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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240213BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
G06Q30/0241
A47J27/00 109Z
A47J27/00 103R
A47J27/00 102
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022109895
(22)【出願日】2022-07-07
(62)【分割の表示】P 2019541620の分割
【原出願日】2018-01-09
(65)【公開番号】P2022132352
(43)【公開日】2022-09-08
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】P 2017175993
(32)【優先日】2017-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】吉田 麻里
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-297626(JP,A)
【文献】特開2002-013741(JP,A)
【文献】特開2002-311870(JP,A)
【文献】特開2002-279296(JP,A)
【文献】特開2001-211270(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0105572(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0131677(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介してサーバと通信可能に接続される加熱調理器であって、
情報を出力する出力装置と、
前記サーバによって提供された質問を前記出力装置に出力させる質問出力制御部と、
前記質問に対して前記サーバに回答する質問回答部と、
前記質問に対する回答に応じて前記サーバから取得した広告を前記出力装置に出力させる広告出力制御部と、を備え、
前記サーバは、前記加熱調理器が加熱を開始したことを受信すると、前記サーバの記憶装置にユーザに提供できる広告データがあるか否かを判定し、ユーザに提供できる広告データがあると判定した場合、広告データが送信可能であることを前記加熱調理器に通知し、
前記加熱調理器は、前記サーバから広告データが送信可能であるという通知を受信すると、広告データがあることを報知することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記加熱調理器は、問合せボタンを有し、広告データがあることを報知している状態で、前記問合せボタンが操作されると、前記サーバに前記質問の送信を要求することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告を出力する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱調理を行う加熱調理器には、インターネットを介して種々の情報を取得できるように構成されたものがある。例えば、特許文献1には、データ送信装置からネットワーク回線を通じて送信された宣伝情報に基づいて広告を表示出力および音声出力する調理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国公開特許公報「特開2001-90953号(2001年4月3日公開)」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の調理装置は、広告主が用意した広告が一方的に調理装置に送信されるので、ユーザのニーズに沿った広告を出力することができなかった。
【0005】
本発明の一態様は、ユーザのニーズに沿った広告を出力することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る加熱調理器は、通信ネットワークを介してサーバと通信可能に接続される加熱調理器であって、情報を出力する出力装置と、前記サーバによって提供された質問を前記出力装置に出力させる質問出力制御部と、前記質問に対して前記サーバに回答する質問回答部と、前記質問に対する回答に応じて前記サーバから取得した広告を前記出力装置に出力させる広告出力制御部と、を備え、前記サーバは、前記加熱調理器が加熱を開始したことを受信すると、前記サーバの記憶装置にユーザに提供できる広告データがあるか否かを判定し、ユーザに提供できる広告データがあると判定した場合、広告データが送信可能であることを前記加熱調理器に通知し、前記加熱調理器は、前記サーバから広告データが送信可能であるという通知を受信すると、広告データがあることを報知する
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ユーザのニーズに沿った広告を出力することができる加熱調理器を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1~3に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
図2】上記通信システムにおける本発明の実施形態1に係る加熱調理器の外観の構成を示す斜視図である。
図3】上記加熱調理器の内部の構成を示す斜視図である。
図4】上記加熱調理器の制御系の構成を示すブロック図である。
図5】上記加熱調理器のシステム構成を示すブロック図である。
図6】上記通信システムにおける実施形態1に係るクラウドサーバのシステム構成を示すブロック図である。
図7】上記通信システムにおける広告データの配信の処理手順を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態2に係る加熱調理器のシステム構成を示すブロック図である。
図9】(a)~(g)は図8に示す加熱調理器による予約時刻設定および予約時刻変更のための画面を示す図である。
図10】本発明の実施形態3に係る加熱調理器のシステム構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
本発明の一実施の形態について図1図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0010】
まず、本実施形態に係る通信システムの概略構成について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る通信システム100の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、通信システム100は、加熱調理器1と、クラウドサーバ200(サーバ)と、無線LANアクセスポイント101と、インターネット102(通信ネットワーク)とを含んで構成されている。
【0013】
加熱調理器1は、無線LAN(Local Area Network)に接続して通信を行う機能を備えている。無線LANアクセスポイント101は、加熱調理器1とともに建屋300内に設置された電波中継機である。
【0014】
クラウドサーバ200は、加熱調理器1に提供する広告データを格納している。クラウドサーバ200は、インターネット102に接続されており、インターネット102を介して加熱調理器1と通信することができる。
【0015】
続いて、加熱調理器1について詳細に説明する。
【0016】
図2は、加熱調理器1の外観の構成を示す斜視図である。図3は、加熱調理器1の内部の構成を示す斜視図である。
【0017】
図2および図3に示すように、加熱調理器1は、本体部2と、蓋体3と、内鍋4とを備えている。
【0018】
図3に示すように、本体部2は、内部に内鍋4を収容する筐体(外鍋)である。本体部2は、外ケース21と、内ケース22とを有している。外ケース21は外装体である。
【0019】
内ケース22は、外ケース21の内側に配置され、その内部に内鍋4を保持する。内ケース22は、耐熱性および電気絶縁性を有する材料で形成されている。
【0020】
内ケース22には、内鍋4を加熱する誘導コイル5および後述する内鍋4の温度を検出する温度センサ6が設けられている。誘導コイル5は、本体部2の内部に内鍋4を収容した状態で内鍋4に接触する位置に配置されている。温度センサ6は、本体部2の内部に内鍋4を収容した状態で内鍋4に接触する位置に配置されている。
【0021】
蓋体3は、外蓋31、内蓋32および撹拌機構33を備えている。外蓋31は、ヒンジ部7を介して外ケース21に組み付けられている。これにより、蓋体3は、内鍋4の開口部4aを開閉するように、本体部2に回動可能に支持されている。
【0022】
内蓋32は、外蓋31における内鍋4との対向面側に、着脱可能に取り付けられている。内蓋32の一部には、ガラスあるいは透明樹脂等の透明材料からなる透明部32aが設けられている。
【0023】
一方、外蓋31における透明部32aと重なる部分には、透明部32aの少なくとも一部を露出させる窓部31aが設けられている。窓部31aは、貫通口もしくはガラスや透明樹脂等の透明材料からなり、透明部32aを介して内鍋4の内部を確認することができるようになっている。
【0024】
また、外蓋31の上面には、操作および表示のための操作表示部34が設けられている。操作表示部34は、表示パネル341と、スタート・決定ボタン342と、第1送りボタン343と、第2送りボタン344と、戻るボタン345と、問合せボタン346と、取消しボタン347と、予約ボタン348とを有している。
【0025】
表示パネル341は、情報を出力する出力装置であり、ユーザが選択する各項目を表示するために設けられている。項目としては、メニュー、設定、再加熱等が挙げられる。表示パネル341は、複数の項目を1つの画面に表示する。当該画面においては、複数の項目のうちの1つが選択されていることを示すように、文字と背景とが他の項目と反転した状態で表示されている(反転表示)。表示パネル341は、複数の項目が1つの画面で表示しきれない場合は、複数の画面を切り替えて表示する。また、表示パネル341は、予約調理の予約時刻を設定・変更するなどの設定のための画面を表示する。
【0026】
スタート・決定ボタン342は、後述する予約調理を含む調理の開始を指示するための操作ボタンである。また、スタート・決定ボタン342は、表示パネル341に表示されている、ユーザの決定が必要な事項を決定するための操作ボタンとしても機能する。
【0027】
第1送りボタン343は、表示パネル341に表示された項目を選択するために、上記の反転表示の位置を順方向に移動させる操作ボタンである。第1送りボタン343を1回押す操作が行われると、反転表示が後の項目に移動する。反転表示が画面の最後の項目にある状態で第1送りボタン343を1回押す操作が行われると、表示パネル341には次の画面が切り替わって表示される。また、第1送りボタン343は、時刻設定の際に時間および分を増加させる操作にも用いられる。
【0028】
第2送りボタン344は、表示パネル341に表示された項目を選択するために、上記の反転表示の位置を逆方向に移動させる操作ボタンである。第2送りボタン344を1回押す操作が行われると、反転表示が後の項目に移動する。反転表示が画面の最後の項目にある状態で第2送りボタン344を1回押す操作が行われると、表示パネル341には前の画面が切り替わって表示される。また、第2送りボタン344は、時刻設定の際に時間および分を減少させる操作にも用いられる。
【0029】
戻るボタン345は、前の画面に表示を戻す操作ボタンである。
【0030】
上記の第1送りボタン343、第2送りボタン344および戻るボタン345は、項目を選択するための操作ボタン部349を構成している。
【0031】
問合せボタン346は、クラウドサーバ200への問い合わせ行うための操作ボタンである。また、問合せボタン346には、ランプ346a(広告提供報知部)が設けられている。
【0032】
ランプ346aは、LED(Light Emitting Diode)などの小型の光源素子によって構成されている。ランプ346aは、問合せボタン346と異なる箇所に設けられていてもよいが、問合せボタン346の操作に関連して点滅が制御されるため、問合せボタン346またはその近傍に設けられることが好ましい。
【0033】
取消しボタン347は、操作ボタン部349を用いて操作した結果の設定などを取り消すための操作ボタンである。
【0034】
予約ボタン348は、調理仕上がり時刻を予約する予約調理の設定を行うための操作ボタンである。
【0035】
蓋体3の内部には、制御基板8、モータ9およびスピーカ10が設けられている。制御基板8は、後述する制御系の部品が実装された基板である。モータ9は、撹拌機構33を回転させるための駆動源として設けられている。スピーカ10は、情報を出力する出力装置(音声出力装置)であり、後述するように音声を出力するために設けられている。
【0036】
撹拌機構33は、内蓋32における内鍋4との対向面側に、着脱可能に取り付けられている。撹拌機構33は、回転体333を備えるとともに、第1回転アーム331および第2回転アーム332を備えている。
【0037】
撹拌機構33は、図示しない回転軸により、内蓋32を介して、外蓋31に、回転可能に支持されている。回転軸は、図示しない駆動力伝達機構(プーリ、ベルト機構等)を介してモータ9の駆動軸に連結されている。
【0038】
第1回転アーム331および第2回転アーム332は、それらの一端が、それぞれ回転体333に連結されており、回転体333とともに回転する。第1回転アーム331および第2回転アーム332は、それぞれ、図3に実線で示す倒伏状態と、図3に二点鎖線で示す起立状態とをとり得る。
【0039】
蓋体3を閉め、第1回転アーム331および第2回転アーム332を、図3に矢印で示すように起立させた状態で回転させることにより、内鍋4に収容した被加熱物を撹拌することができる。加熱調理器1は、第1回転アーム331および第2回転アーム332により、内鍋4に収容した被加熱物を自動で撹拌することが可能である。
【0040】
内鍋4の上部の外周縁部の一部には、第1把手部41および第2把手部42が、互いに対向して設けられている。第1把手部41および第2把手部42は、例えばプラスチック等、耐熱性および電気絶縁性を有する材料で形成される。
【0041】
続いて、加熱調理器1の制御系について説明する。図4は、加熱調理器1の制御系の構成を示すブロック図である。図5は、加熱調理器1のモータ制御系の構成を示すブロック図である。
【0042】
図4に示すように、加熱調理器1は、制御系の主要部として、CPU11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13とを備えている。また、加熱調理器1は、モータ9を駆動するモータ駆動回路14と、スピーカ10を駆動するスピーカ駆動回路15と、時計回路16と、通信部17と、ランプ駆動回路18とを備えている。
【0043】
CPU11は、ROM12に格納された制御プログラムを実行することによって、各部を制御する。具体的には、CPU11は、操作表示部34の表示制御、操作表示部34への操作の受け付け、誘導コイル5のON・OFF制御および温度制御、モータ駆動回路14およびスピーカ駆動回路15の駆動制御、通信部17の制御などを行なう。RAM13は、調理に必要なメニューデータ、予約調理のための予約データなどを記憶している。メニューデータは、メニューに応じた加熱調理器1の各部の制御手順などを含んでいる。
【0044】
モータ駆動回路14は、CPU11から出力される駆動データに基づいてモータ9に印加する駆動電圧を生成する。また、スピーカ駆動回路15は、CPU11から出力されるデジタルの音声データをアナログの音声信号に変換するA/D変換器、音声信号を増幅するアンプなどを含む回路である。時計回路16は、現在時刻を提供するために設けられている。通信部17は、無線LANによる通信を行うための通信回路を含む部分である。ランプ駆動回路18は、駆動電流を供給することによって上述のランプ346aを駆動する回路である。
【0045】
なお、後述する実施形態2および3における加熱調理器1A,1B(図1参照)も、図2および図3に示す構造および図4に示す制御系と同じものを備えている。
【0046】
次に、加熱調理器1のシステム構成について説明する。
【0047】
図5は、加熱調理器1のシステム構成を示すブロック図である。
【0048】
図5に示すように、加熱調理器1は、対話制御部110と、設定部120と、ランプ点滅制御部140と、調理制御部150とを有している。
【0049】
対話制御部110は、クラウドサーバ200が用意する広告を加熱調理器1において出力するためのクラウドサーバ200との対話を制御する。対話制御部110は、上記の対話を制御するために、広告送信通知受付部111と、質問要求部112と、質問出力制御部113と、質問回答部114と、広告出力制御部115とを有している。
【0050】
広告送信通知受付部111は、クラウドサーバ200が、加熱調理器1に出力される広告のデータ(広告データ)を送信することが可能であるという通知(広告送信通知)を受け付ける。広告送信通知受付部111は、当該通知を受け付けると、後述するランプ点滅制御部140にランプ346aを点滅させるように指示する。
【0051】
質問要求部112は、操作表示部34の問合わせボタン346への操作に基づいて、クラウドサーバ200に対して質問(質問データ)の提供を要求する。質問データは、表示用の質問データと、音声出力用の質問データとが個別に用意されており、一まとまりの形態でクラウドサーバ200から提供される。
【0052】
質問出力制御部113は、クラウドサーバ200から提供された表示用の質問データに基づいて質問(質問が記載された質問画面)を表示するように表示パネル341を制御する。また、質問出力制御部113は、クラウドサーバ200から提供された音声出力用の質問データを音声データとしてスピーカ駆動回路15に出力する。
【0053】
質問回答部114は、ユーザによる操作ボタン部349の操作に応じて決定された回答をクラウドサーバ200へ送信するように通信部17を制御する。
【0054】
広告出力制御部115は、クラウドサーバ200から質問の回答に応じて提供された広告データに基づいて広告を出力するように、表示パネル341およびスピーカ駆動回路15を制御する。広告データは、表示用の広告データと、音声出力用の広告データとが個別に用意されており、一まとまりの形態でクラウドサーバ200から提供される。広告出力制御部115は、表示用の広告データに基づいて広告(広告が記載された広告画面)を表示するように表示パネル341を制御する。また、広告出力制御部115は、音声出力用の広告データを音声データとしてスピーカ駆動回路15に出力する。
【0055】
設定部120は、ユーザの操作ボタン部349による操作にしたがって各種の設定を行う。例えば、設定部120は、RAM13に記憶されている音声出力設定データSOSDを設定する。また、設定部120は、ユーザの操作ボタン部349による操作にしたがって、一旦設定された音声出力設定データSOSDを変更する。音声出力設定データSOSDは、スピーカ10の音声出力のONまたはOFFと、音声出力のON状態における音量とを定めている。音量は、例えば大、中、小の3段階に設定される。
【0056】
ランプ点滅制御部140は、広告送信通知受付部111からの指示を受けて、ランプ駆動回路18にランプ346aを点滅させる点滅制御信号を出力する。また、ランプ点滅制御部140は、音声出力設定データSOSDがOFFに設定されている場合、広告送信通知を受けてもランプ点滅制御信号を出力しない。
【0057】
調理制御部150は、RAM13に記憶されているメニューデータに基づいて、調理を実行するために各部を制御する。具体的には、調理制御部150は、温度センサ6による検出温度に基づいて内鍋4の温度を監視しており、内鍋4の温度がメニューデータに規定された所定の温度となるように、誘導コイル5のON・OFFおよび温度を制御する。また、調理制御部150は、メニューデータに規定されたメニューに応じて食材を撹拌するために撹拌機構33を稼働させるときに、撹拌機構33を回転させるタイミング、撹拌機構33の回転方向などを制御するように、モータ駆動回路14を制御する。
【0058】
調理制御部150は、加熱が開始したことと、加熱が終了したこととをクラウドサーバ200へ通知するように通信部17を制御する。
【0059】
引き続き、クラウドサーバ200について説明する。図6は、クラウドサーバ200のシステム構成を示すブロック図である。
【0060】
図6に示すように、クラウドサーバ200は、インターネット102を介して加熱調理器1と通信が可能である。クラウドサーバ200は、サーバコンピュータであり、記憶装置201と、通信部202とを備えている。また、クラウドサーバ200は、加熱調理器1への広告の提供を管理するために、広告提供管理部203を備えている。
【0061】
記憶装置201は、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)などの大容量の装置である。
【0062】
記憶装置201には、質問データ群QDが記憶されるとともに、広告データベースADBが構築されている。
【0063】
質問データ群QDは、加熱調理器1に提供する多数の質問と、当該質問に対する回答(選択肢)とを含んでいる。質問は、季節の話題、ユーザの属性、ユーザの趣味・嗜好など、あらゆる方面で設定されている。質問に対する回答は、複数の選択肢から1つを選択する択一形式で用意されている。
【0064】
広告データベースADBは、質問データ群QDで用意されている質問の各選択肢(回答)と関連付けた広告データを蓄積したデータベースである。広告データとしては、広告を表示するための広告表示データと、広告を発話するための広告発話データとが用意されている。また、広告データにより規定される広告の内容は、例えば広告主から提供される。
【0065】
通信部202は、インターネット通信を行うための通信回路を含む部分である。
【0066】
広告提供管理部203は、広告送信通知部203aと、質問提供部203bと、広告提供部203cとを有している。
【0067】
広告送信通知部203aは、加熱調理器1において加熱調理が行われている期間に、加熱調理器1に提供できる広告データが広告データベースADBに存在している場合、そのことを加熱調理器1に通知する。
【0068】
質問提供部203bは、加熱調理器1から質問の要求を受けると、記憶装置201に記憶されている質問データ群QDから1つの質問を選んで加熱調理器1に提供する。
【0069】
広告提供部203cは、質問に対する回答を加熱調理器1から受けると、当該回答に対応する広告データを広告データベースADBから取得して、加熱調理器1に提供する。
【0070】
上記のように構成される通信システム100における広告データの配信動作について説明する。図7は、通信システム100における広告データの配信の処理手順を示すフローチャートである。
【0071】
まず、加熱調理器1が無線LANアクセスポイント101に接続されている必要がある。このため、ユーザは、操作表示部34の表示パネル341に表示されるガイドメッセージにしたがって、接続のための手続を行う。具体的には、ユーザは、表示パネル341に表示される、無線LANのON・OFFを選択する画面、無線LANアクセスポイント101への接続に同意を求める画面、接続動作の指示入力を促す画面において、スタート・決定ボタン342を操作することで、接続のための手続を実行する。
【0072】
加熱調理器1がこのようにして無線LANアクセスポイント101に接続された状態で加熱を開始すると、調理制御部150は、通信部17を介して加熱調理器1が加熱を開始したことをクラウドサーバ200に通知する(ステップS1)。
【0073】
クラウドサーバ200において、広告提供管理部203の広告送信通知部203aは、加熱開始の通知を通信部202を通じて受けると、広告データベースADBにユーザに提供できる広告データがあるか否かを判定する(ステップS101)。広告送信通知部203aは、ユーザに提供できる広告データがあると判定した場合(ステップS101のYES)、広告データが送信可能であることを通信部202を介して加熱調理器1に通知する(ステップS102)。
【0074】
加熱調理器1において、対話制御部110の広告送信通知受付部111は、広告データが送信可能であるという通知をクラウドサーバ200から受けると、ランプ点滅制御部140にランプ346aを点滅させる指示を与える。ランプ点滅制御部140は、この指示を受けて、ランプ駆動回路18に点滅制御信号を出力する。ランプ駆動回路18は、この点滅制御信号によってランプ346aに駆動電流を供給することによりランプ346aを駆動する。この結果、ランプ346aが点滅する(ステップS2)。これにより、クラウドサーバ200に提供できる広告データが存在すること通知し、問合せボタン346の操作をユーザに促すことができる。
【0075】
対話制御部110の質問要求部112は、ランプ346aが点滅を開始してから所定時間が経過するまでに問合せボタン346が操作されたか否かを判定する(ステップS3)。質問要求部112は、問合せボタン346が操作されたと判定すると(ステップS3のYES)、質問データの送信を通信部17を通じてクラウドサーバ200に要求する(ステップS4)。
【0076】
クラウドサーバ200において、広告提供管理部203の質問提供部203bは、加熱調理器1からの質問データの送信要求を通信部202を通じて受けると、記憶装置201に記憶されている質問データ群QDから1つの質問を特定する(ステップS103)。質問提供部203bは、質問を特定するときに、まず、質問を受け付けた日時に基づいて、季節の話題に関する質問を選択するようにしてもよいし、ユーザの属性(性別、年齢層など)あるいはユーザの趣味・嗜好に関する質問を選択するようにしてもよい。
【0077】
質問提供部203bは、質問を特定すると、その質問データを通信部202を通じて加熱調理器1に送信する(ステップS104)。
【0078】
加熱調理器1において、対話制御部110の質問出力制御部113は、クラウドサーバ200から送信された質問データに基づいて質問の出力を制御する。質問出力制御部113は、質問の出力制御において、質問画面を表示するように表示パネル341を制御するとともに、質問内容を発話するための音声データをスピーカ駆動回路15に出力する。
【0079】
これにより、表示パネル341およびスピーカ10は、質問を出力する(ステップS5)。具体的には、表示パネル341は、質問とともに当該質問に対応する複数の回答を選択肢として含む質問画面を表示する。質問画面には、例えば、冬が近づいている時期では、「暖房機器の準備をしましたか」という質問とともに、「準備した」、「準備していない」、「新しく暖房機器を購入する」、「暖房機器は使用しない」といった回答が含まれている。
【0080】
また、スピーカ10は、質問内容と、その質問に対して質問画面から選択するように促すメッセージを出力(発話)する。例えば、スピーカ10は、上記の質問に対して、「暖房機器の準備をしましたか?画面の選択肢から選んでね。」というメッセージを出力する。
【0081】
ここで、ユーザが、質問の出力に対して操作ボタン部349を操作することによって質問に対する回答を複数の選択肢から1つ選んで決定する。この回答の決定に応じて、対話制御部110の質問回答部114は、当該回答を通信部17を通じてクラウドサーバ200に送信(返送)する(ステップS6)。
【0082】
クラウドサーバ200において、広告提供管理部203の広告提供部203cは、通信部202を通じて受信した質問に対する回答に基づいて、広告データベースADBから当該回答に対応する広告データを検索して特定する(ステップS105)。また、広告提供部203cは、特定した広告データを通信部202を通じて加熱調理器1に送信する(ステップS106)。
【0083】
加熱調理器1において、対話制御部110の広告出力制御部115は、クラウドサーバ200から送信された広告データに基づいて広告の出力を制御する。広告出力制御部115は、広告の出力制御において、広告画面を表示するように表示パネル341を制御するとともに、広告内容を発話するための音声データをスピーカ駆動回路15に出力する。
【0084】
これにより、表示パネル341およびスピーカ10は、広告を出力する(ステップS7)。具体的には、表示パネル341は、広告内容を記載した広告画面を表示する。例えば、前述の「暖房機器の準備をしましたか」という質問に対する「新しく暖房機器を購入する」という回答に対して、「寒い冬には×××(企業名)のヒータがおススメ」という広告が記載された広告画面が表示される。また、スピーカ10は、上記の広告内容(メッセージ)を出力(発話)する。ここで、広告画面は、×××(企業名)のヒータを広告するための動画でもよい。
【0085】
調理制御部150は、加熱が終了したか否かを判定し(ステップS8)、加熱が終了したと判定すると(YES)、クラウドサーバ200に加熱が終了したことを通信部17を通じて通知する(ステップS9)。
【0086】
クラウドサーバ200において、広告提供管理部203は、加熱終了の通知を通信部202を通じて受けると、広告を加熱調理器1に提供する処理を終える。
【0087】
また、クラウドサーバ200の広告送信通知部203aは、ユーザに提供できる広告データがないと判定した場合(ステップS101のNO)、そのまま処理を終える。また、加熱調理器1の質問要求部112は、問合せボタン346が操作されなかったと判定すると(ステップS3のNO)、処理をステップS9に移行させる。
【0088】
本実施形態の通信システム100は、インターネット102を介して相互に通信可能な加熱調理器1と、クラウドサーバ200とを備え、加熱調理器1が対話制御部110を有する一方、クラウドサーバ200が広告提供管理部203を有している。また、広告提供管理部203は、加熱調理器1に対して提供した質問に対する回答を受けると、当該回答に応じた広告を加熱調理器1に提供する。加熱調理器1は、広告出力制御部115により、クラウドサーバ200から提供された広告を出力する。
【0089】
これにより、ユーザのニーズに応じた広告を加熱調理器1を介してユーザに提供することができる。したがって、広告効果をより高めることができる。
【0090】
なお、広告出力制御部115は、RAM13に記憶された音声出力設定データSOSDが音声出力OFFに設定されている場合、表示パネル341およびスピーカ10に広告を出力させないように制御してもよい。
【0091】
これにより、スピーカ10の出力の停止が設定されている場合、スピーカ10だけでなく表示パネル341も広告を出力しない。音声が無く、表示パネル341に画像が表示されるだけでは広告の報知効果が小さくなってしまうが、そういった状態を回避することができる。
【0092】
広告出力制御部115は、音声出力設定データSOSDが音声出力OFFに設定されている場合、ランプ点滅制御部140にランプ346aの点滅制御をしないように指示してもよい。また、音声出力OFFに設定されている場合に問合せボタン346が操作されると、広告出力制御部115は、音声出力OFFの設定を解除することを促すメッセージを表示するように、表示パネル341を制御する。そして、広告出力制御部115は、音声出力設定データSOSDが音声出力ONに切り替えられて、音声出力OFFの設定が解除された状態で、問合せボタン346が操作されると、表示パネル341およびスピーカ10を広告を出力するように制御する。
【0093】
これにより、ユーザが意図せずに、音声出力装置の出力の停止が設定された状態となっていると、広告は出力されない。そこで、スピーカ10の出力を設定するようにユーザに促すことで、ユーザは、広告の出力を希望すれば、スピーカ10の出力を設定するので、広告の出力が可能になる。
【0094】
あるいは、広告出力制御部115は、音声出力設定データSOSDが音声出力OFFに設定されている場合、ランプ点滅制御部140にランプ346aの点滅を制御させた上で、音声出力OFFの設定を解除して問合せボタン346を操作することを促すメッセージを表示パネル341に表示させてもよい。
【0095】
また、クラウドサーバ200からの質問の提供は、必ずしも操作ボタン部349の操作を契機としなくてもよい。例えば、クラウドサーバ200の質問提供部203bは、加熱調理器1から加熱を開始した通知を受けると、質問を加熱調理器1に提供してもよい。また、クラウドサーバ200からの質問の提供は、必ずしも加熱開始から加熱終了までの間としなくてもよい。加熱調理中以外でも、任意のタイミングで質問を加熱調理器1に提供してもよい。
【0096】
また、本実施形態では、撹拌機構33を備えた加熱調理器1について説明した。本発明は、このような加熱調理器1に限らず、インターネット102に接続可能に構成することができれば、炊飯器、オーブンレンジなどの加熱調理器にも適用が可能である。
【0097】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図1図8および図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0098】
図8は、本実施形態に係る加熱調理器1Aのシステム構成を示すブロック図である。
【0099】
図1に示すように、本実施形態に係る通信システム100は、加熱調理器1Aと、クラウドサーバ200Aと、無線LANアクセスポイント101と、インターネット102とを含んで構成されている。
【0100】
図8に示すように、加熱調理器1Aは、実施形態1の加熱調理器1における対話制御部110に代えて予約設定部160を有している。
【0101】
また、加熱調理器1AにおいてROM12は、メニューデータMDを記憶している。メニューデータMDは、人数、材料、調理時間、調理パターン(加熱温度、撹拌機構33の可動タイミングなど)、材料の投入タイミングといった、後述する調理制御部150が指定されたメニューの調理を実行するために各部を制御する各種の情報である。
【0102】
予約設定部160は、調理仕上がり予定時刻(以降「予約時刻」と称する)を設定する機能、および予約時刻を変更する機能とを実現するために、予約受付部161と、予約変更部162とを有している。
【0103】
予約受付部161は、ROM12に予め記憶されているメニューデータMDから、ユーザによって指定されたメニューに対応するメニューデータMDを読み出して、このメニューデータMDと、ユーザによって設定(予約)された予約時刻の時刻データTDとを組み合わせた予約データRDを生成する。また、予約受付部161は、生成した予約データRDをRAM13に書き込む。
【0104】
予約変更部162は、操作表示部34からユーザの操作による予約時刻の変更の要求を受けたとき、時刻データTDで規定される予約時刻が、変更可能であるか否かを判定する。予約変更部162は、予約時刻の変更が変更可能な時間条件を満たすときに、RAM13に記憶されている時刻データTDを要求に応じて書き替えるとともに、予約時刻を変更したメッセージを表示パネル341に表示させる。また、予約変更部162は、予約時刻の変更が変更可能な時間条件を満たさないために不可であるときに、予約変更ができないことを表示するように表示パネル341を制御する。
【0105】
本実施形態における調理制御部150は、調理における時間管理を行うために、予約データRDにおけるメニューデータMD(調理時間)および時刻データTDから調理開始時刻を算出する。また、調理制御部150は、時計回路16から出力される現在時刻に基づいて、調理開始時間に達したことを認識する。
【0106】
調理制御部150は、予約ボタン348の操作後にスタート・決定ボタン342が操作されることによって、予約調理を開始し、通常の調理と同じように加熱調理を実行するように各部を制御する。また、調理制御部150は、予約調理において、加熱調理が終了すると、内鍋4の温度を加熱調理時の温度より低い一定の温度に維持させる保温状態となるように誘導コイル5を制御する。そして、調理制御部150は、保温状態から、予約時刻に料理が食べごろの温度になるまで再加熱するように誘導コイル5を制御する。
【0107】
調理制御部150は、調理が終了したことをクラウドサーバ200Aへ通知するように通信部17を制御する。
【0108】
上記のように構成される通信システム100による予約時刻を変更する動作について説明する。図9の(a)~(g)は、加熱調理器1Aによる予約時刻設定および予約時刻変更のための画面を示す図である。
【0109】
まず、ユーザが、予めメニューデータMDに基づいてメニューを決定した状態で予約ボタン348を操作すると、予約受付部161は、図9の(a)に示す予約設定画面400を表示パネル341に表示させる。ユーザが、予約ボタン348の第1送りボタン343および第2送りボタン344を操作することにより予約時刻の時間と分とを決めて、スタート・決定ボタン342を操作する。
【0110】
予約受付部161は、スタート・決定ボタン342が操作されることによって予約データRDを決定して、当該予約データRDを、加熱調理終了時刻、予約限界時刻などの情報と併せてRAM13に書き込んで登録する。また、予約受付部161は、必要に応じて、予約データRDを、通信部17を通じて、クラウドサーバ200Aへ送信させる。これにより、クラウドサーバ200Aには、予約データRDが登録される。スマートフォンなどの携帯端末装置がクラウドサーバ200Aに接続すれば、携帯端末装置において予約データRDを確認できるようにしてもよい。
【0111】
ここで、加熱調理終了時刻は、予約調理の開始とともに開始する加熱調理の終了時刻であり、メニューによって定まる。加熱限界時刻は、予約開始時刻から、加熱せずに保温状態を維持したまま食材が傷まない限界の時間(例えば15時間)後の時刻である。
【0112】
予約受付部161は、予約データRDの登録が完了すると、図9の(b)に示す予約開始画面410を表示パネル341に表示させて、予約が受け付けられて開始したことをユーザに報知する。予約開始画面410は、予約ボタン348の長押しで予約時刻変更が可能であるというメッセージを含んでいる。
【0113】
また、ユーザが設定した予約時刻が予約設定可能な範囲を超える場合、予約受付部161は、図9の(c)に示す設定エラー画面420を表示パネル341に表示させて、予約が受け付けらずに開始できなかったことをユーザに報知する。
【0114】
予約変更部162は、ユーザが予約ボタン348を長押しすることにより、図9の(d)に示す予約時刻変更画面430を表示パネル341に表示させる。この予約時刻変更画面430には、変更可能な時刻の範囲が記載されている。予約変更部162は、ユーザによる第1送りボタン343および第2送りボタン344の操作に応じて、予約時刻の時間および分を送ったり戻したりする。
【0115】
予約変更部162は、ユーザがスタート・決定ボタン342を操作すると、ユーザにより新たに定められた予約時刻を決定し、RAM13における予約データRDの時刻データTDを当該予約時刻に書き替える。また、このとき、予約変更部162は、図9の(e)に示す予約時刻変更確認画面440を表示パネル341に表示させて、予約時刻の変更が行われたことをユーザに報知する。
【0116】
また、ユーザが変更を所望する予約時刻が予約設定可能な範囲を超える場合、予約変更部162は、図9の(f)に示す変更エラー画面450を表示パネル341に表示させて、予約変更ができなかったことをユーザに報知する。
【0117】
さらに、予約時刻変更画面430が表示パネル341に表示されている状態でユーザによって取消しボタン347が操作されると、予約変更部162は、図9の(g)に示す調理終了確認画面460を表示パネル341に表示させる。調理終了確認画面460は、調理の終了の要否を問い合わせる「はい」および「いいえ」を記載している。ここで、「はい」が選択されて、スタート・決定ボタン342が操作されると、予約変更部162は、調理制御部150に調理の終了を指示する。また、「いいえ」が選択されて、スタート・決定ボタン342が操作されると、予約変更部162は、調理制御部150に調理の終了を指示しない。
【0118】
ここで、予約変更部162は、ユーザが設定した変更時刻の受け付けが可能であるか否かを以下のようにして判定する。予約変更部162は、具体的には、以下のように(1)~(3)のそれぞれの場合に規定される時間範囲に変更時刻があるか否かで、変更時刻の受け付けが可能であるか否かを判定する。また、予約変更部162は、(4)の場合には、予約変更の可能な時間範囲外であるため、変更を受け付けない。
【0119】
(1)加熱調理終了時刻まで1時間以上ある場合
加熱調理終了時刻から加熱限界時刻までの時間範囲
(2)加熱調理終了時刻まで1時間未満である場合
現在時刻から1時間後より加熱限界時刻までの時間範囲
(3)加熱調理終了時刻から変更締切時刻(予約時刻の30分前)まで
現在時刻から1時間後より加熱限界時刻までの時間範囲
(4)変更締切時刻以降である場合
変更不可
例えば、朝7時に予約時刻14時で予約(加熱調理終了時刻:10時)を開始した場合、予約時刻の変更が受け付け可能となるのは、7時から13時30分までである。
【0120】
ここで、現在時刻7時30分に予約時刻を変更する場合、加熱調理終了時刻と現在時刻との差が1時間以上であることから、(1)の場合に相当するので、予約時刻の変更可能範囲は、10時から19時までとなる。
【0121】
また、現在時刻9時20分に予約時刻を変更する場合、加熱調理終了時刻と現在時刻との差が1時間未満であることから、(2)の場合に相当するので、予約時刻の変更可能範囲は、10時20分から19時までとなる。
【0122】
さらに、現在時刻11時に予約時刻を変更する場合、(3)の場合に相当するので、予約変時刻の変更可能範囲は、12時から19時までとなる。
【0123】
以上のように、本実施形態に係る通信システム100において、加熱調理器1は、予約変更部162を有することにより、予約時刻を変更することができる。これにより、帰宅予定が変わるなどの理由によって予約時刻を変更したい場合に、容易に予約時刻を変更することができる。
【0124】
また、予約時刻の変更要求をそのまま受け付けると、調理仕上がりの状態に加熱過多や加熱不足といった不具合が生じる虞がある。そこで、上述のように予約時刻の予約メニューの調理に支障を来さないと想定される時間範囲でしか予約時刻を変更できないように変更に制限を設けている。これにより、上記のような調理仕上がりの状態に不都合が生じることを抑制できる。
【0125】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図1および図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施形態1および2にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0126】
図10は、本実施形態に係る加熱調理器1Bのシステム構成を示すブロック図である。
【0127】
図1に示すように、本実施形態に係る通信システム100は、加熱調理器1Bと、クラウドサーバ200Bと、無線LANアクセスポイント101と、インターネット102とを含んで構成されている。
【0128】
図10に示すように、加熱調理器1Bは、実施形態2の加熱調理器1Aにおける予約設定部160に代えて調理案内部170を有している。
【0129】
また、加熱調理器1BにおいてROM12は、調理手順データCPDと、メニューデータMD1とを記憶している。調理手順データCPDは、メニューに応じて予め定められた調理の手順を出力するためのデータであり、表示パネル341に表示させる画面データとして用意されている。メニューデータMDは、実施形態2におけるメニューデータMD(図8参照)と同じデータである。
【0130】
また、クラウドサーバ200Bは、メニューデータMD1とは異なるメニューについてのメニューデータMD2を図示しない大容量の記憶装置に記憶している。
【0131】
調理案内部170は、ユーザに調理を案内するための情報を提供する機能を実現するために、調理手順出力制御部171と、メニュー検索部172とを有している。
【0132】
調理手順出力制御部171は、操作表示部34によるユーザの操作に応じ、ROM12に記憶されている調理手順データCPDに基づいて、調理の各工程を複数の工程画面を表示パネル341に順次表示させることにより、ユーザに調理手順を案内する。また、調理手順出力制御部171は、操作表示部34によるユーザの操作に応じて、調理手順データCPDに基づいて、調理の各工程の説明をスピーカ10に音声出力させることにより、ユーザに調理手順を案内する。このため、調理手順出力制御部171は、後述する工程発話データをスピーカ駆動回路15に出力する。スピーカ駆動回路15は、工程発話データに基づいてスピーカ10に音声を出力させる。
【0133】
調理手順データCPDは、工程画面のデータである工程画面データと、各工程の説明を発話するための工程発話データとを含んでいる。
【0134】
工程画面データは、材料を表示する初期画面データ、材料を下ごしらえする下準備画面データ、材料および調味料を加熱調理器1Bの内鍋4に投入して内蓋32および外蓋31を閉じる操作画面データなどが用意されている。
【0135】
工程発話データは、上記の工程画面ごとに、各工程画面に示される工程を発話する音声データである。
【0136】
調理手順出力制御部171は、ユーザが操作表示部34の第1送りボタン343を操作することによって、表示パネル341に表示される工程画面を送り方向に切り替えるとともに、表示された工程画面に応じた工程の説明をスピーカ10に出力させる。また、調理手順出力制御部171は、ユーザが操作表示部34の第2送りボタン344を操作することによって、表示パネル341に表示される工程画面を戻り方向に切り替えるとともに、表示された工程画面に応じた工程の説明をスピーカ10に出力させる。
【0137】
メニュー検索部172は、操作表示部34によるユーザの操作に応じて、メニューデータMD1,MD2に基づいて、メニューを検索するための検索画面を表示パネル341に順次表示させることにより、ユーザが所望とするメニューを検索する。
【0138】
検索画面としては、初期選択画面と、区分画面と、メニュー画面とが少なくとも用意されている。初期選択画面は、カテゴリー、食材などを選択するために設けられている。区分画面は、カテゴリー(煮物、カレー・シチュー、スープなど)、食材(肉、魚介、野菜など)などを詳細に区分して記載した画面である。メニュー画面は、区分画面で区分された対象に応じたメニューを記載した画面である。また、メニュー画面には、クラウドサーバ200Bからメニューを検索する項目が設けられている。
【0139】
また、メニュー検索部172は、メニュー画面が表示パネル341に表示されているときに、メニュー画面に含まれるメニューを推薦するメッセージをスピーカ10に出力させる。
【0140】
ユーザは、操作表示部34の第1送りボタン343および第2送りボタン344を操作することによって、表示パネル341に表示される各検索画面から1つの項目を選択し、スタート・決定ボタン342を操作する。調理手順出力制御部171は、この操作に応じて、表示パネル341に表示される検索画面を次の検索画面に切り替える。
【0141】
そして、ユーザは、メニュー画面が表示されているときに、クラウドサーバ200Bからメニューを検索する項目を選択してスタート・決定ボタン342を操作する。すると、調理手順出力制御部171は、クラウドサーバ200BのメニューデータMD2を参照して、メニューデータMD2に基づいたメニュー画面を新たに表示パネル341に表示させる。
【0142】
上記のように構成される加熱調理器1Bによれば、調理手順出力制御部171によって、所望の調理を行う際に、調理手順を容易に確認することができる。
【0143】
また、上記のように構成される加熱調理器1Bおよびクラウドサーバ200Bによれば、クラウドサーバ200Bに保存されている豊富なメニューを利用することができる。加熱調理器1BにおけるROM12は、記憶容量が少ないため、多数のメニューについてのメニューデータMD1を記憶することができない。これに対し、クラウドサーバ200Bは、大容量のメモリに多数のメニューについてのメニューデータMD2を記憶している。それゆえ、加熱調理器1BのメニューデータMD1と、クラウドサーバ200BのメニューデータMD2を合わせることで、豊富かつ最新のメニューをユーザに提供することが可能になる。
【0144】
〔ソフトウェアによる実現例〕
加熱調理器1,1A,1Bの制御ブロック(対話制御部110、設定部120、ランプ点滅制御部140、調理制御部150、予約設定部160および調理案内部170)と、クラウドサーバ200の制御ブロック(広告提供管理部203)とは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0145】
後者の場合、加熱調理器1,1A,1Bおよびクラウドサーバ200は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラム(例えば広告出力プログラム、予約変更プログラム、調理案内プログラム)の命令を実行するCPU11、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU11)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って(ロードして)実行することにより、本発明の目的が達成される。
【0146】
上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記の各プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、各プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。また、本発明は、上記プログラムを内蔵するコンピュータプログラムプロダクトの形態でも実現され得る。
【0147】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る加熱調理器は、通信ネットワーク(インターネット102)を介してサーバ(クラウドサーバ200)と通信可能に接続される加熱調理器1であって、情報を出力する出力装置(スピーカ10,表示パネル341)と、前記サーバによって提供された質問を前記出力装置に出力させる質問出力制御部113と、前記質問に対して前記サーバに回答する質問回答部114と、前記質問に対する回答に応じて前記サーバから取得した広告を前記出力装置に出力させる広告出力制御部115と、を備えている。
【0148】
上記の構成によれば、質問に応じた広告を出力するので、ユーザのニーズにより沿った広告を提供することができる。したがって、広告効果をより高めることができる。
【0149】
本発明の態様2に係る加熱調理器は、上記態様1において、前記出力装置が、音声により広告を出力する音声出力装置を含み、前記広告出力制御部115が、前記音声出力装置の出力が設定されているときに、前記出力装置に広告を出力させ、前記音声出力装置の出力の停止が設定されているときに、前記出力装置に広告を出力させなくてもよい。
【0150】
上記の構成によれば、音声出力装置の出力の停止が設定されているときに、出力装置が広告を出力しない。これにより、出力装置のうち、広告の報知効果が最も高いと思われる音声出力装置のみが広告を出力しないことを回避することができる。
【0151】
本発明の態様3に係る加熱調理器は、上記態様2において、ユーザが行う操作によって前記サーバに前記質問の提供を要求する質問要求部をさらに備えていてもよい。
【0152】
上記の構成によれば、ユーザの所望に応じてサーバから質問を取得することができる。
【0153】
本発明の態様4に係る加熱調理器は、上記態様3において、前記広告出力制御部115が、前記音声出力装置の出力の停止が設定されているときに、ユーザが前記操作を行うと、前記音声出力装置の出力を設定するようにユーザに促してもよい。
【0154】
音声出力装置の出力の停止が設定されている状態では、この状態がユーザの意図しないものであっても、広告が出力されない。そこで、上記の構成によれば、音声出力装置の出力を設定するようにユーザに促すことで、ユーザは、広告の出力を希望すれば、音声出力装置の出力を設定するので、広告の出力が可能になる。
【0155】
本発明の態様5に係る加熱調理器は、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記サーバが広告の提供を可能であることを報知する広告提供報知部(ランプ346a)をさらに備えていてもよい。
【0156】
上記の構成によれば、サーバが広告を提供できることを加熱調理器で確認することができる。これにより、サーバが広告を提供できるときにのみ、加熱調理器からサーバに広告の提供を要求することができる。
【0157】
本発明の態様6に係るサーバは、通信ネットワークを介して上記態様1から5のいずれかの加熱調理器と通信可能に接続されるサーバであって、前記加熱調理器1に提供する前記質問および前記加熱調理器1に提供する前記広告を記憶する記憶装置201と、前記記憶装置201に記憶された前記質問を前記加熱調理器1に提供する質問提供部203bと、前記質問に対して前記加熱調理器1から返送された前記回答に応じた前記広告を特定して前記加熱調理器1に提供する広告提供部203cと、を備えている。
【0158】
本発明の各態様に係る加熱調理器は、コンピュータによって実現してもよい。この場合には、コンピュータを上記加熱調理器が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させる。これにより、上記加熱調理器をコンピュータにて実現させる調理予約プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0159】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0160】
1 加熱調理器
10 スピーカ(出力装置,音声出力装置)
17 通信部
102 インターネット(通信ネットワーク)
112 質問要求部
113 質問出力制御部
114 質問回答部
115 広告出力制御部
200 クラウドサーバ(サーバ)
341 表示パネル(出力装置)
346 問合せボタン
346a ランプ(広告提供報知部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10