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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】家具
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/08 20060101AFI20240214BHJP
   A47C 7/74 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A47C27/08 A
A47C7/74 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018154675
(22)【出願日】2018-08-21
(65)【公開番号】P2020028375
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2020-12-10
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】岩田 卓郎
(72)【発明者】
【氏名】和田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 規敏
【合議体】
【審判長】中村 則夫
【審判官】藤井 昇
【審判官】沼生 泰伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-27736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/74
A47C 17/00 - 31/12
B60N 2/00 - 2/90
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が座ること又は横たわることが可能な家具本体と、
前記家具本体内に設けられ、空気が供給されるチャンバーと、
前記家具本体に座った人又は横たわった人に向かって、前記チャンバーに供給された空気が噴出する噴出面と、
前記チャンバーに開閉可能に設けられ、開くと前記家具本体に座った人又は横たわった人に向かわない方向前記チャンバーに供給された空気を排出して前記噴出面に流れる空気の量を減らし前記噴出面から噴出される空気の噴出量を減少させる排出口と、
を備えた家具。
【請求項2】
前記家具本体は、座部と背もたれ部とを有する椅子であり、
前記チャンバーは、前記座部内に設けられた座部側チャンバーと、前記背もたれ部内に設けられた背もたれ部側チャンバーと、を有し、
前記噴出面は、前記座部側チャンバーに供給された空気が噴出する座面と、前記背もたれ部側チャンバーに供給された空気が噴出する背もたれ面と、を有し、
前記排出口は、前記座部の前記座面でない面に設けられ前記座部側チャンバーに供給された空気を排出する開閉可能な座部側排出口と、前記背もたれ部の前記背もたれ面でない面に設けられ前記背もたれ側チャンバーに供給された空気を排出する開閉可能な背もたれ部側排出口と、を有し、
前記座部側排出口を開くと前記座面から噴出する空気の噴出量のみが減少され、
前記背もたれ側排出口を開くと前記背もたれ面から噴出する空気の噴出量のみが減少される、
請求項1に記載の家具。
【請求項3】
前記背もたれ部の後方に設けられた天蓋フレームによって支持され、前記椅子に座った人の上方に位置する天蓋を有し、
前記チャンバーは、前記座部側チャンバー及び前記背もたれ部側チャンバーに加え、前記天蓋内に設けられた天蓋側チャンバーを有し、
前記噴出面は、前記天蓋側チャンバーに供給され、前記椅子に座った人に向けて空気が
噴出する天蓋下面を有し、
前記排出口は、前記チャンバーの前記天蓋下面でない面に設けられ前記天蓋側チャンバーに供給された空気を排出する開閉可能な天蓋側排出口を有し、
前記天蓋側排出口を開くと前記天蓋下面から噴出する空気の噴出量のみが減少される、
請求項2に記載の家具。
【請求項4】
前記排出口は、排出量を調整可能に開閉され、
前記排出量を調整することで、前記噴出面から噴出される空気の噴出量を調整する、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、全面床吹出し空調の床上に配置され、着座部と背もたれ部とを備えた吹出し空調用椅子に関する技術が開示されている。この先行技術では、カバーの下端周縁部を床面に当接させることで、カバー内が閉空間となり、床面から吹き出された空調空気の一部がカバー内に取り込まれる。そして、カバーの内側に連通する空気流通部に導かれ、その空調空気を着座部と背もたれ部との少なくとも一方の多数の通気孔から外部へ向けて吹き出している。この通気孔からの吹き出しによって、着座者は個人的に気流感を得ることができる。
【0003】
また、個人的な気流感が不要な場合には、例えば、カバーの下端周縁部を床面に対して当接させない状態にすることで、カバーと床面との間に開放部が形成されて床面からの空調空気が空気流通部に流入しなくなり、着座部や背もたれ部からの空調空気の吹き出しを止めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-85292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
人に向かって空気が噴出する噴出面の噴出量を変化させる場合、空気の供給量を機械制御又は電子制御で調整することが考えられる。しかし、この方法は、空気の供給量を変更する操作をしてから噴出量が変更されるまでにタイムラグがあり、応答性が良くない。
【0006】
また、引用文献1のように空調空気の空気流通部への流入を止めると、噴出面からの空気の噴出が停止する。
【0007】
本発明は上記事実に鑑み、家具本体に座った人又は横たわった人に向かって噴出面から噴出する空気の噴出量の変更の応答性を良くすることが目的である
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一態様の家具は、人が座ること又は横たわることが可能な家具本体と前記家具本体内に設けられ、空気が供給されるチャンバーと、前記家具本体に座った人又は横たわった人に向かって、前記チャンバーに供給された空気が噴出する噴出面と、前記家具本体に座った人又は横たわった人に向かわない方向に前記チャンバーに供給された空気を排出する開閉可能な排出口と、を備えている。
【0009】
第一態様の家具では、チャンバー内の空気が噴出面から家具本体に座った人又は横たわった人に向かって噴出する。排出口を開くことで、チャンバー内の空気が噴出面に加え排出口からも噴出するので、噴出面から噴出する空気の噴出量が減少する。よって、排出口の開閉操作から空気の噴出量が変更されるまでのタイムラグが少なく、家具本体に座った人又は横たわった人に向かって噴出面から噴出する空気の噴出量の変更の応答性が良い。
【0010】
第二態様の家具は、前記家具本体は、座部と背もたれ部とを有する椅子であり、前記チャンバーは、前記座部内に設けられた座部側チャンバーと、前記背もたれ部内に設けられた背もたれ部側チャンバーと、を有し、前記噴出面は、前記座部側チャンバーに供給された空気が噴出する座面と、前記背もたれ部側チャンバーに供給された空気が噴出する背もたれ面と、を有し、前記排出口は、前記座部の前記座面でない面に設けられ前記座部側チャンバーに供給された空気を排出する開閉可能な座部側排出口と、前記背もたれ部の前記背もたれ面でない面に設けられ前記背もたれ側チャンバーに供給された空気を排出する開閉可能な背もたれ部側排出口と、を有している。
【0011】
第二態様の家具では、座部側チャンバー内の空気が椅子の座面から噴出し、背もたれ側チャンバー内の空気が椅子の背もたれ面から噴出する。そして、座部の座面でない面の座部側排出口を開くことで座面からの空気の噴出量が減少し、背もたれ部の背もたれ面でない面の背もたれ側排出口を開くことで背もたれ面からの空気の噴出量が減少する。
【0012】
このように、座部側排出口及び背もたれ側排出口を開閉することで、椅子の座面及び背もたれ面から噴出する空気の噴出量を個別に容易に変更することができる。
【0013】
第三態様の家具は、前記排出口は、排出量を調整可能に開閉する。
【0014】
第三態様の家具では、排出口から排出される排出量を調整することで、噴出面から噴出する空気の噴出量を応答性良く容易に調整することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、家具本体に座った人又は横たわった人に向かって噴出面から噴出する空気の噴出量の変更の応答性を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第一実施形態の天蓋付き椅子の側面図である。
図2図1の天蓋付き椅子の前後方向に沿った断面図である。
図3】送風機構のブロック図である。
図4図1の開閉機構における(A)は開口部が全閉の状態の斜視図であり、(B)は開口部が半開の状態の斜視図であり、(C)は開口部が全開の状態の斜視図である。
図5図4とは別の開閉機構の(A)は開口部が全閉の状態の斜視図であり、(B)は開口部が全開の状態の斜視図である。
図6】第二実施形態のベッドを構成するベッド本体の前後方向に沿った断面図及び送風機構のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態の天蓋付き椅子について説明する。
【0018】
[構造]
まず、本実施形態の天蓋付き椅子100の構造について説明する。
【0019】
図1及び図2に示すように、天蓋付き椅子100は、人P(図1参照)が座ることができる椅子本体110と、送風機構200(図3参照)と、を有している。なお、天蓋付き椅子100(椅子本体110)において、座った状態の人Pの正面側を前後方向前側とし、背中側を前後方向後側とし、左右方向を幅方向とする。
【0020】
椅子本体110は、天蓋170と、座部120と、座部120の後端部から上方に延びる背もたれ部140と、を有している。座部120は座部側クッション部122と座部側フレーム部130とで構成され、背もたれ部140は背もたれ側クッション部142と背もたれ側フレーム部150とで構成されている。座部側クッション部122は座部側フレーム部130の上面132に上に設けられ、背もたれ側クッション部142は背もたれ側フレーム部150の前面152の前に設けられている。
【0021】
図2に示すように、座部側フレーム部130及び背もたれ側フレーム部150の内部は空洞になっており、送風機構200(図3参照)の座部側チャンバー138及び背もたれ側チャンバー158として機能するように構成されている。
【0022】
座部側フレーム部130(座部側チャンバー138)の上面132には座部側開口部133が形成され、背もたれ側フレーム部150(背もたれ側チャンバー158)の前面152には背もたれ側開口部153が形成されている。
【0023】
座部側クッション部122及び背もたれ側クッション部142は、それぞれ樹脂バネ網状体124、144、化繊不織布126、146及び表面カバー128、148の順番で積層された構造となっている。表面カバー128の上面が座面129を構成し、表面カバー148の前面が背もたれ面149を構成する。また、座部側クッション部122及び背もたれ側クッション部142は通気性を有している。なお、座部側クッション部122及び背もたれ側クッション部142は、このような構成に限定されない。通気性を有していれば、どのような構造であってもよい。
【0024】
図1及び図2に示すように、天蓋170は、椅子本体110の背もたれ部140の後方に設けられた天蓋フレーム190によって支持され、椅子本体110に座った人P(図1参照)の上方に位置するように構成されている。
【0025】
図2に示すように、天蓋170の内部は空洞になっており、送風機構200(図3参照)の天蓋側チャンバー178として機能するように構成されている。天蓋170(天蓋側チャンバー178)の下面材172は、通気性のある布材で構成されている。
【0026】
座部側フレーム部130の座部側チャンバー138、背もたれ側フレーム部150の背もたれ側チャンバー158及び天蓋170の天蓋側チャンバー178には、図3に示すように、送風機構200を構成するダクト203、205、207が接続されている。
【0027】
送風機構200は、送風装置210、ダクト203、205、207、座部側チャンバー138、背もたれ側チャンバー158及び天蓋側チャンバー178を有している。送風装置210から送風された空気は、ダクト203、205、207を通って座部側チャンバー138、背もたれ側チャンバー158及び天蓋側チャンバー178に送られる。
【0028】
なお、送風装置210が送風する空気は、周囲の外気であってもよいし、図示していない空調器で温湿度が調整された冷風や温風等であってもよい。
【0029】
図1に示すように、座部側フレーム部130(座部側チャンバー138)の幅方向外側の側面134には座部側排出口136が設けられ、背もたれ側フレーム部150(背もたれ側チャンバー158)の幅方向外側の側面154には背もたれ側排出口156が設けられ、天蓋170(天蓋側チャンバー178)の幅方向外側の側面174には天蓋側排出口176が設けられている。これら座部側排出口136、背もたれ側排出口156及び天蓋側排出口176には、それぞれ開閉機構300が設けられている。
【0030】
図4に示すように開閉機構300は、フランジ部303を有する筒部302と、開口板310と、開口板310の裏側に回転可能に設けられた取手324を有する開閉板320と、を有している。開口板310には、扇形状が対向する蝶々形状の開口部312A、312Bが形成されている。開閉板320は、扇形状部322A、322B(図4(A)及び図4(B)参照)が対向する蝶々形状となっている。
【0031】
そして、取手324を持って開閉板320を回転させることで、開口板310の開口部312A、312Bが開閉する。なお、開閉板320の回転量によって開口部312A,312Bの開閉量(開閉面積)を調整することができる。なお、図4(A)は開口部312A、312Bが全閉の状態で、図4(B)は開口部312A、312Bが半開の状態で、図4(C)は開口部312A、312Bが全開の状態である。
【0032】
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0033】
図3に示す送風機構200から送風された空気は、ダクト203、205、207を通って座部側チャンバー138、背もたれ側チャンバー158及び天蓋側チャンバー178に送られる。
【0034】
図2に示すように、座部側クッション部122及び背もたれ側クッション部142は通気性を有している。よって、矢印Jで示すように、座部側チャンバー138及び背もたれ側チャンバー158に送られた空気は、上面132の座部側開口部133及び前面152の背もたれ側開口部153から座部側クッション部122及び背もたれ側クッション部142を通り、座面129及び背もたれ面149から人P(図1参照)に向かって噴出する。
【0035】
また、天蓋170の下面材172は通気性を有している。よって、矢印Jで示すように、天蓋側チャンバー178に送られた空気は、下面材172から人P(図1参照)に向かって噴出する。
【0036】
図1に示すように、座部側フレーム部130の側面134には座部側排出口136が設けられ、背もたれ側フレーム部150の側面154には背もたれ側排出口156が設けられ、天蓋170の側面174には天蓋側排出口176が設けられている。そして、これら座部側排出口136、背もたれ側排出口156及び天蓋側排出口176には、それぞれ開閉機構300が設けられている。
【0037】
開閉機構300の開口部312A、312Bが全閉の状態(図4(A)参照)では、座部側排出口136、背もたれ側排出口156及び天蓋側排出口176からは空気は噴出しない。
【0038】
しかし、開口部312A、312Bが半開の状態(図4(B)参照)又は開口部312A、312Bが全開の状態(図4(C)参照)の場合は、座面129、背もたれ面149及び天蓋170の下面材172に加え座部側排出口136、背もたれ側排出口156及び天蓋側排出口176からも空気が噴出する。よって、座面129、背もたれ面149及び天蓋170の下面材172から噴出する空気の噴出量がその分減少する。
【0039】
このように、座部側排出口136、背もたれ側排出口156及び天蓋側排出口176の開閉機構300を開閉することで、座面129、背もたれ面149及び天蓋170の下面材172から噴出する空気の噴出量を変更できる。よって、送風装置210の風量を変更する場合よりも開閉機構300の操作から空気の噴出量が変更されるまでのタイムラグが少なく、座面129、背もたれ面149及び天蓋170の下面材172から噴出する空気の噴出量の変更の応答性が良い。
【0040】
また、座部側排出口136、背もたれ側排出口156及び天蓋側排出口176の各開閉機構300を開閉することで、座面129、背もたれ面149及び天蓋170の下面材172から噴出する空気の噴出量を個別に容易に変更することができる。
【0041】
また、開閉機構300は、開閉板320の回転量によって開口部312A,312Bの開閉量(開閉面積)を調整することができる。つまり、開閉機構300は排出量を調整することができる。よって、座部側排出口136、背もたれ側排出口156及び天蓋側排出口176の各開閉機構300の開閉量(開閉面積、排出量)を調整することで、座面129、背もたれ面149及び天蓋170の下面材172から噴出する空気の噴出量を個別に容易に調整することができる。
【0042】
更に、人P自らが噴出量を調整して好みの環境にすることができるので、自己効力感(満足感や達成感等)が得られる。
【0043】
また、座部側フレーム部130の側面134に座部側排出口136が設けられ、背もたれ側フレーム部150の側面154に背もたれ側排出口156が設けられ、天蓋170の側面174に天蓋側排出口176が設けられている。よって、それぞれに設けられた開閉機構300の開閉板320を座った状態の人Pの手が届きやすく、噴出量(開閉量)の調整操作を行い易い。
【0044】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態のベッドについて説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0045】
[構造]
まず、本実施形態のベッド500の構造について説明する。
【0046】
図6に示すように、ベッド500は、人P(図1参照)が横たわるベッド本体510と、送風機構600と、を有している。
【0047】
ベッド本体510は、通気性を有するマットレス520と、マットレス520を上板部532で支持するフレーム部530と、を有している。
【0048】
フレーム部530の内部は空洞になっており、送風機構600のチャンバー538として機能するように構成されている。また、フレーム部530(チャンバー538)の上板部532には開口部533が形成されている。
【0049】
フレーム部530のチャンバー538には、送風機構600を構成するダクト602が接続されている。送風機構600は、送風装置210、ダクト602及びチャンバー538を有している。送風装置210から送風された空気は、ダクト602を通ってチャンバー538に送られる。フレーム部530(座部側チャンバー138)の側面には排出口536が設けられ、排出口536には、開閉機構300(図4参照)が設けられている。
【0050】
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0051】
図6に示すように、送風装置210から送風された空気は、ダクト602を通ってチャンバー538に送られる。マットレス520は通気性を有している。よって、矢印Jで示すように、チャンバー538に送られた空気は、上板部532の開口部533からマットレス520を通り、マットレス上面522から噴出する。
【0052】
フレーム部530の側面には排出口536が設けられ、排出口536には、開閉機構300(図4参照)が設けられている。
【0053】
開閉機構300の開口部312A、312Bが全閉の状態(図4(A)参照)では、排出口536からは空気は噴出しない。
【0054】
しかし、開口部312A、312Bが半開の状態(図4(B)参照)又は開口部312A、312Bが全開の状態(図4(C)参照)の場合は、マットレス上面522に加え排出口536からも空気が噴出する。よって、マットレス上面522から噴出する空気の噴出量がその分減少する。
【0055】
このように、ベッド本体510の排出口536の開閉機構300を開閉することで、マットレス上面522から噴出する空気の噴出量を変更できる。よって、送風装置210の風量を変更する場合よりも開閉機構300の操作から空気の噴出量が変更されるまでのタイムラグが少なく、マットレス上面522から噴出する空気の噴出量の変更の応答性が良い。
【0056】
また、排出口536の開閉機構300の開閉量(開閉面積、排出量)を調整することで、マットレス上面522から噴出する空気の噴出量を容易に調整することができる。
【0057】
更に、人P自らが噴出量を調整して好みの環境にすることができるので、自己効力感(満足感や達成感等)が得られる。
【0058】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0059】
例えば、図4に示す開閉機構300以外の開閉機構で排出量を変更してもよい。例えば、図5に示す開閉機構400であってもよい。開閉機構400は、開口部402を有し、蓋部410が面外方向に移動することで開口部402を開閉する。なお、図5(A)は開閉機構400の開口部402を蓋部410が閉鎖して状態であり、図5(B)は開閉機構400の蓋部410が移動して開口部402を開いた状態である。
【0060】
また、例えば、上記実施形態では、送風装置210からダクト203、205、207、602を介して座部側チャンバー138、背もたれ側チャンバー158、天蓋側チャンバー178及びチャンバー538に送られていたが、これに限定されない。例えば、送風装置210が、椅子本体110及びベッド本体510に設けられていてもよい。また、座部側チャンバー138、背もたれ側チャンバー158、天蓋側チャンバー178及びチャンバー538がそれぞれ送風装置210を有していてもよい。
【0061】
また、例えば、上記第一実施形態の天蓋付き椅子100では、座部120の座部側フレーム部130の幅方向外側の側面134に座部側排出口136が設けられ、背もたれ部140の背もたれ側フレーム部150の幅方向外側の側面154には背もたれ側排出口156が設けられていた。しかし、側面134、154以外の場所に座部側排出口136及び背もたれ側排出口156が設けられていてもよい。例えば、肘掛を設け、肘掛に座部側排出口136及び背もたれ側排出口156を設けてもよい。同様に、上記第二実施形態のベッド500においても、フレーム部530の側面以外に排出口536が設けられていてもよい。要は、チャンバーに供給された空気を人Pに向かわない方向に排出する開閉可能な排出口であればよい。
【0062】
また、上記実施形態では、座部側クッション部122及び背もたれ側クッション部142は、それぞれ樹脂バネ網状体124、144、化繊不織布126、146及び表面カバー128、148の順番で積層された構造となっているが、これに限定されない。座部側クッション部122と背もたれ側クッション部142とが一体となった構造であってもよい。つまり、クッション部全体がL字状(樹脂バネ網状体、化繊不織布及び表面カバーがそれぞれL字状)であってもよい。
【0063】
また、例えば、上記第一実施形態の天蓋付き椅子100では、座部側チャンバー138と背もたれ側チャンバー158とが別体であったが、これに限定されない。座部側チャンバー138と背もたれ側チャンバー158とが一体となっており、座部側排出口136又は背もたれ側排出口156を開閉すると、座面129及び背もたれ面149から噴出する空気の噴出量の両方が変更される構成であってもよい。
【0064】
或いは、座部側チャンバー138及び背もたれ側チャンバー158は、それぞれ複数のチャンバーに分割された構成であってもよい。例えば、上部背もたれ側チャンバーと下部背もたれ側チャンバーとを有し、それぞれ個別の排出口を有する構成であってもよい。同様に上記第二実施形態のベッド500のチャンバー538も頭側チャンバーと足側チャンバーとを有し、それぞれ個別の排出口を有する構成であってもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、家具本体は、椅子本体110又はベッド本体510であったが、これらに限定されない。なお、椅子本体の概念には、ソファーやベンチシート等が含まれる。
【0066】
また、天蓋を有していない椅子又は天蓋付きのベッドにも本発明を適用することができる。
【0067】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【符号の説明】
【0068】
100 椅子(家具の一例)
110 椅子本体(家具本体の一例)
120 座部
129 座面(噴出面の一例)
136 座部側排出口(排出口の一例)
138 座部側チャンバー(チャンバーの一例)
140 背もたれ部
149 背もたれ面(噴出面の一例)
156 背もたれ側排出口(排出口の一例)
158 背もたれ側チャンバー(チャンバーの一例)
172 下面材(噴出面の一例)
176 天蓋側排出口(排出口の一例)
178 天蓋側チャンバー(チャンバーの一例)
500 ベッド(家具の一例)
510 ベッド本体(家具本体の一例)
522 マットレス上面(噴出面の一例)
536 排出口
538 チャンバー
P 人
図1
図2
図3
図4
図5
図6