(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】球関節設置を支持するように構成される計測システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20240214BHJP
G01L 5/165 20200101ALI20240214BHJP
【FI】
A61B5/00 L
G01L5/165
(21)【出願番号】P 2021518566
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(86)【国際出願番号】 US2019054538
(87)【国際公開番号】W WO2020072799
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-09-29
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521418414
【氏名又は名称】ホウメディカ・オステオニクス・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Howmedica Osteonics Corp.
【住所又は居所原語表記】325 Corporate Drive Mahwah, NJ 07430, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】トルースデール、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】デセルス、ジョセフ
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-504316(JP,A)
【文献】特表2014-531930(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0196507(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0116805(US,A1)
【文献】特表2014-505517(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0297362(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00- 5/01
A61B 5/06- 5/22
G01L 5/00- 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測デバイスを含む、筋骨格系の球関節に使用されるように構成される関節計測システムであって、
前記計測デバイスは、
前記計測デバイスの
凹状である外部曲面を有する上部ハウジングであって、前記外部曲面は、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含み、前記第1の領域、前記第2の領域、および前記第3の領域の各々は、前記外部曲面の残りの部分に対して突出しており、前記
上部ハウジングは、
前記上部ハウジングの前記外部曲面を前記球関節のボール
の外部曲面に結合
して前記球関節のボールを受容するするように構成される、前記上部ハウジングと、
下部ハウジングであって、前記上部ハウジングは前記下部ハウジングに結合し、ハーメチックシール筐体を形成する、前記下部ハウジングと、
前記第1の領域に結合された第一センサと、
前記第2の領域に結合された第二センサと、
前記第3の領域に結合された第三センサと、
を含み、
前記第一センサ、前記第二センサ、及び前記第三センサはそれぞれ所定の第一半径方向位置、所定の第二半径方向位置、及び所定の第三半径方向位置において前記上部ハウジングの前記外部曲面に結合し、
前記第一半径方向位置、前記第二半径方向位置、及び前記第三半径方向位置は、
前記上部ハウジングの前記外部曲面上において周方向に互いに等間隔で位置しており、前記上部ハウジングの前記外部曲面の曲率中心から等しい半径を有
しており、
前記第一センサ、前記第二センサ、及び前記第三センサは、前記上部ハウジングの前記外部曲面の曲率中心に向かって配向されている、関節計測システム。
【請求項2】
前記第一センサ、前記第二センサ、及び前記第三センサに動作可能に結合される電子回路をさらに含み、
前記電子回路は、計測プロセスを制御し、計測データを伝送するように構成され、
前記電子回路は、前記ハーメチックシール筐体内に置かれる、請求項1に記載の関節計測システム。
【請求項3】
複数のシムをさらに含み、
前記複数のシムの各シムは異なる高さを有し、前記複数のシムの1つのシムは前記計測デバイスの前記下部ハウジングに結合する、請求項1に記載の関節計測システム。
【請求項4】
前記計測デバイスから計測データを受信するように構成されるコンピュータと、
前記計測データを表示するように構成される前記コンピュータに結合されるディスプレイと、
をさらに含む、請求項2に記載の関節計測システム。
【請求項5】
前記ディスプレイは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含み、
前記GUIは、前記計測デバイスの前記外部曲面の画像を提供するように構成され、
前記GUIは、リアルタイムで前記計測データから計算される接点を、前記計測デバイスの前記外部曲面の前記画像に提供するように構成される、請求項4に記載の関節計測システム。
【請求項6】
前記接点での負荷の大きさは、リアルタイムで前記ディスプレイに提供される、請求項5に記載の関節計測システム。
【請求項7】
前記GUIは、前記計測デバイスの前記外部曲面を囲むリムを提供するように構成される、請求項5に記載の関節計測システム。
【請求項8】
インピンジメントが起こるときに前記リムの一部分はハイライトされ、
ハイライトされる前記リムの前記一部分は、インピンジメントが起こった位置に対応する、請求項7に記載の関節計測システム。
【請求項9】
前記GUIは、前記計測デバイスの前記外部曲面の前記画像に少なくとも1つのROMオーバーレイを提供するように構成され、
前記ROMオーバーレイは、前記球関節の所定の運動に対応する少なくとも1つの負荷トラックを有する、請求項5に記載の関節計測システム。
【請求項10】
前記GUIは、所定の運動に対応するモーションバーを提供するように構成され、
前記モーションバーは、前記球関節が前記所定の運動によって動くときに、前記球関節の可動域をグラフィカルに示すように構成される、請求項5に記載の関節計測システム。
【請求項11】
前記モーションバーは、前記所定の運動の前記可動域内の肩関節の位置をリアルタイムで示すように構成される、請求項10に記載の関節計測システム。
【請求項12】
力、圧力、または負荷は、前記計測デバイスの前記外部曲面の前記所定の第一半径方向位置、前記所定の第二半径方向位置、及び前記所定の第三半径方向位置に直交方向に加えられ、
前記第一センサ、前記第二センサ、及び前記第三センサは、反力が回転中心に指向されるように配向される、請求項1に記載の関節計測システム。
【請求項13】
前記計測デバイスは、前記球関節
のソケットを置換するように構成される、請求項1に記載の関節計測システム。
【請求項14】
前記第一センサ、前記第二センサ、及び前記第三センサは、それぞれ、前記計測デバイスの前記外部曲面の前記所定の第一半径方向位置、前記所定の第二半径方向位置、及び前記所定の第三半径方向位置の下にある、請求項1に記載の関節計測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月5日に出願された米国仮出願第62/742,179号、及び2018年10月5日に出願された米国仮出願第62/742,207号の利益を主張し、これらすべては、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、一般に、医用装置及び外科用装置に関し、より具体的には、筋骨格系に関連するパラメータ計測に関する。
【背景技術】
【0003】
哺乳類の筋骨格系は、環境、遺伝、食事、使用状況、及び加齢などの多くの要因により故障する。筋骨格系の関節は、通常、相互に関連して動く2つ以上の骨を含む。運動は、関節に付着した筋組織及び腱によって可能になる。靭帯は、1つ以上の関節骨を位置的に保持し、安定させる。軟骨は、骨と骨の接触を防ぎ、負荷を分散させ、摩擦を低下させる摩耗面である。
【0004】
人間の筋骨格系の修復では、大幅な成長があった。一般に、整形外科用人工関節は、動物試験、実証的エビデンス、シミュレーションデータ、機械的プロトタイプ、及び患者データを使用して、時間の経過とともに進化してきた。整形外科手術に使用されているツールは、長年にわたって改良されてきたが、実質的に変わっていない。したがって、整形外科的な関節の置換についての基本的な手順は、幅広い母集団分布の一般的なニーズを満たすために標準化されている。ツール、手順、及び人工関節は一般的なニーズを満たしているが、各置換手順は患者ごとに著しく多様になる。これらの個々の多様性の補正は、特異的な状況に利用可能なツールを使用して置換用関節を適応させ、嵌合させる外科医のスキルに依存する。プロテーゼ用構成要素または人工関節の設置をサポートするために、リアルタイムで定量的な計測データを提供することは非常に有益である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】例示的な実施形態による人工肩関節の図解である。
【
図2】例示的な実施形態による人工肩関節の図解である。
【
図3】例示的な実施形態による肩関節系中の計測デバイスの図解である。
【
図4A】例示的な実施形態による
図3の計測デバイスを使用する肩関節設置についての流れ図である。
【
図4B】例示的な実施形態による
図3の計測デバイスを使用する肩関節設置についての
図4Aからの流れ図の続きである。
【
図5】例示的な実施形態による構成要素を示す計測デバイスの分解図である。
【
図6】例示的な実施形態による計測デバイスの分解側面図である。
【
図7】例示的な実施形態による下部ハウジングに結合される上部ハウジングの図解である。
【
図8】例示的な実施形態による計測デバイスの断面図である。
【
図9】例示的な実施形態による計測デバイスの筐体の機械的特徴の図解である。
【
図10】例示的な実施形態による上部ハウジングと下部ハウジングとの間のセンサを示す筐体の一部分の断面図である。
【
図11】例示的な実施形態による上部ハウジングの外部曲面を示す計測デバイスの断面図である。
【
図12】例示的な実施形態による下部ハウジング内に形成されるセンサスナップの図解である。
【
図13】例示的な実施形態による、はんだホールを示す下部ハウジングの断面図である。
【
図14】例示的な実施形態による可撓性相互接続部に結合するように構成される下部ハウジング内の支持構造体の図解である。
【
図15】例示的な実施形態による上部ハウジング、下部ハウジング、及び上腕骨トレイの一部分の断面図である。
【
図16】例示的な実施形態による、上部ハウジングを下部ハウジングに結合する計測デバイス上のハウジングスナップの図解である。
【
図17】例示的な実施形態による下部ハウジングから延出するリジッドスナップの図解である。
【
図18】例示的な実施形態による計測デバイス内のOリングの図解である。
【
図19】例示的な実施形態による電子回路を含む下部ハウジングの図解である。
【
図20】例示的な実施形態による可撓性相互接続部の図解である。
【
図21】例示的な実施形態による計測デバイスの図解である。
【
図22A】例示的な実施形態によるコンピュータのディスプレイ上のGUIの図解である。
【
図22B】例示的な実施形態によるインピンジメントを示すGUIの図解である。
【
図23】例示的な実施形態による、計測デバイスからの可動域に関連するセンサ情報を表示するコンピュータに結合されるディスプレイ上のGUIの図解である。
【
図24】例示的な実施形態によるオプション画面の図解である。
【
図25】例示的な実施形態によるGUI380上の可動域(ROM)オーバーレイの図解である。
【
図26】例示的な実施形態によるインピンジメント可動域評価を示すGUIの図解である。
【
図27A】例示的な実施形態による計測デバイスからの計測データの図解である。
【
図27B】例示的な実施形態による、計測データをコンピュータに伝送し、計測データをディスプレイ上に表示する計測デバイスの図解である。
【
図28】例示的な実施形態による
図21に示される通りの計測デバイスの外部曲面の断面図を示す。
【
図29A】例示的な実施形態による、力及び位置を計算するための球座標系の図解である。
【
図29B】例示的な実施形態による、センサ位置に関連する力及び位置の計算の一例である。
【
図30】例示的な実施形態による、センサからの計測データから力の大きさの計算を示す図解である。
【
図31】例示的な実施形態による、センサからの計測データを使用して、計測デバイスの外部曲面上に加えられた負荷の位置の計算を示す図解である。
【
図32】例示的な実施形態による計測デバイス内の電子回路のブロック図である。
【
図33】例示的な実施形態による、システムまたはコンピュータのブロック図である。
【
図34】例示的な実施形態による、計測及び報告のための通信ネットワークの図解である。
【
図35】例示的な実施形態による、肩関節の設置をサポートするロボットの図解である。
【
図36】例示的な実施形態による計測デバイスである。
【
図37A】例示的な実施形態による計測デバイスの上方図である。
【
図37B】例示的な実施形態による外部曲面を示す計測デバイスの図解である。
【
図37C】例示的な実施形態による計測デバイスの側面図である。
【
図37D】例示的な実施形態によるシム内に形成されるアンダーカットを図示する計測デバイスの前方図である。
【
図38】例示的な実施形態による計測デバイスの分解図である。
【
図39】例示的な実施形態による計測デバイスの下部ハウジングのキャビティの図解である。
【
図40】例示的な実施形態による計測デバイスの断面図である。
【
図41A】例示的な実施形態による第一シムを含む計測デバイスを図示する。
【
図41B】例示的な実施形態による第二シムを含む計測デバイスを図示する。
【
図42】例示的な実施形態による、外部曲面の所定の領域に直接装填するように変更されている上部ハウジングの外部曲面の断面図である。
【
図43】例示的な実施形態による計測デバイスを装填するブロック図である。
【
図44】例示的な実施形態による上部ハウジングの外部曲面の異なる領域を示す計測デバイスの図解である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の実施形態(複数可)の説明は、本来例示にすぎず、本発明、その適用、または使用を制限することを決して意図するものではない。
【0007】
図面(複数可)の簡略化及び明確化のために、図中の要素は必ずしも縮尺どおりではなく、概略にすぎず、非限定的であり、異なる図中の同じ参照番号は、特に明記しない限り、同じ要素を示す。さらに、説明の簡略化のために、周知のステップ及び要素の説明及び詳細は省略されている。物品が1つの図中で定義されると、次の図では説明されない、またはさらに定義されないことがあることに留意されたい。
【0008】
特許請求の範囲では、または/及び詳細な説明では、「第一」、「第二」、「第三」などの用語は、類似の要素間で区別するために使用され、必ずしも時間的か、空間的か、順位付けか、任意の他の方法かいずれかの順序を説明するために使用されない。そのように使用される用語が適切な状況下で交換可能であり、本明細書に記載されている、または示されている以外の順序で動作可能であることを理解されたい。
【0009】
当業者によって知られているプロセス、技術、装置、及び材料は、詳細に説明されていないことがあるが、必要に応じて、実施可能な程度の説明の一部であることが意図される。
【0010】
直交デカルト座標のx、y、及びz軸の配向は、x軸及びy軸が所与の位置に平面を規定し、z軸がx-y平面に直交すると仮定される。デバイスのデカルト軸を中心とした回転軸は、ヨー、ピッチ及びロールとして規定される。この段落で規定されるデカルト座標の配向では、ヨー回転軸は、デバイスの本体を通るz軸である。ピッチは、デバイスの長手方向軸の配向を変える。ロールは、デバイスの長手方向軸を中心とした回転である。
【0011】
直交デカルト座標のX、Y、Z軸の配向は、ユーザが最も簡単に関連付けることができる配向を有するコンピュータ画面上でのグラフィカル表示を容易にするように選択される。したがって、デバイス自体が例えば地表から離れた上向きに移動するときは常に、デバイスの画像はコンピュータディスプレイ上で上向きに移動する。同じことは、左方向または右方向への運動にも当てはまる。
【0012】
慣性センサが実施形態の説明では実施可能な程度の例として提供されるが、いずれかの追跡デバイス(例えば、GPSチップ、音響測距、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、傾斜計、MEMSデバイス)は、記載される実施形態の範囲内で使用されることができる。
【0013】
少なくとも1つの実施形態は、運動整形外科用計測システムを対象にし、この運動整形外科用計測システムは、外科医が整形外科用インプラントのアライメント、可動域、負荷、インピンジメント、及び接点をリアルタイムに決定することを支援する。このシステムがあらゆる整形外科手術(例えば、脊髄、肩、膝、股関節、足首、手首、指、足趾、骨、筋骨格など)に一般的であるが、以下の例は、本発明の一実施形態の非限定的な一例として肩の手術を扱う。
【0014】
本明細書に記載の非限定的な実施形態は、整形外科手術に基づく定量的計測に関連し、本明細書では運動システムと称される。運動システムは、外科医または外科チームに視覚的、聴覚的、または触覚的に提供されることができる定量的計測データ及びフィードバックを提供するセンサシステムを含む。運動システムは、肩関節への力、圧力、または負荷に関するリアルタイム動的データと、全可動域を通した接触及び適合性と、インピンジメントに関する情報とを外科医に提供する。
【0015】
一般に、運動学は、体または体のシステムの動きに応じた力の作用の研究である。本明細書に開示されるのは、筋骨格系の運動評価のためのシステムである。運動システムは、プロテーゼ用構成要素の設置のためのものである、または筋骨格系に恒久的に設置された構成要素の監視及び評価のためのものであることができる。例えば、プロテーゼ用構成要素の設置は、デバイスまたは構成要素を受容するために1つ以上の骨面を形成する必要がある場合がある。運動システムは、最終的な関節設置のものと同様に関節に加えられる力に関する、少なくとも負荷、負荷の位置、またはアライメントの定量的計測を行うように設計される。センサ付き計測構成要素は、定量的な計測データを取得している間、靭帯、組織、及び骨が適所にあることを可能にするように設計される。これは、運動学的評価、そしてそれに続く骨の切断によって関節が再構成されると、アライメント、負荷、及び負荷の位置から大幅に変わる可能性がある、運動学的力を骨の切断では考慮するため、重要である。
【0016】
人工関節の設置には、外科医への人工関節の主観的なフィードバックと組み合わせて、定量的な計測データが役立つことができる。定量的計測を使用して、最終的な設置の前に、骨、プロテーゼ用構成要素、または組織への調整を決定することができる。恒久的なセンサは、インプラントの状態に関連する定期的なデータを提供するために、最終的なプロテーゼ用構成要素内に収容されることもできる。手術中、そして長期間、収集されたデータを使用して、外科的設置についてのパラメータ範囲を決定し、今後のプロテーゼ用構成要素を改良することができる。対象となる1つまたは複数の物理パラメータは、アライメント、負荷、力、圧力、位置、変位、密度、粘度、pH、擬似的な加速度、色、運動、粒子状物質、構造健全性、及び局所的な温度を含むことができるが、これらに限定されない。多くの場合、いくつかの計測パラメータを使用して、定量的評価を行う。グラフィカルユーザインタフェースは、計測データの統合をサポートすることができる。パラメータは、体、機器、アプライアンス、媒体、装備または他の物理システム上に、またはこれらの内に位置決めされる無線感知モジュールまたはデバイスによって、1つの軸、または軸の組み合わせに沿った運動、回転、または加速だけでなく、配向、アライメント、方向、変位、または位置に関連して評価されることができる。
【0017】
本明細書は、新規とみなされる本発明の特徴を定義する特許請求の範囲で終了しているが、本発明が、同様の参照番号を繰り越す、描かれている図面と組み合わせて以下の説明の考察からよりよく理解されると考えられる。
【0018】
本明細書では計測デバイスの以下に示される例示的な実施形態は、例示にすぎず、体の他の部分への使用を制限していない。計測デバイスは、少なくとも1つのパラメータを計測する、または筋骨格系へのプロテーゼ用構成要素の設置をサポートするツール、機器、インプラント、または人工器官であることができる。計測デバイスは、骨、膝、股関節、足首、脊椎、肩、手、手首、足、指、足趾、及び筋骨格系の他の領域に使用されることができる。一般に、本明細書に開示される原理は、筋骨格系のすべての位置での使用に適応することが意味される。
【0019】
少なくとも1つの実施形態は、安定性について筋骨格関節の接触位置を調整する、または監視するためのシステムを対象とし、このシステムは、骨に結合された後に回転するように構成されるプロテーゼ用構成要素と、関節面を含むセンサ付き人工器官であって、プロテーゼ用構成要素に結合するように構成されるセンサ付き人工器官とを備える。このセンサ付き人工器官は、関節面に結合される複数の負荷センサと、位置、勾配、回転、または軌道を計測するように構成される位置計測システムと、センサ付き人工器官からの定量的計測データを無線で受信するように構成されるリモートシステムとを備える。このリモートシステムは、関節面を表示し、関節面に加えられた負荷の位置を表示し、筋骨格関節が可動域(ROM)全体を動く場合にインピンジメントを報告するように構成されている。
【0020】
一般に、本明細書に開示される関節計測システムは、筋骨格系の任意の球関節を対象とし、その球関節に使用されることができる。典型的には、第一骨はボール形状の表面で終わり、このボールを受容するカップを含む第二骨内に嵌合する。第一骨のボールが第二骨のカップ内で回転するように第一骨を動かすように、第一骨は、筋肉、腱、靭帯、及び組織によって動かされる。球関節は、筋骨格系内のさまざまな関節の最も広い可動域の一部を有する。例えば、肩関節及び股関節は球関節である。肩関節及び股関節は滑液を含む滑膜関節である。本明細書で以下に開示される例は、リバース型人工肩関節または標準人工肩関節などの肩関節系に関するものである。リバース型人工肩関節及び標準人工肩関節は、関節系の一部分としてカップ及びボールを含む。電子回路及びセンサを含む計測デバイスは、肩関節系のカップの曲面か、ボールの曲面かいずれかに適応することができる。本明細書に開示されている肩関節の例はすべて、股関節にも使用され、股関節のサイズにされることができる。本明細書に開示される計測デバイスは、股関節の寛骨臼カップの曲面に適応させることも、大腿骨頭のボールの曲面に適応させることもできる。
【0021】
図1は、例示的な実施形態による人工肩関節100の図解である。本来の肩関節は、筋骨格系の他の関節と比較すると、広い可動域(ROM)を支持する。肩関節は、上腕骨、肩甲骨、鳥口突起、肩峰、及び鎖骨を含む。肩関節は、滑膜によって包まれており、この滑膜は、滑液を生成し、この滑液は、肩関節を潤滑し、その領域に栄養分を循環させる。肩甲骨は関節窩を含む。関節窩は曲面を有する。上腕骨の近位端は、上腕骨頭を含み、この上腕骨頭は、関節窩に結合して運動を支持し、肩関節の可動域を確立する曲面を含む。上腕骨頸部は上腕骨から伸び、所定の角度で上腕骨頭に結合する。筋肉、腱及び靭帯は、上腕骨、肩甲骨、及び鎖骨に結合して、肩関節を適所に保持し、肩甲骨に対して上腕骨を動かす。
【0022】
人工肩関節100は、上腕骨プロテーゼ材102及び関節窩プロテーゼ材114を含む。上腕骨プロテーゼ材102は、ステム104、頸部106、及び頭部108を含む。頭部108は、人工肩関節100の運動を支持するように構成される外部曲面を有する。一実施形態では、外部曲面は凸状である。上腕骨110の近位端は、上腕骨プロテーゼ材102を受容するように切断される。ステム104は、上腕骨110の髄腔に設置され、上腕骨プロテーゼ材102を上腕骨110に結合する。
【0023】
関節窩プロテーゼ材114は、関節窩構造体118及び保定構造体116を含む。肩甲骨112上の関節窩は、関節窩プロテーゼ材114を受容するように形成されている。関節窩プロテーゼ材114の保定構造体116は、肩甲骨112に結合して関節窩構造体118を保定するように構成される。一実施形態では、関節窩構造体118は関節窩を置換する。関節窩構造体118は、外部曲面を有する。関節窩構造体118は、上腕骨プロテーゼ材102の頭部108に結合して、人工肩関節100の運動を支持するように構成される。一実施形態では、関節窩構造体の外部曲面は凹状である。関節窩構造体118の外部曲面は、上腕骨プロテーゼ材102による負荷の下での運動を支持するために低摩擦である。
【0024】
一実施形態では、関節窩プロテーゼ材114は、試験計測デバイスを含む試験デバイスである。試験計測デバイスを用いて計測を行った後、試験デバイスを取り外し、恒久的な人工器官を設置する。あるいは、関節窩プロテーゼ材114は、保定構造体116に結合されたトレイを含むことができる。関節面を有するベアリングは、トレイに結合するように構成される。一実施形態では、ベアリングをトレイから取り外して、試験計測デバイスと置換することができる。さらなる例は、試験計測デバイスと置換されることができる取り外し可能な上腕骨頭部108である。一実施形態では、上腕骨プロテーゼ材102上の試験計測デバイスは、関節窩構造体118を置換する試験計測デバイスと別々に、またはこれと組み合わせて動作することができる。一般に、試験計測デバイスは、パラメータを計測するように構成される少なくとも1つのセンサを含む。試験計測デバイスは、関節窩プロテーゼ材114または上腕骨プロテーゼ材102と同様の外部曲面及び寸法を有する。一実施形態では、試験計測デバイスによって行われる計測は、人工肩関節100の可動域及び安定性に関連する。
【0025】
図2は、例示的な実施形態による人工肩関節120の図解である。人工肩関節120は、リバース型人工肩関節としても知られている。人工肩関節120は、上腕骨プロテーゼ材122及び関節窩プロテーゼ材130を含む。上腕骨プロテーゼ材122は、ステム124、頸部126、及び上腕骨ライナ128を含む。上腕骨110の近位端は、上腕骨プロテーゼ材122を受容するように切断される。ステム124は上腕骨110の髄腔に設置される。
【0026】
関節窩プロテーゼ材130は、関節窩球体132及び保定構造体134を含む。肩甲骨112の関節窩は、関節窩プロテーゼ材130を受容するように形成されている。関節窩プロテーゼ材130の保定構造体134は、肩甲骨112に結合して、上腕骨プロテーゼ材122に結合する位置に関節窩球体132を保定して保持するように構成される。一実施形態では、関節窩球体132は、肩甲骨112の表面に結合して関節窩を置換するように構成される。関節窩球体132は、上腕骨プロテーゼ材122の上腕骨ライナ128に結合するように構成される曲面を有する。上腕骨の上腕骨頭に対応する関節窩球体が肩甲骨に結合されているため、人工肩関節120はリバース型の肩である。また、肩甲骨112の関節窩に対応する上腕骨ライナ128は、代わりに上腕骨110に結合される。したがって、関節面は逆になっている。一実施形態では、上腕骨ライナ128の外部曲面は凹状である。一実施形態では、関節窩球体132の外部曲面は、上腕骨ライナ128に結合し、人工肩関節120の運動を支持するように凸状である。上腕骨ライナ128の外部曲面は、人工肩関節120の運動を支持するように、負荷を支持し、低摩擦である。
【0027】
一実施形態では、上腕骨ライナ128を取り外して、試験計測デバイスと置換することができる。試験計測デバイスは、上腕骨プロテーゼ材122の頸部に結合されることができる。例えば、上腕骨プロテーゼ材122の頸部126は、上腕骨ライナ128を受容するように構成されるトレイ内で終端することができる。上腕骨ライナ128は、取り外し可能であり、試験計測デバイスと置換されるように構成される。試験計測デバイスは、パラメータを計測するように構成される少なくとも1つのセンサを含む。試験計測デバイスは、上腕骨ライナ128と同様の外部曲面及び寸法を有する。一実施形態では、試験計測デバイスによって行われる計測は、人工肩関節130内の上腕骨プロテーゼ材122の運動、負荷、及び安定性に関連する。一実施形態では、関節窩球体132は、取り外され、少なくとも1つのセンサを含む第二試験計測デバイスと置換されることができる。一実施形態では、第一試験計測デバイスの代わりに、第二試験計測デバイスを使用して、人工肩関節130を評価することができる。一実施形態では、第一及び第二試験計測デバイスの両方を使用して、人工肩関節130を評価するために計測データを提供することができる。最終プロテーゼ用構成要素は、第一または第二試験計測デバイスを使用した後に設置される。一実施形態では、1つ以上の最終プロテーゼ用構成要素は、パラメータを計測するために少なくとも1つのセンサを含むことができる。
【0028】
図3は、例示的な実施形態による肩関節系160における計測デバイス154の図解である。例示的な実施形態では、リバース型肩関節は筋骨格系に示されている。肩関節系160は、コンピュータ162、関節窩球体152、及び計測デバイス154を含む上腕骨プロテーゼ材158を備える。肩甲骨140の形成された骨面に結合される、関節窩球体152が示されている。鎖骨142及び鳥口突起144は、関節窩球体152の配置に関連して示されている。一実施形態では、肩甲骨140の関節窩は、関節窩球体152を受容するように形成される。示されているように、関節窩球体152は、肩甲骨140の形成された骨面146に結合する。関節窩球体152は、肩甲骨140への付着を支持するために、アンカーまたはステムを含むことができる。一実施形態では、ねじを使用して、関節窩球体152を肩甲骨140に結合する。関節窩球体152は、計測デバイス154に結合するように構成される外部曲面を有する。この例では、関節窩球体152は凸面を有する。
【0029】
一実施形態では、上腕骨プロテーゼ材158は、上腕骨150に結合するように構成される。上腕骨150の近位端は、上腕骨プロテーゼ材158を受容するために形成された骨面148を有するように切断される。上腕骨ライナは、低摩擦面を有し、肩関節系160の運動を支持するように構成される。上腕骨ライナは、上腕骨トレイ156を結合するように構成される。この例では、上腕骨ライナは、上腕骨プロテーゼ材158から取り外し可能であるように構成され、
図3では取り外されている。計測デバイス154は、上腕骨トレイ156内の上腕骨ライナを置換する。一実施形態では、計測デバイス154は、上腕骨ライナに等しい寸法であるように構成される。一実施形態では、計測デバイス154の外部曲面は、凹状であり、関節窩球体152の外部曲面に結合するように表されている。計測デバイス154は、少なくとも1つのセンサ及び電子回路を含み、これらのセンサ及び電子回路は、計測プロセスを制御し、肩関節系160の近くでコンピュータ162に計測データを送信するように構成される。一実施形態では、計測デバイス154は、位置計測システムをさらに含むことができ、この位置計測システムは、位置または運動を計測するように構成される。少なくとも1つのセンサは、肩関節系160の設置をサポートするために対象となるパラメータを計測する。典型的には、コンピュータ162は、肩関節系160が設置されている手術野外側の手術室内にある。ディスプレイ164は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含み、このGUIは、手術チームが計測データを迅速に適応させて、設置を改善する変更を検証する、調整する、または行うことができる、グラフィカル方式で計測データを提示することをサポートする。
【0030】
一般に、肩関節系160の少なくとも1つの構成要素は、計測能力を有する。この例では、肩関節系160は、計測デバイス154を有するリバース型ショルダーシステムである。計測デバイス154は、上腕骨プロテーゼ材及び関節窩プロテーゼ材を含む標準的な肩関節系での使用に適応することができる。また、センサは、標準的な肩関節系の上腕骨プロテーゼ材及び関節窩プロテーゼ材の一方または両方に配置されることができる。計測デバイス154は、肩関節形成術に限定されない。計測デバイス154は、股関節、膝、脊椎、骨、足首、手首、指、足趾、及び筋骨格系の他の部分に対する使用に適応することができる。
【0031】
定量的な計測データは、手術中に肩関節を運動学的に評価して最適化するために必要とされる。計測デバイス154は、肩を動かし、肩の可動域に影響するさまざまな軟組織上の張力の調整をサポートする定量的計測データを、外科医または外科チームにリアルタイムで送達する。一実施形態では、計測デバイス154は、対応する恒久的な人工器官と実質的に等しい寸法である一時的な、または試験的なデバイスである。最終人工関節内の計測デバイス154を置換する恒久的な人工器官は、計測デバイス154によって提供される計測データと同様に計測する。
【0032】
肩関節系160は、可動域(ROM)全体で、計測デバイス154によって計測されることが行われる。例えば、上腕骨150の位置、関節窩球体152によって計測デバイス154に加えられる負荷の大きさ、及び関節窩球体152が計測デバイス154に結合する接点は、ROM全体でリアルタイムに計測されることができる。肩甲骨のノッチングは、肩関節の設置における一般的な合併症である。ノッチングは、上腕骨プロテーゼ材158と下にある肩甲頚との間の接触の繰り返しが原因であり、溶骨反応を引き起こし、結果としてポリエチレン破片をもたらす。インピンジメントが検出されるときに、肩甲骨のノッチングが起こるのを防ぐために、肩関節系160への調整を行うことができる。可動域及び負荷を監視し、肩の運動を可能にするさまざまな軟組織要素上の張力を調整するべきかどうかを決定する。定量的計測データを使用する軟組織への調整は、インピンジメントを減少させ、または除去し、肩関節での安定性を高め、肩の可動域を広げることができる。より具体的には、これらの計測を使用してインプラントの位置不良を減らし、肩甲下筋の質を改善し、肩関節の筋肉の張力を調整することによって、安定性を強化する。肩甲上腕関節での軟組織の適切な圧縮力は、リバース型全肩関節形成術での安定性を有意に改善することがわかった。さらに、上腕骨を側方化するプロテーゼ設計は、回旋腱板の張力をより良くし、三角筋ラッピングをより多く達成するため、本質的に安定性を高める。
【0033】
図4Aは、例示的な実施形態による
図3の計測デバイス154を使用する肩関節設置についての流れ
図170である。この例では、流れ
図170に開示されている計測デバイスは、計測デバイス154に対応し、上腕骨プロテーゼ材に嵌合するように構成される。計測デバイスは、少なくとも1つのセンサを含み、少なくとも1つのパラメータを計測するように構成される。一実施形態では、計測デバイスは、計測データをコンピュータに送信する。計測データは、コンピュータに結合されるディスプレイ上でリアルタイムに見直されることができる。一実施形態では、計測デバイスは、上腕骨切断直後などの手術での早期に機能を可能にするために張力調整装置とも互換性がある。計測デバイスは、単一の計測デバイスが母集団のかなりの部分をサポートすることができる、さまざまなサイズの筋骨格系及び肩関節系をサポートする。一実施形態では、計測デバイスは、特別なツールなしで上腕骨の試験及びインプラントに設置されることができる。同様に、計測デバイスは、特別なツールなしで上腕骨の試験及びインプラントから取り外されることができる。
【0034】
例えば、この方法で使用されることができる当該技術分野で知られているステップなど、すべてのステップは列挙されていないことがある。また、本明細書に列挙されているステップは、特定の順序を意味しておらず、用途に応じて異なる順序で実施されることができる。ステップ172では、肩は上腕骨へのアクセスを得るために露出される。ステップ174では、上腕骨の近位端は、上腕骨側を形成するように切断される。一実施形態では、この切断は、所定の角度で行われる。一実施形態では、上腕骨の形成された骨面は、上腕骨プロテーゼ材を受容するように構成される。上腕骨プロテーゼ材のステムは、上腕骨の髄腔に設置され、所定の位置に置かれている。上腕骨プロテーゼ材は、ステムプロテクタも含むことができる。ステップ176では、関節窩プロテーゼ材は、インプラント術のために形成される。一実施形態では、1つ以上の骨切断または骨修正は、関節窩プロテーゼ材を受容するために肩甲骨に行われる。ステップ178では、関節窩プロテーゼ材を設置し、肩甲骨に結合する。ステップ180では、試験インプラントを上腕骨に結合する。ステップ182では、肩の用途のために計測デバイスのサイズを決定する。一実施形態では、異なるサイズの計測デバイスを選定のために提供することができる。あるいは、適切なサイズに計測デバイスを組み立てるために、さまざまなアダプタを提供することができる。ステップ184では、計測デバイスを作動させる。ステップ186では、適切な上腕骨オプションのために計測デバイスを組み立てる。計測デバイスは、上腕骨プロテーゼ材の上腕骨の頸部角度を変えることができるように調整されるように構成される。例えば、肩関節の可動域に影響するように、異なるオフセット(0、2.5、または5度)などを選択することができる。ステップ188では、上腕骨トレイ及び計測デバイスは、上腕骨プロテーゼ材の上腕骨ステムに結合される。このように、関節窩プロテーゼ材、及び計測デバイスを含む上腕骨プロテーゼ材は、それぞれ肩甲骨及び上腕骨に設置されている。ステップ190では、肩は縮小されている。計測デバイスが計測データをコンピュータに送信している間、肩は適所にある。ディスプレイはコンピュータに結合して、外科医または外科チームにリアルタイムで計測データを表示する。
【0035】
ステップ192では、肩は、可動域(ROM)全体で評価される。一実施形態では、肩を1つ以上の所定の動きによって動かし、計測データを通じて、人工肩関節の設置に関するあらゆる問題を示す。計測デバイスは、計測デバイス内の1つ以上のセンサからコンピュータに計測データを送信する。外科医または外科チームにリアルタイムで計測データを表示する。一実施形態では、計測データの一部は、コンピュータによって処理され、コンピュータのディスプレイ上にグラフィカルに表示されて、外科チームによる計測データへの迅速な適応をサポートする。ステップ194では、計測デバイスからの計測データに基づいて、臨床的に適切な調整を行う。
【0036】
図4Bは、例示的な実施形態による
図3の計測デバイス154を使用する肩関節設置についての
図4Aからの流れ
図170の続きである。ステップ196では、上腕骨トレイ試験インプラント、及び計測デバイスを、上腕骨プロテーゼ材から取り外す。ステップ198では、上腕骨トレイインプラントを上腕骨プロテーゼ材に設置する。一実施形態では、上腕骨トレイインプラントは、最終インプラントであり、試験装置ではない。ステップ200では、設置用計測デバイスを上腕骨プロテーゼ材に結合する。一実施形態では、計測デバイスを上腕骨トレイインプラントに結合する。一実施形態では、計測デバイスが試験インプラント内にあったときに取得された計測データと、上腕骨トレイ内の計測デバイスによって取得された計測データが実質的に等しくなるように、試験インプラントは、上腕骨トレイインプラントと類似した寸法である。ステップ202では、肩関節は縮小されている。
【0037】
ステップ204では、肩は、ROM全体で動かされる。計測デバイスは、計測データをコンピュータに送信し、ディスプレイに表示する。計測データは、上腕骨プロテーゼ材に結合される恒久的な上腕骨トレイインプラントを使用する以前の臨床的に適切な調整を検証するために、外科医または外科チームによって見直される。一実施形態では、ROM結果及び定量的計測データに基づいて肩関節を改善する、または改良するために、さらに臨床的に適切な調整を行うことができる。ステップ206では、恒久的な上腕骨トレイインプラントから計測デバイスを取り外す。一実施形態では、計測デバイスは、手術が完了した後に廃棄される使い捨てデバイスである。ステップ208では、上腕骨ライナを上腕骨トレイインプラントに結合する。上腕骨ライナは、関節窩インプラントに結合するように構成される曲面を有する。上腕骨ライナは、計測デバイスと実質的に等しい寸法である。上腕骨ライナは、低摩擦面を有し、この低摩擦面によって、可動域全体で肩に加えられる負荷に耐えることができる。ステップ210では、肩関節は縮んでいる。ステップ212では、創傷は、恒久的な肩のプロテーゼ用構成要素が適所にある状態で閉じられる。恒久的な肩は、計測デバイスを用いて計測され調整されたものと同等にうまく機能する。
【0038】
図5は、例示的な実施形態による構成要素を示す計測デバイス154の分解図である。一般に、計測デバイス154は、関節のアウトカム、インピンジメント、安定性、及び可動域に影響する臨床パラメータを対象とした定量的計測データを生成する。この例では、計測デバイス154は、肩関節、及びより具体的にはリバース型肩関節で使用されるように構成される。計測デバイス154は、リバース型肩関節に見られる負荷を表す、機能的負荷範囲及び最大負荷範囲を計測するように構成される。計測デバイス154は、肩関節が試験されているときに、上腕骨ライナに結合する関節窩球体に関連する関節の力を検出して報告するように構成される。計測デバイス154は、上腕骨プロテーゼ材の動き及び配向を検出するセンサを含む。計測デバイス154は、上腕骨ライナに関して下方のインピンジメントを検出するように構成される。計測デバイス154は、上腕骨ライナに関して上方のインピンジメントを計測するように構成される。計測デバイスは、肩関節に結合される軟組織、どの軟組織を評価する必要があるか、及び軟組織を調整した結果の理解をサポートする。一実施形態では、肩関節に結合される異なる軟組織の張力を評価し、最適な安定性をもたらす所定の範囲内で個別に調整することができる。計測デバイス154は、ディスプレイを含むコンピュータに結合するように構成される。一実施形態では、コンピュータ及びディスプレイは、計測デバイス154からの計測データを報告する、外科チームを考慮して手術室内にある。通常、コンピュータ及びディスプレイは、手術室の滅菌野外側に置かれている。計測デバイス154は、手術室内の通信をサポートするが、手術室外側の高度な減衰信号をサポートするために低電力トランシーバを含む。伝送を暗号化して計測データが読み取られることを防ぐことで、通信がセキュアであることができる。
【0039】
計測デバイス154及びコンピュータは、最小のラグまたは遅延で負荷及びモーションデータを提供する。一実施形態では、ラグまたは遅延は、通常、2秒未満である。一実施形態では、計測デバイス154は、1回の使用のために設計され、滅菌包装内に提供される。一実施形態では、計測デバイス154内の電源は、1回の使用に十分な電力を有するが、2回の使用に電力を供給することはできない。一実施形態では、計測デバイス154を開いて電源を交換することはできない。一実施形態では、計測デバイス154についての機能寿命は、外科的環境において約1時間から数時間である。計測デバイス154は、生体適合性材料を含む。一実施形態では、計測デバイス154は、最適な性能を確保するために、滅菌包装前に試験され、較正される。
【0040】
計測デバイス154は、上部ハウジング220及び下部ハウジング222を含む。上部ハウジング220及び下部ハウジング222は、合わせて結合して、ハーメチックシールされた筐体を形成するように構成される。センサ230、電子回路236、及びPC基板234は、筐体内にハーメチックシールされる。この例では、上部ハウジング220は、肩関節の運動を支持するために関節窩球体の外部曲面に結合するように構成される外部曲面224を有する。上部ハウジング220は、外部曲面224に結合するリム242をさらに含む。一実施形態では、上部ハウジング220及び下部ハウジング222は、上部ハウジング220を下部ハウジング222に保持するために、対応する保定特徴を有する。あるいは、開口部226を通してねじを配置し、上部ハウジング220を下部ハウジング222に結合することができる。下部ハウジング222は、上腕骨プロテーゼ材の上腕骨トレイに結合するように構成される取り付け構造体240を含む。また、グルーまたは接着剤を使用して、上部ハウジング220を下部ハウジング222に結合することができる。取り付け構造体240は、上腕骨プロテーゼ材に対して筐体のアライメントを取り、この筐体を保定する。下部ハウジング222は、上部ハウジング220から構造体を受容するように構成される開口部254を含む。開口部254は、上部ハウジング220を下部ハウジング222に保持するために、ねじを受容するように構成される補強領域で終端する。可撓性相互接続部228は、プリント回路(PC)基板234に結合するように構成される。可撓性相互接続部228は、センサ230を電子回路236に結合する。一実施形態では、電子部品は、PC基板234に取り付けられる。PC基板234は、電子部品を結合して電子回路を形成するための相互接続部を含み、この電子回路は、計測プロセスを制御し、計測データを伝送するように構成される。
【0041】
一実施形態では、センサ230は、可撓性相互接続部228内に形成される。センサ230は、可撓性相互接続部228内で、またはこの上で同時に形成される場合、正確に複製され、同様の特性を有することができる。基準センサ232もまた、可撓性相互接続部228内に、またはこの上に形成されることができる。例えば、センサ230は、負荷センサであることができる。負荷センサは、弾性コンデンサ、MEMSデバイス、機械的構造体、油圧構造体、空気膜構造体、ひずみゲージ、トランスデューサ、または圧電構造体であることができる。負荷センサは、負荷に結合されると、この負荷を電気信号に変換し、この電気信号を、可撓性相互接続部228を介して電子回路236に提供する。あるいは、センサ230は、可撓性相互接続部228に結合される別個のセンサであることができる。この例では、負荷センサとしてのセンサ230は、弾性コンデンサ、MEMSデバイス、または圧電構造体である。センサ230は、上部ハウジング220と下部ハウジング222との間に結合する。一実施形態では、センサ230は、下部ハウジング222の内面244の隆起領域238に結合する。隆起領域238は、それぞれ、下部ハウジングの内面244と同一平面上にない表面を有する。一実施形態では、隆起領域238と同数のセンサ230がある。例えば、3つの負荷センサを使用して、外部曲面224に加えられる負荷を計測する。肩関節の関節窩球体によって上部ハウジング226の表面224に加えられる負荷は、センサ230を圧縮するように構成される。一実施形態では、上部ハウジング220を下部ハウジング222に結合する開口部226内のねじを調整して、センサ230を予圧することにより、センサ230を、計測デバイス154に加えられる負荷範囲についての線形動作領域内に配置することができる。また、計測デバイス154は、各センサが計測することができる最適な性能を確保する較正プロセスと、負荷範囲全体に線形動作を確保するためにセンサ計測に適用される補正とを経て置かれることができる。補正をメモリに格納し、これらの補正を使用して、システムの各センサを補正することができる。
【0042】
図6は、例示的な実施形態による計測デバイス154の分解側面図である。一実施形態では、側面図は、取り付け構造体240の底面に対して所定の角度で、上部ハウジング220が下部ハウジング222に結合することを示す。電子回路236、PC基板234、可撓性相互接続部228、及びセンサ230は、上部ハウジング220及び下部ハウジング222によって形成される筐体内に収容される。一実施形態では、電子回路236及びPC基板234は、下部ハウジング222の内部のキャビティ内に置かれる。可撓性相互接続部228は、PC基板234上に取り付けられるコネクタに結合し、センサ230を電子回路236に結合する。上部ハウジング220の内面256は、隆起領域252を含む。隆起領域252は、センサ230に結合するように構成されるセンサパッドである。隆起領域252は、それぞれ、上部ハウジング220の内面256と同一平面上にない表面を有する。一実施形態では、センサ230と同数の隆起領域252がある。
【0043】
上部ハウジング220は、ねじ、保定機構、接着剤、溶接、電気的手段、磁気的手段、または他のシーリング及び締結方法によって下部ハウジング222に結合されることができる。上部ハウジング220及び下部ハウジング222は、ポリマー、セラミック、金属、金属合金、または筋骨格関節の負荷を支持することができ、低摩擦面を提供する材料を含むことができる。一実施形態では、外部曲面224が低摩擦であるように、上部ハウジング220を含む材料は低摩擦である。あるいは、低摩擦コーティングを上部ハウジング220に接着して、または塗布して、低摩擦の外部曲面224を提供することができる。本明細書で上記に示される例では、上部ハウジング220は、ねじによって下部ハウジング222に結合する。上部ハウジング220は、
図5の開口部254に対応する構造体250を含む。一実施形態では、構造体250は、形状が円筒形である。開口部226を通して置かれる、ねじは、対応する構造体250を通して結合する。構造体250は、ねじを受容するように構成される上部ハウジング220の補強領域である。一実施形態では、構造体250は、上部ハウジング220の下部ハウジング222に対するアライメントを取る。上部ハウジング220の構造体250が下部ハウジング222の表面244上の開口部254に結合するように、上部ハウジング220は下部ハウジング222にアライメントを取る。一実施形態では、開口部254は、下部ハウジング222の補強領域で終端する。ねじは、構造体250を介して下部ハウジング222内の補強領域中に結合して、上部ハウジング220を下部ハウジング222に保持する。前述されるように、ねじは、最適な性能のために筐体及びプリロードセンサ230を封止するように調整されることができる。
【0044】
図7は、例示的な実施形態による下部ハウジング222に結合される上部ハウジング220の図解である。上部ハウジング220は、下にある電子回路236、可撓性相互接続部228、及びセンサ230を示すために透明である。ねじは、開口部226内に置かれ、下部ハウジング222に結合し、上部ハウジング220を下部ハウジング222に保持する。一実施形態では、3つのねじを使用して、上部ハウジング220を下部ハウジング222に保持する。
【0045】
センサ230は、上部ハウジング220の隆起領域252に結合して示されている。
図6を簡単に参照して、隆起領域252は、上部ハウジング220の内面256上に形成される。
図5を簡単に参照して、センサ230は、下部ハウジング222の内面244上の隆起領域238にも結合する。一実施形態では、隆起領域252及び隆起領域238は、センサ230の面積以上の面積を有する。可撓性相互接続部228は、筐体内でセンサ230を電子回路236に結合する。一実施形態では、センサ230は、上部ハウジング220の外部曲面224に加えられる負荷を計測するように構成される3つのセンサを含む。一実施形態では、3つのセンサは、互いから等距離にあり、外部曲面224の下にある上部ハウジング220のリム242に隣接して位置している。各センサ230は、外部曲面224上の所定の位置に置かれている。上部ハウジング220の表面224に加えられる圧力は、所定の位置で隆起領域252と隆起領域238との間でセンサ230を圧縮する。センサ230からの計測データは、手術室内で
図3に示される計測デバイス154からコンピュータ162に送信される。較正データを使用して、伝送前の計測デバイス154で、または
図3のコンピュータ162でセンサ230の計測された出力を調整することができる。コンピュータ162は、計測データに関連する情報を提供するように構成されるディスプレイ164を含む。一実施形態では、コンピュータ162は、センサ230からの計測データから、外部曲面224上の接点での負荷の大きさを計算するように構成される。この例では、接点は、リバース型肩関節の関節窩球体に結合する外部曲面224の面積または領域である。さらに、コンピュータ162は、センサ230からの計測データから、外部曲面224上の接点と、外部曲面224上のセンサの位置とを計算する。一実施形態では、計測データは、位置または動き計測システムからのデータを含むことができる。位置または動き計測システムは、電子回路236の一部である。一実施形態では、位置計測システムは、1つ以上の慣性センサを含む。位置計測システムからのデータを使用して、コンピュータ162によって実行され、ディスプレイ164上に表示される計算及び提示をサポートすることができる。
【0046】
出力をさらに線形化するために、計測デバイス154を包装して滅菌する前に、センサ230を試験し、較正することができる。較正プロセスの一部として、異なる値でねじにトルクをかけ、センサ230をプリロードすることができる。センサ230のプリロードは、動作の線形領域におけるセンサ230の動作をサポートすることができる。較正データを、電子回路236の一部としてのメモリに格納し、この較正データを使用して、センサ230の非線形性を補正して、より正確な計測データを提供することができる。較正プロセスでは、外部曲面224が除荷されるときに、センサはゼロにされる、またはゼロを計測する。
【0047】
図8は、例示的な実施形態による計測デバイス154の断面図である。キャビティ260は、上部ハウジング220が下部ハウジング222に結合するときに形成される。プリント回路基板234上の電子回路236は、キャビティ260内に置かれる。キャビティ260は、電子回路236及びPC基板234のアライメントを取り、これらを保定するために、少なくとも1つの保定装置を含む。一実施形態では、センサ230は、可撓性相互接続部238内に、またはこの上に形成される。可撓性相互接続部238は、センサ230を所定の位置に置くようにパターン化される、または形成される。示されるように、可撓性相互接続部238は、上部ハウジング222の隆起領域252と、下部ハウジング222の隆起領域238との間にセンサ230を置き、結合する。一実施形態では、支持構造体262は、下部ハウジング222から上部ハウジング220に向かって延出して、計測デバイス154内の中央に可撓性相互接続部238を保定することができる。
【0048】
図9は、例示的な実施形態による計測デバイス154の筐体の機械的特徴の図解である。計測デバイス154は、電子回路及び1つ以上のセンサのための筐体を形成する上部ハウジング220及び下部ハウジング222を含む。示されるように、上部ハウジング220は、下部ハウジング222内の下にある特徴を示すために透明な材料を含む。一実施形態では、上部ハウジング220及び下部ハウジング222は、生体適合性材料を含む。一実施形態では、上部ハウジング220及び下部ハウジング222は、ポリマー材料で成形される、または3Dプリントされることができる。
【0049】
隆起領域238は、下部ハウジング222の内面244に形成される。隆起領域238は、下部ハウジング222の内面244より上に延出するセンサプラットフォームである。一実施形態では、各隆起領域238は、対応するセンサに結合する。この例では、3つの隆起領域238は、内面244に形成される。一実施形態では、センサ230は、可撓性相互接続部228内に形成される直径約4ミリメートルのコンデンサである。一実施形態では、コンデンサは、可撓性相互接続部228内の誘電体材料によって分離される、第一相互接続部及び第二相互接続部によって形成されることができる。一実施形態では、誘電体材料はポリイミドであることができる。一実施形態では、コンデンサを遮蔽して、コンデンサへの静電容量または信号の寄生カップリングを最小にすることができる。一実施形態では、隆起領域238は、センサ230を支持するために4ミリメートル以上である。センサスナップ270は、隆起領域238に近接する下部ハウジング222の内面244上の切り欠き部である。センサスナップ270の切り欠き部は、対応する隆起領域238上にセンサ230を保定することを支持する。
【0050】
はんだホール272は、下部ハウジング222内の切り欠き部であり、この切り欠き部は、筐体内のバッテリを結合するために使用される相互接続部を収容する。フレックススナップ274は、
図6に示される可撓性相互接続部228を下部ハウジング222に保定するように構成される保定機構である。一実施形態では、フレックススナップ274は、支持構造体262上に形成される1つ以上の柱状部を含む。可撓性相互接続部228は、1つ以上の柱状部に対応する1つ以上の開口部を有する。支持構造体262に対して可撓性相互接続部228のアライメントを取り、これを保定するように、フレックススナップ274を可撓性相互接続部228の対応する開口部に押し込む。一実施形態では、可撓性相互接続部228は、下部ハウジング222のリジッド切り欠き部282より上に吊設される。一実施形態では、リジッド切り欠き部282は、下部ハウジング222内の大きな切り欠き領域である。
図8に示されるような電子回路236及びPC基板234は、リジッド切り欠き部282内に置かれることができる。リジッドスナップ280は、PC基板234を下部ハウジング222に保定するように構成される保定機構である。一実施形態では、リジッドスナップ280は、1つ以上の柱状部であることができ、これらの柱状部は、PC基板234のアライメントを取り、このPC基板を保定するために、PC基板234内の1つ以上の開口部を介して結合するように構成される。一実施形態では、上部ハウジング220及び下部ハウジング222は、上部ハウジング220を下部ハウジング222に結合するために保定機構を含む。一実施形態では、Oリングを使用して、筐体をハーメチックシールする。一実施形態では、Oリングは、下部ハウジング222に周方向に結合する。一実施形態では、Oリングを下部ハウジング222に固定させる。一実施形態では、ハウジングスナップ278は、下部ハウジング222の外部上の1つ以上の雄型保定機構である。ハウジングスナップ278は、下部ハウジング222に対して上部ハウジング220のアライメントを取り、これを保定するために、上部ハウジング220上の1つ以上の対応する開口部を介して結合する。一実施形態では、Oリングは、可撓性材料から作製され、ハウジングスナップ278によって保定されるときに、圧縮し、上部ハウジング220の表面、及び下部ハウジング222の表面を封止する。可撓性Oリングは、上部ハウジング220の表面、及び下部ハウジング222の表面を圧縮して封止する。圧縮されたOリングは、上部ハウジング220内の対応する開口部内にハウジングスナップ278を保持する力を加える。トレイリム276は、下部ハウジング222上の突出部であり、
図3に示されるように、上腕骨プロテーゼ材158の上腕骨トレイ156に結合し、計測デバイス154に加えられる負荷を上腕骨トレイに伝達する。
【0051】
図10は、例示的な実施形態による上部ハウジング220と下部ハウジング222との間のセンサ230を示す筐体の一部分の断面図である。この例では、上部ハウジング220の外部曲面224は、
図3に示されるように、関節窩球体152の外部曲面に結合する。一実施形態では、センサ230は、
図7に示されるように、可撓性相互接続部228に統合される弾性静電容量センサである。一実施形態では、弾性静電容量センサは、約0.012インチの厚さである。センサ230は、計測面積を最大にするために、外部曲面224の下にある上部ハウジング220のリム242に隣接して位置している。弾性静電容量センサは、上部ハウジング220及び下部ハウジング222の組み立て後に係合される。0.010インチの厚さのギャップを上部ハウジング220及び下部ハウジング222内に設計し、上部ハウジング220及び下部ハウジング222が合わせて結合されるとき、センサ230をプリロードする。一実施形態では、上部ハウジング220の内面256上の隆起領域252は平らである。センサ230は、隆起領域252に結合する。一実施形態では、内面244の隆起領域238もまた平らである。センサ230は、隆起領域238に結合する。この例では、センサ230は、上部ハウジング220が下部ハウジング222に結合されるときに、センサ230が0.002インチまで圧縮されるように、上部ハウジング220及び下部ハウジング222のそれぞれの隆起領域252と隆起領域238との間に結合される。隆起領域252及び238の平らな表面がセンサ230のヒステリシスを減少させることで、より正確な負荷計測に通じることがわかった。さらに、表面粗さが負荷計測に影響することがわかった。一実施形態では、平らな表面は、計測の一貫性を改善するために滑らかに形成される。
【0052】
図11は、例示的な実施形態による上部ハウジング220の外部曲面224を示す計測デバイス154の断面図である。曲面224は、
図3に示されるように、関節窩球体152の外部曲面に結合するように構成される。一実施形態では、センサ230は、上部ハウジング220の下にある3つのセンサを含む。3つのセンサは、上部ハウジング220のリム242の近くの外部曲面224の下に位置している。3つのセンサは互いから等間隔に配置される。一実施形態では、上部ハウジング220及び下部ハウジング222上のそれぞれの隆起領域252及び238は、上部ハウジング220の外部曲面224の周りでセンサ230を可能な限り高く配置するために、リム242の近くに位置している。センサ230をリム242の近くに配置することは、外部曲面224上で計測されることができる感知面積を最大にする。一実施形態では、3つのセンサは、関節窩球体軸290から44度に置かれる。外部曲面224の軸292は、関節窩球体軸290に対して示される。この例では、矢印294及び296は、関節窩球体軸290から44度であり、センサ230の位置を示す。
【0053】
図12は、例示的な実施形態による下部ハウジング222内に形成されるセンサスナップ270の図解である。センサスナップ270は、切り欠き部300及び翼部302を含む。センサ230は、計測中の運動を妨げるような方法で下部ハウジング222に結合される。センサ230のいずれかの運動が、計測データに誤差をもたらす。この例では、可撓性相互接続部228に形成される弾性コンデンサセンサの運動は、静電容量計測にゆらぎを生じる。一実施形態では、翼部302は、センサ230の対向する側部上の可撓性相互接続部228内に形成される。切り欠き部300は、下部ハウジング222の内面244内に形成される。切り欠き部300は、センサ230の近くに形成される翼部302に対応する。翼部302は、切り欠き部300に圧入されて、隆起領域238上でセンサ230のアライメントを取り、このセンサを保定し、計測中にセンサ230の動きを防止する。翼部302を切り欠き部300に圧入することは、組み立て時間を短縮するという追加の利点を有する。切り欠き部300の代替物として、下部ハウジング222の内面244から延出するポストを形成することができる。ポストは、センサ230に近接してセンサ230の対向する側部上に形成される。ポストは、可撓性相互接続部228内の対応する開口部に結合して、隆起領域238上のセンサ230のアライメントを取り、このセンサを保定し、このセンサの動きを防止する。動きを防止するためのさらなる手段は、センサ230を隆起領域238にグルーで接着する、または翼部302を切り欠き部300内にグルーで接着する、またはセンサ230及び翼部302の両方をそれぞれ隆起領域238及び切り欠き部300にグルーで接着することである。
【0054】
図13は、例示的な実施形態による、はんだホール272を示す下部ハウジング222の断面図である。はんだホール272は、PC基板234に結合する、はんだ付けバッテリ接続部310のための下部ハウジング222内の切り欠き部である。示されるように、はんだホール272は、PC基板234の下にある。はんだ付けバッテリ接続部310は、バッテリ312をPC基板234の底面に結合して、電子回路236に電力を供給する。一実施形態では、はんだホール272は、PC基板234が下部ハウジング222の内底面上に平らに置かれることを可能にする。はんだホール272は、バッテリ312を位置決めして、支持構造体262への可撓性相互接続部223の結合を可能にする。
【0055】
図14は、例示的な実施形態による可撓性相互接続部228に結合するように構成される下部ハウジング222内の支持構造体262の図解である。一実施形態では、支持構造体262は、下部ハウジング222の内底面から延出する。支持構造体262は、
図9に示されるように、リジッド切り欠き部282内の中央に位置している。一実施形態では、可撓性相互接続部228は、支持構造体262に剛結合される。支持構造体262は、フレックススナップ274を含む。フレックススナップ274は、支持構造体262から延出する柱状部である。可撓性相互接続部228は、フレックススナップ274に対応する開口部を有する。一実施形態では、フレックススナップ274は、相互接続部228内の開口部よりもサイズが大きい、またはこれらの開口部よりも大きい。可撓性相互接続部228の開口部をフレックススナップ274上に押し付け、可撓性相互接続部を支持構造体262に圧入する。
【0056】
あるいは、ピンを使用して、可撓性相互接続部228を支持構造体262に結合することができる。支持構造体262及び可撓性相互接続部228の両方は開口部を含む。ピンを使用して、可撓性相互接続部228内の開口部に通して、支持構造体262内の開口部に結合することができる。一実施形態では、これらのピンは、支持構造体262に可撓性相互接続部228を保定する、しまりばめとして、支持構造体262の開口部に締結する。また、接着剤を使用して、支持構造体262にピンを保持することができる。
【0057】
一実施形態では、支持構造体262の表面は、下部ハウジング222の底面に対して平面または平行ではない。この例では、支持構造体262の表面は、下部ハウジング222の底面に対して12.5度の角度で可撓性相互接続部228を配置する。この角度は、
図7に示されるように、センサ230の配置を支持する位置に可撓性相互接続部228を配置する。また、支持構造体262は、可撓性相互接続部228のコネクタを、PC基板234上のコネクタに結合する位置に配置する。一実施形態では、可撓性相互接続部228は、下部ハウジング222の底面より上に吊設される。
【0058】
図15は、例示的な実施形態による上部ハウジング220、下部ハウジング222、及び上腕骨トレイ156の一部分の断面図である。この例では、下部ハウジング222は、上腕骨プロテーゼ材158の上腕骨トレイ156に結合する。上腕骨トレイ156は、一般的には、ステンレス鋼またはチタンなどの金属を含む。下部ハウジング222は、保定機構を含むことができ、この保定機構は、計測デバイス154が保定されるが上腕骨トレイ156から取り外し可能であるように、上腕骨トレイ156の対応する保定機構に結合する。この例では、上部ハウジング220の外部曲面244上の負荷は、
図7に示されるようにセンサ230を介して下部ハウジング222に伝達される。センサ230への負荷分布は、外部曲面244への力の軌道に応じて一様ではないことがある。負荷は、下部ハウジング222を介して結合し、上腕骨トレイ156に分散する。
【0059】
上部ハウジング220は、下部ハウジング222の側壁部328に結合するように構成される側壁部320を含む。側壁部320は、上部ハウジング220が下部ハウジング222に結合される場合、下部ハウジング222の側壁部328の一部分を覆う。一実施形態では、下部ハウジング222は、下部ハウジング222の側壁部328内の周方向溝部の周りに嵌合されるOリング322を含む。Oリング322は、筐体をハーメチックシールするように構成される。一実施形態では、Oリング322は、上部ハウジング220の側壁部320が下部ハウジング222の側壁部328を覆うときに圧縮される。前述されるように、上部ハウジング220を下部ハウジング222に結合することで、除荷されている外部曲面244に対応するセンサ230を予圧する。
【0060】
下部ハウジング222の側壁部328は、側壁部328から部分的に、または周方向に延出する突出部325を含むことができる。一実施形態では、突出部325の第一棚部は、突出部325の上から上部ハウジング220の側壁部320に結合する。一実施形態では、突出部325の第二棚部は、突出部325の下から上腕骨トレイ156のリム330に結合する。一実施形態では、負荷は、負荷センサを介して、外部曲面244に加えられ、下部ハウジング222の側壁部328から、リム330、及び上腕骨トレイ156の表面に加えられて、計測デバイス154及び上腕骨プロテーゼ材158に加えられる負荷は分散する。上腕骨トレイ156は、Oリング332を含むことができ、このOリングは、上腕骨トレイ156に対して下部ハウジング222の一部分のアライメントを取り、この部分を保定し、そして封止する。一実施形態では、下部ハウジング222は、計測デバイス154が上腕骨トレイ156に押し込まれるときに、Oリング332を収容する、対応する溝部を含むことができる。
【0061】
図16は、例示的な実施形態による、上部ハウジング220を下部ハウジング222に結合する計測デバイス154上のハウジングスナップ278の図解である。ハウジングスナップ278は、下部ハウジング222の側壁部328から延出する突出部を含む。一実施形態では、上部ハウジング220の側壁部320は、屈曲するように設計される。一実施形態では、側壁部320は、ハウジングスナップ278を受容して上部ハウジング220を下部ハウジング222に保定するように構成される開口部を有する。一実施形態では、上部ハウジング220は、上部ハウジング220の側壁部320が下部ハウジング222の側壁部328を覆うように、下部ハウジング222上で摺動する。上部ハウジング220及び下部ハウジング222は、側壁部328上のハウジングスナップ278が上部ハウジング220の側壁部320内の対応する開口部を通って結合するまで、合わせて圧縮される。一実施形態では、ハウジングスナップ278が対応する開口部と係合するまで、ハウジングスナップ278は、側壁部320が突出部上で屈曲して摺動するのを容易にする、傾斜した壁部、または勾配付き壁部340を含む。一実施形態では、1つより多いハウジングスナップ278を使用して、上部ハウジング220を下部ハウジング222に保定する。あるいは、
図5~7に開示されるように、上部ハウジング220を下部ハウジング222にねじ留めすることができる。
【0062】
図17は、例示的な実施形態による下部ハウジング222から延出するリジッドスナップ280の図解である。リジッドスナップ280は、下部ハウジング222の内底面から延出する圧入柱である。一実施形態では、リジッドスナップ280は、PC基板234内のサイズの小さい開口部に対応する。この例では、PC基板234は、電子回路236を相互接続して回路またはシステムを形成する多層リジッドプリント回路基板であり、この多層リジッドプリント回路基板は、計測プロセスを制御し、計測デバイス154から計測値を伝送する。リジッドスナップ280は、PC基板234内の開口部にアライメントを取る。リジッドスナップ280がPC基板234内の対応する開口部を介して結合するまで、圧力をPC基板234に加える。リジッドスナップ280は、筐体内でPC基板234のアライメントを取り、このPC基板を保定する。より具体的には、リジッドスナップ280は、肩関節にある間、PC基板234の運動を防止する。PC基板234の動きは、リード線に動きを、またはPC基板234に結合する可撓性相互接続部に動きを伝えることによって、計測に影響することがある。
【0063】
図18は、例示的な実施形態による計測デバイス154内のOリング322の図解である。下部ハウジング222はリム352を含む。下部ハウジング222の側壁部328は、リム352より下にOリング322を保定するために、周囲長の周りに溝部350を含むことができる。一実施形態では、Oリング322は、およそショア40のデュロメータを含む。
図15に示されるように、上部ハウジング220が下部ハウジング222に結合するとき、上部ハウジング220のリム242は、Oリング322を覆う。Oリング322は、筐体をハーメチックシールし、気体、液体、または固体が計測デバイス154に入る浸入を防止する。計測デバイス154による負荷計測は、Oリング322によって影響されない。
【0064】
図19は、例示的な実施形態による電子回路236を含む下部ハウジング222の図解である。一実施形態では、PC基板234は、リジッドスナップ280を介して下部ハウジング222の内底面に結合されるリジッドプリント回路基板である。電子回路236は、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、デジタル論理回路、インタフェース回路、アナログ回路、バッファ、アンプ、高周波回路、センサ、受動部品、及び他の回路などの電子部品を備える。電子部品は、PC基板234に取り付けられることができる。PC基板234は、電子部品を結合して回路を形成する多層相互接続部を含み、この回路は、計測プロセスを制御し、計測データを伝送する。可撓性相互接続部228は、センサ230をPC基板234に結合する。一実施形態では、可撓性相互接続部228は、PC基板234より上に吊設され、PC基板234上に取り付けられるフレックスプラグ362に結合する。フレックススナップ274は、可撓性相互接続部228内の開口部を介して結合し、可撓性相互接続部228を保定し、この可撓性相互接続部のアライメントを取り、そしてこの可撓性相互接続部の運動を防止する。可撓性相互接続部228は、傾斜した屈曲部がセンサの異常、及び誤ったデータを引き起こすことが観察されているため、いかなる傾斜した屈曲部も含まない。一実施形態では、可撓性相互接続部228は、センサ230及び相互接続部を遮蔽するための遮蔽層374を含む。遮蔽層374は、接地銅層であり、この接地銅層は、センサ接地の外部にあり、有意なノイズの改善を示している。可撓性相互接続部228は、PC基板234に結合するフレックスプラグ362に結合するプラグ372を含む。フレックスプラグ362は、センサ230を電子回路236に結合する。バッテリ312は、
図13に示されるように、はんだホール312内のPC基板234の下にある相互接続部310を介してPC基板234に結合する。一実施形態では、バッテリ312は、1回の動作の間、計測デバイス154に電力を供給するように構成される。アンテナ360は、PC基板234上のトランシーバ回路に結合する。アンテナ360は、
図3に示されるように、手術室内の計測デバイス154からコンピュータ162に計測データを伝送し、外科医によるリアルタイムの使用のために計測データを提供する。一実施形態では、計測デバイス154は、肩の手術が完了した後、適切な方法で廃棄される。
【0065】
図20は、例示的な実施形態による可撓性相互接続部228の図解である。可撓性相互接続部228は、計測デバイスに加えられる力、圧力、または負荷を計測するように構成されるセンサ230を含む。センサ230は、可撓性相互接続部228に結合されるか、または可撓性相互接続部228の一部分として形成されることができる。一実施形態では、センサ230は、2つ以上の層の相互接続部を使用して可撓性相互接続部228内に形成されるコンデンサである。これらのコンデンサは、誘電体材料によって分離される第一金属領域及び第二金属領域を含む。一実施形態では、コンデンサを遮蔽して、ノイズカップリングを防止し、寄生カップリングを減少させる。一実施形態では、コンデンサは、直列に結合される、または並列に結合される1つより多いコンデンサを含む。一実施形態では、コンデンサは、1つより多い誘電体層を含むことができる。一般に、コンデンサは、肩関節から見た動作範囲全体で弾性である。センサ230は、可撓性相互接続部228内の相互接続によってプラグ372に結合する。プラグ372は、
図19に示されるように、PC基板234上のフレックスプラグ362に結合するように構成される。一実施形態では、1つ以上の基準センサ370は、可撓性相互接続部228に結合される、またはこの内に形成される。基準センサ370は、計測デバイスに加えられる負荷を計測するように構成されていない。基準センサ370は、センサ230と同様に形成される。一実施形態では、基準センサ370は、センサ230の近くに位置しており、センサ230についての温度及びノイズ補償を確固とする。単一の基準センサ370を使用する場合、そのセンサを、センサ370から実質的に等距離の領域内に配置することができる。あるいは、単一の基準センサ370は、センサ370のうちの1つに近接して配置されることができる。一実施形態では、センサ230ごとに基準センサ370がある。
【0066】
図21は、例示的な実施形態による計測デバイス154の図解である。一般に、外部曲面224に結合されるプロテーゼ用構成要素によって加えられる負荷は、計測デバイス154内の負荷を計測する複数のセンサを経ることを除き、接地への経路を含まない。一実施形態では、計測デバイス154に対して負荷を加える、または弱めるための並列経路はない。計測デバイス154は、人工関節内への設置中に、または人工関節内への設置時に、外部曲面224に加えられる最大負荷の下で動作するように設計される。計測デバイス154の圧縮強度は、負荷経路に影響することなく最大負荷を許容し、塑性変形することなく最大負荷を許容することができる。一実施形態では、計測デバイス154は、上腕骨の整復中に加えられるトルクに耐えるように構成される。計測デバイス154は、人工関節についての標的試験インプラントにマッチングするフォームファクタを有する。
【0067】
上部ハウジング220を下部ハウジング222に結合し、電源、電子回路、及び1つ以上のセンサを収容するための筐体を形成する。電源は、パッシブストレージデバイス、バッテリ、または他の電力供給手段であることができる。あるいは、電力は、計測デバイス154に配線される、誘導結合される、またはRF結合されることができる。電源は、1回の関節形成術の間、電子回路及びセンサに電力を供給するのに十分なエネルギーを有する。下部ハウジング222の側壁部328上の1つ以上のハウジングスナップ278が、上部ハウジング220の側壁部320内の開口部を通って結合することによって、上部ハウジング220を保定する。ハウジングスナップ278は、傾斜した壁部、または勾配付き壁部340を含み、この壁部340は、ハウジングスナップ278が上部ハウジング220の側壁部320内の開口部を通って結合して、上部ハウジング220を下部ハウジング222に保定するまで、上部ハウジング220の側壁部320がハウジングスナップ278上で屈曲して摺動するのを容易にする。この例では、ハウジングスナップ278は、ハウジング222に結合されるときに負荷を加えることなく、ハウジング220をセンサ係合部に近接させておくように構成される。
【0068】
この例では、計測デバイス154は、上腕骨プロテーゼ材に結合する。外部曲面224は、肩甲骨に結合される関節窩球体に結合して、肩の動きを支持する。一実施形態では、計測デバイスは、3つのセンサを使用して、外部曲面224上の負荷及び負荷の位置を計測する。一実施形態ではそのうえ、少なくとも1つの基準センサを使用して、各センサからの負荷計測の精度を向上させることができる。外部曲面224とセンサ230との間の界面は完全に拘束されている。一実施形態では、計測デバイス154の感知構成は、すべての力ベクトルが平衡を保つためにモーメントを用いずに同じ点を通過するように、センサ230が外部曲面224の曲率中心に向けられる場合、完全な拘束のために正確に3つの負荷センサを使用する。一実施形態では、計測デバイス154は、肩の適用のために10~60lbの範囲内で外部曲面224に加えられる負荷を計測する。計測された負荷の大きさの精度は3.5lb以下である。一実施形態では、範囲及び精度は、誘電体の厚さ、またはセンサ面積などのコンデンサセンサのパラメータを変えることによって調整されることができる。計測された静電容量値は、外部曲面224に加えられる負荷と相関する。あるいは、コンデンサの代わりに、MEMS、ひずみゲージ、または圧電センサのような異なるセンサタイプを使用することができる。計測デバイス154は、最大負荷範囲の200パーセントの安全な過負荷で動作することができる。この例では、外部曲面224上の関節窩球体の加えられた負荷の位置、または接点の位置は、2ミリメートルかつ2度以下の精度を有する。この精度は参照のために提供されており、計測デバイスの用途及び要件に応じて変更される、または改善されることができる。肩関節は、可動域全体で動くことができ、計測デバイス154は、リアルタイムで計測データを提供する。計測データは、手術室内のコンピュータ162に送信され、このコンピュータ162は、計測データを受信して処理し、この計測データを、外科医及び外科チームが迅速に適応することができる形式でディスプレイ164に表示することで、定量的計測データを用いた妥当性確認または調整をサポートする。
【0069】
図22Aは、例示的な実施形態によるコンピュータ162のディスプレイ164上のGUI380の図解である。計測デバイス154は、肩関節内にあり、
図3に示されるように計測データを伝送する。
図3、7、8、9、及び21の構成要素は、本明細書では以下の考察で言及され、計測デバイス154の動作をGUI380に表示されるものに関連させることができる。一般に、外科医は、肩を自由な可動域で動かし、計測データを生成し、肩関節の安定性を決定する。計測デバイス154内のセンサからの計測データをコンピュータ162に送信する。コンピュータ162は、定量的計測データを外科医または外科チームが迅速に適応することができる方法に、情報を処理し、この情報を表示する。計測データを、表示することができる、またはグラフィカルに、もしくは可聴に提示することができる。
【0070】
計測デバイス154の一部分の写真をディスプレイ164に表示する。この例では、
図21に示されるように、外部曲面224に対応する表面384を、ディスプレイ164に表示する。一実施形態では、ディスプレイ164は、人工関節システムのボールまたはソケットの曲面を描写する。一実施形態では、本明細書では下記の
図29Aから
図31に開示されるような所定の位置にある負荷センサから半径方向の計測データを使用して、ディスプレイ164上の接点384を決定する。換言すれば、接点384の動きは、平面計測としてディスプレイ164用に、計測されていない、または描写されていない、または計算されていないが、曲面上の動きを図示する。ディスプレイ164は、計測データまたはグラフィックスをさらに追加して、外部曲面224上の接点384の動きを開示することができる。一実施形態では、接点384の動きは非線形である。一実施形態では、ディスプレイ164は、3次元タイプのアニメーションを表示して、外科医または外科チームに、外部曲面224上の接点384の位置を示すことができる。これにより、外科医は、人工関節システムのボールまたはカップ上の負荷または位置を理解することができる。あるいは、外部曲面224上の接点384の位置をよりよく示すために、外部曲面224の1つより多いビューまたは異なる配向をディスプレイ164上に提供することができる。リバース型肩関節では、外部曲面224は、関節窩球体に結合する。関節窩球体が計測デバイス154の外部曲面224に負荷を加える、接点382または負荷中心位置を、GUI380上に表す。接点382をGUI380の表面384に示す。表示ボックス386は、肩関節が可動域全体で動くときの負荷の大きさをGUI380上にリアルタイムで開示する。一実施形態では、コンピュータ162または計測デバイス154は、計測デバイス154から受信した計測データから表示ボックス386内に表示される接点382及び負荷の大きさを計算する、力の位置及び負荷の大きさのアルゴリズムを有するソフトウェアを含むことができる。この例では、計測データは、外部曲面224に加えられる負荷を計測する3つのセンサ、少なくとも1つの基準センサ、及び位置計測システムからの情報を含む。位置計測システムは、位置または動きを計測するように構成される。一実施形態では、位置計測システムは、計測デバイス154に収容されるように構成される。一実施形態では、位置計測システムは、慣性計測ユニット(IMU)である。コンピュータ162または計測デバイス154は、動き及び位置の計測をサポートするために、四元数及び可動域アルゴリズムをさらに含むことができる。IMUまたは負荷センサについての較正情報にアクセスして、この較正情報に、力の位置、負荷の大きさ、及びインピンジメントの計測を使用することができる。一実施形態では、較正情報または較正データは、計測デバイス154での試験計測に対応する。一実施形態では、較正データは、計測デバイス154内のEEPROMなどの不揮発性メモリに格納されることができる。肩関節が所定の可動域全体で動く場合、所定の可動域について表面384上の、第一位置で計測される最小の負荷の大きさ、及び第二位置で計測される最大の負荷の大きさがある。最小の負荷の大きさは、GUI380の表示ボックス388内に示され、低い値が発生した場合に継続的に更新される。同様に、最大の負荷の大きさは、GUI380の表示ボックス390内に示され、継続的に更新される。一実施形態では、力ベクトルデータを使用して、インピンジメントを検出することができる。GUI380は、インピンジメントが検出されるときに、可聴手段、視覚的手段、または触覚的手段によって外科医または外科チームに通知する。一実施形態では、IMUは、1つ以上の慣性センサを含み、計測デバイス154内に収容される。IMUは、位置、動きを追跡することができ、そのうえ、インピンジメントを決定するために、力ベクトルデータと組み合わせて、または単独で使用されることができる。
【0071】
この例では、終了ボタン492、ログボタン494、ゼロボタン496、リセットボタン392、及びROMボタン470をGUI380上に提供する。一実施形態では、終了ボタン492は、計測デバイス154を接続することと、計測デバイス154をコンピュータ162から切断することとの間で切り替える。一実施形態では、終了ボタン492は、計測デバイス154をコンピュータ162に結合されたときに表示される。一実施形態では、ログボタン494を有効にすることで、データが10秒間ログに記録される。一実施形態では、ゼロボタン496を有効にすることで、ロードデータオフセットがゼロになる。一実施形態では、リセットボタン392を有効にすることで、表示ボックス388及び表示ボックス390が現在の負荷の大きさの値にリセットされる。一実施形態では、ROMボタン370を有効にすることで、可動域試験が開始される。ROMボタン370は、可動域試験のためにIMUをさらに初期化する。バッテリインジケータ526は、電源に残っている電力量を示す。この例では、電源は1つ以上のバッテリであり、バッテリインジケータ526は、計測デバイス154のバッテリに残っている電力のパーセンテージを示す、またはバッテリから流す平均電流に基づいて計測デバイス154の動作時間の推定値を提供する。さらに、GUI380は、関節の運動性を評価するために、全可動域を通して接点382の動的な動きを表示する追跡機能を含む。また、GUI380は、負荷が所定の閾値を上回る位置トレースを示す、または残すことができる。
【0072】
図22Bは、例示的な実施形態によるインピンジメントを示すGUI380の図解である。
図3、7、8、9、及び21の構成要素は、本明細書では以下の考察で言及され、計測デバイス154の動作をGUI380に表示されるものに関連付けることができる。GUI380は、計測デバイス154の表面224上の接点に対応する表面384上の接点382を示す。この例では、接点382は、計測デバイス154からの定量的計測データから計算され、肩関節が可動域全体で動くときにリアルタイムで更新される。
【0073】
計測デバイス154は、GUI380上に示されることができるコンピュータ162に結合する。GUI380上のインジケータ528は、計測デバイス154への無線接続の信号強度を示す。信号強度は、計測データをコンピュータ162に転送する接続及び機能のインジケーションを提供するインジケータ528上に表示される。一実施形態では、無線接続は、コンピュータ162といずれかのBluetoothデバイスとの間の接続ダイアログを開くBluetoothローエナジー接続である。コンピュータ162を使用して、接続のための計測デバイス154を選択し、無線接続を開始する。一実施形態では、計測デバイス154からの較正データ及びデバイス情報をコンピュータ162にダウンロードする。計測デバイス154は、コンピュータ162に結合し、計測データをストリーミングし始める。一実施形態では、GUI380は、任意の負荷データをゼロにすることに続き、表示ボックス386内の接点382で計測された負荷の大きさを示し始める。
【0074】
第一ステップでは、ROMボタン470は、肩関節が所定の可動域全体で動くときに計測デバイス154が肩関節を計測するための準備として有効化される。計測のために位置計測システムを有効にする。この例では、位置計測システムは、慣性計測ユニットである。第二ステップでは、肩関節を0度の内転で5秒間、静止させておく。第三ステップでは、GUI380は、外転での動きを開始する通知を表示するように構成される。第四ステップでは、動作中に、回転度及びプロットを更新している。第五ステップでは、運動の終了(例えば、完全な外転)時に、使用者は腕を静止させておく。第六ステップでは、計測データは運動中に捕捉され、ROMボタン470は計測が終了したことを示す。一実施形態では、ROMボタン470は、計測が終了したときに色を変える。
【0075】
インピンジメントは、人工関節が骨または軟組織に衝突するときに発生する。この例では、肩甲骨のノッチングは、人工肩関節が可動域内のある点で骨に衝突するときに起こる。肩甲骨のノッチングは、通常、内転運動中に起こる。インピンジメントは、人工肩関節周辺の軟組織でも起こることがある。軟組織のインピンジメントは、しばしば肩峰インピンジメントと称される。インピンジメント情報をGUI380上に表示することができる。一実施形態では、リム520を使用して、インピンジメントが起こるかどうか、そしてインピンジメントが起こるおよその位置を示す。リム520の一部分は、インピンジメントが起こる位置に近接するリム520の一部分上の色の変化またはグレースケールの変化によってハイライトされる。一実施形態では、インピンジメントが検出されるときに、インピンジメントに近接するリム520の一部分は赤くなる。一実施形態では、プロット522はGUI380に表示される。プロット522は、接点382についての負荷に対する可動域の角度を示す。
【0076】
図23は、例示的な実施形態による、計測デバイス154からの可動域に関連するセンサ情報を表示するコンピュータ162に結合されるディスプレイ164上のGUI380の図解である。この例では、計測デバイス154は、
図3に示されるようにリバース型肩関節内にある。
図3、7、8、9、及び21の構成要素は、本明細書では以下の考察で言及され、計測デバイス154の動作をGUI380に表示されるものに関連付けることができる。計測データは、外部曲面224に加えられる負荷を計測するために、計測デバイス154内の所定の位置で結合されるセンサ230からのデータを含む。一実施形態では、センサ230の所定の位置を使用して、外部曲面224に加えられる、負荷の位置、及び負荷の大きさを計算する。一実施形態では、計測データは、位置計測システムからの情報をさらに含むことができる。一実施形態では、位置計測システムは、位置及び動きを追跡するために1つ以上の慣性計測ユニットを含む。
【0077】
コンピュータ162は、計測デバイス154からの計測データを、外科医または外科チームが肩関節の状態を迅速に評価することができるグラフィカル形式に変換する。GUI380上の表示ボックスを使用して、パラメータ計測に関連する数値情報を提供することができる。この例では、肩関節は、特異的な可動域、または所定の可動域全体で動くことができる。モーションバーを使用して、所定の可動域に関する情報を提供する。モーションバーは、GUI380のツールであり、モーションバーによって、外科医は、この運動を迅速に評価して、肩関節が既知の基準を用いて機能しているかどうかを判断することができる、または負荷もしくは可動域に影響するさらなる最適化を使用することができる。あるいは、円形グラフィックに、リム及びそれを中心に回転して角度を読み取るインジケータを使用することができる。示されているように、4つのモーションバーをGUI380に表示する。各モーションバーは、肩関節の特異的な運動に対応する。この肩の例では、各モーションバーは、特異的な運動に対する内側の動き及び外側の動きについての最大可動域を示す。示されているように、内側の動きの最大値はモーションバーの左側に示され、最大の内側の動きについての数値はモーションバーより下の左側に列挙される。外側の動きの最大値はモーションバーの右側に示され、最大の外側の動きについての数値はモーションバーより下の右側に列挙される。内側の動きと外側の動きとの間の中央またはゼロは、モーションバーの中央にあるバーで示される。一般に、外科医が設置した人工関節を計測デバイス154によって動かす場合の実際の可動域は、内側の動きの最大値、または外側の動きの最大値よりも小さい。第一表示ボックスは、計測デバイス154に加えられる負荷の大きさの数値を示す。第二表示ボックスは、内側の動きの最大値に対する人工関節の内側の運動(外科医による)によって達成される最大可動域(度単位の)を示す。第二表示ボックスは、モーションバーの左側でモーションバーより上に配置される。第三表示ボックスは、外側の動きの最大値に対する人工関節の外側の運動(外科医による)によって達成される最大可動域(度単位の)を示す。第三表示ボックスは、モーションバーの右側でモーションバーより上に配置される。
【0078】
GUI380内のモーションバーは、表示ボックスと同じ情報をグラフィカルに表示するが、評価時間を短縮するために迅速に適応可能な方法で表示する。一実施形態では、外科医は、数値を見ることなく、モーションバーを使用して、負荷及び可動域が許容可能な範囲内にあるかどうかを決定することができる。前述されるように、モーションバーの長さは、内側の動きの最大値から外側の動きの最大値までの範囲の最大値を示す。人工関節の外科医による動きの可動域は、モーションバー内のカラースケール領域によって示されることができる。また、外科医の動きの可動域は、モーションバー内のグレースケール領域によって示されることができる。モーションバー内でカラースケールを使用して、可動域内のさまざまなポイントでの負荷の大きさを示すことができる。カラースケールは、負荷の大きさである、または可動域全体の所定の負荷の大きさの範囲に対応することができる。同様に、グレースケール領域内のグレーは、負荷の大きさを示すことができる。各グレーシェードは、負荷の大きさである、または所定の負荷の大きさの範囲に対応することができる。一実施形態では、外科医は可動域全体の各ポイントでの負荷の大きさの絶対値を知る必要はないが、負荷の大きさは可動域全体の所定の範囲内にあることを知る必要がある。外科医は、モーションバー内の色が正しいと、または負荷もしくは可動域が正しくないと「一目で」判断することができる。一実施形態では、色またはカラースケールは、最適な性能を提供する臨床的エビデンスに基づいて、肩関節についての負荷の大きさの許容可能な所定の範囲に対応する。一実施形態では、モーションバーに表示される色またはグレーシェードは、外科医が人工関節の特異的な運動にわたって探しているパターンを示す。例えば、カラースケールまたはグレースケールは、運動が内側または外側の最大値まで動かすときに変化することができる。例えば、外科医は、内側の運動と外側の運動との間を中心とする所定の範囲にわたる最適な負荷を示すグレースケールを見ることができる。最大の内側の運動、または最大の外側の運動に向けて所定の範囲外に動いた結果、最適を下回る負荷が増加するようになる、または減少するようになる。一般に、外科医は、最適な負荷が生じる位置と、その負荷が可動域内で置かれている位置とを「一目で」判断することができる。また、モーションバーは、対処される必要がある負荷または可動域の問題を示すことができる。例えば、負荷が内側/外側の運動の中心の周りで非対称である場合、または最適な負荷範囲が十分な移動範囲に及ばない場合、または最端部で負荷の問題がある場合、調整を行うことができる。あるいは、色またはグレーシェードは、負荷の大きさが所定の範囲外にあるのはどの位置か、そして負荷の大きさが所定の範囲外にあるのは動作(例えば、内側の動き、または外側の動き)中のどの範囲かを外科医が迅速に評価することを可能にするように選択される。例えば、緑色は、負荷の大きさが所定の範囲内にあることを示すことができる。黄色/オレンジ色は、負荷の大きさが所定の範囲外にある境に接していることを示すことができる。赤色は、負荷の大きさが許容可能なものよりも高いことを示すことができる。青色は、負荷の大きさが許容可能なものよりも低いことを示すことができる。したがって、外科医は、数値を見直す必要がないが、一目で、可動域にわたる負荷の大きさが許容可能であるか、調整される必要があるかを判断することができる。次に、外科医は、ほんの数例を挙げれば、軟組織の張力、骨面の変更、インプラント位置の変更、またはインプラントのシミングなどの調整を行って、負荷の大きさが所定の範囲内にあるように変更することができる。
【0079】
通常、外科医は、関節の特定の運動の内側の動き、及び外側の動きに対して許容可能な可動域を達成しようとする。一実施形態では、許容可能な可動域は、モーションバー上の破線で示されることができる。第一破線は、バーの内側の動き側に示される。第二破線は、バーの外側の動き側に示される。外科医は、モーションバーを一目すことで、カラースケール領域またはグレースケール領域が、破線の上にあるか、関節運動の内側の動きまたは外側の動きについて許容可能な可動域(破線で画定される)に達しないかを判断することができる。したがって、GUI380は、それが可動域、及び可動域にわたる負荷に関連するので、関節状態の迅速な評価をサポートする。一実施形態では、コンピュータ162は、人工関節の運動評価のために、計測データを分析し、補正または調整の詳細なワークフローを提供して、所望の可動域及び負荷を達成することができる。
【0080】
肩関節のこの例では、ROMボタン470は、GUI380上で有効にされ、可動域計測を開始する。ディスプレイ164は、タッチスクリーン、リモートコントロール、オーディオコントロール、キーボード、または他のデバイスを介して操作されることができる。この例では、GUI380は、ROMボタン470が有効にされた後、ディスプレイ164に4つのモーションバーを示す。4つのモーションバーは、モーションバー400、モーションバー402、モーションバー404、及びモーションバー406である。各モーションバーは、計測を開始する、または停止するための開始/停止ボタンを含む。この例では、4つのモーションバーを示すが、用途または関節の種類に応じて、多く、または少なく表示することができる。この例では、モーションバー400、モーションバー402、モーションバー404、及びモーションバー406は、それぞれ、開始/停止ボタン430、開始/停止ボタン432、開始/停止ボタン434、及び開始/停止ボタン436を含む。各モーションバーは、計測される人工肩関節について動きのタイプを表す。モーションバー400は、ゼロ度の外転での内旋/外旋を含む動きを表す。モーションバー402は、45度の外転での内旋/外旋を含む動きを表す。モーションバー404は、ゼロ度の内転での内旋/外旋を含む運動を表す。モーションバー406は、伸展及び屈曲中の肩関節の動きを表す。
【0081】
この例では、開始/停止ボタン432は、計測を開始するために有効にされている。一実施形態では、開始/停止ボタン432が有効にされると、他のすべての可動域試験が無効にされる。一実施形態では、新しい試験を開始することで、終了した試験をリセットする、またはやり直す。選択された動きの可動域内の肩関節の位置を示すために、バー426はモーションバー402を横切って表示される。肩関節は、45度の外転で内旋/外旋によって動く。GUI380は、モーションバー402の近くで、これより上に表示ボックス414及び416をさらに含む。また、GUI380は、内旋の最大回旋(70度)及び外旋の最大回旋(90度)を表示し、それぞれを、モーションバー402より下の左端に、そしてモーションバー402より下の右端に示す。現実的には、内側及び外側の両方での最大回旋または最大運動は、関節設置に達成可能ではないことが多い。設置された肩関節についての許容可能な移動範囲は、45度の外転での肩関節の内旋に対応する破線444、及び45度の外転での肩関節の外旋に対応する破線446によって示される。内側から外側に実際に計測された移動範囲は、モーションバー402内のカラースケール領域またはグレースケール領域462に対応する。グレースケール領域462がモーションバー402の左側の破線444を覆い、モーションバー402の右側の破線446を覆うことに留意されたい。グレースケール領域462は、設置された人工肩関節が45度の外転で内旋/外旋に対して許容可能な可動域を有することを示す。また、グレースケール領域462は、45度の外転での肩関節の可動域にわたる負荷を示す。現在の位置に加えられている負荷は、表示ボックス428にも示される。グレースケール領域462に使用されるグレースケールは、可動域内の異なるポイントでの負荷を示す。外科医は、グレースケール領域462を一目で見直し、内旋と外旋との間の運動中心の周りの負荷が正しいかどうかを判断すること、運動中心の周りの十分な可動域に対して負荷が正しいかどうかを判断すること、ならびに肩関節の内旋の最大値、及び外旋の最大値まで負荷の挙動または遷移を判断することができる。次に、外科医は、モーションバー402によって示される負荷プロファイル及び可動域を変更する調整を実行することができる。前述されるように、コンピュータ162は、ワークフローを提供することができ、このワークフローは、リアルタイムで監視されることができる調整を提供し、これらの調整は、モーションバー402に関連する計測データに変化を生じさせ、より最適な負荷及び可動域を生成する。
【0082】
モーションバー400、404、及び406は、GUI380のモーションバー402について45度の外転での内旋/外旋に関する肩の可動域計測の間、無効にされる。モーションバー400は、開始/停止ボタン430が有効にされるときに、ゼロ度の外転で内旋/外旋を有する肩の可動域を計測する。この例では、モーションバー400について、最大内旋は70度であり、最大外旋は80度である。破線440及び442は、それぞれ、ゼロ度の外転での内旋/外旋についての許容可能な可動域を示す。破線440は、内旋に対応するモーションバー400全体の左側に結合する。破線442は、外旋に対応するモーションバー400全体の右側に結合する。カラースケールまたはグレースケール領域460は、モーションバー400に示される。ゼロ度の内転での内旋の計測された可動域は、GUI380の表示ボックス410に示される。同様に、ゼロ度の外転での外旋の計測された可動域は、表示ボックス412に示される。
【0083】
モーションバー404は、開始/停止ボタン434が有効にされるときに、ゼロ度の内転で内旋/外旋を有する肩の可動域を計測する。この例では、モーションバー404について、最大内旋は70度であり、最大外旋は90度である。破線448及び450は、それぞれ、ゼロ度の内転での内旋/外旋についての許容可能な可動域を示す。破線448は、内旋に対応するモーションバー404全体の左側に結合する。破線450は、外旋に対応するモーションバー400全体の右側に結合する。カラースケールまたはグレースケール領域464は、モーションバー404に示される。ゼロ度の内転での内旋の計測された可動域は、GUI380の表示ボックス418に示される。同様に、ゼロ度の内転での外旋の計測された可動域は、表示ボックス420に示される。
【0084】
モーションバー408は、開始/停止ボタン436が有効にされるときに、伸展及び屈曲中の肩の可動域を計測する。この例では、モーションバー408について、最大伸展は45度であり、最大屈曲は175度である。破線452及び454は、それぞれ、肩関節の伸展及び屈曲についての許容可能な可動域を示す。破線452は、伸展中の肩関節に対応するモーションバー408全体の左側に結合する。破線454は、屈曲中の肩関節に対応するモーションバー408全体の右側に結合する。カラースケールまたはグレースケール領域466は、モーションバー408に示される。伸展中の肩関節の計測された可動域は、GUI380の表示ボックス422に示される。同様に、屈曲中の肩関節の計測された可動域は、表示ボックス424に示される。
【0085】
図24は、例示的な実施形態によるオプション画面482の図解である。
図23を簡単に参照して、GUI380上でオプションボタン480を押され、オプション画面482が返される。オプション画面482により、ユーザは、計測された関節の負荷にカラースケール472またはグレースケールを関連させる、モーションバー474内のカラースケール472またはグレースケール領域を変更することができる。表示ボックス476及び478は、それぞれ、カラースケール472またはグレースケール領域についての低負荷値及び高負荷値を示す。一実施形態では、各カラーまたはグレーシェードについて負荷範囲を設定するために4つの値がある。一実施形態では、負荷を示すためにグラデーションマップが選択される場合、使用された、または許容可能な負荷値は、カラーレンジ472またはグレースケールの中間点である。一実施形態では、負荷を示すためにソリッドマップが選択される場合、使用された値は、そのカラーレンジまたはグレースケールについて最大負荷を表す。選択されたカラースケール472またはグレースケールレンジは、オプション画面482を終了した後に有効になる。一実施形態では、試験のやり直しの結果、戻りボタン470を有効にした後、オプション画面384に入力される新しいカラーレンジまたはグレースケールによってモーションバー474を再描画することになる。
【0086】
図25は、例示的な実施形態によるGUI380上の可動域(ROM)オーバーレイ390の図解である。
図23を簡単に参照して、肩関節は、4つの異なる動きを通じて計測データが取得され、格納される。ROM表示ボタン490を有効にすることで、ROMオーバーレイ390が表示される。この例では、GUI380は、
図23で計測された4つの異なる肩関節運動ごとに、GUI380の外部曲面384への接点382の動きをグラフィカルに表示する。前述されるように、接点382は、肩関節の外部曲面224上の関節窩球体の接点に対応する。接点382は、
図21に示されるように、計測デバイス154内の負荷センサまたはIMUからの計測データから計算される。所定の運動に対する接点382の運動は、負荷トラックと称される。一実施形態では、これは、アクティブ画面またはリアルタイム計測ではない。ROMオーバーレイ390は、各動きからの格納された計測データを使用する。負荷トラック500は、ゼロ度の外転での内側の運動及び外側の運動に対応する。負荷トラック502は、45度の外転での内側の運動及び外側の運動に対応する。負荷トラック504は、ゼロ度の内転での内側の運動及び外側の運動に対応する。負荷トラック506は、肩関節の伸展及び屈曲中の動きに対応する。したがって、接点382の動きは、計測される異なる動きごとに理解されることができ、この異なる動きの計測を使用して、動作中の特異的なポイントでの動きのパターン及び負荷の大きさに問題が存在する可能性があるかどうかを判断する。一実施形態では、負荷値は、カラースケールまたはグレースケールのシェードによって負荷トラックにわたって示されることができる。一実施形態では、コンピュータ162は、負荷トラックを分析することができ、定量的計測データに基づいて肩関節を補正する、または最適化するワークフローを提供することができる。
【0087】
図26は、例示的な実施形態によるインピンジメント可動域評価を示すGUI380の図解である。I-ROMボタン512を有効にすることで、トレース510が継続的にアクティブであるグラフ514が生成される。一実施形態では、腕及び肩の関節は「風車」の動きで動かされる。トレース510は内転(グラフY軸、上腕骨Z軸)に対する上腕骨の位置に対応し、水平屈曲(グラフX軸、上腕骨Y軸)はレンダリングされる。トラックボタン516を切り替えて、トレースデータを収集すること、または新しいデータ収集のためにトレースをリセットすることができる。一実施形態では、計測は、腕の内旋/外旋を無視する。さらに、トレース510によってカバーされる領域は、外転/内転及び水平屈曲の限界である。
【0088】
図27Aは、例示的な実施形態による、計測デバイス154からの計測データの図解である。
図27Bは、例示的な実施形態による、計測データをコンピュータ162に送信し、計測データをディスプレイ164に表示する計測デバイス154の図解である。ディスプレイ164は、計測データの迅速な適応をサポートするためにGUI380を含む。ハウジング220は、電子回路236、ならびにセンサ530、532、及び534の配置を示すために透明にされる。センサ530、532、及び534は、ハウジング220の外部曲面224の下にある。一実施形態では、計測デバイス154は、肩関節に配置されるときに、上方位置580、下方位置582、前方位置586、及び後方位置584などの配向を示す。センサシートは、センサ530、532、及び534を外部曲面224の曲率中心に向けるように構成される。センサ530、532、及び534は、
図19に示されるようなセンサ230に対応するが、肩関節中の上方位置580、下方位置582、前方位置586、及び後方位置584に対する計測デバイス154内の配置または位置を開示するために個別に識別される。センサ530、532、及び534は、計測デバイス154上でそれぞれS3、S6、及びS8とラベル付けされる。また、計測デバイス154は、S5とラベル付けされた基準センサ536を含む。前述されるように、センサ530、532、及び534は、互いから等間隔に置かれ、計測面積を最大にするためにリム242の可能な限り近くに配置される。示されるように、センサ530は、上方位置580の近くに位置している。センサ532は、後方位置584と下方位置582との間に位置している。センサ534は、前方位置586と下方位置582との間に位置している。したがって、各センサからの計測データを運動と相関して、肩の位置が負荷にどのように影響するかをよりよく理解することができる。センサ530、532、534、基準センサ536からの計測データは、無線でコンピュータ162に送信される。センサ530、532、及び534からの計測データを使用して、
図21の計測デバイス154の外部曲面224上の負荷の大きさ及び接点をコンピュータ162によって計算する。コンピュータ162に結合されるディスプレイ164は、外科医及び外科チームが見るために負荷の大きさ及び接点を表示することができる。
【0089】
この例では、肩のインプラントを患者の肩に設置する。計測デバイス154を肩関節に設置し、電源を入れる。肩は所定の可動域全体で動かされる。計測デバイス154からの計測データをコンピュータ162が捕捉する。一実施形態では、肩は、ニュートラル位置からインピンジメントにされることができる。ディスプレイ164は、肩関節が異なる所定の動きによって動かされるときの、センサ530、532、534、基準センサ536からの負荷データを示し、ならびにセンサ530、532及び534の合計からの負荷データを示すグラフ572を提供する。グラフ572は、各センサからの計測データがグラフィカルに提供された場合に外科医または外科チームが見ることができるものを示している。センサ530、562、564、及び568は、凡例574によって示されるように、グラフ572上で異なる色、グレースケールシェード、またはパターン化された線によって表されている。凡例574では、センサキー560は、センサ530(S3)に関連する計測データをグラフ572上に示す。センサキー562は、計測デバイス154の上方位置580に近接する基準センサ536(S5)に関連する計測データをグラフ572上に示す。センサキー564は、計測デバイス154の後方位置584と下方位置582との間のセンサ532(S6)に関連する計測データをグラフ572上に示す。センサキー568は、計測デバイス154の前方位置586と下方位置582との間のセンサ534(S8)に関連する計測データをグラフ572上に示す。最後に、合計キー570は、センサ530(S3)、532(S6)、及び534(S8)に関連する負荷計測データの合計に関連する計測データをグラフ572上に示す。
【0090】
グラフ572のボックス540は、内転中のニュートラルな肩の回旋に対応する。センサ530(S3)、532(S6)、及び534(S8)からの計測データは、内転中のニュートラルな肩の回旋中に、センサ534に、センサ530(S3)及びセンサ532(S6)よりも重い負荷がかかることを示す。この例では、基準センサ536(S5)に負荷をかけていない。センサ534(S8)上の負荷は、内転中のニュートラルな肩の回旋中に、5lbから17lbの間で変わる。センサ530(S3)及び532(S6)の負荷の寄与が小さいため、合計570は、内転中のニュートラルな肩の回旋中のセンサ534(S8)に類似しているように見える。一般に、外科医は、動きに対して負荷が起こる位置と、内転中のニュートラルな肩の回旋中に各センサが計測しているものとをグラフィカルに確認することができる。
【0091】
グラフ572のボックス542は、内転中の肩の外旋に対応する。センサ530(S3)、532(S6)、及び534(S8)からの計測データは、内転中の肩の外旋中に、センサ530(S3)及びセンサ534(S8)がセンサ532(S6)を下回る負荷を有することを示す。この例では、基準センサ536(S5)に負荷をかけていない。センサ532(S6)上の負荷は、内転中の肩の外旋中に、7lbから15lbの間で変わる。センサ530(S3)及び535(S8)の負荷の寄与が小さいため、合計570は、内転中の肩の外旋中のセンサ532(S6)に類似しているように見える。一般に、外科医は、動きに対して負荷が起こる位置と、内転中の肩の外旋中に各センサが計測しているものとをグラフィカルに確認することができる。
【0092】
グラフ572のボックス544は、内転中の肩の内旋に対応する。センサ530(S3)、532(S6)、及び534(S8)からの計測データは、内転中の肩の内旋中に、センサ530(S3)、センサ532(S6)、及びセンサ534(S8)が10lbを上回る有意な負荷を有することを示す。基準センサ536(S5)は、この計測中にノイズが多く、この計測中に5lbもの高さの負荷を有する。前述されるように、これらの計測のグラフは例にすぎない。内転中の肩の内旋の初期の部分では、センサ534(S8)は、40lbを上回る読み取り値を有し、その後、この読み取り値は、20lbを下回るまで大幅に低減する。逆に、内転中の肩の内旋の初期の部分では、センサ530(S3)及び532(S6)は、負荷のない読み取り値を有し、その後、10lbを上回る負荷の読み取り値を有する。センサ532(S6)の負荷は、内転中の肩の外旋中に、7lbから15lbの間で変わる。合計570は、回旋の部分では、50lbを上回る内転中の肩の内旋中に、センサ530(S3)、532(S6)、及び534(S8)の負荷を組み合わせたものである。一般に、外科医は、動きに対して負荷が起こる位置と、内転中の肩の内旋中に各センサが計測しているものとをグラフィカルに確認することができる。
【0093】
グラフ572のボックス546は、外転中のニュートラルな肩の回旋に対応する。センサ530(S3)、532(S6)、及び534(S8)からの計測データは、外転中のニュートラルな肩の回旋中に、センサ530(S3)及びセンサ534(S8)に、センサ532(S6)を下回る負荷がかかることを示す。基準センサ536(S5)が無負荷にされる。センサ532(S6)の負荷は、外転中のニュートラルな肩の回旋中に、12lbから40lb超の間で変わる。合計570は、外転中のニュートラルな肩の回旋中のセンサ532(S6)に類似しているように見えるが、センサ530(S3)及び534(S8)の負荷成分は、外転中のニュートラルな肩の回旋中に合計570がセンサキー564に重ならないように寄与する。一般に、外科医は、動きに対して負荷が起こる位置と、外転中のニュートラルな肩の回旋中に各センサが計測しているものとをグラフィカルに確認することができる。
【0094】
グラフ572のボックス548は、外転中の肩の外旋に対応する。センサ530(S3)、532(S6)、及び534(S8)からの計測データは、外転中の肩の外旋中に、センサ530(S3)及びセンサ534(S8)に、センサ532(S6)を下回る負荷がかかることを示す。基準センサ524(S5)が無負荷にされる。センサ532(S6)上の負荷は、外転中の肩の外旋中に、13lbから16lbの間で変わる。センサ530(S3)及び534(S8)からの負荷が追加されるため、合計570は、外転中の肩の外旋中にセンサ532(S6)からの負荷データに類似しているように見えるが異なる。一般に、外科医は、動きに対して負荷が起こる位置と、外転中の肩の外旋中に各センサが計測しているものとをグラフィカルに確認することができる。
【0095】
グラフ572のボックス550は、外転中の肩の内旋に対応する。センサ530(S3)、532(S6)、及び534(S8)からの計測データは、外転中の肩の内旋中に、センサ530(S3)及びセンサ534(S8)に、センサ532(S6)を下回る負荷がかかることを示す。基準センサ524(S5)が無負荷にされる。センサ532(S6)に結合される負荷は、外転中の肩の内旋中に、15lbから19lbの間で変わる。センサ530(S3)及び534(S8)からの負荷が追加されるため、合計570は、外転中の肩の外旋中にセンサ532(S6)からの負荷データに類似しているように見えるが異なる。一般に、外科医は、動きに対して負荷が起こる位置と、外転中の肩の内旋中に各センサが計測しているものとをグラフィカルに確認することができる。
【0096】
図28は、例示的な実施形態による
図21に示される通りの計測デバイス154の外部曲面224の断面図を示す。この例では、3つのセンサを使用して、関節窩球体が外部曲面224に接触して負荷をかける、負荷及び負荷の位置を計測する。3つのセンサは互いから等距離にある。センサ530及びセンサ532は断面図に示される。関節窩球体の中心589は、破線で示される関節窩球体の軸588とともに示される。センサ530は、関節窩球体の軸588から一定の角度φのものである。同様に、センサ532は、関節窩球体の軸588から一定の角度φのものである。一実施形態では、この一定の角度φを、計測された力の角度αが上回るときに、インピンジメントが検出される。あるいは、加えられた力が外部曲面224に直交するような仮定、反力が回転の中心に対して検出されるような仮定、モーメントアームがないような仮定、及び単純な力の平衡が適用されるような仮定に、計測された力の角度αが相関しない場合、インピンジメントが検出されることがある。一実施形態では、位置計測システムまたはIMUを使用して、第一角度αを計測することができる。第二角度αは、3つのセンサからの計測データによって計測されることができる。冗長性のチェックとして、または計測が角度φの外側にあるかどうかを判断して、インピンジメントを判断するために、第一及び第二角度αを互いに比較することができる。
【0097】
図29Aは、例示的な実施形態による、力及び位置を計算するための球座標系600の図解である。一実施形態では、球座標系600は、現実に即したものであり、
図21に示されるように、計測デバイス154の外部曲面224を数学的に記述するために使用されることができる。計測デバイス154の外部曲面224は、関節のプロテーゼ用構成要素に結合し、この関節の運動を支持するように構成される。この例では、球座標系600の原点602は、外部曲面224の曲率中心である。正のZ軸は、原点602から外部曲面224に延伸し、外部曲面224に結合される各センサから等距離の平面に交差する。球座標系600内の点は、
図29Aに示されるように、半径r、角度θ、及び角度φによって規定されることができる。この例では、半径rは曲面224の曲率半径である。シータ(θ)は、半径rからZ軸に計測される角度である。ファイ(φ)は、X軸及び破線604から計測される角度である。破線604は、
図29A上の式1、r×sin(φ)によって計算されることができる。破線604は、X-Y平面上にある。凸状の外部曲面(カップの代わりに関節のボール)が同様にモデル化されることができることに留意されたい。
【0098】
図29Bは、例示的な実施形態による、センサ位置に関連する力及び位置の計算の一例である。
図27Bを簡単に参照して、センサ530、532、及び534は、計測デバイス154の外部曲面224に加えられる力、圧力、または負荷を計測するように構成される。前述されるように、センサの位置、ならびに力及び位置の計算は、ボール形プロテーゼ用構成要素か、カップ形プロテーゼ用構成要素かいずれかに対応することができる。一般に、センサ530、532、及び534は、互いから等距離に配置され、センサ530、532、及び534によって画定される外部曲面224上に円の最大半径を有する。
図27B及び
図29Bを簡単に参照して、センサ530は、上方位置580の近くに位置しており、本明細書では計測デバイス154の上部センサと称される。センサ532は、後方位置584と下方位置582との間にあり、本明細書では左下部センサと称される。センサ534は、前方位置586と下方位置582との間にあり、本明細書では右下部センサと称される。この例では、半径rは、プロトタイプの計測デバイス154に対して0.748インチの値が与えられている。センサ530、532、及び534は、外部曲面224上の計測面積を最大にするために、曲面224上のX-Y平面の可能な限り近くに位置している。
【0099】
この例では、センサ530、532、及び534の半径方向位置は、
図29Bの式2に記載されている。角度θ
sは、各センサ530、532、及び534が破線の円606上に位置しているように、Z軸から計測される角度である。センサ530、532、及び534の角度位置は、
図29Bの式3で規定される。角度位置は、X軸に対して相対的なものである。センサ530は、破線の円606上のφ
1=π/2に位置している。センサ534は、破線の円606上のφ
2=11π/6に位置している。センサ532は、破線の円606上のφ
3=7π/6に位置している。一実施形態では、センサ単位ベクトルは、センサから原点602への方向を表す。センサ単位ベクトルは、センサの反力の想定方向である。センサ530、532及び534に関連する単位ベクトルについての式は、センサ530、534、及び532がそれぞれ
図29B上の単位ベクトル
【数1】
に対応する、式4によって定義される。センサ530は、極座標では単位ベクトル
【数2】
を有し、
図27Bに示されるような上部センサである。センサ534は、極座標では単位ベクトル
【数3】
を有し、
図27Bに示されるような右下部センサである。センサ532は、極座標では単位ベクトル
【数4】
を有し、
図27Bに示されるような左下部センサである。
【0100】
図30は、例示的な実施形態による、センサ530、532、及び534からの計測データからの力の大きさの計算を示す図解である。力の大きさの計算は、ボールとしての計測デバイス、またはカップとしての計測デバイスに使用されることができる。したがって、計測デバイス154は、リバース型肩、通常の肩、股関節の大腿骨プロテーゼ用構成要素の大腿骨頭部、または股関節の寛骨臼カップに装備されることができる。加えられた力の、力の大きさ及び位置の計算では、
図21に示されるように、計測デバイス154の外部曲面224に摩擦がないと仮定する。
図27Bに示されるように、外部曲面224とセンサ530、532、及び534との間の界面は完全に拘束されている。一実施形態では、すべての力ベクトルが平衡を保つためにモーメントなしで同じ点を通過するように、センサ530、532、及び534が外部曲面224の曲率中心に向けられる場合、完全な拘束のためにセンサ530、532、及び534のみを使用する。反力ベクトルは、外部曲面224に直交することで、曲率中心である原点602では空間内の同じ点を通過すると仮定される。一般的に、センサ530、534、及び532は、外部曲面224に加えられる負荷を計測し、そこではスカラー反力は、上記に列挙されたセンサについて、それぞれS
1、S
2、及びS
3によって表される。反力ベクトル
【数5】
は、
図30の式5によって与えられ、式中、iは1、2、または3であり、それぞれセンサ530(上部センサ)、534(右下部センサ)、及び532(左下部センサ)に対応する。前述されるように、反力ベクトル
【数6】
は、原点602を通って結合する。総反力
【数7】
は、
図30の式6によって与えられ、これは、反力ベクトル
【数8】
の合計である。力の平衡は、外部曲面224に加えられる、加えられた力のベクトル
【数9】
が
図30の式7に示されるような総反力
【数10】
の負値に等しいことを必要とする。加えられた力のベクトル
【数11】
は、計測デバイス154の外部曲面224上の接点610に結合する。リバース型肩関節の例では、接点610は、関節窩球体が、センサ530、532、及び534からの計測データのために、力、圧力、または負荷を計測デバイス154に加える位置に対応する。尾部を伸展する場合、加えられた力のベクトル
【数12】
もまた、原点602を通して結合する。組み合わされた力の大きさは、式7に対応する
図30の式8で示されるように、負荷センサ530、532、及び534によって計測されるX軸、Y軸、及びZ軸の力の成分に分解されることができる。外部曲面224に加えられる負荷の大きさは、センサからの計測データから計算されることができ、より具体的には式8では、X軸、Y軸、及びZ軸の成分に分解されて合計されるセンサ530、532、及び534のスカラー反力から以前に計算されたF
ax、F
ay、及びF
azから計算されることができる。センサ530、532、及び534からの計測データを使用して計測される、報告された負荷は、
【数13】
であり、計算されるF
ax、F
ay、及びF
azの二乗の合計の平方根である、
図30の式9によって計算されることができる。したがって、接点610での負荷の大きさは、センサ530、532、及び534からの計測データからリアルタイムで計算されることができる。
【0101】
図31は、例示的な実施形態による、センサ530、532、及び534からの計測データを使用して、計測デバイス154の外部曲面224上に加えられた負荷の位置の計算を示す図解である。
図22Aを簡単に参照して、接点382は、GUI380の表面384、及びディスプレイ164に示される。表面384が3次元曲面の2次元画像であることに留意されたい。3次元曲面の2次元画像上の接点の正確な配置は、GUI380について本明細書で以下に開示される。この例では、R
3での負荷の作用点をX-Y平面上に投影し、負荷の位置を表示する。この例では、点612(x
a,y
a)は、X-Y平面上に投影された負荷の位置である。一実施形態では、加えられた力のベクトル
【数14】
を、
図31の式10に示されるような同じ方向及び大きさのrを含む位置ベクトル
【数15】
に変換する。位置ベクトル
【数16】
は、接点610で外部曲面224に結合し、そのうえ、原点602を介して結合する。X-Y平面上への
【数17】
の投影は、(x
a,y
a)=(P
ax,P
ay)である、式11で与えられる。したがって、接点610は、外科医または外科チームがリアルタイムで見るために、2次元ディスプレイに正確に表されることができる。
【0102】
一実施形態では、力センサ530、532、及び534からの計測データを使用して、
図22Bに対応するインピンジメントを検出する。例えば、インピンジメントが原因で、周辺に繰り返し性の負荷スパイクを起こす。計測データでは、インピンジメント点の近くで発生した10~30lbの負荷スパイクを捕捉し、インピンジメントを検出するために使用する。プロテーゼ用構成要素が計測デバイス154の外部曲面224を結合する力の大きさ及び接点は、本明細書で上記に開示されるように、センサ530、532、及び534からの計測データから計算される。また、位置計測システムは、力の大きさ及び接点の計測をサポートするために計測データを提供することができる。この例では、計算において、ある特定の仮定が行われる。センサ530、532、及び534は、これらのセンサによって規定される円の半径を最大にする位置で互いから等距離に配置される。センサ530、532、及び534は、これらのセンサの反力が外部曲面224の曲率中心に指向されるように配向される。一実施形態では、外部曲面224に、またはセンサ界面に発生する摩擦力がない、または摩擦力が無視できると仮定される。一実施形態では、反力ベクトルは、外部曲面224に直交することで、外部曲面224の曲率中心を通過すると仮定される。センサ530、532、及び534に加えられる力を使用して負荷の大きさ及び接点を計算するときに、本明細書では上記に開示された仮定の1つ以上を利用する場合に可能な、特異的な力の組み合わせが存在し得るだけである。一実施形態では、1つ以上の仮定外にある力の組み合わせは、センサ530、532、及び534によって1つ以上の計測された力が、計測デバイス154の外部曲面224に直交しないことを意味することができる。あるいは、力のベクトルは、外部曲面224の曲率中心を通過しないことがある。本明細書に開示される1つ以上の仮定によって決定される可能な組み合わせを除く、センサ530、532、及び534によって計測されるいずれかの力の組み合わせは、インピンジメントとして見直される、または考慮される必要がある。さらに、センサ530、532、及び534からの負荷データの時間に基づいた分析を使用し、既知のインピンジメントに対して相関させて、インピンジメントを検出することができる。前述されるように、計測された負荷ベクトル内の急激な変化もインピンジメントに相当する。一実施形態では、IMU(慣性計測ユニット)などの位置計測システムを使用して、動きを監視し、特定の動きについての既知の関節運動に対して相関させて、インピンジメントを示す異常を検出することができる。関節の幾何学的形状もまた、特異的な方向でのインピンジメントに影響されやすいことがある。そうである場合、所定の動きを関節上で実行し、インピンジメントが発生するかどうかを決定し、定量的な計測データに基づいて調整を行うことができる。
【0103】
図32は、例示的な実施形態による計測デバイス154内の電子回路236のブロック図である。一般に、電子回路236は、1つ以上のセンサに結合して、1つ以上のパラメータを計測する。
図3、
図5~21の構成要素は、本明細書では下記の考察で言及され、計測デバイス154の動作を電子回路236に関連させることができる。センサは、ほんの数例を挙げれば、高さ、長さ、幅、傾き/勾配、位置、配向、負荷の大きさ、力、圧力、接点の位置、変位、密度、粘度、pH、光、色、音、光学、血量、視覚認識、湿度、アライメント、位置決め、回転、慣性感知、濁度、骨密度、流体粘度、ひずみ、角変形、振動、トルク、弾性、動き、加速度、感染、痛み、及び温度などのパラメータを計測することができる。この例では、電子回路236は、計測プロセスを制御し、センサ230から計測データを受信し、位置計測システム742から計測データを受信し、さらなる分析及びフィードバックのために計測データをコンピュータ162に送信するように構成される。より具体的には、センサ230は、外部曲面224の所定の位置での力、圧力、または負荷を計測する。所定の位置でのセンサ230は、
図27Bに示されるように、センサ530、532、及び534を含む。位置計測システム742は、位置、運動、回転、速度、加速度、または距離を計測する。一実施形態では、位置計測システムは、9の自由度を計測するように構成される慣性計測ユニット(IMU)744を含む。IMU744は、1つ以上の慣性センサを含むことができる。一実施形態では、センサ230及び位置計測システム742は、計測デバイス154内に収容される。
【0104】
電子回路236は、電源管理回路700、制御ロジック702、メモリ704、インタフェース回路706、位置計測システム742、及び無線通信回路720を含む。電源740は、電子回路236に結合して、計測プロセスに電力を供給する。電源740は、インダクタ、スーパーキャパシタ、蓄電池、有線電源、無線電源、太陽電池、環境発電素子、または他の蓄電媒体であることができる。一実施形態では、電源740は、バッテリ312を含む。電子回路236は、トランシーバをさらに含み、このトランシーバは、人体上での、または人体内での使用のための機器、装備、デバイス、プロテーゼ用構成要素、または他の物理システムを含むがこれらに限定されず、リアルタイムに関心のあるパラメータを送信して通信するように構成される、幅広い物理システムの上に、もしくはこれらの内に位置決めされる、またはこれらと係合される、またはこれらに付着される、もしくはこれらの内に付着される、もしくは添着されることができる。電子回路236を合わせて結合し、プリント回路基板234上の多層の相互接続を使用して電子システムを形成する。可撓性相互接続部228を使用して、遠隔に位置しているセンサ230に電子回路236を結合することができる。
【0105】
電子回路236は、計測デバイス154とコンピュータ162との間の双方向通信を提供するように構成されることができる。一実施形態では、計測デバイス154は、肩関節の設置に関連する定量的計測データを提供する。計測デバイス154は、負荷の大きさ、加えられた負荷の位置、位置、及び回転に関連する定量的計測データを提供するように構成される。運動学的評価では、コンピュータ162は、計測デバイス154からの計測データを使用し、最適な負荷、平衡、安定性、アライメント、可動域を確保し、インピンジメントを減少させるためにプロテーゼ用構成要素の設置をサポートし、臨床的エビデンスに基づいて性能及び信頼性を改善する。
【0106】
電源740は、電子回路236及びセンサ230に電力を供給する。電源740は、一時的または恒久的であることができる。一実施形態では、電源は充電式ではない。計測デバイス154は1回の使用後に使い捨てであり、バッテリ312内の電力は2回目の手術には不十分である。計測デバイス154は、使用後に破壊される、または廃棄される。あるいは、電源740は充電式であることができる。計測デバイス154は、再利用される前に滅菌される。電源740の充電は、有線エネルギー移動または短距離無線エネルギー移動を含むことができる。電源740を充電するための充電電源は、1つ以上のバッテリ、交流電源、高周波受信器、電磁誘導コイル、1つ以上の光導電セル、1つ以上の熱電対、またはトランスデューサエネルギー移動を含むことができるが、これらに限定されない。一実施形態では、電源740が手術を終了するのに十分なエネルギーを有していない場合、電源740へのエネルギー移動によって、単回用途のシナリオが可能である。さらに、計測デバイス154は、電源管理回路700を利用して、使用中に、または電子回路236がアイドリングしているときに、電源740の電力消費を最小にすることができる。
【0107】
前述されるように、計測デバイス154内の電源740はバッテリ312を含む。バッテリ312は、本明細書で上記に開示された方法によって充電されることができる。あるいは、電源740は、スーパーキャパシタ、インダクタ、または他の蓄電デバイスであることができる。外部充電源は、誘導充電によって電磁誘導コイルを介して、充電式バッテリ、コンデンサ、または誘導蓄電デバイスにワイヤレスでカップリングされることができる。充電動作は、電子回路236内の電源管理回路700によって制御されることができる。一実施形態では、電源管理回路700は、電源740の充電が低いことが検出される場合に、充電中の計測デバイス154の動作をサポートすることにより、手術を継続することを可能にする。例えば、電力は、効率的な昇圧型及び降圧型電圧変換回路を用いて、バッテリ312、容量性蓄電デバイス、または誘導性蓄電デバイスに転送することができる。これにより、回路ブロックの動作電力が最小電圧レベルで温存され、必要なレベルのパフォーマンスがサポートされる。
【0108】
電源管理回路700は、厳しい電力制約の下で動作するように構成される。一実施形態では、電源管理回路700は、パワーアップ、パワーダウンを制御し、動作中の電力使用量を最小にする。電源管理回路700は、システムの動作中の電力散逸を減少させるように構成される。電源管理回路700は、特定の動作で使用されていない回路に供給される電力をオフにする、または減らすことができる。同様に、システムがアイドル状態で使用されていない場合、電源管理回路700は、他の使用されていない回路を、次の計測が行われる前に起こすスリープモードにすることができる。電源管理回路700は、電子回路236及びセンサ230に複数の異なる安定した電圧を供給する1つ以上の電圧調整回路を含むことができる。
【0109】
1つの構成では、電源740の充電動作は、ダウンリンクデータを電子回路に通信するのにさらに役立つことができる。例えば、ダウンリンク制御データは、エネルギー源信号に変調され、その後、電子回路230内のインダクタから復調されることができる。これは、アップリンク及びダウンリンクの両方の動作のために電子回路230内に内部トランシーバを構成する代わりに、ダウンリンクデータを受信するためのより効率的な方法として役立つことができる。一例として、ダウンリンクデータは、外部位置情報などの計測を行うときに、または再較正目的のために、計測デバイス154が使用する、更新された制御パラメータを含むことができる。それは、シリアル番号または他の識別データをダウンロードするためにも使用されることができる。
【0110】
制御ロジック702は、センサを作動させ、計測データを使用可能なフォーマットに変換し、情報を伝送する計測プロセスまたはシーケンスを制御する。制御ロジック702は、デジタル回路、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、DSP(デジタル信号処理)、ゲートアレイ実装、スタンダードセル実装、及び他の回路を含むことができる。制御ロジック702はメモリ704に結合する。メモリ704は、計測データ、ソフトウェアルーチン、診断/試験ルーチン、較正データ、較正アルゴリズム、ワークフロー、及び他の情報またはプログラムを格納するように構成される。一実施形態では、1つ以上のセンサは、制御ロジック702に対して、連続的に有効にされ、定期的にサンプリングされることができる。制御ロジック702は、計測プロセスを制御する、または計測データをメモリに格納する、または計測データをリアルタイムで伝送する。制御ロジック702は、専用ポートを含み、これらの専用ポートは、センサに結合して、計測データを継続的に受信する、または高いサンプリングレートで更新された計測を受信することができる。あるいは、制御ロジック702は、計測するセンサを選択することができる。例えば、マルチプレクサを介して複数のセンサを制御ロジック702に結合することができる。制御ロジック702は、計測データをサンプリングして出力するために、どのセンサがマルチプレクサを介して結合されるかを制御する。多重化された計測データは、計測データが重要でない場合に、または必要に応じて時々サンプリングされることができる場合に有効である。また、制御ロジック702は、シーケンス中に、または並列チャネルを介して同時に、異なるセンサからの計測データを選択し、受信することができる。制御ロジック702は、センサからの計測データを監視するが、計測データに変化が起きる場合にのみ計測データを伝送するように構成されることができる。さらに、制御ロジック702は、計測データをコンピュータ162に伝送する前に、計測データを修正することができる。例えば、計測データは、較正データを使用して非線形性について補正されることができる。一実施形態では、Bluetoothローエナジー(BLE)を備えるマイクロコントローラを、アナログ-デジタルコンバータとともに使用して、アナログ値をデジタルに変換する。
【0111】
インタフェース回路706は、センサ230と制御ロジック702との間で結合する。インタフェース回路706は、コンピュータ162が受信することができる形式へのセンサ出力の変換をサポートする。インタフェース回路706は、デジタル回路及びアナログ回路を含む。アナログ回路は、ほんの数例を挙げれば、マルチプレクサ、アンプ、バッファ、コンパレータ、フィルタ、受動部品、アナログ-デジタルコンバータ、及びデジタル-アナログコンバータを含むことができる。一実施形態では、インタフェース回路706は、1つ以上のマルチプレクサを使用して、制御ロジック702に計測データを提供するためのセンサを選択する。制御ロジック702は、マルチプレクサが計測用のセンサを選択することを可能にする制御信号を提供するように構成される。マルチプレクサは、制御ロジック702、メモリ704に計測データを送達すること、または伝送することができる。一般的には、計測データの少なくとも1つのアナログ-デジタル変換またはデジタル-アナログ変換は、インタフェース回路706を介して行われる。
【0112】
センサ230は、インタフェース回路706を介して制御ロジック702に結合する。あるいは、インタフェース回路706は、計測データを、計測するときに伝送するために、回路に直接結合することができる。センサ230によって計測される関心のある1つ以上の物理パラメータは、本明細書に開示される力、圧力、または負荷であるが、センサ230は、他のセンサをさらに含むことができ、これらの他のセンサは、高さ、長さ、幅、傾き/勾配、位置、配向、負荷の大きさ、力、圧力、接点の位置、変位、密度、粘度、pH、光、色、音、光学、血管流量、視覚認識、湿度、アライメント、回転、慣性感知、濁度、骨密度、流体粘度、ひずみ、角変形、振動、トルク、弾性、動き、及び温度を計測する。多くの場合、計測されたパラメータを別の計測されたパラメータと組み合わせて使用し、運動学的及び定性的な評価を行う。関節再建では、筋骨格系の部分は、プロテーゼ用構成要素を受容するように形成される。この形成は、1つ以上の人工器官と嵌合するように骨切断または骨形成が含まれる。パラメータは、体、機器、器具、媒体、装備、もしくは他の物理システムの上に、またはこれらの内部に位置決めされる無線感知モジュールまたはデバイスによって、1つの軸、または軸の組み合わせに沿った運動、回転、または加速だけでなく、配向、安定性、アライメント、インピンジメント、方向、変位、または位置と比較して評価されることができる。
【0113】
センサ230は、関心のあるパラメータを直接に、または間接に計測することができる。例えば、計測デバイス154内の負荷センサは、コンデンサ、圧電センサ、またはMEMSセンサを含むことができ、これらは、この負荷センサに負荷が加えられるときに圧縮することができる。コンデンサを用いた負荷の計測は、コンデンサに加えられる負荷の量によってコンデンサの静電容量値が変化するため、間接的な感知形式である。静電容量計測データは、さらなる処理のためにコンピュータ162に送信されることができる。コンピュータ162は、弾性コンデンサに関連するソフトウェア及び較正データを含むことができる。負荷計測データは、静電容量値から負荷計測値に変換されることができる。コンピュータ162は、較正データを格納することができ、この較正データを使用して、動作範囲にわたってセンサの非線形出力に対して曲線近似し、補償することができる。さらに、コンピュータ162は、個々のセンサ計測値を組み合わせて、他の計測データを生成することができる。負荷計測データのこの例に合わせて、個々の負荷計測データを組み合わせて、または評価して、負荷センサが結合する表面に負荷が加えられる位置を決定することができる。計測データをディスプレイに表示することができ、ディスプレイは、外科医が計測データを迅速に適応するのをサポートする。例えば、表面に加えられた負荷の位置に関する計算された計測データは、外科医にとってほとんど、またはまったく意味がないことがある。逆に、表面に表示される接点に関して負荷されている表面の画像を、外科医は迅速に適応し、接点に関する問題があるかどうかを決定することができる。
【0114】
一実施形態では、肩関節系160は、情報を無線で送受信する。無線操作は、手術室環境内のデータの収集、格納、または表示用の機器と、内部電源を備えたデバイスを接続するケーブルによる物理的干渉への可能性、またはこれらのケーブルによって課される制限への可能性によって引き起こされる、手術領域内の乱雑さ、計測の有線ひずみ、またはこれらの計測上の制限を減少させる。電子回路236は、無線通信回路720を含む。一実施形態では、無線通信回路720は、近距離テレメトリ及びバッテリ動作のために構成される。一般的には、計測デバイス154及びコンピュータ162は、計測デバイス156からコンピュータ162への計測データの伝送が10メートルを下回るように、手術室内に位置している。図示されるように、例示的な通信システムは、計測デバイス154の無線通信回路720と、コンピュータ162の無線通信回路722の受信システムとを含む。無線通信回路720は、アンテナ360、マッチングネットワーク716、テレメトリトランシーバ714、CRC回路712、データパケタイザ710、及びデータ入力708を含むが、これらに限定されない。無線通信回路720は、示されている構成要素の数より多い、または少ない構成要素を含むことができ、これらの示されている構成要素、または構成要素の順序に限定されない。
【0115】
同様に、コンピュータ162は、無線通信回路722を含む。無線通信回路722は、アンテナ724、マッチングネットワーク726、テレメトリレシーバ728、CRC回路730、及びデータパケタイザ732を含む。注目すべきことに、他のインタフェースシステムをデータパケタイザ732に直接結合し、センサデータを処理してレンダリングすることができる。一般に、電子回路236は、センサ230に結合し、定量的計測データをリアルタイムにコンピュータ162に送信して、処理し、表示し、分析し、そしてフィードバックを提供するように構成される。計測デバイス154は、外部曲面224に加えられる負荷を計測するように構成される複数の負荷センサを含む。計測デバイス154は、本明細書では上記に列挙された1つ以上の慣性センサ及び他のパラメータ計測センサを有する慣性計測ユニットをさらに含む。複数の負荷センサ及び慣性センサからの計測データは、コンピュータ162に送信される。コンピュータ162は、複数の負荷センサから外部曲面224に加えられる負荷の大きさを計算することができる。この例では、3つの負荷センサを計測に使用する。コンピュータ162は、計測デバイス154の外部曲面224に加えられた負荷の位置(接点)をさらに計算することができる。計測デバイス154は、位置計測システム742からの計測データをさらに使用して、計測デバイス154またはプロテーゼ用構成要素の位置及び運動を監視することができる。位置計測システム742からの位置または追跡データもまた、コンピュータ162に送信される。これらの結果もまた、コンピュータ162のディスプレイ164に表示されることができる。一実施形態では、位置計測システム742からの計測データを使用して、可動域、アライメント、及びインピンジメントを計測することができる。一実施形態では、異なるセンサまたは構成要素から伝送される計測データを異なるチャネルに送信することができる、または計測データを同じチャネルで異なる時間に送信することができる。
【0116】
前述されるように、無線通信回路は、データ入力708、データパケタイザ710、CRC回路712、テレメトリトランスミッタ714、マッチングネットワーク716、及びアンテナ718を含む。一般に、センサ230からの計測データは、無線通信回路720のデータ入力708に提供される。一実施形態では、センサ230からの計測データは、インタフェース回路706から、メモリ704から、制御ロジック702から、またはデータ入力708への経路の組み合わせから直接送られてくることができる。一実施形態では、計測データは、データ入力708に提供される前に、メモリ704に格納されることができる。データパケタイザ710は、計測データをパケットにアセンブルし、制御ロジック702によって受信される、または処理されるセンサ情報を含む。制御ロジック702は、計測デバイス154のコア信号処理機能を効率的に実行するために特定のモジュールを含むことができる。制御ロジック702は、計測デバイス154への統合のための寸法要件を満たすフォームファクタを減少させるというさらなる利点を提供する。
【0117】
一般に、計測デバイス154からの計測データを暗号化する。一実施形態では、データパケタイザ710の出力は、CRC回路712の入力に結合する。CRC回路712は、パケットデータにエラーコード検出を適用する。巡回冗長検査は、任意の長さのデータストリームまたはパケットについてのチェックサムを計算するアルゴリズムに基づいている。これらのチェックサムを使用して、伝送中のデータの干渉または偶発的な変更を検出することができる。巡回冗長検査は、電気ノイズによって引き起こされるエラーの検出に特に優れているため、高レベルの電磁活性を有する環境での破損したデータの不適切な処理に対してロバストな保護を可能にする。CRC回路712の出力は、テレメトリトランシーバ714の入力に結合する。次に、テレメトリトランシーバ714は、アンテナ360を経由して、マッチングネットワーク716を介してCRC符号化データパケットを送信する。テレメトリトランシーバ714は、1つ以上のステップでは搬送周波数を増加させ、計測デバイス154からの情報または計測データを搬送周波数に追加することができる。マッチングネットワーク716は、テレメトリトランスミッタ714とアンテナ360との間の最適な通信電力効率を達成するためにインピーダンス整合を提供する。
【0118】
アンテナ360は、無線周波数伝送を提供するために、計測デバイス154の構成要素と統合されることができる。アンテナ360についての基板、及び電子回路236との電気的接続部は、マッチングネットワーク716をさらに含むことができる。一実施形態では、アンテナ360、及びマッチングネットワーク716の一部分は、電子回路236を含む構成要素を相互接続するワイヤであることができる、または電子回路236を含む構成要素を相互接続するプリント回路基板234に形成されることができる。アンテナ及び電子機器のこのレベルの統合により、ワイヤレス機器のサイズ及びコストでの削減が可能になる。潜在的な用途は、コンパクトなアンテナを使用することができる、あらゆるタイプの筋骨格装備またはプロテーゼ用構成要素を含むことができるが、これらに限定されない。これは、使い捨てのモジュールまたはデバイスも、再利用可能なモジュールまたはデバイス、及び長期間使用するためのモジュールまたはデバイスも含む。
【0119】
無線通信回路722の受信プロセスは、送信プロセスの逆である。アンテナ724は、無線通信回路720から送信された計測データを受信する。無線通信回路720は、受信する無線通信回路722が、計測データを受信するために10メートル以内などに近接していなければならないように、低電力で送信することができる。アンテナ724は、計測データをテレメトリトランスミッタ回路728に効率的に結合するマッチングネットワーク726に結合する。計測データは、無線伝送をサポートする搬送波信号で送信されることができる。計測データは、テレメトリトランスミッタ728によって搬送波信号から取り除かれる。計測データは、テレメトリトランスミッタ728からCRC回路730によって受信される。CRC回路730は、巡回冗長検査アルゴリズムを実行して、伝送中に計測データが破損していないことを検証する。CRC回路730は、チェックされた計測データをデータパケタイザ732に提供する。データパケタイザ732は、計測データをリアセンブルし、それをUSBインタフェース734に提供する。USBインタフェース734は、さらなる処理のために計測データをコンピュータ162に提供する。
【0120】
外科医による肩関節の設置をサポートするための使用に、計測データの計測、送信、受信、及び処理をリアルタイムで実行することができることに留意されたい。一実施形態では、コンピュータ162は、1つのプロテーゼ用構成要素の少なくとも一部分を表示する。この例では、計測デバイス154の外部曲面224及びリム242は、コンピュータ162に結合されるディスプレイ164に表示される。センサ230及び位置計測システム742からの計測データを使用して、計測デバイス154の外部曲面224上の負荷の大きさ、及び加えられた負荷の位置を計算する。外部曲面224に対する各負荷センサの位置は既知である。加えられた負荷の位置は、本明細書で上記に詳細に開示されるように、各負荷センサからの位置情報、及びコンピュータ162による各位置での負荷の大きさを使用して計算されることができる。加えられた負荷の位置は、ディスプレイ164のGUI380上の接点382とも称される。同様に、接点382での負荷の大きさは、3つの負荷センサ、及び3つの負荷センサの位置から計算されることができる。一般的に、肩関節は所定の可動域全体で動かされる。最小負荷、最大負荷、及び現在の位置での負荷は、GUI380上で、それぞれ表示ボックス380、390、及び386内に表示される。回転量または可動域も示されることができる。これらの計測値は、リアルタイムで計測される、または計算される。また、リム242は、所定の可動域中のインピンジメントを示すためにハイライトされることができる。一実施形態では、リム242は、計測されたインピンジメントに近接するリム242の領域をハイライトする。アライメント、負荷、負荷の位置、回転、または他のパラメータに影響する調整を実行し、ディスプレイ164でリアルタイムに監視することができる。これらの調整は、計測されたパラメータが仕様以内になった後に最適化をサポートして、定量的計測データを用いてプロテーゼ用構成要素の設置を微調整することができる。
【0121】
図33は、例示的な実施形態による、システムまたはコンピュータのブロック図である。システム800の形式では、マシン、システム、またはコンピュータの例示的な図式表現は、システム内でインストラクションセットが、実行されると、上記に考察される方法論のいずれか1つ以上をマシンに実行させることができる。いくつかの実施形態では、マシンはスタンドアロンデバイスとして動作する。いくつかの実施形態では、マシンは、他のマシンに接続されることができる(例えば、ネットワークを使用して)。ネットワーク化された展開では、マシンは、サーバ-クライアントユーザネットワーク環境中のサーバもしくはクライアントユーザマシンの能力内で動作することができる、またはピアツーピア(もしくは分散)ネットワーク環境中のピアマシンとして動作することができる。
【0122】
マシンは、サーバコンピュータ、クライアントユーザコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、制御システム、論理回路、センサシステム、ASIC、集積回路、ネットワークルーター、スイッチもしくはブリッジ、またはそのマシンによって行われるアクションを指定するインストラクションセット(シーケンシャルまたはその他のもの)を実行することができる任意のマシンを含むことができる。本開示のデバイスが、音声、ビデオ、またはデータ通信を提供する広くあらゆる電子デバイスを含むことが理解されよう。さらに、単一のマシンが示されているが、「マシン」という用語は、本明細書で考察される方法論のいずれか1つ以上を実行するために命令の1セット(または複数のセット)を個別に、またはあわせて実行するマシンのいずれかの集合体をも含むと解釈されるものとする。
【0123】
システム800は、バス808を介して互いに通信する、プロセッサ802(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、またはその両方)、メインメモリ804、及びスタティックメモリ806を含むことができる。システム800は、ビデオ表示部810(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、フラットパネル、ソリッドステートディスプレイ、または陰極線管(CRT))をさらに含むことができる。システム800は、入力デバイス812(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス814(例えば、マウス)、ディスクドライブユニット816、信号発生デバイス818(例えば、スピーカーまたはリモコン)、及びネットワークインタフェースデバイス820を含むことができる。
【0124】
ディスクドライブユニット816は、フラッシュメモリなどの他のタイプのメモリであることができ、機械可読媒体822を含むことができ、この機械可読媒体上には、上記に示されるそれらの方法を含む、本明細書に記載されている方法論または機能のいずれか1つ以上を具現化する1つ以上のセットの命令824(例えば、ソフトウェア)が格納される。また、命令824は、システム800によるそれらの実行中に、メインメモリ804、スタティックメモリ806、及び/またはプロセッサ802内に完全に、または少なくとも部分的に常駐することができる。また、メインメモリ804及びプロセッサ802は、機械可読媒体とみなされることがある。
【0125】
特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックアレイ、及び他のハードウェアデバイスを含むが、これらに限定されない専用ハードウェア実装を同様に構築して、本明細書に記載される方法を実装することができる。さまざまな実施形態の装置及びシステムを含むことができるアプリケーションは、広く、さまざまな電子及びコンピュータシステムを含む。いくつかの実施形態は、モジュール間で、そしてモジュールを介して通信される、関連する制御信号及びデータ信号を用いて、または特定用途向け集積回路の部分として、2つ以上の特定の相互接続されたハードウェアモジュールまたはデバイス内に機能を実装する。したがって、システムの例は、ソフトウェア、ファームウェア、及びハードウェアの実装に適用可能である。
【0126】
本開示のさまざまな実施形態によれば、本明細書に記載される方法は、コンピュータプロセッサ上で実行するソフトウェアプログラムとしての動作のためのものである。さらに、ソフトウェア実装は、本明細書に記載される方法を実装するように構築されることもできる、分散処理もしくはコンポーネント/オブジェクト分散処理、並列処理、または仮想マシン処理を含むことができるが、これらに限定されない。
【0127】
本開示は、ネットワーク環境820に接続されるデバイスが音声、ビデオ、またはデータを送信する、または受信することができるように、そして命令824を使用してネットワーク826経由で通信することができるように、命令824を含む機械可読媒体、または伝播信号からの命令824を受信して実行する機械可読媒体を企図する。さらに、命令824は、ネットワークインタフェースデバイス820を介してネットワーク826経由で送信される、または受信されることができる。
【0128】
例示的な実施形態では、機械可読媒体822は単一の媒体であることが示されているが、「機械可読媒体」という用語が、1つ以上のセットの命令を格納する、単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型または分散型データベース、及び/または関連するキャッシュ及びサーバ)を含むと解釈されたい。また、「機械可読媒体」という用語は、機械による実行のために1セットの命令を格納する、符号化する、または搬送することができ、この機械に、本開示の方法論のいずれか1つ以上を実行させる、任意の媒体を含むと解釈されるものとする。
【0129】
したがって、「機械可読媒体」という用語は、メモリカード、または1つ以上の読み出し専用(不揮発性)メモリ、ランダムアクセスメモリ、もしくはその他の再書き込み可能な(揮発性)メモリを収容する他のパッケージなどのソリッドステートメモリと、ディスクまたはテープなどの光磁気または光学媒体と、伝送媒体内のコンピュータ命令を具現化する信号などの搬送波信号とを含むが、これらに限定されないと解釈されるものとする、及び/または電子メール、またはその他の自己完結型の情報アーカイブもしくはアーカイブセットへのデジタルファイルの添付ファイルは、有形の記憶媒体に均等の配信媒体とみなされる。したがって、本開示は、本明細書に列挙され、本明細書でのソフトウェア実装が格納されている技術分野で認識された均等物及び後継媒体を含む、機械可読媒体または配信媒体のいずれか1つ以上を含むとみなされる。
【0130】
本明細書は特定の規格及びプロトコルを参照して実施形態に実装されるコンポーネント及び機能を説明しているが、本開示は、それらのような規格及びプロトコルに限定されない。インターネット及びその他のパケット交換網伝送(TCP/IP、UDP/IP、HTML、HTTPなど)についての各規格は、現在の技術水準の例を表す。それらのような規格は、基本的に同じ機能を有する、より高速な、またはより効率的な均等物によって定期的に取って代わられる。したがって、同じ機能を有する代替の規格及びプロトコルは、均等物とみなされる。
【0131】
図34は、例示的な実施形態による、計測及び報告のための通信ネットワーク900の図解である。簡単に言えば、通信ネットワーク900は、他のデバイスまたはサービスへの広範囲に及ぶデータ接続性を拡張する。図示されるように、計測及び報告システム902は、通信ネットワーク900、及び任意の関連するシステムまたはサービスに通信可能に結合されることができる。
【0132】
一例として、計測システム902は、手術の状態または結果に関する分析または報告などのために、関心のあるそのパラメータ(例えば、角度、負荷、平衡、距離、アライメント、変位、運動、回転、及び加速度)をリモートサービスまたはプロバイダと共有することができる。このデータは、例えば、進捗を監視するためにサービスプロバイダと、または手術モニタリングの目的、もしくは有効性調査のために計画管理者と共有されることができる。さらに、通信ネットワーク900は、電子医療記録(EMR)システムに関連付けられ、医療情報技術の実務を実施することができる。他の実施形態では、通信ネットワーク900は、病院情報システム(HIS)、病院情報技術(HIT)及び病院情報管理(HIM)、電子カルテ(EHR)、コンピュータ化された医師オーダーエントリ(CPOE)、及びコンピュータ化された意思決定支援システム(CDSS)に通信可能に結合されることができる。これにより、データを正確に、効率的に、かつ一貫して通信して交換し、交換されたデータを使用する、さまざまな情報技術システム及びソフトウェアアプリケーションの機能が提供される。
【0133】
通信ネットワーク900は、ローカルエリアネットワーク(LAN)904、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)910、セルラーネットワーク906、及び/または他の無線周波数(RF)システム(
図4を参照)を介して有線または無線接続を提供することができる。LAN904及びWLAN910は、中央局などを介してインターネット908に通信可能に結合されることができる。中央局は、電気通信サービスを配信するための共通のネットワーク切替器を収容することができる。電気通信サービスは、従来のPOTS(基本電話サービス)と、ケーブル、HDTV、DSL、VoIP(ボイスオーバーインターネットプロトコル)、IPTV(インターネットプロトコルテレビ)、インターネットサービスなどのブロードバンドサービスとを含むことができる。
【0134】
通信ネットワーク900は、一般的なコンピューティング及び通信技術を利用して、回線交換及び/またはパケット交換通信をサポートすることができる。インターネット908及びその他のパケット交換網伝送(TCP/IP、UDP/IP、HTML、HTTP、RTP、MMS、SMS)についての各規格は、現在の技術水準の例を表す。それらのような規格は、基本的に同じ機能を有する、より高速な、またはより効率的な均等物によって定期的に取って代わられる。したがって、同じ機能を有する代替の規格及びプロトコルは、均等物とみなされる。
【0135】
セルラーネットワーク906は、GSM-GPRS、EDGE、CDMA、UMTS、WiMAX、2G、3G、WAP、ソフトウェア無線(SDR)、及び他の既知の技術などの多くのアクセス技術を介して音声及びデータサービスをサポートすることができる。セルラーネットワーク906は、モバイルデバイス914と通信するための周波数再利用計画の下で、基準局受信器912に結合されることができる。
【0136】
次に、基地局受信器912は、パケット交換リンクを介してインターネット908にモバイルデバイス914を接続することができる。インターネット908は、計測システム902からモバイルデバイス914にデータを配信するためにアプリケーションサービス及びサービス層をサポートすることができる。また、モバイルデバイス914は、無線通信チャネルを使用してインターネット908を介して他の通信デバイスに接続することができる。また、モバイルデバイス914は、WLAN910を介してインターネット908に接続することができる。ワイヤレスローカルアクセスネットワーク(WLAN)は、局所的な地理的領域内で無線アクセスを提供する。WLANは、通常、基地局としても知られているアクセスポイント(AP)916のクラスタから構成される。計測システム902は、基地局エリア内のラップトップ918などの他のWLAN局と通信することができる。一般的なWLAN実装では、物理層は、802.11bまたは802.11gのWLAN技術などのさまざまな技術を使用する。物理層は、赤外線、2.4GHz帯内の周波数ホッピングスペクトラム拡散、2.4GHz帯内のダイレクトシーケンススペクトラム拡散、または5.8GHzのISM帯もしくはそれより高いISM帯(例えば、24GHzなど)などの内の他のアクセス技術を使用することができる。
【0137】
通信ネットワーク900を介して、計測システム902は、ネットワーク上のリモートサーバ920との接続、及びデータを交換するための他のモバイルデバイスとの接続を確立することができる。リモートサーバ920は、データベース922へのアクセスを有することができ、このデータベースは、ローカルに、またはリモートに格納され、特定用途向けデータを含むことができる。また、リモートサーバ920は、直接に、またはインターネット908を介して、アプリケーションサービスをホストすることができる。
【0138】
図35は、例示的な実施形態による、肩関節の設置をサポートするロボット1000の図解である。一般に、ロボットは、外科医の制御下で肩関節の設置をサポートする、または支援することができる。例示的な実施形態では、計測デバイス154は、ロボット1000に結合されることができる。ロボットの一例は、ロボット支援関節設置アプリケーションを備えたRobodoc手術ロボットである。また、ロボット1000は、手術用CNCロボット、手術用触覚ロボット、外科用遠隔手術ロボット、手術用ハンドヘルドロボット、またはいずれかの他の手術用ロボットを含むことができる。計測デバイス154は、ロボット1000に結合し、このロボットを用いて機能するように自動化されることにより、外科医による直接の手制御に取って代わることができる。計測デバイス154を制御して、ロボット1000によって行われるアクションは、ロボット1000にリアルタイムで計測データを使用させ、後続のステップのために計測デバイス154にフィードバックを提供することによって、より円滑で、より正確なものとなり得る。追加の利点は、手術時間を短縮させることができ、患者が麻酔下にある時間を減らすことである。
【0139】
ロボット1000は、コンピュータ支援手術、より具体的には、計測デバイス154を用いた肩の手術を実行するように構成されることができる。典型的には、ロボット1000及び計測デバイス154をコンピュータ支援手術に使用して、パフォーマンス、アライメント、安定性、可動域を改善し、手術時間を短縮させ、人工関節、より具体的には肩関節の設置におけるインピンジメントを最小にする。一実施形態では、ロボット1000は、計測デバイス154から送信されるリアルタイム計測データを使用して、伸延、骨切断の実行、プロテーゼ用構成要素のアライメント、プロテーゼ用構成要素の再位置決め、負荷の調整、組織解離の実行、可動域の実行、安定性の改善を行うことができる。
【0140】
一般に、計測デバイス154からの計測データを、ロボット1000のコンピュータに無線で送信することができる。あるいは、計測データをロボット1000にハードワイヤリングされることができる。計測デバイス154からの計測データの例は、ほんの数例を挙げれば、所定の運動についての可動域、インピンジメント、負荷の大きさ、負荷の位置、位置、及び動きであることができる。ロボット1000が受信する計測データは、定量的計測データに基づいて、骨面の形成、または最終プロテーゼ用構成要素の設置のために外科医が必要とする計測データを計算して表示するためにさらに処理されることができる。形成された骨面は、最適な可動域及び安定性のために適切なアライメントを支持するプロテーゼ用構成要素を受容する。一実施形態では、ロボット1000内のコンピュータは、手術のさまざまな段階で使用される1つ以上のアルゴリズムを含む。計測デバイス154からの計測データは、ロボット1000のアルゴリズムに入力され、これらのアルゴリズムは、データをロボットアクションのためにディスプレイに表示される情報に変換することができ、これらのロボットアクションは、骨切断、ピン配置、プロテーゼ用構成要素のサイジングなどを行うために、または外科医が取ることができるアクションにフィードバックを提供するために使用される。フィードバックは、可聴、視覚的、または触覚的フィードバックの形式を取ることができ、計測データに基づいてアクションをサポートする、またはこのアクションに耐えるためにロボットが取る、伸延またはその後のステップに外科医をガイドする。また、フィードバックは、手術に有害である可能性がある、ユーザによる動きを滑らかにする、または防止することができる。さらに、計測データのステータスを使用して、ワークフローを生成することができ、その後、このワークフローは、外科医によって、または自動的にロボット1000によって実施され、肩関節の設置の性能及び信頼性を高める。
【0141】
図36は、例示的な実施形態による計測デバイス1100の図解である。計測デバイス1100は、
図3~21に示されるように、計測デバイス154と同一の電子回路及び少なくとも1つのセンサを収容する。計測デバイス1100は、計測データを近接するコンピュータに送信し、計測データをリアルタイムに表示する。計測デバイス1100からの計測データは、上記の本明細書に開示される、
図22A~
図27Aに示されるように、GUI380上に提供されることができる。この例では、計測デバイス1100は、肩のインプラント用に構成される。一般に、計測デバイス1100は、骨、組織、靭帯、腱、または関節などの筋骨格系での使用に適合することができる。示されるように、計測デバイス1100は、肩関節の可動域、安定性、インピンジメント、負荷、及び負荷の位置を計測するために上腕骨プロテーゼ材に結合するように構成される。肩関節の関節窩球体は、計測デバイス1100の外部曲面1104に結合するように構成される。さらに、本明細書で上記に計測デバイス154について記載されている実施形態または用途は、計測デバイス1100に適用されることができる。
【0142】
計測デバイス1100は、上部ハウジング1106及び下部ハウジング1108を含む。上部ハウジング1106及び下部ハウジング1108を合わせて結合し、電子回路、電源、及びセンサを収容するハーメチックシールされた筐体を形成する。上部ハウジング1106は、リム1102及び外部曲面1104を有する。計測デバイス1100は、下部ハウジング1108に結合するように構成されるシム1110をさらに含む。シム1110は、計測デバイス1100の取り外し可能な構造体であり、上腕骨プロテーゼ材の上腕骨トレイに結合するように構成される。計測デバイス1100の高さを変えるために、複数のシムは計測デバイス1100に設けられる。一実施形態では、シムを使用して計測デバイス1100の高さを増加させることによって、肩関節の筋肉、腱、または靭帯が加える負荷を増加させることができる。逆に、より低い高さのシムを使用して計測デバイス1100の高さを低下させることによって、肩関節の筋肉、腱、または靭帯が加える負荷を低減させることができる。一実施形態では、複数のシムは、計測デバイス1100が肩関節に結合されるときに関節窩球体に提示する角度を変更するために設けられることができる。
【0143】
図37Aは、例示的な実施形態による計測デバイス1100の上方図である。前述されるように、シム1110は、下部ハウジング1108に取り外し可能に結合する。これにより、肩関節の設置中に異なるシムを迅速に、計測デバイス1100に結合し、またはこの計測デバイスから取り外し、定量的計測データを使用して肩関節内の上腕骨プロテーゼ材の最適な装着または配置を決定することができる。切り欠き部1112を下部ハウジング1108内に示す。一実施形態では、棚部または突出部は、保定機構1114の下にある下部ハウジング1108に形成される。保定機構1114は、シム1110から延出するタブである。一実施形態では、保定機構1114は、力の下で下部ハウジング1108の棚部または突出部に結合し、シム1110を下部ハウジング1108に保定する。一実施形態では、保定機構1114を下部ハウジング1108の棚部または突出部から離し、シム1110を下部ハウジング1108から解放することができるように、保定機構1114は可撓性である。下部ハウジング1108内の切り欠き部1112は、保定機構1114が屈曲して下部ハウジング1108から離れることを容易にするようにアクセスすることができる。
【0144】
図37Bは、例示的な実施形態による外部曲面1104を示す計測デバイス1100の図解である。一般に、計測デバイス1100の上部ハウジング1106は、リム1102及び外部曲面1104を含む。前述されるように、肩関節の関節窩球体の結合部は、計測デバイス1100の外部曲面1104に結合する。一実施形態では、複数のセンサは、外部曲面1104の下にあり、センサが配置される各位置に加えられる力、圧力、または負荷を計測するように構成される。複数のセンサからの計測データをコンピュータに提供し、肩関節の関節窩球体によって外部曲面1104に加えられる負荷の大きさ、及び関節窩球体によって加えられた負荷の位置を計算する。
【0145】
図37Cは、例示的な実施形態による計測デバイス1100の側面図である。上部ハウジング1106は、下部ハウジング1108に結合されている。シム1110は、下部ハウジング1108に結合されている。この側面図は、シム1110内のアンダーカット1116及びアンダーカット1118を示す。一実施形態では、アンダーカット1118は、シム1110の反対側にもある。アンダーカット1116及び1118を使用して、上腕骨プロテーゼ材のインプラントトレイに対して計測デバイス1100を保定して、この計測デバイスのアライメントを取る。一実施形態では、インプラントトレイ内に形成される対応する機構は、アンダーカット1116及び1118に結合する。
【0146】
図37Dは、例示的な実施形態によるシム1110内に形成されるアンダーカット1118を図示する計測デバイス1100の前方図である。アンダーカット1118を使用して、上腕骨プロテーゼ材のインプラントトレイに対して計測デバイス1100を保定して、この計測デバイスのアライメントを取る。
【0147】
図38は、例示的な実施形態による計測デバイス1100の分解図である。可撓性相互接続部1120は、複数のセンサを電子回路1130に結合するように構成される。複数のセンサは、可撓性相互接続部1120内に、またはこれの上に形成されることができる。一実施形態では、複数のセンサは、センサ1122、センサ1124、及びセンサ1126を含む。一実施形態では、センサ1122、1124、及び1126は、可撓性相互接続部1120に形成される。あるいは、センサは、可撓性相互接続部1120に結合されることができる。一実施形態では、1つ以上の基準センサは、可撓性相互接続部1120内に形成される。一実施形態では、センサ1122、1124、及び1126ならびに可撓性相互接続部1120内の相互接続部が遮蔽される。センサ1122、1124、及び1126は、外部曲面1104に結合するように構成される。
【0148】
電子部品及び電源1132は、プリント回路基板1128に結合される。プリント回路基板1128は、電子部品を接続して電子回路1130を形成するために1つ以上のレベルの相互接続部を含み、この電子回路は、計測プロセスを制御し、計測データを伝送するように構成される。一実施形態では、電源1132は、計測デバイス1100に電力を供給するためにバッテリを含む。プリント回路基板1128は、可撓性相互接続部1120に結合するためにコネクタを含むリジッドプリント回路基板であることができる。電子回路1130、可撓性相互接続部1120、ならびにセンサ1122、1124、及び1126は、下部ハウジング1108のキャビティ1136内に配置される。上部ハウジング1106は、下部ハウジング1108に結合して、電子回路1130、可撓性相互接続部1120、ならびにセンサ1122、1124、及び1126のためにハウジングを形成する。一実施形態では、センサ1122、1124、及び1126は、上部ハウジング1106と下部ハウジング1108との間の所定の位置に配置され、関節窩球体が肩関節についての計測デバイス1100の外部曲面1104に結合する箇所の、負荷の大きさ、及び加えられた負荷の位置の計測をサポートする。前述されるように、電子回路1130、基準センサ、位置計測システム(例えば、IMU)、ならびにセンサ1122、1124、及び1126は、計測デバイス154(
図3を参照)について説明されるものと同様に動作するので、簡潔にするために詳細に開示されない。さらに、計測デバイス1100は、本明細書で上記に開示されるように、計測データをコンピュータ162に送信し、計測データをディスプレイ164に表示させる。計測データは、GUI380にグラフィカル形式で表示され、計測デバイス154について考察されるものと同じ方法で、計測データの理解を加速することができる。
【0149】
シム1110は、下部ハウジング1108に結合して、計測デバイス1100に高さを加える。複数のシムは、計測デバイス1100に設けられ、複数のシムの各シムは異なる厚さを有する。したがって、シム1110を取り外して、複数のシムからのその他のシムの1つと置換して、計測デバイス1100の高さを所定の量まで変更することができる。上部ハウジング1106、下部ハウジング1108、及びシム1110は、複合材料、ポリマー、プラスチック、金属、または金属合金などの生体適合性材料から形成されることができる。一実施形態では、上部ハウジング1106、下部ハウジング1108、及びシム1110は、ポリマー材料から成形される、または3D印刷されることができる。
【0150】
インプラントトレイ1134は、上腕骨プロテーゼ材の構成要素である。一実施形態では、インプラントトレイ1134は、上腕骨プロテーゼ材に結合する。一実施形態では、インプラントトレイ1134は、ねじによって上腕骨プロテーゼ材の適所に保持され、インプラントトレイ1134は、ねじを取り除くことによって取り外されることができる。肩関節に関連する定量的計測データを生成して、可動域、安定性、インピンジメント、運動、負荷、または負荷の位置を評価するために、シム1110は、インプラントトレイ1134に結合し、計測デバイス1100を適所に保持するように構成される。
【0151】
図39は、例示的な実施形態による計測デバイス1100の下部ハウジング1108のキャビティ1136の図解である。この例では、計測デバイス1100の構成要素の配置が示される。電子部品を含むプリント回路基板1128は、下部ハウジング1108の内面に結合される。プリント回路基板1148は、キャビティ1136内に装入され、プリント回路基板スナップ1142によって保定される。プリント回路基板スナップ1142をプリント回路基板1128内の開口部に押し込み、しまりばめを形成し、このしまりばめは、動きを防止し、キャビティ1136内でプリント回路基板1128のアライメントを取る。一実施形態では、プリント回路基板スナップ1142は、下部ハウジング1108の内面から延出し、プリント回路基板スナップ1142の頭部は、プリント回路基板1128内の開口部よりも大きく作製される。プリント回路基板1128は、可撓性相互接続部1120に結合するコネクタ1146を含む。一実施形態では、電源1132は、プリント回路基板1128に結合し、それによって保定される。電源1132は、電子回路1130、ならびにセンサ1122、1124、及び1126に電力を供給し、肩関節置換手術全体についての計測データを提供する。
【0152】
センサ1122、1124、及び1126は、上部ハウジング1106の外面1104に対して所定の位置で下部ハウジング1108上の表面1144に結合する(
図36を参照)。一実施形態では、センサ1122、1124、及び1126は、外部曲面1106の半径方向位置に配置される。一実施形態では、センサ1122、1124、及び1126は、互いに等間隔に置かれる。一実施形態では、基準センサ1148は、センサ1122、1124、及び1126に対して、可撓性相互接続部1120上の、またはその中の中心に位置していることができる。あるいは、1つより多い基準センサを、可撓性相互接続部1120上に、またはその中に形成することができる。センサ1122、1124、及び1126は、センサスナップ1140によって適所に保持される。センサスナップ1140は、センサ1122、1124、及び1126に近接する開口部を介して結合し、所定の位置でセンサ1122、1124、及び1126のアライメントを取り、保定する。一実施形態では、隆起領域は、センサ1122、1124、及び1126の下に形成される。隆起領域は、表面1144より上に延出し、センサ1122、1124、及び1126を支持する平面を提供する。
【0153】
図40は、例示的な実施形態による計測デバイス1100の断面図である。上部ハウジング1104は、下部ハウジング1108に結合するように示される。一実施形態では、周方向溝部1152は、下部ハウジング1108上で周方向に形成される。周方向舌部1150は、上部ハウジング1106上で周方向に形成され、下部ハウジング1108上の周方向溝部1152に結合するように構成される。一実施形態では、グルーまたは接着剤を周方向溝部1152内に使用して、上部ハウジング1106を下部ハウジング1108に封止して保定することができる。あるいは、上部ハウジング1106上の1つ以上の保定構造体、及び下部ハウジング1108上の1つ以上の対応する保定構造体を使用して、上部ハウジング1106を下部ハウジング1108に結合することができる。周方向舌部1150は、上部ハウジング1106が下部ハウジング1108に結合するときにシールを形成する共形材料を含むことができる。
【0154】
計測デバイス1100の上側の保定機構1114は、シム1110を下部ハウジング1108に結合することが示される。示されていないが、シム1110を下部ハウジング1108に結合する1つより多い保定機構が存在し得る。下部ハウジング1108は、保定機構1114を受容するように構成される切り欠き部1156を含む。保定機構1114は、切り欠き部1156に装入するように構成される、対応する突出部1154を含む。前述されるように、保定機構1114は、可撓性であり、下部ハウジング1108から離れて曲げられることができるので、突出部1154は、シム1110を下部ハウジング1108から取り外すことができるように、切り欠き部1156の外側にある。
【0155】
プリント回路基板1130は、下部ハウジング1108の内面に保定されるか、またはその近くに保定される。可撓性相互接続部1120は、プリント回路基板1130上でコネクタ1146に結合するように示される。可撓性相互接続部内に形成される、または配置されるセンサ1122は、上部ハウジング1106と下部ハウジング1108との間で結合される。一実施形態では、センサ1122は、上部ハウジング1106の内面、及び下部ハウジング1108の内面上に形成される平面に結合する。センサ1122は、外面1104の所定の位置の下にある。所定の位置のセンサ1122、1124、及び1126を使用して、計測データから加えられた負荷の位置、及び負荷の大きさを計算する。可撓性相互接続部1120が相互接続部をねじる、いかなる曲げも受けないことに留意されたい。センサスナップ1140は、可撓性相互接続部1120を介して結合し、センサ1120を所定の位置に保定することが示されている。
【0156】
図41A及び41Bは、例示的な実施形態による、2つの異なるシムを含む計測デバイス1100を示す。一般に、計測デバイス1100は、複数のシムを含む。この例では、2つの異なるシムを開示するが、2つよりも多い異なるシムを提供することができる。シム1110は、高さがゼロのシムであり、最小の高さでは計測デバイス1100に相当する。この例では、上部ハウジング1106及び下部ハウジング1108は、合わせて結合され、少なくとも1つのパラメータを計測するように構成される。シム1110は、下部ハウジング1108に結合する別個の構成要素である。計測デバイス1100は、シム1110を下部ハウジング1108に結合して、標準、通常、または最小の高さで計測デバイス1100を形成する状態が示されている。
【0157】
シム1160は、2.5ミリメートルのシムであり、
図41Aの高さがゼロのシム1110と比較した場合に、計測デバイス1100の高さを2.5ミリメートル上げる。この例では、上部ハウジング1106及び下部ハウジング1108は、合わせて結合され、少なくとも1つのパラメータを計測するように構成される。シム1160は、下部ハウジング1108に結合する別個の構成要素である。計測デバイス1100は、シム1160を下部ハウジング1108に結合して、2.5ミリメートルまで増加した高さで計測デバイス1100を形成する状態が示されている。前述されるように、計測デバイス1100は、異なる高さの2つより多いシムを設けられることができる。例えば、
図41Aのシム1110によって縮小したときの肩関節は、計測デバイス1100によって計測されたときに、決して望ましくはない負荷を有する可能性がある。その後、シム1110を取り外して、シム1160と置換することができる。計測デバイス1100内のシム1160による肩関節の縮小は、肩関節の筋肉上への張力を増加させることによって、計測デバイス1100に加えられる負荷を増加させる。さまざまな筋肉、靭帯、または腱上の張力を調整して、安定性を達成し、可動域を最大にし、インピンジメントを最小にし、定量的計測データに基づいて許容可能な範囲内で肩関節に負荷をかけることができる。例えば、この張力を、軟組織の張力を使用して調整することで、計測デバイス1100内の負荷センサによってリアルタイムで計測される許容可能な範囲内に負荷を調整することができる。
【0158】
図42は、例示的な実施形態による、外部曲面1104の所定の領域に直接負荷をかけるように変更されている上部ハウジング1106の外部曲面1104の断面図である。断面図は、上部ハウジング1106を下部ハウジング1108に結合して筐体を形成することを示し、この筐体は、電子回路1130、可撓性相互接続部1120、ならびにセンサ1122、1124、及び1126を外部環境から隔離してハーメチックシールする。シム1110は下部ハウジング1108に結合する。関節窩球体1194の部分図は、上部ハウジング1106の外部曲面1104に結合することが示される。一般に、関節窩球体1194による負荷は、外部曲面1104の下にある複数の負荷センサに向けられる。この例では、負荷は、センサ1122、センサ1124、及びセンサ1126(図示せず)に向けられる。示されるように、センサ1122及び1124は、それぞれ、外部曲面1104の領域1172及び領域1174の下にある。同様に、センサ1126は、
図42の領域1176の下にある。前述されるように、センサ1122、1124、及び1126は、外部曲面1104の所定の半径方向位置に配置される。一実施形態では、センサ1122、1124、及び1126もまた、互いから等間隔に置かれる。センサ1122、1124、及び1126は、外部曲面1104上の計測面積を最大にするために、実現可能な限り上部ハウジング1106のリム1102の近くに配置される。
【0159】
この例では、関節窩球体1194は直径38ミリメートルであり、半径19ミリメートルを有する。一実施形態では、外部曲面1104は、関節窩球体1194よりも大きな半径を有する。この例では、外部曲面の半径は、38.15ミリメートルである。外部曲面1104は、関節窩球体1194のみが外部曲面1104の領域1172、1174、及び1176に結合するように変更される。センサ1122、1124、及び1126は、それぞれ、外部曲面1104の領域1172、1174、及び1176の下にある。したがって、関節窩球体1194によって加えられる負荷は、領域1172、1174、及び1176の外側の外部曲面1104の領域ではなく、計測デバイス1100のセンサ1122、1124、及び1126に向けられる。一般に、関節窩球体1194に結合しない2つの領域が外部曲面1104にある。一実施形態では、上部ハウジング1106の外部曲面1104の領域1192は、関節窩球体1194に結合しない。領域1192では関節窩球体1194と外部曲面1104との間にギャップが示されることに留意されたい。領域1192は、センサ1122、1124、及び1126の間の負荷計測領域に対応する。一実施形態では、領域1192内の関節窩球体1194と外部曲面1104との間のギャップは、約0.15ミリメートルである。一実施形態では、領域1192は、領域1192内に0.15ミリメートルの切り欠き部を有するように成形されることができる。あるいは、0.15ミリメートルの材料を領域1192から除去することができる。
【0160】
一実施形態では、上部ハウジング1106の外部曲面1104の領域1190は、関節窩球体1194に結合しない。領域1130では関節窩球体1194と外部曲面1104との間にギャップが示されることに留意されたい。領域1190は、外部曲面1104の領域1192、ならびに領域1172、1174、及び1176の外側の領域に対応する。一実施形態では、領域1190内の関節窩球体1194と外部曲面1104との間のギャップは、約0.10ミリメートルである。一実施形態では、領域1190内に0.10ミリメートルの切り欠き部を有するように成形されることができる。あるいは、0.10ミリメートルの材料を領域1190から除去することができる。
【0161】
図43は、例示的な実施形態による計測デバイス1100を装填するブロック図である。この方法は、
図42に列挙された構成要素を参照する。ステップ1180では、肩関節の関節窩球体1194は、計測デバイス1100に負荷をかける。この例では、関節窩球体1194は肩甲骨に結合し、計測デバイス1100は上腕骨プロテーゼ材に結合し、肩関節を形成する。ステップ1182では、関節窩球体1194は、領域1172、1174、及び1176に直接結合する。センサ1122、1124、及び1126は、それぞれ、上部ハウジング1106の外部曲面1104の領域1172、1174、及び1176の下にある。一実施形態では、関節窩球体1194は、上部ハウジング1106の外部曲面1104の領域1190及び1192に結合しない。関節窩球体1194によって加えられる負荷は、センサ1122、1124、及び1126を介して結合され、それらの間で分散される。ステップ1186では、領域1172、1174、及び1176を介して、したがってセンサ1122、1124、及び1126を介して負荷を分散することにより、センサの所期の感度は補正される。一実施形態では、関節窩球体1194によって計測デバイス1100に加えられる負荷は、センサ1122、1124、及び1126を介してのみ結合する。
【0162】
図44は、例示的な実施形態による上部ハウジング1106の外部曲面1104の異なる領域を示す計測デバイス1100の図解である。一般に、外部曲面1104は、異なる表面高さを各有する3つの異なる領域を含む。第一領域は、外部曲面1104に加えられる力、圧力、または負荷を計測するためのセンサの位置に対応する。第一領域の表面の高さ及び曲率は、球形のプロテーゼ用構成要素を受容するように構成される半径に対応する。この例では、関節窩球体は、半径19ミリメートルを有し、センサの位置に対応する第一領域の半径は19.075ミリメートルである。一実施形態では、外部曲面1104は、それに結合する球形のプロテーゼ用構成要素よりも大きな半径を有する。
【0163】
外部曲面1104の第二領域は、外部曲面1104に加えられた球形プロテーゼ用構成要素の負荷の位置に対応する。一般に、センサは、上部ハウジング1106のリム1102に隣接して、または近接して位置している。センサをリム1102に近接して配置することで、加えられた負荷の位置をセンサが正確に計測することができる領域を最大にする。一実施形態では、センサは、外部曲面1104の半径方向位置に配置される。一実施形態では、センサは、互いから等間隔に置かれる。一実施形態では、第二領域は、センサ位置に、またはそれより下に配置されることができる。一実施形態では、第二領域は不規則な形状であることができる。一実施形態では、第二領域は、1つより多い第二領域を含むことができる。この例では、外部曲面1104の第二領域の表面は、第一領域の表面より下にある。一実施形態では、球形のプロテーゼ用構成要素は、外部曲面1104に結合するときに第二領域に結合しない。球形のプロテーゼ用構成要素は、センサ位置に対応する第一領域に結合する。
【0164】
外部曲面1104の第三領域は、センサに近接している、または外部曲面1104上のセンサより上にある、加えられた負荷の位置に対応する。一実施形態では、外部曲面1104に結合されるときに球形のプロテーゼ用構成要素の可動域は、通常、加えられた負荷の位置を、上部ハウジング1106のリム1102の近くに配置しない。一般に、第三領域は、人工関節についての可動域の極値に対応する。一実施形態では、第三領域は、センサ位置に近接して、またはそれより上に配置されることができる。一実施形態では、第三領域は不規則な形状であることができる。一実施形態では、第三領域は、1つより多い第三領域を含むことができる。この例では、外部曲面1104の第三領域は、外部曲面1104の第二領域の外側にあるが、第一領域を含まない。一実施形態では、球形のプロテーゼ用構成要素は、外部曲面1104に結合するときに第三領域に結合しない。球形のプロテーゼ用構成要素は、センサ位置に対応する第一領域に結合する。この例では、第三領域の表面は、第一領域の表面より下にある。一実施形態では、第二領域の表面は第三領域の表面より下にある。
【0165】
この例では、円1196は、領域1190及び領域1192を識別する境界を画定するために外部曲面1104上に描かれている。領域1192は、本明細書で上記に開示された外部曲面1104の第二領域に対応する。領域1192は、円1196内にある外部曲面1104の領域である。領域1190は、外部曲面1104の第三領域に対応する。一実施形態では、領域1190は、円1196の外側にあるが、リム1102までの領域1172、1174、及び1176を含まない外部曲面1104の領域である。前述されるように、
図39に示されるセンサ1122、1124、及び1126は、それぞれ領域1172、1174、及び1176の下にある。一実施形態では、領域1172、1174、及び1176は、センサ1122、1124、及び1126の面積より大きい、またはその面積に等しい面積を有する。一実施形態では、領域1172、1174、及び1176は、
図42の関節窩球体1194と境界で接するように構成される曲面を含む。この例では、領域1172、1174、及び1176は半径19.075ミリメートルに対応する曲面を有するが、関節窩球体は半径19ミリメートルを有する。外部曲面1104の領域1192の表面は、領域1172、1174、及び1176の表面より下にある。この例では、領域1192の表面は、領域1172、1174、及び1176の表面より0.15ミリメートル下にあるため、
図42の関節窩球体1194が計測デバイス1100に結合される場合、関節窩球体1194は領域1192に結合しない。外部曲面1104の領域1190の表面は、領域1172、1174、及び1176の表面より下にある。この例では、領域1190の表面は、領域1172、1174、及び1176の表面より0.10ミリメートル下にあるため、関節窩球体1194が計測デバイス1100に結合される場合、関節窩球体1194は領域1190に結合しない。この例では、領域1190の表面は、領域1172、1174、及び1176に関して、領域1192の表面より上にある。一実施形態では、外部曲面1104の領域1190、1192、1172、1174、及び1176を有し、これらの領域に、センサ1122、1124、及び1126を介して関節窩球体1194によって加えられる負荷を向けることで、計測システムに所期の感度をもたらす。
【0166】
図1~3を簡単に参照すると、第一人工肩関節及び第二人工肩関節を含む肩関節系160が開示されている。一般に、肩関節系160は、リバース型人工肩関節または通常の人工肩関節に使用されることができる。電子回路及びセンサは、上腕骨に結合するプロテーゼ用構成要素か、肩甲骨に結合するプロテーゼ用構成要素か、その両方かいずれかに収容されることができる。一実施形態では、第一人工肩関節は、上腕骨150に結合するように構成される上腕骨プロテーゼ材158である。上腕骨プロテーゼ材158は、ステム124、頸部126、及びトレイ156を含む。一実施形態では、第二人工肩関節は、肩甲骨140に結合するように構成される関節窩球体152である。上腕骨プロテーゼ材158及び関節窩球体152は、それぞれ外部曲面を含み、これらの外部曲面は肩関節の運動及び回旋を支持するために互いに嵌合するように構成される。あるいは、通常の人工肩関節では、第一人工肩関節は関節窩プロテーゼ材114であり、第二人工肩関節は上腕骨プロテーゼ材102である。
【0167】
試験プロセス中に、上腕骨プロテーゼ材158の上腕骨ライナ128を取り外し、上腕骨ライナ128を計測デバイス154と置換し、計測デバイス154が1つ以上の計測を行い、肩関節系160の設置をサポートする。計測デバイス154は、外部曲面を有し、この外部曲面は、関節窩球体152と嵌合し、肩関節系の運動を支持するように構成される。一実施形態では、計測デバイスは、上腕骨トレイ156に結合する上腕骨ライナと同じ寸法である。
図5~21を簡単に参照すると、電子回路及び複数のセンサが、計測デバイス154に示されている。特に、
図5及び
図6は、上部ハウジング220及び下部ハウジング222を含む計測デバイス154を示す。上部ハウジング220の外部曲面224の下の異なる半径方向位置に配置される3つのセンサ230が示されている。上部ハウジング220は、下部ハウジング222に結合して、電子回路及び複数のセンサを収容するハーメチックシールを形成する。一実施形態では、ハーメチックシールは、上部ハウジング220と下部ハウジング222との間で結合するOリングまたは接着剤によって形成される。
図16を簡単に参照すると、1つ以上のハウジングスナップ278を使用して、計測デバイス154の上部ハウジング220が下部ハウジング222に結合されている。一実施形態では、ハウジングスナップ278は、下部ハウジング222の側壁部328上に形成される突出部と、上部ハウジング220上に形成される対応する開口部とを含む。開口部を含む上部ハウジング220の領域は、屈曲するように構成されるため、開口部が対応するハウジングスナップ278を覆うまで、上部ハウジング220を下部ハウジング222に強制的に押し付けることができる。1つ以上のハウジングスナップ278は、上部ハウジング220を下部ハウジング222に結合するときに、複数のセンサをプリロードする。
図29Bを簡単に参照すると、複数のセンサは、それぞれ、計測デバイス154の外部曲面に対して半径方向位置に配置されている。一実施形態では、3つのセンサは、3つの異なる半径方向位置に配置される。
図31を簡単に参照すると、力センサ530、532、及び534は、反力が人工肩関節の回転中心に指向されるように配向される。計測デバイス154の電子回路236のブロック図は、
図32に開示されている。電子回路236は、計測デバイス154内の複数のセンサに動作可能に結合する。電子回路236は、計測プロセスを制御し、計測データを伝送する。
【0168】
図19を簡単に参照すると、可撓性相互接続部228は、複数のセンサ230が電子回路236に結合されている。
図14を簡単に参照すると、可撓性相互接続部228は、複数のセンサ230を上部ハウジング220の外部曲面に対して適所に配置するように支持構造体262結合している。一実施形態では、可撓性相互接続部228は、下部ハウジング222の内面244に結合する。一実施形態では、可撓性相互接続部228は、支持構造体262の表面が下部ハウジング222の内面244に対して平行ではないように、所定の角度で支持構造体262に結合する。一実施形態では、支持構造体262は、上部ハウジング220と下部ハウジング222との間で結合するように複数のセンサ230を位置決めする。複数のセンサ230の各センサは、本明細書で考察される所定の位置で上部ハウジング220の外部曲面の下にある。複数のセンサ230の各センサは、それぞれ、上部ハウジングの内部上の平面、及び下部ハウジングの平面に結合する。一実施形態では、3つの負荷センサは、互いから等距離に置かれる。
【0169】
電子回路236及び複数のセンサは、計測データを
図32のコンピュータ162に伝送する。コンピュータ162は、肩関節系から計測データを受信するように構成され、この肩関節系が計測デバイス154を含むが、肩関節系の他の構成要素にセンサを含むことができる。第一人工肩関節の電子回路236、及びコンピュータ162は、双方向通信することができる。一実施形態では、3つの負荷センサは、第一人工肩関節に加えられる負荷を計測するように構成される。一実施形態では、コンピュータ162は、計測デバイス154の外部曲面の下にある第一、第二、及び第三センサの計測値及び位置を使用して、力の大きさ、及び加えられた力の位置を計算するように構成される。一実施形態では、計測デバイス154の外部曲面に加えられる力は、外部曲面に直交している。一実施形態では、ディスプレイはコンピュータ162に結合する。ディスプレイは、第一人工肩関節の外部曲面に加えられる負荷の大きさの少なくとも1つをリアルタイムに示すように構成される。一般に、第二人工肩関節によって第一人工肩関節に加えられる力は、第一人工肩関節の外部曲面に直交している。一実施形態では、複数の負荷センサは、反力が回転中心に指向されるように配向される。
【0170】
図22aを簡単に参照すると、コンピュータ162に結合されるディスプレイ164は、上部ハウジングの外部曲面に対応する外部曲面384をグラフィカルに表示するように構成される。コンピュータ162は、計測デバイス154から計測データを受信するように構成される。コンピュータ162は、1つ以上のセンサからの計測データに関連する計算を実行することができる。さらに、コンピュータ162が計測データをグラフィック形式に変換することで、外科医または外科チームは、計測データを迅速に理解することができる。ディスプレイ164は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)380を含むコンピュータ162に結合される。GUI380は、計測デバイス154の外部曲面384、及び外部曲面384を囲むリムの画像を提供するように構成される。
【0171】
ディスプレイ164は、リアルタイムで、関節窩球体が上部ハウジングの外部曲面に結合する、上部ハウジングの接点382をグラフィカルに表示するように構成される。一実施形態では、関節窩球体152は、外部曲面224に直交している力を計測デバイス154に加える。さらに、ディスプレイは、第一人工肩関節の外部曲面上の接点も示す。肩がさまざまな可動域を通して動くと、接点はディスプレイ上でリアルタイムに移動する。一実施形態では、ディスプレイ及びコンピュータは、手術室にあり、外科チームにリアルタイムで情報を提供する。肩関節系160に関して行われる他の計測は、ほんの数例を挙げれば、動き、位置、関節の安定性、可動域、またはインピンジメントである。
図22Bを簡単に参照すると、コンピュータ162は、計測データからインピンジメントが起こる時間を計算するように構成されている。一実施形態では、ディスプレイ164は、上部ハウジングの外部曲面のリム520をハイライトすることによって、インピンジメントが起こる時間を通知する。リム520は、インピンジメントが起こるリムの部分をハイライトする、またはインピンジメントが起こる可動域の方向の終端に対応するリムの部分をハイライトする。
【0172】
一実施形態では、1つ以上のモーションバーをディスプレイ164に表示する。1つ以上のモーションバーは、肩関節系が所定の動きによって動かされるときの肩関節系の可動域をグラフィカルに示すように構成される。
図23を簡単に参照すると、特異的な動きに各対応する、4つのモーションバー(400、402、404、及び406)が開示されている。各モーションバーは、所定の動きに対して肩関節系の設置で達成される可動域をグラフィカルに示す。各モーションバーは、第一端部及び第二端部を有する。モーションバーの第一端部及び第二端部は、所定の運動についての最大内旋、及び所定の運動についての最大外旋に対応する。第一端部と第二端部との間で、モーションバーは、所定の運動に対して、許容可能な内側可動域、及び許容可能な外側可動域を示すように構成される。また、モーションバーは、所定の運動の中心を示すように構成される。一実施形態では、バーは、所定の運動中の肩の位置を示す。例えば、モーションバー402のバー426は、45度の内転でI/E回旋中の肩関節の位置を示す。ディスプレイ上のボックス428は、カラーマップを介して、所定の動きにわたって計測デバイスの外部曲面に加えられる負荷を示す。
【0173】
図25を簡単に参照すると、GUI380上の可動域(ROM)オーバーレイ390が開示されている。
図23の所定の動きからの動きデータ及び負荷データをメモリに格納する。
図25では、GUI380は、
図23で計測された4つの異なる肩関節運動ごとに、GUI380上に外部曲面384への接点382の運動をグラフィカルに表示する。
図25に示されるような計測デバイスの外部曲面上の所定の動きのトレースはROMオーバーレイである。GUI380は、コンピュータのディスプレイ上の計測デバイスの外部曲面の画像上に少なくとも1つのROMオーバーレイを提供するように構成される。換言すれば、ROMオーバーレイは、肩関節の所定の動きに対応する少なくとも1つの負荷トラックを含む。一実施形態では、加えられた負荷は、負荷トラック上の異なる点で有意に変化することがある。一実施形態では、GUI380は、外転/内転及び水平屈曲の限界値を示すトレースを含む、少なくとも1つのインピンジメントROM評価を提供するように構成される。
【0174】
一実施形態では、GUI380は、計測デバイスの外部曲面、及びこの外部曲面を囲むリムの画像を提供するように構成される。インピンジメントが起こり、肩関節の運動方向に対応する場合、リムの一部分はハイライトされる。GUI380は、外転/内転及び水平屈曲の限界値を示すトレースを含む、少なくとも1つのインピンジメントROM評価を提供するように構成される。
【0175】
図3を簡単に参照すると、ショルダーシステム160が開示されている。ショルダーシステム160は、第一プロテーゼ用構成要素及び第二プロテーゼ用構成要素を含む。ショルダーシステム160は、計測データをコンピュータ162に送信し、計測データをディスプレイ164に表示するように構成される。第一プロテーゼ用構成要素及び第二プロテーゼ用構成要素は、曲面を各有し、これら曲面は、ショルダーシステム160を支持するために合わせて結合するように構成される。第一及び第二プロテーゼ用構成要素の曲面は、肩関節について広範囲の可動域を可能にする。一実施形態では、第一プロテーゼ用構成要素は、上腕骨150に結合するように構成される上腕骨プロテーゼ材158である。一実施形態では、第二プロテーゼ用構成要素は、肩甲骨140に結合するように構成される関節窩球体152である。上腕骨プロテーゼ材158は、上腕骨トレイ156を含む。上腕骨ライナまたは計測デバイス154は、上腕骨トレイ156に結合するように構成される。
図36を簡単に参照すると、計測デバイス1100が開示されている。計測デバイス1100は、上部ハウジング1106、下部ハウジング1108、及びシム1110を含む。計測デバイス1100または計測デバイス154は、計測データを提供するために上腕骨トレイ156に結合するように構成される。シム1110は、計測デバイス1100の高さを調整するために取り外し可能なデバイスである。例えば、高さを追加することで、計測デバイス1100が関節に配置されるときに、計測デバイス1100に加えられる力が増加することができる。逆に、シムを取り外す、またはシムをより薄いシムと置換することで、計測デバイス1100が関節に配置されるときに、計測デバイス1100に加えられる力が減少する。一実施形態では、シム1110は、下部ハウジング1108に結合し、計測デバイス1100を上腕骨トレイ156に保定する。上部ハウジング1106は、関節運動を支持するために別のプロテーゼ用構成要素に結合するように構成される外部曲面1104を含む。上部ハウジング1106を下部ハウジング1108に結合し、ハーメチックシールされた筐体を形成する。ハーメチックシールされた筐体は、計測プロセスを制御して計測データを伝送するように構成される少なくとも1つのセンサ及び電子回路を収容する。一実施形態では、シム1110は、下部ハウジング1108を結合するように構成される。一実施形態では、シム1110は、計測デバイス1100を上腕骨プロテーゼ材の上腕骨トレイに結合するように構成される。示されていないが、計測デバイス154について、シム1110を使用して、計測デバイス154の高さを変更し、プロテーゼ用構成要素に加えられる負荷を調整する。一実施形態では、シム1110を備えた計測デバイス1100は、
図3の上腕骨トレイ156に結合する。一実施形態では、複数のシムが設けられ、各シムは、計測デバイス1100の高さを調整するために異なる高さを有する。複数のシムの各シムは、計測デバイス1100に結合するように構成される。さらに、各シムは、プロテーゼ用構成要素のトレイに結合するように構成される。一実施形態では、複数のシムの各シムは、複数のシムの1つのシムをプロテーゼ用構成要素のトレイに保定する、1つ以上の切り欠き部を含む。
【0176】
一般に、本明細書では上記の計測デバイス154について開示されたすべては、計測デバイス1100にも適用される。換言すれば、計測デバイス154の電子回路、センサ、または構造体は、計測デバイス1100にも適用される。示されていないが、本明細書では上記の計測デバイス154について開示された電子回路もまた、計測デバイス1100内にある。したがって、計測デバイス154に関連する図は、計測デバイス1100についての構造体、電子回路、またはセンサを考察するときに開示される。電子回路236は、
図32に開示されている。電子回路236は、上部ハウジング1106が下部ハウジング1108に結合することによって形成される筐体内に配置される。
図19を簡単に参照すると、第一センサ、第二センサ、及び第三センサは、下部ハウジング1108に対応する下部ハウジング222内に配置されている。第一、第二、及び第三センサは、センサ230に対応する。
図5を参照すると、下部ハウジング222に結合する前の、上部ハウジング1106に対応する上部ハウジング220が示されている。上部ハウジング220を下部ハウジング222に結合することで、第一、第二、及び第三センサは、それぞれ外部曲面1104に対応する外部曲面224に結合される。より具体的には、第一、第二、及び第三センサは、下部ハウジング222に結合されると、それぞれ、上部ハウジング220の所定の第一半径方向位置、所定の第二半径方向位置、及び所定の第三半径方向位置で外部曲面224に結合する。
図28を簡単に参照すると、センサ530及び532の図が、半径方向の位置を図示する断面図に示されている。第三センサ(図示せず)は、3つのセンサすべてが等間隔に置かれるように間隔を置かれている。換言すれば、所定の第一、第二、及び第三半径方向位置は、曲率中心から等しい半径を有する。一実施形態では、外部曲面224上のセンサ530、532、及び534の第一、第二、及び第三半径方向位置は、計測デバイス154に結合するプロテーゼ用構成要素の外部曲面の半径よりも大きい半径を有する。一実施形態では、第一、第二、及び第三センサは、外部曲面のリムに、またはそのリムの近くに位置している。一実施形態では、第一、第二、及び第三センサの位置は、外部曲面に対して等しい半径を有する。
【0177】
一般に、計測デバイス1100は、肩関節系に関連する計測データを生成するために第一プロテーゼ用構成要素に結合する。第一プロテーゼ用構成要素の計測デバイス1100は、
図1~3に開示されるように、第二プロテーゼ用構成要素の外部曲面に結合する。一実施形態では、第二プロテーゼ用構成要素の外部曲面は、上部ハウジングの外部曲面の下にある第一、第二、及び第三センサの位置に、それぞれ対応する所定の第一、第二、及び第三半径方向位置の表面でのみ、計測デバイス154の上部ハウジング220の外部曲面に結合するように構成される。第二人工肩関節によって第一人工肩関節に加えられる力は、第一、第二、及び第三センサを介して導かれるされる。前述されるように、電子回路236は、第一、第二、及び第三センサに結合する。電子回路236は、計測プロセスを制御し、計測データを伝送するように構成される。
【0178】
図44を簡単に参照すると、上部ハウジング1006の外部曲面1104の異なる領域を開示する、計測デバイス1100が示されている。本明細書に開示される領域は、計測デバイス154にも対応する。複数の領域は、力、圧力、または負荷が計測される外部曲面1104の位置に対応する。一実施形態では、複数の領域は、外部曲面1104の下にある第一センサ、第二センサ、及び第三センサに対応する。領域1172、領域1174、及び領域1176は、外部曲面1104の複数の領域に対応し、所定の第一、第二、及び第三半径方向位置に配置される。一実施形態では、領域1172、1174、及び1176は、計測デバイス1100の外部曲面1104の所定の第一、第二、及び第三半径方向位置の表面に対応する。領域1172、1174、及び1176は、半径方向位置の下にある第一、第二、または第三センサの面積に等しい、またはそれらの面積より大きい。外部曲面1104の第一領域は、
図44に示される円1196に関連する。一実施形態では、第一領域は、計測デバイス1100の外部曲面1104の円1196内の領域である。第一領域は、領域1192として示される。一実施形態では、領域1172、1174、及び1176に対応する所定の第一、第二、及び第三半径方向位置の表面は、円1196内の外部曲面1104の第一領域(領域1192)の表面より上にある。計測デバイス1100の外部曲面1104の第二領域は、円1196の外側の領域に対応するが、領域1172、1174、及び1176を含まない。第二領域は、領域1190として示される。第二領域は、領域1172、1174、及び1176を除く、計測デバイス1100の円1196からリム1102まで延在する。一実施形態では、領域1172、1174、及び1176に対応する所定の第一、第二、及び第三半径方向位置の表面は、第二領域(領域1190)の表面より上にある。一実施形態では、外部曲面1104の第二領域の表面は、外部曲面1104の第一領域の表面より上にある領域を含む。一実施形態では、計測デバイス1100のリム1102は、外部曲面1104の最大高さである。逆に、円1196内の表面の領域に対応する第一領域は、計測デバイス1100の外部曲面1104の最も低い部分である。
【0179】
本明細書では肩関節内の計測方法を以下に提供する。開示されたステップは、独立して、あらゆる順序で実施されることができる。ステップの順序は、順番または順序を示すものではなく、単にステップを識別するためのものである。第一ステップでは、第一人工肩関節は第二人工肩関節に結合される。第一人工肩関節は、第二人工肩関節の外部曲面に結合するように構成される外部曲面を有する。一実施形態では、第一人工肩関節の外部曲面は、計測デバイスであり、この計測デバイスは計測プロセスを制御し、計測データをコンピュータに伝送するように構成される。コンピュータは、計測データを表示するための、または計測データに関連する情報をグラフィカルに表示するためのディスプレイを含む。第二ステップでは、第二人工肩関節の力、圧力、または負荷は、第一人工肩関節の所定の第一半径方向位置の表面、所定の第二半径方向位置の表面、及び所定の第三半径方向位置の表面を介して導かれる。所定の第一半径方向位置の表面、所定の第二半径方向位置の表面、及び所定の第三半径方向位置の表面の下にあるのは、それぞれ、第一センサ、第二センサ、及び第三センサである。第三ステップでは、第一、第二、及び第三センサは、これらのセンサによって規定される円の半径を最大にする位置で互いから等距離に置かれている。第一、第二、及び第三センサは、これらのセンサの反力が第一人工肩関節の外部曲面の曲率中心に指向されるように配向される。一実施形態では、第一人工肩関節の外部曲面上に、またはセンサ界面に発生する摩擦力がない、または摩擦力が無視できると仮定する。一実施形態では、反力ベクトルは、第一人工肩関節の外部曲面に直交することで、第一人工肩関節の外部曲面の曲率中心を通過すると仮定される。
【0180】
埋め込まれた整形外科用デバイスに関して存在するデータがほとんどないことに留意されたい。ほとんどのデータは、ヒトの被験者またはシミュレート用途に使用された整形外科用デバイスを分析することによって実証的に得られている。摩耗のパターン、材料の問題、及び不具合のメカニズムが研究されている。この種の研究を通じて情報を収集することができるが、計測の観点から、初期設置、術後の使用、及び長期の使用に関する実質的なデータは得られていない。一人一人が異なるように、各デバイスの設置も異なり、初期の負荷、平衡、及びアライメントでは差異がある。データを計測し、そのデータを使用して、整形外科用デバイスを設置することで、インプラント手順の一貫性が大幅に向上することによって、やり直しが減少し、デバイスの寿命が最大になる。少なくとも1つの例示的な実施形態では、計測されたデータは、データベースに収集され、そこに格納されて分析することができる。例えば、計測されたデータの関連サンプルが収集されると、それを使用して、埋め込まれた整形外科用デバイスの寿命及び有用性を最大にするのに、最適な初期計測設定、幾何学的形状、及びアライメントを規定することができる。
【0181】
本発明は、周波数補償、または物理システムの制御もしくはそれらに対する警告、または関心のある物理パラメータの監視もしくは計測を含むが、これらに限定されない、広範囲の医療及び非医療用途に適用可能である。非常にコンパクトな計測デバイスまたは外科用装置で達成可能な精度及び同時再現性のレベルは、血管、リンパ、呼吸器、消化器系、筋肉、骨、及び関節、その他の軟組織領域、ならびに間質液に適用する、骨密度と、さまざまな流体の運動、粘度及び圧力と、局所的な温度などを含むが、これらに限定されない、人体全体を通した生理学的パラメータを監視する、または計測する多くの医療用途に適用可能であることができる。
【0182】
本発明が特定の実施形態を参照して説明されてきたが、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、それらに多くの変更を加えることができることを認識するであろう。これらの実施形態及びその明らかな変形形態のそれぞれは、特許請求の範囲に記載されている、請求された発明の趣旨及び範囲内にあるものとして企図される。本発明の主題が実施形態の特定の例で説明されているが、前述の図面及びその説明は、発明の主題の一般的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものとみなされるべきではなく、多くの代替物及び変形形態が当業者には明白であろうことは明らかである。したがって、本発明の説明は、本質的に説明にすぎないため、本発明の趣旨から逸脱しない変形形態は、本発明の実施形態の範囲内にあることが意図される。それらのような変形形態は、本発明の趣旨及び範囲からの逸脱とみなされるべきではない。
【0183】
本発明が実施形態を参照して説明されてきたが、本発明が開示された実施形態に限定されないことを理解されたい。以下の特許請求の範囲は、すべての修正形態、均等の構造及び機能を網羅するように、最も広い解釈を与えられるべきである。例えば、「直交」、「垂直」などの単語が使用されている場合、意図された意味は、それぞれ「実質的に直交」及び「実質的に垂直」である。さらに、特定の数が特許請求の範囲で引用されることがあるが、記載されたものに近い数も意図された範囲内にあることが意図される。すなわち、いずれかの記載された数(例えば、90度)は、記載された「およそ」の数値(例えば、約90度)であると解釈されるべきである。
【0184】
以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の態様は、前述の開示された単一の実施形態のすべての特徴よりも少なくてもよい。したがって、以下に表現される特許請求の範囲は、本明細書により、図面のこの詳細な説明に明示的に援用され、各請求項は、発明の別個の実施形態として独立している。さらに、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれる、いくつかの特徴を含むが、その他の特徴を含まず、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、当業者によって理解されるように、本発明の範囲内にあり、異なる実施形態を形成することが意味される。