(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】マイクロフォン及びそれを有する電子機器
(51)【国際特許分類】
H04R 1/28 20060101AFI20240213BHJP
H04R 7/26 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H04R1/28 320Z
H04R7/26
(21)【出願番号】P 2022540952
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 CN2020079809
(87)【国際公開番号】W WO2021142913
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】202010051694.7
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウェンビン・ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】シン・チ
(72)【発明者】
【氏名】フェンユン・リャオ
(72)【発明者】
【氏名】ヨンシュアイ・ユアン
【審査官】金子 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-147319(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0014123(US,A1)
【文献】特表2009-515457(JP,A)
【文献】特開2006-050174(JP,A)
【文献】特表2004-506360(JP,A)
【文献】特表2007-505539(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108401201(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0267900(US,A1)
【文献】特開平09-163477(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102005008515(DE,A1)
【文献】特表2003-520540(JP,A)
【文献】特表2018-519770(JP,A)
【文献】特開平08-195995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/28
H04R 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動信号を受信するためのハウジングと、
前記ハウジング内にある、前記振動信号を電気信号に変換するための変換コンポーネントであって、トランスデューサ、及び前記トランスデューサに取り付けられた少なくとも1つの減衰フィルム
であって、前記トランスデューサの少なくとも1つの表面に所定の角度で配置される、少なくとも1つの減衰フィルムを含む変換コンポーネントと、
前記電気信号を処理するための処理回路と、
を含むマイクロフォン。
【請求項2】
前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記トランスデューサの少なくとも1つの表面の少なくとも一部を覆う、請求項1に記載のマイクロフォン。
【請求項3】
前記トランスデューサの少なくとも1つの表面は、上面、下面、側面、又は、前記トランスデューサの内面のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載のマイクロフォン。
【請求項4】
前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記トランスデューサの上面、前記トランスデューサの下面、前記トランスデューサの側面、又は前記トランスデューサの内部を含む少なくとも1つの位置に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のマイクロフォン。
【請求項5】
前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記ハウジングに接続されない、請求項1~
4のいずれか一項に記載のマイクロフォン。
【請求項6】
前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記ハウジングに接続される、請求項1~
4のいずれか一項に記載のマイクロフォン。
【請求項7】
前記少なくとも1つの減衰フィルムは、少なくとも2つの減衰フィルムを含み、前記少なくとも2つの減衰フィルムは、前記トランスデューサの中心線に対して対称的に配置される、請求項1~
6のいずれか一項に記載のマイクロフォン。
【請求項8】
前記変換コンポーネントは、少なくとも1つの弾性要素をさらに含み、
前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記トランスデューサ及び前記少なくとも1つの弾性要素にそれぞれ接続される、請求項1~
7のいずれか一項に記載のマイクロフォン。
【請求項9】
振動信号を受信するためのハウジングと、
前記ハウジング内にある、前記振動信号を電気信号に変換するための変換コンポーネントであって、トランスデューサ、及び前記トランスデューサに取り付けられた少なくとも1つの減衰フィルム
であって、前記トランスデューサの少なくとも1つの表面に所定の角度で配置される、少なくとも1つの減衰フィルムを含む変換コンポーネントと、
前記電気信号を処理するための処理回路と、
を含むマイクロフォンを含む電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年1月17日に提出された中国特許出願第202010051694.7号の優先権を主張し、その内容は参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、マイクロフォンの技術分野に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロフォンは、日常の通信装置に広く使用されている。様々な環境で良好な通信品質を実現するために、高い信号対雑音比(SNR)と優れた耐ノイズ性能を備えたマイクロフォンが、ますます普及してきている。優れた性能を備えたマイクロフォンは、通常、滑らかな周波数応答曲線と高いSNRを有する。滑らかな周波数応答曲線を滑らかにするための既存の方法では、通常、マイクロフォンの振動装置の変位共振曲線のフォルマントの前の平坦な領域が使用される。振動装置の共振周波数を大きな値に設定しなければならない場合があるが、その結果、マイクロフォンのSNR又は感度が低下して、マイクロフォンの通信品質が低下する。マイクロフォンのSNR又は感度を向上させるための既存の方法では、通常、共振周波数が音声周波数帯域に設定される。マイクロフォンの振動装置が大きなQ値(又は小さな減衰)を有し、フォルマント周波数(周波数応答曲線の高いピーク)の近くで多くの音信号をピックアップするため、周波数帯域全体における周波数信号の分布が不均一になり、明瞭度が低くなり、さらに音信号の歪みが生じる。従って、高い感度、滑らかな周波数応答曲線、及び広い周波数帯域などの高性能を備えたマイクロフォンを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、マイクロフォンを紹介する。前記マイクロフォンは、振動信号を受信するためのハウジングと、前記ハウジング内にある、前記振動信号を電気信号に変換するための変換コンポーネントと、前記電気信号を処理するための処理回路と、を含んでもよい。前記変換コンポーネントは、トランスデューサ、及び前記トランスデューサに取り付けられた少なくとも1つの減衰フィルムを含んでもよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記トランスデューサの少なくとも1つの表面の少なくとも一部を覆う。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記トランスデューサの少なくとも1つの表面は、上面、前記トランスデューサの下面、側面、又は内面のうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記トランスデューサの上面、前記トランスデューサの下面、前記トランスデューサの側面、又は前記トランスデューサの内部を含む少なくとも1つの位置に配置される。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記トランスデューサの少なくとも1つの表面に所定の角度で配置される。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記ハウジングに接続されない。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記ハウジングに接続される。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの減衰フィルムは、少なくとも2つの減衰フィルムを含み、前記少なくとも2つの減衰フィルムは、前記トランスデューサの中心線に対して対称的に配置される。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記変換コンポーネントは、少なくとも1つの弾性要素をさらに含み、前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記トランスデューサ及び前記少なくとも1つの弾性要素にそれぞれ接続される。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの弾性要素及び前記トランスデューサは、所定の分布モードで配置される。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記所定の分布モードは、水平分布モード、垂直分布モード、アレイ分布モード、又はランダム分布モードのうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記少なくとも1つの弾性要素の少なくとも1つの表面の少なくとも一部を覆う。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの減衰フィルムの幅は可変である。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの減衰フィルムの厚さは可変である。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記トランスデューサは、ダイアフラム、圧電セラミックプレート、ピエゾフィルム、又は静電フィルムのうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記トランスデューサの構造は、フィルム、カンチレバー、又はプレートのうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記振動信号は、気体、液体、又は固体のうちの少なくとも1つによって引き起こされる。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記振動信号は、非接触モード又は接触モードに従って、前記ハウジングから前記変換コンポーネントに送信される。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記トランスデューサと前記少なくとも1つの減衰フィルムは、前記マイクロフォンの周波数応答曲線に応じて設計される。
【0023】
本開示の別の態様によれば、マイクロフォンを含む電子機器が提供される。前記マイクロフォンは、振動信号を受信するためのハウジングと、前記ハウジング内にある、前記振動信号を電気信号に変換するための変換コンポーネントと、前記電気信号を処理するための処理回路と、を含んでもよい。前記変換コンポーネントは、トランスデューサ、及び前記トランスデューサに取り付けられた少なくとも1つの減衰フィルムを含んでもよい。
【0024】
以下の説明においては、さらなる特徴の一部が記載され、これらの特徴の一部は、以下の検討や添付図面によって、当業者には明らかになるか又は実施例の製造又は動作によってわかるであろう。本開示の特徴は、以下に説明する具体的な実施例に記載された方法、機器及び組み合わせの様々な態様を実施又は使用することにより、実現及び達成されるであろう。
【0025】
本開示を例示的な実施形態をもとにさらに説明する。これらの例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。これらの実施形態は、非限定的で例示的な実施形態であり、図面のいくつかの図にわたって、同様の参照符号は、類似する構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示すブロック図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、変換コンポーネントの例示的なばね-質量-ダンパシステムを示す概略図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、ばね-質量-ダンパシステムの変位共振曲線の例示的な正規化を示す概略図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、元の変換コンポーネントの例示的な周波数応答曲線と、元の変換コンポーネントの共振ピークを前方に移動した後の例示的な周波数応答曲線とを示す概略図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、変換コンポーネントの共振ピークを前方に移動した後の例示的な周波数応答曲線と、変換コンポーネントに減衰材料を追加した後の例示的な周波数応答曲線とを示す概略図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、トランスデューサ及び減衰フィルムを含む変換コンポーネントの例示的な等価モデルを示す概略図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、元の変換コンポーネントの例示的な周波数応答曲線と、元の変換コンポーネントの共振ピークを前方に移動した後の例示的な周波数応答曲線と、変換コンポーネントに減衰材料を追加した後の例示的な周波数応答曲線とを示す概略図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、トランスデューサの例示的な周波数応答曲線と、弾性要素の例示的な周波数応答曲線と、トランスデューサ及び弾性要素を含む変換コンポーネントの例示的な周波数応答曲線とを示す概略図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、トランスデューサの例示的な周波数応答曲線と、1つのトランスデューサ及び1つの弾性要素を含む変換コンポーネントの例示的な周波数応答曲線と、1つのトランスデューサ及び2つの弾性要素を含む変換コンポーネントの例示的な周波数応答曲線と、1つのトランスデューサ及び3つの弾性要素を含む変換コンポーネントの例示的な周波数応答曲線とを示す概略図である。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図13】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図14】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図15】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図16】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図17】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図18】本開示のいくつかの実施形態による、減衰フィルムがマイクロフォンの少なくとも1つのトランスデューサから切断されるときのマイクロフォンの例示的な周波数応答曲線を示す概略図である。
【
図19】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図20】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図21】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図22】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図23】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図24】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図25】本開示のいくつかの実施形態による、減衰フィルムがマイクロフォンの少なくとも1つのトランスデューサに接続されるときのマイクロフォンの例示的な周波数応答曲線を示す概略図である。
【
図26】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図27】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図28】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図29】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図30】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図31】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図32】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図33】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図34】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図35】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図36】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図37】本開示のいくつかの実施形態による、減衰フィルムを備えないマイクロフォンと、カンチレバートランスデューサの表面に90°で配置された少なくとも1つの減衰フィルムを含むマイクロフォンの例示的な周波数応答曲線を示す概略図である。
【
図38】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図39】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図40】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図41】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図42】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図43】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図44】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図45】本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォンを示す構造概略図である。
【
図46】本開示のいくつかの実施形態による、トランスデューサを含むマイクロフォンと、トランスデューサ及び2つの弾性要素を含むマイクロフォンの例示的な周波数応答曲線を示す概略図である。
【
図47】本開示のいくつかの実施形態による、トランスデューサを含むマイクロフォンと、2つのトランスデューサ(1つのトランスデューサで出力する)を含むマイクロフォンとの例示的な周波数応答曲線を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明は、当業者が本開示を実施及び使用すること可能にするために提示され、特定の用途及びその要件に照らして提供される。開示された実施形態の様々な変形例は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般原則は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途にも適用することができる。従って、本開示は、示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【0028】
本明細書において使用される用語は、単に特定の例示的な実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定的なものではない。本明細書において使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「上記(the)」は、文脈中に特に明示しない限り、同様に複数形も含むことを意図し得る。さらに、本開示において使用される場合、用語「含み/含む(comprises/comprising、includes/including)」が、記載された特徴、整数、ステップ、動作、素子、及び/又は、構成要素の存在を特定するものであるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、素子、構成要素、及び/又は、これらのグループの存在や追加を排除するものではないことが理解されよう。
【0029】
本開示のこれら及び他の特徴及び特性、操作の方法、構造の関連する要素及び部品の組み合わせの機能、及び製造上の経済性は、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照して以下の記載を検討することによってより明らかとなるであろう。しかしながら、図面は単に例示及び説明のためのものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことが明かに理解される。図面は縮尺通りではないことが理解される。
【0030】
本開示に使用されるフローチャートは、本開示のいくつかの実施形態に従ってシステムが実施する動作を示す。フローチャートの動作は、順番に実行されなくてもよいことが明示的に理解される。逆に、動作は、逆の順序で、又は同時に実行されてもよい。さらに、1つ以上の他の動作は、フローチャートに追加されてもよい。1つ以上の動作は、フローチャートから削除されてもよい。
【0031】
本開示の一態様は、マイクロフォン及びそれを有する電子機器に関する。この目的のために、マイクロフォンは、フィルムの形態の減衰材料を使用してトランスデューサの少なくとも1つの表面の少なくとも一部を覆って、振動信号を電気信号に変換するための変換コンポーネントを形成することができる。例えば、トランスデューサは、カンチレバーであってもよく、マイクロフォンは、カンチレバーの少なくとも1つの表面を完全に覆う少なくとも1つの減衰フィルムを含んでもよい。別の例として、少なくとも1つの減衰フィルムは、トランスデューサの少なくとも1つの表面に所定の角度で配置されてもよい。マイクロフォンは、少なくとも1つの弾性要素をさらに含んでもよい。少なくとも1つの減衰フィルムは、トランスデューサ及び少なくとも1つの弾性要素にそれぞれ接続されてもよい。このように、マイクロフォンは、高い感度、滑らかな周波数応答曲線、及び広い周波数帯域などの通信品質において優れた性能を有することができる。さらに、マイクロフォンは、信頼性が高く、簡単に製造することができる。
【0032】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示すブロック図である。例えば、マイクロフォン100は、電話、イヤホン、ヘッドホン、ウェアラブルデバイス、スマートモバイルデバイス、仮想現実デバイス、拡張現実デバイス、コンピュータ、ラップトップなどの電子機器のマイクロフォンであってもよい。マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110内にある変換コンポーネント120、及び処理回路130を含んでもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、ハウジング110は、振動信号を受信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング110は、振動信号を生成する振動源から振動信号を接触モードで受信してもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング110は、振動源から振動信号を非接触モードで受信してもよい。例えば、ハウジング110は、空気、固体、液体などの媒体を介して振動信号を受信してもよい。いくつかの実施形態では、振動源は、検出される振動を生成する任意の装置又は個人を含んでもよい。例えば、振動源は、人体、楽器、機械など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、振動信号は、空気振動信号、固体振動信号、液体振動信号など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、ハウジング110は、振動信号を変換コンポーネント120に接触モード又は非接触モードで送信してもよい。例えば、変換コンポーネント120は、ハウジング110内にあり、ハウジング110に接触してもよい。変換コンポーネント120は、ハウジング110から振動信号を直接受信してもよい。別の例として、変換コンポーネント120は、ハウジング110に接触しなくてもよい。変換コンポーネント120は、空気、固体、液体などの媒体を介してハウジング110から振動信号を受信してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、変換コンポーネント120は、振動信号を電気信号に変換するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、変換コンポーネント120は、振動信号を受信して、変換コンポーネント120の構造を変形させることによって電気信号を生成してもよい。いくつかの実施形態では、変換コンポーネント120は、少なくとも1つのトランスデューサ122、少なくとも1つの減衰フィルム124、及び少なくとも1つの弾性要素126を含んでもよい。例えば、変換コンポーネント120は、トランスデューサ122のみを含んでもよい。別の例として、変換コンポーネント120は、トランスデューサ122及びトランスデューサ122に取り付けられた減衰フィルム124を含んでもよい。別の例として、変換コンポーネント120は、トランスデューサ122、弾性要素126、及びトランスデューサ122と弾性要素126に接続された減衰フィルム124を含んでもよい。さらに別の例として、変換コンポーネント120は、少なくとも2つのトランスデューサ122、少なくとも2つの弾性要素126、及び少なくとも2つの減衰フィルム124を含んでもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのトランスデューサ122は、振動信号を電気信号に変換するように構成されてもよい。例えば、振動信号は、ハウジング110から送信されて、少なくとも1つのトランスデューサ122を変形させて電気信号を出力させてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのトランスデューサ122の信号変換タイプは、電磁型(例えば、可動コイル型、可動鉄片型)、圧電型、逆圧電型、静電型、エレクトレット型、平面磁気型、バランスドアーマチュア型、熱音響型など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのトランスデューサ122は、ダイアフラム、圧電セラミックプレート、ピエゾフィルム、静電フィルムなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのトランスデューサ122の形状は可変であってもよい。例えば、少なくとも1つのトランスデューサ122の形状は、円形、長方形、正方形、楕円形など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのトランスデューサ122の構造は可変であってもよい。例えば、少なくとも1つのトランスデューサ122の構造は、フィルム、カンチレバー、プレートなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのトランスデューサ122のうちの1つのみは電気信号を出力するように構成されてもよく、残りの少なくとも1つのトランスデューサ122は、振動信号に応答して変形する弾性要素として機能するように構成されてもよい。残りの少なくとも1つのトランスデューサ122の各々は、マイクロフォン100の周波数応答曲線の共振ピークに寄与してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124は、変換コンポーネント120の複合減衰及び/又は複合重量を変更して変換コンポーネント120の周波数応答曲線を調整するように構成されてもよい。例えば、少なくとも1つの減衰フィルム124は、変換コンポーネント120の複合減衰を調整して、変換コンポーネント120が所定のQ値及び平坦な周波数応答曲線を有するようにしてもよい。別の例として、少なくとも1つの減衰フィルム124は、変換コンポーネント120の複合重量及び変換コンポーネント120の周波数応答曲線の共振周波数を調整してもよい。なお、少なくとも1つの減衰フィルム124は、単に例示の目的で提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。マイクロフォン100における減衰は、任意の他の構造であってもよい。例えば、マイクロフォン100における減衰の構造は、フィルム、ブロック、複合体構造など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124は、少なくとも1つの弾性要素126の振動を少なくとも1つのトランスデューサ122に伝達するように構成されてもよい。複数の等価な共振ピークは生成されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの弾性要素126は、変換コンポーネント120の振動性能を変更するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124の材料は、金属、無機非金属、ポリマー材料、複合材料など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124は、少なくとも1つのトランスデューサ122及び少なくとも1つの弾性要素126にそれぞれ接続されてもよい。例えば、少なくとも1つの減衰フィルム124は、少なくとも1つの弾性要素126によって生成された振動信号を少なくとも1つのトランスデューサ122に送信してもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、処理回路130は、電気信号を処理するように構成されてもよい。
【0041】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、変換コンポーネント120の例示的なばね-質量-ダンパシステムを示す概略図である。マイクロフォンにおいて、その変換コンポーネントは、
図2に示すようなばね-質量-ダンパシステムに等価に簡略化されてもよい。マイクロフォンが動作すると、ばね-質量-ダンパシステムは、加振力を受けて強制的に振動してもよい。
【0042】
図2に示すように、ばね-質量-ダンパシステムは、微分方程式(1)に従って移動してもよい:
【数1】
式中、Mは、ばね-質量-ダンパシステムの質量を表し、xは、ばね-質量-ダンパシステムの変位を表し、Rは、ばね-質量-ダンパシステムの減衰を表し、Kは、ばね-質量-ダンパシステムの弾性係数を表し、Fは、駆動力の振幅を表し、ωは、外力の角周波数を表す。
【0043】
微分方程式(1)を解いて定常状態での変位(2)を得てもよい。
【数2】
式中、xは、出力電気信号の値に等しい、マイクロフォンが動作するときのばね-質量-ダンパシステムの変形を表し、
【数3】
であり、
【数4】
は、出力変位を表し、Zは、機械インピーダンスを表し、θは、発振位相を表す。
【0044】
変位振幅の比率Aの正規化は、式(3)として記述されてもよい:
【数5】
式中、
【数6】
であり、
【数7】
は、定常状態での変位振幅(又はω=0の場合の変位振幅)を表し、
【数8】
であり、
【数9】
は、固有周波数に対する外力の周波数の比率を表し、
【数10】
であり、
【数11】
は、振動の角周波数を表し、
【数12】
であり、
【数13】
は、機械的品質係数を表す。
【0045】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、ばね-質量-ダンパシステムの変位共振曲線の例示的な正規化を示す概略図である。
【0046】
マイクロフォン100は、変換コンポーネント120とハウジング110との間の相対変位によって電圧信号を生成する。例えば、エレクトレットマイクロフォンは、変形したダイアフラムトランスデューサと基板との間の距離変化に応じて電圧信号を生成する。別の例として、カンチレバー骨伝導マイクロフォンは、変形したカンチレバートランスデューサによって引き起こされた逆圧電効果に応じて電気信号を生成してもよい。いくつかの実施形態では、トランスデューサが変形する変位が大きいほど、マイクロフォンが出力する電気信号は大きくなる。
図3に示すように、変換コンポーネントの減衰(例えば、材料減衰、構造減衰)が小さいほど、Q値は大きくなり、変位共振曲線の共振ピークでの3dB帯域幅は狭くなる。いくつかの実施形態では、共振ピークは、優れた性能を有するマイクロフォンでは音声周波数範囲に設定されなくてもよい。
【0047】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、元の変換コンポーネント120の例示的な周波数応答曲線と、元の変換コンポーネント120の共振ピークを前方に移動した後の例示的な周波数応答曲線とを示す概略図である。いくつかの実施形態では、
図4に示すように、マイクロフォンの全体的な感度を向上させるために、共振ピークを音声周波数範囲の前方に移動することにより、変換コンポーネント120の固有周波数を前方に移動して、マイクロフォンの、共振ピークの前の感度を向上させてもよい。上記出力変位
【数14】
は、式(4)に従って決定されてもよい:
【数15】
式(4)に従って、
【数16】
であれば、
【数17】
である。Mを増加させ及び/又はKを減少させることによって変換コンポーネント120の
【数18】
を減少させると、
【数19】
は減少し、対応する出力変位
【数20】
は増加し得る。
【数21】
であれば、
【数22】
である。変換コンポーネント120の
【数23】
を減少又は増加させると、出力変位
【数24】
は一定であり得る。
【数25】
であると、
【数26】
である。Mを増加させ及び/又はKを減少させることによって変換コンポーネント120の
【数27】
を減少させると、
【数28】
は増加し、対応する出力変位
【数29】
は減少し得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、共振ピークが前方に移動されるにつれて、共振ピークは、音声周波数範囲に現れる可能性がある。共振ピークの付近で複数の信号をピックアップすると、通信品質が悪くなる可能性がある。いくつかの実施形態では、変換コンポーネント120に減衰を加えると、振動中のエネルギー損失、特に共振ピークの付近でのエネルギー損失が増加する可能性がある。Q値の逆数は、式(5)に従って記述されてもよい:
【数30】
式中、
【数31】
は、Q値の逆数を表し、
【数32】
は、3dB帯域幅(それぞれ共振振幅の半分での、2つの周波数
【数33】
の差分値、
【数34】
を表し、
【数35】
は、共振周波数を表す。
【0049】
変換コンポーネント120の減衰が増加するにつれて、Q値は減少し、対応する3dB帯域幅は増加する。いくつかの実施形態では、減衰は、変形プロセス中に一定ではなく、大きな力又は大きな振幅の下で大きくなる可能性がある。非共振領域の振幅は小さく、共振領域の振幅は大きくてもよい。
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、変換コンポーネント120の共振ピークを前方に移動した後の例示的な周波数応答曲線と、変換コンポーネント120に減衰材料を追加した後の例示的な周波数応答曲線とを示す概略図である。
図5に示すように、非共振領域におけるマイクロフォンの感度は低下せず、共振領域におけるQ値は、変換コンポーネント120に適切な減衰を追加することによって減少してもよい。周波数応答曲線は、平坦であってもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、マイクロフォン100は、様々な適用シーンに応じて設計されてもよい。例えば、マイクロフォン100が、小さな体積及び低い感度を必要とする適用シーンに適用されれば、マイクロフォン100は、ハウジング110内の変換コンポーネント120のトランスデューサ122及び減衰フィルム124を含むように設計されてもよい。
【0051】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、トランスデューサ122及び減衰フィルム124を含む変換コンポーネント120の例示的な等価モデルを示す概略図である。
図6に示すように、Rは、トランスデューサ122の減衰を表し、Kは、トランスデューサ122の弾性係数を表し、R1は、減衰フィルム124の追加の減衰を表す。いくつかの実施形態では、変換コンポーネント120の複合減衰は、減衰フィルム124を追加することによって増加してもよい。変換コンポーネント120の減衰は、変更されてもよい。
【0052】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、元の変換コンポーネント120の例示的な周波数応答曲線と、元の変換コンポーネント120の共振ピークを前方に移動した後の例示的な周波数応答曲線と、変換コンポーネント120に減衰材料を追加した後の例示的な周波数応答曲線とを示す概略図である。
図7に示すように、共振ピークでのQ値は、減少し、共振ピーク以外の周波数の感度は低下せず向上してもよい。いくつかの実施形態では、共振ピークを音声周波数範囲の前方に移動することにより、マイクロフォン100の感度は向上し、周波数応答曲線は平坦になって、これにより、マイクロフォン100の性能が向上する。
【0053】
いくつかの実施形態では、マイクロフォン100は、ハウジング110内の変換コンポーネント120の、トランスデューサ122、減衰フィルム124、及び弾性要素126を含むように設計されてもよい。いくつかの実施形態では、弾性要素126及びトランスデューサ122は、それぞれ共振ピークを有してもよい。減衰フィルム124は、弾性要素126及びトランスデューサ122にそれぞれ接続されて、弾性要素126の振動をトランスデューサ122に伝達してもよい。いくつかの実施形態では、トランスデューサ122、減衰フィルム124及び弾性要素126を含むマイクロフォン100は、2つの共振ピークを備えた周波数応答曲線を出力してもよい。
【0054】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、トランスデューサ122の例示的な周波数応答曲線と、弾性要素126の例示的な周波数応答曲線と、トランスデューサ122及び弾性要素126を含む変換コンポーネント120の例示的な周波数応答曲線とを示す概略図である。いくつかの実施形態では、弾性要素126は、様々な適用シーンに応じて設計されてもよい。例えば、弾性要素126は、適切な構造として設計されてもよい。弾性要素126の一次共振周波数は、所定の音声周波数範囲内にあってもよい。弾性要素126は、弾性要素126の一次共振周波数を使用して、マイクロフォン100の共振ピークに寄与してもよい。いくつかの実施形態では、適切な構造を備えた弾性要素126は、所定の音声周波数範囲内の複数の共振ピークに寄与してもよい。いくつかの実施形態では、減衰フィルム124の減衰は、
図8に示すように、高い感度、大きなQ値、及びマイクロフォン100の周波数応答曲線における2つの共振ピークを備えたマイクロフォン100を実現するように設計されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、マイクロフォン100は、ハウジング110内の変換コンポーネント120の、トランスデューサ122、複数の減衰フィルム124、及び複数の弾性要素126を含むように設計されてもよい。いくつかの実施形態では、各減衰フィルム124は、弾性要素126及びトランスデューサ122にそれぞれ接続されて、対応する弾性要素126の振動をトランスデューサ122に伝達してもよい。いくつかの実施形態では、トランスデューサ122、複数の減衰フィルム124、及び複数の弾性要素126を含むマイクロフォン100は、複数の共振ピークを備えた周波数応答曲線を出力してもよい。いくつかの実施形態では、複数の減衰フィルム124の各々の減衰は、周波数応答曲線の各共振ピークのQ値を調整するように設計されてもよい。
【0056】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、トランスデューサ122の例示的な周波数応答曲線と、1つのトランスデューサ122及び1つの弾性要素126を含む変換コンポーネント120の例示的な周波数応答曲線と、1つのトランスデューサ122及び2つの弾性要素126を含む変換コンポーネント120の例示的な周波数応答曲線と、1つのトランスデューサ122及び3つの弾性要素126を含む変換コンポーネント120の例示的な周波数応答曲線とを示す概略図である。
図9に示すように、各弾性要素126の各共振周波数は、互いに異なって、所定の音声周波数範囲内にあってもよい。所定の音声周波数範囲全体内の感度は高くてもよく、マイクロフォン100の周波数応答曲線は平坦であってもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、マイクロフォン100の内部構造及びマイクロフォン100内の各部分のレイアウトは、様々な適用シーンに応じて設計されてもよい。例えば、マイクロフォン100は、マイクロフォン100が置かれる位置(例えば、人間の耳の前、人間の耳の後ろ、人間の首)に応じて設計されてもよい。別の例として、マイクロフォン100は、マイクロフォン100の伝導モード(例えば、骨伝導モード及び気導モード)に応じて設計されてもよい。さらに別の例として、マイクロフォン100は、マイクロフォン100が取得する様々な信号(例えば、人間の音声信号及び機械の音信号)の周波数に応じて設計されてもよい。さらに別の例として、マイクロフォン100は、マイクロフォン100の製造プロセスに応じて設計されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのトランスデューサ122、少なくとも1つの減衰フィルム124、及び/又は少なくとも1つの弾性要素126のサイズ、形状、設置位置、レイアウト、構造、及び数は、様々な適用シーンに応じて決定されてもよい。例えば、マイクロフォン100のトランスデューサ122及び少なくとも1つの減衰フィルム124は、マイクロフォン100の周波数応答曲線に応じて設計されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124は、少なくとも1つのトランスデューサ122の任意の位置に配置されてもよい。例えば、少なくとも1つの減衰フィルム124は、少なくとも1つのトランスデューサ122の上面、少なくとも1つのトランスデューサ122の下面、少なくとも1つのトランスデューサ122の側面、少なくとも1つのトランスデューサ122の内部など、又はそれらの任意の組み合わせに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124は、少なくとも1つのトランスデューサ122の少なくとも1つの表面の少なくとも一部を覆ってもよい。例えば、少なくとも1つの減衰フィルム124のうちの1つの減衰フィルム124は、少なくとも1つのトランスデューサ122のうちの1つのトランスデューサ122の全面を覆ってもよい。別の例として、少なくとも1つの減衰フィルム124のうちの1つの減衰フィルム124は、少なくとも1つのトランスデューサ122のうちの1つのトランスデューサ122の表面の一部を覆ってもよい。いくつかの実施形態では、トランスデューサ122の少なくとも1つの表面は、トランスデューサ122の上面、トランスデューサ122の下面、トランスデューサ122の側面、トランスデューサ122の内面など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124は、少なくとも1つのトランスデューサ122に接続してもよく、ハウジング110に接続しなくてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロフォン100内の任意の2つの部品間の接続は、接着、リベット留め、ネジ接続、一体成形、吸引接続など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0060】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図10に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するトランスデューサ122、及びトランスデューサ122に接続され、ハウジング110から切断された減衰フィルム124を含んでもよい。トランスデューサ122は、トランスデューサ122の両端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、トランスデューサ122の上面の一部を覆ってもよい。
【0061】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図11に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するトランスデューサ122、及びトランスデューサ122に接続され、ハウジング110から切断された減衰フィルム124を含んでもよい。トランスデューサ122は、トランスデューサ122の両端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、トランスデューサ122の下面の一部を覆ってもよい。
【0062】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図12に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110にそれぞれ接続する2つのトランスデューサ122、及びトランスデューサ122に接続され、ハウジング110から切断された減衰フィルム124を含んでもよい。2つのトランスデューサ122の各々は、トランスデューサ122の両端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、2つのトランスデューサ122の一方の上面の一部及び2つのトランスデューサ122の他方の下面の一部を覆ってもよい。
図12に示すように、2つのトランスデューサ122及び減衰フィルム124は、サンドイッチ構造を形成してもよい。減衰フィルム124は、2つのトランスデューサ122の間に挟まれてもよい。
【0063】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図13に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するトランスデューサ122、及びトランスデューサ122にそれぞれ接続され、ハウジング110から切断された2つの減衰フィルム124を含んでもよい。トランスデューサ122は、トランスデューサ122の両端でハウジング110に固定されてもよい。2つの減衰フィルム124は、トランスデューサ122の上面及び下面の一部をそれぞれ覆ってもよい。
【0064】
図14は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図14に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びトランスデューサ122に接続され、ハウジング110から切断された減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の下面の一部を覆ってもよい。
【0065】
図15は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図15に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びトランスデューサ122に接続され、ハウジング110から切断された減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面の一部を覆ってもよい。
【0066】
図16は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図16に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110にそれぞれ接続する2つのカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122に接続され、ハウジング110から切断された減衰フィルム124を含んでもよい。2つのカンチレバートランスデューサ122の各々は、各カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、2つのカンチレバートランスデューサ122の一方の上面の一部及び2つのカンチレバートランスデューサ122の他方の下面の一部を覆ってもよい。
図16に示すように、2つのカンチレバートランスデューサ122及び減衰フィルム124は、サンドイッチ構造を形成してもよい。減衰フィルム124は、2つのカンチレバートランスデューサ122の間に挟まれてもよい。
【0067】
図17は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図17に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122にそれぞれ接続され、ハウジング110から切断された2つの減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面及び下面の一部をそれぞれ覆ってもよい。
【0068】
図18は、本開示のいくつかの実施形態による、減衰フィルム124がマイクロフォン100の少なくとも1つのトランスデューサ122から切断されるときのマイクロフォン100の例示的な周波数応答曲線を示す概略図である。減衰フィルム124を備えないマイクロフォン100、4層の減衰フィルム124を含むマイクロフォン100、及び10層の減衰フィルム124を含むマイクロフォン100の周波数応答曲線は、異なる可能性がある。
図18に示すように、共振ピークは前方に移動し、共振ピークの前の感度は向上し、共振ピークでのQ値は、減衰フィルム124の層の数が増加するにつれて減少する。減衰フィルム124が多いほど、共振ピークでの周波数は低くなり、共振ピークの前の感度は高くなり、共振ピークでのQ値は小さくなる。従って、マイクロフォン100の実際の要求(例えば、感度、共振ピークでのQ値、共振ピークでの周波数など)を満たすために、マイクロフォン100は、1つの減衰フィルム124又は複数の減衰フィルム124を含むように設計されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124は、少なくとも1つのトランスデューサ122とハウジング110の両方に接続してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロフォン100内の任意の2つの部品間の接続は、接着、リベット留め、ネジ接続、一体成形、吸引接続など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0070】
図19は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図19に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110にそれぞれ接続する2つのトランスデューサ122、及びトランスデューサ122とハウジング110の両方に接続された減衰フィルム124を含んでもよい。2つのトランスデューサ122の各々は、各トランスデューサ122の両端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、減衰フィルム124の両端でハウジング110に接続してもよい。減衰フィルム124は、2つのトランスデューサ122の一方の上面全体及び2つのトランスデューサ122の他方の下面全体を覆ってもよい。
図19に示すように、2つのトランスデューサ122及び減衰フィルム124は、サンドイッチ構造を形成してもよい。減衰フィルム124は、2つのトランスデューサ122の間に挟まれてもよい。
【0071】
図20は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図20に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するトランスデューサ122、及びトランスデューサ122とハウジング110の両方に接続された減衰フィルム124を含んでもよい。トランスデューサ122は、トランスデューサ122の両端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、トランスデューサ122の下面全体を覆ってもよい。減衰フィルム124は、減衰フィルム124の両端でハウジング110に接続してもよい。
【0072】
図21は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図21に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するトランスデューサ122、及びトランスデューサ122とハウジング110の両方に接続された減衰フィルム124を含んでもよい。トランスデューサ122は、トランスデューサ122の両端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、トランスデューサ122の上面全体を覆ってもよい。減衰フィルム124は、減衰フィルム124の両端でハウジング110に接続してもよい。
【0073】
図22は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図22に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びトランスデューサ122とハウジング110の両方に接続された減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の下面全体を覆ってもよい。減衰フィルム124は、減衰フィルム124の一端でハウジング110に接続してもよい。
【0074】
図23は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図23に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びトランスデューサ122とハウジング110の両方に接続された減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面全体を覆ってもよい。減衰フィルム124は、減衰フィルム124の一端でハウジング110に接続してもよい。
【0075】
図24は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図24に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110にそれぞれ接続する2つのカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122とハウジング110の両方に接続された減衰フィルム124を含んでもよい。2つのカンチレバートランスデューサ122の各々は、各カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、2つのカンチレバートランスデューサ122の一方の上面全体及び2つのカンチレバートランスデューサ122の他方の下面全体を覆ってもよい。
図24に示すように、2つのカンチレバートランスデューサ122及び減衰フィルム124は、サンドイッチ構造を形成してもよい。減衰フィルム124は、2つのカンチレバートランスデューサ122の間に挟まれてもよい。減衰フィルム124は、減衰フィルム124の一端でハウジング110に接続してもよい。
【0076】
図25は、本開示のいくつかの実施形態による、減衰フィルム124がマイクロフォン100の少なくとも1つのトランスデューサ122に接続されるときのマイクロフォン100の例示的な周波数応答曲線を示す概略図である。減衰フィルム124を備えないマイクロフォン100、4層の減衰フィルム124を含むマイクロフォン100、及び10層の減衰フィルム124を含むマイクロフォン100の周波数応答曲線は、異なる可能性がある。
図25に示すように、共振ピークは一定であり、共振ピークの前の感度は向上し、共振ピークでのQ値は、減衰フィルム124の層の数が増加するにつれて減少する。減衰フィルム124が多いほど、共振ピークの前の感度は高くなり、共振ピークでのQ値は小さくなる。
【0077】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124は、少なくとも1つのトランスデューサ122とハウジング110の両方に接続してもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124は、トランスデューサの少なくとも1つの表面に所定の角度で配置されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124は、少なくとも2つの減衰フィルム124を含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの減衰フィルム124は、トランスデューサ122の中心線に対して対称的に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの減衰フィルム124は、トランスデューサ122の中心線に対して非対称的に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも減衰フィルム124の各々の幅は、同じであっても異なっていてもよい。例えば、少なくとも減衰フィルム124の各々の幅は、可変であってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも減衰フィルム124の各々の厚さは、同じであっても異なっていてもよい。例えば、少なくとも減衰フィルム124の各々の厚さは、可変であってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124の各々は、少なくとも1つのトランスデューサ122の各々の一部と重なってもよい。
【0078】
図26は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図26に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122とハウジング110の両方に接続された減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面全体を覆ってもよい。減衰フィルム124は、減衰フィルム124の両端でハウジング110に接続してもよい。
【0079】
図27は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図27に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122とハウジング110の両方に接続された減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の下面全体を覆ってもよい。減衰フィルム124は、減衰フィルム124の両端でハウジング110に接続してもよい。
【0080】
図28は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図28に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110にそれぞれ接続する2つのカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122とハウジング110の両方に接続された減衰フィルム124を含んでもよい。2つのカンチレバートランスデューサ122の各々は、各カンチレバートランスデューサ122の両端でハウジング110に固定されてもよい。減衰フィルム124は、減衰フィルム124の両端でハウジング110に接続してもよい。減衰フィルム124は、2つのカンチレバートランスデューサ122の一方の上面全体及び2つのカンチレバートランスデューサ122の他方の下面全体を覆ってもよい。
図28に示すように、2つのカンチレバートランスデューサ122及び減衰フィルム124は、サンドイッチ構造を形成してもよい。減衰フィルム124は、2つのカンチレバートランスデューサ122の間に挟まれてもよい。
【0081】
図29は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図29に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122とハウジング110の両方にそれぞれ接続された2つの減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、各減衰フィルム124の両端でハウジング110に接続してもよい。2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面全体及び下面全体をそれぞれ覆ってもよい。
図29に示すように、2つの減衰フィルム124及びカンチレバートランスデューサ122は、サンドイッチ構造を形成してもよい。カンチレバートランスデューサ122は、2つの減衰フィルム124の間に挟まれてもよい。
【0082】
図30は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図30に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122とハウジング110の両方にそれぞれ接続された2つの減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、各減衰フィルム124の一端でハウジング110に接続し、各減衰フィルムの他端でカンチレバートランスデューサ122に接続してもよい。2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面の一部及び下面の一部をそれぞれ覆ってもよい。
図30に示すように、2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面及び下面に90°で配置されてもよい。2つの減衰フィルム124とカンチレバートランスデューサ122との重なり部分は、カンチレバートランスデューサ122の固定端以外の一端に近くてもよい。2つの減衰フィルム124の各々の厚さは、一定であり、互いに同じであってもよい。
【0083】
図31は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図31に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122とハウジング110の両方にそれぞれ接続された2つの減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、各減衰フィルム124の一端でハウジング110に接続し、各減衰フィルムの他端でカンチレバートランスデューサ122に接続してもよい。2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面の一部及び下面の一部をそれぞれ覆ってもよい。
図31に示すように、2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面及び下面に90°で配置されてもよい。2つの減衰フィルム124とカンチレバートランスデューサ122との重なり部分は、カンチレバートランスデューサ122の中心線に近くてもよい。2つの減衰フィルム124の各々の厚さは、一定であり、互いに同じであってもよい。
【0084】
図32は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図32に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122とハウジング110の両方にそれぞれ接続された2つの減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、各減衰フィルム124の一端でハウジング110に接続し、各減衰フィルムの他端でカンチレバートランスデューサ122に接続してもよい。2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面の一部及び下面の一部をそれぞれ覆ってもよい。
図32に示すように、2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面及び下面に90°で配置されてもよい。2つの減衰フィルム124とカンチレバートランスデューサ122との重なり部分は、カンチレバートランスデューサ122の固定端以外の一端に近くてもよい。2つの減衰フィルム124の各々の厚さは、可変であってもよい。カンチレバートランスデューサ122に接続された減衰フィルム124の厚さは、ハウジング110に接続された減衰フィルム124の厚さよりも薄くてもよい。
【0085】
図33は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図33に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122とハウジング110の両方にそれぞれ接続された2つの減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、各減衰フィルム124の一端でハウジング110に接続し、各減衰フィルムの他端でカンチレバートランスデューサ122に接続してもよい。2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面の一部及び下面の一部をそれぞれ覆ってもよい。
図33に示すように、2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面及び下面に90°で配置されてもよい。2つの減衰フィルム124とカンチレバートランスデューサ122との重なり部分は、カンチレバートランスデューサ122の固定端以外の一端に近くてもよい。2つの減衰フィルム124の各々の厚さは、可変であってもよい。カンチレバートランスデューサ122に接続された減衰フィルム124の厚さは、ハウジング110に接続された減衰フィルム124の厚さよりも厚くてもよい。
【0086】
図34は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図34に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122とハウジング110の両方にそれぞれ接続された2つの減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、各減衰フィルム124の一端でハウジング110に接続し、各減衰フィルムの他端でカンチレバートランスデューサ122に接続してもよい。2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面の一部及び下面の一部をそれぞれ覆ってもよい。
図34に示すように、2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面及び下面に60°~90°の間の角度で配置されてもよい。2つの減衰フィルム124とカンチレバートランスデューサ122との重なり部分は、カンチレバートランスデューサ122の固定端以外の一端に近くてもよい。2つの減衰フィルム124の各々の厚さは、一定であり、互いに同じであってもよい。
【0087】
図35は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図35に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122とハウジング110の両方にそれぞれ接続された2つの減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、各減衰フィルム124の一端でハウジング110に接続し、各減衰フィルムの他端でカンチレバートランスデューサ122に接続してもよい。2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面の一部及び下面の一部をそれぞれ覆ってもよい。
図35に示すように、2つの減衰フィルム124は、カンチレバートランスデューサ122の上面及び下面に90°で配置されてもよい。2つの減衰フィルム124の一方とカンチレバートランスデューサ122との重なり部分は、カンチレバートランスデューサ122の固定端以外の一端に近くてもよく、2つの減衰フィルム124の他方とカンチレバートランスデューサ122との重なり部分は、カンチレバートランスデューサ122の中心線に近くてもよい。2つの減衰フィルム124の各々の厚さは、一定であり、互いに同じであってもよい。
【0088】
図36は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図36に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、ハウジング110に接続するカンチレバートランスデューサ122、及びカンチレバートランスデューサ122とハウジング110の両方にそれぞれ接続された6つの減衰フィルム124を含んでもよい。カンチレバートランスデューサ122は、カンチレバートランスデューサ122の一端でハウジング110に固定されてもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、各減衰フィルム124の一端でハウジング110に接続し、各減衰フィルムの他端でカンチレバートランスデューサ122に接続してもよい。6つの減衰フィルム124の各々は、カンチレバートランスデューサ122の上面の一部及び下面の一部を覆ってもよい。
図36に示すように、6つの減衰フィルム124の各々は、カンチレバートランスデューサ122の上面又は下面に90°で配置されてもよい。6つの減衰フィルム124の各々とカンチレバートランスデューサ122との重なり部分は、カンチレバートランスデューサ122の固定端から他端まで分布してもよい。6つの減衰フィルム124の各々の厚さは、一定であり、互いに同じであってもよい。
【0089】
図37は、本開示のいくつかの実施形態による、減衰フィルムを備えないマイクロフォン100と、カンチレバートランスデューサ122の表面に90°で配置された少なくとも1つの減衰フィルム124を含むマイクロフォン100の例示的な周波数応答曲線を示す概略図である。
図37に示すように、少なくとも1つの減衰フィルム124を追加した後、共振周波数は増加し、共振ピークでのQ値は減少する。共振ピーク以外の周波数での感度は、少なくとも1つの減衰フィルム124を追加するか否かに関わらず、一般に一定であってもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、マイクロフォン100は、トランスデューサ122、少なくとも1つの減衰フィルム124、及び少なくとも1つの弾性要素126を含んでもよい。少なくとも1つの減衰フィルムは、トランスデューサ122及び少なくとも1つの弾性要素126にそれぞれ接続されてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロフォン100は、複数のトランスデューサ122及び少なくとも1つの減衰フィルム124を含んでもよい。いくつかの実施形態では、マイクロフォン100は、複数のトランスデューサ122、少なくとも1つの減衰フィルム124、及び少なくとも1つの弾性要素126を含んでもよい。少なくとも1つの減衰フィルムは、トランスデューサ122及び少なくとも1つの弾性要素126にそれぞれ接続されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの弾性要素126及びトランスデューサ122(又は複数のトランスデューサ122)は、所定の分布モードで配置されてもよい。いくつかの実施形態では、上記所定の分布モードは、水平分布モード、垂直分布モード、アレイ分布モード、ランダム分布モードなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの減衰フィルム124は、少なくとも1つの弾性要素126の少なくとも1つの表面の少なくとも一部を覆ってもよい。
【0091】
図38は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図38に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、トランスデューサ122、減衰フィルム124、及び2つの弾性要素126(又は2つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及びトランスデューサ122)を含んでもよい。減衰フィルム124は、トランスデューサ122及び/又は弾性要素126の各々の下面全体を覆ってもよい。減衰フィルム124は、ハウジング110に接続しなくてもよい。
【0092】
図39は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図39に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、トランスデューサ122、減衰フィルム124、及び2つの弾性要素126(又は2つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及びトランスデューサ122)を含んでもよい。減衰フィルム124は、トランスデューサ122及び/又は弾性要素126の各々の下面全体を覆ってもよい。減衰フィルム124は、減衰フィルム124の両端でハウジング110に接続してもよい。
【0093】
図40は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図40に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、2つのトランスデューサ122、減衰フィルム124、及び2つの弾性要素126(又は2つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及びトランスデューサ122)を含んでもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、トランスデューサ122及び/又は弾性要素126の2つの間に挟まれてもよい。減衰フィルム124は、ハウジング110に接続しなくてもよい。
【0094】
図41は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図41に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、2つのトランスデューサ122、減衰フィルム124、及び2つの弾性要素126(又は2つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及びトランスデューサ122)を含んでもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、トランスデューサ122及び/又は弾性要素126の2つの間に挟まれてもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、各減衰フィルム124の両端でハウジング110に接続してもよい。
【0095】
図42は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図42に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、トランスデューサ122、2つの減衰フィルム124、及び2つの弾性要素126(又は2つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及びトランスデューサ122)を含んでもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、トランスデューサ122及び/又は弾性要素126の一端に接続してもよい。例えば、マイクロフォン100は、順に弾性要素126(又はトランスデューサ122)に接続する減衰フィルム124に接続するトランスデューサ122に接続する減衰フィルム124に接続する弾性要素126(又はトランスデューサ122)を含んでもよい。トランスデューサ122、2つの減衰フィルム124、及び2つの弾性要素126(又は2つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及びトランスデューサ122)は、ハウジング110内で類似する「V」字形状を形成してもよい。2つの減衰フィルム124又は2つの弾性要素126(又は2つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及びトランスデューサ122)は、トランスデューサ122の中心線に対して対称であってもよい。2つの減衰フィルム124は、ハウジング110に接続しなくてもよい。
【0096】
図43は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図43に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、トランスデューサ122、4つの減衰フィルム124、及び2つの弾性要素126(又は2つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及びトランスデューサ122)を含んでもよい。2つの減衰フィルム124の各々は、トランスデューサ122及び/又は弾性要素126の一端に接続してもよい。例えば、マイクロフォン100は、順に弾性要素126(又はトランスデューサ122)に接続する減衰フィルム124に接続するトランスデューサ122に接続する減衰フィルム124に接続する弾性要素126(又はトランスデューサ122)に接続する減衰フィルム124を含んでもよい。トランスデューサ122、4つの減衰フィルム124、及び2つの弾性要素126(又は2つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及びトランスデューサ122)は、ハウジング110内で類似する「V」字形状を形成してもよい。4つの減衰フィルム124のうちの2つ又は2つの弾性要素126(又は2つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及びトランスデューサ122)は、トランスデューサ122の中心線に対して対称であってもよい。4つの減衰フィルム124のうちの2つは、ハウジング110にそれぞれ接続してもよい。
【0097】
図44は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図44に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、トランスデューサ122、4つの減衰フィルム124、及び4つの弾性要素126(又は4つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及び3つのトランスデューサ122、又は2つの弾性要素126及び2つのトランスデューサ122、又は3つの弾性要素126及びトランスデューサ122)を含んでもよい。4つの減衰フィルム124の各々は、トランスデューサ122及び/又は弾性要素126の一端に接続してもよい。トランスデューサ122、4つの減衰フィルム124、及び4つの弾性要素126(又は4つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及び3つのトランスデューサ122、又は2つの弾性要素126及び2つのトランスデューサ122、又は3つの弾性要素126及びトランスデューサ122)は、ハウジング110内で類似する「X」字形状を形成してもよい。4つの減衰フィルム124のうちの2つ又は4つの弾性要素126のうちの2つ(又は4つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及び3つのトランスデューサ122、又は2つの弾性要素126及び2つのトランスデューサ122、又は3つの弾性要素126及びトランスデューサ122)は、トランスデューサ122の中心線に対して対称であってもよい。4つの減衰フィルム124は、ハウジング110に接続しなくてもよい。
【0098】
図45は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なマイクロフォン100を示す構造概略図である。
図45に示すように、マイクロフォン100は、ハウジング110、トランスデューサ122、6つの減衰フィルム124、及び4つの弾性要素126(又は4つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及び3つのトランスデューサ122、又は2つの弾性要素126及び2つのトランスデューサ122、又は3つの弾性要素126及びトランスデューサ122)を含んでもよい。4つの減衰フィルム124の各々は、トランスデューサ122及び/又は弾性要素126の一端に接続してもよい。トランスデューサ122、6つの減衰フィルム124、及び4つの弾性要素126(又は4つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及び3つのトランスデューサ122、又は2つの弾性要素126及び2つのトランスデューサ122、又は3つの弾性要素126及びトランスデューサ122)は、ハウジング110内で類似する「X」字形状を形成してもよい。6つの減衰フィルム124のうちの2つ又は4つの弾性要素126のうちの2つ(又は4つのトランスデューサ122、又は弾性要素126及び3つのトランスデューサ122、又は2つの弾性要素126及び2つのトランスデューサ122、又は3つの弾性要素126及びトランスデューサ122)は、トランスデューサ122の中心線に対して対称であってもよい。6つの減衰フィルム124のうちの4つは、ハウジング110に接続してもよい。
【0099】
図46は、本開示のいくつかの実施形態による、トランスデューサ122を含むマイクロフォン100と、トランスデューサ122及び2つの弾性要素126を含むマイクロフォン100の例示的な周波数応答曲線を示す概略図である。
図46に示すように、トランスデューサ122及び2つの弾性要素126を含むマイクロフォン100の周波数応答曲線は、3つの共振ピークを含んでもよい。トランスデューサ122を含むマイクロフォン100の周波数応答曲線は、1つの共振ピークのみを含んでもよい。2つの弾性要素126を含むマイクロフォン100の共振ピークの前の感度は、1つのトランスデューサ122のみを含むマイクロフォン100の感度よりも大きくてもよい。2つの弾性要素126を含むマイクロフォン100の共振ピークの前のQ値は、1つのトランスデューサ122のみを含むマイクロフォン100のQ値よりも小さくてもよい。
【0100】
図47は、本開示のいくつかの実施形態による、トランスデューサ122を含むマイクロフォン100と、2つのトランスデューサ122(1つのトランスデューサ122で出力する)を含むマイクロフォン100の例示的な周波数応答曲線を示す概略図である。
図47に示すように、2つのトランスデューサ122を含むマイクロフォン100の周波数応答曲線は、2つの共振ピークを含んでもよい。トランスデューサ122を含むマイクロフォン100の周波数応答曲線は、1つの共振ピークのみを含んでもよい。2つのトランスデューサ122を含むマイクロフォン100の共振ピークの前の感度は、1つのトランスデューサ122のみを含むマイクロフォン100の感度よりも大きくてもよい。2つのトランスデューサ122を含むマイクロフォン100の共振ピークの前のQ値は、1つのトランスデューサ122のみを含むマイクロフォン100のQ値よりも小さくてもよい。
【0101】
なお、本開示で説明される例示的なマイクロフォンは、単に例示の目的で提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。開示された実施形態の様々な変形例は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般原則は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途にも適用することができる。
【0102】
このように、基本的な概念を説明したが、当業者であれば、本明細書の詳細な開示を読んだ後、前述の詳細な開示が単なる例として提示されることを意図し、限定的なものではないことが明らかであろう。本明細書に明示的に記載していないが、当業者には、様々な変更、改良及び変形が想到され、意図されるであろう。これらの変更、改良及び変形は、本開示に示唆されることを意図し、本開示の例示的な実施形態の精神及び範囲内にある。
【0103】
また、本開示の実施形態を説明するために所定の用語が使用されている。例えば、「一実施形態」、「1つの実施形態」、及び/又は「いくつかの実施形態」という用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書の様々な部分における「1つの実施形態」、「一実施形態」又は「代替実施形態」への2つ以上の参照は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているわけではないことが強調され、理解されるべきである。さらに、特定の特徴、構造及び特性は、本開示の1つ以上の実施形態において適宜組み合わせてもよい。
【0104】
また、当業者によって理解されるように、本開示の態様は、任意の新規で有用なプロセス、機械、製造工程、若しくは物質の組成、又は任意の新規で有用なその改善を含む、いくつかの特許性のある種類又は状況のうちの任意のものにおいて、本明細書において図示及び説明することができる。従って、本開示の態様は、全体的にハードウェア又はソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって実装されてもよく、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実装されてもよく、これらは全て、本明細書では一般に「ブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「コンポーネント」又は「システム」と呼ぶことができる。さらに、本開示の態様は、そこに具体化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する、1つ以上のコンピュータ可読媒体内に具体化されたコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。
【0105】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドで、又は搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードがその中に具現化された伝搬データ信号を含んでもよい。このような伝搬信号は、電磁的、光学的など、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含む様々な形態のいずれをとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではないが、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はこれらに関連して使用するためのプログラムの通信、伝搬、又は伝送が可能な任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータ可読信号媒体に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含む任意の適切な媒体を用いて送信されてもよい。
【0106】
本開示の態様における動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Scala、SmallTalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VBなどのオブジェクト指向プログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。NET、Pythonなど、「C」プログラミング言語、Visual Basic、Fortran 1703、Perl、COBOL 1702、PHP、ABAPなどの従来の手続型プログラミング言語、Python、Ruby、Groovyなどの動的プログラミング言語、又はその他のプログラミング言語がある。上記プログラムコードは、その全体がユーザコンピュータ上で実行されるものであってもよく、その一部がスタンドアローンのソフトウェアパッケージとしてユーザコンピュータ上で実行されるものであってもよく、その一部が上記ユーザコンピュータ上で、他の一部がリモートコンピュータ上で実行されるものであってもよく、その全体が上記リモートコンピュータ又はサーバ上で実行されるものであってもよい。後者の場合、上記リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介して上記ユーザコンピュータに接続されてもよく、この接続は、外部コンピュータ(例えば、インターネットサービスプロバイダを利用したインターネットを介して)やクラウドコンピューティング環境で行われてもよく、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)などのサービスとして提供されてもよい。
【0107】
さらに、処理要素もしくはシーケンスの記述された順序、又は数字、文字、もしくはその他の指定の使用は、特許請求の範囲に指定されている場合を除き、特許請求されるプロセス及び方法をいずれの順序に限定することを意図するものではない。上記開示は、本開示の様々な有用な実施形態であると現在のところ考えられる様々な具体例によって議論されているが、そのような詳細事項は説明のためであるに過ぎず、添付の特許請求の範囲は開示される実施形態に限定されず、むしろ、開示される実施形態の精神及び範囲内の変形及び均等な配置を包含するように意図されることが理解されるべきである。例えば、上述した各構成要素の実装は、ハードウェアデバイスに具現化されてもよいが、ソフトウェア-唯一の解決法-例えば、既存のサーバ又はモバイルデバイスへのインストールとして実装されてもよい。
【0108】
同様に、本開示の実施形態の前述の説明において、様々な特徴は、様々な実施形態のうちの1つ以上の理解を助ける開示を簡略化するために、単一の実施形態、図面、又はその説明にまとめられている場合があることが理解されるべきである。しかしながら、本開示の方法は、特許請求される主題が、各請求項に明示的に記載されたものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映しているものとして解されるべきでない。むしろ、特許請求される主題は、先に開示された単一の実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴を含んでもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、本願の特定の実施形態を説明及び特許請求するために使用される量又は特性を表す数字は、場合によっては、「約」、「近似値」又は「実質的に」という用語によって変更されると理解されるべきである。例えば、「約」、「近似値」又は「実質的に」は、特に明記されていない限り、記載されている値の±20%の変動を示してもよい。従って、いくつかの実施形態では、明細書の記載及び添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは、特定の実施形態によって得られるように求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施形態では、上記数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、そして通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。本願のいくつかの実施形態の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるにも関わらず、特定の例に示される数値は、実行可能な限り正確に報告される。
【0110】
本明細書で参照される、特許、特許出願、公開特許公報、及びその他の資料、例えば、論文、書物、仕様書、刊行物、文献、物などの各々は、それらに関連した任意の出願経過書類、本文書と不一致であるか又は矛盾するそれらのいずれか、あるいは本文書と今又は後ほど関連がある請求項の最も広い範囲に関して制限的な影響を及ばし得るそれらのいずれかを除き、この参照により、その全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。例として、組み込まれている資料のいずれかに関連する記述、定義、及び/又は用語の使用と本文書に関連するものとの間に何らかの不一致又は矛盾がある場合、本文書における記述、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0111】
最後に、本明細書に開示されている本願の実施形態は本願の実施形態の原理を例示するものであることが理解されるべきである。採用され得る他の変更は、本願の範囲内であり得る。従って、限定するものではなく、例として、本明細書における教示に従って本願の実施形態の代替の構成を利用することができる。従って、本願の実施形態は、示され、記載されているものに正確には限定されない。
【符号の説明】
【0112】
100 マイクロフォン
110 ハウジング
120 変換コンポーネント
122 トランスデューサ
122 カンチレバートランスデューサ
124 減衰フィルム
126 弾性要素
130 処理回路