(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
G03G15/00 303
(21)【出願番号】P 2019153162
(22)【出願日】2019-08-23
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼津 宏明
(72)【発明者】
【氏名】辻本 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】玉田 武司
(72)【発明者】
【氏名】林 明洋
(72)【発明者】
【氏名】生田 克行
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-151595(JP,A)
【文献】特開2005-084435(JP,A)
【文献】特開2000-347538(JP,A)
【文献】特開2010-217742(JP,A)
【文献】特開2019-128262(JP,A)
【文献】特開2017-102046(JP,A)
【文献】特開平11-275304(JP,A)
【文献】特開平10-083106(JP,A)
【文献】特開2009-208952(JP,A)
【文献】特開平07-234610(JP,A)
【文献】特開2017-097182(JP,A)
【文献】特開2017-211634(JP,A)
【文献】特開2016-194651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブ実行中に収容部から給紙されたシートの紙種を検知する検知部と、
前記検知部による紙種の検知の有効無効を切り替える切替部と、
前記収容部から給紙されたシートに画像を形成する画像形成部と、
前記切替部において前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズ以外であるときには、前記ジョブ実行中において検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズであるときには、前記ジョブ実行中における紙種の検知結果に関わらず前記所定のサイズに基づく画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させるサイズ優先制御を行う制御部と、を備
え、
前記検知部は、
シートに向けて出射された光のうち、当該シートで反射した光の反射光量と、当該シートを透過した光の透過光量とをそれぞれ検出する光学系のセンサーと、
異なるシートの紙種ごとに透過光量の大きさが対応付けされた第1テーブルと、
前記異なるシートの紙種ごとに、各紙種に対応付けられた透過光量の大きさが前記第1テーブルの前記透過光量の大きさとは異ならせてある第2テーブルと、
反射光量の大きさに応じて、前記第1テーブルと前記第2テーブルのいずれを紙種検出に用いるのかを示す第3テーブルと、を含み、
前記第3テーブルを参照して、前記第1テーブルと前記第2テーブルのうち、前記センサーで検出された反射光量の大きさに対応するテーブルを決定し、
決定したテーブルを参照して、前記センサーで検出された透過光量の大きさに対応付けられているシートの紙種を、前記給紙されたシートの紙種と判定する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記所定のサイズは、はがきサイズである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
はがきに適した画像形成条件を記憶する画像形成条件記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記サイズ優先制御において、前記紙種の検知が有効で前記収容部から給紙されたシートのサイズがはがきサイズである場合、前記画像形成条件記憶部に記憶された前記はがきに適した画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させる
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
ユーザーからの操作を受け付けるパネルを更に備え、
前記はがきサイズに適した画像形成条件は、前記パネルを介して、ユーザーから指定される
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
ユーザーからの操作を受け付けるパネルを更に備え、
前記切替部は、前記パネルを介して入力されるユーザーの操作に応じて、前記紙種の検知の有効無効を切り替える
ことを特徴とする請求項1-3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記収容部に収容されたシートのサイズを検知するシートサイズ検知部を更に備える
ことを特徴とする請求項1-5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
ジョブ実行中に収容部から給紙されたシートの紙種を検知する検知部と、
前記検知部による紙種の検知の有効無効を切り替える切替部と、
前記収容部から給紙されたシートに画像を形成する画像形成部と、
前記切替部において前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズ以外であるときには、前記ジョブ実行中において検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズであるときには、前記ジョブ実行中における紙種の検知結果に関わらず前記所定のサイズに基づく画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させるサイズ優先制御を行う制御部と、
前記収容部に収容されたシートのサイズを検知するシートサイズ検知部と、備え、
前記制御部は、前記収容部に収容されているシートのサイズが前記シートサイズ検知部の検出可能サイズよりも小さいことを検知した場合、前記収容部に収容されているシートのサイズがあらかじめ定められた特定のシートサイズであると判断する
ことを特徴とす
る画像形成装置。
【請求項8】
ジョブ実行中に収容部から給紙されたシートの紙種を検知する検知部と、
前記検知部による紙種の検知の有効無効を切り替える切替部と、
前記収容部から給紙されたシートに画像を形成する画像形成部と、
前記切替部において前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズ以外であるときには、前記ジョブ実行中において検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズであるときには、前記ジョブ実行中における紙種の検知結果に関わらず前記所定のサイズに基づく画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させるサイズ優先制御を行う制御部と、を備え、
前記収容部を第1の収容部とし、
前記第1の収容部とは異なる第2の収容部を更に備え、
前記制御部は、シートの給紙元が前記第1の収容部の場合に前記サイズ優先制御を行い、シートの給紙元が前記第2の収容部の場合に検知結果優先制御を行い、
前記検知結果優先制御は、前記切替部が前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、シートのサイズに関わらず、検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させる
ことを特徴とす
る画像形成装置。
【請求項9】
搬送中のシートに対して画像が形成される面を第1面、前記第1面の裏面を第2面としたとき、
前記第1の収容部に収容されているシートの画像形成に至る位置までの間、前記シートを、前記第1面が内側、前記第2面が外側になるように湾曲した姿勢で搬送するガイド部材をさらに備え、
前記検知部は、前記第1面に光を照射する光源を含む
ことを特徴とする請求項
8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
搬送中のシートに対して画像が形成される面を第1面、前記第1面の裏面を第2面としたとき、
前記第2の収容部に収容されているシートの画像形成に至る位置までの間、前記シートを、前記第1面が外側、前記第2面が内側になるように湾曲した姿勢で搬送するガイド部材をさらに備え、
前記検知部は、前記第1面に光を照射する光源を含
む
ことを特徴とする請求項
8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記検知部は、光学系のセンサーを含む
ことを特徴とする請求項
7-10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記光学系のセンサーは、搬送中のシートに光源から光を照射し、透過した光を受光部で検出する
ことを特徴とする請求項
1-6、11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記光源は、青又は赤色に発光するLEDである
ことを特徴とする請求項
12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記光学系のセンサーの前記受光部は、搬送中のシートに前記光源とは異なる別光源から光を照射し、その反射光の受光に共用されている
ことを特徴とする請求項
13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記別光源からの光は、搬送中のシートにおける画像が形成される面に照射される
ことを特徴とする請求項
14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記別光源は、緑色に発光するLEDである
ことを特徴とする請求項
14又は
15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
収容部から給紙されたシートの紙種を検知する検知部と、
前記検知部による紙種の検知の有効無効を切り替える切替部と、
前記収容部から給紙されたシートに画像を形成する画像形成部と、
前記切替部において前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズ以外であるときには検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズであるときには紙種の検知結果に関わらず前記所定のサイズに基づく画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させるサイズ優先制御を行う制御部と、
前記収容部に収容されたシートのサイズを検知するシートサイズ検知部と、を備え、
前記制御部は、前記収容部に収容されているシートのサイズが前記シートサイズ検知部の検出可能サイズよりも小さいことを検知した場合、前記収容部に収容されているシートのサイズがあらかじめ定められた特定のシートサイズであると判断する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
収容部から給紙されたシートの紙種を検知する検知部と、
前記検知部による紙種の検知の有効無効を切り替える切替部と、
前記収容部から給紙されたシートに画像を形成する画像形成部と、
前記切替部において前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズ以外であるときには検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズであるときには紙種の検知結果に関わらず前記所定のサイズに基づく画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させるサイズ優先制御を行う制御部と、を備え、
前記収容部を第1の収容部とし、
前記第1の収容部とは異なる第2の収容部を更に備え、
前記制御部は、シートの給紙元が前記第1の収容部の場合に前記サイズ優先制御を行い、シートの給紙元が前記第2の収容部の場合に検知結果優先制御を行い、
前記検知結果優先制御は、前記切替部が前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、シートのサイズに関わらず、検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、記録シートの用紙種類の誤検知による画像品位の低下を防止することが可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式の画像形成装置は、用紙の搬送速度やトナー画像の定着温度などの画像形成条件を切り替えることによって、多種多様な用紙に高品位な画像を形成することができるようになっている。このため、例えば、ユーザーに用紙の種類を選択させて、選択された用紙種類に応じて、用紙の搬送速度やトナー画像の定着温度を変更等のように画像形成条件を設定する方法がある。
【0003】
しかしながら、ユーザーは給紙トレイにセットされている用紙の種類を正確に把握しているとは限らないため、用紙の種類を常に適切に選択するのは必ずしも容易ではない。
【0004】
そこで、特許文献1には、用紙に光を照射し、その透過光量に基づいて用紙種類を検出して画像形成条件を設定する画像形成装置が提案されている。このようにすれば、ユーザーによる誤設定を回避することができるので、高品位な画像形成を達成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の透過光量を用いる方法に代えて、用紙からの反射光量に基づいて用紙種類を検出する構成や、検出精度のさらなる向上のため、透過光量及び反射光量の両方に基づいて用紙種類を検出する構成をとることもできる。
【0007】
しかし、透過光量や反射光量は、用紙種類によってだけでなく、用紙の色味によっても変化し易い。その結果、用紙種類が同じであっても、用紙に色味が付いている場合とそうでない場合とで異なる検出結果になる可能性がある。例えば、用紙に色味が付いている場合(白色度が低い場合)はコート紙や再生紙として検出され、用紙に色味がついていない場合(白色度が高い場合)は普通紙として検出されてしまう可能性がある。
【0008】
また、用紙がはがきの場合、特に官製はがきには古紙が配合されているため色味があるが、流通しているはがきにおける古紙配合率が一定ではないため、はがきの色味も一定ではない。このように色味が一定ではない用紙には、はがき以外の種類、例えば、名刺サイズの用紙なども含まれ得る。
【0009】
上記のように、用紙の色味によって透過光量及び反射光量が変化すること、並びに、流通しているはがきなどの用紙の色味が一定ではないことに起因して、用紙種類の検出がうまくできないことがある。その結果、用紙に適した画像形成条件を設定できずに、高品位な画像を形成することができないことがあるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、用紙種類の検出がうまくできない用紙に対し、高品位な画像形成を達成することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本開示の一形態に係る画像形成装置は、ジョブ実行中に収容部から給紙されたシートの紙種を検知する検知部と、前記検知部による紙種の検知の有効無効を切り替える切替部と、前記収容部から給紙されたシートに画像を形成する画像形成部と、前記切替部において前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズ以外であるときには、前記ジョブ実行中において検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズであるときには、前記ジョブ実行中における紙種の検知結果に関わらず前記所定のサイズに基づく画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させるサイズ優先制御を行う制御部と、を備え、前記検知部は、シートに向けて出射された光のうち、当該シートで反射した光の反射光量と、当該シートを透過した光の透過光量とをそれぞれ検出する光学系のセンサーと、異なるシートの紙種ごとに透過光量の大きさが対応付けされた第1テーブルと、前記異なるシートの紙種ごとに、各紙種に対応付けられた透過光量の大きさが前記第1テーブルの前記透過光量の大きさとは異ならせてある第2テーブルと、反射光量の大きさに応じて、前記第1テーブルと前記第2テーブルのいずれを紙種検出に用いるのかを示す第3テーブルと、を含み、前記第3テーブルを参照して、前記第1テーブルと前記第2テーブルのうち、前記センサーで検出された反射光量の大きさに対応するテーブルを決定し、決定したテーブルを参照して、前記センサーで検出された透過光量の大きさに対応付けられているシートの紙種を、前記給紙されたシートの紙種と判定することを特徴とする画像形成装置。
【0012】
また、前記所定のサイズは、はがきサイズであってもよい。
【0013】
また、はがきに適した画像形成条件を記憶する画像形成条件記憶部を更に備え、前記制御部は、前記サイズ優先制御において、前記紙種の検知が有効で前記収容部から給紙されたシートのサイズがはがきサイズである場合、前記画像形成条件記憶部に記憶された前記はがきに適した画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させてもよい。
【0014】
また、ユーザーからの操作を受け付けるパネルを更に備え、前記はがきサイズに適した画像形成条件は、前記パネルを介して、ユーザーから指定されてもよい。
【0015】
また、ユーザーからの操作を受け付けるパネルを更に備え、前記切替部は、前記パネルを介して入力されるユーザーの操作に応じて、前記紙種の検知の有効無効を切り替えてもよい。
【0016】
また、前記収容部に収容されたシートのサイズを検知するシートサイズ検知部を更に備えてもよい。
【0017】
また、本開示の別の形態に係る画像形成装置は、ジョブ実行中に収容部から給紙されたシートの紙種を検知する検知部と、前記検知部による紙種の検知の有効無効を切り替える切替部と、前記収容部から給紙されたシートに画像を形成する画像形成部と、前記切替部において前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズ以外であるときには、前記ジョブ実行中において検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズであるときには、前記ジョブ実行中における紙種の検知結果に関わらず前記所定のサイズに基づく画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させるサイズ優先制御を行う制御部と、前記収容部に収容されたシートのサイズを検知するシートサイズ検知部と、備え、前記制御部は、前記収容部に収容されているシートのサイズが前記シートサイズ検知部の検出可能サイズよりも小さいことを検知した場合、前記収容部に収容されているシートのサイズがあらかじめ定められた特定のシートサイズであると判断することを特徴とする。
【0018】
また、前記検知部は、光学系のセンサーを含むとしてもよい。
【0019】
また、前記光学系のセンサーは、搬送中のシートに光源から光を照射し、透過した光を受光部で検出してもよい。
【0020】
また、前記光源は、青又は赤色に発光するLEDであってもよい。
【0021】
また、前記光学系のセンサーの前記受光部は、搬送中のシートに前記光源とは異なる別光源から光を照射し、その反射光の受光に共用されていてもよい。
【0022】
また、前記別光源からの光は、搬送中のシートにおける画像が形成される面に照射されるとしてもよい。
【0023】
また、前記別光源は、緑色に発光するLEDであってもよい。
【0024】
また、本開示のさらに別の形態に係る画像形成装置は、ジョブ実行中に収容部から給紙されたシートの紙種を検知する検知部と、前記検知部による紙種の検知の有効無効を切り替える切替部と、前記収容部から給紙されたシートに画像を形成する画像形成部と、前記切替部において前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズ以外であるときには、前記ジョブ実行中において検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズであるときには、前記ジョブ実行中における紙種の検知結果に関わらず前記所定のサイズに基づく画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させるサイズ優先制御を行う制御部と、を備え、前記収容部を第1の収容部とし、前記第1の収容部とは異なる第2の収容部を更に備え、前記制御部は、シートの給紙元が前記第1の収容部の場合に前記サイズ優先制御を行い、シートの給紙元が前記第2の収容部の場合に検知結果優先制御を行い、前記検知結果優先制御は、前記切替部が前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、シートのサイズに関わらず、検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させることを特徴とする。
【0025】
また、搬送中のシートに対して画像が形成される面を第1面、前記第1面の裏面を第2面としたとき、前記第1の収容部に収容されているシートの画像形成に至る位置までの間、前記シートを、前記第1面が内側、前記第2面が外側になるように湾曲した姿勢で搬送するガイド部材をさらに備え、前記検知部は、前記第1面に光を照射する光源を含んでもよい。
【0026】
また、搬送中のシートに対して画像が形成される面を第1面、前記第1面の裏面を第2面としたとき、前記第2の収容部に収容されているシートの画像形成に至る位置までの間、前記シートを、前記第1面が外側、前記第2面が内側になるように湾曲した姿勢で搬送するガイド部材をさらに備え、前記検知部は、前記第1面に光を照射する光源を含んでもよい。
本開示の別の一形態に係る画像形成装置は、収容部から給紙されたシートの紙種を検知する検知部と、前記検知部による紙種の検知の有効無効を切り替える切替部と、前記収容部から給紙されたシートに画像を形成する画像形成部と、前記切替部において前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズ以外であるときには検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズであるときには紙種の検知結果に関わらず前記所定のサイズに基づく画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させるサイズ優先制御を行う制御部と、前記収容部に収容されたシートのサイズを検知するシートサイズ検知部と、を備え、前記制御部は、前記収容部に収容されているシートのサイズが前記シートサイズ検知部の検出可能サイズよりも小さいことを検知した場合、前記収容部に収容されているシートのサイズがあらかじめ定められた特定のシートサイズであると判断することを特徴とする。
本開示のさらに別の一形態に係る画像形成装置は、収容部から給紙されたシートの紙種を検知する検知部と、前記検知部による紙種の検知の有効無効を切り替える切替部と、前記収容部から給紙されたシートに画像を形成する画像形成部と、前記切替部において前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズ以外であるときには検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記収容部から給紙されたシートのサイズが所定のサイズであるときには紙種の検知結果に関わらず前記所定のサイズに基づく画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させるサイズ優先制御を行う制御部と、を備え、前記収容部を第1の収容部とし、前記第1の収容部とは異なる第2の収容部を更に備え、前記制御部は、シートの給紙元が前記第1の収容部の場合に前記サイズ優先制御を行い、シートの給紙元が前記第2の収容部の場合に検知結果優先制御を行い、前記検知結果優先制御は、前記切替部が前記紙種の検知を有効とするよう切り替わっている場合、シートのサイズに関わらず、検知した紙種に応じた画像形成条件で、前記画像形成部に画像を形成させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
このようにすれば、はがきのように用紙サイズから用紙種類を特定できる用紙に対して、用紙に適した画像形成条件を設定でき、高品位な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】画像形成装置100の主要な構成を示す図である。
【
図2】制御部110の主要な構成を示すブロック図である。
【
図3】メディアセンサー160の主要な構成を示す図である。
【
図4】用紙サイズセンサー170の主要な構成を示す図である。
【
図5】操作パネル150に表示されるトレイ1の用紙設定画面の一例を示す図である。
【
図6】操作パネル150に表示されるトレイ1の最小用紙サイズ設定画面の一例を示す図である。
【
図7】HDD204に記憶される用紙種類を判定するための判定テーブルの一例を示す図である。
【
図8】HDD204に記憶される用紙種類に応じた画像形成条件を示す情報の一例を示す図である。
【
図9】HDD204に記憶されるトレイ毎の用紙設定情報の一例を示す図である。
【
図10】画像形成装置100の動作を説明するフローチャートである。
【
図11】画像形成装置100の動作を説明するフローチャートである。
【
図12】画像形成装置100における記録シートの搬送経路を説明する図である。
【
図13】反射光量と反射光用光源と搬送中の記録シートS間の距離との関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1]第1の実施の形態
第1の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。
(1-1)画像形成装置の構成
次に、画像形成装置100の構成について説明する。
【0030】
図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置1は、いわゆるタンデム方式のカラープリンターであり、給紙部120、画像形成部130、操作パネル150、及び制御部110を備えている。
(1-1-1)給紙部120
給紙部120には、記録シートSを収容する給紙トレイ121a、121bが設置されている。給紙ローラー122a、122bはそれぞれ給紙トレイ121a、121bから記録シートSを繰り出す。このシート繰り出しの際に、捌きローラー123a、123bは記録シートSの重送を防止する。給紙トレイ121a、121bから繰り出された記録シートSは、それぞれシート搬送経路124a、124bを経由してシート搬送経路125へ搬送される。手差しトレイ126から供給された記録シートSは、手差しローラー127によってシート搬送経路128からシート搬送経路125へ搬送される。
【0031】
シート搬送経路124a、124b及び127の合流点よりも下流側であって、かつシート搬送経路125におけるレジストローラー対(タイミングローラー対とも呼ばれることがある。)129よりも上流側に、メディアセンサー160が配設されている。メディアセンサー160は、シート搬送経路125を通過する記録シートSの特性を光学的に検知する。
【0032】
記録シートSは、レジストローラー対129に達すると、停止中のレジストローラー対129に突き当たりループを形成することによって、スキュー補正される。
【0033】
その後、画像形成部130の中間転写ベルト131の回転走行によってカラートナー像が二次転写ニップ136まで搬送されるのにタイミングを合わせて、レジストローラー対129が回転を開始し、記録シートSが二次転写ニップ136へ搬送される。
(1-1-2)画像形成部130
画像形成部130は、作像部140Y、140M、140C及び140Kを用いて、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(ブラック)の各色のトナー像を形成する。
【0034】
中間転写ベルト131は、無端状のベルトであって、駆動ローラー132及び従動ローラー133に張架されている。中間転写ベルト131は、モーター134が駆動ローラー132を回転駆動することによって矢印A方向に回転走行する。中間転写ベルト131の回転走行中に、作像部140Y、140M、140C、140Kで形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト131上に重ね合わされるようにして転写される(一次転写)。これにより、中間転写ベルト131上にカラートナー像が形成される。
【0035】
駆動ローラー132には中間転写ベルト131を挟んで二次転写ローラー135が圧接しており、これによって二次転写ニップ136が形成される。
【0036】
二次転写ニップ136に搬送された記録シートSは、二次転写ローラー135により、中間転写ベルト131から記録シートSへカラートナー像を静電転写される(二次転写)。
【0037】
二次転写後、清掃装置145は、中間転写ベルト131上に残留するトナーを掻き取り、廃棄する。記録シートSは、二次転写後、定着装置137へ搬送される。定着装置137は、加熱ローラー146、定着ベルト147、定着ローラー148及び加圧ローラー149を備えている。加熱ローラー146は不図示のヒーターによって昇温し、定着ベルト147を定着温度まで加熱する。
【0038】
定着ベルト147は、無端状のベルトであり、定着ローラー148に従動して回転走行する。定着ローラー148は、不図示のモーターによって回転駆動される。加圧ローラー149は、定着ベルト147を挟んで定着ローラー148に圧接することによって、定着ニップを形成する。記録シートSは、定着ニップを通過する際に、カラートナー像を熱定着される。
【0039】
定着後、記録シートSは、排出ローラー138によって画像形成装置1上方の排紙トレイ139上に排出される。
(1-1-3)操作パネル150
操作パネル150は、液晶表示板などで構成される表示部が設けられ、各種表示画面を表示する。例えば、操作パネル150の表示部は、トレイごとの用紙種類や用紙サイズの自動検出を有効にするか否かの設定を行うための設定画面等を表示する。また、操作パネル150は、各種ジョブを開始するためのスタートボタンや表示部の表面に設けられたタッチセンサーなどからなる入力部が設けられ、利用者からの、印刷ジョブなどの指示や設定の入力を受け付ける。
(1-1-4)制御部110
制御部110は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)201とRAM202とROM203とHDD204を備え、給紙部120と画像形成部130と操作パネル150とメディアセンサー160と用紙サイズ検出センサーと接続されている。
【0040】
制御部110は、操作パネル150を介してユーザーから印刷ジョブを受け付けて、受け付けた印刷ジョブに従って給紙部120と画像形成部130とを制御して画像形成処理を行う。このとき、メディアセンサー160及び用紙サイズセンサー170の検知結果に基づいてシート搬送速度や定着温度などの画像形成条件を決定し、当該画像形成条件で画像形成部130に画像形成処理を実行させる。
【0041】
CPU201は、フェッチ部、解読部、実行部、レジスタファイル、命令カウンタなどから構成されている。フェッチ部は、ROM203に記憶されている制御プログラムから、制御プログラムに含まれる各命令コードを1個ずつ読み出す。解読部は、読み出した命令コードを解読する。実行部は、解読結果に従って動作する。このように、CPU201は、ROM203に記憶されている制御プログラムに従って動作する。
【0042】
RAM202は、半導体メモリから構成され、各種の制御変数などを一時記憶すると共に、CPU201によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
【0043】
ROM203は、半導体メモリから構成され、予め、印刷ジョブ等を実行させるための制御プログラムなどを記憶している。
【0044】
例えば、制御部110は、制御プログラムに従って動作することにより、操作パネル150を介して利用者から印刷ジョブを受け付け、その印刷ジョブに基づき、画像形成部130に、画像形成処理を実行させる。
【0045】
HDD204は、メディアセンサー160の検知結果に基づいて記録シートSの用紙種類を判定するための判定テーブル、用紙種類に応じた画像形成条件、トレイ毎の用紙設定情報等を記憶するハードディスクドライブである。
(1-2)メディアセンサー
次に、メディアセンサー160について説明する。
【0046】
図3(a)(b)に示すように、メディアセンサー160は、透過光用光源601、光量検出センサー302、及び反射光用光源303を備えている。
【0047】
透過光用光源301、及び反射光用光源303は、所謂発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode)であって、記録シートSにビーム光を出射する。本実施の形態において、透過光用光源301からは赤色と青色のビーム光が、反射光用光源303からは、緑色のビーム光が出射される。
【0048】
光量検出センサー302は、所謂フォトダイオードであって、透過光用光源301から出射され記録シートSを透過したビーム光の光量(透過光量)及び反射光用光源303から出射され記録シートSで反射されたビーム光の光量(反射光量)を検出する。
【0049】
なお、記録シートSは、搬送ガイド304、305に沿って搬送される。搬送ガイド304、305には、透過光用光源301、及び反射光用光源303のビーム光の照射範囲に貫通孔304a、305aが設けられており、透過光用光源301、及び反射光用光源303のビーム光、透過光、反射光は、搬送ガイド304、305に遮られることなく光量検出センサー302に入射する。
(1-3)用紙サイズセンサー
用紙サイズセンサー170について説明する。
【0050】
図4は、給紙トレイ121aの上面図である。給紙トレイ121aには、記録シートSの搬送方向(図のB方向)に対して直交する記録シートSの幅方向の両端部の位置を規制する2つの規制ガイド401A、401Bが設けられている。規制ガイド401A、401Bは、記録シートSの幅方向に延びるスライド溝402に沿って、互いに連動してスライド移動可能に構成されている。記録シートSを給紙トレイ121aに載せた後、2つの規制ガイド401A、401Bを記録シートSの幅方向両端に接触するように移動させることで、記録シートSの幅方向の位置決めを行うことができる。
【0051】
給紙トレイ121aには、用紙サイズセンサー170の一部として複数の静電容量型近接センサー403が設けられており、規制ガイド401Aの内部に設けられた検出体404と近接することにより生じる静電容量の変化を検出する。検出可能な用紙サイズに対応して設けられている複数の静電容量型近接センサー403のうちいずれのセンサーと近接しているかを検出することで、セットされている用紙の幅方向の長さを検出可能である。
【0052】
給紙トレイ121aには、記録シートSの搬送方向の位置を規制する規制ガイド405が設けられている。規制ガイド405は、記録シートSの搬送方向に延びるスライド溝406に沿ってスライド移動可能に構成されている。記録シートSの搬送方向下流端部を給紙トレイ121aの搬送方向下流端部と一致させるように載せた後、規制ガイド405を記録シートSの搬送方向上流端部に接触するように移動させることで、記録シートSの搬送方向の位置決めを行うことができる。
【0053】
また、給紙トレイ121aには、用紙サイズセンサー170の一部として複数の静電容量型近接センサー407が設けられており、規制ガイド405の内部に設けられた検出体408と近接することにより生じる静電容量の変化を検出する。検出可能な用紙サイズに対応して設けられている静電容量型近接センサー407のうちいずれのセンサーと近接しているかを検出することで、セットされている用紙の搬送方向の長さを検出可能である。
【0054】
検出された用紙の幅方向の長さと搬送方向の長さとから給紙トレイ121aにセットされている用紙のサイズ(例えば、A3、B4、A4、はがき等)を検出することができる。
【0055】
なお、ガイド401A、405の移動により検出体404(408)が最も小さいサイズを検出するための静電容量型近接センサー403(407)よりも内側に位置した場合には、複数の静電容量型近接センサー403(407)の出力値から、検出可能なサイズよりも小さい用紙がセットされたことを知ることができる。
(1-4)トレイ用紙設定・最小用紙サイズ設定
本実施の形態の画像形成装置100は、トレイ毎に、用紙種類の自動検出及び用紙サイズの自動検出の有効と無効のユーザーによる設定が可能である。また、本実施の形態の画像形成装置100は、用紙種類の自動検出が有効であっても、用紙サイズが「はがき」として設定された場合、メディアセンサー160による検出結果に関わらず用紙種類が「厚紙3」として設定される。これにより、古紙配合率が一定ではなく、色味が異なるために用紙検出で誤検出が発生しやすいはがきに対し、適切な画像形成条件で画像形成を行うことが可能である。
【0056】
図5は、操作パネル150の表示部に表示されるトレイ1の用紙設定画面501の一例である。ここでトレイ1とは、上段の給紙トレイ(
図1における給紙トレイ121a)を示す。
図5に示すように、用紙種類の自動検出のチェック欄502にチェックが入っており、用紙種類の自動検出が有効になっていることを示している。同様に用紙サイズの自動検出のチェック欄503にチェックが入っており、用紙サイズの自動検出が有効になっていることを示している。ユーザーは、操作パネル150の操作により、用紙種類の自動検出の有効無効及び用紙サイズの自動検出の有効無効を切り替え可能である。
【0057】
用紙サイズのはがきボタン504がハイライト表示されており、用紙サイズの自動検出が有効の場合は用紙サイズの自動検出によって用紙サイズとして「はがき」が設定されたことを示している。なお、用紙サイズの自動検出が無効の場合はユーザーの操作により、用紙サイズとして「はがき」が設定されたことを示す。
【0058】
用紙種類の厚紙3ボタン505がハイライト表示されており、用紙種類の自動検出が有効の場合は用紙サイズが「はがき」として設定されたことにより、用紙種類として「厚紙3」が設定されたことを示している。なお、用紙種類の自動検出が有効で用紙サイズとして「はがき」以外が設定された場合は、メディアセンサー160の検出結果により用紙種類として「厚紙3」が設定されたことを示す。また、用紙種類の自動検出が無効の場合は、ユーザーの操作により、用紙種類として「厚紙3」が設定されたことを示す。
【0059】
図6は、操作パネル150の表示部に表示されるトレイ1の最小用紙サイズの設定画面601の例である。図の例では、はがきボタン602がハイライト表示されており、トレイ1の最小用紙サイズとして、はがきサイズが設定されていることを示している。これは、トレイ1に用紙サイズセンサー170の検出可能な最小サイズよりも小さい用紙がセットされたと検出した場合は、ここで設定されたサイズの用紙がセットされたと見なすことを示している。
(1-5)データ
HDD204に記憶されるデータについて説明する。
【0060】
記録シートSの用紙種類を判定するための判定テーブルについて説明する。本実施の形態では、メディアセンサー160の出力値である反射光量と透過光量とに基づいて、反射光量による1段階目の判定と透過光量による2段階目の判定の2段階の判定により記録シートSの用紙種類を判定する。これは、用紙の色味などによって、同じ種類の用紙でも、反射光量や透過光量が異なるので、まず、反射光量の大小で用紙にどの程度の色味があるのかを知り、その色味がある前提で、次に、透過光量で用紙種類を判別するのに適したテーブルを選択するものである。これにより、用紙種類の検出の精度を向上させることが可能である。
【0061】
まず、メディアセンサー160から通知された記録シートSの反射光量を用いて、
図7(a)に示す判定テーブル701を参照し、2段階目の判定に用いる判定テーブルを決定する。
図7(a)は、反射光量がR
0以上R
1未満であれば2段階目の判定で判定テーブルAを用い、反射光量がR
1以上R
2未満であれば2段階目の判定で判定テーブルBを用い、……、反射光量がR
n-1以上R
n未満であれば2段階目の判定で判定テーブルNを用いることを示している。
【0062】
次に、メディアセンサー160から通知された記録シートSの透過光量を用いて、
図3(b)に示す判定テーブルA-Nのうち、1段階目の判定で決定された判定テーブルを参照し、記録シートSの用紙種類を判定する。例えば、1段階目の判定で判定テーブルAを用いると決定された場合、判定テーブル702Aを参照し、透過光量がTA
0以上TA
1未満であれば薄紙と判定し、透過光量がTA
1以上TA
2未満であれば普通紙と判定し、透過光量がTA
2以上TA
3未満であれば厚紙1と判定し、透過光量がTA
3以上TA
4未満であれば厚紙2と判定し、透過光量がTA
4以上TA
5未満であれば厚紙3と判定する。なお、1段階目の判定で判定テーブルB、……、判定テーブルNを用いると決定された場合は、2段階目の判定で判定テーブル702B、……、702Nを参照し、用紙種類の判定を行う。
【0063】
図8(a)は、HDD204に記憶される用紙種類ごとの画像形成条件を示す画像形成条件テーブル801である。記録シートSが薄紙と判定されたとき、制御部110は、定着温度をX1、シート搬送速度をY1と設定して、画像形成部130に画像形成処理を実行させる。同様に、制御部110は、記録シートSが普通紙と判定されたときは定着温度をX2、シート搬送速度をY2と設定し、記録シートSが厚紙1と判定されたときは定着温度をX3、シート搬送速度をY3と設定し、記録シートSが厚紙2と判定されたときは定着温度をX4、シート搬送速度をY4と設定し、記録シートSが厚紙3と判定されたときは定着温度をX5、シート搬送速度をY5と設定し、画像形成部130に画像形成処理を実行させる。
【0064】
図8(b)は、記録シートSの用紙サイズがはがきサイズであると判定されたときにおける設定される画像形成条件を示すはがき用画像形成条件情報802の一例である。図は、記録シートSの用紙サイズがはがきサイズであると判定されたとき、用紙種類が厚紙3と判定されたときと同じ画像形成条件で画像形成処理を実行させることを示している。この設定は、出荷時にあらかじめHDD204に記憶されていてもよく、ユーザーが操作パネル150を操作によりHDD204に記憶されてもよい。
【0065】
図9は、HDD204に記憶されているトレイ毎の用紙設定情報901の一例であり、「トレイ1」(
図1における給紙トレイ121a)の設定情報を示している。
【0066】
図の例では、用紙種類自動検出及び用紙サイズ自動検出が「ON」であり、メディアセンサー160を用いた用紙種類の自動検出及び用紙サイズセンサー170を用いた用紙サイズの自動検出が有効であることを示している。そして、用紙種類及び用紙サイズが「厚紙3」及び「はがき」であり、「トレイ1」に積載している記録シートSの用紙種類が「厚紙3」、用紙サイズが「はがき」として設定されていることを示している。また、最小用紙サイズが「はがき」であり、トレイ1に検出可能な最小サイズよりも小さいサイズの用紙がセットされていることを検出した場合、「はがき」がセットされていると見なすことを示している。
【0067】
なお、用紙種類の自動検出が無効である場合、用紙種類の欄には、ユーザーが操作パネル150を介して設定した用紙種類が記憶される。同様に、用紙サイズの自動検出が無効である場合、用紙サイズの欄には、ユーザーが操作パネル150を介して設定した用紙サイズが記憶される。
【0068】
HDD204には、他のトレイ(トレイ2(
図1におけるトレイ121b)、手差しトレイ(
図1における手差しトレイ125))についても同様の設定情報が記憶されている。
(1-5)動作
本実施の形態の画像形成装置100の動作について説明する。
【0069】
図10は、画像形成装置100の受け付けた印刷ジョブを実行するフローチャートである。
【0070】
制御部110は、受け付けた印刷ジョブに基づき、印刷ジョブで指定されたトレイ(ここではトレイ1が指定されていたものとする。)にセットされた記録シートSの搬送を開始する(ステップS1)。
【0071】
その後、HDD204に記憶されたトレイ1の用紙設定情報を参照して、メディア検知すなわち用紙種類の自動検出が有効になっているか否かを判定する(ステップS2)。
【0072】
用紙種類の自動検出が有効になっている場合(ステップS2:Yes)、さらに、HDD204に記憶されたトレイ1の用紙設定情報を参照して、搬送中の記録シートSの用紙サイズが「はがき」サイズであるか否かを判定する(ステップS3)。
【0073】
ステップS3において、記録シートSの用紙サイズが「はがき」サイズであった場合(ステップS3:Yes)、HDD204の「はがき」サイズの用紙に対する画像形成条件の設定情報に従って、メディアセンサー160の検出結果に関わらずHDD204のトレイ1の用紙設定情報における用紙種類を「厚紙3」に設定する。さらに、HDD204の用紙種類毎の画像形成条件を参照して、「厚紙3」に適した画像形成条件を読み出し、搬送中の記録シートSに画像形成を行う際の画像形成条件として、読みだした画像形成条件を設定する(ステップS4)。
【0074】
ステップS3において、記録シートSの用紙サイズが「はがき」サイズでなかった場合(ステップS3:No)、メディアセンサー160の検出結果に基づいて搬送中の記録シートSの用紙種類を判定し、HDD204のトレイ1の用紙設定情報における用紙種類を判定結果のものに設定する。ここでは、例えば「普通紙」と判定されたとすると、HDD204の用紙種類毎の画像形成条件を参照して、「普通紙」に適した画像形成条件を読み出し、搬送中の記録シートSに画像形成を行う際の画像形成条件として、読みだした画像形成条件を設定する(ステップS5)。
【0075】
ステップS2において、用紙種類の自動検出が無効になっている場合(ステップS2:No)、HDD204のトレイ1の用紙設定情報における用紙種類を読み出す。なお、用紙種類の自動検出が無効になっている場合、HDD204のトレイ1の用紙設定情報における用紙種類には、予めユーザーが操作パネル150を介して設定した用紙種類が記憶されている。ここで、例えば「薄紙」と読みだされたとすると、HDD204の用紙種類毎の画像形成条件を参照して、「薄紙」に適した画像形成条件を読み出し、搬送中の記録シートSに画像形成を行う際の画像形成条件として、読みだした画像形成条件を設定する(ステップS6)。
【0076】
そして、画像形成部130に、ステップS4、S5、又はS6で設定された画像形成条件での画像形成を行わせる(ステップS7)。
【0077】
画像形成後、印刷ジョブが終了したか否かを判断し、終了していなければステップS2に戻り、終了していれば、本ルーチンを終了する(ステップS8)。
【0078】
このように処理を実行することで、用紙種類の誤検出が多い「はがき」に対して、適切な画像形成条件での画像形成処理を行うことが可能である。
[2]第2の実施の形態
第2の実施の形態に係る画像形成装置100は、上記第1の実施の形態に係る画像形成装置100と概ね共通の構成を備える一方、実行する印刷ジョブで使用する給紙トレイに応じて制御方法を変える点において相違している。以下、相違点に着目して説明する。
【0079】
図11は、第2の実施の形態の画像形成装置100の動作のフローチャートである。第1の実施の形態の画像形成装置100の動作との相違点は、ステップS2とステップS3との間に、記録シートSの給紙元が手差しトレイであるか否かの判定(ステップS11)が含まれることである。記録シートSの給紙元が手差しトレイである場合、ステップS5に進み、記録シートSの給紙元がトレイ1やトレイ2である場合、ステップS3に進む。その後は、第1の実施の形態の処理と同様である。
【0080】
第1の実施の形態で説明したように、トレイ1(
図1における給紙トレイ121a)から給紙された記録シートSと手差しトレイ(
図1における手差しトレイ126)から給紙された記録シートSは、レジストローラー対129に搬送される。この間の搬送経路125にメディアセンサー160が配置され、搬送中の記録シートSの透過光量および反射光量を検出している。
【0081】
図12(a)(b)に示すように、メディアセンサー160において、透過光用光源301は、搬送中の記録シートSにおける画像形成において画像が形成される面(第1面)とは反対側の面(第2面)に対向する位置に配置されている。反射光用光源303は、第1面に対向する配置されている。記録シートSがはがきの場合、厚さ(坪量)が大きく、かつ、搬送方向の長さが短いため、用紙の腰が強いという特徴がある。そして、
図12(a)のように、給紙トレイ121aから給紙されたシートをガイドする搬送ガイド304、305、1201は、搬送中の用紙を幅方向から見たとき、シートの第1面が内側、第2面が外側に湾曲した姿勢で搬送されるように、ガイド面が湾曲している。また、
図12(b)のように、手差しトレイから給紙されたシートをガイドする搬送ガイド304、305、1202は、シートの第1面が外側、第2面が内側に湾曲して搬送されるように、ガイド面が湾曲している。そのため、記録シートSがトレイ1から給紙されると、
図12(a)に示すように、搬送ガイド304、305の隙間内で反射光用光源303から遠のく側に、記録シートSの搬送経路1203が偏る。一方、記録シートSが手差しトレイから給紙されると、
図12(b)に示すように、搬送ガイド304、305の隙間内で反射光用光源603から近づく側に、記録シートSの搬送経路1204が偏る。
【0082】
図13は、反射光量と、反射光用光源303と搬送中の記録シートS間の距離Dとの関係の一例を示す。図に示すように、距離Dが近いほど反射光量が大きくなるが、距離Dが遠いほど反射光量が小さくなるという関係を有する。シートの色味は、反射光がシートの表面でどれだけ減衰したかで判定しており、反射光を大きくとれる方が検出精度を向上できる。上記関係により、手差しトレイから給紙した場合は、反射光量が大きくなり、メディアセンサー160の検出精度が高いが、トレイ1から同じ種類の用紙を給紙した場合は、反射光量が小さくなり、メディアセンサー160の検出精度が低下してしまう。検出精度の高い手差しトレイからの給紙であれば、はがきのようにさまざまな色味が存在する記録シートSであっても、精度よく用紙種類を判定することが可能である。以上に基づき、第2の実施の形態では、手差しトレイから給紙する場合は、第1の実施の形態とは異なり、はがきサイズに対してもメディアセンサー160の検出結果を利用して画像形成条件を設定している。
[3]変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(3-1)上述の実施の形態において、透過光用光源301からは赤色と青色のビーム光が、反射光用光源303からは、緑色のビーム光が出射されるとしたが、透過光用光源301から緑色のビーム光を出射してもよいし、反射光用光源303から赤色や青色のビーム光を出射してもよい。
【0083】
また、実施の形態では、反射型センサーと透過型センサーの組み合わせにより用紙種類の検出の精度を向上させていたが、一定以上の用紙種類の検出の精度を確保できるのであれば、反射型センサーと透過型センサーの一方のみの光学センサーを用いるとしてもよい。
(3-2)上述の実施の形態において、搬送中の記録シートSの用紙サイズが「はがき」サイズであると検出したときに、はがき、特に官製はがきの印刷に適した画像形成条件を設定するものとしているがこの限りではない。
【0084】
例えば、名刺や写真用紙などはがきと同様に用紙サイズが小さく、厚さ(坪量)が大きいので、写真印刷用の画像形成条件及び名刺印刷用の画像形成条件をHDD204に記憶し、搬送中の記録シートSの用紙サイズが「L版」サイズ(89×127[ミリ])や「名刺」サイズ(91×55[ミリ])であると検出したときは、記憶した画像形成条件を設定するものであってもよい。
(3-3)上述の実施の形態では、用紙種類として、「薄紙」、「普通紙」、「厚紙1」、「厚紙2」、「厚紙3」、用紙サイズとして、「A3」-「A6」、「B4」-「B6」、「はがき」が設定可能であるとしたが、他の用紙種類や他の用紙サイズが設定可能であってもよい。
(3-4)上記実施の形態においては、画像形成装置がタンデム方式のカラープリンターである場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えてタンデム型以外のカラープリンターやモノクロプリンターであってもよい。
【0085】
また、スキャナーを備えた複写装置やファクシミリ通信機能を備えたファクシミリ装置といった単機能機、或いはこれらの機能を兼ね備えた複合機(MFP: Multi-Function Peripheral)に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明に係る画像形成装置は、メディアセンサーを搭載した画像形成装置として有用である。
【符号の説明】
【0087】
100……画像形成装置
110……制御部
120……給紙部
130……画像形成部
150……操作パネル
160……メディアセンサー
170……用紙サイズセンサー