(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】ステントグラフトを半径方向に収縮するための送達システム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/966 20130101AFI20240213BHJP
A61F 2/07 20130101ALI20240213BHJP
【FI】
A61F2/966
A61F2/07
(21)【出願番号】P 2022039207
(22)【出願日】2022-03-14
(62)【分割の表示】P 2019519973の分割
【原出願日】2018-02-23
【審査請求日】2022-03-17
(32)【優先日】2017-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506074417
【氏名又は名称】ボルトン メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【氏名又は名称】細田 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア,エドゥアルド,アルジャンドロ
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-509450(JP,A)
【文献】特開2012-139500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/966
A61F 2/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) ハンドル(12);
b) 該ハンドルから遠位に伸長し、かつ遠位端(18)および長手軸を有するガイドワイヤカテーテル(14)、ここで該ガイドワイヤカテーテルは、その遠位端でアーチ状である;
c) 近位端(24)および遠位端(26)を有する少なくとも1つの管(22)、ここで該管は、ハンドルから遠位に伸長し、かつガイドワイヤカテーテルと平行に整列される;
d) 少なくとも1つの管を通って伸長する少なくとも1つのワイヤ(28)、ここでそれぞれのワイヤは、管の遠位端でループ(30)として形成され、かつハンドルで少なくとも1つの近位端(24)を有
し、該少なくとも1つのワイヤが形状記憶材料で形成される;ならびに
e) ステントグラフト(32)、ここで該ステントグラフト(32)は、
i) 近位開口端(34)および遠位開口端(36)、
ii) 長手軸、
iii) グラフト管腔(44)を画定する内部表面(42)を有する管腔グラフト構
成要素(38)、
iv) 複数のステント(31、48)、ここで該複数のステント(31、48)は、そ
れぞれ、管腔グラフト構成要素の周囲に伸長し、かつ管腔グラフト
構成要素の長手軸の周囲に分布され、該ステントの少なくとも一部
が、近位頂部(52)および遠位頂部(54)を画定するように連結される
支柱(50)を含む、および
v) ステントの支柱(50)の間で入れ子状になっている複数の縫合糸(56)、
ここで該少なくとも1つのワイヤ(28)は、縫合糸(56)を通って伸長し、
それによりステントグラフト(32)が固定される、
を有する、
を含む、ステントグラフト送達システム(10)であって、該ステントグラフト(32)が、ガイドワイヤカテーテル(14)の周囲に伸長し、該ワイヤ(28)のループ(30)が、ステントグラフトを少なくとも部分的に固定し、該少なくとも1つのワイヤ(28)のループ(30)の長さが減少するように該送達デバイスの近位端で該ワイヤ(28)を引くことにより縫合糸(56)を通って伸長するワイヤ(28)を引き込むことが、ループ(30)の半径方向の収縮、ならびに結果的にループ(30)での該ステント(31、48)および該ステントグラフト(32)の半径方向の収縮を引き起こす、ステントグラフト送達システム(10)。
【請求項2】
少なくとも1つの管が、平行に整列される管(102、104)の第1の組であり、該ワイヤが、2つの管を通って伸長し、ループが、それぞれの各管内に伸長するワイヤの一部を連結する、請求項1記載のステントグラフト送達システム。
【請求項3】
該ステントグラフトが、近位端にベアステント(236)を含み、該ベアステントが、ガイドワイヤカテーテルの遠位端で固定される、請求項2記載のステントグラフト送達システム。
【請求項4】
2つのワイヤをさらに含むステントグラフト送達システムであって、それぞれのワイヤのループが、互いに対してガイドワイヤカテーテルの長手軸に沿って長手方向に整列される、請求項3記載のステントグラフト送達システム。
【請求項5】
該少なくとも1つのワイヤの各々の少なくとも一部のそれぞれが、ステントグラフトにおいて、複数の縫合糸(56)を通って伸長する、請求項1記載のステントグラフト送達システム。
【請求項6】
複数の縫合糸(56)が、それぞれのステントのそれぞれの近位頂部に対して遠位に入れ子状になる、請求項5記載のステントグラフト送達システム。
【請求項7】
少なくとも2つのワイヤが、ステントグラフトにおいて、縫合糸(56)を通って伸長する、請求項1記載のステントグラフト送達システム。
【請求項8】
ワイヤのそれぞれが、ステントグラフトのそれぞれのステントを半径方向に収縮する、請求項7記載のステントグラフト送達システム。
【請求項9】
ワイヤのそれぞれが、少なくとも2つの縫合糸を通って伸長し、該縫合糸のそれぞれが、それぞれのステントの近位頂部に対して遠位に入れ子状になる、請求項8記載のステントグラフト送達システム。
【請求項10】
少なくとも2つのワイヤのそれぞれが独立して操作可能である、請求項8記載のステントグラフト送達システム。
【請求項11】
少なくとも1つのワイヤのそれぞれの近位端の1つでワイヤハンドルをさらに含むステントグラフト送達システムであって、それぞれのワイヤが、それぞれのハンドルの近位の引き込みまたは前進により操作可能である、請求項8記載のステントグラフト送達システム。
【請求項12】
少なくとも2つのワイヤが、近位端でワイヤハンドルに集合的に固定され、ステントグラフトに沿って長手方向にワイヤハンドルを遠位または近位に移動させることで、該少なくとも2つのワイヤが、ステントグラフトの半径方向の収縮を集合的に増加または減少させる、請求項11記載のステントグラフト送達システム。
【請求項13】
少なくとも2つのワイヤの少なくとも一部がそれぞれ独立して、それらの近位端のそれぞれで別個のワイヤハンドルに固定され、ステントグラフトに沿って長手方向にそれぞれのワイヤハンドルを遠位および近位に移動させることで、該少なくとも2つのワイヤが、少なくとも1つの他のワイヤおよびそれぞれのワイヤハンドルと独立して作動して、それぞれの縫合糸でステントグラフトの対応する部分の半径方向の収縮を独立して増加または減少させ、それぞれの各ワイヤループが該縫合糸を通り抜ける、請求項11記載のステントグラフト送達システム。
【請求項14】
該形状記憶材料がニチノールを含む、請求項
1記載のステントグラフト送達システム。
【請求項15】
該少なくとも1つのワイヤが独立して、該ステントグラフト送達システムの残りから解放可能であり、該少なくとも1つのワイヤが、該ステントグラフトにおいて縫合糸から取り除かれ得、それにより該ステントグラフトが該ワイヤから解放される、請求項1記載のステントグラフト送達システム。
【請求項16】
該管腔グラフト構成要素(38)は、開窓(46)を画定する、請求項1記載のステントグラフト送達システム。
【請求項17】
該少なくとも1つの管が、平行に整列される管(22、72)の第1の対であり、該少なくとも1つのワイヤが、それぞれ該管のそれぞれを通って伸長するワイヤ(28、74)の対であり、それぞれのワイヤのループが、それぞれの各管内を伸長する、請求項1記載のステントグラフト送達システム。
【請求項18】
該ステントは、該ステントグラフトの外部表面(40)に沿って分布される、請求項1記載のステントグラフト送達システム。
【請求項19】
該少なくとも1つの管の遠位端が、該ステントグラフト内にある、請求項1記載のステントグラフト送達システム。
【請求項20】
該少なくとも1つの管は、該管腔グラフト構成要素の外部表面に沿って伸長する、請求項1記載のステントグラフト送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2017年2月24日に出願された米国仮特許出願第62/463,018号の利益を主張する。前記出願の全教示は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、ステントグラフトを半径方向に収縮するための送達システムおよび使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
大動脈病状、例えば大動脈瘤は、開放外科的再構成、または代替的に開放外科的修復の最小侵襲性代替である血管内修復により治療され得る。しかしながら、血管内修復の首尾よい結果を最適化することは、患者の解剖学的構造、および大動脈瘤の場合は、動脈瘤嚢の完全な排除、大動脈内のステントグラフトの固定および最小な内部の漏れ(endoleak)を確実にするための動脈瘤の近位端および遠位端にわたる適切なステントグラフトの評価を必要とする。また、内部の漏れおよび手術後の動脈瘤部位の広がりは、動脈瘤嚢の任意の拡張を閉じるためのさらなる修復を必要とし得、かつ一般的に手術部位からの周囲の内臓および関連のある構造への血流を有意に傷つけることなくなされなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、大動脈病状、特に大動脈瘤を治療するための新規の向上された血管内修復デバイスおよび方法のための必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本発明は、大動脈血管損傷、例えば生体臓器および組織に血液を供給する動脈分枝を有する大動脈の領域における大動脈瘤、例えば胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、胸腹大動脈瘤、腎臓近傍(juxtarenal)大動脈瘤およびショートネック(short-neck)腹部大動脈瘤を含む大動脈瘤に関連する血管損傷の治療および修復における使用のためのステントグラフト送達システムに関する。
【0007】
一態様において、該ステントグラフト送達システムは、ハンドル、ガイドワイヤカテーテル、少なくとも1つの管および少なくとも1つのワイヤを含む。該ガイドワイヤカテーテルは、ハンドルから遠位に伸長し、遠位端を含む。該管は、近位端および遠位端を含む。該少なくとも1つの管は、ガイドワイヤカテーテルと並行してハンドルから遠位に伸長する。少なくとも1つのワイヤは、管を通って伸長し、管の遠位端でループとして形成される。該ワイヤは、ハンドルで少なくとも1つの近位端を含む。
【0008】
別の態様において、本発明は、ステントグラフトを被験体の動脈瘤に方向づける工程を含む、被験体の動脈瘤においてステントグラフトを埋め込む方法であり、ここで該ステントグラフトの少なくとも1つのステントは、少なくとも1つの管を通って伸長し、かつ送達システム中のステントグラフトに少なくとも部分的に固定されるループとして形成される少なくとも1つのワイヤにより、半径方向に(radially)収縮した位置に保持されている。該ワイヤの近位端は、近位または遠位方向に可変的に移動し、ステントグラフトの少なくとも1つのステントの半径方向の収縮を可変的に減少または増加して、動脈瘤部位でのステントグラフトの軸方向および長手方向の整列を補助し、それによりステントグラフトを動脈瘤部位に埋め込む。
【0009】
本発明は多くの利点を有する。例えば、医師は、部分的に展開されたステントグラフトの半径方向の寸法を選択的に収縮して、それにより医師が、ステントグラフトが部分的に展開された後に、ステントグラフトに固定されるループとして形成される少なくとも1つのワイヤに対する張力を減少または増加することなどにより、ステントグラフトを回転させるかまたはそうでなければ再配置することを可能にし、それにより、展開の前にステントグラフトの配向に対してより大きな制御を提供し得る。結果的に、ステントグラフトは、動脈瘤に埋め込まれる際に、より高い正確性で、被験体の血管構造を傷害するリスクがより低く、かつステントグラフトの意図される形状をゆがめる大きなリスクなく、動脈瘤で展開され得る。
【0010】
即ち、本発明の要旨は、以下のものに関する。
〔1〕a) ハンドル(12);
b) 該ハンドルから遠位に伸長し、かつ遠位端(18)および長手軸を有するガイドワイヤカテーテル(14)、ここで該ガイドワイヤカテーテルは、その遠位端でアーチ状である;
c) 近位端(24)および遠位端(26)を有する少なくとも1つの管(22)、ここで該管は、ハンドルから遠位に伸長し、かつガイドワイヤカテーテルと平行に整列される;
d) 少なくとも1つの管を通って伸長する少なくとも1つのワイヤ(28)、ここでそれぞれのワイヤは、管の遠位端でループ(30)として形成され、かつハンドルで少なくとも1つの近位端(24)を有する;ならびに
e) ステントグラフト(32)、ここで該ステントグラフト(32)は、
i) 近位開口端(34)および遠位開口端(36)、
ii) 長手軸、
iii) グラフト管腔(44)を画定する内部表面(42)を有する管腔グラフト構
成要素(38)、
iv) 複数のステント(31、48)、ここで該複数のステント(31、48)は、そ
れぞれ、管腔グラフト構成要素の周囲に伸長し、かつ管腔グラフト
構成要素の長手軸の周囲に分布され、該ステントの少なくとも一部
が、近位頂部(52)および遠位頂部(54)を画定するように連結される
支柱(50)を含む、および
v) ステントの支柱(50)の間で入れ子状になっている複数の縫合糸ルー
プ(56)、ここで該少なくとも1つのワイヤ(28)は、縫合糸ループ
(56)を通って伸長し、それによりステントグラフト(32)が固定され
る、
を有する、
を含む、ステントグラフト送達システム(10)であって、該ステントグラフト(32)が、ガイドワイヤカテーテル(14)の周囲に伸長し、該ワイヤ(28)のループ(30)が、ステントグラフトを少なくとも部分的に固定し、該ワイヤの該ループの長さが減少するように該送達デバイスの近位端で該ワイヤを引くことにより縫合糸ループ(30)を通って伸長するワイヤ(28)を引き込むことが、それぞれの縫合糸ループ(56)の半径方向の収縮、ならびに結果的に縫合糸ループ(56)での該ステントおよび該ステントグラフト(32)の半径方向の収縮を引き起こす、ステントグラフト送達システム(10)。
〔2〕少なくとも1つの管が、平行に整列される管(102、104)の第1の組であり、該ワイヤが、2つの管を通って伸長し、ループが、それぞれの各管内に伸長するワイヤの一部を連結する、〔1〕記載のステントグラフト送達システム。
〔3〕該ステントグラフトが、近位端にベアステント(236)を含み、該ベアステントが、ガイドワイヤカテーテルの遠位端で固定される、〔2〕記載のステントグラフト送達システム。
〔4〕2つのワイヤをさらに含むステントグラフト送達システムであって、それぞれのワイヤのループが、互いに対してガイドワイヤカテーテルの長手軸に沿って長手方向に整列される、〔3〕記載のステントグラフト送達システム。
〔5〕該ワイヤの少なくとも一部のそれぞれが、ステントグラフトにおいて、複数の縫合糸ループを通って伸長する、〔1〕記載のステントグラフト送達システム。
〔6〕複数の縫合糸ループが、それぞれのステントのそれぞれの近位頂部に対して遠位に入れ子状になる、〔5〕記載のステントグラフト送達システム。
〔7〕少なくとも2つのワイヤが、ステントグラフトにおいて、縫合糸ループを通って伸長する、〔1〕記載のステントグラフト送達システム。
〔8〕ワイヤのそれぞれが、ステントグラフトのそれぞれのステントを半径方向に収縮する、〔7〕記載のステントグラフト送達システム。
〔9〕ワイヤのそれぞれが、少なくとも2つの縫合糸を通って伸長し、該縫合糸のそれぞれが、それぞれのステントの近位頂部に対して遠位に入れ子状になる、〔8〕記載のステントグラフト送達システム。
〔10〕該ワイヤが独立して操作可能である、〔8〕記載のステントグラフト送達システム。
〔11〕少なくとも1つのワイヤのそれぞれの近位端の1つでワイヤハンドルをさらに含むステントグラフト送達システムであって、それぞれのワイヤが、それぞれのハンドルの近位の引き込みまたは前進により操作可能である、〔8〕記載のステントグラフト送達システム。
〔12〕複数のワイヤが、近位端でワイヤハンドルに集合的に固定され、ステントグラフトに沿って長手方向にワイヤハンドルを遠位または近位に移動させることで、ワイヤが、ステントグラフトの半径方向の収縮を集合的に増加または減少させる、〔11〕記載のステントグラフト送達システム。
〔13〕該ワイヤの少なくとも一部がそれぞれ独立して、それらの近位端のそれぞれで別個のワイヤハンドルに固定され、ステントグラフトに沿って長手方向にそれぞれのワイヤハンドルを遠位および近位に移動させることで、該ワイヤが、少なくとも1つの他のワイヤおよびそれぞれのワイヤハンドルと独立して作動して、それぞれの縫合糸ループでステントグラフトの対応する部分の半径方向の収縮を独立して増加または減少させ、それぞれの各ワイヤループが該縫合糸ループを通り抜ける、〔11〕記載のステントグラフト送達システム。
〔14〕該少なくとも1つのワイヤが形状記憶材料で形成される、〔1〕記載のステントグラフト送達システム。
〔15〕該形状記憶材料がニチノールを含む、〔14〕記載のステントグラフト送達システム。
〔16〕該ワイヤが独立して、該ステントグラフト送達システムの残りから解放可能であり、該ワイヤが、該ステントグラフトにおいて縫合糸ループから取り除かれ得、それにより該ステントグラフトが該ワイヤから解放される、〔1〕記載のステントグラフト送達システム。
〔17〕該管腔グラフト構成要素(38)は、開窓(46)を画定する、〔1〕記載のステントグラフト送達システム。
〔18〕該少なくとも1つの管が、平行に整列される管(22、72)の第1の対であり、該少なくとも1つのワイヤが、それぞれ該管のそれぞれを通って伸長するワイヤ(28、74)の対であり、それぞれのワイヤのループが、それぞれの各管内を伸長する、〔1〕記載のステントグラフト送達システム。
〔19〕該ステントは、該ステントグラフトの外部表面(40)に沿って分布される、〔1〕記載のステントグラフト送達システム。
〔20〕該少なくとも1つの管の遠位端が、該ステントグラフト内にある、〔1〕記載のステントグラフト送達システム。
〔21〕該少なくとも1つの管は、該管腔グラフト構成要素の外部表面に沿って伸長する、〔1〕記載のステントグラフト送達システム。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、ステントグラフトを半径方向に収縮するための送達システムおよび使用方法が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
前述のものは、添付の図面に図示されるような例示態様の以下のより具体的な記載から明らかであり、図面において、同様の参照符号は、異なる図を通じて同じ部分を言及する。図面は必ずしも一定の割合で作られておらず、その代わりに、態様の例示に重きが置かれる。異なる図面における同じ番号は同じ項目を示す。
【
図1】
図1Aは、本発明のステントグラフト送達システムの一態様の斜視図における部分図であり、ここで半径方向に(radially)拡張される位置にあるステントグラフトは、少なくとも1つの管を通って伸長し、かつステントグラフトのステントの支柱の間に配置されるステントグラフトの縫合を通るループとして形成されるワイヤにより固定される。
図1Bは、
図1Aに示される態様の斜視図であり、ここでワイヤの近位端は引き込まれて、それによりステントグラフトが半径方向に収縮され、それによりステントグラフトが選択的に収縮され、ここでステントグラフトの支柱はワイヤで結ばれる(spanned)。
【
図2】
図2Aは、2本のワイヤを有する本発明のステントグラフト送達システムの一態様であり、該ワイヤのそれぞれは、ステントグラフトに沿って長手方向に整列される異なるステントを結ぶ。
図2Bは、
図2Aに示される態様の斜視図であり、ここで両方のワイヤは引き込まれて、それによりステントグラフトのそれぞれの関連のあるステントが半径方向に収縮される。
【
図3】
図3Aは、本発明のステントグラフト送達システムの代替的な態様の斜視図であり、ここでワイヤは、ステントグラフト送達システムのガイドワイヤカテーテルに並行して走る別の管に部分的に含まれる。
図3Bは、
図3Aに示される態様の斜視図であり、ここで該ワイヤは引き込まれて、それによりステントが半径方向に収縮され、それによりステントグラフトは選択的に半径方向に収縮され、ここでステントの支柱はワイヤにより結ばれる。
【
図4】
図4Aは、ステントグラフト送達システムの別の態様の斜視図であり、ここで2つのワイヤのそれぞれは、ステントグラフトのステントの支柱を結ぶループのいずれかの末端で、別々の管に収容される。
図4Bは、
図4Aに示されるステントグラフト送達システムの斜視図であり、ここで両方のワイヤは引き込まれて、それによりそれぞれのステント構成要素が半径方向に収縮され、ステント構成要素の支柱は、それぞれの関連のあるワイヤループで結ばれる。
【
図5】
図5Aは、
図1Aに示される態様と同様の斜視図であるが、管およびワイヤはステントグラフトの外部表面に沿って伸長する。
図5Bは、
図1Bに示される態様と同様の斜視図であり、ここでステントグラフトのステントは、半径方向に収縮されるが、管およびワイヤは、ステントグラフトの外部表面に沿って伸長する。
【
図6-1】
図6Aは、本発明のステントグラフト送達システムの別の態様の遠位部分の断面図であり、該システムは、近位捕捉アセンブリを含み、近位引き込みの前にはステントグラフトを完全に含む導入シースの部分的な近位引き込みを経る。
図6Bは、ガイドワイヤカテーテル、頂部解放カテーテル、ワイヤの末端を含む管、ループとしてのワイヤによりその支柱が結ばれるステント、ならびにガイドワイヤカテーテル、頂部解放カテーテルおよびワイヤを含む管の周囲に伸長する外部管の整列を示す、
図6Aに示されるステントグラフト送達システムの詳細である。
【
図6-2】
図6Cは、頂部捕捉アセンブリの遠位捕捉部分からの近位捕捉部分の引き込みによるベアステントの近位頂部の解放後の、
図6Aに示されるステントグラフト送達システムの遠位部分の断面図である。
【
図7】
図7は、本発明のステントグラフト送達システムの構成要素の一態様の分解組立図である。
【
図8】
図8Aは、組み立てた際の
図7に示されるステントグラフト送達システムの側面図である。
図8Bは、近位ハンドルおよび導入シースを引き込み、それによりその中に含まれるステントグラフトを暴露させた後の
図8Aに示される態様の側面図であり、ここでステントグラフトは、別々のワイヤにより、半径方向に制御可能な2つのステントのそれぞれにおいて半径方向に収縮される。
図8Cは、ワイヤの1つを遠位に移動させ、それによりステントグラフトのステントの1つを半径方向に拡張させた後の
図8Bに示される態様の側面図である。
図8Dは、ステントグラフトのステントにおいて両方のワイヤを遠位に移動させ、それにより両方のステントを半径方向に拡張させた後であるが、ステントグラフトの近位端でベアステントの近位頂部が解放前である、
図8Cに示される態様の側面図である。
図8Eは、近位ステントグラフトでのベアステントの近位頂部の解放および本発明のステントグラフト送達システムの引き抜き後の
図8Dに示される態様の側面図である。
【
図9-1】
図9Aは、ステントグラフトの近位端で3つのステントのそれぞれを結ぶワイヤの遠位への移動の前のステントグラフトの部分的な側面図である。
【
図9-2】
図9Bは、1つのワイヤを選択的に遠位に移動させ、それにより最遠位のステント構成要素を半径方向に拡張させた後の
図9Aに示されるステントグラフトの部分的な側面図であり、該ステント構成要素は、以前に
図9Aにおいて半径方向に収縮されるように示される。
図9Cは、ワイヤを遠位に移動して、ステントグラフトの最近位のステントを半径方向に収縮させた後の
図9Aのステントグラフトおよび送達システムの末端図であり、該ステントは、以前に
図9Aにおいて半径方向に収縮されるように示される。
【
図9-3】
図9Dは、以前に示されるワイヤの遠位への移動により、
図9Aにおいて近位の半径方向に収縮されたステントに対して遠位にある2つのステントを半径方向に収縮するが、半径方向に拡張されたこれら2つのステントに対して遠位方向に移動された後で、かつワイヤの遠位への移動により以前に半径方向に収縮されたステントの最近位を半径方向に収縮する前の
図9Aに示されるステントグラフトの側面図である。
図9Eは、ワイヤを遠位に移動させることにより、以前に
図9Aにおいて半径方向に収縮されるように示されるステントの最近位を半径方向に拡張させる前の、
図9Dにより示される配置において示されるステントグラフトの末端図である。
【
図9-4】
図9Fは、全てのワイヤを遠位に移動させることにより、ステントグラフトの近位端でそれぞれのステントを半径方向に拡張させた後の、
図9A~9Eのステントグラフトおよび送達システムの部分的な側面図である。
【
図9-5】
図9Gは、
図9Fに示されるようなステントグラフトおよび送達システムの末端図である。
図9Hは、以前にステントを半径方向に収縮したワイヤの2つを遠位に移動した後の、ステントグラフトのステントを半径方向に収縮するワイヤを含む管の配列を示す、
図9Gに示される表示の詳細である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
例示態様の説明を以下にする。
【0014】
本発明は一般的に、少なくとも1つの管、および管を通って伸長するループとして形成される少なくとも1つのワイヤを含むステントグラフト送達システム、ならびに胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、胸腹大動脈瘤、腎臓近位大動脈瘤およびショートネック腹部大動脈瘤などの生体臓器および組織に血液を供給する動脈分枝を有する大動脈の領域を含む大動脈瘤に関連する血管損傷などの大動脈血管損傷の治療および修復における該送達システムの使用方法に関する。
【0015】
本明細書において患者に送達または埋め込まれる「ステントグラフト」、「ステントグラフトプロテーゼ」または「血管プロテーゼ」とも称されるプロテーゼを本明細書において参照する場合、単語「近位」は、患者の心臓に相対的に近いプロテーゼの部分またはプロテーゼの構成要素を意味し、「遠位」は、患者の心臓から相対的に離れるプロテーゼの部分またはプロテーゼの構成要素を意味する。
【0016】
しかしながら、プロテーゼを送達または埋め込むために使用される送達システムまたは送達システムの構成要素を参照する場合、本明細書で使用されるように、単語「近位」は、送達システムを使用する臨床医に対してより近いことを意味する。送達システムまたは送達システムの構成要素を参照する場合、本明細書で使用されるように、「遠位」は、該送達システムを使用する臨床医からさらに遠くに離れていることを意味する。
【0017】
明確化のために、単語「最近位(proximate)」は、プロテーゼまたは送達システムのいずれかに関して上述されるような「近位」または「遠位」に属する意味とは全く違う、「近い(close)こと」を意味する。
【0018】
図1Aは、本発明のステントグラフト送達システムおよび本発明のステントグラフト送達システムにより送達されるステントグラフトの一態様の斜視図である。ここで示されるように、ステントグラフト送達システム10は、ハンドル12、およびハンドル12から遠位に伸長するガイドワイヤカテーテル14を含む。ガイドワイヤカテーテル14は、ハンドル12での近位端16および遠位端18を有する。ノーズコーン20は、ガイドワイヤカテーテル14の遠位端18に固定される。管22は、ハンドル12から遠位に伸長し、ガイドワイヤカテーテル14に実質的に並行である。管22は、ハンドル12での近位端24および遠位端26を含む。ワイヤ28は、管22を通って伸長し、管22の遠位端26でループ30として形成される。
【0019】
ステントグラフト32はガイドワイヤカテーテル14の周囲に伸長する。ステントグラフト32は、近位開口端34および遠位開口端36を含む。ステントグラフト32の管腔グラフト構成要素38は、外部表面40および内部表面42を有する。内部表面42は、グラフト管腔44を画定する。一態様において、適切な場合、管腔グラフト構成要素38は、輪郭で示されるような開窓46を画定する。管腔グラフト構成要素38は、当業者に公知のような適切な材料、例えば発泡(expanded)ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)およびポリエチレンテレフタレート(PET)、例えば織られたポリエステル(woven polyester)等で作製される。
【0020】
ステント31、48は、管腔グラフト構成要素38の外部表面40に沿って分布される。示されるように、ステント31、48は、近位頂部52および遠位頂部54を画定するようにそれぞれの末端で連結される支柱50を含む。縫合糸56は、管22の遠位端26でステント48の支柱50の間に分布され、本明細書において「入れ子状(nested)」とも称される。ワイヤ28のループ30は、縫合糸56を通って伸長し、それによりステント48の支柱50を結ぶ。
図1Aに示されるように、ワイヤ28は、弛緩された位置にあり、それによりループ30は、ステントグラフト32のステント48を半径方向に収縮しない。
【0021】
図1Bに示されるように、矢印58により示される方向の管22を通るワイヤ28の近位の引き込みは、ループ30の半径方向の収縮を引き起こし、結果的に縫合糸56を通って伸長するループ30により結ばれるステント48の半径方向の収縮が起こる。一態様において、ステント48は、半径方向に自己拡張して、ワイヤ28の解放および近位の引き込みは、ステント48の選択的な収縮および半径方向の拡張を可能にし、それにより
図1Aおよび
図1Bに示される配置の間で、近位方向58または遠位方向60のいずれかにおける交替が可能になる。一態様において、ステント31、48は、半径方向の拘束からの解放の際にステントを半径方向に自己拡張させる材料で作製される。半径方向自己拡張ステントの適切な材料の例としては、形状記憶合金、例えばニチノールが挙げられる。形状記憶合金で形成されないステント31、48の例としては、ステンレス鋼で作製されるものが挙げられる。形状記憶合金を使用しないかまたはそうでなければ自己拡張しない本発明の態様において、当該技術分野で公知なように、半径方向の収縮から解放されたステントを半径方向に拡張させるために、例えばバルーンカテーテルが使用され得る。代替的に、ワイヤ28は、管22を通って伸長するワイヤ28の一部を矢印60で示される遠位方向に方向づけることによりステント48を半径方向に拡張させるのに十分な剛性を有し得る。
【0022】
別の態様において、
図2Aに示されるステントグラフト送達システム70は、
図1Aに示されるものと類似するが、ガイドワイヤカテーテル14および管22と並行に整列されるさらなる管72およびワイヤ74をさらに含む。管72は、管72の遠位端78でループ76として形成されるワイヤ74を含む。ループ76は、縫合糸80に通され、それにより構成要素支柱84でステント82を結ぶ。
図2Aに示されるように、両方のワイヤ28、74および関連のあるステント48、82は弛緩される(半径方向に自己拡張する場合)かまたはそうでなければ拡張される位置で示される。
【0023】
ステント、ワイヤ、ループ、管および縫合糸などのステントグラフト送達システムの構成要素はまた、当該技術分野で公知なように、硫酸バリウム、ビスマス、タングステン、白金-イリジウムおよびタンタル-タングステンからなる群より選択される少なくとも1つの放射線造影剤(radiopacifier)などの放射線不透過性構成要素を含み得る。
【0024】
図2Bは、
図1Aのステントグラフト送達システムの表示であり、ここでワイヤ28、74は、矢印86に示される近位方向に引き込まれ、それによりステント48、82の両方が半径方向に収縮される。ステント48、82が半径方向に自己拡張する事象において、ワイヤ28、74のいずれかまたは両方の解放は、ワイヤを、矢印88により示される遠位方向に移動させる。ワイヤ28、74は互いに独立して制御され得て、ステント48、82のいずれかは、関連のあるワイヤ28、74のそれぞれにより半径方向に収縮され得、一方で他方のステントは弛緩されるかまたは拡張される位置にあることが理解される。さらにワイヤ28、74のそれぞれは、独立して制御され得るので、ワイヤ28、74のいずれかは、それぞれ独立して、関連のあるステントを、十分に半径方向に拡張される位置にする、十分に半径方向の収縮される位置にする、または十分に半径方向に拡張される位置と十分に半径方向に収縮される位置の間の任意の位置にする位置に維持され得る。
【0025】
図3Aは、本発明のステントグラフト送達システムの代替的な態様の斜視図である。該図に示されるように、ステントグラフト送達システム100は、並行に整列された2つの管102、104を含む。ワイヤ106は、管102、104を通って伸長する部分を有し、ハンドル112において末端108、110を含む。ワイヤ106は、各管102、104のそれぞれを通って伸長するワイヤ106の部分116、118を連結するループ114を含む。管102、104それぞれのいずれかまたは両方を通って伸長するワイヤ106の部分116、118のいずれかまたは両方の引き込、支柱122の間に配置される縫合糸124を通って伸長するワイヤ106により結ばれる支柱122の収縮により、ステント120の半径方向の収縮を引き起こす。
【0026】
図3Bは、管102、104を通って伸長するワイヤ106の一方もしくは他方または両方の部分の矢印126に示される方向の近位引き込み後の
図3Aのステントグラフト送達システムの表示であり、該引き込みにより、ステント120の半径方向の収縮が生じる。先に示される態様と同様に、ステント120は、適切な材料で作製され得、ステントは半径方向の自己拡張を示し、それにより管102、104のいずれかまたは両方を通るワイヤの選択的な解放および引き込み、ならびに
図3Aおよび3Bに示されるステント120の半径方向の拡張と半径方向の収縮の間またはそれらの間の位置での、近位方向126または遠位方向128のいずれかにおける結果的な交替が可能になる。
【0027】
図4Aに示される本発明のステントグラフト送達システム130は
図3Aのものに類似するが、さらなる管132、134を含む。さらなるワイヤ142は管132、134を通って伸長し、ハンドル140において末端136、138を含む。ワイヤ142は、ステント120に対して遠位にあるループ146でステント144を結ぶ。ステント144の半径方向収縮は、ワイヤ142の近位および遠位の移動により制御可能である。ループ146の連結は支柱150の間の縫合糸148を通り、それによりワイヤ142がステント144の支柱150を結ぶ。
【0028】
図2Aおよび2Bに示される態様と同様に、ワイヤ106、142は、ステント120、144を半径方向に収縮または拡張するように独立して制御され得る。
図4Bに示されるように、両方のステント120、144は、
図4Aのものに対して半径方向に収縮された位置に示される。ステント120、144は、それぞれ独立して、半径方向に拡張されるかもしくは半径方向に収縮される配置、またはそれらの間の任意の部分的に半径方向に収縮される位置に保持または維持され得る。より具体的に、
図4Aおよび4Bそれぞれにおけるステントの示される位置は、近位矢印126および遠位矢印152のそれぞれにより示される近位および遠位の方向のワイヤ106、142の選択的な制御により変更され得る。
【0029】
本発明のさらなる態様において、さらなるワイヤおよび連結ループが含まれ得、それらの全ては、ステントグラフトの管腔グラフト構成要素に沿って伸長する対応するステントを可変的に半径方向に収縮または半径方向に拡張するように独立して調節され得ることが理解される。また、
図5Aおよび5Bに見られ得るように、本発明の別の送達システム160において、ワイヤ164がそれを通って伸長する管162は、外部表面170に沿った管腔グラフト構成要素168においてステントグラフト166に沿って整列され得る。管腔グラフト構成要素の外部表面170に沿って整列される場合、連結ループ172は、管腔グラフト構成要素168の外部表面170、および支柱176におけるステント174の周囲に伸長する。縫合糸178は支柱176の間に配置され、ワイヤ164はループ172で縫合糸178を通る。ワイヤ164は、方向165で近位に引き込まれ得るか、または自己拡張ステント174の場合、遠位方向167に移動して、ステント174をそれぞれ半径方向に収縮または半径方向に拡張し得る。
【0030】
図6Aは、本発明のステントグラフト送達システムの別の態様の遠位部分の断面であり、ステントグラフト送達システムからの解放前にステントグラフトを半径方向に収縮し得る。
図6Aに見られるように、ステントグラフト送達システム190は、遠位端194および遠位端194で固定されるノーズコーン196を含むガイドワイヤカテーテル192を有する。頂部捕捉アセンブリ198は、ガイドワイヤカテーテル192の遠位端194に固定される遠位頂部捕捉部分200を含む。近位頂部捕捉部分202は歯(tine)204を含み、頂部解放カテーテル206は、近位頂部捕捉部分202が固定される遠位端208を含む。管210、212は、頂部解放カテーテル206に沿って、頂部解放カテーテル206およびガイドワイヤカテーテル192の両方と並行して伸長する。ワイヤ214は、連結ループ216で、縫合222により管腔グラフト構成要素220においてステントグラフト218を固定する。縫合糸222は、支柱226の間のステント224において間隔を開けられ、それにより縫合糸222を通るループ216がステント224の支柱226を結ぶ。
図6Aの詳細である
図6Bにおいてより明確に見られ得るように、ワイヤ214は管210、212を通って伸長し、それぞれの管210、212を通って伸長するワイヤ214の部分は、管210、212の遠位端228、230のそれぞれで連結ループ216により繋がれる。外部管232は管210、212、頂部解放カテーテル206およびガイドワイヤカテーテル192の周囲に伸長し、それにより管210、212、頂部解放カテーテル206およびガイドワイヤカテーテル192の間で互いに対する空間的な関係を固定する。外部管232の遠位端234は、ガイドワイヤカテーテル192に沿った、管210、212の遠位端228、230のものと同じ点の周囲に配置される。
【0031】
図6Aに戻り、ステントグラフト218は、管210、212および頂部解放カテーテル206を含む外部管232の周囲に伸長する。ステントグラフト218は、管腔グラフト構成要素220、管腔グラフト構成要素220に沿って伸長するステント224、および管腔グラフト構成要素220の近位端238におけるベアステント236を含む。ベアステント236は、ベアステント236の近位頂部240を画定する支柱225の間で伸長する歯204により、頂部捕捉アセンブリ198の近位頂部捕捉部分202において固定される近位頂部240を含む。ベアステント236の遠位頂部240は、管腔グラフト構成要素220の近位端238に固定される。ベアステント236の近位頂部240は、頂部解放カテーテル206の引き込みにより解放され、結果的に近位頂部捕捉部分202は、遠位捕捉部分200から離れ、それによりベアステント236の支柱225の間から歯204が引き込まれ、ニチノールなどの形状記憶合金で形成されたベアステント236は、歯204による拘束からの近位頂部240の解放の際に拡張される。
図6Cは、
図6Aに示される態様の断面図である。頂部捕捉アセンブリ198の作動により、ベアステント236はステントグラフト送達システム190から解放される。
【0032】
導入シース242は、管腔グラフト構成要素220の遠位端244でステントグラフト218の遠位端244を半径方向に収縮させ、
図7および8A~8Eを参照して下記されるように、ステントグラフト218からの矢印243で示される方向の導入シース242の部分的な遠位の引き込みの後にステントグラフト218を部分的に半径方向に収縮させる。
【0033】
図7は、本発明のステントグラフト送達システムの別の態様の構成要素の分解組立図である。該図に示されるように、ステントグラフト送達システム250は、近位端254および遠位端256を含むガイドワイヤカテーテル252を有する。近位ハンドル258は、ガイドワイヤカテーテル252の近位端254に固定され、ノーズコーン260は、ガイドワイヤカテーテル252の遠位端256に固定される。導入シース262は近位端264および遠位端266を含む。遠位ハンドル268は、導入シース262の近位端264に固定される。ワイヤ274、275は、ステントグラフト218から近位ハンドル258に伸長するのに十分な長さを有し、各管284、286のそれぞれに収容される。ループ285、287は管284、286から遠位に伸長する。
【0034】
図8Aは、組み立てられた形態の
図7に示される構成要素部分の表示である。集合される場合、管284、286は、近位ハンドル258およびワイヤ274、275のそれぞれの一方の端のそれぞれに固定される。ワイヤ274、275のそれぞれの他方の端は、ハンドル258を通って伸長し、近位に引き込み可能であり、それによりワイヤループ285、287がその中を通るステント277を結ぶ縫合糸で、ステントグラフト272を半径方向に収縮する。導入シース262は、ガイドワイヤカテーテル252の遠位端256の周囲に伸長する。示されないが、ステントグラフト272は導入シース262に含まれる。本発明の方法の一態様において、ステントグラフト送達デバイス250は、導入シース262および導入シース262に含まれるステントグラフト272などの血管プロテーゼが患者の動脈瘤270に位置するまで、患者の動脈内を進む。遠位ハンドル268および結果的に導入シース262は、近位ハンドル258に向かって引き込まれ、それにより
図8Aから
図8Bへの移り変わりにおいて示されるように、ステントグラフト272が少なくとも部分的に暴露される。代替的な態様において、ステントグラフト送達システム250は、導入シース262およびそれに含まれるステントグラフト272が患者の動脈瘤270の遠位に配置されるまで、患者の動脈内を進み得ることが理解される。この態様において、近位ハンドル258、およびステントグラフト272が直接または間接的に固定されるガイドワイヤカテーテル252は、遠位ハンドル268に向かって遠位に進み、ステントグラフト272は少なくとも部分的に、導入シース262から動脈瘤270まで進み、
図8Bに示される表示が生じる。
【0035】
いずれかの態様において、本発明のステントグラフト送達システムのワイヤ274、275は、ステント276、277のそれぞれで、ステントグラフト272を収縮する。
図8Bおよび8Cに示されるように、ワイヤ274、275はステントグラフト272の遠位端278でステント276、277を半径方向に収縮する。一態様において、ステントグラフト272は開窓273を含む。ステント276、277は、
図8Bから
図8Cへの移り変わりにおいて示されるようなワイヤ274、275の近位および遠位の移動により選択的に制御され得、該図の移り変わりはステント277の遠位にあるステント276が、ステント276の周囲に伸長するループを有するワイヤ274の張力の緩和によるなどの矢印289の方向のワイヤ274の遠位の移動の結果として半径方向の拡張を示し、ステント276の半径方向の拡張を引き起こすことを示す。
図8Cに示されるように、ステント277のみが半径方向に収縮されたままでいる。ステント276、277のそれぞれが半径方向に自己拡張している、例えばステントがニチノールなどの適切な形状記憶合金で作製される例において、ワイヤ274、275の張力の緩和により、ステント276、277のそれぞれの半径方向の拡張が生じる。代替的に、ステント276、277が半径方向に自己拡張しない場合は、ステント276、277は、ステント276、277の半径方向の拡張を生じるのに十分に堅いワイヤ274、275を使用すること、または当該技術分野で公知のものなどのバルーンカテーテル(示さず)を使用することにより、半径方向に拡張され得る。
【0036】
ステント276、277のそれぞれを半径方向に収縮させるワイヤ274、275を逆の順序で解放させて、それにより関連のあるワイヤ274によりステント276を収縮させたままにし、ステント277が半径方向の拡張を示し得ることも理解される。さらに、ステント276、277のいずれかまたは両方は、それぞれの各ワイヤを矢印291に示される近位の方向に移動させることにより半径方向に収縮され得る。また、ワイヤ274、275は互いに独立して制御され得、それぞれのワイヤの張力を独立してかつ可変的に制御して、動脈瘤部位におけるステントグラフトの適切な回転方向および長手方向の調節の際に、関連のあるステントの半径方向の拡張を調節する。さらに別の態様において、本発明のステントグラフト送達システムは、上述のように1つのみのワイヤを含み得、それにより1つのみのステントの収縮を生じ得る。
【0037】
ステントグラフト272のそれぞれの各ステント276、277を半径方向に収縮する両方のワイヤ274、275の解放または遠位の移動の際に、ステント276、277の両方は、被験体の動脈瘤270を占めるような半径方向の拡張を示す。ステントグラフト272がステントグラフト272の近位端282でベアステント280を含む態様において、ベアステント280は、
図8Dに示されるように、頂部捕捉アセンブリ293で固定されたままであり得る。この態様において、頂部捕捉アセンブリ293の作動によるベアステント280の近位頂部286の解放は、ベアステント280を、動脈瘤270のちょうど頭方にある動脈の一部に接地させる。
図8Eに示されるように、ワイヤ274、275は、例えばそれぞれのワイヤ274、275の一方の末端を引いて、ステントグラフト送達システム250の残りからワイヤを引き込むことにより、またはワイヤ274、275の連結を近位ハンドル258から切断することにより、ステント276、277を半径方向に拡張させるようにワイヤ274、275の張力を解放させた後の任意の時点で取り除かれ得る。その後、ステントグラフト送達システム250の残りは、ステントグラフト272内および患者から引き込まれ、それにより
図8Eにも示されるように、ステントグラフト272の埋め込みおよび動脈瘤270の治療が完了し得る。一態様において、ステントグラフト272は、開窓273を通る動脈分枝281への分枝プロテーゼ287のその後の設置のために、開窓273が、動脈分枝281と適切に整列されるように配置される。その後、ステントグラフト272は動脈瘤270内に完全に埋めこまれ、ステントグラフト送達システム250の残りは、
図8Eに示されるように、ステントグラフト272および患者から引き込まれ、それにより本発明の方法による患者の動脈瘤270の治療が完了する。
【0038】
図9Aは、ステントグラフトプロテーゼ290内のそれぞれのワイヤ(示さず)による、3つのステント294、296、298の半径方向の収縮を示す本発明のステントグラフト送達システム292のステントグラフトプロテーゼ290の一部の部分的な側面図である。プロテーゼ290の近位端302においてベアステント300は、頂部捕捉アセンブリ306によりベアステント300の近位頂部204で固定される。
図9Aにも見られ得るように、ガイドワイヤカテーテル(示さず)はアーチ状であり、それによりステントグラフトプロテーゼ290は遠位端310でアーチ状になる。ノーズコーン311はガイドワイヤカテーテルの遠位端310にある。また、ステントグラフトプロテーゼ290は、収縮されたステント294、296、298の間で少なくとも1つの開窓またはスカラップ(scallop)(示さず)を画定し得、この場合において該ステントは半径方向に自己拡張し、ステントの半径方向の収縮は、上述のように、ステント294、296、298の支柱の間の縫合糸を通るループの張力により決定されることが理解される。ガイドワイヤカテーテル308をその遠位端310でアーチとして形成することは、大動脈弓などのアーチ状の動脈血管に開窓(示さず)が配置される態様において有益である。それぞれのステント294、296、298のそれぞれにおいてループ(示さず)を制御するワイヤ上の張力の独立した変化または該ワイヤの遠位の移動により、ステントグラフトプロテーゼ290の整列および埋め込みの際の外科医による制御が向上される。ワイヤの遠位の移動は矢印303で示される。ワイヤの近位の移動は矢印305で示される。ステントグラフトプロテーゼ290の整列はまた、ステントグラフトプロテーゼ290の動脈瘤部位への進行の際に、ステントグラフトプロテーゼ290の回転方向の配向を容易にして、それにより大動脈弓における動脈分枝などの、開窓における動脈分枝と任意の開窓との整列を向上する、ガイドワイヤカテーテル308のアーチにより向上される。
【0039】
図9Bは、
図9Aに示されるステントグラフトプロテーゼ290およびステントグラフト送達システム292の部分的な側面図であり、ここでそれぞれのステント294、296、298を収縮する3つのワイヤの2つは、解放されているかまたは遠位に移動されて、それによりステントグラフト送達システムのそれぞれの束縛ワイヤにより収縮された形状のままである第3のステント294に対して近位にある2つのステント294、296の半径方向の拡張が可能になる。
図9Cは、
図9Bに示される態様の末端図であり、ここでステント298を以前に収縮した最遠位のワイヤ318は緩和されるかまたは遠位に移動されるが、ステントグラフト290において縫合糸320を通ったままである。
図9Dは、
図9Aに示されるステントグラフト送達システム292のステントグラフトプロテーゼ290の部分的な側面図であり、ここでステント294、296を以前に収縮したワイヤ314、316上のステント298に対する張力は、緩和されるかまたは遠位に移動され、それによりステント298が半径方向に収縮された位置にあるままで、ステント294、296の半径方向の拡張が可能になる。
【0040】
図9Eは、
図9Dに示される配置におけるステントグラフト290および送達システム292の末端図であり、ここで最近位のステント298を収縮するワイヤ318は、依然として収縮された位置にある。
図9Fは、
図9A~9Eに示されるステントグラフトプロテーゼ292の側面図であり、ここでステント294、296、298を以前に収縮した全てのワイヤ314、316、318上の張力は緩和されている。
図9Gは、
図9Fに示されるステントグラフトプロテーゼの配置の末端図であり、ここでステント294、296で縫合糸320を通って伸長する2つの最遠位のワイヤ316、318は、緩和されるかまたは遠位に移動されるが、ステント294、296、298の支柱の間でステントグラフト290において縫合糸320を通ったままである。内部管330は、管322、324および頂部解放カテーテル334の周囲に伸長する。外部管332は、内部管330および管326、328の周囲に伸長する。
図9Hは、管322、324から伸長するワイヤ316、318および内部管330から伸長する管326、328の詳細である。
【0041】
本発明のステントグラフトシステムおよび方法により埋めこまれる血管プロテーゼは、例えば経大腿(transfemoral)アクセスにより埋めこまれ得る。本発明の血管プロテーゼに方向づけられるさらなる分枝プロテーゼは、例えば大動脈上(supraaortic)血管アクセス(例えば上腕動脈を通る)、または経大腿アクセスもしくは末梢血管を含む主要血管のいくつかの他の分枝からのアクセスにより埋めこまれ得る。
【0042】
本明細書に引用される全ての特許、公開出願および参照文献の教示は、それらの全体において、参照により援用される。本明細書に引用される全ての特許、公開出願および参照文献の関連のある教示は、それらの全体において、参照により援用される。米国特許第8,292,943号、第7,763,063号、第8,308,790号、第8,070,790号、第8,740,963号、第8,007,605号、第9,320,631号、第8,062,349号、第9,198,786号、第8,062,345号、第9,561,124号、第9,173,755号、第8,449,595号、第8,636,788号、第9,333,104号、第9,408,734号、第9,408,735号、第8,500,792号、第9,220,617号、第9,364,314号、第9,101,506号、第8,998,970号、第9,554,929号、第9,439,751号、第9,592,112号、第9,655,712号、第9,827,123号、第9,877,857号、第9,907,686号、米国特許出願第14/575,673号、第15/166,818号、第15/167,055号、第14/272,818号、第14/861,479号、第15/478,424号、第15/478,737号、第15/587,664号、第15/604,032号、第15/672,404号、第15/816,772号、第15/839,272号、第15/417,467号、PCT/US2017/025844、PCT/US2017/025849、PCT/US2017/025912、PCT/US2017/034223およびPCT/US2017/046062の関連のある教示も、それらの全体において参照により援用される。
【0043】
2018年2月23日に出願されたSamuel Arbefeuilleによる「System and Method to Radially Constrict Stent Graft」、Attorney Docket No.: 4221.1044-001;2018年2月23日に出願されたTimothy Lostetterによる「Delivery System and Method to Radially Constrict a Stent Graft」、Attorney Docket No.: 4221.1046-001;2018年2月23日に出願されたSamuel Arbefeuilleによる「Vascular Prosthesis with Moveable Fenestration and Method of Use」、Attorney Docket No.: 4221.1047-001;2018年2月23日に出願されたTimothy Lostetterによる「Stent Graft Delivery System with Constricted Sheath and Method of Use」、Attorney Docket No.: 4221.1048-001;2018年2月23日に出願されたTimothy Lostetterによる「Stent Graft with Fenestration Lock and Methods of Use」、Attorney Docket No.: 4221.1049-001;2018年2月23日に出願されたSamuel Arbefeuille and Nico Baharによる「Stent Graft, Delivery System and Methods of Use」、Attorney Docket No.: 4221.1050-001;2018年2月23日に出願されたSamuel Arbefeuilleによる「Vascular Prosthesis with Crimped Adapter and Methods of Use」、Attorney Docket No.: 4221.1052-001;2018年2月23日に出願されたSamuel Arbefeuille, Eduardo Alejandro Garcia and Scott L. Rushによる「Radially Adjustable Stent Graft Delivery System and Method of Use」、Attorney Docket No.: 4221.1053-001;2018年2月23日に出願されたTimothy Lostetterによる「Vascular Prosthesis with Fenestration Ring and Methods of Use」、Attorney Docket No.: 4221.1054-001;2018年2月23日に出願されたSamuel Arbefeuilleによる「Distal Torque Component, Delivery System and Method of Using Same」、Attorney Docket No.: 4221.1055-001の関連のある教示も、それらの全体において参照により援用される。
【0044】
例示態様が具体的に示され、記載されているが、形態および詳細における種々の変更が、添付の特許請求の範囲に包含される態様の範囲から逸脱することなく、本発明においてなされ得ることが、当業者には理解されよう。
【0045】
本発明の態様として以下のものが挙げられる。
[1]a) ハンドル;
b) 該ハンドルから遠位に伸長し、かつ遠位端を有するガイドワイヤカテーテル;
c) 近位端および遠位端を有する少なくとも1つの管、ここで該管は、ハンドルから遠位に伸長し、かつガイドワイヤカテーテルと並行して整列される;および
d) 少なくとも1つの管を通って伸長する少なくとも1つのワイヤ、ここでそれぞれのワイヤは、管の遠位端でループとして形成され、かつハンドルで少なくとも1つの近位端を有する、
を含む、ステントグラフト送達システム。
[2]少なくとも1つの管が、並行して整列される管の第1の組であり、該ワイヤが、2つの管を通って伸長し、ループが、それぞれの各管内に伸長するワイヤの一部を連結する、[1]記載のステントグラフト送達システム。
[3]近位端および遠位端を有しかつ管腔を画定するステントグラフトをさらに含むステントグラフト送達システムであって、該ステントグラフトがガイドワイヤカテーテルおよび少なくとも2つの管の周囲に伸長し、該管の遠位端が管腔内にあり、該ワイヤのループがステントグラフトを少なくとも部分的に固定し、送達デバイスの近位端でワイヤを引くことにより、ループの長さの減少および結果的にループでのステントグラフトの半径方向の収縮が生じる、[2]記載のステントグラフト送達システム。
[4]該ステントグラフトが、複数のステントおよび管腔グラフト構成要素を含み、該ステントがそれぞれ、管腔グラフト構成要素の周囲に伸長し、かつ管腔グラフト構成要素の長手軸に沿って分布され、該ステントの少なくとも一部が、近位頂部および遠位頂部を画定するように連結される支柱を含む、[3]記載のステントグラフト送達システム。
[5]該ステントグラフトがさらに、複数の縫合糸ループを含み、該ワイヤが縫合糸ループを通って伸長し、それによりステントグラフトが固定される、[3]記載のステントグラフト送達システム。
[6]該ステントグラフトが、近位端にベアステントを含み、該ベアステントが、ガイドワイヤ管腔の遠位端で固定される、[5]記載のステントグラフト送達システム。
[7]2つのワイヤをさらに含むステントグラフト送達システムであって、それぞれのワイヤのループが、互いに対してガイドワイヤ管腔の長手軸に沿って長手方向に整列される、[6]記載のステントグラフト送達システム。
[8]該縫合糸が、ステントの支柱の間で入れ子状になり、該縫合糸を通って伸長するワイヤの引き込みが、それぞれのループの半径方向の収縮、および結果的にステントの半径方向の収縮を引き起こす、[5]記載のステントグラフト送達システム。
[9]該ワイヤの少なくとも一部のそれぞれが、ステントグラフトにおいて、複数の縫合糸を通って伸長する、[8]記載のステントグラフト送達システム。
[10]複数の縫合糸が、それぞれのステントのそれぞれの近位頂部に対して遠位に入れ子状になる、[9]記載のステントグラフト送達システム。
[11]少なくとも2つのワイヤが、ステントグラフトにおいて、縫合糸を通って伸長する、[8]記載のステントグラフト送達システム。
[12]ワイヤのそれぞれが、ステントグラフトのそれぞれのステントを半径方向に収縮する、[11]記載のステントグラフト送達システム。
[13]ワイヤのそれぞれが、少なくとも2つの縫合糸を通って伸長し、該縫合糸のそれぞれが、それぞれのステントの近位頂部に対して遠位に入れ子状になる、[12]記載のステントグラフト送達システム。
[14]該ワイヤが独立して操作可能である、[12]記載のステントグラフト送達システム。
[15]少なくとも1つのワイヤのそれぞれの近位端の1つでワイヤハンドルをさらに含むステントグラフト送達システムであって、それぞれのワイヤが、それぞれのハンドルの近位の引き込みまたは前進により操作可能である、[12]記載のステントグラフト送達システム。
[16]複数のワイヤが、近位端でワイヤハンドルに集合的に固定され、ステントグラフトに沿って長手方向にワイヤハンドルを遠位または近位に移動させることで、ワイヤが、ステントグラフトの半径方向の収縮を集合的に増加または減少させる、[15]記載のステントグラフト送達システム。
[17]該ワイヤの少なくとも一部がそれぞれ独立して、それらの近位端のそれぞれで別個のワイヤハンドルに固定され、ステントグラフトに沿って長手方向にそれぞれのワイヤハンドルを遠位および近位に移動させることで、ワイヤが、少なくとも1つの他のワイヤおよびそれぞれのワイヤハンドルと独立して作動して、それぞれの縫合糸ループでステントグラフトの対応する部分の半径方向の収縮を独立して増加または減少させ、それぞれの各ワイヤループが該縫合糸ループを通り抜ける、[15]記載のステントグラフト送達システム。
[18]少なくとも1つのワイヤが形状記憶材料で形成される、[1]記載のステントグラフト送達システム。
[19]該形状記憶材料がニチノールを含む、[18]記載のステントグラフト送達システム。
[20]該ワイヤが独立して、ステントグラフト送達システムの残りから解放可能であり、該ワイヤが、ステントグラフトにおいて縫合糸から取り除かれ得、それによりステントグラフトがワイヤから解放される、[1]記載のステントグラフト送達システム。
[21]a) ステントグラフトを、被験体の動脈瘤部位に方向づける工程、ここで該ステントグラフトの近位端は、少なくとも1つの管を通って伸長し、かつ送達システムにおいてステントグラフトに少なくとも部分的に固定されるループとして形成される少なくとも1つのワイヤにより半径方向に収縮された位置に保持されている;ならびに
b) 遠位または近位の方向にハンドルにおいてワイヤの少なくとも1つの近位端を可変的に移動させ、動脈瘤でのステントグラフトの軸方向および長手方向の整列を補助するようにステントグラフトの半径方向の収縮を可変的に増加および減少させ、それにより被験体の動脈瘤にステントグラフトを埋め込む工程
を含む、被験体の動脈瘤部位にステントグラフトを埋め込む方法。
[22]該少なくとも1つの管が、並行して整列される管の第1の組であり、該ワイヤが、2つの管を通って伸長し、該ループが、それぞれの各管内を伸長するワイヤの一部を連結する、[21]記載の方法。
[23]近位端および遠位端を有するステントグラフト、ガイドワイヤカテーテルの周囲に伸長するステントグラフトおよび少なくとも2つの管をさらに含む、方法であって、該ステントグラフトの近位端がガイドワイヤカテーテルの遠位端にあり、該ワイヤのループがステントグラフトを少なくとも部分的に固定し、送達デバイスの近位端でワイヤを近位方向に引くことで、ループの長さの低減および結果的にループでのステントグラフトの半径方向の収縮が生じる、[22]記載の方法。
[24]該ステントグラフトが、複数のステントおよび管腔グラフト構成要素を含み、該ステントが、それぞれ管腔グラフト構成要素の周囲に伸長し、かつ管腔グラフト構成要素の長手軸に沿って分布され、該ステントの少なくとも一部が、近位頂部および遠位頂部を画定するように連結される支柱を含む、[23]記載の方法。
[25]該ステントグラフトが複数の縫合糸ループをさらに含み、該ワイヤが縫合糸ループを通って伸長し、それによりステントグラフトを固定する、[23]記載の方法。
[26]該ステントグラフトが近位端でベアステントを含み、該ベアステントがガイドワイヤ管腔の遠位端で固定される、[25]記載の方法。
[27]2つのワイヤをさらに含む方法であって、それぞれのワイヤのループが、互いに対して、ガイドワイヤ管腔の長手軸に沿って長手方向に整列される、[26]記載の方法。
[28]該縫合糸がステントの支柱の間で入れ子状になり、縫合糸を通って伸長するワイヤの引き込みにより、それぞれのループの半径方向の収縮および結果的にステントの半径方向の収縮が生じる、[25]記載の方法。
[29]該ワイヤの少なくとも一部のそれぞれが、ステントグラフトにおいて、複数の縫合糸を通って伸長する、[28]記載の方法。
[30]複数の縫合糸が、それぞれのステントのそれぞれの近位頂部に対して遠位に入れ子状になる、[29]記載の方法。
[31]少なくとも2つのワイヤが、ステントグラフトにおいて、縫合糸を通って伸長する、[28]記載の方法。
[32]該ワイヤのそれぞれが、ステントグラフトのそれぞれのステントを半径方向に収縮させる、[21]記載の方法。
[33]ワイヤのそれぞれが少なくとも2つの縫合糸を通って伸長し、該縫合糸のそれぞれが、それぞれのステントの近位頂部に対して遠位に入れ子状になる、[32]記載の方法。
[34]少なくとも1つのワイヤのそれぞれの近位端の1つでワイヤハンドルをさらに含む方法であって、それぞれのワイヤが、それぞれのハンドルの近位の収縮または遠位の前進により操作可能である、[32]記載の方法。
[35]複数のワイヤが近位端でワイヤハンドルに集合的に固定され、ステントグラフトに沿って長手方向にワイヤハンドルを遠位または近位に移動させることで、ワイヤが、ステントグラフトの半径方向の収縮を集合的に増加または減少する、[34]記載の方法。
[36]該ワイヤが独立して操作可能である、[32]記載の方法。
[37]該ワイヤの少なくとも一部がそれぞれ独立して、それらのそれぞれの近位端で別個のワイヤハンドルに固定され、ステントグラフトに沿って長手方向にそれぞれのワイヤハンドルを遠位および近位に移動させることで、ワイヤが、少なくとも1つの他のワイヤおよびそれぞれのワイヤハンドルとは独立して作動して、それぞれの縫合糸ループでステントグラフトの対応する部分の半径方向の収縮を独立して増加または減少させ、それぞれの各ワイヤが該縫合糸ループを通り抜ける、[36]記載の方法。
[38]少なくとも1つのワイヤが形状記憶材料で形成される、[21]記載の方法。
[39]該形状記憶材料がニチノールを含む、[38]記載の方法。
[40]該ワイヤが、ステントグラフト送達システムの残りから独立して解放可能であり、該ワイヤがステントグラフトにおいて縫合糸から取り除かれ得、それによりステントグラフトが該ワイヤから解放される、[21]記載の方法。