(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】印刷制御システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240213BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
G06F3/12 337
G06F3/12 303
G06F3/12 378
G06F3/12 388
G06F3/12 392
B41J29/38
(21)【出願番号】P 2022209294
(22)【出願日】2022-12-27
(62)【分割の表示】P 2018192957の分割
【原出願日】2018-10-11
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】阪本 貴大
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-092368(JP,A)
【文献】特開2016-157486(JP,A)
【文献】特開2013-175024(JP,A)
【文献】特開2014-016673(JP,A)
【文献】特開2012-203745(JP,A)
【文献】特開平10-236017(JP,A)
【文献】特開2005-026909(JP,A)
【文献】特開2003-016000(JP,A)
【文献】特開2007-199779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声デバイスを介して利用される印刷コンテンツ生成サービスと、前記印刷コンテンツ生成サービスが生成した印刷コンテンツを印刷装置に印刷させるための指示を発行可能な印刷サービスが登録された音声デバイス管理サーバと通信可能であり、かつ、前記印刷装置において実行される印刷処理のための指示を生成可能な印刷制御システムであって、
前記印刷コンテンツ生成サービスにより生成された前記印刷コンテンツを取得する取得手段と、
前記印刷コンテンツ生成サービスにより生成された前記印刷コンテンツ
のデータフォーマットに基づいて、印刷処理を実行するための印刷設定情報を特定する特定手段と、を有し、
前記印刷コンテンツおよび前記印刷設定情報に基づく印刷処理が前記印刷装置において実行され、
前記印刷コンテンツ生成サービスの利用を要求する発話を前記音声デバイスが受信することで前記印刷コンテンツ生成サービスが印刷コンテンツを生成し、かつ、印刷に関わる機能を備えるサービスとして複数の印刷サービスが特定された場合、前記音声デバイスにより、印刷に関わる機能を備えるサービスとしてどのサービスを利用するかを問い合わせることを特徴とする印刷制御システム。
【請求項2】
第1印刷サービスが提供するコンテンツを印刷することに対応する発話を前記音声デバイスが受信した場合、前記特定手段は、前記第1印刷サービスが保持するコンテンツに基づく印刷処理を実行するための印刷設定情報を特定し、
前記印刷コンテンツ生成サービスにより生成された前記印刷コンテンツに基づく印刷処理を実行するために特定された前記印刷設定情報と、前記第1印刷サービスが保持するコンテンツに基づく印刷処理を実行するために特定された前記印刷設定情報は同じであることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御システム。
【請求項3】
前記印刷サービスが提供するコンテンツを印刷することに対応する発話を前記音声デバイスが受信した場合、前記特定手段は、前記印刷サービスが保持するコンテンツに基づく印刷処理を実行するための印刷設定情報を特定し、
前記印刷コンテンツ生成サービスにより生成された前記印刷コンテンツに基づく印刷処理を実行するために特定された前記印刷設定情報は、前記印刷サービスが保持するコンテンツに基づく印刷処理を実行するために特定された前記印刷設定情報と異なることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷制御システム。
【請求項4】
前記印刷サービスが提供するコンテンツは、ぬり絵コンテンツ、ゲームコンテンツ、五線譜コンテンツの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のシステム。
【請求項5】
音声デバイスを介して利用される印刷コンテンツ生成サービスと、前記印刷コンテンツ生成サービスが生成した印刷コンテンツを印刷装置に印刷させるための指示を発行可能な印刷サービスが登録された音声デバイス管理サーバと通信可能であり、かつ、前記印刷装置において実行される印刷処理のための指示を生成可能な印刷制御システムの制御方法であって、
前記印刷コンテンツ生成サービスにより生成された前記印刷コンテンツを取得する取得ステップと、
前記印刷コンテンツ生成サービスにより生成された前記印刷コンテンツのデータフォーマットに基づいて、印刷処理を実行するための印刷設定情報を特定する特定ステップと、を含み、
前記印刷コンテンツおよび前記印刷設定情報に基づく印刷処理が前記印刷装置において実行され、
前記印刷コンテンツ生成サービスの利用を要求する発話を前記音声デバイスが受信することで前記印刷コンテンツ生成サービスが印刷コンテンツを生成し、かつ、印刷に関わる機能を備えるサービスとして複数の印刷サービスが特定された場合、前記音声デバイスにより、印刷に関わる機能を備えるサービスとしてどのサービスを利用するかを問い合わせることを特徴とする制御方法。
【請求項6】
第1印刷サービスが提供するコンテンツを印刷することに対応する発話を前記音声デバイスが受信した場合、前記特定ステップは、前記第1印刷サービスが保持するコンテンツに基づく印刷処理を実行するための印刷設定情報を特定し、
前記印刷コンテンツ生成サービスにより生成された前記印刷コンテンツに基づく印刷処理を実行するために特定された前記印刷設定情報と、前記第1印刷サービスが保持するコンテンツに基づく印刷処理を実行するために特定された前記印刷設定情報は同じであることを特徴とする請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
前記印刷サービスが提供するコンテンツを印刷することに対応する発話を前記音声デバイスが受信した場合、前記特定ステップは、前記印刷サービスが保持するコンテンツに基づく印刷処理を実行するための印刷設定情報を特定し、
前記印刷コンテンツ生成サービスにより生成された前記印刷コンテンツに基づく印刷処理を実行するために特定された前記印刷設定情報は、前記印刷サービスが保持するコンテンツに基づく印刷処理を実行するために特定された前記印刷設定情報と異なることを特徴とする請求項5または6に記載の制御方法。
【請求項8】
前記印刷サービスが提供するコンテンツは、ぬり絵コンテンツ、ゲームコンテンツ、五線譜コンテンツの少なくとも1つであることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御システムおよび制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯端末に表示される印刷ボタンが押下されることで印刷指示を実行する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、印刷を指示するためにユーザは印刷ボタンを押下する必要がある。近年、様々な場面で印刷装置が使用されており、印刷に関わる操作性を更に向上させる技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
音声デバイスを介して利用される印刷コンテンツ生成サービスと、前記印刷コンテンツ生成サービスが生成した印刷コンテンツを印刷装置に印刷させるための指示を発行可能な印刷サービスが登録された音声デバイス管理サーバと通信可能であり、かつ、前記印刷装置において実行される印刷処理のための指示を生成可能な印刷制御システムであって、前記印刷コンテンツ生成サービスにより生成された前記印刷コンテンツを取得する取得手段と、前記印刷コンテンツ生成サービスにより生成された前記印刷コンテンツのデータフォーマットに基づいて、印刷処理を実行するための印刷設定情報を特定する特定手段と、を有し、前記印刷コンテンツおよび前記印刷設定情報に基づく印刷処理が前記印刷装置において実行され、前記印刷コンテンツ生成サービスの利用を要求する発話を前記音声デバイスが受信することで前記印刷コンテンツ生成サービスが印刷コンテンツを生成し、かつ、印刷に関わる機能を備えるサービスとして複数の印刷サービスが特定された場合、前記音声デバイスにより、印刷に関わる機能を備えるサービスとしてどのサービスを利用するかを問い合わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本願発明により、印刷に関わるユーザの操作負荷を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】音声デバイス100の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】MFP500の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】音声デバイスアプリ管理サービス200、アプリ300および印刷管理サービス400の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】音声デバイス100とMFP500を紐づける際のシーケンス図である。
【
図6】音声指示に基づく印刷処理のシーケンス図である。
【
図7】音声指示に基づく印刷処理のシーケンス図である。
【
図8】印刷に必要な設定値の決定処理を含むシーケンス図である。
【
図9】印刷アプリ310により実行されるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、以下の実施の形態は、特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【実施例1】
【0009】
まず、本発明の基本となる印刷システムの構成について説明する。
【0010】
図1は、本実施例に係る印刷システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す印刷システムは、音声デバイス100、音声デバイスアプリ管理サービス200、アプリ300、印刷管理サービス400およびMFP500で構成される。なお、本実施形態では、音声デバイス100、音声デバイスアプリ管理サービス200、アプリ300、印刷管理サービス400およびMFP500がインターネットを介して接続されているものとする。まず、音声デバイス100は、ユーザが発話した音声に対応する音声データをネットワークを介して送信可能であり、かつ、ネットワークを介して受信した音声データを音声にて出力可能である。また、音声デバイスアプリ管理サービス200は、音声デバイス100を管理する機能の他に、音声デバイス100から発話データを受信したり、音声デバイス100へ発話データを送信したりする。なお、発話データとは、音声データでも良いしテキストデータでも良い。アプリ300は、音声デバイスアプリ管理サービス200からの指示により起動される。また、アプリ300は、音声デバイスアプリ管理サービス200からのリクエスト内容に応じた印刷コンテンツの読み出しおよびユーザへのメッセージ内容を含むテキスト情報の生成を行うことも可能である。印刷管理サービス400は複合機(MultiFunction Printer:以下MFP)500とインターネットを介して通信可能であり、印刷管理サービス400から遠隔で印刷指示が可能である。なお、音声デバイスアプリ管理サービス200、アプリ300、印刷管理サービス400は、各サービス提供元が用意するサーバ(またはサーバ群)上で動作する。そのため、音声デバイスアプリ管理サービス200を、音声デバイスアプリ管理サーバ(または音声デバイス管理サーバ)200と呼び、印刷管理サービス400を印刷管理サーバ400と呼ぶこともある。また、アプリ300と印刷管理サービス400が同一のサーバ(またはサーバ群)により提供されても良い。さらに、アプリ300と印刷管理サービス400を含み、MFP500において実行される印刷処理のための指示を生成可能なシステムを印刷制御システムと呼ぶこともある。なお、MFP500は、インクジェット方式で印刷を行っても良いし、電子写真方式で印刷を行っても良い。
【0011】
図2は、音声デバイス100のハードウェア構成図である。音声デバイス100は、スピーカ101、CPU102、ROM103、マイクロフォン104、RAM105、外部記憶装置106、通信部107、近距離無線通信部108を有する。なお、
図2乃至
図4に示すブロックは、例えば内部バスを用いて相互に接続される。また、CPUはCentral Processing Unit、ROMはRead Only Memory、RAMはRandom Access Memoryの頭字語である。なお、これらの構成は一例であり、各装置は図示されたもの以外のハードウェアを含んでもよい。また、
図2乃至
図4における複数のブロックが1つのブロックにまとめられてもよいし、1つのブロックが2つ以上のブロックに分割されてもよい。すなわち、各装置は後述するような処理を実行可能な範囲で任意の構成をとることができる。
【0012】
スピーカ101は、後述する処理により音声を発する。CPU102は、システムの制御部であり、音声デバイス100の全体を制御する。ROM103は、CPU102が実行する制御プログラムやデータテーブル、組み込みOS(Operating System)プログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM103に格納されている各制御プログラムは、ROM103に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウェア実行制御を行うために用いられる。マイクロフォン104は、例えばユーザの発話など音声デバイスの周囲の音声を受信する。RAM105は、例えばバックアップ電源を必要とするSRAM(Static RAM)等で構成される。なお、RAM105は、不図示のデータバックアップ用の一次電池によってデータが保持されるため、プログラム制御変数等のデータを揮発させずに格納することができる。また、音声デバイス100の設定情報や管理データ等を格納するメモリエリアもRAM105に格納されている。さらに、RAM105は、CPU102の主メモリ及びワークメモリとしても用いられる。外部記憶装置106は、アプリケーションソフトウェアを記憶する。通信部107は、例えば、WiFi等の所定の無線通信方式に従って通信を行うための回路やアンテナを含んで構成される。また、通信部107は、一時的に使用される親局(例えば、アクセスポイント、またはWiFiダイレクトのグループオーナ)として動作することもある。本実施形態の通信部107は、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線LANの無線通信方式に従って動作する能力を有してもよいし、他の無線通信方式に従って動作する能力を有してもよい。近距離無線通信部108は、音声デバイス100から一定の近距離範囲内に存在する他の装置と無線通信する。なお、近距離無線通信部108は、通信部107と異なる無線通信方式によって通信を行い、近距離無線通信部108の通信速度は通信部107の通信速度よりも遅い。また、近距離無線通信部108の通信範囲は通信部107の通信範囲よりも狭い。本実施形態では、近距離無線通信部108は、Bluetooth(登録商標)規格に従って動作するものとする。なお、音声デバイス100の通信部107は、音声デバイス100のセットアップ処理のために、一時的に使用される親局として動作する。
【0013】
例えば、音声デバイス100の電源がONとなった場合、通信部107が、一時的に使用される親局として動作する。そして、音声デバイス100のユーザは、ユーザ端末を操作して、通信部107が一時的に親局として動作することで作成したネットワークにユーザのユーザ端末を無線接続させる。具体的には、ユーザは、通信部107が一時的に親局として動作することで作成したネットワークのSSIDをユーザ端末を操作して選択することで、ユーザ端末と音声デバイス100間の無線接続を確立させる。
【0014】
そして、ユーザは、ユーザ端末にインストールされている音声デバイス100に対応するアプリケーションにより提供される設定画面を使って、音声デバイス100をインフラストラクチャー接続させるためのSSIDおよびパスワードを入力する。なお、ここで入力されるSSID等は、音声デバイス100の外部であり、かつ、ユーザ端末の外部である外部アクセスポイント等の外部親局が作成したネットワークに対応する。
【0015】
上述した設定画面に入力されたSSIDおよびパスワードが、通信部107が一時的に親局として動作することで作成したネットワークを介してユーザ端末から音声デバイス100に送信される。音声デバイス100は、受信したSSIDおよびパスワードを使って接続処理を実行することで
図1のようなシステムが構築される。なお、本実施形態では、通信部107が一時的に親局として生成したネットワークを利用したが、例えば近距離無線通信部108を使って音声デバイス100とユーザ端末を無線接続させることで、上述したセットアップ処理が実行されても良い。
【0016】
図3は、画像処理装置としてのMFP500の概略構成を示すブロック図である。なお、本明細書では、周辺装置として専らMFPを例に説明することとするが、画像処理装置、複写機、ファクシミリ、単機能の印刷装置等であってもよい。
【0017】
MFP500において、印刷機能はプリンタ部501、スキャナ機能はスキャナ部502であり、ストレージ機能はメモリカード装着部503及びメモリカード504で実現される。
【0018】
プリンタ部501は、外部から受信した画像データやメモリカード504に格納されている画像データ等を、インクジェット方式や電子写真方式などの記録方式によって印刷用紙に印刷する。また、プリンタ部501は、インク残量を含むインク情報や積載用紙の枚数を含む用紙情報も管理している。
【0019】
スキャナ部502は、原稿台(不図示)にセットされた原稿を光学的に読み取って電子データに変換し、更に指定されたファイル形式に変換した画像データを、ネットワーク経由で外部装置に送信、或いはHDD等の保存領域(不図示)に格納する。また、コピーサービスは、原稿台に置かれた原稿をスキャナ部502で読み取って生成した画像データをプリンタ部501へ転送し、プリンタ部501が印刷用紙にその画像データを印刷することで実現される。
【0020】
メモリカード装着部503に装着されたメモリカード504には、各種ファイルデータが格納される。このファイルデータは、ネットワークを介した外部装置から読み出して編集されることもある。また、外部装置からメモリカード504にファイルデータを格納することも可能である。
【0021】
さらに、MFP500は、CPU505、プログラムメモリ506、ワーキングメモリ508、表示部509、操作部510、ネットワーク通信部512、ネットワーク接続部513、フラッシュメモリ511を備える。CPU505は、MFP500内の各部を制御するための中央演算装置である。プログラムメモリ506は、ROMなどで構成され、各種のプログラムコードや、サーバ装置と通信するためのアプリケーション507が格納されている。また、アプリケーション507はプリンタ部501にアクセスしてインクや用紙などの消耗品情報を取得する。ワーキングメモリ508は、RAMなどで構成され、各サービス実行時に画像データなどを一時格納したり、バッファリングしたりする。表示部509は、例えばLCDで構成され、各種の情報を表示する。操作部510は、ユーザが各種の入力操作を行うためのスイッチ等からなる。
【0022】
ネットワーク通信部512は、MFP500をネットワークに接続して各種通信を行う。なお、基本的には上述した通信部107と同じである。インターネット等のネットワークとは、ネットワーク接続部513を介して接続可能である。ネットワーク通信部512は、有線LANや無線LANに対応し、有線LAN対応の場合のネットワーク接続部513は有線LANのケーブルを接続するためのコネクタであり、無線LAN対応の場合のネットワーク接続部513はアンテナとなる。なお、本実施形態では、無線LANにて画像処理装置が無線通信する場合、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線通信を行うものとする。また、ネットワーク通信部512は、有線LANによる有線通信と無線LANによる無線通信を排他的に行ってもよいし、並行して行っても良い。なお、ネットワーク接続部513が、有線LANおよび無線LANの両者に対応していても良い。フラッシュメモリ511は、ネットワーク通信部512が受信した画像データなどを格納するための不揮発性のメモリである。また、後述するMFP500の処理は、CPU505が、処理に必要なプログラムを読み出して実行することで実現される。また、不図示ではあるが、画像処理装置も、Bluetoot(登録商標)規格に従って近距離無線通信を行っても良い。さらにこの近距離無線通信と上述した無線LANによる無線通信は、別々のチップにより実現されても良いし、同一チップにより実現されても良い。
【0023】
図4は、音声デバイスアプリ管理サービス200、アプリ300、および印刷管理サービス400が動作可能なサーバの概略構成を示すブロック図である。
【0024】
CPU201は、以下の各部を制御するための中央演算装置である。記憶装置210は、CPU201が読み出すアプリケーションプログラム211やデータベース212やOSのほか各種ファイルを格納する。外部記憶メディア読取装置202は、SDカード等の外部記憶媒体に格納されたファイル等の情報を読み出すための装置である。メモリ203はRAM等で構成され、CPU201が必要に応じてデータの一時的格納やバッファリング等を行う。表示部204は、例えばLCDで構成され、各種情報を表示する。操作部205は、ユーザが各種入力操作を行うためのキーボードやマウス等からなる。ネットワーク通信部206は、ネットワーク接続部207を介してインターネット等のネットワークと接続され、各種通信を行う。なお、基本的には上述した通信部107と同じである。ネットワーク通信部206は、有線LANや無線LANに対応し、有線LAN対応の場合のネットワーク接続部207は有線LANのケーブルを接続するためのコネクタであり、無線LAN対応の場合のネットワーク接続部207はアンテナとなる。なお、本実施形態では、無線LANにて画像処理装置が無線通信する場合、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線通信を行うものとする。また、ネットワーク接続部207が、有線LANおよび無線LANの両者に対応していても良い。USB通信部208は、各種周辺装置とUSB接続部209を介して接続され、各種通信を行う。また、後述する音声デバイスアプリ管理サービス200、アプリ300、および印刷管理サービス400の処理は、CPU201が処理に必要なプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0025】
図1で示した印刷システムにおいて、サービスを利用するために音声デバイス100とMFP500を紐づける際のシーケンス図を
図5に示す。ユーザは、あらかじめ音声デバイスと関連付けてある携帯端末やパーソナルコンピュータ等のユーザ端末を使用する。つまり、ユーザ端末も、インターネットを介して
図1に示す各装置と通信することが可能である。ユーザ端末は、ユーザの指示に基づいて、音声デバイスアプリ管理サービス200に対して印刷サービスの登録要求を送信する(S501)。この登録要求は、例えばユーザ端末にインストールされたローカルアプリケーションにより実行されても良いし、Webブラウザを介してWebページから実行されてもよい。
【0026】
印刷管理サービス400への登録要求を音声デバイスアプリ管理サービス200が受信すると、印刷管理サービス400に認証を行うためのURLに対するアクセス要求がユーザ端末に送信される(S502)。アクセス要求を受けたユーザ端末は、指定されたURLを用いて印刷管理サービス400に対して認証リクエストを送信し(S503)、印刷管理サービス400から認証画面を受信する(S504)。
【0027】
ユーザは、S504で表示された認証画面を使用して、あらかじめ登録してある印刷管理サービス400を利用するために必要な認証情報を入力する。例えば、ユーザが印刷管理サービス400にログインするために登録しているユーザIDとパスワードが、印刷管理サービス400を利用するために必要な認証情報に相当する。ユーザは、ユーザ端末上で印刷管理サービス400を利用するために必要な認証情報を入力し、印刷管理サービス400に送信(S505)した後、印刷管理サービス400は認証処理を実行する。
【0028】
認証処理が正常に完了した場合、印刷管理サービス400は音声デバイスアプリ管理サービス200へコールバックを送信する(S506)。音声デバイスアプリ管理サービス200は、このコールバックにより、印刷管理サービス400にアクセスするための認証情報を取得できる。音声デバイスアプリ管理サービス200は、ここで取得した認証情報を使用することで印刷管理サービス400にアクセスすることが可能となる。例えば、ユーザ端末と関連付けられた音声デバイス100に対して、ユーザ端末のユーザが印刷サービスの利用に関する発話を行った場合、当該発話に対応するリクエストが音声デバイスアプリ管理サービス200を介して印刷管理サービス400へ送信される。この際、S506で取得された認証情報が使用される。また、印刷管理サービス400ではアクセストークンを元にログインユーザを特定することで、ユーザが登録しているMFP500の特定が可能となる。
【0029】
ここで、音声デバイスアプリ管理サービス200は、印刷管理サービス400にアクセスするために必要なアクセストークンやリフレッシュトークン等の認証情報を、ユーザ端末と関連付けられている音声デバイス100の情報とともに保存する(S507)。
【0030】
本実施例では、音声デバイス100とMFP500を紐づける方法としてOauthと呼ばれるユーザ認証処理をもとに説明したが、音声デバイス100とMFP500を紐づけることが可能であれば他の方法が用いられてもよい。
【0031】
続いて、音声デバイス100から印刷機能を有する印刷アプリ310を介してMFP500に印刷処理を実行させるまでの流れを、
図6を用いて説明する。なお、
図1に示したアプリ300の一例が印刷アプリ310である。また、
図6の説明において、後述するが印刷アプリ310は、印刷コンテンツを読み出す。そのため、印刷アプリ310が動作するサーバの記憶装置210には、コンテンツデータ(例えば、ぬり絵のコンテンツデータなど)が保存されている。なお、本実施形態では、アプリ300をサービスと呼ぶこともある。そのため印刷アプリ310は、印刷サービス310と呼ばれることもある。
【0032】
ユーザは、音声デバイス100に対して「プリンタを起動して」と発話する(S601)。音声デバイス100は、受信した発話内容に対応する発話データを音声デバイスアプリ管理サービス200に送信する(S602)。なお、発話データとは、発話内容を示す音声データでも良いし、発話内容から生成されたテキストデータでもよい。
【0033】
音声デバイスアプリ管理サービス200は、音声デバイス100から受信した発話データをもとに対象アプリを決定する。なお、音声デバイスアプリ管理サービス200には、音声デバイス100を使用するユーザ用に複数のアプリケーションが登録されている。当該複数のアプリケーションは、上述した音声デバイス100に対応するアプリケーションを使って登録される。ここで、音声デバイスアプリ管理サービス200は、発話データに含まれるキーワードにより、使用する対象アプリを決定する。なお、本実施形態では、「プリンタを起動して」というキーワードが印刷アプリ310を起動するためのキーワードとして登録されているとする。そのため、「プリンタを起動して」というキーワードが発話データに含まれる場合、音声デバイスアプリ管理サービス200は印刷アプリ310を対象アプリとして決定する。以後、
図6のシーケンスが完了するまで、音声デバイス100に対するユーザの発話は、印刷アプリ310へのリクエストとなる。
【0034】
音声デバイスアプリ管理サービス200は、印刷アプリ310に対して印刷可能なコンテンツリストをリクエストする(S603)。リクエストを受信した印刷アプリ310は、印刷可能なコンテンツのリストを生成して(S604)、音声デバイスアプリ管理サービスに返す(S605)。ここで作成したコンテンツリストは、印刷アプリ310の内部に保持されていてもよいし、ユーザの属性情報等をもとに動的に生成されてもよい。印刷アプリ310からのレスポンスを受信した音声デバイスアプリ管理サービス200は、音声デバイス100を通して音声出力するためのメッセージを生成する(S606)。ここで生成したメッセージの内容は、ユーザに次の行動を促す内容が望ましい。例えば、印刷可能なコンテンツの選択肢を提示してユーザに選択させるような問いかけや、『はい/いいえ』のような、ユーザの次の発話が限定されるようなメッセージが考えられる。生成されたメッセージに対応する発話データは、音声デバイス100に送信され(S607)、スピーカ101で再生されることで当該メッセージがユーザに伝達される(S608、S609)。例えば、印刷アプリ310が提供コンテンツとしては、ぬり絵コンテンツ、ゲームコンテンツ、五線譜コンテンツが挙げられるが、これらのコンテンツのうち少なくとも1つが提供されても良いし、他のコンテンツが提供されても良い。
【0035】
メッセージを聞いたユーザは、音声デバイス100に対して印刷したいコンテンツを発話する(S610)。例えば、「ぬり絵を印刷して」と発話すると、音声デバイス100から音声デバイスアプリ管理サービス200にユーザの発話データが送信される(S611)。そして、音声デバイスアプリ管理サービス200は、印刷アプリ310に対してユーザが選択したコンテンツを印刷するようにリクエストする(S612)。なお、S612のリクエストに、S507で保存された認証情報が含まれる。
【0036】
リクエストを受信した印刷アプリ310は、ユーザの印刷装置を特定するためのリクエストを認証情報と共に印刷管理サービス400に送信し、ユーザ用のMFP500を示すプリンタIDを取得する。さらに、印刷アプリ310は、S612で受信したリクエストに含まれる印刷コンテンツの種類をもとに印刷コンテンツ(
図6の例ではぬり絵の印刷コンテンツ)を読み出し、印刷管理サービス400に対してアップロードリクエストを送信する。このアップロードリクエストにより印刷管理サービス400からジョブIDとアップロード用のURLが印刷アプリ310に通知される。印刷アプリ310は、読み出した印刷コンテンツを指定されたアップロード用のURLに保存する。さらに、印刷アプリ310は、当該印刷コンテンツの印刷に使用される印刷設定情報を特定する。そして、印刷アプリ310は、認証情報、プリンタID、ジョブID、および特定された印刷設定情報を含む印刷リクエストを印刷管理サービス400へ送信する(S613)。なお、印刷設定情報には、用紙サイズ「A4」、用紙タイプ「普通紙」、カラー・モノクロ「カラー」、両面・片面印刷「片面」などの設定値が含まれる。
【0037】
印刷管理サービス400は、S613で送信されたプリンタIDに対応するユーザのMFP500を特定する。続いて印刷管理サービス400は、S613で送信されたジョブIDに対応するアップロード用のURLから取得した印刷コンテンツとS613で送信された印刷設定情報に基づいて印刷ジョブを生成する。そして、印刷管理サービス400は、特定されたMFP500に印刷ジョブを送信する(S614)。ここで印刷ジョブを適切に送信できた場合は印刷成功のレスポンスが印刷アプリ310に対して送信され、印刷ジョブを適切に送信できなかった場合は印刷失敗のレスポンスが印刷アプリ310に対して送信される(S616)。なお、本実施形態では、印刷ジョブの送信結果を印刷結果としてS616で送信すると説明したが、MFP500の印刷処理の結果が印刷結果としてS616において送信されても良い。印刷ジョブを受信したMFP500は、印刷ジョブに基づいて印刷を実行する(S615)。
【0038】
印刷アプリ310は、ユーザに発話するメッセージを含む情報を生成して音声デバイスアプリ管理サービス200に送信する(S617)。音声デバイスアプリ管理サービス200は、S617において受信した情報に基づいて音声デバイス100を通して音声出力するためのメッセージを生成する(S618)。生成されたメッセージに対応する発話データは、音声デバイス100に送信され(S619)、スピーカ101で再生されることで当該メッセージがユーザに伝えられる(S620、S621)。
【0039】
図6は、音声デバイス100が受信した音声指示により印刷機能を持つ印刷アプリ310が単独で使用され、MFP500に印刷処理を実行させる印刷フローを説明した。続いて、音声デバイス100が受信した音声指示により複数のアプリが連携して使用され、MFP500に印刷処理を実行させるフローを、
図7を用いて説明する。ここでは、印刷アプリ310と連携するアプリの一例として検索機能をもつ検索アプリ(検索サービス)320を用いるが、例えば占いアプリや天気予報アプリ、レシピアプリ等、印刷アプリ310に対して印刷コンテンツを供給できればアプリの種類は問わない。なお、これらのアプリは後述するように印刷コンテンツを生成するため印刷コンテンツ生成アプリ(または印刷コンテンツ生成サービス)と呼ばれることもある。つまり、
図7の例では、アプリ300として、印刷アプリ310と、印刷コンテンツ生成アプリである検索アプリ320が存在することになる。
【0040】
まず、ユーザは音声デバイス100に対して「検索アプリを起動して」と発話する(S701)。音声デバイス100は、受信した発話内容に対応する発話データを音声デバイスアプリ管理サービス200に送信する(S702)。ここで、送信される発話データには、「検索アプリを起動して」というキーワードが含まれる。音声デバイスアプリ管理サービス200は、受信した発話データをもとに対象アプリを決定する。なお、本実施形態では、「検索アプリを起動して」というキーワードが検索アプリ320を起動するためのキーワードとして登録されているとする。そのため、「検索アプリを起動して」というキーワードが発話データに含まれる場合、音声デバイスアプリ管理サービス200は検索アプリ320を対象アプリとして決定する。
【0041】
音声デバイスアプリ管理サービス200は、起動リクエストを検索アプリ320に送信する(S703)。検索アプリ320は、ユーザに検索キーワードを尋ねるためのメッセージを含むテキストデータを生成し(S704)、音声デバイスアプリ管理サービス200にレスポンスとして送信する(S705)。なお、S704で生成されるテキストデータは、例えば、「何を調べますか」等のメッセージを含む。
【0042】
音声デバイスアプリ管理サービス200は、検索アプリ320のレスポンスをもとに、ユーザに発話するメッセージを生成し(S706)、生成されたメッセージに対応する発話データを音声デバイス100に送信する(S707)。音声デバイス100は、受信した発話データをスピーカ101で再生することで、当該メッセージがユーザに伝達される(S708、S709)。
【0043】
ユーザは、調べたい物事について例えば「○○について教えて」と発話すると(S710)、音声デバイス100は発話データを音声デバイスアプリ管理サービス200に送信する(S711)。音声デバイスアプリ管理サービス200は、音声デバイス100から受信した発話データに含まれる検索キーワードを検索アプリ320に送信する(S712)。検索アプリ320は、例えばインターネットの検索APIに対して受信したキーワードを送信し、キーワードに対する検索結果を取得する。そして、検索アプリ320は、検索結果に基づいて印刷コンテンツを生成する。なお、印刷コンテンツのデータフォーマットの一例は、Portable Document Format:PDFである(S713)。次に検索アプリ320は、印刷機能をもつアプリを要求するための付加情報(以下、後続アプリ情報と記載する)と印刷コンテンツを含むレスポンスを音声デバイスアプリ管理サービス200に返却する(S714)。ここで生成した印刷コンテンツは、後述する印刷アプリ310が参照できればよい。そのため、印刷コンテンツ自体が音声デバイスアプリ管理サービス200に返却されてもよいし、一旦印刷コンテンツをファイルサーバ等にアップロードし、その印刷コンテンツへの参照情報(URL)が音声デバイスアプリ管理サービス200に返却されてもよい。
【0044】
音声デバイスアプリ管理サービス200は、レスポンス情報に付加情報として後続アプリ情報が含まれている場合、音声デバイスアプリ管理サービス200の管理下にあって、かつユーザが登録しているアプリ一覧から、印刷機能をもつアプリを検索する。印刷機能をもつアプリ(印刷アプリ310)が存在した場合、音声デバイスアプリ管理サービス200は、印刷機能をもつアプリを用いて検索結果の印刷処理を続行するか否かの判断をユーザに促すメッセージを生成する(S715)。S715で生成されるメッセージの一例は、「検索結果を印刷アプリ310で印刷しますか?」などである。生成されたメッセージに対応する発話データは、音声デバイス100に送信され(S716)、スピーカ101で再生されることで当該メッセージがユーザに伝えられる(S717、S718)。なお、音声デバイスアプリ管理サービス200の管理下にあって、かつユーザが登録しているアプリ一覧の中に、印刷機能を持つ複数の印刷アプリが登録されていることもある。つまり、印刷コンテンツ生成アプリが生成した印刷コンテンツに基づいて印刷処理を実行可能な複数の印刷アプリが登録されていることもある。この場合、S715において印刷機能をもつ複数の印刷アプリが検索されることになるため、音声デバイスアプリ管理サービス200が、複数の印刷アプリの中でどの印刷アプリを使用するかをユーザに選択させるためのメッセージを生成しても良い。複数の印刷アプリとして2つの印刷アプリが登録されていることもあるし、3つ以上の印刷アプリが登録されていることもある。このメッセージに基づいて、検索された印刷に関わる機能を備える複数のアプリの中でどのアプリを利用するかを問い合わせに関わる発話が音声デバイス100によりなされる。そして、音声デバイスアプリ管理サービス200が、このメッセージに対する回答を受信した場合、上述したS715の処理が再開される。また、印刷機能を持つ複数の印刷アプリの中で優先度が高いアプリが自動的に選択されても良い。なお、印刷機能を持つ印刷アプリとは、印刷アプリ310が以降において実行するように、印刷コンテンツ生成アプリ(本実施形態では検索アプリ320)が生成した印刷コンテンツを印刷装置に印刷させるための指示を発行可能な機能を持つアプリである。
【0045】
また、印刷アプリ毎に、制御対象となる印刷装置が異なる。なお、このような状況を避けるため、ユーザが音声デバイスアプリ管理サービス200に登録できる印刷アプリが1つに制限されても良い。
【0046】
ここで、ユーザが印刷機能をもつアプリを音声デバイスアプリ管理サービス200に登録していない場合、音声デバイスアプリ管理サービス200は、管理下にあり、かつ、ユーザが未登録の印刷機能をもつアプリを検索する。そして、検索されたアプリをユーザに推薦してもよい。
【0047】
ユーザは、「印刷して」または「はい」と応答すると(S719)、ユーザの発話が音声デバイス100に入力される。音声デバイス100は、上記と同様に発話データを音声デバイスアプリ管理サービス200に送信する(S720)。
【0048】
音声デバイスアプリ管理サービス200は、印刷機能をもつ印刷アプリ310を起動し、検索アプリ320から受信した印刷コンテンツを含むリクエストを印刷アプリ310に送信する(S721)。なお、S721において送信されるリクエストには、S713において付加された付加情報も含まれる。
【0049】
印刷アプリ310は、ユーザの印刷装置を特定するためのリクエストを認証情報と共に印刷管理サービス400に送信し、ユーザ用のMFP500を示すプリンタIDを取得する。さらに、印刷アプリ310は、リクエストに含まれる印刷コンテンツを受信した場合、印刷管理サービス400に対してアップロードリクエストを送信する。このアップロードリクエストにより印刷管理サービス400からジョブIDとアップロード用のURLが印刷アプリ310に通知される。印刷アプリ310は、読み出した印刷コンテンツを指定されたアップロード用のURLに保存する。さらに、印刷アプリ310は、当該印刷コンテンツの印刷に使用される印刷設定情報を特定する。なお、印刷設定情報には、用紙サイズ「A4」、用紙タイプ「普通紙」、カラー・モノクロ「カラー」、両面・片面印刷「片面」などの設定値が含まれる。そして、印刷アプリ310は、認証情報、プリンタID、ジョブID、および特定された印刷設定情報を含む印刷リクエストを印刷管理サービス400へ送信する(S722)。なお、S721で受信したリクエストに印刷コンテンツへの参照情報(URL等ファイルの実体以外の情報)が含まれる場合、印刷アプリ310は、参照情報をもとに印刷コンテンツを取得してからアップロードリクエストを送信する。
【0050】
S723~S725は、S614~S616と基本的に同じ処理であるため詳細な説明は省略する。印刷アプリ310は、印刷結果を含む情報をレスポンスとして音声デバイスアプリ管理サービス200に送信する(S726)。音声デバイスアプリ管理サービス200は、印刷アプリ310のレスポンスを検索アプリ320に渡し、検索アプリ320はレスポンスをもとに後続処理を続行する。以上の処理により、S710の問い合わせを受けて実行された検索結果が、印刷物としてMFP500から出力される。なお、S701のユーザの発話により天気予報アプリが起動された場合は、天気予報アプリにより生成された印刷コンテンツに基づいて今日の天気予報または1週間の天気予報が印刷物として出力される。また、S701のユーザの発話によりニュースアプリが起動された場合は、ニュースアプリにより生成された印刷コンテンツに基づいてニュースが印刷物として出力される。
【0051】
ここで印刷アプリ310の処理フローを
図9を用いて説明する。
図9の各ステップは、印刷アプリ310が動作するサーバのCPU201が、フローチャートに関わるプログラムを読み出して実行することで実現される。なお、
図9のフローチャートの各処理は、
図6のS612のリクエストまたは
図7のS721のリクエストを受信することで開始する。
【0052】
CPU201は、音声デバイスアプリ管理サービス200からリクエストを受信する(S901)。なお、S901が、S612またはS721の処理に相当する。
【0053】
CPU201は、受信したリクエストに所定の付加情報が含まれるか否かを判定する(S902)。なお、所定の付加情報とは、印刷アプリ310とは異なる他のアプリ(本実施形態では検索アプリ320)によりS713からS714において付加される。
【0054】
CPU201は、付加情報が含まれないと判定した場合、S903-S905を実行し、付加情報が含まれると判定した場合、S906-S907を実行する。なお、S903-S905は、
図6のS613に対応し、S906-S907は、
図7のS722に対応する。
【0055】
CPU201は、受信したリクエストに含まれるコンテンツを特定する(S903)。本実施形態では、「ぬり絵」を示す情報が含まれるため、「ぬり絵」が特定され、記憶装置210から「ぬり絵」に相当する印刷コンテンツを読み出す(S904)。
【0056】
そして、CPU201は、「ぬり絵」の印刷コンテンツを印刷するための印刷設定情報を特定する(S905)。
【0057】
CPU201は、S905で特定された印刷設定情報を含む印刷リクエストを送信する(S909)。
【0058】
一方、CPU201は、付加情報が含まれると判定した場合、受信したリクエストに含まれる情報に基づいて印刷コンテンツのデータフォーマットが処理可能なデータフォーマットか否かを判定する(S906)。この判定により印刷コンテンツのデータフォーマットが処理可能なデータのフォーマットと判定された場合、CPU201は、印刷コンテンツを取得する(S907)。本実施形態では、検索アプリ320が生成したPDFフォーマットの印刷コンテンツが取得される。なお、上述した通りS901において受信したリクエストに印刷コンテンツの保存場所を示すURLが含まれる場合、CPU201は、URLを使って印刷コンテンツをインターネットを介して取得する。
【0059】
そして、CPU201は、S907において取得した印刷コンテンツを印刷するための印刷設定情報を特定する(S908)。なお、S908で特定される印刷設定情報は、S905で特定される印刷設定情報と同じ設定値で構成されていても良いし、異なる設定値で構成されていても良い。また、CPU201は、S905で特定される印刷設定情報そのものをS907において特定しても良い。また、S908においてCPU201は、連携対象の印刷コンテンツ生成アプリがどのようなアプリケーションであっても同じ印刷設定情報を特定しても良い。例えば、検索結果の印刷コンテンツを生成する検索アプリ320と天気予報の印刷コンテンツを生成する天気予報アプリが前記音声デバイスアプリ管理サービス200に登録されている状況が考えられる。この状況において、S701により起動されたアプリが、検索アプリであっても天気予報アプリであっても同じ印刷設定情報がS908において特定されても良い。逆に、連携対象の印刷コンテンツ生成アプリにより異なる印刷設定情報を特定しても良い。つまり、検索アプリが印刷コンテンツを生成する場合は、検索アプリに対応する印刷設定情報が特定される。一方、天気予報アプリが印刷コンテンツを生成する場合は、天気予報アプリに対応する別の印刷設定情報(つまり、検索アプリに対応する印刷設定情報とは異なる印刷設定情報)が特定されても良い。例えば、検索アプリの印刷コンテンツはモノクロで印刷されるが、天気予報アプリの印刷コンテンツはカラーで印刷されても良い。
【0060】
CPU201は、S908で特定された印刷設定情報を含む印刷リクエストを送信する(S909)。
【0061】
また、
図7においては不図示であるが、S906において、印刷コンテンツのデータフォーマットが処理可能なデータのフォーマットではないと判定された場合、CPU201は、エラーメッセージを生成する。そしてCPU201は、生成された音声デバイスアプリ管理サービス200に送信する(S910)。この処理により、印刷できないことを示すメッセージが音声デバイス100からユーザに音声で通知される。
【0062】
以上、本実施形態の印刷アプリ310は、他のアプリにより生成された印刷コンテンツに基づく印刷処理をMFP500に実行させることが可能である。この際、音声指示で印刷処理が実行されるため印刷に関わるユーザの操作負荷を軽減できる。また、印刷アプリ310は、印刷設定情報を自動的に特定するため、ユーザの操作負荷を更に軽減することが可能となる。
【実施例2】
【0063】
本実施例では、印刷アプリ310における印刷設定情報の特定方法について、実施例1とは異なる処理を実行することで、より利便性の高い印刷処理をユーザに提供する例について説明する。
【0064】
実施例1では、印刷コンテンツのファイルフォーマットとしてPDFを一例にあげて説明したが、印刷コンテンツのフォーマットの他の例としては、文書ファイル(DOCX、CSV等)やイメージファイル(JPEG、PNG等)等も考えられる。印刷アプリ310では、前段階のアプリ(例えば、検索アプリ320)から受信した印刷コンテンツのファイル形式を識別する。そして、例えば、印刷コンテンツのファイル形式が文書ファイルと識別された場合、印刷アプリ310は文書ファイル用の印刷設定情報(例えば、用紙サイズとしてA4を含む印刷設定情報)を特定しても良い。また、印刷コンテンツのファイル形式がイメージファイルと識別された場合、印刷アプリ310はイメージファイル用の印刷設定情報(例えば、用紙サイズとしてL判を含む印刷設定情報)を特定しても良い。
【0065】
また、イメージファイルであってもA4サイズの用紙に印刷したい事例も考えられる。そのため、印刷アプリ310は、印刷管理サービス400に対して印刷のリクエストをする前に(S722の前に)、印刷に使用する用紙を尋ねるメッセージを生成して、音声デバイス100に発話させても良い。ユーザとの対話例を、
図8を用いて説明する。ただし、印刷アプリ310を起動して印刷のリクエストを実行する前段階までのフロー(S801~S812)は
図6と同様のため割愛する。
【0066】
印刷アプリ310は、音声デバイスアプリ管理サービス200からのリクエストを受信した際、印刷するために不足している設定値がある場合は、不足している設定値を取得するためのテキストデータを生成する(S813)。そして、音声デバイスアプリ管理サービス200にレスポンスする(S814)。印刷アプリ310からのレスポンスを受信した音声デバイスアプリ管理サービス200は、テキストデータから例えば「用紙サイズはどうされますか?」等のメッセージを生成する(S815)。生成されたメッセージに対応する発話データは、音声デバイス100に送信され(S816)、スピーカ101で当該メッセージが再生されることでユーザに伝達される(S817、S818)。
【0067】
メッセージを聞いたユーザは、音声デバイス100に対して応答する(S819)。例えば、「A4用紙に印刷して」と発話すると、音声デバイス100から音声デバイスアプリ管理サービス200にユーザの発話データが送信される(S820)。
【0068】
音声デバイスアプリ管理サービス200は、印刷アプリ310に対してユーザが要求した用紙サイズでコンテンツを印刷するようにリクエストする(S821)。リクエストを受信した印刷アプリ310は、印刷設定情報を特定する際に指定された設定値を含む印刷設定情報(
図8ではA4サイズを含む印刷設定情報)を特定し、印刷リクエストを送信する(S822)。なお、S822は、基本的には
図6のS612や
図7のS721のリクエストを受信した時と基本的には同様の処理である。
【0069】
ここで、まだ設定値が不足していれば、S813~S821の処理が繰り返されてもよい。必要な設定値が揃って印刷ジョブを投入してから印刷結果をユーザに伝えるS823~S830までの処理は、
図6と同様である。なお、この処理は、
図7の他のアプリと印刷アプリ310が連携する処理にも適用可能である。
【0070】
印刷に使用する用紙のサイズは、国や地域によって販売されているサイズが異なる。例えば、文書ファイルの印刷に使用するA4用紙に対してLetter用紙、イメージファイルの印刷に使用するL判用紙に対してKG用紙を使用する国や地域もある。
【0071】
そこで、MFP500が設置されている国や地域の情報を印刷アプリ310または印刷管理サービス400が判定することによって用紙の種類を自動判別する。この処理により、ユーザは国や地域に依存する用紙のサイズを意識することなく所望の印刷を行うことが可能になる。ここで、MFP500の設置されている国情報の判定は、国や地域が特定できればその手段は問わず、例えばMFP500が接続されているネットワークのグローバルIPアドレスを元に推定してもよい。また、MFP500の設定値としてユーザに自分の居住国を設定させ、当該設定値に基づいて判定が実行されてもよい。
【0072】
印刷の設定値は、例えば印字の濃淡や余白の有無等、用紙の種類以外にも多々ある。実施例1では言及しなかったが、印刷時に使用する設定値をユーザが指定できれば、よりユーザの嗜好に合った印刷が可能となる。これらの設定値は、ユーザが印刷アプリ310を音声デバイスアプリ管理サービス200に登録した際に、設定しておいてもよいし、音声で印刷を実行する前段階で、
図8のS813~S821の処理を繰り返して設定してもよい。
【0073】
印刷に必要な設定値を決めるためには、先に述べたようにユーザとの対話を繰り返して収集する必要がある。しかし、対話の回数が増えると詳細な設定ができるようになる一方で、ユーザの負荷が増えるおそれがあった。そこで、印刷部数など、特別な場合を除いてあまり変更しない設定値はデフォルト値として設定しておき、対話中にユーザから指定があった設定項目のみ上書きするようにすることもできる。例えば、ユーザから要求が無ければ1部を設定し、他の対話の中で2部印刷するよう指示があった場合は、部数を2部に変更する。以上の処理により、ユーザは1部印刷したい場合に部数の指定をする必要がなくなるため、ユーザへの負荷を抑えたうえでユーザの要求を満たした印刷が可能になる。
【0074】
〔その他の実施例〕
なお、上述した実施形態では、MFP500に印刷ジョブを投入するサービスが印刷管理サービス400のみであったが、MFP500は複数の印刷管理サービスから印刷ジョブを受け付けるように動作することも可能である。その場合、複数の印刷管理サービスのそれぞれの認証情報が音声デバイスアプリ管理サービス200に保持される。
【0075】
また、上述した実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU、MPU、プロセッサ等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、プログラムは、1つのコンピュータで実行させても、複数のコンピュータで連動させて実行させるようにしてもよい。また、上記した処理の全てをソフトウェアで実現する必要はなく、処理の一部または全部をASIC等のハードウェアで実現するようにしてもよい。また、CPUも1つのCPUで全ての処理を行うものに限らず、複数のCPUが適宜連携をしながら処理を行うものとしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
300 アプリ
400 印刷管理サービス
500 MFP