(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】内視鏡のチャネルの充填およびパージを非同期的に同時に行う器械および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/12 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
A61B1/12 510
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022150112
(22)【出願日】2022-09-21
(62)【分割の表示】P 2021537846の分割
【原出願日】2019-08-21
【審査請求日】2022-09-21
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520395938
【氏名又は名称】エイエスピー・グローバル・マニュファクチャリング・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・サンウク
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-526321(JP,A)
【文献】特開2009-118883(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102016225884(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のポンプ、第2のポンプ、第1の弁ユニット、および第2の弁ユニットを有する再処理システムにより、医療装置の第1および第2の内部チャネルを再処理するための方法であって、
(a)前記第1のポンプを起動して、第1の流体を、
(i)前記第1の弁ユニットの第1の入口であって、前記第1の弁ユニットの出口が前記第1の内部チャネルと流体連通している、前記第1の弁ユニットの第1の入口、および、
(ii)前記第2の弁ユニットの第1の入口であって、前記第2の弁ユニットの出口が前記第2の内部チャネルと流体連通している、前記第2の弁ユニットの第1の入口、
に導くことと、
(b)前記第2のポンプを起動して、第2の流体を、
(i)前記第1の弁ユニットの第2の入口、および、
(ii)前記第2の弁ユニットの第2の入口、
に導くことと、
(c)前記第1の弁ユニットを前記第2の弁ユニットとは独立して制御して、
(i)前記第1の弁ユニットが前記第1の流体を前記第1の内部チャネルに第1の持続時間にわたり送達し、続いて前記第2の流体を前記第1の
内部チャネルに第2の持続時間にわたり送達するようにし、かつ、
(ii)前記第2の弁ユニットが、前記第1の流体を前記第2の内部チャネルに第3の持続時間にわたり送達し、続いて前記第2の流体を前記第2の
内部チャネルに第4の持続時間にわたり送達するようにする、ことと、を含
み、
前記第1の流体は液体であり、前記第2の流体は空気であり、前記第2の流体によって前記第1の流体をパージする、方法。
【請求項2】
前記第1の内部チャネルは第1の内径を有し、前記第2の内部チャネルは、前記第1の内径とは異なる第2の内径を有し、前記第1の持続時間は、前記第3の持続時間とは異なり、前記第1および第2の弁ユニットを独立して制御することは、前記第3の持続時間が前記第1の持続時間の一部と重なるように前記第1および第2の弁ユニットを制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔背景〕
以下の議論は、医療処置に使用される内視鏡および他の器具の再処理(すなわち、汚染除去)に関する。特に、以下の議論は、内視鏡などの医療装置を、その医療装置が第1の医療処置で使用された後に、再処理するのに使用され得る器械および方法に関し、それによって、医療装置は、後続の医療処置で安全に使用され得る。以下の議論では、主に内視鏡について説明するが、その議論は、ある特定の他の医療装置にも同様に適用可能であることを理解されたい。
【0002】
内視鏡は、内視鏡の長さの少なくとも一部に沿って延びる1つ以上の作業チャネルまたは内腔を有し得る。そのようなチャネルは、他の医療装置等を患者内の解剖学的領域内に通過させるための経路を提供するように構成され得る。これらのチャネルは、ある特定の原始的なクリーニングおよび/または消毒技術を用いてクリーニングおよび/または消毒することが困難な場合がある。よって、内視鏡は、内視鏡内のチャネルを含む内視鏡をクリーニングするように特に構成された再処理システムに入れられ得る。このような内視鏡再処理システムは、内視鏡を洗浄および消毒することができる。このような内視鏡再処理システムは、内視鏡を受容するように構成された槽を含み得、この槽内で内視鏡の外部にわたってクリーニング流体を流すポンプを有する。このシステムはまた、内視鏡の作業チャネルと連結するポートと、内視鏡の作業チャネルを通してクリーニング流体を流す、関連するポンプと、を含むことができる。このような専用の内視鏡再処理システムによって実行されるプロセスは、洗剤で洗浄するサイクル、続いてすすぎサイクル、続いて滅菌または消毒サイクル、続いて別のすすぎサイクルを含むことができる。滅菌または消毒サイクルは、消毒剤溶液および水すすぎ液を使用してもよい。最終すすぎサイクルは、圧縮空気で内視鏡チャネルをパージすることで終了する。オプションとして、このプロセスは、アルコールすすぎサイクルをさらに含むことができ、このサイクルでは、内視鏡チャネルは、アルコールを充填され、次いで圧縮空気でパージされてチャネルの乾燥を容易にし、それによってプロセスの汚染除去効果を高める。
【0003】
使用済み内視鏡を再処理するために使用され得るシステムおよび方法の例は、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2006年1月17日に発行された「Automated Endoscope Reprocessor Connection with Integrity Testing」と題された米国特許第6,986,736号;開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2009年1月20日に発行された「Automated Endoscope Reprocessor Solution Testing」と題された米国特許第7,479,257号;開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2010年3月30日に発行された「Method of Detecting Proper Connection of an Endoscope Reprocessor」と題された米国特許第7,686,761号;開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2012年8月21日に発行された「Automated Endoscope Reprocessor Germicide Concentration Monitoring System and Method」と題された米国特許第8,246,909号に記載されている。市販の内視鏡再処理システムの一例は、カリフォルニア州アーバインのAdvanced Sterilization ProductsによるEVOTECH(登録商標) Endoscope Cleaner and Reprocessor(ECR)である。
【0004】
再処理システムのいくつかのバージョンは、ある特定の容量の消毒剤溶液のただ1回の使用を提供することができ、使用された容量の消毒剤溶液は、消毒サイクルの完了時、その容量の消毒剤溶液を1回使用した後に、処分される。再処理システムのいくつかの他のバージョンは、同じ容量の消毒剤溶液の複数回の使用を提供し得る。具体的には、消毒サイクルの完了時にある容量の消毒剤溶液を回収し、次に、その後の1回以上の消毒サイクルに再利用することができる。用途によっては、単回使用消毒剤システムと多回使用消毒剤システムの両方に対して同様に、消毒剤の濃度は器具を汚染除去するプロセスの間ずっと監視され得る。例えば、多回使用消毒剤システムでは、多回使用消毒剤の濃度レベルは、複数回の消毒サイクルにわたって監視され得、使用された消毒剤は、少なくとも部分的には、使用された消毒剤の残存濃度に基づいて、所与の消毒サイクルの後に再利用されるかまたは廃棄される。消毒剤溶液の監視および再利用を提供する再処理システムのバージョンの例は、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2012年8月21日に発行された「Automated Endoscope Reprocessor Germicide Concentration Monitoring System and Method」と題された米国特許第8,246,909号;開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2016年5月18日に出願された「Apparatus and Method for Reprocessing a Medical Device」と題された米国特許出願第15/157,800号;開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2016年5月18日に出願された「Apparatus and Method to Measure Concentration of Disinfectant in Medical Device Reprocessing system」と題された米国特許出願第15/157,952号に開示されている。
【0005】
種々のシステムおよび方法が、医療装置を再処理するために製造および使用されてきたが、発明者より前には、誰も、本明細書に記載されるようなテクノロジーを製造または使用していないと考える。
【0006】
本発明は、添付図面に関連して理解される、ある特定の実施例に関する以下の説明からよりよく理解されると考えられ、添付図面では、同様の参照符号が同じ要素を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1の再処理システムの概略図を描き、単一の汚染除去槽のみが明確にするために示されている。
【
図3】
図1の再処理システムを用いて汚染除去され得る内視鏡の近位部分および遠位部分の断面側面図を描く。
【
図4】第2の例示的な再処理システムの概略図を描く。
【
図5】第3の例示的な再処理システムの概略図を描く。
【
図6】
図4~
図5の再処理システムの例示的な変形例の部分概略図を描く。
【
図7】
図6の再処理システムによって利用される例示的な再処理方法を示す流れ図を描き、内視鏡の内部チャネルは、内部チャネルが消毒剤を充填され、複数回パージされる消毒段階を受ける。
【
図8】
図1の再処理システムの例示的な変形例の部分概略図を描く。
【
図9】
図8の再処理システムによって利用される別の例示的な再処理方法を示す流れ図を描き、内視鏡の内部チャネルは、反復的な消毒サイクルを受ける。
【
図10】
図3の内視鏡の近位部分の拡大断面側面図を描き、別の例示的な再処理システムのそれぞれのフラッシュラインと流体接続された内視鏡の内部チャネルを概略的に示し、フラッシュラインは、フラッシュ弁および流量センサを有する。
【
図11】
図3の内視鏡の近位部分の拡大断面側面図を描き、別の例示的な再処理システムのそれぞれのフラッシュラインと流体接続された内視鏡の内部チャネルを概略的に示し、フラッシュラインは、フラッシュ弁および圧力センサを有する。
【
図12】
図3の内視鏡の近位部分の拡大断面側面図を描き、別の例示的な再処理システムのそれぞれのフラッシュラインと流体接続された内視鏡の内部チャネルを概略的に示し、フラッシュラインは、フラッシュ弁、圧力センサ、および流量センサを有する。
【
図13】流量センサによって測定された流体流量に基づいて、
図10の例示的な再処理システムで内視鏡の内部チャネルを充填およびパージする例示的な方法を示す流れ図を描く。
【
図14】圧力センサによって測定された流体圧力に基づいて、
図11の例示的な再処理システムで内視鏡の内部チャネルを充填およびパージする例示的な方法を示す流れ図を描く。
【
図15】内視鏡の複数の内部チャネルを同時に充填およびパージすると共にそれぞれの三方弁を介して独立して各内部チャネルの充填およびパージ時間を制御するように動作可能である、例示的な再処理システムの概略図を描く。
【
図16】内視鏡の複数の内部チャネルを同時に充填およびパージすると共にそれぞれの対の二方弁を介して独立して各内部チャネルの充填およびパージ時間を制御するように動作可能である、別の例示的な再処理システムの概略図を描く。
【0008】
図面は、決して限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描かれていないものを含め、様々な他の方法で実施され得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本発明のいくつかの態様を示し、説明と共に、本発明の原理を明らかにするのに役立つが、本発明は示された正確な配置に限定されないことが理解される。
【0009】
〔詳細な説明〕
テクノロジーのある特定の実施例に関する以下の説明は、その範囲を限定するために使用されるべきではない。テクノロジーの他の実施例、特徴、態様、実施形態、および利点は、実例としてテクノロジーを実施するために企図される最良のモードの1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。認識されるように、本明細書に記載されるテクノロジーは、全てテクノロジーから逸脱することなく、他の異なる明白な態様が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないと考えるべきである。
【0010】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例等のうちの任意の1つ以上は、本明細書に記載されるその他の教示、表現、実施形態、実施例等のうちの任意の1つ以上と組み合わせられ得ることがさらに理解される。したがって、以下に説明する教示、表現、実施形態、実施例等は、互いに分離して見られるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の適切な方法は、本明細書の教示に照らして当業者には容易に明らかであろう。そのような変更および変形は、特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0011】
I.単回使用消毒剤を用いた例示的な医療装置再処理器械
図1~
図2は、内部を通って形成されたチャネルまたは内腔を含む内視鏡および他の医療装置を汚染除去するために使用され得る例示的な再処理システム(2)を示す。この実施例のシステム(2)は、一般に、第1のステーション(10)および第2のステーション(12)を含む。ステーション(10、12)は、2つの異なる医療装置を同時にまたは連続して汚染除去するために、全ての点で少なくとも実質的に類似している。第1の汚染除去槽(14a)および第2の汚染除去槽(14b)は汚染された装置を受容する。各槽(14a、14b)は、それぞれの蓋(16a、16b)によって選択的に密閉される。本実施例では、蓋(16a、16b)は、それぞれの槽(14a、14b)と協働して、汚染除去作業中に槽(14a、14b)への環境微生物の侵入を防止するために微生物遮断関係を提供する。ほんの一例として、蓋(16a、16b)は、通気のためにその中に形成された微生物除去またはHEPA空気フィルタを含むことができる。
【0012】
制御システム(20)は、汚染除去およびユーザインターフェース動作を制御するための、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)などの1つ以上のマイクロコントローラを含む。本明細書では、1つの制御システム(20)が両方の汚染除去ステーション(10、12)を制御するものとして示されているが、当業者は、各ステーション(10、12)が専用の制御システムを含み得ることを認識するであろう。視覚ディスプレイ(22)は、オペレータに汚染除去パラメータおよび機械状態を表示し、少なくとも1つのプリンタ(24)は、汚染除去された装置またはその保管パッケージにファイルされるかまたは添付される記録のために汚染除去パラメータのハードコピー出力を印刷する。プリンタ(24)は単なるオプションであることを理解されたい。いくつかのバージョンでは、視覚ディスプレイ(22)は、タッチスクリーン入力装置と組み合わせられる。加えて、または代替として、キーパッドおよび/または他のユーザ入力特徴部が、汚染除去プロセスパラメータの入力および機械制御のために提供される。圧力計などの他の視覚ゲージ(26)は、汚染除去または医療装置漏れ試験データのデジタルまたはアナログ出力を提供する。
【0013】
図2は、再処理システム(2)のただ1つの汚染除去ステーション(10)を概略的に示すが、当業者であれば、汚染除去ステーション(12)は、汚染除去ステーション(10)と同様に構成され動作可能となり得ることを認識するであろう。また、再処理システム(2)は、ただ1つの汚染除去ステーション(10、12)または3つ以上の汚染除去ステーション(10、12)を備えてもよいことを理解されたい。
【0014】
汚染除去槽(14a)は、汚染除去のため、その中に内視鏡(200)(
図3参照)または他の医療装置を受容する。内視鏡(200)の任意の内部チャネルは、フラッシュライン(30)などのフラッシュ導管と接続される。各フラッシュライン(30)は、対応するポンプ(32)の出口に接続され、この実施例では、各フラッシュライン(30)が専用のポンプ(32)を有するようになっている。本実施例のポンプ(32)は、液体および空気のような流体を、フラッシュライン(30)および内視鏡(200)の任意の内部チャネルを通じてポンピングする蠕動ポンプを含む。あるいは、任意の他の適切な種類のポンプを使用してもよい。本実施例では、ポンプ(32)は、フィルタ付き排水管(filtered drain)および弁(S1)を通じて、槽(14a)から液体を引き出すか、または、弁(S2)を通じて、空気供給システム(36)から、汚染除去された空気を引き出すことができる。本実施例の空気供給システム(36)は、ポンプ(38)と、入ってくる空気流から微生物を濾過する微生物除去空気フィルタ(40)と、を含む。
【0015】
圧力スイッチまたはセンサ(42)は、フラッシュライン内の過剰な圧力を感知するために、各フラッシュライン(30)と流体連通している。感知される任意の過剰な圧力または流れの欠如は、関連するフラッシュライン(30)が接続される内視鏡(200)チャネルにおける部分的または完全な閉塞(例えば、身体組織もしくは乾燥した体液による)を示し得る。各フラッシュライン(30)の、その他のフラッシュライン(30)に対する分離は、どのセンサ(42)が過剰な圧力または流れの欠如を感知するかに応じて、特定の閉塞されたチャネルを容易に識別および分離することを可能にする。
【0016】
槽(14a)は、水源(50)、例えば、温水および冷水の注入口(hot and cold inlets)を含むユーティリティまたは水道の水の接続部(utility or tap water connection)、ならびにブレークタンク(56)に流入する混合弁(52)と流体連通している。0.2μm以下の絶対孔径フィルタなどの微生物除去フィルタ(54)は、入ってくる水を汚染除去し、これは、逆流を防止するためにエアギャップを通ってブレークタンク(56)内に送達される。センサ(59)は、槽(14a)内の液体レベルを監視する。適切な温水源が利用できない場合は、オプションの温水器(53)を設けることができる。フィルタ(54)の状態は、それを通る水の流量を直接監視することによって、またはフロートスイッチ等を用いて槽充填時間を監視することによって間接的に、監視することができる。流量が選択閾値を下回ると、これは、交換が必要である、部分的に詰まっているフィルタ要素を示す。
【0017】
槽の排水管(62)は、内視鏡(200)の細長い部分を挿入することができる拡大螺旋状チューブ(64)を通じて、槽(14a)から液体を排出する。排水管(62)は、再循環ポンプ(70)および排水ポンプ(72)と流体連通している。再循環ポンプ(70)は、液体を槽の排水管(62)からスプレーノズル組立体(60)に再循環させ、スプレーノズル組立体は、液体を槽(14a)内および内視鏡(200)上に噴霧する。粗いスクリーン(71)および細かいスクリーン(73)は、再循環流体中の粒子を濾過する。排水ポンプ(72)は、槽の排水管(62)からユーティリティの排水管(74)に液体をポンピングする。レベルセンサ(76)は、ポンプ(72)からユーティリティの排水管(74)への液体の流れを監視する。ポンプ(70、72)は、槽(14a)が排水されている間に液体が槽(14a)内に噴霧されて、槽(14a)からの残留物の流れと内視鏡(200)からの残留物の流れとを促進するように、同時に動作され得る。当然、単一のポンプおよび弁組立体は、二重ポンプ(70、72)に取って代わることができる。
【0018】
再循環ポンプ(70)の上流の、温度センサ(82)を備えたインラインヒータ(80)が、クリーニングおよび/または消毒のための最適な温度に液体を加熱する。圧力スイッチまたはセンサ(84)は、循環ポンプ(70)の下流の圧力を測定する。いくつかの変形例では、圧力センサ(84)の代わりにフローセンサが使用されて、循環ポンプ(70)の下流の流体の流れを測定する。洗剤溶液(86)は、計量ポンプ(88)を介して循環ポンプ(70)の下流の流れの中へと計量して提供される。フロートスイッチ(90)は、使用可能な洗剤(86)のレベルを示す。消毒剤(92)は、計量ポンプ(94)を介して循環ポンプ(70)の上流の流れの中へと計量して提供される。消毒剤(92)をより正確に計量するために、ポンプ(94)は、流体レベルスイッチ(98)および制御システム(20)の制御下で計量プレチャンバ(96)を充填する。ほんの一例として、消毒剤溶液(92)は、カリフォルニア州アーバインのAdvanced Sterilization ProductsによるCIDEX(登録商標)活性化グルタルアルデヒド溶液のような活性化グルタルアルデヒド溶液を含むことができる。さらにほんの一例として、消毒剤溶液(92)は、オルトフタルアルデヒド(OPA)、例えば、カリフォルニア州アーバインのAdvanced Sterilization ProductsによるCIDEX(登録商標)オルトフタルアルデヒド溶液を含んでもよい。さらにほんの一例として、消毒剤溶液(92)は過酢酸(PAA)を含んでもよい。
【0019】
いくつかの内視鏡(200)は、内視鏡(200)の内部チャネルおよび他の部分を形成する個々の管状部材などを囲む可撓性の外側ハウジングまたはシースを含む。このハウジングは、医療処置中に患者の組織および流体から隔離される、閉じた内部空間を画定する。シースは、シースの下の内部空間の汚染を可能にする切れ目または他の穴なしで、無傷に維持されることが重要であり得る。したがって、本実施例の再処理システム(2)は、そのようなシースの完全性を試験するための手段を含む。特に、空気ポンプ(例えば、ポンプ(38)または別のポンプ(110))は、導管(112)および弁(S5)を通じて、内視鏡(200)のシースによって画定される内部空間を加圧する。本実施例では、HEPAまたは他の微生物除去フィルタ(113)が、加圧空気から微生物を除去する。圧力調整器(114)は、シースの偶発的な過圧を防止する。十分に加圧されると、弁(S5)が閉じられ、圧力センサ(116)は、内視鏡(200)のシースを通って空気が逃げることを示すであろう、導管(112)内の圧力低下を探す。試験手順が完了すると、弁(S6)は、導管(112)および内視鏡(200)のシースをオプションのフィルタ(118)を通じて選択的に通気する。エアバッファ(120)は、空気ポンプ(110)からの圧力の脈動を平滑化する。
【0020】
本実施例では、各ステーション(10、12)は、オペレータに漏れの可能性を警告するために、ドリップ槽(130)および漏れセンサ(132)も収容する。
【0021】
弁(S3)によって制御されるアルコール供給部(134)は、内視鏡(200)のチャネル(210、212、213、214、217、218)から水を除去するのを補助するために、すすぎステップの後にチャネルポンプ(32)にアルコールを供給することができる。
【0022】
ライン(30)内の流量は、チャネルポンプ(32)および圧力センサ(42)を介して監視することができる。圧力センサ(42)のうちの1つが高すぎる圧力を検出すると、関連するポンプ(32)が停止される。ポンプ(32)の流量およびその起動持続時間は、関連するライン(30)における流量の合理的な指標を提供する。これらの流量は、内視鏡(200)のチャネルのいずれかにおける閉塞をチェックするためにプロセスの間に監視される。あるいは、ポンプ(32)のサイクルが停止した時からの圧力の減衰を使用して、流量を推定することもでき、より速い減衰速度は、より高い流量と関連する。
【0023】
個々のチャネルにおける流量のより正確な測定は、より微妙な閉塞を検出するために望ましいであろう。そのために、複数のレベル指示センサ(138)を有する計量チューブ(136)が、チャネルポンプ(32)の入力に流体接続される。いくつかのバージョンでは、基準接続部が計量チューブ(136)の低い点に設けられ、複数のセンサ(138)が基準接続部の上方に垂直に配置される。基準点から流体を通してセンサ(138)まで電流を流すことによって、どのセンサ(138)が浸漬されているかを決定することができ、したがって、計量チューブ(136)内のレベルを決定することができる。加えて、または代替的に、任意の他の適切な構成要素および技術を使用して、流体レベルを感知することができる。弁(S1)を閉じ、通気弁(S7)を開くことにより、チャネルポンプ(32)は、計量チューブ(136)からのみ引き出す。引き出されている流体の量は、センサ(138)に基づいて非常に正確に決定され得る。各チャネルポンプ(32)を分離して動作させることにより、これらを通る流れは、計量チューブ(136)から空にされた流体の容量および時間に基づいて正確に決定され得る。
【0024】
上記の入力および出力装置に加えて、図示された電気装置および電気機械装置はすべて、制御システム(20)に動作可能に接続され、制御システム(20)によって制御される。具体的には、限定されるものではないが、スイッチおよびセンサ(42、59、76、84、90、98、114、116、132、136)は、マイクロコントローラ(28)に入力(I)を提供し、マイクロコントローラは、クリーニングおよび/または消毒サイクルならびにそれに従った他の機械動作を制御する。例えば、マイクロコントローラ(28)は、ポンプ(32、38、70、72、88、94、100、110)、弁(S1、S2、S3、S5、S6、S7)、およびヒータ(80)に動作可能に接続され、効果的なクリーニングおよび/または消毒サイクルならびに他の動作のためにこれらの装置を制御する出力(O)を含む。
【0025】
図3に示すように、内視鏡(200)は、ヘッド部(202)を有する。ヘッド部(202)には、開口部(204、206)が形成されている。内視鏡(200)の通常使用時には、空気/水弁(不図示)および吸引弁(不図示)が開口部(204、206)内に配置される。可撓性シャフト(208)がヘッド部(202)に取り付けられる。組み合わせられた空気/水チャネル(210)および組み合わせられた吸引/生検チャネル(212)が、シャフト(208)内に収容される。別の空気チャネル(213)および水チャネル(214)もヘッド部(202)内に配置され、接合点(216)の場所で空気/水チャネル(210)に合流する。本明細書で使用される「接合点」という用語は、幾何学的点に限定されるのではなく、交差接合点を指し、これらの用語は互換的に使用されてもよいことが理解されよう。さらに、別個の吸引チャネル(217)および生検チャネル(218)が、ヘッド部(202)内に収容され、接合点(220)の場所で吸引/生検チャネル(212)に合流する。
【0026】
ヘッド部(202)では、空気チャネル(213)と水チャネル(214)とが空気/水弁(不図示)のための開口部(204)に開口している。吸引チャネル(217)は、吸引弁(不図示)のための開口部(206)に開口する。さらに、可撓性供給ホース(222)が、ヘッド部(202)に接続され、チャネル(213’、214’、217’)を収容し、これらのチャネルは、それぞれの開口部(204、206)を介して空気チャネル(213)、水チャネル(214)および吸引チャネル(217)に接続される。実際には、供給ホース(222)は、導光体ケーシングとも呼ばれ得る。相互に接続する空気チャネル(213、213’)は、以下ではまとめて空気チャネル(213)と呼ぶ。相互に接続する水チャネル(214、214’)は、以下ではまとめて水チャネル(214)と呼ぶ。相互に接続する吸引チャネル(217、217’)は、以下ではまとめて吸引チャネル(217)と呼ぶ。空気チャネル(213)のための接続部(226)と、水チャネル(214)のための接続部(228、228a)と、吸引チャネル(217)のための接続部(230)とが、可撓性ホース(222)の(導光体コネクタとも呼ばれる)端部セクション(224)上に配置される。接続部(226)が使用中の場合、接続部(228a)は閉じられる。生検チャネル(218)のための接続部部(232)は、ヘッド部(202)上に配置される。
【0027】
開口部(204、206)に挿入されたチャネル分離器(240)が示されている。チャネル分離器(240)は、本体(242)と、それぞれの開口部(204、206)を閉塞するプラグ部材(244、246)と、を含む。プラグ部材(244)上の同軸インサート(248)は、開口部(204)の内側に延び、開口部(204)の一部を閉塞してチャネル(213)をチャネル(214)から分離する環状フランジ(250)で終端する。ライン(30)を開口部(226、228、228a、230、232)に接続することによって、クリーニングおよび消毒のための液体が、内視鏡チャネル(213、214、217、218)を通ってチャネル(210、212)を介して内視鏡(200)の遠位先端部(252)から流れることができる。チャネル分離器(240)は、そのような液体が開口部(204、206)から漏れることなく内視鏡(200)を通って最後まで流れ;各チャネル(213、214)がそれ自体の独立した流路を有するように、チャネル(213、214)を互いに分離することを保証する。チャネルおよび開口部の異なる配置を有する様々な内視鏡は、そのような違いに対応すると共に、ヘッド(202)のポートを閉塞し、各チャネルがその他のチャネルから独立して洗い流され得るようにチャンネルを互いに分離した状態に保つために、チャネル分離器(240)への修正を必要とし得ることを当業者は理解するであろう。そうしないと、1つのチャネルで閉塞が発生しても、単に接続された閉塞されていないチャネルに流れが向け直されるだけである。
【0028】
端部セクション(224)上の漏出ポート(254)は、内視鏡(200)の内部(256)に導かれ、その物理的完全性をチェックするため、すなわち、チャネルのいずれかと内部(256)との間、または外部から内部(256)への漏出が形成されていないことを保証するために使用される。
【0029】
II.単回使用消毒剤を用いた例示的な医療装置再処理方法
再処理システム(2)の例示的な使用において、オペレータは、フットペダル(不図示)を作動させて槽の蓋(16a)を開くことによって開始することができる。各蓋(16a、16b)は、それ自体のフットペダルを有することができる。いくつかのバージョンでは、フットペダルから圧力が取り除かれると、蓋(16a、16b)の動きが停止する。蓋(16a)を開いた状態で、オペレータは内視鏡(200)のシャフト(208)を螺旋状循環チューブ(64)内に挿入する。内視鏡(200)の端部セクション(224)およびヘッドセクション(202)は槽(14a)内に位置し、供給ホース(222)が、可能な限り広い直径で槽(14a)内でコイル状に巻かれる。次に、それぞれの内視鏡開口部(226、228、228a、230、232)にフラッシュライン(30)を取り付ける。空気ライン(112)もコネクタ(254)に接続される。いくつかのバージョンでは、フラッシュライン(30)は色分けされており、ステーション(10)上に位置するガイドは色分けされた接続部の参考となる。
【0030】
顧客が選択可能な構成に応じて、制御システム(20)は、オペレータにユーザコード、患者ID、内視鏡コード、および/または専門家コードの入力を促すことができる。この情報は、手動で(例えば、タッチスクリーン(22)を通じて)、自動的に(例えば、付属のバーコードワンドを使用して)、または他の任意の適切な方法で入力することができる。入力された情報(必要な場合)を用いて、オペレータは次に蓋(16a)を閉じることができる。いくつかのバージョンでは、蓋(16a)を閉鎖するには、オペレータがハードウェアボタンとタッチスクリーン(22)ボタンとを同時に押すことを必要とし、オペレータの手が閉鎖する槽の蓋(16a)に引っかかったり挟まれたりすることを防止するためのフェイルセーフ機構を提供する。蓋(16a)が閉じる過程でハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンのいずれかが離されると、蓋(16a)の動きは停止する。
【0031】
蓋(16a)が閉じられると、オペレータは、タッチスクリーン(22)上のボタンを押して、洗浄/消毒プロセスを開始する。洗浄/消毒プロセスの開始時に、空気ポンプ(38)が起動され、内視鏡(200)の本体内の圧力が監視される。圧力が所定のレベル(例えば、25kPa(250mbar))に達すると、ポンプ(38)は停止され、圧力は、ある特定の安定化期間(例えば、6秒)にわたって安定化することができる。圧力がある特定の期間(例えば、45秒)内にある特定の圧力(例えば、25kPa(250mbar))に達していない場合、プログラムが停止され、オペレータに漏れが通知される。安定化期間中に圧力が閾値(例えば、10kPa(100mbar)未満)を下回った場合、プログラムは停止され、オペレータに状態が通知される。圧力が安定したら、ある特定の持続時間(例えば、60秒)にわたって圧力降下を監視する。圧力降下が所定の速度よりも速い(例えば、60秒以内に1kPa(10mbar)超)場合、プログラムは停止され、オペレータに状態が通知される。圧力降下が所定の速度よりも遅い(例えば、60秒で1kPa(10mbar)未満)場合、再処理システム(2)は次のステップを続ける。プロセスの残りの間、流体が漏入するのを防ぐために、内視鏡(200)の本体内にわずかな正圧が保持される。
【0032】
第2の漏れ試験は、様々なポート(226、228、228a、230、232)への接続の妥当性、およびチャネル分離器(240)の適切な配置をチェックする。ある量の水が、内視鏡(200)の遠位端を螺旋状チューブ(64)内に沈めるように、槽(14a)に入れられる。弁(S1)を閉じ、弁(S7)を開き;ポンプ(32)を逆に動作させて真空を引き、最終的に内視鏡チャネル(210、212)に液体を引き込む。圧力センサ(42)を監視して、任意の1つのチャネル(210、212)内の圧力が、所与の時間枠内で所定の量を超えて降下および/または上昇しないことを確認する。それが生じた場合は、接続のうちの1つが正しく行われておらず、空気がチャネル(210、212)に漏れていることを示す可能性がある。いずれにしても、許容できない圧力降下が存在する場合、制御システム(20)は、サイクルをキャンセルし、接続不良の可能性があることを示し、好ましくはどのチャネル(210、212)が故障したかを示す。
【0033】
漏れ試験に合格した場合、再処理システム(2)は予備すすぎサイクルを続行する。このステップの目的は、内視鏡(200)を洗浄および消毒する前に、チャネル(210、212、213、214、217、218)を通して水を流し、廃棄物を除去することである。予備すすぎサイクルを開始するために、槽(14a)は濾過された水を充填され、その水位は槽(14a)の下の圧力センサ(59)によって検出される。水は、ポンプ(32)を介してチャネル(210、212、213、214、217、218)の内部を通って、排水管(74)に直接ポンピングされる。この水は、この段階中、内視鏡200の外面の周りに再循環されない。水がチャネル(210、212、213、214、217、218)を通ってポンピングされているとき、排水ポンプ(72)が起動されて、槽(14a)も空にされることを確実にする。排水プロセスが完了したことを排水スイッチ(76)が検出すると、排水ポンプ(72)はオフになる。排水プロセスの間、無菌空気が空気ポンプ(38)を介してすべての内視鏡チャネル(210、212、213、214、217、218)を通って同時に吹き込まれて、潜在的な持ち越しを最小にする。
【0034】
予備すすぎサイクルが完了すると、再処理システム(2)は洗浄サイクルを続ける。洗浄サイクルを開始するために、槽(14a)は、温水(例えば約35℃)を充填される。加熱水と非加熱水との混合を制御することにより、水温を制御する。水位を圧力センサ(59)により検出する。次いで、再処理システム(2)は、蠕動計量ポンプ(88)によって再処理システム(2)内を循環する水に酵素洗剤を添加する。この容量は、送達時間、ポンプ速度、およびポンプ(88)の管の内径を制御することによって制御される。洗剤溶液(86)は、チャネルポンプ(32)および外部循環ポンプ(70)によって、内部の内視鏡チャネル(210、212、213、214、217、218)全体にわたって、および内視鏡(200)の外側表面上を、所定の期間(例えば、1~5分、またはより具体的には約3分)にわたって能動的にポンピングされる。インラインヒータ(80)は、その温度を所定の温度(例えば約35℃)に維持する。
【0035】
洗剤溶液(86)をある特定の期間(例えば数分)にわたり循環させた後、チャネル(210、212、213、214、217、218)を通る流量を測定する。いずれかのチャネル(210、212、213、214、217、218)を通る流量が、そのチャネル(210、212、213、214、217、218)の所定の流量未満である場合、そのチャネル(210、212、213、214、217、218)は閉塞されていると識別され、プログラムは停止され、その状態がオペレータに通知される。蠕動ポンプ(32)は、それらの所定の流量で動作され、関連する圧力センサ(42)における許容できないほど高い圧力読み取り値の存在下でサイクルが停止される。チャネル(210、212、213、214、217、218)が閉塞されると、所定の流量が圧力センサ(42)をトリガし、この流量を適切に通過させることができないことを示す。本実施例では、ポンプ(32)は蠕動性であるので、それらの動作流量は、圧力によってそれらがサイクルを停止する時間のパーセンテージと組み合わせて、実際の流量を提供する。流量はまた、ポンプ(32)がサイクルを停止させた時点からの圧力の減衰に基づいて推定することができる。
【0036】
洗浄サイクルの最後に、排水ポンプ(72)を起動させて、洗剤溶液(86)を槽(14a)およびチャネル(210、212、213、214、217、218)から除去する。排水ポンプ(72)は、排水が完了したことを排水レベルセンサ(76)が示すと、止まる。排水プロセスの間、無菌空気が内視鏡(200)のすべてのチャネル(210、212、213、214、217、218)を通って同時に吹き込まれて、潜在的な持ち越しを最小にする。
【0037】
洗浄サイクルが完了した後、再処理システム(2)はすすぎサイクルを開始する。このすすぎサイクルを開始するために、槽(14a)は、再び(例えば、約35℃の)温水を充填される。加熱水と非加熱水の混合を制御することにより、水温を制御する。水位を圧力センサ(59)により検出する。すすぎ水は、チャネルポンプ(32)を介して、内視鏡(200)のチャネル(210、212、213、214、217、218)の内部を、また、循環ポンプ(70)およびスプリンクラーアーム(60)を介して内視鏡(200)の外部上を、ある特定の期間(例えば、1分)にわたり、循環する。すすぎ水がチャネル(210、212、213、214、217、218)を通ってポンピングされると、チャネル(210、212、213、214、217、218)を通った流量が測定され、それが任意の所与のチャネル(210、212、213、214、217、218)について所定の流量を下回った場合、そのチャネル(210、212、213、214、217、218)は閉塞していると識別され、プログラムが停止され、オペレータにその状態が通知される。
【0038】
すすぎサイクルの終了時に、排水ポンプ(72)を起動させて、槽(14a)およびチャネル(210、212、213、214、217、218)からすすぎ水を除去する。排水ポンプ(72)は、排水が完了したことを排水レベルセンサ(76)が示すと、止まる。排水プロセスの間、無菌空気が内視鏡(200)のすべてのチャネル(210、212、213、214、217、218)を通って同時に吹き込まれて、潜在的な持ち越しを最小にする。いくつかのバージョンでは、内視鏡(200)および槽(14a)の表面からの洗剤溶液(86)の最大限のすすぎを確実にするために、上記のすすぎおよび排水サイクルが少なくとももう一度繰り返される。
【0039】
再処理システム(2)が所望の回数のすすぎおよび乾燥サイクルを完了した後、再処理システム(2)は消毒サイクルに進む。消毒サイクルを開始するため、槽(14a)は(例えば、約53℃の)非常に温かい水を充填される。加熱水と非加熱水の混合を制御することにより、水温を制御する。水位を圧力センサ(59)により検出する。充填プロセスの間、内視鏡(200)のチャネル(210、212、213、214、217、218)を通って循環する前に、槽(14a)内の消毒剤溶液(92)が使用中濃度であることを確実にするために、チャネルポンプ(32)はオフである。
【0040】
次に、測定された容量の消毒剤溶液(92)が、計量ポンプ(100)を介して、消毒剤計量プレチャンバ(96)から引き出され、槽(14a)内の水の中に送達される。消毒剤溶液(92)の容量は、計量プレチャンバ(96)の底部に対する充填レベルスイッチ(98)の位置付けによって制御される。計量プレチャンバ(96)は、充填レベルスイッチ(98)が液体を検出するまで充填される。計量プレチャンバ(96)内の消毒剤溶液(92)のレベルが計量プレチャンバ(96)の先端部のすぐ下になるまで、消毒剤溶液(92)を計量プレチャンバ(96)から引き出す。必要な容量が分注された後、計量プレチャンバ(96)は、消毒剤溶液(92)のボトルから再充填される。消毒剤溶液(92)は、槽(14a)が充填されるまで添加されず、水の供給に問題がある場合に、すすぐための水がない状態で、濃縮された消毒液が内視鏡(200)上に残ってしまうことがない。消毒剤溶液(92)が添加されている間、内視鏡(200)のチャネル(210、212、213、214、217、218)を通って循環する前に、槽(14a)内の消毒剤溶液(92)が所望の使用中濃度であることを確実にするために、チャネルポンプ(32)はオフである。
【0041】
使用中の消毒剤溶液(92)は、ポンプ(32)によって内部チャネル(210、212、213、214、217、218)全体にわたって、また、循環ポンプ(70)によって内視鏡(200)の外側表面の上を、能動的にポンピングされる。これは、任意の適切な持続時間(例えば、少なくとも5分間)にわたって行うことができる。消毒剤溶液(92)の温度は、一定の温度(例えば、約52.5℃)に保たれるようにインラインヒータ(80)によって制御することができる。消毒プロセスの間、内視鏡(200)の各チャネル(210、212、213、214、217、218)を通る流れは、チャネル(210、212、213、214、217、218)を通る測定された量の溶液の送達の速度を計ること(timing)によって検証される。弁(S1)が閉じ、弁(S7)が開き、次に、各チャネルポンプ(32)は、計量チューブ(136)から、その関連するチャネル(210、212、213、214、217、218)に所定の容量を送達する。この容量、およびその容量を送達するのにかかる時間により、チャネル(210、212、213、214、217、218)を通る非常に正確な流量が得られる。その直径および長さのチャネル(210、212、213、214、217、218)について期待されるものからの流量の異常は、制御システム(20)によってフラグが立てられ、プロセスが停止される。使用中の消毒剤溶液(92)はチャネル(210、212、213、214、217、218)を通ってポンピングされるので、チャネル(210、212、213、214、217、218)を通る流量も前述したように測定する。
【0042】
消毒サイクルの最後に、排水ポンプ(72)を起動させて、消毒剤溶液(92)を槽(14a)およびチャネル(210、212、213、214、217、218)から除去する。排水プロセスの間に、無菌空気が、内視鏡(200)のすべてのチャネル(210、212、213、214、217、218)を通して同時に吹き込まれて、潜在的な持ち越しを最小にする。
【0043】
消毒剤溶液(92)が槽(14a)から排出された後、再処理システム(2)は最終すすぎサイクルを開始する。このサイクルを開始するために、槽(14a)は、フィルタ(例えば、0.2μmフィルタ)を通過した(例えば、約45℃の)無菌温水を充填される。すすぎ水は、ポンプ(32)によってチャネル(210、212、213、214、217、218)内を、また、循環ポンプ(70)およびスプリンクラーアーム(60)を介して内視鏡(200)の外部の上を、適切な持続時間(例えば、1分間)にわたって循環する。すすぎ水がチャネル(210、212、213、214、217、218)を通ってポンピングされるとき、チャネル(210、212、213、214、217、218)を通る流量が上述のように測定される。排水ポンプ(72)を起動させて、槽(14a)およびチャネル(210、212、213、214、217、218)からすすぎ水を除去する。排水プロセスの間、無菌空気が内視鏡(200)のすべてのチャネル(210、212、213、214、217、218)を通って同時に吹き込まれて、潜在的な持ち越しを最小にする。いくつかのバージョンでは、内視鏡(200)および槽(14a)の表面からの消毒剤溶液(92)の残留物の最大限のすすぎを確実にするために、上記のすすぎおよび排水サイクルが少なくともさらに2回繰り返される。
【0044】
最終すすぎサイクルが完了した後、再処理システム(2)は最終漏れ試験を開始する。特に、再処理システム(2)は、内視鏡(200)の本体を加圧し、上述のように漏れ率を測定する。最終漏れ試験が成功した場合、再処理システム(2)は、タッチスクリーン(22)を介してサイクルの完了が成功したことを示す。プログラム終了時から蓋(16a)を開けるときまで、内視鏡(200)の本体内部の圧力は、通気弁(S5)を所定の速度で開く(例えば、弁(S5)を毎分10秒開く)ことにより、大気圧に正規化される。
【0045】
顧客が選択した構成に応じて、再処理システム(2)は、有効なユーザ識別コードが入力されるまで蓋(16a)が開くのを防ぐことができる。ユーザID、内視鏡ID、専門家IDおよび患者IDを含む、完了したプログラムに関する情報は、プログラムを通して得られたセンサデータと共に記憶される。プリンタが再処理システム(2)に接続されている場合、および、オペレータによって要求された場合、消毒プログラムの記録が印刷される。有効なユーザ識別コードが入力されると、(例えば、上記のようにフットペダルを使用して)蓋(16a)を開くことができる。次に、内視鏡(200)をフラッシュライン(30)から外し、槽(14a)から取り出す。次いで、蓋(16a)は、上述のように、ハードウェアボタンおよびソフトウェアボタンの両方を使用して閉じることができる。
【0046】
III.再利用可能な消毒剤を用いた例示的な医療装置の再処理
ある場合には、1回使用した後に消毒剤を排出して廃棄するのではなく、消毒剤を1回以上集めて再利用することが望ましいかもしれない。例えば、消毒剤を再利用すると、再処理システム(2)の耐用年数にわたって使用する消毒剤の合計が少なくなり、したがって、操作の全体的なコストを減少させることができる。さらに、消毒剤貯蔵部(92)から供給される消毒剤のような濃縮された消毒剤は、所望の濃度の消毒剤溶液として水と混合されるまで再処理システム(2)の1つ以上の部分に対する損傷効果を有し得る。このように、消毒剤溶液を保存し再利用することにより、濃縮された消毒剤の存在が減少し、よって、再処理システム(2)の耐用年数を長くすることができる。
【0047】
図4は、例示的な再処理システム(310)示し、これは、消毒剤貯蔵リザーバ(360)を有し、そこから消毒剤を槽(14a)にポンピングし、消毒サイクルの完了後に消毒剤を収集する。本明細書で議論される再処理システム(410、510、610)の代替バージョンも、例示的な消毒貯蔵リザーバ(360)を含む。消毒剤を再利用する様々な態様は、本明細書に記載するように、再処理システム(2、310、410、510、610)のいずれかに関して、また任意の組み合わせで使用され得ることが理解されよう。
【0048】
図4に示すように、第2の例示的な再処理システム(310)を有する再処理システム(310)は、種々のサイクルに関して上述したように、水および/または消毒剤などの流体を受け取り、弁の集合体(336、338、340、342、344)に向けて流体をポンピングする一次ポンプ(312)を含む。より詳細には、消毒弁(340)は、消毒サイクル中に循環状態と収集状態との間で移行するように構成される。消毒弁(340)が循環状態にあるとき、弁の集合体(336、338、340、342、344)は、再処理中に循環を継続するために、フラッシュライン(30)およびノズル組立体(322)に向かって消毒剤を戻すように構成される。消毒サイクルの終了時に、消毒弁(340)は循環状態から収集状態に移行し、弁の残りの集合体(336、338、342、344)と併せて、将来の消毒サイクルで再利用するために消毒剤を消毒剤貯蔵リザーバ(360)内に導く。本明細書中で使用される場合、用語「消毒剤」は、濃縮された消毒剤または任意の濃度の消毒剤を含む任意の溶液を指す。したがって、「消毒剤」という用語は、本発明を消毒剤の特定の濃度または溶液に不必要に限定することを意図したものではない。
【0049】
再処理システム(310)は、消毒剤貯蔵リザーバ(360)と槽(14a)との間で流体連通する消毒剤ポンプ(94)をさらに含む。このようにして、消毒剤ポンプ(94)は、消毒剤を直接槽(14a)内にポンピングする。逆止弁(330)も、槽(14a)と消毒剤ポンプ(94)との間に流体接続され、槽(14a)内の流体がポンプ(94)に向かって逆流するのを阻止するように構成される。いくつかのバージョンでは、消毒剤貯蔵リザーバ(360)はブレークタンクの形をしていて、一次ポンプ(312)および消毒剤ポンプ(94)が、消毒剤貯蔵リザーバ(360)と個別におよび/または同時に相互作用するように構成される。しかしながら、代替的な連結器および他の特徴が、消毒剤を集めて再利用するための再処理システム(310)内の任意の形態の消毒剤貯蔵リザーバ(360)を流体連結するために使用されてもよいことが理解されよう。したがって、本発明は、特定の消毒剤貯蔵リザーバ(360)に限定されることを意図していない。
【0050】
この実施例の再処理システム(310)は、槽(14a、14b)を備えるステーション(10、12)(
図1参照)に容易に組み込むことができる。このようにして、
図4に示す槽(14a)は、上述のとおり、水源(50)から水を受け取り、排水管(74)を介して、そこから全ての水を排出する。例示的な槽(14a)は、その中に延びる複数のフラッシュライン(30)と、複数のノズル(324)を有するノズル組立体(322)と、を含む。各フラッシュライン(30)およびノズル(324)は、水および/または一般に流体と呼ばれ得る任意の添加剤溶液を、再処理のために槽(14a)内の内視鏡(200)(
図3参照)の方へ導くように構成される。上述のように、フラッシュライン(30)は、各それぞれのチャネル(210、212、217、218)(
図3参照)について特に構成されたそれぞれの所定の導管流量で、それぞれのチャネル(210、212、217、218)(
図3参照)内に流体を排出するように構成される。この目的のために、一次ポンプ(312)は、一次ポンプ(312)とフラッシュライン(30)との間に流体連結された共通マニホールド(326)を介して、所定の供給流量の流体を集合的にフラッシュライン(30)にポンピングする。
【0051】
複数のフラッシュ弁(314、316、318、320)が、各フラッシュライン(30)にそれぞれ配置され、一次ポンプ(312)からの流体の流れのバランスをとるように集合的に構成されており、各フラッシュライン(30)がそれぞれの所定の導管流量で流体をそこから排出する。いくつかのバージョンでは、フラッシュライン(30)は、4つの異なるそれぞれの所定の導管流量の流体をチャネル(210、212、217、218)(
図3参照)に送達する。いくつかの他のバージョンでは、それぞれの所定の導管流量のうちの1つ以上は、代替的な医療装置を収容するためにほぼ等しい。いずれの場合も、任意の所定の導管流量で流体を送達するように構成された任意の数のフラッシュライン(30)を使用して、1つ以上のタイプの医療装置を収容することができる。
【0052】
水源(50)は、水を三方導入弁(328)に送達し、この三方導入弁は、水を、フィルタ(54)、逆止弁(330)、および二方弁(332)を通して、槽(14a)内に導く。再処理システム(2)(
図2参照)と同様に、水は、レベルセンサ(59a、59b、76)によって検出されるような所望の量まで収集され得る。水は、槽(14a)から排出され、ヒータ(80)および二方弁(334)を通過して、フラッシュライン(30)およびノズル組立体(322)に向けて分配されるように一次ポンプ(312)に到達することができる。より具体的には、二方向弁(336、338、340、342、344)の集合体は、本明細書で論じるような種々のサイクルの間、それらを通る流体の流れを可能にするかまたは抑制するかのいずれかを行うために、一次ポンプ(312)の下流で流体接続される。例えば、フラッシュ弁(336)およびノズル弁(338)は、フラッシュライン(30)およびノズル組立体(322)それぞれに向かう流れを制御するように構成される。
【0053】
さらに、消毒剤弁(disinfectant valve)(340)、排水弁(342)、および戻り弁(344)は、内視鏡(200)の消毒、再処理システム(310)からの排水、および再処理システム(310)の自己消毒を提供するようにそれぞれ構成される。消毒および自己消毒については、以下でさらに詳細に述べる。本実施例では、消毒弁(340)、排水弁(342)、および戻り弁(344)は、開放されたフラッシュ弁(336)およびノズル弁(338)を通して流体の所定の供給流の全体を導くように、完全に閉鎖されていると仮定される。しかしながら、弁(336、338、340、342、344)の集合体は、再処理のサイクルを完了するために複数の望ましい比率のいずれか1つで流体を導くように、完全に開放され、部分的に開放され、かつ/または完全に閉鎖されてもよい。したがって、本発明は、本明細書に記載されるような開放した弁および/または閉鎖された弁の組み合わせに特に限定されることを意図していない。
【0054】
フラッシュ弁(336)の下流では、添加剤貯蔵部、例えば、洗剤貯蔵部(86)およびアルコール貯蔵部(134)、ならびに洗剤計量ポンプ(88)、アルコール計量ポンプ(346)、およびガスポンプ(38)が、フラッシュライン(30)に向かって流れる水と共に、またはその代わりに受容されるように流体接続される。種々の添加剤のさらなる流れ制御のために、一連のオプションの二方弁(348)をポンプ(88、346、38)の下流に流体接続してもよい。いずれにせよ、水のような流体は、所定の供給流量でマニホールド(326)内に受容される。
図4の例示的な再処理システム(310)に示すように、4つのフラッシュライン(30)はそれぞれ、マニホールド(326)に流体接続し、内視鏡(200)のチャネル(210、212、217、218)(
図3参照)と接続するために、槽(14a)内に延びる。より詳細には、各フラッシュライン(30)は、チャネル(210、212、217、218)(
図3参照)をそれぞれのフラッシュライン(30)と流体連結するために内視鏡(200)に対して流体封止するように構成された、槽(14a)内の連結ポート(350)を含む。
【0055】
簡単に上述したように、各フラッシュライン(30)は、所定の導管流量に従ってフラッシュライン(30)に沿った流体の流れのバランスをとるように構成されたそれぞれのフラッシュ弁(314、316、318、320)を含む。いくつかのバージョンでは、フラッシュ弁(314、316、318、320)は、オリフィス弁の形をしており、オリフィス弁は、所定の供給流量に従ってマニホールド(326)に入る流体に所定の制限を設けるように、互いに相対的にサイズが決められている。マニホールド(326)内の圧力が、フラッシュライン(30)を通って等しく分布すると、所定の導管流量の流体が、各それぞれのフラッシュ弁(314、316、318、320)を通って流れ、連結ポート(350)から排出される。代替的に、フラッシュ弁(314、316、318、320)はそれぞれ、別個の所定の流量を提供するように構成された可変弁を含んでもよく、その結果、オペレータは、再処理システム(310)内に異なる医療装置を収容するように様々な流量を調節することができる。
【0056】
さらに、ノズル弁(338)もまた、一次ポンプ(312)から水などの流体を受け取り、流体をノズル組立体(322)に向かって導く。各ノズル(324)は、本実施例では概して同一であり、ほぼ等しい所定のノズル流量で、槽(14a)内の内視鏡(200)(
図3参照)の外部上に流体を排出するように構成される。この目的のために、ノズル弁(338)は、流体の所定の供給流量と、フラッシュ弁(314、316、318、320)のバランスをさらにとるように構成され、各ノズル(324)および流体ライン(30)は、その所定の導管流量および所定のノズル流量にそれぞれ従って、そこから流体を排出する。フラッシュ弁(314、316、318、320)と同様に、ノズル弁(338)もまた、別個の所定の流量に設定されるように構成された可変弁であってもよく、オペレータは、再処理システム(310)内に異なる医療装置を収容するように種々の流量を調節し得る。あるいは、開位置にあるノズル弁(338)は、種々の所定の流量が単に各それぞれのノズル(324)における制限によってバランスをとられるように、無視できる抵抗を提供し得る。
【0057】
使用中、再処理システム(310)は、水道(50)から槽(14a)内へ水を受け取る。あるいは、槽(14a)は、添加物の1つを、単独で、または水と組み合わせて、受け取ることができる。いずれにしても、槽(14a)内に収集された流体は、一次ポンプ(312)内に受容され、所定の供給流量でそこからポンピングされる。弁(338、340、342、344)の集合体は、一般に、流体を所定の供給流量でマニホールド(326)およびノズル組立体(322)の方へ導くように構成される。マニホールド(326)に向かって流れる流体は、さらに詳細に上述したように、添加剤の1つ、例えば洗剤を受け取ることもできる。
【0058】
流体の所定の部分はマニホールド(326)に流入し、流体の残りの所定の部分はノズル弁(338)を通って流れる。フラッシュ弁(336)およびノズル弁(338)は、少なくとも2つの異なるそれぞれの所定の導管流量で流体の流れを各フラッシュライン(30)に沿って導くために、各それぞれのフラッシュライン(30)に所定の制限を生成する。このような所定の制限、および制限の結果、フラッシュ弁(336)およびノズル弁(338)は、それらを通る流体の流れを、種々の所定の流量に従って分配する。例えば、フラッシュ弁(336)およびノズル弁(338)は、4つの異なるそれぞれの所定の導管流量で、4つのフラッシュライン(30)に沿って流体を導くように構成され得る。一旦それに応じてバランスがとられると、流体は、内視鏡(200)(
図3参照)を再処理するため、所定の導管流量で、各連結ポート(350)からそれぞれのチャネル(210、212、217、218)(
図3参照)内へ排出される。弁(336、338)を介してこのような所定の流量を生成することは、本明細書に記載される再処理の任意のサイクルで使用することができ、本発明を任意の特定の再処理サイクルに限定することを意図しないことが理解されるであろう。
【0059】
本実施例の再処理システム(310)は、各フラッシュライン(30)およびノズル(324)に所定の供給流量の流体を供給する、ただ1つの一次ポンプ(312)を含む。しかしながら、上述のように流体を導くために、任意の数のポンプを、例えば直列または並列に、組み合わせて使用し得ることが理解されよう。したがって、本発明は、ただ1つの一次ポンプ(312)に不必要に限定されることを意図していないことが理解されよう。さらなるほんの一例として、再処理システム(310)は、2016年5月18日に出願された「Apparatus and Method for Reprocessing a Medical Device」と題された米国特許出願第15/157,800号の教示の少なくとも一部に従って構成され、かつ動作可能とすることができ、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
図5は、別の例示的な再処理システム(310’)を示し、これは、消毒剤弁(340)とポンプ(94)との間で流体接続された、別の例示的な消毒剤貯蔵リザーバ(360’)を有する。消毒剤貯蔵リザーバ(360’)は、一般に、消毒剤貯蔵リザーバ(360)(
図4参照)と同様であるが、再処理のために消毒剤をさらに調製し、維持するための追加の特徴も含む。具体的には、消毒剤貯蔵リザーバ(360’)は、再処理のために消毒剤を加熱するように構成された消毒剤ヒータ(361’)を含む。いくつかのバージョンでは、消毒剤ヒータ(361’)は、さらに詳細に後述する理由のために、再処理システム(310’)を循環する流体をより迅速に加熱するために、使用を見越して消毒剤を予熱するように構成される。代わりに、またはそれに加えて、消毒剤ヒータ(361’)は、使用のために消毒剤貯蔵リザーバ(360’)からポンプ(94)に向かって流れる間、消毒剤を加熱し得る。いずれの場合も、消毒剤ヒータ(361’)は、流体が再処理システム(310’)を通って流れる際に流体を集合的に加熱するために、ヒータ(80)と共に流体を加熱するように構成されてもよい。
【0061】
消毒剤貯蔵リザーバ(360’)は、消毒剤貯蔵リザーバ(360’)を通って流れ、かつ/またはその内部に収容される消毒剤を監視するために、最大レベルセンサ(362’)、最小レベルセンサ(363’)、および温度センサ(364’)をさらに含む。最大レベルセンサ(362’)および最小レベルセンサ(363’)は、消毒剤貯蔵リザーバ(360’)内に収容される消毒剤の量を概算し、制御システム(20)(
図1参照)のような別のシステムと通信するように構成される。例えば、最大レベルセンサ(362’)および最小レベルセンサ(363’)ならびに制御システム(20)(
図1参照)は、最大レベルを超えるか、最小レベルを下回るか、または、操作のために一般的に望まれる、最大レベルと最小レベルとの間である、消毒剤の量を集合的に監視する。温度センサ(364’)も、消毒剤の温度を監視するために、制御システム(20)(
図1参照)のような別のシステムと通信する。
【0062】
消毒剤をさらに監視するために、再処理システム(310’)はまた、サンプリングおよび試験のために再処理システム(310’)内の少なくとも1つの場所から消毒剤を受け取るように構成された消毒剤濃度測定サブシステム(365’)を含む。この目的のために、本実施例の消毒剤濃度測定サブシステム(365’)は、フラッシュライン(30)の少なくとも1つから消毒剤サンプルを受け取る。別の実施例では、消毒剤濃度測定サブシステム(365’)は、消毒弁(340)の下流の場所から消毒剤サンプルを受け取ることができる。消毒剤濃度測定サブシステム(365’)は、再処理システム(310’)を通って流れる流体内に存在する消毒剤の濃度について、受け取った消毒剤サンプルを試験するように構成される。消毒剤の測定濃度が所定の濃度範囲内にないか、または所定の最小濃度を下回っている場合、消毒剤濃度測定サブシステム(365’)は、オペレータに適宜通知する。このような測定および通知は、器具の再処理を終了させることができる、より詳細に上述された制御システム(20)(
図1参照)との通信によってさらに補助され得る。消毒剤濃度測定の前または後で、消毒剤濃度測定サブシステム(365’)は、フィルタ(54)の出口側から受け取った水ですすぐことができ、次いで、その水をサブシステム(365’)から排水溜め(130)に排出することができる。
図5に示すように、本実施例のフィルタ(54)の入口側は、フィルタ(54)から空気を除去するための別の流体ラインを介して排水溜め(130)と直接連通している。
【0063】
サンプリングおよび試験が完了すると、消毒剤は排水溜め(130)に排出され、消毒剤濃度測定サブシステム(365’)がさらなる使用のために利用可能になる。消毒剤濃度を測定し、オペレータに通知するための様々な装置および方法を、本明細書に記載されているように使用することができ、したがって、本発明は、任意の特定の消毒剤濃度測定サブシステムに不必要に限定されることを意図していないことが理解されよう。さらなるほんの一例として、消毒剤濃度測定サブシステム(365’)は、2016年5月18日に出願された「Apparatus and Method to Measure Concentration of Disinfectant in Medical Device Reprocessing System」と題された米国特許出願第15/157,952号の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能とすることができ、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
槽温度センサ(366’)、排水溜めオーバーフローセンサ(367’)、および複数のフローセンサ(368’)によって、再処理システム(310’)において追加の監視が提供される。槽温度センサ(366’)は、一般に、その中の流体の温度を測定するように構成され、一方、排水溜めオーバフローセンサ(367’)は、オペレータに警告し、再処理プロセスをキャンセルするために、排水溜め(130)内に収集された過剰な流体を測定するように構成される。各フローセンサ(368’)は、それを通って流れる流体の体積流量を測定して、再処理システム(310’)を通る流体の全体的な循環を監視するように構成される。温度センサ(366’)、排水溜めオーバーフローセンサ(367’)、およびフローセンサ(368’)のそれぞれは、再処理システム(310)を使用するための本明細書で説明したセンサのうちの任意の1つ以上との集合的な動作のために、制御システム(20)(
図1参照)と通信することができる。しかしながら、再処理システム(310’)を監視する代替の装置および方法を使用することができ、本明細書に記載される本発明は、再処理システム(310’)に不必要に限定されることを意図していないことが理解されよう。
【0065】
IV.フローサイクルを繰り返すための例示的な医療装置再処理器械および方法
ある場合には、内視鏡を通して様々な溶液、液体、および/または加圧空気の流れを導くことによって、内視鏡の内部チャネル内のバイオバーデン減少を増加させることが望ましい場合がある。内視鏡の内部チャネル内に洗剤および/または消毒剤を堆積させることは、チャネルのバイオバーデンレベルを低下させ得るが、内視鏡の内部チャネル内のバイオバーデンレベルを所望のレベルに低下させることは、内部チャネルの直径が小さく、場合によっては不規則なプロファイルであるために特に困難となり得る。場合によっては、単に消毒剤または洗剤を内視鏡の内部チャネル内に所定の持続時間にわたり維持することは、所望のレベルのバイオバーデン低減効果を達成するために必要な時間を著しく増加させ得る。ある場合には、内視鏡(200)は、例えば十二指腸鏡のように、ケーブルまたはワイヤが中に配置されたエレベータチャネルを含んでもよい。エレベータチャネル内に収容されるケーブルまたはワイヤの存在により、エレベータチャネルを通って流れることができる消毒剤の容量が制限されるので、追加の制限が生じる。ケーブルが撚られたケーブルの形態である場合には、様々なバイオバーデンおよび他の粒子を収容することができる多数のギャップおよび間隙が存在する。
【0066】
内視鏡(200)の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)、および十二指腸鏡のエレベータチャネルは、内視鏡(200)の外側表面よりも耐薬品性のある材料で形成され得る。単に例示的な例として、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)は、化学曝露または熱曝露に対してより高い耐性を有するテフロンまたは金属から形成され得る。したがって、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)は、より高い濃度の消毒剤もしくは洗剤、および/またはより高い温度に曝されることが可能である。加えて、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)の狭い構成、および時に不規則なプロファイルのために、内視鏡(200)の外側表面よりも内部チャネル(210、212、213、214、217、218)を消毒することがより困難であるため、より高いレベルの濃度を利用することは、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)内でのバイオバーデン低減を効果的に達成するために望ましいであろう。
【0067】
内視鏡(200)を通して様々な処理溶液を導くことを交互に行う再処理器械は、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)のバイオバーデン低減効果を増大させるのに望ましいであろう。様々な液体、洗剤、および消毒剤が内視鏡(200)の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)を通って流れる繰り返しサイクルを提供することは、チャネル(210、212、213、214、217、218)内のバイオバーデンレベルを低下させるのに有益であり得る。これらのタイプの液体は内部チャネル(210、212、213、214、217、218)を通って繰り返し流れるため、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)の内壁には、流速に比例した剪断応力が発生する。この剪断応力はチャネル壁に存在するバイオバーデンに破壊的影響を及ぼす。したがって、加圧空気を内部チャネル(210、212、213、214、217、218)を通して導き、液体の流量を増加させ、その中に収容される液体を移動させて、より高い剪断応力を達成し、その結果、より大きなバイオバーデン低減効果を達成することが望ましい場合がある。チャネル(210、212、213、214、217、218)内の液体の流量は、空気によってより多くの液体が移動されると著しく増加する。流量の量は、次のハーゲン・ポアズイユの式で示されるように、チャネル(210、212、213、214、217、218)の長さに反比例する。
【数1】
式中、互換性のある単位(例えば、SI)では、「Q」は体積流量であり;「V(t)」は、時間「t」の関数として移される液体の容量であり;「v」は、チューブの長さに沿った平均流体速度であり;「x」は流れの方向における距離であり;「R」はチューブの内半径であり;「ΔP」は2つの端部間の圧力差であり;「n」は、動的流体粘度であり;「L」はチューブの長さである。様々な用途において、チャネル内の流体圧力は、チャネル壁への損傷を防止するために、約206.843kPa(約30psi)に制限され得る。
【0068】
この場合、内壁の剪断応力が増加し、バイオバーデン除去量が高まる。剪断応力の量は、以下の式:
【数2】
で示されるように、流量に比例し、
式中、「μ」は水の粘度であり、「Q」は流量である。
【0069】
洗剤または消毒剤溶液が通過した後、加圧空気の流れを内部チャネル(210、212、213、214、217、218)を通して繰り返し導くことは、前のサイクルからの残留物が実質的に除去されることを確実にするために、残留液体を内視鏡(200)から洗い流すためにさらに望ましくなり得る。内視鏡(200)の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)を繰り返し充填およびパージすることによって、ある特定のレベルのバイオバーデンを除去するために必要な合計時間を短縮することができ;高濃度の消毒剤を導入する任意の次のサイクルにおいて、その消毒剤がチャネル(210、212、213、214、217、218)内の残留流体によって希釈される可能性は低くなる。以下の説明は、様々な物質および溶液の繰り返しサイクルを医療器具の内部チャネルに送達するように構成された再処理システムの様々な実施例を提供する。再処理システムは、洗剤、水、加圧空気などの様々な物質を送達するように構成された単一のポンプ組立体を含むことができる。この場合、再処理システムは、一連の弁を選択的に開閉して、単一のポンプ組立体を通して様々な物質を個々に送達するように構成することができる。あるいは、以下に示すように、再処理システムは、それぞれの様々な物質を内部チャネル(210、212、213、214、217、218)に送達するための別個の専用のポンプを含み得る。個々のポンプを以下に説明するが、単一のポンプシステムまたはポンプ組立体を使用して、以下に詳述する再処理方法を実施してもよいことを理解されたい。
【0070】
A.事前に希釈された消毒剤を用いた医療装置再処理器械および方法
ある場合には、先に上述したように、内視鏡(200)の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)の複数の消毒サイクルのために同じ消毒剤を使用することが望ましいであろう。本明細書で使用される場合、用語「消毒サイクル」は、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)を消毒剤で充填し、続いて内部チャネルから消毒剤をパージする1つの例を指す。したがって、消毒サイクルは、内視鏡(200)の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)の再処理中に実施される充填およびパージサイクル(「パージおよび充填サイクル」とも呼ばれ得る)の1つの変形例である。充填およびパージサイクルは、主に、複数の消毒サイクルが完了し得る、器具再処理の消毒段階との関連で本明細書に記載されているが、充填およびパージサイクルは、洗浄およびすすぎ段階中など、器具再処理の他の段階全体にわたって実施されてもよい。
【0071】
同じ容量の消毒剤を使用して、所与の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)のために複数の消毒サイクルを実行することは、その後の各消毒サイクルのための追加の消毒剤の必要性を減らしながら、その内部チャネルの十分な消毒を提供するために望ましいであろう。したがって、複数の消毒サイクルのために消毒剤を再利用することは、十分なレベルの殺菌活性を達成しながらコストを最小化することができる。最初の消毒サイクルに続くその後の各消毒サイクルの間に、消毒剤の希釈係数は劇的に減少し得る。チャネル(210、212、213、214、217、218)内の消毒剤の濃度は、以下の式:C
n=C
i-(C
i×R
n)を用いて推定することができ、ここで「C
n」は、「n」回のパージおよび充填消毒サイクルの後のチャネル内の消毒剤濃度であり;「C
i」は最初の希釈されていない消毒剤濃度であり;「R」はパージ後のチャネル内の流体の残りのパーセンテージである。以下の表は、様々なパラメータでのチャネル消毒剤濃度を示す。
【表1】
【0072】
以下の説明は、繰り返しの消毒サイクルを通して内視鏡(200)の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)を適切に汚染除去するように構成された再処理システムおよび方法の様々な実施例を提供する。最終的に、内視鏡(200)の内部構成要素を消毒するための系統的アプローチを提供することは、いずれの場合も適切な程度のバイオバーデン低減が達成されることを確実にするために有益であり得る。以下に記載される再処理方法は、様々な再処理システム(2、310、310’)のいずれか、および上述の様々な内視鏡(200)のいずれかに容易に組み込まれ得ることを理解されたい。下記の再処理方法が使用され得る他の適切な方法は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであろう。
【0073】
図6は、消毒剤貯蔵部(411)、洗剤貯蔵部(415)、空気供給システム(421)、および水道(425)を含む例示的な再処理システム(410)のブロック概略図を示す。以下に別様に記載される点を除いて、再処理システム(410)、消毒剤貯蔵部(411)、洗剤貯蔵部(415)、空気供給システム(421)、および貯水器(425)は、それぞれ上述の再処理システム(2、310、310’)、消毒剤貯蔵部(92、360)、消毒剤(86)、空気供給システム(36)、および水道(50)と同様に構成され、動作可能である。内視鏡(400)の内部チャネル(420)は、フラッシュライン(444)を介して、消毒剤貯蔵部(411)、洗剤貯蔵部(415)、空気供給システム(421)および貯水器(425)と流体連通している。再処理システム(410)は、消毒剤溶液(92)、洗剤溶液(86)、空気および水を内視鏡(400)の内部チャネル(420)に個別にかつ順次送達するように動作可能である。1つの内視鏡(400)のみが再処理システム(410)において再処理されているものとして示されているが、再処理システム(410)は、複数の内視鏡(400)を同時にかつ/または順次、再処理可能とし得ることを理解されたい。
【0074】
フラッシュライン(444)は、再処理システム(410)に動作可能に接続された各チャネル(420)のためのフラッシュ弁(446)を含む。フラッシュ弁(446)は、消毒剤貯蔵部(411)、洗剤貯蔵部(415)、空気供給システム(421)、および貯水器(425)の下流に配置される。本実施例では、消毒剤貯蔵部(411)は、消毒剤ポンプ(412)、フローセンサ(413)、および逆止弁(414)と順に流体連通しており、消毒剤ポンプ(412)は、フラッシュライン(444)を介して、消毒剤貯蔵部(411)からフローセンサ(413)へ、また、逆止弁(414)を通じて消毒剤(92)を移送するように構成される。この場合、消毒剤溶液(92)は、内部チャネル(420)内で十分なバイオバーデン低減を提供することができる高濃縮消毒剤である。
【0075】
フローセンサ(413)は、消毒剤ポンプ(412)から内視鏡(400)の内部チャネル(420)へ送達される、濃縮された消毒剤(92)の流れを監視するように動作可能である。再処理システム(410)の制御システム(20)は、制御アルゴリズム(
図7参照)を実行して、内視鏡(400)と流体接続しているフラッシュ弁(446)を開き、フローセンサ(413)により監視したデータを取り込むように構成される。制御システム(20)は、フローセンサ(413)から得られたデータが、内部チャネル(420)が十分な量の濃縮された消毒剤(92)を受け取ったことを示す場合、フラッシュ弁(446)を閉じることによって、消毒剤ポンプ(412)と内視鏡(400)との間の流体連通を終了させるように動作可能である。
【0076】
同様に、洗剤貯蔵部(415)は、洗剤ポンプ(416)、フローセンサ(417)、および逆止弁(418)と順に流体連通しており、洗剤ポンプ(416)は、フラッシュライン(444)を介して、フローセンサ(417)に、また、逆止弁(418)を通じて洗剤溶液(86)を移送するように構成される。フローセンサ(417)は、洗剤(86)が洗剤ポンプ(416)から内視鏡(400)の内部チャネル(420)に送達されるときの経過時間を監視するように動作可能である。再処理システム(410)は、フローセンサ(417)によって監視される経過時間が所定の時間閾値に達したら、洗剤ポンプ(416)とフラッシュ弁(446)との間の流体連通を終了させるように構成される。代替的に、または関連して、再処理システム(410)は、洗剤(86)を内部チャネル(420)にポンピングする洗剤ポンプ(416)の動作を停止するように構成される。いずれの場合も、再処理システム(410)は、フローセンサ(417)によって感知されるように、内部チャネル(420)が十分な量の洗剤(86)をその中に受け取ったとき、フラッシュ弁(446)を閉じるように構成される。
【0077】
空気供給システム(421)は、空気ポンプ(422)、フィルタ(423)、および逆止弁(424)と連通している。空気ポンプ(422)は、加圧空気を空気供給システム(421)からフィルタ(423)および逆止弁(424)を通して押し出し、それによって空気の流れを内視鏡(400)の内部チャネル(420)内へ、かつ内部チャネルを通して送達するように構成される。フィルタ(423)は、空気供給システム(421)から抽出された、入ってくる空気流から微生物を濾過して除去するように動作可能である。いくつかの例示的な実施例では、フィルタ(423)は、HEPA微生物除去フィルタを含む。いくつかのバージョンでは、再処理システム(410)は、空気ポンプ(422)および逆止弁(424)と連通するフィルタ(423)を除外してもよい。貯水器(425)は、水ポンプ(426)、フローセンサ(427)、および逆止弁(428)と流体連通している。水ポンプ(426)は、フラッシュライン(444)を介して、貯水器(425)からフローセンサ(427)に、また、逆止弁(428)を通じて水をポンピングするように構成される。再処理システム(410)は、フローセンサ(427)からのデータに基づいて、水ポンプ(426)から内視鏡(400)の内部チャネル(420)へ送達される水の量を測定するように動作可能である。再処理システム(410)は、フローセンサ(427)によって感知されるように、内部チャネル(420)がその中に十分な量の水を受け取ったと判断すると、フラッシュ弁(446)を閉じるようにさらに構成される。
【0078】
再処理システム(410)は、フラッシュライン(444)を介して内視鏡(400)の内部チャネル(420)と流体連通する槽(14a)をさらに含む。槽(14a)は、内部チャネル(420)から放出された任意の流体または空気を受け取るように動作可能である。さらに、槽(14a)は、独立したフラッシュライン(444)を介して水ポンプ(426)と流体連通しており、その結果、水ポンプ(426)は、消毒剤(92)を含み得る、槽(14a)内の放出された流体を、水ポンプ(426)に引き寄せるように動作可能である。この点に関して、本バージョンの水ポンプ(426)は、消毒剤ポンプ(412)よりも高い流量で内部チャネル(420)に流体を導くように構成することができ、その結果、水ポンプ(426)は、消毒剤ポンプ(412)よりも流体を再循環させるのに適していることが理解されよう。本バージョンでは、水ポンプ(426)が起動して、放出された流体、例えば消毒剤(92)、またオプションとして新たな容積の水を、フローセンサ(427)、逆止弁(428)を通じて内部チャネル(420)内にポンピングすると、放出された流体は、再処理システム(410)を通ってリサイクルされる。例えば、槽(14a)が内部チャネル(420)から最近放出された以前に使用された消毒剤(92)を保持した状態で、槽(14a)は、以前に使用された消毒剤(92)を、再利用のために、フラッシュライン(444)を通じて水ポンプ(426)に移送するように動作可能である。この場合、水ポンプ(426)は、追加の消毒サイクルのために、以前に使用された消毒剤(92)および任意の新しい水を内部チャネル(420)内にポンピングするように構成される。同時に、消毒剤ポンプ(412)は、混合および送達のために、消毒剤貯蔵部(411)から新しい容量の消毒剤(92)を得るように構成され得、以前に使用された消毒剤(92)は、水ポンプ(426)によって槽(14a)から内部チャネル(420)に送達される。図示されていないが、例示的な代替構成において、消毒剤ポンプ(412)は、槽(14a)から受け取った消毒剤(92)を再循環させるように適切に構成することができる。そのような場合、消毒剤ポンプ(412)は、以下に説明する弁(450)に類似した比例弁を含み得る、フラッシュライン(444)に類似したフラッシュラインを介して槽(14a)と流体接続することができる。
【0079】
図6に見られるように、再処理システム(410)は、消毒剤貯蔵部(411)と消毒剤ポンプ(412)との間で一直線になった第1の可変弁(448)(「比例弁」とも呼ばれる)と、槽(14a)と水ポンプ(426)との間の第2の可変弁(450)(または「比例弁」)と、を含む。再処理システム(410)は、可変弁(448、450)を選択的に開閉して、消毒剤貯蔵部(411)から消毒剤(92)を引き出し、槽(14a)から流体を別々にまたは同時にそれぞれ引き寄せるように動作可能である。例えば、第1の可変弁(448)が開状態であり、第2の可変弁(450)が閉状態である場合、消毒剤ポンプ(412)は、消毒剤貯蔵部(411)から新鮮な消毒剤(92)を引き出し、水ポンプ(426)は、槽(14a)から流体を引き出さずに給水部(425)から水を引き出す。第1の可変弁(448)が閉状態であり、第2の可変弁(450)が開状態である場合、水ポンプ(426)は、リサイクルされた消毒剤(92)を含む、流体を槽(14a)から引き出し、消毒剤ポンプ(412)は、消毒剤貯蔵部(411)から新鮮な消毒剤(92)を引き出さない。
【0080】
いくつかのバージョンでは、再処理システム(410)は、可変弁(448、450)を同時に開いたまま維持するように構成される。この場合、フラッシュ弁(446)とは異なり、可変弁(448、450)は、選択的に調節されるように構成された可変オリフィスを含む。再処理システム(410)は、可変弁(448、450)のオリフィスのサイズを調節し、それによって、消毒剤ポンプ(412)により消毒剤貯蔵部(411)から引き出される消毒剤(92)の量と、水ポンプ(426)により槽(14a)から引き出される、放出された流体の量と、を選択的に制御するように構成される。この場合、再処理システム(410)は、可変弁(448、450)の開口寸法を協働して操作し、それによって、その後の消毒サイクル中に、様々な投与量および/または濃度の消毒剤(92)を内部チャネル(410)に送達するように動作可能である。図示されていないが、再処理システム(410)が単一のポンプ組立体を含むことができ、その結果、同じポンプ組立体が洗剤(86)、水、加圧空気、および消毒剤(92)を送達するように構成されることを理解されたい。この場合、再処理システム(410)は、一連のフラッシュ弁(446)を選択的に開閉して、単一のポンプ組立体を用いて種々の物質を個別に送達するように構成される。
【0081】
図7は、内視鏡(400)の内部チャネル(420)の所定の数の充填およびパージサイクルを実行するために再処理システム(410)によって使用され得る例示的な再処理方法(480)のステップを示す流れ図を示す。ステップ(482)では、再処理システム(410)は、洗剤ポンプ(412)を起動して洗剤溶液(86)をフラッシュライン(444)を介して内視鏡(400)に送達する。再処理システム(410)は、内部チャネル(420)を通じて洗剤(86)を所定の流量で送達するように構成される。ステップ(484)において、洗剤(86)が洗剤貯蔵部(415)から内視鏡(400)に移送されると、フローセンサ(417)は、洗剤ポンプ(416)が洗剤(86)を内部チャネル(420)に向けて能動的にポンピングする際の流れの経過時間を測定する。再処理システム(410)は、流れの経過時間が洗剤送達のための所定の時間閾値に等しいときに、洗剤ポンプ(416)の動作を停止する。続いて、ステップ(486)において、再処理システム(410)は、水ポンプ(426)を起動して、フラッシュライン(444)を介して内部チャネル(420)を通じて内視鏡(400)に水を送達し、それによって、任意の残留する洗剤(86)を内部チャネル(420)からすすいで槽(14a)に入れる。この場合、フローセンサ(427)は、水ポンプ(426)が内部チャネル(420)に向けて水を能動的にポンピングする際の流れの経過時間を測定する。再処理システム(410)は、流れの経過時間がすすぎのための所定の時間閾値に等しいとき、水ポンプ(426)の動作を停止する。他の実施例では、再処理システム(410)は、それぞれのフローセンサ(417、427)が所定の流量のそれぞれの流体を観測したときに、ポンプ(416、426)および/またはフラッシュ弁(446)を制御して、内部チャネル(420)への洗剤および水の流れを停止することができる。
【0082】
ステップ(488)において、再処理システム(410)は、空気ポンプ(422)を起動して、加圧空気を空気供給システム(421)からフィルタ(423)を通じて内視鏡(400)内に送る。空気の流れは内部チャネル(420)を通過し、それによって内部チャネル(420)から、その中に収容された任意の残留洗剤(86)または水をパージする。空気ポンプ(422)は、所定の流れ持続時間が経過して、再処理システム(410)が空気ポンプ(422)の動作を停止する信号を送るまで、内部チャネル(420)を通じて加圧空気を流し続ける。再処理システム(410)は、流れの経過時間が空気パージの所定の時間閾値に達すると、空気ポンプ(422)を停止させる。ステップ(490)では、空気ポンプ(422)が停止中の状態で、消毒剤ポンプ(412)が、高濃縮消毒剤(92)を内視鏡(400)の内部チャネル(420)に同時にポンピングし始める。
【0083】
再処理システム(410)は、消毒剤貯蔵部(411)から内視鏡(400)に移された消毒剤(92)の容量を監視し、ステップ(492)で見られるように、送達された容量が所定の閾値に実質的に等しいとき、消毒剤ポンプ(412)の動作を停止する。再処理システム(410)は、消毒剤ポンプ(412)の停止と同時に全てのフラッシュ弁(446)を閉じる。この場合、ステップ(494)に見られるように、再処理システム(410)は、内視鏡(400)の内部チャネル(420)が高濃縮消毒剤(92)を最小滞留時間にわたり貯蔵したかどうかを評価する。単なる例示的な例として、所定の滞留時間は、約10秒~30秒の範囲であり得る。図示されていないが、いくつかのバージョンでは、再処理システム(410)は、高濃縮消毒剤(92)を最小滞留時間にわたり内部チャネル(420)に保持するのを差し控え得ることを理解されたい。代わりに、フラッシュ弁(446)は、消毒剤ポンプ(412)の停止の後、開いたままであってもよく、再処理システム(410)は、上記のように順次、水ポンプ(526)および空気ポンプ(422)をそれぞれ起動させ得る。
【0084】
ステップ(496)では、再処理システム(410)が、内部チャネル(420)が最小滞留時間にわたり消毒剤(92)を維持していると判断すると、フラッシュ弁(446)が再び開かれ、空気ポンプ(422)が再び起動される。この場合、加圧空気が内部チャネル(420)を通って流れ、それによって内視鏡(400)から消毒剤(92)をパージする。他のバージョンでは、消毒剤(92)をパージするために、水が内部チャネル(420)を通って導かれ得る。内部チャネル(420)内から槽(14a)内に放出されている消毒剤(92)の流量は、加圧空気(または水)の流れによって増加し、それによってバイオバーデン除去を強化する。ステップ(497)では、消毒剤(92)が槽(14a)内に放出され、その中に収容された状態で、再処理システム(410)は、消毒サイクルを規定する上述の充填およびパージプロセスが所定の「n」回実行されたかどうかを判定する。ほんの一例として、所定のn回は、2回、3回、4回、5回、6回、または7回以上であってもよい。例えば、いくつかのバージョンでは、「n」回は、16回~33回、またはそれ以上の範囲であり得る。追加の充填およびパージ消毒サイクルがまだ完了していないと再処理システム(410)が判断すると、再処理システム(410)は、ステップ(498)に見られるように、以前に使用された消毒剤(92)を、次のサイクルにおける次の使用のために、槽(14a)から水ポンプ(426)に移送する。
【0085】
この場合、再処理システム(410)は、再処理システム(410)が、完了すべき追加の消毒サイクルが残っていないと判定するまで、ステップ(490)~ステップ(497)を実行し続ける。換言すれば、再処理方法(480)は、再処理システム(410)が充填およびパージ消毒サイクルを所定の「n」回実行したときに消毒段階を終了するためにステップ(499)に進む。
【0086】
再処理方法(480)の消毒段階は、ステップ(490)~ステップ(497)をそれぞれが含む所定の数「n」の消毒サイクル(すなわち、上述したような、ある種の充填およびパージサイクル)にわたり反復可能であるものとして示され、上述されているが、再処理方法(480)の他の段階も、それぞれの所定の数の充填およびパージサイクルにわたって反復可能であることが理解されよう。例えば、ステップ(482)~ステップ(486)によって定義される方法(480)の洗浄およびすすぎ段階は、それぞれが充填およびパージサイクルである、それぞれの所定の数のサイクルにわたり、反復されてもよい。
【0087】
B.濃縮された消毒剤を使用した医療装置再処理器械および方法
先に述べたように、ある場合には、内視鏡(200)は、十二指腸鏡のように、ケーブルまたはワイヤが中に配置されたエレベータチャネルを含んでもよい。十二指腸鏡のエレベータチャネル内に収容されるケーブルは、バイオバーデン、水、粒子、および他の物質を間に収容することができる様々なギャップおよび間隙を有する撚られたケーブルの形態であってもよい。さらに、撚られたケーブルまたはワイヤの表面張力により、消毒剤がエレベータチャネル内に送達された後でさえ、水および他の粒子がギャップおよび隙間内に残る可能性がある。エレベータチャネル内に収容される残りの水または他の物質は、その後消毒のためにエレベータチャネル内に送達されるあらゆる消毒剤を希釈する傾向があり、それによって、内部チャネルのバイオバーデンレベルを低減するプロセスをより困難にする。さらに、エレベータチャネル内のケーブルまたはワイヤの存在は、ケーブルまたはワイヤがエレベータチャネルを通って流れることができる消毒剤の容量を著しく制限するので、追加の制限を生じる。
【0088】
最終的には、エレベータチャネルの直径が小さく、そこに収容されるケーブルまたはワイヤが存在するので、内視鏡(200)内のバイオバーデンレベルを低減させるという課題が、有意に増大する。上述の再処理システム(410)および再処理方法(480)と同様の再処理システムおよび方法を提供することは、繰り返しのクリーニングサイクルを通して内視鏡の内部チャネルを適切に消毒するために望ましいであろう。しかしながら、ケーブルまたはワイヤが収容されているエレベータチャネルを再処理することの困難性が高まると、再処理システムおよび方法は、各サイクル中に消毒剤濃縮物を利用することが望ましい場合がある。この場合、以前に使用された消毒剤は、十二指腸鏡のエレベータチャネル内のバイオバーデン低減効果を十分に高めるために、消毒剤の濃度が各繰り返しサイクルで相対的に高くなることを確実にするため、再処理システムを通ってリサイクルされない。
【0089】
内視鏡の内部構成要素を消毒するための系統的なアプローチを提供することは、どの場合も適切な程度のバイオバーデン低減が達成されることを保証するために有益となり得る。以下の説明は、各サイクルで濃縮された消毒剤を用いた繰り返しのクリーニングサイクルを通して内視鏡(200)の内部チャネルを十分に消毒するように構成された再処理システムおよび方法の様々な実施例を提供する。以下に記載される再処理方法は、様々な再処理システム(2、310、310’、410)のいずれか、および上述の様々な内視鏡(200)のいずれかに容易に組み込まれ得ることを理解されたい。後述する再処理方法が使用され得る他の適切な方法は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであろう。
【0090】
図8は、消毒剤貯蔵部(511)、洗剤貯蔵部(515)、空気供給システム(521)、および水道(525)を含む例示的な再処理システム(510)のブロック概略図を示す。以下に別様に記載される点を除き、再処理システム(510)、消毒剤貯蔵部(511)、洗剤貯蔵部(515)、空気供給システム(521)、および貯水器(525)は、それぞれ上述した再処理システム(2、310、310’、410)、消毒剤貯蔵部(92、360、411)、消毒剤貯蔵部(86、415)、空気供給システム(36、421)、および水道(50、425)と同様に構成され、かつ動作可能である。内視鏡(500)の内部チャネル(520)は、フラッシュライン(544)を介して、消毒剤貯蔵部(411)、洗剤貯蔵部(515)、空気供給システム(521)および貯水器(525)と流体連通している。再処理システム(510)は、消毒剤溶液(92)、洗剤溶液(86)、空気および水を内視鏡(500)の内部チャネル(520)に個別に連続して送達するように動作可能である。1つの内視鏡(500)のみが再処理システム(510)において再処理されるものとして示されているが、再処理システム(510)は、複数の内視鏡(500)を同時にかつ/または順次、再処理可能とし得ることを理解されたい。
【0091】
フラッシュライン(544)は、再処理システム(510)に動作可能に接続された、各チャネル(520)のためのフラッシュ弁(546)を含む。フラッシュ弁(546)は、消毒剤貯蔵部(511)、洗剤貯蔵部(515)、空気供給システム(521)、および貯水器(525)の下流に配置される。本実施例では、消毒剤貯蔵部(511)は、消毒剤ポンプ(512)、フローセンサ(513)、および逆止弁(514)と順に流体連通しており、消毒剤ポンプ(512)は、フラッシュライン(544)を介して、消毒剤貯蔵部(511)からフローセンサ(513)へ、また、逆止弁(514)を通じて消毒剤(92)を移送するように構成される。この場合、消毒剤溶液(92)は、内部チャネル(520)内で十分なバイオバーデン低減を提供することができる高濃縮消毒剤または滅菌剤である。
【0092】
フローセンサ(513)は、消毒剤ポンプ(512)から内視鏡(500)の内部チャネル(520)に送達される、濃縮された消毒剤(92)の流れを監視するように動作可能である。再処理システム(510)の制御システム(20)は、制御アルゴリズム(
図9参照)を実行して、内視鏡(500)と流体接続されているフラッシュ弁(546)を開き、フローセンサ(513)によって監視されたデータを取り込むように構成される。制御システム(20)は、内部チャネル(520)が十分な量の消毒剤(92)を受け取ったことをデータが示す場合、フラッシュ弁(546)を閉じることによって、消毒剤ポンプ(512)と内視鏡(500)との間の流体連通を終了させるように動作可能である。
【0093】
同様に、洗剤貯蔵部(515)は、洗剤ポンプ(516)、フローセンサ(517)、および逆止弁(518)と順に流体連通しており、洗剤ポンプ(516)は、フラッシュライン(544)を介して、フローセンサ(517)に、また、逆止弁(518)を通じて洗剤溶液(86)を移送するように構成される。フローセンサ(517)は、洗剤(86)が洗剤ポンプ(516)から内視鏡(500)の内部チャネル(520)に送達されるときの経過時間を監視するように動作可能である。換言すれば、再処理システム(510)は、フローセンサ(517)によって監視される経過時間が、内視鏡(500)に洗剤(86)を送達するための所定の時間閾値を満たしたら、フラッシュ弁(546)を閉じることによって、洗剤ポンプ(516)とフラッシュ弁(546)との間の流体連通を終了させるように構成される。代替的に、または関連して、再処理システム(510)は、内部チャネル(520)に洗剤(86)をポンピングする洗剤ポンプ(516)の動作を停止するように構成される。いずれの場合も、再処理システム(510)は、フローセンサ(517)によって感知されるように、内部チャネル(520)が十分な量の洗剤(86)をその中に受け取ったとき、フラッシュ弁(546)を閉じるように構成される。
【0094】
空気供給システム(521)は、空気ポンプ(522)、フィルタ(523)および逆止弁(524)と連通している。空気ポンプ(522)は、加圧空気を空気供給システム(521)からフィルタ(523)および逆止弁(524)を通して押し出し、それによって空気の流れを、内視鏡(500)の内部チャネル(520)内へ、かつ内部チャネルを通して送達するように構成される。フィルタ(523)は、空気供給システム(521)から抽出された、入ってくる空気流から微生物を濾過して除去するように動作可能である。いくつかの例示的な実施例では、フィルタ(523)は、HEPA微生物除去フィルタを含む。いくつかのバージョンでは、再処理システム(510)は、空気ポンプ(522)および逆止弁(524)と連通するフィルタ(523)を除外してもよい。貯水器(525)は、水ポンプ(526)、フローセンサ(527)、および逆止弁(528)と流体連通している。水ポンプ(526)は、フラッシュライン(544)を介して、貯水器(525)からフローセンサ(527)に、また、逆止弁(528)を通じて水をポンピングするように構成されている。
【0095】
再処理システム(510)は、フラッシュ弁(546)を開き、水ポンプ(526)から内視鏡(500)の内部チャネル(520)に送達される水の量を測定するように動作可能である。フローセンサ(527)は、内部チャネル(520)に送達される水の量を監視するように動作可能である。この場合、再処理システム(510)は、内部チャネル(520)が十分な量の水を受け取ったときにフラッシュ弁(546)を閉じるように構成される。再処理システム(510)は、フラッシュライン(544)を介して内視鏡(500)の内部チャネル(520)と流体連通する槽(14a)をさらに含む。槽(14a)は、内部チャネル(520)から放出された任意の流体または空気を受け取るように動作可能である。前述したように、図示していないが、再処理システム(510)は単一のポンプ組立体を含むことができ、その結果、同じポンプが洗剤(86)、水、加圧空気、および濃縮された洗剤(92)を送達するように構成されることを理解されたい。この場合、再処理システム(510)は、一連のフラッシュ弁(546)を選択的に開閉して、単一のポンプ組立体を用いて様々な物質を個別に送達するように構成される。
【0096】
図9は、内視鏡(500)の内部チャネル(520)の所定の数の充填およびパージ消毒サイクルを実行するために再処理システム(510)によって使用され得る例示的な再処理方法(580)のステップを示す流れ図を示す。ステップ(582)では、再処理システム(510)は、洗剤ポンプ(512)を起動してフラッシュライン(544)を介して洗剤溶液(86)を内視鏡(500)に送達する。再処理システム(510)は、内部チャネル(520)を通じて洗剤(86)を所定の流量で送達するように構成される。ステップ(584)では、洗剤(86)が洗剤貯蔵部(515)から内視鏡(500)に移送されると、フローセンサ(517)は、洗剤ポンプ(516)が洗剤(86)を内部チャネル(520)に向けて能動的にポンピングする際の流れの経過時間を測定する。再処理システム(510)は、流れの経過時間が洗剤送達のための所定の時間閾値に等しくなると、洗剤ポンプ(516)の動作を停止する。続いて、ステップ(586)では、再処理システム(510)は、水ポンプ(526)を起動して、フラッシュライン(544)を介して内部チャネル(520)を通じて内視鏡(500)に水を送達し、それによって、任意の残留する洗剤(86)を内部チャネル(520)からすすいで槽(14a)に入れる。この場合、フローセンサ(527)は、水ポンプ(526)が水を内部チャネル(520)内にポンピングする際の流れの経過時間を測定する。再処理システム(510)は、流れの経過時間がすすぎのための所定の時間閾値に等しくなると、水ポンプ(526)の動作を停止する。
【0097】
ステップ(588)では、再処理システム(510)は、空気ポンプ(522)を起動して、加圧空気を空気供給システム(521)からフィルタ(523)を通じて内視鏡(500)内に送る。空気の流れは内部チャネル(520)を通過し、それによって内部チャネル(520)から、そこに収容された任意の残留洗剤(86)または水をパージする。空気ポンプ(522)は、所定の流れ持続時間が経過して、再処理システム(510)が空気ポンプ(522)の動作を停止する信号を送るまで、内部チャネル(520)を通じて加圧空気を流し続ける。再処理システム(510)は、流れの経過時間が空気パージのための所定の時間閾値に達すると、空気ポンプ(522)を停止させる。ステップ(590)では、空気ポンプ(522)が停止中の状態で、消毒剤ポンプ(512)が、高濃縮消毒剤(92)を内視鏡(500)の内部チャネル(520)に同時にポンピングし始める。再処理システム(510)は、消毒剤貯蔵部(511)から内視鏡(500)に移された消毒剤(92)の容量を監視し、ステップ(592)で見られるように、送達された容量が所定の閾値に実質的に等しくなると、消毒剤ポンプ(512)の動作を停止する。再処理システム(510)は、消毒剤ポンプ(512)の停止と同時に全てのフラッシュ弁(546)を閉じる。この場合、ステップ(594)に見られるように、再処理システム(510)は、内視鏡(500)の内部チャネル(520)が高濃縮消毒剤(92)を最小滞留時間にわたり貯蔵したかどうかを評価する。単なる例示的な例として、所定の滞留時間は、約10秒~30秒の範囲であり得る。図示されていないが、いくつかのバージョンでは、再処理システム(510)は、高濃縮消毒剤(92)を最小滞留時間にわたり内部チャネル(520)に保持するのを差し控え得ることを理解されたい。代わりに、フラッシュ弁(546)は、消毒剤ポンプ(512)の停止後、開いたままであってもよく、再処理システム(510)は、上記のように順次、水ポンプ(526)および空気ポンプ(522)をそれぞれ起動させ得る。
【0098】
ステップ(596)では、再処理システム(510)が、内部チャネル(520)が最小滞留時間にわたり消毒剤(92)を維持していると判断すると、フラッシュ弁(546)が再び開かれ、空気ポンプ(522)が再び起動される。この場合、加圧空気が内部チャネル(520)を通って流れ、それによって内視鏡(500)から消毒剤(92)をパージする。内部チャネル(520)内から槽(14a)内に放出されている消毒剤(92)の流量は、加圧空気の流れによって増加し、それによってバイオバーデン除去を強化する。ステップ(598)では、消毒剤(92)が槽(14a)内に放出され、その中に収容された状態で、再処理システム(510)は、上述の充填およびパージ消毒サイクルが所定の「n」回実行されたかどうかを判定する。追加の充填およびパージ消毒サイクルがまだ完了していないと再処理システム(510)が判断すると、再処理システム(510)は、完了すべき追加の充填およびパージ消毒サイクルが残っていないと再処理システム(510)が判定するまで、ステップ(590)~ステップ(598)を実行し続ける。換言すれば、再処理方法(580)は、再処理システム(510)が充填およびパージ消毒サイクルを所定の「n」回実行したときに消毒状態を終了するためにステップ(599)に進む。
【0099】
V.センサフィードバックに基づいて医療装置の内部チャネルを充填およびパージする例示的方法
上述のように、洗剤および消毒剤などの様々な液体を、医療装置の内部チャネルを通して強制的に導くことは、チャネル内のバイオバーデンレベルを低下させるのに一般的に効果的である。特に、これらの液体は、局所的なバイオバーデンに対して破壊的な影響を有する剪断応力を、チャネルの内壁に及ぼす。液体が空のチャネルに入ると、液体の流量が高くなり、それに比例して、液体によりチャネル壁に及ぼされる、関連する剪断応力が高くなる。チャネルが充填状態に近づくと、チャネル内の背圧が増加し、液体流量および関連する剪断応力が減少する。水または加圧空気が、充填されたチャネルに注入されて液体をパージすると、チャネル内の液体の容量が減少するにつれて、液体流量および関連する剪断応力が増加する。したがって、再処理再処置中にチャネル内の剪断応力および結果として生じるバイオバーデン低減を最大にするために、各充填およびパージサイクルを可能な限り迅速に完了することが望ましい場合がある。以下に記載される例示的な要素および方法は、チャネル壁に及ぼされる剪断応力を最大にするようにチャネルの充填およびパージを制御することによって、医療装置の内部チャネル内における最適なバイオバーデン低減効果を促進する。
【0100】
A.流量センサからのフィードバックに基づく装置の内部チャネルの充填およびパージ
図10は、別の例示的な再処理システム(700)の一部に接続された内視鏡(200)の近位部分を示す。再処理システム(700)は、以下に別様に記載される点を除いて、上述の再処理システム(2、310、410、510)と同様である。本実施例の再処理システム(700)は、例えば
図15および
図16の再処理システム(1000、1100)に関連して後述するように、三方弁または一対の二方弁の形態であってよい多方フラッシュ弁ユニット(702)を含む。フラッシュ弁ユニット(702)の第1の入口は液体充填ライン(704)に連結され、フラッシュ弁ユニット(702)の第2の入口は空気パージライン(705)に連結され、フラッシュ弁ユニット(702)の出口はフラッシュライン(706)に連結される。本実施例では、フラッシュライン(706)が、接続部(232)を介して生検チャネル(218)と流体連結されて示されているが、フラッシュライン(706)が、他の実施例では、内視鏡(200)の様々な他の内部チャネル(210、212、213、214、217)と流体連結されてもよいことが理解されよう。さらに、再処理システム(700)は、複数のフラッシュライン(706)およびそれぞれの多方フラッシュ弁ユニット(702)を含むことができ、これらはそれぞれ、内視鏡(200)のそれぞれの内部チャネル(210、212、213、214、217、218)と流体連結するように構成されている。
【0101】
再処理システム(700)の液体充填ライン(704)は、洗剤または消毒剤などの充填液をフラッシュ弁ユニット(702)に送達するように構成され、フラッシュ弁ユニット(702)は、次に、フラッシュライン(706)を介して充填液を内部チャネル(210、212、213、214、217、218)に導くように動作可能である。空気パージライン(705)は、圧縮空気をフラッシュ弁ユニット(702)に送達するように構成され、フラッシュ弁ユニットは、次に、フラッシュライン(706)を介して圧縮空気を内部チャネル(210、212、213、214、217、218)に導くように動作可能である。いくつかのバージョンでは、フラッシュ弁ユニット(702)は、水のような液体をフラッシュ弁ユニット(702)に送達するように構成された液体すすぎライン(不図示)に連結された第3の入口を含むことができ、次いで、この第3の入口は、次に、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)をすすぐために、フラッシュライン(706)を通して液体を導く。
【0102】
フラッシュ弁ユニット(702)は、フラッシュ弁ユニット(702)が、再処理システム(700)の種々の流体源(不図示)から内視鏡(200)の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)へ流体を導くために、システム(2)のコントローラ(20)と類似し得るコントローラ(不図示)によって選択的に動作可能であるという点で、上述のフラッシュ弁(446)と類似している。例えば、コントローラはフラッシュ弁ユニット(702)を選択的に動作させて、洗剤、水、または消毒剤などの1つ以上の液体を、フラッシュライン(706)を通じて内部チャネル(210、212、213、214、217、218)内に導くことができる。コントローラは、さらに、フラッシュ弁(702)を動作させて、圧縮空気を空気パージライン(705)からフラッシュライン(706)を通じて内部チャネル(210、212、213、214、217、218)内に導くことができる。したがって、本明細書で使用される「流体」は、液体と気体の両方を包含する。
【0103】
図10に示すように、再処理システム(700)は、フラッシュ弁ユニット(702)の下流でフラッシュライン(706)と連結された流量センサ(708)をさらに含む。流量センサ(708)は、フラッシュライン(706)内に直接配置されてもよく、または別様に、フラッシュライン(706)と流体連通するように配置されてもよい。他のバージョンでは、流量センサ(708)は、フラッシュ弁ユニット(702)の上流で液体充填ライン(704)と連結されてもよい。このような構成は、場合によっては、流量センサ(708)が、空気パージライン(705)からフラッシュライン(706)を通って導かれる圧縮空気にさらされることを回避するために望ましくなり得る。以下により詳細に説明するように、流量センサ(708)は、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)内に導かれている液体の流量を測定し、測定した流量をシステムコントローラに伝達するように動作可能である。
【0104】
図13は、内視鏡(200)の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)のいずれか1つ以上のような、医療装置の内部チャネルを再処理するために上述の再処理システム(700)を使用する例示的な方法(710)のステップを示す流れ図を示す。後述するように、流量センサ(708)によって提供される液体流量データは、システムコントローラによって参照されて、それぞれの内部チャネル(210、212、213、214、217、218)について最適な充填時間および最適なパージ時間を自動的に決定して、充填およびパージサイクル中にチャネル(210、212、213、214、217、218)内の剪断応力および結果として生じるバイオバーデン低減効果を最大にする。
【0105】
それぞれの流量センサ(708)をそれぞれが有する複数のフラッシュライン(702)を含む再処理システム(700)のバージョンでは、流量センサ(708)は、独立してシステムコントローラと通信することができ、コントローラは、それぞれの内部チャネル(210、212、213、214、217、218)のそれぞれについて最適な充填時間およびパージ時間を自動的に決定し得る。これは、チャネル(210、212、213、214、217、218)が充填およびパージサイクルの充填ステップ中に種々の容量の液体を受け入れるように、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)が異なる直径で形成される用途に特に有利であり得る。
【0106】
図13に示すように、方法(710)は、再処理システム(700)の液体ポンプを起動し、フラッシュ弁ユニット(702)を作動させて、フラッシュライン(706)を通じて内部チャネル(210、212、213、214、217、218)内に液体を送達する初期ステップ(712)を含む。液体は、水、洗剤、消毒剤/滅菌剤、または本明細書の教示に照らして当業者には容易に明らかである種々の他の適切な再処理液体の形態であってよい。さらに、液体ポンプは、上述した再処理システム(2、310、410、510、610)の液体ポンプのいずれとも類似していてもよい。ステップ(714)では、再処理システムコントローラは、流量センサ(708)によって提供される測定を介して、フラッシュライン(706)、または流量センサ(708)が連結される別の流体ラインを液体が通過する際の液体流量の監視を開始する。チャネル充填プロセスを通して、コントローラは、ステップ(716)で、フラッシュライン(706)内の測定された液体流量が、定常状態で安定する点まで減少したかどうかを評価し、それによって、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)が液体を完全に充填されていることを示す。具体的には、コントローラは、流量センサ(708)によって検出された測定流量を、液体および充填状態のチャネル(210、212、213、214、217、218)と関連付けられた所定の流量と比較する。
【0107】
流量センサ(708)によってフラッシュライン(706)内で測定される流量は、第1の流量で開始し、チャネル(210、212、213、214、217、218)が液体を充填されるにつれて減少してもよいことが理解されるであろう。チャネル(210、212、213、214、217、218)が充填されると、フラッシュライン(706)内の流量は、減少した第2の流量で安定する。例えば、一実施例では、液体流量は、フラッシュ弁ユニット(702)が最初に作動された際、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)に液体が最初に入ると毎分約100mLで開始し、次いで、フラッシュ弁ユニット(702)の作動から測定された約2秒の充填時間後に、毎分約50mLの定常状態の流量で安定することができる。液体流量がまだ定常状態の流量に達していないとコントローラが判断し、よって、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)が液体をまだ完全に充填されていないことを示す場合、コントローラは、ステップ(712)~(716)を繰り返すことによって、液体ポンプに動力を与え続け、液体を内部チャネル(210、212、213、214、217、218)に送達する。ステップ(716)において、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)内の液体が定常状態の流量に達したことをコントローラが識別すると、コントローラは、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)が完全に充填されたと判断する。ステップ(718)では、コントローラは、チャネル(210、212、213、214、217、218)を液体で充填するためにフラッシュ弁ユニット(702)の最初の作動以降に液体ポンプが動作していた時間(「充填時間」)を記録する。同時に、コントローラは、フラッシュ弁ユニット(702)を作動させ、オプションとして液体ポンプを停止させて、以下に説明するように、チャネル充填を停止し、チャネルパージを開始することができる。
【0108】
システムコントローラは、上述した再処理システム(2、310、410、510、610)の空気ポンプのいずれかと類似していてもよい空気ポンプを起動させ、フラッシュ弁ユニット(702)を作動させてフラッシュライン(706)を通じて内部チャネル(210、212、213、214、217、218)内に加圧空気を送達することによって、ステップ(720)で、チャネル(210、212、213、214、217、218)のパージを開始する。一方、システムコントローラは、流量センサ(708)によって提供される測定を介して、ステップ(722)でフラッシュライン(706)内の液体流量を監視し続ける。ステップ(724)において、測定された液体流量が、パージステップ(720)の開始時に測定された開始液体流量(例えば、上述した定常状態流量)に比べて減少したことを検出すると、コントローラは、チャネル(210、212、213、214、217、218)のパージが完了したと判断する。この点に関して、当業者は、フラッシュライン(706)を通過する加圧空気は液体よりもはるかに密度が低く、チャネル(210、212、213、214、217、218)が、フラッシュライン(706)内で流量センサ(708)によって主に空気のみが通過する点までパージされるときに、流量センサ(708)が液体流量の低下を記録することを理解するであろう。いくつかのバージョンでは、コントローラは、測定流量が、チャネル(210、212、213、214、217、218)の適切にパージされた状態に対応する所定の流量以下になったら、チャネル(210、212、213、214、217、218)のパージが完了したと判断することができる。内部チャネル(210、212、213、214、217、218)から液体が十分にパージされたと判断すると、システムコントローラは、フラッシュ弁ユニット(702)を作動させ、オプションとして空気ポンプを停止させることによって、パージを停止する。同時に、コントローラは、ステップ(726)に進み、フラッシュ弁ユニット(702)が作動して加圧空気によるチャネル(210、212、213、214、217、218)のパージを開始してから空気ポンプが動作した時間(「パージ時間」)を記録する。
【0109】
ステップ(728)で、コントローラは、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)の所定の量(「n」)の充填およびパージサイクルが完了しているかどうかを評価する。所定の量が完了していない場合、システム(700)はステップ(730)に進み、フラッシュ弁ユニット(702)を作動させ、また、オプションとして、以前に停止されていた場合には液体ポンプを再び起動させて、充填時間にわたり、フラッシュライン(706)を通じてチャネル(210、212、213、214、217、218)に液体を送達する。ステップ(730)で充填時間が満了した直後、コントローラは、フラッシュ弁ユニット(702)を作動させて、液体充填を停止し、ステップ(732)において内部チャネル(210、212、213、214、217、218)の加圧空気パージを開始する。このステップは、ある場合には、オプションとして、液体ポンプを停止させ、空気ポンプを再び起動することを含むことができる。ステップ(732)の間、システム(700)は、パージ時間にわたり、加圧空気を内部チャネル(210、212、213、214、217、218)内に導き、チャネル(210、212、213、214、217、218)から液体をパージする。いくつかのバージョンでは、システム(700)は、その代わりに、充填時間にわたり、加圧空気をチャネル(210、212、213、214、217、218)内に導くことができる。
【0110】
ステップ(732)の完了直後に、またはステップ(732)を完了させる間に、コントローラはステップ(728)を繰り返して、所定の量の充填およびパージサイクルが完了したかどうかを判定する。所定の量がまだ完了していない場合には、コントローラは、所定の量のサイクルが完了するまで、必要な回数だけステップ(730)、(732)、(728)を順次繰り返す。そして、コントローラは、ステップ(734)に進み、充填およびパージプロセスを終了する。
【0111】
上述のように、方法(710)は、内視鏡(200)の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)のそれぞれなど、医療装置の内部チャネルのそれぞれに対して独立して実施されてもよい。
【0112】
B.圧力センサからのフィードバックに基づく装置の内部チャネルの充填およびパージ
図11は、別の例示的な再処理システム(800)の一部に接続された内視鏡(200)の近位部分を示す。再処理システム(800)は、以下に別様に記載する点を除いて、上述の再処理システム(700)と同様である。再処理システム(700)と同様に、再処理システム(800)は、液体充填ライン(804)に連結された第1の入口と、空気パージライン(705)に連結された第2の入口と、フラッシュライン(806)に連結された出口と、を有する多方フラッシュ弁ユニット(802)を含む。本実施例では、フラッシュライン(806)が、接続部(232)を介して生検チャネル(218)と流体連結されて示されているが、フラッシュライン(806)が、他の実施例では、内視鏡(200)の様々な他の内部チャネル(210、212、213、214、217)と流体連結されてもよいことが理解されよう。さらに、再処理システム(800)は、複数のフラッシュライン(806)およびそれぞれの多方フラッシュ弁ユニット(802)を含むことができ、これらはそれぞれ、内視鏡(200)のそれぞれの内部チャネル(210、212、213、214、217、218)と流体連結するように構成される。
【0113】
再処理システム(800)は、再処理システム(700)の流量センサ(708)の代わりに圧力センサ(808)を含む。本バージョンでは、圧力センサ(808)は、フラッシュ弁ユニット(802)の下流でフラッシュライン(806)と連結される。他のバージョンでは、圧力センサ(808)は、フラッシュ弁ユニット(802)の上流で液体充填ライン(804)と連結されてもよい。以下により詳細に説明するように、圧力センサ(808)は、再処理システム(800)の動作中にフラッシュライン(806)内の圧力を測定し、測定された圧力をシステム(800)のコントローラに伝達するように動作可能である。
【0114】
図14は、内視鏡(200)の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)のいずれか1つ以上のような、医療装置の内部チャネルを再処理するために、上述の再処理システム(800)を使用するための例示的な方法(810)のステップを示す流れ図を示す。後述するように、圧力センサ(808)によって提供される圧力データは、システムコントローラによって参照されて、それぞれの内部チャネル(210、212、213、214、217、218)について最適な充填時間および最適なパージ時間を自動的に決定して、充填およびパージサイクル中にチャネル(210、212、213、214、217、218)内の剪断応力および結果として生じるバイオバーデン低減効果を最大にする。
【0115】
それぞれの流量センサ(808)をそれぞれが有する複数のフラッシュライン(802)を含む再処理システム(800)のバージョンでは、流量センサ(808)は、独立してシステムコントローラと通信することができ、コントローラは、それぞれの内部チャネル(210、212、213、214、217、218)のそれぞれについて最適な充填時間およびパージ時間を自動的に決定し得る。これは、チャネル(210、212、213、214、217、218)が充填およびパージサイクルの充填ステップ中に種々の容量の液体を受け入れるように、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)が異なる直径で形成される用途に特に有利であり得る。
【0116】
図14に示すように、方法(810)は、再処理システム(800)の液体ポンプを起動し、フラッシュ弁ユニット(802)を作動させて、フラッシュライン(806)を通じて内部チャネル(210、212、213、214、217、218)内に液体を送達する初期ステップ(812)を含む。液体は、水、洗剤、消毒剤/滅菌剤、または本明細書の教示に照らして当業者には容易に明らかである種々の他の適切な再処理液体の形態であってよい。さらに、液体ポンプは、上述した再処理システム(2、310、410、510、610)の液体ポンプのいずれとも類似していてもよい。ステップ(814)では、再処理システムコントローラは、圧力センサ(808)によって提供される測定を介して、フラッシュライン(806)、または圧力センサ(808)が連結される別の流体ライン内の内圧の監視を開始する。チャネル充填プロセスを通して、コントローラは、フラッシュライン(806)内の測定圧力が定常状態圧力で安定する点まで増加したかどうかを継続的に評価し、それによってチャネル(210、212、213、214、217、218)が液体を完全に充填されていることを示す。具体的には、コントローラは、圧力センサ(808)によって検出された測定圧力を、液体および充填状態のチャネル(210、212、213、214、217、218)に関連する所定の圧力と比較する。
【0117】
この点に関して、当業者であれば、フラッシュライン(806)内の圧力センサ(808)によって測定される圧力は、チャネル(210、212、213、214、217、218)が充填されるにつれて増加し、チャネル(210、212、213、214、217、218)が完全に充填されると、最終的に最大圧力で安定し得ることが理解されよう。フラッシュライン(806)内の圧力が最大圧力でまだ安定していないとコントローラが判断し、よって、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)が液体をまだ完全に充填されていないことを示す場合、コントローラは、ステップ(812)~(816)を繰り返すことによって、液体ポンプに動力を与え続け、液体を内部チャネル(210、212、213、214、217、218)に送達する。フラッシュライン(806)内の圧力が最大圧力で安定したことをコントローラが識別すると、コントローラは、内部チャネル(218)が完全に充填されたと判断する。ステップ(818)では、コントローラは、チャネル(210、212、213、214、217、218)を液体で充填するためにフラッシュ弁ユニット(802)の最初の作動以降に液体ポンプが動作していた時間(「充填時間」)を記録する。同時に、コントローラは、フラッシュ弁ユニット(802)を作動させ、オプションとして液体ポンプを停止させて、以下に説明するように、チャネル充填を停止し、チャネルパージを開始することができる。
【0118】
システムコントローラは、上述した空気ポンプ(38、110、422、522)のいずれかと類似していてもよい空気ポンプを起動させ、フラッシュ弁ユニット(802)を作動させてフラッシュライン(806)を通じてチャネル(210、212、213、214、217、218)内に加圧空気を送達することによって、ステップ(820)で、チャネル(210、212、213、214、217、218)のパージを開始する。一方、システムコントローラは、圧力センサ(808)によって提供される測定を介して、ステップ(822)でフラッシュライン(806)内の圧力を監視し続ける。ステップ(824)において、測定圧力が減少し、新しい圧力で安定したことを検出すると、コントローラは、チャネル(210、212、213、214、217、218)のパージが完了したと判断する。
【0119】
上述のように、当業者は、チャネル(218)を通過する加圧空気は、液体よりもはるかに密度が低く、チャネル(210、212、213、214、217、218)が、チャネル(210、212、213、214、217、218)内に液体が実質的に残らない点までパージされるときに、圧力センサ(808)がフラッシュライン(806)内の圧力の低下を記録することを理解するであろう。いくつかのバージョンでは、コントローラは、測定圧力が、適切にパージされた状態に対応する所定の圧力以下になると、チャネル(210、212、213、214、217、218)のパージが完了したと判断することができる。内部チャネル(210、212、213、214、217、218)から液体が十分にパージされたと判断すると、システムコントローラは、フラッシュ弁ユニット(802)を作動させ、オプションとして空気ポンプを停止させることによって、パージを停止する。同時に、コントローラは、ステップ(826)に進み、フラッシュ弁ユニット(802)が作動して加圧空気によるチャネル(210、212、213、214、217、218)のパージを開始してから空気ポンプが動作した時間(「パージ時間」)を記録する。
【0120】
ステップ(828)で、コントローラは、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)の所定の量(「n」)の充填およびパージサイクルが完了したかどうかを評価する。所定の量が完了していない場合、システム(800)はステップ(830)に進み、フラッシュ弁ユニット(802)を作動させ、また、オプションとして、以前に停止されていた場合には液体ポンプを再び起動させて、充填時間にわたり、フラッシュライン(806)を通じてチャネル(210、212、213、214、217、218)に液体を送達する。ステップ(830)で充填時間が満了した直後、コントローラは、フラッシュ弁ユニット(802)を作動させて、液体充填を停止し、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)の加圧空気パージを開始する。このステップは、ある場合には、オプションとして、液体ポンプを停止させ、空気ポンプを再び起動することを含み得る。ステップ(832)の間、システム(800)は、パージ時間にわたり、加圧空気を内部チャネル(210、212、213、214、217、218)内に導き、チャネル(210、212、213、214、217、218)から液体をパージする。いくつかのバージョンでは、システム(800)は、その代わりに、充填時間にわたり、加圧空気をチャネル(210、212、213、214、217、218)内に導くことができる。
【0121】
ステップ(832)の完了直後に、またはステップ(832)を完了させる間に、コントローラはステップ(828)を繰り返して、所定の量の充填およびパージサイクルが完了したかどうかを判定する。所定の量がまだ完了していない場合には、コントローラは、所定の量(「n」)のサイクルが完了するまで、必要な回数だけステップ(830)、(832)、(828)を順次繰り返す。そして、コントローラは、ステップ(834)に進み、充填およびパージプロセスを終了する。
【0122】
上述のように、方法(810)は、内視鏡(200)の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)のそれぞれなど、医療装置の内部チャネルのそれぞれについて独立して実施されてもよい。
【0123】
C.流量センサおよび圧力センサからのフィードバックに基づく装置の内部チャネルの充填およびパージ
図12は、別の例示的な再処理システム(900)の一部に接続された内視鏡(200)の近位部分を示す。再処理システム(900)は、以下に別様に記載する点を除いて、上述の再処理システム(700、800)と同様である。再処理システム(700、800)と同様に、本実施例の再処理システム(900)は、液体充填ライン(904)に連結された第1の入口と、空気パージライン(905)に連結された第2の入口と、フラッシュライン(906)に連結された出口とを有する、多方フラッシュ弁ユニット(902)を含む。本実施例では、フラッシュライン(906)が、接続部(232)を介して生検チャネル(218)と流体連結されて示されているが、フラッシュライン(906)が、他の実施例では、内視鏡(200)の様々な他の内部チャネル(210、212、213、214、217)と流体連結されてもよいことが理解されよう。さらに、再処理システム(900)は、複数のフラッシュライン(906)およびそれぞれの多方フラッシュ弁ユニット(902)を含むことができ、これらはそれぞれ、内視鏡(200)のそれぞれの内部チャネル(210、212、213、214、217、218)と流体連結するように構成される。
【0124】
再処理システム(900)は、圧力センサ(908)および流量センサ(910)をさらに含む。本バージョンでは、圧力センサ(908)および流量センサ(910)は、フラッシュ弁ユニット(902)の下流でフラッシュライン(906)と連結される。他のバージョンでは、流量センサ(910)は、例えば、空気パージライン(905)からフラッシュライン(906)を通って導かれる圧縮空気に対して流量センサ(910)が露出されるのを避けるために、フラッシュ弁ユニット(902)の上流で液体充填ライン(904)と連結され得る。圧力センサ(908)は、一般に、再処理システム(800)の圧力センサ(808)に類似しており、流量センサ(910)は、一般に、再処理システム(700)の流量センサ(708)に類似している。特に、圧力センサ(908)は、フラッシュライン(906)内の圧力を測定し、これに関してシステム(900)のコントローラ(不図示)と通信するように動作可能であり、流量センサ(910)は、フラッシュライン(906)を通過する液体の流量を測定し、これに関してコントローラと通信するように動作可能である。
【0125】
再処理システム(900)のコントローラは、圧力センサ(908)および流量センサ(910)によって提供されるセンサデータの両方のセットを監視して、チャネル(210、212、213、214、217、218)の内部に最大の剪断応力をもたらし、よって、バイオバーデン低減効果を高めるのに適した特定の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)の正確な充填時間およびパージ時間を自動的に決定することができる。例えば、例示的な1つのバージョンでは、コントローラは、流量センサ(910)によって提供される液体流量データに基づいて、所与の内部チャネル(210、212、213、214、217、218)について最適な充填時間を決定し、圧力センサ(908)によって提供される圧力データに基づいて、そのチャネル(210、212、213、214、217、218)について最適なパージ時間を決定することができる。別の例示的なバージョンでは、コントローラは、流量センサ(910)および圧力センサ(908)の両方によって提供される入力データに依存するそれぞれのアルゴリズムを使用して、所与のチャネル(210、212、213、214、217、218)について最適な充填時間および最適なパージ時間のそれぞれを決定してもよい。再処理システム(900)が、複数のフラッシュ弁ユニット(902)と、それぞれのフラッシュライン(906)およびセンサ(908、910)とを含むバージョンでは、システムコントローラは、内部チャネル(210、212、213、214、217、218)と流体連通して配置されたそれぞれの対のセンサ(908、910)によって提供されるデータに基づいて、内視鏡(200)の各内部チャネル(210、212、213、214、217、218)について独自の充填時間および独自のパージ時間を、独立して決定することができる。
【0126】
VI.多方弁ユニットを介した装置の複数チャネルの同時かつ非同期的な処理
上述のように、医療装置の内部チャネルに対する再処理プロセスのバイオバーデン低減効果を最適化することは、再処理液体によってチャネルの内壁に及ぼされる剪断応力を最大化することによって達成され得る。最大剪断応力は、チャネルを可能な限り迅速に充填およびパージすることで達成され得る。ある場合には、医療装置は、処理を必要とする複数の内部チャネルを有することができ、これらのチャネルの充填およびパージサイクルを同時に完了することが望ましいことがある。
【0127】
以下に記載される例示的なシステムおよび方法は、装置の複数の内部チャネルを同時に充填およびパージすることを可能にすると共に、各チャネルの充填およびパージを独立して制御して、最大剪断応力を達成し、その結果、チャネル内のバイオバーデンを低減する。
【0128】
A.三方弁ユニットを有する例示的な再処理システム
図15は、内視鏡のような内部内腔またはチャネルを有する医療装置を汚染除去するように動作可能である例示的な再処理システム(1000)の概略図を示す。システム(1000)は、以下に別様に記載される点を除き、上述の再処理システム(2、310、410、510、610)と同様である。図示のように、再処理システム(1000)は、一般に、液体ポンプ(1004)を含む液体入口ライン(1002)を含む。システム(1000)は、直列に接続された、空気フィルタ(1008)、空気ポンプ(1010)、逆止弁(1012)、および空気リザーバ(1014)を含む、空気入口ライン(1006)をさらに含む。液体入口ライン(1002)および空気入口ライン(1004)の構成要素は、上述の再処理システム(2、310、410、510、610)の対応する構成要素のうちのいずれか1つ以上と構造および機能が類似していてもよい。さらに、本バージョンでは、ただ1つの液体ポンプ(1004)と1つの空気ポンプ(1010)とを示したが、他のバージョンでは、複数の一種類または両方の種類のポンプ(1004、1010)を設けてもよい。
【0129】
再処理システム(1000)は、複数の多方弁ユニット(1016a~1016n)をさらに含み、これらはそれぞれ、液体入口ライン(1002)と流体連通する液体入口(1018a~1018n)と、空気入口ライン(1006)と流体連通する空気入口(1020a~1020n)と、医療装置(1030)のそれぞれの内部チャネル(1032a~1032n)と流体連通するように構成された出口(1022a~1022n)と、を含む。本実施例では、多方弁ユニット(1016a~1016n)は、三方弁の形態で示される。
図15に概略的に示すように、再処理システム(1000)は、医療装置(1030)の任意の対応する量の内部チャネル(1032a~1032n)を収容する任意の適切な量の三方弁ユニット(1016a~1016n)を含むことができる。医療装置(1030)は、上述の内視鏡(200)のような内視鏡の形態であってもよい。
【0130】
再処理システム(1000)の弁ユニット出口(1022a~1022n)は、互いから流体的に隔離され、各弁ユニット(1016a~1016n)が全ての他の弁ユニット(1016a~1016n)から独立して、液体および加圧空気をそれぞれの装置チャネル(1032a~1032n)に送達するように動作可能である。1つ以上のアクチュエータ(不図示)を各弁ユニット(1016a~1016n)の移動構成要素と連結して、各弁ユニット(1016a~1016n)の液体入口(1018a~1018n)、空気入口(1020a~1020n)、および/または出口(1022a~1022n)を、それぞれの開状態と閉状態との間で選択的に移行させることができる。このようなアクチュエータは、再処理システム(1000)のコントローラ(1024)と直接通信することができ、コントローラは、例えば、上述した再処理システム(2)のコントローラ(20)と同様であり得る。コントローラ(1024)は、弁アクチュエータを駆動して、各弁ユニット(1016a~1016n)を独立して選択的に制御して、液体および加圧空気を、選択された持続時間にわたり、医療装置(1030)のそれぞれの内部チャネル(1032a~1032n)に送達するように構成されてもよい。いくつかのバージョンでは、選択された持続時間は、
図10~
図14に関連して上述した例示的な方法を使用して決定され得る。
【0131】
再処理システム(1000)の例示的な使用において、システムコントローラ(1024)は、弁アクチュエータに指令して、弁ユニット(1016a~1016n)のそれぞれを、液体入口(1018a~1018n)が開いており、空気入口(1020a~1020n)が閉じており、出口(1022a~1022n)が開いている初期チャネル充填状態に置くことができる。次に、コントローラ(1024)は、液体ポンプ(1004)を起動して、それぞれの弁ユニット(1016a~1016n)の液体入口(1018a~1018n)および出口(1022a~1022n)を介して、液体を医療装置(1030)の内部チャネル(1032a~1032n)に送達することができる。コントローラ(1024)は、各弁ユニット(1016a~1016n)を独立して制御して、それぞれの持続時間にわたって液体をそれぞれの装置チャネル(1032a~1032n)に送達することができる。例えば、第1のチャネル(1032a)の充填の開始に続く第1の持続時間が経過した後、コントローラ(1024)は、第1の弁ユニット(1016a)の第1の液体入口(1018a)を閉じ、第1の空気入口(1020a)を開くことができる。その後すぐに、第2のチャネル(1032b)の充填の開始に続く第2の持続時間が経過すると、コントローラ(1024)は、第2の弁ユニット(1016b)の第2の液体入口(1018b)を閉じ、第2の空気入口(1020b)を開くことができる。その後すぐに、第3のチャネル(1032c)の充填の開始に続く第3の持続時間が経過すると、コントローラ(1024)は、第3の弁ユニット(1016c)の第3の液体入口(1018c)を閉じ、第3の空気入口(1020c)を開くことができる。このプロセスは、装置チャネル(1032n)および対応する弁ユニット(1016n)について外挿することができる。ある場合には、装置チャネル(1032a~1032n)はそれぞれ、それぞれ独自の持続時間にわたって充填されてよく、これらの持続時間のうちの2つ以上が互いに重なる。
【0132】
第1の弁ユニット(1016a)の第1の空気入口(1020a)を開いた直後、またはその前に、コントローラは、空気ポンプ(1010)を起動して、加圧空気を医療装置(1030)の第1のチャネル(1032a)に送達し、第1のチャネル(1032a)から液体をパージすることができる。コントローラ(1024)は、空気ポンプ(1010)を起動した状態に保つことができ、そのため、第2の弁ユニット(1016b)の第2の空気入口(1020b)および第3の弁ユニット(1016c)の第3の空気入口(1020c)がその後開いたときに、第2の弁ユニット(1016b)および第3の弁ユニット(1016c)がパージのために加圧空気を第2の装置チャネル(1032b)および第3の装置チャネル(1032c)内に直ちに導き始めることができる。第1のチャネル(1032a)のパージの開始に続く第4の持続時間が経過した後、コントローラ(1024)は、第1の弁ユニット(1016a)の第1の空気入口(1020a)を閉じることができる。同様に、第2のチャネル(1032b)のパージの開始に続く第5の持続時間が経過した後、コントローラ(1024)は、第2の弁ユニット(1016b)の第2の空気入口(1020b)を閉じることができる。同様に、第3のチャネル(1032c)のパージの開始に続く第6の持続時間が経過した後、コントローラ(1024)は、第3の弁ユニット(1016c)の第3の空気入口(1020c)を閉じることができる。このプロセスは、装置チャネル(1032n)および対応する弁ユニット(1016n)について外挿することができる。いくつかのバージョンでは、医療装置(1030)の各チャネル(1032a~1032n)を充填し、パージするための上述した持続時間を予め定めてもよい。他のバージョンでは、各チャネル(1032a~1032n)の充填およびパージの持続時間は、上述の流量センサ(708、910)および/または圧力センサ(808、908)など、チャネル(1032a~1032n)内に配置された1つ以上のセンサによって提供されるフィードバックに基づいてリアルタイムで決定されてもよい。
【0133】
弁ユニット(1016a~1016n)の空気入口(1020a~1020n)を閉じた直後、またはその前に、コントローラ(1024)は、それぞれの装置チャネル(1032a~1032n)について、所定の量のサイクルを完了するためにチャネル(1032a~1032n)のための追加のパージおよび充填サイクルが必要であるかどうかを独立して決定することができる。例えば、コントローラ(1024)は、第1のチャネル(1032a)について追加のサイクルが必要であると判断し、第2のチャネル(1032b)および第3のチャネル(1032c)については、追加のサイクルが必要でないと独立して判断してもよい。このような場合、コントローラ(1024)は、第2の弁ユニット(1016b)および第3の弁ユニット(1016c)の液体入口および空気入口(1018b、1020b、1018c、1020c)ならびに/または出口(1022b、1022c)を閉じて、第2のチャネル(1032b)および第3のチャネル(1032c)のための再処理を終了し得、同時に、第1の弁ユニット(1016a)を、前述したように制御して、第1のチャネル(1032a)について追加の充填およびパージサイクルを実行することができる。
【0134】
上述のように、再処理システム(1000)は、医療装置(1030)の複数の内部チャネル(1032a~1032n)を同時に処理するように動作可能である。さらに、システム(1000)は、各チャネル(1032a~1032n)について、その他のチャネル(1032a~1032n)とは独立して、独自の充填時間および独自のパージ時間を適用するように構成され、その結果、チャネル(1032a~1032n)のうちの2つ以上の処理が非同期的に実行され得る。さらに、各内部チャネル(1032a~1032n)に適用される独自の充填時間および独自のパージ時間は、残りのチャネル(1032a~1032n)のうちの1つ以上に対するチャネル(1032a~1032n)の独自の内径を考慮し得る。したがって、有利には、システム(1000)は、チャネル(1032a~1032n)間のサイズ差にかかわらず、装置(1030)の各内部チャネル(1032a~1032n)に対して効果的なバイオバーデン低減処理を提供すると共に、時間的に効率よく装置(1030)の処理を完了することができる。
【0135】
B.二方向弁ユニットを有する例示的な再処理システム
図16は、医療装置の複数のチャネルを同時に非同期的に処理して、状況に合った(tailored)バイオバーデン低減処理を各内部チャネルに独立して提供するように動作可能な別の例示的な再処理システム(1100)を示す。再処理システム(1100)は、以下に別様に記載する点を除いて、上述の再処理システム(1000)と同様である。再処理システム(1000)と同様に、再処理システム(1100)は、液体ポンプ(1104)を含む液体入口ライン(1102)と、空気フィルタ(1108)、空気ポンプ(1110)、逆止弁(1112)、および空気リザーバ(1114)を含む空気入口ライン(1106)と、を含む。システム(1100)は、後述するように、液体および加圧空気を医療装置(1030)の内部チャネル(1032a~1032n)に送達するように動作可能な複数の多方弁ユニット(1116a~l116n)をさらに含む。
【0136】
再処理システム(1000)の弁ユニット(1016a~1016n)とは異なり、再処理システム(1100)の各弁ユニット(1116a~1116n)は、第1の二方弁(1118a~1118n)(または「液体入口弁」)および第2の二方弁(1120a~1120n)(または「空気入口弁」)を含み、これらは、以下に一般的に説明する方法で互いに協働する。液体入口弁(1118a~l118n)は、液体入口ライン(1102)と流体連通する弁ユニット(1116a~l116n)のそれぞれの液体入口を画定する。空気入口弁(1120a~1120n)は、空気入口ライン(1106)と流体連通する弁ユニット(1116a~1116n)のそれぞれの空気入口を画定する。各弁ユニット(1116a~1116n)の液体入口弁(1118a~1118n)および対応する空気入口弁(1120a~1120n)は、共通の弁ユニット出口(1122a~1122n)に入る。各弁ユニット出口(1122a~1122n)は、医療装置(1030)のそれぞれの内部チャネル(1032a~1032n)と流体連通し、残りの弁ユニット(1116a~l116n)の出口(1122a~1122n)から流体的に隔離される。
【0137】
再処理システム(1100)は、各弁ユニット(1116a~1116n)の移動可能な構成要素の作動を、その他の弁ユニット(1116a~1116n)とは独立して制御するように動作可能なコントローラ(1124)をさらに含む。より具体的には、コントローラ(1124)は、液体入口弁(1118a~l118n)のそれぞれを独立して制御し、空気入口弁(1120a~1120n)のそれぞれを独立して制御するように動作可能である。使用時に、コントローラ(1124)は、各入口弁(1118a~1118n、1120a~l120n)の開閉を選択的に制御して、医療装置(1030)の対応する内部チャネル(1032a~1032n)に、状況に合った充填度および状況に合ったパージ度を提供することができる。例えば、コントローラ(1124)は、それぞれの独自の充填時間の間、液体入口弁(1118a~l118n)のそれぞれを開状態に維持して、医療装置(1030)のそれぞれの内部チャネル(1032a~1032n)を液体で充填してもよい。チャネル(1032a~1032n)が充填されると、コントローラ(1124)は、次いで、対応する液体入口弁(1118a~1118n)を閉じ、次いで、対応する空気入口弁(1120a~1120n)を開いて、チャネル(1032a~1032n)から液体をパージする独自のパージ時間の間、開状態に維持することができる。コントローラ(1124)は、装置チャネル(1032a~1032n)のそれぞれについてこのプロセスを独立して同時に実行することができ、チャネル(1032a~1032n)の充填およびパージが、再処理システム(1000)に関連して上述したものと同様に非同期的に実行される。したがって、再処理システム(1100)は、システム(1000)と同じ利点の少なくともいくつかを提供することが理解されよう。
【0138】
VII.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるかまたは適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願または本出願の後の出願においていつでも提示することができる任意の請求項の範囲を制限することを意図するものではないことを理解されたい。免責事項は意図していない。以下の実施例は、単なる例示目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法でアレンジされ適用され得ることが企図される。また、いくつかの変形例は、以下の実施例で言及されている、ある特定の特徴を省略してもよいことが企図される。したがって、発明者または発明者の利益の承継人によって後日明示的に指示されない限り、以下に言及された態様または特徴のいずれも重要であるとはみなされない。本出願または本出願に関連するその後の出願において、下記で言及されるもの以外の追加の特徴を含む任意の請求項が提示された場合は、それらの追加の特徴は、特許性に関連する任意の理由で追加されたものと推定してはならない。
【0139】
実施例1
弁と、弁と流体連結された流体ラインと、流体ラインと連結された少なくとも1つのセンサと、を有する再処理システムにより、医療装置の内部チャネルを再処理するための方法であって、(a)弁の作動を実行して、流体ラインを通じて内部チャネル内に液体を導くことと;(b)液体を内部チャネル内に導く間に、少なくとも1つのセンサを用いて、流体ライン内の所定の状態を検出することと;(c)所定の状態の検出に応答して、弁の作動から測定した持続時間を記録することと;(d)内部チャネルから液体をパージすることと;(e)その持続時間にわたり、流体ラインを通じて内部チャネル内に液体を導くことと、を含む、方法。
【0140】
実施例2
流体ライン内の所定の状態は、流体ライン内の液体の流量または流体ライン内の圧力の少なくとも1つを含む、実施例1に記載の方法。
【0141】
実施例3
少なくとも1つのセンサは、流量センサを含み、流体ライン内の所定の状態は、流体ライン内の液体の流量を含む、実施例1または2に記載の方法。
【0142】
実施例4
少なくとも1つのセンサは、圧力センサを含み、流体ライン内の所定の状態は、流体ライン内の圧力を含む、実施例1または2に記載の方法。
【0143】
実施例5
流体ライン内の所定の状態を検出することは、流体ライン内の液体の流量または流体ライン内の圧力の少なくとも1つが定常状態に達したことを検出することを含む、実施例1~4のいずれかに記載の方法。
【0144】
実施例6
内部チャネルから液体をパージすることは、持続時間にわたり液体をパージすることを含む、実施例1~5のいずれかに記載の方法。
【0145】
実施例7
内部チャネルから液体をパージすることは、流体ラインを通じて内部チャネル内に第2の液体または加圧空気のうちの一方を導くことを含む、実施例1~6のいずれかに記載の方法。
【0146】
実施例8
弁の作動は、第1の作動を含み、所定の状態は、第1の所定の状態を含み、持続時間は、第1の持続時間を含み、内部チャネルから液体をパージすることは、弁の第2の作動を実行して、流体ラインを通じて内部チャネルに圧縮空気を導くことを含み、方法は、(a)圧縮空気を内部チャネルに導く間に、流体ライン内の第2の所定の状態を少なくとも1つのセンサで検出することと;(b)流体ライン内の第2の所定の状態の検出に応答して、弁の第2の作動から測定された第2の持続時間を記録することと;(c)第1の持続時間にわたり流体ラインを通じて内部チャネル内に液体を導いた後、第2の持続時間にわたり流体ラインを通じて内部チャネルに圧縮空気を導いて、内部チャネルから液体をパージすることと、をさらに含む、実施例1~7のいずれかに記載の方法。
【0147】
実施例9
流体ライン内の第1の所定の状態は、流体ライン内の液体の流量または流体ライン内の圧力のうちの1つを含み、流体ライン内の第2の所定の状態は、流体ライン内の液体の流量または流体ライン内の圧力のうちの1つを含む、実施例8に記載の方法。
【0148】
実施例10
流体ライン内の第1の所定の状態は、流体ライン内の液体の流量または流体ライン内の圧力のうちの一方を含み、流体ライン内の第2の所定の状態は、流体ライン内の液体の流量または流体ライン内の圧力のうちの他方を含む、実施例8または9に記載の方法。
【0149】
実施例11
流体ライン内の第1の所定の状態を検出することは、流体ライン内の液体の流量が減少後に定常状態に達したことを検出することを含み、流体ライン内の第2の所定の状態を検出することは、流体ライン内の液体の流量が弁の第2の作動後に減少したことを検出することを含む、実施例8または9に記載の方法。
【0150】
実施例12
流体ライン内の第1の所定の状態を検出することは、流体ライン内の圧力が増加後に定常状態に達したことを検出することを含み、流体ライン内の第2の所定の状態を検出することは、流体ライン内の圧力が減少後に定常状態に達したことを検出することを含む、実施例8または9に記載の方法。
【0151】
実施例13
流体ライン内の第1の所定の状態を検出することは、流体ライン内の液体の流量が減少後に定常状態に達したことを検出することを含み、流体ライン内の第2の所定の状態を検出することは、流体ライン内の圧力が減少後に定常状態に達したことを検出することを含む、実施例8~10のいずれかに記載の方法。
【0152】
実施例14
少なくとも1つのセンサは、流量センサおよび圧力センサを含み、流量センサは、流体ライン内の第1の所定の状態または第2の所定の状態のうちの一方を検出するように動作可能であり、圧力センサは、流体ライン内の第1の所定の状態または第2の所定の状態のうちの他方を検出するように動作可能である、実施例8~10および13のいずれかに記載の方法。
【0153】
実施例15
流体ライン内の第1の所定の状態を検出することは、流量センサを用いて流体ライン内の液体の流量を測定することを含み、流体ライン内の第2の所定の状態を検出することは、圧力センサを用いて流体ライン内の圧力を測定することを含む、実施例14に記載の方法。
【0154】
実施例16
第1の弁、第2の弁、第1のセンサ、および第2のセンサを有する再処理システムにより、医療装置の第1および第2の内部チャネルを再処理するための方法であって、(a)第1の弁の第1の作動を実行して、流体を第1の内部チャネル内に導くことと;(b)流体を第1の内部チャネル内に導く間に、第1のセンサにより、流体に関連する第1の所定の状態を検出することと;(c)第1の所定の状態の検出に応答して、第1の弁の第1の作動から測定された第1の持続時間を記録することと;(d)第1の所定の状態を検出した後、第1の内部チャネルから流体をパージすることと;(e)第1の内部チャネルから流体をパージした後、第1の弁のその後の作動を実行して、第1の持続時間にわたり流体を第1の内部チャネル内に導くことと;(f)ステップ(a)を完了させる間に、第2の弁の第1の作動を実行して、流体を第2の内部チャネル内に導くと共に、流体を第1の内部チャネル内に導くことと;(g)流体を第2の内部チャネル内に導く間に、第2のセンサにより、流体に関連する第2の所定の状態を検出することと;(h)第2の所定の状態の検出に応答して、第2の弁の第1の作動から測定された第2の持続時間を記録することと;(i)第2の所定の状態を検出した後、第2の内部チャネルから流体をパージすることと;(j)第2の内部チャネルから流体をパージした後、第2の弁のその後の作動を実行して、第2の持続時間にわたり、流体を第2の内部チャネル内に導くことと、を含む、方法。
【0155】
実施例17
第1の持続時間は第2の持続時間と異なる、実施例16に記載の方法。
【0156】
実施例18
第1の所定の状態は、第1の内部チャネル内に導かれている流体によって及ぼされる流量または圧力のうちの1つを含み、第2の所定の状態は、第2の内部チャネル内に導かれている流体によって及ぼされる流量または圧力のうちの1つを含む、実施例16または17に記載の方法。
【0157】
実施例19
第1のポンプ、第2のポンプ、第1の弁ユニット、および第2の弁ユニットを有する再処理システムにより、医療装置の第1および第2の内部チャネルを再処理するための方法であって、(a)第1のポンプを起動して、第1の流体を、(i)第1の弁ユニットの第1の入口であって、第1の弁ユニットの出口が第1の内部チャネルと流体連通している、第1の弁ユニットの第1の入口、および(ii)第2の弁ユニットの第1の入口であって、第2の弁ユニットの出口が第2の内部チャネルと流体連通している、第2の弁ユニットの第1の入口、に導くことと;(b)第2のポンプを起動して、第2の流体を、(i)第1の弁ユニットの第2の入口、および(ii)第2の弁ユニットの第2の入口、に導くことと;(c)第1の弁ユニットを第2の弁ユニットとは独立して制御して、(i)第1の弁ユニットが第1の流体を第1の内部チャネルに第1の持続時間にわたり送達し、続いて第2の流体を第1のチャネルに第2の持続時間にわたり送達するようにし、かつ(ii)第2の弁ユニットが、第1の流体を第2の内部チャネルに第3の持続時間にわたり送達し、続いて第2の流体を第2のチャネルに第4の持続時間にわたり送達するようにする、ことと、を含む、方法。
【0158】
実施例20
第1の内部チャネルは第1の内径を有し、第2の内部チャネルは、第1の内径とは異なる第2の内径を有し、第1の持続時間は、第3の持続時間とは異なり、第1および第2の弁ユニットを独立して制御することは、第3の持続時間が第1の持続時間の一部と重なるように第1および第2の弁ユニットを制御することを含む、実施例19に記載の方法。
【0159】
VIII.その他
本明細書に参照により組み込まれると言われている任意の特許、刊行物、または他の開示資料の全体または一部は、組み込まれる資料が、本開示に記載されている既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾しない範囲においてのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する資料に取って代わる。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に記載されている既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾するいかなる資料またはその一部も、組み込まれた資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲において組み込まれるに過ぎない。
【0160】
本発明の様々な実施形態を示し説明したが、本明細書に記載された方法およびシステムのさらなる改造は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成され得る。そのような可能性のある修正のいくつかについては言及されており、他のものは当業者には明らかであろう。例えば、上述した実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から検討されるべきであり、明細書および図面に示され、説明された構造および動作の詳細に限定されないことが理解される。
【0161】
〔実施の態様〕
(1) 弁と、前記弁と流体連結された流体ラインと、前記流体ラインと連結された少なくとも1つのセンサと、を有する再処理システムにより、医療装置の内部チャネルを再処理するための方法であって、
(a)前記弁の作動を実行して、前記流体ラインを通じて前記内部チャネル内に液体を導くことと、
(b)前記液体を前記内部チャネル内に導く間に、前記少なくとも1つのセンサを用いて、前記流体ライン内の所定の状態を検出することと、
(c)前記所定の状態の検出に応答して、前記弁の前記作動から測定した持続時間を記録することと、
(d)前記内部チャネルから前記液体をパージすることと、
(e)前記持続時間にわたり、前記流体ラインを通じて前記内部チャネル内に液体を導くことと、を含む、方法。
(2) 前記流体ライン内の前記所定の状態は、前記流体ライン内の前記液体の流量または前記流体ライン内の圧力の少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記少なくとも1つのセンサは、流量センサを含み、前記流体ライン内の前記所定の状態は、前記流体ライン内の前記液体の流量を含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記少なくとも1つのセンサは、圧力センサを含み、前記流体ライン内の前記所定の状態は、前記流体ライン内の圧力を含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記流体ライン内の前記所定の状態を検出することは、前記流体ライン内の前記液体の流量または前記流体ライン内の圧力の少なくとも1つが定常状態に達したことを検出することを含む、実施態様1に記載の方法。
【0162】
(6) 前記内部チャネルから前記液体をパージすることは、前記持続時間にわたり前記液体をパージすることを含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記内部チャネルから前記液体をパージすることは、前記流体ラインを通じて前記内部チャネル内に第2の液体または加圧空気のうちの一方を導くことを含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記弁の前記作動は、第1の作動を含み、前記所定の状態は、第1の所定の状態を含み、前記持続時間は、第1の持続時間を含み、前記内部チャネルから前記液体をパージすることは、前記弁の第2の作動を実行して、前記流体ラインを通じて前記内部チャネルに圧縮空気を導くことを含み、前記方法は、
(a)圧縮空気を前記内部チャネルに導く間に、前記流体ライン内の第2の所定の状態を前記少なくとも1つのセンサで検出することと、
(b)前記流体ライン内の前記第2の所定の状態の検出に応答して、前記弁の前記第2の作動から測定された第2の持続時間を記録することと、
(c)前記第1の持続時間にわたり前記流体ラインを通じて前記内部チャネル内に液体を導いた後、前記第2の持続時間にわたり前記流体ラインを通じて前記内部チャネルに圧縮空気を導いて、前記内部チャネルから前記液体をパージすることと、をさらに含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記流体ライン内の前記第1の所定の状態は、前記流体ライン内の前記液体の流量または前記流体ライン内の圧力のうちの1つを含み、前記流体ライン内の前記第2の所定の状態は、前記流体ライン内の前記液体の流量または前記流体ライン内の圧力のうちの1つを含む、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記流体ライン内の前記第1の所定の状態は、前記流体ライン内の前記液体の流量または前記流体ライン内の圧力のうちの一方を含み、前記流体ライン内の前記第2の所定の状態は、前記流体ライン内の前記液体の流量または前記流体ライン内の圧力のうちの他方を含む、実施態様8に記載の方法。
【0163】
(11) 前記流体ライン内の前記第1の所定の状態を検出することは、前記流体ライン内の前記液体の流量が減少後に定常状態に達したことを検出することを含み、前記流体ライン内の前記第2の所定の状態を検出することは、前記流体ライン内の前記液体の流量が前記弁の前記第2の作動後に減少したことを検出することを含む、実施態様8に記載の方法。
(12) 前記流体ライン内の前記第1の所定の状態を検出することは、前記流体ライン内の圧力が増加後に定常状態に達したことを検出することを含み、前記流体ライン内の前記第2の所定の状態を検出することは、前記流体ライン内の圧力が減少後に定常状態に達したことを検出することを含む、実施態様8に記載の方法。
(13) 前記流体ライン内の前記第1の所定の状態を検出することは、前記流体ライン内の前記液体の流量が減少後に定常状態に達したことを検出することを含み、前記流体ライン内の前記第2の所定の状態を検出することは、前記流体ライン内の圧力が減少後に定常状態に達したことを検出することを含む、実施態様8に記載の方法。
(14) 前記少なくとも1つのセンサは、流量センサおよび圧力センサを含み、前記流量センサは、前記流体ライン内の前記第1の所定の状態または前記第2の所定の状態のうちの一方を検出するように動作可能であり、前記圧力センサは、前記流体ライン内の前記第1の所定の状態または前記第2の所定の状態のうちの他方を検出するように動作可能である、実施態様8に記載の方法。
(15) 前記流体ライン内の前記第1の所定の状態を検出することは、前記流量センサを用いて前記流体ライン内の前記液体の流量を測定することを含み、前記流体ライン内の前記第2の所定の状態を検出することは、前記圧力センサを用いて前記流体ライン内の圧力を測定することを含む、実施態様14に記載の方法。
【0164】
(16) 第1の弁、第2の弁、第1のセンサ、および第2のセンサを有する再処理システムにより、医療装置の第1および第2の内部チャネルを再処理するための方法であって、
(a)前記第1の弁の第1の作動を実行して、流体を前記第1の内部チャネル内に導くことと、
(b)流体を前記第1の内部チャネル内に導く間に、前記第1のセンサにより、前記流体に関連する第1の所定の状態を検出することと、
(c)前記第1の所定の状態の検出に応答して、前記第1の弁の前記第1の作動から測定された第1の持続時間を記録することと、
(d)前記第1の所定の状態を検出した後、前記第1の内部チャネルから前記流体をパージすることと、
(e)前記第1の内部チャネルから前記流体をパージした後、前記第1の弁のその後の作動を実行して、前記第1の持続時間にわたり流体を前記第1の内部チャネル内に導くことと、
(f)ステップ(a)を完了させる間に、前記第2の弁の第1の作動を実行して、流体を前記第2の内部チャネル内に導くと共に、流体を前記第1の内部チャネル内に導くことと、
(g)流体を前記第2の内部チャネル内に導く間に、前記第2のセンサにより、前記流体に関連する第2の所定の状態を検出することと、
(h)前記第2の所定の状態の検出に応答して、前記第2の弁の前記第1の作動から測定された第2の持続時間を記録することと、
(i)前記第2の所定の状態を検出した後、前記第2の内部チャネルから前記流体をパージすることと、
(j)前記第2の内部チャネルから前記流体をパージした後、前記第2の弁のその後の作動を実行して、前記第2の持続時間にわたり、流体を前記第2の内部チャネル内に導くことと、を含む、方法。
(17) 前記第1の持続時間は前記第2の持続時間と異なる、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記第1の所定の状態は、前記第1の内部チャネル内に導かれている前記流体によって及ぼされる流量または圧力のうちの1つを含み、前記第2の所定の状態は、前記第2の内部チャネル内に導かれている前記流体によって及ぼされる流量または圧力のうちの1つを含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 第1のポンプ、第2のポンプ、第1の弁ユニット、および第2の弁ユニットを有する再処理システムにより、医療装置の第1および第2の内部チャネルを再処理するための方法であって、
(a)前記第1のポンプを起動して、第1の流体を、
(i)前記第1の弁ユニットの第1の入口であって、前記第1の弁ユニットの出口が前記第1の内部チャネルと流体連通している、前記第1の弁ユニットの第1の入口、および、
(ii)前記第2の弁ユニットの第1の入口であって、前記第2の弁ユニットの出口が前記第2の内部チャネルと流体連通している、前記第2の弁ユニットの第1の入口、
に導くことと、
(b)前記第2のポンプを起動して、第2の流体を、
(i)前記第1の弁ユニットの第2の入口、および、
(ii)前記第2の弁ユニットの第2の入口、
に導くことと、
(c)前記第1の弁ユニットを前記第2の弁ユニットとは独立して制御して、
(i)前記第1の弁ユニットが前記第1の流体を前記第1の内部チャネルに第1の持続時間にわたり送達し、続いて前記第2の流体を前記第1のチャネルに第2の持続時間にわたり送達するようにし、かつ、
(ii)前記第2の弁ユニットが、前記第1の流体を前記第2の内部チャネルに第3の持続時間にわたり送達し、続いて前記第2の流体を前記第2のチャネルに第4の持続時間にわたり送達するようにする、ことと、を含む、方法。
(20) 前記第1の内部チャネルは第1の内径を有し、前記第2の内部チャネルは、前記第1の内径とは異なる第2の内径を有し、前記第1の持続時間は、前記第3の持続時間とは異なり、前記第1および第2の弁ユニットを独立して制御することは、前記第3の持続時間が前記第1の持続時間の一部と重なるように前記第1および第2の弁ユニットを制御することを含む、実施態様19に記載の方法。