(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】現像剤回収装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/10 20060101AFI20240214BHJP
G03G 15/095 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
G03G21/10
G03G15/095
(21)【出願番号】P 2019174949
(22)【出願日】2019-09-26
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 巧
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-218288(JP,A)
【文献】特開2001-109343(JP,A)
【文献】特開2002-132109(JP,A)
【文献】特開2011-191374(JP,A)
【文献】特開2016-206436(JP,A)
【文献】特開2012-042810(JP,A)
【文献】特開2012-053316(JP,A)
【文献】特開2018-124400(JP,A)
【文献】特開2020-071405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/10
G03G 15/095
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体から現像剤を回収する現像剤回収装置であって、
前記現像剤を搬送するための搬送路を形成するとともに、前記搬送路の終端側に現像剤排出口を有する搬送容器と、
前記搬送容器の前記搬送路内に配置されるとともに、スクリュー軸と該スクリュー軸から径方向の外側に突出するスクリュー羽根とを有し、前記像担持体から除去されて前記搬送容器に収容される現像剤を前記現像剤排出口へと搬送する搬送スクリューと、
を備え、
前記搬送容器は、前記現像剤排出口よりも現像剤搬送方向の下流側に外れた位置で、前記搬送スクリューを支持するスクリュー支持部を有し、
前記搬送スクリューは、前記スクリュー軸から径方向の外側に突出して前記搬送スクリューの一端部に形成された係合部を有し、
前記係合部と前記スクリュー支持部は、前記係合部の外周面と前記スクリュー支持部の内周面とが摺動するように前記径方向で係合し、この状態で前記係合部が前記スクリュー支持部に回転自在に支持され
ることにより、前記スクリュー羽根の最外周部と前記搬送容器の底面との間に隙間を形成した状態で前記搬送スクリューの共振を抑制する
現像剤回収装置。
【請求項2】
前記係合部は円盤状に形成されている
請求項1に記載の現像剤回収装置。
【請求項3】
前記係合部の外径は、前記スクリュー羽根の外径と同一である
請求項2に記載の現像剤回収装置。
【請求項4】
前記スクリュー支持部は円筒状に形成されている
請求項1~3のいずれか一項に記載の現像剤回収装置。
【請求項5】
前記スクリュー支持部は、前記係合部を囲むように同一円周上に配置された複数の回転案内部によって構成されている
請求項2に記載の現像剤回収装置。
【請求項6】
前記搬送路の終端部において、前記係合部とこれに対向する前記搬送容器の終端面との間に隙間が形成されている
請求項1~5のいずれか一項に記載の現像剤回収装置。
【請求項7】
前記係合部は、前記スクリュー羽根の一部で構成されており、
前記現像剤搬送方向において、前記スクリュー支持部の支持幅は、前記スクリュー羽根の1ピッチ分の長さ以上に設定されている
請求項1に記載の現像剤回収装置。
【請求項8】
前記現像剤排出口よりも前記現像剤搬送方向の上流側においては、前記スクリュー羽根の最外周部と前記搬送路の底面との間に一様な隙間が形成されている
請求項1~7のいずれか一項に記載の現像剤回収装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の現像剤回収装置を備える
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を回収する現像剤回収装置とこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置の中には、現像剤として用いられるトナーや磁性キャリア(以下、単に「キャリア」という。)を回収する現像剤回収装置を備えたものがある。従来の画像形成装置において、キャリア回収装置によって回収されるキャリアは、トナー像を転写した後に像担持体に残留するトナーと同様に、最終的に廃棄される現像剤となる。このため、キャリア回収装置には、現像装置に要求されるような高精度な搬送能力が要求されない。
【0003】
したがって、キャリア回収装置においては、搬送スクリューを回転自在に支持する構造として、片持ち式の支持構造が採用されている。片持ち式の支持構造は、搬送スクリューの一端部を軸受によって回転自在に支持し、その反対側となる搬送スクリューの他端側はスクリューの自重によって搬送路の底面でスクリューの外形部分を受けて支持する構造である。このような片持ち式の支持構造を採用した場合は、搬送スクリューの両端部をそれぞれ軸受によって支持する、いわゆる両持ち式の支持構造に比べて、キャリア回収装置の低コスト化を図ることができる。
【0004】
一方、トナー回収装置においても、搬送スクリューを軸受によって支持するとコストアップにつながるという理由から、たとえば特許文献1には、スクリュー軸とスクリュー羽根とを有する搬送スクリューの構成として、廃トナーの搬送路上において、スクリュー羽根の外径を部分的に大きくすることにより、搬送スクリューの軸ぶれを抑制する技術が記載されている。また、特許文献1には、廃トナーの搬送路上において、ケーシングの内径を部分的に小さくすることにより、搬送スクリューの軸ぶれを抑制する技術も記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、キャリアやトナーの搬送に用いられる搬送スクリューはモータを駆動源として回転駆動されるが、この駆動中に何らかの外乱、たとえば、画像形成装置の各部の動作によって振動や衝撃などが加わると、その影響で搬送スクリューが共振することがある。
【0007】
特許文献1に記載された技術では、搬送路の途中に、スクリュー羽根とケーシングとの隙間が極端に狭い部分(以下、「狭小部」という。)が存在するため、搬送スクリューの回転によってトナーを搬送する場合に、搬送途中のトナーが狭小部に詰まりやすくなって搬送性能が低下してしまう。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、回収の対象となる現像剤を搬送する際に、搬送性能を低下させることなく、搬送スクリューの共振を抑制することができる現像剤回収装置および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、像担持体から現像剤を回収する現像剤回収装置であって、現像剤を搬送するための搬送路を形成するとともに、搬送路の終端側に現像剤排出口を有する搬送容器と、搬送容器の搬送路内に配置されるとともに、スクリュー軸と該スクリュー軸から径方向の外側に突出するスクリュー羽根とを有し、像担持体から除去されて搬送容器に収容される現像剤を現像剤排出口へと搬送する搬送スクリューと、を備え、搬送容器は、現像剤排出口よりも現像剤搬送方向の下流側に外れた位置で、搬送スクリューを支持するスクリュー支持部を有し、搬送スクリューは、スクリュー軸から径方向の外側に突出して搬送スクリューの一端部に形成された係合部を有し、係合部とスクリュー支持部は、係合部の外周面とスクリュー支持部の内周面とが摺動するように径方向で係合し、この状態で係合部がスクリュー支持部に回転自在に支持されることにより、スクリュー羽根の最外周部と搬送容器の底面との間に隙間を形成した状態で搬送スクリューの共振を抑制する現像剤回収装置である。また、本発明は、このような現像剤回収装置を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、回収の対象となる現像剤を搬送する際に、搬送性能を低下させることなく、搬送スクリューの共振を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置が備える画像形成ユニットの構成を示す概略図である。
【
図3】
図2に示すキャリア回収装置を拡大した概略図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るキャリア回収装置の構成を示す斜視図である。
【
図5】
図4に示すキャリア回収装置の要部を断面で示した図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るキャリア回収装置の第1変形例を説明する図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るキャリア回収装置の第2変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<画像形成装置の全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真式の画像形成装置であって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー像を重ね合わせてフルカラーの画像を形成可能なタンデム方式のカラー画像形成装置である。
画像形成装置1は、手差しトレイ5と、自動原稿送り装置21と、操作表示部22と、給紙部23と、画像形成部24と、中間転写ベルト25と、二次転写ローラ27と、定着部28と、排紙トレイ29と、を備えている。
【0013】
手差しトレイ5は、画像形成装置本体2の一方の側面部に設けられている。画像形成部24は、画像形成装置本体2内に設けられている。手差しトレイ5は、給紙部23に収納されていない種類の用紙20に画像を形成する場合に、画像形成装置本体2から引き出されて使用される。手差しトレイ5は、水平面に対して上向きに所定の角度で傾斜している。手差しトレイ5には、複数枚の用紙20を積載することが可能である。
【0014】
自動原稿送り装置21は、原稿の読み取りに際して、読み取りの対象となる原稿を自動的に原稿読み取り位置へと送り込むものである。自動原稿送り装置21の下側には、原稿読取部21aが配置されている。原稿読取部21aは、画像形成装置本体2の上面部に配置されたプラテンガラスを含み、このプラテンガラス上に置かれた原稿の画像を光学的に読み取るものである。自動原稿送り装置21によって送り込まれる原稿は、このプラテンガラス上を通過するように搬送される。
【0015】
操作表示部22は、たとえば、画像形成処理などのジョブの開始を指示する操作部としての機能を備えている。操作表示部22は、たとえばタッチパネル式の液晶表示部によって構成されており、ユーザーによる操作の受け付け、および、ユーザーに対する情報の表示が可能となっている。操作表示部22は、操作部と表示部を兼用している。なお、操作部をマウスやタブレット等で構成し、表示部とは別体で操作部を構成することも可能である。
【0016】
給紙部23は、サイズや種類の異なる用紙20を収納可能な複数の用紙収納部23aを備えている。給紙部23では、画像形成装置1からの指示に基づいていずれかの用紙収納部23aが選択されると、選択された用紙収納部23aから用紙20が送り出される。用紙収納部23aからの用紙20の送り出しは、用紙収納部23aに対応して設けられた給紙部(図示せず)の駆動によって行われる。用紙収納部23aから送り出された用紙20は、その後、用紙搬送路10に沿って搬送される。用紙搬送路10には、用紙20を搬送するための複数の搬送ローラが設けられている。
【0017】
画像形成部24は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成するために、4つの画像形成ユニット26Y,26M,26C,26Kを備えている。4つの画像形成ユニット26Y,26M,26C,26Kの各々は、後述する感光体ドラム、帯電器、露光器、現像器などを備えている。画像形成部24は、各々の画像形成ユニット26Y,26M,26C,26Kの動作を制御することにより、Y,M,C,Kの各色のトナー像を形成する。
【0018】
画像形成装置1は、カラー画像を形成する場合に、各々の画像形成ユニット26Y,26M,26C,26Kが有する感光体ドラムの表面を帯電器によって帯電させるとともに、帯電した感光体ドラムの表面を露光器で露光して電荷を消去することにより、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する。さらに、感光体ドラムの表面に現像器によってトナーを供給することにより、静電潜像をトナーの付着により顕像化してトナー像を形成する。次に、各々の画像形成ユニット26Y,26M,26C,26Kが有する感光体ドラムに形成された各色のトナー像を、中間転写ベルト25の表面に順に転写する。このとき、中間転写ベルト25には各色のトナー像が重ねて転写される。この段階の転写は一次転写と呼ばれる。
【0019】
次に、上述のように中間転写ベルト25に転写された4色のトナー像を、二次転写ローラ27によって用紙20に一括転写する。この段階の転写は二次転写と呼ばれる。二次転写に際して、用紙20は、二次転写ローラ27にトナー像が到達するタイミングに合わせて、給紙部23から用紙搬送路10を経て二次転写ローラ27へと送り込まれる。これにより、中間転写ベルト25上の各色のトナー像が用紙20に二次転写される。その結果、用紙20にカラーのトナー像が形成される。その後、用紙20は定着部28へと送られる。
【0020】
定着部28は、中間転写ベルト25によって転写されたカラーのトナー像を用紙20に定着させる。具体的には、定着部28は、二次転写ローラ27を経て搬送されてきた用紙20を加圧および加熱することにより、カラーのトナー像を用紙20に定着させる。定着部28は、定着ローラと加圧ローラとからなる一対のローラを備える。定着ローラにはヒータが内蔵されている。定着ローラと加圧ローラとは互いに圧接した状態に配置され、その圧接部分に定着ニップ部が形成される。この定着ニップ部に対し、用紙20は、トナー像が形成されている紙面が定着ローラに接する向きで定着部28へと送り込まれる。これにより、定着部28を通過する用紙20には、加圧ローラによる加圧力と、定着ローラに内蔵されたヒータによる熱とが加わる。その結果、用紙20上のトナーが加熱されて溶融し、かつ、溶融したトナーが用紙20に圧着される。このような定着処理が行われた用紙20は、排紙トレイ29へと排出される。
【0021】
<画像形成ユニットの構成>
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置が備える画像形成ユニットの構成について
図2を用いて説明する。なお、上述した4つの画像形成ユニット26Y,26M,26C,26Kはそれぞれ同様の構成を有するため、
図2ではトナー像の色を表すY,M,C,Kの添え字を省略し、いずれか一色に対応する画像形成ユニット26の構成を示している。以降の説明では、各々の画像形成ユニット26をトナー像の色で区別する必要がある場合を除き、Y,M,C,Kの添え字を省略する。
【0022】
図2に示すように、画像形成ユニット26は、感光体ドラム31、帯電器33、露光器35、現像器37、キャリア回収装置39およびクリーニング装置41を備えている。感光体ドラム31は、図示しない感光体駆動モータを駆動源としてA方向に回転するものである。感光体ドラム31には、中間転写ベルト25を介して一次転写ローラ45が押圧されている。中間転写ベルト25は、感光体ドラム31の回転方向Aに沿うようにB方向に移動する。一次転写ローラ45は、感光体ドラム31に形成されたトナー像を中間転写ベルト25に転写するものである。一次転写ローラ45は、中間転写ベルト25の移動にしたがって
図2の時計回り方向に回転する。
【0023】
感光体ドラム31の回転方向Aを基準に考えると、帯電器33による帯電位置、露光器35による静電潜像の書き込み位置、現像器37によるトナーの供給位置、キャリア回収装置39によるキャリアの回収位置、一次転写ローラ45によるトナー像の転写位置、およびクリーニング装置41によるトナーのクリーニング位置は、感光体ドラム31の回転方向Aの上流側から下流側へと順に配置されている。
【0024】
帯電器33、露光器35および現像器37の各機能については上述したとおりである。本実施形態において、現像器37は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いるものとする。
【0025】
キャリア回収装置39は、現像剤回収装置の一例として画像形成ユニット26に設けられたものである。キャリア回収装置39は、現像器37から感光体ドラム31へと転移したキャリアを、感光体ドラム31から回収する装置である。キャリア回収装置39は、キャリア回収ローラ51と、キャリア遮蔽部53と、キャリア搬送部55と、を備えている。
【0026】
図3は、
図2に示すキャリア回収装置39を拡大した概略図である。
キャリア回収ローラ51は、感光体ドラム31の表面に付着するキャリアを磁力によって吸引し捕集するものである。キャリア回収ローラ51は、円周方向に複数の磁極が形成されたマグネットローラ57と、このマグネットローラ57の外周面を囲むようにマグネットローラ57と同心円状に配置されたスリーブ59とを有する。
【0027】
マグネットローラ57の磁極は、S極とN極が円周方向に交互に並ぶように配置されると共に、円周方向の一カ所のみ同じ磁極(
図3の例ではN極)が隣り合うように配置されている。マグネットローラ57の円周方向において、異なる磁極が隣り合う部分では、それらの磁極間に磁気吸引力が発生し、同じ磁極が隣り合う部分では、それらの磁極間に磁気反発力が発生する。
【0028】
スリーブ59は、マグネットローラ57が発生する磁力によってキャリアをスリーブ表面に吸引しつつ、スリーブ59自身の回転によってキャリアを円周方向に移送するものである。スリーブ59は、所定の隙間を介して感光体ドラム31と対向する状態で配置されている。キャリア回収ローラ51でキャリアを捕集する場合、スリーブ59はC方向に回転する。
【0029】
キャリア遮蔽部53は、キャリア回収ローラ51によって捕集されたキャリアのうち、一部のキャリアが飛散して感光体ドラム31の再付着しないよう、キャリア回収ローラ51とキャリア搬送部55との間に配置されている。キャリア遮蔽部53は、たとえば、長尺状の遮蔽板によって構成される。
【0030】
キャリア搬送部55は、搬送容器61と、搬送スクリュー63とを備えている。本発明の実施形態に係るキャリア回収装置39は、キャリア搬送部55の構成に特徴がある。キャリア搬送部55の構成については後段で詳しく説明する。
【0031】
上記構成からなるキャリア回収装置39においては、キャリア回収ローラ51を構成するマグネットローラ57およびスリーブ59のうち、マグネットローラ57が固定された状態でスリーブ59が回転する。感光体ドラム31の表面には、スリーブ59を通してマグネットローラ57の磁力が作用し、この磁力に引き寄せられてキャリアが感光体ドラム31の表面からスリーブ59の表面に転移する。
【0032】
スリーブ59に転移したキャリアは、その後、スリーブ59のC方向への回転によって円周方向に移送される。このとき、マグネットローラ57の円周方向において異なる磁極が隣り合う部分では、それらの磁極間に働く磁気吸引力により、キャリアは、スリーブ59の表面に吸着し、スリーブ59の回転にしたがって円周方向に移動する。これに対し、キャリア回収ローラ51の円周方向において同じ磁極が隣り合う部分では、それらの磁極間に働く磁気反発力により、キャリアは、スリーブ59から強制的に分離される。こうして分離されたキャリアは、スリーブ59の回転にともなう遠心力によって飛ばされ、キャリア搬送部55の搬送容器61に収容される。
【0033】
再び
図2に戻って説明すると、クリーニング装置41は、一次転写ローラ45によるトナー像の転写後に感光体ドラム31上に残留するトナーを、感光体ドラム31から除去するものである。クリーニング装置41は、たとえば、ウレタンゴムからなるクリーニングブレードを用いて構成される。クリーニングブレードは、感光体ドラム31の表面に接触するように配置され、感光体ドラム31上に残留するトナーを掻き落とすことによって感光体ドラム31の表面を清浄化する。クリーニング装置41の近傍にはトナー搬送部42が配置されている。トナー搬送部42は、クリーニング装置41によって感光体ドラム31から除去されたトナー(廃トナー)を搬送するものである。
【0034】
図4は、本発明の実施形態に係るキャリア回収装置の構成を示す斜視図である。また、
図5は、
図4に示すキャリア回収装置の要部を断面で示した図であり、
図6は、
図5の一部を拡大した図である。なお、
図5は、
図4に示すキャリア回収装置39をD方向から見た場合のキャリア搬送部55を断面で示している。
【0035】
図4~
図6に示すように、キャリア搬送部55は、キャリア回収ローラ51の近傍に配置されている。キャリア回収ローラ51の中心軸方向(以下、「ローラ中心軸方向」ともいう。)Xは、感光体ドラム31の中心軸方向と平行な方向である。ローラ中心軸方向Xの一方側は手前側F、他方側は奥側Rとなっている。手前側Fとは、
図1に示す画像形成装置1を操作するユーザーの立ち位置に近い側をいう。ローラ中心軸方向Xの手前側Fには第1側板部材65が配置され、奥側Rには第2側板部材67が配置されている。第1側板部材65および第2側板部材67は、キャリア回収ローラ51とキャリア搬送部55とを保持している。これにより、キャリア回収ローラ51とキャリア搬送部55とが所定の位置関係で配置されている。
【0036】
キャリア回収ローラ51の奥側Rの端部には、カップリング部材69が取り付けられている。カップリング部材69は、キャリア回収ローラ51のスリーブ59と一体に回転するように、キャリア回収ローラ51の一端部に連結されている。カップリング部材69は、図示しない回転駆動部の回転駆動力をキャリア回収ローラ51へと伝達することにより、スリーブ59を回転させる。
【0037】
キャリア搬送部55は、上述した搬送容器61と搬送スクリュー63とを備えている。搬送容器61は、キャリアを搬送するための搬送路71を形成するもので、たとえば樹脂によって構成される。搬送スクリュー63は、搬送容器61に収容されるキャリアをキャリア排出口77へと搬送するもので、たとえば金属によって構成される。搬送スクリュー63によるキャリアの搬送方向(以下、「キャリア搬送方向」という。)Eは、ローラ中心軸方向Xに沿って手前側Fから奥側Rへと向かう方向となっている。搬送路71は、ローラ中心軸方向Xに長く延在している。
【0038】
(搬送容器)
搬送容器61は、第1搬送容器73と第2搬送容器75とによって構成されている。第1搬送容器73と第2搬送容器75とは、ローラ中心軸方向Xに直列に配置されると共に、奥側R寄りに設けられた連結部分67aで互いに連結されている。連結部分67aは、上述した第2側板部材67に一体に形成された部分である。
【0039】
第1搬送容器73は、キャリア回収ローラ51と隣り合う位置に搬送路71aを形成している。第1搬送容器73は、ローラ中心軸方向Xにおいてキャリア回収ローラ51と同等の長さを有している。第1搬送容器73が形成する搬送路71aは、キャリア回収ローラ51のスリーブ59から分離して飛んでくるキャリアを受け入れられるよう、上部が開放されている。ローラ中心軸方向Xと直交する方向で搬送路71aを断面した場合の搬送路断面形状は略U字形になっている。
【0040】
第2搬送容器75は、第1搬送容器73よりも奥側Rに配置され、そこで搬送路71bを形成している。第1搬送容器73が形成する搬送路71aと第2搬送容器75が形成する搬送路71bとは、上述した連結部分67aを介して連通している。第2搬送容器75は、ローラ中心軸方向Xにおいて第1搬送容器73よりも短い長さを有している。第2搬送容器75は、円筒状に形成されている。このため、ローラ中心軸方向Xと直交する方向で搬送路71bを断面した場合の搬送路断面形状は円形になっている。また、第1搬送容器73は上部が開放されているが、第2搬送容器75は上部が開放されずに閉じられている。
【0041】
第2搬送容器75には、現像剤排出口としてのキャリア排出口77が設けられている。キャリア排出口77は、キャリア搬送方向Eに沿って搬送路71を搬送されてきたキャリアが自重で落下するように下向きに開口している。キャリア排出口77は、キャリア搬送方向Eにおいて搬送路71の終端側に設けられている。
【0042】
(キャリア排出口の開閉構造)
ここで、キャリア排出口77の開閉構造について説明する。
キャリア排出口77は、キャリア回収装置39を画像形成装置1に取り付けた状態では開口し、キャリア回収装置39を画像形成装置1から取り外した状態では閉じるようになっている。キャリア排出口77を開閉するために、第2搬送容器75の外側には、
図4および
図5に示すように、スライドロック部材91と、バネ部材93とが取り付けられている。
【0043】
スライドロック部材91は、円筒部91aと、フランジ部91bと、爪部91cとを一体に有する。円筒部91aは、第2搬送容器75の外側に嵌合されている。スライドロック部材91は、第2搬送容器75に円筒部91aを嵌合した状態で、ローラ中心軸方向Xにスライド可能に設けられている。
【0044】
バネ部材93は、第2搬送容器75の外側に巻装されている。バネ部材93は、圧縮コイルバネによって構成されている。バネ部材93は、スライドロック部材91を奥側Rに付勢している。爪部91cは、バネ部材93の付勢力によってスライドロック部材91が奥側Rに移動した場合に、第2搬送容器75の段差部75aに引っ掛かる部分となる。
【0045】
ここで、キャリア回収装置39を画像形成装置1に取り付けた状態では、画像形成装置1の本体側に設けられた押圧部材(図示せず)により、スライドロック部材91がバネ部材93の付勢力に抗して手前側Fに押し込まれる。これにより、スライドロック部材91は、
図5に示すように、第2搬送容器75のキャリア排出口77よりも手前側Fに移動する。このため、第2搬送容器75のキャリア排出口77は開口した状態となる。
【0046】
これに対し、キャリア回収装置39を画像形成装置1から取り外した状態では、上述した押圧部材がスライドロック部材91から離れる。そうすると、スライドロック部材91がバネ部材93の付勢力によって奥側Rに押し込まれる。このとき、スライドロック部材91の爪部91cが第2搬送容器75の段差部75aに引っ掛かることで、スライドロック部材91が第2搬送容器75から外れないようになっている。また、スライドロック部材91がバネ部材93の付勢力によって奥側Rに押し込まれると、第2搬送容器75のキャリア排出口77がスライドロック部材91の円筒部91aによって閉じられる。
【0047】
再び第2搬送容器75について説明すると、第2搬送容器75には、スクリュー支持部79が設けられている。スクリュー支持部79は、搬送スクリュー63を回転自在に支持する部分である。スクリュー支持部79は、第2搬送容器75の外形に沿って円筒状に形成されている。スクリュー支持部79は、キャリア排出口77よりもキャリア搬送方向Eの下流側に配置されている。また、第2搬送容器75の肉厚寸法は、スクリュー支持部79とそれ以外の部分で異なっている。具体的には、
図6に示すように、スクリュー支持部79の肉厚寸法t1は、それ以外の部分の肉厚寸法t2よりも大きく設定されている。
【0048】
なお、本実施形態においては、第1搬送容器73と第2搬送容器75とを連結部分67aで連結しているが、これに限らず、第1搬送容器73と第2搬送容器75とを直接、連結してもよい。
【0049】
(搬送スクリュー)
搬送スクリュー63は、搬送容器61の搬送路71内に回転可能に配置されている。搬送スクリュー63は、スクリュー軸81と、スクリュー羽根83とを有している。スクリュー軸81は、たとえば金属製の丸シャフトによって構成されるもので、ローラ中心軸方向Xと平行に配置されている。
図5に示すように、スクリュー軸81の手前側Fの端部81aは部分的に外径が大きく形成され、スクリュー軸81の奥側Rの端部81bも部分的に外径が大きく形成されている。そして、スクリュー軸81の両端部81a,81bの間は、各々の端部81a,81bよりも外径が小さい軸部81cとなっている。
【0050】
スクリュー羽根83は、たとえば金属製の羽根であって、スクリュー軸81から径方向の外側に突出するように螺旋状に形成されている。スクリュー羽根83は、ローラ中心軸方向Xにおいて、スクリュー軸81の手前側Fの端部81aから奥側Rの端部81bにわたって一定のピッチp(
図5参照)で形成されている。
【0051】
スクリュー軸81の手前側Fの端部81aは、軸受85によって回転自在に支持されている。軸受85は、第1側板部材65に形成された凹状の部分に、たとえば軽圧入によって取り付けられている。ローラ中心軸方向Xの手前側Fには、図示しない歯車伝達機構が設けられており、上述したカップリング部材69からキャリア回収ローラ51へ伝達される回転駆動力は、この歯車伝達機構を介してスクリュー軸81に伝達されるようになっている。これにより、キャリア回収ローラ51のスリーブ59とキャリア搬送部55のスクリュー軸81とを、共通の回転駆動部(図示せず)によって回転させることができる。
【0052】
また、搬送スクリュー63の奥側Rの端部には係合部87が形成されている。係合部87は、搬送スクリュー63の最端部に位置している。係合部87は、スクリュー軸81の端部81bから径方向に突出するように円盤状に形成されている。このため、係合部87の外径は、スクリュー軸81の端部81bの外径よりも大きく設定されている。係合部87は、スクリュー軸81の中心軸方向から見て搬送スクリュー63の外形部分を形成している。搬送スクリュー63の外形部分とは、搬送スクリュー63の径方向外側の外縁形状を形作っている部分をいう。
【0053】
係合部87の外径は、スクリュー羽根83の外径と同一に設定されている。係合部87の外径をスクリュー羽根83の外径と同一に設定すれば、搬送スクリュー63を一体構造で構成する場合に、搬送スクリュー63の加工が容易になる。また、係合部87の外径は、第2搬送容器75のスクリュー支持部79の内径よりも僅かに小さく設定されている。これにより、係合部87はスクリュー支持部79に回転自在に係合されている。係合部87とスクリュー支持部79とは、キャリア排出口77よりもキャリア搬送方向Eの下流側で係合している。この係合部分において、スクリュー支持部79を円筒状に形成すれば、搬送スクリュー63の係合部87が全周にわたってスクリュー支持部79により囲まれた状態で保持される。このため、搬送スクリュー63の一端部をスクリュー支持部79によって安定的に保持することができる。
【0054】
図6に示すように、第2搬送容器75の内部では、スクリュー羽根83の最外周部と第2搬送容器75の底面との間に隙間G1が形成されている。この隙間G1は、上述した第2搬送容器75の肉厚寸法t1,t2の差によって形成されるものである。また、第2搬送容器75の内部で、かつ、搬送路71(71b)の終端部においては、搬送スクリュー63の係合部87とこれに対向する第2搬送容器75の終端面89との間に隙間G2が形成されている。この隙間G2の存在により、隙間G2が存在しない場合に比べて、搬送スクリュー63を回転させるときの抵抗を減らすことができる。なお、第2搬送容器75の終端面89とは、搬送路71の終端部でキャリア搬送方向Eの上流側を向いて配置される面をいう。
【0055】
上記構成からなるキャリア搬送部55において、搬送容器61内に配置された搬送スクリュー63が所定の方向に回転すると、搬送容器61に収容されているキャリア(図示せず)が搬送スクリュー63の回転にしたがってキャリア搬送方向Eに搬送される。その際、キャリアは、第1搬送容器73の搬送路71aを移動した後、連結部分67aを通して第2搬送容器75の搬送路71bへと送り込まれる。
【0056】
第2搬送容器75の搬送路71bに送り込まれたキャリアは、搬送スクリュー63の回転にしたがって更に下流側(奥側R)へと搬送され、キャリア排出口77に達する。キャリア排出口77に達したキャリアは、自重でキャリア排出口77から落下する。キャリア排出口77から落下したキャリアは、図示はしないが、第2搬送容器75に接続される廃トナー搬送部により、廃トナーと共に所定の収容容器へと送り込まれる。
【0057】
このようなキャリアの搬送において、搬送スクリュー63は、スクリュー軸81の手前側Fの端部81aを軸受85によって支持され、かつ、スクリュー軸81の奥側Rの端部81bを第2搬送容器75のスクリュー支持部79によって支持された状態で回転する。その際、スクリュー支持部79には、搬送スクリュー63の一端部に設けられた係合部87が回転自在に係合しているため、係合部87の外周面とスクリュー支持部79の内周面との摺動により、軸受を用いなくても、搬送スクリュー63を安定して保持することができる。これにより、搬送スクリュー63の軸ぶれを抑えつつ、搬送スクリュー63を円滑に回転させることができる。また、スクリュー軸81の両端部を軸受によって支持しなくても、両持ち式の支持構造に近い状態で、搬送スクリュー63を支持することができる。このため、キャリア回収装置39の駆動中に何らかの理由でキャリア搬送部55に振動や衝撃が加わった場合でも、搬送スクリュー63の上下方向への変位が抑制される。したがって、搬送スクリュー63の共振を抑制することができる。
【0058】
また、第2搬送容器75内においては、キャリア排出口77よりもキャリア搬送方向Eの下流側にスクリュー支持部79が形成され、このスクリュー支持部79に係合部87が係合されている。そして、第2搬送容器75においては、スクリュー羽根83の最外周部と第2搬送容器75の底面との間に適度な隙間G1が形成されている。また、第1搬送容器73においても、スクリュー羽根83の最外周部と第1搬送容器73の底面との間に上記同様の隙間G1が形成されている。つまり、キャリア排出口77よりもキャリア搬送方向Eの上流側では、キャリアが搬送される搬送路71の全域にわたって、搬送スクリュー63の最外周部と搬送容器61の底面との間に一様な隙間G1が形成されている。このため、搬送路71の途中に、キャリアの搬送を妨げるような狭小部、すなわち極端に隙間の狭い部分が存在しない。したがって、キャリアの搬送性能を低下させることなく、搬送スクリュー63の共振を抑制することができる。
【0059】
また、上述したキャリア回収装置39を備える画像形成ユニット26を搭載した画像形成装置1においては、搬送スクリュー63の共振による異音の発生を抑えることができる。このため、画像形成装置1の静音性を高めることができる。
【0060】
(第1変形例)
図7は、本発明の実施形態に係るキャリア回収装置の第1変形例を説明する図である。
図7においては、搬送スクリュー63の係合部87と第2搬送容器75のスクリュー支持部79とを、スクリュー軸81の中心軸方向から見た状態を示している。また、
図7ではスクリュー支持部79を断面で表している。
図7に示すように、スクリュー支持部79は、複数の回転案内部79aによって構成されている。複数の回転案内部79aは、円盤状の係合部87を回転自在に案内する部分である。複数の回転案内部79aは、係合部87を囲むように同一円周上に配置されている。また、複数の回転案内部79aは、スクリュー軸81の回転中心を中心として放射状に並んで配置されている。
【0061】
上述のように複数の回転案内部79aによってスクリュー支持部79を構成した場合でも、係合部87の外周面と各々の回転案内部79aの内周面との摺動により、搬送スクリュー63を安定して保持することができる。このため、先述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
(第2変形例)
図8は、本発明の実施形態に係るキャリア回収装置の第2変形例を説明する図である。この第2変形例は、上述した円盤状の係合部87に代えて、スクリュー羽根83の一部83aを係合部として利用するものである。以下、係合部を構成するスクリュー羽根83の一部83aを、係合羽根83aともいう。係合羽根83aは、キャリアの搬送には寄与せず、専ら係合部として機能する。
【0063】
第2搬送容器75は、係合羽根83aを係合部として利用するために、スクリュー支持部79の支持幅Wが広く確保されている。具体的には、スクリュー支持部79の支持幅Wは、スクリュー羽根83の1ピッチp分の長さ以上に設定されている。スクリュー支持部79の支持幅Wは、係合羽根83aを支持するために確保される幅であって、キャリア排出口77の端縁77aから終端面89までのスクリュー支持部79の奥行き寸法に相当する。
【0064】
一方、係合羽根83aは、上述したようにスクリュー羽根83の一部であって、第2搬送容器75の内部でスクリュー支持部79に回転自在に係合する部分である。第2搬送容器75のスクリュー支持部79にスクリュー羽根83の係合羽根83aを係合させる場合、スクリュー支持部79の支持幅Wをスクリュー羽根83の1ピッチp分の長さ以上に設定すれば、係合羽根83aを係合部として利用する場合に、スクリュー軸81の軸周りの全周にわたって係合羽根83aをスクリュー支持部79によって支持することができる。このため、搬送スクリュー63の一端部に円盤状の係合部87を形成しなくても、係合羽根83aの外周面とスクリュー支持部79の内周面との摺動により、搬送スクリュー63を安定して保持することができる。
【0065】
<変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
【0066】
たとえば、上記実施形態においては、回収の対象となる現像剤をキャリアとし、現像剤回収装置としてキャリア回収装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、回収の対象をトナーとするトナー回収装置にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
31…感光体ドラム(像担持体)、39…キャリア回収装置(現像剤回収装置)、61…搬送容器、63…搬送スクリュー、81…スクリュー軸、83…スクリュー羽根、71,71a,71b…搬送路、73…第1搬送容器、75…第2搬送容器、77…キャリア排出口(現像剤排出口)、79…スクリュー支持部、79a…回転案内部、87…係合部、89…終端面、G1,G2…隙間、E…キャリア搬送方向(現像剤搬送方向)、p…ピッチ、W…支持幅