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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】攪拌装置および攪拌システム
(51)【国際特許分類】
   B01F 33/452 20220101AFI20240213BHJP
   B01F 35/32 20220101ALI20240213BHJP
   B01F 35/40 20220101ALI20240213BHJP
   B05B 15/20 20180101ALI20240213BHJP
   B05B 15/62 20180101ALI20240213BHJP
   B01F 101/30 20220101ALN20240213BHJP
【FI】
B01F33/452
B01F35/32
B01F35/40
B05B15/20
B05B15/62
B01F101:30
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022191833
(22)【出願日】2022-11-30
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】391001169
【氏名又は名称】櫻護謨株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 哲也
(72)【発明者】
【氏名】平山 温史
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02655011(US,A)
【文献】特開2022-071914(JP,A)
【文献】特表2014-530094(JP,A)
【文献】特開2005-269709(JP,A)
【文献】米国特許第03433465(US,A)
【文献】特開2005-205306(JP,A)
【文献】実開昭55-137929(JP,U)
【文献】特開平04-035730(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02576058(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 33/00-87、35/00-95
B05B 15/00-80
B05C 3/00-20
B28C 3/00、5/08-16
B29B 7/10-12
B44D 3/06-08
B65D 83/14-76
C12M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物と、磁石に吸着し、前記内容物を攪拌するための攪拌具とが収容された容器本体を備える容器に用いられ、固定された前記容器本体に対して前記攪拌具を回転させる攪拌装置であって、
装置本体と、
第1軸線を中心に回転する第1回転部材と、
前記第1回転部材に連結され、前記装置本体に回転可能に支持された第1出力軸と、
前記装置本体に回転可能に支持され、第2軸線を中心に回転する入力軸と、
前記装置本体の内部に位置し、前記第1出力軸に前記入力軸の回転を伝達する動力伝達部材と、を備え、
前記入力軸は、前記装置本体の外部に位置し、駆動源の回転駆動部と連結可能な第1端部を有し、
前記第1出力軸は、前記装置本体の外部に位置し、前記第1回転部材が連結された第2端部を有し、
前記第1回転部材は、前記容器が置かれる第1配置面と、前記第1軸線から離れて配置された第1磁石と、を有し、
前記容器が前記第1配置面の上に置かれた状態において、前記回転駆動部によって前記入力軸が回転すると、前記第1回転部材および前記第1磁石に吸着した前記攪拌具は、前記第1軸線を中心に回転る、
攪拌装置。
【請求項2】
前記第1配置面は、前記容器本体の底部に沿う形状を有している。
請求項1に記載の攪拌装置。
【請求項3】
前記第1配置面は、前記容器本体に向けて突出する凸形状を有している、
請求項2に記載の攪拌装置。
【請求項4】
前記第1配置面は、前記容器本体から離れるように窪む凹形状を有している、
請求項2に記載の攪拌装置。
【請求項5】
前記第1磁石は、永久磁石である、
請求項1に記載の攪拌装置。
【請求項6】
前記第1磁石は、電磁石である、
請求項1に記載の攪拌装置。
【請求項7】
前記第1磁石は、前記第1軸線を中心とする周方向に複数配置されている、
請求項1に記載の攪拌装置。
【請求項8】
前記動力伝達部材は、前記入力軸とともに回転する歯車を有する、
請求項に記載の攪拌装置。
【請求項9】
第3軸線を中心に回転する第2回転部材と、
前記第2回転部材に連結され、前記装置本体に回転可能に支持された第2出力軸と、をさらに備え、
前記第2出力軸は、前記装置本体の外部に位置し、前記第2回転部材が連結された第3端部を有し、
前記第2回転部材は、前記容器が置かれる第2配置面と、前記第3軸線から離れて配置された第2磁石と、を有し、
前記動力伝達部材は、前記入力軸の回転を前記第1出力軸および前記第2出力軸に伝達する、
請求項に記載の攪拌装置。
【請求項10】
請求項1に記載の攪拌装置と、
前記第1磁石に吸着し、前記内容物とともに前記容器に収容される攪拌具と、を備える、
攪拌システム。
【請求項11】
前記第1磁石は、電磁石であり、
前記攪拌具は、磁石である、
請求項10に記載の攪拌システム。
【請求項12】
前記第1磁石の極性を変化させるための制御部をさらに備える、
請求項11に記載の攪拌システム。
【請求項13】
前記内容物を噴射可能なスプレー缶である前記容器を着脱可能なホルダを有する噴射装置をさらに備える、
請求項10に記載の攪拌システム。
【請求項14】
前記回転駆動部を含む電動工具を有する駆動部をさらに備える、
請求項10乃至13のいずれか1項に記載の攪拌システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、攪拌装置および攪拌システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗料等を噴射するための噴射装置には、スプレー缶等の容器が用いられる場合がある(例えば、特許文献1参照)。容器には、硬化遅延剤および噴射剤等を含む内容物、および内容物を攪拌するための攪拌具等が充填される。噴射装置を使用する前には、容器内の内容物を攪拌する必要がある。ユーザは、例えば、スプレー缶を手に持ち、上下方向、左右方向等に振ることによって内容物を攪拌する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-221889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザによる攪拌作業が不十分であると、内容物が混ざらない可能性がある。これにより、噴射装置から噴射される内容物の品質にバラつきが生じる可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、容器の内容物の良好な噴射を実現することができる攪拌装置および攪拌システムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る攪拌装置は、内容物と、磁石に吸着し、前記内容物を攪拌するための
攪拌具とが収容された容器本体を備える容器に用いられ、固定された前記容器本体に対して前記攪拌具を回転させる攪拌装置である。前記攪拌装置は、装置本体と、第1軸線を中心に回転する第1回転部材と、前記第1回転部材に連結され、前記装置本体に回転可能に支持された第1出力軸と、前記装置本体に回転可能に支持され、第2軸線を中心に回転する入力軸と、前記装置本体の内部に位置し、前記第1出力軸に前記入力軸の回転を伝達する動力伝達部材と、を備える。前記入力軸は、前記装置本体の外部に位置し、駆動源の回転駆動部と連結可能な第1端部を有し、前記第1出力軸は、前記装置本体の外部に位置し、前記第1回転部材が連結された第2端部を有し、前記第1回転部材は、前記容器が置かれる第1配置面と、前記第1軸線から離れて配置された第1磁石と、を有している。前記容器が前記第1配置面の上に置かれた状態において、前記回転駆動部によって前記入力軸が回転すると、前記第1回転部材および前記第1磁石に吸着した前記攪拌具は、前記第1軸線を中心に回転る。
【0007】
前記第1配置面は、前記容器本体の底部に沿う形状を有してもよい。前記第1配置面は、前記容器本体に向けて突出する凸形状を有してもよい。前記第1配置面は、前記容器本体から離れるように窪む凹形状を有してもよい。前記第1磁石は、永久磁石でもよい。前記第1磁石は、電磁石でよい。
【0008】
前記第1磁石は、前記第1軸線を中心とする周方向に複数配置されてもよい。記動力伝達部材は、前記入力軸とともに回転する歯車を有してもよい。
【0009】
前記攪拌装置は、第3軸線を中心に回転する第2回転部材と、前記第2回転部材に連結され、前記装置本体に回転可能に支持された第2出力軸と、をさらに備え、前記第2出力軸は、前記装置本体の外部に位置し、前記第2回転部材が連結された第3端部を有してもよい。前記第2回転部材は、前記容器が置かれる第2配置面と、前記第3軸線から離れて配置された第2磁石と、を有し、前記動力伝達部材は、前記入力軸の回転を前記第1出力軸および前記第2出力軸に伝達してもよい。
【0010】
一実施形態に係る攪拌システムは、前記攪拌装置と、前記第1磁石に吸着し、前記内容物とともに前記容器に収容される攪拌具と、を備える。前記第1磁石は、電磁石であってもよく、前記攪拌具は、磁石であってもよい。前記攪拌システムは、前記第1磁石の極性を変化させるための制御部をさらに備えてもよい。前記攪拌システムは、前記内容物を噴射可能なスプレー缶である前記容器を着脱可能なホルダを有する噴射装置をさらに備えてもよい。前記攪拌システムは、前記回転駆動部を含む電動工具を有する駆動部をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、容器の内容物の良好な噴射を実現することができる攪拌装置および攪拌システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第1実施形態に係る攪拌システムの概略的な斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る攪拌装置の概略的な平面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る攪拌装置の概略的な側面図である。
図4図4は、図2に示されたIV-IV線に沿う攪拌装置の概略的な断面図である。
図5図5は、図2に示された装置本体の内部を示す概略的な平面図である。
図6図6は、図2に示された蓋部材を示す概略的な平面図である。
図7図7は、噴射装置の第1容器と攪拌装置の第1回転部材との関係を示す図である。
図8図8は、第2実施形態に係る攪拌システムの概略的な部分断面図である。
図9図9は、容器本体に適用可能な形状の他の例を示す概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照しながら、本発明の各実施形態について説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0014】
各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0015】
なお、図面には、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を記載する。X軸に沿った方向を第1方向Xと称し、Y軸に沿った方向を第2方向Yと称し、Z軸に沿った方向を第3方向Zと称する。第3方向Zは、第1方向Xと第2方向Yを含む平面に対して法線方向である。
【0016】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る攪拌システム100の概略的な斜視図である。本実施形態においては、一例として、2液混合型の噴射装置1に適用可能な攪拌システム100について説明する。
【0017】
攪拌システム100は、噴射装置1と、攪拌装置30と、駆動部40と、を備えている。噴射装置1は、2液混合型の噴射装置である。噴射装置1は、一例では、ポリウレア噴射装置である。ポリウレアは、例えば、コンクリート構造物や金属製タンク等の種々の設備に、ライニング材として用いられる。
【0018】
噴射装置1は、第1容器2Aと、第2容器2Bと、ホルダ3と、噴射ノズル4と、を備えている。第1容器2Aおよび第2容器2Bは、例えば、スプレー缶(エアゾール容器)である。ただし、第1容器2Aおよび第2容器2Bは、スプレー缶以外の容器であってもよい。
【0019】
第1容器2Aおよび第2容器2Bは、円筒形状の容器本体20をそれぞれ備えている。各容器本体20の上部には、バルブ21がそれぞれ設けられている。第1容器2Aには内容物22Aと攪拌具Gとが収容され、第2容器2Bには内容物22Bと攪拌具Gとが収容されている。攪拌具Gは、内容物22A,22Bを攪拌するために収容されている。
【0020】
各バルブ21が開放されることで、第1容器2Aおよび第2容器2Bの内容物22A,22Bが噴射される。容器本体20の各部は、例えば金属材料で形成することができるが、樹脂材料等で形成された部材を含んでもよい。
【0021】
第1容器2Aおよび第2容器2Bには、それぞれポリウレアの材料が収容されている。具体的には、第1容器2Aには、内容物22Aとして、イソシアネートを主成分とするA剤に硬化遅延剤および噴射剤を加えた材料が充填されている。
【0022】
イソシアネートは、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)等の芳香族イソシアネートであることが好ましい。なお、イソシアネートは、脂肪族イソシアネートであってもよい。A剤は、これらのイソシアネートの一部をポリオールと反応させてウレタンプレポリマーとした混合物であってもよい。
【0023】
硬化遅延剤は、A剤と相溶してA剤の粘度を低下させる。硬化遅延剤の一例は、メチルエチルケトン(MEK)である。なお、硬化遅延剤は、イソシアネートやポリアミンへの相溶性が優れた溶剤であればよく、アセトン等の種々の汎用溶剤を使用できる。
【0024】
噴射剤としては、液化ガス系の噴射剤や圧縮ガス系の噴射剤を使用できる。液化ガス系の噴射剤としては、例えばジメチルエーテル(DME)や液化石油ガス(LPG)等の液化ガス系の噴射剤が挙げられる。圧縮ガス系の噴射剤としては、圧縮された炭酸ガスや窒素ガスが挙げられる。本実施形態においては、液化ガス系の噴射剤を用いることが好ましい。液化ガス系の噴射剤は容器で液相であるため、A剤の粘度低下に寄与する。
【0025】
第2容器2Bには、内容物22Bとして、ポリアミンを主成分とするB剤に第1容器2Aと同様の硬化遅延剤と噴射剤とを加えた材料が充填されている。硬化遅延剤や液化ガス系の噴射剤は、B剤の粘度を低下させる。
【0026】
A剤またはB剤に対する硬化遅延剤および噴射剤の配合比(体積比)の一例は、A剤またはB剤:メチルエチルケトン:ジメチルエーテル(液相)=7:3:10である。A剤(B剤)および硬化遅延剤の合計100mLに対して、硬化遅延剤が20~40mL含まれることが好ましい。硬化遅延剤が20mL未満であると、A剤(B剤)の反応開始が早まるために材料を十分に混合できなくなるおそれがある。硬化遅延剤が40mL超であると、壁などに施工した際に液だれが発生するおそれがある。噴射剤は、液相の場合、体積比でA剤(B剤)および硬化遅延剤の合計と同量程度であることが好ましい。
【0027】
B剤は、平均分子量1000~10000のポリアミンに芳香族ジアミンを加えた混合物である。ポリアミンとしては、例えば、ポリオキシプロピレンジアミン等のポリアルキレンアミンが好適である。芳香族ジアミンとしては、例えば、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-メチレンビス(N-sec-ブチルアニリン)、あるいはこれらの混合物が挙げられる。B剤の配合比は、例えばポリアミン100重量部に対して芳香族ジアミン20~40重量部である。
【0028】
ホルダ3は、ベース5と、グリップ6と、トリガ7と、を備えている。ホルダ3の各部は、例えば、樹脂材料で形成されている。ベース5は、第1容器2Aおよび第2容器2Bに対して、着脱可能である。トリガ7およびグリップ6は、ベース5に取り付けられている。
【0029】
ユーザは、トリガ7によって、第1容器2Aおよび第2容器2Bのバルブ21を操作することができる。トリガ7は、第1容器2Aおよび第2容器2Bのバルブ21の上方に位置している。トリガ7は、ベース5の一端に設けられたヒンジを中心に回動自在に支持されている。
【0030】
噴射ノズル4は、アダプタ8と、スタティックミキサ9と、固定具10と、を備えている。アダプタ8は、ベース5に取り付けられている。アダプタ8は、例えば、チューブ(図示しない)等を通じて、第1容器2Aおよび第2容器2Bのバルブ21とそれぞれ接続されている。スタティックミキサ9の基端部は、アダプタ8に接続されている。とスタティックミキサ9は、固定具10によってアダプタ8に固定されている。
【0031】
スタティックミキサ9は、アダプタ8を通じて送られてきた第1容器2AのA剤と、アダプタ8を通じて送られてきた第2容器2BのB剤とを混合する。スタティックミキサ9には、回転方向が交互に切り替わる複数のエレメントが配置されている。
【0032】
ユーザがグリップ6を握る手の親指等でトリガ7を下方に押すと、トリガ7はヒンジを中心に回動する。このとき、トリガ7が第1容器2Aおよび第2容器2Bのバルブ21を下方に押すと、これらのバルブ21が同時に開放される。バルブ21が開放されると第1容器2AのA剤と第2容器2BのB剤とがスタティックミキサ9に供給される。
【0033】
A剤およびB剤がスタティックミキサ9の内部を通過すると、複数のエレメントにより攪拌および混合され、ポリウレアが生成される。生成されたポリウレアは、スタティックミキサ9の噴射孔9aから噴射される。
【0034】
攪拌装置30は、攪拌具Gを有する容器(例えば、スプレー缶)に適用することができる。攪拌装置30は、装置本体50と、入力軸61と、第1回転部材70Aと、第2回転部材70Bと、を備えている。例えば、第1回転部材70Aは、噴射装置1の第1容器2Aの下方に設けられ、第2回転部材70Bは、噴射装置1の第2容器2Bの下方に設けられる。
【0035】
入力軸61は、軸線CZ1(第2軸線)を中心に回転する。入力軸61の軸線CZ1は、第3方向Zに沿って延びている。入力軸61は、図1に示す例において、中実軸である。入力軸61の一部は、装置本体50よりも上方に突出している。
【0036】
第1回転部材70Aは、軸線CZ2(第1軸線)を中心に回転する。軸線CZ2は、第3方向Zに沿って延びている。軸線CZ2は、例えば、軸線CZ1に平行である。第1回転部材70Aは、複数(例えば、2つ)の磁石71A(第1磁石)を有している。
【0037】
第2回転部材70Bは、軸線CZ3(第3軸線)を中心に回転する。軸線CZ3は、第3方向Zに沿って延びている。軸線CZ3は、例えば、軸線CZ1,CZ2に平行である。第2回転部材70Bは、複数(例えば、2つ)の磁石71B(第2磁石)を有している。
【0038】
駆動部40は、駆動源と、アタッチメント42と、を有している。駆動源は、例えば、電動工具41である。電動工具41は、一例では、電動ハンドドリルであるが、他種の電動工具であってもよい。電動工具41は、本体43と、グリップ44と、バッテリ45と、を有している。
【0039】
本体43は、回転駆動部46を端部に有している。回転駆動部46は、第1方向Xと平行な軸線を中心に回転する。回転駆動部46は、出力軸47を有している。出力軸47は、図1に示す例において、中空軸である。出力軸47は、回転駆動部46とともに、第1方向Xと平行な軸線を中心に回転する。
【0040】
アタッチメント42は、図1に示す例において、L字形状を有しているが、この例に限られない。アタッチメント42は、入力軸48を有する入力部42aと、出力軸49を有する出力部42bと、を有している。入力軸48は、例えば、中実軸である。出力軸49は、例えば、中空軸である。
【0041】
アタッチメント42は、図1に示す例において、入力軸48の軸線は第1方向Xと平行であり、出力軸49の軸線は第3方向Zと平行である。そのため、第1方向Xと平行な軸線を中心とする回転がアタッチメント42によって、第3方向Zと平行な軸線を中心する回転に変換される。
【0042】
図1に示す例においては、アタッチメント42の入力軸48が電動工具41の回転駆動部46の出力軸47と連結され、アタッチメント42の出力軸49が攪拌装置30の入力軸61と連結される。これにより、攪拌装置30の入力軸61は、アタッチメント42を介して回転駆動部46の出力軸47と連結され、電動工具41によって回転する。
【0043】
続いて、攪拌装置30について説明する。
図2は、本実施形態に係る攪拌装置30の概略的な平面図である。図3は、本実施形態に係る攪拌装置30の概略的な側面図である。図4は、図2に示されたIV-IV線に沿う攪拌装置30の概略的な断面図である。図5は、図2に示された装置本体50の内部50Aを示す概略的な平面図である。図6は、図2に示された蓋部材52を示す概略的な平面図である。
【0044】
図3および図4においては、攪拌装置30を第2方向Yに見ている。図5においては、蓋部材52等の一部の部材を省略して示している。図6においては、蓋部材52を第3方向Zに見ている。
【0045】
攪拌装置30は、図1を用いて説明したように、装置本体50と、入力軸61と、第1回転部材70Aと、第2回転部材70Bと、を備えている。攪拌装置30は、図2乃至図6に示すように、出力軸62,63と、動力伝達部材80と、をさらに備えている。
【0046】
装置本体50の各部は、例えば、樹脂材料で形成されているが、金属材料等によって形成されてもよい。装置本体50は、第3方向Zと反対の方向に見て、略三角形状を有している。装置本体50は、この例に限らず、他の形状を有してもよい。
【0047】
第3方向Zと反対の方向に見て、軸線CZ1,CZ2,CZ3は、三角形(例えば、二等辺三角形)の各頂点に配置されている。軸線CZ1と軸線CZ2との距離は、例えば、軸線CZ1と軸線CZ3との距離と等しい。
【0048】
装置本体50は、箱部材51と、蓋部材52と、を有している。箱部材51は、図4および図5に示すように、底壁53と、底壁53と接続された側壁54と、を有している。底壁53と側壁54とは、例えば、一体的に形成されるが、この例に限られない。側壁54は、底壁53の縁に沿って設けられている。側壁54は、底壁53から第3方向Zに向けて延びている。
【0049】
底壁53は、第1面531と、第1面531と反対側の第2面532と、を有している。第1面531および第2面532は、X軸およびY軸によって規定されるX-Y平面に実質的に平行な面である。第2面532は、蓋部材52と向かい合う面である。
【0050】
底壁53は、下支持部533A,533B,533Cを有している。下支持部533A,533B,533Cは、それぞれ同様の形状を有している。下支持部533A,533B,533Cは、例えば、略円錐台形状を有している。
【0051】
下支持部533A,533B,533Cは、第3面534と、第2面532と第3面534とを接続する第4面535と、凹部536と、をさらに有している。第3面534は、図4に示すように、第2面532よりも上方に位置している。
【0052】
第3面534は、X-Y平面に実質的に平行な面である。第4面535は、図4に示すように、テーパ状に形成されている。凹部536は、第3面534から第1面531に向けて窪んでいる。凹部536は、第3方向Zと反対の方向にみて、円形状を有している。
【0053】
蓋部材52は、箱部材51の上方に位置する。蓋部材52は、図4および図6に示すように、天壁55と、天壁55と接続された側壁56と、を有している。天壁55と側壁56とは、例えば、一体的に形成されるが、この例に限られない。
【0054】
側壁56は、天壁55の縁に沿って設けられている。側壁56は、天壁55から第3方向Zと反対の方向に向けて延びている。側壁56は、図4に示す例において、箱部材51の側壁54を外側から囲っている。
【0055】
天壁55は、第5面551と、第5面551と反対側の第6面552と、を有している。第5面551および第6面552は、X-Y平面に実質的に平行な面である。第6面552は、箱部材51の第2面532と向かい合う面である。
【0056】
天壁55は、上支持部553A,553B,553Cを有している。上支持部553A,553B,553Cは、それぞれ同様の形状を有している。上支持部553A,553B,553Cは、例えば、円筒形状を有している。上支持部553A,553B,553Cは、第7面554と、第7面554と第6面552とを接続する第8面555と、貫通孔556と、をそれぞれ有している。
【0057】
第7面554は、第6面552よりも下方に位置している。第7面554は、X-Y平面に実質的に平行な面である。第8面555は、第3方向Zに沿って延びている。貫通孔556は、第7面554と第5面551とを貫通している。貫通孔556は、例えば、第3方向Zと反対の方向にみて、円形状を有している。
【0058】
箱部材51に蓋部材52が重なると、下支持部533Aの第3面534は上支持部553Aの第7面554と向かい合い、下支持部533Bの第3面534は上支持部553Bの第7面554と向かい合い、下支持部533Cの第3面534は上支持部553Cの第7面554と向かい合う。
【0059】
装置本体50の内部50Aは、底壁53、天壁55、および側壁54によって囲まれた領域に相当する。蓋部材52は、例えば、複数(例えば、3つ)のねじS(図2に示す)によって、箱部材51に固定される。複数のねじSは、蓋部材52に形成された貫通孔57(図6に示す)に通され、箱部材51に形成された雌ねじ58(図5に示す)にそれぞれ固定される。
【0060】
入力軸61および出力軸62,63は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料によって形成される。入力軸61および出力軸62,63は、金属材料以外に樹脂材料等によって形成されてもよい。
【0061】
入力軸61および出力軸62,63は、例えば、それぞれ同様の形状を有している。入力軸61および出力軸62,63は、例えば、円柱形状を有しているが、この例に限られない。入力軸61および出力軸62,63は、例えば、平行ピンである。入力軸61および出力軸62,63の長さは、例えば、それぞれ等しい。入力軸61および出力軸62,63の長さは、他の例では、それぞれ異なってもよい。
【0062】
入力軸61は、図4に示すように、下支持部533Aの凹部536および上支持部553Aの貫通孔556によって回転可能に装置本体50に支持される。下支持部533Aの凹部536の軸線および上支持部553Aの貫通孔556の軸線は、軸線CZ1と同軸上に位置する。
【0063】
入力軸61の下端部61aは下支持部533Aの凹部536に位置し、入力軸61の上端部61bは蓋部材52よりも上方に位置している。入力軸61の上端部61bは、アタッチメント42の出力軸49(図1に示す)と連結される。
【0064】
出力軸62は、図4に示すように、下支持部533Bの凹部536および上支持部553Bの貫通孔556によって回転可能に装置本体50に支持される。下支持部533Bの凹部536の軸線および上支持部553Bの貫通孔556の軸線は、第1回転部材70Aの軸線CZ2と同軸上に位置する。
【0065】
出力軸62の下端部62aは下支持部533Bの凹部536に位置し、出力軸62の上端部62bは蓋部材52よりも上方に位置している。出力軸62の上端部62bは、第1回転部材70Aと連結される。
【0066】
出力軸63は、図2に示すように、出力軸62と間隔を置いて、Y方向に並んでいる。出力軸63は、下支持部533Cの凹部536および上支持部553Cの貫通孔556によって回転可能に装置本体50に支持される。下支持部533Cの凹部536の軸線および上支持部553Cの貫通孔556の軸線は、第2回転部材70Bの軸線CZ3と同軸上に位置する。
【0067】
出力軸63の下端部は下支持部533Cの凹部536に位置し、出力軸63の上端部は蓋部材52よりも上方に位置する。出力軸63の上端部は、第2回転部材70Bと連結される。
【0068】
下支持部533A,533B,533Cの凹部536および上支持部553A,553B,553Cの貫通孔556の形状は、入力軸61および出力軸62,63の形状等に応じて、適宜変更される。
【0069】
第1回転部材70Aは、図3に示すように、装置本体50の上方に設けられている。より具体的には、第1回転部材70Aは、第3方向Zにおいて、蓋部材52と間隔を置いて設けられている。
【0070】
第1回転部材70Aは、図2に示すように、2つの磁石71Aと、第1回転部材本体72Aと、を有している。第1回転部材本体72Aは、例えば、樹脂材料によって形成することができる。第1回転部材本体72Aは、金属材料によって形成してもよい。
【0071】
第1回転部材本体72Aは、第3方向Zに沿って延びている。第1回転部材本体72Aは、図2乃至図4に示すように、下部分73と、下部分73と接続された上部分74と、出力軸取付孔75と、2つの磁石固定部76と、を有している。
【0072】
第1回転部材本体72Aは、例えば、一体的に形成されている。下部分73は、例えば、円柱形状を有している。上部分74は、例えば、第3方向Zに沿って径が小さくなるドーム形状を有している。上部分74は、他の例として、半球形状でもよいし、円錐台形状でもよい。
【0073】
下部分73は下面731を有し、上部分74は上面741(第1配置面)を有している。下面731は、蓋部材52の第5面551と向かい合う。上面741には、第1容器2Aが置かれる。上面741は、第1容器2Aの容器本体20の底壁23(図7に示す)と向かい合う。
【0074】
下面731は、X-Y平面に実質的に平行な面である。上面741は、例えば、第3方向Zに突出する凸形状を有している。上面741は、図3に示す例において、湾曲した形状である。
【0075】
出力軸取付孔75には、第3方向Zに沿って、出力軸62の上端部62bが通され、出力軸62が取り付けられる。出力軸取付孔75は、図4に示す例において、下面731と上面741とを貫通する貫通孔である。
【0076】
出力軸取付孔75は、第3方向Zと反対の方向にみて、円形状を有している。出力軸取付孔75の形状は、出力軸62の形状等に応じて、適宜変更される。出力軸取付孔75は、上面741まで貫通しなくてもよい。
【0077】
2つの磁石71Aは、2つの磁石固定部76に設けられている。2つの磁石固定部76は、軸線CZ2を中心とする径方向R(図4に示す)において、軸線CZ2から離れた位置に形成されている。言い換えると、2つの磁石71Aは、第1回転部材70Aにおいて、軸線CZ2から離れて配置される。
【0078】
2つの磁石固定部76は、例えば、軸線CZ2を中心とする周方向θ(図4に示す)に180度離れて形成されている。言い換えると、2つの磁石71Aは、軸線CZ2を中心とする周方向θに配置される。磁石固定部76の数は、磁石71Aの数に応じて、適宜変更される。磁石固定部76は、上面741から窪む凹部である。
【0079】
2つの磁石固定部76の軸線は、図4に示す例において、軸線CZ2に対して傾斜している。言い換えると、2つの磁石固定部76の軸線は、軸線CZ2と交差する。磁石固定部76は、円柱形状を有している。磁石固定部76の形状は、磁石71Aの形状等に応じて、適宜変更される。
【0080】
2つの磁石71Aは、2つの磁石固定部76において、例えば、ねじ77によって固定される。2つの磁石固定部76の底部には、ねじ77を固定するための雌ねじ761(図4に示す)が形成されてもよい。
【0081】
2つの磁石71Aは、例えば、永久磁石である。永久磁石は、一例ではネオジム磁石であるが、この例に限られない。磁石71Aの各々は、一つの磁石によって形成されてもよいし、複数の磁石によって形成されてよい。磁石71Aの各々は、例えば、複数の磁石を重ねることによって形成される。
【0082】
2つの磁石71Aは、容器本体20と向かい合う側にS極が位置してもよいし、N極が位置してもよい。2つの磁石71Aは、例えば、同じ極を容器本体20に向けてもよい。さらに他の例として、2つの磁石71Aの一方がS極を容器本体20に向け、2つの磁石71Aの他方がN極を容器本体20に向けてもよい。
【0083】
第2回転部材70Bは、装置本体50の上方に設けられている。より具体的には、第2回転部材70Bは、第3方向Zにおいて、蓋部材52と間隔を置いて設けられている。第2回転部材70Bは、2つの磁石71Bと、第2回転部材本体72Bと、を有している。第2回転部材本体72Bは、第1回転部材本体72Aと同様に形成されている。
【0084】
すなわち、第2回転部材本体72Bは、下部分73と、下部分73と接続された上部分74と、出力軸取付孔75と、2つの磁石固定部76と、を有している。第2回転部材70Bの上部分74の上面741は、第2配置面に相当する。
【0085】
第2回転部材70Bの上面741には、第2容器2Bが置かれる。第2回転部材70Bの上面741は第2容器2Bの容器本体20の底壁と向かい合う。第2回転部材70Bの出力軸取付孔75には、出力軸63が取り付けられる。
【0086】
2つの磁石71Bは、第2回転部材70Bの2つの磁石固定部76に設けられている。第2回転部材70Bの2つの磁石固定部76は、軸線CZ3を中心とする径方向において、軸線CZ3から離れた位置に形成されている。言い換えると、2つの磁石71Bは、第2回転部材70Bにおいて、軸線CZ3から離れて配置される。
【0087】
第2回転部材70Bの2つの磁石固定部76は、例えば、軸線CZ3を中心とする周方向に180度離れて形成されている。2つの磁石71Bは、2つの磁石71Aと同様に形成されている。
【0088】
動力伝達部材80は、入力軸61の回転を出力軸62および出力軸63に伝達する。動力伝達部材80は、図4および図5に示すように、第1歯車81と、第2歯車82と、第3歯車83と、を有している。
【0089】
第1歯車81、第2歯車82、および第3歯車83は、例えば、樹脂材料によって形成される。第1歯車81、第2歯車82、および第3歯車83は、例えば、平歯車(スパーギヤ)である。第1歯車81、第2歯車82、および第3歯車83は、例えば、それぞれ同様の形状を有している。第1歯車81、第2歯車82、および第3歯車83の歯は、第3方向Zに平行である。
【0090】
第1歯車81は、入力軸61に設けられている。より具体的には、入力軸61は、第1歯車81の中央部に形成された取付孔811に通されている。第1歯車81は、装置本体50の内部50Aにおいて、下支持部533Aの第3面534と上支持部553Aの第7面554との間において、入力軸61に固定されている。
【0091】
例えば、第1歯車81と下支持部533Aの第3面534とは接し、第1歯車81と上支持部553Aの第7面554との間には隙間が形成されている。第1歯車81と下支持部533Aの第3面534との間には、隙間が形成されてもよい。入力軸61が回転すると、第1歯車81が軸線CZ1を中心に回転する。
【0092】
第2歯車82は、出力軸62に設けられている。より具体的には、出力軸62は、第2歯車82の中央部に形成された取付孔821に通されている。第2歯車82は、装置本体50の内部50Aにおいて、下支持部533Bの第3面534と上支持部553Bの第7面554との間において、出力軸62に固定されている。
【0093】
例えば、第2歯車82と下支持部533Bの第3面534とは接し、第2歯車82と上支持部553Bの第7面554との間には隙間が形成されている。第2歯車82と下支持部533Bの第3面534との間には、隙間が形成されてもよい。第2歯車82は、軸線CZ2を中心に回転する。第2歯車82は、第1歯車81とかみ合っている。
【0094】
第3歯車83は、出力軸63に設けられている。より具体的には、出力軸63は、第3歯車83の中央部に形成された取付孔831に通されている。第3歯車83は、装置本体50の内部50Aにおいて、下支持部533Cの第3面534と上支持部553Cの第7面554との間において、出力軸63に固定されている。
【0095】
例えば、第3歯車83と下支持部533Cの第3面534とは接し、第3歯車83と上支持部553Cの第7面554との間には隙間が形成されている。第3歯車83と下支持部533Cの第3面534との間には、隙間が形成されてもよい。第3歯車83は、軸線CZ3を中心に回転する。第3歯車83は、第1歯車81とかみ合い、第2歯車82とはかみ合っていない。
【0096】
第1歯車81は、図5に示すように、第2歯車82および第3歯車83とそれぞれかみ合っている。これにより、入力軸61および第1歯車81が回転すると、第2歯車82および第3歯車83が回転する。第2歯車82が回転すると出力軸62が回転し、第3歯車83が回転すると出力軸63が回転する。
【0097】
その結果、出力軸62に設けられた第1回転部材70Aが回転し、出力軸63に設けられた第2回転部材70Bが回転する。このように、動力伝達部材80は、入力軸61の回転を第1回転部材70Aおよび第2回転部材70Bに伝達する。
【0098】
出力軸62,63は、入力軸61と反対の方向に回転する。出力軸62,63の単位時間当たりの回転数は、例えば、入力軸61の単位時間当たりの回転数と等しい。出力軸62,63の単位時間当たりの回転数は、例えば、入力軸61の単位時間当たりの回転数と異なるように調整されてもよい。第1歯車81は、第2歯車82および第3歯車83とかみ合っているが、第1歯車81、第2歯車82、および第3歯車83の組み合わせはこの例に限られない。
【0099】
続いて、噴射装置1の第1容器2Aおよび第2容器2Bと攪拌装置30の第1回転部材70Aおよび第2回転部材70Bとの関係について説明する。
【0100】
図7は、噴射装置1の第1容器2Aと攪拌装置30の第1回転部材70Aとの関係を示す図である。図7においては、各部材を断面にて示している。第1容器2Aは、図7に示すように、上方から第1回転部材70Aに配置されている。容器本体20の軸線は、軸線CZ2と同軸上に位置している。
【0101】
容器本体20の下端には、底壁23が設けられている。底壁23は、例えば、容器本体20の内側(図7における上方)に向かう凸形状を有している。底壁23は、一例では、湾曲した形状を有している。これにより、底壁23の下方には、第3方向Zに沿って径が小さくなるドーム形状の空間が形成される。
【0102】
容器本体20には、図1を用いて説明したように、内容物22Aおよび攪拌具Gが収容されている。攪拌具Gは、例えば、複数収容されている。攪拌具Gは、図7に示す例において、2つであるが、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0103】
攪拌具Gは、磁石に吸着する。攪拌具Gは、一例では、鉄材料などの強磁性体で形成されているが、この例に限られない。攪拌具Gは、他の例として、磁石であってもよい。攪拌具Gの外周面は、ニッケルめっき等の処理が施されてもよい。攪拌具Gの比重は、容器本体20に収容される内容物22Aを構成する材料の比重よりも大きい。攪拌具Gは内容物22Aに対して浮かず、底壁23の上に位置している。
【0104】
攪拌具Gは、一例では、球形状を有している。攪拌具Gの直径は、例えば、約5mm~15mmである。攪拌具Gは、他の例として、略長球形状を有してもよいし、多面体形状を有してもよいし、これらの形状以外の形状を有してもよい。
【0105】
さらに他の例として、攪拌具Gは、攪拌効果を向上させることを目的として、突起を備える形状を有してもよい。突起の形状には、羽根のような形状など様々な形状を適用することができる。さらに他の例として、攪拌具Gは、外周面に凹部を有してもよい。
【0106】
攪拌具Gは、図7に示す例において、底壁23を挟んで、磁石71Aに吸着している。第1容器2Aが上面741の上に置かれた状態において、第1回転部材70Aが軸線CZ2を中心に回転すると、磁石71Aとともに、攪拌具Gが軸線CZ2を中心に回転する。攪拌装置30を使用することによって内容物22Aを機械的に攪拌することができる。
【0107】
このとき、2つの磁石71Aおよび2つの攪拌具Gは、軸線CZ2から径方向Rに離れている。言い換えると、2つの磁石71Aおよび2つの攪拌具Gは、第3方向Zおいて、軸線CZ2と重なっていない。
【0108】
第1回転部材本体72Aは、容器本体20の底部の形状に応じた形状を有している。ここで、底部とは、容器本体20の底壁23および底壁23の近傍(例えば、側壁)を含む。
【0109】
上部分74の上面741は、容器本体20の底部に沿う形状を有している。より具体的には、上面741は、容器本体20の底壁23に向けて突出する凸形状を有している。上面741は、一例では、容器本体20の底壁23の曲率と等しい曲率を有している。
【0110】
そのため、第1回転部材本体72Aの上部分74の少なくとも一部は、底壁23の下方に形成された空間に位置することができる。これにより、第1回転部材70Aの2つの磁石71Aと攪拌具Gとの距離を小さくすることができる。その結果、攪拌具Gは、磁石71Aにより吸着しやすくなる。2つの磁石71Aと攪拌具Gとの距離は、できる限り小さいほうが好ましい。
【0111】
図7に示す例においては、容器本体20の底壁23と上面741との間には隙間が形成されているが、この隙間は形成されなくてもよい。言い換えると、上面741は、容器本体20の底壁23と接してもよい。この場合、上面741は、容器本体20の底壁23の全面と接してもよいし、一部と接してもよい。
【0112】
図7においては、第1容器2Aと攪拌装置30の第1回転部材70Aとの関係について説明したが、第2容器2Bと攪拌装置30の第2回転部材70Bとの関係についても同様である。
【0113】
すなわち、第2容器2Bの容器本体20には、内容物22Bおよび2つの攪拌具Gが収容されている。第2容器2Bの攪拌具Gは、磁石71Bに吸着する。言い換えると、磁石71Bが軸線CZ3を中心に回転すると、第2容器2Bの攪拌具Gも軸線CZ3を中心に回転する。攪拌装置30を使用することによって内容物22Bを機械的に攪拌することができる。
【0114】
続いて、本実施形態に係る攪拌装置30および攪拌システム100の使用方法について説明する。
【0115】
まず、噴射装置1の第1容器2Aおよび第2容器2Bを攪拌装置30の上に配置する。第1容器2Aおよび第2容器2Bは、例えば、ホルダ3にそれぞれ取り付けられている。より具体的には、第1回転部材70Aの上面741の上に第1容器2Aを配置し、第2回転部材70Bの上面741の上に第2容器2Bを配置する。第1容器2Aには内容物22Aおよび2つの攪拌具Gが収容され、第2容器2Bには内容物22Bおよび2つの攪拌具Gが収容されている。
【0116】
攪拌装置30の上に第1容器2Aおよび第2容器2Bが配置された状態で、第1回転部材70Aおよび第2回転部材70Bを回転させる。より具体的には、電動工具41(図1に示す)によって、入力軸61を回転させる。
【0117】
これにより、動力伝達部材80を介して、出力軸62および第1回転部材70Aが軸線CZ2を中心に回転し、出力軸63および第2回転部材70Bが軸線CZ3を中心に回転する。
【0118】
第1回転部材70Aは2つの磁石71Aを有し、第2回転部材70Bには2つの磁石71Bを有している。そのため、2つの磁石71Aは軸線CZ2を中心に回転し、2つの磁石71Bは軸線CZ3を中心に回転する。
【0119】
各攪拌具Gは磁石に吸着するため、第1容器2Aの2つの攪拌具Gは2つの磁石71Aにそれぞれ引き寄せられ、第2容器2Bの2つの攪拌具Gは2つの磁石71Bにそれぞれ引き寄せられる。
【0120】
これにより、2つの磁石71Aが軸線CZ2を中心に回転すると、第1容器2Aの2つの攪拌具Gも軸線CZ2を中心に回転する。同様に、2つの磁石71Bが軸線CZ3を中心に回転すると、第2容器2Bの2つの攪拌具Gも軸線CZ3を中心に回転する。
【0121】
2つの攪拌具Gが第1容器2Aの容器本体20の内部で軸線CZ2を中心に回転すると、内容物22Aが攪拌具Gによって攪拌される。第2容器2Bの2つの攪拌具Gが容器本体20の内部で軸線CZ3を中心に回転すると、内容物22Bが攪拌具Gによって攪拌される。
【0122】
攪拌装置30によって第1容器2Aの内容物22Aおよび第2容器2Bの内容物22Bが攪拌された後、噴射装置1を攪拌装置30から取り外し、第1容器2Aおよび第2容器2Bを上下に振ってもよい。
【0123】
内容物22A,22Bには、比重の異なる複数の材料が含まれている。攪拌装置30を使用した後に第1容器2Aおよび第2容器2Bを上下に振ることによって、比重の異なる複数の材料を混合することができる。第1容器2Aおよび第2容器2Bはホルダ3に取り付けられているために、第2容器2Bは、第1容器2Aとともに上下に振ることができる。
【0124】
その後、ポリウレアを塗装する作業箇所やワークにスタティックミキサ9(図1に示す)の先端を向け、トリガ7を押す。このとき、スタティックミキサ9においてA剤およびB剤が攪拌および混合され、噴射孔9aからポリウレアが噴射される。
【0125】
ユーザは、一例として、地面や床等に置いた状態で攪拌装置30を使用する。ユーザは、他の例として、攪拌装置30を手で持った状態で使用することもできる。さらに、ユーザは、攪拌装置30に第1容器2Aおよび第2容器2Bを置いた状態で、攪拌装置30による攪拌作業をしながら、ポリウレアを噴射することもできる。
【0126】
以上のように構成された攪拌装置30は、軸線CZ2を中心に回転する第1回転部材70Aを備えている。第1回転部材70Aは、第1容器2Aの容器本体20が置かれる上面741と、軸線CZ2から離れて配置された磁石71Aと、を有している。
【0127】
第1回転部材70Aの上に第1容器2Aが配置されると、攪拌具Gは、軸線CZ2から離れて磁石71Aに吸着する。この状態で第1回転部材70Aが軸線CZ2を中心に回転すると、磁石71Aに吸着された攪拌具Gが軸線CZ2を中心に回転する。これにより、内容物22Aが攪拌具Gによって攪拌される。
【0128】
内容物22Aには、顔料および樹脂成分等が含まれる場合がある。顔料および樹脂成分は、内容物22Aを構成する材料の中で比重が大きいため、底壁23に沈殿したり、凝集したりするため、沈殿物となり得る。
【0129】
攪拌具Gが軸線CZ2を中心に回転することで、顔料および樹脂成分が内容物22A中で分散される。言い換えると、攪拌具Gによって攪拌されることで、顔料および樹脂成分が底壁23から浮上する。さらに、攪拌具Gは底壁23に接しながら回転するため、底壁23上の顔料および樹脂成分による沈殿物や凝集を分散させやすい。
【0130】
第1容器2Aは、例えば、チューブ24(図7に示す)を有している。チューブ24は、容器本体20の上方から底壁23へ向けて延びている。チューブ24は、バルブ21(図1に示す)が開放された際に、内容物22Aが通る流路に相当する。
【0131】
チューブ24の一端には、流入孔25(図7に示す)が設けられている。チューブ24の流入孔25を含む部分は、内容物22Aの液相に浸かっている。流入孔25は、図7に示す例において、底壁23の近傍に位置している。流入孔25は、例えば、底壁23に向けて開口している。
【0132】
顔料および樹脂成分は、流入孔25を目詰まりさせ、流入孔25を部分的あるいは完全に塞ぐ原因となり得る。攪拌装置30を使用することによって内容物22Aを機械的に攪拌することができる。
【0133】
これにより、顔料および樹脂成分を内容物22A中に分散させることができる。その結果、顔料および樹脂成分は、底壁23の近傍で沈殿したり凝集したりしにくくなるため、流入孔25の目詰まりが抑制される。
【0134】
顔料および樹脂成分が底壁23の近傍で沈殿したり、凝集したりしていると、ユーザが第1容器2Aを上下に振るだけでは、顔料および樹脂成分は分散しにくい。そのため、攪拌装置30によって内容物22Aを機械的に攪拌することで、顔料および樹脂成分を内容物22A中で分散させることができる。
【0135】
攪拌装置30によって内容物22Aを攪拌した後、ユーザが第1容器2Aを上下に振ることで、顔料および樹脂成分と複数の材料とを混合する際のバラつきを抑制することができる。
【0136】
言い換えると、攪拌装置30による攪拌動作が、ユーザによる第1容器2Aを上下に振る動作の前の補助動作となる。その結果、本実施形態であれば、第1容器2Aの内容物22Aの良好な噴射を実現することができる攪拌装置30を提供することができる。
【0137】
本実施形態において、攪拌装置30は、軸線CZ3を中心に回転する第2回転部材70Bをさらに備えている。第2回転部材70Bは、第2容器2Bの容器本体20が置かれる上面741と、軸線CZ3から離れて配置された磁石71Bと、を有している。これにより、第2容器2Bの内容物22Bにおいても、第1容器2Aと同様に、内容物22Bを機械的に攪拌することができる。
【0138】
すなわち、攪拌装置30を使用することによって顔料および樹脂成分を内容物22A,22B中にそれぞれ分散させることができる。これにより、顔料および樹脂成分が底壁23の近傍で沈殿したり凝集したりしにくくなるため、第1容器2Aおよび第2容器2Bにおいて、流入孔25の目詰まりが抑制される。
【0139】
内容物22A,22Bには比重の異なる複数の材料が含まれているため、容器本体20の上部と下部とでは濃度の違いが生じ得る。これは、均一な施工を行う上で障害となり得る。
【0140】
特に、2液性の樹脂を吹き付ける場合、反応すべき2つの液体の混合比が所望の混合比にならないと、吹き付けられた樹脂が化学反応する際に主剤または硬化剤のどちらかが過剰となることで未反応となったり、高分子素材として十分に硬化することができなかったりすることが懸念される。
【0141】
本実施形態であれば、攪拌装置30によって内容物22A,22Bを攪拌することによって、顔料および樹脂成分と複数の材料とを混合する際のバラつきを抑制することができる。
【0142】
その結果、2液混合型の噴射装置1に対して、第1容器2AのA剤と第2容器2BのB剤との混合割合を正常に保つことができ、所望の特性のポリウレアを噴射することができる。
【0143】
本実施形態に係る攪拌装置30であれば、ユーザは、攪拌装置30による攪拌作業をしながら、ポリウレアを噴射することができる。これまで、ユーザは、施工前にスプレー缶等の容器を手で振る等して内容物を攪拌することは可能であったが、噴射中も攪拌作業を継続することは困難であった。
【0144】
例えば、比較例に係るスプレー缶の攪拌装置としては、スプレー缶を振ったり、スプレー缶に振動を与えたりするための装置がある。このような攪拌装置は施工前の攪拌作業を前提としており、装置自体が大がかりなものであったため、施工中に攪拌作業を行うことができなかった。
【0145】
そのため、内容物が比重の異なる材料や微細な添加物を含む場合、施工の開始時点と施工の終了時点とでは、噴射される内容物の組成に差異が生じることがある。これは、出来上がった塗膜が不均一になったり、化学反応において未反応な部分が生じることによる硬化不良が発生したりする原因となり得る。
【0146】
本実施形態であれば、攪拌作業をしながらポリウレアを噴射することができるため、施工の開始時点と施工の終了時点とにおいて、噴射される内容物の組成に差異が生じにくくなる。その結果、攪拌装置30であれば、良好な塗膜を形成することができる。
【0147】
本実施形態において、磁石71A,71Bは、軸線CZ2,CZ3を中心とする周方向に複数設けられている。これにより、攪拌具Gは、磁石71A,71Bに吸着しやすくなる。その結果、磁石71A,71Bが回転する際に、攪拌具Gをより確実に回転させることができる。
【0148】
本実施形態においては、攪拌装置30は、入力軸61と、動力伝達部材80と、を備えている。入力軸61は、アタッチメント42を介して、電動工具41の回転駆動部46の出力軸47と連結される。電動工具41を駆動源とすることで、容易に攪拌装置30による攪拌を行うことができる。
【0149】
アタッチメント42を介して電動工具41と入力軸61とを連結することによって、噴射装置1と電動工具41との干渉を避けることができる。さらに、電動工具41として電動ハンドドリルを使用することによって、攪拌装置30を所望の場所で使用することができる。
【0150】
本実施形態において、動力伝達部材80は、入力軸61の回転を第1回転部材70Aおよび第2回転部材70Bに伝達する。これにより、入力軸61を回転させることで、第1容器2Aと第2容器2Bとを同時に攪拌することができる。その結果、攪拌作業を効率的に行うことができる。
【0151】
本実施形態に係る攪拌装置30は、図1に示すように、ホルダ3に取り付けられた状態の第1容器2Aと第2容器2Bとに適用することができる。攪拌のために第1容器2Aおよび第2容器2Bをホルダ3から取り外す必要がない。これにより、攪拌作業をより効率的に行うことができる。
【0152】
攪拌装置30によって内容物22A,22Bを機械的に攪拌するため、攪拌時間および回転数等を予め規定することができる。これにより、ユーザの違いによる攪拌作業のバラつきを防止することができる。言い換えると、攪拌装置30であれば、噴射される内容物の品質の管理が行いやすくなる。
【0153】
以上のように、本実施形態であれば、容器の内容物の良好な噴射を実現することができる攪拌装置30および攪拌システム100を提供することが可能である。以上説明した他にも、本実施形態からは種々の好適な作用が得られる。
【0154】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0155】
図8は、本実施形態に係る攪拌システム100の概略的な部分断面図である。図8においては、第1回転部材70Aについて説明するが、第2回転部材70Bについても同様の構成を備える。本実施形態に係る攪拌システム100は、制御部CTをさらに備え、磁石71A,71Bが電磁石である点で第1実施形態と相違する。
【0156】
2つの磁石71Aは、電磁石である。磁石71Aは、例えば、円柱形状を有している。2つの磁石71Aには、配線Wが接続されている。攪拌システム100は、制御部CTをさらに備えている。制御部CTは、磁石71Aに供給する電流を調整することができる。制御部CTは、2つの磁石71Aに電流を供給するため電源を含んでもよい。
【0157】
配線Wは、例えば、出力軸62に設けられたスリップリング機構SRを介して制御部CTと電気的に接続される。制御部CTは、装置本体50に設けられてもよいし、装置本体50以外に設けられてもよい。また、制御部CTは、2つの磁石71Bとも接続されてもよい。
【0158】
配線Wは、スリップリング機構SRの端子と電気的に接続される。スリップリング機構SRは、例えば、スリップリングおよびブラシ等を含んでいる。制御部CTがスリップリング機構SRを介して配線Wと接続することによって、配線Wが断線することなく、2つの磁石71Aに電流を供給することができる。
【0159】
攪拌具Gは、例えば、永久磁石である。攪拌具Gの形状は、第1実施形態と同様に、球形状を有してもよいし、他の形状を有してもよい。
【0160】
本実施形態の構成においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態においては、磁石71Aが電磁石であり、制御部CTによって磁石71Aに供給する電流を調整することができる。制御部CTによって磁石71Aに供給する電流を調整することによって、磁石71Aの極性、磁石71Aから攪拌具Gに作用する磁力の大きさ等を制御することができる。
【0161】
例えば、制御部CTによって電流の向きを変化させることによって、磁石71Aから容器本体20に向かう極性をS極とN極との間で切り換えることができる。制御部CTは、例えば、一定の時間間隔で攪拌具Gに作用する極性を切り換える。制御部CTは、例えば、電流の大きさを調整することによって、磁石71Aが攪拌具Gに作用する磁力を調整することができる。
【0162】
これにより、永久磁石である攪拌具Gの動きを制御部CTによって制御することができる。一例では、制御部CTによって、攪拌具Gを不規則に動かすことができる。他の例では、制御部CTによって磁石71Aに供給する電流を停止することで、容器本体20の内部で攪拌具Gの動きを途中で止めることができる。
【0163】
さらに、他の例として、制御部CTによって磁石71Aに供給する電流を変化させることで、容器本体20の中で攪拌具Gを飛び上がらせるような動きをさせることができる。攪拌具Gに所望の動きをさせることによって、攪拌システム100において、より一層の攪拌効果を得ことができる。
【0164】
なお、本実施形態においては、噴射装置1として、ポリウレアを噴射する噴射装置を例示した。しかし、本実施形態にて開示した構成は、他種の材料を噴射する噴射装置にも適用できる。この場合においては、第1容器2Aおよび第2容器2Bに噴射すべき材料を得るための適宜の内容物が収容される。
【0165】
噴射装置が備える容器(スプレー缶)の数は2つに限られず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。容器の数に合わせてホルダ3の形状および攪拌装置30の形状等は適宜変更される。
【0166】
上述の各実施形態において、第1容器2Aおよび第2容器2Bの容器本体20の一例を開示したが、容器本体20は他の形状を有してもよい。
【0167】
図9は、容器本体20に適用可能な形状の他の例を示す概略的な断面図である。図9に示す例において、容器本体20の底壁23は、第3方向Zと反対の方向に突出する半球形状を有している。
【0168】
第1回転部材本体72Aは、下部分73と、下部分73と接続された上部分78と、を有している。上部分78は、上面781を有している。本実施形態において、上面781は、第1配置面に相当する。上面781には、第1容器2Aが置かれる。
【0169】
図9に示す例において、上部分78の上面781は、容器本体20の底部に沿う形状を有している。より具体的には、上面781は、容器本体20から離れるように窪む凹形状を有している。言い換えると、上面781は、容器本体20の底壁23を包み込むような形状を有している。
【0170】
容器本体20が図9に示すような形状であっても、上面781が容器本体20の底部に沿う形状を有することで、2つの磁石71Aと容器本体20に収容された攪拌具Gとの距離を小さくすることができる。言い換えると、攪拌具Gにきわめて近い位置において、磁石71Aを回転させることができる。その結果、磁石71Aによって、攪拌具Gを確実に操作することができる。
【0171】
このような第1回転部材本体72Aの形状は、第2回転部材本体72Bの形状にも適用することができる。図9に示した容器本体20の形状は一例であり、容器本体20は他の形状を有してもよい。
【0172】
容器本体20の底部は、例えば、第3方向Zと反対の方向に沿って径が小さくなるドーム形状を有してもよい。容器本体20の底部は、略半楕円形状を有してもよい。容器本体20の形状に応じて、第1回転部材本体72Aおよび第2回転部材本体72Bの形状は適宜変更される。
【0173】
本実施形態において、入力軸61の一部は装置本体50よりも上方に突出しているが、入力軸61の一部は装置本体50よりも下方に突出してもよい。本実施形態においては、駆動源が電動工具41である場合を例示したが、駆動源は電動工具41以外でもよい。
【0174】
駆動源としては、例えば、モータおよびモータと電気的に接続される電池等を適用することができる。モータおよび電池等は、例えば、装置本体50の上方に設けられてもよいし、下方に設けられてもよい。駆動源がモータおよび電池で構成される場合であっても、攪拌装置30の可搬性は維持させる。
【0175】
本実施形態において、動力伝達部材80が第1歯車81、第2歯車82、および第3歯車83を備える場合を例示したが、動力伝達部材80は、他の部材によって構成されてもよい。
【0176】
動力伝達部材80は、例えば、入力軸61および出力軸62,63に設けられるプーリと、入力軸61に設けられるプーリの回転を出力軸62,63に設けられるプーリに伝達するベルトと、を備えてもよい。
【0177】
本実施形態において、入力軸61は中実軸であるが、入力軸61は中空軸であってもよい。入力軸61は、アタッチメント42を介して電動工具41と連結されるが、入力軸61は電動工具41と直接連結されてもよい。
【0178】
本実施形態において、電動工具41の出力軸47は、中空軸であるが、出力軸47は中実軸でもよい。出力軸47および入力軸61の形状に応じて、アタッチメント42の入力軸48および出力軸49の形状は適宜変更される。
【0179】
本実施形態において、磁石71A,71Bは、第1容器2Aおよび第2容器2Bに向けて露出しているが、磁石71A,71Bは、露出していなくてもよい。磁石71A,71Bと第1容器2Aおよび第2容器2Bとの間に他の部材が位置してもよい。
【0180】
攪拌装置30を使用する際に、第1容器2Aおよび第2容器2Bが第1回転部材70Aおよび第2回転部材70Bとともに回転することを防止するため、第1容器2Aと第2容器2Bとをバンド等によって、固定してもよい。
【符号の説明】
【0181】
1…噴射装置、2A…第1容器、2B…第2容器、20…容器本体、22A,22B…内容物、30…攪拌装置、40…駆動部、41…電動工具、42…アタッチメント、42a…入力部、42b…出力部、46…回転駆動部、47…出力軸、48…入力軸、49…出力軸、50…装置本体、61…入力軸、62,63…出力軸、70A…第1回転部材、70B…第2回転部材、71A,71B…磁石、80…動力伝達部材、81…第1歯車、82…第2歯車、83…第3歯車、100…攪拌システム、741…上面、CZ1,CZ2,CZ3…軸線、G…攪拌具。
【要約】
【課題】 容器の内容物の良好な噴射を実現することができる攪拌装置および攪拌システムを提供する。
【解決手段】 一実施形態に係る攪拌装置は、内容物と、磁石に吸着し、前記内容物を攪拌するための攪拌具とが収容される容器に用いられる攪拌装置である。前記攪拌装置は、第1軸線を中心に回転する第1回転部材を備える。前記第1回転部材は、前記容器が置かれる第1配置面と、前記第1軸線から離れて配置された第1磁石と、を有し、前記容器が前記第1配置面の上に置かれた状態において、前記第1回転部材は、前記第1軸線を中心に回転することによって前記第1軸線を中心に前記攪拌具を回転させる。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9