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特許7434403印刷装置、印刷装置の制御方法、並びにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷装置の制御方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240213BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240213BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/42 F
G03G21/00 386
G03G21/00 388
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022062747
(22)【出願日】2022-04-05
(62)【分割の表示】P 2017195482の分割
【原出願日】2017-10-05
(65)【公開番号】P2022089880
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】富久 泰志
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-232911(JP,A)
【文献】特開2007-048001(JP,A)
【文献】特開2017-113908(JP,A)
【文献】特開2015-155174(JP,A)
【文献】特開2011-198068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 - 29/70
G06F 3/09 - 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷時刻が指定された印刷データを外部から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した、印刷日時が指定された印刷データを記憶部に登録する登録手段と、
前記記憶部に登録された印刷データに基づく印刷を、当該印刷データの印刷日時に従って実行するよう制御する制御手段と、
前記記憶部に登録された複数の印刷データの一覧を含む予約印刷画面を表示させる表示制御手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記複数の印刷データそれぞれについて、指定される印刷日時の情報および前記記憶部に登録された登録日時の情報を含む前記一覧を、印刷処理が開始される日時が重複した場合の処理ルールの中からユーザーにより選択されたルールに従う並び順で、前記予約印刷画面に表示させるとともに、選択された印刷データの印刷処理を開始するための印刷開始指示部も前記予約印刷画面に表示させ、印刷開始指示部が選択されたことで印刷処理が開始されると前記一覧が更新されることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記複数の印刷データのそれぞれについて、指定される印刷時刻および前記記憶部に登録された登録日時の少なくともいずれかに基づいて決定される並び順で前記一覧を表示させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記予約印刷画面を閉じるための非表示指示部を前記予約印刷画面に表示させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記複数の印刷データのうちユーザーにより選択された印刷データについての印刷時刻の変更指示を受け付けるための変更指示ボタンを含む前記一覧を表示させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記複数の印刷データそれぞれについて、関連づくユーザー情報を含む前記一覧を表示させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御手段は、印刷が完了した印刷データを前記記憶部から削除することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記印刷装置は、前記記憶部を有することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項8】
印刷時刻が指定された印刷データを外部から受信する受信工程と、
前記受信工程により受信した、印刷日時が指定された印刷データを記憶部に登録する登録工程と、
前記記憶部に登録された印刷データに基づく印刷を、当該印刷データの印刷日時に従って実行するよう制御する制御工程と、を有する印刷装置の制御方法であって、
前記記憶部に登録された複数の印刷データの一覧を含む予約印刷画面を表示手段に表示させる表示制御工程を有し、
前記表示制御工程では、前記複数の印刷データそれぞれについて、指定される印刷日時の情報および前記記憶部に登録された登録日時の情報を含む前記一覧を、印刷処理が開始される日時が重複した場合の処理ルールの中からユーザーにより選択されたルールに従う並び順で、前記予約印刷画面に表示させるとともに、選択された印刷データの印刷処理を開始するための印刷開始指示部も前記予約印刷画面に表示され、印刷開始指示部が選択されたことで印刷処理が開始されると前記一覧が更新されることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項9】
印刷装置に請求項8に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷装置の制御方法、並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク環境の普及に伴い、複数のユーザーが複数の画像形成装置を共有して利用することが一般的になってきた。
【0003】
そのような環境下において、特定のユーザーが大量のプリント出力を行うことにより画像形成装置を占有してしまう場合、他のユーザーが画像形成装置を利用できず、業務に支障が出てしまう恐れがある。そこで、画像形成装置の利用頻度が低い時間帯にプリント出力を行うべく、印刷ジョブにプリント開始時刻を指定しておくことで、指定した時刻にプリント出力を開始する「予約プリント」の技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-351254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、複数の予約プリントジョブの取り扱いや、投入済みの予約プリントジョブに対する操作については言及されていない。ここで、予約プリントジョブを受け付けた順にリスト表示すると、印刷開始される順番をユーザーが理解しづらいという課題がある。
【0006】
本発明は、印刷時刻が指定された印刷データを外部から受信し、指定された印刷時刻に従って当該印刷データに基づく印刷を行う印刷装置において、印刷開始される順番をユーザーが容易に認識できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、印刷時刻が指定された印刷データを外部から受信する受信手段と、前記受信手段により受信した、印刷日時が指定された印刷データを記憶部に登録する登録手段と、前記記憶部に登録された印刷データに基づく印刷を、当該印刷データの印刷日時に従って実行するよう制御する制御手段と、前記記憶部に登録された複数の印刷データの一覧を、印刷処理が開始される日時が重複した場合の処理ルールの中からユーザーにより選択されたルールに従う並び順で、含む予約印刷画面を表示させる表示制御手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記複数の印刷データそれぞれについて、指定される印刷日時の情報および前記記憶部に登録された登録日時の情報を含む前記一覧を前記予約印刷画面に表示させるとともに、選択された印刷データの印刷処理を開始するための印刷開始指示部も前記予約印刷画面に表示させ、印刷開始指示部が選択されたことで印刷処理が開始されると前記一覧が更新されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷時刻が指定された印刷データを外部から受信し、指定された印刷時刻に従って当該印刷データに基づく印刷を行う印刷装置において、印刷開始される順番をユーザーが容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態における、印刷処理システムの実施形態を示すブロック図。
図2】本発明の実施例1、2、3における、印刷データ生成処理の処理手順を示すフローチャート。
図3】本発明の実施例1における、印刷データ受信処理の処理手順を示すフローチャート。
図4】本発明の実施例1における、予約プリントジョブリスト表示処理の処理手順を示すフローチャート。
図5】本発明の実施例1における、予約プリントジョブリスト印刷処理の処理手順を示すフローチャート。
図6】本発明の実施例2、3における、印刷データ受信処理の処理手順を示すフローチャート。
図7】本発明の実施例2における、予約プリントジョブリスト表示処理の処理手順を示すフローチャート。
図8】本発明の実施例2における、予約プリントジョブリスト印刷処理の処理手順を示すフローチャート。
図9】本発明の実施例1における、予約プリントジョブリストの一例。
図10】本発明の実施例1、2、3における、ユーザーリストの一例。
図11】本発明の実施例1、2、3における、予約プリントジョブリスト画面の一例。
図12】本発明の実施例1における、表示・印刷の処理順の一例。
図13】本発明の実施例2における、予約プリントジョブリストの一例。
図14】本発明の実施例2における、表示・印刷の処理順の一例。
図15】本発明の実施例1、2、3における、一連の処理を示すシーケンス図。
図16】本発明の実施例1、2、3における、予約プリント処理ルールの設定画面の一例。
図17】本発明の実施例1、2における、匿名化した予約プリントジョブリストの一例。
図18】本発明の実施例1、2における、予約プリントジョブリストの一例。
図19】本発明の実施例3における、統合プリントジョブリスト表示画面の一例。
図20】本発明の実施例3における、統合プリントジョブリスト表示処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。
【0011】
なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0012】
<印刷システム概要>
図1は、印刷システムの構成を示す図である。図1に示すように、印刷システムは、印刷装置100とホストコンピュータ(以下、HCとする)191を含む。本実施形態では、印刷装置100として、印刷機能、読取機能、FAX機能等、複数の機能が一体化された複合機(MFP:Multi Function Printer)が用いられるものとして説明する。しかしながら、SFP(SingleFunction Printer)やLBP(Laser Beam Printer)など、他の構成のプリンタが用いられても良い。印刷装置100とHC191は、LAN(LocalAreaNetwork)等のネットワーク190を介して相互に通信可能に接続されている。印刷装置とHCは複数台接続されていてもよく、サーバー等の他の装置が接続されていてもよい。また、ネットワーク190は、有線ネットワークや無線ネットワーク、もしくは、それらが組み合わされた構成であってもよい。
【0013】
印刷装置100は、制御装置110、リーダー装置120、プリンタ装置130、操作部140、記憶装置150を含む。制御装置110は、印刷装置100を統括的に制御する制御基板(コントローラ)である。制御装置110は、CPU111、ROM112、RAM113、画像処理部114を含む。
【0014】
CPU111は、不図示のシステムバスを介して、制御装置110内の各ブロックを制御する。例えば、CPU111は、ROM112やRAM113、記憶装置150、又は、他の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、印刷装置100の機能を実行する。例えば、リーダー装置120による画像の読取制御や、プリンタ装置130による印刷制御、操作部140への画像の表示制御などがCPU111により行われる。ROM112は、例えば、制御プログラムや、印刷装置100の機能を実行する上で必要なテーブルや設定データ等を記憶する。RAM113は、例えば、CPU111のワークメモリとして用いられる。
【0015】
画像処理部114は、リーダー装置120によって原稿上の画像を読み取ることにより生成された画像データや、外部から受信した画像データに対して、変換、補正、編集、圧縮/解凍など、種々の画像処理を実行する。画像処理部114は、ハードウェアで構成される場合があれば、ソフトウェアで実現される場合もある。記憶装置150は、例えば、画像データや、モードやライセンスなどの機器情報や、アドレス帳やカスタマイズなどのユーザー情報を記憶する。リーダー装置120は、スキャナエンジンの構成を有し、不図示の原稿台にセットされた若しくは自動原稿給送装置(ADF:AutomaticDocumentFeeder)から給送された原稿を光学的に読み取り、画像データを生成する。プリンタ装置130は、インクジェット記録方式や電子写真方式等、各種の記録方式に対応したプリンタエンジンの構成を有し、記録媒体上に画像を形成する。操作部140は、ユーザーの操作を受付けるための操作キー、及び、各種設定やユーザーインターフェース画面の表示などを行う液晶パネルを備え、受け付けたユーザー操作等の情報を制御装置110へ出力する。印刷装置100は、図1に示す構成に限られず、印刷装置100の実行可能な機能に応じて他の構成を含む。例えば、FAX機能の実行に必要な構成や、近距離無線通信を可能とする構成を含む場合もある。
【0016】
HC191は、制御装置198、操作部195、記憶装置196、表示部197を含む。制御装置198は、HC191を統括的に制御する制御基板(コントローラ)である。制御装置198は、CPU192、ROM193、RAM194を含む。CPU192は、システムバス(不図示)を介して、制御装置198内の各ブロックを制御する。例えば、CPU192は、ROM193やRAM194、又は、他の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、HC191の機能を実行する。ROM193は、例えば、オペレーティングシステムプログラム(OS)等の各種制御プログラムや、HC191の機能を実行する上で必要なテーブルや設定データ等を記憶する。RAM194は、例えば、CPU192のワークメモリとして用いられる。記憶装置196は、例えば、各種アプリケーションプログラムや、データ、ユーザー情報、機器情報などを記憶する。操作部195は、ユーザーの操作を受付けるためのキーボードやポインティングデバイス等を備え、受け付けたユーザー操作等の情報を制御装置198へ出力する。表示部197は、例えば液晶ディスプレイであり、各種ユーザーインターフェース画面や情報の表示を行う。
【0017】
上述のような構成の印刷システムを例に挙げ、具体的な実施例を以下に述べる。
【実施例1】
【0018】
図15は、本実施例におけるユーザー、HC191、印刷装置100の処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、ユーザーAがHC1、ユーザーBがHC2、管理者がHC3、ゲストユーザーがHC4をそれぞれ利用し、印刷データを印刷装置100に送信する例について説明する。HC1~HC4はHC191と同じ構成である。図15では、以下の順で処理が行われる例を示している。
(1)ユーザーAがHC1を用いて文書Aの予約プリントジョブ(印刷日時:2016/6/1 12:00)を生成し、印刷装置に送信。
(2)ユーザーAがHC1を用いて文書Bの予約プリントジョブ(印刷開始日時:2016/6/1 12:20)を生成し、印刷装置に送信。
(3)管理者がHC3を用いて提出資料1の予約プリントジョブ(印刷開始日時:2016/6/1 12:00)を生成し、印刷装置に送信。
(4)ユーザーAがHC1を用いて資料Aの予約プリントジョブ(印刷開始日時:2016/6/1 12:00)を生成し、印刷装置に送信。
(5)ユーザーBがHC2を用いて説明資料1の予約プリントジョブ(印刷開始日時:2016/6/1 12:20)を生成し、印刷装置に送信。
(6)ユーザーBがHC2を用いて説明資料1の予約プリントジョブ(印刷開始日時:2016/6/1 12:20)を生成し、印刷装置に送信。
(7)ゲストユーザーがHC4により文書Cの予約プリントジョブ(印刷開始日時:2016/6/1 12:20)を生成し、印刷装置に送信。
(8)ユーザーBがHC2を用いて説明資料1の予約プリントジョブ(印刷開始日時:2016/6/1 12:20)を生成し、印刷装置に送信。
(9)ユーザーAがHC1を用いて機密文書Aのセキュアプリントジョブを生成し、印刷装置に送信。
(10)ユーザーAがHC1を用いて参考資料Aの通常プリントジョブを生成し、印刷装置に送信。印刷装置は、通常プリントジョブを受信すると、参考資料Aを印刷。
(11)ユーザーAがHC1を用いて参考資料Bの通常プリントジョブを生成し、印刷装置に送信。印刷装置は、通常プリントジョブを受信すると、参考資料Bを印刷。
(12)ユーザーAが印刷装置を操作し、予約プリントジョブリストを表示。
(13)印刷装置は、2016/6/1 12:00になると、印刷開始日時として当該日時が指定された予約プリントジョブである文書A、資料A、提出資料1を順に印刷。
(14)印刷装置は、2016/6/1 12:20になると、印刷開始日時として当該日時が指定された予約プリントジョブである文書B、説明資料1、説明資料1、文書Cを順に印刷。
(15)ユーザーAが印刷装置を操作し、セキュアプリントジョブリストを表示。機密文書Aを選択し、パスワードを入力することで、機密文書Aを印刷。
【0019】
続いて、印刷データ生成処理、印刷データ受信処理、予約プリントジョブリスト表示処理、予約プリントジョブ印刷処理の各処理の詳細について説明する。
【0020】
図2は、HC191における印刷データ生成処理を示すフローチャートである。図2の処理は、例えば、CPU192が、ROM193に記憶されたプログラムをRAM194に読み出して実行することで実現される。
【0021】
S201で、CPU192は、アプリケーションを介して、ユーザーからの印刷指示を受け付け、プリンタドライバを起動する。その際に、CPU192は、ROM193等に記憶された印刷設定や画像処理設定などの各種設定の初期値を読み込む。
【0022】
S202で、CPU192は、表示部197にプリンタドライバのユーザーインターフェース画面を表示する。ユーザーインターフェース画面には、ユーザーからの出力方法の選択操作を受け付けるボタンと、ユーザーからの印刷設定の入力操作を受け付けるボタンが表示されている。ここでは、出力方法として、通常プリント、セキュアプリント、予約プリントのいずれかが選択できるものとする。CPU192は、出力方法として通常プリントが選択された場合はS205へ進み、セキュアプリントが選択された場合はS203へ進み、予約プリントが選択された場合はS204へ進む。
【0023】
S203で、CPU192は、表示部197にセキュアプリントのパスワード入力画面を表示し、ユーザーからのパスワード入力操作を受け付ける。
【0024】
S204で、CPU192は、表示部197に予約プリントのプリント開始日時の入力画面を表示し、ユーザーからのプリント開始日時の入力操作を受け付ける。ここでは、プリント開始日時としているが、日付は指定せずにプリント開始時刻だけの指定であってもよい。
【0025】
S205で、CPU192は、ユーザーからの印刷設定(部数、カラーモード、両面、など)の入力操作を受け付ける。なお、ここでは、出力方法を決定した後に印刷設定の入力を行うものとしたが、設定する順序が逆であってもよい。
【0026】
S206で、CPU192は、アプリケーションからOSを介して通知される印刷命令を受け取り、S205で設定した各種印刷設定に従って印刷データの生成を行う。ここで、生成される印刷データには、ユーザー情報やジョブ名、出力方法などの情報が設定されるものとする。ここで、S203でパスワードが指定されている場合には、印刷データにパスワード情報が含まれ、S204でプリント開始日時が指定されている場合には、印刷データにプリント開始日時の情報が含まれる。
【0027】
S207で、CPU192は、ネットワーク190を介して印刷装置100に印刷データを送信し、本処理を終了する。
【0028】
図3は、印刷装置100における印刷データ受信処理を示すフローチャートである。図3の処理は、例えば、CPU111が、ROM112に記憶されたプログラムをRAM113に読み出して実行することで実現される。図3の処理は、図2のS207でHC191から送信された印刷データを、印刷装置100が受信すると開始される。
【0029】
S301で、CPU111は、受信した印刷データに対してジョブIDの割り当てを行う。ジョブIDは、ジョブを受け付けた順にシーケンシャルに割り当てるため、受信順を一意に特定することができる。なお、印刷データの情報取得や先行ジョブの処理待ちなどのために、RAM113や記憶装置150に印刷データを一時的に格納したうえで、以降の処理を行ってもよい。
【0030】
S302で、CPU111は、S206で印刷データに設定された出力方法の情報を元に、受信した印刷データの処理を切り替える。CPU192は、出力方法が通常プリントの場合はS305へ進み、出力方法がセキュアプリントの場合はS303へ進み、出力方法が予約プリントの場合はS306へ進む。
【0031】
S303で、CPU111は、受信した印刷データを記憶装置150に格納する。
【0032】
S304で、CPU111は、S303で格納した印刷データから、ユーザー名、ジョブ名、パスワード、各種印刷設定など、印刷データに関する情報を取得する。CPU111は、取得した情報を元にセキュアプリントジョブリストの更新を行い、記憶装置150にセキュアプリントジョブリストの情報を格納する。セキュアプリントの印刷処理の際には、ここで格納されたセキュアプリントジョブリストからジョブをユーザーが選択し、ユーザーにより入力されたパスワードと、ジョブに設定されたパスワードとが一致した場合に印刷処理が行われる。そして、印刷処理終了後に、CPU111が、記憶装置150に格納されたセキュアプリントジョブリストから当該ジョブが削除されることになる。
【0033】
S305で、CPU111は、受信した印刷データをRAM113の印刷処理実行待ちプリントジョブリストに追加して、先行しているプリントジョブの処理が終了して、印刷開始できる状態になるまで待つ。当該印刷データを印刷開始できる状態になったら、CPU111は、当該印刷データを解釈して画像生成を行い、生成した画像データをプリンタ装置130に渡す。プリンタ装置130は、受け取った画像データに基づいて用紙などの記録媒体上に画像を形成することで印刷処理を実行する。印刷処理終了後、CPU111は、RAM113の印刷処理実行待ちプリントジョブリストから当該印刷データのプリントジョブの情報を削除する。
【0034】
S306で、CPU111は、受信した印刷データからプリント開始日時の情報を取得する。CPU111は、印刷装置100内で管理している現在日時と比較して、プリント開始日時が現在日時を過ぎていないかどうかを確認し、現在日時を過ぎていなければS307へ進み、現在日時を過ぎていればS305へ進む。ここで、現在日時を過ぎている場合の処理として、ジョブキャンセルを行ったり、パスワード指定が無いセキュアプリントジョブとして扱うことにしてS303へ進んだりしてもよい。
【0035】
S307で、CPU111は、受信した印刷データを記憶装置150に格納する。
【0036】
S308で、CPU111は、S307で記憶装置150に格納した印刷データから、ユーザー名、ジョブ名、プリント開始日時、各種印刷設定など、印刷データに関する情報を取得する。CPU111は、取得した情報を元に予約プリントジョブリストの更新を行い、記憶装置150に予約プリントジョブリストの情報を格納する。
【0037】
図9は、予約プリントジョブリストの一例である。S301で割り当てられたジョブID902と、印刷データから取得した情報であるジョブ名901、プリント開始日時904、ユーザー名905、印刷設定906などの情報が格納されている。新しく追加登録される予約プリントジョブは、登録時の現在日時である登録日時903の情報が付加され、予約プリントジョブリストの最後尾に登録される。
【0038】
S309で、CPU111は、予約プリントジョブリストに含まれる予約プリントジョブの中で最も早いプリント開始日時を、予約プリントジョブタイマーにセットする。図9の予約プリントジョブリストの場合には、「2016/6/1 12:00」の情報がセットされる。
【0039】
S310で、CPU111は、後処理を行い、本処理を終了する。後処理としては、処理結果のログを記憶装置150に格納する処理や、RAM113や記憶装置150を一時的に使用した領域をクリアする処理、などがある。また、その際に、CPU111は、印刷データの受信処理が完了したことをHC191に通知してもよい。
【0040】
ここで、予約プリントジョブとセキュアプリントジョブとでは、印刷を開始するきっかけが異なるため、印刷開始の順番が明示的に決められない。従って、予約プリントジョブリストとセキュアプリントジョブリストは個別に管理し、表示や印刷時に混在しないようにしている。
【0041】
図4は、印刷装置100における予約プリントジョブリストの表示処理を示すフローチャートである。図4の処理は、例えば、CPU111が、ROM112に記憶されたプログラムをRAM113に読み出して実行することで実現される。図4の処理は、ユーザーが操作部140を介して本処理の開始を指示することで開始される。
【0042】
S401で、CPU111は、S308で記憶装置150に格納した予約プリントジョブリストの情報を取得する。ここでは、図9の予約プリントジョブリストの情報が取得されたものとして、以降の説明を行う。
【0043】
S402で、CPU111は、S401で取得した予約プリントジョブリストのプリント開始日時の情報を元に、プリント開始日時が早いものから先に表示できるように、予約プリントジョブの表示順(並び順)をソートする。
【0044】
S403で、CPU111は、プリント開始日時が同一の予約プリントジョブが存在するか否かを確認し、存在する場合はS404へ進み、存在しない場合はS405へ進む。
【0045】
S404で、CPU111は、設定されたルールに従って、プリント開始日時が同一の予約プリントジョブについて、プリント開始日時以外の情報を用いて予約プリントジョブの表示順をソートする。
【0046】
図10は、ユーザーリストである。プリント開始時刻が同一の予約プリントジョブについて、このユーザーリストの情報を用いて表示順をソートすることができる。ユーザーリストには、ユーザーID1001、ユーザー名1002、ユーザー権限1003、が登録されている。印刷装置100は受信した印刷データに含まれるユーザー名1002からユーザーIDや権限を特定することができる。
【0047】
図12は、各種ルールが適用された際の予約プリントジョブの表示順を示すものである。ルールAは、プリント開始日時904、ジョブID902、の優先順位に従って処理するというルールである。上述したとおり、ジョブIDは印刷データを受信した順(ジョブが登録された順)に割り当てられるものである。よって、ジョブIDの順に従ってソートすると、印刷データを受信した順に予約プリントジョブが表示されることになる。ルールBは、プリント開始日時904、ユーザーID1001、ジョブID902、の優先順位に従って処理するというルールである。ルールCは、プリント開始日時904、ユーザー権限1003(Administrator、General、Guest、の優先順位)、ユーザーID1001、ジョブID902、の優先順位に従って処理するというルールである。ルールDは、プリント開始日時904、ジョブID902が小さいジョブがあるユーザーのジョブは早いものにまとめる、ジョブID902、の優先順位に従って処理するというルールである。ルールEは、プリント開始日時904、ジョブ名901が同一のジョブがある予約プリントジョブは早いものにまとめる、ジョブID902、の優先順位に従って処理するというルールである。なお、優先順位が一意に特定できるものであれば、ここに記載した以外のルールであってもよい。ここで、どのルールを用いるかについては、プログラムの中で定義されていても、それをユーザーが切り替えられるようにしていてもよい。
【0048】
図16は、CPU111が、ユーザーからのルールの設定操作を受け付けるために、操作部140のパネルに表示する予約プリント処理ルール設定画面の一例である。予約プリント処理ルール設定画面1601には、予約プリント処理ルール表示領域1602、設定完了ボタン1603、元に戻すボタン1604、を表示している。予約プリント処理ルール表示領域1602には、プリント開始日時が重複した場合の処理ルールを表示しており、各ルールの表示領域はルールを選択するための選択ボタンの役割を含んでいる。ユーザーがルールを選択すると、チェックボックスにチェックが付加され、選択されたルールを識別できるように表示が切り替えられる。ユーザーが設定完了ボタン1603を押下すると選択したルールが適用され、元に戻すボタン1604を押下すると、直前に設定されていたルールが適用される。ここでは、ルールDの優先順位に従って処理されたものとして、以降の説明を行う。
【0049】
S405で、CPU111は、操作部140のパネルに、表示順をソートした予約プリントジョブリスト画面を表示する。
【0050】
図11は、予約プリントジョブリスト画面の一例である。予約プリントリスト画面1101には、ジョブ表示領域1102、チェックボックス1103、ジョブ削除ボタン1104、プリント開始日時変更ボタン1105、印刷開始ボタン1106、閉じるボタン1107、が表示される。ここでは、予約プリントジョブの登録日時の情報は表示されていない。ジョブ表示領域1102には、ユーザーが予約プリントジョブを識別するために必要となるジョブ名などの情報が表示される。ジョブ表示領域1102のそれぞれのジョブに関する項目の表示領域は、ジョブを選択するための選択ボタンの役割を含んでいる。ユーザーがジョブを選択すると、チェックボックス1103にチェックが付加され、選択されたジョブを識別できるように表示が切り替えられる。
【0051】
図18は、予約プリントジョブリスト画面の他の一例である。図11と比較すると、印刷設定の代わりに予約プリントジョブの登録日時の情報が表示されている。ここで、プリント開始日時が早いものから表示することを示す「黒塗りつぶし▽」を表示している。ここでは、プリント開始日時が遅いものから表示することや、プリント登録日時の早いものおよび遅いものから表示する、というように表示の優先順位を切り替えることも可能である。表示の優先順位の設定については、印刷装置ごとに保持しても、ユーザーごとに保持してもよい。なお、ユーザー認証環境の場合は、ジョブ名やユーザー名などを匿名化(非表示または特定文字で置き換え)したり、ログインユーザーのジョブのみに絞った表示をしてもよい。図17は、ユーザーAがログインした際の、ジョブ名とユーザー名を匿名化した予約プリントジョブリストの表示画面の一例である。ユーザーA以外の予約プリントジョブについて、ジョブ表示領域1108のジョブ名、ユーザー名が「***」と表示されている。
【0052】
図4の説明に戻る。S406で、CPU111は、操作部140を介して、ユーザーからの操作を受け付ける。CPU111は、ジョブ削除ボタン1104、プリント開始日時変更ボタン1105、印刷開始ボタン1106によるジョブに関する操作の場合はS407へ進み、閉じるボタン1107による表示画面を閉じる操作の場合は本処理を終了する。
【0053】
S407で、CPU111は、選択したジョブに対する処理を実行する。ジョブ削除ボタン1104による操作の場合には、CPU111は、選択された予約プリントジョブの印刷データを記憶装置150から削除する。プリント開始日時変更ボタン1105による操作の場合には、CPU111は、プリント開始日時変更画面を操作部140に表示し、ユーザーからのプリント開始日時の変更を受け付ける。印刷開始ボタン1106による操作の場合には、CPU111は、記憶装置150から読み込んだ印刷データを解釈して画像生成を行い、生成した画像をプリンタ装置300に渡す。プリンタ装置300は、受け取った画像を紙などの印刷媒体に印刷処理を行う。CPU111は、印刷処理が終了した予約プリントジョブについて、記憶装置150から印刷データを削除する。
【0054】
S408で、CPU111は、プリント開始日時の変更や、予約プリントジョブの削除といった、S407で実行された処理の内容に従って、予約プリントジョブリストの内容を更新する。
【0055】
S409で、CPU111は、更新された予約プリントジョブリストに含まれる予約プリントジョブの中で最も早いプリント開始日時を、予約プリントジョブタイマーにセットして更新する。
【0056】
図5は、印刷装置100における予約プリントジョブの印刷処理を示すフローチャートである。図5の処理は、例えば、CPU111が、ROM112に記憶されたプログラムをRAM113に読み出して実行することで実現される。図5の処理は、S309またはS409でセットされた予約プリントジョブタイマーの日時に現在日時が到達することで開始される。なお、印刷装置100の電源がOFFされている間に、予約プリントジョブタイマーの日時が現在日時を過ぎてしまっているような場合には、電源がONされた際に処理が開始される。
【0057】
S501で、CPU111は、S308で記憶装置150に格納した予約プリントジョブリストの情報を取得する。ここでは、図9の予約プリントジョブリストの情報が取得されたものとして、以降の説明を行う。
【0058】
S502で、CPU111は、S501で取得した予約プリントジョブリストの中で開始日時に到達した予約プリントジョブを確認する。
【0059】
S503で、CPU111は、S502で確認できた予約プリントジョブが複数あるかどうかを確認する。CPU111は、複数の予約プリントジョブがある場合にはS504へ進み、予約プリントジョブが1つだけであればS505へ進む。
【0060】
S504で、CPU111は、予約プリントジョブの印刷順序を決定する。プリント開始日時が重複した予約プリントジョブについては、図4のS404で予約プリントジョブ一覧の表示順を決定する際に使用されたルールと同じルールに従って印刷順序を決定する。すなわち、予約プリントジョブ一覧の表示順は、印刷する順番と同じになる。
【0061】
S505で、CPU111は、S504で決定した印刷順序に従って、S502で確認できた予約プリントジョブをRAM113の印刷処理実行待ちプリントジョブリストに追加する。そして、CPU111は、先行しているプリントジョブの処理が終了して、印刷開始できる状態になるまで待つ。印刷開始できる状態になったら、CPU111は、記憶装置150から読み込んだ印刷データを解釈して画像生成を行い、生成した画像データをプリンタ装置130に渡す。プリンタ装置130は、受け取った画像データに基づいて用紙などの記録媒体上に画像を形成することで印刷処理を実行する。CPU111は、印刷処理が終了した予約プリントジョブについて、RAM113の印刷処理実行待ちプリントジョブリストから削除し、記憶装置150から印刷データを削除する。
【0062】
S506で、CPU111は、S505で削除された予約プリントジョブを予約プリントジョブリストから削除する。
【0063】
S507で、CPU111は、S506の予約プリントジョブリストの予約プリントジョブの中で最も早いプリント開始日時を、予約プリントジョブタイマーにセットして更新し、本処理を終了する。
【0064】
以上のように、本実施形態における印刷装置100は、印刷時刻が指定された印刷データを外部から受信すると、当該印刷データを記憶し、指定された印刷時刻になると、当該印刷データに基づく印刷処理を実行する。そして、印刷装置100は、記憶された複数の印刷データの一覧を表示する際に、印刷時刻に基づいて表示順(並び順)を決定するので、ユーザーはどの順番で印刷されるかを容易に認識することができる。また、印刷時刻が同一の印刷データが複数ある場合には、ジョブIDなど他の情報に基づいて表示順を決定する。このとき決定される表示順は、印刷される順序と同じであるため、印刷時刻が同一の印刷データが複数ある場合でも、ユーザーは一覧を見ればどの順番で印刷されるかを確認することができる。また、どのような順番で表示・印刷させるかをユーザーが設定できるようにしたので、ユーザーの使用環境に合わせて印刷順を制御することができる。
【実施例2】
【0065】
以下、実施例2について、実施例1と異なる点について説明する。
【0066】
図6は、印刷装置100における印刷データ受信処理を示すフローチャートである。図6の処理は、例えば、CPU111が、ROM112に記憶されたプログラムをRAM113に読み出して実行することで実現される。図6の処理は、図2のS207でHC191から送信された印刷データを、印刷装置100が受信すると開始される。実施例1で説明した図3と同じ処理については、同一の符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0067】
S601で、CPU111は、S307で記憶装置150に格納した印刷データから、表示・印刷の処理順を決定するために必要な情報を取得し、予約プリントジョブの表示・印刷の処理順を決定する。
【0068】
図14は、処理順を決定する処理の流れを示すものであり、プリント開始日時が重複するものについては、図12で説明したルールDの優先順位に従って処理されるものとする。図14に示すように、新たな印刷データを受信するごとに表示・印刷の処理順が決定される。
【0069】
S602で、CPU111は、S601で決定した処理順の情報を元に予約プリントジョブリストの更新を行い、記憶装置150に予約プリントジョブリストの情報を格納する。
【0070】
図13は、予約プリントジョブリストの一例である。実施例1で説明した図9の予約プリントジョブリストと比較すると、S601で決定した処理順の情報1301が格納されている。
【0071】
図7は、印刷装置100における予約プリントジョブリスト表示処理を示すフローチャートである。図7の処理は、例えば、CPU111が、ROM112に記憶されたプログラムをRAM113に読み出して実行することで実現される。図7の処理は、ユーザーが操作部140を介して本処理の開始を指示することで開始される。実施例1で説明した図4と同じ処理については、同一の符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0072】
S701で、CPU111は、S602で記憶装置150に格納した予約プリントジョブリストの情報を取得する。ここでは、図13の予約プリントジョブリストの情報が取得されたものとして、以降の説明を行う。
【0073】
S702で、CPU111は、操作部140のパネルに、S701で取得した予約プリントジョブリストを元に、予約プリントジョブリスト画面を表示する。ここでは、予約プリントジョブリストの処理順1301に従って予約プリントジョブを表示する。
【0074】
S703で、CPU111は、プリント開始日時の変更や、予約プリントジョブの削除といった、S407で実行された処理の内容に従って、表示・印刷の処理順の情報を更新する。
【0075】
S704で、CPU111は、プリント開始日時の変更や、予約プリントジョブの削除といった、S407で実行された処理の内容に従って、予約プリントジョブリストの内容を更新する。
【0076】
図8は、印刷装置100における予約プリントジョブ印刷処理を示すフローチャートである。図8の処理は、例えば、CPU111が、ROM112に記憶されたプログラムをRAM113に読み出して実行することで実現される。図8の処理は、S601やS703で決定した処理順が最も早い予約プリントジョブの開始日時に、現在日時が到達することで開始される。なお、印刷装置100の電源がOFFされている間に、予約プリントジョブの開始日時が現在日時を過ぎてしまっているような場合には、電源がONされた際に処理が開始される。
【0077】
S801で、CPU111は、S601やS703で決定した処理順が早いものから順に、予約プリントジョブの開始日時が現在日時に到達している予約プリントジョブをRAM113の印刷処理実行待ちプリントジョブリストに追加する。そして、CPU111は、先行しているプリントジョブの処理が終了して、印刷開始できる状態になるまで待つ。印刷開始できる状態になったら、CPU111は、記憶装置150から読み込んだ印刷データを解釈して画像生成を行い、生成した画像データをプリンタ装置130に渡す。プリンタ装置130は、受け取った画像データに基づいて用紙などの記録媒体上に画像を形成することで印刷処理を実行する。CPU111は、印刷処理が終了した予約プリントジョブについて、RAM113の印刷処理実行待ちプリントジョブリストから削除し、記憶装置150から印刷データを削除する。
【0078】
S802で、CPU111は、S801で削除された予約プリントジョブを予約プリントジョブリストから削除し、本処理を終了する。
【0079】
ここでは、処理順の情報を元に印刷処理を開始したが、その判断を高速に行うため、最も早い処理順の情報を保持したり、実施例1のように予約プリントジョブタイマーを用いたりしてもよい。
【0080】
このように、実施例2における印刷装置100は、印刷データを受信する度に印刷データの表示順、印刷順を決定するので、印刷データ一覧を表示する際や印刷を実行する際に改めて処理順を決定する必要がない。
【実施例3】
【0081】
以下、実施例3について、実施例1、2と異なる点について説明する。実施例1、2では、予約プリントジョブリストを、セキュアプリントジョブリストとは別に管理し、これらを混在して表示しないようにする例について説明した。実施例3では、統合プリントジョブリストとして、印刷処理実行待ちプリントジョブリストを含むこれら複数のリストをまとめて表示する例について説明する。
【0082】
図20は、印刷装置100における統合プリントジョブリスト表示処理を示すフローチャートである。図20の処理は、例えば、CPU111が、ROM112に記憶されたプログラムをRAM113に読み出して実行することで実現される。図20の処理は、ユーザーが操作部140を介して本処理の開始を指示することで開始される。
【0083】
S2001で、CPU111は、印刷装置100内に保持している全てのプリントジョブのリストを取得する。CPU111は、S305で作成した印刷処理実行待ちプリントジョブリスト、S304で作成したセキュアプリントジョブリスト、S602で作成した予約プリントジョブリスト、を取得する。ここでは、予約プリントジョブリストとして、図9の予約プリントジョブリストの情報が取得されたものとして、以降の説明を行う。
【0084】
S2002で、CPU111は、S2001で取得したプリントジョブリストをマージした統合プリントジョブリストを生成し、プリント開始日時が早いものから先に表示できるように表示順をソートする。
【0085】
S2003で、CPU111は、操作部140のパネルに、S2002で表示順をソートした統合プリントジョブリストを元に、統合プリントジョブリスト画面を表示する。
【0086】
図19は、統合プリントジョブリスト画面の一例である。統合プリントジョブリスト画面1901には、ジョブ表示領域1902、チェックボックス1903、閉じるボタン1904、ジョブ削除ボタン1905、が表示されている。ジョブ表示領域1902には、ユーザーがプリントジョブの内容を判断するために必要となるジョブ名などの情報と、各ジョブの処理状況が表示される。ジョブ表示領域1902のそれぞれのジョブに関する項目の表示領域は、ジョブを選択するための選択ボタンの役割を含んでいる。ユーザーがジョブを選択すると、チェックボックス1103にチェックが付加され、選択されたジョブを識別できるように表示が切り替えられる。図13の例では、通常プリントジョブとして投入された2つの印刷データのうち、印刷実行中の参考資料Aが一番上に表示され、その次に印刷予定の参考資料Bが2番目に表示されている。そして、予約プリントジョブは3番目以降に表示されている。セキュアプリントジョブについては、ユーザーによる印刷指示があるまでは印刷されず、プリント開始時刻が特定できないので、一番下に表示されている。なお、これは表示の一例であり、これ以外のジョブに関する内容を表示してもよく、ユーザー認証環境においての匿名化を行うなどを行ってもよい。
【0087】
S2004で、CPU111は、操作部140を介して、ユーザーからの操作を受け付ける。CPU111は、ジョブ削除ボタン1904の操作を受け付けた場合はS407へ進み、閉じるボタン1905による表示画面を閉じる操作を受け付けた場合は本処理を終了する。
【0088】
S2005で、CPU111は、選択されたプリントジョブについて、記憶装置150またはRAM113に格納されている印刷データと該当するプリントジョブリストからの削除を行う。なお、選択されたプリントジョブが印刷実行中の場合は、印刷処理の中断後に削除処理を行う。
【0089】
このように、実施例3によれば、出力方法が異なる複数のプリントジョブをまとめて一覧表示する際にも、印刷時刻に基づいて表示順を決定するので、どの順番に印刷されるかをユーザーが容易に確認可能となる。
【0090】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0091】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0092】
100 印刷装置
110 制御装置
111 CPU
112 ROM
113 RAM
114 画像処理部
120 リーダー装置
130 プリンタ装置
140 操作部
150 記憶装置
190 ネットワーク
191 ホストコンピュータ
192 CPU
193 ROM
194 RAM
195 操作部
196 記憶装置
197 表示部
198 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20