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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 21/00 20060101AFI20240214BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20240214BHJP
   G08C 15/06 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
G01D21/00 M
G08C15/00 E
G08C15/06 H
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019125394
(22)【出願日】2019-07-04
(65)【公開番号】P2021012060
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100188307
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 昌宏
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】馬場 雅章
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-245109(JP,A)
【文献】特開2006-187316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 18/00-21/02
G08C 13/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象に対する測定処理を実行して測定値を取得する測定装置であって、
設定された第1周期で前記測定処理を繰り返し実行する制御部と、
第1情報処理装置と通信可能な通信部と、
を備え、
前記制御部は、前記測定処理を実行させる開始トリガ信号を、前記第1情報処理装置から前記通信部を介して取得すると、取得された前記開始トリガ信号に基づいて、前記第1周期の経過前に前記測定処理を実行し、前記第1周期に基づく前記測定処理も継続して実行する、
測定装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記開始トリガ信号によって示される第1トリガ信号に基づいて、前記第1周期よりも短い第2周期で前記測定処理を繰り返し実行する、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2周期に基づく前記測定処理を停止させる停止トリガ信号を、前記第1情報処理装置から前記通信部を介して取得すると、取得された前記停止トリガ信号に基づいて、前記第2周期に基づく前記測定処理を停止する、
請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記開始トリガ信号によって示される第2トリガ信号を取得すると前記測定処理を1回だけ実行する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記第1周期に関する情報を含む設定信号を前記第1情報処理装置から取得し、
前記制御部は、前記通信部によって取得された前記設定信号に基づいて前記第1周期を設定する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記測定処理の実行によって取得した前記測定値が所定の範囲を超えると、前記第1周期よりも短い第3周期で前記測定処理を繰り返し実行する、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第3周期に基づく前記測定処理の実行によって取得した前記測定値が前記所定の範囲以内に戻ると、前記第3周期に基づく前記測定処理を停止する、
請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記測定処理によって取得された前記測定値を含む測定データを記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記測定データを、前記測定処理を実行するごとに前記記憶部に格納する、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記測定処理によって取得された前記測定値を、前記第1情報処理装置及び前記第1情報処理装置とは異なる第2情報処理装置の少なくとも一方に、前記通信部を介して送信する、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被測定対象に対する測定処理を実行して測定値を取得する測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の測定周期で繰り返し被測定対象に対する測定処理を実行する測定装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、測定装置としてのフィールド機器と上位制御機器とを含む制御システムであって、フィールド機器により取得された測定値に基づいてフィールド機器が実行する測定処理の測定周期の値及び測定周期の変更判断基準値の変更を容易とする制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-008178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような測定装置では、測定装置により取得された測定値に基づいて測定周期を変更するものなので、例えば、ユーザの要求に応じて測定処理を実行させることは容易ではなかった。したがって、測定処理に関するユーザの利便性が低下していた。
【0006】
本開示は、測定処理に関するユーザの利便性が向上する測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの実施形態に係る測定装置は、被測定対象に対する測定処理を実行して測定値を取得する測定装置であって、設定された第1周期で前記測定処理を繰り返し実行する制御部と、第1情報処理装置と通信可能な通信部と、を備え、前記制御部は、前記測定処理を実行させる開始トリガ信号を、前記第1情報処理装置から前記通信部を介して取得すると、取得された前記開始トリガ信号に基づいて、前記第1周期の経過前に前記測定処理を実行する。これにより、測定装置による測定処理に関するユーザの利便性が向上する。例えば、測定装置において、取得された開始トリガ信号に基づいて第1周期の経過前に制御部が測定処理を実行することで、ユーザは、第1周期が経過する前であってもユーザの要求に応じて測定装置を用いて容易に測定を行うことができる。
【0008】
一実施形態において、前記制御部は、前記開始トリガ信号によって示される第1トリガ信号に基づいて、前記第1周期よりも短い第2周期で前記測定処理を繰り返し実行してもよい。これにより、ユーザは、設定されている測定周期ではなく一時的に短い周期で測定処理を行いたい場合であっても、短い周期で容易に測定を行うことができる。
【0009】
一実施形態において、前記制御部は、前記第2周期に基づく前記測定処理を停止させる停止トリガ信号を、前記第1情報処理装置から前記通信部を介して取得すると、取得された前記停止トリガ信号に基づいて、前記第2周期に基づく前記測定処理を停止してもよい。これにより、ユーザは、第2周期に基づく測定処理を停止させることができる。そして、例えば、第2周期に基づく測定処理を停止させた後に、第1周期に基づく測定処理へと容易に復帰させることができる。したがって、測定処理に関するユーザの操作が簡略化され、ユーザの利便性が向上する。
【0010】
一実施形態において、前記制御部は、前記開始トリガ信号によって示される第2トリガ信号を取得すると前記測定処理を1回だけ実行してもよい。これにより、ユーザは、現時点でのリアルタイムな測定値を確認することができる。したがって、例えば第1周期の間の現時点における測定値を容易に確認できて、ユーザの利便性が向上する。例えば、測定装置の保守を行う現時点における測定値を確認できて、測定装置の保守時における調整精度が向上し、ユーザの利便性が向上する。
【0011】
一実施形態において、前記通信部は、前記第1周期に関する情報を含む設定信号を前記第1情報処理装置から取得し、前記制御部は、前記通信部によって取得された前記設定信号に基づいて前記第1周期を設定してもよい。このように、第1情報処理装置に基づいて第1周期が設定される場合であっても、ユーザは、第1周期が経過する前に、第1周期の値を例えばより短い値に再設定する必要なく、ユーザの要求に応じて測定装置を用いて容易に測定を行うことができる。
【0012】
一実施形態において、前記制御部は、前記測定処理の実行によって取得した前記測定値が所定の範囲を超えると、前記第1周期よりも短い第3周期で前記測定処理を繰り返し実行してもよい。これにより、測定装置は、例えば、測定状態の異常を検知した場合に自動的に測定周期を第3周期へと短くすることで、測定状態の変化を検知する間隔を短くすることができる。測定状態の異常を検知した場合は、例えば測定値が所定の範囲を超える場合等を含む。
【0013】
一実施形態において、前記制御部は、前記第3周期に基づく前記測定処理の実行によって取得した前記測定値が前記所定の範囲以内に戻ると、前記第3周期に基づく前記測定処理を停止してもよい。これにより、測定装置は、第3周期に基づく測定処理を停止する。そして、例えば、第3周期に基づく測定処理を停止させた後に、第1周期に基づく測定処理へと容易に復帰することができる。したがって、測定処理に関するユーザの操作が簡略化され、ユーザの利便性が向上する。測定装置は、例えば測定状態が正常復帰したことを迅速に判定することができる。測定状態が正常復帰したことは、例えば測定値が所定の範囲以内に戻ること等を意味する。測定装置は、正常復帰及び追加の異常等を速やかに検知することができ、常に最新のアラーム診断情報を検知することができる。測定装置は、測定状態が正常復帰したとき、即座にアラームを解除することができる。
【0014】
一実施形態に係る測定装置は、前記測定処理によって取得された前記測定値を含む測定データを記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記測定データを、前記測定処理を実行するごとに前記記憶部に格納してもよい。これにより、測定装置単独で測定データの履歴が取得可能である。すなわち、従来と異なり、制御部による測定処理の終了後に、随時、測定データを外部装置に送信する必要はない。測定装置は、それ自身で過去の測定値の推移に関する情報を取得することができる。
【0015】
一実施形態において、前記制御部は、前記測定処理によって取得された前記測定値を、前記第1情報処理装置及び前記第1情報処理装置とは異なる第2情報処理装置の少なくとも一方に、前記通信部を介して送信してもよい。これにより、ユーザは、第1情報処理装置及び第2情報処理装置の少なくとも一方側で、例えば測定値の変化等を含む測定値の状況を確認することができる。例えば、ユーザは、第1情報処理装置及び第2情報処理装置の少なくとも一方側で、測定値の状況をリアルタイムにモニタリングすることもできる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、測定処理に関するユーザの利便性が向上する測定装置を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態に係る測定システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図1の測定システムによって実行される測定処理の第1例を示す模式図である。
図3図2に示す測定処理の第1例に係る測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4図1の測定システムによって実行される測定処理の第2例を示す模式図である。
図5図4に示す測定処理の第2例に係る測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図6図1の測定システムによって実行される測定処理の第3例を示す模式図である。
図7図6に示す測定処理の第3例に係る測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図8図1の測定システムによって実行される測定処理の第4例を示す模式図である。
図9図8に示す測定処理の第4例に係る測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
従来技術の問題点についてより詳細に説明する。
【0019】
従来の測定装置は、原則的に、外部より設定される測定周期のみにおいて繰り返して測定処理を実行する。しかしながら、例えば、測定装置のセットアップ時、及び測定装置に含まれるセンサの調整時等、上記のような測定周期よりも短い周期で一時的に測定装置を動作させて作業する必要がある場合も想定される。このような場合、ユーザは、測定周期をより短い値に再設定し、作業完了後に元の測定周期に設定し直す必要があった。
【0020】
このような従来の測定システムでは、測定装置が、設定された測定周期で測定処理を実行しているため、ユーザは、現時点でのリアルタイムな測定値を取得することができなかった。すなわち、ユーザは、測定装置に対して任意の方法で測定値の取得を要求したとしても、要求した現時点での測定値ではなく、要求前の測定周期での測定処理に基づく測定値を取得することしかできなかった。例えば、測定周期が1日である場合、ユーザが、要求前の測定周期での測定処理から23時間経過した時点で測定値の取得を要求しても、23時間前の測定値を取得することしかできなかった。
【0021】
このような従来の測定装置は、測定処理において取得された測定値に基づいて何らかの異常を検知した場合、ユーザが直ちに異常状態を改善する作業を行っても、ユーザは、次の測定周期での測定処理が実行されるまでは正常状態に復帰したか否か、及び追加の異常が発生しているか否か等を測定値に基づいて判定することができなかった。例えば、測定装置は、測定周期が1日である場合、ユーザの要求前の測定周期での測定処理に基づいて測定状態が異常であると判定して、直ちにユーザによる異常状態の改善が行われても、その後1日近く経過した測定周期まで、正常状態に復帰したと判定してアラームを解除することができなかった。
【0022】
このような従来の測定システムでは、測定装置が取得した毎周期の測定データは、測定装置において上書きをして格納されて、例えば外部装置に毎周期の測定データが格納される。このような場合、測定装置は、測定処理によって取得した1周期分の測定データのみを一時的に記憶するだけである。したがって、ユーザは、測定装置単体では過去の測定結果の履歴を把握することができず、このような履歴を確認するためには外部装置に格納されている蓄積データが必要となっていた。
【0023】
本開示は、以上のような問題点を解決するために、測定処理に関するユーザの利便性が向上する測定装置を提供することを目的とする。以下では、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について主に説明する。本明細書において、ユーザは、例えば測定装置を現場で使用する者であってもよいし、測定装置と通信接続されている情報処理装置を用いながら測定装置を監視する者であってもよい。
【0024】
図1は、一実施形態に係る測定システム1の構成の一例を示すブロック図である。図1を参照しながら、一実施形態に係る測定システム1の構成について主に説明する。
【0025】
測定システム1は、測定装置10と、第1情報処理装置20と、第2情報処理装置30と、を有する。測定装置10は、第1情報処理装置20と互いに通信接続されている。測定装置10は、第2情報処理装置30と互いに通信接続されている。測定装置10と第1情報処理装置20との間の通信プロトコルと、測定装置10と第2情報処理装置30との間の通信プロトコルとは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
測定装置10は、例えばフィールド機器を含む。測定装置10は、被測定対象に対する測定処理を実行して測定値を取得する。被測定対象は、例えば測定装置10が配置されているプラント設備において発生した気体及び液体等を含む流体の温度、圧力、及び流量、並びにプラント設備の腐食度及び振動量等を含む。これに限定されず、被測定対象は、バルブ、モータ、及びリレー等を含むアクチュエータに関連する、温度及び圧力等を含む状態パラメータを含む。プラント設備は、化学等の工業プラントの他、ガス田及び油田等を含む井戸元、並びにその周辺を管理制御するプラントを含む。その他にも、プラント設備は、水力、火力、及び原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光及び風力等の環境発電を管理制御するプラント、並びに上下水及びダム等を管理制御するプラント等を含んでもよい。
【0027】
測定システム1における第1情報処理装置20は、例えばユーザからの入力を受け付けて、測定装置10が実行する被測定対象に対する測定処理の測定周期を設定する。第1情報処理装置20は、このような測定周期に関する情報を含む設定信号を測定装置10に送信する。
【0028】
測定システム1における測定装置10は、第1情報処理装置20から設定信号を取得すると、第1情報処理装置20で設定された動作に従って測定処理を実行する。より具体的には、測定装置10は、第1情報処理装置20により設定された測定周期に従って、被測定対象に対する測定処理を定期的に実行する。測定装置10は、被測定対象に対する測定処理を実行して測定データDを取得した後、第2情報処理装置30に測定データDを送信して測定結果を通知する。測定データDは、測定装置10の測定処理ごとに取得された測定値、及びその測定日時等の情報を含む。
【0029】
測定システム1における第2情報処理装置30は、測定装置10から取得した測定データDに対して必要なデータ処理を実行した後、例えば後述する表示部33に測定結果を表示する。
【0030】
測定装置10は、制御部11と、センサ121を含む測定部12と、通信部13と、記憶部14と、を有する。
【0031】
制御部11は、1つ以上のプロセッサを含む。より具体的には、制御部11は、汎用のプロセッサ及び特定の処理に特化した専用のプロセッサ等の任意のプロセッサを含む。例えば、制御部11は、測定装置10による被測定対象に対する測定処理を実行可能にするプロセッサを含む。制御部11は、測定装置10を構成する各構成部に接続され、各構成部をはじめとして測定装置10全体を制御及び管理する。
【0032】
測定部12は、制御部11から出力される制御信号に基づいて被測定対象の測定を行う任意の測定モジュールを含む。測定部12は、ADC(Analog-to-Digital Converter)、カウンタ、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及び増幅器等の任意の回路を含む。測定部12は、被測定対象の測定を可能にするセンサ121を含む。センサ121の種類は、被測定対象の種類に応じて適宜定められる。例えば、センサ121は、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、腐食センサ、及び振動センサ等の任意のセンサを含む。センサ121は、例えば、測定装置10に内蔵されているものであってもよいし、測定装置10の外部に配置され有線又は無線によって測定装置10本体と通信接続されているものであってもよい。測定部12は、センサ121からの測定信号を受信するアナログ回路又はセンサ121を駆動するアナログ回路を介してセンサ121を制御し、周期的に被測定対象の測定を行う。
【0033】
通信部13は、有線又は無線に基づく任意の通信プロトコルに対応した任意の通信インタフェースを含む。より具体的には、通信部13は、第1情報処理装置20及び第2情報処理装置30のそれぞれとの通信に用いられる通信プロトコルに対応した通信インタフェースを含む。例えば、通信部13は、第1情報処理装置20との通信に用いられる第1の通信用回路と、第2情報処理装置30との通信に用いられる第2の通信用回路と、を含む。
【0034】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等の任意の記憶モジュールを含み、測定装置10の動作を実現するために必要な情報を記憶する。例えば、記憶部14は、測定装置10の動作を実現するために必要なファームウェアを記憶する。記憶部14は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部14は、測定装置10に内蔵されているものに限定されず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続されている外付け型の記憶モジュールであってもよい。
【0035】
第1情報処理装置20は、測定装置10における測定周期等の測定処理に係るパラメータを設定可能な任意の情報処理機器を含む。第1情報処理装置20は、スマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、デスクトップコンピュータ、及びモバイルコンピュータ等の任意の汎用電子機器であってもよいし、測定システム1の構成に特化した専用の情報処理機器であってもよい。
【0036】
第1情報処理装置20は、制御部21と、入力部22と、表示部23と、通信部24と、記憶部25と、を有する。
【0037】
制御部21は、1つ以上のプロセッサを含む。より具体的には、制御部21は、汎用のプロセッサ及び特定の処理に特化した専用のプロセッサ等の任意のプロセッサを含む。例えば、制御部21は、第1情報処理装置20による処理を実行可能なプロセッサを含む。制御部21は、第1情報処理装置20を構成する各構成部に接続され、各構成部をはじめとして第1情報処理装置20全体を制御及び管理する。
【0038】
入力部22は、第1情報処理装置20のユーザによる入力操作を受け付ける任意の入力インタフェースを含む。入力部22は、第1情報処理装置20のユーザによる入力操作を受け付け、当該ユーザによる入力情報を取得する。入力部22は、取得した入力情報を制御部21に出力する。入力情報は、例えば、測定装置10が測定処理を実行する測定周期の設定情報を含む。
【0039】
表示部23は、画像を出力する任意の出力インタフェースを含む。表示部23は、例えば液晶ディスプレイを含む。表示部23は、例えば、測定装置10が測定処理を実行する測定周期を設定するための設定画面をユーザに対して表示する。
【0040】
通信部24は、有線又は無線に基づく任意の通信プロトコルに対応した任意の通信インタフェースを含む。より具体的には、通信部24は、測定装置10との通信に用いられる通信プロトコルに対応した通信インタフェースを含む。
【0041】
記憶部25は、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAM等の任意の記憶モジュールを含み、第1情報処理装置20の動作を実現するために必要な情報を記憶する。例えば、記憶部25は、入力部22によって取得された入力情報を記憶する。記憶部25は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部25は、第1情報処理装置20に内蔵されているものに限定されず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続されている外付け型の記憶モジュールであってもよい。
【0042】
第2情報処理装置30は、測定装置10が実行した測定処理に基づく測定データDを取得可能な任意の情報処理機器を含む。第2情報処理装置30は、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、及びタブレットPC等の任意の汎用電子機器であってもよいし、測定システム1の構成に特化した専用の情報処理機器であってもよい。また、第2情報処理装置30は、測定装置10を管理(例えば制御及び監視等)する上位コンピュータ(ホストコンピュータ等)であってもよい。
【0043】
第2情報処理装置30は、制御部31と、入力部32と、表示部33と、通信部34と、記憶部35と、を有する。
【0044】
制御部31は、1つ以上のプロセッサを含む。より具体的には、制御部31は、汎用のプロセッサ及び特定の処理に特化した専用のプロセッサ等の任意のプロセッサを含む。例えば、制御部31は、第2情報処理装置30による処理を実行可能なプロセッサを含む。制御部31は、第2情報処理装置30を構成する各構成部に接続され、各構成部をはじめとして第2情報処理装置30全体を制御及び管理する。
【0045】
入力部32は、第2情報処理装置30のユーザによる入力操作を受け付ける任意の入力インタフェースを含む。入力部32は、第2情報処理装置30のユーザによる入力操作を受け付け、当該ユーザによる入力情報を取得する。入力部32は、取得した入力情報を制御部31に出力する。入力情報は、例えば、表示部33に表示された測定装置10からの測定結果に対するユーザの操作情報を含む。
【0046】
表示部33は、画像を出力する任意の出力インタフェースを含む。表示部33は、例えば液晶ディスプレイを含む。表示部33は、例えば、測定装置10によって実行された測定処理に基づく測定結果をユーザに対して表示する。
【0047】
通信部34は、有線又は無線に基づく任意の通信プロトコルに対応した任意の通信インタフェースを含む。より具体的には、通信部34は、測定装置10との通信に用いられる通信プロトコルに対応した通信インタフェースを含む。
【0048】
記憶部35は、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAM等の任意の記憶モジュールを含み、第2情報処理装置30の動作を実現するために必要な情報を記憶する。例えば、記憶部35は、制御部31が通信部34を介して測定装置10から取得した測定データDを記憶する。記憶部35は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部35は、第2情報処理装置30に内蔵されているものに限定されず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続されている外付け型の記憶モジュールであってもよい。
【0049】
測定装置10の通信部13は、第1情報処理装置20によって設定された、測定処理を測定装置10が繰り返し実行する測定周期、例えば第1周期T1に関する情報を含む設定信号を第1情報処理装置20から取得する。測定装置10の制御部11は、通信部13によって取得された設定信号に基づいて、測定部12により第1周期T1で測定処理を繰り返し実行する。加えて、制御部11は、測定処理を実行させる開始トリガ信号S1を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得すると、取得された開始トリガ信号S1に基づいて、第1周期T1の経過前に測定部12により測定処理を実行する。
【0050】
図2は、図1の測定システム1によって実行される測定処理の第1例を示す模式図である。図2において、横軸は時間を表す。縦軸の最上段は、測定装置10の通信部13が第1情報処理装置20の通信部24と通信を行うタイミングを示す。縦軸の中段は、測定装置10の通信部13が第2情報処理装置30の通信部34と通信を行うタイミングを示す。縦軸の最下段は、測定装置10の測定部12が被測定対象の測定を行うタイミングを示す。図2を参照しながら、測定システム1によって実行される測定処理の第1例について主に説明する。
【0051】
測定装置10の制御部11は、開始トリガ信号S1を取得していない状態では、通信部13によって取得された設定信号に基づいて、測定部12により第1周期T1で測定処理を繰り返し実行する。制御部11は、測定処理を実行させる、開始トリガ信号S1によって示される第1トリガ信号S11を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得すると、第1周期T1よりも短い第2周期T2で測定部12により測定処理を繰り返し実行する。このとき、制御部11は、第1周期T1に基づく測定処理も測定部12により継続して実行してもよい。ここで、第1トリガ信号S11は、第1情報処理装置20が受け付けたユーザ入力に基づく、測定装置10に第2周期T2で測定処理を実行させるための要求信号を含んでもよい。要求信号は、第2周期T2の値を含んでもよい。これに限定されず、第1トリガ信号S11は、第1情報処理装置20を測定装置10に接近させたときに行われる近距離無線通信に基づく任意の信号を含んでもよい。第2周期T2の値は、測定装置10の記憶部14に固定値として予め記憶されている。これに限定されず、第2周期T2の値は、第1周期T1と同様に第1情報処理装置20を用いてユーザにより設定されてもよい。すなわち、第2周期T2の値は、要求信号に含まれる第2周期T2の値であってもよい。
【0052】
制御部11は、測定部12による測定が終了し測定値が算出されると、その測定データDを例えば第2情報処理装置30に通信部13を介して送信する。第2情報処理装置30の制御部31は、測定データDを取得して測定結果を表示部33に表示することで、測定値の変化等を含む測定値の状況をユーザに対してリアルタイムに示す。
【0053】
制御部11は、第2周期T2に基づく測定処理を停止させる停止トリガ信号S2を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得すると、取得された停止トリガ信号S2に基づいて、第2周期T2に基づく測定処理を停止する。その後、制御部11は、第1周期T1に基づく測定処理を測定部12により継続して実行してもよい。ここで、停止トリガ信号S2は、第1情報処理装置20が受け付けたユーザ入力に基づく、測定装置10に第2周期T2に基づく測定処理を停止させるための要求信号を含んでもよい。これに限定されず、停止トリガ信号S2は、第1情報処理装置20を測定装置10に接近させたときに行われる近距離無線通信に基づく任意の信号を含んでもよいし、第1情報処理装置20と測定装置10との接近が維持された状態から第1情報処理装置20を測定装置10から離したときに発生する任意の信号を含んでもよい。
【0054】
図3は、図2に示す測定処理の第1例に係る測定装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0055】
ステップS101では、制御部11は、第1情報処理装置20によって設定された、測定処理を測定装置10が繰り返し実行する第1周期T1に関する情報を含む設定信号を第1情報処理装置20から通信部13を介して取得する。
【0056】
ステップS102では、制御部11は、通信部13によって取得された設定信号に基づいて、測定部12により第1周期T1で測定処理を実行する。
【0057】
ステップS103では、制御部11は、測定部12による測定が終了し測定値が算出されると、その測定データDを例えば第2情報処理装置30に通信部13を介して送信する。
【0058】
ステップS104では、制御部11は、測定処理を実行させる第1トリガ信号S11を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したか否かを判定する。制御部11は、第1情報処理装置20から第1トリガ信号S11を取得したと判定すると、ステップS105の処理を実行する。制御部11は、第1情報処理装置20から第1トリガ信号S11を取得していないと判定すると、ステップS102の処理を再度実行する。すなわち、制御部11は、測定部12により第1周期T1で繰り返し測定処理を実行する。
【0059】
ステップS105では、制御部11は、測定処理を実行させる第1トリガ信号S11を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したと判定すると、第1周期T1よりも短い第2周期T2で測定部12により測定処理を実行する。
【0060】
ステップS106では、制御部11は、測定部12による測定が終了し測定値が算出されると、その測定データDを例えば第2情報処理装置30に通信部13を介して送信する。
【0061】
ステップS107では、制御部11は、第2周期T2に基づく測定処理を停止させる停止トリガ信号S2を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したか否かを判定する。制御部11は、第1情報処理装置20から停止トリガ信号S2を取得したと判定すると、ステップS108の処理を実行する。制御部11は、第1情報処理装置20から停止トリガ信号S2を取得していないと判定すると、ステップS105の処理を再度実行する。すなわち、制御部11は、測定部12により第2周期T2で繰り返し測定処理を実行する。
【0062】
ステップS108では、制御部11は、第2周期T2に基づく測定処理を停止させる停止トリガ信号S2を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したと判定すると、第2周期T2に基づく測定処理を停止する。
【0063】
ステップS109では、制御部11は、例えば、測定装置10の測定処理を終了させる終了信号を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したか否かを判定する。制御部11は、第1情報処理装置20から終了信号を取得したと判定すると、ステップS110の処理を実行する。制御部11は、第1情報処理装置20から終了信号を取得していないと判定すると、ステップS102の処理を再度実行する。すなわち、制御部11は、測定部12により第1周期T1で繰り返し測定処理を実行する。
【0064】
ステップS110では、制御部11は、測定装置10の測定処理を終了させる終了信号を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したと判定すると、第1周期T1に基づく測定処理を停止する。
【0065】
図3のフローチャートに示す処理に限定されず、制御部11は、ステップS109の処理を省略して、ステップS108の処理の後に、続けてステップS110の処理を実行してもよい。すなわち、制御部11は、第2周期T2に基づく測定処理を停止すると共に、第1周期T1に基づく測定処理を停止してもよい。
【0066】
図4は、図1の測定システム1によって実行される測定処理の第2例を示す模式図である。図4図2に対応し、図4における各軸が示す内容は、図2における各軸が示す内容と同一である。図4を参照しながら、測定システム1によって実行される測定処理の第2例について主に説明する。
【0067】
制御部11は、測定処理を実行させる、開始トリガ信号S1によって示される第2トリガ信号S12を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得すると、測定部12により測定処理を1回だけ実行する。より具体的には、制御部11は、第2トリガ信号S12を取得したタイミングに続くタイミングで測定部12により測定処理を1回だけ実行する。制御部11は、第2トリガ信号S12の取得に連動して、測定部12により測定処理を1回だけ実行する。このとき、制御部11は、第1周期T1に基づく測定処理も測定部12により継続して実行してもよい。ここで、第2トリガ信号S12は、第1情報処理装置20が受け付けたユーザ入力に基づく、測定装置10に測定処理を即時実行させるための要求信号を含んでもよい。これに限定されず、第2トリガ信号S12は、第1情報処理装置20を測定装置10に接近させたときに行われる近距離無線通信に基づく任意の信号を含んでもよい。
【0068】
制御部11は、測定部12による測定が終了し測定値が算出されると、その測定データDを第2情報処理装置30に通信部13を介して送信する。第2情報処理装置30の制御部31は、測定データDを取得して測定結果を表示部33に表示することで、測定値の状況をユーザに対してリアルタイムに示す。
【0069】
図5は、図4に示す測定処理の第2例に係る測定装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0070】
ステップS201では、制御部11は、第1情報処理装置20によって設定された、測定処理を測定装置10が繰り返し実行する第1周期T1に関する情報を含む設定信号を第1情報処理装置20から通信部13を介して取得する。
【0071】
ステップS202では、制御部11は、通信部13によって取得された設定信号に基づいて、測定部12により第1周期T1で測定処理を実行する。
【0072】
ステップS203では、制御部11は、測定部12による測定が終了し測定値が算出されると、その測定データDを例えば第2情報処理装置30に通信部13を介して送信する。
【0073】
ステップS204では、制御部11は、測定処理を実行させる第2トリガ信号S12を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したか否かを判定する。制御部11は、第1情報処理装置20から第2トリガ信号S12を取得したと判定すると、ステップS205の処理を実行する。制御部11は、第1情報処理装置20から第2トリガ信号S12を取得していないと判定すると、ステップS202の処理を再度実行する。すなわち、制御部11は、測定部12により第1周期T1で繰り返し測定処理を実行する。
【0074】
ステップS205では、制御部11は、測定処理を実行させる第2トリガ信号S12を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したと判定すると、測定部12により測定処理を1回だけ実行する。
【0075】
ステップS206では、制御部11は、測定部12による測定が終了し測定値が算出されると、その測定データDを例えば第2情報処理装置30に通信部13を介して送信する。
【0076】
ステップS207では、制御部11は、例えば、測定装置10の測定処理を終了させる終了信号を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したか否かを判定する。制御部11は、第1情報処理装置20から終了信号を取得したと判定すると、ステップS208の処理を実行する。制御部11は、第1情報処理装置20から終了信号を取得していないと判定すると、ステップS202の処理を再度実行する。すなわち、制御部11は、測定部12により第1周期T1で繰り返し測定処理を実行する。
【0077】
ステップS208では、制御部11は、測定装置10の測定処理を終了させる終了信号を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したと判定すると、第1周期T1に基づく測定処理を停止する。
【0078】
図5のフローチャートに示す処理に限定されず、制御部11は、ステップS207の処理を省略して、ステップS206の処理の後に、続けてステップS208の処理を実行してもよい。すなわち、制御部11は、測定部12により測定処理を1回だけ実行してその測定データDを第2情報処理装置30に通信部13を介して送信すると共に、第1周期T1に基づく測定処理を停止してもよい。
【0079】
上記第2例では、制御部11は、測定部12により第1周期T1で測定処理を実行している間に、第1情報処理装置20から通信部13を介して第2トリガ信号S12を取得すると、測定部12により測定処理を1回だけ実行するとして説明した。これに限定されず、制御部11は、図2の第1トリガ信号S11に基づいて第2周期T2で測定処理を実行している間であっても、第1情報処理装置20から通信部13を介して第2トリガ信号S12を取得すると、測定部12により測定処理を1回だけ実行してもよい。
【0080】
図6は、図1の測定システム1によって実行される測定処理の第3例を示す模式図である。図6図2に対応し、図6における各軸が示す内容は、図2における各軸が示す内容と同一である。図6を参照しながら、測定システム1によって実行される測定処理の第3例について主に説明する。
【0081】
制御部11は、例えば第1周期T1に基づく測定処理の実行によって取得した測定値が所定の範囲を超えると、第1周期T1よりも短い第3周期T3で測定部12により測定処理を繰り返し実行する。制御部11は、測定値が所定の範囲を超えると測定状態が異常であると判定してもよい。このとき、制御部11は、第1周期T1に基づく測定処理も測定部12により継続して実行してもよい。ここで、所定の範囲は、例えば被測定対象の測定において通常の測定状態で得られるべき測定値の上限値及び下限値の少なくとも一方によって定められる範囲を含む。測定状態が異常であるとは、例えば、測定部12におけるセンサ121の断線、並びにセンサ121のその他の故障及び測定部12に含まれるADC等の回路の故障等が発生していることを意味する。第3周期T3の値は、測定装置10の記憶部14に固定値として予め記憶されている。これに限定されず、第3周期T3の値は、第1周期T1と同様に第1情報処理装置20を用いてユーザにより設定されてもよい。
【0082】
制御部11は、測定部12による測定が終了し測定値が算出されると、その測定データDを例えば第2情報処理装置30に通信部13を介して送信する。第2情報処理装置30の制御部31は、測定データDを取得して測定結果を表示部33に表示することで、測定値の状況をユーザに対してリアルタイムに示す。
【0083】
制御部11は、第3周期T3に基づく測定処理の実行によって取得した測定値が所定の範囲以内に戻ると、第3周期T3に基づく測定処理を停止する。このとき、制御部11は、第1周期T1に基づく測定処理を測定部12により継続して実行してもよい。制御部11は、測定値が所定の範囲以内に戻ると測定状態が正常復帰したと判定してもよい。なお、制御部11は、測定値が所定回数連続して所定の範囲以内に戻った場合に、測定状態が正常復帰したと判定してもよい。
【0084】
制御部11は、測定部12による測定が終了し測定値が算出されると、その測定データDを例えば第2情報処理装置30に通信部13を介して送信する。第2情報処理装置30の制御部31は、測定データDを取得して測定結果を表示部33に表示することで、測定値の状況をユーザに対して示す。これにより、ユーザは、測定状態が異常から正常復帰したことを迅速に把握することができる。
【0085】
図7は、図6に示す測定処理の第3例に係る測定装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0086】
ステップS301では、制御部11は、第1情報処理装置20によって設定された、測定処理を測定装置10が繰り返し実行する第1周期T1に関する情報を含む設定信号を第1情報処理装置20から通信部13を介して取得する。
【0087】
ステップS302では、制御部11は、通信部13によって取得された設定信号に基づいて、測定部12により第1周期T1で測定処理を実行する。
【0088】
ステップS303では、制御部11は、測定部12による測定が終了し測定値が算出されると、その測定データDを例えば第2情報処理装置30に通信部13を介して送信する。
【0089】
ステップS304では、制御部11は、例えば第1周期T1に基づく測定処理の実行によって取得した測定値が所定の範囲を超えたか否かを判定する。制御部11は、測定値が所定の範囲を超えたと判定すると、ステップS305の処理を実行する。制御部11は、測定値が所定の範囲を超えていないと判定すると、ステップS302の処理を再度実行する。すなわち、制御部11は、測定部12により第1周期T1で繰り返し測定処理を実行する。
【0090】
ステップS305では、制御部11は、例えば第1周期T1に基づく測定処理の実行によって取得した測定値が所定の範囲を超えたと判定すると、第1周期T1よりも短い第3周期T3で測定部12により測定処理を実行する。
【0091】
ステップS306では、制御部11は、測定部12による測定が終了し測定値が算出されると、その測定データDを例えば第2情報処理装置30に通信部13を介して送信する。
【0092】
ステップS307では、制御部11は、第3周期T3に基づく測定処理の実行によって取得した測定値が所定の範囲以内に戻ったか否かを判定する。制御部11は、測定値が所定の範囲以内に戻ったと判定すると、ステップS308の処理を実行する。制御部11は、測定値が所定の範囲以内に戻っていないと判定すると、ステップS305の処理を再度実行する。すなわち、制御部11は、測定部12により第3周期T3で繰り返し測定処理を実行する。
【0093】
ステップS308では、制御部11は、第3周期T3に基づく測定処理の実行によって取得した測定値が所定の範囲以内に戻ったと判定すると、第3周期T3に基づく測定処理を停止する。
【0094】
ステップS309では、制御部11は、例えば、測定装置10の測定処理を終了させる終了信号を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したか否かを判定する。制御部11は、第1情報処理装置20から終了信号を取得したと判定すると、ステップS310の処理を実行する。制御部11は、第1情報処理装置20から終了信号を取得していないと判定すると、ステップS302の処理を再度実行する。すなわち、制御部11は、測定部12により第1周期T1で繰り返し測定処理を実行する。
【0095】
ステップS310では、制御部11は、測定装置10の測定処理を終了させる終了信号を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したと判定すると、第1周期T1に基づく測定処理を停止する。
【0096】
図7のフローチャートに示す処理に限定されず、制御部11は、ステップS309の処理を省略して、ステップS308の処理の後に、続けてステップS310の処理を実行してもよい。すなわち、制御部11は、第3周期T3に基づく測定処理を停止すると共に、第1周期T1に基づく測定処理を停止してもよい。
【0097】
例えば、制御部11は、上記のステップS305において第3周期T3で測定部12により繰り返し測定処理を実行している最中に、図2の第1トリガ信号S11を第1情報処理装置20から通信部13を介して取得した場合、図2を用いて説明した処理と同様に第2周期T2で測定部12により繰り返し測定処理を実行してもよい。そして、制御部11は、図2の停止トリガ信号S2を第1情報処理装置20から通信部13を介して取得した場合、第2周期T2に基づく測定処理を停止する。このとき、制御部11は、第2周期T2に基づく測定処理の実行によって取得していた測定値が所定の範囲以内に依然として戻っていないと判定すると、ステップS305の処理を再度実行する。すなわち、制御部11は、測定部12により第3周期T3で繰り返し測定処理を実行する。このように、制御部11は、第2周期T2に基づく測定処理を停止した後、ステップS307以降の処理を継続して実行してもよい。
【0098】
例えば、制御部11は、上記のステップS305において第3周期T3で測定部12により繰り返し測定処理を実行している最中に、図4の第2トリガ信号S12を第1情報処理装置20から通信部13を介して取得した場合、図4を用いて説明した処理と同様に測定部12により測定処理を1回だけ実行してもよい。このとき、制御部11は、当該測定処理の実行によって取得した測定値が所定の範囲以内に依然として戻っていないと判定すると、ステップS305の処理を再度実行する。すなわち、制御部11は、測定部12により第3周期T3で繰り返し測定処理を実行する。このように、制御部11は、測定処理を1回だけ実行した後、ステップS307以降の処理を継続して実行してもよい。
【0099】
なお、図6において、制御部11は、測定状態が正常復帰したと判定し、第1周期T1に基づく測定処理に復帰したら、その後の状況に応じて、図2図4、及び図6等に示された処理を実行してもよい。
【0100】
図8は、図1の測定システム1によって実行される測定処理の第4例を示す模式図である。図8図2に対応し、図8における各軸が示す内容は、図2における各軸が示す内容と同一である。図8を参照しながら、測定システム1によって実行される測定処理の第4例について主に説明する。
【0101】
測定装置10の記憶部14は、例えば上記の第1例乃至第3例において説明した測定処理によって取得された測定値を含む測定データDを記憶してもよい。測定装置10の制御部11は、測定データDを、測定処理を実行するごとに記憶部14に格納してもよい。例えば、制御部11は、第1周期T1に基づく測定処理によって測定値が取得されるごとに、記憶部14に測定データDを蓄積してもよい。これに限定されず、例えば、制御部11は、第2周期T2又は第3周期T3に基づく測定処理によって測定値が取得されるごとに、記憶部14に測定データDを蓄積してもよい。
【0102】
制御部11は、測定部12による測定が終了し測定値が算出されると、その測定データDを例えば第2情報処理装置30に通信部13を介して送信する。第2情報処理装置30の制御部31は、測定データDを取得して測定結果を表示部33に表示することで、測定値の状況をユーザに対して示す。
【0103】
制御部11は、記憶部14に蓄積された測定データDを所定のタイミングで第1情報処理装置20に通信部13を介して送信してもよい。所定のタイミングは、測定装置10の記憶部14に送信タイミングに関する情報として予め記憶されていてもよいし、第1情報処理装置20から送信される要求信号に基づいて決定されてもよい。第1情報処理装置20の制御部21は、蓄積された測定データDを取得して測定結果の履歴を表示部23に表示することで、測定値の履歴をユーザに対して示す。
【0104】
図9は、図8に示す測定処理の第4例に係る測定装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0105】
ステップS401では、制御部11は、第1情報処理装置20によって設定された、測定処理を測定装置10が繰り返し実行する第1周期T1に関する情報を含む設定信号を第1情報処理装置20から通信部13を介して取得する。
【0106】
ステップS402では、制御部11は、通信部13によって取得された設定信号に基づいて、測定部12により第1周期T1で測定処理を実行する。
【0107】
ステップS403では、制御部11は、測定部12による測定が終了し測定値が算出されると、その測定データDを記憶部14に格納する。
【0108】
ステップS404では、制御部11は、その測定データDを例えば第2情報処理装置30に通信部13を介して送信する。
【0109】
ステップS405では、制御部11は、所定のタイミングになったか否かを判定する。制御部11は、所定のタイミングになったと判定すると、ステップS406の処理を実行する。制御部11は、所定のタイミングになっていないと判定すると、ステップS402の処理を再度実行する。すなわち、制御部11は、測定部12により第1周期T1で繰り返し測定処理を実行する。
【0110】
ステップS406では、制御部11は、所定のタイミングになったと判定すると、記憶部14に蓄積された測定データDを第1情報処理装置20に通信部13を介して送信する。
【0111】
ステップS407では、制御部11は、例えば、測定装置10の測定処理を終了させる終了信号を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したか否かを判定する。制御部11は、第1情報処理装置20から終了信号を取得したと判定すると、ステップS408の処理を実行する。制御部11は、第1情報処理装置20から終了信号を取得していないと判定すると、ステップS402の処理を再度実行する。すなわち、制御部11は、測定部12により第1周期T1で繰り返し測定処理を実行する。
【0112】
ステップS408では、制御部11は、測定装置10の測定処理を終了させる終了信号を、第1情報処理装置20から通信部13を介して取得したと判定すると、第1周期T1に基づく測定処理を停止する。
【0113】
図9のフローチャートに示す処理に限定されず、制御部11は、ステップS407の処理を省略して、ステップS406の処理の後に、続けてステップS408の処理を実行してもよい。すなわち、制御部11は、測定データDを第1情報処理装置20に通信部13を介して送信すると共に、第1周期T1に基づく測定処理を停止してもよい。
【0114】
以上のような一実施形態に係る測定装置10によれば、測定処理に関するユーザの利便性が向上する。例えば、測定装置10において、取得された開始トリガ信号S1に基づいて第1周期T1の経過前に制御部11が測定処理を実行することで、外部装置により一度設定された測定周期、すなわち第1周期T1が経過する前であってもユーザは測定装置10を用いて容易に測定を行うことができる。
【0115】
例えば、制御部11が、第1周期T1よりも短い第2周期T2で測定処理を繰り返し実行することで、ユーザは、設定されている測定周期ではなく一時的に短い周期で測定処理を行いたい場合であっても、測定周期を再設定することなく、短い周期で容易に測定を行うことができる。例えば、ユーザは、第1情報処理装置20の表示部23に表示された、第2周期T2に基づく短周期の測定処理に関する項目を選択するだけで、測定装置10の記憶部14に固定値として予め記憶された第2周期T2の値に基づいて、測定装置10の測定周期を第2周期T2へと自動的に短くすることができる。例えば、ユーザは、第1情報処理装置20の通信部24を測定装置10の通信部13に近づけるだけで、測定装置10の記憶部14に固定値として予め記憶された第2周期T2の値に基づいて、測定装置10の測定周期を第2周期T2へと自動的に短くすることができる。加えて、ユーザは、第2情報処理装置30を用いて測定値の状況をリアルタイムにモニタリングすることができる。
【0116】
制御部11が、取得された停止トリガ信号S2に基づいて、第2周期T2に基づく測定処理を停止することで、ユーザは、第2周期T2に基づく測定処理を停止させて、第1周期T1に基づく測定処理へと容易に復帰させることができる。例えば、ユーザは、第1情報処理装置20の表示部23に表示された、第2周期T2に基づく短周期の測定処理の停止に関する項目を選択するだけで、第2周期T2に基づく測定処理を容易に停止させることができる。例えば、ユーザは、第1情報処理装置20の通信部24を測定装置10の通信部13に近づける又は測定装置10の通信部13から離すだけで、第2周期T2に基づく測定処理を容易に停止させることができる。以上により、測定処理に関するユーザの操作が簡略化され、ユーザの利便性が向上する。
【0117】
制御部11が、第2トリガ信号S12を取得すると測定処理を1回だけ実行することで、ユーザは、例えば第2情報処理装置30の表示部33を用いて、現時点でのリアルタイムな測定値を確認することができる。したがって、例えば測定装置10の保守時における調整精度が向上し、ユーザの利便性が向上する。
【0118】
測定値が所定の範囲を超えたと判定し、第1周期T1よりも短い第3周期T3で測定処理を制御部11が繰り返し実行することで、測定装置10は、例えば、測定状態の異常を検知した場合に自動的に測定周期を第3周期T3へと短くする。これにより、測定装置10は、測定状態の変化を検知する間隔を短くすることができる。
【0119】
測定状態が正常復帰したと判定し、第3周期T3に基づく測定処理を制御部11が停止することで、測定装置10は、第3周期T3に基づく測定処理を停止する。そして、例えば、第3周期T3に基づく測定処理を停止させた後に、第1周期T1に基づく測定処理へと容易に復帰することができる。これにより、測定処理に関するユーザの操作が簡略化され、ユーザの利便性が向上する。測定装置10は、例えば測定状態が正常復帰したことを迅速に判定することができる。測定装置10は、正常復帰及び追加の異常等を速やかに検知することができ、常に最新のアラーム診断情報を検知することができる。測定装置10は、測定状態が正常復帰したとき、即座にアラームを解除することができる。
【0120】
制御部11が、測定データDを、測定処理を実行するごとに記憶部14に格納することで、仮に測定システム1が第2情報処理装置30を有さないような場合であっても、測定装置10単独で測定データDの履歴が取得可能である。すなわち、従来と異なり、制御部11による測定処理の終了後に、随時、測定データDを第2情報処理装置30に送信する必要はない。測定装置10は、それ自身で過去の測定値の推移に関する情報を取得することができる。したがって、測定装置10が、記憶部14に格納されている測定データDを第1情報処理装置20に送信することも可能になり、ユーザは、第2情報処理装置30側だけでなく第1情報処理装置20側でも測定値の推移を確認することができる。
【0121】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
【0122】
例えば、上述した各構成部の配置及び個数等は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の配置及び個数等は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0123】
例えば、上述した測定システム1の動作における各ステップ及び各ステップに含まれる機能等は、論理的に矛盾しないように再配置可能であり、ステップの順序を変更したり、複数のステップを1つに組み合わせたり、又は分割したりすることが可能である。
【0124】
例えば、本開示は、上述した測定システム1の各機能を実現する処理内容を記述したプログラム又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得る。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
【0125】
上記の第1例から第4例では、測定装置10は、通信部13によって第1情報処理装置20から取得された設定信号に基づいて第1周期T1を設定するとして説明したが、これに限定されない。測定装置10は、通信部13によって第1情報処理装置20以外の任意の外部装置から設定信号を取得して第1周期T1を設定してもよいし、通信部13を介さずに、任意の取得方法によって直接的に設定信号を取得して第1周期T1を設定してもよい。
【0126】
上記の第1例から第4例では、制御部11は、測定処理によって取得された測定値を含む測定データDを、通信部13を介して第2情報処理装置30に送信すると主に説明したが、これに限定されない。制御部11は、測定データDを、通信部13を介して第1情報処理装置20に送信してもよいし、第1情報処理装置20及び第2情報処理装置30の両方に通信部13を介して送信してもよい。また、制御部11は、測定データDに代えて、測定処理によって取得された測定値のみを、第1情報処理装置20及び第2情報処理装置30の少なくとも一方に、通信部13を介して送信してもよい。
【0127】
例えば、図2において、制御部11が、測定データDを第1情報処理装置20に送信することで、ユーザは、第1情報処理装置20を用いて、測定装置10の測定処理に係るパラメータを設定しながら測定値の状況をリアルタイムにモニタリングすることができる。
【0128】
例えば、図4において、制御部11が、測定データDを第1情報処理装置20に送信することで、ユーザは、第1情報処理装置20を用いて、測定装置10の測定処理に係るパラメータを設定しながら現時点でのリアルタイムな測定値を確認することができる。
【0129】
例えば、図6において、制御部11が、測定データDを第1情報処理装置20に送信することで、ユーザは、第1情報処理装置20を用いて、測定装置10の測定処理に係るパラメータを設定しながら測定状態の変化を確認することができる。
【0130】
例えば、図8において、制御部11が、測定データDを第1情報処理装置20に定期的に又は所定のタイミングごとに送信することで、ユーザは、測定システム1に第2情報処理装置30が含まれないような環境においても測定装置10を使用可能である。例えば、ユーザは、測定装置10及び第1情報処理装置20を測定現場に設置する環境において、測定装置10により一定期間測定データDを取得した後、測定装置10を第2情報処理装置30が設置された環境に持ち帰って、第2情報処理装置30に測定データDを解析させることも可能である。
【0131】
第1情報処理装置20と測定装置10との間で近距離無線通信が行われる場合であって、測定データDのデータサイズが大きいとき、制御部11は、近距離無線通信用の通信フレームを分割して測定データDを第1情報処理装置20に送信してもよい。
【0132】
上記の第1例から第4例では、測定システム1は、第1情報処理装置20と、第1情報処理装置20とは異なる第2情報処理装置30と、を有すると説明したが、これに限定されない。測定システム1は、第1情報処理装置20及び第2情報処理装置30に代えて、上述した第1情報処理装置20及び第2情報処理装置30の両方の機能を有する単一の情報処理装置を有してもよい。
【符号の説明】
【0133】
1 測定システム
10 測定装置
11 制御部
12 測定部
121 センサ
13 通信部
14 記憶部
20 第1情報処理装置
21 制御部
22 入力部
23 表示部
24 通信部
25 記憶部
30 第2情報処理装置
31 制御部
32 入力部
33 表示部
34 通信部
35 記憶部
D 測定データ
S1 開始トリガ信号
S11 第1トリガ信号
S12 第2トリガ信号
S2 停止トリガ信号
T1 第1周期
T2 第2周期
T3 第3周期
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9