し、プログラム可能なコンピュータと協働する(または協働可能な)ものを用いて行うことができる。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータで読み取り可能であってもよい。
【0238】
本発明によるいくつかの実施形態では、電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを構成しており、このデータキャリアは、プログラマブルコンピュータシステムと協働することが可能である。
【0239】
本明細書に記載の装置は、ハードウェア装置を用いて実施してもよいし、コンピュータを用いて実施してもよいし、ハードウェア装置とコンピュータの組み合わせを用いて実施してもよい。
【0240】
本明細書で説明した装置、または本明細書で説明した装置の任意のコンポーネントは、少なくとも部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアで実装されてもよい。
【0241】
本明細書で説明した実施形態は、本発明の原理を説明するためのものに過ぎない。本明細書に記載された配置および詳細の修正および変形は、当業者には明らかであることが理解される。したがって、差し迫った特許請求の範囲によってのみ制限され、本明細書の実施形態の説明および解説の方法によって提示された特定の詳細によっては制限されないことが意図されている。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11