(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240213BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20240213BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/20
(21)【出願番号】P 2022120994
(22)【出願日】2022-07-28
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】516171702
【氏名又は名称】株式会社コードタクト
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 茜
(72)【発明者】
【氏名】村山 尚
(72)【発明者】
【氏名】岡原 昌之
(72)【発明者】
【氏名】青木 魁志
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 優志
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-029665(JP,A)
【文献】特開2013-003635(JP,A)
【文献】国際公開第2016/158267(WO,A1)
【文献】特開2010-176558(JP,A)
【文献】特開2016-95745(JP,A)
【文献】特開2010-211287(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0133981(KR,A)
【文献】飯田 恭弘 外4名,企業におけるAI研究の最前線 大規模グラフ構造データからのコミュニティ抽出と重要度計算 -高速化への取組みと応用- ,人工知能 ,日本,(一社)人工知能学会 JSAI,2014年09月01日, 第29巻,第5号,p.472-479
【文献】中谷 友香梨 外1名,複数アバターを用いたコミュニケーション状態表示のための空間配置パラメータ設計 Design of Parameters for Spatial Layout of Multiple Avatars Showing Communication Status,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,2015年01月23日,Vol.114 ,No.440,p.85-90
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザのアクションスコアを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたアクションスコアに基づいて、第1のアクション結果を作成する第1の作成部と、
を備え、
前記アクションスコアは、
前記複数のユーザのうち2人のユーザ間の双方向のアクションを示すアクションデータに基づいてカウントされる
、前記2人のユーザのそれぞれの相互アクション回数のうち
、少ない方に基づき生成され
、
前記相互アクション回数は、前記2人のユーザ間で双方向に1回以上アクションの出力が行われている状況を条件として、前記2人のユーザが互いにアクションを出力した回数である、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の作成部は、第1のアクション結果として第1のアクションマップを生成し、
前記第1の作成部は、前記アクションスコアに基づき前記複数のユーザを示すノード間の距離を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の作成部により作成された第1のアクション結果に基づいて、前記複数のユーザのコミュニティを判定する判定部と、
前記第1のアクション結果に対して前記判定部により判定されたコミュニティを示す第2のアクション結果を作成する第2の作成部と、
前記第2のアクション結果を出力する出力部と、
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2の作成部は、第2のアクション結果として第2のアクションマップを生成し、
前記第2の作成部は、各コミュニティに属するノードを色分けした第2のアクションマップを作成する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2の作成部は、各コミュニティに属するノードを枠で囲んだ第2のアクションマップを作成する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記第2のアクション結果と前記第2のアクション結果より前に作成された別の第2のアクション結果とのコミュニティの変化を判定し、
前記第2の作成部は、前記第2のアクション結果に前記判定部により判定されたコミュニティの変化を識別可能な態様で示す、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記アクションは、複数のアクションを含み、
前記アクションスコアは、前記複数のアクションの各々について、ユーザ間の双方向のアクションを示すアクションデータに基づいてカウントされる相互アクション回数のうち少ない方に基づき生成され、
前記第1の作成部は、前記複数のアクションの各々について生成された前記アクションスコアの組み合わせに基づいて、第1のアクション結果を作成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
第1の電子機器を介して第1のユーザにより入力された第2のユーザのシートにおける前記第2のユーザに対するアクションに基づく第1のアクションデータを取得し、
第2の電子機器を介して前記第2のユーザにより入力された前記第1のユーザのシートにおける前記第1のユーザに対するアクションに基づく第2のアクションデータを取得し、
前記第1のアクションデータ及び前記第2のアクションデータに基づいて前記第1のユーザと前記第2のユーザとの間のアクションスコアを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記第1のユーザ及び前記第2のユーザを含む複数のユーザのアクションスコアに基づいて、第1のアクション結果を作成する第1の作成部と、
を備え
、
前記アクションスコアは、前記複数のユーザのうち2人のユーザ間の双方向のアクションを示すアクションデータに基づいてカウントされる、前記2人のユーザのそれぞれの相互アクション回数のうち、少ない方に基づき生成され、
前記相互アクション回数は、前記2人のユーザ間で双方向に1回以上アクションの出力が行われている状況を条件として、前記2人のユーザが互いにアクションを出力した回数である、
情報処理装置。
【請求項9】
前記第2のユーザのシートは、前記第2のユーザに対するコメント欄を含み、
前記第2のユーザに対するアクションは、前記第1のユーザから前記第2のユーザに対するコメント欄におけるアクションを含み、
前記第1のユーザのシートは、前記第1のユーザに対するコメント欄を含み、
前記第1のユーザに対するアクションは、前記第2のユーザから前記第1のユーザに対するコメント欄におけるアクションを含む、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記アクションスコアは、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの間の双方向のアクションを示すアクションデータに基づいてカウントされる相互アクション回数のうち少ない方に基づき生成される、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
複数のユーザのアクションスコアを取得することと、
取得されたアクションスコアに基づいて、第1のアクション結果を作成することと、
を備え、
前記アクションスコアは、
前記複数のユーザのうち2人のユーザ間の双方向のアクションを示すアクションデータに基づいてカウントされる
、前記2人のユーザのそれぞれの相互アクション回数のうち
、少ない方に基づき生成され
、
前記相互アクション回数は、前記2人のユーザ間で双方向に1回以上アクションの出力が行われている状況を条件として、前記2人のユーザが互いにアクションを出力した回数である、
情報処理方法。
【請求項12】
第1の電子機器を介して第1のユーザにより入力された第2のユーザのシートにおける前記第2のユーザに対するアクションに基づく第1のアクションデータを取得することと、
第2の電子機器を介して前記第2のユーザにより入力された前記第1のユーザのシートにおける前記第1のユーザに対するアクションに基づく第2のアクションデータを取得することと、
前記第1のアクションデータ及び前記第2のアクションデータに基づいて前記第1のユーザと前記第2のユーザとの間のアクションスコアを取得することと、
取得された前記第1のユーザ及び前記第2のユーザを含む複数のユーザのアクションスコアに基づいて、第1のアクション結果を作成することと、
を備え
、
前記アクションスコアは、前記複数のユーザのうち2人のユーザ間の双方向のアクションを示すアクションデータに基づいてカウントされる、前記2人のユーザのそれぞれの相互アクション回数のうち、少ない方に基づき生成され、
前記相互アクション回数は、前記2人のユーザ間で双方向に1回以上アクションの出力が行われている状況を条件として、前記2人のユーザが互いにアクションを出力した回数である、
情報処理方法。
【請求項13】
請求項1乃至10の何れかの情報処理装置が備える各部による処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、例えば、学級経営を支援するグルーピング分析に関する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
教育現場では、電子機器を用いたオンライン教育が普及し始めている。オンライン教育では、従来型の集合教育とは異なり、教師は、生徒の状況を直接見て把握することができないが、各生徒から教師への発言等を含むアクション、又は生徒間のアクションをデータで収集することができる。
【0003】
一方、オンライン教育であっても集合教育であっても、教師は、複数の生徒間の相互のアクションがどのぐらい行われているのかを把握することは難しい。また、教師は、複数の生徒の相互アクションから生徒間の人間関係を感覚的に把握していることが多い。
【0004】
このような状況により、収集されたデータを複数の生徒の相互アクション傾向の分析に活用することが望まれている。
【0005】
ユーザ同士の人間関係を推定する技術には、コミュニケーション頻度に基づき人間関係を判定する技術がある(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、コミュニケーション頻度から人間関係の種別や関係の程度を判別することができるが、複数のユーザの相互アクションの成立に基づきコミュニティ(グループ)を判定するものではない。そのため、この技術では、複数のユーザの相互アクションによるユーザ間の人間関係を可視化することは難しい。教師が相互アクションをし合う生徒同士のコミュニティを把握することができるようになれば、教師は、把握したコミュニティを成長させ、より良い学級経営を築くことができると期待される。
【0008】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、一側面では、複数のユーザの結びつきをビジュアル化することを実現する技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためにこの発明の情報処理装置の一態様は、複数のユーザのアクションスコアを取得する取得部と、取得部により取得されたアクションスコアに基づいて、第1のアクション結果を作成する第1の作成部と、を備え、アクションスコアは、ユーザ間の双方向のアクションを示すアクションデータに基づいてカウントされる相互アクション回数のうち少ない方に基づき生成されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明の一態様によれば、複数のユーザの結びつきをビジュアル化することを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係るサーバのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る生徒用端末に表示されるシート一覧画像の表示例を概略的に示す図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る生徒用端末に表示されるシート画像の表示例を概略的に示す図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係るサーバにより実行されるアクションデータの収集処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、一実施形態に係るサーバにより実行されるアクションスコアの生成処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、一実施形態に係るサーバにより実行される発言マップの作成処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、一実施形態に係るサーバにより作成される第1の発言マップの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に係るサーバにより作成される第2のマップの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
(構成例)
図1は、一実施形態に係る情報処理システム100の全体構成を示す図である。
情報処理システム100は、学校のオンライン教育等を可能にするシステムである。オンライン教育は、リアルタイムの配信で行われるものでもよし、オンデマンドの配信により行われるものでもよい。オンライン教育は、教師と、教師の受け持つクラスに在籍する複数の生徒によるICT(Information and Communication Technology)を用いた教室内での集合授業において利用されてもよい。これに代えて、オンライン教育は、異なる場所に滞在する教師、及び複数の生徒によって利用されてもよい。ここでは、複数の生徒の人数をn(nは2以上)人とする。以下では、「複数の生徒」という表記は、n人の生徒を意図している。生徒は、ユーザの一例である。
【0013】
情報処理システム100は、サーバ1、教師用端末2、及び複数の生徒用端末3-1~3-nを備える。サーバ1、教師用端末2、及び複数の生徒用端末3-1~3-nは、ネットワークNWを介して互いに通信自在に接続する。ネットワークNWは、インターネット、及びLAN(Local Area Network)等のうちの1以上のネットワークで構成される。典型的には、LANは、無線LANであるが、有線LANであってもよい。情報処理システム100は、サーバ1、教師用端末2、及び複数の生徒用端末3-1~3-nのうちの少なくとも2つの要素を含むシステムを指すこともある。
【0014】
サーバ1は、オンライン教育に関する種々のデータを記憶し、オンライン教育に関する種々の処理を行う電子機器である。電子機器は、コンピュータの一例である。サーバ1は、情報を処理する情報処理装置の一例である。サーバ1の構成例については後述する。
【0015】
教師用端末2は、教師が使用する端末である。教師用端末2は、入力機能、表示機能及び通信機能を備える電子機器である。例えば、教師用端末2は、タブレット端末、スマートフォン、又はPC(Personal Computer)等であるが、これらに限定されない。教師用端末2は、端末の一例である。教師用端末2の構成例については後述する。
【0016】
生徒用端末3-1~3-nのそれぞれは、複数の生徒4-1~4-nのそれぞれが使用する端末である。例えば、生徒用端末3-1~3-nのそれぞれは、入力機能、表示機能及び通信機能を備える電子機器である。例えば、生徒用端末3-1~3-nのそれぞれは、タブレット端末、スマートフォン、又はPC等であるが、これらに限定されない。生徒用端末3-1~3-nのそれぞれは、端末の一例である。生徒用端末3-1~3-nの構成例については後述する。生徒用端末3-1は、第1の電子機器の一例である。生徒4-1は、第1のユーザの一例である。生徒用端末3-2~3-nは、第2の電子機器の一例である。生徒4-2~4-nは、第2のユーザの一例である。
【0017】
サーバ1の構成例について説明する。
サーバ1は、制御部11、プログラム記憶部12、データ記憶部13、及び通信部14を備える。サーバ1を構成する各要素は、バス15を介して、互いに接続されている。
【0018】
制御部11は、サーバ1の中枢部分に相当する。制御部11は、中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のプロセッサを備える。制御部11は、不揮発性のメモリ領域としてROM(Read Only Memory)を備える。制御部11は、揮発性のメモリ領域としてRAM(Random Access Memory)を備える。プロセッサは、ROM、又はプログラム記憶部12に記憶されているプログラムをRAMに展開する。プロセッサがRAMに展開されるプログラムを実行することで、制御部11は、後述する各部を実現する。
【0019】
プログラム記憶部12は、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリで構成される。プログラム記憶部12は、各種制御処理を実行するために必要なプログラムを記憶する。例えば、プログラム記憶部12は、制御部11に実現される後述する各部による処理をサーバ1に実行させる情報処理プログラムを記憶する。プログラム記憶部12は、ストレージの一例である。
【0020】
データ記憶部13は、記憶媒体としてHDD又はSSD等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリで構成される。データ記憶部13は、ストレージ、又は記憶部の一例である。
【0021】
データ記憶部13は、アクションデータDB(データベース)131を記憶する。アクションデータDB131は、複数の生徒4-1~4-nのアクションデータを記憶する。複数の生徒4-1~4-nのアクションデータは、生徒用端末3-1~3-nで入力される。アクションデータは、質問、回答、コメント、意見、メッセージ、及び会話等の種々の発言に関するテキストデータ、ポジティブなリアクションを示す「いいね」ボタン等を介した入力に関するリアクションデータ、ある生徒のシートを閲覧する行動に関する閲覧データ等を含む。シートを閲覧する行動は、シートを選択することを含む。アクションは、テキスト入力、ボタン入力、閲覧行動等を含む。アクションは、教師又は生徒により選択されたシートに対するアクションを含む。シートは、教師及び生徒毎に割り当てられた個別の画面である。教師及び生徒の各々は、割り当てられたシートを編集可能である。シートは、教師又は生徒によるテキスト入力等のアクションの実行が可能な画面である。シートは、教師及び生徒の各々を一意に識別するユーザ識別情報と関連付けられている。シートは、教師及び生徒の各々を一意に識別するアドレス等の宛先情報と関連付けられている。
【0022】
アクションデータは、授業、又はホームルーム等の学校で行われる各種イベント中の発言、リアクション、又は閲覧に関するものでもよいし、イベント後の当該イベントに関する発言、リアクション、又は閲覧に関するものでもよい。アクションデータは、授業中に教師に宛てた当該授業に関するものでもよい。アクションデータは、授業後に教師に宛てた当該授業に関するものでもよい。アクションデータは、授業中にある生徒から別の生徒に宛てたものでもよい。アクションデータは、ホームルーム中にある生徒から別の生徒に宛てたものでもよい。「ある生徒から別の生徒に宛てる」とは、ある生徒が別の生徒のシートを選択することを含む。
【0023】
各アクションデータは、各アクションを一意に識別するアクション識別情報により識別可能である。各アクションデータを入力した生徒を一意に識別するユーザ識別情報と関連付けられている。例えば、ユーザ識別情報は、生徒ID、又は生徒名等であるが、これらに限定されない。各アクションデータは、各アクションデータに関連付けられたイベントを一意に識別するイベント識別情報と関連付けられている。各アクションデータは、各アクションデータに関連付けられたイベントの日付を識別する日付情報、アクションの開始時刻を示す開始時刻情報、アクションの終了時刻を示す終了時刻情報と関連付けられている。また、各アクションデータは、アクションの宛先を示す宛先情報と関連付けられている。アクションの宛先は、選択されたシートの一例である。アクションデータDB131は、アクションデータが追加される毎に更新される。
【0024】
データ記憶部13は、アクションスコアDB(データベース)132を記憶する。アクションスコアDB132は、複数の生徒4-1~4-nについてのアクションスコアを記憶する。アクションスコアは、例えば、複数の生徒4-1~4-nの相互間のアクションに基づき生成される値である。相互間のアクションは、複数の生徒4-1~4-nの中の2人の生徒間で双方向に1回以上アクションの出力が行われている状況を条件とした双方向のアクションである。つまり、2人の生徒間で一方向にアクションの出力が1回以上行われている状況であっても、逆方向にアクションの出力がない場合、当該一方向のアクションは、相互間のアクションに含まれない。以下では、相互間のアクションは、相互アクションともいう。例えば、アクションスコアは、複数の生徒4-1~4-nの相互間のアクション回数(相互アクション回数)に基づき生成される値である。相互アクション回数は、複数の生徒4-1~4-nの中から2人の生徒を選ぶ全ての組合せ(生徒ペア)について、各組合せに含まれる2人の生徒間で双方向に1回以上アクションの出力が行われている状況を条件として、互いにアクションを出力した回数である。アクションスコアは、例えば、各イベントの終了時に当該イベントにおいて取得されたアクションデータから生成されてもよく、一定期間(一週間、一か月等)に取得されたアクションデータから生成されてもよい。アクションスコアは、例えば、ホームルーム中のイベント等の同種のイベント毎に生成されてもよい。また、アクションスコアは、予め設定されたタイミングで生成されてもよく、教師用端末2から出力される生成指示に応答して作成されてもよい。なお、アクションスコアは、アクション回数に代えて、又はアクション回数に加えて各アクションのアクション時間に基づき生成されてもよい。ここで、「出力」は送信の意味を含む。
【0025】
各アクションスコアは、各アクションスコアを一意に識別するアクションスコア識別情報により識別可能である。各アクションスコアは、各生徒ペアを一意に識別するペア識別情報と関連付けられている。各アクションスコアは、各アクションスコアが作成された日時を識別する日時情報と関連付けられている。各アクションスコアは、各アクションスコアに関連付けられたイベントを一意に識別するイベント識別情報と関連付けられてもよい。アクションスコアDB132は、アクションスコアが追加される毎に更新される。
【0026】
通信部14は、ネットワークNWにより定義される通信プロトコルを使用して、サーバ1を他の電子機器と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。
【0027】
なお、サーバ1のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。サーバ1は、適宜、上述の構成要素の省略、及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0028】
教師用端末2の構成例について説明する。
教師用端末2は、制御部21、プログラム記憶部22、データ記憶部23、入力部24、表示部25、音声出力部26、及び通信部27を備える。教師用端末2を構成する各要素は、バス28を介して、互いに接続されている。
【0029】
制御部21は、教師用端末2の中枢部分に相当する。制御部21は、CPU等のプロセッサを備える。制御部21は、不揮発性のメモリ領域としてROMを備える。制御部21は、揮発性のメモリ領域としてRAMを備える。プロセッサは、ROM、又はプログラム記憶部22に記憶されているプログラムをRAMに展開する。プロセッサがRAMに展開されるプログラムを実行することで、制御部21は、各種動作を実現する。
【0030】
プログラム記憶部22は、記憶媒体としてフラッシュメモリ、HDD、又はSSD等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリで構成される。プログラム記憶部22は、各種制御処理を実行するために必要なプログラムを記憶する。例えば、プログラム記憶部22は、オンライン教育用のアプリケーションプログラムを記憶する。プログラム記憶部22は、ストレージの一例である。
【0031】
データ記憶部23は、記憶媒体としてフラッシュメモリ、HDD、又はSSD等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリで構成される。データ記憶部23は、ストレージの一例である。
【0032】
入力部24は、教師用端末2へデータ、又は指示を入力可能なデバイスである。例えば、入力部24は、タッチ操作による入力を可能にするキーボード、又はタッチパネル等を含む。入力部24は、音声入力を可能にするマイクを含む。入力部24は、映像の取り込み可能にするカメラを含む。例えば、教師は、オンライン教育用のアプリケーションプログラムの起動中に、入力部24を用いてオンライン教育を行うことができる。
【0033】
表示部25は、画像データに基づく画像を表示可能なデバイスである。例えば、表示部25は、液晶ディスプレイ、又はEL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。例えば、表示部25は、オンライン教育用のアプリケーションプログラムの起動に基づく教師用の画像を表示する。
【0034】
音声出力部26は、音声データに基づく音声を出力可能なデバイスである。例えば、音声出力部26は、スピーカである。例えば、音声出力部26は、オンライン教育で生徒4-1~4-nが発した音声を出力する。
【0035】
通信部27は、ネットワークNWにより定義される通信プロトコルを使用して、教師用端末2を他の電子機器と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。
【0036】
なお、教師用端末2のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。教師用端末2は、適宜、上述の構成要素の省略、及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。例えば、入力部24、表示部25、及び音声出力部26の少なくとも何れか一つは、教師用端末2から独立したデバイスであってもよい。この場合、入力部24、表示部25、及び音声出力部26の少なくとも何れか一つは、教師用端末2が備える図示しない入出力インタフェースと有線、又は無線で接続され得る。
【0037】
生徒用端末3-1の構成例について説明する。生徒用端末3-1は、生徒4-1により操作されるものとする。
生徒用端末3-1は、制御部31、プログラム記憶部32、データ記憶部33、入力部34、表示部35、音声出力部36、及び通信部37を備える。生徒用端末3-1を構成する各要素は、バス38を介して、互いに接続されている。
【0038】
制御部31、プログラム記憶部32、データ記憶部33、入力部34、表示部35、音声出力部36、及び通信部37は、上述の制御部21、プログラム記憶部22、データ記憶部23、入力部24、表示部25、音声出力部26、及び通信部27と同様に構成されている。例えば、プログラム記憶部32は、オンライン教育用のアプリケーションプログラムを記憶する。
【0039】
例えば、音声出力部36は、オンライン教育で教師、又は生徒4-2~4-nが発した音声を出力する。例えば、表示部35は、オンライン教育用のアプリケーションプログラムの起動に基づく生徒用の画像を表示する。例えば、生徒4-1は、オンライン教育用のアプリケーションプログラムの起動中に、入力部34を用いて教師に宛てたアクションデータを入力することができる。同様に、生徒4-1は、生徒4-2~4-nのうちの何れかの生徒に宛てたアクションデータを入力することができる。アクションデータは、入力部34のタッチ操作により入力されたテキストデータ、又は入力部34に入力された音声に基づいて音声認識により変換されたテキストデータを含む。アクションデータは、入力部34のタッチ操作により入力されたリアクションデータを含む。アクションデータは、入力部34のタッチ操作により入力された閲覧データを含む。
【0040】
なお、生徒用端末3-1のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。生徒用端末3-1は、適宜、上述の構成要素の省略、及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。例えば、入力部34、表示部35、及び音声出力部36の少なくとも何れか一つは、生徒用端末3-1から独立したデバイスであってもよい。この場合、入力部34、表示部35、及び音声出力部36の少なくとも何れか一つは、生徒用端末3-1が備える図示しない入出力インタフェースと有線、又は無線で接続され得る。
【0041】
生徒用端末3-2~3-nの構成は、生徒用端末3-1の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0042】
図2は、サーバ1のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
制御部11は、取得部111、記憶制御部112、生成部113、第1の作成部114、判定部115、第2の作成部116、及び出力部117を備える。各部は、情報処理プログラムの実行により実現される。各部は、プロセッサが備えるということもできる。各部は、各機能ということもできる。下記で説明する各部は、制御部11又はプロセッサと読み替え可能である。
【0043】
取得部111は、複数の生徒4-1~4-nのそれぞれのアクションデータを生徒用端末3-1~3-nのそれぞれから取得する。取得部111は、アクションデータDB131に記憶された複数の生徒4-1~4-nのそれぞれのアクションデータを取得する。取得部111は、アクションスコアDB132に記憶された各生徒ペアのアクションスコアを取得する。取得部111は、複数のアクションの各々について、複数の生徒4-1~4-nのそれぞれのアクションデータを生徒用端末3-1~3-nのそれぞれから取得する。取得部111は、複数のアクションの各々について、アクションデータDB131に記憶された複数の生徒4-1~4-nのそれぞれのアクションデータを取得する。取得部111は、複数のアクションの各々について、アクションスコアDB132に記憶された各生徒ペアのアクションスコアを取得する。
【0044】
記憶制御部112は、取得部111により取得された複数の生徒4-1~4-nのそれぞれのアクションデータをアクションデータDB131に保存する。記憶制御部112は、生成部113により生成されたアクションスコアをアクションスコアDB132に保存する。
【0045】
生成部113は、取得部111により取得された複数の生徒4-1~4-nのアクションデータに基づきアクションスコアを生成する。生成部113は、複数のアクションの各々について取得されたアクションデータの組み合わせに基づいて、アクションスコアを取得してもよい。
【0046】
第1の作成部114は、生成部113により生成されたアクションスコアに基づき第1のアクション結果を作成する。第1のアクション結果は、第1のアクションマップを含む。第1のアクションマップは、複数の生徒をノードとし、アクションスコアに基づきプロットしたマップである。第1のアクションマップは、相互アクションがあるノード間をリンクで接続したマップである。ノード間のリンクは、ノード間のアクションスコアが高いほど短くなる。第1のアクションマップは、画像データの一例である。第1のアクション結果は、生成部113により生成されたアクションスコアに基づくランキングを含む。ランキングは、アクションスコアに基づいて生成された複数の生徒の人気度を示すランキングを含む。人気度は、例えば、より多くの生徒と相互アクションがあることを示す。人気度は、例えば、ある生徒と他の生徒とのペア間におけるアクションスコアの合計スコア、又は平均スコア等に基づいて算出され得る。
【0047】
判定部115は、第1の作成部114により作成された第1のアクションマップに基づき、ノードをグループ化し、ノードが所属するコミュニティを判定する。コミュニティは、アクションスコアに基づきグループ化されたノードのまとまりである。
【0048】
第2の作成部116は、第2のアクションマップを作成する。第2のアクションマップは、判定部115により判定されたコミュニティを第1のアクションマップ上に可視化したマップである。第2のアクションマップは、画像データの一例である。
【0049】
出力部117は、第2の作成部116により作成された第2のアクションマップを出力する。出力部117は、コミュニティの変化に基づきアラートを出力する。
【0050】
(シートの表示例)
図3は、生徒用端末3-1~3-nに表示されるシート一覧画像の表示例を概略的に示す図である。
以下の説明では、生徒「aaa」により使用される生徒用端末3-1の表示部35に表示されるシート一覧画像の表示例について説明する。
【0051】
シート一覧画像は、イベントタイトルを示すタイトルエリアA1、及び教師及び生徒の各々に割り当てられたシートの一覧を示すシート一覧エリアA2を含む。タイトルエリアA1は、イベント、又はイベント中の課題等を示す。例えば、朝の会等のホームルームにおいて各生徒が作成したシートを使用してコミュニケーションを取るイベントである場合、タイトルエリアA1は、イベントタイトル「10/27 朝ノート」等を示す。シート一覧エリアA2は、各シートの作成者を識別可能な態様で表示する画像、又はテキスト等を含む。シート一覧エリアA2は、例えば、教師及び生徒の各々に割り当てられたシートを示す画像等を含む。シートを示す画像は、シートを簡略化した画像であってもよい。
図3の例では、教師用シートA3、及び生徒用シートA4-1~A4~5を含む。シート一覧エリアA2に含まれるシートの数は、任意の数であってよい。シート一覧エリアA2は、すべてのシートを含んでもよいし、一部のシートを含んでもよい。生徒用端末3-1のユーザの操作等によりシート一覧エリアA2に表示されるシートが変更されてもよい。ユーザの操作は、スクロール操作、又はページ送り操作等を含む。シート一覧エリアA2は、生徒用シートのみを含んでもよい。
【0052】
教師用シートA3は、教師用端末2のユーザにより作成されたシートを示す。
生徒用シートA4-1~A4~5は、生徒用端末3-1~3-nのユーザにより作成されたシートを示す。
図3の例では、生徒用シートA4-1~A4~5は、生徒「aaa」、生徒「bbb」、生徒「ccc」、生徒「ddd」、及び生徒「eee」により作成されたシートを示す。生徒用シートA4-1~A4~5のそれぞれは、イベントタイトル、シートの内容、シートの作成者等の情報を含む。
【0053】
生徒用シートA4-1について説明する。生徒用シートA4-1は、ユーザ識別オブジェクトOb1、コメントオブジェクトOb2、及びリアクションオブジェクトOb3を含む。ユーザ識別オブジェクトOb1は、生徒用シートA4-1の作成者を識別可能なユーザ識別情報を示す。この例では、ユーザ識別オブジェクトOb1は、生徒「aaa」を示すアイコン、生徒名等を示す。コメントオブジェクトOb2は、生徒用シートA4-1に対して他の生徒からコメントが入力されたことを示すオブジェクトである。コメントオブジェクトOb2は、他の生徒から入力されたコメントの数を示してもよい。リアクションオブジェクトOb3は、生徒用シートA4-1に対して他の生徒からリアクションが入力されたことを示すオブジェクトである。コメントオブジェクトOb2は、他の生徒から入力されたリアクションの数を示してもよい。リアクションは、例えば、「いいね」ボタンの入力等を含む。生徒用シートA4-2~A4~5は、生徒用シートA4-1と同様である。
【0054】
例えば、ホームルームにおいて、各生徒が自由に他の生徒により作成されたシートを閲覧する場合について説明する。各生徒は、シート一覧画像において、各自が興味を持ったシートを選んで閲覧することができる。ある生徒が別の生徒のシート(宛先シート)を閲覧する場合、ある生徒が宛先シートを選択するユーザ操作に応答して、宛先シートが表示部35に表示される。各生徒は、宛先シートを選択することにより宛先シートを閲覧することができる。例えば、生徒「aaa」が生徒「bbb」のシートを選択し閲覧する場合、生徒「aaa」は、生徒「bbb」のシートをタッチ入力等で選択する。生徒「aaa」のタッチ入力等のユーザ操作に応答して、生徒「aaa」の生徒用端末3-1の表示部35に生徒「bbb」のシートが表示される。
【0055】
図4は、生徒用端末3-1~3-nに表示されるシート画像の表示例を概略的に示す図である。
以下の説明では、生徒「aaa」により使用される生徒用端末3-1の表示部35に表示されるシート画像の表示例について説明する。
図4は、イベントタイトル「10/27 朝ノート」について生徒「aaa」により作成されたシートを示す。
【0056】
シート画像は、イベントタイトルを示すタイトルエリアA5、シートエリアA6、コメント欄A7、及びコメント入力エリアA8を含む。タイトルエリアA5は、イベントタイトルを示す。タイトルエリアA5は、オブジェクトOb4を含む。オブジェクトOb4は、コメントボタン、及びリアクションボタンを含む。コメントボタンは、コメント欄A7を表示させるためのボタンである。コメントボタンは、生徒「aaa」に対して入力されたコメントの数を示す画像を含んでもよい。リアクションボタンは、生徒「aaa」に対する「いいね」等のリアクションを入力するためのボタンである。生徒「aaa」により作成されたシートを閲覧している生徒は、リアクションボタンに対してタッチ入力等のユーザ操作を行うことにより、生徒「aaa」に対するリアクションを入力する。リアクションボタンは、生徒「aaa」に対して入力されたリアクションの数を示す画像を含んでもよい。
【0057】
シートエリアA6は、生徒「aaa」により作成されたシートの内容を示す。シートエリアA6は、ユーザ識別オブジェクトOb5、及びタグオブジェクトOb10を含む。ユーザ識別オブジェクトOb5は、
図3に示したユーザ識別オブジェクトOb1と同様のオブジェクトであってもよい。タグオブジェクトOb10は、他のシートを識別可能に示すタグを含む。タグは、例えば、他のシートの作成者を識別可能なユーザ識別情報を含んでもよい。例えば、生徒は、タグを選択して、選択したタグに関連付けられたユーザのシート(宛先シート)を閲覧することができる。ある生徒が別の生徒のシート(宛先シート)を閲覧する場合、ある生徒がタグを選択するユーザ操作に応答して、宛先シートが表示部35に表示される。各生徒は、タグを選択することにより宛先シートを閲覧することができる。例えば、生徒「aaa」が生徒「bbb」のシートを選択し閲覧する場合、生徒「aaa」は、生徒「bbb」のタグをタッチ入力等で選択する。生徒「aaa」のタッチ入力等のユーザ操作に応答して、生徒「aaa」の生徒用端末3-1の表示部35に生徒「bbb」のシートが表示される。
【0058】
コメント欄A7は、生徒「aaa」に対するコメント等を示す。コメント欄A7は、ユーザ識別オブジェクトOb6、時刻オブジェクトOb7、テキストオブジェクトOb8、及びボタンオブジェクトOb9を含む。ユーザ識別オブジェクトOb5は、コメント欄A7において入力操作を行ったユーザを識別するユーザ識別情報を含む。入力操作は、コメントのテキスト入力、「いいね」ボタン等のリアクション入力等を含む。ユーザ識別オブジェクトOb5は、
図3に示したユーザ識別オブジェクトOb1と同様のオブジェクトであってもよい。時刻オブジェクトOb7は、コメント欄A7において入力操作がされた時刻を示す。テキストオブジェクトOb8は、コメント入力エリアA8において入力されたテキストデータを示す。ボタンオブジェクトOb9は、「いいね」ボタン等のリアクションボタン、リアクションボタンが入力された人数の表示、「返信」ボタン、及び「削除」ボタン等を含む。「いいね」ボタンは、コメントに対するリアクションを入力するためのボタンである。「返信」ボタンは、コメントに対する返信を入力するためのボタンである。「削除」ボタンは、コメントを削除するためのボタンである。ボタンオブジェクトOb9に含まれるボタン等の表示は、上述のものに限られない。取得部111は、コメント欄A7において入力されたリアクション等を示すリアクションデータを取得してもよい。コメント欄において入力されるリアクションは、「いいね」ボタンの入力、「返信」ボタンの入力、「削除」ボタンの入力等を含む。
【0059】
図4の例では、ユーザ識別オブジェクトOb6は、生徒「aaa」により作成されたシートにおけるコメント欄A7において、生徒「aaa」に対するコメントが生徒「bbb」により入力されたことを示す。時刻オブジェクトOb7、及びテキストオブジェクトOb8は、生徒「bbb」が「10月27日9時10分」にテキストデータ「いいね。」を入力したことを示す。ボタンオブジェクトOb9は、生徒「bbb」のコメント「いいね。」に対し、リアクション入力が2件入力されたことを示す。
【0060】
コメント入力エリアA8は、生徒「aaa」に対するコメントを入力するエリアである。コメント入力エリアA8において入力されたコメントは、コメント欄A7に表示される。コメント入力エリアA8におけるコメント入力は、コメント欄におけるアクションの一例である。
【0061】
(動作例)
次に、以上のように構成されたサーバ1の動作例を説明する。
【0062】
図5は、サーバ1により実行されるアクションデータの収集処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0063】
取得部111は、複数の生徒4-1~4-nのうちの何れかの生徒のアクションデータを生徒用端末3-1~3-nのうちの何れかの生徒用端末から取得する(ステップS1)。ステップS1では、例えば、取得部111は、ネットワークNWを介して、何れかの生徒用端末で入力されたアクションデータを取得する。取得部111は、アクションデータと共にアクション識別情報、ユーザ識別情報、イベント識別情報、日付情報、開始時刻情報、終了時刻情報、及び宛先情報を取得し得る。
【0064】
生徒用端末3-1を使用する生徒4-1と生徒用端末3-2を使用する生徒4-2との間のアクションデータの取得について説明する。取得部111は、生徒用端末3-1を介して生徒4-1により入力された生徒4-2のシートにおける生徒4-2に対するアクションに基づく第1のアクションデータを取得する。生徒4-2のシートは、生徒4-2に対するコメント欄を含む。生徒4-2に対するアクションは、生徒4-1から生徒4-2に対するコメント欄におけるアクションを含む。コメント欄におけるアクションは、例えば、コメントを入力するテキスト入力を含む。取得部111は、生徒用端末3-2を介して生徒4-2により入力された生徒4-1のシートにおける生徒4-1に対するアクションに基づく第2のアクションデータを取得する。生徒4-1のシートは、生徒4-1に対するコメント欄を含む。生徒4-1に対するアクションは、生徒4-2から生徒4-1に対するコメント欄におけるアクションを含む。
【0065】
記憶制御部112は、取得部111により取得されたアクションデータをアクションデータDB131に保存する(ステップS2)。ステップS2では、例えば、記憶制御部112は、アクションデータをアクション識別情報、ユーザ識別情報、イベント識別情報、日付情報、開始時刻情報、終了時刻情報、及び宛先情報と関連付けてアクションデータDB131に保存する。記憶制御部112は、例えば、第1のアクションデータ及び第2のアクションデータをアクションデータDB131に保存する。記憶制御部112は、取得部111によりアクションデータを取得される毎に、取得されたアクションデータのアクションデータDB131への保存を繰り返す。
【0066】
図6は、サーバ1により実行されるアクションスコアの生成処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0067】
取得部111は、アクションデータDB131からアクションデータを取得する(ステップS11)。ステップS11では、例えば、取得部111は、複数の生徒4-1~4-nのそれぞれの一定期間分のアクションデータをアクションデータDB131から取得する。例えば、取得部111は、任意のイベントのイベント識別情報、及び日付情報を参照し、当該イベント識別情報に関連付けられた複数の生徒4-1~4-nのそれぞれの一定期間分のアクションデータを取得してもよい。この例では、取得部111は、複数の生徒4-1~4-nのホームルームを識別するイベント識別情報に関連付けられた1か月分のアクションデータをアクションデータDB131から取得する。ここでは、1か月を一定期間の例として説明するが、一定期間は適宜設定可能である。また、ホームルームをイベントとして選択した例について説明するが、特定のイベントは選択しなくてもよい。
【0068】
生徒用端末3-1を使用する生徒4-1と生徒用端末3-2を使用する生徒4-2との間のアクションデータの取得について説明する。取得部111は、アクションデータDB131から第1のアクションデータ及び第2のアクションデータをアクションデータDB131から取得する。例えば、取得部111は、生徒4-1及び生徒4-2のホームルームを識別するイベント識別情報に関連付けられた1か月分の第1のアクションデータ及び第2のアクションデータをアクションデータDB131から取得する。
【0069】
生成部113は、取得部111により取得されたアクションデータに基づき、アクションスコアを生成する(ステップS12)。ステップS12では、例えば、生成部113は、取得部111により取得されたアクションデータに基づき複数の生徒ペアのそれぞれについてのアクションスコアを生成する。生成部113は、複数のアクションの各々について、取得部111により取得されたアクションデータに基づき複数の生徒ペアのそれぞれについてのアクションスコアを生成する。生成部113は、複数のアクションの各々について生成されたアクションスコアの組み合わせに基づいてアクションスコアを生成してもよい。例えば、生成部113は、テキストデータに基づくアクションスコアとリアクションデータに基づくアクションスコアを足し合わせてアクションスコアを生成してもよい。アクションスコアの値は「0」又は「0」以外の数値である。生徒ペアにおいて相互アクションがない場合は、アクションスコアの値は「0」であり、相互アクションがある場合は、アクションスコアの値は「0」以外の数値である。
【0070】
例えば、生成部113は、各生徒ペアに属する2人の生徒の相互アクション回数に基づきアクションスコアを生成する。この例では、生成部113は、ユーザ識別情報及び宛先情報を参照し、各生徒ペアに属する2人の生徒間で送られたアクションデータを特定する。生成部113は、特定したアクションデータに基づいて、各生徒ペアに属する2人の生徒のそれぞれの相互アクション回数をカウントする。次に、生成部113は、2人の生徒のそれぞれの相互アクション回数のうち少ない方をカウントする。生成部113は、2人の生徒のそれぞれの相互アクション回数のうち少ない方に基づきアクションスコアを生成する。例えば、生徒4-1が生徒4-2に宛てた相互アクション回数が「3」であり、生徒4-2が生徒4-1に宛てた相互アクション回数が「2」であれば、生徒4-1と生徒4-2を含む生徒ペアのアクションスコアの値は「2」とする。アクションデータが、テキストデータである場合について説明する。生成部113は、ユーザ識別情報及び宛先情報を参照し、各生徒ペアに属する2人の生徒間で送られたテキストデータを特定する。生成部113は、特定したテキストデータに基づいて、各生徒ペアに属する2人の生徒のそれぞれの相互コメント回数をカウントする。次に、生成部113は、2人の生徒のそれぞれの相互コメント回数のうち少ない方をカウントする。生成部113は、2人の生徒のそれぞれの相互コメント回数のうち少ない方に基づきアクションスコアを生成する。アクションデータが、リアクションデータである場合について説明する。生成部113は、ユーザ識別情報及び宛先情報を参照し、各生徒ペアに属する2人の生徒間で送られたリアクションデータを特定する。生成部113は、特定したリアクションデータに基づいて、各生徒ペアに属する2人の生徒のそれぞれの相互リアクション回数をカウントする。次に、生成部113は、2人の生徒のそれぞれの相互リアクション回数のうち少ない方をカウントする。生成部113は、2人の生徒のそれぞれの相互リアクション回数のうち少ない方に基づきアクションスコアを生成する。アクションデータが、閲覧データ出ある場合も同様に、2人の生徒のそれぞれの相互閲覧回数のうち少ない方に基づきアクションスコアを生成する。以下の説明において「相互アクション回数」は、相互コメント回数、相互リアクション回数、相互閲覧回数のうち少なくとも1つ、又はこれらの組み合わせを示す。
【0071】
生徒用端末3-1を使用する生徒4-1と生徒用端末3-2を使用する生徒4-2との間のアクションスコアの生成について説明する。生成部113は、取得部111により取得された第1のアクションデータ及び第2のアクションデータに基づいて生徒4-1と生徒4-2との間のアクションスコアを生成する。生成部113は、生徒4-1と生徒4-2との間の相互アクション回数に基づきアクションスコアを生成する。
【0072】
各生徒ペアに属する2人の生徒の相互アクション回数に基づきアクションスコアを生成する例として、2人の生徒のそれぞれの相互アクション回数のうち少ない方に基づきアクションスコアを生成することを説明したが、これに限定されない。生成部113は、各生徒ペアに属する2人の生徒のそれぞれの相互アクション回数の合計に基づきアクションスコアを生成してもよい。なお、生成部113は、各生徒ペアに属する2人の生徒間の相互アクション回数の差の違いに応じて重み付けを行い、アクションスコアを算出してもよい。一例では、生徒4-1が生徒4-2に宛てた相互アクション回数が「12」であり、生徒4-2が生徒4-1に宛てた相互アクション回数が「10」であるとする。この場合、生成部113は、生徒4-1と生徒4-2を含む生徒ペアのアクションスコアの値を「10」とする。別の例では、生徒4-1が生徒4-2に宛てた相互アクション回数が「100」であり、生徒4-2が生徒4-1に宛てた相互アクション回数が「10」であるとする。この場合も、生成部113は、生徒4-1と生徒4-2を含む生徒ペアのアクションスコアの値を「10」とする。ここで、前者の例では、生徒4-1と生徒4-2のそれぞれの相互アクション回数の差は少ないが、後者の例では、生徒4-1と生徒4-2のそれぞれの相互アクション回数の差が大きい。そのため、生成部113は、後者の例において、前者の例と異なる重み付けを行い、アクションスコアを算出してもよい。この例では、生成部113は、相互アクション回数の差に基づきアクションスコアを生成することができ、2人の生徒間の結びつきをより詳細に反映したアクションスコアを生成することができる。
【0073】
アクションスコアは、2人の生徒間の結びつきに対応する。アクションスコアが高いほど生徒間の結びつきが高いことを示す。結びつきは、生徒間のアクション頻度、又はコミュニケーション頻度に対応する。2人の生徒のアクションデータ間の結びつきは、ノード間の結びつきに対応する。
【0074】
この例によれば、生成部113は、相互アクション回数に基づきアクションスコアを生成することで、双方向からのアクションの成立を前提とした生徒間の結びつきを反映したアクションスコアを生成することができる。生成部113は、2人の生徒のそれぞれの相互アクション回数のうち少ない方に基づきアクションスコアを生成することで、一方向ではなく双方向の関係を考慮し、より生徒間の結びつきを反映したアクションスコアを生成することができる。
【0075】
なお、生成部113は、相互アクション回数に基づき生成されたアクションスコアに各アクションのアクション時間を用いて重み付けを行ってもよい。また、生成部113は、相互アクション回数に代えて各生徒ペアのアクション時間に基づきアクションスコアを生成してもよい。この場合は、生成部113は、アクションデータに関連付けられた開始時刻情報及び終了時刻情報に基づきアクション時間を取得し、取得したアクション時間に基づきアクションスコアを生成してもよい。
【0076】
記憶制御部112は、生成部113により生成されたアクションスコアをアクションスコアDB132に保存する(ステップS13)。ステップS13では、例えば、記憶制御部112は、アクションスコアをアクションスコア識別情報、ペア識別情報、日時情報、及びイベント識別情報と関連付けてアクションスコアDB132に保存する。アクションスコアがイベントを選択せず作成された場合、アクションスコアはイベント識別情報と関連付けられていない。記憶制御部112は、生成部113によりアクションスコアが生成される毎に、生成されたアクションスコアのアクションスコアDB132への保存を繰り返す。
【0077】
図7は、サーバ1により実行されるアクション結果の作成処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0078】
取得部111は、複数の生徒4-1~4-nのアクションスコアを取得する(ステップS21)。ステップS21では、例えば、取得部111は、アクションスコアDB132からアクションスコアを取得する。この例では、取得部111は、複数の生徒4-1~4-nのホームルームを識別するイベント識別情報に関連付けられた1か月分のアクションデータに基づき生成されたアクションスコアを取得する。
【0079】
生徒用端末3-1を使用する生徒4-1と生徒用端末3-2を使用する生徒4-2との間のアクションスコアの取得について説明する。取得部111は、生徒4-1と生徒4-2との間のアクションスコアをアクションスコアDB132から取得する。取得部111は、生徒4-1と生徒4-2のホームルームを識別するイベント識別情報に関連付けられた1か月分の第1のアクションデータ及び第2のアクションデータに基づき生成されたアクションスコアを取得する。
【0080】
取得部111は、教師により教師用端末2で入力された作成指示の取得に基づいて、複数の生徒4-1~4-nのアクションスコアをアクションスコアDB132から取得してもよい。作成指示は、第2のアクション結果を作成することの指示である。取得部111は、作成指示によらず、予め設定されたタイミング、又は任意のタイミングで複数の生徒4-1~4-nのアクションスコアをアクションスコアDB132から取得してもよい。
【0081】
第1の作成部114は、取得部111により取得された複数の生徒のアクションスコアに基づいて、第1のアクション結果を作成する(ステップS22)。一例では、第1の作成部114は、第1のアクション結果として第1のアクションマップを作成する。この例では、第1の作成部114は、アクションスコア、及びアクションスコアに関連付けられたペア識別情報に基づき、複数の生徒4-1~4-nのそれぞれを示すノードをプロットする。各ノードの表示態様は、各生徒を識別可能な態様である。例えば、各ノードの表示態様は、生徒ID、又は生徒名等のユーザ識別情報と関連付けられた態様である。
【0082】
第1の作成部114は、アクションスコアに基づきノードを接続するリンクを生成し、生成したリンクをプロットする。まず、第1の作成部114は、アクションスコアに基づき各ノードにつながるリンクの数を決定する。具体的には、生徒4-1と生徒4-2との生徒ペアのアクションスコア、生徒4-1と生徒4-3との生徒ペアのアクションスコアが0以外の数値であり、生徒4-1と他の生徒ペア間のアクションスコアが0である場合、生徒4-1を示すノードは2本のリンクを有する。他方、生徒4-4を含むすべての生徒ペアのアクションスコアが0の場合、生徒4-4を示すノードはリンクを持たない。
【0083】
次に、第1の作成部114は、アクションスコアに基づきノードを接続するリンクの長さ決定する。リンクの長さは、ノード間の距離に相当する。例えば、第1の作成部114は、アクションスコアが高いほどノード間の距離が小さくなるような条件の関数を利用して、リンクの長さを決定する。一例では、第1の作成部114は、アクションスコアの値の逆数をとった値に基づきリンクの長さを決定する。
【0084】
例えば、第1の作成部114は、より多くの数のリンクを有するノードを第1のアクションマップの中央に近くなるように配置する。すなわち、第1の作成部114は、より多くの生徒との間で相互アクションをした生徒を示すノードを第1のアクションマップの中央に配置する。第1の作成部114は、力指向アルゴリズムに基づきノード及びリンクを決定してもよい。第1の作成部114は、ばねモデルを用いてノード及びリンクを決定してもよい。第1のアクションマップは、ネットワークグラフ、又はグラフに相当する。
【0085】
この例によれば、第1の作成部114は、アクションスコアに基づく第1のアクションマップの作成により、複数の生徒の相互間のアクションのやり取りをビジュアル化することができる。そのため、例えば、教師は、生徒間の関係性、又はイベントの参加度を容易に把握できる。
【0086】
別の例では、第1の作成部114は、第1のアクション結果としてランキングを作成する。この例では、第1の作成部114は、アクションスコア、及びアクションスコアに関連付けられたペア識別情報に基づき、ランキングを作成する。ランキングは、例えば、人気度ランキングを含む。例えば、第1の作成部114は、複数の生徒4-1~4-nの中でより多くの生徒との間で相互アクションをした生徒から降順で各生徒にランキングを付ける。ランキングは、人気度と各生徒を識別可能な態様で表示してもよい。
【0087】
この例によれば、第1の作成部114は、アクションスコアに基づくランキングの作成により、複数の生徒の相互間のアクションのやり取りに基づく生徒の人気度をビジュアル化することができる。そのため、例えば、教師は、生徒間の関係性を容易に把握できる。
【0088】
第1の作成部114は、複数のアクションの各々について生成されたアクションスコアの少なくとも1つに基づいて第1のアクション結果を作成してもよいし、複数のアクションの各々について生成されたアクションスコアの組み合わせに基づいて、第1のアクション結果を作成してもよい。
【0089】
判定部115は、第1の作成部により作成された第1のアクション結果に基づいて、複数の生徒4-1~4-nのコミュニティを判定する(ステップS23)。ステップS23では、例えば、判定部115は、第1のアクションマップにおける複数のノードを、ノード間のアクションスコアに基づきグルーピングする。ノード間のアクションスコアは、生徒ペアのアクションスコアに相当する。例えば、判定部115は、グルーピングした複数のノードのコミュニティを判定する。コミュニティは、例えば、ノード間の結びつきに基づくノードの集合である。例えば、判定部115は、ノード間の結びつきが高いノードを同一コミュニティに属すると判定する。
【0090】
例えば、生徒4-1と生徒4-2の生徒ペアAと生徒4-2と生徒4-3の生徒ペアBで相互アクションがあり、生徒ペアAと生徒ペアBのアクションスコアが0以外の数値を示している場合について説明する。生徒4-1と生徒4-3はそれぞれ別のコミュニティに属しているとする。例えば、判定部115は、生徒4-2を隣接する生徒4-1又は生徒4-3のどちらのコミュニティに属させるかの探索を行う。例えば、判定部115は、アクションスコアに基づき、生徒ペアAのアクションスコアが生徒ペアBのアクションスコアより高い場合、生徒4-2を生徒4-1と同一のコミュニティに属させると判定する。判定部115は、同一コミュニティ内のリンクが密となるような探索を行う。判定部115は、所定の閾値を用いて探索を行ってもよい。また、判定部115は、アクションスコアにアクション時間等のパラメータによる重み付けを用いて探索を行ってもよい。
【0091】
判定部115は、このような探索をすべてのノードについて繰り返し、コミュニティを判定する。例えば、判定部115は、モジュラリティを用いたコミュニティ抽出手法によりグルーピングを実現してもよい。コミュニティ抽出手法は、例えばLouvain法を含む。なお、判定部115は、各ノードが単一のコミュニティに属するようにコミュニティを判定してもよいし、複数のコミュニティに属するようにコミュニティを判定してもよい。
【0092】
第2の作成部116は、第1のアクションマップに対して判定部115により判定されたコミュニティを示す第2のアクション結果を作成する(ステップS24)。ステップS24では、例えば、第2の作成部116は、第1のアクションマップ上に複数のノードが所属するコミュニティを識別可能な態様で表示する第2のアクションマップを作成する。一例では、第2の作成部116は、各コミュニティに属するノードを色分けした第2のアクションマップを作成する。別の例では、第2の作成部116は、各コミュニティに属するノードを枠で囲んだ第2のアクションマップを作成する。第2の作成部116は、各コミュニティに属するノードを色分けし、コミュニティ毎に異なる形状の枠で囲んだ第2のアクションマップを作成してもよい。各コミュニティは、視覚的に識別可能であればよく、任意の表示態様で表示され得る。
【0093】
この例によれば、第2の作成部116は、複数の生徒を示すノードがグルーピングされた第2のアクションマップを作成することで、生徒間の結びつきをコミュニティとしてビジュアル化することができる。また、結びつきが高い生徒が同一のコミュニティに属するため、教師は、生徒間の関係性を容易に把握できる。
【0094】
出力部117は、第2の作成部116により作成された第2のアクション結果を出力する(ステップS25)。ステップS25では、例えば、出力部117は、ネットワークNWを介して、第2のアクションマップを教師用端末2に出力する。教師用端末2は、第2のアクションマップに基づく画像を表示部25に表示させる。出力部117は、教師用端末2から出力される作成指示に応答して第2のアクションマップを教師用端末2に出力してもよい。出力部117は、予め設定されたタイミング、又は任意のタイミングで第2のアクションマップを教師用端末2に出力してもよい。出力部117は、第2のアクションマップを生徒用端末3-1~3-nに出力してもよい。
【0095】
さらに、出力部117は、ステップS24において第2の作成部116により作成された第2のアクションマップと当該第2のアクションマップよりも前(例えば、1か月前)に作成された別の第2のアクションマップとのコミュニティの変化を出力する。この例では、例えば、判定部115は、ステップS24において作成された第2のアクションマップと1か月前に作成された第2のアクションマップを比較する。例えば、判定部115は、ステップS24において作成された第2のアクションマップと1か月前に同様の条件で作成された第2のアクションマップを比較する。比較対象となる第2のアクションマップは、共にホームルームに関連付けられた1か月分のアクションデータに基づき生成されたアクションスコアに基づき作成されたものとする。判定部115は、比較に基づき第2のアクションマップと1か月前に作成された第2のアクションマップとのコミュニティの変化を判定する。
【0096】
第2の作成部116は、ステップS24において作成された第2のアクションマップに判定部115により判定されたコミュニティの変化を識別可能な態様で示す。例えば、第2の作成部116は、所属するコミュニティが変化したノードの色、形を変化して識別可能としてもよい。コミュニティの変化は、視覚的に識別可能であればよく、任意の表示態様で表示され得る。
【0097】
出力部117は、コミュニティの変化を動画又は音声を用いて出力してもよい。また、出力部117は、コミュニティの所定の変化に対してアラートを出力してもよい。例えば、出力部117は、あるノードが以前のコミュニティから外れ、当該ノードのみが属するコミュニティが出現した場合、アラートを出力してもよい。アラートは、所定の変化が視覚的に識別可能であればよく、文字、マーク、又は色で示されてもよい。また、出力部117は、アラートを動画又は音声を用いて出力してもよい。なお、比較対象とする第2のアクションマップは、異なるイベント識別情報と関連付けられたアクションスコアに基づき作成されたものでもよい。比較対象とする第2のアクションマップは、任意に設定可能である。
【0098】
なお、出力部117は、ユーザの選択に基づき第2のアクションマップに各生徒の属性情報を重畳して表示してもよい。この場合、データ記憶部13は各生徒の属性情報を保存する。属性情報は、アクション履歴、出席状況等を含んでもよい。
【0099】
出力部117は、第1の作成部114により作成された第1のアクション結果を出力してもよい。
【0100】
この例によれば、第2の作成部116は、コミュニティの変化を識別可能な態様で示すことにより、コミュニティの変化をビジュアル化することができる。これにより、教師は、生徒間の関係性の変化を容易に把握できる。また、出力部117は、アラートを出力することにより、ユーザが設定した変化を目立たせることができる。これにより、教師は、設定した変化を容易に認識できる。
【0101】
(アクションマップの作成例)
図8は、サーバ1により作成される第1のアクションマップの一例を示す図である。
図8に例示する第1のアクションマップは、11人の生徒4-1~生徒4-11が在籍するクラスについて、ホームルームに関連付けられたある月の1か月分のアクションスコアを用いて作成されたものである。第1のアクションマップの作成の対象となるイベントは、ホームルームに限定されないが、ここでは、朝の会等のホームルームにおいて、昨日の出来事について生徒間でコメント交換することが想定される。そのため、第1のアクションマップの作成の際にホームルームを対象とすることで、ホームルームにおける生徒間のコメント交換の頻度に基づく結びつきをビジュアル化することができる。
【0102】
第1の作成部114は、11人の生徒4-1~生徒4-11のそれぞれを示すノード5-1~ノード5-11を二次元平面上にプロットする。ノード5-1~ノード5-11のそれぞれは、ノード下部の文字列により識別可能な態様で構成される。なお、文字列(アルファベット)は、実際には、生徒ID、又は生徒名等のユーザ識別情報である。第1の作成部114は、16本のリンク6-1~リンク6-16を二次元平面上にプロットする。各リンクは、2つのノードを結ぶ線分で構成される。各ノードにつながるリンクの数と各リンクの長さはアクションスコアに基づきを決められる。
図8の例では、ノード5-1は6本のリンクを有し、6人の生徒と相互アクションがあったことを示す。また、ノード5-1は、他のノードに比べリンクの数が多いため、
図8の中央付近に配置されている。
【0103】
このようにすることで、中央付近に配置されているノードが示す生徒は他の生徒との結びつきが高いことが表示できる。上述のように、リンクの長さは、アクションスコアに応じて決定される。
図8の例では、ノード5-1とノード5-2を結ぶリンク6-1は他のリンクと比べ短い。これは、ノード5-1とノード5-2間のアクションスコアが他のノード間のアクションスコアより高いことを示す。すなわち、生徒「aaa」と生徒「bbb」間の結びつきが高いことを示す。一方、ノード5-2とノード5-8を結ぶリンク6-10は他のリンクと比べ長い。これは、ノード5-2とノード5-8間のアクションスコアが他のノード間のアクションスコアより低いことを示す。すなわち、生徒「bbb」と生徒「hhh」間の結びつきが低いことを示す。
【0104】
また、ノード5-11はリンクを有さず、第2のアクションマップの中央から外れた位置に配置されている。これは、ノード5-11と他のノードとの間のアクションスコアが「0」であることを示す。すなわち、生徒「kkk」は、他の生徒との相互アクションがなく、結びつきがないことを示す。このように、複数の生徒間のアクションスコアに基づく結びつきの程度(高低)を二次元平面上に一覧表示することができる。
【0105】
この図によれば、第1の作成部114は、複数の生徒の相互アクション回数をビジュアル化することができる。そのため、教師は、生徒間の相互アクション回数に基づく関係性、又はイベントの参加度を容易に把握できる。
【0106】
図9は、サーバ1により作成される第2のアクションマップの一例を示す図である。
図9に例示する第2のアクションマップは、
図8に例示する第1のアクションマップに基づき作成されたものである。そのため、ホームルームにおける生徒間のコメント交換の頻度に基づくコミュニティをビジュアル化することができる。
【0107】
第2の作成部116は、
図8に示す第1のアクションマップに対して、ノード5-1~ノード5-11のそれぞれが属するコミュニティを表示する。
図9の例では、ノード5-1~ノード5-5が楕円形の枠で囲まれている。これは、ノード5-1~ノード5-5が同一のコミュニティに属することを示す。同様に、ノード5-6とノード5-7が同一コミュニティに属し、ノード5-8~ノード5-10が同一コミュニティに属すことが示される。
【0108】
このように、複数のノードがコミュニティに分割され、結びつきが高いノードが同一コミュニティに属することが示される。すなわち、アクションスコアに基づく結びつきが高い生徒は同一のコミュニティに属し、アクションスコアに基づく結びつきが低い生徒は異なるコミュニティに属することが示される。このように、生徒間の結びつきの程度(高低)に基づくコミュニティを二次元平面上に一覧表示することができる。
【0109】
また、
図9の例では、ノード5-11は、単独のコミュニティを形成している。これは、生徒「kkk」が他の生徒のコミュニティに属さず、孤立していることを示す。このような場合、出力部117は、第2のアクションマップを出力する際、アラートを出力してもよい。また、コミュニティの変化を
図9に重畳して表示することもできる。
【0110】
この図によれば、第2の作成部116は、複数の生徒間の結びつきをコミュニティとしてビジュアル化することができる。そのため、教師は、結びつきが高い生徒を容易に把握することができる。また、教師は、コミュニティが変化した場合は、変化を容易に把握することができる。
【0111】
さらに、ホームルームにおける生徒間のコミュニティの変化をビジュアル化することができるため、同一のイベントでのコミュニティの変化を確認することができる。また、第1のアクションマップの作成の対象となるイベントを変えることで、別のイベントでのコミュニティとの違いを確認することもできる。
【0112】
教師は、複数の生徒の相互アクションから生徒間の人間関係を感覚的に把握していることが多い。そのため、学級経営は教師の経験値に依存する。サーバ1は、学校現場において、これまで実現できていなかったコミュニティの判定、ならびに、コミュニティの成長をもって、複数の生徒の相互アクションから生徒間の人間関係を感覚的に把握している感覚知を、形式知にし、経験値に左右されない示唆を教師に与え教師の学級経営を支援できる。
【0113】
本実施形態は、教師と複数の生徒との間の学校のオンライン教育を想定した例を用いて説明したが、これに限定されない。本実施形態は、オンラインで配信可能な講座、又はセミナー等の各種イベントにも適用可能である。この例では、本実施形態において、教師を講師、又は主催者と読み替え、生徒を講師、又は主催者の主催するクラスに在籍する受講者、又は参加者と読み替えてもよい。また、本実施形態は、オンラインの会議にも適用可能である。この例では、本実施形態において、教師を会議の主催者と読み替え、生徒を主催者の主催する会議に在籍するメンバー、又は参加者と読み替えてもよい。
【0114】
さらに、本実施形態は、会社等の団体に所属するメンバー間のコミュニケーションにも適用可能である。この例では、本実施形態において、教師を管理者、又は指導者と読み替え、生徒を管理者、又は指導者が管理又は指導するメンバーと読み替えてもよい。
【0115】
なお、サーバ1の制御部11が備える各部は、教師用端末2が備えてもよい。この例では、教師用端末2の制御部21は、取得部111、記憶制御部112、生成部113、第1の作成部114、判定部115、第2の作成部116、及び出力部117を備え得る。出力部117は、表示部25に第2のアクションマップを出力し、第2のアクションマップに基づく画像を表示部25に表示させる。プログラム記憶部22は、サーバ1のプログラム記憶部12が記憶するものとして説明した情報処理プログラムを記憶する。この例では、教師用端末2は、情報処理装置の一例となる。
【0116】
情報処理装置は、上記の例で説明したように1つの装置で実現されてもよいし、機能を分散させた複数の装置で実現されてもよい。
【0117】
プログラムは、電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記録媒体に記録された状態で譲渡されてもよい。記録媒体は、非一時的な有形の媒体である。記録媒体は、コンピュータ可読媒体である。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0118】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0119】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1…サーバ
2…教師用端末
3-1~3-n…生徒用端末
4-1~4-n…生徒
5-1~5-9…ノード
6-1~6-16…リンク
11…制御部
12…プログラム記憶部
13…データ記憶部
14…通信部
15…バス
21…制御部
22…プログラム記憶部
23…データ記憶部
24…入力部
25…表示部
26…音声出力部
27…通信部
28…バス
31…制御部
32…プログラム記憶部
33…データ記憶部
34…入力部
35…表示部
36…音声出力部
37…通信部
38…バス
100…情報処理システム
111…取得部
112…記憶制御部
113…生成部
114…第1の作成部
115…判定部
116…第2の作成部
117…出力部
131…アクションデータDB
132…アクションスコアDB
A1…タイトルエリア
A2…シート一覧エリア
A3…教師用シート
A4-1~A4-2…生徒用シート
A5…タイトルエリア
A6…シートエリア
A7…コメント欄
A8…コメント入力エリア
NW…ネットワーク
Ob1…ユーザ識別オブジェクト
Ob2…コメントオブジェクト
Ob3…リアクションオブジェクト
Ob4…オブジェクト
Ob5…ユーザ識別オブジェクト
Ob6…ユーザ識別オブジェクト
Ob7…時刻オブジェクト
Ob8…テキストオブジェクト
Ob9…ボタンオブジェクト
Ob10…タグオブジェクト