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特許7434540少なくとも1つの加熱要素を含む、製品の熱処理用装置および対応する方法
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  • 特許-少なくとも1つの加熱要素を含む、製品の熱処理用装置および対応する方法 図1
  • 特許-少なくとも1つの加熱要素を含む、製品の熱処理用装置および対応する方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】少なくとも1つの加熱要素を含む、製品の熱処理用装置および対応する方法
(51)【国際特許分類】
   F27D 3/08 20060101AFI20240213BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20240213BHJP
   B01J 19/20 20060101ALI20240213BHJP
   F27D 11/02 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
F27D3/08
B01J19/00 301E
B01J19/20
F27D11/02 B
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022521345
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(86)【国際出願番号】 EP2020067397
(87)【国際公開番号】W WO2021069111
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】1911157
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515078420
【氏名又は名称】ウ.テ.イ.ア.-エバリュアシオン テクノロジク,アンジェニリ エ アプリカシオン
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ ルペ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ サジェ
【審査官】村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204830829(CN,U)
【文献】米国特許第05869810(US,A)
【文献】特表2004-516447(JP,A)
【文献】特表2016-500798(JP,A)
【文献】特表2002-501868(JP,A)
【文献】米国特許第06375345(US,B1)
【文献】特開2008-185238(JP,A)
【文献】特開昭54-095033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D 3/08
B01J 19/00
B01J 19/20
F27D 11/02
F27B 9/00-9/40
F27B 7/00-7/42
B09B 3/00-5/00
C08J 11/00-11/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質を熱処理に付すための装置であって
・ 耐火材料のライニングを有する筐体(2)と;
・ 前記物質を前記ライニングへの入口と前記ライニングからの出口の間で前記物質を移動させるために回転軸を中心として前記ライニングの内側で回転するように組付けられたスクリュ(10)であって、電力供給を受けた時点で前記物質に対して熱処理を適用するための加熱手段も形成しているスクリュ(10)と;
を含む装置において
前記装置は、作動中に前記ライニングを加熱するための少なくとも1つの加熱要素(17a、17b)を含み、この加熱要素が前記ライニングの壁のうちの少なくとも1つの内部に配設されており、
前記加熱要素(17a、17b)が、前記ライニングへの前記入口に配設されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ライニングへの前記入口に配設されている加熱要素(17a、17b)のみを含む、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記ライニングの相対する側壁内に延在する少なくとも1対の加熱要素(17a、17b)を含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの加熱要素(17a、17b)が、前記ライニングの側壁うちの少なくとも一方の中に延在するように配設されている、請求項1ないしのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも2つの加熱要素(17a、17b)を含み、前記少なくとも2つの加熱要素は、前記ライニングの前記壁の内部に延在しており、前記ライニングの前記壁に対しておよび互いに対して平行に延在する請求項1ないしのいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
鉛直方向に延在する少なくとも2つの加熱要素(17a、17b)を含む、請求項1ないしのいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記加熱要素(17a、17b)が前記ライニング(11)の前記壁の高さの75%~95%にわたり延在している、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記加熱要素(17a、17b)が抵抗加熱要素である、請求項1ないしのいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記加熱要素(17a、17b)がカートリッジヒータである、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記筐体に対して加熱要素(17a、17b)を締結するための締結用プレート(18)を含む、請求項1ないしのいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記プレート(18)が、少なくとも1つの加熱要素を収容するのに好適である少なくとも1つのオリフィスを伴う少なくとも1つのストリップが内部に配設された少なくとも1つの開口部を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ライニングの前記壁のうちの少なくとも1つの内部の温度を測定するための少なくとも1つの測定部材(23)を含む、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記測定部材と交換されるデータに基づいて少なくとも前記加熱要素を制御する少なくとも1つの制御ユニット(25)を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第1に前記ライニングの前記入口に連結され、第2に前記筐体内に制御された空気流を導入するために空気入口に連結されている管(5)を含む、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
物質に熱処理を適用する方法において、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の装置によって行なわれ、スクリュ(10)が給電を受けていない間に前記加熱要素を使用するステップを含む方法。
【請求項16】
前記ライニング(11)の内側に導入される物質が、前記熱処理に付された場合に残留物をほとんどまたは全く生成しない物質である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記物質がポリマ材料である、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理装置に関する。
【0002】
本発明は同様に、このような装置によって行なわれる、物質に対して熱処理を適用する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
産業界で一般に使用されている熱処理装置は概して、移送部材と熱処理を行なう加熱要素とを含んでいる。
【0004】
したがって、本出願人は、その特許文献1中で、筐体と、この筐体の入口と出口の間で物質を搬送するためのコンベヤシステムとを含む熱処理装置において、このコンベヤ手段が、回転軸を中心にして筐体の内側で回転するように組付けられたスクリュおよびこのスクリュを回転駆動するための手段を含んでいる、熱処理装置を提案してきた。該装置は同様に、ジュール効果によってスクリュを加熱するための加熱手段も含んでいる。
【0005】
処理すべき物質は、通常分割した固体の形で筐体の入口内に導入される。スクリュは物質を筐体の出口に向かって連続的に押す。スクリュの温度のため、物質は前進するにつれて徐々に加熱され、こうして熱処理が施される。
【0006】
したがって、このタイプの装置は、あらゆるタイプの物質を効果的に処理することを可能にする。
【0007】
それでも、このような配設は、高温での熱処理を企図することをつねに可能にするわけではない。
【0008】
したがって、当該出願人は特許文献1において、耐火材料製の内部壁を有し、前記内部壁自体が筐体の内側を前進する分割した固体の放射加熱のための加熱手段を構成するようにスクリュが内部壁を加熱するための手段を構成している、筐体を得ることを提案した。
【0009】
このような状況下で、物質はスクリュおよび内部壁の両方によって加熱され、こうして、物質を高温で加工することを可能にする。
【0010】
それでも、スクリュはそれ自体、温度が過度に高く上昇させられてはならず、そうでなければ破損するリスクがある。
【0011】
物質の熱処理が気体だけでなく残留物の生成も発生させる場合、これらの残留物は、筐体全体に沿ってスクリュを冷却する傾向を有し、これによりスクリュの過度の温度上昇がことごとく制限される。
【0012】
しかしながら、熱処理が残留物の生成をほとんどまたは全く発生させない場合には、物質が気体に変換された結果として、物質はもはや筐体からの出口近くでスクリュを冷却することができない。
【0013】
したがって、スクリュを保護する目的で、筐体からの出口に温度センサを配設し、センサにより送出される温度が設定温度を超えた場合にはつねに瞬間的にスクリュに対する電力供給を中断してスクリュが冷却できる時間を与えることが知られている。
【0014】
欠点は、筐体の出口により近いスクリュの部分が、冷却に最も時間のかかる部分でもあるということにある。その結果、筐体の始めにあるスクリュの部分が物質に対して熱処理を適用するのに充分高温となるために充分急速には給電が再開されるとはかぎらない。
【0015】
このことは、未処理の物質を筐体の内側に蓄積させ、こうしてスクリュを動けなくする傾向をもつ。これは詳細には、当初固体で分割された物質である物質が、高温に付された時点で軟化さらには部分的に融解する段階を通過し、これにより融解した粘性の物質の中にスクリュが捕捉されることによって動けなくなった場合に発生する。このことは特に、処理すべき物質がポリマである場合にあてはまる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】欧州特許第2218300号明細書
【文献】仏国特許第2995986号明細書
【文献】国際公開第2019/228696号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、スクリュが物質により動けなくなるあらゆるリスクを制限しながら、物質に対して熱処理を適用するための装置を提案することにある。
【0018】
本発明の目的は、このような装置によって行なわれるような物質に対する熱処理の適用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的を達成するために、物質を熱処理に付すための装置において:
・ 耐火材料のライニングを有する筐体と;
・ 物質をライニングへの入口とライニングからの出口の間で物質を移動させるために回転軸を中心としてライニングの内側で回転するように組付けられたスクリュであって、電力供給を受けた時点で物質に対して熱処理を適用するための加熱手段も形成しているスクリュと;
を含む装置が提供されている。
【0020】
本発明によると、装置は、作動中にライニングを加熱するための少なくとも1つの加熱要素を含み、この加熱要素はライニングの壁のうちの少なくとも1つの内部に配設されている。
【0021】
結果として、スクリュを用いて物質に適用される熱処理は、内部に好適な形で配設された加熱要素を有する耐火ライニングを用いて補完および/または置換され得る。
【0022】
こうして、例えば電力供給が一時的に停止された場合にスクリュが冷却されるまでの時間、スクリュにより物質に対して適用される熱処理を補完および/または置換するために加熱要素を用いることによって、物質によりスクリュが動けなくなるあらゆるリスクを制限することが可能になる。
【0023】
したがって、エネルギの観点から見ても同様にさほど高価ではない解決法によって、物質の熱処理を続行することができる。
【0024】
本発明はこうして、ライニングの内側に送出される加熱の質および面積を最適化するのに役立つ。
【0025】
有利にも、本発明は、内部に加熱要素を導入するためにライニングの壁のうちの少なくとも1つを穿孔することによって、既存の装置に組み込むことができる。
【0026】
同様に、加熱要素は、ライニングの1つ以上の壁の内部に配設されていることから、物質に適用される熱処理に起因してライニングの内側に存在する雰囲気から保護されている。この雰囲気は、処理対象の物質によっては、潜在的に腐食性のものであり得る。
【0027】
任意には、加熱要素は、ライニングへの入口に配設されている。
【0028】
任意には、装置は、ライニングへの入口に配設されている加熱要素のみを含む。
【0029】
任意には、装置は、ライニングの相対する側面に延在する少なくとも1対の加熱要素を含む。
【0030】
任意には、少なくとも1つの加熱要素は、ライニングの側壁面のうちの少なくとも一方の中で延在するように配設されている。
【0031】
任意には、装置は、加熱要素が内部に延在している壁に対しておよび互いに対して平行に延在する少なくとも2つの加熱要素を含む。
【0032】
任意には、装置は、垂直方向に延在する少なくとも2つの加熱要素を含む。
【0033】
任意には、加熱要素は、ライニングの高さの75%~95%にわたり延在している。
【0034】
任意には、加熱要素は、抵抗加熱要素である。
【0035】
任意には、加熱要素は、カートリッジヒータである。
【0036】
任意には、装置は、筐体に対して加熱要素を締結するための締結用プレートを含む。
【0037】
任意には、プレートは、少なくとも1つの加熱要素を収容するのに好適である少なくとも1つのオリフィスを伴う少なくとも1つのストリップが内部に配設された少なくとも1つの開口部を含む。
【0038】
任意には、装置は、ライニングの壁のうちの少なくとも1つの内部の温度を測定するための少なくとも1つの測定部材を含む。
【0039】
任意には、装置は、測定部材と交換されるデータに基づいて少なくとも加熱要素を制御する少なくとも1つの制御ユニットを含む。
【0040】
任意には、装置は、第1にライニングの入口に連結され、そして第2に筐体内に制御された空気流を導入するために空気入口に連結されている管を含む。
【0041】
本発明は、このような装置によって行なわれる、物質に熱処理を適用する方法において、スクリュが給電を受けていない時に加熱要素を使用するステップを含む方法をも提供する。
【0042】
任意には、ライニングの内側に導入される物質は、熱処理に付された場合に残留物をほとんどまたは全く生成しない物質である。
【0043】
任意には、物質はポリマ材料である。
【0044】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の特定の非限定的な実施形態についての以下の説明を読んだ時点で明らかになる。
【0045】
本発明は、添付図を参照して提供される以下の説明に照らして、より良く理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、本発明の特定の実施形態における装置の概略図である。
図2図2は、図1に示されている装置の概略的横断面図である。
図3図3は、図1に示されている装置の筐体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、物質に対して熱処理を適用するための全体的参照番号1が付された本発明の特定の実施形態における装置を示す。
【0048】
この例では、装置1は、合成ガスさらにはメタンガスあるいは二水素を生成する目的で、例えば植物性廃棄物さらにはポリマ廃棄物などの廃棄物のガス化に適用可能である。
【0049】
当然のことながら、この利用分野は非限定的であり、装置1は多くの他の利用分野のためにも使用可能である。一例として、加熱、焙煎、熱分解、ガス化、脱揮、乾燥などを挙げることができる。
【0050】
装置1は、概して本質的に水平な方向に広がり、脚部により地面から一定の距離のところで保持された筐体2を有する。
【0051】
この例において、物質は、分割された固体の形で筐体内2に導入される。分割された固体は、粉末、顆粒、部片、繊維、シートなどの形をしていてよく、植物、鉱物、化学物質由来のものであり得る。したがって、物質は、任意のタイプ(木材、プラスチック、スラッジ、廃棄物など)のものであり得る。
【0052】
筐体2は、実質的に筐体2の第1の長手方向端部で筐体2のカバー内に配設された少なくとも1つの入口4を有する。特定の一実施形態において、装置は、筐体への入口4に対して封止した形で連結されている入口管5を含む。一例として、入口管5は、分割された固体の形で考慮対象の物質を破砕、圧密、押出し加工、融解、検量または整粒するための装置に連結される。入口管5は同様に、制御された空気(ひいては酸素)の取込みの結果としての筐体2の内側での物質の部分的燃焼によりガス化処理を改善するために、空気入口にも連結され得る。物質はこのとき空気と同じ入口管5を介して筐体2内に導入されるという点に留意すべきである。
【0053】
筐体2は同様に、この例では、実質的に筐体2の2つの長手方向端部のうちの第2の端部において筐体2の底面内に配設された少なくとも1つの第1の出口6をも含んでいる。
【0054】
特定の一実施形態において、装置は、筐体2の第1の出口6に対して封止した形で連結されている第1の出口管7を含む。一例として、第1の出口管7は、物質を冷却するための装置または物質の後処理のための装置に連結される。
【0055】
この例では、筐体2は、分割された固体の熱処理の結果としての気体副産物を回収するために第2の出口8を有する。問題の気体副産物の性質は、問題の処理のタイプによって左右される。したがって、それは気体、煙、蒸気、重金属であり得る。
【0056】
特定の実施形態において、装置1は、筐体2の第2の出口8に対して封止した形で連結されている出口管9を含む。一例として、出口管9は、例えば前記気体副産物を精製する目的で、気体副産物の後処理のための装置に連結される。
【0057】
この例においては、筐体2は矩形の断面を有する。
【0058】
一例として、筐体2は、金属製である。典型的には、筐体2は、ステンレス鋼などの鋼製であり、例えば非磁性である。
【0059】
ボックス3は、筐体2の長手方向端部の各々に締結される。
【0060】
装置1は、筐体2の内側で長手方向軸Xを中心にして回転するように組付けられた、長手方向軸Xのスクリュ10を含み、この例における長手方向軸Xは、筐体2の全体的方向に対して平行である。したがって、この例において、長手方向軸Xは水平である。
【0061】
具体的には、スクリュ10は、それぞれのシャフトセグメントの先端部に対しその2つの端部の各々で締結されている螺旋コイルの形をしているが、これは当然のことながら一例にすぎず、他の任意の螺旋タイプの幾何学的構成を使用することも可能と思われる。
【0062】
したがって、スクリュ10自体は厳密な意味でのシャフトを有していない。
【0063】
各シャフトセグメントのもう一方の端部は、結び付けられたボックスを通過する同じ軸上のシャフトに連結される。
【0064】
各ボックス3には、スクリュ10を回転駆動するのに役立つ手段、およびジュール効果による加熱手段を構成するようにスクリュ10に対し電力を送出するための手段が具備されている。したがって、スクリュ10は、加熱移送手段を構成する。
【0065】
このために、スクリュ10を構成する材料の大部分は、導電性である。
【0066】
装置は同様に、筐体の内側に配設されている耐火材料のライニング11も含む。現実には、スクリュ10は直接、ライニング11の内側に延在し、したがってこのライニングはそれ自体が筐体2の内側に配設されている。より厳密には、この例において、スクリュ10はライニング11の底面12上に載っている。
【0067】
接触した物質を直接加熱し前記物質を長手方向に移送するというその機能に加えて、スクリュ10は同様に、ライニング11を加熱し、このライニングはこうしてそれ自体、分割された固体の質量に対して放射加熱を提供する。
【0068】
ライニング11は、筐体2の全体的方向と一致するかまたはこの方向に平行な、本質的に水平である全体的方向を有する。より厳密には、ライニング11は、筐体2の入口と出口の間に延在し、対応する形で、入口管5と2つの出口管7および9をライニング11に連結するための入口4および2つの出口6および8を有する。したがって、物質は、ライニング11を通って筐体2の内側を走行する。
【0069】
当該例においては、ライニング11は、2つの側壁面13aおよび13bによって延長されている上述の底面12、ライニングの天井16、ならびにライニングを閉鎖する前方および後方壁15および14を有する。
【0070】
好ましくは、ライニング11は同様に、ライニング11の内部輪郭の少なくとも一部分がスクリュ10の外部輪郭をたどるような形で整形されている。
【0071】
当該例では、底面12のみが、その上に載っているスクリュ10の輪郭と密に整合している。
【0072】
結果として、スクリュ10とライニング11の間のあらゆる間隙は、ライニングの底面部分において制限されている。
【0073】
スクリュ10の大部分が導電性材料で構成されていることから、そしてそれが少なくとも1つの電源に接続されていることから、ライニング11は、耐火性と同時に電気絶縁性を有する材料でできていることが好ましい。一例として、ライニングは、炉壁を製造するために一般的に使用されているものなどの耐火性コンクリートまたは耐火性セラミック材料で作られていてよい。このような材料は、非常に高い、特に2000℃よりも高い融点を有する。一例としては、ライニング11はアルミナ(Al23)をベースとしていてよい。
【0074】
当該例においては、管5、7、9は好ましくは同様にして、ライニング11の材料と同じ種類の耐火材料で作られている。
【0075】
好ましい実施形態において、筐体2およびライニング11は互いに接触していない。
【0076】
したがって、装置1は、ライニング11と筐体2の間に延在する断熱性材料製中間ブランケット26を含む。一例としては、ブランケットはロックウールまたは、非常に高い温度に対する優れた耐性を有するより技術的な材料でできている。
【0077】
本発明によると、装置1は、ライニング11の壁のうちの少なくとも1つの中に配設された少なくとも1つの加熱要素を含む。
【0078】
好ましくは、装置1は少なくとも1対の加熱要素17aおよび17bを含む。この例において、装置は、1~6対の加熱要素、好ましくは2~5対の加熱要素を含む。
【0079】
一例として、少なくとも1つの加熱要素が、ライニングの壁面の少なくとも1つの中に延在するように配設されている。
【0080】
当該例において、所与の対の中の加熱要素17aおよび17bの各々は、ライニング11の壁面13aおよび13bの1つの中にそれぞれ互いに面するように配設されている。
【0081】
加熱要素17aおよび17bはこうして、ライニング11の両側でその側面上に存在している。
【0082】
好ましくは、所与の対の加熱要素17aおよび17bの両方共が、ライニング11の全体的方向(この方向は長手方向軸Xと一致するかまたは平行である)に沿って同じ距離のところに位置設定されている。
【0083】
加熱要素対は、ライニング11の全体的方向に沿って互いに規則的に離隔されている。
【0084】
ライニング11の所与の側の加熱要素は、ライニング11の全長の5%~25%の範囲内、主として10%~20%の範囲内にある長さ(すなわちセグメントの端部における2つの加熱要素間の距離)を有するセグメントを占有している。好ましくは、セグメントは、ライニング11の前方壁14で始まり、加熱要素17aおよび17bはこうして、ライニング11の前方、好ましくはライニング11の入口4の周りに配設されている。
【0085】
したがって、加熱要素17aおよび17bは、ライニング11の上流側部分の中に配設されている。
【0086】
当該例においては、加熱要素17aおよび17bの第1の対が、ライニング11の入口4の上流側でライニング11の最前部に配設されている。加熱要素17aおよび17bの第2の対(図示せず)が、好ましくは入口4と同じレベルでその相対する側に配設される。加熱要素17aおよび17bの残りの対はその後に配設される。
【0087】
この例では、加熱要素17aおよび17bは、全て同一である。一変形形態において、加熱要素17aおよび17bは、全て互いに同一である必要はない。例えば、加熱要素は、それらの場所に応じて異なる形でライニング11を加熱するように構成され得る。
【0088】
各加熱要素17aおよび17bは、直線的に延在している。
【0089】
加熱要素17aおよび17bは好ましくは互いに平行に延在する。この例では、加熱要素17aおよび17bは実質的に垂直に延在している。
【0090】
好ましくは、加熱要素17aおよび17bはライニング11の壁面13aおよび13b内のみならず、部分的にその底面12内にも延在している。それでも、加熱要素17aおよび17bは底面12から、さらには壁面13aまたは13bからも突出してはいない。
【0091】
したがって、この例において、加熱要素17aおよび17bは、ライニング11の高さの75%~95%にわたって、好ましくは前記高さの80%~95%にわたって延在する。
【0092】
対照的に、加熱要素17aおよび17bは、ライニング11の天井16からと同様筐体2からもこの位置において突出している。
【0093】
具体的には、この例において、加熱要素17aおよび17bは抵抗加熱要素である。したがって、前記加熱要素17aおよび17bは、ジュール効果によってライニングを加熱するための手段を構成できるように、電源に接続されている。このため、加熱要素17aおよび17bは、天井16から突出するそれらの端部を介して電源に接続される。
【0094】
加熱要素は、互いに同一でない場合には、異なる抵抗を示し得る。
【0095】
この例では、各加熱要素はカートリッジヒータである。したがって、各加熱要素は、正方形、丸形、矩形などの断面の管の形状をしている。
【0096】
任意には、各加熱要素は、窒化ホウ素カートリッジヒータである。
【0097】
このようなカートリッジは、当業者には周知であり、したがって、ここでは詳述しない。
【0098】
特定の実施形態においては、図3を見ればより明確に分かるように、筐体2は、加熱要素17aおよび17bを筐体2に締結するためのプレート18を含む。
【0099】
典型的には、プレート18は、筐体の天井にしっかり固定するためのベース19を有するかまたはそれ自体、天井の全体またはその一部を構成している。典型的には、ベース19は、入口4の相対する側で直線的にかつ長手方向Xに対し平行に延在する2つの開口部20を含む。この例では、各開口部20は、矩形の断面を有する。
【0100】
対応する形で、プレート18は2つのストリップ21(そのうち1つのみ図示)を含み、その各々がベース19内の開口部20のそれぞれの中に配設されて前記開口部を覆っている。
【0101】
各々のストリップ21は、長手方向Xに平行な横列を形成するようにストリップ21に沿って規則的に分布させられた一連のオリフィスを含む。各オリフィスは同様に、加熱要素17aまたは17bのそれぞれを収容するためにも好適である。
【0102】
したがって、ストリップ21は、ライニング11内での加熱要素17aおよび17bの配設を容易にするのに役立つ。
【0103】
詳細には、装置1が当初加熱要素17a、17bを想定していなかった場合には、筐体の天井の上にプレート18を設置することによって、一方または両方のストリップ21内のオリフィスの1つ、いくつかまたは全てと見当合せして、内部に加熱要素17a、17bを導入できるようにするためにライニング11内のどこに穿孔を行なう必要があるかを容易に確認することができる。
【0104】
有利には、ライニング11の外側と内側の間に熱封止を提供するため、プレート18に結び付けて1つ以上のガスケットを配設することができる。典型的には、ストリップ21のうちの少なくとも1つと対応する開口部20の間、または少なくとも1つのストリップ21の各オリフィスと結び付けて、ガスケットを配設することができる。
【0105】
こうして、熱損失のあらゆるリスクが制限される。
【0106】
特定の実施形態においては、加熱要素17a、17bは、スクリュ10の電源とは異なる電源から給電を受ける。その結果として、装置1は、スクリュ10に給電するための装置1の上述の第1の電源手段と、加熱要素17aおよび17bに給電するための第2の電源手段を有し、この第2の電源手段は第1の電源手段と明確に区別されるものである。
【0107】
好ましくは、さまざまな電源手段を制御するため、装置1は、ライニング11の内側の温度を測定するための第1の測定部材22を含む。一例として、第1の部材22は温度センサである。
【0108】
好ましくは、第1の部材22は、ライニング11からの出口で温度を測定するように配設されている。
【0109】
この例において、第1の部材22はスクリュ10において、好ましくはスクリュ10の回転中心において温度を測定するように配設される。
【0110】
好ましくは、装置1は、筐体の壁内の温度を測定するための第2の部材23を含む。一例として、第2の部材23は温度センサである。
【0111】
好ましくは、第2の部材23は、ライニング11への入口4で温度を測定するように配設されている。
【0112】
この例において、第2の部材23は、加熱要素17aまたは17bの1つにおいて温度を測定するように配設されている。
【0113】
装置1は、少なくとも第1の測定部材22により送出されたデータに応じてスクリュ10に供給される電力を少なくとも制御することによりスクリュ10を制御するための第1の制御ユニット24を含む。一例として、第1の制御ユニット24は、計算手段、コンピュータ、マイクロプロセッサなどを含む。
【0114】
したがって、スクリュ10は、スクリュ10の最も高温のゾーンを代表するものである、第1の測定部材22により測定された温度に基づいて調節された設定温度(例えば700℃)を送出するように制御される。
【0115】
同様に装置1は、少なくとも第2の測定部材23により送出されたデータに応じて加熱要素17aおよび17bに供給される電力を少なくとも制御することにより加熱要素17aおよび17bを制御するための第2の制御ユニット25を含む。一例として、第2の制御ユニット25は、計算手段、コンピュータ、マイクロプロセッサなどを含む。
【0116】
好ましくは、加熱要素17aおよび17bを制御するための第2の制御ユニット25は、少なくとも第2の測定部材23および少なくとも第1の測定部材22により送出されたデータに応じて加熱要素17aおよび17bに供給される電力を少なくとも制御する。
【0117】
したがって加熱要素17aおよび17bは、第1の測定部材22によって測定されかつスクリュの最も高温のゾーンを代表する温度および第2の測定部材23によって測定されかつスクリュ10への入口すなわちスクリュ10の最も低温のゾーンにおけるライニング11の温度を代表する温度に基づいて調節された設定温度と適合するように制御される。
【0118】
一例として、さまざまな電源手段と同様、装置1のボックス3内にさまざまな制御ユニット24および25を配設することができる。
【0119】
したがって、使用中、スクリュ10は、ライニング11からの出口におけるスクリュ10の温度が設定温度を上回った時に第1の電源手段が停止されるような形で給電を受ける。
【0120】
これによって、スクリュ10に対するあらゆる損傷のリスクが制限される。
【0121】
しかしながら、ライニング11への入口4における温度も同様に、第2の測定部材23によって制御される。すなわち、スクリュ10からの出口における温度がなおも下がらずにいる間にこの入口温度が所与の温度より低く下がった場合には、第2の制御ユニット25は第2の電源手段に、加熱要素17aおよび17bへの給電を行なわせる。これらの加熱要素17aおよび17bは、ライニング11の入口を加熱し、こうしてライニング11はひき続き、物質の熱処理を保証するのに充分な熱を提供することになり、これにより、ライニング11の入口4における物質の蓄積は回避される。
【0122】
こうしてライニング11が具体的に物質の加熱に貢献し、加熱要素17aおよび17bはライニング11を好適な温度に維持するために役立つだけではない、という点を指摘しておかなければならない。
【0123】
ライニング11からの出口における温度がひとたび受容できる値まで再び低下した時点で、第1の電源手段は、もう一度スクリュ10に電力を供給するように制御され、第2の加熱手段は停止させられる。
【0124】
このことは、単純かつ効果的な形で、スクリュ10が過度な応力を受けることなく物質の非常に良好な連続的熱処理を提供するのに役立つ。詳細には、加熱要素17aおよび17bは、スクリュ10の温度をその長さ全体にわたり均一化する傾向を有する。
【0125】
このような装置1およびこのような方法は、ライニング11内に導入される物質がライニング11からの出口においてほとんどまたは全く残留物を生成しない場合に、極めて有用である。具体的には、このような状況下では、物質はスクリュ10を自然に冷却できず、筐体2の入口と出口の間の温度差が大きくなり過ぎるのを防ぐことができない。
【0126】
「残留物をほとんどまたは全く生成しない物質」なる用語は、ライニング11への入口における物質の100重量部分がライニング11からの出口において10重量部分未満の残留物(すなわち固体要素)しか生じさせず、そのはるかに大きい画分が気体に変換されている物質を意味するために使用される。
【0127】
一例として、このことはポリマタイプの物質、より詳細にはプラスチック材料にあてはまる。
【0128】
本発明は、上述の実施形態に限定されず、反対に、上述の本質的な特徴を再現するために等価の手段を用いるあらゆる変形形態を網羅する。
【0129】
詳細には、装置は、規定された数以外の何らかの数の加熱要素を有することができる。加熱要素は、規定されたものとは異なる形で配設され得る。一例として、少なくとも1つの加熱要素を、少なくともライニングの天井内またはライニングの底面内に配設することが可能である。したがって、少なくとも1つの加熱要素を、筐体内で実質的に水平に配設することができる。要素を垂直または水平に配設する必要はなく、垂直および水平との関係において傾斜していてもよい。したがって、加熱要素は、ライニングの壁のうちの少なくとも1つの内部で、前記壁の面に平行に配設され得る。
【0130】
要素は、直線的に延在する必要はない。
【0131】
加熱要素は、ライニング内で異なる形に配設され得、例えば、ライニングの始めだけではなくライニング全体に沿って分布させることができる。
【0132】
加熱要素は同様に、規定されたものと異なるものでもあり得る。したがって、以上では加熱要素は、窒化ホウ素カートリッジヒータであるものの、加熱要素は酸化マグネシウムカートリッジヒータでもあり得る。同じく、加熱要素はカートリッジヒータである必要はなく、加熱プレートあるいは点火プラグでさえあり得る。加熱要素は同様に、上述のような加熱抵抗要素に基づくものである必要はなく、高温流体を搬送するパイプでもあり得る。概して、加熱要素は、少なくとも筐体の入口において、物質の熱処理を行なうのに充分な高温を保つために充分にライニングを加熱することのできるあらゆる要素であり得る。
【0133】
加熱要素を締結するためのプレートを省略すること、あるいは異なる形状のプレートを選択することも可能である。
【0134】
記述された通り、さまざまな加熱要素の全てを同じ方法で制御する代りに、それらを互いに異なる形で制御することも可能である。
【0135】
加熱要素およびスクリュは、同じ電源から給電され得る。したがって、装置は、スクリュおよび加熱要素の両方のために同じ電源手段を有し得る。
【0136】
同様にして、加熱要素とスクリュは、同じ制御ユニットにより制御され得る。したがって、装置は、スクリュおよび加熱要素の両方のために同じ制御ユニットを有し得る。一例として、制御ユニットは、加熱要素が作動され始める所与の温度に基づく制御関係を適用することができ、前記温度は、ライニングからの出口において測定された温度の一定の百分率に対応している。
【0137】
記載されているもの以外の数の測定部材を有することおよび/または、圧力、湿度、回転速度、ライニングへの入口における残留物の有無などを測定するための部材といった異なる測定部材を有することも同様に可能である。したがって、各々のユニットは、記載されているもの以外の数の測定部材を使用しながら、問題の加熱要素を制御することができると考えられる。測定部材は、記載されているもの以外の場所に配設され得る。したがって、ライニングへの入口における測定部材は、ライニングの壁の内部ではなくライニングの内側の温度を測定するように配設され得る。
【0138】
以上では、スクリュが給電されていない間にのみ加熱要素を使用することが提案されているものの、異なる形での加熱要素の使用を企図することも可能である。詳細には、より高い温度まで加熱するかあるいはスクリュに供給される電力量を制限する目的で、スクリュが提供する加熱を補完するために加熱要素を使用することができる。
【0139】
加熱要素は同様に、熱処理の始動を支援するためにも使用することができる。例えば、ライニングの外側壁が断熱材料の被覆により保護されている状態で、熱が均一にライニングの内側に広がるようにライニングを加熱することによってプロセスを始動することができる。
【0140】
さらに、スクリュは、記載されているものとは異なるものであり得る。詳細には、スクリュは、当該出願人の特許文献2の中で提案されているように、スクリュの軸に沿って変動する抵抗を有することができる。
【0141】
同様に、以上では、ライニングはモノブロックであるものとして説明されているが、ライニングを、任意には相互に嵌合できる一連のセグメントで構成することも可能である。同様にして、壁面、底面および天井は、ライニングの少なくとも1つのセグメントを形成するために互いに適合させられた別個の部片であり得る。
【0142】
ライニングは、説明されたものとは別の形状を有することができ、例えば、特許文献1にあるようにライニングの内側表面が矩形または正方形であって、スクリュの形状に密に適合するための陥凹した底面を有さない断面を有することができる。反対に、ライニングは、当該出願人の特許文献3にある通り、スクリュとライニングの間に空間を画定するようにスクリュを完全に取り囲むことができる。ライニングの壁面は、垂直および水平との関係において傾斜(上述のように直線でない)してもよい。
【0143】
ブランケットは、単一の部片である必要はなく、互いに締結された、および/またはライニングに締結された、および/または筐体に締結された複数の要素で構成され得る。ブランケット無しで済ますことも可能である。
【0144】
さらに、以上では物質は分割された固体の形で筐体内に導入されているものの、物質は、例えば液体さらには気体などの他の形態で導入可能である。同様にして、1つ以上の物質を、気体、液体、油、固体などの形で出口において回収することが可能である。筐体の入口および出口の数は、相応して調整する必要がある。
【0145】
装置が、筐体内に制御された形で空気を導入できるようにする入口管を含む場合、同じ管を介して、あるいは別の入口管を介して、筐体内に物質を導入することができる。
【0146】
本発明の考えられる利用分野の中でも、熱分解由来の炭化物を処理してそれを後処理に付すために従来の熱分解設備の下流側に熱処理装置を設置することができること、あるいは、問題の物質のプリコンディショニング装置の下流側に熱処理装置を設置することができることも同様に指摘しておくべきである。一例として、プリコンディショニング装置は、前記物質を温度および相対湿度の規定値まで加熱し乾燥させるために、または物質を高密度化するため、または物質を湿らせるため、または部分的または完全な融解によって間質空気を抽出するため、あるいは空気を制御された形で筐体内に導入して、処理のために物質をガス化する作業を強化または増強するために役立つことができる。
なお、本発明の実施態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
物質を熱処理に付すための装置において:
・ 耐火材料のライニングを有する筐体(2)と;
・ 前記物質を前記ライニングへの入口と前記ライニングからの出口の間で前記物質を移動させるために回転軸を中心としてライニングの内側で回転するように組付けられたスクリュ(10)であって、電力供給を受けた時点で前記物質に対して熱処理を適用するための加熱手段も形成しているスクリュ(10)と;
を含み、作動中に前記ライニングを加熱するための少なくとも1つの加熱要素(17a、17b)を含み、この加熱要素が前記ライニングの壁のうちの少なくとも1つの内部に配設されていることを特徴とする装置。
[態様2]
前記加熱要素(17a、17b)が、前記ライニングへの前記入口に配設されている、態様1に記載の装置。
[態様3]
前記ライニングへの前記入口に配設されている加熱要素(17a、17b)のみを含む、態様2に記載の装置。
[態様4]
前記ライニングの相対する側面に延在する少なくとも1対の加熱要素(17a、17b)を含む、態様1ないし3のいずれかの態様に記載の装置。
[態様5]
少なくとも1つの加熱要素(17a、17b)が、前記ライニングの側壁面のうちの少なくとも一方の中に延在するように配設されている、態様1ないし4のいずれかの態様に記載の装置。
[態様6]
加熱要素が内部に延在している壁に対しておよび互いに対して平行に延在する少なくとも2つの加熱要素(17a、17b)を含む、態様1ないし5のいずれかの態様に記載の装置。
[態様7]
垂直方向に延在する少なくとも2つの加熱要素(17a、17b)を含む、態様1ないし6のいずれかの態様に記載の装置。
[態様8]
加熱要素(17a、17b)がライニング(11)の高さの75%~95%にわたり延在している、態様1ないし7のいずれかの態様に記載の装置。
[態様9]
前記加熱要素(17a、17b)が抵抗加熱要素である、態様1ないし8のいずれかの態様に記載の装置。
[態様10]
前記加熱要素(17a、17b)がカートリッジヒータである、態様9に記載の装置。
[態様11]
前記筐体に対して加熱要素(17a、17b)を締結するための締結用プレート(18)を含む、態様1ないし10のいずれかの態様に記載の装置。
[態様12]
前記プレート(18)が、少なくとも1つの加熱要素を収容するのに好適である少なくとも1つのオリフィスを伴う少なくとも1つのストリップが内部に配設された少なくとも1つの開口部を含む、態様11に記載の装置。
[態様13]
前記ライニングの前記壁のうちの少なくとも1つの内部の温度を測定するための少なくとも1つの測定部材(23)を含む、態様1ないし12のいずれかの態様に記載の装置。
[態様14]
前記測定部材と交換されるデータに基づいて少なくとも前記加熱要素を制御する少なくとも1つの制御ユニット(25)を含む、態様12に記載の装置。
[態様15]
第1に前記ライニングの前記入口に連結され、第2に前記筐体内に制御された空気流を導入するために空気入口に連結されている管(5)を含む、態様1ないし14のいずれかの態様に記載の装置。
[態様16]
物質に熱処理を適用する方法において、態様1ないし15のいずれかの態様に記載の装置によって行なわれ、スクリュ(10)が給電を受けていない間に前記加熱要素を使用するステップを含む方法。
[態様17]
前記ライニング(11)の内側に導入される物質が、前記熱処理に付された場合に残留物をほとんどまたは全く生成しない物質である、態様16に記載の方法。
[態様18]
前記物質がポリマ材料である、態様17に記載の方法。
図1
図2
図3