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特許7434568投影による熱ピントずれ双方向補償方法及び装置、可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】投影による熱ピントずれ双方向補償方法及び装置、可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20240213BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H04N5/74 D
G03B21/14 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022538424
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 CN2020079212
(87)【国際公開番号】W WO2021128600
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-06-21
(31)【優先権主張番号】201911378295.5
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521406639
【氏名又は名称】チョントゥー ジミー テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU XGIMI TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Building 4, Zone A, Tianfu Software Park, No. 1129 Century City Road, High-tech Zone, Chengdu, Sichuan, China
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】鐘波
(72)【発明者】
【氏名】肖適
(72)【発明者】
【氏名】王▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】寧仲
【審査官】佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-096880(JP,A)
【文献】特開2012-008522(JP,A)
【文献】特開2017-173468(JP,A)
【文献】特開2005-037774(JP,A)
【文献】特開2005-143043(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106896466(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/74
H04N 9/31
G03B 21/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影による熱ピントずれ双方向補償方法であって、
投影画面画像を取得するステップS11と、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップS12と、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値よりも高いか否かを判断し、そうでない場合、ステップS11に戻り、そうである場合、ステップS14に進むステップS13と、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうである場合、第1方向熱ピントずれ補償を行い、そうでない場合、第2方向熱ピントずれ補償を行うステップS14と、
を含むことを特徴とする、投影による熱ピントずれ双方向補償方法。
【請求項2】
前記ステップS11は、
2枚の投影画面画像を連続して取得するステップS111と、
前記2枚の投影画面画像の類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしている場合、ステップS12に進み、満たしていない場合、ステップS111に戻るステップS112と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の投影による熱ピントずれ双方向補償方法。
【請求項3】
前記ステップS14は、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算するステップS141と、
現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、ステップS143に進み、そうでなければ、ステップS144に進むステップS142と、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得し、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップに戻って再度実行し、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了する第1方向熱ピントずれ補償であるステップS143と、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得し、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップに戻って再度実行し、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了する第2方向熱ピントずれ補償であるステップS144と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の投影による熱ピントずれ双方向補償方法。
【請求項4】
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算することは、
現在の投影画面画像を縮小し、現在の投影画面画像の鮮明度値と縮小後の現在の投影画面画像の鮮明度値との差分を現在の投影画面画像の鮮明度値として計算するステップと、
直前の投影画面画像を縮小し、直前の投影画面画像の鮮明度値と縮小後の直前の投影画面画像の鮮明度値との差分を直前の投影画面画像の鮮明度値として計算するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の投影による熱ピントずれ双方向補償方法。
【請求項5】
投影による熱ピントずれ双方向補償装置であって、
投影画面画像を取得するための第1画像取得モジュールと、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するための第2画像取得モジュールと、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値よりも高いか否かを判断し、そうでない場合、第1画像取得モジュールの処理に戻り、そうである場合、熱ピントずれ補償モジュールの処理に進むための類似度判断モジュールと、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうである場合、第1方向熱ピントずれ補償を行い、そうでない場合、第2方向熱ピントずれ補償を行うための熱ピントずれ補償モジュールと、
を含むことを特徴とする、投影による熱ピントずれ双方向補償装置。
【請求項6】
前記第1画像取得モジュールは、
2枚の投影画面画像を連続して取得するための画像収集ユニットと、
前記2枚の投影画面画像の類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしている場合、第2画像取得モジュールの処理に進み、満たしていない場合、画像収集ユニットの処理に戻るための画像判断ユニットと、
を含むことを特徴とする、請求項5に記載の投影による熱ピントずれ双方向補償装置。
【請求項7】
前記熱ピントずれ補償モジュールは、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算するための鮮明度計算ユニットと、
現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、第1方向熱ピントずれ補償ユニットの処理に進み、そうでなければ、第2方向熱ピントずれ補償ユニットの処理に進むための鮮明度判断ユニットと、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得し、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップに戻って再度実行し、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了するための第1方向熱ピントずれ補償ユニットと、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得し、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップに戻って再度実行し、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了するための第2方向熱ピントずれ補償ユニットと、
を含むことを特徴とする、請求項5に記載の投影による熱ピントずれ双方向補償装置。
【請求項8】
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算することは、
現在の投影画面画像を縮小し、現在の投影画面画像の鮮明度値と縮小後の現在の投影画面画像の鮮明度値との差分を現在の投影画面画像の鮮明度値として計算するステップと、
直前の投影画面画像を縮小し、直前の投影画面画像の鮮明度値と縮小後の直前の投影画面画像の鮮明度値との差分を直前の投影画面画像の鮮明度値として計算するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項5~7のいずれか一項に記載の投影による熱ピントずれ双方向補償装置。
【請求項9】
コンピュータプログラムを記憶するためのメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行して請求項1~4のいずれか一項に記載の投影による熱ピントずれ双方向補償方法のステップを実現するためのプロセッサと、
を含むことを特徴とする、投影による熱ピントずれ双方向補償装置。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶される可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムのプロセッサによる実行時に、請求項1~4のいずれか一項に記載の投影による熱ピントずれ双方向補償方法のステップを実現する可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は投影による熱ピントずれ補償技術分野に関し、具体的には投影による熱ピントずれ双方向補償方法及び装置、可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の投影による熱ピントずれの技術的解決手段は、投影して合焦する手段によって実現され、即ち1枚の合焦画像を投射して鮮明度を判断して再合焦することによってピントずれの補償効果を達成するものである。別の技術的解決手段は、補償方向をデフォルトとすることにより、時間又は温度に応じてモータを駆動して特定の方向に移動させることで補償効果を達成するものである。最初の解決手段はユーザ体験に劣り、後者の手段は、機器の様々な構造に対する環境温度の影響が異なり、補償効果がより低くなる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらに鑑みて、本願は、投影による熱ピントずれ双方向補償方法及び装置、可読記憶媒体を提供しており、センシングなしに熱ピントずれに対する投影による補償を実現し、且つ指定の補償方向及び特定の合焦画像を用いる必要がなく、投影画面をリアルタイムに分析することのみによって補償効果を達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明が提供する技術的解決手段は、
投影画面画像を取得するステップS11と、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップS12と、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていない場合、ステップS11に戻り、満たしている場合、ステップS14に進むステップS13と、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、2つの鮮明度値の比較結果に基づいて第1方向熱ピントずれ補償又は第2方向熱ピントずれ補償を行うステップS14と、
を含む、投影による熱ピントずれ双方向補償方法である。
【0005】
好ましくは、前記ステップS11は、
2枚の投影画面画像を連続して取得するステップS111と、
前記2枚の投影画面画像の類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしている場合、ステップS12に進み、満たしていない場合、ステップS111に戻るステップS112と、
を含む。
【0006】
好ましくは、前記ステップS14は、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算するステップS141と、
現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、ステップS143に進み、そうでなければ、ステップS144に進むステップS142と、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得し、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップに戻って再度実行し、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了する第1方向熱ピントずれ補償であるステップS143と、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得し、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップに戻って再度実行し、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了する第2方向熱ピントずれ補償であるステップS144と、
を含む。
【0007】
前記ステップS143は、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するS1431と、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていない場合、ステップS11に戻り、満たしている場合、ステップS1433に進むS1432と、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、ステップS1431に戻り、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了するS1433と、
を含む。
【0008】
前記ステップS144は、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するS1441と、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていない場合、ステップS11に戻り、満たしている場合、ステップS1443に進むS1442と、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、ステップS1441に戻り、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了するS1443と、
を含む。
【0009】
好ましくは、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算する前記ステップは、
現在の投影画面画像を縮小し、現在の投影画面画像の鮮明度値と縮小後の現在の投影画面画像の鮮明度値との差分を現在の投影画面画像の鮮明度値として計算するステップと、
直前の投影画面画像を縮小し、直前の投影画面画像の鮮明度値と縮小後の直前の投影画面画像の鮮明度値との差分を直前の投影画面画像の鮮明度値として計算するステップと、
を含む。
【0010】
本発明は、さらに、
投影画面画像を取得するための第1画像取得モジュールと、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するための第2画像取得モジュールと、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていない場合、第1画像取得モジュールの処理に戻り、満たしている場合、熱ピントずれ補償モジュールの処理に進むための類似度判断モジュールと、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、2つの鮮明度値の比較結果に基づいて第1方向熱ピントずれ補償又は第2方向熱ピントずれ補償を行うための熱ピントずれ補償モジュールと、
を含む投影による熱ピントずれ双方向補償装置を提供する。
好ましくは、前記第1画像取得モジュールは、
2枚の投影画面画像を連続して取得するための画像収集ユニットと、
前記2枚の投影画面画像の類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしている場合、第2画像取得モジュールの処理に進み、満たしていない場合、画像収集ユニットの処理に戻るための画像判断ユニットと、
を含む。
【0011】
好ましくは、前記熱ピントずれ補償モジュールは、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算するための鮮明度計算ユニットと、
現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、第1方向熱ピントずれ補償ユニットの処理に進み、そうでなければ、第2方向熱ピントずれ補償ユニットの処理に進むための鮮明度判断ユニットと、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得し、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップに戻って再度実行し、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了するための第1方向熱ピントずれ補償ユニットと、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得し、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップに戻って再度実行し、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了するための第2方向熱ピントずれ補償ユニットと、
を含む。
【0012】
好ましくは、前記第1方向熱ピントずれ補償ユニットは、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するための第1方向駆動アセンブリと、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていなければ、第1画像取得モジュールの処理に戻り、満たしていれば、第1鮮明度判断アセンブリの処理に進むための第1類似度判断アセンブリと、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、第1方向駆動アセンブリの処理に戻り、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に移動させ、熱ピントずれ補償を完了するための第1熱ピントずれ補償アセンブリと、
を含む。
【0013】
前記第2方向熱ピントずれ補償ユニットは、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するための第2方向駆動アセンブリと、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていなければ、第1画像取得モジュールの処理に戻り、満たしていれば、第2熱ピントずれ補償アセンブリの処理に進むための第2類似度判断アセンブリと、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、第2方向駆動アセンブリの処理に戻り、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に移動させ、熱ピントずれ補償を完了するための第2熱ピントずれ補償アセンブリと、
を含む。
【0014】
好ましくは、前記第1方向熱ピントずれ補償ユニットは、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するための第1方向駆動アセンブリと、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていなければ、第1画像取得モジュールの処理に戻り、満たしていれば、第1鮮明度判断アセンブリの処理に進むための第1類似度判断アセンブリと、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、第1方向駆動アセンブリの処理に戻り、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に移動させ、熱ピントずれ補償を完了するための第1熱ピントずれ補償アセンブリと、
を含む。
【0015】
前記第2方向熱ピントずれ補償ユニットは、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するための第2方向駆動アセンブリと、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていなければ、第1画像取得モジュールの処理に戻り、満たしていれば、第2熱ピントずれ補償アセンブリの処理に進むための第2類似度判断アセンブリと、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、第2方向駆動アセンブリの処理に戻り、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に移動させ、熱ピントずれ補償を完了するための第2熱ピントずれ補償アセンブリと、
を含む。
【0016】
なお、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算する前記ステップは、
現在の投影画面画像を縮小し、現在の投影画面画像の鮮明度値と縮小後の現在の投影画面画像の鮮明度値との差分を現在の投影画面画像の鮮明度値として計算するステップと、
直前の投影画面画像を縮小し、直前の投影画面画像の鮮明度値と縮小後の直前の投影画面画像の鮮明度値との差分を直前の投影画面画像の鮮明度値として計算するステップと、
を含む。
【0017】
本発明は、さらに、
コンピュータプログラムを記憶するためのメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行して上記投影による熱ピントずれ双方向補償方法のステップを実現するためのプロセッサと、
を含む、投影による熱ピントずれ双方向補償装置を提供する。
【0018】
本発明は、さらに、コンピュータプログラムが記憶される可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムのプロセッサによる実行時に、上記投影による熱ピントずれ双方向補償方法のステップを実現する可読記憶媒体を提供する。
【0019】
本願は従来技術に比べて、その有益な効果を以下のように詳細に説明する。本願が提供する投影による熱ピントずれ双方向補償方法は、最新の2枚の投影画面画像の類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かに基づいて、鮮明度値の判断ステップに進むか否かを決定するステップを含み、最新の2枚の投影画面画像の鮮明度値の大きさを比較して第1方向熱ピントずれ補償又は第2方向熱ピントずれ補償に進む方法により、センシングなしに熱ピントずれに対する投影による補償を実現し、且つ指定の補償方向及び特定の合焦画像を用いる必要がなく、投影画面をリアルタイムに分析することのみによって補償効果を達成し、操作しやすく広範な普及に適する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の実施例をより明確に説明するために、以下に実施例に必要な図面を簡単に説明し、理解すべきことは、以下に示された図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の関連する図面を取得することができる。
【0021】
図1図1は本発明の実施例が提供する投影による熱ピントずれ双方向補償方法のフローチャートである。
図2図2は本発明の実施例が提供する投影画面画像の取得方法のフローチャートである。
図3図3は本発明の実施例が提供する投影による熱ピントずれ双方向補償の実施形態の概略図である。
図4図4は本発明の実施例が提供する熱ピントずれ調整方法のフローチャートである。
図5図5は本発明の実施例が提供する第1方向熱ピントずれ補償方法及び第2方向熱ピントずれ補償方法のフローチャートである。
図6図6は本発明の実施例が提供する2枚の投影画面画像の鮮明度値を計算する方法のフローチャートである。
図7図7は本発明の実施例が提供する投影による熱ピントずれ双方向補償装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確、且つ完全に説明するが、明らかな点として、説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく取得した全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0023】
当業者が本発明の技術的解決手段をよりよく理解するように、図面と具体的な実施例とを参照しながら本発明をより詳しく説明する。
【0024】
本発明の実施例が提供する投影による熱ピントずれ双方向補償方法は、図1に示すように、
投影画面画像を取得するステップS11と、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップS12と、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていない場合、ステップS11に戻り、満たしている場合、ステップS14に進むステップS13と、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、2つの鮮明度値の比較結果に基づいて第1方向熱ピントずれ補償又は第2方向熱ピントずれ補償を行うステップS14と、
を含む。
【0025】
具体的には、該実施例が提供する投影による熱ピントずれ双方向補償の方法/装置は、例えばプロジェクタ、映写機及びプロジェクタテレビ等、投影機能付き機器に適用され、該機器は投影モジュール(光学機器)、撮影モジュール(カメラ)及び制御処理モジュールを含む。投影モジュールは投影面に画像を投影し、撮影モジュールは投影面上の投影画面を撮影し、制御処理モジュールは制御、分析及び計算に用いられる。
【0026】
図2に示すように、説明すべきこととして、ステップS11のステップは、
2枚の投影画面画像を連続して取得するステップS111と、
2枚の投影画面画像の類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしている場合、ステップS12に進み、満たしていない場合、ステップS111に戻るステップS112と、
を含む。
【0027】
ここで、本願の技術的解決手段は特定の合焦画像を使用せず、投影画面をリアルタイムに分析することにより熱ピントずれ補償を完了するため、現在の投影画面が安定しているか否かをまず確認し、安定している場合に後続のステップに進むことができる。
【0028】
具体的には、図3に示すように、ステップS11において、熱ピントずれ補償機能をトリガすると、カメラは撮影モードを起動して現在の投影画面を撮影し、光学機器から投射された投影画面がカメラで撮影され、カメラはまず投影画面F1の内容AAAAAAを撮影し、次いで投影画面F2の内容BABBCBを撮影し、さらに投影画面F1、F2における類似領域がAだけであることを分析し、類似度比率が1/6(予め設定された類似度値)未満であるため、現在の投影画面の類似度値が低いと判断でき、カメラを引き続き駆動して投影画面F3の内容BADBCBを撮影し、F2とF3における類似領域がBABCBであることを分析し、類似度比率が1/6より高いため、現在の投影画面の類似度値が高いと判断でき、後続のステップに進むことができる。
【0029】
具体的には、ステップS12及びステップS13において、モータを駆動して焦点距離を短くする調整方向(予め設定された第1方向)に移動させ、カメラを駆動して投影画面F4の内容BADBEBを撮影し、次にF3とF4における類似領域がBADBBであることを分析し、類似度比率が1/6より高いため、現在の投影画面の類似度値が高いと判断し、後続のステップに進むことができる。類似度値が低いと判断した場合、投影画面がすでに変化していて、熱ピントずれ分析を継続できないことを示しており、ステップS11ステップに戻り、適切なチャンスを改めて見つけて熱ピントずれ補償を行う必要がある。ここで第1方向を、焦点距離を短く調整する方向とすることができ、その場合対応する第2方向は焦点距離を長くする調整方向であり、又は第1方向を、焦点距離を長くする調整方向とすることもでき、その場合対応する第2方向は焦点距離を短くする調整方向であり、これは経験又は実際の状況に応じて設定することができる。
【0030】
具体的には、カメラが1枚の投影画面画像を収集するたびにシステムは1回の保存動作を行い、従って本願で言及する現在の投影画面画像及び直前の投影画面画像とは、いずれも最新に収集され且つ保存された2枚の投影画面画像を指す。ここで、2つの投影画面画像の類似度値を計算する方法は以下のSSIMパラメータを用いることができる。
【0031】
ここでμx、μyは2枚の投影画面画像の平均値を表し、σx 2、σy 2は2枚の投影画面画像の分散を表し、σxσyは2枚の投影画面画像の共同分散を表し、C1、C2は経験的パラメータである。該SSIMパラメータに基づいて2枚の投影画面画像の類似度値を得ることができ、値が大きいほど類似しており、上記方法によって最新の収集した2枚の投影画面画像の類似度値を迅速に算出する。
【0032】
なお、図4に示すように、ステップS14は、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算するステップS141と、
現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、ステップS143に進み、そうでなければ、ステップS144に進むステップS142と、
現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得し、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップに戻って再度実行し、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了する第1方向熱ピントずれ補償であるステップS143と、
現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得し、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップに戻って再度実行し、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了する第2方向熱ピントずれ補償であるステップS144と、
を含む。
【0033】
なお、図5に示すように、ステップS143は、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するS1431と、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていない場合、ステップS11に戻り、満たしている場合、ステップS1433に進むS1432と、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、ステップS1431に戻り、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了するステップS1433と、
を含む。
【0034】
ステップS144は、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するS1441と、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていない場合、ステップS11に戻り、満たしている場合、ステップS1443に進むS1442と、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、ステップS1441に戻り、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了するS1443と、
を含む。
【0035】
なお、図6に示すように、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算する方法は、
現在の投影画面画像を縮小し、現在の投影画面画像の鮮明度値と縮小後の現在の投影画面画像の鮮明度値との差分を現在の投影画面画像の鮮明度値として計算するS1411と、
直前の投影画面画像を縮小し、直前の投影画面画像の鮮明度値と縮小後の直前の投影画面画像の鮮明度値との差分を直前の投影画面画像の鮮明度値として計算するS1412と、
を含む。
【0036】
具体的には、実際の応用シーンにおいて、F3とF4を直接比較する計算量が大きく、難易度が高く、且つ投影画面がビデオである場合、画像同士の画素点を一対一でマッチングして鮮明度を比較することは困難である。従ってF3、F4を処理し、それぞれF3、F4のサイズを縮小して、f3、f4を得ることができる。F3はF4に比べて明瞭であり、サイズ変化を経ることで、F3の鮮明度情報がF4より多く失われるため、Cal(F3)-Cal(f3)>Cal(F4)-Cal(f4)であり、すなわちF3からf3までの鮮明度の変化値はF4からf4までの鮮明度の変化値より大きく、これにより鮮明度の値を比較することができ、F3とF4を直接比較する必要がなく、サイズ縮小を経て、以上のプロセスによってF3とF4の鮮明度の状況を比較することができる。具体的には、BDBBの4つの領域を単独で抽出して比較する方法は、画像を複数の領域に分割して類似度分析を行い、BDBBの4つの領域が類似度の要件を満たしていることを得るステップと、BDBB領域に対してそれぞれサイズ縮小を行い、次にサイズ復元を行い、この4つの領域の鮮明度の差異を比較し、そのうちの3つ以上の領域の鮮明度の損失がより少ない場合、現在の画面にピントずれがあることを示し、そのうちの3つ以上の領域の鮮明度の損失がより多い場合、現在の画面にピントずれがないことを示すステップと、を含む。
【0037】
具体的には、モータを駆動して予め設定されたステップ数(1ステップ又は数ステップ)で第1方向に回転させた後、類似度判断を行い、類似度判断に合格した後、鮮明度判断を行い、鮮明度判断に合格し、即ち現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であれば、上記のステップを続けて繰り返し、次にモータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後、類似度判断及び鮮明度判断を行う一連のステップであって、鮮明度判断が不合格になるまで、即ち現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで上記の一連のステップを繰り返す。鮮明度判断が不合格になったことは直前のモータ位置が最も合焦した位置であることを示しており、モータを駆動して第2方向に回転させる必要、即ち予め設定されたステップ数だけ逆方向に回転させる必要があり、これにより熱ピントずれ補償を完了する。類似度判断に合格しない場合、投影画面が変化しており熱ピントずれ調整を継続できないことを示しており、その場合はステップS11に戻って改めて実行する。
【0038】
対応して、モータを駆動して予め設定されたステップ数(1ステップ又は数ステップ)で第1方向に回転させた後、類似度判断を行い、類似度判断に合格した後、鮮明度判断を行い、鮮明度判断に合格せず、即ち現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値未満であれば、一度目の回転方向が逆であり、鮮明度が悪くなったことを示しており、そのため駆動方向を調整して、モータを駆動して予め設定されたステップ数(1ステップ又は数ステップ)で第2方向に回転させた後、類似度判断及び鮮明度判断を行い、いずれも合格した場合、モータを駆動して予め設定されたステップ数(1ステップ又は数ステップ)で第2方向に回転させた後、さらに類似度判断及び鮮明度判断を行う一連のステップであって、鮮明度判断が不合格になるまで、即ち現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで上記の一連のステップを繰り返す。鮮明度判断が不合格になったことは直前のモータ位置が最も合焦した位置であることを示しており、モータを駆動して第1方向に回転させる必要、即ち予め設定されたステップ数だけ逆方向に回転させる必要があることを示しており、これにより熱ピントずれ補償を完了する。類似度判断に合格しない場合、投影画面が変化しており熱ピントずれ調整を継続できないことを示しており、その場合はステップS11に戻って改めて実行する。
【0039】
上記ステップにより、センシングなしに熱ピントずれに対する任意の投影画面による双方向の補償を実現し、且つ指定の補償方向及び特定の合焦画像を用いる必要がなく、投影画面をリアルタイムに分析することのみによって補償効果を達成し、操作しやすく広範な普及に適する。
【0040】
図7に示すように、本発明の実施例は、さらに、
投影画面画像を取得するための第1画像取得モジュール31と、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するための第2画像取得モジュール32と、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていない場合、第1画像取得モジュールの処理に戻り、満たしている場合、熱ピントずれ補償モジュールの処理に進むための類似度判断モジュール33と、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、2つの鮮明度値の比較結果に基づいて第1方向熱ピントずれ補償又は第2方向熱ピントずれ補償を行うための熱ピントずれ補償モジュール34と、
を含む投影による熱ピントずれ双方向補償装置を提供する。
【0041】
なお、第1画像取得モジュール31は、
2枚の投影画面画像を連続して取得するための画像収集ユニットと、
2枚の投影画面画像の類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしている場合、第2画像取得モジュールの処理に進み、満たしていない場合、画像収集ユニットの処理に戻るための画像判断ユニットと、
を含む。
【0042】
なお、熱ピントずれ補償モジュール34は、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算するための鮮明度計算ユニットと、
現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、第1方向熱ピントずれ補償ユニットの処理に進み、そうでなければ、第2方向熱ピントずれ補償ユニットの処理に進むための鮮明度判断ユニットと、
現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得し、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップに戻って再度実行し、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了するための第1方向熱ピントずれ補償ユニットと、
現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値より小さくなるまで、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得し、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するステップに戻って再度実行し、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向へ移動させ、熱ピントずれ補償を完了するための第2方向熱ピントずれ補償ユニットと、
を含む。
【0043】
なお、前記第1方向熱ピントずれ補償ユニットは、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するための第1方向駆動アセンブリと、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていなければ、第1画像取得モジュールの処理に戻り、満たしていれば、第1鮮明度判断アセンブリの処理に進むための第1類似度判断アセンブリと、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、第1方向駆動アセンブリの処理に戻り、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に移動させ、熱ピントずれ補償を完了するための第1熱ピントずれ補償アセンブリと、
を含む。
【0044】
前記第2方向熱ピントずれ補償ユニットは、
モータを駆動して予め設定されたステップ数で第2方向に回転させた後に投影画面画像を再度取得するための第2方向駆動アセンブリと、
現在の投影画面画像と直前の投影画面画像との類似度値が予め設定された類似度値の要件を満たしているか否かを判断し、満たしていなければ、第1画像取得モジュールの処理に戻り、満たしていれば、第2熱ピントずれ補償アセンブリの処理に進むための第2類似度判断アセンブリと、
現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算し、現在の投影画面画像の鮮明度値が直前の投影画面画像の鮮明度値以上であるか否かを判断し、そうであれば、第2方向駆動アセンブリの処理に戻り、そうでなければ、モータを駆動して予め設定されたステップ数で第1方向に移動させ、熱ピントずれ補償を完了するための第2熱ピントずれ補償アセンブリと、
を含む。
【0045】
なお、現在の投影画面画像の鮮明度値及び直前の投影画面画像の鮮明度値を計算する方法は、
現在の投影画面画像を縮小し、現在の投影画面画像の鮮明度値と縮小後の現在の投影画面画像の鮮明度値との差分を現在の投影画面画像の鮮明度値として計算するステップと、
直前の投影画面画像を縮小し、直前の投影画面画像の鮮明度値と縮小後の直前の投影画面画像の鮮明度値との差分を直前の投影画面画像の鮮明度値として計算するステップと、
を含む。
【0046】
本発明の実施例は、
コンピュータプログラムを記憶するためのメモリと、
コンピュータプログラムを実行して上記投影による熱ピントずれ双方向補償方法のステップを実現するためのプロセッサと、
を含む投影による熱ピントずれ双方向補償装置をさらに提供する。
【0047】
本発明は、コンピュータプログラムが記憶される可読記憶媒体であって、コンピュータプログラムのプロセッサによる実行時に、上記投影による熱ピントずれ双方向補償方法のステップを実現する可読記憶媒体をさらに提供する。
【0048】
図7に対応する実施例における特徴の説明については、図1図6に対応する実施例の関連説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0049】
以上、本発明の実施例が提供する投影による熱ピントずれ双方向補償方法及び装置、可読記憶媒体については、詳細に説明する。本明細書において各実施例については段階的に説明しており、各々の実施例について他の実施例との相違点を中心として説明し、各々の実施例間の同一や類似する部分については互いに参照すればよい。実施例で開示された装置に関しては、実施例で開示された方法に対応するため、簡単に説明し、関連する内容については、方法の部分についての説明を参照すればよい。また、当業者であれば、本発明の原理から逸脱しない前提で、更に幾つかの改良及び変更を行うことができ、それらの改良及び変更も本発明の保護範囲とみなされるべきである。
【0050】
当業者は、さらに、本明細書に記載の実施例に説明された各例示におけるユニット及びアルゴリズムのステップは、電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、またはこれらの組み合わせによって実現されることを理解することができ、ハードウェアとソフトウェアの互換性を明確に説明するために、上記説明では既に機能に従って一般的に各例示の構成とステップを説明した。これらの機能がハードウェアによって実行されるかソフトウェアによって実行されるかは、特定の適用例および技術的解決手段の設計制約条件によって決まる。当業者であれば、種々の方法により、述べた機能を特定の応用例ごとに実施することができるが、この実施は本発明の範囲を超えると見なされるべきではない。
【0051】
本明細書に記載の実施例に説明される方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサーのどちらによって直接実装されるソフトウェアモジュール、或いは、ハードウェア、プロセッサーの両方によって組み合わせられたもの、によって実施されることができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的なプログラマブルROM、電気的に消去可能なプログラマブルROM、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CDーROM、又は当技術分野における公知の任意の他の形態の記憶媒体に実装されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7