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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】記憶装置及び記憶装置の動作方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/4099 20060101AFI20240213BHJP
   G11C 7/14 20060101ALI20240213BHJP
   H10B 12/00 20230101ALI20240213BHJP
   H10B 41/70 20230101ALI20240213BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240213BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20240213BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20240213BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20240213BHJP
   G11C 11/405 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
G11C11/4099
G11C7/14
H10B12/00 801
H10B41/70
H01L29/78 613B
H01L29/78 618B
H01L27/088 331E
H01L27/088 E
H01L27/06 102A
G11C11/405
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022203118
(22)【出願日】2022-12-20
(62)【分割の表示】P 2017173745の分割
【原出願日】2017-09-11
(65)【公開番号】P2023051991
(43)【公開日】2023-04-11
【審査請求日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2016177842
(32)【優先日】2016-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017050193
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】石津 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】長塚 修平
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-257682(JP,A)
【文献】特開平11-162164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/405
G11C 7/14
G11C 11/4099
H10B 12/00
H10B 41/70
H01L 29/786
H01L 27/088
H01L 21/8234
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1セルと、
第2セルと、
読み出し回路と、
第1ワード線と、第2ワード線と、第3ワード線と、
第1ビット線と、第2ビット線と、第3ビット線と、
ソース線と、
第1配線と、を有する記憶装置であり、
前記第1セルは第1トランジスタおよび第2トランジスタを有し、
前記第1トランジスタのゲートは、前記第3ワード線に電気的に接続され、前記第1トランジスタの第1端子は、前記第3ビット線に電気的に接続され、前記第1トランジスタの第2端子は、前記第2トランジスタの第1端子に電気的に接続され、
前記第2トランジスタのゲートは、前記第1配線に電気的に接続され、前記第2トランジスタの第2端子は、前記ソース線に電気的に接続され、
前記第2セルは第3トランジスタ、第4トランジスタおよび容量素子を有し、
前記第3トランジスタのゲートは、前記第1ワード線に電気的に接続され、前記第3トランジスタの第1端子は、前記第1ビット線に電気的に接続され、前記第3トランジスタの第2端子は、前記第4トランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記容量素子の第1端子は、前記第4トランジスタのゲートに電気的に接続され、前記容量素子の第2端子は、前記第2ワード線に電気的に接続され、
前記第4トランジスタの第1端子は、前記ソース線に電気的に接続され、前記第4トランジスタの第2端子は、前記第2ビット線に電気的に接続され、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタおよび前記第4トランジスタの導電型は同じであり、
前記読み出し回路は、前記第3ビット線の電位と前記第2ビット線の電位とを比較し、比較結果に応じた電位を出力する機能を有し、
前記第1トランジスタのチャネル幅は、前記第2トランジスタのチャネル幅よりも大きい、記憶装置。
【請求項2】
第1セルと、
第2セルと、
読み出し回路と、
第1ワード線と、第2ワード線と、第3ワード線と、
第1ビット線と、第2ビット線と、第3ビット線と、
ソース線と、
第1乃至第3配線と、を有する記憶装置であり、
前記第1セルは第1トランジスタおよび第2トランジスタを有し、
前記第1トランジスタのゲートは、前記第3ワード線に電気的に接続され、前記第1トランジスタの第1端子は、前記第3ビット線に電気的に接続され、前記第1トランジスタの第2端子は、前記第2トランジスタの第1端子に電気的に接続され、
前記第2トランジスタのゲートは、前記第1配線に電気的に接続され、前記第2トランジスタの第2端子は、前記第2配線に電気的に接続され、
前記第2セルは第3トランジスタ、第4トランジスタ、第5トランジスタおよび容量素子を有し、
前記第3トランジスタのゲートは、前記第1ワード線に電気的に接続され、前記第3トランジスタの第1端子は、前記第1ビット線に電気的に接続され、前記第3トランジスタの第2端子は、前記第4トランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記容量素子の第1端子は、前記第4トランジスタのゲートに電気的に接続され、前記容量素子の第2端子は、前記第3配線に電気的に接続され、
前記第4トランジスタの第1端子は、前記第2配線に電気的に接続され、前記第4トランジスタの第2端子は、前記第5トランジスタの第1端子に電気的に接続され、
前記第5トランジスタのゲートは、前記第2ワード線に電気的に接続され、前記第5トランジスタの第2端子は、前記第2ビット線に電気的に接続され、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第4トランジスタおよび前記第5トランジスタの導電型は同じであり、
前記読み出し回路は、前記第3ビット線の電位と前記第2ビット線の電位とを比較し、比較結果に応じた電位を出力する機能を有し、
前記第1トランジスタのチャネル幅は、前記第2トランジスタのチャネル幅よりも大きい、記憶装置。
【請求項3】
第1セルと、
第2セルと、
読み出し回路と、
第1ワード線と、第2ワード線と、第3ワード線と、
第1ビット線と、第2ビット線と、
ソース線と、
第1配線と、を有する記憶装置であり、
前記第1セルは、第1トランジスタおよび第2トランジスタを有し、
前記第1トランジスタのゲートは、前記第3ワード線に電気的に接続され、前記第1トランジスタの第1端子は、前記第2ビット線に電気的に接続され、前記第1トランジスタの第2端子は、前記第2トランジスタの第1端子に電気的に接続され、
前記第2トランジスタのゲートは、前記第1配線に電気的に接続され、前記第2トランジスタの第2端子は、前記ソース線に電気的に接続され、
前記第2セルは第3トランジスタ、第4トランジスタおよび容量素子を有し、
前記第3トランジスタのゲートは、前記第1ワード線に電気的に接続され、前記第3トランジスタの第1端子は、前記第1ビット線に電気的に接続され、前記第3トランジスタの第2端子は、前記第4トランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記容量素子の第1端子は、前記第4トランジスタのゲートに電気的に接続され、前記容量素子の第2端子は、前記第2ワード線に電気的に接続され、
前記第4トランジスタの第1端子は、前記ソース線に電気的に接続され、前記第4トランジスタの第2端子は、前記第1ビット線に電気的に接続され、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタおよび前記第4トランジスタの導電型は同じであり、
前記読み出し回路は、前記第2ビット線の電位と前記第1ビット線の電位とを比較し、比較結果に応じた電位を出力する機能を有し、
前記第1トランジスタのチャネル幅は、前記第2トランジスタのチャネル幅よりも大きい、記憶装置。
【請求項4】
請求項1乃至の何れか1項において、
前記第3トランジスタのチャネル形成領域は、金属酸化物を有する記憶装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の記憶装置の動作方法であって、
前記読み出し回路が非活性化状態であるときに、前記第2ワード線を選択し、且つ前記第3ワード線を選択して前記第1トランジスタをオン状態にし、
前記読み出し回路を活性化する記憶装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の明細書、図面、および特許請求の範囲(以下、本明細書等と呼ぶ)で開示する本
発明の一形態は、記憶装置、その動作方法、その使用方法、およびその作製方法等に関す
る。なお、本発明の一形態は例示した技術分野に限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
一般的なDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)は、メモリセルが1個のトラ
ンジスタ(1T)と1個のキャパシタ(1C)で構成されている。1T1C型DRAMは
、キャパシタに電荷を蓄積することで、データを保持することが可能なメモリであるため
、原理的に無制限に書き込みができる。また、書き込みおよび読み出しの速度が高速であ
ること、メモリセルの素子数が少ないため高集積が容易であることから、DRAMは大容
量なメモリ装置として、多くの電子機器に組み込まれている。しかしながら、1T1C型
DRAMは、キャパシタに蓄積した電荷をそのままビット線に放出して電位の変動を測定
することでデータの読み出しを行うため、キャパシタの静電容量を一定以上とすることが
求められ、メモリセルの微細化によって必要な静電容量を確保することが困難となりつつ
ある。
【0003】
2個のトランジスタまたは3個のトランジスタで形成されたゲインセルが知られている(
例えば、特許文献1、2)。ゲインセルは、蓄積した電荷量を読み出しトランジスタで増
幅して、ビット線に供給できるため、キャパシタの容量を小さくすることが可能とされる
【0004】
チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(以下、「金属酸化物半導体トラン
ジスタ」、または「OSトランジスタ」と呼ぶ場合がある。)が知られている。例えば、
特許文献3、非特許文献1には、ゲインセルの書き込みトランジスタがOSトランジスタ
である記憶装置が記載されている。
【0005】
本明細書等では、特許文献3のように、メモリセルにOSトランジスタが設けられている
メモリのことを、「OSメモリ」と呼ぶこととする。また、非特許文献1のように、書き
込みトランジスタがOSトランジスタで構成されているゲインセル型DRAMのことを、
「NOSRAM(登録商標)」と呼ぶこととする。「NOSRAM(ノスラム)」とはN
onvolatile Oxide Semiconductor RAMの略称である
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001‐53167号公報
【文献】特開2006‐12878号公報
【文献】特開2011‐119675号公報
【非特許文献】
【0007】
【文献】H.Inoue,et al.,“Nonvolatile Memory With Extremely Low‐Leakage Indium‐Gallium‐Zinc‐Oxide Thin‐Film Transistor,”IEEE J.Solid‐State Circuits,Sept.2012,vol.47,no.9,pp.2258―2265.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一形態の課題は、PVT(プロセス/電圧/温度)ばらつきの耐性を向上するこ
と、データの読み出しに用いられる読み出し判定電位を最適化すること、または読み出し
速度を向上すること、または動作周波数を向上することである。
【0009】
なお、本発明の一形態はこれらの課題の全てを解決する必要はない。複数の課題の記載は
互いの課題の存在を妨げるものではない。列記した以外の課題は本明細書等の記載から自
ずと明らかになり、これらの課題も本発明の一形態の課題となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1) 本発明の一形態は、メモリセルと、レプリカセルと、読み出し回路と、書き込み
ワード線と、読み出しワード線と、ダミー読み出しワード線と、書き込みビット線と、読
み出しビット線と、参照ビット線と、ソース線と、第1配線とを有し、レプリカセルは第
1トランジスタおよび第2トランジスタを有し、第1トランジスタのゲートはダミー読み
出しワード線に電気的に接続され、第1端子は参照ビット線に電気的に接続され、第2端
子は第2トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第2トランジスタのゲートは第1
配線に電気的に接続され、第2端子はソース線に電気的に接続され、メモリセルは第3ト
ランジスタ、第4トランジスタおよび容量素子を有し、第3トランジスタのゲートは書き
込みワード線に電気的に接続され、第1端子は書き込みビット線に電気的に接続され、第
2端子は第4トランジスタのゲートに電気的に接続され、容量素子の第1端子は第4トラ
ンジスタのゲートに電気的に接続され、第2端子は読み出しワード線に電気的に接続され
、第4トランジスタの第1端子はソース線に電気的に接続され、第2端子は読み出しビッ
ト線に電気的に接続され、第1トランジスタ、第2トランジスタおよび第4トランジスタ
の導電型は同じであり、参照ビット線の電位と読み出しビット線の電位とを比較し、比較
結果に応じた電位を出力する機能を有する記憶装置である。
【0011】
(2) 形態(1)において、書き込みビット線と読み出しビット線とに代えて、ビット
線を有し、第3トランジスタの第1端子、および第4トランジスタの第2端子はビット線
に電気的に接続されている。
【0012】
(3) 形態(1)または(2)において、第3トランジスタのチャネル形成領域は金属
酸化物を有する。
【0013】
(4) 本発明の一形態は、形態(1)または(2)に係る記憶装置の動作方法であって
、読み出し回路が非活性化状態であるときに、読み出しワード線を選択して第3トランジ
スタをオン状態にし、ダミー読み出しワード線を選択して第1トランジスタをオン状態に
し、読み出し回路を活性化する記憶装置の動作方法である。
【0014】
本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」等の序数詞は構成要素の混同を避け
るために付す場合があり、その場合は数的に限定するものではなく、また順序を限定する
ものでもない。
【0015】
本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、X
とYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、X
とYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したが
って、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図また
は文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。X
、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜など)であると
する。
【0016】
トランジスタは、ゲート、ソース、およびドレインと呼ばれる3つの端子を有する。ゲー
トは、トランジスタの導通状態を制御する制御端子として機能する端子である。ソースま
たはドレインとして機能する2個の入出力端子は、トランジスタの型及び各端子に与えら
れる電位の高低によって、一方がソースとなり他方がドレインとなる。このため、本明細
書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする
。また、本明細書等では、ゲート以外の2個の入出力端子を第1端子、第2端子と呼ぶ場
合がある。
【0017】
回路構成やデバイス構造等に応じて、ノードは、端子、配線、電極、導電層、導電体、不
純物領域等と言い換えることが可能である。また、端子、配線等をノードと言い換えるこ
とが可能である。
【0018】
電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位またはソース電位)との電位差のこと
を示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能である。なお、電位とは
、相対的なものである。よって、接地電位と記載されていても、必ずしも、0Vを意味し
ない場合もある。
【0019】
本明細書等において、「膜」という言葉と「層」という言葉とは、場合によっては、また
は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語
を「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。例えば、「絶縁膜」という
用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0020】
本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用した装置であり、半導体素子(
トランジスタ、ダイオード等)を含む回路、同回路を有する装置等をいう。また、半導体
特性を利用することで機能しうる装置全般をいう。例えば、集積回路、集積回路を備えた
チップは、半導体装置の一例である。また、記憶装置、表示装置、発光装置、照明装置及
び電子機器等は、それ自体が半導体装置である場合があり、又は半導体装置を有している
場合がある。
【0021】
なお、本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での
金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を
含む)、酸化物半導体などに分類される。例えば、トランジスタのチャネル形成領域に用
いられる金属酸化物を、酸化物半導体と呼ぶ場合がある。
【0022】
本明細書等において、特段の断りがない限り、窒素を有する金属酸化物がトランジスタの
チャネル形成領域に用いられる。なお、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(me
tal oxynitride)と呼称してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一形態によって、PVT(プロセス/電圧/温度)ばらつきの耐性を向上するこ
と、データの読み出しに用いられる読み出し判定電位を最適化すること、読み出し速度を
向上すること、または動作周波数を向上することが可能となる。
【0024】
本発明の一形態は、必ずしも、例示した効果の全てを有する必要はない。複数の効果の記
載は、他の効果の存在を妨げるものではない。本発明の一形態について、上記以外の課題
、効果、および新規な特徴については、本明細書の記載および図面から自ずと明らかにな
るものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】NOSRAMの構成例を示すブロック図。
図2】メモリセルアレイの構成例を示す回路図。
図3】A:NOSRAMの動作例を示すタイミングチャート。B:ビット線に読み出したデータの検知方法例を説明する図。
図4】A―C:レプリカセルの構成例を示す回路図。
図5】A―D:メモリセルアレイ、メモリセルアレイの構成例を示す回路図。
図6】A、B:メモリセルアレイ、列回路の構成例を示す回路図。C:メモリセルアレイ、レプリカセルアレイおよび列回路の構成例を示す回路図。
図7】A、B:NOSRAMの構成例を示すブロック図。
図8】行回路の構成例を示す回路図。
図9】ブロックの構成例を示す回路図。
図10】列回路の構成例を示す回路図。
図11】NOSRAMの読み出し動作例を示すタイミングチャート。
図12】NOSRAMの書き込み動作例を示すタイミングチャート。
図13】読み出し動作でのNOSRAMの波形図(シミュレーション)。
図14】書き込み動作でのNOSRAMの波形図(シミュレーション)。
図15】読み出し判定電位の生成方式と、NOSRAMの動作周波数との関係を示す図(シミュレーション)。
図16】A:NOSRAMのサブアレイの構成例を示すブロック図。B、C:NOSRAMの構成例を示すブロック図。
図17】マイクロコントローラユニットの構成例を示すブロック図。
図18】A:電子部品の作製方法例を示すフローチャート。B:電子部品の構成例を示す模式図。
図19】A―F:電子機器の構成例を示す図。
図20】NOSRAMの積層構造例を示す断面図。
図21】NOSRAMの積層構造例を示す断面図。
図22】A、B:OSトランジスタの構成例を示す断面図。
図23】A:製造したNOSRAMマクロのメモリセルの回路図。B:レプリカセルの回路図。C:メモリセル、レプリカセルのノードバイアス条件。D:メモリセルのタイミングチャート。
図24】メモリセルのレイアウトの分解図。
図25】NOSRAMマクロのアーキテクチャを示す図。
図26】A:サブアレイのビット線構造を示す図。B:列回路の回路図。
図27】実施例1および従来例の読み出し方式での読み出し速度のシミュレーション結果を示す図。
図28】A:製造したNOSRAMのダイ写真。B:メモリセルの断面の顕微鏡写真。C:NOSRAMの仕様を示す図。
図29】NOSRAMのシュムープロット(電圧VDD・VSL・VWL 対 動作周波数)、(A)-40℃、(B)25℃、(C)85℃。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。ただし、本発明の一形態は、以下の説明に限定
されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に
変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明の一形態は、
以下に示す実施の形態および実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0027】
以下に示される複数の実施の形態、および実施例は適宜組み合わせることが可能である。
また1の実施の形態に複数の構成例(作製方法例、動作方法例等も含む。)が示される場
合は、互いの構成例を適宜組み合わせること、および他の実施の形態、実施例に記載され
ている1または複数の構成例と適宜組み合わせることが可能である。
【0028】
図面において、同一の要素または同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは
同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略す
る場合がある。
【0029】
図面において、大きさ、層の厚さ、および領域等は、明瞭化のために誇張されている場合
がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。図面は、理想的な例を模式的に
示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信
号、電圧、もしくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、もしく
は電流のばらつきなどを含むことが可能である。
【0030】
本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を
、図面を参照して説明するために、便宜上用いている場合がある。また、構成同士の位置
関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明
した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0031】
〔実施の形態1〕
本実施の形態では、ゲインセル型のメモリセルを有する記憶装置について説明する。ここ
では、このような記憶装置の一例として、NOSRAMについて説明する。
【0032】
<<NOSRAM>>
図1はNOSRAMの構成例を示すブロック図である。NOSRAM100は、制御回路
110、行回路112、列回路113、メモリセルアレイ115、レプリカセルアレイ1
16を有する。NOSRAM100には外部から、電位VDDD、VSSS、VDUM、
VDHW、VDHR、クロック信号、アドレス信号、チップイネーブル信号、書き込みイ
ネーブル信号が入力される。
【0033】
制御回路110は、NOSRAM100の動作全般を制御する機能を有する。例えば、制
御回路110は、チップイネーブル信号、および書き込みイネーブル信号を論理演算して
、外部からのアクセスが書き込みアクセスであるか読み出しアクセスであるか判断する。
【0034】
行回路112は、アドレス信号が指定する行のワード線を選択する機能をもつ。列回路1
13は、アドレス信号が指定する列のビット線に対して、データの書き込みおよび読み出
しを行う機能をもつ。
【0035】
<メモリセルアレイ、レプリカセルアレイ>
図2に、メモリセルアレイ115、レプリカセルアレイ116の構成例を示す。メモリセ
ルアレイ115はメモリセル10、ワード線WWL、RWL、ビット線WBL、RBL、
ソース線SLを有する。ワード線WWL、RWLは書き込みワード線、読み出しワード線
である。ビット線WBL、RBLは書き込みビット線、読み出しビット線である。
【0036】
メモリセル10は、N行M列の行列状配列されている(N、Mは0よりも大きい整数)。
メモリセル10の配列に応じて、ワード線WWL、RWL、ビット線WBL、RBL、ソ
ース線SLが設けられている。ワード線WWL、RWLは行回路112に電気的に接続さ
れている。ビット線WBL、RBL、ソース線SLは列回路113に電気的に接続されて
いる。
【0037】
なお、本明細書等では、行番号を1からではなく、0から数えることとする。列番号につ
いても同様である。例えば、ビット線RBL[0]は第0行目の読み出しビット線を表し
ている。メモリセル10[0、1]は、第0行第1列のメモリセル10を表している。
【0038】
また、本明細書において、複数のビット線RBLのうち1つを特定する必要があるときは
、ビット線RBL[0]等と表記する。また、ビット線RBLと記載した場合は、任意の
ビット線RBLを指している。他の要素についても同様である。
【0039】
図2の例では、メモリセル10は2T1C型のゲインセルである。メモリセル10は、ノ
ードSN、トランジスタMN1、MP2、容量素子C1を有する。トランジスタMN1は
書き込みトランジスタであり、トランジスタMP2は読み出しトランジスタである。容量
素子C1はノードSNの電圧を保持するための保持容量である。
【0040】
ここでは、トランジスタMN1はOSトランジスタであり、トランジスタMP2に採用さ
れるトランジスタの種類は特段の制約はない、代表的には、Siトランジスタが用いられ
る。メモリセル10は書き込みトランジスタ(MN1)がOSトランジスタで構成される
ため、長時間データを保持することが可能である。
【0041】
Siトランジスタで構成されるゲインセル型DRAMと比較して、NOSRAMの保持時
間は非常に長くすることができる。そのため、リフレッシュ動作の頻度が低減されるため
、リフレッシュ動作に要する電力を削減できる。
【0042】
金属酸化物半導体のバンドギャップは2.5eV以上または3.0eV以上であるため、
OSトランジスタは熱励起によるリーク電流が小さく、オフ電流が極めて小さい。チャネ
ル幅で規格化されたOSトランジスタのオフ電流を数yA/μm以上数zA/μm以下程
度に低くすることができる。よって、書き込みトランジスタをOSトランジスタとするこ
とで、容量素子C1から電荷がリークすることを抑えることができ、メモリセル10の保
持時間を長くすることができる。例えば、85℃において保持時間を1年にすることがで
き、さらには10年にすることができる。
【0043】
OSトランジスタのチャネル形成領域に適用される金属酸化物には、Zn酸化物、Zn‐
Sn酸化物、Ga‐Sn酸化物、In‐Ga酸化物、In‐Zn酸化物、In‐M‐Zn
酸化物(Mは、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、SnまたはHf)等がある。
インジウムおよび亜鉛を含む酸化物には、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、
バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジ
ルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タン
グステン、マグネシウム等から選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
【0044】
レプリカセルアレイ116は、M個のレプリカセル20、1本のワード線DRWL、M本
のビット線REFBL、1本の配線PLDUMを有する。ワード線DRWLはレプリカセ
ル用のダミー読み出しワード線であり、行回路112により駆動される。ビット線REF
BLは、読み出し判定電位を列回路113に入力するための参照読み出しビット線である
。読み出し判定電位は、ビット線RBLに書き込まれているデータが、“0”であるか“
1”であるか判定するための参照電位である。配線PLDUMは、電位VDUMをレプリ
カセルアレイ116に入力するための電源線である。
【0045】
レプリカセル20は1行M列に配列されている。レプリカセル20はトランジスタDR2
、DS2を有する。トランジスタDR2、DS2がpチャネル型トランジスタであるのは
、メモリセル10の読み出しトランジスタMP2がpチャネル型トランジスタであるから
である。
【0046】
トランジスタDR2、DS2は、ビット線REFBLとソース線SLと間に直列に電気的
に接続されている。トランジスタDR2、DS2は、それぞれ、3T型ゲインセルの読み
出しトランジスタ、選択トランジスタに該当する。レプリカセル20においては、トラン
ジスタDR2のゲートは保持ノードの代わりに、配線PLDUMに電気的に接続され、ト
ランジスタDS2のゲートはワード線DRWLに電気的に接続されている。
【0047】
列回路113には列ごとに読み出し回路25が設けられている。読み出し回路25には、
ビット線RBL、REFBLが電気的に接続されている。読み出し回路25はビット線R
BLの電位とビット線REFBLの電位を比較し、比較結果に応じた電位を出力する。読
み出し回路25に適用できる回路は、例えば、センスアンプ(代表的には、ラッチ型セン
スアンプ)、および差動アンプ等がある。
【0048】
<<NOSRAMの動作例>>
図3Aを参照して、NOSRAM100の動作例を説明する。図3Aは、NOSRAM1
00の動作例を示すタイミングチャートである。電位VDDDは高レベル側電源電位であ
り、データ“1”を表す電位である。電位VSSSは低レベル側電源電位であり、データ
“0”を表す電位である。電位VDHWは、ワード線WWLの高レベル電位である。電位
VDHRは、ワード線RWL、DRWLの高レベル電位である。
【0049】
(電源オフ)
電源オフ状態では、ビット線WBL等の配線の電位はVSSSである。
【0050】
(スタンバイ)
電源オン状態であり、チップイネーブル信号が“L”(低レベル)である場合、NOSR
AM100はスタンバイ状態である。ワード線WWLは“L”であり、ワード線RWL、
DRWLは“H”(高レベル)である。メモリセル10のトランジスタMN1、MP2と
、レプリカセル20のトランジスタDS2とはオフ状態である。
【0051】
(書き込み)
“H”のチップイネーブル信号と、“H”の書き込みイネーブル信号とが入力されると、
NOSRAM100は書き込み動作を行う。行回路112によって選択された行のワード
線WWL、RWLはそれぞれ“H”、“L”となる。列回路113によって選択されたビ
ット線WBLには、データに応じた電位が入力される。選択されたメモリセル10のノー
ドSNの電位は、データ“1”が書き込まれた場合VDDDとなり、データ“0”が書き
込まれた場合VSSSとなる。
【0052】
(読み出し)
“H”のチップイネーブル信号と、“L”の書き込みイネーブル信号が入力されると、N
OSRAM100は読み出し動作を行う。列回路113によって選択されたソース線SL
は“H”となり、次いで行回路112によって選択されたワード線RWLは“L”となる
。ノードSNがデータ“0”を保持している場合、トランジスタMP2はオン状態である
ため、トランジスタMP2のソース―ドレイン間電流(以下、「ドレイン電流」と呼ぶ。
)によって、ビット線RBLが充電され、ビット線RBLの電位は上昇する。ノードSN
がデータ“1”を保持している場合、トランジスタMP2はオフ状態が維持されるので、
ビット線RBLの電位は殆んど変化しない。
【0053】
また、ワード線RWLを“L”にするのと連動して、ワード線DRWLも“L”にして、
レプリカセル20のトランジスタDS2をオン状態にする。ビット線REFBLは、トラ
ンジスタDR2のドレイン電流によって充電される。つまり、レプリカセル20が生成す
る信号によって、ビット線REFBLの電位は変化する。
【0054】
ワード線RWLが選択されている期間に、読み出し回路25を活性化する。読み出し回路
25はビット線REFBLの電位を基準にして、ビット線RBLの電位がデータ“0”ま
たは“1”であるかを検知し、検知結果に応じた電位の信号を出力する。図3Bを用いて
、データ読み出しの原理を説明する。
【0055】
図3Bは、ワード線RWLを“L”にした時点からのビット線RBL、REFBLの電位
の変化を模式的に示している。曲線190、191は、データ“0”、“1”を読み出す
ときのビット線RBLの電位の変化を表す。曲線193は、ビット線REFBLの電位の
変化を表す。図3Bにおいて、taは、読み出し回路25を活性化する時刻であり、Ta
ctは、ワード線RWLが選択されてから読み出し回路25が活性化されるまでの時間を
表す。
【0056】
読み出し回路25は、時刻taにおいて、ビット線RBLの電位と、ビット線REFBL
の電位Vactとの大小関係によって、メモリセル10から読み出したデータの0/1判
定を行う。図3Bの例では、ビット線RBLの電位がVactよりも大きければ、読み出
し回路25はデータ“0”を出力し、ビット線RBLの電位がVact以下であれば、読
み出し回路25はデータ“1”を出力する。
【0057】
上掲のようにNOSRAM100内部のレプリカセル20において読み出し判定電位を生
成することで、NOSRAM100のPVT(プロセス/電圧/温度)ばらつきの耐性を
向上することができる。このことは、読み出し判定電位を外部入力される固定電位とした
比較例と、NOSRAM100とを対比することで理解される。
【0058】
NOSRAM100のトランジスタの特性がばらつく、または環境温度が変化すると、図
3Bの曲線190、191が変化する。比較例では、読み出し判定電位が固定であるため
、トランジスタの特性が設定よりも劣ること想定して、時間Tactを設定することが要
求される。そのため、ビット線RBLの充電時間のマージンを考慮すると、時間Tact
を長くとることになる。したがって、比較例は、読み出し判定電位が固定電位(例えば、
VDDD/2)であることで、信号制御は簡単であるが、読み出し速度は制約される。
【0059】
これに対して、NOSRAM100では、読み出し判定電位を内部で生成しているので、
読み出し判定電位をトランジスタの特性のばらつき、温度変化に追随させることができる
。例えば、トランジスタ特性がスロウプロセスの場合、読み出し判定電位の値を小さくで
きる。一方、トランジスタ特性がファストプロセスの場合、読み出し判定電位の値を大き
くできる。
【0060】
NOSRAM100の読み出し判定電位の最適化は、レプリカセル20のトランジスタD
R2、DS2のサイズ(代表的には、チャネル長(L)、チャネル幅(W))と、電位V
DUMの大きさとを調整することで可能である。以下に、その一例を示す。
【0061】
トランジスタDR2のL、Wは、メモリセル10のトランジスタMP2と同じである。ト
ランジスタDR2とトランジスタMP2とを同じ仕様とすることで、設計、および製造プ
ロセスが容易になる。
【0062】
電位VDUMは、トランジスタDR2のしきい値電圧を考慮して決定される。例えば、電
位VDUMの値は、データ“0”の電位(VSSS)とデータ“1”の電位(VDDD)
の中間値とする。
【0063】
トランジスタDS2は、トランジスタDR2よりも電流駆動能力が高いトランジスタであ
る。これは、読み出し動作でのビット線REFBLの充電時間を、トランジスタDR2の
電流駆動能力によって決めるためである。このようにすることで、読み出し動作でのビッ
ト線REFBLの電位の変化を、電位VDUMの値によって容易に制御できる。トランジ
スタDS2の電流駆動能力を高くするには、例えば、トランジスタDS2のWをトランジ
スタDR2よりも大きくする。
【0064】
トランジスタDR2、DS2のサイズと、電位VDUMの設定方法は上記に限定されない
。読み出し動作において、データ“0”が書き込まれているときのビット線RBLの電位
と、データ“1”が書き込まれているときのビット線RBLの電位との中間値をとって、
ビット線REFBLの電位が変化するように、トランジスタDR2、DS2のサイズと、
電位VDUMとを設定することが好ましい。
【0065】
なお、本実施の形態では、読み出し判定電位を生成するためのセルを「レプリカセル」と
呼ぶこととするが、「ダミーセル」等と呼んでもよい。以下、図4A図4Cを参照して
、レプリカセルの他の構成例を説明する。
【0066】
<レプリカセル>
図4Aに示すレプリカセル21は、レプリカセル20の変形例であり、トランジスタDW
2が追加されている。トランジスタDW2はOSトランジスタである。トランジスタDW
2のゲートおよび第1端子は、電位VSSSを供給する電源線に電気的に接続され、第2
端子はトランジスタDR2のゲートに電気的に接続されている。トランジスタDW2は、
メモリセル10のトランジスタMN1と同じサイズのトランジスタである。トランジスタ
DW2はゲインセルの読み出しトランジスタに対応する。トランジスタDW2を有するこ
とで、レプリカセル21の回路構成はレプリカセル20よりもメモリセル10により近く
なる。
【0067】
図4Bに示すレプリカセル22は、トランジスタDS4、DR4を有する。レプリカセル
22は、レプリカセル20の変形例であり、読み出しトランジスタ、選択トランジスタが
nチャネル型トランジスタで構成されている。図4Cに示すレプリカセル23は、レプリ
カセル21の変形例であり、トランジスタDR2、DS2がトランジスタDS4、DR4
に変更されている。
【0068】
<メモリセル、メモリセルアレイ>
図5A図6Cを参照して、メモリセル、メモリセルアレイの他の構成例を説明する。
【0069】
図5Aに示すメモリセル11は3T型ゲインセルであり、メモリセル10にトランジスタ
MP3を追加したメモリセルに相当する。メモリセル11において、容量素子C1は、配
線PLに電気的に接続され、トランジスタMP2は配線PLDDDに電気的に接続され、
トランジスタMP3は読み出しビット線RBLに電気的に接続される。配線PLには固定
電位(例えば、VDDD)が入力される。配線PLDDDは、電位VDDD用の電源線で
ある。
【0070】
メモリセルアレイがメモリセル11で構成される場合、レプリカセルアレイはレプリカセ
ル20又はレプリカセル21で構成することができる。この場合、メモリセルアレイには
ソース線SLが設けられないので、レプリカセル20(又は21)は、ソース線SLに代
えて配線PLDDDに電気的に接続される。
【0071】
図5Bに示すメモリセル12は、メモリセル10の変形例であり、トランジスタMN1に
代えてバックゲートを有するトランジスタMN5が設けられている。トランジスタMN5
のバックゲートは配線BGLに電気的に接続されている。配線BGLには固定電位を入力
してもよいし、NOSRAM100の動作に応じて配線BGLの電位を変化させてもよい
。メモリセル11のトランジスタMN1をトランジスタMN5に変更することが可能であ
る。
【0072】
図5Cに示すメモリセル13はメモリセル10の変形例であり、トランジスタMP2に代
えて、トランジスタMN2が設けられている。メモリセル13でメモリセルアレイを構成
する場合、レプリカセルアレイはレプリカセル22又はレプリカセル23で構成すること
ができる。
【0073】
図5Dに示すメモリセル14はメモリセル11の変形例であり、トランジスタMP2、M
P3に代えて、トランジスタMN2、MN3が設けられている。配線PLDDDに代えて
、配線PLSSSが、メモリセル14に電気的に接続されている。例えば、配線PL、配
線PLSSSには外部から電位VSSSが入力される。
【0074】
メモリセル14でメモリセルアレイを構成する場合、レプリカセルアレイはレプリカセル
22又はレプリカセル23で構成することができる。メモリセルアレイにはソース線SL
が設けられないので、レプリカセル22(又は23)は、ソース線SLに代えて配線PL
SSSに電気的に接続される。
【0075】
メモリセル14において、トランジスタMN1を、メモリセル12のバックゲート付きの
トランジスタMN5としてもよい。また、トランジスタMN2、MN3をトランジスタM
N1と同様なOSトランジスタとしてもよい、この場合、OSトランジスタにバックゲー
トを設けてもよい。メモリセル13も同様な変更が可能である。
【0076】
メモリセルアレイ115において、書き込みビット線WBLと読み出しビット線RBLと
を共通のビット線BLにすることができる。そのような例を図6A図6Bに示す。ここ
では、メモリセルアレイがメモリセル10で構成される例を示すが、メモリセル11―1
4でメモリセルアレイが構成される場合も同様である。
【0077】
図6Aに示す構成例では、列回路113に選択回路27が設けられる。選択回路27は、
ビット線BLを読み出し回路25の入力端子に接続するか、書き込み回路26の出力端子
に接続するかを選択する機能をもつ。書き込み回路26は、ビット線BLにデータを入力
する機能をもつ。図6Aの例では、選択回路27は、相補的にオン状態、オフ状態になる
2個のアナログスイッチを有している。
【0078】
図6Bに示す構成例では、書き込み回路26がソース線SLに電気的に接続されている。
書き込み回路26によってソース線SLにデータが入力される。書き込み動作では、トラ
ンジスタMN1と共にトランジスタMN2もオン状態にする。ソース線SLに入力された
データは、トランジスタMN2とトランジスタMN1とによってノードSNに書き込まれ
る。
【0079】
メモリセルアレイ、レプリカセルアレイは、隣接する2列(偶数列と奇数列)で、ソース
線SLを共有することが可能である。図6Cにそのような構成例を示す。図6Cにおいて
j、kは0以上の整数である。メモリセルアレイ125はメモリセル13で構成され、レ
プリカセルアレイ126はレプリカセル22で構成されている。列回路123には、列ご
とに読み出し回路25が設けられている。
【0080】
本実施の形態では、NOSRAM内のレプリカセルによって読み出し判定電位を生成して
いるため、読み出し判定電位の最適化が可能であり、またPVTばらつき耐性を向上でき
る。その結果、NOSRAMの読み出し速度を向上することができる。
【0081】
もちろん、本実施の形態は、NOSRAMへの適用に限定されない。メモリセルの書き込
みトランジスタがSiトランジスタでなるゲインセル型DRAMにも適用することができ
る。ゲインセル型DRAMにおいては、メモリセルの書き込みトランジスタはnチャネル
型トランジスタでも、pチャネル型トランジスタでもよい。
【0082】
〔実施の形態2〕
本実施の形態ではNOSRAMのより具体的な構成例を説明する。
【0083】
<<NOSRAMの構成例>>
図7Aは、NOSRAMの構成例を示すブロック図である。NOSRAM300は、メモ
リセルアレイ、制御回路310、行回路312[00]―312[10]、列回路313
[0]、313[1]、プレデコーダ315を有する。NOSRAM300のメモリセル
アレイは4個に分割されている。ここでは、4個のメモリセルアレイをブロック330[
00]―330[11]と呼ぶこととする。
【0084】
行回路312[XX]は、ブロック330[XX]の行回路である(Xは0または1であ
る)。2個のブロック330で1個の列回路313を共有している。列回路313[0]
はブロック330[00]、330[10]で共有され、列回路313[1]はブロック
330[01]、300[11]で共有されている。
【0085】
NOSRAM300には、電位VDDD、VSSS、VDHW、VDHR、VDUM、V
BGが入力される。
【0086】
NOSRAM300には、信号CLK、CE、GW、BW、BURST、ADDRが入力
される。信号CLKはクロック信号であり、信号CEはチップイネーブル信号であり、信
号GWはグローバル書き込みイネーブル信号であり、信号BWはバイト書き込みイネーブ
ル信号であり、信号BURSTはバースト動作を制御するバースト信号である。信号AD
DRはアドレス信号である。データWDAは外部から入力される書き込みデータであり、
データRDAはNOSRAM300が出力する読み出しデータである。データDOは、メ
モリセルアレイから読み出されたデータを表し、データDIは、メモリセルアレイに書き
込まれるデータを表す。
【0087】
NOSRAM300において、各回路、各信号および各電位は、必要に応じて、適宜取捨
することができる。あるいは、他の回路または他の信号を追加してもよい。また、NOS
RAM300の入力信号および出力信号の構造(例えば、ビット長。)は、NOSRAM
300の動作モード、およびメモリセルアレイの構成等に基づいて設定される。
【0088】
以下、図7Bを参照して、NOSRAM300のより具体的な構成例を説明する。図7B
の例では、ブロック330は、128行×128列のメモリセルアレイである。データの
ビット長は32ビット(1ワード)である。
【0089】
(制御回路310)
制御回路310は、NOSRAM300の動作全般を制御する機能を有する回路である。
制御回路310は、信号CE、GW、BW[3:0]、BURSTを論理演算して、動作
モードを決定する機能、決定した動作モードが実行されるように、行回路312、列回路
313の制御信号を生成する機能を有する。表1に制御回路310の真理値表を示す。
【0090】
【表1】
【0091】
なお、バイト0書き込み動作とは、信号BW[0]に割り当てられた1バイト(8ビット
)のデータを書き込む動作である。例えば、バイト0書き込み動作では、データWDA[
7:0]が書き込まれる。バイト書き込み動作において、BW[1]、BW[2]、BW
[3]が“H”であるときの書き込みデータは、それぞれ、WDA[15:8]、WDA
[23:16]、WDA[31:24]である。
【0092】
<プレデコーダ315>
プレデコーダ315は、信号ADDRをデコードして、アクセスされるブロック330を
決定する機能をもつ。
【0093】
<行回路312>
行回路312は、行アドレスのデコードする機能、およびワード線WWL、RWL、DR
WLを駆動する機能をもつ。図8に行回路312の回路構成例を示す。
【0094】
図8には、プレデコーダ315のワード線WWL、RWLの駆動信号の生成に関わる回路
要素を示している。プレデコーダ315において、AND回路、OR回路、バッファ回路
等でなるロジック回路によって、信号ADDR[10:4]がデコードされる。なお、図
8において、符号ではない数値(2、8、128)は配線数を表している。
【0095】
行回路312において、AND回路40、レベルシフタ(LS)41、バッファ回路42
によって、ワード線WWLの選択信号が生成され、AND回路44、レベルシフタ45、
インバータ回路46によって、ワード線RWLの選択信号が生成される。レベルシフタ4
1、バッファ回路42の高レベル電源電位として、電位VDHWが入力される。レベルシ
フタ45、インバータ回路46の高レベル電源電位として、電位VDHRが入力される。
【0096】
信号WWLE、RWLEは制御回路310が生成する信号である。信号WWLEは書き込
みワード線イネーブル信号であり、信号RWLEは読み出しワード線イネーブル信号であ
る。
【0097】
<ブロック330>
ブロック330は、メモリセル30、ワード線WWL、RWL、ビット線WBL、RBL
、ソース線SLを有する。ブロック330には、レプリカセルアレイ335が設けられて
いる。レプリカセルアレイ335は、レプリカセル35、ワード線DRWLを有する。図
9にブロック330[00]、330[10]の構成例を示す。
【0098】
なお、ブロック330[00]とブロック330[10]の回路要素等を区別する場合は
、“_T”と“_B”の符号が使用される。例えば、ビット線RBL_Tはブロック33
0[00]のビット線RBLであり、ビット線RBL_Bはブロック330[10]のビ
ット線RBLである。
【0099】
メモリセル30は、メモリセル10と同じ回路構成であり、トランジスタMW3、MR3
、容量素子C3、ノードSNを有する。トランジスタMW3のバックゲートは、電位VB
Gを供給する電源線に電気的に接続されている。
【0100】
レプリカセルアレイ335はレプリカセル35を有する。レプリカセル35は、ワード線
DRWL、ビット線RBL、ソース線SL、配線PLDUMに電気的に接続されている。
レプリカセル35はレプリカセル20と同じ回路構成であり、トランジスタDR3、DS
3を有する。
【0101】
本実施の形態では、ブロック330[00]内のレプリカセルアレイ335[00]は、
ブロック330[10]のための読み出し判定電位Vref_Bの生成回路として用いら
れ、レプリカセルアレイ335[10]は、ブロック330[00]のための読み出し判
定電位Vref_Tの生成回路に用いられる。したがって、ビット線RBL_Bは、ブロ
ック330[00]の読み出し動作時では参照ビット線REFBL_Tとして機能し、ビ
ット線RBL_Tは、ブロック330[10]の読み出し動作時では参照ビット線REF
BL_Bとして機能する。
【0102】
ブロック330[01]、330[11]の構成は、ブロック330[00]、330[
10]と同様である。また、ブロック330の構成は、図6Cに示すメモリセルアレイ1
25およびレプリカセルアレイ126のように、隣接する2列でソース線SLを共有する
構成とすることができる。
【0103】
本実施の形態では、メモリセルアレイを複数のブロックに分割することで、ビット線RB
Lを、他のブロックの参照ビット線として機能させている。このような回路構成とするこ
とで、メモリセルアレイにレプリカセルアレイおよび参照ビット線を設けたことによる面
積オーバヘッドを抑えることができる。そのため、本実施の形態のメモリセルアレイの構
成は、NOSRAMの大容量化に有利である。
【0104】
<列回路313>
列回路313は、データをブロック330に書き込む機能、ブロック330からデータを
読み出す機能、データを増幅する機能、データを一時的に格納する機能等を有する。列回
路313のより具体的な機能には、例えば、ビット線WBL、RBL、およびSLの電位
を制御する機能がある。図7Bの例では、列デコーダ320、プリチャージ回路321、
センスアンプ322、出力MUX(マルチプレクサ)323、書き込みドライバ324、
およびソース線ドライバ325を有する。
【0105】
図10を参照して、列回路313[0]の回路構成例を説明する。列回路313[0]は
、列回路313[1]も同様の構成をもつ。
【0106】
列回路313[0]は、列ごとに回路340が設けられている。回路340は、センスア
ンプ50、トランジスタM1、M2、アナログスイッチ51、52、OR回路53、54
、トランジスタM3―M7を有する。
【0107】
信号SEN[3:0]、SEP[3:0]、PRE、RSEL[3:0]、WSEL_T
、WSEL_B、GRSEL[3:0]、GWSEL[15:0]に従い、列回路313
は動作する。なお、1の回路340には、4ビットの信号SEN[3:0]のうちの何れ
か1ビットの信号が入力される。信号SEP[3:0]等の他の信号についても同様であ
る。
【0108】
(プリチャージ回路321)
トランジスタM1、トランジスタM2はプリチャージ回路321を構成する。トランジス
タM1によってビット線RBL_Tが電位VSSSにプリチャージされ、トランジスタM
2によってビット線RBL_Bが電位VSSSにプリチャージされる。プリチャージ回路
321は信号PREによって制御される。
【0109】
(センスアンプ322)
センスアンプ50はセンスアンプ322を構成する。ここでは、センスアンプ50はラッ
チ型センスアンプである。センスアンプ50内の2個のインバータ回路の入力ノードと出
力ノードとの2つの接続部がノードQS、QSbである。信号SEN、SEPはセンスア
ンプ50を活性化するための信号である。
【0110】
列回路313には、センスアンプ50と、ビット線RBL_T、WBL_T、RBL_B
、WBL_Bとの導通状態を制御する回路が設けられている。アナログスイッチ51はノ
ードQSbとビット線RBL_T間の導通状態を制御し、アナログスイッチ52はセンス
アンプ50とビット線RBL_B間の導通状態を制御する。アナログスイッチ51、52
を制御する信号RSELは、読み出し選択信号である。OR回路53はセンスアンプ50
とビット線WBL_T間の導通状態を制御し、OR回路54はセンスアンプ50とビット
線WBL_B間の導通状態を制御する。OR回路53、54を制御する信号WSEL_T
、WSEL_Bは、書き込み選択信号である。
【0111】
なお、図10には、センスアンプ50のノードQSに、ビット線WBL_T、RBL_B
が電気的に接続され、ノードQSbに、ビット線WBL_B、RBL_Tが電気的に接続
される例を示しているが、ノードQSに、ビット線WBL_B、RBL_Tが電気的に接
続され、ノードQSbに、ビット線WBL_T、RBL_Bが電気的に接続される構成で
もよい。
【0112】
センスアンプ50は、読み出し動作時には、読み出し回路として機能する。ブロック33
0[00]からデータを読み出すときは、センスアンプ50は、活性化された時点のノー
ドQSの電位を電位Vrefとして用いて、ノードQSbの電位がデータ“0”か“1”
であるかを判定する。ブロック330[10]からデータを読み出すときは、センスアン
プ50は、活性化された時点のノードQSbの電位を電位Vrefとして用いて、ノード
QSの電位がデータ“0”か“1”であるかを判定する。
【0113】
センスアンプ50は、書き込み動作時にはデータを一時的に格納するラッチ回路として機
能する。
【0114】
<出力MUX323>
トランジスタM3、M4は出力MUX323を構成する。出力MUX323は128入力
32出力のマルチプレクサである。信号GRSEL[3:0]はグローバル読み出し選択
信号であり、出力MUX323を制御する。
【0115】
4列ごとに、回路340は共通のデータDO[j](jは0乃至31の整数)用の配線に
電気的に接続される。例えば、回路340[0]―340[3]は、データDO[0]が
書き込まれる配線に電気的に接続される。
【0116】
<書き込みドライバ324>
トランジスタM5―M7は書き込みドライバ324を構成する。書き込みドライバ324
は、信号GWSEL[15:0]に従い、バイト単位、ハーフワード単位、または1ワー
ド単位のデータ書き込みを行う。信号GWSEL[15:0]はグローバル書き込み選択
信号である。
【0117】
4列ごとに、回路340は共通のデータDI[j](jは0乃至31の整数)入力用の配
線に電気的に接続される。例えば、回路340[0]―340[3]は、データDI[0
]の出力用配線に電気的に接続される。
【0118】
<<NOSRAMの動作例>>
図11図12のタイミングチャートを参照して、NOSRAM300の動作例を説明す
る。
【0119】
<読み出し動作>
図11は読み出し動作のタイミングチャートであり、ブロック330[00]がアクセス
されている。1クロックごとに異なるアドレス(Z)、(A)が入力され、アドレス(Z
)、(A)が指定するメモリセル30から、それぞれ、データ(Z)、(A)が読み出さ
れている。Tracは、読み出しアクセス時間である。
【0120】
NOSRAM300の読み出し動作は、図3に示すNOSRAM100の読み出し動作と
同様である。アドレス(A)に注目して、読み出し動作を説明する。
【0121】
信号CEは“1”であり、信号GWは“0”であり、信号BW[3:0]は4’b000
0である間、NOSRAM300は読み出し動作を行う(表1)。
【0122】
信号PREが“H”である間、ビット線RBL_T、RBL_Bは電位VSSSにプリチ
ャージされる。次に、信号RSELを“H”にして、ビット線RBL_TとノードQSb
間、およびビット線RBL_BとノードQS間を導通状態にする。これにより、ノードQ
S、QSbも電位VSSSにプリチャージされる。信号PREを“L”にしてビット線R
BL_T、RBL_Bのプリチャージを止める。プリチャージを止めるのと同時にソース
線SL_T、SL_Bを電位VDDDに充電する。
【0123】
次に、ワード線RWL_T、DRWL_Bを“L”にする。メモリセル30のノードSN
の電位に応じて、ビット線RBL_Tは充電される、またはプリチャージ電位(VSSS
)を保持する。ビット線RBL_Bは、レプリカセル35によって充電される。
【0124】
信号RSELを“L”にして、ビット線RBL_TとノードQSb間、およびビット線R
BL_BとノードQS間を非導通状態にする。信号RSELを“L”にするのと同時に、
信号SENを“H”に、信号SEPを“L”にして、センスアンプ50を活性化して、ノ
ードQS、QSbをフルスイングさせる。センスアンプ50が活性化した時点でノードQ
Sの電位>ノードQSbの電位であれば、ノードQSbの電位はVSSSとなり、ノード
QSの電位<ノードQSbの電位であれば、ノードQSbの電位はVDDDとなる。
【0125】
信号GRSELを“H”にすることで、データ(A)が列回路313[0]から制御回路
310に出力される。
【0126】
ワード線RWL_T、DRWL_Bを“H”にする。しかる後、信号SENを“L”に、
信号SEPを“H”にして、センスアンプ50を非活性化する。次に信号GRSELを“
L”にして読み出し動作を終了する。
【0127】
<書き込み動作>
図12は書き込み動作のタイミングチャートであり、ブロック330[00]がアクセス
されている。1クロックごとに異なるアドレス(Z)、(A)、並びにデータ(Z)、(
A)が入力され、アドレス(Z)、(A)が指定するメモリセル30に、データ(Z)、
(A)が書き込まれている。Twacは、書き込みアクセス時間である。ここでは、アド
レス(A)に注目して、書き込み動作を説明する。
【0128】
信号CEは“1”であり、信号GWは“1”であり、信号BW[3:0]は4’b111
1であるので、NOSRAM300は書き込み動作を行う。
【0129】
NOSRAM300は部分書込み動作をサポートしている(ライトバック方式)。信号W
SEL_T、WSEL_Bが“H”である期間、まず、書き込み対象行のメモリセル30
からセンスアンプ50にデータを読み出す。この読み出し動作は、図11の読み出し動作
と同様に行われ、メモリセル30のデータに応じて、ノードQSbは充電される、または
プリチャージ電位(VSSS)を保持する。ノードQSはレプリカセル35によって充電
される。
【0130】
次に、信号SENを“H”に、信号SEPを“L”にして、センスアンプ50を活性化す
る。次に、信号GWSELを“H”にして、データDIをノードQSに書き込む。信号G
WSELによって選択された列のセンスアンプ50のデータは、データDIで更新される
。非選択列のセンスアンプ50のデータは更新されない。
【0131】
次に、信号WSEL_Tを“L”にして、ビット線WBL_TとノードQS間を導通状態
にする。これにより、ノードQSのデータがビット線WBL_Tに入力される。次に、ワ
ード線WWL_Tを“H”にして、ビット線WBL_Tのデータをメモリセル30に書き
込む。選択列のメモリセル30のデータはデータDIによって更新され、非選択列のメモ
リセル30には記憶していたデータが書き戻される。
【0132】
信号GWSEL、ワード線WWL_Tを“L”にする。次に、信号SENを“L”にし、
かつ信号SEP、WSEL_Tを“H”にして、書き込み動作を終了する。
【0133】
<シミュレーション結果>
図13図15にNOSRAM300の動作シミュレーションの結果を示す。
【0134】
本シミュレーションにおいて、電位VDDDは1.2Vであり、電位VSSSは0Vであ
り、電位VDHW、VDHRは3.3Vであり、電位VDUMは0.12V(=VDDD
×0.1)である。メモリセル30の読み出しトランジスタ(MP2)とレプリカセル3
5の読み出しトランジスタ(DR2)は同じ仕様である。
【0135】
図13はNOSRAM300の読み出し動作での信号波形であり、図14は書き込み動作
での信号波形である。読み出し動作、書き込み動作は図3Aのタイミングチャートに従っ
ている。
【0136】
図13は、データ“0”の読み出し時のビット線RBL_Tの電位と、データ“1”の読
み出し時のビット線RBL_Tの電位との中間値をとるように、参照ビット線(RBL_
B)の電位を変化させることが、レプリカセル35によって可能であることを示している
。また、信号SENが“H”になったとき、ノードQSbの電位を読み出し判定電位に用
いることで、センスアンプ50が、ビット線RBL_Tのデータについて0/1判定が可
能であることを示している。
【0137】
シミュレーションにより、本実施の形態のNOSRAMと比較例のNOSRAMについて
、動作周波数を評価した。図15に評価結果を示す。比較例のNOSRAMは、センスア
ンプに読み出し判定電位として外部から固定電位(=0.4V)が入力されるという構成
の他は、本NOSRAMと同じ構成である。
【0138】
本NOSRAMは、PVTコーナーのワーストケースおける最大動作周波数が比較例より
も高い。本NOSRAMでは、読み出し動作および書き込み動作共に、メモリセルからセ
ンスアンプへのデータの読み出し動作が行われる。そのため、読み出しワード線が選択さ
れてからセンスアンプが活性化されるまでの時間(Tact、図3B参照)は、動作周波
数の改善を律速する。
【0139】
本NOSRAMでは、読み出し判定電位を、トランジスタ特性および環境温度に追随させ
て、適切化することができるので、時間Tactを短くできる。図15のシミュレーショ
ン結果はこのことを表している。
【0140】
<NOSRAMの大容量化>
図16A図16Cを参照して、NOSRAMの大容量化について説明する。本NOSR
AMはワード線分割回路を用いずに、部分書込みが可能である。ワード線分割回路による
チップ面積の増大がなく、消費電力の増大がないため、本NOSRAMは大容量化に非常
に有効な回路構成をもつ。
【0141】
例えば、図16Aに示すサブアレイ350を単位に、NOSRAMの容量の増大を図るこ
とができる。サブアレイ350は、4個のブロック、4個の行回路312、2個の列回路
313、および1個のプレデコーダ315を有する。
【0142】
図16Bに示すNOSRAM301は、サブアレイ350[0]―350[3]、制御回
路360、プレデコーダ361、ロジック回路363を有する。制御回路360は、制御
回路310と同様、NOSRAM301全体を統括的に制御する。プレデコーダ361は
信号ADDRをデコードし、活性化するサブアレイ350を決定する機能をもつ。ロジッ
ク回路363は、サブアレイ350[0]―350[3]に対するデータDIの入力およ
びデータDOの出力を制御する機能をもつ。
【0143】
サブアレイ350[0]―350[3]、ロジック回路363でなる機能ブロック(ここ
では、「マクロ355と呼ぶ。)を単位にNOSRAMを大容量化できる。そのような例
図16Cに示す。
【0144】
図16Cに示すNOSRAM302は、4個のマクロ355[0]―355[3]、制御
回路370、プレデコーダ371を有する。制御回路370は制御回路310と同様、N
OSRAM302全体を統括的に制御する。プレデコーダ371は信号ADDRをデコー
ドし、活性化するマクロ355を決定する。
【0145】
サブアレイ350の容量は8kバイト(128行×128列×4ブロック)であるので、
NOSRAM301の容量は32kバイトであり、NOSRAM302の容量は128k
バイトである。
【0146】
〔実施の形態3〕
上掲のNOSRAMは、様々な電子部品や電子機器の記憶装置として用いることができる
。上掲のNOSRAMはデータを長時間保持できるため、様々な電子部品や電子機器に不
揮発性記憶装置として組み込むことが可能である。
【0147】
上掲のNOSRAMは、SRAM、DRAM、フラッシュメモリに置き換わる性能を備え
ることが可能である。例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)、FPGA、C
PU、GPU、アプリケーションプロセッサ(AP)等の各種のプロセッサに、上掲の形
態のNOSRAMを組み込むことができる。あるいは、無線IC、表示コントローラIC
、ソースドライバIC、映像用デコーダICなど各種のICに、上掲のNOSRAMを組
み込むことができる。ここでは、プロセッサの一例として、MCUについて説明する。
【0148】
<<MCU400>>
図17にマイクロコントローラユニット(MCU)の構成例を示す。図17に示すMCU
400は、バス405、プロセッサコア410(以下、「コア410」と呼ぶ。)、クロ
ック生成回路412、電源管理装置(PMU)413、周辺回路(Peripheral
s)415、メモリ部430を有する。MCU400は1チップ化された半導体装置であ
る。
【0149】
コア410は、バス405を介して、PMU413、周辺回路415およびメモリ部43
0とデータのやり取りを行う。コア410からの制御信号はバス405に入力される。バ
ス405は、制御対象の回路ブロックに制御信号を送信する。制御信号には、イネーブル
信号、アドレス信号などがある。
【0150】
クロック生成回路412は、MCU400で使用されるクロック信号を生成する。
【0151】
周辺回路415の機能に特段の制約はない。周辺回路415には、MCU400の用途に
応じて、様々な機能回路が設けられる。機能回路としては、例えば、電源回路、タイマー
装置、割り込みコントローラ、入出力ポート、アナログ‐デジタルコンバータ、コンパレ
ータ、およびオペアンプ等がある。
【0152】
メモリ部430は、NOSRAM432、記憶装置434を有する。メモリ部430は、
階層化された複数のNOSRAM432を有してもよい。例えば、高レベルのNOSRA
Mは、メモリセルの保持容量を小さくして、保持時間は短いが、書き込み時間を短縮する
。低レベルのNOSRAMは、メモリセルの保持容量を大きくし保持期間を長くし、かつ
容量を大きくする。
【0153】
記憶装置434は、書き換え可能なメモリであればよく、例えば、DRAM、SRAM、
フラッシュメモリ、FeRAM(強誘電体RAM)、MRAM(磁気抵抗RAM)、抵抗
変化RAM(ReRAM)、相変化RAM(PRAM)等である。
【0154】
メモリ部430には、記憶装置434を設けなくてもよい。あるいは複数の記憶装置43
4を設けてもよく、例えば、SRAMとフラッシュメモリを設けてもよい。また、メモリ
部430に、読み出し専用メモリ(ROM)を設けてもよい。
【0155】
PMU413は、パワーゲーティングを制御する機能を有する。PMU413は、コア4
10から送信されるスリープ(SLEEP)信号、および外部から入力される割り込み信
号等に基づいてパワーゲーティング制御信号を生成する。生成されたパワーゲーティング
制御信号は、バス405、コア410等のMCU400内の回路に送信される。各回路は
、パワーゲーティング制御信号に従い、パワーゲーティングシーケンスを実行する。NO
SRAM432は不揮発性RAMであるので、バックアップ動作を実行することなく、電
源オフ動作を実行することができる。
【0156】
<<電子部品の作製方法例>>
図18Aは、電子部品の作製方法例を示すフローチャートである。電子部品は、半導体パ
ッケージ、またはIC用パッケージとも呼ばれる。
【0157】
トランジスタで構成される半導体装置は、組み立て工程(後工程)を経て、プリント基板
に脱着可能な部品が複数合わさることで完成する。後工程については、図18Aに示す各
工程を経ることで完成させることができる。まず、前工程において、半導体ウエハ(例え
ば、シリコンウエハ)に本発明の形態に係る半導体装置などを作製する。
【0158】
後工程は、まず、半導体ウエハの裏面(半導体装置などが形成されていない面)を研削す
る「裏面研削工程」を行なう(ステップST71)。研削により半導体ウエハを薄くする
ことで、電子部品の小型化を図る。ステップST71の次に、半導体ウエハを複数のチッ
プに分離する「ダイシング工程」を行う(ステップST72)。ダイシング工程では、ダ
イシングラインに沿って半導体ウエハ切断することで、チップを半導体ウエハから切り出
す。
【0159】
分離したチップを個々にピックアップして、リードフレーム上に接合する「ダイボンディ
ング工程」を行う(ステップST73)。ダイボンディング工程におけるチップとリード
フレームとの接合は、樹脂による接合、テープによる接合など、製品に応じて適した方法
を選択すればよい。なお、リードフレームに代えてインターポーザ基板上にチップを接合
してもよい。
【0160】
次いで、リードフレームのリードとチップ上の電極とを金属の細線(ワイヤー)で電気的
に接続する「ワイヤーボンディング工程」を行う(ステップST74)。金属の細線には
、銀線、金線などを用いることができる。ワイヤーボンディングは、例えば、ボールボン
ディング、またはウェッジボンディングを用いることができる。ワイヤーボンディングさ
れたチップ7110は、エポキシ樹脂等で封止される「モールド工程」が施される(ステ
ップST75)。
【0161】
リードフレームのリードをめっき処理する「リードめっき工程」を行なう(ステップST
76)。リードを切断および整形成形加工する「成形工程」を行なう(ステップST77
)。パッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す「マーキング工程」を行なう(ス
テップST78)。外観形状の良否、動作不良の有無などを調べる検査工程(ステップS
T79)を経て、電子部品が完成する。
【0162】
図18Bは完成した電子部品の斜視模式図である。電子部品は、端子取り出し方向、端子
の形状に応じて、複数の規格、名称が存在する。図18Bには、電子部品の一例として、
QFP(Quad Flat Package)を示している。
【0163】
図18Bに示す電子部品7000は、リード7001及びチップ7110を有する。チッ
プ7110には、本実施の形態に係る記憶装置、または本記憶装置を内蔵するプロセッサ
が設けられている。
【0164】
電子部品7000はチップ7110を複数有していてもよい。電子部品7000は、例え
ばプリント基板7002に実装される。このような電子部品7000が複数組み合わされ
て、それぞれがプリント基板7002上で電気的に接続されることで、電子部品が実装さ
れた基板(実装基板7004)が完成する。実装基板7004は電子機器等に用いられる
【0165】
電子部品7000は低消費電力の半導体装置を内蔵しているため、電子機器に電子部品7
000を組み込むことで、電子機器の消費電力を低減することができる。次いで、上掲の
電子部品を具備する電子機器について説明する。
【0166】
図19Aに示す情報端末2010は、筐体2011に組み込まれた表示部2012の他、
操作ボタン2013、外部接続ポート2014、スピーカ2015、マイクロホン201
6を有する。ここでは、表示部2012の表示領域は、湾曲している。情報端末2010
は、バッテリで駆動する携帯型情報端末であり、タブレット型情報端末、あるいはスマー
トフォンとして使用することができる。情報端末2010は、電話、電子メール、手帳、
インターネット接続、音楽再生等の機能を有する。指などで表示部2012に触れること
で、情報を入力することができる。また、電話を掛ける、文字を入力する、表示部201
2の画面切り替え動作などの各種の操作は、指などで表示部2012に触れることで行わ
れる。また、マイクロホン2016から音声を入力することで、情報端末2010を操作
することもできる。操作ボタン2013の操作により、電源のオン/オフ動作、表示部2
012の画面切り替え動作などの各種の操作を行うこともできる。
【0167】
図19Bに示すノート型PC(パーソナルコンピュータ)2050は、筐体2051、表
示部2052、キーボード2053、ポインティングデバイス2054を有する。表示部
2052のタッチ操作で、ノート型PC2050を操作することができる。
【0168】
図19C示すビデオカメラ2070は、筐体2071、表示部2072、筐体2073、
操作キー2074、レンズ2075、接続部2076を有する。表示部2072は筐体2
071に設けられ、操作キー2074およびレンズ2075は筐体2073に設けられて
いる。筐体2071と筐体2073とは、接続部2076により接続されており、筐体2
071と筐体2073間の角度は、接続部2076により変更が可能である。接続部20
76における筐体2071と筐体2073間の角度に従って、表示部2072の映像を切
り替える構成としてもよい。表示部2072のタッチ操作によって、録画の開始および停
止の操作、倍率ズーム調整、撮影範囲の変更などの各種の操作を実行できる。
【0169】
図19Dに示す携帯型遊技機2110は、筐体2111、表示部2112、スピーカ21
13、LEDランプ2114、操作キーボタン2115、接続端子2116、カメラ21
17、マイクロホン2118、記録媒体読込部2119を有する。
【0170】
図19Eに示す電気冷凍冷蔵庫2150は、筐体2151、冷蔵室用扉2152、および
冷凍室用扉2153等を有する。
【0171】
図19Fに示す自動車2170は、車体2171、車輪2172、ダッシュボード217
3、およびライト2174等を有する。
【0172】
〔実施の形態4〕
本実施の形態では、SiトランジスタとOSトランジスタとで構成される半導体装置につ
いて説明する。ここでは、実施の形態2のNOSRAM300を例に、このような半導体
装置の構造について説明する。
【0173】
<<NOSRAMの積層構造>>
図20を参照して、NOSRAM300の構造について説明する。図20には、代表的に
メモリセル30の断面構造を示している。NOSRAM300は、単結晶シリコンウエハ
5500と、層LX1―LX10の積層を有する。層LX1―層LX10には、トランジ
スタ、配線、電極、プラグ等が設けられている。
【0174】
層LX1には、トランジスタMP2等のNOSRAM300を構成するSiトランジスタ
が設けられている。Siトランジスタのチャネル形成領域は単結晶シリコンウエハ550
0に設けられている。
【0175】
層LX7には、トランジスタMN5等のOSトランジスタが設けられている。なお、OS
トランジスタのバックゲート電極は層LX6に設けられている。ここでは、OSトランジ
スタの構造は後述するOSトランジスタ5001(図22A参照)と同様である。
【0176】
層LX8には、容量素子C1が設けられている。容量素子C1を層LX7よりも下層に設
けることが可能である。そのような例を図21に示す。図21では、容量素子C1は層L
X4に設けられている。
【0177】
なお、図20図21はNOSRAM300の積層構造例を説明するための断面図であり
、NOSRAM300を特定の切断線で切った断面図ではない。次に、図22A図22
Bを参照して、OSトランジスタの構成例を説明する。
【0178】
<<OSトランジスタの構成例1>>
図22AにOSトランジスタの構成例を示す。図22Aに示すOSトランジスタ5001
は、金属酸化物トランジスタである。図22Aの左側の図は、OSトランジスタ5001
のチャネル長方向の断面図であり、右側の図は、OSトランジスタ5001のチャネル幅
方向の断面図である。
【0179】
OSトランジスタ5001は絶縁表面に形成される。ここでは、絶縁層5021上に形成
されている。OSトランジスタ5001は、絶縁層5028、5029で覆われている。
OSトランジスタ5001は、絶縁層5022―5027、5030―5032、金属酸
化物層5011―5013、導電層5050―5054を有する。
【0180】
なお、図中の絶縁層、金属酸化物層、導電体等は、単層でも積層でもよい。これらの作製
には、スパッタリング法、分子線エピタキシー法(MBE法)、パルスレーザアブレーシ
ョン法(PLA法)、CVD法、原子層堆積法(ALD法)などの各種の成膜方法を用い
ることができる。なお、CVD法には、プラズマCVD法、熱CVD法、有機金属CVD
法などがある。
【0181】
金属酸化物層5011―5013をまとめて酸化物層5010と呼ぶ。図22Aに示すよ
うに、酸化物層5010は金属酸化物層5011、金属酸化物層5012、金属酸化物層
5013の順に積層している部分を有する。OSトランジスタ5001がオン状態のとき
、チャネルは酸化物層5010の金属酸化物層5012に主に形成される。
【0182】
OSトランジスタ5001のゲート電極は導電層5050で構成され、ソース電極または
ドレイン電極として機能する一対の電極は、導電層5051、5052で構成される。導
電層5050―5052はそれぞれバリア層として機能する絶縁層5030―5032に
覆われている。バックゲート電極は導電層5053と導電層5054との積層で構成され
る。OSトランジスタ5001はバックゲート電極を有さない構造としてもよい。後述す
るOSトランジスタ5002も同様である。
【0183】
ゲート(フロントゲート)側のゲート絶縁層は絶縁層5027で構成され、バックゲート
側のゲート絶縁層は、絶縁層5024―5026の積層で構成される。絶縁層5028は
層間絶縁層である。絶縁層5029はバリア層である。
【0184】
金属酸化物層5013は、金属酸化物層5011、5012、導電層5051、5052
でなる積層体を覆っている。絶縁層5027は金属酸化物層5013を覆っている。導電
層5051、5052はそれぞれ、金属酸化物層5013、絶縁層5027を介して、導
電層5050と重なる領域を有する。
【0185】
導電層5050―5054に用いられる導電材料には、リン等の不純物元素をドーピング
した多結晶シリコンに代表される半導体、ニッケルシリサイド等のシリサイド、モリブデ
ン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジ
ウム等の金属、または上述した金属を成分とする金属窒化物(窒化タンタル、窒化チタン
、窒化モリブデン、窒化タングステン)等がある。また、インジウム錫酸化物、酸化タン
グステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化
チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛
酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を用いることができ
る。
【0186】
例えば、導電層5050は、窒化タンタル、またはタングステン単層である。あるいは、
導電層5050が2層構造、および3層構造の場合、次のような組み合わせがある。(ア
ルミニウム、チタン)、(窒化チタン、チタン)、(窒化チタン、タングステン、(窒化
タンタル、タングステン)、(窒化タングステン、タングステン)、(チタン、アルミニ
ウム、チタン)、(窒化チタン、アルミニウム、チタン)、(窒化チタン、アルミニウム
、窒化チタン)。先に記載した導電体が絶縁層5027側の層を構成する。
【0187】
導電層5051と導電層5052は同じ層構造をもつ。例えば、導電層5051が単層で
ある場合、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム
、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とす
る合金構成すればよい。導電層5051が2層構造、および3層構造の場合、次のような
組み合わせがある。(チタン、アルミニウム)、(タングステン、アルミニウム)、(タ
ングステン、銅)(銅‐マグネシウム‐アルミニウム合金、銅)、(チタン膜、銅)、(
チタン又は窒化チタン、アルミニウムまたは銅、チタンまたは窒化チタン)、(モリブデ
ンまたは窒化モリブデン、アルミニウムまたは銅、モリブデンまたは窒化モリブデン)。
先に記載した導電体が絶縁層5027側の層を構成する。
【0188】
例えば、導電層5053は、水素に対するバリア性を有する導電層(例えば、窒化タンタ
ル層)とし、導電層5054は、導電層5053よりも導電率の高い導電層(例えばタン
グステン)とすることが好ましい。このような構造であることで、導電層5053と導電
層5054の積層は配線としての機能と、酸化物層5010への水素の拡散を抑制する機
能とをもつ。
【0189】
絶縁層5021―5032に用いられる絶縁材料には、窒化アルミニウム、酸化アルミニ
ウム、窒化酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化シリコン
、酸化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウ
ム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウ
ム、酸化タンタル、アルミニウムシリケートなどがある。絶縁層5021―5032はこ
れらの絶縁材料でなる単層、または積層して構成される。絶縁層5021―5032を構
成する層は、複数の絶縁材料を含んでいてもよい。
【0190】
なお、本明細書等において、酸化窒化物とは、酸素の含有量が窒素よりも多い化合物であ
り、窒化酸化物とは、窒素の含有量が酸素よりも多い化合物のことをいう。
【0191】
OSトランジスタ5001において、酸素および水素に対してバリア性をもつ絶縁層(以
下、バリア層)によって酸化物層5010が包み込まれる構造であることが好ましい。こ
のような構造であることで、酸化物層5010から酸素が放出されること、酸化物層50
10への水素の侵入を抑えることができるので、OSトランジスタ5001の信頼性、電
気特性を向上できる。
【0192】
例えば、絶縁層5029をバリア層として機能させ、かつ絶縁層5021、5022、5
024の少なくとも1つをバリア層と機能させればよい。バリア層は、酸化アルミニウム
、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒
化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化シリコンなどの材料で形成
することができる。酸化物層5010と導電層5050の間に、バリア層をさらに設けて
もよい。もしくは、金属酸化物層5013として、酸素および水素に対してバリア性をも
つ金属酸化物層を設けてもよい。
【0193】
絶縁層5030は、導電層5050の酸化を防ぐバリア層であることが好ましい。絶縁層
5030が酸素に対してバリア性を有することで、絶縁層5028等から離脱した酸素に
よる導電層5050の酸化を抑制することができる。例えば、絶縁層5030には、酸化
アルミニウムなどの金属酸化物を用いることができる。
【0194】
絶縁層5021―5032の構成例を記す。この例では、絶縁層5021、5022、5
025、5029、5030―5032は、それぞれ、バリア層として機能する。絶縁層
5026―5028は過剰酸素を含む酸化物層である。絶縁層5021は窒化シリコンで
あり、絶縁層5022は酸化アルミニウムであり、絶縁層5023は酸化窒化シリコンで
ある。バックゲート側のゲート絶縁層(5024―5026)は、酸化シリコン、酸化ア
ルミニウム、酸化シリコンの積層である。フロントゲート側のゲート絶縁層(5027)
は、酸化窒化シリコンである。層間絶縁層(5028)は、酸化シリコンである。絶縁層
5029、5030―5032は酸化アルミニウムである。
【0195】
図22Aは、酸化物層5010が3層構造の例であるが、これに限定されない。酸化物層
5010は、例えば、金属酸化物層5011または金属酸化物層5013のない2層構造
とすることができるし、金属酸化物層5011―5012の何れか1層で構成してもよい
。または、酸化物層5010を4層以上の金属酸化物層で構成してもよい。
【0196】
<<OSトランジスタの構成例2>>
図22BにOSトランジスタの構成例を示す。図22Bに示すOSトランジスタ5002
は、OSトランジスタ5001の変形例であり、主に、ゲート電極の構造が異なる。図2
2Bの左側にはOSトランジスタ5002のチャネル長方向の断面図を、右側にはチャネ
ル幅方向の断面図を示す。
【0197】
絶縁層5028に形成された開口部には、金属酸化物層5013、絶縁層5027、導電
層5050が設けられている。つまり、絶縁層5028の開口部を利用して、ゲート電極
が自己整合的に形成されている。よって、OSトランジスタ5002では、ゲート電極(
5050)は、ゲート絶縁層(5017)を介してソース電極およびドレイン電極(50
51、5052)と重なる領域を有していない。そのためゲート―ソース間の寄生容量、
ゲート―ドレイン間の寄生容量が低減でき、周波特性を向上できる。また、絶縁層502
8の開口部によってゲート電極幅を制御できるため、チャネル長の短いOSトランジスタ
の作製が容易である。
【0198】
OSトランジスタのチャネル形成領域は、CAC‐OS(Cloud-Aligned
Composite oxide semiconductor)であることが好ましい
【0199】
CAC‐OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有
し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC‐OSを、トランジスタ
の活性層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機
能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と
、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(オ
ン/オフさせる機能)をCAC‐OSに付与することができる。CAC‐OSにおいて、
それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
【0200】
CAC‐OSは、導電性領域、および絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性
の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導
電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性
領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、
周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
【0201】
また、CAC‐OSにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上
10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場
合がある。
【0202】
また、CAC‐OSは異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、C
AC‐OSは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因
するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流
す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギ
ャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップ
を有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、
上記CAC‐OSをトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、OSトランジスタ
に高い電流駆動力、および高い電界効果移動度を与えることができる。
【0203】
また、結晶性によって金属酸化物半導体を分類すると、単結晶金属酸化物半導体と、それ
以外の非単結晶金属酸化物半導体とに分けられる。非単結晶金属酸化物半導体としては、
CAAC‐OS(c‐axis‐aligned crystalline oxide
semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc‐OS(nanocrys
talline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体
(a‐like OS:amorphous‐like oxide semicond
uctor)などがある。
【0204】
また、OSトランジスタのチャネル形成領域は、CAAC‐OS、nc‐OSなどの結晶
部を有する金属酸化物で構成されることが好ましい。
【0205】
CAAC‐OSは、c軸配向性を有し、かつa‐b面方向において複数のナノ結晶が連結
し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領
域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の
向きが変化している箇所を指す。
【0206】
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合が
ある。また、歪みにおいて、五角形、および七角形などの格子配列を有する場合がある。
なお、CAAC‐OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウン
ダリーともいう)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界
の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC‐OSが、a‐b面方向におい
て酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変
化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
【0207】
CAAC‐OSは、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜
鉛、および酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層
状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能で
あり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表
すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と
表すこともできる。
【0208】
nc‐OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3
nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc‐OSは、異なるナノ
結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。した
がって、nc‐OSは、分析方法によっては、a‐like OSや非晶質酸化物半導体
と区別が付かない場合がある。
【0209】
a‐like OSは、nc‐OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する金属酸化
物半導体である。a‐like OSは、鬆または低密度領域を有する。a‐like
OSは、nc‐OSおよびCAAC‐OSと比べて、結晶性が低い。
【0210】
本明細書等において、CACは金属酸化物半導体の機能または材料を表し、CAACは金
属酸化物半導体の結晶構造を表している。
【実施例1】
【0211】
本実施例では、実施の形態2に係るNOSRAMの設計、製造、性能等について説明する
。なお、本実施例では、実施の形態2と同様の構成の説明は、適宜省略される。
【0212】
<<NOSRAMメモリセル>>
60nm OSトランジスタプロセスと、ファウンドリ65nm CMOSプロセスとを
組み合わせたプロセスを用いて、1Mビット 2T1CゲインセルNOSRAMを作製し
た。結晶性In‐Ga‐Zn酸化物を用いて、OSトランジスタを作製した。図23A
図23Dに、作製したNOSRAMのメモリセルの回路図、レプリカセルの回路図、ノー
ドバイアス条件、タイミングチャートをそれぞれ示す。
【0213】
電圧VDDはロジック回路の電源電圧であり、1.2Vである。電圧VWLは、ワード線
WWL、RWLの高レベル電圧であり、3.3Vである。電圧VSLはソース線の高レベ
ル電圧であり、1.6Vである。
【0214】
メモリセル80は2T1C型ゲインセルであり、OSトランジスタMW、Siトランジス
タMR、容量素子CS、ノードSNを有する。図23D中のVsnはノードSNの電圧で
ある。OSトランジスタMWは書き込みトランジスタであり、バックゲートを有する。S
iトランジスタMRは読み出しトランジスタである。メモリセル80はワード線WWL、
RWL、ビット線WBL、RBL、ソース線SLに電気的に接続されている。
【0215】
NOSRAMのメモリセルの保持ノードには、OSトランジスタを介して、電荷が充電さ
れる。OSトランジスタが極小オフ電流であることから、OSトランジスタは電荷をリー
クさせない。一方で、65nm CMOSロジックプロセスでは、Siトランジスタのゲ
ート絶縁物の厚さ(Tox)は2乃至3nmである。読み出しトランジスタのゲート絶縁
物が薄いと、ゲートリークによって、保持ノードの電荷はリークする。そこで、本NOS
RAMでは、ゲートリークを抑えるために、SiトランジスタMRには、厚いゲート絶縁
物Siトランジスタを採用した。厚いゲート絶縁物Siトランジスタは、ファウンドリの
標準ロジックプラットフォームにおいて、I/Oデバイス向けに提供されているものであ
る。
【0216】
NOSRAMのメモリセルはゲインセルであるので、保持容量は小さくできる。そのため
、メモリセル80の容量素子CSへの3Dキャパシタ構造の採用は必須ではない。容量素
子CSは、0.92fFのMIM構造キャパシタである。保持容量の縮小は、書き込み時
間の短縮に貢献する。なお、メモリセル80の保持時間は、85℃で1時間を超えること
を確認している。また、メモリセル80は非破壊読み出しであるので、読み出しサイクル
において、再書き込みを行う必要はない。これは、読み出し時間の短縮に貢献する。
【0217】
レプリカセル85は、OSトランジスタDW、SiトランジスタDR、DS、容量素子C
Dを有する。OSトランジスタDWは、OSトランジスタMWと同じ仕様のトランジスタ
である。OSトランジスタDRのゲートにはGND(接地電位)が入力される。容量素子
CDは、容量素子CSと同様、0.92fFのMIM構造キャパシタである。
【0218】
SiトランジスタDRのゲートには電圧VDUMが入力され、SiトランジスタDSのゲ
ートはワード線DRWLに電気的に接続されている。SiトランジスタDR、DSは、S
iトランジスタMRと同様、厚いゲート絶縁物Siトランジスタである。
【0219】
OSトランジスタMW、DWのW(チャネル幅)/L(チャネル長)は、60nm/60
nmである。SiトランジスタMR、DRのW/Lは、320nm/240nmであり、
SiトランジスタDSのW/Lは、320nm/400nmである。
【0220】
図24にメモリセル80のレイアウトの分解図を示す。図24には、64個のメモリセル
80(8ワード線、8ビット線)が示されている。OSトランジスタMW、DWはSiト
ランジスタMR、DR、DSに積層される。容量素子CS、CDはOSトランジスタMW
、DWに積層される。
【0221】
<<NORAMマクロの設計および特性>>
図25に、NOSRAMマクロのアーキテクチャを示す。図25に示すNOSRAMマク
ロ800は、4個のサブアレイ801[00]―801[11]、グローバルミッドロジ
ック回路803を有する。サブアレイ801の容量は64kビットである。
【0222】
サブアレイ801は、4個のメモリセルアレイ810_0T、810_1T、810_0
B、810_1B、4個の行回路812_0T、812_1T、812_0B、812_
1B、2個の列回路813_0、813_1、ローカルミッドロジック回路814を有す
る。メモリセルアレイ810_0T、810_0Bは列回路813_0を共有し、メモリ
セルアレイ810_1T、810_1Bは列回路813_1を共有する。メモリセルアレ
イ810の容量は16kビットである。メモリセルアレイ810は、2行×2列のダミー
セルリング811を含む132行×132列構造である。
【0223】
図26Aにサブアレイ801のビット線構造を示し、図26Bに列回路813_0の要部
の回路構成を示す。
【0224】
メモリセルアレイ810_0Tは、セルアレイ820_Tおよびレプリカセルアレイ82
1_Tを有する。図26Aにはダミーセルリング811は示していない。セルアレイ82
0_Tには、ビット線あたり128のメモリセル80が設けられ、ワード線あたり128
のメモリセル80が設けられている。隣接する2列でソース線SLは共有される。
【0225】
従来の読み出し方式では、データ0/1を判別するための読み出し判定電圧に外部入力電
圧が用いられている。本実施例の新規読み出し方式では、読み出し判定電圧はレプリカセ
ルで生成される。レプリカセルを用いることで、読み出しワード線を“L”にしてからセ
ンスアンプが活性化するまでの時間(Tsns)を短縮することができる。読み出し判定
電圧をメモリセルアレイ内で生成することで、PVTばらつきにロバストな読み出し動作
ができる。
【0226】
ビット線RBL_T、RBL_Bはそれぞれ、1個のレプリカセル85を持つ。例えば、
メモリセルアレイ810_0Bのデータを読み出す際、レプリカセルアレイ821_Tの
ワード線DRWL_Tを“L”にする。レプリカセルアレイ821_Tの128個のレプ
リカセル85はそれぞれ参照信号を生成し、各参照信号はビット線RBL_T0乃至RB
L_1T27に出力される。列回路813_0は、センスアンプが活性化した時のビット
線RBL_T0乃至RBL_T127の電圧を読み出し判定電圧に用いて、ビット線RB
L_B0―RBL_B127に読み出されたデータの0/1判定を行う。
【0227】
いくつかのPVT(プロセス・電圧・温度)条件において、本読み出し方式、および従来
方式の読み出し速度をシミュレーションで比較した。比較結果を図27に示す。Tsns
は、64kビットサブアレイ801のテストベンチから見積もっている。従来方式と比較
して、本読み出し方式の方が読み出し速度が大きく、ロバスト性が高いことが確認された
。なお、従来方式では、読み出し判定電圧は0.4Vである。
【0228】
<<1Mビット NOSRAM>>
65nm‐OS/60nm‐CMOSハイブリッドプロセスにより、1Mビット NOS
RAMを製造した。図28A図28Bに、製造したNOSRAMのダイ写真、メモリセ
ルの断面の顕微鏡写真をそれぞれ示す。図28CにNOSRAMの仕様を示す。
【0229】
NOSRAMには、クロックジェネレータ(CLK Gen.)、MBIST(Memo
ry Built in Self‐Test)ブロックを設けた。1Mビット NOS
RAMマクロは、4個のNOSRAMマクロ800で構成される。BEOL(Back‐
End‐Of‐Line)には9のメタル配線層が形成されている。
【0230】
本NOSRAMのデータ保持は85℃において1時間を超える。最大動作周波数は室温で
140MHzである。図29A図29Cに、-40℃、25℃、85℃におけるシュム
(Shmoo)プロット(電圧VDD・VSL・VWL 対 動作周波数)をそれぞれ示
す。1Mビット NOSRAMマクロは、-40℃から85℃において130MHzで動
作が可能である。つまり、本NOSRAMは広い使用温度範囲を有することが確認された
【0231】
本NOSRAMのスタンバイ電力は31μWであり、アクティブ電力は64μW/MHz
である。長時間データ保持特性により、パワーゲーティングによる漏れ電力を削減できる
。従って、本NOSRAMは高性能かつ低電力が要求されるデバイスの埋め込みメモリに
好適である。
【符号の説明】
【0232】
QS、QSb、SN:ノード、
C1、C3、CD、CS:容量素子、
DR2、DR4、DS、DS2、DS4、DW、DW2、MN1、MN2、MN3、MN
5、MP2、MP3、MR3、MW3、M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7:ト
ランジスタ、
DW、MW:OSトランジスタ、
MR:Siトランジスタ、
BL、WBL、RBL、REFBL:ビット線、
WWL、RWL、DRWL:ワード線、
SL:ソース線、
PL、PLDUM、PLDDD、PLSSS、BGL:配線、
10、11、12、13、14、30、80:メモリセル、
20、21、22、23、35、85:レプリカセル、
25:読み出し回路、 26:書き込み回路、 27:選択回路、
40、44:AND回路、 41:レベルシフタ、 42:バッファ回路、 45:レベ
ルシフタ、 46:インバータ回路、 50:センスアンプ、 51、52:アナログス
イッチ、 53、54:OR回路、
100:NOSRAM、 110:制御回路、 112:行回路、 113:列回路、
115、125:メモリセルアレイ、 116、126:レプリカセルアレイ、 123
:列回路、
190、 191、 193:曲線、
300、301、302:NOSRAM、 310:制御回路、 312:行回路、 3
13:列回路、 315:プレデコーダ、 320:列デコーダ、 321:プリチャー
ジ回路、 322:センスアンプ、 324:書き込みドライバ、 325:ソース線ド
ライバ、 330:ブロック、 335:レプリカセルアレイ、 340:回路、 35
0:サブアレイ、 355:マクロ、 360:制御回路、 361:プレデコーダ、
363:ロジック回路、 370:制御回路、 371:プレデコーダ、
400:MCU(マイクロコントローラユニット)、 405:バス、 410:プロセ
ッサコア、 412:クロック生成回路、 413:PMU(電源管理装置)、 415
:周辺回路、 430:メモリ部、 432:NOSRAM、 434:記憶装置、
800:NOSRAMマクロ、 801:サブアレイ、 803:グローバルミッドロジ
ック回路、 810、810_0T、810_1T、810_0B、810_1B:メモ
リセルアレイ、 811:ダミーセルリング、 812_0T、812_1T、812_
0B、812_1B:行回路、813、813_0、813_1:列回路、814:ロー
カルミッドロジック回路、 820_T:ローカルアレイ、 821_T:レプリカセル
アレイ、
2010:情報端末、 2011:筐体、 2012:表示部、 2013:操作ボタン
、 2014:外部接続ポート、 2015:スピーカ、 2016:マイクロホン、
2051:筐体、 2052:表示部、 2053:キーボード、 2054:ポインテ
ィングデバイス、 2070:ビデオカメラ、 2071:筐体、 2072:表示部、
2073:筐体、 2074:操作キー、 2075:レンズ、 2076:接続部、
2110:携帯型遊技機、 2111:筐体、 2112:表示部、 2113:スピ
ーカ、 2114:LEDランプ、 2115:操作キーボタン、 2116:接続端子
、 2117:カメラ、 2118:マイクロホン、 2119:記録媒体読込部、 2
150:電気冷凍冷蔵庫、 2151:筐体、 2152:冷蔵室用扉、 2153:冷
凍室用扉、 2170:自動車、 2171:車体、 2172:車輪、 2173:ダ
ッシュボード、 2174:ライト、
5001、5002:OSトランジスタ、 5010:酸化物層、 5011、5012
、5013:金属酸化物層、 5021、5022、5023、5024、5025、5
026、5027、5028、5029、5030、5031、5032:絶縁層、 5
050、5051、5052、5053、5054:導電層、 5500:単結晶シリコ
ンウエハ、 LX1、LX2、LX3、LX4、LX5、LX6、LX7、LX8、LX
9、LX10:層、
7000:電子部品、 7001:リード、 7002:プリント基板、 7004:実
装基板、 7110:チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図19
図20
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図26
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図28
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