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特許7434679ノーマリーオフIII-窒化物トランジスタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】ノーマリーオフIII-窒化物トランジスタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20240214BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20240214BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20240214BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240214BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20240214BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20240214BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L29/78 301B
H01L29/78 301H
H01L29/78 301V
H01L21/205
H01L21/302 105A
H01L21/302 101C
H01L29/80 E
H01L29/80 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020179286
(22)【出願日】2020-10-27
(62)【分割の表示】P 2017551696の分割
【原出願日】2016-03-28
(65)【公開番号】P2021044556
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】14/673,844
(32)【優先日】2015-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】カリッド ファリード
(72)【発明者】
【氏名】ナヴィーン ティピルネニ
【審査官】鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-247363(JP,A)
【文献】国際公開第2014/026018(WO,A1)
【文献】特開2013-077635(JP,A)
【文献】特表2015-529019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/338
H01L 21/336
H01L 21/205
H01L 21/3065
H01L 29/778
H01L 29/78
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
バッファ層と、
前記バッファ層の上に配置される電気的隔離層と、
前記電気的隔離層の上に配置されるIII-N材料の低ドープされた層と、
前記低ドープされた層の上に配置されるIII-N材料の障壁層であって、1原子百分率未満のインジウムを有する、前記障壁層と、
前記障壁層の上の主としてインジウムアルミニウム窒化物のストレッサー層であって、In0.05l0.95N~In0.30Al0.70Nのストイキオメトリーと1ナノメートル~5ナノメートルの厚みとを有する、前記ストレッサー層と、
前記ストレッサー層の上に配置されるIII-N材料のキャップ層と、
エンハンスメントモードガリウム窒化物電界効果トランジスタ(GaN FET)において前記キャップ層と前記ストレッサー層とを介して延在するゲート窪みであって、前記障壁層を介して延在しない、前記ゲート窪みと、
前記ゲート窪みにおいて前記障壁層の上に配置されるゲート誘電体層であって、デプリーションモードGaN FETのゲートのための領域において前記キャップ層と前記ストレッサー層と前記障壁層との上に延在する、前記ゲート誘電体層と、
前記ゲート窪みにおいて前記ゲート誘電体層の上に配置される前記エンハンスメントモードGaN FETのゲートと、
を含む、半導体デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記障壁層が、Al0.10Ga0.90N~Al0.30Ga0.70Nのストイキオメトリーと1ナノメートル~5ナノメートルの厚みとを有する、半導体デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記ストレッサー層が、In0.16Al0.84N~In0.18Al0.82Nのストイキオメトリーと3.5ナノメートル~4.5ナノメートルの厚みとを有する、半導体デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記キャップ層が、Al0.05Ga0.95N~Al0.30Ga0.70Nのストイキオメトリーと4ナノメートル~20ナノメートルの厚みとを有する、半導体デバイス。
【請求項5】
半導体デバイスを形成する方法であって、
基板の上にバッファ層を形成することと、
前記バッファ層の上にIII-N材料の電気的隔離層を形成することと、
エンハンスメントモードGaN FETのためのエリアにおいて、前記電気的隔離層の上にIII-N材料の低ドープされた層を形成することと、
900℃~1100℃の温度での有機金属化学気相成長(MOCVD)プロセスによって前記低ドープされた層の上にIII-N材料の障壁層を形成することであって、前記障壁層が1原子百分率未満のインジウムを有する、前記障壁層を形成することと、
700℃~850℃の温度でのMOCVDプロセスによって前記障壁層の上にIII-N材料のストレッサー層を形成することであって、前記ストレッサー層がIn0.05Al0.95N~In0.30Al0.70Nのストイキオメトリーと1ナノメートル~5ナノメートルの厚みとを有する、前記ストレッサー層を形成することと、
900℃以下の温度でのMOCVDプロセスによって前記ストレッサー層の上にIII-N材料のキャップ層を形成することと、
前記キャップ層の上に前記エンハンスメントモードGaN FETのための前記エリアにおけるゲート窪みのためのエリアを露出させる窪みマスクを形成することと、
前記エンハンスメントモードGaN FETのゲート窪みの一部を形成するために、第1のエッチプロセスによって前記窪みマスクにより露出されたエリアにおける前記キャップ層を取り除くことであって、前記第1のエッチプロセスが前記窪みマスクにより露出されたエリアの下の前記ストレッサー層の少なくとも一部を残す、前記キャップ層を取り除くことと、
前記ゲート窪みを形成するために、第2のエッチプロセスによって前記窪みマスクにより露出されたエリアにおける前記ストレッサー層を取り除くことであって、前記第2のエッチプロセスが前記第1のエッチプロセスとは異なる化学作用を有し、前記第2のエッチプロセスが前記ゲート窪みの下の前記障壁層の少なくとも一部を残す、前記ストレッサー層を取り除くことと、
前記ゲート窪みにおける前記障壁層の上にゲート誘電体層を形成することであって、前記ゲート誘電体層がデプリーションモードGaN FETのゲートのための領域において前記キャップ層と前記ストレッサー層と前記障壁層との上に延在する、前記ゲート誘電体層を形成することと、
前記窪みにおいて前記ゲート誘電体層の上に前記エンハンスメントモードGaN FETのゲートを形成することと、
を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記障壁層と前記ストレッサー層と前記キャップ層とが1つのMOCVDチャンバにおいて形成される、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、
前記第1のエッチプロセスが塩素ラジカルを用いるプラズマエッチングプロセスを含む、方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法であって、
前記第2のエッチプロセスが1、2ジアミノエタンの水溶液を用いるウェットエッチングプロセスを含む、方法。
【請求項9】
半導体デバイスを形成する方法であって、
基板の上にバッファ層を形成することと、
前記バッファ層の上にIII-N材料の電気的隔離層を形成することと、
エンハンスメントモードGaN FETのためのエリアにおいて、前記電気的隔離層の上にIII-N材料の低ドープされた層を形成することと、
前記低ドープされた層の上にIII-N材料の障壁層を形成することであって、前記障壁層が1原子百分率未満のインジウムを有する、前記障壁層を形成することと、
前記障壁層の上にIII-N材料のストレッサー層を形成することであって、前記ストレッサー層がIn0.05Al0.95N~In0.30Al0.70Nのストイキオメトリーと1ナノメートル~5ナノメートルの厚みとを有する、前記ストレッサー層を形成することと、
前記ストレッサー層の上にIII-N材料のキャップ層を形成することと、
前記キャップ層の上に前記エンハンスメントモードGaN FETのための前記エリアにおけるゲート窪みのためのエリアを露出させる窪みマスクを形成することと、
前記エンハンスメントモードGaN FETのゲート窪みの一部を形成するために、第1のエッチプロセスによって前記窪みマスクにより露出されたエリアにおける前記キャップ層を取り除くことであって、前記第1のエッチプロセスが前記窪みマスクにより露出されたエリアの下の前記ストレッサー層の少なくとも一部を残す、前記キャップ層を取り除くことと、
前記ゲート窪みを形成するために、第2のエッチプロセスによって前記窪みマスクにより露出されたエリアにおける前記ストレッサー層を取り除くことであって、前記第2のエッチプロセスが前記第1のエッチプロセスとは異なる化学作用を有し、前記第2のエッチプロセスが前記ゲート窪みの下の前記障壁層の少なくとも一部を残す、前記ストレッサー層を取り除くことと、
前記ゲート窪みにおける前記障壁層の上にゲート誘電体層を形成することと、
前記窪みにおいて前記ゲート誘電体層の上に前記エンハンスメントモードGaN FETのゲートを形成することと、
前記窪みマスクにより露出されたエリアにおける前記キャップ層を取り除いた後に、酸化されたストレッサー層を形成するために、前記窪みマスクにより露出されたエリアにおいて前記ストレッサー層を酸化させることと、
を含み、
前記第2のエッチプロセスが前記酸化されたストレッサー層を取り除く、方法。
【請求項10】
半導体デバイスを形成する方法であって、
基板の上にバッファ層を形成することと、
前記バッファ層の上にIII-N材料の電気的隔離層を形成することと、
エンハンスメントモードGaN FETのためのエリアにおいて、前記電気的隔離層の上にIII-N材料の低ドープされた層を形成することと、
前記低ドープされた層の上にIII-N材料の障壁層を形成することであって、前記障壁層が1原子百分率未満のインジウムを有する、前記障壁層を形成することと、
前記障壁層の上にIII-N材料のストレッサー層を形成することであって、前記ストレッサー層がIn0.05Al0.95N~In0.30Al0.70Nのストイキオメトリーと1ナノメートル~5ナノメートルの厚みとを有する、前記ストレッサー層を形成することと、
前記ストレッサー層の上にIII-N材料のキャップ層を形成することと、
前記キャップ層の上に前記エンハンスメントモードGaN FETのための前記エリアにおけるゲート窪みのためのエリアを露出させる窪みマスクを形成することと、
前記エンハンスメントモードGaN FETのゲート窪みの一部を形成するために、第1のエッチプロセスによって前記窪みマスクにより露出されたエリアにおける前記キャップ層を取り除くことであって、前記第1のエッチプロセスが前記窪みマスクにより露出されたエリアの下の前記ストレッサー層の少なくとも一部を残す、前記キャップ層を取り除くことと、
前記ゲート窪みを形成するために、第2のエッチプロセスによって前記窪みマスクにより露出されたエリアにおける前記ストレッサー層を取り除くことであって、前記第2のエッチプロセスが前記第1のエッチプロセスとは異なる化学作用を有し、前記第2のエッチプロセスが前記ゲート窪みの下の前記障壁層の少なくとも一部を残す、前記ストレッサー層を取り除くことと、
前記ゲート窪みにおける前記障壁層の上にゲート誘電体層を形成することと、
前記窪みにおいて前記ゲート誘電体層の上に前記エンハンスメントモードGaN FETのゲートを形成することと、
前記第1のエッチプロセスにより前記ストレッサー層を取り除いた後に、前記窪みマスクにより露出されたエリアにおいて残された前記ストレッサー層の残りの部分を酸化させることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して半導体デバイスに関し、更に特定して言えば、半導体デバイスにおけるIII-N電界効果トランジスタに関連する。
【背景技術】
【0002】
エンハンスメントモードガリウム窒化物電界効果トランジスタ(GaN FET)は窪んだゲートを含み、窪んだゲートは、ストレッサー層及び障壁層内に延在し、低ドープされたガリウム窒化物(GaN)層から仮想的に分離される。低ドープされたGaN層からの所望の垂直の分離を有するようにエッチングすることによってゲート窪みを形成することには課題が多い。タイムドエッチングをすると、低ドープされたGaN層からの分離における許容できない変動が生じる。エッチブロック層を用いてゲート窪みを形成すると、障壁層及び/又はストレッサー層における欠陥が生成される。
【発明の概要】
【0003】
記載される例において、III-N層スタック上のエンハンスメントモードGaN FETを含む半導体デバイスが、低ドープされたGaN層、低ドープされたGaN層の上に配置されるアルミニウムを含む障壁層、障壁層の上に配置されるインジウムを含むストレッサー層、及びストレッサー層の上に配置されるアルミニウムを含むキャップ層を含む。エンハンスメントモードGaN FETのゲート窪みが、キャップ層及びストレッサー層を介して延在するが、障壁層を介して延在しない。ゲート窪みにゲート誘電体層が配置され、及びゲート誘電体層上にゲートが配置される。
【0004】
半導体デバイスは、高温有機金属化学気相成長(MOCVD)プロセスを用いて障壁層を形成すること、低温MOCVDプロセスを用いてストレッサー層を形成すること、及び低温MOCVDプロセスを用いてキャップ層を形成することにより形成される。ゲート窪みは、キャップ層を取り除くための第1のエッチ工程、及びストレッサー層を取り除くための第2のエッチ工程を含む、2段階エッチングプロセスにより形成される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】例示の半導体デバイスの断面図である。
【0006】
図2A】例示の製造シーケンスの連続的段階で示される、図1の半導体デバイスの断面図である。
図2B】例示の製造シーケンスの連続的段階で示される、図1の半導体デバイスの断面図である。
図2C】例示の製造シーケンスの連続的段階で示される、図1の半導体デバイスの断面図である。
図2D】例示の製造シーケンスの連続的段階で示される、図1の半導体デバイスの断面図である。
図2E】例示の製造シーケンスの連続的段階で示される、図1の半導体デバイスの断面図である。
図2F】例示の製造シーケンスの連続的段階で示される、図1の半導体デバイスの断面図である。
図2G】例示の製造シーケンスの連続的段階で示される、図1の半導体デバイスの断面図である。
図2H】例示の製造シーケンスの連続的段階で示される、図1の半導体デバイスの断面図である。
図2I】例示の製造シーケンスの連続的段階で示される、図1の半導体デバイスの断面図である。
【0007】
図3A】ゲート窪みを形成するための代替のプロセスシーケンスで示される、図1の半導体デバイスの断面図である。
図3B】ゲート窪みを形成するための代替のプロセスシーケンスで示される、図1の半導体デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面は必ずしも一定の縮尺で描いてはいない。本開示において、幾つかの行為又は事象は、異なる順で及び/又は他の行為又は事象と同時に起こり得、例示される幾つかの行為又は事象は任意選択である。
【0009】
この説明のため、「III-N材料」という用語は、III族要素(アルミニウム、ガリウム及びインジウム、及び場合によっては、ボロン)が、半導体材料における原子の一部を提供し、窒素原子が半導体材料における残りの原子を提供するような半導体材料を指す。III-N半導体材料の例は、ガリウム窒化物、ボロンガリウム窒化物、アルミニウムガリウム窒化物、インジウム窒化物、及びインジウムアルミニウムガリウム窒化物である。材料の基本的組成について記述するアルミニウムガリウム窒化物などの用語は、こういった要素の特定のストイキオメトリーを暗示しない。本説明のため、GaN FETという用語は、III-N半導体材料を含む電界効果トランジスタを指す。
【0010】
図1は例示の半導体デバイスの断面である。半導体デバイス100は、エンハンスメントモードGaN FET102及びデプリーションモードGaN FET104を含む。半導体デバイス100は基板106を含み、基板106は、シリコン又はその他の半導体材料のウェハであり得る。基板106の上にIII-N材料のバッファ層108が配置される。例えば、バッファ層108は、基板106上の100~300ナノメートルのアルミニウム窒化物と、アルミニウム窒化物上の底部表面においてアルミニウムリッチであり、バッファ層(108)の頂部表面においてガリウムリッチである、1~7ミクロンのAlGa1-xNとの段階的層を含み得る。バッファ層(108)上に電気的隔離層(110)が配置される。例えば、電気的隔離層(110)は、300~2000ナノメートルの半絶縁性ガリウム窒化物であり得る。また、例えば、電気的隔離層(110)は、電気的隔離層(110)の下の層と電気的隔離層(110)の上の層との間の電気的隔離の所望のレベルを提供するために、半絶縁性であり得る。代替として、電気的隔離層(110)は、半導体デバイス(100)における電流密度に対する電荷トラッピングの望ましくない影響を低減するためn型又はp型ドーパントでドープされ得る。低ドープされた層(112)が、電気的隔離層(110)上に配置される。例えば、低ドープされた層(112)は、25~1000ナノメートルのガリウム窒化物であり得る。低ドープされた層(112)は、電子移動度に対して悪影響を及ぼし得る結晶欠陥を最小にするために形成され得る。低ドープされた層(112)の形成方法は、炭素、鉄、又は正味ドーピング密度1017cm-3未満などのその他のドーパント種でドープされた低ドープされた層(112)となり得る。
【0011】
低ドープされた層112の上に障壁層114が配置される。障壁層114は、主として、1原子百分率未満のインジウムを備えるアルミニウムガリウム窒化物であり得る。障壁層114は、Al0.10Ga0.90N~Al0.30Ga0.70Nのストイキオメトリー及び1ナノメートル~5ナノメートルの厚みを有し得る。障壁層114の最小厚みは、製造の容易性及び再現性を提供するように選択され得る。最大厚みは、エンハンスメントモードGaN FET102において所望のオフ状態電流を提供するように選択され得、ここで、障壁層114の厚みを増大させることは、オフ状態電流を増大させる。厚みは、障壁層114のストイキオメトリーに依存し得る。例えば、Al0.10Ga0.90N~Al0.30Ga0.70Nのストイキオメトリーの障壁層114の場合、1.5ナノメートル~2.0ナノメートルの厚みを有し得る。
【0012】
障壁層114の上に、ストレッサー層116が配置される。ストレッサー層116は、主として、In0.05Al0.95N~In0.30Al0.70Nのストイキオメトリー及び1ナノメートル~5ナノメートルの厚みを有するインジウムアルミニウム窒化物である。この例の一つのバージョンにおいて、ストレッサー層116は、In0.16Al0.84N~In0.18Al0.82Nのストイキオメトリー及び3.5ナノメートル~4.5ナノメートルの厚みを有し得、これにより、インジウム含有量と共に低減する、二次元電子ガス(2DEG)における所望の電荷密度を提供することと、インジウム含有量と共に増大する、下にある障壁層114に対する所望のエッチ選択性を提供することとの間の、所望のバランスが提供され得る。また、In0.16Al0.84N~In0.18Al0.82Nのストイキオメトリーは、所望の格子整合を低ドープされた層112に提供し得る。
【0013】
ストレッサー層116の上にキャップ層118が配置される。キャップ層118は、1原子百分率インジウム未満を有し、主としてアルミニウムガリウム窒化物であり得る。キャップ層の厚みは、後続の製造工程の間、ストレッサー層116の酸化を防ぐように選択される。例示のキャップ層118は、Al0.05Ga0.95N~Al0.30Ga0.70Nのストイキオメトリー及び4ナノメートル~20ナノメートルの厚みを有し得る。キャップ層118は、有利にも、ストレッサー層116におけるインジウムの酸化を防止する。
【0014】
エンハンスメントモードGaN FET102においてキャップ層118及びストレッサー層116を介してゲート窪み120が延在する。ゲート窪み120は、図1に示されるように、ストレッサー層116を完全に介して延在し得、障壁層114内に延在しない。代替として、ゲート窪み120は、障壁層114内へ途中まで延在し得、又は、ストレッサー層116を介して途中までのみ延在し得、障壁層114の手前で止まり得る。
【0015】
エンハンスメントモードゲート誘電体層122が、エンハンスメントモードGaN FET102におけるゲート窪み120に配置される。デプリーションモードゲート誘電体層124が、デプリーションモードGaN FET104においてキャップ層の上に配置される。エンハンスメントモードゲート誘電体層122及びデプリーションモードゲート誘電体層124は、5ナノメートル~50ナノメートルの厚みであり得、二酸化シリコン、シリコン窒化物、及び/又はアルミニウム酸化物の一つ又は複数の層を含み得る。この例の一つのバージョンにおいて、エンハンスメントモードゲート誘電体層122及びデプリーションモードゲート誘電体層124は、場合によっては同時に形成される結果、実質的に等しい厚み及び組成を有し得る。代替のバージョンにおいて、エンハンスメントモードゲート誘電体層122及びデプリーションモードゲート誘電体層124は、エンハンスメントモードGaN FET102及びデプリーションモードGaN FET104の性能を個別に最適化するために異なる厚み及び組成を有し得る。
【0016】
フィールドプレート誘電体層126が、任意選択で、ゲート窪み120に近接するキャップ層118の上に、及び、エンハンスメントモードゲート誘電体層122の下に、及び、デプリーションモードGaN FET104におけるゲートエリアに近接するデプリーションモードゲート誘電体層124の下に配置され得る。例えば、フィールドプレート誘電体層126は、二酸化シリコン及び/又はシリコン窒化物の一つ又は複数の層を含み得、10ナノメートル~100ナノメートルの厚みであり得る。この例の代替のバージョンにおいて、フィールドプレート誘電体層126は、エンハンスメントモードゲート誘電体層122及びデプリーションモードゲート誘電体層124の上に配置され得る。
【0017】
エンハンスメントモードゲート128が、ゲート窪み120においてエンハンスメントモードゲート誘電体層122の上に配置される。エンハンスメントモードゲート128は、図1に示されるように、エンハンスメントモードGaN FET102においてフィールドプレート誘電体層126に重なり得る。デプリーションモードゲート130が、デプリーションモードGaN FET104のゲートエリアにおいてデプリーションモードゲート誘電体層124の上に配置され、図1に示されるように、デプリーションモードGaN FET104においてフィールドプレート誘電体層126に重なり得る。エンハンスメントモードゲート128及びデプリーションモードゲート130は、場合によっては同時に形成される結果、実質的に等しい組成を有し得る。従って、デプリーションモードGaN FET104のゲート誘電体層及び平坦のゲートは、エンハンスメントモードGaN FET102のゲート誘電体層及びゲートと同時に形成され得る。
【0018】
エンハンスメントモードGaN FET(102)及びデプリーションモードGaN FET(104)を横方向に隔離するため、誘電体隔離構造132が、キャップ層118、ストレッサー層116、及び障壁層114を介して、及び場合によっては低ドープされた層(112)を介して、延在する。例えば、誘電体隔離構造132は、二酸化シリコン及び/又はシリコン窒化物を含み得る。
【0019】
ソースコンタクト134及びドレインコンタクト136が、エンハンスメントモードGaN FET102において2DEGへの電気的接続を提供する。ソースコンタクト138及びドレインコンタクト140が、デプリーションモードGaN FET104において2DEGへの電気的接続を提供する。
【0020】
半導体デバイス100のオペレーションの間、障壁層114は、所望のオフ状態電流を提供するため、有利にも、ゲート窪み120の下のエンハンスメントモードGaN FET102の2DEGにおいて低キャリア密度を提供する。ストレッサー層116は、所望のオン状態電流を提供するため、有利にも、ゲート窪み120及びソースコンタクト134及びドレインコンタクト136間のアクセス領域におけるエンハンスメントモードGaN FET102の2DEGにおける所望の高キャリア密度を提供する。ストレッサー層116を介して延在するゲート窪み120の構成は、有利にも、ゲート窪み120の下のエンハンスメントモードGaN FET102の2DEGにおける低キャリア密度に寄与する。デプリーションモードゲート130の下に延在するストレッサー層116は、有利にも、デプリーションモードGaN FET104において所望のオン状態電流を提供する。
【0021】
図2A図2Iは、例示の製造シーケンスの連続的段階に示した図1の半導体デバイスの断面図である。図2Aを参照すると、バッファ層108が、基板106の上に形成される。電気的隔離層(110)がバッファ層(108)の上に形成され、低ドープされた層(112)が電気的隔離層(110)の上に形成される。例えば、バッファ層108、電気的隔離層(110)、及び低ドープされた層(112)は、一連のMOCVDプロセスにより形成され得る。
【0022】
この例では、基板106が150ミリメートル基板である場合のプロセスパラメータを説明する。基板106は、MOCVDチャンバ144において、場合によってはグラファイトの、サセプタ142上に置かれる。例えば、サセプタ142は、コイルを900℃~1100℃の温度まで加熱することにより、加熱される。キャリアガス(例えば、図2Aに示すように水素(H))が、80slm(standard liters per minute)~120slmのフローレートでMOCVDチャンバ144に流れ、窒素源(例えば、図2Aに示すようにアンモニア(NH))が、5slm~30slmのフローレートでMOCVDチャンバ144に流される。アルミニウム前駆物質(例えば、図2Aに示すようなトリメチルアルミニウム(TMA1)、又はトリエチルアルミニウム)が、80sccm(standard cublic centimetters per minute)~130sccmのレートでMOCVDチャンバ144に流され、ガリウム前駆物質(例えば、図2Aに示すようなトリメチルガリウム(TMGa)、又はトリエチルガリウム)が、40sccm~60sccmのレートでMOCVDチャンバ144に流される。MOCVDチャンバ144における圧力が、50torr~200torrで保たれる。窒素源、アルミニウム前駆物質、及びガリウム前駆物質は、エンハンスメントモードGaN FET102及びデプリーションモードGaN FET104のためのエリアにおける低ドープされた層112の上に障壁層114を形成するため、半導体デバイス100の既存の表面において反応する。900℃~1100℃の温度で障壁層114を形成することは有利にも、一層低い温度で形成される障壁層に比して、提供する欠陥がより少なく、従って、半導体デバイス100に対するより高い信頼性を提供する。この例では、障壁層114が形成される間、MOCVDチャンバ144内に流れるインジウム前駆物質は実質的にない。この例の代替のバージョンにおいて、障壁層114は、四元のIII-N材料を含み得、そのため、それは、アルミニウム、ガリウム、及び窒素に加えて、別の要素を含み得る。低ドープされた層(112)が半導体デバイス(100)における欠陥を効果的に低減した後、障壁層114がインサイチュ形成され得る。
【0023】
図2Bを参照すると、基板106は、MOCVDチャンバ144におけるサセプタ142上にある。サセプタ142は、700℃~850℃の温度まで加熱される。図2Bにおいて窒素(N)として示されるキャリアガスが、60slm~100slmのフローレートでMOCVDチャンバ144に流される。また、図2Bにおいてとしてアンモニア(NH)示される窒素源が、5slm~40slmのフローレートでMOCVDチャンバ144に流される。図2Bにおいてトリメチルアルミニウム(TMAl)として示されるアルミニウム前駆物質が、80sccm~130sccmのレートでMOCVDチャンバ144に流される。図2Bに示すようなインジウム前駆物質(例えば、トリメチルインジウム(TMIn)、又はトリエチルインジウム)が、100sccm~300sccmのレートでMOCVDチャンバ144に流される。MOCVDチャンバ144における圧力が、100torr~400torrで保たれる。窒素源、アルミニウム前駆物質、及びインジウム前駆物質は、エンハンスメントモードGaN FET102及びデプリーションモードGaN FET104のためのエリアにおける障壁層114の上にストレッサー層116を形成するため、半導体デバイス100の既存の表面において反応する。700℃の最低温度でストレッサー層116を形成することは、有利にも、一層低い温度を形成することに比べて、ストレッサー層116におけるインジウムの所望の濃度及び均一な分布を可能にし得る。最大温度850℃でストレッサー層116を形成することは、一層高い温度を形成することに比べて、インジウムの障壁層114への拡散を有利に低減し得る。この例では、ストレッサー層116が形成される間、MOCVDチャンバ144に流れるアルミニウム前駆物質は実質的にない。この例の代替のバージョンにおいて、ストレッサー層116は、四元のIII-N材料を含み得る。障壁層114と共にストレッサー層116をインサイチュ形成することは、有利にも半導体デバイス(100)における欠陥を低減し得る。
【0024】
図2Cを参照すると、基板106は、MOCVDチャンバ144におけるサセプタ142上にある。サセプタ142は、750℃~900℃の温度まで加熱される。図2Cにおいて水素(H)として示されるキャリアガスが、80slm~120slmのフローレートでMOCVDチャンバ144に流される。また、図2Cにおいてアンモニア(NH)として示されるとして窒素源が、5slm~35slmのフローレートでMOCVDチャンバ144に流される。図2Cにおいてトリメチルアルミニウム(TMAl)として示されるアルミニウム前駆物質が、80sccm~130sccmのレートでMOCVDチャンバ144に流される。図2Cにおいてトリメチルガリウム(TMGa)として示されるガリウム前駆物質が、40sccm~60sccmのレートでMOCVDチャンバ144に流される。MOCVDチャンバ144における圧力が、50torr~200torrに保たれる。窒素源、アルミニウム前駆物質、及びガリウム前駆物質は、エンハンスメントモードGaN FET102及びデプリーションモードGaN FET104のためのエリアにおけるストレッサー層116の上にキャップ層118を形成するため、半導体デバイス100の既存の表面において反応する。900℃の最大温度でキャップ層118を形成することは、一層高い温度を形成することに比べて、有利にも障壁層114及びキャップ層118へのインジウム拡散を低減し得る。この例では、キャップ層118が形成される間、MOCVDチャンバ144に流れるインジウム前駆物質は実質的にない。半導体デバイス(100)における欠陥を効果的に低減するため、ストレッサー層(116)の後、キャップ層118がインサイチュ形成され得る。
【0025】
図2Dを参照すると、フィールドプレート誘電体層126が、キャップ層118の上に形成される。例えば、フィールドプレート誘電体層126は、プラズマエンハンスト化学気相成長(PECVD)プロセスによりキャップ層の上に二酸化シリコン及び/又はシリコン窒化物を含む誘電性材料の層を形成することによって形成され得る。フィールドプレートマスク146が、エンハンスメントモードGaN FET102及びデプリーションモードGaN FET104のためのゲートエリアを露出させるため、誘電性材料の層の上に形成される。誘電性材料の層は、100torrを超えるプラズマエッチングプロセスなどのエッチングプロセスによりフィールドプレートマスク146により露出された箇所で取り除かれ、図2Dに示されるような傾斜した側部を備えたフィールドプレート誘電体層126が形成される。
【0026】
図2Eを参照すると、ゲート窪み120のためのエンハンスメントモードGaN FET102におけるエリアを露出させるため、窪みマスク148がキャップ層118の上に形成される。窪みマスク148は、フォトレジストを含み得、フォトリソグラフィプロセスにより形成され得る。窪みマスク148は更に、有機底部反射防止コーティング(BARC)などの反射防止層、及び/又は、二酸化シリコン又はシリコン窒化物などのハードマスク層を含み得る。窪みマスク148は、デプリーションモードGaN FET104のためのエリアを覆う。
【0027】
塩素ラジカルを用いるプラズマエッチングプロセスなどの第1のエッチプロセス150が、ゲート窪み120の一部を形成するため窪みマスク148により露出されたエリアにおけるキャップ層118を取り除く。ストレッサー層116におけるインジウムは、第1のエッチプロセス150におけるより低いエッチングレートキャップ層118を有し、そのため、ストレッサー層116の少なくとも一部が、第1のエッチプロセス140が完了した後にゲート窪み120のためのエリアにおいて残る。例えば、第1のエッチプロセス150は、塩素(Cl)ガス硫黄六フッ化物(SF)ガスを用いる誘導性結合プラズマ反応性イオンエッチング(ICP-RE)プロセスであり得、これは、1.0より大きいインジウムアルミニウム窒化物に対するガリウムアルミニウム窒化物のエッチング選択性を所望に提供することが証明されている。ストレッサー層116におけるインジウム含有量と組み合わせて、900℃の最大温度でキャップ層118を形成することは、第1のエッチプロセス150により取り除かれるストレッサー層116(存在する場合)の量を低減するための第1のエッチプロセス150のためのエッチング選択性を有利に増大させ得る。
【0028】
図2Fを参照すると、完成したゲート窪み120を形成するため、第2のエッチプロセス152がゲート窪み120におけるストレッサー層116を取り除く。第2のエッチングプロセス152は、図2Eの第1のエッチプロセス150とは異なる化学作用を有する。障壁層114は、ストレッサー層116よりも第2のエッチングプロセス152において低いエッチングレートを有し、そのため、障壁層114の少なくとも一部(及び場合によっては、全て)が、第2のエッチングプロセス152が完了した後にゲート窪み120の下に残る。例えば、第2のエッチングプロセス152は、1、2ジアミノエタンの1モル水溶液を用いるウェットエッチングプロセスを含み得、これは、室温で1.0より大きいガリウムアルミニウム窒化物に対するインジウムアルミニウム窒化物のエッチング選択性を所望に提供することが証明されている。第1のエッチプロセス150は、露出されたストレッサー層116上の所望に粗い表面を提供し得、これは有利にも、第2のエッチングプロセス152のためのより均一な初期エッチングレートを提供し得る。
【0029】
図2Gを参照すると、ストレッサー層116の残りの部分154が、ゲート窪み120内にあり得、場合によっては、遷移層154が、下にある障壁層114の要素を含む。酸化液156が、ゲート窪み120におけるストレッサー層116の残りの部分154を酸化させる。ストレッサー層116の残りの部分154は、電流が酸化液156を介して通る陽極酸化プロセスによって酸化され得る。例えば、酸化液156は、ニトリロ酢酸及び8.5のpH値の0.3モル水酸化カリウム(KOH)の水溶液であり得る。電流は、露出されたストレッサー層116の1平方センチメートルあたり約20マイクロアンペアの値を有し得る。酸化された残りの部分154はその後、希釈硝酸溶液又はクエン酸溶液などの希釈酸性水溶液を用いるウェットエッチングプロセスなどにより取り除かれ得る。窪みマスク148は、場合によっては図2Fのウェットエッチングプロセス152が完了した後、又は場合によってはそれより前に、取り除かれる。従って、ストレッサー層は、第2のエッチング工程による除去を促進するためにゲート窪みにおいて陽極酸化プロセスにより酸化され得る。
【0030】
図2Hを参照すると、ゲート誘電体材料158の層が、フィールドプレート誘電体層126の上に形成され、ゲート窪み120内に延在し、ゲート窪み120の底部において障壁層114に重なる。この例では、ゲート誘電体材料158の層は、デプリーションモードGaN FET104においてキャップ層118の上に延在する。ゲート誘電体材料158の層は、PECVDプロセスなどにより形成される、二酸化シリコン及び/又はシリコン窒化物の一つ又は複数の層を含み得る。ゲート材料160の層が、ゲート誘電体材料158の層の上に形成される。例えば、ゲート材料160の層は、ガリウム窒化物又はその他のIII-N材料を含み得、又は、ポリシリコンと称される多結晶シリコンを含み得、又は、金属を含み得る。この例では、ゲート材料160の層は、エンハンスメントモードGaN FET102及びデプリーションモードGaN FET104両方のゲートのためのエリアにおいて形成される。
【0031】
図2Iを参照すると、図2Hのゲート材料160の層は、エンハンスメントモードゲート128及びデプリーションモードゲート130を同時に形成するようにパターニングされる。エンハンスメントモードゲート128及びデプリーションモードゲート130は、エンハンスメントモードゲート128及びデプリーションモードゲート130のためのエリアを覆うエッチングマスクをゲート材料160の層の上に形成すること、及びその後、エッチングマスクにより露出された箇所のゲート材料160の層を取り除くことを含む、エッチングプロセスにより形成され得る。代替として、エンハンスメントモードゲート128及びデプリーションモードゲート130は、リフトオフプロセスにより形成され得、リフトオフプロセスは、エンハンスメントモードゲート128及びデプリーションモードゲート130のためのエリアにおけるゲート誘電体材料158の層を露出させる、溶剤可溶性有機材料(例えば、フォトレジスト)のリフトオフマスクを形成すること、リフトオフマスクの上にゲート材料160の層を形成すること、及びその後、エンハンスメントモードゲート128及びデプリーションモードゲート130を提供するためリフトオフマスクにより露出されたエリアにおけるゲート材料160の層を残して、リフトオフマスク及び上に重なるゲート材料160の層を取り除くことを含む。エンハンスメントモードゲート128及びデプリーションモードゲート130を同時に形成することは、半導体デバイス100の製造コスト及び複雑性を有利に低減し得る。この例の代替のバージョンにおいて、エンハンスメントモードGaN FET102及びデプリーションモードGaN FET104両方の性能を増大させるため、エンハンスメントモードゲート128及びデプリーションモードゲート130は、異なる仕事関数を有する材料で個別に形成され得る。エンハンスメントモードGaN FET102及びデプリーションモードGaN FET104を形成した後、図1の構造を提供するため製造が継続される。
【0032】
図3A及び図3Bは、ゲート窪みを形成するための代替のプロセスシーケンスで示した図1の半導体デバイスの断面図である。図3Aを参照すると、キャップ層118の上に窪みマスク148が形成される。キャップ層118は、図2Eを参照して説明されるように、ゲート窪み120の一部を形成するため窪みマスク148により露出されたエリアにおいて取り除かれる。露出されたストレッサー層116の1平方センチメートルあたり約20マイクロアンペア電流で、ニトリロ酢酸及び8.5のpH値を有する0.3モルKOHの水溶液を含む陽極酸化水溶液などの酸化液162が、インジウム酸化物を含む酸化されたストレッサー層164を形成するためにゲート窪み120においてキャップ層118により露出された箇所のストレッサー層116を酸化させる。この例では、障壁層114は、障壁層114におけるアルミニウムガリウム窒化物の酸化を避けるため、ストレッサー層116のすぐ下の1ナノメートル~3ナノメートルの厚みのガリウム窒化物(GaN)の層を含み得る。ゲート窪み120におけるストレッサー層116の下の障壁層114の少なくとも一部は酸化されない。
【0033】
図3Bを参照すると、第2のエッチプロセス166が、ゲート窪み120を形成するため図3Aの酸化されたストレッサー層164を取り除く一方で、ゲート窪み120の下の障壁層114の少なくとも一部(及び場合によっては、全て)を残す。例えば、第2のエッチングプロセス166は、硝酸、リン酸、及び/又は塩化水素酸の希釈水溶液、又はクエン酸などの有機酸の水溶液を含み得る。図3Aを参照して説明する酸化プロセス及び図3Bの第2のエッチングプロセスは、ゲート窪み120からストレッサー層116を完全に取り除くために反復され得る。窪みマスク148が取り除かれ、図2Gを参照して説明されるように製造が継続される。
【0034】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得、他の実施例が可能である。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図3A
図3B